歩夢「君の超高校級の心は輝いてるかい?」【長編SS】【スクスタ】

AqoursーSS


280: 2020/03/29(日) 20:43:18 ID:kxPgDpz6

     Chapter6

This is the end ~■■宣言~ 
    非日常編

281: 2020/03/29(日) 20:44:02 ID:kxPgDpz6
ピンポンパンポーン

モノっちー『あー、あー、本日は晴天なり本日は晴天なり。マイクチェック、ワンツー』

モノっちー『オマエら、ちゃんと聞こえてるよネ? 聞こえても聞こえなくても返事はしなくていいからネ』

歩夢(穂乃果ちゃんの事件を終えて、裁判場から戻って来た私たち)

歩夢(間髪入れずに……アナウンスが、校内中に響いた)

282: 2020/03/29(日) 20:44:52 ID:kxPgDpz6
モノっちー『さて。ここまで行われて来た“コロシアイ学園生活”は、これより最終局面へと入ります』

モノっちー『え、最終局面が何かって?』

モノっちー『壮大なミステリの最終局面といえば、やっぱり“真の回答編”でしょ!』

モノっちー『というワケでオマエらにはこれから、最後の捜査をしてもらいます』

モノっちー『公平を期すために“全ての部屋のロックが解除されている”ので、思う存分調べちゃってください』

モノっちー『その後は……さっきも言ったように、最後の学級裁判を行います』

モノっちー『裁判の結果次第では、オマエらは晴れてこの学園から卒業となります』

モノっちー『ただし……結果次第では、全員オシオキとかになっちゃうかもネ』

モノっちー『じゃあ、また後で会おうか。うけけけけけ……』

プツン

283: 2020/03/29(日) 20:45:42 ID:kxPgDpz6
歩夢「……」

梨子「この学園の謎を解いてみろ、ってわけね」

ダイヤ「この歪な学園から解放されるためには、どのみちやるしかありません」

しずく「で、でも!」

璃奈「どうしたの(・v・)?」

しずく「解放されたところで……この学園の外って、とっくに滅んでいるんですよね……」

鞠莉「校則違反のサイレンで聞こえなかったかも知れないけど、その件は、穂乃果がこんなことを言ったのよ」


鞠莉『これは……USBメモリ?』

穂乃果『私の部屋の、ベッドの下を調べて。外の世界についての“嘘”も、分かる筈だから』

鞠莉『外の……!? いえ、分かったわ』

284: 2020/03/29(日) 20:46:28 ID:kxPgDpz6
しずく「う、嘘……?」

鞠莉「私たちがなるべく個室に引きこもってくれた方が、彼女の計画にとって都合が良かった」

鞠莉「それに黒幕を騙るなら、嘘は大きければ大きいほど良い……ってことでしょうね」

璃奈「だったら……窓の外の景色は、何だったんだろう(・v・)?」

梨子「確かにあれは、映像じゃなくて本物だと思うけど……」

歩夢(……そうだ。私たちは『外を泳ぐ魚たち』や『海藻らしきもの』なんかを、第2多目的室の窓の向こうに見た)

歩夢(だからこそ、穂乃果さんの話が現実味を帯びていたんだ)

歩夢(でも……)

歩夢「……それを含めて、解き明かせばいいんだよね」

鞠莉「そうよ」

285: 2020/03/29(日) 20:47:02 ID:kxPgDpz6
歩夢「それに……今度の裁判は、私たちの中に潜んだ犯人を捕まえることじゃない」

歩夢「黒幕を、私たちをここに閉じ込めた犯人を、暴き出すんだ」

歩夢「だから……私たちが疑い合う必要は、どこにもないんだよ」

梨子「歩夢ちゃん……」

しずく「……そう、ですよね」

鞠莉「さて、そうと決まったら、捜査を始めましょう」

ダイヤ「ええ。調べなければならない場所は、かなり多いですから」

璃奈「みんなバラバラに捜査しないと、間に合わないかも(>_<。)」

鞠莉「バラバラになっても、協力し合えないわけじゃない。それを忘れちゃダメよ」

鞠莉「じゃあ私は、穂乃果の部屋に行って来るわ。彼女の置き土産を1つ1つ調べて行く必要があるもの」

286: 2020/03/29(日) 20:47:50 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「では、私は──」

梨子「えっと、じゃあ私は──」

歩夢(みんなそれぞれ、学園中に散って行く)

歩夢(最後に残った私も……)

歩夢「……よし」

歩夢(もう少しで、終わるんだ)

歩夢(この狂気に満ちた学園を脱出して、生き残ったみんなで帰るんだ)

歩夢(だから……始めよう)

歩夢(これが私たちの、最後の戦い──!)

287: 2020/03/29(日) 20:48:47 ID:kxPgDpz6
【捜査開始!】

歩夢「まずは……あっ」

歩夢(今回はモノっちーファイルが手元にない。事件が起きたわけじゃないのだから、当然なのだが……)

歩夢(嫌なクセが身に付いたなあ、と実感する)

歩夢(そうなると、調べに行くべきは……)

288: 2020/03/29(日) 20:49:19 ID:kxPgDpz6
────学園長室

璃奈「歩夢ちゃんも、ここを調べに来たの(・v・)?」

歩夢「うん。穂乃果ちゃんが、命懸けで壊した扉だから……」

璃奈「……(・v・)」

歩夢(閉ざされていた学園長室の扉は、鍵を壊されたことで自由に出入り出来るようになっていた)

歩夢(鍵の破壊には爆弾が使われたが、中の物が損傷している様子はなさそうだ)

歩夢(とはいえ……この部屋に入った時、私が最初に感じたことは)

歩夢「随分と、〇風景なんだね」

璃奈「それは……私も思った(・v・)」

歩夢(想像していた学園長室とは、随分と違った印象の部屋)

289: 2020/03/29(日) 20:49:58 ID:kxPgDpz6
歩夢(学園長室といえば、大きな机と革製の大きなソファ、そしてカーペット)

歩夢(歴代校長の写真が壁に飾られ、奥には学園長が座る椅子と、荘厳な雰囲気を纏った机)

歩夢(細かい違いはあるけれど、てっきりそういう物だろうと思っていた)

歩夢(だが、この学園長室にあったのは……たった1つの、パイプデスク)

歩夢(そして1冊の冊子と、璃奈ちゃんが手にしている大きなファイルだけ)

璃奈「表紙だけ見たけど、パンフレットの方はただの学校案内みたいだよ(・v・)」

歩夢(璃奈ちゃんの言う通り……でかでかとそびえ立つ校舎の写真を表紙にした冊子のようだ)

歩夢(だが、学校案内に目を通して行くうちに……私はある“違和感”を覚えた)

歩夢「ねえ、璃奈ちゃん」

璃奈「?」

歩夢「“こんな部屋、この校舎にはなかった”よね?」

290: 2020/03/29(日) 20:51:09 ID:kxPgDpz6
璃奈「……ど、どういうこと(・v・)?」

歩夢「ほら、これを見て」

歩夢(今の問い掛けを疑問に感じた璃奈ちゃんが、こっちに駆け寄って来る)

歩夢(私が開いているページ──設備紹介のコーナーとある──には、次のような記述があった)


『体育系の才能から、文科系の才能まで。幅広く取り揃えられた設備』


歩夢(その記述と共に掲載されている、プールや体育館、図書館にコンピュータールームらしき部屋、ついでに学生寮の写真)

歩夢(問題はそのどれもが……“この校舎にあった同一の設備と、造りがまるで違う”こと)

歩夢(『私たちが閉じ込められている虹ヶ咲学園』のものと比べると明らかに広く、そして数が多いのだ)

歩夢(勿論……“研究室”と書かれている、薬品棚や何らかの機械なんかが詰め込まれた部屋も、この学園にはない)

歩夢(理科室ではないかとも疑ってみたが、やはり部屋の形状からして違っている)

歩夢(私のように歌を歌う人なら何度もお世話になるであろう“レコーディングルーム”なんかも、このパンフレットには載っていた)

291: 2020/03/29(日) 20:51:39 ID:kxPgDpz6
璃奈「こんな部屋、なかったよね(?□!)」

歩夢「……うん」

歩夢(学園長室の写真が載ったページもあったが……やはり、こことはまるで雰囲気が違う)

歩夢(パンフレットを持つ手が、少し震えていた)

歩夢(ここに書いてあることが、間違っているのだろうか?)

歩夢(それとも、このパンフレットは偽物なのだろうか?)

歩夢(……もし、そうでなかったとしたら)

歩夢(私たちが閉じ込められている“この虹ヶ咲学園”は一体……?)

《虹ヶ咲学園学園案内》のコトダマを入手しました。

292: 2020/03/29(日) 20:52:18 ID:kxPgDpz6
歩夢(設備の件は気になるが……学園案内には、それ以上特筆すべきことはなかった)

歩夢「……ところで、璃奈ちゃんが持ってるファイルは何だったの?」

璃奈「虹ヶ咲学園の在学生名簿……みたいだよ(・v・)」

歩夢「在学生名簿……」

歩夢(鞠莉さんたち14期生、私たち15期生、璃奈ちゃんたち16期生。名簿に載っていたのは、計27人分だ)

歩夢(情報として掲載されているのは、本人の名前と才能、そして顔写真)

歩夢(せつ菜ちゃんや善子ちゃんたちの本名については、ここでは触れられていない。あくまで名簿としての目的のみを果たす物だ)

歩夢(当然……気になる情報が、幾つか浮かび上がって来る)

293: 2020/03/29(日) 20:53:17 ID:kxPgDpz6
歩夢(まず目を引くのは、私たちの記憶にない8人の名前)

第14期生
《超高校級の占い師》東條希
《超高校級のバレリーナ》絢瀬絵里
《超高校級のアイドル》矢澤にこ

第15期生
《超高校級の弓道部》園田海未
《超高校級のデザイナー》南ことり

第16期生
《超高校級の陸上部》星空凛
《超高校級の農家》小泉花陽
《超高校級の医者》西木野真姫

294: 2020/03/29(日) 20:54:13 ID:kxPgDpz6
歩夢(《超高校級の弓道部》園田海未さん……)

歩夢(前回の事件に用いられた弓は、彼女の私物だったりしたのだろうか……というのはさておき)

璃奈「小泉花陽……って、確か(・v・)」

歩夢「……うん」

歩夢(前回の事件で穂乃果ちゃんが言っていた“渡辺曜”の正体は、彼女のことで間違いないだろう)

歩夢(プロフィールの顔写真と“私たちと接していた曜ちゃん”の顔も、一致している)

歩夢(では、本物の渡辺曜のプロフィールはといえば……)


第15期生
《超高校級の船乗り》渡辺曜


歩夢(……顔つきこそよく似ているが、やはり、この学園で過ごして来た曜ちゃんではない)

歩夢(だったらどうして、小泉花陽は曜ちゃんとして接していたのだろうか。本物の曜ちゃんは、どこに行ったのだろうか……?)

《8人の生徒名簿》《渡辺曜の生徒名簿》のコトダマを入手しました。

295: 2020/03/29(日) 20:54:52 ID:kxPgDpz6
歩夢(次に私の目に留まったのは、見知った名前の中にある、2つの名前)


第15期生
《超高校級の幸運》高坂穂乃果
《超高校級の若女将》高海千歌


璃奈「結局、私たちと一緒に居たのは……穂乃果さんで良かったんだよね(・v・)?」

歩夢「うん。目の色が合ってるのは、穂乃果ちゃんの顔写真だからね」

歩夢(先の事件でオシオキされたのは、オレンジの髪に、青い目をした女の子)

歩夢(やっぱり、赤い目をした“本物の高海千歌”は、最初から行方が分からないということになる)

歩夢(……湧き上がるのは、同じ疑問)

歩夢(本物の千歌ちゃんは、どこに居るのだろう)

歩夢(どうして穂乃果ちゃんは、千歌ちゃんとして接して居たのだろう)

歩夢(しかも、彼女は自分の正体を“思い出した”と言っていた筈だ)

歩夢(それが意味する物って……?)

《2人の15期生》のコトダマを入手しました。

296: 2020/03/29(日) 20:55:54 ID:kxPgDpz6
歩夢(……残った16人の名簿には、不審な点はない)

歩夢(私の才能も《超高校級の歌姫》として記載されている)

歩夢「この部屋には、もう手掛かりになりそうなものはないかな」

璃奈「そうかも(・v・)」

歩夢「まだまだ調べないといけない場所はあるし……頑張ろっか、璃奈ちゃん」

璃奈「うん(・v・)」

歩夢(……そういえば、どうして私は才能に関する記憶までも失っていたのだろう)

歩夢(穂乃果ちゃんもそうだ。彼女は自分の正体どころか、高海千歌としての才能すらも把握していなかった)

歩夢(これって、何か理由があったのだろうか……?)

297: 2020/03/29(日) 20:56:32 ID:kxPgDpz6
────情報処理室

モノっちー「……」

歩夢「……?」

歩夢(学園長室の捜査を終えて情報処理室を訪れた私を出迎えたのは、無言のモノっちー)

モノっちー「……」

歩夢(いや。無言というか……動いてない?)

モノっちー「……おや、歩夢さんですか」

歩夢「えっ?」

モノっちー?「私です、黒澤ダイヤです」

歩夢「え、えっ?」

モノっちー?「詳しいことは奥の部屋で話します」

歩夢「は、はぁ……」

298: 2020/03/29(日) 20:57:12 ID:kxPgDpz6
────情報処理室、奥の部屋

ダイヤ「何も、そんなに怯えながら入って来なくても」

歩夢「あ、いや……黒幕の罠かと思っちゃいましたし」

ダイヤ「確かに……少々、おふざけが過ぎましたわね。お詫びします」

歩夢「い、いいんですよ別に。それよりも、この部屋は……」

歩夢(情報処理室自体も、大量のモニターが異様な雰囲気を造り出していた)

歩夢(けれども、この部屋はそれ以上に異質な空気を醸し出している)

歩夢(幾つもの機械やパネル、レバーにスイッチ、いかにもな椅子が真ん中に1つ)

歩夢(機械特有のブルーライトが、目にあまりよろしくない刺激を与えてくる)

歩夢(まるで、ロボットを操縦するコックピットみたいだけど……)

歩夢「もしかして、モノっちーを動かす部屋……?」

ダイヤ「そうなりますわね」

299: 2020/03/29(日) 20:57:48 ID:kxPgDpz6
歩夢「じゃあ、さっきのはダイヤさんが?」

ダイヤ「ええ。試しに動かしてみたのですが、こういった機械は得意分野ではありませんね」

歩夢(ダイヤさん曰く、モノっちーの操作周りはこんな感じ)

・まず、モノっちーを出したい部屋や廊下等を、パネルから選ぶ

・レバーで動かし、マイクに向かって発した声がモノっちーの口から(機械音声に変換されて)出てくる

・モノっちー越しに周囲の音を拾うことが出来るが、視界はモノっちーの目に内蔵されたカメラだけ

・「絶対押すなよ!」というスイッチがあるが、何なのかは押してないので分からない

歩夢(これらを総合すると、1つ、分かることがある)

歩夢「私たちを監視する部屋と、モノっちーを動かす部屋が別ってことは……」

ダイヤ「モノっちーの操作をしている間は、私たちの監視が不完全な物になる」

ダイヤ「穂乃果さんたちが講じた一計は、あながち間違いではなかったのでしょうね」

歩夢(あの事件は、本当にモノっちーにも真相が分かっていなかったんだ……)

《モノっちー操作室》のコトダマを入手しました。

300: 2020/03/29(日) 20:58:25 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「そういえば歩夢さん。先ほど、妙な物を見つけたんですよ」

歩夢「妙な物?」

ダイヤ「この部屋の隅にあるゴミ箱の中に入っていたのですが……」

ダイヤ「危険すぎる代物なので、こちらに置いてあります」

歩夢(ダイヤさんが示した先……サイドテーブルの上に、それは置かれていた)

歩夢「これ……何ですか?」

歩夢(ざっくりと言うなら……それは、有体に恐らくゴム製であろう持ち手の付いた、金属の棒)

歩夢(スイッチらしき物が付いているけど……?)

ダイヤ「恐らく、それは──」

301: 2020/03/29(日) 20:58:55 ID:kxPgDpz6
ジリリリリリリリッ!

ダイヤ「な、何の音ですの!?」

歩夢「何かが、部屋の外で鳴ってるみたいだけど……」

歩夢(慌てて、私とダイヤさんはモノっちー操作室を出る)

歩夢「め、目覚まし時計?」

ダイヤ「どうしてこんな所に……」

ガチャリ

歩夢「……えっ?」

歩夢(音の正体に気を取られているうちに、奥の扉から妙な音がした)

302: 2020/03/29(日) 20:59:36 ID:kxPgDpz6
ガチャガチャガチャ!

ダイヤ「か、鍵が!?」

歩夢「嘘!?」

歩夢(慌てて私もドアノブに触れてみる。だが、やはり結果は同じ)

歩夢(モノっちー操作室への扉は、鍵が掛かってしまったのだ)

モノっちー「いやはやごめんネ、奥の部屋は封鎖させてもらったよ」

歩夢「モノっちー……」

ダイヤ「……オホン。全ての部屋の鍵を解除した、のではなかったのです?」

モノっちー「言ったネ、確かに言ったけど……閉鎖しないとも言ってないよネ!」

303: 2020/03/29(日) 21:00:08 ID:kxPgDpz6
歩夢「ず、ずるいよそんなの!」

モノっちー「まあ、あの部屋を開けっぱなしにしておくと、ボクを動かせなくなっちゃうからネ」

モノっちー「どこかで締め出しておかないと、放送も出来ないでしょ」

ダイヤ「では、やはりあの部屋は……」

モノっちー「お察しの通り、ボクを動かすための部屋だよ」

歩夢「待ってよ。だったら、今も誰かがモノっちーを動かしてることになるけど……」

モノっちー「うん、それがどうしたの?」

歩夢「あの部屋には私とダイヤさん以外、誰も居なかったよね」

ダイヤ「確かに、人が隠れられるスペースもありませんでしたが……」

304: 2020/03/29(日) 21:00:43 ID:kxPgDpz6
モノっちー「人は居なかった……? いやいや、そんなことはないよ」

モノっちー「うけけ……天井裏までは、普通は気が回らないよネ」

歩夢「て、天井裏!?」

ダイヤ「なるほど。天井裏を通じて、私たちをあの部屋から追い出すために、こんな真似を」

モノっちー「まあ、気付いたところで内鍵に阻まれちゃうんだけどさ」

モノっちー「というワケで、モノっちー操作室は閉鎖です。なので、得た情報は責任持ってみんなと共有しておくように!」

モノっちー「あそうそう。この情報処理室もすぐに閉鎖するから、とっとと出て行けオマエら!」

歩夢(こうして、半ばモノっちーに追い出されるような形で、私たちは情報処理室を後にした)

305: 2020/03/29(日) 21:01:26 ID:kxPgDpz6
ガチャリ

歩夢「……本当に締まっちゃった」

ダイヤ「ですが……これで、危惧していた可能性もなくなりましたわね」

歩夢「可能性?」

ダイヤ「ええ。“生き残っている私たちの中に黒幕が潜んでいる可能性”を考えてもいたのですが……」

歩夢「ああ……黒幕はモノっちーを動かしたりしないといけないから、それは無理だということですね」

ダイヤ「そうなります。つまり、黒幕は私たち以外の誰かだと断言出来ますわね」

《黒幕について》のコトダマを入手しました。

306: 2020/03/29(日) 21:02:13 ID:kxPgDpz6
歩夢「あ、そうだ。ダイヤさん、結局あの棒は何だったんですか?」

ダイヤ「その話の途中でしたわね。あれは恐らく、電流警棒だと思われます」

歩夢「で、電流警棒……?」

ダイヤ「ええ。本来の用途は暴徒撃退用なのですが、何故あの部屋にそんなものがあったのかが分からなかったもので」

歩夢「確かに、モノっちーがそんな物を使う理由は見当たらないけど……」

ダイヤ「ただ、何かに使われたのは事実かと。大して手入れはしていなかったようですが」

歩夢「えっ……?」

ダイヤ「金属の部分……電流が通る箇所に、水垢らしき汚れが付いていたんですよ」

ダイヤ「まあ、だから何だと言われれば、それまでなのですが……少し気になっただけです」

歩夢(……電流警棒に、水垢?)

歩夢(もしかして……いや。それが本当だとしたら……?)

《電流警棒》のコトダマを入手しました。

307: 2020/03/29(日) 21:03:07 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「ところで歩夢さん。電流警棒の件以上に、ずっと気になっていることがあるのですが……」

歩夢「?」

ダイヤ「結局“絶対押すなよ”のスイッチは何だったのでしょうか」

歩夢「えっ」

ダイヤ「いえ。単なる私の好奇心なのですが……押すなよと言われると、押してみたくなるような」

ダイヤ「けれども、ここで押すということは黒幕の掌の上で踊らされているような……そもそも私は、年長者なんですよ。それなのに……」ブツブツ

歩夢(……ダイヤさん。多分そのスイッチは、自爆ボタンだと思います)

歩夢(一番最初に体育館に集められた時に、爆発してたし……)

308: 2020/03/29(日) 21:03:50 ID:kxPgDpz6
────生物室

歩夢「さ、寒い……」

歩夢(前回の事件から開いていた、生物室)

歩夢(霊安室としての役割を果たすこの部屋は、しずくちゃんが言っていたように、低温倉庫並みの寒さ)

歩夢(そして、彼女の話通り……壁に、ロッカーのような物が埋め込まれていた)

歩夢「ロッカーの鍵は……」

ガチャガチャガチャ!

歩夢「……流石に、開いてないよね」

歩夢(まあ、ロッカーは部屋じゃないと言われればそうなので、開いていなくても不思議ではない)

歩夢(仮に開いていたとしても、遺体が入っているロッカーを好んで見たいとは思わないが……)

309: 2020/03/29(日) 21:04:50 ID:kxPgDpz6
歩夢「……」

歩夢(改めて、遺体安置用のロッカーをよく見てみる)

歩夢(埋め込まれたロッカーの数は、縦3列、横10列の計30台)

歩夢(しずくちゃんの話では、ロッカーの横にランプがついていたそうだが……)

歩夢(確かに、青いランプがロッカー毎に光っている。“何台かを除いて”だが)

歩夢「1、2、3……」

歩夢(多少まばらに点在しているそれを確認してみると、ランプが点いていないロッカーは全部で9台だということが分かった)

歩夢「……」

歩夢(これが意味するものって……?)

《生物室のロッカー》のコトダマを入手しました。

310: 2020/03/29(日) 21:05:34 ID:kxPgDpz6
────校舎3階、廊下

梨子「あ、歩夢ちゃん! そっちはどう?」

歩夢(生物室での捜査を終えた私は、別館の方から歩いて来た梨子ちゃんと遭遇した)

歩夢「色々……あったよ」

梨子「私もよ。ちょっと、歩夢ちゃんに見て欲しい物があるんだけど」

歩夢「見て欲しい物?」

歩夢(梨子ちゃんが出して来たのは……1冊の、手帳だった)

歩夢(裏表紙には小さく、西木野真姫と名前が書いてある)

歩夢「あれ、この名前って……」

梨子「知ってるの?」

歩夢「学園長室のファイルで見たんだ。私たちの1つ後輩に《超高校級の医者》として名前が載っていたんだよ」

311: 2020/03/29(日) 21:06:23 ID:kxPgDpz6
歩夢(ペラペラとページを捲っていく。内容は、西木野真姫という人物が日々の研究に励む手記……のようだ)

歩夢(聞いたこともない新薬を開発したり、何らかの細胞の培養とやらだったり……小難しい話ばかりだ)

歩夢「これが……どうかしたの?」

梨子「折り目が付いてるページがあるんだけど……わざわざこんなものが置いてあるなんて、気になるでしょ?」

歩夢(梨子ちゃんに促され、折り目が付いてるページ……手帳の後半にあったそれを目にする)


『何よ、今度のプロジェクト』

『研究中の再生医療技術が、どうしてクローンの研究に転用されてるのよ』

『人道的に大丈夫なのかしら、アレ』

312: 2020/03/29(日) 21:07:01 ID:kxPgDpz6
梨子「再生医療って……事故なんかで失った身体の部位を復活させるアレ、よね。テレビで聞いたことがあるけど」

歩夢「確か、そんな感じだったと思う。でも、この書き方だと……」

歩夢(この研究は、騙されて行われた物のような書き方だ)

歩夢(でも……手帳には、まだ続きがあった)

歩夢(少し後の方に、再び折り目の付いたページが登場する)


『疲れた。評議委員会の人たちとお話して、なんとかプロジェクトを凍結させた』

『あんなもの倫理に問題大アリだし、私の立場も危うくなるもの』

『しばらく暇になるし、久しぶりに凛や花陽たちと遊びに行こうかしらね』


歩夢(これって、さっきのクローン研究のことなのかな?)

歩夢(だったら、このプロジェクトは凍結……行われなくなったことになるけど……)

《西木野真姫の手記》のコトダマを入手しました。

313: 2020/03/29(日) 21:07:36 ID:kxPgDpz6
梨子「愛ちゃんの事件に使われた毒薬も、元はもしかしたらこの人が作ったのかなって……」

歩夢「そう……かもね。あの時の裁判で、モノっちーもそんなことを言ってたし」


花丸『もしかして……“本来存在しないような毒薬”ってことずら?』

モノっちー『まあ、そういうことだネ。“とある人が作った薬をボクが改良した”物なんだよ』

せつ菜『とある人って、誰なんですか?』

モノっちー『しーん……』ボウヨミー


歩夢(何が“改良”だ。人の研究を奪って、最悪な代物に作り変えただけじゃないか)

歩夢(……とはいえここで怒っても意味がない。まだ捜査出来ていない場所はあるんだ)

歩夢(梨子ちゃんと一旦分かれて、私は次の場所へと向かった)

314: 2020/03/29(日) 21:08:12 ID:kxPgDpz6
────学生寮・穂乃果の部屋

鞠莉「いらっしゃい」

歩夢(前回の裁判の最後に、穂乃果ちゃんからお土産を受け取った鞠莉さん)

歩夢(ノートPCを横に置いて、ベッドの上に座っていた)

歩夢「そのパソコンって……」

鞠莉「ベッドの下にあったのよ。やっぱり穂乃果が持っていたわ」

鞠莉「それにしても、とんだプログラムよ。このUSBが絶対に必要だったとはね」

歩夢(PCの詳しい知識は持ち合わせていないが……どうやら、USBメモリ自体が解析の鍵になっていたようだ)

歩夢(2つで1つのプログラム。USBメモリが刺さっていない限りは、絶対に解析が不可能だったのだ)

315: 2020/03/29(日) 21:08:55 ID:kxPgDpz6
鞠莉「さてと。色々分かったことがあるけど……まずは、これかしらね」

歩夢(鞠莉さんが見せて来たPCの画面に映し出されていたのは……【虹ヶ咲学園・極秘プロジェクト】)


『虹ヶ咲学園は、更なる才能の獲得・育成に努めるべく、新たなプロジェクトに着手した』


歩夢(この出だしは……図書室で鞠莉さんに見せてもらった時のものだ)

歩夢(過去に様々な超高校級の才能を研究し続けて来た虹ヶ咲学園のレポート。以前は途中までだった文章の、続きが読めるようになっていた)

『そして、それらの才能を継承して行くべく、今回の希望継承計画は幕を開けた』


歩夢「希望……継承計画?」

316: 2020/03/29(日) 21:09:42 ID:kxPgDpz6
『希望継承計画とは、唯一無二である超高校級たちの才能を、2つの観点からクローン技術によって継承していくもの』

『1つは、才能に関する記憶をデータ化し、それを被験者の脳に移植する方法』

『知識を主とする超高校級の才能は、この方法で継承が可能となるだろう』

『もう1つは、記憶と共に、筋肉等身体の必要部位も移植する方法』

『本人の技術による才能は、このアプローチでの継承を予定している』

『当然ながら、必要部位だけをそう簡単に用意することは出来ない』

『だが、超高校級の医者が研究していた再生医療の技術を転用することで、その問題はクリア出来るだろう』


歩夢「……っ」

鞠莉「驚いたでしょう? 世界各国が禁止の動きに向いているクローン技術の研究を、虹ヶ咲は行っていたみたい」

歩夢(しかも、生徒の研究を使って……だ)

317: 2020/03/29(日) 21:10:44 ID:kxPgDpz6
歩夢(途中の文章は、頭が痛くなるような小難しい文章ばかり)

歩夢(だが……手記にあった通り)

鞠莉「もっとも、その計画は頓挫したみたいだけどね」


『──7月頭。希望継承計画、凍結』

『14期生西木野真姫やその周囲からの反発の声が大きかったことを表向きの理由としているが、別の理由も存在する』

『今回のプロジェクトの本命である超高校級の幸運という才能を、どうしても再現出来る目処が立たなかったためだ』

『14期生エマ・ヴェルデの、運を他人に分け与える才能。15期生高坂穂乃果の、狙った結果を引き寄せる才能』

『16期の幸運を募集した際に抽選を行う機械が幾度も故障したことと言い、幸運については解明出来ていない部分が多い』

『多すぎるがゆえに、どこから手を付けて良いか分からないといった具合だ』

318: 2020/03/29(日) 21:11:34 ID:kxPgDpz6
『本プロジェクトは凍結となったが、幾つかの技術は残しておく』

『再生医療の技術は、改めて本来の目的で活用してもらうことに』

『記憶をデータ化する技術、及び移植する技術。こちらも、何らかの形で再利用が出来ないかと検討中』

『虹ヶ咲学園・評議委員会』


歩夢「……」

歩夢(これが、希望継承計画の全貌だった)

歩夢(にわかに信じがたいSFチックな話だが……手帳に書かれていたこととも一致している)

鞠莉「虹ヶ咲の偉い人たち、結構デンジャラスな橋を渡ってたりしたみたいよ」

歩夢「でも……ここに書いてある“幾つかの技術”って」

鞠莉「ええ。私たちの記憶が奪われているのは、この技術を使って行われたことかも知れないわね」

《希望継承計画》《記憶喪失について》のコトダマを入手しました。

319: 2020/03/29(日) 21:12:25 ID:kxPgDpz6
鞠莉「このフォルダはこんな物かしらね。次はこっち」

歩夢(PCに表示されたのは【持ち出し厳禁】と書かれたフォルダ。中にあるのは【ヒミツ】と【秘密】の2つのファイル)

歩夢(どっちから見る? と問われたので……上に表示されている【ヒミツ】の方から順番に見ることにした)


『研究発表』

『才能を活かした物となったら、大きな建物でも建ててしまう?』

『土地の問題:ウチの所有している島?』

『いっそ海底?(果南の研究発表の拠点としても役立つし)』

『学校の設備を丸ごと作ればいい ←後輩たちも自由に使えるように』

『この手の建築に強いメンバー:……』

320: 2020/03/29(日) 21:13:15 ID:kxPgDpz6
歩夢「……」

歩夢(中身は、箇条書きのように書き連ねられたテキストファイル。誰かの研究発表の、構想メモの様だが……)

歩夢(……何、これ?)

鞠莉「中身についてはノーコメントでお願いするわ。まあ……強いて1つ言うとしたら」

鞠莉「……はっちゃけ過ぎじゃないかしら、これ考えた人」

歩夢(鞠莉さんの笑いがどこか自虐めいているのは……多分、気のせいじゃないと思う)

歩夢(ただ、この構想メモの通りなら。私たちが今いる場所についても説明が付く)

歩夢(きっと穂乃果ちゃんは、これも知っていたんだ。だから『世界崩壊』なんて、大それた嘘のシナリオも用意出来たんだ)

《海底学園》のコトダマを入手しました。

321: 2020/03/29(日) 21:14:19 ID:kxPgDpz6
歩夢(フォルダにあった、もう1つのファイルにも目を通す)


『希望隔離計画』


歩夢「……えっ?」

歩夢(出だしの文字に、私は目を丸くした)


『彼女がクロである証拠を掴んだ』

『捕まえるのは簡単。でも事は穏便に済ませたい』

『希望継承計画の技術を使うしかない』

『希望を絶望から隔離するのが、最善手の筈』

322: 2020/03/29(日) 21:15:31 ID:kxPgDpz6
歩夢(ファイル名もカタカナで、どこかふざけている様子だった【ヒミツ】と比べると……)

歩夢(【秘密】に書いてあるそれはとても短く、それでいて不穏さを感じさせる内容だった)

鞠莉「そっちのテキストもノーコメント。抽象的すぎて、何が言いたいのかを測り兼ねるわ」

歩夢「穂乃果ちゃんは……これも、知っていたのかな」

鞠莉「それもまだ分からない。ただ……黒幕がこれを、USBを使ってまでヒントとして残していたってことは」

鞠莉「この【希望隔離計画】は、重要な手掛かりになる筈よ」

歩夢「……っ」

歩夢(希望を、絶望から隔離する計画)

歩夢(でも、今の私たちが置かれている状況から見るに……)

歩夢(その計画は、失敗したのだろうか?)

《本当の希望隔離計画》のコトダマを入手しました。

323: 2020/03/29(日) 21:16:08 ID:kxPgDpz6
歩夢(その後。生徒プロフィールについても改めて確認させてもらったが……)

歩夢(先に学園長室で名簿を見ていたこともあって、これといって気になる箇所はなかった)

歩夢(そして──)

324: 2020/03/29(日) 21:17:20 ID:kxPgDpz6
ピンポンパンポーン

モノっちー『始まりと終わりの線など引けないと言いますが、ボクはあえて線を引きます』

モノっちー『捜査という時間は終わりを告げ、学級裁判という時間が始まるのです』

モノっちー『オマエらという希望が勝つのか、ボクという絶望が勝つのか』

モノっちー『全ての決着を、つけようじゃありませんか』

モノっちー『いつもの場所で待ってるからネ。うけけ、うけけけけけけけけけけけけけけけ……』

プツン


歩夢「……始まる」

鞠莉「行きましょう、歩夢」

325: 2020/03/29(日) 21:17:58 ID:kxPgDpz6
────学生寮、廊下

しずく「わっ!?」

歩夢(穂乃果ちゃんの部屋を出ようとした矢先。扉が思わずしずくちゃんにぶつかりそうになった)

鞠莉「大丈夫かしら」

しずく「い、いえ。問題ないです」

歩夢「そういえば、しずくちゃんはどこを調べていたの?」

しずく「鍵が解除されていたということで各階の隠し部屋と……お恥ずかしながら、自分の部屋で心の整理を」

鞠莉「そういえばあったわね、あのブレーカーだけしかない小部屋」

しずく「はい。本当に、ブレーカーしかない部屋でした……収穫ゼロです」

326: 2020/03/29(日) 21:18:40 ID:kxPgDpz6
しずく「それどころか……心の整理をつけていた筈なのに、何かモヤモヤが残っている気がして」

歩夢「だ、大丈夫だよしずくちゃん。そんなことだってあるから!」

鞠莉「ここで不安になっても仕方ないわ。どのみち、この後の裁判で全て明らかにするだけなんだし」

しずく「あ、いや。そういう話じゃなくって……“何か、なくなっている物がある”ような気がするんです」

鞠莉「……はい?」

しずく「この学園に私物はなかった筈なのに、部屋から何かが消えているような……妙な感覚がするんです」

歩夢「気のせい……って言い切るのは簡単だけど……」

歩夢(とはいえ、消えるほどの物があった覚えもない。やっぱり気のせいでは──)

鞠莉「……うっかりしてたわ」

歩夢「えっ……?」

327: 2020/03/29(日) 21:19:38 ID:kxPgDpz6
鞠莉「……」

歩夢(鞠莉さんは、物凄い形相で何かを考えこんでいた)

しずく「あ、あの……何か、不味いことでも……」

鞠莉「……話は後。行くわよ、学級裁判に」

しずく「え、あ……はい……」

歩夢「……?」

歩夢(スタスタとエレベーターに向かう鞠莉さんの後を、2人で追う)

歩夢(何かに気付いた様子だけど、今の話で何か分かったのだろうか……?)

《しずくの違和感》のコトダマを入手しました。

328: 2020/03/29(日) 21:20:58 ID:kxPgDpz6
────赤い門の前

歩夢「……」

歩夢(みんな、覚悟を決めたように無言)

歩夢(璃奈ちゃん、ダイヤさん、梨子ちゃん)

歩夢(鞠莉さん、しずくちゃん、そして私……6人全員が、集まっていた)

歩夢(最初は18人で始まったコロシアイ学園生活も、今はたった6人)

歩夢(減ってしまったことを実感しながら。今まで死んでいったみんなのことを思い返しながら)

歩夢(私たちは、エレベーターに乗り込み……)

歩夢(そして、向かうべき場所へ下り始めた)

329: 2020/03/29(日) 21:21:36 ID:kxPgDpz6
歩夢(6人を乗せた鉄の塊は、いつものように地下へと潜っていく)

歩夢(深く、深く、深く深く深く深く……)

歩夢(ゆっくりと、私は目を閉じる)

歩夢(この裁判で、絶望を打ち砕くと信じて)

歩夢(希望が勝つということを証明して)

歩夢(残酷で醜悪なゲームを、終わらせてみせる)

歩夢(最後には、みんなで生きて帰る……そのことだけを考えて)

歩夢(やがて、鉄の塊が動きを止め……私は目を開けた)

330: 2020/03/29(日) 21:22:33 ID:kxPgDpz6
────地下???階、裁判場

モノっちー「……うけけ、待ってたよ」

歩夢(最後ということを意識してか……裁判場は、やけに豪華な造りになっていた)

歩夢(例えるなら、それはコンサートホール)

歩夢(上からはシャンデリアが光を灯し、裁判場を取り囲む壁紙は数多の座席が描かれている)

歩夢(そして中央には、私たちの議席と、12の遺影)

歩夢(モノっちーはといえば……王冠まで被って、玉座で頬杖をついていた)

歩夢(我こそがこの学園の王である、と言わんばかりに)

331: 2020/03/29(日) 21:23:22 ID:kxPgDpz6
ダイヤ「始める前に、1つだけ確認しておきたいのですが」

モノっちー「ん?」

ダイヤ「穂乃果さんたちの遺体は、既に生物室に?」

モノっちー「何を確認するかと思えば……そうだネ、あいつらは全員ロッカーに収めた後だよ」

モノっちー「途中で捜査に来ていた人もいたけど、その時には既に納品しております」

ダイヤ「……そうですか」

《モノっちーの証言》のコトダマを入手しました。

332: 2020/03/29(日) 21:23:53 ID:kxPgDpz6
モノっちー「じゃあ、気を取り直して」

モノっちー「オマエらは“希望は絶望より強し”を証明する」

モノっちー「ボクは“絶望に勝るものナシ”と叩きつける」

モノっちー「勝つのは希望か、それとも絶望か」

モノっちー「待望の最終ステージ……ラスボス戦を」

モノっちー「始めようじゃないか」

333: 2020/03/29(日) 21:25:06 ID:kxPgDpz6
~学級裁判準備~
全てを明らかにする、最後の学級裁判。
黒幕は誰なのか? この学園に隠された秘密とは? 最奥で待ち構えているモノとは?
多くの命が散って行った絶望のコロシアイ学園生活に、希望の終止符を打て!

コトダマリスト
《虹ヶ咲学園学園案内》
学園長室に置かれていた冊子。
ここに載っている設備は多岐に及んでいるが、
どれも歩夢たちが閉じ込められている虹ヶ咲学園の設備とは合致していなかった。

《8人の生徒名簿》
虹ヶ咲学園第14期生から16期生までの、歩夢たちが知らない8人の名簿。
載っているのは東條希、絢瀬絵里、矢澤にこ、
園田海未、南ことり、星空凛、小泉花陽、西木野真姫の8人。
穂乃果の話を合わせると、3番目の事件で被害者となった渡辺曜の正体は小泉花陽だったと考えられる。

《渡辺曜の生徒名簿》
超高校級の船乗り・渡辺曜の生徒名簿。
写真に写っていたのは、3番目の事件で被害者となった渡辺曜とは異なる人物だった。

《2人の15期生》
超高校級の幸運・高坂穂乃果と、超高校級の若女将・高海千歌。
高坂穂乃果は高海千歌として学園生活を過ごし、本物の高海千歌は行方が分かっていない。

334: 2020/03/29(日) 21:25:47 ID:kxPgDpz6
《モノっちー操作室》
黒幕がモノっちーを動かすための、情報処理室の奥の部屋。
黒幕は歩夢たちの監視とモノっちーの操作を同時には行えなかったようだ。

《黒幕について》
黒幕はモノっちー操作室に潜んで居る。
そのため、歩夢たち生存者の中に黒幕が居る可能性はなさそうだ。

《電流警棒》
モノっちー操作室のゴミ箱に入っていた物。
電気が流れる金属部に、水垢のような汚れが付いていた。

《生物室のロッカー》
縦3×横10の計30台からなる、死体を入れるためのロッカー。
ロッカーにはそれぞれ個別に青いランプが点いているが、9台はランプが点灯していなかった。

《西木野真姫の手記》
武器庫の奥の部屋に残されていた手帳。
折り目の付いたページが2か所あり、以下の内容が記されている。
『何よ、今度のプロジェクト』
『研究中の再生医療技術が、どうしてクローンの研究に転用されてるのよ!』
『人道的に大丈夫なのかしら、アレ』

『疲れた。評議委員会の人たちとお話して、なんとかプロジェクトを凍結させた』
『あんなもの倫理に問題大アリだし、私の立場も危うくなるもの』
『しばらく暇になるし、久しぶりに凛や花陽たちと遊びに行こうかしらね』

335: 2020/03/29(日) 21:26:25 ID:kxPgDpz6
《希望継承計画》
虹ヶ咲学園評議委員会が取り組んでいた新プロジェクト。
才能の継承をテーマに、才能に関する記憶や必要な肉体の移植などを行おうとしていた。
人道的等幾つかの理由から計画自体は頓挫したが、技術自体は残されている。

《記憶喪失について》
希望継承計画で残された、記憶を移植する技術の応用なのではないか。
黒幕が歩夢たちの学生生活の記憶を奪った方法に関する推測。

《海底学園》
ノートPCに入っていた、計画書の構想メモ。
ある人物が、研究発表のために海底に学校の設備を模した建物を造る計画書が記されていた。

《本当の希望隔離計画》
ノートPCに入っていた、以下の内容が記された謎のメモ。
『彼女がクロである証拠を掴んだ』
『捕まえるのは簡単。でも事は穏便に済ませたい』
『希望継承計画の技術を使うしかない』
『希望を絶望から隔離するのが、最善手の筈』

《しずくの違和感》
しずくは自分の個室から、何かがなくなっているような気がした。
個室には特に私物が置いてあるわけではないのだが……?

《モノっちーの証言》
歩夢が生物室を訪れた頃には、既に穂乃果たちの死体は生物室に収められていた。

337: 2020/05/18(月) 19:06:31 ID:jo4AQBik

 学 級 裁 判 
  開   廷!

338: 2020/05/18(月) 19:07:10 ID:jo4AQBik
モノっちー「今回は最後の学級裁判ということで、ルールがいつもと少し違います」

モノっちー「まずはそれを明示しておきましょう」

モノっちー「オマエらがやるべきことは、ボクの正体やこの学園の秘密、そして隠された謎を解き明かすこと」

モノっちー「そうやって真実を知った上で、この学園から出る【卒業】かここに残る【留年】かのどちらかに投票してもらいます」

モノっちー「全てを解き明かした上で全員が【卒業】を選べば……オマエらの勝ちー!」

モノっちー「解けない謎があったり、1人でも【留年】を選んだりしたら……ボクの勝ちー!」

モノっちー「敗者に待っているのは、ワックワクでドッキドキのオシオキでーーーす!」

339: 2020/05/18(月) 19:07:54 ID:jo4AQBik
鞠莉「わざわざ投票もやらせるのね。謎を解くだけでいいんじゃないかしら?」

梨子「そうよ。ここまで来て【留年】を選ぶ人なんて居ないわよ」

歩夢(梨子ちゃんの言葉に、全員が賛同する)

モノっちー「前回の裁判が消化不良だったし、ボクとしては最後くらい投票できっちり締めて欲しいんだよネ」

モノっちー「まあ形式的なモノだと思って、そのくらいはご容赦くださいな」

ダイヤ「……いいでしょう。それで、どの謎から解を示せばよろしいのでしょうか?」

モノっちー「色々あるけど、まずはこの学園そのものの秘密から答えてもらいましょうか」

しずく「この学園の……ですか?」

モノっちー「うけけ……それじゃあ、議論を始めようか」

340: 2020/05/18(月) 19:09:02 ID:jo4AQBik
【ノンストップ議論 開始!】
[|虹ヶ咲学園学園案内>
[|モノっちー操作室>
[|生物室のロッカー>
[|海底学園>

ダイヤ「学園自体の秘密……」

しずく「なんだか質問が漠然とし過ぎていませんか?」

モノっちー「高坂さんがオマエらにした話が嘘か本当か……争点はそこだよ」

璃奈「《外の世界が滅んでいる》って話のこと(・v・)?」

梨子「でも、あの話を嘘だとは言い切れないでしょ? この学校は【海の底に沈んでいた】んだし」

しずく「そうですよ。海面上昇でも起きなければ【虹ヶ咲学園が水没する】理由にはなりません」

しずく「お台場の海沿いの学園とはいえ【窓の外の景色】は普通ではなかったですし」

鞠莉「……」

歩夢(この学園の秘密……その手掛かりは、確かに残されていた筈だよね)

341: 2020/05/18(月) 19:09:40 ID:jo4AQBik
[|虹ヶ咲学園学園案内>→【虹ヶ咲学園が水没する】

歩夢「それは違うよ!」

Break!

歩夢「そもそも……私たちが閉じ込められているここは、本当に虹ヶ咲学園だったのかな?」

しずく「えっ……?」

歩夢「学園長室で、妙な冊子を見つけたんだよ」

ダイヤ「妙な冊子、とは?」

歩夢「虹ヶ咲学園の学園案内……それ自体は、本当にただの学園案内なんだけど」

歩夢「そこに載っている設備紹介の写真は“どれもこの建物とは違う設備だった”んだ」

璃奈「プールや体育館なんかの広さが全然違ったし、ここにはない部屋もいっぱいあったよ(・v・)」

342: 2020/05/18(月) 19:11:15 ID:jo4AQBik
歩夢「写真だと豪華な造りだった学園長室も、冊子が置いてあった部屋とはまるで違った」

歩夢「モノっちー。あのパンフレットに書いてあることは、嘘じゃないんだよね」

モノっちー「勿論ですとも。パンフレットは嘘偽りなく、虹ヶ咲学園が発行しているモノですよ」

歩夢「……だとしたら、考えられるのは1つしかないよ」

ダイヤ「ここが虹ヶ咲学園ではない“どこか別の建物だった”ということですか……」

梨子「じゃあ私たちは、知らない建物に監禁されているってことなの!?」

しずく「しかも……海の中の建造物である事実は変わりません。でなければ外の景色の説明がつきませんから」

璃奈「でもわざわざ学校の設備を作ったのはどうして? 普通、海の中に学校なんて建てないよね(・v・)?」

歩夢(海の中に学校が建てられた理由。それを示す手掛かりは……)

【コトダマ一覧より選択】

343: 2020/05/18(月) 19:12:30 ID:jo4AQBik
→【海底学園】

歩夢「この建物は、ある人が研究発表として建築した物……だと思うんだ」

歩夢「それを示す構想メモが、ノートPCの中に入ってたんだよ」

ダイヤ「け、研究発表で学校を……?」

モノっちー「そもそも虹ヶ咲学園は、超高校級の才能を磨くための学校だからネ」

モノっちー「記憶を失っているオマエらは覚えてないだろうけど、卒業前にはそれぞれの才能を活かした研究発表があるんだ」

しずく「ちょっと待ってください! それだと、この学校を建てた人って……」

歩夢「虹ヶ咲学園の生徒……しかも、私たちの中に居る可能性が高いんだ」

梨子「えぇっ!?」

歩夢(そうだ。それを示す手掛かりだって、構想メモの中にあった筈……)

【怪しい人物を指名しろ!】

344: 2020/05/18(月) 19:13:57 ID:jo4AQBik
→【小原鞠莉】

歩夢「鞠莉さん……ですよね。あのメモを書いたのって」

鞠莉「……」

歩夢「構想メモの中には、土地をどうするかを考えている部分がありました」

歩夢「“ウチの所有している島を使う”……在校生の中でこんなことが書けるのは《超高校級の令嬢》である鞠莉さんだけです」

璃奈「卒業生が建てた可能性はないの(・v・)?」

歩夢「メモによると、この海底学園には《超高校級のダイバー》である果南さんの研究発表の拠点にする目的もあったんだ」

歩夢「勿論、卒業生が果南さんを気にかけてって可能性もある。“後輩たちも自由に使えるように”って文章もあったしね。でも──」

鞠莉「主目的はクラスメイトのため、そう考えた方が自然……ってわけでしょう?」

鞠莉「そもそも、ここまで来てモノっちーがノーヒントで謎を吹っかけて来るとは思えない」

鞠莉「多分間違いないわ。この海底学園を建てたのは、私よ」

345: 2020/05/18(月) 19:16:25 ID:jo4AQBik
梨子「さ、流石は小原家令嬢……」

ダイヤ「鞠莉さん……随分と、大掛かりなことをしたのですね」

鞠莉「返す言葉もないわ……何をやってるのかしら、私」

歩夢「これが……この建物の真相だよ。どうかな、モノっちー」

モノっちー「誰かさんが恥をかいたところで、正解正解~」

モノっちー「オマエらの推理した通り、この建物は虹ヶ咲学園ではなく……」

モノっちー「小原さんが世間には内緒で、研究発表として建てた海底建築なのでした」

しずく「世間には……道理で、今に至るまで助けが来なかったわけです」

鞠莉「多分私のことだから、ママには内緒で建築班を動かしたんでしょうね」

鞠莉「しかも建物は海の底……そう簡単に辿り着ける場所じゃないわ」

346: 2020/05/18(月) 19:16:59 ID:jo4AQBik
ダイヤ「そして、モノっちーはそんな建物を乗っ取って、我が物顔でコロシアイを強要したと」

モノっちー「まあネ」

鞠莉「強要だけじゃないわ。モノっちーは私たちの仲間を〇している」

梨子「オシオキで、何人も……」

鞠莉「いいえ。確かにオシオキもあるけれど、今はその話じゃないわ」

璃奈「じゃあ第2多目的室のこと? ほら、穂乃果さんが言ってた……(・v・)」

鞠莉「その件も後で問う必要があるだろうけれど……それでもないわ」

ダイヤ「……何が言いたいのです?」

しずく「裁判が始まる前、鞠莉さん、凄く何かを考えている様子でしたけど……それと何か関係が?」

鞠莉「恐らく、ね。まだ確証は持てないけれど……」

347: 2020/05/18(月) 19:17:37 ID:jo4AQBik
歩夢「鞠莉さんが気にしていることって……“ある事件”についてなんじゃないかな」

璃奈「ある事件(・v・)?」

歩夢「実は……今回の捜査をしていくうちに、ある事件に関する新しい事実が分かったんだ」

歩夢「どうして鞠莉さんがその事件について気になっているのかは分からないけど……」

歩夢「その事実はもしかしたら、学級裁判の根幹を揺るがすものかも知れないんだ」

しずく「学級裁判の根幹を……?」

モノっちー「ふーん……教えてよ。新事実が分かったのは、どの事件なのかな?」

歩夢「答えてあげるよ。その事件は──」

【黒澤ルビィの事件】
【近江彼方の事件】
【渡辺曜?の事件】
【宮下愛の事件】
【松浦果南と中須かすみの事件】
【国木田花丸の事件】

正しい選択肢を選べ!

348: 2020/05/18(月) 19:18:21 ID:jo4AQBik
→【近江彼方の事件】

歩夢「2番目の、彼方さんが死んだ事件だよ」

しずく「……っ」

ダイヤ「あの事件……いや、不運な事故と言っても差し支えありませんわね」

梨子「エマさんは何も悪くなかったのに……」

モノっちー「そうそう。中須さんが余計なイタズラをしたせいで、勝手に事故が起きたんだよネ」

モノっちー「しかも犯人であるエマさんはそれに気付いて、投票結果を捻じ曲げようと──」

歩夢「捻じ曲げられたのは、投票結果だけじゃなかったのかも知れない」

モノっちー「……うん?」

349: 2020/05/18(月) 19:19:19 ID:jo4AQBik
歩夢「あの事件が、事故なんかじゃなかった可能性があるんだ」

歩夢「明確に〇意を持った人が行った、〇人だったのかも知れないんだよ」

璃奈「……えっ(?□!)!?」

モノっちー「だとしたらどうするのさ。事故じゃなかったとしたら、エマさんが意図的に感電させる仕掛けを作っていたとでも?」

モノっちー「大体、判決はもう出たんだよ? その事件に対して今更どうこう言うつもりなの?」

歩夢「その判決自体が間違っていたとしたら?」

鞠莉「あの事件のクロがエマじゃない……ってことね」

歩夢「もし本当に間違いだったなら、学級裁判の信頼は根本から揺らぐことになるよね」

ダイヤ「そうですわね。ほとんどの犯人が、潔く罪を認めていましたが……」

梨子「そ、それこそ、実は学級裁判が成り立ってない事件ばかりだったってことになるわ」

350: 2020/05/18(月) 19:20:16 ID:jo4AQBik
モノっちー「なるほど? つまりオマエは、ボクの間違いを指摘して、ゲームマスターの失墜を狙っているワケだネ?」

歩夢「うん。やましいことがないなら、この話を聞き入れてくれるよね」

モノっちー「うけけ……いいよ。受けてやろうじゃないか」

モノっちー「過去の事件に隠された真相があったなんて展開、とっても面白いからネ」

歩夢「……」

歩夢(モノっちーは、妙に展開というものにこだわっている)

歩夢(何か……考えがあるの?)

歩夢(いや、今はそんなことを考えている時じゃない)

歩夢(あの結末が間違いだったということを証明して、コロシアイの黒幕を追い詰めるんだ!)

351: 2020/05/18(月) 19:21:09 ID:jo4AQBik
【ノンストップ議論 開始!】
[|2人の15期生>
[|電流警棒>
[|生物室のロッカー>
[|しずくの違和感>

璃奈「彼方さんの死因は……感電死で合ってるよね(・v・)?」

鞠莉「一度は《毒〇》の線も上がったけれど、実際はそうじゃなかった」

梨子「事故が起きた時、現場に犯人は居なかったのよね」

モノっちー「停電に驚いてこぼしたスポーツドリンクと、不良品のケーブル」

モノっちー「そこに立っていた被害者は、犯人が【ブレーカーを上げた拍子に】感電」

モノっちー「超高校級の幸運が起こした、不運な事故なんだよネ!」

しずく「停電の仕掛けを作ったのは【かすみさん】で……現場に居たのは【果南さん】でしたよね」

モノっちー「エマさんが犯人じゃないなら、真犯人はその2人のどっちかだって言いたいのかな?」

ダイヤ「いえ、もしかしたら……」

歩夢(過去の裁判での結論を覆すかも知れない証拠が出て来たんだ。それを突き付けるしかない!)

352: 2020/05/18(月) 19:21:58 ID:jo4AQBik
[|電流警棒>→【ブレーカーを上げた拍子に】

歩夢「それは違うよ!」

Break!

歩夢「確かに、彼方さんは感電死だったのかも知れない」

歩夢「あの時のモノっちーファイルには、死因が書いてなかったからね」

モノっちー「まあ、あの事件の謎の大半は死因にあったからネ」

歩夢「でも……感電死を起こすだけなら、ブレーカーは必要ないんだよ。電流警棒を使えばいいんだからね」

梨子「電流警棒……そんなものがあったの?」

ダイヤ「情報処理室の奥の部屋で見つかった物です。ゴミ箱に捨ててありました」

鞠莉「それって……彼方の本当の死因が、その電流警棒だったってことかしら」

353: 2020/05/18(月) 19:22:43 ID:jo4AQBik
歩夢「うん。つまりあの事件の犯人は、停電を復旧させたエマちゃんじゃなくって……」

しずく「電流警棒を使った人って事ですか!?」

モノっちー「うけけ……それは飛躍しすぎじゃないかなあ」

璃奈「飛躍してるの(・v・)?」

モノっちー「そもそも、近江さんの死に電流警棒が関わっている証拠がないでしょ」

モノっちー「ここは学級裁判なんだからさ。論ずるなら証拠を出してもらわないと」

梨子「確か、彼方さんって火傷を何箇所かに負っていたのよね」

鞠莉「いえ。火傷じゃあ電流警棒が使われたという証拠にはならないわ」

鞠莉「仮にそうだとしても、彼方の死体を詳しく調べていた花丸はもう居ないんだから……」

モノっちー「うけけ……」

歩夢(いや。証拠は、電流警棒そのものに残されていた筈……)

【持ち手】
【スイッチ】
【電極】

正しい選択肢を選べ!

354: 2020/05/18(月) 19:25:21 ID:jo4AQBik
→【電極】

歩夢「ダイヤさん、言ってましたよね。電流が通る金属部に水垢が付いていたと」

ダイヤ「ええ。ゆえに、水か濡れた物に触れたのは確かだろうと思ったのです」

ダイヤ「事件当夜、彼方さんの身体も……そうでしたよね」

モノっちー「……」

鞠莉「事件当夜、彼方はプールあがりだったことを果南が証言してるわ」

鞠莉「彼方に直接当てたかスポーツドリンクをこぼした床に当てたのかは分からないけど……十分、彼方を〇せるでしょうね」

モノっちー「だったら、死体が水槽に沈んでいた松浦さんの事件で使われ──」

鞠莉「果南の死に関わったのは銃とナイフよ」

モノっちー「……」

355: 2020/05/18(月) 19:26:35 ID:jo4AQBik
璃奈「あの時のモノっちーファイルは死因や外傷も詳しく書いてた……電流警棒が出てくる場所はないよね(・v・)?」

梨子「オシオキにも、水や電気が使われた物はなかったわ」

歩夢「つまり……電流警棒が使われたのは、彼方さんの事件としか考えられないんだ」

歩夢「そして、その凶器が情報処理室の奥の部屋で見つかったってことは──」

モノっちー「それは違うんだよネ!」

反論!

モノっちー「さっきから何を言ってるんだよオマエらは」

モノっちー「そんな妄言が通るなんて……本当に思ってるの?」

356: 2020/05/18(月) 19:27:31 ID:jo4AQBik
【反論ショーダウン 開始!】
[|電流警棒>
[|生物室のロッカー>
[|記憶喪失について>
[|モノっちーの証言>

モノっちー「犯人が近江さん〇害に電流警棒を使った……」

モノっちー「その前提が根本的に間違ってるんだよネ」

モノっちー「隠し部屋のブレーカーを上げたエマさんには……」

モノっちー「電流警棒を持って現場に行くことが出来なかったんだからさ」

─発展─
でも、その前提を大きく覆す方法があるんだ
   モノっちー、あなたが犯人だった場合だよ!

モノっちー「ボクが犯人? いやいや、それ以外の可能性だってあるでしょ」

モノっちー「もう1人犯人になれる人が居るじゃないか」

モノっちー「そう。被害者が死んだ時、現場に居た松浦さんになら……」

モノっちー「【電流警棒を使える】よネ?」

歩夢(……反論になっていなかった主張は、果南さんに罪を押し付けるための前フリだったんだね)

歩夢(でも……その主張も通さないよ!)

357: 2020/05/18(月) 19:28:44 ID:jo4AQBik
[|電流警棒>→【電流警棒を使える】

歩夢「その言葉、斬らせてもらうよ!」

Break!

歩夢「さっきも言ったけど、あの電流警棒は“見つかった場所”も重要なんだ」

しずく「情報処理室の奥の部屋……でしたよね」

梨子「ちょっと待って!? そもそも情報処理室自体……」

鞠莉「穂乃果が事件を起こすまで、黒幕以外は入れない部屋だった」

鞠莉「それに、奥の部屋に至っては捜査中にようやく入れたんでしょう?」

ダイヤ「ええ。しかもモノっちーは、私と歩夢さんを騙し討ちにかけてあの部屋から追い出そうとしました」

ダイヤ「余程、あの手掛かりを見られたくなかったのでしょうね?」

モノっちー「……」

歩夢「つまり、彼方さんを〇した事件の真犯人は……」

【怪しい人物を指名しろ!】

358: 2020/05/18(月) 19:29:54 ID:jo4AQBik
→【モノっちー】

歩夢「このコロシアイを計画したモノっちー……そして、それを動かしている黒幕だよ!」

モノっちー「……」

璃奈「それじゃあ、エマさんは……(>_<。)」

しずく「無実の罪でオシオキされたってことじゃないですか!?」

歩夢「その通りだよ……彼女は、誰も〇してなんかいなかったんだ」

歩夢「それなのに彼女は処刑にかけられた。黒幕に罪を押し付けられて〇されたんだ」

歩夢「しかもモノっちーは、そんな嘘まみれの真実を正解だと言った」

歩夢「そのせいで私たちも、そしてエマさん自身も。最後まで彼女が犯人だと思い込んでいたんだ」

歩夢「ねえモノっちー。あなたはこのコロシアイを公正なゲームのように楽しんでいたけど……」

歩夢「これの、どこが公正なゲームなの!? 丸っきりデタラメだよね!?」

359: 2020/05/18(月) 19:30:51 ID:jo4AQBik
鞠莉「そうね。この推理が本当だとすれば、今までの裁判も怪しくなってくるわ」

鞠莉「本当は全部、違った判決だったんじゃないか……そう疑われても仕方ないわ」

梨子「そんなの、ゲームなんかじゃないわ。ただの〇し合いじゃない……!」

鞠莉「それどころか、全部モノっちーが〇していたりしてね。コロシアイゲームを根本から否定する問題よ」

歩夢「モノっちー……私は、あなたを絶対に許さない」

歩夢「人の命をもてあそんだことだって、許すことは出来ないけど」

歩夢「真実を捻じ曲げてコロシアイを強要したあなたを、絶対に許さない!」

モノっちー「……言わせておけば、ベラベラと」

モノっちー「ボクが犯人だって指摘するのは大いに結構」

モノっちー「ボクのゲームマスターとしての信用を落とすのも大いに結構」

モノっちー「でもオマエら……肝心なことを忘れてるよネ」

璃奈「肝心なこと(>_<。)?」

モノっちー「さあさあ、面白くなってきたよ。まだまだ議論を回そうじゃないか!」

360: 2020/05/18(月) 19:31:30 ID:jo4AQBik
【ノンストップ議論 開始!】
[|8人の生徒名簿>
[|黒幕について>
[|西木野真姫の手記>
[|記憶喪失について>

モノっちー「【ボクが犯人】だとしても、それだけじゃあボクを犯人扱いは出来ないよ」

しずく「ここまで証拠が挙がっているんですよ?」

モノっちー「分からないかなあ。ボクを犯人だと指摘するってことは……」

モノっちー「ボクの《正体を指摘》しないといけないんだよネ」

ダイヤ「あなたの、正体ですか……」

モノっちー「というか、オマエらが言う黒幕って【オマエらの中にいる】わけだしネ」

モノっちー「だって、生き残ってるのはオマエらだけなんだもの」

璃奈「私たちの中に、黒幕が……(>_<。)?」

しずく「だ、誰なんですか!?」

歩夢(……どこまで、モノっちーは卑怯な真似をするんだろう)

歩夢(もう、その程度の出まかせには騙されない……!)

361: 2020/05/18(月) 19:32:49 ID:jo4AQBik
[|黒幕について>→【オマエらの中にいる】

歩夢「それは違うよ!」

Break!

歩夢「モノっちー。私たちを混乱させようとしてるみたいだけど……」

歩夢「あなたは今、情報処理室の奥の部屋で誰かが動かしているんだよね?」

モノっちー「……ギクッ」

鞠莉「じゃあ、その部屋はモノっちーを操作するためのモノだったのね」

ダイヤ「ええ。監視カメラについては、先の事件でモニタールームとして用意されていましたが……」

ダイヤ「あの機械の目にはカメラが付いています。奥の部屋でも、黒幕はモノっちーを通じて私たちの姿を捉えられたのです」

362: 2020/05/18(月) 19:33:53 ID:jo4AQBik
璃奈「そのモノっちーが今も動いてるってことは……(・v・)」

歩夢「うん。黒幕は“今も情報処理室の奥の部屋に居る”んだ」

しずく「わ、私たちの中に居るというのは嘘だったんですね……」ホッ

歩夢「じゃあ、改めて彼方さんの事件を振り返って──」

モノっちー「その必要はないネ」

歩夢「……えっ?」

モノっちー「ああ、認めるよ。ボクが彼方さんを〇した真犯人だってネ」

しずく「……って……」

モノっちー「ん?」

しずく「謝って、ください……! あなたのせいでエマさんたちは……っ!」

歩夢「お、落ち着いて!」

歩夢(今まで見たこともない剣幕のしずくちゃん。でも、無理もない)

歩夢(すれ違って、ようやく仲直りが出来た友達を喪ったんだから……)

363: 2020/05/18(月) 19:35:14 ID:jo4AQBik
モノっちー「……」

鞠莉「さて。このコロシアイゲームは成り立っていないことが証明されたわけだし、ここから出して貰えるかしら」

鞠莉「ここが道楽で私が建てた学校なら、外の世界は滅んでなんかいないわけでしょう?」

歩夢(コールドスリープの話が嘘だとすれば、外にはまだ帰る場所がある可能性が残っている)

歩夢(黒幕を捕まえるのは警察に任せて、まずはここから生きて帰るのが先決……鞠莉さんの意見も、ごもっともだ)

モノっちー「……うけけ」

歩夢(でも……モノっちーは)

モノっちー「ボクが謝る理由は、どこにもないよ?」

歩夢(まだ、抗う気でいた)

364: 2020/05/18(月) 19:36:35 ID:jo4AQBik
しずく「何を……言っているんですか?」

モノっちー「ボクが近江彼方さんを〇した……そこまでは認めるけれど」

モノっちー「オマエら、あの事件を思い出してみなよ」

モノっちー「エマさんはあの裁判で、投票結果を捻じ曲げようとしたんだよ?」

モノっちー「幸運なことに隠し部屋の存在を知った彼女は、抜け道を使って裁判場に細工をしようとした……」

モノっちー「公正で崇高なコロシアイゲームを破壊しようとした、最低な人なんだ」

モノっちー「つまり。ボクを近江さん〇しの罪に問うたところで、エマさんのオシオキはゲームマスターにとって正当なものなんだよ!」

歩夢「なっ……!?」

ダイヤ「……呆れて物も言えませんわね」

モノっちー「うるさいうるさーい! 近江さんの方は悪かったよ、そりゃあその件の謝罪はするさ」

モノっちー「でも、エマさんのオシオキを誤った判決だと言われる筋合いはないネ!」

365: 2020/05/18(月) 19:37:16 ID:jo4AQBik
璃奈「でも……校則違反者って、穂乃果さんの時みたいにサイレンが鳴るんじゃ……(・v・)?」

モノっちー「あの時はボクもそこまで考えが回らなかったんだよ」

しずく「どこまで、あなたは私たちを……っ!」

鞠莉「落ち着きなさいしずく」

しずく「っ、でも!」

鞠莉「……歩夢。彼方の事件の流れ、覚えているかしら」

歩夢「えっ……?」

鞠莉「この悪あがきには、ハッキリと矛盾している点があるわ」

鞠莉「エマが取った行動の中に、そのヒントはある」

鞠莉「それにモノっちーは、彼方〇しまで認めた……これが黒幕を追いつめる最後の一押しよ」

366: 2020/05/18(月) 19:38:32 ID:jo4AQBik
歩夢「……」

歩夢(あの事件でエマさんが取った行動が、黒幕を追いつめる最後の一押し……?)


穂乃果『あ、それから! 大事なことを忘れてた!』

穂乃果『エマちゃんの幸運も……信じてあげて』

歩夢『そ、それって、どういう……』


歩夢(穂乃果ちゃんが言っていたのは……こういうことだったの?)

歩夢「……」

モノっちー「ボクは、エマさんのオシオキは正当だったと言い続けるよ」

歩夢「ううん……やっぱり、不当な判決だったんだよ」

モノっちー「ふーん? 盾突くつもり?」

モノっちー「じゃあ……やってみなよ」

歩夢(勿論……やってやる)

歩夢(モノっちーの悪あがきを、理論で突き崩すんだ!)

367: 2020/05/18(月) 19:39:28 ID:jo4AQBik
【理論武装 開始!】

モノっちー「ホントにいいのかな~」

モノっちー「うけけけ……」

モノっちー「証拠を出したまえ、証拠をー!」

モノっちー「見えない、聞こえない、知らなーーーい!」

モノっちー「何をはしゃいでるんだか……」

モノっちー「何だよ、何なんだよ!」

モノっちー「……」

モノっちー「やめておけばよかったのにネ」


モノっちー「【エマさんが裁判場に細工したのが悪いんだ! あれは正当なオシオキだよ!】」

      △:アナウンス
□:彼方の       ○:死体
      ×:発見

368: 2020/05/18(月) 19:40:07 ID:jo4AQBik
→□○×△ [|彼方の死体発見アナウンス>

歩夢「これで……終わりだよ!」

Break!!!

歩夢「モノっちー……それは嘘だよね」

歩夢「あなたは最初から、エマさんを犯人にするつもりだった筈だよ」

モノっちー「な、何を根拠に──」

歩夢「あの事件の死体発見アナウンス、みんなは覚えてる?」

璃奈「き、急に言われても……(>_<。)」

梨子「確かあの裁判で初めて、死体発見アナウンスについてのルールが出た……のよね?」

369: 2020/05/18(月) 19:41:14 ID:jo4AQBik
モノっちー『あー……そこに気付いちゃった? んもう、デリケートな話だから触れないようにしてたんだけど……』

モノっちー『死体発見アナウンスってのはネ、推理の材料に使っていいものじゃないのさ』

モノっちー『あくまで、校正に学級裁判を起こすために流すものであって……』

愛『そんなことはいいからさ。条件はなんなの、条件は』

モノっちー『“3人以上の人間が死体を発見すること”だよ。オッケー?』

愛『さーんきゅ!』


しずく「ほとんどの事件で3人以上の人が同時に死体を見つけているせいで、形だけのルールだと思っていましたが……」

鞠莉「ちなみにモノっちーは、その3人の中に“犯人が含まれるかどうか”の言及は一切していなかったわ」

ダイヤ「ええ。あの時は、それを論ずる意味があまりない状況でしたから」

370: 2020/05/18(月) 19:42:02 ID:jo4AQBik
エマ『確か、アナウンスが流れるまでに死体を発見したのって……』

璃奈『最初に果南ちゃん。次が……かすみちゃん(>_<。)?』

かすみ『確かに、死体を移動させた私は、ある意味第2発見者でしょうね』

曜?『次が、千歌ちゃんとせつ菜ちゃん……』

花丸『4人……』

かすみ『これじゃあ、手掛かりにはなりませんね~』プククク

歩夢『ね、ねえ! どっちが先に発見したのか……覚えてないの!?』

せつ菜『そ、そんなこと急に言われても……』

ダイヤ『“3人”に犯人を含む場合と含まない場合……どちらにしても、発見者が4人である以上、判断材料にはなりませんわ……』


璃奈「そういえば、そんな話だった……(・v・)!」

歩夢「ここで重要になるのは……事件の翌朝になるまで“3人が死体を発見したことになっていなかった”ことなんだ」

歩夢「そして……エマさん、言ってたよね」

371: 2020/05/18(月) 19:42:43 ID:jo4AQBik
果南『夜時間に、かすみと会ってた……?』

かすみ『あー、そういえばそんなこともありましたっけ』

エマ『何だか嫌な予感がして……校舎を見て回ったの。そうしたら……』

果林『彼方ちゃんの死体を見つけた、ってワケね』

エマ『すぐにみんなを呼ぼうって思った。けど、少し考えて……気付いちゃった』

エマ『元々悪いのはかすみちゃん。でも、最後に引き金を引いたのは私……』

歩夢『だから、電源コードを処分したんだね……』

エマ『……うん。燃え残っちゃったのは、慌ててたから、だと思う』

かすみ『だからって、裁判場に細工までしなくったっていいじゃないですか~。そこまでして死にたくないんですか?』

エマ『死にたくないに決まってるよ!』

372: 2020/05/18(月) 19:43:48 ID:jo4AQBik
歩夢「そう……“裁判場に細工を仕掛けるより前に、彼方さんの死体を発見している”んだよ」

歩夢「しかも、エマさんが発見した時点で、現場に居た果南さんと死体を運んだかすみちゃんの2人が見ていた」

歩夢「ねえ。どうしてモノっちーは、エマさんが死体を発見した時点でアナウンスを鳴らさなかったの!?」

モノっちー「んなっ……!?」

鞠莉「エマがあの事件のクロじゃないとしたら、彼女が死体を見つけた時点で3人目の発見者になる筈」

鞠莉「つまりモノっちー……あなたは最初から、エマに冤罪を被せるつもりだった」

鞠莉「“犯人が見ていたから、死体発見人数には含まれない”って、クロに仕立て上げたのよ」

モノっちー「…………」

ダイヤ「いよいよ逃げ場がなくなって、沈黙ですか」

歩夢「どうだっていいよ。改めて、最初からあの事件で起きたことをまとめて……」

歩夢「このコロシアイ学園生活の不当性を、証明するよ」

歩夢「エマさんや彼方さん、死んだみんなに誓って……明らかにしてみせる」

373: 2020/05/18(月) 19:44:24 ID:jo4AQBik

歩夢「これが事件の真実だよ!」

374: 2020/05/18(月) 19:45:32 ID:jo4AQBik
【クライマックス推理】
ACT.2-4
じゃあ、新しい証拠を元に、2番目の事件を振り返ってみよう。
事件当夜夜10時……被害者である彼方さんは、〇害現場である更衣室に居た。
同じく現場に居た果南さんが、一緒にランニングすることを提案して来たけど……その直後、停電が起きたんだ。
停電自体は、かすみちゃんがモノっちーにやり方を聞いて起こしたイタズラに過ぎなかった。
けど……その裏では、とてつもない悪意が動いていたんだ。

ACT.2-5
停電が起きた時のみんなの行動は、2番目の学級裁判で明かされた通りだよ。
図書室に居たエマさんも、停電を復旧させようと隠し部屋のブレーカーをあげるわけだけど……。
彼方さんがこぼしたスポーツドリンク、ランニングマシーンの電源ケーブル、そしてブレーカー。
それらの要素が合わさって、彼方さんは停電明けと同時に不幸な感電死を遂げた……ことになっていた。
でもそれは……真犯人によって歪められた真実だった。
彼方さんが死んだのは、本当は停電の最中だったんだよ。

ACT.2-6(New!)
真犯人は、情報処理室の奥の部屋……モノっちーを操作する部屋に居たんだ。
その人は自ら操作するモノっちーにある物を持たせて、現場へと向かわせたんだよ。
現場は停電が起きて真っ暗だったけど、内蔵カメラには暗視機能もついていたんだろうね。
そして、真犯人は暗闇に怯える果南さんを無視して……彼方さんへとモノっちーを動かした。
その手に、本当の凶器である電流警棒を持たせて……!

375: 2020/05/18(月) 19:46:50 ID:jo4AQBik
ACT.2-7
電流警棒で彼方さんを〇した後は、停電が明ける前に急いでモノっちーを撤収させる。
そして、モノっちーが現場から撤収した後……エマさんが、ブレーカーを上げた。
突然彼方さんが死んだことで、ビックリした果南さんは現場から逃げ出した。
その後、偶然更衣室を訪れたかすみちゃんが、この事件を連続〇人鬼・タカマガハラの仕業に見せかけるための細工を施した。
彼女は現場を見ただけで、彼方さんの死因が感電死である可能性には気づいていたようだけど……。
それが、ブレーカーのせいで起きた物だと勘違いしてしまったんだ……あの学級裁判の、私たちのようにね。

ACT.2-8
細工を終えた帰り道、かすみちゃんは偶然エマさんと鉢合わせした。
まさかその相手がブレーカーを上げた人だとは夢にも思わない彼女は、意味ありげなことを喋った。
そのせいで、エマさんは……かすみちゃんが死体を動かしたこと、そして彼方さんの死因が自分にあることに気付いてしまった。
焦った彼女は、彼女なりに生き延びる細工を施そうとする。
でも……エマさんが3人目になる筈の死体発見アナウンスが鳴らなかった時点で、真犯人が用意したシナリオは決まっていたんだ。

ACT.2-9
一方の真犯人は、モノっちーと凶器である電流警棒を回収。
凶器をゴミ箱に捨てて、証拠を隠滅したつもりだった。
電極の水垢を拭き取らなかったり、そもそも電流警棒を廃棄処分しなかったのは、真犯人の油断だったのかも知れない。
鍵の掛かった部屋に入れるのは、その人物だけだったからね。
でも、私たちはようやく辿り着いたんだ。
真犯人が用意した、エマさんが犯人であるという嘘のシナリオに隠された真実に……。

376: 2020/05/18(月) 19:47:43 ID:jo4AQBik
歩夢「あなたが真犯人……もう、言い逃れする余地は残ってないよ」

歩夢「このコロシアイゲームは、成立していなかったんだ」

歩夢「そうだよね、モノっちー……いや《コロシアイ学園生活を仕組んだ黒幕》さん!」

    COMPLETE!!!

377: 2020/05/18(月) 19:48:59 ID:jo4AQBik
歩夢「これが……私たちが辿り着いた真実だよ」

モノっちー「……」

ダイヤ「黙るのは勝手ですが、沈黙は肯定と見なして宜しいですわね?」

モノっちー「……」

梨子「と、とにかく……これで、コロシアイは終わったのよね?」

しずく「……言いたいことは山ほどあります。けどそれは、この狂った学園の外に出てからです」

璃奈「でも、海の底からどうやって外に出るの(・v・)?」

鞠莉「私たちをここに運び込んだ潜水艦か何かがある筈よ。さあモノっちー、その場所を吐きなさい」

鞠莉「こんな空間での暮らしは、もう終わりよ」

378: 2020/05/18(月) 19:49:51 ID:jo4AQBik
モノっちー「……」

モノっちー「……終わり?」

モノっちー「クライマックス気分で推理を披露して、それで本当に終わりだと思ってるの?」

モノっちー「だとしたら、とんだお笑いだネ……。うん、とことんお笑いだよ」

ガコン!

歩夢「えっ!?」

しずく「え、エレベーターが!?」

歩夢(突然、私たちを絶望の裁判場まで運んできたエレベーターが、からっぽのまま上へとのぼり始めた)

モノっちー「ああ、気にしないで。いいタイミングになったら、中の人が降りてくるだけだからさ」

璃奈「中の人、って……(・v・)?」

モノっちー「ボクの中の人……オマエらが待ち望んだ、黒幕サマ御本人だよ」

379: 2020/05/18(月) 19:51:18 ID:jo4AQBik
歩夢「……っ」

歩夢(黒幕が……裁判場に来る!?)

モノっちー「だから降りて来るまでの間、ボクはこのスピーカーを通してしか喋れないからネ。オマエらの話は無線イヤホンで聞くからネ」

モノっちー「只今をもってモノっちーはただの喋るヌイグルミになるからさ。そこんところ悪しからず」

鞠莉「今更、黒幕が降りて来て何になるの? 土下座でもするのかしら」

ダイヤ「このコロシアイはゲームとして成立していないと明らかになったのです……即刻中止、並びに私たちの解放を要求します」

モノっちー「いやいや……言ったでしょう?」

モノっちー「全ての謎を解き明かした上で全員が【卒業】を選ばないと、オマエらの勝ちにはならないって」

モノっちー「決着をつけるなら、ルールはきちんと守ってもらわないと」

しずく「先にルールを破ったのはあなたの方じゃないですか!」

380: 2020/05/18(月) 19:51:55 ID:jo4AQBik
モノっちー「うんうん、確かにボクはルール違反を犯したネ」

モノっちー「で?」

歩夢「『で?』って……それだけ!?」

モノっちー「まだオマエらは解いてない謎があるんだ。そして、まだ明かしていない謎もあるんだ」

モノっちー「ボクの正体は誰なのか、かつて第2多目的室で何があったのか」

モノっちー「そして……何故オマエらがコロシアイをする羽目になったのか、とかネ」

モノっちー「まだまだ議論は終わらないよ。むしろこの学級裁判は、ここからが本番なんだよ」

モノっちー「うけけ、うけけけけけ……!」

381: 2020/05/18(月) 19:53:08 ID:jo4AQBik
今回はここまで。
公式情報の少なかったChapter2時点と一部呼称に変更が掛かっていますが悪しからず。
そして、次回の更新をもって、スクスタロンパ……もとい
歩夢「君の超高校級の心は輝いてるかい?」は完結となります。
最後までお付き合い頂ければ幸いです。

384: 2020/06/10(水) 21:38:07 ID:s4cOv/2k
モノっちー「じゃあまずは、ボクがそっちに姿を現すためにも……ボクが何者なのか解き明かして貰おうか」

梨子「そ、そんなの分かるわけないじゃない!」

モノっちー「ヒントは多少なりと提示したつもりなんだけどネ」

しずく「そ、そう言われても……」

鞠莉「……」

ダイヤ「困りましたわね……黒幕が犯した罪を問うことが出来ても、その黒幕の正体が掴めないとは」

モノっちー「おやぁ? 早くもギブアップ?」

璃奈「ううん……少し、気になってることがある(・v・)」

梨子「本当!?」

歩夢(璃奈ちゃんが気にしているのって、多分あのことだろうけど)

歩夢(そこに、黒幕の手掛かりはあるのかな……?)

385: 2020/06/10(水) 21:39:23 ID:s4cOv/2k
【ノンストップ議論 開始!】
[|渡辺曜の生徒名簿>
[|2人の15期生>
[|生物室のロッカー>
[|モノっちーの証言>

鞠莉「璃奈、あなたは何が気になってるの?」

璃奈「本物の千歌さんと曜さんは、どこに行ったの(・v・)?」

ダイヤ「確かに……亡くなった2人は【本人ではなかった】でしたからね」

しずく「本当は、高海千歌さんは【高坂穂乃果】さんで……」

梨子「確か、曜ちゃんの正体は【ハナヨ】ちゃん……だったわよね?」

璃奈「【小泉花陽】さん、らしいよ(・v・)」

モノっちー「ちなみに、小泉さんの血液型は【B型】だよ」

鞠莉「だからAB型の曜と異形輸血が起きたのね」

ダイヤ「では、璃奈さんは【2人が黒幕】だと考えているのですか?」

璃奈「分からないけど……怪しいと思う(・v・)」

歩夢(本物の千歌ちゃんと曜ちゃん……彼女たちは、黒幕なのかな?)

386: 2020/06/10(水) 21:40:09 ID:s4cOv/2k
[|生物室のロッカー>→【2人が黒幕】

歩夢「それは違うよ!」

Break!

歩夢「璃奈ちゃん、私にはその2人が黒幕だとは思えないんだ」

璃奈「どうして(・v・)?」

歩夢「さっきの捜査で、改めて生物室のロッカーを調べてみたんだけど……」

歩夢「今ある手掛かりと合わせて考えると、璃奈ちゃんの推理は間違っているかも知れないんだ」

璃奈「……(・v・)?」

歩夢(……落ち着いて考えよう)

歩夢(生物室のロッカーについて、気になったこと……)

歩夢(それを踏まえれば、推理の穴が見えて来る筈……!)

387: 2020/06/10(水) 21:40:40 ID:s4cOv/2k
【ロジカルダイブ 開始!】
Q1.生物室のロッカーの数は……
a.10台
b.20台
c.30台

Q2.青いランプが点灯していないロッカーの数は……
a.9台
b.10台
c.11台

Q3.青いランプが点灯しているロッカーには……
a.死体が入っている
b.何も入っていない

Q4.ロッカーに入っている死体の数は……
a.20
b.21
c.22

388: 2020/06/10(水) 21:41:33 ID:s4cOv/2k
【c.30台→a.9台→a.死体が入っている→b.21】

歩夢「繋がったよ!」

Complete!

歩夢「気になったのは……死体の数なんだよ」

梨子「死体の数?」

歩夢「全部で30台あったロッカーのうち、9台は横のランプが点いてなかった……」

歩夢「逆に言えば、21台はランプが点いていたんだ」

鞠莉「歩夢は、それが死体の数だって言いたいのね?」

しずく「逆の可能性はないのですか?」

歩夢「それもないと思うよ。今まで死んだみんなを思い返せば……ね」

389: 2020/06/10(水) 21:42:27 ID:s4cOv/2k
歩夢「まず最初に、ルビィちゃんと善子ちゃん」

ダイヤ「……」

歩夢「次に、彼方さんとエマさん」

しずく「……っ」

歩夢「その次が、小泉花陽さん、愛ちゃん、そして果林さん」

梨子「……」

歩夢「果南さんと、せつ菜ちゃん」

鞠莉「その時点では、かすみの死体はまだ低温倉庫にあったわね」

歩夢「うん。最後に、花丸ちゃん、かすみちゃん、穂乃果ちゃん」

歩夢「死体の数は、既に12……9つには収まらないんだよ」

モノっちー「でもさあ。最後の事件の死体が生物室に収められてなければ、ちょうど9つだよネ?」

歩夢「それもないよ」

歩夢(その話を否定する手掛かりは……)

【コトダマ一覧より選択】

390: 2020/06/10(水) 21:43:16 ID:s4cOv/2k
→【モノっちーの証言】

歩夢「捜査が始まった時点で、穂乃果ちゃんたちの死体は生物室に収めた……」

歩夢「それを証言してくれたのはあなたの筈だよ、モノっちー」

モノっちー「ああ……そういえばそうだったネ」

梨子「確かに……12人の死体がロッカーに入っていたのは分かったけど」

梨子「残りの9人は一体誰の……?」

鞠莉「それが、第2多目的室の血痕ね。穂乃果の友人が亡くなったっていう……」

歩夢「……うん。新たに見つかった生徒名簿には、私たちの記憶にない、私たちと同じ14期生から16期生までの名前があったんだ」

歩夢「東條希さん、絢瀬絵里さん、矢澤にこさん、園田海未さん、南ことりさん」

歩夢「星空凛さん、曜ちゃんの正体だった小泉花陽さん、西木野真姫さん……全部で8人」

391: 2020/06/10(水) 21:44:01 ID:s4cOv/2k
ダイヤ「小泉さんは、曜さんとして亡くなったということですから……それを除いて7人ですか」

歩夢「そこに、行方の分からない本物の千歌ちゃんと曜ちゃんを足すと……」

璃奈「ちょうど9人になる……けど、それって(>_<。)」

鞠莉「本物の千歌も曜も、既に死んでいる……そうじゃないと、死体の数が合わないってわけね」

歩夢「……うん。だから、千歌ちゃんと曜ちゃんが黒幕だとは考えにくいんだ」

鞠莉「ヒントは多少なりと提示した……であれば、ノーヒントで知らない人の死体が収められている筈がないもの」

モノっちー「まったくもう、そういうのをメタ読みっていうんだよ?」

歩夢「そして、今の話を踏まえると……少なくとも黒幕は、虹ヶ咲学園14期生から16期生の生徒ではないってことが──」

392: 2020/06/10(水) 21:44:44 ID:s4cOv/2k
モノっちー「見事に不正解! ばーか、引っ掛け問題に引っ掛かりやがった」

歩夢「ふ、不正解……!?」

しずく「じゃあ、本物の千歌さんと曜さんは死んでないってことですか?」

モノっちー「いいや? アイツらは確実に死んだよ」

梨子「じゃあ、その2人だけ生物室には……」

モノっちー「いやいや。生物室に収めてあるよ」

歩夢「今ここに居る私たちと生物室の死体を合わせると27人、私たち14から16期生の合計も27人……」

歩夢「黒幕が14から16期生の中に居るなら、数が合わないよ!?」

ダイヤ「黒幕は今、モノっちーを動かす部屋からこの裁判場へと向かっている……そう言ったのはあなたじゃありませんか」

モノっちー「うけけ……大事な前提を見落としてるよ、オマエら」

393: 2020/06/10(水) 21:45:16 ID:s4cOv/2k
歩夢「大事な前提、って……」

バツン!

歩夢「っ!?」

璃奈「急に、明かりが……(?□!)」

梨子「て、停電!?」

モノっちー「一応ヒントはあげたつもりだったけど……仕方ないか」

歩夢「……!」

歩夢(悪寒……何か物凄く、嫌な予感)

ガコン

歩夢(今のは、エレベーターが止まる音……)

???「こんな発想、普通は辿り着けないもんね」

歩夢「ッ────!?」

394: 2020/06/10(水) 21:46:17 ID:s4cOv/2k
歩夢(……裁判場に、再び明かりが点く)

璃奈「……(?□!)」

ダイヤ「……まさか」

梨子「嘘……」

鞠莉「そういう、ことね……」

しずく「いや、どういうことなんですか!?」

歩夢「なん、で……」

???「ふぅ……ようやくみんなの前に来れたね」

歩夢(そこに立っていたのは……)

395: 2020/06/10(水) 21:47:06 ID:s4cOv/2k
歩夢?「私は上原歩夢……このコロシアイを仕組んだ、黒幕だよ」

歩夢(黒幕として、私たちの前に姿を現した少女は)

歩夢「わた、し……?」

歩夢(顔に傷があることと、赤い目をしていること)

歩夢(それ以外は……紛れもなく、私と瓜二つの姿をしていた)

396: 2020/06/10(水) 21:47:46 ID:s4cOv/2k
歩夢?「どうして、って顔が揃ってるね」

梨子「当たり前よ! どうして歩夢ちゃんが2人居るの!?」

歩夢?「あ、その前に……歩夢ちゃん、あなたと見分けが付かないと大変だろうから」

アユム「こうしてあげる。これなら間違えることもないよね?」

しずく「な、何の話ですか……?」

アユム「気にしなくていいよ、こっちの話だから」

鞠莉「15期生である歩夢と同じ格好をした黒幕。確かに、死体の数をオーバーさせずに成立するけど……」

璃奈「でも……顔も声も、そっくり(?□!)」

アユム「ちなみに、この格好は璃奈ちゃんみたいに変装とかは一切使ってないし……」

アユム「上原歩夢という人物は一人っ子……双子なんて居ないことは、歩夢ちゃん自身がよく分かってるよね?」

アユム「これが何を意味しているかは、何人か心当たりがある筈だよ?」 

歩夢「……」

【閃きアナグラム 開始!】

げ く ろ に ー ん ん ん (ダミー無)

397: 2020/06/10(水) 21:48:51 ID:s4cOv/2k
→【くろーんにんげん(クローン人間)】

歩夢「もしかして……クローン技術?」

璃奈「クローン(?□!)!?」

アユム「そうだよ。虹ヶ咲学園は超高校級の才能を研究する一環として“才能をどうやって継承していくか”を課題にしていたんだ」

鞠莉「希望継承計画のことね」

アユム「うん。どうやったら、素晴らしい才能を後世に残していけるかの研究……」

アユム「その過程で、クローン技術の研究も行われていたんだ」

梨子「でも……西木野真姫って人の手帳によると、その計画って実行には移されなかったんじゃなかった?」

歩夢「彼女の抗議もあって、プロジェクトは凍結した筈だけど……」

アユム「計画が頓挫したからって、そう簡単に凄い技術が処分されるわけじゃないよ」

アユム「クローン以外にも、このコロシアイゲームに応用された技術はあるんだからさ」

歩夢(クローン以外に、コロシアイに応用された技術って……)

【コトダマ一覧より選択】

398: 2020/06/10(水) 21:49:30 ID:s4cOv/2k
→【記憶喪失について】

歩夢「それって、私たちの記憶が奪われていること……だよね」

アユム「正解だよ。流石私、そのくらいはすぐに分かってくれるね」

アユム「ちなみに、察しの良い人は気付いてるかも知れないけど……」

アユム「花陽ちゃんと穂乃果ちゃんに、曜ちゃん千歌ちゃんの記憶を植え付けたのも、この技術を使ったんだよ」

璃奈「コピー&ペーストした、みたいな要領で言わないで(`∧´)」

しずく「そうです! 記憶はデータなんかじゃありません!」

アユム「データだよ。というよりも……データ化するだけの技術を、虹ヶ咲は持っていた」

アユム「虹ヶ咲で過ごした期間の記憶だけを丸ごと抜き取れたのも、その技術のお陰だよ」

399: 2020/06/10(水) 21:50:32 ID:s4cOv/2k
ダイヤ「では……あなたは、何なのです?」

アユム「ん?」

ダイヤ「曜さんと千歌さんについては、説明がつきました。ですが、あなたが何者なのかの説明が済んでいません」

ダイヤ「あなたの身体は歩夢を模したクローンのようですが……そこに、誰の記憶を植え付けたのです?」

梨子「そうよ! 歩夢ちゃんはこんな残酷なことをさせる人じゃないわ!」

アユム「じゃあ、頑張って考えてみてよ」

梨子「えっ?」

アユム「私が何者なのか。その手掛かりは、既に出しているんだからさ」

アユム「ここは学級裁判……しっかり考えてね」

歩夢「……」

歩夢(何だろう、この嫌な感じは。私にそっくりな人が、悪意むき出しで喋っているから?)

歩夢(それとも……このコロシアイには、まだ何か“とんでもない秘密”があるの──?)

400: 2020/06/10(水) 21:51:20 ID:s4cOv/2k
【ノンストップ議論 開始!】
[|希望継承計画>
[|記憶喪失について>
[|本当の希望隔離計画>
[|しずくの違和感>

アユム「問題です。私は誰でしょうか?」

梨子「誰って言われても……【歩夢ちゃんにそっくりな人】としか言えないわよ」

鞠莉「外見の話じゃなくて、中身を答えさせたいんでしょうけど……」

アユム「一旦この姿のことは置いといて欲しいな。それについては後で説明するからさ」

ダイヤ「ですが……そうなると、今度こそ《手掛かりは残ってない》のでは?」

アユム「ちゃんとあるよ。ヒントは……みんながさっきまで解き明かそうと息巻いてたこと、かな」

しずく「それって、彼方さんの事件のことでしょうか?」

璃奈「でも、あの事件については【全て解かれた】んじゃ……(・v・)」

アユム「……♪」

歩夢(黒幕の正体……一体彼女は、何者なの?)

401: 2020/06/10(水) 21:52:01 ID:s4cOv/2k
[|しずくの違和感>→【全て解かれた】

歩夢「そうじゃないのかも……!」

Break!

歩夢「1つだけ……解かれてない可能性が残ってる……」

璃奈「えっ(・v・)?」

歩夢「しずくちゃん、言ってたよね。自分の部屋から“何か”がなくなったかも知れないって」

しずく「え、ええ。確かにそうですけど……あれはやっぱり──」

鞠莉「それが気のせいじゃなかったのかも知れないわ」

しずく「どういう、ことですか……?」

鞠莉「あの事件で、渦中に居た人……誰だったかしら」

402: 2020/06/10(水) 21:52:48 ID:s4cOv/2k
梨子「えっと……まずは、彼方さんとエマさんでしょ?」

璃奈「停電を起こしたかすみちゃんと、停電の時彼方さんの近くに居た果南さん……(・v・)」

ダイヤ「しずくさんも、そうでしたわね。通り魔というキーワードの中で、その話は上がっています」

しずく「……」

鞠莉「あの事件、ずっと引っ掛かってることがあったのよ。彼方の死体を移動させたのはかすみだったとして……」

鞠莉「どうして“通り魔の事件ファイルが現場に残されていた”のか」

ダイヤ「それのどこが不自然なのですか?」

梨子「そのファイルも、かすみちゃんが置いたものじゃないの? わざわざ通り魔の仕業に偽装したくらいなんだし」

歩夢「いや……かすみちゃんには、そのファイルは置けなかった筈なんだ」

歩夢(何故なら……)

【ファイルは鞠莉が持っていたから】
【ファイルは存在しなかったから】
【ファイルはしずくが持っていたから】

正しい選択肢を選べ!

403: 2020/06/10(水) 21:54:11 ID:s4cOv/2k
→【ファイルはしずくが持っていたから】

歩夢「事件があった日、私と鞠莉さん、エマさん、果林さん、花丸ちゃんの5人で図書室に集まっていたんだけど……」

鞠莉「ちなみに、PCの中身についての話をしていたのよね。あの時は全然解析が進んでなかったけど」


果林『流石、超高校級の令嬢は言うことがちが──』

ガラッ

しずく『あっ……』

歩夢『しずくちゃん?』

歩夢(不意に開かれた、図書室の扉)

歩夢(そこに現れたしずくちゃんは、何かのファイルを持っていた)

しずく『あ、えっと……』

しずく『し、失礼しました!』ダッ

エマ『待って、しずくちゃん!』ダッ

404: 2020/06/10(水) 21:54:47 ID:s4cOv/2k
歩夢「あの時しずくちゃんが持っていたのって、通り魔の事件ファイルだよね?」

しずく「あっ……!」

鞠莉「しかも、私たちが部屋に戻る時にはそんなもの見かけなかった……つまり、しずくが落としたわけでもない」

しずく「た、確かにそうです! あの時は部屋に持ち帰って来たのに……!」

鞠莉「しかも、あまりいい思いのしない代物。自分から触れようとはしないから、なくなったことに気付きにくい」

梨子「じゃあ、なくなったのは事件ファイルで……あれ? それでどうなるの?」

歩夢「多分、そのファイルを持ち出したのは黒幕……モノっちーを使ったんだろうね」

アユム「ぴんぽーん♪」

歩夢「……」

歩夢「だとしたら、あなたは──」

405: 2020/06/10(水) 21:55:52 ID:s4cOv/2k
歩夢(そうだ。事件ファイルには、こんなことが書かれていた筈だ)


『被害者はいずれも、2種類以上の外傷を受けている』

『撲〇されてから首を絞められたり、絞〇されてからナイフを刺されたり、ロープを巻かれてから池に沈められたり』

『共通しているのは、どの事件にもロープによる絞〇が出てくること。そして、現場には『タカマガハラ』と何かしらの方法で文字が残されていること』

『それによって、その通り魔が『タカマガハラ』という名前で呼ばれていること……』


歩夢(そして、あの時の裁判で果南さんが可能性を出していたみたいに……)

歩夢(現場に置かれたファイルこそが、残された文字の代わりなのだとしたら……!)


【黒幕の正体は?】

406: 2020/06/10(水) 21:56:40 ID:s4cOv/2k
→【タカマガハラ】

歩夢「〇人鬼、タカマガハラ……それが、あなたの正体なんだね」

アユム「うん。超高校級の〇人鬼、とでも呼んでよ」

407: 2020/06/10(水) 21:57:35 ID:s4cOv/2k
歩夢「……」

しずく「では、あなたが……」

アユム「そうだよ。しずくちゃんに重症を負わせたのも、穂乃果ちゃんの友達に〇し合いをさせたのも」

アユム「彼方さんに火傷を負わせたのも妹の遥ちゃんを襲ったのもこのコロシアイを始めたのも……」

アユム「ぜーんぶ、私がやったんだ」

鞠莉「なるほど? 園田海未たちも、コロシアイを強要されたのね」

アユム「コロシアイじゃなくて〇し合い。あの部屋で動機と武器を与えて、〇し合わせたんだ」

アユム「穂乃果ちゃんと花陽ちゃんは、その生き残りなんだよ」

408: 2020/06/10(水) 21:58:24 ID:s4cOv/2k
アユム「けど、元々やりすぎちゃってたみたいで……千歌ちゃんと曜ちゃんが嗅ぎつけちゃったんだよね」

アユム「だから〇した。ついでに……面白そうだったから、2人の記憶を穂乃果ちゃんたちに移し替えたんだ」

アユム「ほら、千歌ちゃんと穂乃果ちゃんって髪の色がそっくりだし、曜ちゃんと花陽ちゃんは何となく顔つきが似てるからね」

アユム「でも……穂乃果ちゃんの幸運は危険だったから、封じておかないといけなかったし」

アユム「まさか、花陽ちゃんはその事が原因で死ぬとは思わなかったけどね」

アユム「花陽ちゃんはあまり運動が得意じゃないけど、曜ちゃんは運動……特に泳ぐことが好きだからさ」

アユム「記憶と身体のズレ……それが、彼女の死んだ本当の理由だよ」

アユム「ちなみに、私はポリシーとして死体には必ず首絞めの跡をつけるんだけど、オシオキの首輪は──」

梨子「もうやめて! 気分が悪くなってくるわ!」

璃奈「……は、吐きそう(>_<。)」

409: 2020/06/10(水) 21:59:49 ID:s4cOv/2k
アユム「えぇー……まだ話はいっぱいあるんだけどなあ」

鞠莉「それ以上、歩夢の姿でゴアな話はやめてもらえるかしら」

歩夢「……」

アユム「でも……この話って、実は関係してるんだ。私がコロシアイを始めた理由とね」

鞠莉「……は?」

アユム「さっきも言ったけど……やりすぎたせいで、気付かれた」

アユム「この言葉に、ピンと来る人が居る筈だよ」

歩夢(……彼女が言いたいことは、何となく分かる)

歩夢(それってつまり──)

【コトダマ一覧より選択】

410: 2020/06/10(水) 22:01:25 ID:s4cOv/2k
→【本当の希望隔離計画】

歩夢「本当の……希望隔離計画、だよね」


『彼女がクロである証拠を掴んだ』
『捕まえるのは簡単。でも事は穏便に済ませたい』
『希望継承計画の技術を使うしかない』
『希望を絶望から隔離するのが、最善手の筈』


歩夢「PCの中に入ってたメモ……多分、記憶を失う前の鞠莉さんが残したもの」

鞠莉「……」

アユム「うん。私が世間を騒がせている〇人鬼だって気付いたから、みんな私をどうにかしようとした」

アユム「だから、どうにかなる前に手を打ったんだよ」

アユム「じゃあ手掛かりは揃ったことだし、答えてもらおうかな」

アユム「どうして私がこの姿なのか……ね」

歩夢「……」

【閃きアナグラム 開始!】
く ん じ う ゅ じ に か  (ダミー無)

411: 2020/06/10(水) 22:02:07 ID:s4cOv/2k
→【にじゅうじんかく(二重人格)】

歩夢「もしかして…………」

アユム「ほら、答えてよ。歩夢ちゃん」

歩夢「……」

歩夢(言葉が、出てこない。答えは明白なのに、喉元で掛かったストップが外れない)

歩夢(それを答えるということは、認めてしまうということなのだ)

歩夢(上原歩夢という人間が……)

アユム「まあ、答えなくても私が勝手に答えるんだけどね」

アユム「歩夢ちゃん。私とあなたは、もともと一心同体……いや、二心同体だったんだ」

アユム「有り体に言うなら……二重人格だね」

412: 2020/06/10(水) 22:03:38 ID:s4cOv/2k
ダイヤ「に、二重人格……!?」

アユム「上原歩夢という肉体に宿っていたのは、超高校級の歌姫としての人格だけじゃなかったんだ」

アユム「〇人鬼としての、私という人格も存在していたんだよ」

歩夢(明かされてしまった。黒幕の狙いは、これだったんだ)

歩夢(パンドラボックスの中の絶望は──解き放たれてしまったんだ)

歩夢「じゃ、じゃあ……希望隔離計画の目的って……」

アユム「〇人鬼の人格……私を引き剥がして、空っぽのクローンに移し替える」

アユム「後は何らかの形で処分して、歩夢ちゃんは晴れて真っ白な聖人になりました、ってところかな」

アユム「つまり……歩夢ちゃん、あなたを助ける計画だったんだよ」

歩夢「……」

413: 2020/06/10(水) 22:04:47 ID:s4cOv/2k
アユム「酷い話だよ。私は裏の人格だったけど、生まれちゃった以上は“そういうもの”として生きていくしかなかったのに」

アユム「ちょっと私が〇人衝動を抑えられないシリアルキラーだったってだけで、寄ってたかって私を消そうとする」

アユム「私には、それが許せなかったんだ」

璃奈「だから……コロシアイを起こしたっていうの(>_<。)?」

アユム「〇される前に〇す、私はそういう人なんだよ」

アユム「でも、私を恨まないでね? 元はと言えば、私を生んだ歩夢ちゃ──」

梨子「そうじゃないでしょ!?」

アユム「……?」

梨子「いくら歩夢ちゃんから生まれた存在だからって、あなたの行動が正当化されるわけじゃないわ」

しずく「そ、そうですよ! 歩夢さんに責任を押し付けるつもりですか!」

ダイヤ「言葉巧みに歩夢さんを絶望させる魂胆なのでしょうが……そうはいきませんわ」

璃奈「とっても悪質(`∧´)」

歩夢「みんな……」

414: 2020/06/10(水) 22:06:04 ID:s4cOv/2k
アユム「……あーあ。寒いなあ」

アユム「みんなが私を理解出来ないように、私もみんなを理解出来ない」

アユム「寒いよ、心が」

歩夢「あなたなんかに……言われたくない」

アユム「……ふふっ」

歩夢「な、何……?」

アユム「ところで──鞠莉さん。あなた、今のくだらないお友達ごっこに参加してなかったけど」

鞠莉「……っ」

アユム「気付いたんじゃない? 私が仕組んだ、最後の罠に……ね」

しずく「最後の、罠……?」

415: 2020/06/10(水) 22:06:49 ID:s4cOv/2k
歩夢「そ、そうなんですか、鞠莉さん?」

鞠莉「……」

鞠莉「……ごめんなさい、歩夢。私の口からは、とても言えない」

鞠莉「こんな、こんなこと……っ!」

歩夢(鞠莉さんの顔が、青ざめている。こんなことは今まで……前回の事件ですら、なかった)

歩夢(鞠莉さんは一体、何に気付いてしまったというの?)

歩夢(パンドラの箱の底に、一体何が──)

アユム「うーん……鞠莉さんは話してくれないし、他のみんなは気付いてないようだし」

アユム「出血大サービスで教えてあげるよ」

416: 2020/06/10(水) 22:07:34 ID:s4cOv/2k

アユム「ね。“クローンの”上原歩夢ちゃん」

歩夢「……」

歩夢「…………」

歩夢「…………え?」

417: 2020/06/10(水) 22:09:07 ID:s4cOv/2k
アユム「理解が追い付かない? だったら、追い付くまで言ってあげるよ」

アユム「偽物の上原歩夢ちゃん」

歩夢「ちょ、ちょっと待ってよ! どういうこと!?」

しずく「おかしいですよ! 歩夢さんはクローンなんかじゃありません!」

ダイヤ「あなたの方がクローンではないのですか!?」

アユム「ところで……これは『タカマガハラ事件ファイル』の中に入れておいた、週刊誌の記事なんだけどさ」


『一連の犯行は、いずれも平日夜、または休日に行われている』

『平日昼間には決して事件が起きないことから、犯人は学生なのでは? との推測がなされている』

『タカマガハラに刃物で襲われた人物曰く、抵抗した際相手の顔に大きな傷を負わせたという』

『暗がりでよく分からなかったが、タカマガハラの目は真っ赤に染まっていた』

418: 2020/06/10(水) 22:09:54 ID:s4cOv/2k
歩夢「……っ!?」

璃奈「顔に、傷……(?□!)」

アユム「この傷だよ」

梨子「赤い目……」

アユム「この目のことだよ」

アユム「知っての通り、通り魔〇人は、全部“上原歩夢の身体”で行われたこと」

アユム「希望隔離計画が実施されようとしたのは、通り魔〇人がみんなに気付かれてから」

アユム「流石に、言いたいことは分かるよね」

歩夢「……」

歩夢「じゃあ……私、は……」

【偽物】
【偽物】
【偽物】

正しい選択肢を選べ!

419: 2020/06/10(水) 22:10:50 ID:s4cOv/2k
→【偽物】

歩夢「いやああああああああああぁぁぁぁぁっっっ!?」

梨子「歩夢ちゃん!?」

歩夢「ち、違う……私は、本物の……超高校級の、う、ううう歌姫の、上は──」

アユム「偽物だよ。クローンの身体に、人格を移されただけのね」

アユム「歌姫の才能って、身につけた歌唱法もあるけれど、かなりの部分を喉……身体的な面に依存しているんだ」

アユム「上原歩夢が《超高校級の歌姫》であるための超高校級の喉は、私が持ってるんだよ」

ダイヤ「まさか……歩夢さんの才能が分からなかったのも……!」

アユム「あ、気付いてくれた? 実はそうなんだよ」

アユム「歌姫の才能を覚えたままだと、いつか違和感に気付いてしまうかも知れない」

アユム「このお楽しみは、最後まで取っておきたかったんだ」

アユム「そこに居る上原歩夢はただのクローンだって突き付けてあげるのを、ずーーーーっと待っていたんだよ!」

420: 2020/06/10(水) 22:11:24 ID:s4cOv/2k
歩夢「……」

アユム「ねえ。改めてこの裁判のルールを確認しようか」

アユム「最初に言ったよね。真実を知った上で【卒業】か【留年】かを選んでもらうって」

アユム「みんなは真実を全て知ったから【卒業】か【留年】を選ぶことが出来る」

アユム「みんなが【卒業】を選べば、みんなの勝ち。1人でも【留年】を選べば、私の勝ち」

アユム「敗者に待っているのは、オシオキ……これが、ルールだったね」

アユム「ここに、少しだけルールを追加します」

アユム「みんなが敗者になっても、この学園からは出してあげる」

アユム「“【留年】を選んだ人以外は”ね」

鞠莉「……まさか!?」

アユム「普通は、ここまで来て【留年】を選ぶ人は居ない……確かにそうだよね」

アユム「でも、そこで絶望している人はどうかな?」

歩夢「……」

421: 2020/06/10(水) 22:11:57 ID:s4cOv/2k
アユム「つまり、この投票は言い換えれば……」

アユム「“2人の上原歩夢、どちらがオシオキされるに相応しいか”」

アユム「それを決めるためのものだよ」

422: 2020/06/10(水) 22:12:41 ID:s4cOv/2k
しずく「あ、歩夢……さん?」

歩夢「……」

璃奈「【留年】なんて、しないよね……(>_<。)?」

歩夢「……」

アユム「ふふっ……絶望してる。可愛いね」

鞠莉「私たちの命まで懸かっていれば【卒業】を選ぶ可能性がある」

鞠莉「でも、今の追加ルールなら……確実に歩夢“だけ”を〇せる」

鞠莉「あなたの狙いは最初から、歩夢を絶望させることだったのね……!」

アユム「そんなの、今更じゃない?」

歩夢「……」

423: 2020/06/10(水) 22:13:53 ID:s4cOv/2k
【繝弱Φ繧ケ繝医ャ繝苓ュー隲悶??髢句ァ】
[|蜈ィ莨醍ャヲ>
[|蜈ィ莨醍ャヲ>
[|蜈ィ莨醍ャヲ>

鞠莉「歩夢! しっかりしなさい!」

アユム「無駄だよ、無駄」

ダイヤ「歩夢さん、彼女の話に耳を傾けてはいけません!」

アユム「そんな話はもう遅いよ」

しずく「でも歩夢さんを死なせるわけには……」

アユム「そうすると、超高校級の歌姫の身体はなくなっちゃうけどね」

梨子「歌なんて、ここを出てから幾らでも練習すればいいわ!」

アユム「前科持ちなのに?」

璃奈「あなたが勝手に〇したんでしょ(`∧´)」

アユム「歩夢ちゃんは、そうは思ってないみたいだけどね」

アユム「ねえ、歩夢ちゃん。あなたは《希望》と《絶望》……どっちを選ぶの?」

424: 2020/06/10(水) 22:14:42 ID:s4cOv/2k
歩夢(……)

歩夢(みんなの声が、遠くに感じる)

歩夢(……こうなったのは、私のせいなんだ)

歩夢(私があんな人格を生まなければ、こんなことにはならなかったんだ)

歩夢(みんなが死ぬことはなかったんだ)

歩夢(みんながコロシアイをする必要はなかったんだ)

歩夢(私が《超高校級》を失うこともなかったんだ)

歩夢(全部……私のせいで……)

歩夢(私には……こんなの、耐えられない)

歩夢(それでも、みんなには罪を償いたい)

歩夢(私がどっちに投票しても、どのみちみんなは助かるんだ)

歩夢(だったら、私は……)

425: 2020/06/10(水) 22:17:38 ID:s4cOv/2k
歩夢(心が沈んでいく。視界が暗くなっていく)

歩夢(このままじっとしていれば、意識も失いそうだ)

歩夢(私の中を満たしていくのは『絶望』の2文字……)

歩夢「……」

鞠莉「目を覚まして、歩夢!」

歩夢「……」

アユム「いくら叫んでも無駄だってば。彼女はもう、絶望に落ちちゃったんだからさ」

アユム「というわけで……いい加減、投票に移るよ。あんまり待ってられないし」

鞠莉「まだよ……まだ、終わらせないわ」

アユム「えっ?」

426: 2020/06/10(水) 22:18:57 ID:s4cOv/2k
鞠莉「私たちに最後のチャンスを頂戴。これで駄目だったら、今度こそ私たちの敗北でいいわ」

アユム「何をしても変わらないと思うけど……いいよ。悪あがきくらいはさせてあげる」

ダイヤ「ですが……一体何をするつもりで?」

鞠莉「ここは学級裁判。議論が……言葉が力を持つ場所」

鞠莉「だから、説得するのよ。歩夢を」

ダイヤ「そういうことでしたら」

璃奈「……やってみる(・v・)!」

しずく「そうですね。最後は勝って、大団円で終わりたいですから」

梨子「これが最後の議論、ってことね……!」

鞠莉「歩夢が絶望してるのなら……それを壊すだけの、ありったけの希望を撃ち込んであげるわ!」

歩夢「……」

アユム「……やれるものなら、やってみなよ」

427: 2020/06/10(水) 22:19:48 ID:s4cOv/2k
【最終議論 開始!】
[|璃奈の希望>
[|しずくの希望>
[|ダイヤの希望>
[|梨子の希望>
[|鞠莉の希望>

アユム「何もかも無駄なんだよ」

歩夢「【私が死ねば全て解決する……】」

アユム「彼女は絶望しきっているんだ」

歩夢「【私がどうなっても、みんなは帰れるんだよね……】」

アユム「私は彼女から生まれたんだよ。そのくらいは分かるんだ」

歩夢「【私が居たせいで、みんな酷い目に……】」

アユム「どっちみち、みんなは無事で帰れるんだからさ。諦めてもいいんだよ?」

歩夢「【生きていても、私には希望なんてない……】」

アユム「偽物なんかを守って、何になるの?」

歩夢「【私にはもう、何も出来ないよ……】」

アユム「この絶望は、絶対にひっくり返らない……!」

428: 2020/06/10(水) 22:20:57 ID:s4cOv/2k
[|璃奈の希望>→【私が死ねば全て解決する……】

璃奈「希望を捨てないで(>_<。)!」

Break!

璃奈「私は、愛さんの言葉で助けられた(・v・)」

璃奈「でも……歩夢さんが謎を解いてくれなければ、その言葉を目にすることもなかった(・v・)」

璃奈「私は強くない。まだまだ感情を顔に出すのは難しいし、人前は苦手(>_<。)」

璃奈「でも、どんなに辛いことがあっても、友達と一緒なら大丈夫(>v<)」

璃奈「歩夢さんは、大切な友達だから。私だけじゃない、みんなも居る(>v<)」

璃奈「私は、友達に生きていて欲しい。これ以上、誰かを失いたくない(>_<。)」

璃奈「だから……だから(>_<。)」

璃奈「この想い、届いて(>_<。)!」


天王寺璃奈 投票:【卒業】

429: 2020/06/10(水) 22:21:33 ID:s4cOv/2k
[|しずくの希望>→【私がどうなっても、みんなは帰れるんだよね……】

しずく「希望を失わないでください!」

Break!

しずく「成し遂げんとした志を、ただ一回の敗北によって捨ててはいけない」

しずく「私が尊敬する、シェイクスピアの言葉です」

しずく「私も大怪我で、既に普通の演劇は出来ない身体になってしまいました」

しずく「それでも、オペラ歌劇という形で演劇にしがみついていきます」

しずく「今の自分がクローンかどうかなんて関係ありません」

しずく「心が本物であれば、結果は後からついて来ます」

しずく「転んでも迷っても、その先には必ず答えが待っているんです」

しずく「だから歩夢さん……どうか、乗り越えることを諦めないでください!」


桜坂しずく 投票:【卒業】

430: 2020/06/10(水) 22:22:14 ID:s4cOv/2k
[|ダイヤの希望>→【私が居たせいで、みんな酷い目に……】

ダイヤ「どうか希望を……!」

Break!

ダイヤ「タカマガハラが歩夢さんから生まれた存在、それは事実なのでしょう」

ダイヤ「ですが、それが何だというのですか?」

ダイヤ「私が知る上原歩夢という人間は、あのような狂った〇人鬼ではありません」

ダイヤ「ルビィが亡くなり、真っ白な雪原に取り残されたような気分になっていた私を救ってくれた人」

ダイヤ「ルビィ死の真相を解き明かし、僅かでもサファイアと姉妹の時間を作ってくれた人……それがあなたです」

ダイヤ「死んで罪を償うなどといった行為、生徒会長として認めるわけに行きません」

ダイヤ「せつ菜さんや穂乃果さん……亡くなった皆さんも、それを良しとはしないでしょう」

ダイヤ「それでもあなたが、言葉ひとつで絶望しているというのなら……」

ダイヤ「私が……いえ。私たちが、あなたの希望になってあげます!」


黒澤ダイヤ 投票:【卒業】

431: 2020/06/10(水) 22:23:05 ID:s4cOv/2k
[|梨子の希望>→【生きていても、私には希望なんてない……】

梨子「希望を失わないで!」

Break!

梨子「才能って……怖いよね。ある意味では、それに縛られることもあるから」

梨子「確かに、その身体じゃないと上手くいかないこともあるかも知れない」

梨子「でも、クローンと言っても超高校級のクローンなのよ?」

梨子「本物と遜色なかったとしても、何もおかしくはないでしょう?」

梨子「しかも、クローン技術には他の超高校級の才能が使われているそうじゃない」

梨子「だから……信じてあげよう、超高校級を。みんなのことを」

梨子「今は弱くても、信じれば強くなれるから」

梨子「歩夢ちゃんも恐れずに……ほら!」


桜内梨子 投票:【卒業】

432: 2020/06/10(水) 22:23:39 ID:s4cOv/2k
[|鞠莉の希望>→【私にはもう、何も出来ないよ……】

鞠莉「希望を捨てちゃダメよ!」

Break!

鞠莉「歩夢。ここに居る人たちは、みんなあなたに救われているの」

鞠莉「私だって、一度は自爆するつもりだったのを止めてもらってた」

鞠莉「真実に向き合ってくれたから、希望への道筋が明らかになった」

鞠莉「あなたは誰かを希望に出来る。だったら今度は、私たちがあなたを希望にしてみせる」

鞠莉「持てる全てを懸けて、絶望から救ってあげる」

鞠莉「だからもう一度、夢を見ましょう?」

鞠莉「まぶしい光のような……希望に満ちた夢を、ね」

鞠莉「さあ、歩夢──!」


小原鞠莉 投票:【卒業】

433: 2020/06/10(水) 22:24:27 ID:s4cOv/2k
歩夢「……」

アユム「寒い説得は、もう終わり?」

鞠莉「……」

アユム「じゃあ、これが本当に最後だよ」

アユム「みんなの希望が絶望を打ち砕くっていうなら……」

アユム「私はその希望を、叩き潰してあげる」

アユム「みーんなまとめて、絶望を刻んであげるよ」

アユム「“敗北”っていう、一生消えない絶望をね!」

歩夢「……」

434: 2020/06/10(水) 22:26:10 ID:s4cOv/2k
【理論武装 開始!】

アユム「そこに希望なんてない」

アユム「希望なんて、あなたには無意味」

アユム「希望を信じても、待っているのは絶望ばっかり」

アユム「私が死ねば、あなたの希望はなくなるんだよ?」

アユム「残るのは絶望だけ」

アユム「あなたにそんな選択肢は選べない」

アユム「あなたは希望に苦しめられるんだ」

アユム「諦めて絶望に堕ちてしまえばいいんだよ」

アユム「……あれ?」

アユム「どうして抵抗するの? 何も出来やしないのに」


アユム「【出来っこない……偽物のあなたには、何も出来っこない……!】」

      △:は
□:よッ!       ○:違う
      ×:それ

435: 2020/06/10(水) 22:26:47 ID:s4cOv/2k

→×△〇□

歩夢「それは違うよッ!」

Break!!!

436: 2020/06/10(水) 22:27:42 ID:s4cOv/2k
歩夢「きっと……苦難はいっぱいあるだろうね」

歩夢「才能もないし、犯してない罪に苦しめられるんだろうね」

歩夢「でも……決めたよ。私は逃げない」

歩夢「例え私の身体が偽物だとしても、この心は本物なんだ」

歩夢「私は、コツコツ真面目にやっていくのが取り柄の、ちょっと歌うことが好きな人だった」

歩夢「だったら……一歩ずつ、歩いて行く。夢に立ち向かっていく」

歩夢「それに、私は1人じゃない。みんなが支えてくれるなら、私は何度だって立ち上がる」

歩夢「私は……みんなの希望として、生きていくよ!」

アユム「なっ……!?」

437: 2020/06/10(水) 22:28:15 ID:s4cOv/2k
しずく「歩夢さん……!」

璃奈「よかった……(>v<)」

ダイヤ「説得に応じてくれて、感謝しますわ」

歩夢「みんな、ごめん。心配かけちゃったね」

梨子「一時はどうなることかと思ったわ……」

鞠莉「あら。説得が通じないなんてことはハナから考えてなかったけど?」

歩夢「あ、あはは……」

歩夢(そうだ。私には、大切な仲間がいる)

歩夢(みんなのお陰で、私は生きている)

歩夢(絶望に立ち向かう選択肢を、選べるんだ)


上原歩夢 投票:【卒業】

438: 2020/06/10(水) 22:28:51 ID:s4cOv/2k
アユム「う、嘘……」

鞠莉「どうやらアテが外れたようね、タカマガハラ」

しずく「そうです! これで全員【卒業】を選びました!」

璃奈「私たちの、勝ち(・v・)」

梨子「正真正銘……これで、コロシアイは終わったのね」

ダイヤ「ええ。黒幕の敗北をもって……」

アユム「……」

アユム「あーあ……負けちゃった」


    学 級 裁 判  
      閉  廷

439: 2020/06/10(水) 22:29:27 ID:s4cOv/2k
アユム「まさか、本当に説得に応じるなんてね……」

アユム「でも本当に良かったの? あなたはただの一般人……それも前科者になるんだよ?」

歩夢「……正直、今でも怖いよ。でも、みんなが居るから」

アユム「友情、か……。そんなものに私は負けちゃったんだ」

しずく「ところで……歩夢さんの身体を返してもらうわけにはいかないんでしょうか?」

アユム「それはお断りするよ。私の存在を消そうとしたみんなへの、せめてもの仕返しだからね」

歩夢「……」

アユム「じゃあこれは、そんな無鉄砲な人たちに送る最後のプレゼントだよ」

歩夢(そう言って……彼女は、私に向かって何かを放り投げた)

440: 2020/06/10(水) 22:30:11 ID:s4cOv/2k
歩夢「これって……スイッチ?」

アユム「図書室の本棚を調べてみて。みんなをここに運び込んだ潜水艦の格納庫に繋がってるから」

鞠莉「……本当に潜水艦で運び込まれたのね、私たち」

アユム「さて。敗者は大人しく去るとするよ」

アユム「これ以上、みんなのお友達ごっこに付き合うつもりもないし……」

アユム「この身体ごと、死んであげる。止めても無駄だからね」

アユム「それじゃあ、張り切って参りましょう」

アユム「最後のオシオキターーーーイム!」

441: 2020/06/10(水) 22:31:21 ID:s4cOv/2k

     CONGRATULATION!
タカマガハラさんのはいぼくがけっていしました。
      おしおきをかいしします。

442: 2020/06/10(水) 22:32:05 ID:s4cOv/2k
敗北を喫した黒幕は、自らの足でどこかの空間へと歩いて来ました。

彼女の目の前にあるのは、階段。

その上に用意されたステージにあるのは……ギロチンのようです。


         〈死刑〉
《超高校級の〇人鬼 タカマガハラ処刑執行》

443: 2020/06/10(水) 22:32:49 ID:s4cOv/2k
1段1段、タカマガハラは階段を上っていきます。

そんな彼女に向かって、石が投げられます。

石を投げている人形は……いずれも、過去に〇してきた人たちを模していました。

壇上では、モノっちーが判決文のようなものを手にしています。

モノっちーに促されるまま、タカマガハラは断頭台に頭をセットしました。

何か言葉が発せられることもなく、ただ彼女は笑ったまま。

判決を読み終えたモノッチーが合図をすると、刃を支えていた紐が切られ──

《超高校級の歌姫》が持っていた喉を道連れに、タカマガハラの刑が執行されました。

判決はもちろん『死刑』──。

444: 2020/06/10(水) 22:33:28 ID:s4cOv/2k

    Chapter6 END


445: 2020/06/10(水) 22:34:20 ID:s4cOv/2k
…………。

…………。

…………。

鞠莉「──みんな、準備はいいかしら」

璃奈「大丈夫(>v<)」

梨子「潜水艦に乗るなんて、一生ないでしょうね」

しずく「しかも、なんだか想像していた潜水艦と違います」

ダイヤ「おおかた観光用も兼ねてなのでしょうが……どれだけの資産があればここまで……」

鞠莉「まあまあ。その辺の話は、帰ってからにしましょう」

歩夢(図書室の本棚を動かして現れた隠し扉と通路)

歩夢(そこを抜けた先にあった潜水艦……に、私たちは乗り込んでいた)

歩夢(ちなみに、操縦席に座っているのは鞠莉さんだ)

446: 2020/06/10(水) 22:35:03 ID:s4cOv/2k
璃奈「ところで……潜水艦って、免許は必要(・v・)?」

鞠莉「大丈夫よ。目的地を入力したらオートで動いてくれるみたいだし」

鞠莉「既に目的地は入力したから、あとは海の中の景色でも楽しみましょう」

梨子「楽しみましょう、って言われても……」

「「……」」

歩夢(静まり返る艦内。景色を楽しむという気分には……あまりなれない)

歩夢「本当に……色んなことがあったね」

しずく「……そうですね」

ダイヤ「課題は沢山ありますわ。歩夢さんに対して、法や世間がどういった目を向けてくるか……」

梨子「そうよね。日常に戻るってことは、周りの目にも晒されるわけだし……」

歩夢「でも……どうなっても、私はこの選択を間違ってるとは思わないよ。だって……」

璃奈「みんなが居るから、でしょ(・v・)?」

歩夢「……ふふっ♪」

447: 2020/06/10(水) 22:35:33 ID:s4cOv/2k
鞠莉「ま、その辺の話は一旦後回しにして……そろそろ行きましょうか」

璃奈「……そうだね(・v・)」

ダイヤ「帰りましょう……地上へ」

歩夢(そして、私たちを乗せた潜水艦は動き始める)

歩夢(これからどうなるのかは、何も分からない)

歩夢(私が失った超高校級は、どうやって取り戻していけばいいのだろう)

歩夢(私に刻まれた罪は、どうやって償っていけばいいだろう)

歩夢(私たちが巻き込まれた事件は、どうやって扱われるのだろうか)

歩夢(きっと何もかも、虹の根本を探すくらい手探りで、不安定)

歩夢(でも……どうなるかは、きっと私たち次第)

448: 2020/06/10(水) 22:36:11 ID:s4cOv/2k
歩夢(だったら……私は生きていく)

歩夢(みんなと共に、一歩ずつ前へ進んでいく)

歩夢(私の希望は。私の夢は……始まったばかり)

449: 2020/06/10(水) 22:37:06 ID:s4cOv/2k

     EPILOGUE

私の超高校級の夢は、輝いてる。

     END

450: 2020/06/10(水) 22:37:57 ID:s4cOv/2k
以上をもって、スクスタロンパ……もとい
歩夢「君の超高校級の心は輝いてるかい?」は完結となります。
およそ2年と9カ月の間、ありがとうございました。

……気が向いた頃に、3年弱の間に公式情報でブレの生じた呼称や誤字等を直した修正版をどこかに投稿するかも知れません。
その時はまたよろしくお願いします。

ラブライブ!シリーズ、ダンガンロンパシリーズ、一部画像作成に協力してくれた友人、
そして読んでくださった全ての読者に、精一杯の感謝を。


主な過去作:
梨子「5年目の悲劇」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495992464/

果南「“G”線上のシンデレラ」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1504616067/

451: 2020/06/11(木) 00:09:52 ID:dntFMmto
ついに完結か、お疲れさまでした
歩夢をみんなで論破するシーン熱くてよかった

452: 2020/06/11(木) 13:04:39 ID:UoectidE
面白かったよ乙
そうか3年弱もやってたんだ…なんか寂しくなるな

453: 2020/06/11(木) 21:33:58 ID:W.L7bE8g
お疲れ様! ダンガンロンパらしさもラブライブらしさも備わった良い作品だった!

454: 2020/06/11(木) 21:47:10 ID:rMdwp6fY
未完だけどっておすすめされてたやつを読みに来たらちょうど完結したところだったとは…
引き込まれて2スレ分一気読みしてしまったよ
大作乙です

455: 2020/06/16(火) 09:14:43 ID:eWV0VIaY
昨日の夜まとめサイトで読み始めて、面白くて手が止まらなくて徹夜して最後まで読んでしまってそのまま興奮覚めやらずここまで来ちまったよ。
ラ!シリーズもダンロンも好きだけど、要所要所原作へのリスペクトが深いなと感心もしたし、「このキャラはあのキャラポジションかな?」とかうっすら思い浮かべながら読み進め始めたらオリジナルのトリックとかバンバンかまされてて度肝抜かれた。よくあんな緻密に思いつくな…。
地図とかも凝ってて、自分で推理するの楽しかったわ。
なんか徹夜テンションで変な長文になったけど、それくらい楽しませて頂きました感謝!お疲れ様でした。

456: 2020/11/29(日) 11:11:42 ID:.xoDjK46
パロディ系のssなのにオリジナリティに溢れてて読み応えがありました。すごく面白かったです。

引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1506186240/

引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1566556614/

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