ウィーン・マルガレーテーSS

かのん「たこ焼き買いに来たのかな？ マルガレーテちゃんもたこ焼きとか買うんだ、意外」ｸｽｸｽ かのん「声は聞こえないけどちょっと見てみようっと」 千砂都「──」ﾆｺﾆｺ ウィーン「！」ﾌﾟｲｯ 千砂都「──」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ ウィーン「──！」 千砂都「──」ｽｯ ウィーン「……」ﾊﾟｸｯ 千砂都「──」ﾆｺｯ かのん「……は？」

ウィーン「折角たこ焼きを買いに来たのに……」ｺｿｺｿ 千砂都「何してるの？」 ウィーン「！？」ﾋﾞｸｯ ウィーン「急に後ろから話しかけないで！」 千砂都「ごめんね、そんなにびっくりすると思わなくて」ｴﾍﾍ 千砂都「それで、何してるの？」 ウィーン「た、たこ焼きを買いに来たのにあなたがいないからでしょ！？」 ウィーン「なんでここにいるのよ！」 千砂都「今日バイト休みだし、走ってたらマルちゃんがいたから」 ウィーン「バイト……？」

千砂都「えー、なんで？」 ウィーン「私の方こそ「なんで？」よ。なんでピザって10回言わなきゃいけないの？」 千砂都「そういうクイズだから」 ウィーン「クイズなんてバカバカしい」 千砂都「1回だけ！ いいでしょ？」 ウィーン「嫌ったら嫌！」 千砂都「お、すみれちゃんの真似？」 ウィーン「してない！」 千砂都「あ、そうだ。もし正解したら今度のバイトの日にたこ焼きサービスしちゃう！」 ウィーン「ち、ちぃのたこ焼き……？」 千砂都「焼きたてマンマルのやつ！」 ウィーン「焼き立て……まんまる……」ｺﾞｸﾘ ウィーン「し、仕方ないわね、1回だけよ？」 千砂都「やった！」

千砂都「えー、なんで？ かわいいじゃん、マルーって感じで」ﾏﾙ ウィーン「あなたが丸が好きなだけでしょ？」 千砂都「えへへ、バレた？」 ウィーン「……はあ」 千砂都「マルガレーテちゃんは丸は嫌い？」 ウィーン「……別に。嫌いではない。好きでもないけど」 千砂都「そっかー」 ウィーン「……」 　

ウィーン（隣に座ったんだから何か話さないとよね…） メイ（隣に座ったんだから何か話さないとだよな…） ウィーン「…」 メイ「…」 ウィーン（…Liella!　赤髪…）ｽﾏｽﾏ メイ（スマホを操作し始めた！ 話す気はないってか…？ まぁこんな場所だしな…） ウィーン「米女メイ」ﾎﾟﾝ メイ「！？」 メイ（話しかけてくるのかよ！）

ﾁｭﾝﾁｭﾝﾁｭﾝｯ ウィーン「んーーーっ、いい朝」ﾉﾋﾞｰｯ ウィーン「こんな朝はコーヒーでも飲んで優雅な休日を過ごしたいわね」 ウィーン「そうと決まったらさっそく澁谷かのんのところに……」 ウィーン「いいえ。今日はせっかく1日休みなんだし、他のお店も開拓したいわ」 ウィーン「とりあえず出かけてみて、目についたところに入ろうかしら」 ── ──── ────── ウィーン「ここは……へぇ、なかなか雰囲気のいい喫茶店じゃない」 ウィーン「名前は……コメダ珈琲ね。ふふっ、いかにも日本らしい名前だわ」