【SS】璃奈「暇なので、ドラクエごっこでもやろう」【ラブライブ！虹ヶ咲】

かすみ「へ？ドラクエ？」

しずく「……」ｽｸｯ…

璃奈「ボウケンノショヲ、エランデクダサイ」

かすみ「え？冒険の書？」

璃奈「ボウケンノショヲ、エランデクダサイ」

かすみ「じ、じゃあ、冒険の書、2番で」

しずく「雷鳴が胸に鳴り響いて、閉じ込めていた感情が溢れ出していく」

かすみ「待って！！！」

璃奈「？……どうしたの？」

かすみ「この話って主役誰？」

しずく「私だよ？」

かすみ「やだっ！！」

かすみ「かすみん主役がいい！」

璃奈「……仕方ない、璃奈ちゃんボード『やれやれ』」

璃奈「ボウケンノショヲ、エランデクダサイ」

かすみ「冒険の書、1番で！」

しずく「雷鳴が胸に鳴り響」

かすみ「待って！！！」

かすみ「それ主役誰！？？」

しずく「私だけど？」

かすみ「なんで！！！？」

かすみ「もーっ、かすみんが主役の書はないの？」

璃奈「冒険の書スピンオフだよ」

かすみ「それもう主役じゃないじゃん！！」

かすみ「はーっ、もういいよっ、スピンオフで！」

璃奈「………」

しずく「………」

かすみ「……？」

かすみ「あの」

璃奈「待って」

璃奈「今からかすみちゃんを召喚して、そこから話が始まるから」

かすみ「えっ！？かすみん召喚される側なの！！？」

璃奈「召喚されたら、カッコよくガオーッて言って」

かすみ「え、あ、うん」

璃奈「……」

璃奈「目覚めよ！強く！我が友にして最強の爆竜」

かすみ「(ばくりゅーってなに……？)」

璃奈「カッスミノハラナグルス」

かすみ「ガオーーッ！………」

かすみ「いや名前！！お腹殴られてんじゃん！！！」

かすみ「虐待されてんじゃん！！！」

璃奈「大丈夫だよ？まだ殴られないから」

かすみ「いつか殴られるの！？やだよそんなの！！！」

璃奈「まあまあ、落ち着いて」

璃奈「召喚した時に言った通り、かすみちゃんは最強の爆竜なの」

璃奈「必〇技のかすみんスパークはどんな敵でも打ち倒せる」璃奈ちゃんボード『ムンッ！』

かすみ「へ、へぇ～、さっすがかすみん♪」

かすみ「ところでしず子は？」

璃奈「あ、今召喚するね」

かすみ「あっ、しず子も、その、爆竜？なんだ」

璃奈「はよ来い」

しずく「はい只今！」

かすみ「召喚……？召喚だよねこれ」

璃奈「紹介するね。こちら、爆竜しず子スライドンだよ」

しずく「よろしくね！」

かすみ「スライドン……？」

かすみ「まぁいいや、しず子にはどんな力があるの？」

璃奈「『かすみちゃんの能力が一切効かない』だよ」

かすみ「なんで味方に対して有利な能力なの……」

しずく「一緒に爆竜ハンター達を倒して世界を救おうね！かすみさん」

かすみ「へ？あ、魔王とかじゃないんだ……」

璃奈「あ！早速爆竜ハンターが現れたよ！」

かすみ「え！？」

しずく「ぐへへへ」

かすみ「……え？」

しずく(ス)「出たな！」

しずく(ハ)「爆竜見っけ～！生捕にして大金に変えてやるぜ！」

かすみ「……あ、2役やってるんだ……」

しずく「かすみさん、璃奈さん、下がって！ここは私が！」

かすみ「え、いや、分かりづらいからかすみんが出たほうが」

しずく(ハ)「ゥオラァ！！！」

しずく(ス)「グハッッ……っ……」(瀕死)

かすみ「よっっわ！！！」

かすみ「えっ！！？びっくりした、よっわ！！！？」

璃奈「しずくちゃーん」『ビックリ！』

かすみ「えっ、あの威勢はなんだったのしず子……」

璃奈「しずくちゃんは、かすみちゃんの能力が効かない以外は、ただの生き物だから」

かすみ「ダメダメじゃん！！」

しずく「かすみさん……ごめんなさい……私……」

かすみ「しず子は休んでて！あんな奴かすみんがぶっ飛ばしちゃうんだから！！」

しずく「ぐへへへ！！」

かすみ「かすみんスパークッッ！！！」

しずく「あ゛っ！？」(死)

かすみ「え、やった」

かすみ「かすみん強い」

璃奈「最強だからね」

かすみ「あ、そういえば、そもそもりな子は何者なの？」

璃奈「私？私は、爆竜の研究者だよ」

璃奈「爆竜のお腹を殴って自爆させられるの」

かすみ「危な！！！？えっどんな能力なのそれ！？」

璃奈「あっ！村が襲われてる」

しずく(ハ)「出てこい爆竜！！！大金に変えてやるぜ！！」

しずく(ス)「爆竜ハンターめ……！」

かすみ「あ、しず子もう大丈夫なの？」

しずく(ス)「うん！さっき璃奈さんが治療してくれたんだ」

かすみ「へぇ、りな子って治療とかできんだ」

璃奈「そうです」『えっへん』

しずく「2人は村の人たちを守って！私はあいつを！」

かすみ「あ！ちょっと！しず子じゃハンターには」

しずく(ハ)「ゥオラァ！！！」

しずく(ス)「グハッッ……っ……」(瀕死)

かすみ「しず子ぉーー！！！」

かすみ「だから言ったのに！！」

しずく「ごめんっなさい……また、私……ｶﾋｭｯ…」

かすみ「……いいよ、あとは任せて」

しずく「……っ…うん…」

かすみ「……」

かすみ「よくもしず子を！！！」

かすみ「かすみんスパークッッ！！！」

しずく「うわぁあ！！！」(死)

かすみ「勝ったぁ！！」

璃奈「すごいかすみちゃん」

璃奈(村人)「ありがたやー」

璃奈(村人)「村を救ってくれてありがとう」

璃奈(村人)「よ、豊洲イチっ」

かすみ「でへへ～、それほどでもぉ」

しずく「………」

しずく「……すごいな、かすみさんは」

しずく「それに比べて、私なんて……」

かすみ「仕方ないよぉ、まぁかすみんはぁ最強だから～？またいつでもしず子のこと、守ってあげる♪」

しずく「うん……ありがとう、かすみさん……」

しずく「………」

璃奈「村の人たちがご馳走してくれるって。行こ？」

かすみ「あ、うん」

しずく(料理人)「あ！！！！！爆竜の皆さんっ！！！！！！」

しずく(料理人)「どうぞお召し上がりください！！！！！」

かすみ「あ！ありがとうございまぁっすぅ♪」

かすみ「モグモグ」

璃奈「いま食欲ないから、しずくちゃんにあげる」

しずく「ほんと？ありがとう璃奈さん♪」

しずく「モグモグ」

しずく「………うっ！」

かすみ「しず子？」

しずく「………」

しずく「………」

かすみ「？」

しずく「なんでもないよ」

しずく「はー、美味しかった！」

璃奈「料理人さんありがとう、またよろしくね」

しずく(料理人)「はいっ！！あなたのためならどこへでも！！！」

かすみ「(？……知り合い？)」

璃奈「宿も貸してくれるって。今日はここに泊まって行こう」

かすみ「おー！」

璃奈「じゃ、おやすみ」

しずく「おやすみ……」

かすみ「え！？もう！？……お、おやすみ」

璃奈「………」

しずく「………」

かすみ「………」

璃奈「………」

しずく「………」

かすみ「………」

璃奈「………」

かすみ「………」

璃奈「………」

かすみ「………」

璃奈「わーーー」

かすみ「わっ！？びっくりした！！なに！？」

璃奈「攻撃されてる！」

かすみ「え！？」

璃奈「ほら、あそこ」

しずく「ハッハッハッハッハッ！！」

かすみ「またハンター？」

かすみ「夜に襲ってくるなんて卑怯だぞーっ！かすみんが懲らしめてやるぅ！」

かすみ「くらえっ！！」

かすみ「かすみんっっスパーーッック！！！！」

しずく「効かないなァ！！」

かすみ「なにっ！！？？」

かすみ「なんで、最強のかすみんスパークが……」

しずく「かすみさん」

かすみ「！？………誰……？」

しずく「ふふ、忘れちゃったの？私だよ」

しずく「しず子スライドンだよ」

かすみ「！？！！？！？」

かすみ「！？は！？？なんで裏切ってんのあいつ！！？？？」

璃奈「しずくちゃん、どうして」

しずく「………」

しずく「私は、かすみさんに頼りっぱなしで、何もできなかった」

しずく「でも！！あなたの敵としてなら！私は私の力を目一杯振るうことができる！！」

しずく「……ここが、私の輝ける場所なの」

かすみ「……」

かすみ「しず子、サイテーだよ」

かすみ「結局自分が活躍したいだけじゃん！！そのために裏切るなんて！！」

しずく「かすみさんに何がわかるの！！？」

かすみ「っ！」

しずく「いいよね、かすみさんは。自分ばっかり最強の力を与えられて」

しずく「みんなに持て囃されて！なのにっ…私はっ……」

かすみ「……っでも！だからってこんな……仲間だったのに……！！」

しずく「こうして、カッスミノハラナグルスは友に裏切られ、憎しみという名の」

しずく「雷鳴が胸に鳴り響いて」

かすみ「！？！？」

しずく「その怒りは止めどなく溢れ出し、ついに彼女は、」

しずく「魔竜カッスミノハラナグラレゾンシスへと変貌を遂げてしまったのである」

かすみ「腹殴られ損死す！！？？？」

しずく「彼女は、もう2度と誰かに裏切られることがないよう」

かすみ「え？え？」

しずく「世界中の生き物を、最強の力をもって支配することにした」

しずく「その邪悪なる竜の姿に人々は恐怖し、こう呼んだ」

しずく「『魔王』と……！」

かすみ「！？！？！」

かすみ「かすみんが魔王になっちゃったの！？！！？」

璃奈「……しずくちゃん」

しずく「なに？璃奈さん」

璃奈「あのね、かすみちゃんがね」

璃奈「……魔竜になった」

しずく「……！！？」

しずく「そんな……ま、まさか……」

しずく「私の、せいで……」

璃奈「そう。しずくちゃんのせい」

璃奈「そして、しずくちゃんと、かすみちゃんを止められなかった、私のせい」

しずく「……璃奈さん……」

璃奈「しずくちゃん、友達として、力を貸して欲しい」

璃奈「友達を止めるために」

しずく「………」

しずく「わかった」

璃奈「まずは、かすみちゃんの居場所を突き止めなきゃ」

しずく(ハ)「あ！見つけたぞ爆竜！大金に変えてやるぜ！」

璃奈「あ、爆竜ハンター」

かすみ「(やばいじゃん、かすみんいなきゃハンター倒せないじゃん)」

璃奈「ちょうど良かった、これで魔竜を探して欲しいの(現金)」

璃奈「ハンターの仲間みんなに伝えて。探し出してくれたら、この倍払う」

しずく(ハ)「わかりました、姉御」

かすみ「(懐柔しちゃったよ！！？！？)」

璃奈「見つかるかな、かすみちゃん」

しずく「見つかるよ、きっと」

しずく「……私ね」

しずく「ただ誰かに、認めて欲しかったんだ……」

しずく「でも、そのために取り返しのつかないことをしてしまった」

しずく「だから、直接会って謝りたい」

しずく「……璃奈さん、ひとつ頼みがあるの」

璃奈「頼み？」

しずく「うん」

しずく「……戦いが終わったら、私を自爆させて欲しいの」

しずく「死をもって、罪を償いたい」

璃奈「………」

璃奈「それはできない」

しずく「どうして？」

璃奈「しずくちゃんには、罪を償ってほしい」

しずく「だったら……！」

璃奈「生きて、私と一緒に生きて、罪を償ってほしい」

しずく「！！！」

璃奈「……私も、背負うから」

しずく「璃奈さん……」

しずく「うん、わかった。約束する」

かすみ「………」

しずく(ハ)「いました！！姉御！！見つけました！！」

璃奈「ほんと！」

しずく(ハ)「はいっ！！あの山奥の廃城にいます！」

璃奈「ありがとう」

璃奈「これはお礼」

璃奈「……」\ﾜｵﾝｯ!/

しずく(ハ)「ありがとうございますっ」

かすみ「(なんで急に電子決済になったの……)」

しずく「かすみさん出番だよ」ﾋｿﾋｿ

かすみ「あ、や～っときた」

かすみ「こほんっ」

かすみ「はっはっはぁーっ！！」

かすみ「よく来たね！しず子！りな子っ！！」

しずく「かすみさん……！」

しずく「あなたを………止める！！」

かすみ「ムリだね！ダメダメなしず子にはムリ！」

かすみ「最強にかわいいかすみんは誰にも負けないしっ、止められないんだからぁっ！」

かすみ「くらえぇ！」

かすみ「かすみーーっん……スパァーーーッックッッッ！！！！！」

しずく「効かないなァ！」

かすみ「………」

かすみ「………」

かすみ「………」

かすみ「あ！！！！！そうだった！！！！！！そうだよ！！！！だめじゃん！！！」

璃奈「……」ｺﾞｽｯ(無言の腹パン)

かすみ「いった……え、何で殴んの………」

かすみ「あっ！」

かすみ「ああああああ！！！！！？！？」(爆発)

璃奈「終わった……」

かすみ「こんなのかすみん勝ち目ないじゃん！！！」

かすみ「しず子謝ってないし！！！」

しずく「こうして、魔竜との戦いは終わりを告げた」

しずく「しかし、魔竜の憎しみは、各地の爆竜の憎しみを呼び、やがて第二、第三の魔竜が生まれることになる」

ﾃﾃﾃﾃﾝﾃﾃﾝ　ﾃﾃﾃﾃﾝｯ↑ﾃﾃﾝ～♪(Solitude rainイントロ)

しずく「平和な世界を取り戻すために、2人は、また歩み出す」

しずく「各地の魔竜を鎮める旅、そう、2人の償いの旅は、」

しずく「まだ、始まったばかり……」

かすみ「ほんとに殴られ損で死んだ……」
　
　
　
　　　　　　出演
　
カッスミノ
ハラナグルス　　　中須かすみ

しず子スライドン　桜坂しずく

天王寺璃奈　　　　天王寺璃奈

爆竜ハンター　　　桜坂しずく
爆竜ハンター　　　桜坂しずく
　　村人　　　　　天王寺璃奈
　　村人　　　　　天王寺璃奈
　　村人　　　　　天王寺璃奈
　　料理人　　　　桜坂しずく
　
ナレーション　　　桜坂しずく
　
　
天から　舞い落ちる雨粒が
　
　
　
　
かすみ「なんかエンディングみたいの流れてんだけど！！？えっ終わり！！？」

　　脚本　　　　宮下愛
爆竜の名前推薦　宮下愛
腹パン指導　　　宮下愛
料理考案　　　　優木せつ菜
　
　
知らないうちに　心覆っていた仮面を
　
　
　
　
かすみ「！！！！！」

かすみ「元凶っ！！！元凶がいるっ！！！！

かすみ「りな子にかすみんを腹パンさせたいが為に話書いたみたいな人いるよ！？！！！」

かすみ「っていうか………あっ！あっ！！！」

かすみ「わかった今わかった！！しず子が闇落ちした原因っ！」

かすみ「料理だ！あのときの料理！！毒じゃん！！」

かすみ「あの料理人めぇ……！！」

かすみ「え？っていうか、かすみんが変になっちゃったのも料理のせいなんじゃないの……」

しずく「エンディングで全ての真相が明らかになる、熱い展開だね♪」

かすみ「っていうかこのお話のタイトルって」

しずく「『カスミンクエスト～やがてひとつの物語～』だよ」

かすみ「どうあってもしず子が主役じゃんっ！！！」

璃奈「ス、スピンオフだから、一応かすみちゃんが主役だよ」

かすみ「その割に途中からいなくなってたけど……」

かすみ「ん？じゃあ本編はどんなお話なの？」

璃奈「私が爆竜を生み出して、」

璃奈「研究者として、爆竜を魔竜にする方法を発見して、」

璃奈「次々に魔竜を生み出して、それを腹パンして」

璃奈「世界を救った英雄として讃えられるの」

かすみ「こっちのがよっぽど魔王じゃん！！！一番悪い奴じゃん！！！」

かすみ「……あれ？でもしず子が主役じゃないの？」

璃奈「そう。これは、しずくちゃんが偽りの英雄を討つために、ただの生き物から真の英雄になるまでの成長物語」

璃奈「最後にしずくちゃんが、」

しずく「『終わったよ、かすみさん。これで、ようやくあなたに……謝りに行ける』」

璃奈「って言って、終わるの」

かすみ「(無駄に面白そうなの何なの……)」

かすみ「だいたいさぁ、爆竜って結局何よ？」

璃奈「え？爆発する竜」

かすみ「ひっど！」

おしまい