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149:…14824/08/06(火)21:41:28 No.1219198935そうだねx4
eスポーツと配信で稼ぐ姫芽
いつもこだわりすぎて赤字の呉服屋の吟子
共働きなのに申し訳ないと思う吟子
いつもこだわりすぎて赤字の呉服屋の吟子
共働きなのに申し訳ないと思う吟子
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137:…13624/08/06(火)23:14:28 No.1219237343そうだねx11
「はい…じゃあ、一ヶ月あれば…はい…」
手作業で和服を仕立てていくのは、どれだけ急いでも時間を要する。ましてこだわりがあるなら。
呉服屋を始めたはいいものの、なかなか経営は安定しない。お客様はぽつぽつ来てくれるのだが、単純に私の手が追いつかないのだ。
いい生地、いい染、図柄。オーダーメイドなら材料費も相応になる。大事にしてくれるお客様にしか売っていないので、正直な所赤字だ。
「おかえり~」
仕事場から帰ると、姫芽が晩御飯を作って待っていた。アタシ在宅ワークだから、と家事を殆どこなしている。eスポーツと配信をやりながら。
姫芽の業績はきわめて順調だ。登録者数は増え続け、案件も。彼女の稼ぎを、私が潰している。
「ありがとう…いつも、ごめ」
言いかけたところで唇を塞がれた。
「謝罪は食卓にはいらないねえ」
吟子ちゃんがやりたいことを支えるのがアタシの夢なんだよね、と言ってくれた姫芽。毎日、感謝と愛が止まらなくなる。ちょっと涙ぐんだのをごまかすために、私はエプロン姿の姫芽を抱きしめた。
手作業で和服を仕立てていくのは、どれだけ急いでも時間を要する。ましてこだわりがあるなら。
呉服屋を始めたはいいものの、なかなか経営は安定しない。お客様はぽつぽつ来てくれるのだが、単純に私の手が追いつかないのだ。
いい生地、いい染、図柄。オーダーメイドなら材料費も相応になる。大事にしてくれるお客様にしか売っていないので、正直な所赤字だ。
「おかえり~」
仕事場から帰ると、姫芽が晩御飯を作って待っていた。アタシ在宅ワークだから、と家事を殆どこなしている。eスポーツと配信をやりながら。
姫芽の業績はきわめて順調だ。登録者数は増え続け、案件も。彼女の稼ぎを、私が潰している。
「ありがとう…いつも、ごめ」
言いかけたところで唇を塞がれた。
「謝罪は食卓にはいらないねえ」
吟子ちゃんがやりたいことを支えるのがアタシの夢なんだよね、と言ってくれた姫芽。毎日、感謝と愛が止まらなくなる。ちょっと涙ぐんだのをごまかすために、私はエプロン姿の姫芽を抱きしめた。
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115:…11424/08/02(金)00:22:20 No.1217439362そうだねx6
「姫芽」
眠る貴女に呼びかけてみた。
いつものように、可愛らしい声は返ってこない。
いくら明日が休みだからと言って、いくら突発的なお泊まり会が始まったからと言って、いくら寮則が緩いからと言って。そろそろ寝なければ生活リズムに響くと分かっているのに。
「姫芽、姫芽」
貴女の目の前で独り言、それが許される時間を手放し難かった。
自分の口から発せられる、貴女の名前が愛おしい。姫芽、ひめ。頭の中をぐるぐると回る。
「……私、変」
もっともっと仲良くなりたいと思うのは、かけがえのない友人だから、それだけ?
こんなにも柔肌に触れ合いたくなってしまうのは───
「えっ」
「あ~……あ、ごめん……」
眠りも元々浅めなのに、何度も何度も自分の名前が呼びかけられてしまえば起きて当然。残念ながら狭いベッドの上、隠れる場所も逃げる場所もない。ただ顔を手で覆うばかり、暗がりの中じゃハッキリと見えやしないだろうに。
「……ね。お返ししていい?」
友人に言語化できない感情を抱え、眠りを妨げた罪悪感も戸惑いも、少しして塗り潰されていった。同じ回数まで呼び続けるらしい。吟子ちゃん、吟子ちゃん、吟子ちゃ~ん……と。
眠る貴女に呼びかけてみた。
いつものように、可愛らしい声は返ってこない。
いくら明日が休みだからと言って、いくら突発的なお泊まり会が始まったからと言って、いくら寮則が緩いからと言って。そろそろ寝なければ生活リズムに響くと分かっているのに。
「姫芽、姫芽」
貴女の目の前で独り言、それが許される時間を手放し難かった。
自分の口から発せられる、貴女の名前が愛おしい。姫芽、ひめ。頭の中をぐるぐると回る。
「……私、変」
もっともっと仲良くなりたいと思うのは、かけがえのない友人だから、それだけ?
こんなにも柔肌に触れ合いたくなってしまうのは───
「えっ」
「あ~……あ、ごめん……」
眠りも元々浅めなのに、何度も何度も自分の名前が呼びかけられてしまえば起きて当然。残念ながら狭いベッドの上、隠れる場所も逃げる場所もない。ただ顔を手で覆うばかり、暗がりの中じゃハッキリと見えやしないだろうに。
「……ね。お返ししていい?」
友人に言語化できない感情を抱え、眠りを妨げた罪悪感も戸惑いも、少しして塗り潰されていった。同じ回数まで呼び続けるらしい。吟子ちゃん、吟子ちゃん、吟子ちゃ~ん……と。
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116:…11524/08/02(金)00:22:31 No.1217439401そうだねx5
「…ねえ、まだひとりでいるの」
高校以来の親友――そう呼んでいいのかわからない――は、遠慮なく私にそう言った。
「…姫芽だってそうでしょ」
向こうだって、人のことを偉そうに説教できる立場ではない。それなりに稼いでて、モテるともファンが多いともネットで見た。それなのに、未だに姉妹二人暮らしで。
「アタシは…相手が…振り向いてくれたら」
私だって未練があるとか、そんなんじゃない。結婚した先輩のことも、ちゃんと祝福できてる。ただ、高校時代の私が、どこかで置いていかれたような気がして。
「吟子ちゃんが…吹っ切ったなら…」
喫茶店のテーブルの上で、姫芽の手が私に重なる。この手をそのまま握り返してしまえたら。でも、私の中の私がそれを許さない。
「私のことなんて…気にかけなくて…いい」
いつも私はそう言うしかできない。はねのけることもできなくて、受け入れることもできなくて。その癖失うことも嫌で。つくづく最低な女だと思う。
「…アタシ、いつまでも待てるよ」
お願い。濫用しないでその優しさを。
高校以来の親友――そう呼んでいいのかわからない――は、遠慮なく私にそう言った。
「…姫芽だってそうでしょ」
向こうだって、人のことを偉そうに説教できる立場ではない。それなりに稼いでて、モテるともファンが多いともネットで見た。それなのに、未だに姉妹二人暮らしで。
「アタシは…相手が…振り向いてくれたら」
私だって未練があるとか、そんなんじゃない。結婚した先輩のことも、ちゃんと祝福できてる。ただ、高校時代の私が、どこかで置いていかれたような気がして。
「吟子ちゃんが…吹っ切ったなら…」
喫茶店のテーブルの上で、姫芽の手が私に重なる。この手をそのまま握り返してしまえたら。でも、私の中の私がそれを許さない。
「私のことなんて…気にかけなくて…いい」
いつも私はそう言うしかできない。はねのけることもできなくて、受け入れることもできなくて。その癖失うことも嫌で。つくづく最低な女だと思う。
「…アタシ、いつまでも待てるよ」
お願い。濫用しないでその優しさを。
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10:…1024/08/13(火)01:49:44 No.1221406015そうだねx3
PCに表示された勝利画面を前に、アタシは小さくガッツポーズをした。軽くランクを上げて寝ようと思っていたのに、少し手こずって遅くなってしまった。でも目標達成を前に諦めるなんてできないし、何より負かされると燃える質だ。結局、PCの電源を落としたのは夜もかなり深くなった頃だった。
「ん、んう……」
大きく伸びをしてヘッドホンを外せば、蒸れた耳元を冷たい空気が撫でた。
「ふぁ……姫芽、やっと終わった……?」
声のした方を向けば、いかにも眠そうな吟子ちゃん。ゲームを始めるちょっと前に来たのは覚えてるけど、流石にもう帰ってるかと思ってた。
「あれ、吟子ちゃんまだいたんだ。アタシのことは気にせず帰ってくれてよかったのに~」
「……姫芽と、一緒……いたくて……」
吟子ちゃんはゆらゆら揺れながら、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「えっ、それってどういう……」
ぱた、と電池が切れたように吟子ちゃんがベッドに倒れた。無防備で綺麗な寝顔がこちらを向いている。どうしよう、起こすのは気が引けるし、部屋まで運ぶのは物理的に無理だし。
「……吟子ちゃん、かわいいなぁ……」
緊急ミッション『平和に夜を越せ』
「ん、んう……」
大きく伸びをしてヘッドホンを外せば、蒸れた耳元を冷たい空気が撫でた。
「ふぁ……姫芽、やっと終わった……?」
声のした方を向けば、いかにも眠そうな吟子ちゃん。ゲームを始めるちょっと前に来たのは覚えてるけど、流石にもう帰ってるかと思ってた。
「あれ、吟子ちゃんまだいたんだ。アタシのことは気にせず帰ってくれてよかったのに~」
「……姫芽と、一緒……いたくて……」
吟子ちゃんはゆらゆら揺れながら、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
「えっ、それってどういう……」
ぱた、と電池が切れたように吟子ちゃんがベッドに倒れた。無防備で綺麗な寝顔がこちらを向いている。どうしよう、起こすのは気が引けるし、部屋まで運ぶのは物理的に無理だし。
「……吟子ちゃん、かわいいなぁ……」
緊急ミッション『平和に夜を越せ』
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14:…1424/08/13(火)03:09:12 No.1221417753そうだねx5
「姫芽、いる?」
軽いノックの後、吟子ちゃんの澄んだ声が続いた。ここの所、吟子ちゃんは頻繁にアタシの部屋に来る。
「いらっしゃ~い。いや~、今日も来てくれるなんて、吟子ちゃんはアタシのこと大好きだね~」
「は、はぁ!? 何言ってるの!?」
アタシの言葉で、吟子ちゃんはすぐ真っ赤になった。思わず息を吞む程美人なのに、こういう所がかわいくてからかい甲斐があるんだよなぁ。
「えっ、じゃあアタシのこと嫌い……?」
勿論アタシはここで「嫌い」と返されるなんて思ってない。じゃなきゃ言わない。本当に言われたら三日は寝込む。
「いや、嫌いとか……それは……ないけど……」
思った通り、吟子ちゃんはあちらこちらへ目線を泳がせて、もごもごと口を動かしている。ほんとかわいいなぁ。
「え~じゃあやっぱり好きなんだ~」
「……うん。好きだよ、姫芽」
吟子ちゃんは真っ直ぐこちらに向き直ってそう言った。瞳に覚悟を宿した真剣な表情が、美人をより一層際立てる。それはあまりにも綺麗で、どうしようもなく胸が高鳴った。
「あぅ……」
ハートにクリティカルダメージ。アタシの負けです、対戦ありがとうございました。
軽いノックの後、吟子ちゃんの澄んだ声が続いた。ここの所、吟子ちゃんは頻繁にアタシの部屋に来る。
「いらっしゃ~い。いや~、今日も来てくれるなんて、吟子ちゃんはアタシのこと大好きだね~」
「は、はぁ!? 何言ってるの!?」
アタシの言葉で、吟子ちゃんはすぐ真っ赤になった。思わず息を吞む程美人なのに、こういう所がかわいくてからかい甲斐があるんだよなぁ。
「えっ、じゃあアタシのこと嫌い……?」
勿論アタシはここで「嫌い」と返されるなんて思ってない。じゃなきゃ言わない。本当に言われたら三日は寝込む。
「いや、嫌いとか……それは……ないけど……」
思った通り、吟子ちゃんはあちらこちらへ目線を泳がせて、もごもごと口を動かしている。ほんとかわいいなぁ。
「え~じゃあやっぱり好きなんだ~」
「……うん。好きだよ、姫芽」
吟子ちゃんは真っ直ぐこちらに向き直ってそう言った。瞳に覚悟を宿した真剣な表情が、美人をより一層際立てる。それはあまりにも綺麗で、どうしようもなく胸が高鳴った。
「あぅ……」
ハートにクリティカルダメージ。アタシの負けです、対戦ありがとうございました。
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19:…1924/08/13(火)03:30:27 No.1221419474+
姫芽ちゃんは基本的にカウンターに弱過ぎる…
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72:24/08/13(火)21:17:08 No.1221671201そうだねx7
前回の!蓮ノ空女学院スクールアイドル倶楽部!姫芽ちゃんが医者の娘『マッキー』から貰った「思ったことなんでも素直に話しちゃう薬」を吟子ちゃんが飲んじゃった!
寮の部屋で吟子ちゃんは口を押さえて布団にくるまっている。
「薬の効果が切れるまでぜっったい誰とも喋らん…!」
ベッドに腰掛けて見守るアタシ。吟子ちゃんがツンデレのちょろガールなことなんて、みんな知ってるのに。
「ねえ吟子ちゃん、アタシのことどう思ってる?」
「ふざけ……、す、好き…」
からかうと予想通りの反応。吟子ちゃんはみんなのこと大好きだもんね。
「……………、好き、かわいい、愛してる、優しくて惚れる惚れた、細い、つい目で追っちゃう」
…あれ?なんか目が据わっている。これは、ヤケって奴?
「デートしたい、手を繋ぎたい、白い肌に痕をつけたい、ずっと側にいてほしい、離れたくない、他の人に優しくしないでほしい、首筋舐めたい…」
え?これは、吟子ちゃん、アタシにそういうやつ?アタシの片想いじゃなかったの?うわ、なんか急に羞恥心がキた。
このとき大事な所で効果が切れた吟子ちゃんとアタシとのなんやかんやがあるのだが、それはまた別の話。
寮の部屋で吟子ちゃんは口を押さえて布団にくるまっている。
「薬の効果が切れるまでぜっったい誰とも喋らん…!」
ベッドに腰掛けて見守るアタシ。吟子ちゃんがツンデレのちょろガールなことなんて、みんな知ってるのに。
「ねえ吟子ちゃん、アタシのことどう思ってる?」
「ふざけ……、す、好き…」
からかうと予想通りの反応。吟子ちゃんはみんなのこと大好きだもんね。
「……………、好き、かわいい、愛してる、優しくて惚れる惚れた、細い、つい目で追っちゃう」
…あれ?なんか目が据わっている。これは、ヤケって奴?
「デートしたい、手を繋ぎたい、白い肌に痕をつけたい、ずっと側にいてほしい、離れたくない、他の人に優しくしないでほしい、首筋舐めたい…」
え?これは、吟子ちゃん、アタシにそういうやつ?アタシの片想いじゃなかったの?うわ、なんか急に羞恥心がキた。
このとき大事な所で効果が切れた吟子ちゃんとアタシとのなんやかんやがあるのだが、それはまた別の話。
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35:…3524/08/13(火)06:38:31 No.1221429148+
文豪の朝は早い
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1262:…49624/08/14(水)14:03:26 No.1221901873そうだねx1
かちまちにスポットが当たるたびに残りの1年2人がひとまとめにされる結果ひめぎんの供給が増えるんだよな…
ひめかちやぎんかちは普通に健全なだけなのに…
ひめかちやぎんかちは普通に健全なだけなのに…
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1269:…50324/08/14(水)14:05:03 No.1221902278+
吟子ちゃんの水着の紐が気になって仕方ない姫芽ちゃん
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1271:…50524/08/14(水)14:05:45 No.1221902463そうだねx1
赤字だからこっそり言うと水着ひめぎんの姫芽ちゃんがいつもよりお姉さんぽくて吟子ちゃんが幼く見えるコーデと髪アレンジだったの大好き……
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1272:…50624/08/14(水)14:06:15 No.1221902597そうだねx2
赤字だから言うけどひめぎん結婚して
引用元: undefined