【SS】彼方「あ、あれは璃奈ちゃんボードダイカットクッション……!!」【ラブライブ!虹ヶ咲】

SS


1: (しまむら) 2022/05/30(月) 21:46:04.92 ID:H+M4JczQ
ま、まさか彼方ちゃんのバイト先で売ってるなんて…!!

彼方「か、可愛い~…!」

ふわふわで、寝心地が良さそうで、何よりおっきい!

衝動買いする価値、絶対あるよね!

彼方「うう…でも…」

今月のお給料、ちょっと少ないし…

いや、それを抜きにして欲しいなあ!かわいい!!

…だめだめ!衝動買いしてもいいことないし、やっぱりやめとかなきゃ!

…………

彼方「…じゅるり」
 
4: (しまむら) 2022/05/30(月) 21:48:52.30 ID:H+M4JczQ
『…おいてくの?』

彼方「…え?」

『私とむぎゅむぎゅしたくないの?』

彼方「う…それはもちろんしたいけど……」

彼方「どうしよう…うう……」

彼方「ごめんね!やっぱり彼方ちゃんじゃ買えないよ…」

ごめんなさい…
 
7: (しまむら) 2022/05/30(月) 21:53:17.55 ID:H+M4JczQ
───
──

彼方「って言うことがあったんだよね~…」

エマ「クッションさんに話しかけられたの?」

彼方「うんうん、『買って欲しい』って言われたんだよね」

彼方「でも衝動買いは良くないかなって思って…」

エマ「えらいね彼方ちゃん!私だったらすぐ買っちゃうよ?」

彼方「彼方ちゃんもその時は絶対買いたい!って思ったよ?」

彼方「でも絶対必要!買わなかったら彼方ちゃんが死んじゃう!って訳じゃなかったからね」
 
8: (しまむら) 2022/05/30(月) 21:55:35.92 ID:H+M4JczQ
彼方「でも今考えたらクッションさんを見捨てちゃった感じになっちゃってちょっとモヤモヤする…」

エマ「ちょっと分かるかも」

エマ「なんか置いてかれたクッションさんがかわいそうって思っちゃうよね」

彼方「そうそう!だから買ってあげたい気持ちもあったんだけど……」

エマ「難しいよね…私は買っても買わなくても正解だと思うよ」

彼方「う~~ん…こうやって話してたら後悔の気持ちが大きくなりそうだからこの話はおしまい!」

彼方「学校だったらエマちゃんの膝枕あるし彼方ちゃんはそれで十分!」

エマ「えへへ~じゃあ今日もしてあげる!」

彼方「ありがと~!大好きだよエマちゃん!」

エマちゃんになでなでして貰いながらお昼寝するの、幸せだけど…

ここに璃奈ちゃんクッションあったらもっと幸せだったのかな…
 
9: (しまむら) 2022/05/30(月) 21:59:23.00 ID:H+M4JczQ
璃奈「彼方さん、エマさん、こんにちは」

彼方「あ、璃奈ちゃん!」

璃奈「彼方さんがエマさんの膝枕にいるのに寝てない…珍しい」

エマ「ちょうど璃奈ちゃんボードクッションのお話ししてたんだよ~」

璃奈「そうなんだ」

璃奈「フェスティバルの一環として企画した奴だけど、今考えたらちょっと恥ずかしい『////』」

彼方「そんなことないよ~!可愛いしおっきいしお昼寝に絶対合うと思った!」
 
11: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:03:16.34 ID:H+M4JczQ
璃奈「あれでお昼寝してくれると思うと、ちょっとドキドキする」

璃奈「どこにあったの?」

彼方「ちょうど彼方ちゃんのバイト先に売ってたんだ~」

璃奈「ほんとに?」

彼方「うん!もう半分くらい無くなってたかな?」

璃奈「結構売れてるんだね」

エマ「インパクト抜群のクッションだし色んな人が買ってくれてるといいね」

璃奈「うん、私たちを知らない人たちにも知ってくれるいい機会かなって思って企画したから、そうなって欲しい」
 
12: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:06:33.51 ID:H+M4JczQ
彼方「うう…」

璃奈「どうしたの?」

彼方「本当は彼方ちゃんも買いたかったよ~~!!!」

彼方「エマちゃん…やっぱり買ってもよかったよね…」

エマ「まだ残ってるなら買ってもいいんじゃない?」

彼方「それを見たのが一昨日だったから絶対売ってないよ~…」

璃奈「そんなに無理して買わなくても大丈夫だよ」

璃奈「気持ちだけで十分」

彼方「うう…本当に璃奈ちゃんは本当に優しいねぇ…」

エマ「お昼寝すればちょっとは落ち着くと思うよ」

彼方「うん…そうするね」

璃奈「おやすみなさい」

彼方「ん…」
 
15: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:14:59.29 ID:H+M4JczQ
───
──

「…ぱい…せんぱい」

「彼方先輩!」

彼方「っは!今何時?!」

「もう!練習始まってますよ!」

彼方「またいっぱい寝ちゃった…ごめってうわあ!」

「?どうかしたんですか?」

彼方「どうかしたんですかって…クッション…」

「クッション?何言ってるんです?」

り、璃奈ちゃんクッションが喋ってる!!!

夢じゃないよね?!
 
16: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:22:02.25 ID:H+M4JczQ
彼方ちゃんのためにお迎えに来てくれたなんて!

彼方「も、もふもふだ~!!」

クッションさん「うわあ?!もふもふってなんですかー!!」

彼方「すっごいいい匂いもするし…もちもちしてるし…」

クッションさん「何言ってるんですか!寝惚けないでくださいよお!」

彼方「寝ぼけてないよ~!だってあなたが迎えにきてくれたんでしょ~?」

クッションさん「迎えに来る??迎えに来るってなんですかー!」

彼方「むふふ…パンの匂いして抱き心地抜群だよ~」

…ん?パンの匂い?
 
17: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:29:35.19 ID:H+M4JczQ
クッションさん?「いい加減起きてください!彼方先輩!!!」

彼方「ん…ええっと…」

彼方「あれ?かすみちゃん?」

かすみ「はあーーーーー…そうですよ可愛いかすみんです」

かすみ「ほんっと何寝ぼけてるんですか…かすみんはクッションじゃないですよ」

彼方「寝ぼけてて間違えちゃった~」

かすみ「どうやったら間違えるんですかあ!」

かすみ「かすみんのどこがもふもふしてるんですか…というかよくクッションとかすみんを間違えられますね…」

彼方「しょうがないじゃ~ん、抱き心地がすっごく良さそうだったし~」
 
18: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:36:45.35 ID:H+M4JczQ
かすみ「それ褒め言葉ですか?」

彼方「彼方ちゃんにとって最上級の褒め言葉だよ~」

彼方「そういえばエマちゃんと璃奈ちゃんは?エマちゃんの膝枕いつの間にかなくなってる…」

かすみ「同好会のみんなで起こしてあげてたんですよ?なのに彼方先輩全然起きないじゃないですか」

彼方「そんなにぐっすり寝てたんだ…」

かすみ「疲れてるんじゃないんですか?何日かお休みしても大丈夫ですよ」

彼方「ううん、全然疲れてないよ」

彼方「むしろ逆で毎日が楽しすぎて疲れなんてほとんどないくらい!」

かすみ「ほんとですか?知らぬ間に疲れってたまるものですよ」
 
19: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:39:26.32 ID:H+M4JczQ
彼方「本当に疲れてないよ、それはほんとだよ」

彼方「ちょっと迷ってることがあっただけ」

かすみ「迷ってる事ですか?いつでも相談に乗ったのに…私達の仲なんですよ?」

彼方「いや~流石に相談に乗るほどの物じゃないからさ~」

かすみ「困った時はお互い様ですよ~?」

彼方「そこまで言うなら聞いてもらおうかな~」

彼方「かすみちゃんってさ、璃奈ちゃんボードのクッション売ってるの知ってる?」

かすみ「はい!もちろん知ってますよ!この写真見てください!」

彼方「ん?どれどれ…」
 
20: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:42:55.82 ID:H+M4JczQ
彼方「ああああ!ずるいよ~!なんで2個も持ってるの?!」

かすみ「りな子に囲まれて寝るのすっごく幸せです!」

彼方「私も璃奈ちゃんクッションと寝たかったのに~!!」

かすみ「それが悩みなんですか?!」

彼方「そうだよ?」

かすみ「どうして買わなかったんですか?」

彼方「心の底から欲しかったよ?あんなに可愛くて、もふもふしてて、寝心地良さそうなクッションなんて中々見ないし」

彼方「でもあんまり無駄遣いも良くないし、衝動買いなんて絶対ダメだから泣く泣くやめちゃったんだよ~…」

かすみ「そうなんですね…彼方先輩ってお母さんみたいですね」

彼方「うう…璃奈ちゃんクッションむぎゅむぎゅしてみたい…」

かすみ「もう売り切れてそうですもんね」

彼方「そうなんだよね~」
 
21: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:46:24.90 ID:H+M4JczQ
彼方「…ねえかすみちゃん」

かすみ「なんですか?」

彼方「ええっと、そのクッションおすそわ」

かすみ「いくら大切な先輩のお願いだとしてもお裾分けだけは絶対ダメですよ!!!!」

彼方「そうだよね~…」

彼方「はあ~久しぶりに彼方ちゃんネガティブだよ~」

かすみ「まあいつか忘れる時がきますよ」

かすみ「そろそろみんなの所行きましょ?」

彼方「ん~そうだね」

確かにもしかしたら忘れる時が来るのかな。

かすみちゃんにもエマちゃんにも璃奈ちゃんにも悩みを聞いてもらったし、だいぶ心が軽くなった気がする!
 
22: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:52:23.50 ID:H+M4JczQ
彼方「よし!それじゃあ…」

って言った瞬間、

コンコンコンコンって扉を叩く音。

かすみ「誰ですかね?どうぞー」

「あ、あの!」

彼方「あれ?璃奈ちゃん?」

璃奈「様子を見に行こうかなって来たんだけど…」

彼方「ごめんごめん、今ちょうど行こうと思ってたんだよ~」

璃奈「えっと、ええっと…」

かすみ「?どうしたの?」

璃奈「彼方さんと少しだけお話ししたいから、かすみちゃんは先に行っててほしい」

彼方「わ、わたしと?」

何か気に触ることしちゃったかな…

かすみ「別にいいけど…早くきてね!」

璃奈「うん、すぐだから大丈夫」
 
23: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:55:41.42 ID:H+M4JczQ
───
──

彼方「なんのお話しするの?」

璃奈「私のクッションのお話」

彼方「あー、あの話はもう一区切りついたから大丈夫だよ~」

彼方「心配させてごめんね」

璃奈「わたしが大丈夫じゃない」

彼方「ど、どういうこと?」

すごく怒ってる…?

璃奈「クッションをすごく欲しがってたのはとっても嬉しかったし私が持ってるのをあげようと思ったよ」

彼方「う、うん」
 
24: (しまむら) 2022/05/30(月) 22:58:19.50 ID:H+M4JczQ
璃奈「でもかすみちゃんとのお話聞いてたらそんなこと思わなくなったの」

あの話、聞いてたんだ…

でも璃奈ちゃんが怒るようなこと言ったかな?

私が気にしてなくても璃奈ちゃんを嫌な気持ちにさせちゃったなら謝らないと。

彼方「気に触ることしちゃったんだ、ごめんなさい」

璃奈「そ、そういうことじゃないの」

璃奈「怒ってるわけじゃないの」
 
25: (しまむら) 2022/05/30(月) 23:03:28.23 ID:H+M4JczQ
彼方「…?」

怒ってないの?確かに声のトーンとかは怒ってる感じじゃないけど…

璃奈「彼方さんがあのクッションのお話をしてくれた時、とっても嬉しかった」

璃奈「話題性があるものを作ろうって言う目的もあったけど、彼方さんがクッションを使ってお昼寝できるくらいもふもふに設計してみたの」

彼方「そうなんだ…尚更買えなくて悔しくなってきたよ~」

璃奈「でもクッションのお話ばっかりされると…ええっと…」

璃奈「す、すっごく悔しかった」
 
26: (しまむら) 2022/05/30(月) 23:07:29.15 ID:H+M4JczQ
悔しい???

彼方「悔しい?どう言うこと?」

璃奈「だって、だって」

璃奈「だって目の前にいる人よりクッションの方をむぎゅむぎゅしたいって、負けた気がしてとっても悔しいんだもん」

彼方「あ、そういうことね~」

確かにそれは悔しいよね!彼方ちゃんもその気持ちわかるかも~



…うん?

え??????
 
27: (しまむら) 2022/05/30(月) 23:11:56.53 ID:H+M4JczQ
彼方「えーっと、それってつまり…」

彼方「クッションに嫉妬してたってこと?」

璃奈「…………てれてれ『//~//』」

か、かわいい~!!!

璃奈ちゃんがそんなこと口にするなんて…!!

璃奈「クッションじゃなくて、私をむぎゅむぎゅして欲しい」

璃奈「世界に一つしかない彼方さんのためのクッションだよ」

璃奈「だめ……?」







 

このあと彼方ちゃんは練習そっちのけで璃奈ちゃんを堪能しましたとさ、めでたしめでたし
 
28: (しまむら) 2022/05/30(月) 23:15:43.80 ID:H+M4JczQ
おしまいです
最後まで読んでくれてありがとうございました
 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1653914764/

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