ダイヤ「ダイヤの大冒険」【SS】

ダイヤ SS


1: 2021/01/06(水) 19:51:43.08 ID:8GXd9YD7
千歌ちゃんから聞いたことがある…

"スクールアイドル"と呼ばれる高校生達が
廃校の危機にあった学校を救ったんだって…

スクールアイドルは仲間達と力をあわせて
つらい練習の末──

『ついにラブライブ!に優勝したあーーーーっ!!』

そのおかげで少子化の影響で廃校の危機にあった学校も
廃校問題から解放されて…

その後全国各地で、同じようにスクールアイドル活動を始める高校生が増えたそうな。

2: 2021/01/06(水) 19:57:12.27 ID:8GXd9YD7
その場所の1つが──
この日本の片隅の小さな浜辺の街にある浦の星女学院。
いま私が通っている高校です。


~淡島~

タッタッタッタッタッ

「セーーファイッ、オーファイッ、オー、ファイッ……」

タッタッタッタッタッ


私は黒澤ダイヤ。
この内浦の旧網元家の子女です。

当然!将来は家業を継いでこの内浦の平和を守りたい!!


──と思ってるんだけれど…

7: 2021/01/06(水) 20:04:21.91 ID:8GXd9YD7
タッタッタッ

ダイヤ「ゼェ…ゼェ…ゼェ……」ヨロヨロ

果南「こら~、ダイヤってば、そんな疲れたフリしてもダメダメ。私は騙されないよ~♪」

ダイヤ「ゼェ…ゼェ…ハァ…そんな事を言われても……」

花丸(ダイヤちゃん、大丈夫かなぁ)アワアワ

果南「千歌との勝負に負けてスクールアイドル活動に参加するようになって数週間…」

果南「まだスクールアイドルになりたての私たちは、未熟なところだらけなんだから、せめて体力だけはばっちりつけておかないとね!!」

ダイヤ「ハァ…ハァ…でも今は…一旦休憩を…」

花丸「向こうでルビィちゃんが休んでるよ。先にバテちゃったみたい」

ダイヤ「ルビィが…」ヨロッ

果南「それじゃあダイヤは一旦休憩ね。ほら、まだまだあと30周は行くよっ」

花丸「は、はいっ!」ビクッ

タッタッタッタッタッ

8: 2021/01/06(水) 20:10:16.60 ID:8GXd9YD7
~淡島・海岸~

ダイヤ「ハァ…私とした事が、まさかルビィの次にリタイアしてしまうなんて…」トボトボ

ルビィ「…!」ピクッ

~~~

果南『ダイヤは1度やるって決めたことは、絶対最後までとことんやって、どんなことでも成功させて見せる、その根性と気合には、昔から一目置いてたんだよ?』

~~~

ダイヤ「とは言うものの、体力はそうすぐにはつかないし、歌やダンスのパフォーマンスだってまだまだ途中…」ブツブツ

ルビィ「ピーーッ!」ポンッ

ダイヤ「ルビィ…励ましてくれているの?」

ダイヤ(まったく、嬉しいやら情けないやら…)ハァ

9: 2021/01/06(水) 20:16:09.62 ID:8GXd9YD7
ダイヤ「ん?海の向こうに何かが…。あれは…船?」

ダイヤ「望遠鏡で確認しなくては」ゴソゴソ

ジーッ

ダイヤ「あれは虹ヶ咲学園…の関係者の船?」

ダイヤ「なぜこんな島に……う~ん…」

ダイヤ「ルビィ、少し待っていなさい」

ルビィ「ピ~ッ」プルプル

タッ

ダイヤ(外来の客人への対応もきちんとこなすのも黒澤家長女である私の務め)タタタッ


ルビィ「ピ―…」オロオロ

11: 2021/01/06(水) 20:22:06.49 ID:8GXd9YD7
~淡島近海・船上~

左月「あれですか、地元のスクールアイドルが練習しているという島は」

右月「間違いありません」

ランジュ「どんなスクールアイドルでも、パフォーマンスを見せれば勝手に身も心もランジュに委ねちゃうんだから」

ランジュ「こんなにオイシイ商売はないわ」

薫子「ちょっと待ちなよ。今回はパフォーマンスが目当てじゃないんだ。あの子を見つけるまではむやみに行動しちゃだめさ」

栞子「スクールアイドルに極めて高い適正を持った逸材…」

右月「一人で百万のスクールアイドルに匹敵するといいましたが…」

左月「本当にいるのでしょうか」

栞子「間違いありません。東京のアイドルショップを訪れていたという彼女の情報を拝見しましたが、スクールアイドルへの適正が極めて高かったです」

ランジュ「人の適正を見抜く能力に秀でた栞子がそう言うなら間違い無さそうね」

薫子「いなきゃ島中から観客を集めていつも通りにライブをしたらいいんじゃない?」

ランジュ(フフン、監視委員の左月と右月に他のスクールアイドル達を無力化させて貰った上で…ね)

12: 2021/01/06(水) 20:28:10.16 ID:8GXd9YD7
~淡島・船着き場~

ダイヤ「あなた達は?虹ヶ咲学園の関係者の方と見えますが」

ランジュ「その通り。私は虹ヶ咲学園スクールアイドル部のランジュよ」

薫子「お嬢さん、あなたは…?」

ダイヤ「私は黒澤ダイヤです」

薫子「この島で練習してるスクールアイドル?」

ダイヤ「はいっ!」

薫子「この島にはスクールアイドルがたくさんいるでしょう?」

ダイヤ「みんな私のチームメイトです」

ランジュ(ニヤリ)

13: 2021/01/06(水) 20:36:23.38 ID:8GXd9YD7
ダイヤ「えっ!?みんなを呼んで欲しい?」

薫子「そう。私達はスクールアイドルのイベントを開催する為に、各地のスクールアイドル達の活動を観察しにまわってるの。だからこの島にいるスクールアイドルの実態が知りたくてね」

栞子「よろしくたのみます、黒澤ダイヤさん」

ダイヤ「わかりました!」

スゥ…

ダイヤ「みんなー、船着き場に集まれーーーー!!」



千歌「ん?」

千歌「集合の合図!?なんだろう一体?」

14: 2021/01/06(水) 20:42:41.00 ID:8GXd9YD7
ドドドドドッ
ザッザッザッ
タタタタッ


善子「ヨハネ、降臨!」

曜「ダイヤちゃん、どうしたのー?」

梨子「はぁ…はぁ…いきなり呼ばれて来たから疲れが…」

花丸(ルビィちゃんは一緒じゃなかったのかな?)

果南「あれ、その人達は?」

鞠莉「島のお客様?うちのホテルには来客の予定はなかったけど」


薫子「これで全員!?」

ダイヤ「はい、ほとんどです」

薫子「ほら、この子達と同じくらいの子がもう一人いるでしょー?」スッ

花丸・善子「?」キョトン

ダイヤ「ああ、ルビィですか」

薫子「ルビィ?」

ダイヤ「妹ですよ。貴石から名前を付けたいというのが父の希望だったようで」

ランジュ(それだっ!!)

ダイヤ「あの子は極度の人見知りだから…私が連れてきます」

どびゅん

15: 2021/01/06(水) 20:47:22.79 ID:8GXd9YD7
千歌「み、みんなどうしたの?ダイヤちゃんは?」タタタッ

ランジュ「あの子がリーダーね」

千歌「あ…!?スクールアイドル!?」

千歌(い、いや…違う。スクールアイドルはもっとかわいくてドキドキして、キラキラしてるはず…!)

千歌「あなた達は誰!?何しに来たの!?」

左月・右月「うるさいですね……」

16: 2021/01/06(水) 20:53:10.34 ID:8GXd9YD7
たったったったっ

ルビィ「ミーッ、ミーッ」イヤイヤ

ダイヤ「ルビィに用事があるっていうお客様なのよ」

たったったったっ

ダイヤ「!?」


左月「スクールアイドルの練習は中止してください!」ピピーッ!

右月「ただちに解散を命じます!」ピピーッ!

曜「ううっ、ち…力が出ない……」ヘナヘナ

梨子「練習が…できない……」ヘナヘナ

善子「まるで魔力が奪われていくみたい……」ヘナヘナ


ダイヤ「や…やめなさいっ!!」

千歌「ダイヤちゃん…逃げてっ!」ヨロッ

ダイヤ「ち、千歌ちゃん!!」ダッ

ランジュ「フフフ、ごくろうさま」バッ

ルビィ「ピギィ!?」

ばっ

ダイヤ「あっ、ルビィ!」

ルビィ「ミーッ、ミーッ」ジタバタ

ランジュ「この子は頂いたわ。さあ一気に引き上げよっ!!」

だだだだっ

ダイヤ「ま、待ちなさいっ…!」

ヨロッ

ダイヤ「うう…十分に休息を取らないまま走ったせいで疲労が……」バタッ

ブオオオオオーーッ

曜「船が…出ちゃった…」ヨロッ

17: 2021/01/06(水) 20:58:25.11 ID:8GXd9YD7
~淡島近海・船上~

ランジュ「フフフ、うまくいったわ」

ランジュ「この子が何百万人にも匹敵する戦力になるのかと思うと…まったく笑いが止まらないわ」ホホホ

ルビィ「…」グスン

薫子「まずはここでインタビューでもしましょうか」



~淡島・ダイビングショップ前~

ダイヤ「あんな人達スクールアイドルでもなんでもないっ!一緒に行ってルビィを取り返しましょう」

果南「うんっ!」

ダイヤ「あの船は…まだ近くの沖に留まったままね」チラッ

果南「そりゃあ、いきなり遠くまで連れ去ったら、それこそ本当に誘拐事件になっちゃうからね」

ダイヤ「でもルビィは無理矢理連れ去ったのは許せないわ。あの船がいつ動くか、ルビィがちゃんと帰されるかどうかも分からないし」

18: 2021/01/06(水) 21:05:25.47 ID:8GXd9YD7
松浦祖父「待て」

果南「おじい?」

松浦祖父「これを持っていくがいい」スッ

果南「…!」ビクッ

ダイヤ「それは?」

松浦祖父「これは松浦家に先祖代々伝わるものだ。一体何なのか恐ろしくて使ったことがない」

松浦祖父「大いなる力を呼び覚ます為のものと聞くが…」

ダイヤ・果南「……」

松浦祖父「もしもの時使ってみるがいい」

ダイヤ「ありがとうございます!」

ダイヤ「さぁ果南、これを」

果南「ええ…やだよそんなもの!物心ついた時からずっと恐ろしい物だって教えられてたから…持つのも怖いよ」

ダイヤ「それでは…私が受け取ってもよろしいでしょうか?」

松浦祖父「うむ、それがいいだろう」スッ

ダイヤ「ありがとうございます」ペコッ

19: 2021/01/06(水) 21:15:02.08 ID:8GXd9YD7
ダイヤ「使えと言われても…。これは……笛?」

果南「さぁ?私にもよく分からないよ」

ダイヤ(そういえば、あの監視委員の人達も笛を使っていたわね…)

ダイヤ「用意はいい?」

果南「うん。みんなもやる気十分だよ」

ダイヤ「必ずルビィを取り戻してみせるわ!」

鞠莉「ダイヤ。ヘリの手配ができたわ」ダッ

ダイヤ「鞠莉!」

果南「私達は海上からあの船に向かうよ。水上バイクとゴムボートでね」



~ホテルオハラ・ヘリポート~

ダイヤ「さぁ、頼んだわよ鞠莉!」

鞠莉「オッケー!」


バラバラバラバラ……

20: 2021/01/06(水) 21:30:19.70 ID:8GXd9YD7
~船内~

理事長『ランジュ、船に戻ってきたのね』

ランジュ「ええ」

理事長『このたびはスクールアイドル達が練習しているという島、淡島への遠征だったそうだけど…』

ランジュ「ええ。なかなかの実力のスクールアイドル達が練習していたけど、監視委員達と力をあわせてランジュにひれ伏させたわ」

ランジュ「その際に一人だけ素晴らしいスクールアイドルを見つけたから連れてきたわ。ランジュのバックダンサーとしてスカウトしようと思って」

理事長『新メンバーをスカウト?』

ルビィ「…」グスン

理事長『こっ、この子はっ…!?』

薫子「黒澤ルビィ。浦の星女学院のスクールアイドルです」

栞子「私の見立てでは、まさに生きた宝石とも言うべき適正を持った逸材です」

理事長『なんて素晴らしい!そんな子を迎えたランジュこそまさに真のスクールアイドルよ!』

22: 2021/01/06(水) 21:38:51.48 ID:8GXd9YD7
~上空~

バラバラバラバラ……

鞠莉「そのままあの船に近づいて」

「わかりました!」


~船内~

バラバラバラバラ……

栞子「何でしょう?大きな物音がしますね」

左月「ヘリコプター!?」

右月「こ…こちらに近づいています!」

23: 2021/01/06(水) 21:46:05.91 ID:8GXd9YD7
~上空~

バラバラバラバラ……

「船の上空に着きました。これより降下します」

バラバラバラバラ……

ダイヤ「さぁ、降りるわよ!」バッ

鞠莉「オッケー!」バッ

「お、お嬢様!?いくら何でも危険です!」

鞠莉「これ位のスリルがあった方が楽しいじゃない。それに、ルビィを助ける為にもね!」

ダイヤ「鞠莉…」


スタッ

~船上~

鞠莉「空からの潜入は成功ね♪」

ダイヤ「海側の方もそろそろ着く頃かしらね」

24: 2021/01/06(水) 21:52:08.41 ID:8GXd9YD7
~海上~

ブオォォォォーッ

果南「ダイヤ達、上手く船に近づけてるみたいだね」

ピタッ

果南「よし、こっちも船に接近できた。行くよ、みんな!」

千歌・曜・善子「おーっ!」

花丸「ルビィちゃんの為とはいえ、やっぱりちょっと怖い…」

梨子「勝手に入っちゃって大丈夫かな…」

25: 2021/01/06(水) 22:00:09.60 ID:8GXd9YD7
~船上~

ダダダダダッ

ダイヤ「みんな!」

千歌「ダイヤちゃん!鞠莉ちゃん!」

鞠莉「海と空から同時に攻め込む作戦は上手くいったみたいね」

左月「一体何事ですか!?」バッ

右月「船の中に入って来るとは…ただちに撤収しなさい!」バッ

ダイヤ「お黙りなさいっ!!あなた達の弱点はちゃ~~んとわかっているわ」

30: 2021/01/07(木) 21:42:04.79 ID:oHMax2+Z
千歌「よーし、行くよ!曜ちゃん、梨子ちゃん」

曜「おーっ!」

梨子「ええっ!?あ、あれをやるの…?」

左月「?」

千歌・曜・梨子「ふしぎなおどり!!」

カックンカックンカックン♪

梨子(うう…は、恥ずかしい…!)

左月「そ、その踊りをやめなさい…!」フラッ

カックンカックンカックン♪

左月「ううっ…力が抜けていくぅ…」ヘナヘナ

千歌(よーし、効いてる効いてる♪)


鞠莉「ハーイ、右月♪」チラチラ

右月「ああ、宝石だ~~」フラフラ

鞠莉「そうよ~。他にも珍しい宝石をいっぱい見せてあげるわね~」キラキラ

右月「す、素晴らしいです…」フラフラ


ダイヤ(監視委員の左月は不思議な踊りに、右月は金目の物に弱い!SNSから分析したとおりだわ!)

ダイヤ「さぁ、今のうちにルビィを探すわよ!」

善子・花丸「うん!」

31: 2021/01/07(木) 22:10:25.21 ID:oHMax2+Z
ダダダダダッ

栞子「待ちなさい!」ダッ

善子「おっと。私を誰だと思っているの?地獄から来た堕天使・ヨハネよ!」

栞子「堕天使…?地獄…?そんなものが実在するのですか?」

善子「当然よ!何なら地獄とはどんな所なのか、教えてあげましょうか?」

栞子「はい、地獄の話を聞くのは初めてです」

善子「マルちゃん、あの子の気を引く為の脚色のアシストお願いね」ヒソヒソ

花丸「わかったずら」ヒソヒソ

善子「フフッ、興味を持ってくれたかしら」

花丸「そうそう、地獄っていうのは──」


果南「ここはあの二人に任せて…」

ダイヤ「ルビィを探しましょう!」

ダダダダダッ

35: 2021/01/08(金) 21:09:43.08 ID:5b+fyI2y
ダッ

ダイヤ「この部屋かしら?」

ガチャッ

ランジュ「フフ、よく来たわね。言っておくけどアタシに弱点なんてないわよ…!」

ダイヤ「ルビィはどこ!?」

果南「あっ、あそこ!」

ルビィ「ピ~ッ!」

ダイヤ「ルビィ!」

ランジュ「あの子は、アタシのチームにスカウトするよ」

ダイヤ「どうしてルビィを…?ルビィを返しなさい!」

ランジュ「栞子が言うには、あの子のスクールアイドルの適正が極めて高かったからよ」

ダイヤ「この私を差し置いてルビィが?信じられないわ」

ランジュ「そういうあなたの実力はどれ程のものかしら?」

ダイヤ「っ……」

果南(私達はまだまだ駆け出しだよ…)

ランジュ「そうだ!アタシと一本勝負をしてアナタが勝ったらルビィを返してあげるわ」

ダイヤ「上等よ!受けて立つわ!」キッ

果南「ダイヤ…」

ルビィ「ピ―ッ…」ウルッ

ダイヤ「私が彼女を引き付けてる間に、ルビィを」ヒソヒソ

果南「わかった!」ヒソヒソ

36: 2021/01/08(金) 21:40:29.94 ID:5b+fyI2y
ランジュ「本当はお互いにパフォーマンスを披露して、観客の投票で勝敗を決めたいところだけど…状況が状況だけに今は無理ね」

ランジュ「でも、お互い同時に1曲でもパフォーマンスを披露すれば自ずと勝敗は決すると思うわ」

ランジュ(フフ、きっとランジュとの格の違いを思い知って敗北を認めるはず)

ダイヤ「大した自身ね。曲目は?」

ランジュ「曲はあなたに選ばせてあげるわ。定番の曲なら一通り揃ってるから」

ダイヤ「それでは、私が選ぶ曲は──」

ランジュ「フフ、定番中の定番ね」

薫子「それじゃあ、始めるよ。3、2、1・・・スタート!」ポチッ

ダイヤ(今の私にできる全力のパフォーマンスを!)

♪~

37: 2021/01/08(金) 21:54:59.39 ID:5b+fyI2y
♪~

果南(やっぱあのランジュって子の実力は桁違いだ…。こうして傍目で見てるだけでもよく分かるよ)ソロリソロリ

果南(ダイヤも頑張ってはいるけど…)ソロリソロリ

♪~

ルビィ「………」ジーッ

果南(よし、着いた)

だだっ!

果南「ルビィちゃん!助けに来たよ!」ガシッ

ルビィ「ピ~ッ!」ガシッ

薫子「あっ!コ、コラッ!」

38: 2021/01/09(土) 09:55:07.31 ID:gSJYhPtP
♪~(音楽終了)

ダイヤ「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」ガクン

ランジュ「フフン、投票を行うまでもないわね。ランジュの圧勝だわ」ピシッ

ダイヤ「はぁ…はぁ……くっ!」

ランジュ「あなたも中々のものだったけど、ランジュには遠く及ばないわね」

果南「ダイヤ!ルビィちゃんは取り返したよ!」ダダダダッ

ルビィ「ピ―ッ」

ダイヤ「か、果南…ルビィ…!」

ランジュ「しまった、いつの間に!?」

果南「急いで撤退しよう!」ダダダダッ

ダイヤ「え…えぇ…」ダッ


ダダダダダッ

ダイヤ(ルビィを取り返すという目的は果たせたけれど──)

ダイヤ(圧倒的な実力差を見せつけらたまま負けたのは…悔しい)ギリッ

39: 2021/01/09(土) 09:59:21.75 ID:gSJYhPtP
~船上~

ダダダダダッ

ダイヤ「このままみんな撤退するわよ!」

ランジュ「おっと、そうはさせないわよ!」

ガクンッ!

果南「なっ…!?」

ブオオオオオオ…

曜「船が動き始めた!!」

栞子「ランジュ!一体どういうつもりですか!」

ランジュ「ここは一旦ずらかるしかないわ。多少の粗相はお金で誤魔化すわ」

栞子「でもヘリが追いかけてきていますよ!?」

バラバラバラバラ…

ランジュ「まあ香港にでも行けば完全に撒けるんじゃないかしら?」

栞子「そんな、無茶苦茶です…!」

バラバラバラバラ…
ブオオオオオオーーー

鞠莉「これじゃあヘリに移れない…!」

40: 2021/01/09(土) 10:05:06.26 ID:gSJYhPtP
ブオオオオオオーッ

千歌「どうしよう、帰れなくなっちゃったよー!」アセアセ

善子「地獄行きの航海…ってとこかしら」ガクッ

曜「そうだ!ここからならまだ海に飛び込めば泳いで帰れるはず…」ダッ

梨子「そんなの無茶だよ、曜ちゃんやめて!」ガシッ

ルビィ「ピ~ッ」ブルブル

花丸「ルビィちゃん…」

ランジュ「フフフ…あなた達、よくもやってくれたわね…」ダダッ

ダイヤ「ううっ…」ジリッ

チャリッ

ダイヤ「!」

~~~

松浦祖父『これは大いなる力を呼び覚ます為のものと聞く…』

松浦祖父『もしもの時には使ってみるが良い』

~~~

ダイヤ(どうせこのままじゃやられてしまう)

ダイヤ(よおしっ!)ススッ

果南「あっ!そ、それは!」

ダイヤ(笛みたいだから、取り合えず吹いてみましょうか…)スゥッ…

ピーーーーーーッ!

41: 2021/01/09(土) 10:15:02.68 ID:gSJYhPtP
薫子「な、何!?笛?すごい音だったけど…」

果南「一体何が起こ……」

ズズズズズズズズズ

千歌「なななななっ!?」

花丸「海から凄い音がするずら!」

善子「まさか、地獄からの使者!?」

ズズズズズズズズズ

ザッバアァァァァァァァンッ!!!

ポエポエ「ぽえ~~~~~~~~っ!!」

果南「海から…でっかいクジラが出てきた!?」

ダイヤ「これが…『大いなる力』の正体…?」

薫子「えっ何?後ろから凄い音が聞こえたけど、くじ…ら…?」

キョロッ

ポエポエ「ぽえー」ドーン

薫子「ぎょえええええ~~~~っ!!」

42: 2021/01/09(土) 10:21:25.68 ID:gSJYhPtP
左月「どっ、どうしましょう!?」

右月「クジラ相手にはお手上げです!」

ランジュ「無問題ラ!船のスピードを上げて引き離せばいいのよ!」

ブオオオオオォォォォーーーー!!

千歌「わわわっ!?」ガクッ

ダイヤ「船が早くなった!?」

鞠莉「あまりにもスリリングな航海ね…!」

梨子「でも見て、あれ!」

ポエポエ「ぽえ~~~~~っ!」ズズズズズズズ

花丸「はっ…早い!!」

ランジュ「ああっ!追いつかれ……」

ポエポエ「ぽえ~~~~~っ!」ズズズズズズズ

ガアァンッ!!!

43: 2021/01/09(土) 10:27:08.49 ID:gSJYhPtP
グラグラグラ

一同「わぁーーーっ!!」

ドガドガドガッ

シュウゥゥーッ…

曜「いてててて…」

千歌「船が…止まった…?」ヨロッ

善子「凄い体当たりだったわね…」ムクッ

ポエポエ「ぽえ~~~~っ」クイクイ

果南「えっ?の…乗れって?頭に?」

ポエポエ「ぽえーーー」ウンウン

果南「まあ、これで帰れるね」

ダイヤ(何で分かるのかしら…?)ポカン

44: 2021/01/09(土) 16:57:20.63 ID:gSJYhPtP
ポエポエ「ぽえーーっ」

曜「よっと」ピョン

ダイヤ「ルビィ。気を付けて」ピョン

ルビィ「ピ―ッ」ピョン


果南「よし、全員乗ったね」

ポエポエ「ぽえ~~~っ」

果南「淡島まで送ってくれるのかな」

ポエポエ「ぽえーっ」

栞子「まっ…待ってください!」ダッ

ダイヤ「あなた達は…」

45: 2021/01/09(土) 17:25:09.83 ID:gSJYhPtP
薫子「…どうやら私達の目がくもっていたみたい。いかに実力があっても、他のチームの子をバックダンサーとして攫ったりする子がスクールアイドルであるはずがない」

薫子「それを見抜けなかった自分がはずかしいよ」

栞子「姉さん…」

薫子「私はただ、大勢のスクールアイドルを集めてイベントを開きたかっただけ……」

栞子「私からも謝らせてください。ルビィさんのスクールアイドルへの適正の高さを伝えたところ、彼女は何としてもルビィさんをスカウトしようと躍起になってしまいました」

ルビィ「ピ~ッ?」キョトン

ダイヤ「ルビィが、ねぇ…」

栞子「申し訳ありませんでした。ランジュにも厳重に注意しておきます」チラッ

右月「大丈夫ですか!?」

左月「しっかりしてください!」

ランジュ「あわわ…クジラが……大きなクジラが…」ポカーン

薫子「それと、さっきのパフォーマンスを見たところ、スクールアイドルの適正が高いのはむしろ姉のダイヤちゃんの方かもしれないわね…」ボソッ

ダイヤ「え…?」

46: 2021/01/09(土) 17:39:49.43 ID:gSJYhPtP
バラバラバラバラ…

「お嬢様、大丈夫ですかー!?」

鞠莉「オッケーよ!」

ダイヤ「それではこの辺で、失礼します」

栞子「私達はしばらくここで頭を冷やしておく事にします」

薫子「イベントを開催するようになったら、今度は正式にオファーさせて貰うわねー!」

ダイヤ「ええ、是非!」

果南「それじゃあ、淡島までよろしくね、ポエポエ!」

千歌「ポエポエ?」

果南「この子の名前。名付けてみたんだ」

ポエポエ「ぽえーーーーーっ」ズズズズズ

---

47: 2021/01/09(土) 18:07:41.20 ID:gSJYhPtP
---

数日後─

~淡島~

タッタッタッタッタッ

「セーーファイッ、オーファイッ、オー、ファイッ……」

タッタッタッタッタッ

ダイヤ「ゼェ…ゼェ…ゼェ……」ヨロヨロ

果南「ダイヤ、疲れが貯まってるみたいだけど大丈夫?」

ダイヤ「なっ…!?ま、まだまだ行けるわよ…!」ヨロッ

タッタッタッ

ダイヤ「うぅっ……」フラッ

ドテッ

花丸「あわわ、だ…大丈夫?」

ダイヤ「はぁっ…はぁっ…ま…まだまだ……」プルプル

果南「ふふっ、その根性と気合だよ。いつかは絶対にあのランジュって子に勝とうね!」

ダイヤ「果南……!」コク

果南「だから、今は休んでおいて。無理は良くないよ」

ダイヤ「情けないけれど…そうさせて貰うわ…」ヨロッ



ルビィ「体力なんかなくたって、お姉ちゃんは最高のスクールアイドルだよ!!」

48: 2021/01/09(土) 18:15:57.94 ID:gSJYhPtP
おしまい。

読んでいただいた方、ありがとうございます

49: 2021/01/09(土) 22:37:30.63 ID:v9TfjPgn
おつ
これ何か元ネタあるん?

50: 2021/01/10(日) 00:29:55.61 ID:sobAYO5Z

大冒険して下さい

>>49
元ネタはダイの大冒険(全37巻)(アニメ放送中)(降幡愛出演)の序章も序章の部分

51: 2021/01/10(日) 00:32:08.84 ID:ZD2D3HQL

52: 2021/01/10(日) 21:00:06.95 ID:BxM0sOqO
おつ
もっと続くかと思ったが序章で終わりか

54: 2021/01/12(火) 10:36:47.02 ID:pNlsuzHZ
良かった乙

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1609930303/

タイトルとURLをコピーしました