【SS】夏美「なんですって！？百合が人気ですの！？」【ラブライブ！スーパースター!!】

四季「うん、私とメイで盛り上がってる人が多い」

メイ「べ、別に私らそんなんじゃないのにな」

四季「は？」

きな子「怖っす」

夏美「も……物凄くマニーの匂いがしますのッ！ぷんぷんですの！今すぐ営業開始ですのー！！」

すみれ「まーた変なことすんじゃないわよ」

夏美「す、すみれ先輩！？まだいらっしゃいましたの！？」

すみれ「ずっといたわよ！はっ倒すったらはっ倒すわよ！？」
　

きな子「ゆ、百合……？営業……？ってどういうことっすか？」

夏美「百合、つまり女の子同士で仲が良いことをアピールすることですの……さて一体何から」

きな子「仲良い……それなら私たちはもうできてると思うっす！」

すみれ「あんたは良い子ねえ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

きな子「ん～！すみれ先輩すっす～♡」

夏美「こ、これですの！！！」
　

メイ「さっきから声でかいんだよ」

夏美「メイさん！もしよろしければ私の頭を──」

四季「…………」ｼﾞﾛ

夏美「ひいっ！とってもよろしくなさそうですの！！」

ﾋﾟﾛﾝｯ

すみれ「！」ﾁﾗｯ

すみれ「……」ｽｯｽｯ
　

すみれ「あー……私そろそろ帰るわ」ｽｯｸ

きな子「はいっす！お疲れ様っす！」

夏美「そ、そんなぁ！ちょっと待ってほしいですの！是非ご協力を～！」ｶﾞｼｯ

すみれ「はぁ？あんたたちでツーショットでも載せればいいじゃない！」

夏美「いいえ！私は確信しましたの！私とすみれ先輩の身長差は完璧！さらに髪色で姉妹百合路線も狙えますの～！！」ﾑｷﾞｭｳ

すみれ「やらないったらやらないわよ！離れなさい～！」ｸﾞｲｰｯ

夏美「いやですの～！」ｷﾞｭｰｯ

四季「……」ﾊﾟｼｬ
　

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ

可可「こらっ！外まで声が聞こえてマス……よ……」

夏美「あっ、可可先輩！」

すみれ「げっ、可可！？」

可可「……なーにやってるのデスカ、アナタは」

きな子「可可先輩どうしたんすか！何か忘れ物っすか？」

可可「忘れ物したと思いマシタが……気のせいデシタ。可可は帰りマス！」

メイ「う、うっす……お疲れ様です（気のせいとかあんのか……？）」
　

可可「……」ｼﾞﾛｯ

すみれ「っ……」ﾀｼﾞ

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
ﾊﾞﾀﾝｯ!

夏美「……？」

すみれ「ああもう……いい加減離しなさいったら離しなさい！」ﾁｮｯﾌﾟ

夏美「あいたっ！何をしますのぉ！」

すみれ「ったく、あんたたちもあんまり遅くなる前に帰りなさいよ！じゃあね！」ﾀﾀｯ

ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
ﾊﾞﾀﾝ
　

きな子「お疲れ様っすー！……なんか急いでたっすね？」

メイ「お前、あんま先輩に迷惑かけんなよな」

夏美（むむ……普段のすみれ先輩ならあのくらい頼めばお願いきいてくれますのに……）

四季「夏美、これ撮っといたけど」ｽｯ

夏美「ん？……おおお！？でかしましたのシッキーッ！」

夏美（私がすみれ先輩を抱きしめている(※しがみついている)写真！思ったとおり完璧な身長差とビジュアルですの！）

夏美（さっそくアップしてチャンネルに誘導を……ああもっと枚数が欲しいですの！）ｽｯｽｯ

メイ「あれ、このタオルすみれ先輩のだよな？」

夏美「！」
　

きな子「ほんとっすね、急いでたから置いてっちゃったみたいっす」

夏美「私が届けにいきますの！今行ったら間に合うはず！」ﾊﾞｯ

夏美（ついでに写真と動画も追加でゲットですのー！）


ーーーーーー
ーーー

夏美「はっ、はっ……あっ」ﾀｯﾀｯ

すみれ「～～、～～」

夏美「いましたの！すみっ──」

すみれ「もう、いい加減機嫌直しなさいよ」

可可「知らないデス」ﾂｰﾝ
　

夏美（！可可先輩……？先に帰ったはずじゃ……）ｻｻ

すみれ「待たせて悪かったったら！でもあんたもチャットしてから来るの早すぎでしょ」

可可「……」ｼﾞｰ

すみれ「ちょっと？話してるのに何スマホ見て……あっ！？」

可可「SNSにも写真が載せられてマシタよ……すみれはナッツーとハグするのに忙しかったのデスよね」ﾑｽｯ

すみれ「こ、これは違……あの子が勝手に……だ、だって仕方ないでしょ！」

すみれ「可可と付き合ってるからやめて、なんて言えないじゃない……」

夏美「！！？」
　

夏美（え、えええええ！？確かに仲が良いとは思っていましたが！付き合ってますの！？営業なんかやってる場合じゃねえってわけですのー！？！？）

夏美（こ、これはとんでもない事実ですの……！だからお願いもきいてくれなかったですのね……！）

可可「それは……そうデスガ……」

すみれ「……可可」ｸｲ

夏美（えっ）

ﾁｭｯ

可可「なにす、っ、んぅっ……」

夏美（ほ、ほぁぁーーーーッ！！あなたの心のクゥすみサプリーーーーッッ！！！）
　

すみれ「……ごめんね？可可。なるべく気をつけるから」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

可可「が、学校ではダメと散々……！なんのためにわざわざ帰る時間をずらしていると思っているのデスカ……！///」

すみれ「はいはい、もう帰りましょ」

可可「なぁにがはいはいデスカぁー！大体すみれが──！」

ﾜｲﾜｲ…

夏美「……」ｿﾛｿﾛ

夏美（びっくりしましたの……まさかお二人がそんな関係だったとは……）

夏美「……閃きましたの……」ﾆﾔﾘ
　

ーーーーーー
ーーー

翌日

夏美「すみれ先輩、ちょーっとお時間もらえませんか？」

すみれ「何よ？今日のダンスの振りなら千砂都のほうが……」

夏美「違いますの！いいからこっちに、ほらほら！」ｸﾞｲｸﾞｲ

すみれ「あ、ちょ、引っ張らないでったら引っ張らないで！」

～～～～～～

すみれ「まったく、今度は何の用よ？言っておくけどこの前の手伝いは……」
　

夏美「もちろんですの……すみれ先輩と可可先輩は"営業"じゃありませんものね？」ﾆﾔ

すみれ「！？なっ……あ、あんたなんでっ……」

夏美「ふふふ……学校でキスなんかして、いけないスクールアイドルですのー……」ｽｯ

すみれ「見てたの！？そ、それに……まさか写真！？け、消しなさいっ！」ﾊﾞｯ

夏美「ふふん、このスマホから消しても無駄ですの！バックアップはバッチリですの」ｻｻｯ

夏美（まあ本当は写真なんて撮る暇ありませんでしたの、嘘も方便ですの！）

すみれ「な、なんのつもりよ……脅そうってわけ……？」
　

夏美「脅すなんてとんでもございませんの！ただちょーっとだけ……」

すみれ「ちょっとだけ……？」

夏美「お二人の様子を私のチャンネルで配信させてほしいですのー！」

すみれ「は、配信！？」

夏美「あ、自然なクゥすみをお届けしたいので可可先輩には内緒ですの」

すみれ「だ、ダメったらダメに決まってるでしょそんなの！」

夏美「あらぁ～？写真……よろしいんですの？」

すみれ「あんたそれお手本みたいな脅しだからね！？」
　

夏美「それに～……動画の終わりにはすみれ先輩のチャンネルに誘導いたしますの」

すみれ「えっ……い、いやダメよ！大体あんたが配信したら可可にもすぐバレるじゃない！」

夏美「心配ご無用！学校の人には教えていませんが知る人ぞ知るサブ垢がありますの」

すみれ「で、でも……」

夏美「せんぱぁい……私のチャンネル登録者数ご存知ですよね……？」

すみれ「……」ｺﾞｸﾘ
　

ーーーーーー
ーーー

翌日

可可「ふえぁぁ……疲れマシタ……ぱたり」

千砂都「今日の練習はちょっとハードだったかな？でも可可ちゃん良い感じだったYO！」

すみれ「……」

～～～～～～

すみれ「わかったわよ……やるったらやるわ、写真流されるよりはいいもの」

夏美「きゃー！さすがすみれ先輩ですのー！」

すみれ「調子いいんだから……で、どうすればいいわけ？」
　

夏美「とりあえずこれをどうぞですの」ﾁﾏｯ

すみれ「……？これは？」

夏美「超小型カメラですの！」

すみれ「カメラぁ！？この米粒みたいなのが！？」

夏美「そしてこっちがスイッチ！録画と同時に配信も始めてくれる優れ物ですの！どちらも四季さん印ですの！」

すみれ「な、なんでそんなもの……いや聞かないでおくけど、一年生どうなってんのよ……」

夏美「まったくですの」

すみれ「筆頭！」ﾁｮｯﾌﾟ

夏美「いたいっ！ですの！」
　

すみれ「はぁ……それで撮った動画をあんたが編集するって？」

夏美「何をおっしゃいますの、時代はリアルタイム！当然生放送ですの！」

すみれ「はぁ！？な、なんか映っちゃったらどうすんのよ！？」

夏美「映ったらまずいものまで配信してくださいますの！？」

すみれ「そうじゃないけど！」

夏美「外部からの録画はブロックできますし、何より私に通知が来るので最悪枠ごと落としますの」

すみれ「うぅ……ま、まあそんなやばいもの映るような状況で配信しないけどね！」

夏美「えー！是非インパクトある配信をして何かの賞に輝いてほしいですの！あ、賞というのはいわゆるバズった配信や動画に送られるものでして、一定期間審査の対象となりその間は……」

すみれ「聞いてないったら聞いてない！あんた先輩の恋愛事情でいくら稼ぐつもりよ！？」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ!
　

～～～～～～

すみれ（思い出したら頭痛くなってきたわ……ああもう、なるようになるわよ！）ｶﾁｯ

夏美（！すみれ先輩がスイッチを……！これで配信が始まったはず！）ｽｯｽｯ

Tsukamiちゃんねる
『Liell♡!の先輩が大変仲良しでいらっしゃいますの！??』 20人が視聴中

夏美（開始告知なしゲリラにも関わらず始まってすぐにリスナーが！これは期待できますの……！）

夏美（本垢でさらっと配信開始の匂わせ投稿をして……と）ｽｯｽｯ

夏美（これでサブ垢の存在を知ってる方々が見にきてくれるはず。そうしたらあとは上手く二人きりに……）
　

可可「すみれ、何もたもたしているのデスか」

すみれ「今日はちょっと勉強していくわ……数学わかんないところがあるのよね」ﾁﾗｯ

可可「！……マッタク仕方のないグソクムシデス！補習にでもなったら大変デスから教えてやってもいいデスよ？」

夏美（さすが先輩ですの！リスナーの反応は……）ﾁﾗｯ

ーーーーー

　タイトル期待してもいいんですか？
　カメラに気付いてない？隠し撮り？
　みんな普通に会話してるね
　Tsukami：一部の先輩のご協力を得てこっそり配信中ですの！皆さまご内密に！
　了解！
　わかりました！
　ナイス企画 ¥500


夏美（早速スパチャが！順調ですのー！）
　

かのん「それじゃ私たちは先に帰るね」

恋「戸締まりよろしくお願いいたしますね」

メイ「おつかれっす」

四季「お疲れ様」

きな子「お疲れ様っす！夏美ちゃんも帰るっすか？」

夏美「もちろん今すぐ帰りますの！皆さまお先に！」ｼｭﾊﾞｯ

ﾜｲﾜｲ
ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ… ﾊﾞﾀﾝ

ｼｰﾝ…
　

すみれ（……よし、可可以外は全員帰ったわね）

すみれ（カメラも座ってるところが映る位置に仕掛けたはず……夏美がニヤニヤしてたし大丈夫かしら）ﾁﾗｯ

可可「すみれ？」

すみれ「あ、あぁ、えーっと、それじゃ早速始めましょうか」ｶﾞｻｺﾞｿ

すみれ（まあ仲良くお勉強してるとこでも見せればいいわよね）

可可「えっ」

すみれ「えっ？」
　

可可「……ホントに勉強するために残ったのデスか？」

すみれ「は！？ちょっ……！！」

ーーーーー

　おやおやおやおや
　おっと！？
　なにそれどういうこと！？
　開幕5分で神に感謝　¥2,525
　何するつもりだったんやろなぁ
　え？もうそういう関係のセリフじゃない？？


夏美（ほぁぁ！一瞬で大盛り上がりですの……！）ｲﾔﾎﾝ
　

すみれ「ま、まあ！？あんたのステップで気になるところがなかったと言えば嘘になるけど！」

可可「なぁっ！？きょ、今日のダンスはよかったと千砂都にも褒められマシタのに！」

ーーーーー

　ダンス特訓じゃないのかってことかな？
　そりゃそうよ
　百合豚さんさぁ…
　百合なんてフィクション


夏美（おぉ……すみれ先輩なんとか切り抜けましたの）

すみれ（これバレないようにするのめちゃくちゃ大変じゃない！？）
　

すみれ（可可からは全然そういうことしてこないし、絶対内緒デス！ってうるさいからいけるかしら……？）ﾋﾔﾋﾔ

すみれ「と、とりあえず！今日はほんとに数学やるつもりよ」

可可「むむ……そうデスか」

すみれ「だから、えと、その……こ、こっち来なさいよ」

可可「何を照れているのデスか……」

すみれ「て、照れてないわよ！」

すみれ（配信されてると思うと落ち着かない……）
　

すみれ（ってこの平安名すみれが観客にビビるなんてあってはならないったらならないわ！完璧に自然にやってやるんだから！）ｽｰﾊｰ

すみれ「……そう見えた？ほら、この問３が難しくて」ｽﾝｯ

可可「あ、待ってクダサイ、隣いきマスので」ｶﾞﾀ ｽﾄﾝ

ーーーーー

　距離近い
　こういうのでいいんだよ ¥500
　近いね
　てぇてぇ… ¥1,000
　この二人仲悪くなかったっけ？
　新規ファンがいますね


夏美「あぁ＾～いいですの＾～」
　

ーーーーーー
ーーー

30分後

すみれ「ふー……助かったわ、やっぱあんた頭良いわね」

可可「ふふん、このくらいなら余裕デス！」

すみれ（ちゃんと撮れてたかしら……というかこれでいいわけ？帰って夏美に確認しないと）

可可「それにしてもどうして部室に残ったのデスか？」

すみれ「え？いやだから……勉強したでしょうが今」
　

可可「そうではなく、だったらいつも通りクゥクゥの部屋「わーー！」」ｶﾁｯ!

すみれ（い、急いでスイッチ押したけど入ったかしら今の！？）ﾄﾞｷﾄﾞｷ

可可「な、なんデスか突然！？」

すみれ「あーその、ごめん、虫かと思ったら見間違いだったわ！」

可可「びっくりさせんなデス……あ、すみれ、この後って」

すみれ「あー……付き合ってもらったのに悪いんだけど、ちょっと用事があるからまっすぐ帰るわ」

可可「む……ま、まあ変な噂が立っても困りマスし、クゥクゥはぜーんぜん構いマセンが！」

すみれ「はいはい、ごめんね」
　

ーーーーー

『─この配信は終了しました─』

　最後なんて言った！？
　神配信感謝　¥2,000
　可可の部屋って聞こえたような
　やっぱノンフィクションかもしれない…
　頻繁に家行ってる…ってコト！？
　たまんねぇ～～～ ¥1,500


夏美「思ったとおりですの……今日だけで配信数回分のスパチャをいただいてしまいましたの！」

夏美「やはり時代は百合ですのー！キマシタのー！」

prrr…

夏美「！すみれ先輩……もしもしですの」
　

すみれ『もしもし？ちゃんと撮れてた？』

夏美「ばっちりですの！やっぱりすみれ先輩にはスタァの才能がございますの！」

すみれ『そ、そうかしら？……じゃなくて！胃痛で死ぬかと思ったわよ！もうこれで……』

夏美「ふふ……すみれ先輩、ご自分の登録者数とフォロワー数はご覧になりましたの？」

すみれ『え？……！？も、もう目に見えて増えてる……』

夏美「誘導と素晴らしい配信内容の相乗効果ですの！」

すみれ『う……』

夏美「一回目でこの伸び方ですのよ？すみれ先輩なら言わなくてもわかりますの……ね？」

すみれ『……』
　

平安名すみれは我慢強い少女である
しかしそれは苦痛に対する耐性であり、賞賛や誘惑には滅法弱かった

承認欲求に加え『写真流出を止めなければいけない』という大義名分や『かわいい可可を自慢したい』という惚気願望が炸裂し…

すみれ『……始まったのなら貫くのみよ！！』

夏美「そうこなくっちゃですのー！」

案の定、続行を決意
その後数週間に渡り、決定的な言動を上手くかわしながら配信を続けたのだった…
　

ーーーーーー
ーーー

数週間後

すみれ「ふふふ……」

すみれ（フォロワー数もぐっと増えたし、昔アップした動画も再生されてる……）

すみれ（それに可可がダメっていうから表ではできない『匂わせ』もできるし……いいこと尽くしね！）ﾆﾔﾆﾔ

すみれ（ただそろそろやることもなくなってきたのよね……あくまで友達で済む範囲のことしかできないし）

すみれ（うーん、また夏美に相談しようかしら）
　

すみれ「夏美ー、このあと……」

可可「……」ｸﾞｲｯ

すみれ「んぐっ！？ちょっ、締まっ……何すんのよ！？」

可可「……今日はうちに来やがれデス」ﾎﾞｿ

すみれ（可可の家……困ったらゲーム配信ですの！って夏美に言われたときに行ったっきりね）

すみれ（カメラ仕込んだぬいぐるみを可可が気に入っちゃったり、上手く画面だけ映すのが難しかったりで苦労したのよね……）

すみれ「悪いけどまた今度……」

可可「……」ｼｭﾝ
　

すみれ「……部屋片付いてるんでしょうね？」ｺｿ

可可「！……当然デス！」ﾊﾟｧｧ

すみれ「……」?‍♀ ｷｮｳﾊﾅｼ

夏美「……」? ﾘｮｳｶｲﾃﾞｽﾉ

すみれ「それじゃみんなお疲れ様」

可可「く、クゥクゥも用事があるので帰りマス！どきやがれデスすみれー！」ﾄﾞﾝｯ

すみれ「ちょっと押すんじゃないわよ！」

ﾜｰﾜｰ
　

夏美（……いつも通り仲の悪い仲良しに見えますの。私は可可先輩がにやけているのに気づいてしまいましたが）

夏美（最近は連日配信してましたし、たまにはお二人でごゆっくりですの）ｳﾝｳﾝ

夏美（私も負けていられませんのー！今日も自分の動画編集を頑張りますの！）

ーーーーーー
ーーー

数時間後

夏美「……」ｶﾀｶﾀ

夏美（ふー、ざっとこんなものですの）ﾀﾝ

夏美（……それにしてもすみれ先輩のおかげで思った以上に稼げましたの）
　

夏美（ただカメラ増設の製作費と、Liella!の今後の活動資金を確保したら残りはわずか……）

夏美（でももうすっかり乗り気ですし今後も続けてくれそうですの！）ﾆﾔﾆﾔ

ﾋﾟｺﾝ!

夏美「ん、あれ、配信開始通知……？やっぱりやることにしたんですの？」ｶﾁｶﾁ

Tsukamiちゃんねる
『Liell♡!の先輩が大変仲良しでいらっしゃいますの??！』 458人が視聴中

夏美「ふふふ同接も随分と……ってぇ！？」ｶﾞﾀｯ

夏美（ふ、二人がいるのは恐らく可可先輩の部屋……！ってそんなことはどうでもいいですの！）
　

ーーーーー

　すみれ『もう、転ぶところだったじゃない』

　可可『……』ｷﾞｭｳ

　すみれ『どうしたのよ急に膝乗ってきたりして』ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

　可可『……るさい、デス』ｸﾞﾘｸﾞﾘ

ーーーーー

夏美（可可先輩がすみれ先輩に抱きついてますの！！！）

夏美（え、え、これいいんですの！？大サービス配信ですのー！？）
　

ーーーーー

　開幕からやばくない？？
　いきなり死んだわ
　始まりのDie1なんだけど
　え？え？？
　うおおおおおおお！！！？
　やっぱりクゥすみじゃないか！！


夏美「ちゃ、チャット欄もかつてない盛り上がりですの……！」

ーーーーー

　可可『……最近なんなのデスか』

　すみれ『最近？」

　可可『学校は、まあ……仕方ないのでともかく……家でも……二人の時でも……』ﾓｺﾞﾓｺﾞ

　すみれ『……なによ？』ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ーーーーー

夏美「すみれ先輩のこのだらしない表情、それに躊躇ないスキンシップ……！」

夏美「こ、これは……誤配信ですのね！！？」
　

夏美（恐らく可可先輩に乗られた時にポケットにあったスイッチが押されて……）

夏美「って原因はなんでもいいですの！早く枠を落と──」

ーーーーー

　ありがとうありがとう ¥2,000
　さすがにスパチャ　¥500
　これがノンフィクション!!ですか
　クゥすみデート代　¥5,000
　めちゃくちゃイチャついてて草　¥2,525
　付き合ってると思ってました！！！ ¥3,000


夏美「枠……を……」
　

ーーーーー

　可可『なによじゃないデス……前もゲームだけして帰りやがりマシタし……』ﾑｽｯ

　すみれ『もしかして寂しかったの？』ｸｽ

　可可『……まセンカ』

　すみれ『え？』

　可可『こうしているのを見て、わかりまセンカ……』ｷﾞｭｯ

ーーーーー

夏美「ほぁぁーー！！は、早く落とさないと……ああでも、でもっ……！」ﾁﾗｯ

　ぎゃあああああ
　あと一歩でガン治りそう ¥5,000
　ひいい可可ちゃんかわいいいい ¥9,999
　クゥすみワタルシミ??? ¥7,575
　たまらん ¥2,525
　顔真っ赤代　¥10,000
　あああああああ
　素晴らしい配信??? ¥7,575


夏美「きゃああぁ～～っ！！スパチャが！スパチャが止まりませんの～～～！！」
　

ーーーーー

　すみれ『っ……可可……』

　可可『すみれ……今日はクゥクゥの機嫌取らないと承知しないデスよ？』ｽﾘｽﾘ

　すみれ『～～っ！も、もう、あんたほんとっ……！』ｶﾞﾊﾞｯ

　可可『んっ……』ﾄｻｯ

ーーーーー

夏美「あああああまずいですの！肌色は普通にまずいですの！！」
　

夏美「う、う、も、もう止め……」ﾁﾗｯ

ーーーーー
　
　押し倒した！！！
　うおおおおおおおお！！？？
　金を渡すことしかできない ¥2,000
　やばいやばいやばい　¥25,252
　えマジでボタン外し始めてない？
　神の台本代　¥4,290
　????????　¥75,757
　すみれちゃん上着脱いじゃったけど！？
　あああああクゥすみクゥすみクゥ　¥40,000
　大丈夫なのこれやばくね
　続けて続けて続けてお願い　¥20,000
　

夏美「ああでも、でもっ！！チャット欄の色がこんなにトリドリぃ……！！」
　

ーーーーー

　すみれ『可可、腕上げ…「♪～♪♪～♪♪」…っ、電話……千砂都？何かしら？』

　可可『出ていいデスよ、この後に邪魔されたら嫌デスから』ｽﾘ

　すみれ『ありがと、ちょっと待ってなさいね……もしもし？』ﾋﾟｯ

　『あっ！す、すみれちゃん！？え、えーっとえーっと……！とりあえず今すぐ可可ちゃんに服着せて！』

　すみれ『え？……はっ、えっ！？な、あんた、えっ！？』

　可可『？』

　『なんでか知らないけどネットで配信されてるの！急上昇に入ってて視聴者数もすっごくて……！』

　すみれ『配信！？……あっ……あぁ！！？』ｶﾞﾊﾞｯ

　可可『！？』ﾋﾞｸｯ

ーーーーー

夏美「あっ……」
　

ーーーーーー

　すみれ『っ、あ、あの、わ……わかったわ！一旦切るわね！』ﾋﾟｯ

　すみれ『～～～～っ！！！』ﾀﾞﾀﾞｯ

　ｶﾞｻｶﾞｻｯ!

　可可『す、すみれぇ？何し』ﾌﾞﾂﾝ

ーーーーー

『ーこの配信は終了しました─』

　終わったあああ
　ガン撲滅記念 ¥20,000
　ああああああ
　What a Wonderful Dream… ¥30,000
　最後本気で焦ってなかった？
　生きててよかった??? ¥75,757
　電話も台本だろ…？
　ありがとう ありがとう　¥10,000


夏美「ｯｽ──……」

夏美「……ああああああ！！！っっっばいですのおおお！！！」
　

夏美「ま、まあ今すぐ削除すれば問題ないですの！可可先輩の目にさえ入らなければ口裏あわせて他人の空似で押し切り……」ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ

『─この動画は受賞候補のため削除できません─』

夏美「……は？」

夏美「……あっ！？」

　『賞というのはいわゆるバズった配信や動画に送られるものでして、一定期間審査の対象となりその間は……』

夏美「運営に動画が保護、され……」ｻｰ…

夏美「し、申請すれば削除できるはず……」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｯ

夏美「……翌営業日以降に受理……ということは削除はもっと先……に……？」

夏美「……」

夏美「ジャ……ジャッジメントですの……」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ
　

～～～～～～

一方…

可可「ど、どうしたのデスか……？千砂都は何を……」

すみれ（やばいやばいやばいったらやばい……）ﾄﾞﾀﾊﾞﾀ ｶﾞｻｺﾞｿ

可可「さっきから何をやっているのデス！？それに今バッグにしまったぬいぐるみはクゥクゥへのプレゼントじゃ」

すみれ「あ、あーっ！可可！その、本当にごめんなさい！大事な用事を思い出したわ！」

可可「エッ」

すみれ「ごめんったらごめん！私、かっ、帰るわね！それじゃ！ギャラクシー！」ｼｭﾊﾞﾊﾞｯ

ｶﾞﾁｬｯ
ﾊﾞﾀﾝｯ!

可可「……ふぇ……？？」ﾎﾟｶﾝ
　

prrr prrr…

可可「……姐姐？……你、你好……？」ﾋﾟｯ

可可姉『(以下中国語) あ、可可！？あなた何やってるの！？こんなのお母さんたちに見つかったらおしまいだよ！？』

可可「え、え、あぇ？？な、なんの話……」

可可姉『今チャットにリンク送ったから！』

可可「……？…？？」ｽｯｽｯ ﾎﾟﾁ

可可「エルチューブ……？え、これ可可とすみれ……え……？？」ｻｲｾｲ

可可「ハ……な、ぁ、あぁっ……！？///」

可可「……このチャンネル名……それに誘導先……」

可可「～～～ッ……！！！」ﾜﾅﾜﾅ
　

ーーーーーー
ーーー

部室

バッキャアァァン！！！

可可「アンチクショーどもはどこデスカーーー！！??」

千砂都「く、可可ちゃん落ち着いて！かのんちゃんが怯えて丸まっちゃってるから！」

かのん「ひ、ひぃぃ……！」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

可可「あんの頭オニナッツーサンシャインとギャラクシーバカはどこに行きやがりマシタカぁーーー！！??」ﾊﾞｷｨﾝ!! ﾊﾞｷｬｧﾝ!!

恋「お、お二人なら卵かけ納豆ご飯をバズらせる旅に出ると言って出ていきました！！」


完