【SS】絵里「海未は可愛い後輩」

絵里「はあ…」

海未「絵里、どうされましたか？」

絵里「あら、ごめんね。つい溜息が出ちゃったみたい」

海未「お疲れ気味でしょうか？」
　

絵里「そうね…ちょっと疲れてるのかもしれないわ」

海未「最近練習続きでしたし、あまり無理をされないようにしてくださいね」

絵里「練習疲れもあるんだけど、生徒会とアイドルの両立は大変だって思って」

海未「やはり、そうですよね」

海未「私達に出来る事があればいつでも仰ってください。いつでも力になりますので」

絵里「ありがとう、海未。助かるわ…」
　

海未「それとですね。絵里」

絵里「どうしたの？」

海未「きっと、絵里は肩に力が入り過ぎなんです」

絵里「え？」

海未「だから、力を抜いてリラックスするといいと思いますよ」

絵里「海未にそんな事言われるなんて思わなかったわ」

海未「ことりにいつもそう言われていまして」

絵里「なるほどね」ｸｽｯ
　

絵里「でも、力を抜けって言われても簡単にできないのよね」

海未「ですね」ｸｽｯ

絵里「ホント、困っちゃうわ」

絵里「だから、今日は海未ちゃんに甘えちゃおうかしら」

海未「生徒会の仕事を手伝えばよいのでしょうか？」

絵里「そうじゃなくて、海未で遊ぶ…じゃなかった。海未と遊ぼうと思ってね」
　

海未「今、私で遊ぶって言いませんでした…？」

絵里「あら、気のせいじゃないかしら」ｸｽｸｽ

海未「はあ…全く…」
　

絵里「それにしても、海未と話してると落ち着くわ」

海未「そうですか？」

絵里「なんというか変に気を使わなくてもいいし」

海未「それでしたら、私よりも希やにこの方がいいのでは？」

絵里「いや、今日みたいな時は希に話しにくいのよ」

絵里「希は生徒会に加えて神社のお仕事もやってるわけでしょ？だから私から疲れたなんて言えないじゃない」

海未「…なるほど」
　

海未「それでは、にこの方は？」

絵里「私、にこにスクールアイドルなんだから、アイドルと学業は両立させないとダメって言ってるわけだし」

絵里「生徒会との両立が大変なんて姿を見せられないじゃない」

絵里「きっと、海未が穂乃果の前でしっかりしていないとダメなように、私も、そうしていないとダメなのよ」ｸｽｯ

海未「わ…私はそういうわけでは…」
　

絵里「あら？そうなの？」

海未「いえ…そうかもしれません」

絵里「きっと、こういうところが、肩に力が入ってるって言われるのかもしれないわね」ｸｽｯ

海未「そうですね」ｸｽｯ

絵里「そういう訳だから、海未の方が話しやすいって思ったんだけど」
　

絵里「海未は悩みとかないの？」

海未「私ですか？えっと…」

絵里「やっぱり穂乃果の事でしょ」ｸｽｯ

海未「ま…まあ…そうですね…」
　

海未「スクールアイドルを始めてから寝坊は減るようになりましたが、相変わらず勉強の方はからっきしで…」

海未「満点を取れとは言いませんが、せめて宿題をやってきて、赤点を取らないぐらいの成績にはなって欲しいものです…」

絵里「なるほどね…私にいい考えがあるわ」

海未「本当ですか？」

絵里「ほら、押してダメなら引いてみろっていうじゃない？」

海未「はあ…それが穂乃果の成績とどう関係が？」
　

絵里「いつも厳しい海未ちゃんが、いきなり何も言わなくなったらさすがの穂乃果も心配になるんじゃないかしら」

海未「そういうものでしょうか？ますます何もやらなくなるような気がしますが…」

絵里「毎日怒るよりも、穂乃果が赤点取っても宿題を忘れてもお寝坊しても、笑顔でニコニコしてる方がきっと効果があるわよ」

海未「…笑顔でニコニコですか？」

絵里「例えばなんだけど、海未が稽古中に失敗しても、両親が何も言わないで笑顔だったら心配になるでしょ？」

海未「た…確かに…」

絵里「それと一緒なのよ。だから海未の場合、穂乃果に対する効果は相当あると思うわ」
　

海未「はぁ…」

絵里「あら、どうしたの？」

海未「いえ…そういわれてしまう程、穂乃果の事を怒っていたのかと思いまして」

海未「こういうところが肩に力が入ってると、ことりに言われてしまう原因なのかと思うとつい…」

絵里「なるほどね」
　

絵里「でも、そういう真面目なところが海未のいいところなのよ」

海未「いいところ…ですか」

絵里「だから、あまり気にしないで良いと思うわ」

絵里「それに、海未は穂乃果の事大好きなんだもの。いいじゃない」ｸｽｸｽ

海未「なっ…///」

絵里「だって海未の頭の中は、１に穂乃果２に穂乃果でしょ？」

海未「そ…そういうわけでは…その…」

絵里「え？違うの？」
　

海未「違いますっ！！」

絵里「あら、嘘はいけないわよ」

海未「嘘じゃありませんっ！！」

海未「そういう絵里だって希といつも一緒ではありませんか！」
　

絵里「ええ、そうね。私、希の事好きだもの」

海未「はいっ！？」

絵里「でもね、私…」

海未「ち…近っ…」

絵里「海未の事が…分かるでしょ…？」

海未「な…何を…////」
　

海未「え…絵里…止めてくだ…さ…い///」

海未「それ以上は…いけません…」

絵里「ぷっ」

絵里「あははは！海未ってやっぱりからかいがいがあるわね」

海未「えっ…？」

絵里「さっき言ったでしょ？私、希の事も好きだけど、海未で遊ぶのも好きなのよ」ｸｽｸｽ
　

海未「あっ…」

絵里「顔真っ赤になっててかわいかったわよ。海未♪」

海未「もう知りません！！！」ﾌﾟｲ

絵里「すっかりむくれちゃってかわいいんだから」ﾂﾝﾂﾝ

海未「や…やめてください…」

絵里「仕方ないわね。勘弁してあげるわ」ｸｽｸｽ

海未「はあ…なんなんですかもう…」
　

絵里「まあ、こう考えると私達って似た者同士なのかもしれないわね」

海未「ええ、お互い気苦労が絶えませんね」

絵里「まあ、似た者同士気を使わずに、のんびり行きましょう？」

海未「はい」
　

海未「後は、絵里もその一員である事を自覚して欲しいものですが」ﾎﾞｿｯ

絵里「え？何か言った？」

海未「なんでもありませんよ」

絵里（なーんて、ばっちり聞こえてたんだけど）

絵里（こんな事するのは海未の事を信頼してるからなのよ）

絵里（私が弱みを見せるなんて中々ないんだからね♪）

絵里（単純に海未の生真面目でちょっと照れ屋さんなところがかわいいって事もあるけど）ｸｽｸｽ

絵里（だから、もう少し気苦労かけちゃうつもりなの♪）

絵里（ごめんね。大好きな海未ちゃん♪）


おわり