【SS】希「気がついたら8万が消えてたんよ…頭がおかしくなりそうなんよ」

凜「希ちゃんパ千ンコなんてやるからにゃ～　自業自得だにゃ」

希「そうや…ウチがアホなんや…」

凜「そうだにゃ　アホだにゃ～　アハハハ」

花陽「り凜ちゃん　それ以上言ったら駄目だよ…」
　

希「ふふふ…」

凜「希ちゃん　顔色が黄土色にゃｗ　面白いにゃー」

花陽「凜ちゃん！」

希「…ええんよ　笑ってくれてええんよ…」
　

凛「あははは　笑うにゃ～～！　そりゃ笑うにゃ～～」

凛「希ちゃん　ファミレス行こうよ！」

希「…ウチはもう30円しかないんよ」

凛「さ、さんじゅうえん！　小学生のお小遣いより少ないにゃーー！」
　

花陽「あ、にこちゃん」

にこ「あんたたち何騒いでんのよ」

凛「希ちゃんがパ千ンコで8万すったにゃーー！」

花陽「り、凜ちゃん…」

にこ「は？マジで？」

希「そうや…　マジなんや…　気がついてたら消えてたんよ」
　

にこ「気がついたらってあんたが使ったんでしょ」

にこ「ばっかじゃないの？」

希「ウチは馬鹿や…　でも勝てるとカードに出てたんや…」

にこ「そんなもん当てになるわけ無いじゃない」

希「にこちゃん　お願いがあるんよ」
　

希「３万貸してくれへん？」

にこ「は？」

希「あと３万で勝てるってカードが教えてくれたんや！」

にこ「ふざけるんじゃないわよ」

にこ「カードに出てたのに負けてるじゃないの！」
　

希「にこっちお願いや！それだけあれば勝てるんや！」

にこ「ちょっと離しなさいよ！」

凛「希ちゃんがにこちゃんに引きずられてるにゃ　面白いにゃー」

にこ「３万なんてあるわけないでしょ！」

希「そんなこと言わんと　お願いや！じゃあ2万でもいいんよ」
　

にこ「2万でもじゃないわよ！あるわけないでしょ！」

にこ「あ！わたしの財布！」

希「財布や…カードが導いてくれたんや…」

にこ「なにやってんのよ！！」

花陽「希ちゃん！駄目だよ！」
　

希「ええやんな…　ええんよええんよ」

希「…小銭しかないやん　なんやのこれ」

にこ「うるさい！返せ泥棒！」

希「あかんやん…　こんなんあかんわ…」ﾎﾟｲ

にこ「あー！川に落とした！！」
　

凛「投げたにゃ！川に投げたにゃ－！」

凛「凛興奮してきたにゃー！」

にこ「あんたなにしてくれてんのよ！」ボグ！

希「グフ！」

凛「蹴ったにゃ！腹蹴ったにゃ！」

花陽「ああああ」
　

にこ「ううう…」

凛「にこちゃん泣いてるにゃ　泣いてるにゃ」

にこ「どうしてくれんのよ　晩ご飯作れないじゃないの！」

希「ウチは悪くないんよ…　あの店が悪いんよ」

希「にこっちもウチも悪うない…　悪うないんよ」

にこ「あんたが一番悪いわよ！いや、悪いのはあんただけよ！！」
　

真姫「…あんたたちなんで泣いてんの？」

花陽「あ！真姫ちゃん助けて！！」

真姫「なにがあったのよ？」

凛「希ちゃんがパ千ンコで8万やられたにゃ」

凛「にこちゃんの財布投げたにゃ」
　

真姫「なによそれ、意味分かんない」

にこ「希のアホがパ千ンコで8万負けてわたしの財布盗ったのよ！」

にこ「そんで川に投げたのよーー！」

真姫「にこちゃん大泣きしてるじゃない　希？本当なの？」

希「え？ウチは知らんよ　ウチは悪うないよ？」
　

真姫「花陽、本当なの？」

花陽「う、うん…」

真姫「なんてことすんのよ、にこちゃんに謝りなさい」

希「じゃあ謝ったら3万貸してくれる？真姫ちゃん」

真姫「はぁ？」
　

希「真姫ちゃん金持ちやから10や20持ってるやんな？」

真姫「よく分かんないんだけどお金は貸さないわよ」

希「ええやん…　ええやんなぁ　倍にして返したるよって」

希「にこっちからも頼んだって」

にこ「ククク！」

凛「にこちゃん怒りで言葉になってないにゃ」
　

希「ほらほら　6万もあるやん…」ｺﾞｿｺﾞｿ

真姫「ちょっと！なにやってんの！」

希「ええんよ　ええんよ　カードも貸したってって言うてるんよ」

希「ほら　見てみい　言うてるやろ？貸したってって言うてるやろ」

真姫「死神じゃないそれ！」
　

真姫「こうなったら絵里を呼ぶしかないわね」

希「！」

希「それだけは　それだけは勘弁したって…」

真姫「なんでよ？」

希「エリちはまずいんや…　エリちだけはまずいんや…」
　

真姫「知らないわよそんなの」

にこ「わたしが電話するわ！」

希「にこっち待てや　やめてぇや！」

にこ「うるさい！」

希「あかんよ？それはあかんよ？」

凛「にこちゃんの手に食いついたにゃ！」

にこ「ぎゃ～～！タタタ！」
　

にこ「うわぁああん！」

凛「にこちゃんのスマホが砕けたにゃ」

希「それだけは許さんよ！」

真姫「なんで駄目なのよ！？」

希「あかんのや　駄目なんや」

希「もうウチはエリちから30万借りてるんや！」
　

真姫凜花陽「！！」

希「これがばれたら今度こそエリちに〇されてまう」

にこ「〇されろ！」

真姫「絵里には報告するわよ」

希「やめてぇや…　ウチ謝っとるやん…」

にこ「黙れ！！」
　

にこ「とりあえず投げた財布取ってこい！」

希「もう流れてもうてん…」

にこ「絵里ーーー！絵里ーーー！」

希「や、やめてぇや…　取ってくるよ　取ってくりゃええんやろ…」

にこ「さっさと行ってこい！」

希「行ってくるわ…」
　

凛「逃げるんじゃないかにゃ？」

真姫「逃げたら即報告するわよ～」

希「つ、冷たい！あかんわにこっちウチ死んでまうわ！」ｼﾞｬﾌﾞｼﾞｬﾌﾞ

にこ「うるさい！泳げ！呼ぶぞ！」

希「冷たい冷たい！」

希「なんとか逃げる方法ないやろうか」
　

希「うわ、急に深くなった！」ｶﾞﾎﾞ

希「あかんマジで逝ってまう」

希「うわあ」ｺﾞﾎﾞｺﾞﾎﾞ

10分後

真姫「希が見えない」

花陽「もしかして溺れたんじゃ！？」
　

にこ「どうせ隠れてるんでしょ」

花陽「もう一時間たつよ…」

真姫「ちょっとまずいかなこれ」

凛「降りてみたけどどこにもいないにゃ～」

花陽「警察に知らせた方がいいんじゃ」
　

希「ふぅ、釣り船のおっちゃんに助けてもらえなきゃ死んでたわ…」

希「よしっ！さっき真姫ちゃんから抜いた2万円で勝負してくるか！」

希「1万足らんがしゃーない」

希「カードもやれと言っとるしな」
　

希「ウチなにしてたん？…2万消えてもうたよ…」

ﾌﾗﾌﾗー

ことり「希ちゃん？希ちゃんだよね？」

希「あぁ…　ことりちゃんか…」

ことり「ずぶ濡れだよ？どうしたの？」
　

希「ことりちゃん　1万貸してくれへん？」

ことり「え？」

希「もう1万なんや…　やっぱり1万なんや…」

ことり「今は1万円も持ってないよ…」

希「じゃあ家まで行くから貸してぇな」
　

ことり「なにに使うの？」

希「ウチの人生がかかっとるんや！」

希「ないともう学校にいけへん」

ことり「え…」

ことり「分かった　持ってくるよ」

希「おおきに！ほんまおおきにことりちゃんウチは生き返ったで！」
　

ことり「はい1万円」

希「すぐに返すよってな」

ことり「うん」

希「よっしゃ！再度チャレンジや！」



希「来い！入れ！入れ！」
　

希「…」

希「ふふふ」

希「やったわ」

希「12万勝ったわ！！」
　

しかしこの時希は気づいてなかった　

8万+3万　

結局今日は1万円しか勝ってないのだ

しかも真姫から2万盗み ことりに1万の借金

希「大勝ちやわ！」

希「大好物の焼肉でも食うたろ」
　

希「ふぅー　腹いっぱいや　牛角はまずいけど安いし仕方ないやね」

希「よっしゃ！帰るか」


希「あれ？パトカーとまっとる　なんかあったんか？」

凛「凜見たよ！希ちゃんが川に入っていったにゃ！」

希「ま、まずい　逃げんと」
　

希「はぁ…はぁ…　ひょっとしてウチは川に流された事になってるんか？」

希「まずいやん　パ千ンコしてたのがばれたらウチは〇されてまう」

希「しかも焼肉まで食べて」

希「これはウチが悪いんやない　プロフィールが悪いんや！」

希「なんやの　ことりちゃんはチーズケーキとか可愛いのにウチは好物焼肉て　焼肉て！」

希「パチンカスのおっさんと変わらんやんか！」
　

希「エリちはアカン」

希「真姫ちゃんとにこちゃんは論外」

希「凜ちゃんと穂乃果ちゃんは話にならん」

希「海未ちゃんは怒るやろ」

希「許してくれそうなのはことりちゃんと花陽ちゃんくらいか」
　

希「電話してみるか」

希「いや、周りにまだだれかいるやろな」

希「今日はネットカフェにでも泊まろう」



希「ヤフーニュースの女子生徒川で行方不明てウチの事やんか…」
　

希「まずいわこれ」

希「なんとかせんと」

希「今22時」

希「ウチの能力 サティスファクション は昨日使ったからあと8時間は使えない」

希「それまでばれないようにせんと」
　

希「おはようウチ　9時か」

希「とりあえずことりちゃんに電話を」


ことり「希ちゃん！大丈夫だったの！？」

ことり「あぁ良かった～　じゃあみんなに知らせるね」

希「それはあかんよ！　この事はことりちゃんにしか言わないんや」

ことり「でも、このままじゃみんな心配してるよ！教えないと警察の人にも」
　

希「あかんのよ　姿現したら一部のメンバーにウチ〇されるんよ」

ことり「話し合ってみたら？私も協力するから」

希「やっぱあかんか　じゃあまたウチは姿隠すよ　1万円はまた会った時に返すわ」

希「じゃあまたな」

ことり「駄目だよ」

希「うっ！」

希「いつの間にかウチの足に鳥が」ﾁｭﾝﾁｭﾝ
　

希「なんや、ただのスズメかいな」

希「そんなわけでことりちゃん、また後でな」

希「クク　昨日大勝ちした金がまだ残っとるんよ」

希「11万もあるやん」

希「よっしゃ！今日もやったるで！」
　

パ千ンコ屋

希「このヤニ臭さがたまらんのよ」

希「まず5000え」

真姫「待ってたわよ」

希「ビクゥ！」ﾋﾞｸﾝ
　

凛「いたにゃー！希ちゃんいたにゃー！」

ガシャーーーン！

凛「希ちゃん投げられて自動ドア突き破って転がっていったにゃ！！」

希「ふぎゃーー！まち　ちょっとまちぃ！」

希「背中にガラス刺さっとるんよ！まってぇな！」

真姫「生きてるだけありがたいと思いなさいよ」
　

真姫「あんた財布から2万盗んだでしょ」

希「違うんよ　借りただけなんよ」

希「今日返そうと思っとったんよ」

凛「嘘だにゃ　またパ千ンコしてたにゃー！」

希「この後返そうと思ってたんよ」
　

希「返そうと思ってお金取っておいてるんよ」

希「ほら」

希「スズメが札食ってる…」

真姫「まだ嘘つく気？」

希「ほんまなんよ！昨日12万勝ったんよ！」
　

希「うちの11万が食われとる！！」

真姫「なんで1万減ってんのよ」

希「か、勝ったから　つい焼肉を…　てへへ」

凛「あー　1人で焼肉食べたんだにゃ！ずるいにゃ！」

真姫「信用出来ないわ」
　

にこ「こいつだけは許さない」

希「に、にこっちおったん…？」

にこ「財布弁償しろ！このブ○！」

希「にこっち　あんまりやん…」

にこ「あんたの財布出せ！」

希「この通り切れ端しかないんよ…」
　

真姫「今日こそ絵里を呼ぶから」

希「やめてぇ　うちほんまあかんのよそれ」

にこ「構う事ないわ真姫　呼びなさい！」

希「いややいやや！　ウチ死んでもええのん？ええのん？真姫ちゃん」

真姫「仕方ないでしょ」
　

希「うちらμ'sの仲間やん～　やなぁなぁ？」

にこ「あんたが勝手に「9人や！ウチを入れて」とか言い出したんじゃないの！」

希「酷いわぁ～　それゆうたらあかんやろにこっち　思ってるうちはまだしも」

にこ「うるさいうるさい」

希「ううう…」

真姫「泣いても駄目よ」
　

希「うう～」ﾁﾗｯ

凛「あー！こっちチラッと見たにゃ！凜見たにゃ！嘘泣きにゃ～！」

希「う、うそやないよ…　ウチ泣いとるんよ」

凛「焼肉も食べといてずるいにゃ！凜も食べたいにゃ！」

希「しかたないやん～　ウチ肉好きやねん　好きやねんからぁ～」
　

凛「あ～　開き直ったにゃ！」

希「じゃあこうせぇへん？」

希「真姫ちゃんに2万返して　にこちゃんに1万返す」

希「そんで凜ちゃんに焼肉奢るんや」

希「これで許してくれへん？」
　

凛「えっ！奢ってくれるの？」

希「うん！うん！」

凛「にこちゃん真姫ちゃん　希ちゃんがかわいそうだにゃ　許してあげようにゃ」

にこ「そんなもん信用出来るわけないでしょ！」

真姫「今までの行いからすると無理ね」

希「じゃ　じゃこうせぇへん？」
　

希「明日持ってくるよ！」

希「もし明日駄目ならエリち呼んでいいわ」

凛「希ちゃん反省してるよ　これ以上虐めたらかわいそうにゃ」

真姫「絶対持ってくるんでしょうね？」

希「はいな」

真姫「にこちゃん　もう一回チャンスあげる？」
　

にこ「今度こそこれが最後よ！」

希「うんうん！最後や　ウチももはや疲れてきよってん」

真姫「じゃあ明日持ってきなさいよ」

希「はい」

凛「肉奢るにゃ？」

希「う、うん」
　

希「ふひぃ～～」

希「やっと解放されたわ」

希「しかし真姫ちゃん2万　にこちゃん1万」

希「凜ちゃんに焼肉　ウチも食べるから1万」

希「明日までに4万円なんとかしないと」

希「どうするんや希」
　

希「しゃーない賭けにでるんや！」



園田道場

海未「いきなりどうしたのですか？希」

希「わたくし　海未さんに一生のお願いがありましてここに来ました！」

海未「なんなんですか　改まって」
　

希「わたしの妹が病気でして」

希「治療費がいるのです」

海未「え？希に妹がいたのですか？」

希「はい　いたのです」

希「とりあえず初回の治療費に4万円いるのです」
　

海未「初回？」

希「はい　入会金のような物です」

海未「？真姫のお家は病院なので相談してみたらどうですか？」

希「あかんわぁ～　それだけはあかんのよ」

希「他のみんなには秘密にしてるんよ」

希「海未ちゃんにしか頼めないんよ！」
　

海未「なぜ私を」

希「ここだけの話　ウチは海未ちゃんを一番信じとるんよ」

希「みんな心の中ではウチを馬鹿にしとるんよﾒｿﾒｿ」

希「海未ちゃんだけはそんな事なかったんや！」

海未「え？」
　

海未「そんな事無いと思いますが…」

海未「つまりお金を貸して欲しいという事ですね」

希「はい！4万円」

海未「私もそんなにお金持ちではありませんが」

海未「貯金なら少しはあります」
　

海未「希の妹さんのためなら仕方ありませんね」

海未「お貸しします」

希「うひょ！　ゴホゴホ！　ほんまやの！？」

海未「ええ」

希「おおきに海未ちゃん！ほんまおおきに！」
　

海未「一十です」

希「え？」

海未「一十ですよ」

希「なんやのそれ」

海未「1日で10割の利子です」

希「！？」
　

海未「4万円貸しますので1日返せなければ利子が4万合計8万です」

海未「2日返せなければ合計12万と利子の利子4万です」

希「な、なんやのそれ？」

海未「これでも希なのでサービスしてるのですよ」

希「（なんやのこれ　ヤミ金どころじゃないやないか）」ｶﾞｸｶﾞｸ
　

海未「この書類にサインと拇印を」　ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺ

希「は、はい…ｶﾞﾁｶﾞﾁ」

海未「確かに」

希「はい」ﾀﾞﾗｰﾝ　ｼﾞｮｰ

海未「このお茶はサービスです」

希「はい」
　

希「ウチやってもうたかもしれん…」ﾌﾗｰ

希「しかし流されたし漏らしたし服がメチャクチャや」

希「落ち込んで食事がのどに通らんけど食っとかなな」

希「焼肉でも食べるか」
　

希「ふー　腹八部目や」

希「これからのウチの運命カードで占ってみたろ」


希「あかん　何度やっても腎臓と心臓だけ海外旅行って結果しか出てけぇへん」

希「明日までに8万なんとかせんなあかんな」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

希「やっぱりパチで倍にせなあかんか」
　

希「来たってや～！来たってや～！　カーッ！」

希「あかんわ　2万もう無くなってしもうた」

希「焼肉食ったからあと1万しかあらへんやないの」

希「パチはもうやめや」

希「競輪しかあらへん！」
　

希「行けーーー！　もっとスピード出せ！」

希「おのれはブレーキかけろこの野郎！」


希「一瞬で0円や…」

希「明日には8万なんとかしないとウチ終わってまう」ｶﾞｸｶﾞｸ

希「なんとかせんと　なんとか」
　

ﾌﾟﾙﾙﾙ

希「花陽ちゃん　ウチや希や」

花陽「希ちゃん！？」

花陽「なにしてるの？みんな探してるよ！？」

希「そこに誰かおるん？」

花陽「今は家だからいないよ」
　

希「そっち行ってもええか？」

花陽「え？いいけど…」

希「じゃあこれから行くわ」

希「みんなには絶対言わんとってな　ウチ〇されるよって」

花陽「う、うん…」
　

希「誰もおらんね？」

花陽「うん、いないよ…」

希「ならおじゃまするで」

花陽「それでどうしたの？希ちゃん」

希「花陽ちゃん今いくら持っとる？」

花陽「えぇ？」

希「あるだけいうてみ？」
　

花陽「7000円くらい…」

希「花陽ちゃん？嘘ついたらあかんわ」

希「そんなわけないやろ？お年玉残ってる言うてたやん？」

花陽「言ってないよ～　本当に7000円しかないよ？」

希「ウソウソウソ　花陽ちゃんはええ子や」

希「ええ子は嘘とかつかんのんよ？」
　

花陽「だって本当に無いんだもん…」ｸﾞｽ

希「通帳みせてくれるかいな？」

花陽「はい…」

希「ほんまにないやん…」

希「ウチこんなの聞いとらんよ　聞いとらん」

希「なににつこうたの？」
　

花陽「おこめ…」

希「え？」

花陽「お米に使いました…」

希「あんたは～」

希「飯ばっかり食うてなにしとんの～」

希「アイドルの自覚が足りんのとちがうん！？」

花陽「ご、ごめんなさい…」ｸﾞｽﾝ
　

希「あのな花陽ちゃん」

希「ウチ今大変なんや」

希「ウチ明日8万円無いと死ぬんや」

花陽「えぇ！」

希「海未ちゃんいるやろ？　あの子にバラされるよってん…」

希「ほんま怖い子やよ？　あの娘　聖人みたいなしゃべり方しといて」

希「あれは鬼や　いんや悪魔や　」
　

希「気がついたらサインしてもうてたわ」

希「花陽ちゃんにだけ言うけどおしっこも漏らしたんやで」

希「見てみこのスカート」

花陽「ううう…」ｸﾞｽｸﾞｽ

希「どうないしよ　どないしようか　なぁ　なぁ花陽ちゃん？」

希「今まで何百何千と修羅場はあったんやがウチ今度こそアカン気がするんよ…」
　

花陽「海未ちゃんに謝って許してもらおうよ…」

希「花陽ちゃん　謝ってすむ相手とすまん相手がおるんよ？」

希「あれは無理や　ﾌｰ」

希「花陽ちゃん　お菓子かなんかあるか？」

花陽「…持ってくる」


希「まいったわ　当てがはずれてもうた」
　

ﾌﾟﾌﾟﾌﾟ

花陽「あ、あ、真姫ちゃん？！真姫ちゃん助けて～～！！」

花陽「今、はな」

ﾌﾟﾁ

希「花陽ちゃん　なにしてたん？」

花陽「ああああ」ｶﾞｸｶﾞｸ

希「今悪い事しとったやろ？」

希「しとった　うん　しとったよ」
　

希「部屋もどろか？」

花陽「はい…」

希「花陽ちゃんな　先輩にしていい事と悪い事があるんやで？」

希「なにしようとしてたん？」

希「怒らんから言うてみ？」

花陽「ま、真姫ちゃんに電話…　してました…」

希「コラーーーーー！！」

花陽「ひぃ！」
　

希「ウワーーー！」「ウワーーー！」

希「このせんべいもらうな」

花陽「ううう…」

希「花陽ちゃん　ゲーム機とかないんかな？」

花陽「ゲーム機はないです…」

希「ほんまないんかいな？　ニンテンドーなんとかとか持っとるやろ？」

花陽「ないです…」

希「（ふー　売るもんもないか）」
　

希「もう終わりやな　ふたりとも死ぬわ…」

花陽「え…？」

希「花陽ちゃん　逃げよか？」

花陽「え？」

希「2人でフィリッピンとかマカオにでも逃げよか」

花陽「なんで…わたしまで…」

希「仲間やん　後輩やん…」
　

希「（あと9時間で明日になるわ　8万か）」

希「ウチな　辛い事ばかりやねん」

希「毎日毎日泣いとるんよ」ﾍﾞｿﾍﾞｿ

希「もうアカンわ」ﾁﾗｯ

希「じゃあ花陽ちゃん　お別れや」

希「毎年ウチの墓参りしてな…」

花陽「え？」
　

希「じゃあさいなら」

花陽「どこに行くの？」

希「わからん　見えん」

花陽「諦めずに頑張ってね…」

希「じゃあさいなら」

花陽「うん…さようなら…」

希「花陽ちゃん？　さいなら」

花陽「さよなら」

希「花陽ちゃん？」
　

花陽「え？」

希「さいなら！花陽ちゃん！」

花陽「うん、さよなら…」

希「……」

希「ほんまに行くよ？」

花陽「え？」

希「…」
　

希「もうきたらんからな！」


希「止めもせんとあの米娘…」

希「しかしあれ以上いたら真姫がくるかもしれん」

希「行き詰まってきてもうたで…」

希「希 -nozomi- 必死編 epsode of side Bの始まりやわ」
　

希「花陽ちゃんもあかんかったなぁ」

希「海未ちゃんに8万」

希「真姫ちゃんとにこっちで3万」

希「凛ちゃんは別に奢らなくてもええか」

希「とりあえず即命に関わる8万なんとかせんと」
　

凛「あ！希ちゃんにゃーー！」

希「ビクゥ！」ﾋﾞｸ

希「凛ちゃんか　一人なんか？」

凛「うん」

希「良かったわ　心臓止まるかと思ったわ」
　

凛「希ちゃん　早く焼肉食べようにゃ　探してたにゃ」

希「あれあかんくなってな　お金ないんよ」

凛「あー！　嘘ついたにゃ！　怒ったにゃ！」

凛「みんなに知らせるにゃ」

希「あかんよ！　あかん　そういうことしたらあかん」

希「じゃあ食べるか　焼肉」
　

凛「やったにゃーー！」

希「ちょっと電話するんで携帯貸してくれるか？」

凛「いいにゃ　はい」

希「電話してくるんでそこで待っといてな」

凛「分かったにゃ」

希「じゃ待っててな」
　

携帯買取ジャンクパラダイス


希「これ買うてくれるか？」

店員「傷だらけですね」

店員「4500円です」

希「え！　そんなに安いんかいな？」

店員「こんなもですよ」
　

希「あこぎな商売しよんのぅ～」

希「ほんでこれ4万で売るつもりやろ？」

希「ウチだけ分かる印つけといたんで売った値わかるさかいな」

店員「それなら1500円に減額ですね」

希「嘘やーん　嘘にきまっとるや～ん」

希「ウチは占い師よ？　そんな事するわけないやんか～」
　

希「4500円でええわ」

店員「あなた傷つけたって言ったじゃないですか」

希「嘘やて」

希「ちゃんとしてくれんとヤフー知恵袋とかに書き込むで？」

希「吉田って店員がおしりさわったいうて」

希「それでもええんか？」
　

希「知っとるか？μ’sって」

希「紅白出たやろ」

希「ウチあれで？　あれのメンバーやで　リーダーやで！」

希「あんた刺されるで？」

希「ラブライバーって知っとるやろ？」

希「ウチがやれ言うたら糞壺にも福島第一原発の3号機にでも飛び込むんで？」
　

希「憎たらしい店員やな　ほんま」

希「結局6500円かいな」

希「8万には遠いやんな」

希「なんやこれ」
　

希「あぁ　凛ちゃんの携帯のSIMかいな」

希「ウチのもドコモやさかい入れ換えといたろ」

希「これで携帯代はタダや！」

希「試しに中国にかけてみるか」

希「前に中華通販サイトで発送してこんかった恨みがあるさかいな」
　

ﾌﾟﾌﾟﾌﾟ　

希「ニイハオ」

希「中国語で詐欺師ってなんていうんや」

希「なにいうとるか分からんわ」

希「馬鹿！詐欺師！」

希「ふひ　気が済んだわ」
　

希「あかん　血糖値が下がってきよった」

希「おなかすいたんな」

希「金も手に入ったし回転寿司にでも行くか」

希「新宿のノロ寿司でもええか」
　

希「とりあえず茶碗蒸しとビールください」

店員「あなた高校生でしょ？」

希「じゃあ茶碗蒸しだけでいいです」

希「60皿は食えるな」

希「ん　この皿隠したらタダになるんと違うか？」
　

希「それより金や」

希「手持ちはほとんど0や」

希「それを8万にせんと」

希「なんかええ方法ないか」

希「そうや　もう一人アホの子がおったわ」
　

希「穂乃果ちゃん？　凛だにゃ」

穂乃果「凛ちゃん？」

穂乃果「声がおかしいよ」

希「風邪引いたにゃ」

穂乃果「大丈夫なの？」
　

希「実はウチなんやけど家に行ってええか？」

穂乃果「なんで凛ちゃんの携帯なの？」

希「借りてるんや」

希「今から行くで？」

穂乃果「いいよ」
　

希「穂乃果ちゃん　リーダーにお願いがあって来たんや」

希「お金貸して！」

穂乃果「500円位しかないよ？」

希「穂乃果ちゃんなら信じられるわ…」

穂乃果「希ちゃん知らないかみんなから電話があったよ？」
　

希「知らんて言うとき」

希「穂乃果ちゃんお願いや」

希「海未ちゃんから代理でお金借りてくれへんか！？」

希「8万円」

穂乃果「海未ちゃんに？」
　

希「そうや　お願いや穂乃果ちゃん！」

穂乃果「いいよ」

希「穂乃果ちゃん恩にきるわぁ！」

希「早速今からでええかな？」

穂乃果「うん」

希「じゃあ海未ちゃんの家に行こうか」
　

希「じゃあ穂乃果ちゃん　8万頼むな？」

希「ウチここで待っとるから」

穂乃果「じゃあ行ってくるよ」


希「助かったわ　ウチ助かったんや！」

30分後
　

穂乃果「借りてきたよ」

希「おおきに！穂乃果ちゃん！」

穂乃果「うん！」

穂乃果「海未ちゃんがね　希ちゃんにこれで合計12万円」

穂乃果「利息もよろしくお願いしますだって」
　

希「え？」

希「なに言うてんの　穂乃果ちゃん」

希「借りたんは穂乃果ちゃんやろ？」

穂乃果「希ちゃんの代理で来ましたって言ったよ」

希「…代理の意味ちゃうわ」

希「ウチが借りた事になっとんか！？」

穂乃果「うん」
　

希「ま、まちぃ　ほんまにウチの名義かいや？」

穂乃果「そうだヨﾂ！」

希「なんやその満面の笑みは」

希「あかんわぁ…　それあかんわ」

希「1日10割やで！？」
　

穂乃果「え？」

穂乃果「1日20割だよ？」

希「は？」

穂乃果「希ちゃんだから初回はサービスしたけど2回目からは1日20割だって！」

希「ｾﾞｰｾﾞｰ」ﾋｸﾋｸ

希「ヒヒ…待たんかい…」
　

希「200％か！！待て！おい」

穂乃果「そんな事言われても」

希「なんで借りるの！？なんで借りるのよ　おのれは！」

穂乃果「だって希ちゃんが」

希「電話してきぃや！！聞けや！」
　

希「穂乃果ちゃん　キャンセルしてきて」

穂乃果「キャンセルの手数料は借りた金額の3倍だってッ」

希「…」

希「穂乃果ちゃん　いくら持っとる」

穂乃果「200円だよ」
　

希「駄目やこれは…」

穂乃果「あとねっ　2回目からは初日から利息がつくって言」

希「スピリチュアルパンチ！」ゴキュ

穂乃果「ごっ！」

希「…」

希「あかんな…　ウチやばいで」

希しかし「このいつもはアホなくせにこういう時は暗記してスラスラしゃべりおって」
　

希「とりあえず8万は手に入ったが」

希「この子金目のもんぜんぜんあらへん…」

希「汚くなった服を取り替えるか」


希「入らへん…」

希「この　毎日パンばっかり食べくさってからに！」
　

希「8万と今日で24万」

希「32万の借金や」

希「まずいことになってもうた」

希「稼ぐ当ても金も無いやんな…」
　

希「この8万使ったらあかん」

希「しかしどの道使わんでも借金は増えるわ」

希「8万でなんかええ事ないか？」

希「パチや競輪以外でなんかないか」
　

凛「あー！みつけたにゃ！！」

希「げ　凜ちゃん…」

凛「なんで逃げたの！」

凛「凛5時間も待ってたんだよ！」

凛「携帯返すにゃ！」
　

希「急に用事が出来てやな」

希「穂乃果ちゃんと会ってたんや」

凛「はやく焼肉食べに行くにゃ！」

凛「凛のiPhone7s返すにゃ！！」

希「あ､あﾚｳﾚﾓｳﾃﾝ…」

凛「え？聞こえないにゃ」
　

希「ちょっと待ってや」

携帯買取

希「もう売りに出てんな…」

希「ちょ！53000円ってなんやの！？」

希「4500円にしようとしてたあんの外道　人でなしか！」

凛「なんなのここ！早くするにゃ」
　

希「待ったって」

希「なんとかするんや」

凛「なんとかってなにを？」

希「ちょっとあっちいこか」
　

希「凛ちゃん　携帯は家に置いてきてもうてな」

希「後で取りに行こうや」

凛「じゃあ焼肉食べに行こう！」

希「う　うん…」

希「ほな行くか」

凛「やったにゃーー！」
　

金持焼肉店

希「ここにするわ」


凛「にゃ！カルビ一人前4000円もするにゃ！！」

凛「希ちゃん　大丈夫なの？」

希「ウチに任せとき」

希「最近まとまった金が入ったんや」
　

希「にいちゃん　特上カルビ8人前」

希「特上ロース8人前」

希「A5牛握り20貫持ってきてや」

希「あとお任せで色々持ってき」

凛「すごいにゃ！　希ちゃん太っ腹にゃ！」

希「なに？　腹がなんやて？」
　

希「ウチの腹が太い言うんか？」

凛「そんな事言ってないにゃ」

凛「希ちゃんの腹は太いけどそれと違う意味の太っ腹にゃ」

希「…」

希「まぁええわ」

希「じゃあ食べよか」
　

希「ガツガツベタベタ」ｶﾞﾘｶﾞﾘ

凛「希ちゃん動物みたいにゃ」

希「特上カルビ8人前追加！」

凛「よく食べるにゃー」

凛「凛はもうおなかいっぱいにゃ」

希「ふぅ～　食ったった　食ったったで！」
　

凛「希ちゃんおなか妊婦さんみたいにゃ！」

希「黙っとき！」

希「ちょっとトイレ　出すもん出してくるから待っときな」

希「動いたらあかんえ？」



希「さてこれからどこに行こうか」
　

希「さすがに腹一杯で苦しいわ」


ドギャ！

希「ぐわっ！」

にこ「やっと見つけたわよ」

にこ「あんたまた約束破ったわね」

希「に　にこっち　ちゃうんや！」
　

にこ「今日は許さないわよ」

希「用事があってこれんかったんや！」

にこ「あんた花陽の家行って虐めたらしいじゃない」

希「偶然会ったんで寄っただけや」

にこ「ちょっと場所移動するわよ」
　

公園

にこ「みんなに迷惑かけてなにしてんのアンタ」

希「借金返す為にかけずりまわったんや！」

にこ「あと穂乃果が行方不明になって皆探してるんだけどこれもアンタ？」

希「しらん！　しらんのよ！　迷子にでもなっとるんやないの？」
　

にこ「真姫呼んだから」

希「なにしよんの～」

希「あかんよ　ウチ虐めてどうするんよ～」

にこ「うるさい！あの財布大事にしてたのよ！」

にこ「お仕置きするわ」

にこ「動いちゃ駄目よ」
　

希「な　なにするんや？」

にこ「鼻からペプシ2㍑飲んでもらうわ」

にこ「0カ口リーにしてあげたから感謝しなさい」

希「そんなんせんといてよ　にこっちウチさっきから謝っとるやん」

にこ「どこがよ」

にこ「いくわよ」
　

希「ブグ！」

希「グルル！」

にこ「動くな！」

希「げは！にこっちまっ　」

希「ゴブゴブ」

希「ブルル」ｶｸﾝ
　

にこ「気絶したか…」

にこ「真姫が来たらもっと怖いわよ」

希「（気絶の演技ばれんかったか　しかしアカン　このままでは〇されてまう）」

希「（二人でこれ以上の事されるんやｶﾞｸｶﾞｸ）」

希「（逃げんと）」
　

希「にっにこっち…」

にこ「起きたの？」

希「歯が折れたんよ」

にこ「は？」

希「ちょっと見てみてや？」

にこ「どこよ？」

希「もっと近づいてみてや」

にこ「折れてないじゃないの」
　

希「ぐうぇ～～！」ﾎﾞｼｭ!

にこ「！！」

希「ゴロロロ」ﾋﾞﾀﾋﾞﾀ


あまりに汚いので略


希「にこっち？」
　

にこ「………」

希「そりゃ失神するわな…」

希「肉あんだけ食うたしな」

希「あかん　真姫ちゃんが来る前に逃げんと」



真姫「誰か倒れてる？」

真姫「にこちゃん？」
　

真姫「うわ！」

真姫「ちょ！や！」

真姫「どうすんのよこれ…」


希「はぁはぁ…　なんとか逃げたったわ」

希「こんな事しとる場合やないんやけどな」
　

ﾌﾟﾌﾟﾌﾟ
花陽「真姫ちゃん？希ちゃん見つかった？」

真姫「一旦にこちゃんが捕まえたみたいなんだけどね」

真姫「来てみるとちょっと言えないような状態になってて」

花陽「ええ！！」

花陽「どうしたの？」
　

真姫「にこちゃんが汚物まみれになってて」

真姫「私も近寄れないからホース買ってきて水で流してるんだけどね」

花陽「にこちゃん大丈夫なの？」

真姫「生きてるみたいだけど目を覚まさないのよ」

真姫「もう少し洗い流してみるわ」
　

花陽「にこちゃんだいじょうぶかな…」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

「ウオーターサーバーを取り付けに来ました！」

花陽「？はい」

ｶﾞﾁｬ
　

希「のんたんスティール！」

ﾋﾟｮﾝ

花陽「きゃーーー！！」

希「騒がんのよ」

希「また来てもうた」

希「外は敵だらけや」
　

花陽「ああああああ…」

希「ちょっと身を隠れさせてや」

希「真姫ちゃんと連絡してたんね」ﾁｮｲﾁｨ

花陽「助けて助けて！」

希「なんもせんから騒がんのよ」
　

花陽「に、にこちゃんになにかしたの…？」

希「されたんはウチや」

希「あのチビスケ　ウチの鼻にペプシ流したんやで？」

花陽「え？」

希「2リットルもや！」

希「死ぬところやったわ」
　

花陽「にこちゃんが大変な事になってるみたいなんだけど…」

希「ウチは知らんよ？」

希「わかったやろ？」

希「ウチあの二人に見つかったら〇されるんよ」

希「花陽ちゃんウチが死んでもええんか？」

花陽「そ…それは…」
　

希「よくないわな？　花陽ちゃんは優しい子や」

希「かといって逃げてたらもうあかん」

希「あの二人と対決する事にしたわ」

花陽「えー？」

希「あれらは倒さんな進められへん」
　

希「そやから策を練らんと」

花陽「穂乃果ちゃんがいなくて探してたんだけど…」

希「聞いたわ　行方不明よってな　気の毒やな」

希「（まともに入ってしもうて首の骨逝ってもうたさかいな）」

希「花陽ちゃん　協力してや」
　

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟﾋﾟ
花陽「ひっ！」

希「誰や！？」

花陽「ことりちゃんです…」

希「ウチの事いうたらあかんよ」

花陽「はい…」
　

花陽「ことりちゃん…？」

花陽「うん　うん」

花陽「え！？」

花陽「そうだったんだ」

花陽「うん　じゃあまたね…」
　

希「なんやったの？」

花陽「穂乃果ちゃんが電信柱の間に挟まってたって…」

希「なんやて？あかんかったんか？？」

花陽「命に別状は無いけど入院してるって…」

花陽「紫が紫がってうわごと言ってるって…」

花陽「それと凛ちゃんが警察に捕まったって…」ｸﾞｽ
　

希「そうか　凛ちゃん悪い子やんな」

希「退学かもしれへん」ｸﾞｽ

希「花陽ちゃんは真似したらあかんで？」

花陽「ううう…凛ちゃん」
　

希「ウチはこんなに頑張っとるに報われんのや」

希「毎日真剣勝負やで？」

希「それをあのにこちゃんと真姫ちゃんは」

希「こんなに愛くるしいのんたんを虐めるなんてひどいひどい…」ｼｸｼｸ

希「ウチは言わしてもろうたら天使やで？」

希「ウチなんも悪い事してないさかいな」ｸﾙｯ

希「花陽ちゃんもそう思うやろ？」

花陽「…うう」

希「ん？」
　

希「だからな　あの二人と戦うねん」

希「それには準備が必要や　罠や」

希「そのために今からホームセンターでいるもん買うてくるさかいな」

希「花陽ちゃんも来るか？」

希「アイスクリーム奢ってくれんか？」

花陽「うう…うぇ…」

希「まぁええ　一人で行ってくるよって」
　

30分後

希「買うて来たで」

希「まずこの電源タップや」

希「先端でちょん切って線むき出しにしてコンセントに挿すと」

希「強力スタンガンのできあがりや！」

希「花陽ちゃん　犬かなんかで試してみたいか？」

花陽「…やだよう」ｸﾞｽﾝ
　

希「ほんでこの20kgダンベル」ﾄﾞｽﾝ

希「持って買えるの大変やから軽トラック貸してくれ言うたのに」

希「店のオヤジ免許無いと駄目とかいいよんねん」

希「腹立つな　ほんま」

希「手パンパンやわ」

希「糞オヤジが」
　

希「これを罠はって頭上から落とすんや」

希「これには囮がいるよって」

希「花陽ちゃんに協力してもらわんと」

花陽「え？」

希「え？やないよ」

花陽「いやだよ…」

希「花陽ちゃん？　聞き分けの無い事言わんのよ？」
　

希「お母さん聞いたら悲しむで？」

希「花陽ちゃんはええ子で通っとんのに」

希「凛ちゃんがシャバに出た時悲しむで？」

希「それでもええのんか？」

花陽「もうなにもかもやだよ…」

希「ん！かよちんは聞き分けのええ子や」
　

希「まずかよ〇〇〇こに座り？」

花陽「なにするの…？」

希「ちょっと縛らせてな」

花陽「ええ？」

花陽「やだやだ！」

希「すぐ済むさかい！」


希「よっしゃ」
　

希「花陽ちゃん助けようとして近づいたらダンベル落ちるようにする」

花陽「駄目だよやめてよ…」ｸﾞｽｸﾞｽ


希「セット完了や」

希「相変わらずウチ天才やな！」

希「な！？」

花陽「…」
　

希「後はこの即席スタンガンや」

希「その辺のおっちゃんで試したいけど2㍍なんで届かへん」

希「ぶっつけ本番やな」

希「ウチのモットーや」

希「この部屋におびき寄せてやるしかないか」
　

希「花陽ちゃん　準備完了や」

希「後は二人を来るように花陽ちゃんが電話してな」

花陽「ううううう…」

希「携帯化してもらうで」

希「ほな真姫ちゃんにかけるよって」

希「家にいます　希ちゃんに拉致されてます助けてって言うんやで？」

ﾌﾟﾙﾙﾙ
　

希「出たら言いな」


真姫「花陽？」

花陽「ま！真姫ちゃん！今家に希ちゃんがいて！」

花陽「真姫ちゃんたちを」

ﾌﾟﾂ

希「おっとそこまでや」

希「花陽ちゃん？　余計な事言うたらあかんやないの？」
　

希「コラーーーーーーーーー！！！かよちん！！」

花陽「キャーーー！！」

希「ウアーーーーーーー！ウアーーーーーー！」「ドカーーーーン！」

花陽「ひいい…」

希「まぁええ　あれで来るやろ」

希「じゃあ口にもテープ貼らせてな」

希「終わったらすぐ自由にさせたるさかいな」


花陽「んー！んー！」

希「これであれらが来るの待つだけや」
　

希「ふひぃー　緊張して来よったで」

希「8年前上海でチャイニーズマフィアとやらかして以来やこんなん」

希「おしっこちびりそうや」

希「あら　あかんクラクラして来た」ｸﾗ

希「あ！インシュリン打ってなかったで」

希「糖尿は面倒やんな…」
　

真姫「花陽　希に酷い目に合わされてなかったらいいけど」

にこ「あいつだけは許さん！」

真姫「ちょっと　その鎌捨てなさいよ」

にこ「ふー！ふー！」

真姫「面倒な事しないでよ？」
　

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
真姫「花陽ー？」

真姫「出てこないわね」

真姫「開いてる」ｶﾞﾁｬ

真姫「花陽ー？」

花陽「んー！」

真姫「花陽！」
　

真姫「なんて事すんのよ希は」

花陽「んー！（来ちゃ駄目！）」

ﾋｭｰ　ゴキンッ！

真姫「ガフ！」ﾊﾞﾀﾝ

花陽「んー！！」

にこ「真姫！」
　

希「こっちや　にこっち」

にこ「この！」

にこ「〇す！」

希「よっしゃ　こっち来い」

ｽﾞﾙ　ｽﾃｰｰﾝ!

希「（うわっ！　滑った）」

にこ「クワーーー！」
　

ザクッ！

希「ヴァァアあああーーーー！！」

ｺﾞﾛｺﾞﾛ

希「（あかん！背中刈られた！！）」

希「（ほんまに〇りにきおった！）」

にこ「コォォォオオ」
　

希「ひぃぃいいい！」

希「（部屋まで逃げんと）」

希「ワーーー」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

にこ「待て！」

希「ﾌﾋｭｰﾌｰ」

にこ「追い詰めたわよ」
　

希「にこっち　冗談やて」

希「冷静に話し合おうや」ﾌｰ

にこ「ふざけんな」

希「（よっしゃ！もう少し近寄るんや！）」

にこ「ふーん？」

にこ「その隠してるので感電させる気？」

希「！！」
　

希「そ、そんな事するわけないやん？」ｶﾞｸｶﾞｸ

希「花陽ちゃんとカラス追っ払う実験してたんや」

にこ「へーそうなの」

にこ「貸しなさい」ﾊﾟｼ

にこ「あんたで実験してみるわ」

ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ！

希「ぐりょん！」ﾋﾞｼﾋﾞｼﾋﾞｼ
　

希「ﾋﾞﾋﾞﾋﾞ」ｶｸﾝ

にこ「いい鳴き声ね」

にこ「少しスッキリしたわ」

にこ「でもこれからよ」

にこ「起きなさい！」ﾄﾞｽ

希「…」
　

にこ「起きろ」ﾊﾞｼﾝ

希「…」

にこ「起きろこの野郎！」ﾄﾞｽﾄﾞｽ

にこ「死んだか？」

にこ「希？」ｿｰ

にこ「脈が無い」

希「…」
　

にこ「心臓も動いてない」

にこ「耳に氷水流してみるか」

ｼﾞｬｰ

にこ「瞳孔も開いてる」

にこ「脳波を見てみよう」ﾋﾟｺｰﾝﾋﾟｺｰﾝ

にこ「完全に死んでるわね」
　

にこ「心臓マしてみるか」
ﾎﾞｯｺﾝﾎﾞｯｺﾝ

にこ「ＡＥＤ代わりににもう一度感電させるか」
ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

にこ「…」

にこ「にこにーにこちゃんを怒らせたらこうなるのよ」

にこ「成仏しなさい希」
　

にこ「さて　今晩のおかずを買いに行かなくちゃ」

ﾄﾞｻｧ

にこ「ぐぶ！」

にこ「ググ」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

希「油断したらあかんえ？」

にこ「（なんで？さっきので蘇生した？）」

にこ「（首絞められて苦しい…）」
　

希「ぬおおお！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

にこ「ヤバイ　落ちる…」

ｻﾞｸｯ

希「ずぎゃ！」

にこ「はぁ　はぁ」ｾﾞｲｾﾞｲ

希「ひぃい！（指落とされてもうた）」
　

希「わー！」ｶﾞﾊﾞ

にこ「痛い痛い！」

にこ「耳噛むなよ！デ?」

希「電線を」ﾀﾞｯ

にこ「おい　それ貸しなさい」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

希「いややいやや！」

希「もうやめてぇな　のんたんボロボロやん…」
　

にこ「それ持った腕落とすわよ」

希「ごめんなさい　どうぞ」ｻｯ

ｸﾞｯ　ﾊﾞﾁ

にこ「（え？電線掴んだ？）」

希「さよならにこっち」

希「お別れの握手や」

ﾊﾞﾁﾊﾞﾁ

にこ「にょん！」BiBiBi
　

ﾊﾞﾀﾝ

希「フヒィー　ふひぃー」ｾﾞｲｾﾞｲ

希「はりきりおってこのちびっ子が…」

希「アホか…」

希「ウチに電気は効かへん　この日の為に電気椅子で8Aの電流流して鍛えたんや」

希「あとウチは自由に仮死状態になれる」

希「一度勘違いされて焼き場で焼かれる寸前まで行ったけどな」
　

花陽「んー！」

希「今外したるさかいな」

花陽「ぷは！」

花陽「え！希ちゃん血まみれだよ！」

希「背中と指やられてもうた」

花陽「うーーん…」

希「おい！気絶してる場合やないで！」ﾕｻﾕｻ
　

希「針と糸と焼酎持ってきてや」

花陽「焼酎なんてないよう…」

希「ええから醤油でも何でももってき！」

希「背中縫ってや…」

花陽「できるわけないよう！」

希「血が止まらんのや　死んでまうで？」
　

花陽「うううう…」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

希「あかん　この娘話にならんわ」

希「指いれるよって氷とビニール袋もってき」

花陽「…はい」

希「…真姫ちゃん鼻血出とるな」
　

希「慰謝料として財布もろうとこか」

希「今回はキツかったで花陽ちゃん」ﾋｰ

花陽「怖いよう…」ｸﾞｽｸﾞｽ

希「ラーメンかなんかないか？」

花陽「…作ってきます」ｸﾞｽﾝ

希「ゴハゴハ」

希「痰が切れへんわ」ｸﾞｴ
　

希「花陽ちゃんはパ千ンコなんかしたらあかんで？」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

希「こんなんなるで？」

希「やりたいんか？今度いくか？」

花陽「うぅぅ…」ｸﾞｽﾝ

希「花陽ちゃん同棲するか？」

希「ウチはかまわへんえ？」
　

花陽「真姫ちゃん倒れたまんまだよ…？」

希「寝たふりや」

希「大げさなんや　20kgくらいで」

希「そのまんまにしとき」

希「それと言いにくいんやけどな」

希「おばちゃん切られた時漏らしたんねん」
　

希「大きめなズボンでもないかいな？」

花陽「ないよう…」

希「…さよか」

希「姿むちゃくちゃやなウチ」

希「ｼｰ痛いわ」
　

希「じゃあお邪魔しました」

花陽「うう…」ｸﾞｽｸﾞｽ

希「また来ますから　そうそうそうまたまたまた」

希「連絡するよ」

花陽「ううう…」ｸﾞｽｸﾞｽ

希「なんや　帰ってほしゅうないんか？」

希「結婚するか？」

花陽「冗談じゃないよう…」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ
　

希「これでアイスでも買い？」

ﾁｬﾘﾝ

花陽「うう…　ありがとう…」

希「タクシー呼んでくれへん？」

希「やっぱ病院行かんと死ぬみたいや」

花陽「はい…」
　

希「おっちゃん　どこでもいいから病院行ってや」

希「はよしてや　死ぬよって」

希「景気はどんなや？」

運転手「あきまへんわ」

希「そんなんウチのせいやないわ」

希「……」

運転手「お客さん着きましたよ」

希「……」

運転手「お客さん！？」
　

運転手「あ！座席血まみれじゃんか！」

運転手「このババァなんなんだよ」

運転手「死んでるのか？」

運転手「医者呼んでくるか　面倒くさいな糞ババァが」
　

希「…」

ﾌﾞﾛﾛﾛ

希「車が欲しかったんや」

希「しかしあん外道　ババァやて？」

希「のんたんは乙女なんよ？」

希「今捕まっても少女Aなんよ」
　

希「普通の病院は駄目や」

希「闇医者にいかんと」


希「こんにちは」

希「背中と指なんとかしてえな」

希「あと輸血してください」
　

希「寿司の出前も」

希「パクパクパク」

医者「麻酔するなら高くなるよ」

希「高いならいらん」

希「ボケたり眠ってる間に敵がおそってくるかもしれん」
　

希「痛い痛い痛い！！」

希「ひぃーー！」ﾋﾞﾁﾋﾞﾁ

希「ランボーやないねんから」

医者「血はなんか感染してる可能性がある物なら安いよ」

希「安いならそれでええよ」

希「肝炎は経験あるよってな」
　

希「ハードな一日やったわ」

希「グーグー」zzz


希「よっしゃ　2/3ほど回復や！」

希「借金も膨れ上がったやろな」

希「そろそろやらなあかんか」
　

希「もうどう足掻いてもあんなん返せへんわ」

希「しかしほっといたら〇されるやろうしなぁ」

ﾌﾞﾛﾛﾛ

希「田舎のコンビニいかな」

コンビニ駐車場

希「あの８㌧トラックええな」
　

希「…」

希「よっしゃ！運ちゃん店入った」

ﾌﾞｵー

希「店入る時は鍵つけっぱしとったらあかんよ」

希「後はプロパンガスや」


希「ここで頂くか」
　

希「さすが重いな…」

希「ひぃひぃー」ｾﾞｲｾﾞｲ

希「20本でええか」

ﾌﾞｵｰ

希「他人のもんはウチのもんや」ﾊﾊﾊ


希「ポリタンク10個ください」
　

希「よっしゃ　ガソリンも溜めたで」

ﾊﾟﾎﾟ

希「海未ちゃんかいな」

希「今から金返しにいくさかい家で待っててな」

希「ほな　よろしう」

希「しかしこっからが命がけや」

希「おしっこちびりそうや」ﾌﾞﾙﾙ
　

園田道場付近

希「のんたんは強い　のんたんは宇宙　のんたんは魂　のんたんは礎」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

希「よっしゃ　行くで！」ｶﾞﾊﾞｯ

ﾌﾞｵｵｰ

希「うわぉおおお！」

希「脱出！」

ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ　ﾄﾞｼﾝ　ﾄﾞﾊﾞｰﾝ
　

希「ぎゃあう！」ｺﾞｷﾝ

希「ぎゃああ　あばらが折れた！」ｼﾞｮｰ

ﾌﾞｵｰｰ！　ﾎﾞｺﾞ！

ドカーーーン！！

ボバーーーン！

きゃーーー　わーーわーー　ズドーーーン！

希「成功や…　近所まで火の海やで」
　

希「このドサクサに紛れて回収せな」

希「確かあの部屋に金庫あったな」

希「耐火スーツ買うべきやったがしゃーない」

希「突入や」

希「あっついわ！」

希「煙でみえへん」ｺﾞﾎｺﾞﾎ

希「勘で行くしかあらへん」
　

希「この辺か？」

希「ドンピシャリや！」

ﾊﾞｷﾊﾞｷ　

希「崩れる！あかんはよせんと」

希「重いなクソが　もっと水に浮く位にせぇよ」

希「はぁはぁ…　脱出や」

ドバーーン
　

希「危なかったわ　逃げんと」


タクシー内

運転手「お客さんなんすかそれ？」

希「やかましいわ　前みとけ10銭タクシー屋が」

希「新型のスマートフォンや　だまっとき！」


希「そうやそこで止まってや」
　

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

希「他力本願寺佛會教団です」

ことり「はーい」

ことり「あ、希ちゃんだ」

ことり「色々と大丈夫なの？」

希「うん　もう心配いらんよって」
　

希「上がらしてもらうな」

ことり「うん！」

希「こっからが勝負や」

希「風呂場とパソコン貸してえな」

ことり「いいよ　なにするの？」

希「宝探しや」
　

希「このタイプの金庫は番号が15通りしか無いからiPhoneアプリで開くんや」

希「ドキドキ」ﾋﾟｰ

ﾊﾞｺﾝ

希「よっしゃ！」

希「うっは！開いたで！　ウチ数学の天才やな！」

希「そういやパソコンいらへんかったな」
　

希「うっ！」

希「100万円の束が30束か」

希「ヤホー！」

希「のんたんのんたんのんたん」ｼｭｯ

希「愉快なのんたん　楽しいのんたん　のんたんのんたん！」

希「一気に金持ちやで」
　

ことり「なにしてるの？」

希「うえええええん！」ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞ

ことり「え！？なんで泣いてるの？？」

希「男泣きや！」ｸｸｩ

希「ことりちゃん　お祝いや！　寿司5人前頼み」

希「ウチの奢りや！」

希「借金利子たっぷりつけて返したるよってな！」
　

希「はい1万4530円」

ことり「そんなにいらないよ」

希「ご祝儀や　ええからとっとき」

ことり「でも…」

希「ウチの時代が来たんや」

希「これを元手におでん屋開くんや」

希「ことりちゃん秘書にしたってもええで？」
　

ことり「う～ん」

ことり「困ったなぁ」

希「困らんでもええやん　まぁええわ」

ことり「あ、穂乃果ちゃんが入院して大変なんだよ」

希「聞いたで　意識不明やってな　可哀想に」

希「これでバナナでも買って見舞いや言うといてや」
ﾁｬﾘﾝ
　

ことり「それと凛ちゃんも大変で」

希「うん　食い逃げしたらしいな」

希「あんなんする子に見えんかったけどなぁ」

希「わからんもんやなぁ」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

希「ことりちゃんもはよ寿司たべ」

希「ウニはうちのやからあかんで？」
　

ことり「さっきから消防車と救急車の音すごいね」

希「ほか？」

ことり「なにかあったのかな？」

希「なんかボヤがあったらしいで」

希「放火魔やろ」

希「物騒やな」
　

希「ありゃ　もう無いなった」

希「もう4人前頼めば良かったな」

希「ほな帰るよって」

希「その金庫はプレゼントや」

希「ほなな～」

ことり「うん　またね」
　

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
ことり「はーい」

希「あんなことりちゃん　大きめのズボンかなんかあらへんか？」

希「臭いで分かる思うけど何度もやってもうてビチャビチャやねん」

ことり「えっ　そういうのはないと思うよ」

ことり「ライブの衣装ならあるけど」

希「それはあかんわ　捕まりそうやわ」

希「まぁええわ　どっかで買うわ　またな」
　

ことり「希ちゃん　もうパ千ンコしちゃ駄目だよ」

希「今更せんわ　こない金あるのに」

希「そや　ズボン買うからことりちゃんつきあわんか？」

希「スーパーのパックのジュースくらいなら奢るで」

ことり「服買うの？」

ことり「じゃあ行こうかな」

希「よっしゃ　ウインドーショッピングってやつや」
　

希「クソ　10万すぐ消えたわ」

ことり「だからパ千ンコやっちゃ駄目って言ったのに」

希「でもええもん！　金いっぱいあるよって」

希「しゃーない　服買いに行くか」

ことり「うん」
　

男1「君かわいいね超可愛いねスーパー可愛いベクトル可愛い」

男2「俺らと遊ぼうよ」

希「なんやおのれら？」

男1「お前じゃないよ　こっちの子だよ」

ことり「ごめんなさい　遊べません…」
　

男2「いいじゃん　遊ぼうよ～」ｸﾞｲ

ことり「あ！」

希「おい　ワシの女になにしてくれとるんや？」

希「こっち来い」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

希「ことりちゃんはそこで待っとき」

ことり「…うん」
　

路地裏

男1「なんなんだよお前」

男2「なんかこいつ小便の臭いがするぞ」

希「お前らはええのう」

希「パチ屋行く前から玉二つ持っとるし」

希「こんなん潰さな不公平やんな」
ｸﾞﾁｬ
　

男1「がっ！」ﾊﾞﾀﾝ

希「もう一個潰したろか？」

男1「あがが！許してやめて！」ｶｸｶｸ

希「なんやて！？腹が出とるやて！？」
ｸﾞﾁｬ

男1「ガガ！」ｶｸﾝｶｸﾝ
　

希「おい　お前」

男2「は、はい！」

希「はよ〇ったれよ」

男2「え？」

希「友達苦しんどるやろ　楽にしたれや」
　

男2「出来ませんよ」

希「出来ませんてなんや　幼稚園やないんやで」

希「よし　お前らレゴみたいにバラバラにしたるわ」

男2「勘弁してください」

希「スピリチュアルがみなぎってきたさかいそうはいかへん」

希「現金とクレカと暗証番号と免許証出しや」
　

男2「は、はい」

希「なんやこれ　クレカ全部や全部」ﾄﾞﾝ

希「楽天ブラックとか半端なもんもっとるんやな」

希「全部で限度額いくらや？」

男2「え？　な、何千万か」

希「そっちの玉無しのも暗証番号聞いて全部よこせ」
　

男2「は、はい」

希「スマホも回収するよ」

希「知ったげにラインとかツイッターとかしとんかお前」

希「なにが、俺のイカす仲間たちでーす！や」

希「こいつらと領事館に爆破予告しといたるわ」ﾁｮｲﾁｮｲ
　

希「さっき爆破事件あったろ」

男2「はい」

希「あれウチや」

希「あんたら三日間ここでスクワットしとき」

希「時々様子見に来るよってさぼっとったらあかんで？」

男2「え、はい」
　

希「さっきの子可愛かったろ？」

男2「はい」

希「のんたんは？」

男2「は？」

希「かわええかわええあの子が怯えとったで　可哀想に」

希「なんか償いたい気持ちでいっぱいやろ？」
　

男2「え？」

希「ん！　分かった　尊重したる」


希「ことりちゃん　お待たせや」

ことり「希ちゃん！大丈夫だったの！？」

希「ウチが心込めて説得したら改心したよって」

ことり「良かった…」
　

希「これお詫びやて」

ことり「なにこれ？　…ピアッ！！」

希「いらん言うたのに耳くれたわ」

ことり「や！いらないよ！！！」

ことり「早く返してきて！！」

希「ほか」ﾎﾟｲ

希「じゃあ気を取り直して買い物いこか」
　

希「値上げして減益した話題の店やな　ここでええか」

ことり「声が大きいよ…」

ことり「じゃああっち見てくるね」

希「はいな」

希「ぱっとせんな」
　

希「ウチを唸らせるようなもんあるんかいな」

希「今の服酷使し過ぎて板みたいになっとるしな」

希「これええな　スカートにもズボンにもなるやなんて」

希「履いてみたろ」

希「うっ　きっついわこれ」
　

希「もう少し伸ばしたる」ｸﾞｸﾞ

希「あ　破れた」ﾋﾞﾘ

希「頼りないやんな」

希「これは頑丈かいな」
　

店員「お客さん　試着は試着室でお願いします」

希「なんでやねんな」

希「ウチは個人投資家やで？」

希「そのへんのおばはんと一緒にせんといてぇな！」
　

ことり「なんだか騒がしく」

ことり「あっ　希ちゃんだ」

ことり「希ちゃん駄目だよ…」

希「ウチにイチャモンつけてきおった」

希「けったいな店やな　余所いくで」
　

ことり「え？」

希「もっとええ店いくねんから」

希「あっ！」

希「そうや！　あんな安物店行かんでよかったんや！」

希「ウチにはカード何枚もあるやないか」ﾊﾟｧｧ
　

CHANEL

希「よう分からんがここにするか」

希「店の雰囲気がスーパーとちゃう　気がする…」

希「たぶんしまむらの2階級上くらいやろ」

希「ことりちゃん　ここでなんでも買うたるで！」
　

希「いっぱいカードがあるからね」ﾊﾞﾗ

ことり「ここ高いよ…？」

希「まかせとき」

いらっしゃいませ

希「ウチのスカート見せてや」
　

これとかいかがですか？

希「なんぼや？」

税抜 ￥380,000です

希「なんやと！？」

希「スカート1枚でか！！？」
　

はい

希「コンピューターでもついとんか！？」

希「なんやこの店」

希「シノギか？」

希「ぼりよんのうぅ～～！」
　

希「カードが無いと暴れてる所やで」

希「よっしゃ　これの色違い全部よこせ」

かしこまりました

希「ことりちゃん　決まったか？」

ことり「決まらないよ…」
　

希「よし！このバッグ5つ買ったるよ」

ことり「ええーー！そんなにいらないよ！」

希「靴とか財布とか服も20くらい買うか」

希「ことりちゃんも好きなの取り」

ことり「え…」
　

希「ん！ウチが決めたる！」

希「ダーツの矢投げて当たったもん買ったる」

希「はい　これとこれ」

ことり「持ちきれなくなるよ…？」

希「こんなもんか」
　

希「全部でなんぼや？」

865万円になります

希「安い！」

希「近所の農協とかわらんやないの」

希「なぁ　ことりちゃん」
　

ことり「…」

希「このカードで　リボ払いで」ｷﾘ

希「ウチのスカート置いていったるわ　大事にせぇよ」ﾋﾗ

（うっ 臭いっ！）

希「なんやここポイントはつかんのか？」
　

ありがとうございました

希「気が向いたらまたきたる」

希「よっしゃ　完全装備や」

希「ことりちゃんも土地成金の愛人みたいにゴージャスになったで？」

ことり「いいのかなぁ…」
　

希「飯でも食うか？」

ことり「喉に通らないよ…」

希「ビビるこたないねん」

希「しかしこんな持っててもしゃーないな」

希「質にでも入れるか」
　

ことり「それじゃあそろそろ帰るね」

希「ほうか」

希「まぁまた寄るよってに」

ことり「うん」

ことり「なんか今日は色々とありがとね…」

希「気にせんでええ」
　

ことり「じゃあね」

希「バイバイ」

希「さてどうするかね」

希「久々に家に帰るか」
　

希の家の玄関

希「ひっさしぶりやな～」

希「…」

希「…あのルンペンのおっさんに頼むか」

希「おっちゃん　ワンカップと焼肉弁当買うたるよって家のドア開けてくれへん？」
　

希「重くて開かんのや」

希「そうそう　その鍵で」ｻｻ

バズーーーン！

希「…」

希「やっぱ仕掛けとったか…」

希「いよいよ戦争やんな」
　

希「家がのうなってしもうた」

希「どうするのんたん」

希「あれしかないか」

希「気がすすまへんけどしゃーない」

希「行くか…」
　

ﾌﾞﾌﾞｰ

「Кто ты?」

「Убей, если враг!」

希「Является ли мне」

「Повременить」
　

ｶｼｬｶｼ　ｬｶﾁﾝｶｼｬ

絵里「希」

絵里「なにしに来たの」

絵里「借金なら今度こそ〇すわよ」

希「ちゃうよ」
　

希「金返しに来たんや」

希「ほい　30万」
ﾎﾟﾝ

絵里「…」

絵里「狂ったか？」
　

希「臨時収入や」

希「上がらせてもらうで」

絵里「待って！」

絵里「臭いし汚いわ」

絵里「新聞紙引くからこの上を歩いて」
　

希「わしはドブネズミか」

絵里「そこ駄目！」

絵里「このビニール袋の上に座って」

希「はい」

絵里「それでなによ？」
　

希「ちょっとやらかしてもうてな」

希「園田道場ともめてんのや」

絵里「海未の家と？」

絵里「トラックで突っ込んだのって」

希「ウチや」
　

絵里「…」

絵里「え？ お前馬鹿なん？」

希「しゃーなかったんや」

希「やらんでも〇されとった」

絵里「厄介な事したわね」
　

希「家も爆破されてもうた」

希「対応早いわ」

絵里「海未の死体はまだ確認されてない」

希「生きとんやろかな」

絵里「さあね」
　

絵里「でも返してきてるしね」

絵里「このままじゃ済まないわね」

希「…」

希「あれら皆〇しにできんやろか？」

絵里「…」
　

絵里「園田道場か…難しい」

絵里「金次第で…なんとかなるかどうか」

絵里「分かんないけど」

希「2千万出せる」

絵里「少ないわね」
　

絵里「は？」

絵里「どこにそんな金あったのよ！？」

絵里「全部よこしなさいよ！」

希「道場のや」

絵里「金まで盗ったのか」
　

希「あんたとこの仲間内でなんとかならへんか」

絵里「うーん…」

希「このままじゃのんたん死んでまうで」

絵里「自業自得よ」

希「酷い事いうんやなエリち」ｸﾞｽﾝ
　

希「今気丈にふるまっとるけどな」

希「実は怖くて漏らしてんねんで？」ｼﾞﾄ

絵里「ギャー！」

絵里「死ね」
ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ　ﾊﾟﾝ

希「ひいぃ！」
　

希「耳に穴が開いた」

絵里「拭け！」

絵里「その持ってる服で拭け」

希「はい」

絵里「おい」
　

希「はい」

絵里「おい！！」

希「ごめんなさい」

希「次は頑張ります」

絵里「その服とか鞄とか全部よこせ」
　

希「はい」

絵里「なんであんたがこんな高いの持ってんのよ」

希「ガ、ガキがカードくれたんや」

絵里「それもよこせ」

希「はい」
　

絵里「指輪も外せ」

希「はい」

絵里「服脱いでこのビニールシート巻いとけ」

希「はい」

絵里「すき焼き用の肉と材料買ってこい」
　

希「はい」

ジャスコ

希「えーとロースは」

希「玉葱も買おう」


希「買ってきたで」
　

絵里「はーい」

絵里「おい」

絵里「ガリガリ君は？」

希「買ってません」

絵里「は？」
　

希「忘れました」

絵里「バッガ！グっ」

絵里「エリチカ！」ﾋﾟｷ

希「げっ！」ｺﾞﾝ

絵里「おい！」
　

絵里「希？」

絵里「あっ！顔が真っ青！」

絵里「ごめんなさい希」

絵里「私なんて事を」

絵里「お医者様呼ばなくちゃ」
　

絵里「どうしましょう…」

希「…」ｿﾛ

絵里「あっ！」

絵里「今動いただろ！？」

希「動いとらんよ」
　

絵里「動いた！」

絵里「見たもんねー！見たもんねー！」

絵里「来い！」

絵里「頭にキャベツを乗せろ」

絵里「落としたら指切る」
　

希「（また始まってもうた）」

希「（エリちは切れたらこうやって意味の無い行為を延々と強要する）」

希「（一ヶ月に渡ってやらされる）」

希「（9割は気が変になって死んでまう）」

希「（生徒会は全滅や）」
　

希「（だから会いたくなかったんや）」

希「（しかしこれを耐えたらエリちは協力的になり金も貸してくれたりする）」

希「（なんとか耐えんと）」

絵里「外出ろ！」

絵里「よし！わ行を1時間唱え　」
　

希「わをん　わをん　わをん　わをん　」

絵里「声が大きい！」

絵里「お前なんでビニールシートから腕を出してるっ！？」

絵里「ちゃんとちくわみたいに全部包めよ！」

希「はい」ﾓｿﾞﾓｿﾞ
　

絵里「私を乗せてウサギ跳び」

希「はぁはぁ」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

絵里「このキュウリを両手に持て」

希「手が出ないから持てへん」

絵里「馬鹿か！お前はー！」
　

絵里「手まで入れてどうすんだよ！？」

絵里「なにも持てないだろうが！」

希「はい」ﾓｿﾞﾓｿﾞ

絵里「お前私を舐めてるだろ？」

希「舐めてません」
　

絵里「その格好で銀座一周スキップしてこい」

希「ﾁｯ」

絵里「あ！今舌打ちしたね？」

希「してません」

絵里「した！」
　

希「しとらんよ」

絵里「舌噛み切れ」

希「出来ません」

絵里「なんで」

希「死んでしまいます」
　

絵里「ちょっとでいいから」

希「ぐむぅ！え」ﾌﾞﾁ

希「はひ」

絵里「…まぁいいか」

希「（そして絵里は強制的に大量に食わせる癖がある）」
　

絵里「次はチャーハン10kg」

希「も、もう食えへん」

絵里「ふざけんなさんな」

絵里「食えよ！ちゃんとー！」

希「うう」
　

一週間後

絵里「今日は土に埋まってもらう」

絵里「ご飯は毎分与えるから心配するな」

希「（あかん もう心が折れそうや…）」

希「（しかし我慢せんと死んでまう）」
　

絵里「このカードで百均行って500万円分買ってこい」

希「持ちきれへん」

絵里「トラック借りなさいよ」

ﾌﾞﾛﾛ
希「買ってきた」

絵里「返品してこい」
　

絵里「あの家のばばぁが私にケチつけたの」

絵里「3発ほど撃ち込んでこい」

希「のんたんが捕まってまう」

絵里「うーん困った」

絵里「誰か呼んでこい」
　

希「ちゃんとスクワットやっとったか？」

男2「は、はい」

希「ちょっとついてき」

希「これであの家撃ってき」

男2「無理ですよ」
　

絵里「什?？」

希「こっちのおばはんな」

希「ウチより怖いねんで？」

希「はよし」

絵里「シベリア」ﾁｬｷ
　

男2「…」

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

絵里「よし　自首してこい」

希「なに どうせ不起訴や」

希「ウチのこと言ったらあかんで」
　

希「ギャーー！」

溶鉱炉

絵里「もっと近づけ」

希「燃えてまう」

絵里「たぶん大丈夫」
　

一ヶ月後

希「觀自在菩薩行深」

絵里「何人か雇うか」

希「ほんまか？」

絵里「全部やれるかどうか分からないけどね」
　

希「海未ちゃんはまだ行方不明やな」

絵里「あっちに動きがないのよね」

希「家もなくなってもうたしな」

絵里「アパートでも借りて」

宅急便でーす
　

絵里「来たか」

ガチャ

希「動くな」

え？

絵里「こいつはただの宅配屋ね」
　

絵里「そのまま持って車まで戻って」

希「ウチらも乗せてな」

絵里「この辺でいいか　降ろして」

絵里「あんたはもう行っていいわよ」

希「置いてきたで」
　

ﾊﾟﾝ

ボーーン！

絵里「しょっぱい花火ね」

希「エリちの所いるのはバレてたか」

絵里「もう宿変えた方がいいわね」
　

希「もう部屋借りても爆弾仕掛けられるだけや」

希「当分ネットカフェとかで泊まるわ」

絵里「2人雇ったわよ」

絵里「動きがあったら連絡する」

希「世話なるな」
　

希「武器も少し売ってくれんか？」

ネットカフェ

希「疲れたわ」

希「トカレフとかあかんやつ当たるかいな」

希「しゃーないか」
　

希「グー」zzz

バララララ

ガチャーン！　キャー！

希「！なんや」

希「どないしたんや？」
　

車から銃撃ち込まれたんです

希「仕事早いわ」

希「優良企業やな」

希「どうせ非常口に爆弾しかけとるやろ」

希「もう移らなあかんか」
　

希「ちょっと道場見てくるか」

道場付近

希「もう建て直しよる」

希「アホやなぁ」

希「よっと」ﾋｭｰ
　

希「もう一丁」ﾋｭ

バズーーン！　ボーーン！

希「定期的に放り込んだるわ」

それから何度か襲われたものの
希はなんとかくぐり抜けた
　

希「なんやパッタリ来んようになったなぁ」

希「諦めるわきゃないわな」

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ
希「ウチや」

絵里「海未を拘束したわ」

絵里「場所送るから早く来なさい」
　

希「なんとな」

希「エリちんとこのも恐ろしいやんな」


倉庫

希「海未ちゃん　こんにちわ」

希「家吹っ飛ばして悪かったな」
　

海未「希が狂ってるのは知ってましたが」

海未「ここまでやってくれるとは思いませんでした」

希「命かかっとるもん」

希「そりゃやるわ」

希「あないな利子じゃ死ね言うとるようなもんや」
　

海未「借りる方が悪いのですよ」

希「そりゃそうや」

希「パ千ンコですったのから始まり」

希「こないな大事になってしもうた」

希「やらかしたのはウチやけどな」
　

希「まぁ外道なんはお互い様や」

希「両方どんななっても文句いわれへんやろ　な？」

希「みんな元気にしとるんか？」

海未「さぁ」

希「さよか」
　

海未「ところでこれから私はどうなるんですか？」

希「決まっとるやん」

希「拷問してバラバラにして海に還したるわ」

海未「…」

海未「そうですか」
　

希「嘘や」

希「大事な仲間の海未ちゃんにそんな事するわけないやん」

希「ウチは女神やで？」

海未「馬鹿にしてるんですか？」

希「両手首だけもらっとくわ」
　

希「もう悪さできんように」

希「次はもうこんな女神対応は無しやで」


希「解放したってや」


絵里「良かったのあれで」
　

希「ビビってたしもうええやろ」

希「手首切るって冗談言ったら泣き出したし」

希「全部潰すと金盗む所無くなるさかいな」

希「他の残党は潰しといてや」
　

希は凛からの証言で窃盗 無銭飲食

穂乃果の証言から傷害

真姫からの証言で傷害

にこは自分もやってしまってるのでなにも言わず

少年鑑別所行きになった
　

半年後

希「出ぇへんやないの！」

希「どないなっとんのこの台」

希「くそ」ﾄﾞﾝﾄﾞﾝ

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ
希「ことりちゃんか」
　

希「ほうか　来週穂乃果ちゃん退院するんか」

希「行かんわ」

希「ウチは合わせる顔があらへん」

希「真姫ちゃんが？」

希「それは怖いな　絶対行かんわ」
　

希「分かった　またな」ﾋﾟ

希「凛ちゃんや穂乃果ちゃんや真姫ちゃんの親に殴られてもうたしな」

希「負けたし飯でも食うか」


「バーカ」

希「…」
　

にこ「バーカ　バーカ　犯罪者！」

希「ぷっ」

希「あんたも裂いたやんか」

にこ「うるさい財布泥棒　死ね　〇す！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

希「なんやあれ」
　

希「さて　とんかつでも食いに行くか」

どうぞ

希「なんやこれ？」

あぶらとり紙の試供品です

希「なんや」
　

希「ウチが脂ぎっとるいうんか！」

そうではないです

希「ちょっと待っとれ」

希「このビニール一杯にくれ」

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ
　

希「…」

希「痛った…」

希「ﾁｯ」

希「油断しとったわ」

希「くっそ…」
　

希「〇すんなら頭撃てや サディストが」

希「あかんなこりゃ」


タクシー内

希「あぁ　そこで降ろしてや」
　

希「やっぱり最期はこの娘やんなぁ…」


花陽「希ちゃん？」

希「花陽ちゃん こんにちわ 久しぶりやな」

花陽「血が…」

希「あぁ こんなん大した事無いよって」
　

希「上がらせてな」

花陽「どうぞ」

希「花陽ちゃん元気にしとったか？」

花陽「うん 元気だったよ」

希「ほか ウチも嬉しいわ」
　

希「ちょっと横にならせてな」

希「なんか眠うなってな」

希「何時？」

花陽「1時」

希「じゃあ3時になったら起きるよって」

希「…」
　

希「なぁ 花陽ちゃん」

花陽「なに」

希「目が覚めたらどっか遊びに行こうか」

花陽「うん」

花陽「いいよ」

希「…」


終