【SS】副会長「生徒会による部活動の見回りに参りましょうか」菜々「･･･は、はい」【ラブライブ！虹ヶ咲】

～放課後・生徒会室～


副会長「お疲れ様です」

菜々「副会長、お疲れ様です」


副会長「会長、今日は生徒会による、部や同好会が適正な運営をなされているか取り締まる為の見回りの日ですね」

菜々「はい、我が校は部や同好会の数が多いので、我々生徒会役員のみでの見回りには毎回骨が折れますが頑張りましょう」

菜々「では、前回同様に私が同好会関連を見回りますので、副会長は部の方の見回りをお願いします･･･」

菜々「さて、参りましょうか」


ガタッ


副会長「会長！その事についてですがよろしいでしょうか？」

菜々「なんでしょう？」

副会長「折角席を立たれましたが今一度ご着席下さい」

菜々「分かりました」


スチャッ


副会長「この見回り活動につきましては、以前から役員による手分けでの作業でありました」

菜々「はい、そうですね」

副会長「1人での見回りになり、尚且つ多数ある部や同好会を回る為どうしても一件あたりの状況確認が甘くなってしまい、それ故に厳しさに欠けるところがあります」


菜々「たしかにそうかもしれませんね･･･」

副会長「小耳に挟んだ話ですが、生徒会の見回りが来てもその時だけやり過ごせば多少の不適正な運営がなされていてもバレないと思っている部や同好会もあるようです」


菜々「そ、それはよろしくありませんね･･･」


副会長「そういう状況下にありながら、従来通りの見回り活動では結局無意味ということにはなりませんか？」

菜々「たしかにそうかもしれませんね」

副会長「そこで提案ですが、日数は掛かってしまうかもしれませんが、今回から役員を2人1組のペアにし、より細かく見回り出来るような体制作りが必要なのではないでしょうか？」

菜々「た、たしかに副会長の意見は的を得ていますね」


副会長「そこで、今後の見回り活動の方法を構築するために、今回の見回り活動は私と会長がペアになり実施してはいかがでしょうか？」

菜々「そ･･･そうですね･･････」

副会長「一度やってみれば改善案など出てくるかもしれません」

菜々「は、はい･･･」


副会長「私は中川会長を筆頭に活動する現生徒会が軽く見られるのは悔しいんですよ」

副会長「ですから、今後の我々の活動はもちろんですが、我々の後の代の生徒会が見回り活動の指針に出来るように我々が活動の雛型を作りあげましょう」


菜々「で、でも･･･」

副会長「でも？」


菜々「いえ！なんでもありません･･･」


副会長「では、本日は当初会長が見回る予定だった同好会のうちの一部を訪問しましょうか」


菜々「そ、そうです･･･ね･･･」


副会長「どうしました？顔色が優れないようですよ？」

菜々「え、ええ･･･、少々体の具合が･･･」

副会長「本日は中止にして明日にしましょうか？」


菜々「い、いえ･･･すぐ治ると思いますので行きましょうか･･･」

副会長「もし体調が回復しないようであれば中止にしますので」


菜々「はい、すみません･･･」

―――


～部室棟・廊下～


副会長「さて、本日も色々回りましたが最後はスクールアイドル同好会ですね」


菜々「は、はい･････････」ぷるぷる


副会長「えーっと？記録によるとスクールアイドル同好会は一度解散したのちに再度立ち上げられたことになっていますね･･･」


菜々「え、ええ･･･」

副会長「解散前は優木せつ菜さんが部長のようですが、現在は特定の部長の記載がないようですがどういうことでしょうかね？」


菜々「は！？はい！そ、それは！！」ビクッ


副会長「部長もいないのに同好会の立ち上げを会長は許可されたのですか？」


菜々「ああっ！え、ええええっとですね･･･」あたふた


副会長「まぁ、仕方ありません。解散前は優木さんでしたので現在も優木さんが部長ということでスクールアイドル同好会さんには対応して頂きましょう」


菜々「そ、そうですね」ぷるぷる･･･

副会長「ところで会長？」


菜々「は！はひっ！？」ビクッ


副会長「なんですか？その面白い返事は？」

菜々「す、すみません！」ビクッ


副会長「ま、いいですけど」

副会長「それより、職権濫用になってしまうかもしれませんが、優木せつ菜ちゃんのファンの私としてはせつ菜ちゃんと話す大チャンスなわけですよ！」ニコッ


菜々「そ、そうですね～･･･良かったですね･･･」


副会長「会長はせつ菜ちゃんと色々と面識があられるじゃないですか？」

菜々「え、ええ･･･たしかに･･･」

副会長「私がせつ菜ちゃんとより親密になれるように会長が仲介して頂けませんかね？」ニッコリ


菜々「あ！ああっ･･･ど、どどどどうでしょうかっ･･･」ぷるぷる･･･

副会長「これくらいならバチあたりませんよね？」


菜々「た、ただ･･･、優木さんはお忙しい方なので、本日訪問してもいらっしゃらないかもしれませんね･･･」


副会長「そうなんですか？さすが会長、お詳しいですね」


菜々「現在のスクールアイドル同好会ならば、2年の高咲侑さんか、1年の中須かすみさんが部長の役割も果たせますので彼女らに見回りに立ち会って頂きましょう･･･」


副会長「せつ菜ちゃんはなんで居ないんですか？」

菜々「へっ！、そ、それはさすがにわかりません･･･」

副会長「ま、いいでしょう」

菜々（ほっ･･･）


副会長「とりあえずスクールアイドル同好会に伺いましょう」

菜々「は、はい･･･」

―――


～スクールアイドル同好会・部室～


コンコン

副会長「こんにちは、生徒会です」


侑「あ、菜々ちゃん？ってあれ？副会長？」

副会長「会長もいらっしゃいますよ？高咲さん」


侑「なんだ、いつも通りに会長が1人で来るんだと思ったからさ」

菜々「高咲さん、今回から厳しくさせて頂きますので2人組で回らせて頂いております･･･」

侑「そうなんですか」


副会長「ところで、部長の優木せつ菜さんはご不在ですか？」キョロキョロ


一同「････････････」


副会長「会長のおっしゃる通り優木さんはいらっしゃらないようですね」


一同「････････････」

侑「あの、ウチは今正式な部長が居なくてですね、私かかすみちゃんが部長扱いにして貰えれば助かりますが」

副会長「わかりました」


副会長「ではいくつか確認事項があるのでお付き合い願います」

侑「はい」

―――


副会長「確認は以上です」

副会長「ありがとうございました」


菜々「特に問題のある項目はありませんでしたね」


副会長「いえ、部長が任命されていないまま部活動を行っているのは問題です」


菜々「！？」

副会長「そうですね、解散前は優木さんが部長だったわけですから生徒会としては現在も優木さんが部長であるとみなします」


菜々「！？」


副会長「部長を変更するならば所定の様式の書類に旧部長と新部長の直筆で署名をし、それを生徒会長が決済して変更となります」

副会長「ただ、本来であれば部長が不在のまま部活動が行われているのは規則違反ですので、書類だけではなく旧部長と新部長、それに生徒会長の3者が立ち会いのもとで生徒会室にて書類を取り交わすことにしましょうか」

菜々「副会長！！スクールアイドル同好会さんが部長不在のまま活動されているのはしっかり確認せずに再立ち上げの許可を出した私の責任です！」

菜々「で、ですので･･･、そこまで厳しくするのは少々不当かもしれません･･･」あたふた


副会長「会長に非があるのは私も先程指摘した通りです」

副会長「ですので双方に非があるのでこういう形で部長変更を承ることで不問にしようと言うわけでですよ」

菜々「そ、そうですか･･･」

副会長「本来であれば、今すぐにでもスクールアイドル同好会は活動停止になるわけですからね」


菜々「は、はい･･･」


副会長「私自身も優木さんのファンなので、これでも譲歩した案を出しているつもりなんですよ？」

侑「そういえば、副会長はせつ菜ちゃんのファンだもんね」

副会長「はい、そうです」ニコッ


侑「今日は居なくて残念だったね」

副会長「ええ、密かにお会い出来るんじゃないかと期待していたのですが･･･」ガクッ

侑「もしかすると、せつ菜ちゃんは今かなり忙しいから3人立ち会いでの部長変更手続きに参加出来ないかもしれないよ？」


副会長「それは困りますね」


菜々「副会長、やはり厳し過ぎますよ」

菜々「正式な部長を決めて報告頂くだけでいいのではないですか？」

副会長「まぁ、会長がそこまでおっしゃるならば私は従うのみですけどね」


菜々「ではそうしましょう！」


侑「いやぁ、それだと忙しいせつ菜ちゃんも助かると思うなー(棒)」


副会長「では、そういうことで部長を決めたらご報告下さい」

侑「わかりました」


副会長「では失礼します」

菜々「失礼します」


バタンッ

―――


副会長「無事に本日分の見回りは終わりましたね」

菜々「お疲れ様でした、明日も頑張りましょう」


副会長「あー、せつ菜ちゃんに会いたかったなぁ～」ガクッ

菜々「ふふふっ、急に緩みましたね副会長」

副会長「まぁ、生徒会活動中はお仕事モードですけど、折角せつ菜ちゃんに会えるかもしれないと思っていたのが会えませんでしたからね」

菜々「仕方ありませんよ･･･」


副会長「はぁ･･･」

菜々「どうさました？」

副会長「世の中にはバレバレな演技なのにバレてないと思っている人もいるんだなぁって思うと一気に疲れましてね･･･」

菜々「ん？演劇部ですか？」

副会長「そうじゃありません」

副会長「ま！どこまで引っ張れるか楽しみに見守りますよ？」

菜々「え？」

副会長「じゃ、これで今日は解散にしましょう」

菜々「はい！私は少々用事があるので失礼しますね」


副会長「お疲れ様でした」

菜々「はい！お疲れ様でした！」


菜々（はぁ･･･、危なかったなぁ･･･）

副会長「高咲さんによろしくお伝えくださいね」


菜々「分かりました！」ニコッ




菜々「あれ？」





――終――

バレてるやんけ

副菜々を推していけ