【SS】あなた「歩夢ちゃんからもらったクソゲーをやってみよう！Part2【ラブライブ！虹ヶ咲】

前作

あなた「歩夢ちゃんからもらったクソゲーをやってみよう！」

あなた「それじゃあ歩夢ちゃん、また明日ね」

歩夢「あっ、ちょっと待って……」ｶﾞｻｺﾞｿ

歩夢「あったあった。はい、これ」

『デジモンワールド2』

あなた「これは……ゲーム……？」

歩夢「うん。この間言ってたのを持ってきたんだ。よかったらやってみてね」

あなた（初代じゃなくていきなり2を持って来るあたり、実にあやしいなあ……）

あなた「このディスク、もしかして……」

歩夢「うん。これは2000年に発売されたPlayStationのソフトだよ」

あなた「2000年っていうと、前回の邪神復活と同じ年に出たんだね」

あなた（また20年以上前のゲーム、歩夢ちゃんはどうやって発掘して来るんだろう？）

歩夢「デジモンはたまごっちみたいな携帯ゲームから少しずつ人気になっていって、1999年にアニメ『デジモンアドベンチャー』が放送されてから一大ブームになったシリーズだね」

歩夢「アドベンチャーの続編の『デジモンアドベンチャー02』が放送されたのは翌年の2000年のことで、このデジモンワールド2は、02が絶賛放送中でブームの真っ只中に発売されたソフトなの」

歩夢「ゲームのパッケージにはその02の主役デジモンであるブイモンの姿も確認できるから、スタッフの力の入れようが伝わって来るね」

あなた「……まるで見てきたかのように語るね」

歩夢「えへへ……」

あなた（まぁこの辺は歩夢ちゃんだし飲み込むとして、アニメ放送中に発売されたゲーム）

あなた（ゲームの開発には時間がかかるから、アニメの内容がそっくり反映できるとは思えないし、ブームの中でどうにか売り出したいという背景から考えるとこの作品もおそらく────）

あなた「────まぁいいや、歩夢ちゃんがせっかく持ってきてくれたし、とりあえずやってみるよ」

歩夢「ありがとう♡今度感想聞かせてね」

あなた「うん、わかったよ。それじゃあね」

あなた「さて、とりあえずやってみようか」

あなた「……プレステの起動画面ってどこか恐怖感があるのってなんでなんだろう？背景が真っ黒だからかなあ」

あなた「さて、初回だしオープニングムービー見てみようかな」

あなた「へえ！思いの外クオリティが高いなあ！パッケージ裏から読み取れる3対3のデジモンバトルが迫力ある映像で再現されていて面白そう！」

あなた「実際のバトルがここまでとは流石に思わないけど、これなら私の心配ももしかしたら杞憂ですむのかな？」

あなた「さて、ムービーも終わったし早速本編もやっていこう」

…………

……

…

あなた「やっぱりクソゲーじゃないかあ！！！」

──数日後──

あなた「全く！オープニング以降からすぐに化けの皮が剥がれるクソゲーだったよ！もう、歩夢ちゃんめ！」

歩夢「そう言いながら一通りプレイしてくれるんだからあなたって優しいね」

あなた「まぁプレイしないで批判するのはマナー違反だからね」

歩夢「それで、よかったら感想聞かせてほしいな」

あなた「そうだね……まずはデジモンワールド2、面倒だからデジワー2って略すけど、このゲームの1番の問題点は圧倒的なテンポの悪さだね」

あなた「本編データの読み込みに多少時間がかかるのはまあしょうがないとして、それ以降の町の施設の出入りや場面転換、ダンジョンのバトル突入から技のモーション待ちまで、とにかく小さい暗転や読み込みがすごく多い」

あなた「特にバトルは、敵とエンカしてから10秒くらい入力できない時間があって、そこから技の選択をするんだけど、序盤以外は大体3対3だから、技入力後の空き時間がすごい長い」

あなた「技モーションが出るまで3秒くらい間が開くし、技をくらった敵が吹き飛んでからもたもた起き上がるまでにまた数秒かかる。これがずっと続くから正直かなりダレる」

あなた「それから主人公の動きはデフォルトは歩きで、ボタンを押すと走れるようになるんだけどオートで進行するイベント中はずっと歩くし、NPCは全て歩くもんだからイベント中もかなりモッサリしてるんだ」

あなた「前回の邪神復活は歩きだとフィールドでのエンカ率が下がるから歩けることにも意味はあったよね」

あなた「だけどデジワー2はダンジョンに潜入するときは『デジビートル』ってメカに乗るから主人公が歩くのは町中だけなんだ。だから歩けることのメリットが全然ないんだよね……」

あなた「この町中やバトルの時に細かなロードが挟まることが、他の要素と複雑に絡み合うことで、ものすごいテンポの悪さを引き起こすんだよ」

あなた「その大きな要因のシステムがアイテムのてんそうだね」

あなた「このゲームでは……というか大概のゲームには戦闘やダンジョンを有利に進めるためのアイテムってのがあるんだけど、デジワー2は特にこのアイテムを買わないといけない場面が多いんだ」

あなた「ダンジョン内は特定のアイテムを使わないと先に進めない罠やブロックがあって、それを破壊するためのアイテムや、デジビートルが進むたびに消耗するスタミナを回復するアイテムなんかは攻略に必須事項なんだよね」

あなた「で、デジワー2でアイテムを購入すると、まずサーバーってところに送られる。そしてそれを手持ちに加えるためにサーバーからアイテムを『てんそう』するっていうシステムなんだ」

あなた「サーバーにアクセスできるのは町中だけで、ダンジョンに潜入してしまったら当然引き出しができない。だからダンジョン攻略のために買ったアイテムをうっかりてんそうし忘れると、その出撃が無駄足になっちゃう」

歩夢「慣れないうちはてんそう忘れで何回も町に戻ったりするよね」

あなた「そして町に戻った時、ダンジョンに潜入しようがすぐとんぼ返りしようが、デジビートルのメンテナンスのためにゲートの受付を必ず通らないといけないんだ」

あなた「そこで毎回挿入されるイベントはスキップできないうえ、さっき言ったように主人公はたらたら歩くからある程度の時間がかかる」

あなた「そして施設の出入りの度に小さな暗転が挟まるから、なおのことテンポの悪さに磨きがかかるんだよね」

あなた「出撃→たらたらイベント→暗転→フィールド→ダンジョン選択→暗転→やっぱり町に戻る→暗転→たらたらイベント→暗転→サーバーにアクセス、これがいかに虚無の時間だったか……」

あなた「そもそも欲しいからアイテム買ったのにいきなり倉庫行きってシステムがあまりにも変なんだよ」

あなた「普通そのまま所持袋に入れて、そこがいっぱいだったら倉庫にてんそうされるっていう流れが一般的だろうに、何故そこを逆にしてしまったんだろうって思うよ」

あなた「もう一つ、アイテムのてんそうと並んでデジワー2のテンポを著しく悪くしている要因が育成システムそのものなんだ」

歩夢「あはは、かなりマゾ仕様だよね」

あなた「ポケモンとかやってると出てこない仕様だけど、デジワー2にはレベルアップ上限があって、上限にあたるといくら戦闘しても当然レベルが上がらなくなる」

あなた「このレベルキャップ、バランスを調整するために実施してるゲームもあるにはあるけど、大抵60とか80くらいまではあげられるものが多いみたいなんだ」

あなた「ところがデジワー2の場合はまさにレベルが違って、最初の上限がなんと13レベル！」

あなた「序盤は敵が弱いとはいえ2体以上同時に出てくることもままあるのに、あまりにも早すぎる上限にビックリだよ」

あなた「この上限を突破するには、町中の施設である行為をする必要があるんだけど、突破して上がるのは僅かに2、つまり次の上限は15ってあまりにも早すぎでしょ！」

あなた「つまりレベル上限を迎えたら、一旦フィールドを出て町にある施設を使わないといけないんだけど、これまたあのたらたら歩きイベントや暗転を複数挟むことになる」

あなた「おまけにダンジョンは一度出れば当然最初からやり直しだから、ますます進行度合いが遅くなっちゃうんだよ」

歩夢「ちなみに中盤以降はレベルの上がり幅も大きくなるんだけど、それでも5とか6くらいしか上限が上がらないかな」

あなた「うっひゃ～、とんでもないね……レベル99とかいつになったら到達するかわからないや」

歩夢「ゲーム難易度的に50前後あれば大丈夫だから、そこがまだ救いかな」

あなた「うーん、ポケモンならまだしもデジワー2で50って、あんまり救われてないような……」

あなた「で、その肝心の施設でやる上限解放の方法を『ジョグレス』っていうんだけど、これがまたまたとんでもない仕様で……」

あなた「まずその施設内で出来ることが、『進化』と『ジョグレス』があるんだけど、まずは『進化』の方から説明するね」

歩夢（私は知ってるけど、誰に説明するんだろう？）

あなた「まずデジワー2には『成長期』『成熟期』『完全体』『究極体』っていう4種類の世代があって、成長期から成熟期に、成熟期から完全体に、といった具合に進化していくんだ」

あなた「どのデジモンも、11レベル、21レベル、31レベルで1つ上の世代に進化することができるんだ」

あなた「進化すればステータスも高くなるし、進化した状態でレベルが上がると今までより強い技を覚えたりするから積極的に進化したいんだよね」

あなた「ところが今言ったように、何故か進化は町の中の施設でしか行えない。つまり、バトルを有利に進めるために必要な進化は、一度ダンジョンをやり直す必要があるという狂気の仕様になってる」

あなた「じゃあダンジョンだけクリアして次のダンジョンから進化した状態にすれば、という考えにもなるんだけど、今度はレベル上限が邪魔をする」

歩夢「新しい技を覚えるのは、進化した状態でレベルアップすることが条件だもんね」

あなた「そうなんだよ！そのせいで、レベル11になっても一度ダンジョンを出ずにそのままクリアしたとして、ボスを倒してレベルが13になってしまえば、進化はできても技は覚えられくなっちゃうんだ」

あなた「戦力がほしいダンジョン内で進化できないってのも、デジワー2のテンポを悪くしている要因だね」

あなた「それを踏まえたうえでジョグレスの話。ジョグレスっていうのは簡単に言うとフュージョンのことで、デジモン2体が合体して強くなるシステムのことなんだ」

あなた「アニメでも、ウォーグレイモンとメタルガルルモンがジョグレス進化してオメガモンになったり、エクスブイモンとスティングモンがジョグレス進化してパイルドラモンになったりするのが有名だよね」

歩夢「合体を表す『ジョイント』と、進化を表す『プログレス』の造語らしいね」

あなた「そうだね。つまりジョグレスってのは、進化のパターンの1つってことだよね」

あなた「そんなこんなで、デジワー2でもジョグレスができるんだけど、今言ったように合体な訳だから、デジモンが2体必要になる」

あなた「これには条件があって、世代が成熟期以上のデジモンが2体いる必要があるんだ」

あなた「序盤はダンジョン内に成熟期のデジモンは出てこないから、成長期のデジモンを捕まえて進化させないとジョグレスでレベル上限解放できない仕様になってる」

あなた「それでやっとこさ条件を整えてジョグレスをしてみると……何で退化しちゃうのさ！」

あなた「合体進化だよ？オメガモンやパイルドラモンになるのはデジモンの1つの花形だよ？なんでむしろ世代が下がっちゃうのさ！」

歩夢「でも、そのおかげでまた育成が楽しめるんだよ？」

あなた「いや普通はそんなポジティブにとらえられないからね？」

あなた「ジョグレスすると退化して、それだけならまだしもなぜかレベルが1に戻るんだ」

あなた「つまり上限解放の度に育成をやり直すハメになるから、強くなるための道があまりにも遠すぎるんだよね」

歩夢「厳密に言えば、その世代の最低レベルになるって感じだよ。完全体同士をジョグレスすればレベル11の成熟期になるし、究極体同士ならレベル21の完全体になるんだ」

あなた「それなら多少はマシか、いやマシなのかな……？」

あなた「それと、ジョグレスすると親の技を引き継ぐことができるんだけど、デジモンは同じ世代の技しか覚えられないから、レベル1の状態で成熟期の強い技を使うこともできず、あまり強さを実感できない」

あなた「おまけに戦闘でどれだけ経験値を得たとしても、一度の戦闘につきレベルは1しかあがらないから、最低でも10戦はしないと進化できないんだ」

あなた「バトルのテンポの悪さや施設の出入りのロードの長さなんかが複雑に絡み合うことで、デジワー2の育成はめちゃくちゃシンドいって印象が強く残っちゃうんだよね」

あなた「ちなみに自分のデジモンがどんなデジモンに進化するか、ジョグレスすると退化してどんなデジモンになるか、これはゲーム中にヒントはないんだ」

あなた「進化する施設に行けば、何に進化するか、ジョグレスすると何ができるかは教えてくれるけど、法則性もあんまり見つけられなくて目当てのデジモンを作るには苦労するんだ」

あなた「いろんなデジモンが出てくるし、覚える技はデジモンごとに固定されているから『あのデジモンを育てたい』『あの技を覚えさせたい』と思っても不便なんだよね」

歩夢「進化ルートやジョグレスグループについては、私も外部サイトのお世話になったよ」

歩夢「ちなみにジョグレスについて補足すると、レベル上限があがるための式があってね────」

（ジョグレス元のデジモンのレベル）+（ジョグレスに使うデジモンのレベル÷5｛切り捨て｝）

歩夢「────だよ。序盤のうちに上限が2しか上がらないのは、序盤のデジモンのレベルが13までしか上がらないからだね」

歩夢「つまりこのゲームをやり込めば、どんどんレベルの上限が上がっていくから達成感があるんだよ」

あなた「デジワー2のテンポでそこまでやり込めるのは歩夢ちゃんくらいじゃないかな……」

あなた「デジワー2のテンポの悪さを助長する要素の1つに、ダンジョンそのものも関わってくるね」

あなた「ダンジョンには『プロキシ・ホール』とか『シリアル・ホール』みたいにコンピュータ関係の用語が使われているんだ」

あなた「デジモンって世界観を出したかったのはわかるけど、前半は全部カタカナだし後半は全てホールだから覚えづらくてしょうがない」

あなた「じゃあ位置で覚えればいいかというと、それもなかなか大変で、ダンジョンを選択するフィールドマップは砂漠とか海辺みたいなわかりやすいシンボルは見当たらない」

あなた「そんな感じだから特定のデジモンを捕獲するためにダンジョンに行きたいけど、あのデジモンが出るのってプロシキ？シリアル？パケット？ってなるんだ」

あなた「調べればいいんだけどその手間を惜しんでうろ覚えで突入して間違ったダンジョンに入って、泣く泣く帰還したあげく例のだらだらイベントを見ることになるからダルくてたまらない」

歩夢「おまけにダンジョンは中盤で登場デジモンが刷新されるからますますわからなくなるよ」ﾆｯｺﾘ

あなた「それで楽しそうにできるのってある種の才能だよね……」

あなた「テンポ以外の要素に目を向けても、やっばりおかしな要素がいくつもあるんだ。そのうちの1つが初期デジモンのセレクトだね」

あなた「まず主人公は試験という名のチュートリアルをこなした後、所属するチームを選ぶんだ」

あなた「デジモンには『ワクチン種』『データ種』『ウィルス種』の3タイプがあって、三竦みになってるみたいなんだ。多少ダメージ量が変わる程度だけどね」

あなた「チームもそのタイプによって分かれていて、所属すると、そのタイプのデジモンを初期キャラクターとしてもらえるんだ」

あなた「ワクチン種の担当がアニメでお馴染みのアグモンなのは納得できるし、データ種の担当がパタモンなのも、いやガブモンだろとは思うけどまあアニメにも出てるからわかる」

あなた「けどウィルス種担当がピコデビモンなのは謎じゃない？携帯ゲームの頃から出ていて割とメジャーなベタモンやガジモンの方が妥当だと思うんだけどなあ」

歩夢「アニメに出ていたデビモンに進化するからじゃないかな？」

あなた「いやあ、きっとそうなんだろうけどなんか釈然としなくてさ」

歩夢「まぁ最初にもらえるピコデビモンはデビモンに進化しないけどね」

あなた「ほんと！？それどうなの……？」

歩夢「おまけにパタモンもエンジェモンじゃなくてイガモンになるよ」

あなた「それは知ってる。私パタモン選んでビックリしたから。進化先がいくつもあるのがデジモンなのはわかるけどそこくらい素直なルートにしてほしかったよ」

歩夢「それぞれジョグレスポイントっていって、ジョグレスを繰り返すごとに1増えるポイントを貯めないといけないよ。パタモンがエンジェモンになるには、確か8くらいポイントが必要だったかな」

あなた「8回もジョグレス！？気が遠くなるよ」

歩夢「そのぶんたくさん育成できるね♡」

あなた「だからなんでそんな楽しそうなの……」

あなた「そんなこんなでデジモンを手に入れると、ニックネームをつけることができるんだ。デジモンは元々名前が長いから、10文字くらいのニックネームがつけられるね」

歩夢「これだけあれば競走馬の名前をつけることもできるね」

あなた（その必要ある……？）

あなた「えっと、ただここにもおかしな問題点があって、なんとデフォルトネームが存在しないんだ」

あなた「どういうことかというと、パタモンをもらってそのままパタモンって名前をつけると、イガモンに進化しても名前はパタモンのままなんだ」

あなた「仮に先読みしてイガモンってニックネームをつけても、進化するまでイガモンって名前のパタモンになるわけで……」

あなた「進化ルートがゲーム内でわからないから、下手したらエンジェモンって名前のイガモンが誕生することもあるだろうし、そうなると悲惨具合が大変なことになるね」

あなた「ポケモンでいう姓名判断氏なんていないから、このチグハグ感はデジワー2内でずっと解消できないままなんだよね」

あなた「そんな感じの最初のパートナーデジモンなんだけど、所属チームの基地の中で何度か話すことはできるけど、すぐ進化しちゃうから序盤しか会話できないんだ」

あなた「せっかく会話できるんだから、ポケダンみたいにことあるごとにイベントで会話できたりすればいいのに、そういうのは序盤以降見られないから残念なんだ」

あなた「となれば相棒ポジにあたるのはデジビートルなのかな？と思ったんだ」

あなた「オープニングムービーでは意思がありそうな感じがしたし、作中ではダンジョン攻略の必需品としての立ち位置で、名前をつける場面もある」

あなた「なのにいざ出撃してダンジョンに行ってみれば喋らないし、そもそも主人公はダンジョン内だとデジビートルの中で運転してる設定だから画面で共演しないんだよね」

あなた「それからこのデジビートル、色んなパーツがあって徐々に強化できるし、カスタマイズができるんだけど、ビジュアルは変わらないからあんまり楽しくないんだ」

歩夢「ゲーム中盤のパワーアップイベントでちょっと変わるけど、パーツごとに変わるわけじゃないんだよね」

あなた「それに、色々パーツはあるけど単に性能の高いか低いかの違いでしかなくて、耐久力が低い代わりに速いとか、耐性がない代わりにスタミナが多いとか、そういう個性もないからね」

あなた「楽しそうな要素ではあるものの、楽しくなりそうな部分が〇されちゃっててもったいないなあって思うんだよね」

あなた「それからゲームの根幹であるバトルなんだけど、ここにもなーんか釈然としない部分があるね」

あなた「バトルフィールドやエフェクトのショボさについてはまぁプレステ初期だししょうがないとして、気になるのはボイスだよね」

あなた「アニメでもそうなように、デジモンって喋るんだよ。だから技を放つ時に技名を叫ぶことに関して異議ないし、アニメと揃えられないのも予算なんかの関係でできないのは全然許容範囲だよ」

あなた「だけどどういうわけかデジワー2はキャラごとじゃなくて技ごとにボイスが設定されてるんだからおかしいんだよねえ」

あなた「メタルグレイモンとか、デビモンみたいなビジュアルだったとしても、出てくるボイスは技準拠だから女性ボイスだったりして、やっぱり変なちぐはぐ感が拭えないんだ」

あなた「まぁジョグレスによってどのデジモンも色んな技を覚えられるようになるからって理由なんだろうけど、どのみち担当声優が3人くらいしかいないからキャラごとでもよかったんじゃないかな？」

歩夢「クレジットにも出てこないから担当したのはスタッフさんじゃないかって噂があるの」

歩夢「それからモーションについても違和感があって、有名なのが『ブイモンヘッド』だね」

歩夢「02の主人公格のブイモンの必〇技で、名前の通り頭突き技なんだけど、デジワー2だとパンチするよ。ボイスと相まって違和感がすごいんだ」

あなた「うーん意味不明だね……」

あなた「ブイモンといえば、パッケージにもいるくらいだからキーキャラかイベントで出てくるのかと思ったけど序盤にいなかったね。中盤以降で出てくるのかな？」

歩夢「うーん……ブイモンはダンジョンでは姿を見せないレアデジモンなんだ」

あなた「……ん？」

歩夢「ブイモンはね、特定のデジモンとのジョグレスでしか誕生しないレアデジモンで、その作り方はやっぱり外部サイトを頼るしかないよ」

あなた「ええ……デジモンワールド2ってタイトルで、02の主役であるブイモンがパッケージにもオープニングムービーにも出てくるのにその扱いなの？ある意味おいしいといえばおいしいけど……」

歩夢「ちなみに出てくる02の主要キャラは、ブイモンとその進化形態のフレイドラモン、ライドラモン、インペリアルドラモンくらいかな」

あなた「そうなんだ……ワームモンもアルマジモンも、そのアーマー体も軒並みでてこないなんて残念だよ」

歩夢「アニメ放送中で時間がなかったんだろうし、この辺は仕方ないとは思うよ」

あなた「うーんそれはそうなんだけどさ、せめてワームモンとマグナモンはほしかったなぁ……インプモンがいないテイマーズレベルの暴挙だと思うけど……」

歩夢「そんなにデジモンに思い入れある女子高生なんて、珍しいね」

あなた（クソゲーマニアの歩夢ちゃんには言われたくないよ……）

あなた「そんなこんなで、バトルやデジモン周り、デジビートル周辺に色々な違和感や不便を与えつつ」

あなた「絶望的なテンポの悪さが絡み合うことでめちゃめちゃダレるクソゲーと化したわけだよ」

あなた「相変わらずこんなクソゲー勧めてくるなんて、歩夢ちゃんってば！」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

歩夢「ごめんね、テンポの悪さはさておき色んなデジモンを使える自由度なんかはあなた好みだと思ったんだけど……」

あなた「……」

歩夢「……？」

あなた「……いや、歩夢ちゃんほどハマれるかはさておき、結構嫌いじゃないゲームだよ」

歩夢「本当！？」

あなた「うん、まぁ色々言ったけど、多少のロードや不便さによるテンポが最大のクソゲーの要因であって、キャラゲーとしてはポリゴンレベルも高いし自由度もある」

あなた「何よりジョグレスでどこまでも強化できるから最初の仲間やパートナーを解雇しなくて済むのは他のRPGにはない利点だと思うよ。姿は変わっちゃうけど技は残るしね」

あなた「ストーリーはそこまで濃厚じゃないけど色んな要素やキャラクターが出てきて盛り上がりもある」

あなた「バトルも超序盤以外は徐々に仲間にできるデジモンも増えて楽になるし、割と最初のダンジョンで完全体が仲間にできることもあって苦痛さはあんまりないよ」

あなた「バトルもある程度オートで進むから、3体の技コマンドを入力した後はスクスタの合宿をしたりスキチケでイベントをこなしたりする時間の使い方もできるからね」

あなた「クソゲーだけど、ハマる人がいるのもわかる気がするよ」

あなた「とはいえ個人的に1番気になるのは図鑑がないことかなあ」

あなた「デジワー2には人気のデジモンからちょっとマイナーなデジモンも出てくるのに、図鑑がないから全部揃えてやろう！っていう気力がわいてこないんだよね」

あなた「ジョグレスを繰り返して色々使えるっていう点は評価できるんだけど、だからこそコンプリートを目指せるようなシステムが欲しかったなあ」

歩夢「デジモンはポケモンと時期的に比べられがちなところがあったみたいだから、そういうところで差別化を図ったのかもしれないね」

あなた「そういうのはどんどんパクっていいとは思うんだけどね。そのせいでゲームの面白みの1つが潰れちゃったわけだし」

あなた「図鑑さえあれば、そこに進化ルートやジョグレスのグループを表示することもできただろうに……こうなってくると開発に時間がなかったんじゃないかって邪推しちゃうよ」

歩夢「正直それもあったんじゃないかなあ。あのね、デジモンワールドの初代の方はすごく人気のゲームなんだ」

あなた「そうなんだ！？もう歩夢ちゃん、そうと知っているなら、そっちの方を勧めて欲しかったよ」

歩夢「ごめんね、やる前から面白いのがわかってるからやったことなくて……」

あなた（うーんさすが筋金入りのクソゲーマーだよ。逆に言えば歩夢ちゃんから借りるゲームは全部クソゲーだと思った方がいいんだろうね）

歩夢「ともかく、すごい人気だったデジモンワールドのナンバリング作品の続編としてかなり期待されていた分、デジワー2への失望は大きかったみたいだよ」

歩夢「ネット上でも熱心な批判レビューを書いている人もいるみたいで、ブーム直撃世代には大打撃だったみたいだよ」

あなた「そうなんだ。人によっては黒歴史扱いする人もいるのかもしれないね」

あなた「私個人としては、面白そうな部分やある種の達成感が味わえるのはわかるけど、やっぱりテンポが最悪だからやりこむまではいかないかなあ」

あなた「だからこれは歩夢ちゃんに返すよ」

歩夢「そっか……でも次は絶対あなたが気にいるゲームを持ってくるよ！『デュエル・マスターズ2』っていうんだけど────」


おわり

これでどれだけデジワー2のクソさと魅力が伝わったかはわからないけど
テンポの悪さにさえ目をつむれれば割と良ゲーだと個人的には思います
ただ前作をやったことがないゆえの感想かもしれませんが

もっと詳しいレビューを載せている人もいるので気になる方はどうぞ
テンションは臭いけど結構おもしろおかしなレビューなので