【SS】侑「ねえ、歩夢...」歩夢「ん、なぁに？侑ちゃ───」ﾁｭｯ【ラブライブ！虹ヶ咲】

私の唇に何かが触れた。
何が触れた？....そう、触れたものも唇だった。
誰の？....目の前には侑ちゃん以外誰もいない。だから私の唇に触れたのは───

歩夢「ッ////！？！？」

侑「あはは、歩夢やっと反応した！」

歩夢「えっ////！？ゆ、侑ちゃん今キ、キキキキキッ////」

侑「歩夢顔が真っ赤だよ。」ｸｽｸｽ
　

歩夢「───ッ////！！も、もう！侑ちゃんのせいでしょ！じ、事前に言ってくれたら私だって...その...ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ///」

侑「うん、事前に言ってくれたら？」

歩夢「....どっちみち恥ずかしいよぉ///」

侑「あはは、歩夢は恥ずかしがり屋だからね！そういうところも可愛いんだけど」

歩夢「むぅ....///」

歩夢「ゆ、侑ちゃん！」

侑「ん、どうしたのあゆ「えいっ！」ﾁｭｯ...」
　

歩夢「....///」

侑「...歩夢」

歩夢「.....うぅ//////」

侑「歩夢からしかけても恥ずかしがるのは変わらないみたいだね」ｸｽｯ

歩夢「っ！もうっ！もうもうもう！！///」

侑「あはは、ごめんごめん！」

歩夢「知らない。侑ちゃんのバカっ//」ﾌﾟｲｯ

侑「....」

歩夢「.....」

侑「ねぇ、歩夢？」

歩夢「.....なに？」ﾁﾗｯ

侑「さっきのキスの思いは本当だからね？」

歩夢「ッッ/////」
　

私はあまりの恥ずかしさに完全にそっぽを向いた。
侑ちゃんの方を向いたらきっと、気絶しちゃう...

歩夢（うぅ....//今日の侑ちゃん...少し...ううん、すごく大胆だよ...私の心臓が持たない...///）

侑「ねえ歩夢」

歩夢「だ、ダメ！！」

歩夢「....今侑ちゃんの方恥ずかしくて見れない///」

歩夢「だから、このまま...///」

侑「うん、分かった。」ｷﾞｭｯ

歩夢「っ///」
　

侑ちゃんは不意に後ろから抱きつくように手を回した。

侑「ねぇ、歩夢？そのままで良いから
　　私の話を聞いてほしいな。」

歩夢「....///」ｺｸｯ

侑「ふふっ、ありがとう。」

侑「あのね...」

侑ちゃんの言葉はとても落ち着いた雰囲気で、



侑「私、明日にはいなくなるんだ」



とても衝撃的な内容だった。
　

歩夢「────────え？」

侑「歩夢には言おうか言わないかずっと悩んでたけどね」

歩夢「え....え？」

侑「でも、このまま打ち明けずに時間が過ぎていくのがあまりにも苦しかったんだ。ごめんね」

歩夢「ま、待って...？」

歩夢「いなくなるってどういうこと？」

歩夢「ゆ、侑ちゃん、どこか行っちゃうの？」

侑「あー、うん...語弊があったね。」

侑「私は明日には綺麗さっぱり消える...
　　存在そのものがいなくなるんだ」

歩夢「な、なに言ってるの...？」

歩夢「そんな冗談...面白くないよ...？」

侑「....」
　

歩夢「冗談じゃ...ないの...？」ｶﾀｶﾀ

侑「....ごめんね」

歩夢「な、なんで...？せめて理由を教えて！」

侑「ごめん...それも言えないんだ...」

歩夢「っ！...なんでよ」

歩夢「そんな...そんなんじゃ、納得できないよ...！」ｸﾞｽｯ

侑「......」

侑「ねぇ、歩夢？最後にお願いがあるんだ」

歩夢「───ッ！！いや！！聞きたくない！！」
　

私は耳を塞いで大声を出す。
侑ちゃんのお願いが聞こえないように...

歩夢「聞きたくない！！聞きたくない！！
　　　最後のお願いなんて...そんなの聞きたくないよ...！」

侑「......」

侑「ッく、あははは！ごめんね！」ﾊﾟｼｯ

すると、侑ちゃんは両手を前にして謝罪した。

歩夢「───え？」

侑「歩夢があまりにも本気にしてたから私もつい調子に乗っちゃった！本当にごめん！」
　

歩夢「え？」

侑「私の存在が消滅するーって言った時は流石にバレるかなー？
　　なんて思ったけど、私って思ったより演技に向いてるかも」

歩夢「嘘？」

侑「うん、嘘だよ。」

そう言った時、私の頭で何かがキレた。

歩夢「ッッ！！」ﾊﾟｼﾝｯ‼︎

侑「....ッ」

歩夢「酷いよ...そんな嘘二度とつかないで！」

歩夢「...」ｽﾀｽﾀ

私はそのまま侑ちゃんの部屋から出る。
そんな冗談...本当に許さない...！


ｶﾞﾁｬﾝ‼︎


侑「....ごめんね」
　

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私は目を覚ました。

今日から虹ヶ咲学園の3年生♪

去年は色々なことがあって、大変なことやすごく楽しいことがあったけど、
心機一転、今日から頑張っていかなくちゃ！

歩夢（今日から新しい1年生が入ってくるんだ...ふふっ、
　　　同好会のメンバー増えないかな♪）

そんなことを考えながら、私は着替えの準備を終わらせて家のドアを開ける。

歩夢「行ってきます！」ｶﾞﾁｬ

...そういえば、私の隣ってずっと空き地になってるけど、何でだろう？

いつか、お隣さんができれば良いのになぁ。

って、そろそろいかなくちゃ！

そんなことを思いながら私は学校へ向かった────


BAD END【叶わないお願い】
　

歩夢「何これ！」

璃奈「バッドエンド。好感度が－のキャラが3人以上いる状態で、個人ENDに到達すると、それぞれのバッドエンドが用意してある」

璃奈「製作側からしたら、特定のキャラのエンディングを見るために他のキャラを蔑ろにされるのはすごく悲しい。だからそういう設定にした。」

璃奈「今回の場合、かすみちゃん、しずくちゃん、せつ菜さんの3人の好感度がマイナスだったことが原因」

歩夢「うぅ...」

璃奈「でも、ちょっとイジワルな設定だったかも...」
　

歩夢「ううん、これは私が悪いよ...」

歩夢「侑ちゃんとのエンディングを見たいがために他の子が
　　　侑ちゃんの近くにいかないよう妨害してたんだもん...」

歩夢「そんなことをやってたら相応の結末がくるのは当然だよね。」

璃奈「歩夢さん...」

璃奈「大丈夫！今の歩夢さんなら次はハッピーエンドを迎えられる！」【ファイト！】

歩夢「璃奈ちゃん....」

歩夢「よーし、今度はハッピーエンドを目指して頑張ろう！」

璃奈「おー！」

END
　

あゆむ『えーん！えーん！」

ゆう『あゆむ、泣かなくてもへいき！私がついてるから！』

あゆむ『ぐすっ...ほんとう...？』

ゆう『うん！ぜったいにあゆむを1人にしないよ！やくそくする！』

侑「そしたら、歩夢泣き止んでそれで父さんと母さんが見つけてくれたんだよね」

歩夢「そう...そうだよ...っ！」

歩夢「約束したじゃん！私たちはずっと一緒って！」

歩夢「だ、だから...っ、だから！！」

歩夢「だから...いなくならないで...！」
　

侑「...」ｼｭﾙﾙﾙ

侑ちゃんは、自分の髪留めを外して私の髪を結ぶ。

侑「ねぇ、歩夢。私はいなくなっちゃう...
　　みんなの記憶からもきっと消えちゃう...でもね
　　それでも、歩夢にだけはいつまでも、覚えててほしい...」

あぁ、そっか...侑ちゃんはもう...絶対に消えちゃうんだ...

歩夢「ゆ、ゆうちゃん...」ｸﾞｽｯ

侑「ねえ、歩夢。最後のお願い...聞いてもらって良いかな？」

歩夢「グスッ....」ｺｸｯ

侑「ありがとう...歩夢」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ


侑「キス、して...」
　

歩夢「っ...」ﾎﾟﾛﾘ...
侑「っ...」

私の唇が侑ちゃんの唇に触れる。
時間が止まったように感じる...

ただ、今の時間は誰にも取られたくない...
こんな想いを抱かせるなんて、神様はきっとどこまでも残酷だ...


侑「ありがとう、歩夢...もう、大丈夫だよ」

そういうと、侑ちゃんは私の肩を押した。

歩夢「っ！...わたしはちっとも大丈夫じゃないよ...」

侑「ううん、歩夢も大丈夫だよ。」

侑「だって歩夢はもうあの時みたいに1人じゃない。
　　同好会のみんなだっているんだから！」

歩夢「ゆっ、ゆう、ちゃん...っ」

侑「バイバイ、歩夢...」

ｶﾁｯ
　

歩夢「───ッ！！」

歩夢「...？」

気づいたら、私は隣の空き地に立っていた」

歩夢「あれ、私なんでここにいるんだっけ？」

歩夢「....あれ？」

何故だか分からない...だけど...

歩夢「どうして...涙が出てるの...？」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ
　

空き地にいる理由、止まらない涙

分からない...私、どうしちゃったの...？

歩夢「....ぁ」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

その時、頭で結んである髪留めがいつもと違うことに気づいた。

歩夢「こ、これ....ッ！！」ｽﾞｷｯ

侑『歩夢！』

侑『歩夢～』

侑『ねぇ、歩夢』

歩夢「あ...あぁ...っ！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

侑『歩夢、大好きだよ』

歩夢「あああぁぁあああ！！」

侑『キス、して...』

歩夢「ああああぁあぁあぁ！！」

...
......
　

チュンチュン

歩夢「...」

翌日、私は目を覚ます。

あれから、私はいっぱい泣いた。涙が枯れるくらい泣いた。
そして、泣き疲れると一緒に眠気が襲ってしまい、気づいたらベッドで眠っていた。

昨日の涙が嘘のように顔はスッキリしている。眠気もない。

着替えの準備をして、家の扉を開ける。

「行ってきます。」ｶﾞﾁｬ
　

私は目の前にある空き地に目を向ける。侑ちゃんが居た家だ。

歩夢「....」

prrrr

歩夢「わっ」

せつ菜「あっ、やっとつながりました！」

歩夢「あぁ、うん...ごめんねせつ菜ちゃん。ちょっとだけぼうっとしてたみたい」

せつ菜「そ、そうですか？ってそれより聞いてください！新しい新入生にすっごい人がいるんです！！」

歩夢「ふぅん、そうなんだ。」

歩夢「ねぇ、せつ菜ちゃん。」

せつ菜「はい？何ですか」

歩夢「高咲侑って子、虹ヶ咲学園にいる？」

せつ菜「高咲、侑ですか？いいえ、聞いたことがないですね」

歩夢「...そっか」

せつ菜「すみません、お力になれず...」

歩夢「ううん！せつ菜ちゃんが悪いわけじゃないよ！」

そう、これはせつ菜ちゃんのせいじゃない...
だって侑ちゃんは──────

true END【空想の友達（イマジナリーフレンド）】
　

歩夢「.....璃奈ちゃん？」

璃奈「...」ｻｯ

歩夢「私頑張ったよ？みんなの好感度を一定以上仲良くして、
　　　侑ちゃんとの関係も最大値にして、最高のエンディングを迎える準備はできてたよね？

璃奈「....」ﾎﾟﾀ、ﾎﾟﾀ...

歩夢「これってどういうこと？」

璃奈「ト、トゥルーエンド...」

璃奈「本来、成長したら見えないイマジナリーフレンドだった侑さんが、
　　　歩夢さんの約束が理由で残り続けてて」
歩夢「ううん、そんなこと聞いてないよ？」

璃奈「っ...」

歩夢「璃奈ちゃん言ったよね？次の私なら【ハッピーエンドを迎えられるって。ね？」

璃奈「....」ｶﾀｶﾀ
　

璃奈「ゆ、侑さんのお話は、ゲームの一番メインのお話にしたかったんだ...」

歩夢「うん、侑ちゃんのお話は濃厚だったね」

璃奈「それで、お話を作ってると侑さんの設定が重くなって...」

歩夢「うん、侑ちゃんのお話かなり胃が痛くなる展開だったね。
　　　幼馴染がイマジナリーフレンドなんて、想像するだけで嫌だもん」

璃奈「気づいたら....ハッピーエンドに辿り着く道が完全に途絶えた」

歩夢「....」
　

歩夢「...うん、分かるよ？」

歩夢「確かに、重たいストーリーにハッピーエンドを入れると
　　　作品の雰囲気が壊れて全体の評価が下がることもあるよね。」

歩夢「このゲームもきっとそうなんだと思う」

璃奈「歩夢さん...っ！」ﾊﾟｧｧ

歩夢「だから、新作を作って？」

璃奈「え？」

歩夢「そう言った重いストーリーじゃない。侑ちゃんも消滅しない。
　　　キャラクターとの明るい恋愛をメインにしたゲームを作って？」

璃奈「あ、歩夢さん...」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

歩夢「大丈夫だよ。私も手伝うから...ね？」

END
　

本当に終了です。

明言はしませんが、
元ネタとして某作品を使用しております。