3: 2021/05/18(火) 19:28:42.47 ID:qEYbzN1d
エマ「せつ菜ちゃん、それどうしたの？」
せつ菜「それ？何か変ですか？」
エマ「ほら、首のところ。赤くなってる」
せつ菜「首？……赤く……っ！！」ﾊﾞｯ
エマ「鏡で見る？ほらっ」
せつ菜「えーっ、と……虫、に刺されたんですかね……？」
せつ菜「それ？何か変ですか？」
エマ「ほら、首のところ。赤くなってる」
せつ菜「首？……赤く……っ！！」ﾊﾞｯ
エマ「鏡で見る？ほらっ」
せつ菜「えーっ、と……虫、に刺されたんですかね……？」
4: 2021/05/18(火) 19:29:06.46 ID:qEYbzN1d
エマ「同じところに2つなんて……大丈夫？お薬塗ろっか？」
せつ菜「だ、大丈夫ですよ！」
エマ「ほんと？あんまり掻きすぎるとかぶれちゃうから気をつけてね」
せつ菜「ええ……わ、私もう行きますね！少し用事を思い出したので！」
エマ「え？でも今から練習が……せつ菜ちゃーん！？」
せつ菜「だ、大丈夫ですよ！」
エマ「ほんと？あんまり掻きすぎるとかぶれちゃうから気をつけてね」
せつ菜「ええ……わ、私もう行きますね！少し用事を思い出したので！」
エマ「え？でも今から練習が……せつ菜ちゃーん！？」
6: 2021/05/18(火) 19:29:51.99 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
侑「それでこの間ね……」ｷｬｯｷｬｯ
歩夢「えー？もう……」ｷｬｯｷｬｯ
せつ菜「あゆむさぁぁあああああああああああああんっ！！！！！！！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
侑「うわっ！？せつ菜ちゃん！？」
歩夢「なになになにっ！？」
──────────────────
侑「それでこの間ね……」ｷｬｯｷｬｯ
歩夢「えー？もう……」ｷｬｯｷｬｯ
せつ菜「あゆむさぁぁあああああああああああああんっ！！！！！！！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
侑「うわっ！？せつ菜ちゃん！？」
歩夢「なになになにっ！？」
7: 2021/05/18(火) 19:30:08.33 ID:qEYbzN1d
せつ菜「歩夢さん！少しお話がっ！！」ｸﾞｲｯ
歩夢「へっ！？ちょっと……！」
せつ菜「すみません侑さん！歩夢さんお借りします！！」
歩夢さん「引っ張らなくてもついて行くから～！」
ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ……
侑「……」
侑「今日も元気いっぱいだなぁ」
歩夢「へっ！？ちょっと……！」
せつ菜「すみません侑さん！歩夢さんお借りします！！」
歩夢さん「引っ張らなくてもついて行くから～！」
ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ……
侑「……」
侑「今日も元気いっぱいだなぁ」
8: 2021/05/18(火) 19:30:44.11 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
せつ菜「とりあえず適当な教室に……ここでいいでしょう！歩夢さんっ」ｸﾞｲｯ
歩夢「待って待って！……入ってもいい？」
せつ菜「あ……と、そうでした。ごほん……どうぞ、歩夢さん」
歩夢「うん。ありがと」
ｶﾞﾗﾗｯ
──────────────────
せつ菜「とりあえず適当な教室に……ここでいいでしょう！歩夢さんっ」ｸﾞｲｯ
歩夢「待って待って！……入ってもいい？」
せつ菜「あ……と、そうでした。ごほん……どうぞ、歩夢さん」
歩夢「うん。ありがと」
ｶﾞﾗﾗｯ
9: 2021/05/18(火) 19:31:10.21 ID:qEYbzN1d
歩夢「それで、話って？」
せつ菜「あの、ですね……えーと……」
歩夢「もしかして、昨日のこと？体調悪いとか……！」
せつ菜「いえ、そうではないんですが……歩夢さん、これを」
歩夢「？首に何か……あっ」
せつ菜「一応確認ですが、歩夢さんですよね？」
歩夢「昨日……言わなかったっけ」
せつ菜「ええ。一切」
せつ菜「あの、ですね……えーと……」
歩夢「もしかして、昨日のこと？体調悪いとか……！」
せつ菜「いえ、そうではないんですが……歩夢さん、これを」
歩夢「？首に何か……あっ」
せつ菜「一応確認ですが、歩夢さんですよね？」
歩夢「昨日……言わなかったっけ」
せつ菜「ええ。一切」
10: 2021/05/18(火) 19:31:56.87 ID:qEYbzN1d
歩夢「ご、ごめんなさいっ！痕になるってちゃんと言っておかなきゃなのに……」
せつ菜「いえ。あの状態じゃ仕方ありません。それに、むしろ考慮していなかった私の方が悪いのでいいんです。ただ……」
歩夢「ただ？」
せつ菜「さっき、エマさんに心配されてしまいまして。このまま放っておくと、余計にややこしいことになるのではと」
歩夢「ややこしいことって？」
せつ菜「いえ、その、首に赤い痕となると、ですね……」
歩夢「？」
せつ菜「いえ。あの状態じゃ仕方ありません。それに、むしろ考慮していなかった私の方が悪いのでいいんです。ただ……」
歩夢「ただ？」
せつ菜「さっき、エマさんに心配されてしまいまして。このまま放っておくと、余計にややこしいことになるのではと」
歩夢「ややこしいことって？」
せつ菜「いえ、その、首に赤い痕となると、ですね……」
歩夢「？」
12: 2021/05/18(火) 19:32:49.61 ID:qEYbzN1d
せつ菜「～～～っ！ですから！キ、スマー……みたいな！誤解されるじゃないですか！」
歩夢「あー……そんなの他から見てわかるものかな……///」
せつ菜「エマさんでしたからよかったものの、果林さんなんかに見つかったら何を言われるか……！」
歩夢「まぁ、そうでなくても心配はされちゃうよね」
せつ菜「ええ。ですから、今はとりあえず絆創膏なりで隠しますけど、今後は少し考えていただけると」
歩夢「え、今後？」
歩夢「あー……そんなの他から見てわかるものかな……///」
せつ菜「エマさんでしたからよかったものの、果林さんなんかに見つかったら何を言われるか……！」
歩夢「まぁ、そうでなくても心配はされちゃうよね」
せつ菜「ええ。ですから、今はとりあえず絆創膏なりで隠しますけど、今後は少し考えていただけると」
歩夢「え、今後？」
13: 2021/05/18(火) 19:33:24.11 ID:qEYbzN1d
せつ菜「？今後ですよ？」
歩夢「また飲ませてくれるの？」
せつ菜「へ？」
歩夢「え？」
せつ菜「……」
歩夢「……」
歩夢「また飲ませてくれるの？」
せつ菜「へ？」
歩夢「え？」
せつ菜「……」
歩夢「……」
14: 2021/05/18(火) 19:33:55.40 ID:qEYbzN1d
せつ菜「……まさかとは思いますが」
歩夢「……その、あんまり、覚えてなくて」
せつ菜「っな……！なんですかそれ！信じられません！あんなことしておいて……！///」
歩夢「し、仕方ないじゃない！あの時はいろいろ限界で……それに、せつ菜ちゃんがいいよって言ったんでしょ！」
せつ菜「それはそうですが！……っもう！貴女という人は！」
歩夢「じゃあ教えてよ！あの時何があって、私やせつ菜ちゃんがなんて言ったのか！」
せつ菜「わかりました！そんなにお望みなら教えてあげますよ！」
歩夢「……その、あんまり、覚えてなくて」
せつ菜「っな……！なんですかそれ！信じられません！あんなことしておいて……！///」
歩夢「し、仕方ないじゃない！あの時はいろいろ限界で……それに、せつ菜ちゃんがいいよって言ったんでしょ！」
せつ菜「それはそうですが！……っもう！貴女という人は！」
歩夢「じゃあ教えてよ！あの時何があって、私やせつ菜ちゃんがなんて言ったのか！」
せつ菜「わかりました！そんなにお望みなら教えてあげますよ！」
15: 2021/05/18(火) 19:34:36.22 ID:qEYbzN1d
──まず、どこから曖昧なんですか？
え、放課後あたりから！？ほぼ全部じゃないですか！
わかりました。ではもう最初から話しますよ。
──そもそも、この話の発端は1日2日前ではありません。
もう少し前……1週間前くらいでしょうか？歩夢さんの様子がおかしいと思ったのが始まりでした。
え、放課後あたりから！？ほぼ全部じゃないですか！
わかりました。ではもう最初から話しますよ。
──そもそも、この話の発端は1日2日前ではありません。
もう少し前……1週間前くらいでしょうか？歩夢さんの様子がおかしいと思ったのが始まりでした。
18: 2021/05/18(火) 19:35:31.50 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
侑「それじゃ今日はここまで！お疲れ様でしたー！」
「お疲れ様です！」「お疲れー」「お疲れ様」
侑「ねえ、歩夢。やっぱりどこか変じゃない？」
歩夢「何が？別になんともないけど」
侑「ほんとかなぁ？なんか顔色悪いし、ぼーっとしてるっていうか」
歩夢「気のせいだよ。今日だって練習は問題なかったでしょ？」
侑「そりゃあそうなんだけど……」
──────────────────
侑「それじゃ今日はここまで！お疲れ様でしたー！」
「お疲れ様です！」「お疲れー」「お疲れ様」
侑「ねえ、歩夢。やっぱりどこか変じゃない？」
歩夢「何が？別になんともないけど」
侑「ほんとかなぁ？なんか顔色悪いし、ぼーっとしてるっていうか」
歩夢「気のせいだよ。今日だって練習は問題なかったでしょ？」
侑「そりゃあそうなんだけど……」
20: 2021/05/18(火) 19:36:29.30 ID:qEYbzN1d
歩夢「私、教室に忘れ物してたから戻るね。先に帰ってて」
侑「あ、歩夢……うーん……」
せつ菜「……侑さん」
侑「あ、せつ菜ちゃん。お疲れ様」
せつ菜「お疲れ様です。……あの、歩夢さんのことですが」
侑「やっぱりせつ菜ちゃんも違和感ある？」
せつ菜「ええ。ランニングをはじめ運動には支障がないように見えますが、やはりどこか抜けているように感じます」
侑「だよね。よかったー！私の気のせいじゃなくて」
侑「あ、歩夢……うーん……」
せつ菜「……侑さん」
侑「あ、せつ菜ちゃん。お疲れ様」
せつ菜「お疲れ様です。……あの、歩夢さんのことですが」
侑「やっぱりせつ菜ちゃんも違和感ある？」
せつ菜「ええ。ランニングをはじめ運動には支障がないように見えますが、やはりどこか抜けているように感じます」
侑「だよね。よかったー！私の気のせいじゃなくて」
21: 2021/05/18(火) 19:39:46.66 ID:qEYbzN1d
せつ菜「私の気にしすぎの可能性もありますが……侑さんから見て、何か心当たりはありますか？」
侑「それがさっぱり。明らかに体が動いてないならすぐわかるけど、なまじ練習はいつも通りだから、余計にわからないんだよね。何より……」
せつ菜「何より？」
侑「私に先帰っててなんて、喧嘩した時くらいしか言わない」
せつ菜「……はあ」
侑「すごいどうでもよさそうな顔するじゃん……真剣なんだよ？」
侑「それがさっぱり。明らかに体が動いてないならすぐわかるけど、なまじ練習はいつも通りだから、余計にわからないんだよね。何より……」
せつ菜「何より？」
侑「私に先帰っててなんて、喧嘩した時くらいしか言わない」
せつ菜「……はあ」
侑「すごいどうでもよさそうな顔するじゃん……真剣なんだよ？」
22: 2021/05/18(火) 19:42:00.58 ID:qEYbzN1d
せつ菜「その真偽はともかく……やはり、精神的な問題ですかね。悩み事とか。本当に思い当たる節はないんですよね？」
侑「今回ばかりは本当にないよ。それに歩夢が怒った時はそもそも口きかないもん」
せつ菜「侑さんにも言えないとなると、本当にわかりませんね」
侑「また溜め込んでなきゃいいけど……そうだ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「はい？」
侑「歩夢のこと、頼めないかな？私には隠しておきたいことみたいだし……自分で言うのもなんだけど、近すぎると話しにくいこともあるじゃない？」
侑「今回ばかりは本当にないよ。それに歩夢が怒った時はそもそも口きかないもん」
せつ菜「侑さんにも言えないとなると、本当にわかりませんね」
侑「また溜め込んでなきゃいいけど……そうだ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「はい？」
侑「歩夢のこと、頼めないかな？私には隠しておきたいことみたいだし……自分で言うのもなんだけど、近すぎると話しにくいこともあるじゃない？」
23: 2021/05/18(火) 19:42:26.43 ID:qEYbzN1d
せつ菜「それはそうですが……私に務まりますかね」
侑「きっと大丈夫だよ！歩夢だってせつ菜ちゃんのことはよく思ってるだろうし、なによりSIF以来なんだか仲いいじゃん！」
せつ菜「それは……まぁ、そうですね」
せつ菜（そうか、侑さんはあのことを知らないんだっけ。なんとなく隠してしまった……）
侑「だから、お願い！それとなくでいいから様子見てあげて！」
せつ菜「それはもちろん。私だって心配ですから！お役に立てるかはわかりませんが、仲間として力になります！」
侑「ありがと！私の方でも探り入れてみるから、何かわかったら教えて」
せつ菜「ええ！」
侑「きっと大丈夫だよ！歩夢だってせつ菜ちゃんのことはよく思ってるだろうし、なによりSIF以来なんだか仲いいじゃん！」
せつ菜「それは……まぁ、そうですね」
せつ菜（そうか、侑さんはあのことを知らないんだっけ。なんとなく隠してしまった……）
侑「だから、お願い！それとなくでいいから様子見てあげて！」
せつ菜「それはもちろん。私だって心配ですから！お役に立てるかはわかりませんが、仲間として力になります！」
侑「ありがと！私の方でも探り入れてみるから、何かわかったら教えて」
せつ菜「ええ！」
24: 2021/05/18(火) 19:45:33.54 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
──それから、私はひそかに歩夢さんを観察していたんです。
休み時間、お昼休み、練習の時……ここ最近一緒に帰ろうとしていたのもそれです。
え？妙に視線を感じてたって……うぅ、そんなストーカーまがいのこと、完璧にできるはずないじゃないですか！
ですが、そこまでやっても何の手掛かりも得られませんでした。今にして思えばそんなことではわかるはずもないのですが……
そして時は進んで昨日。その時が訪れました。
──────────────────
──それから、私はひそかに歩夢さんを観察していたんです。
休み時間、お昼休み、練習の時……ここ最近一緒に帰ろうとしていたのもそれです。
え？妙に視線を感じてたって……うぅ、そんなストーカーまがいのこと、完璧にできるはずないじゃないですか！
ですが、そこまでやっても何の手掛かりも得られませんでした。今にして思えばそんなことではわかるはずもないのですが……
そして時は進んで昨日。その時が訪れました。
26: 2021/05/18(火) 20:15:58.72 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
侑「歩夢―、今日は一緒に……」
歩夢「ごめんね？ちょっとお手洗い」
侑「あ……またダメかぁ……」
せつ菜「芳しくありませんね」
侑「うん……あー、モヤモヤする！もう直接聞いちゃダメかなぁ！？」
せつ菜「ここまでボロが出ないとなると、それも一考の余地ありですね。最終手段になりますが……」
──────────────────
侑「歩夢―、今日は一緒に……」
歩夢「ごめんね？ちょっとお手洗い」
侑「あ……またダメかぁ……」
せつ菜「芳しくありませんね」
侑「うん……あー、モヤモヤする！もう直接聞いちゃダメかなぁ！？」
せつ菜「ここまでボロが出ないとなると、それも一考の余地ありですね。最終手段になりますが……」
29: 2021/05/18(火) 20:20:28.97 ID:qEYbzN1d
侑「歩夢が帰ってきたら聞いちゃう？」
せつ菜「ですが、今まで侑さんが探りを入れても効果はなかったんですよね？」
侑「そうだった……またはぐらかされるのかなぁ……せつ菜ちゃんから聞いてくれれば、話してくれるかな」
せつ菜「そういう経験はないでもないですし……その方が確実かもしれませんね」
侑「え、ないでもないの？どゆこと？」
せつ菜「えーと……ややこしくなるのでその話は今度で」
せつ菜「侑さんは先に帰っていてください。歩夢さんが気を遣ってしまうかもしれません」
侑「うー、力になれないのが情けない……！」
せつ菜「歩夢さんが侑さんを大切に思っている証拠ですよ。私にお任せください！絶対に歩夢さんを元気にしてみせます！」
せつ菜「ですが、今まで侑さんが探りを入れても効果はなかったんですよね？」
侑「そうだった……またはぐらかされるのかなぁ……せつ菜ちゃんから聞いてくれれば、話してくれるかな」
せつ菜「そういう経験はないでもないですし……その方が確実かもしれませんね」
侑「え、ないでもないの？どゆこと？」
せつ菜「えーと……ややこしくなるのでその話は今度で」
せつ菜「侑さんは先に帰っていてください。歩夢さんが気を遣ってしまうかもしれません」
侑「うー、力になれないのが情けない……！」
せつ菜「歩夢さんが侑さんを大切に思っている証拠ですよ。私にお任せください！絶対に歩夢さんを元気にしてみせます！」
31: 2021/05/18(火) 20:24:44.11 ID:qEYbzN1d
侑「うん、お願いね！何かあったらすぐ呼んでね！」
せつ菜「ええ」
侑「それじゃあまた明日！よろしくね、せつ菜ちゃーん！」
せつ菜「また明日。お疲れ様でした」
せつ菜「……さて」
せつ菜（歩夢さんはお手洗いでしたね。待ち伏せのようで気が進みませんが、前で待っていましょう）
せつ菜「……もう暗くなりかけてる。急がないと」ﾀｯﾀｯ
せつ菜「ええ」
侑「それじゃあまた明日！よろしくね、せつ菜ちゃーん！」
せつ菜「また明日。お疲れ様でした」
せつ菜「……さて」
せつ菜（歩夢さんはお手洗いでしたね。待ち伏せのようで気が進みませんが、前で待っていましょう）
せつ菜「……もう暗くなりかけてる。急がないと」ﾀｯﾀｯ
32: 2021/05/18(火) 20:27:24.74 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
せつ菜「……で、出てこない……！」
せつ菜（お手洗いの前で待ち伏せを始めて10分……さっき歩夢さんが部室を出てから合わせて20分は経ってる……！）
せつ菜（流石ににもう待てませんね。気が引けますが声をかけましょう！）
せつ菜「歩夢さーん……あれ」ｶﾞﾁｬ……
せつ菜「個室、全部空いてる……！」
──────────────────
せつ菜「……で、出てこない……！」
せつ菜（お手洗いの前で待ち伏せを始めて10分……さっき歩夢さんが部室を出てから合わせて20分は経ってる……！）
せつ菜（流石ににもう待てませんね。気が引けますが声をかけましょう！）
せつ菜「歩夢さーん……あれ」ｶﾞﾁｬ……
せつ菜「個室、全部空いてる……！」
33: 2021/05/18(火) 20:31:04.37 ID:qEYbzN1d
せつ菜（そんな……！だったら、歩夢さんはどこに……！？）
せつ菜「っ！」ﾀﾞｯ
せつ菜「歩夢さん！歩夢さーん！！」
せつ菜「っはぁ……！はっ……！歩夢さん！どこです！？」
せつ菜（っそうだ！電話！）
せつ菜「お願い……出て……っ！」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……
せつ菜「……！」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……
せつ菜「っ！」ﾀﾞｯ
せつ菜「歩夢さん！歩夢さーん！！」
せつ菜「っはぁ……！はっ……！歩夢さん！どこです！？」
せつ菜（っそうだ！電話！）
せつ菜「お願い……出て……っ！」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……
せつ菜「……！」ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……
34: 2021/05/18(火) 20:34:52.32 ID:qEYbzN1d
せつ菜「ダメ……！だったらどこに……っ！？」
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……
せつ菜（コール音……私のスマホとは別のところから！）
せつ菜「そこの教室！」ｶﾞﾗﾗｯ
せつ菜「歩夢さん！どうしました！何か……っ」
歩夢「……せ、つな、ちゃ……！？」
ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ……
せつ菜（コール音……私のスマホとは別のところから！）
せつ菜「そこの教室！」ｶﾞﾗﾗｯ
せつ菜「歩夢さん！どうしました！何か……っ」
歩夢「……せ、つな、ちゃ……！？」
36: 2021/05/18(火) 20:39:20.65 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
──それはもうびっくりしましたよ！歩夢さんが苦しそうにうずくまっているんですから！
その辺りはぼんやり覚えていますか？さぞ驚いたことでしょう！
……いやまあ、その後歩夢さんの話を聞いた私の方がよほど驚いたんですけど。
──────────────────
──それはもうびっくりしましたよ！歩夢さんが苦しそうにうずくまっているんですから！
その辺りはぼんやり覚えていますか？さぞ驚いたことでしょう！
……いやまあ、その後歩夢さんの話を聞いた私の方がよほど驚いたんですけど。
37: 2021/05/18(火) 20:42:20.26 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
せつ菜「歩夢さん！？具合悪いんですか！？今先生を呼びますから！」
歩夢「待って！」
せつ菜「！？」ﾋﾞｸｯ
歩夢「大丈夫……私は大丈夫だから、人を呼ぶのは……」
せつ菜「何を言っているんですか！？隠したがりも大概にしてください！そんな状態のどこが……」
歩夢「お願い」
──────────────────
せつ菜「歩夢さん！？具合悪いんですか！？今先生を呼びますから！」
歩夢「待って！」
せつ菜「！？」ﾋﾞｸｯ
歩夢「大丈夫……私は大丈夫だから、人を呼ぶのは……」
せつ菜「何を言っているんですか！？隠したがりも大概にしてください！そんな状態のどこが……」
歩夢「お願い」
38: 2021/05/18(火) 20:45:19.16 ID:qEYbzN1d
せつ菜「……っ、ならせめて、横になってください。部室まで歩けますか？」
歩夢「うん……」
ｺﾂ……ｺﾂ……
せつ菜「ふらついてるじゃないですか！せめて肩を……」
歩夢「本当に、なんでもないの。ひとりで歩けるから」
せつ菜「歩夢さん……」
歩夢「うん……」
ｺﾂ……ｺﾂ……
せつ菜「ふらついてるじゃないですか！せめて肩を……」
歩夢「本当に、なんでもないの。ひとりで歩けるから」
せつ菜「歩夢さん……」
39: 2021/05/18(火) 20:48:07.08 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
せつ菜「着きましたよ。さあ、ソファに」
歩夢「うん……ありがとう……」ﾎﾞﾌﾂ
せつ菜「……歩夢さん」
歩夢「……」
せつ菜「目を、合わせてくれますか」
歩夢「ごめんなさい……できないの。せつ菜ちゃんのためにも」
せつ菜「でしたらそのままで。体の調子が悪いんですか？」
歩夢「ううん。ちょっと疲れただけ」
せつ菜「息が上がってます。ちょっと疲れたでは済まされませんよ」
──────────────────
せつ菜「着きましたよ。さあ、ソファに」
歩夢「うん……ありがとう……」ﾎﾞﾌﾂ
せつ菜「……歩夢さん」
歩夢「……」
せつ菜「目を、合わせてくれますか」
歩夢「ごめんなさい……できないの。せつ菜ちゃんのためにも」
せつ菜「でしたらそのままで。体の調子が悪いんですか？」
歩夢「ううん。ちょっと疲れただけ」
せつ菜「息が上がってます。ちょっと疲れたでは済まされませんよ」
40: 2021/05/18(火) 20:52:01.34 ID:qEYbzN1d
歩夢「……」
せつ菜「何をしていたんですか？」
歩夢「……」
せつ菜「歩夢さん！」
歩夢「……もう、隠しておけないかな」
せつ菜「え？」
歩夢「ねえ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「なんです？」
歩夢「今から私が言うこと、信じてくれる？」
せつ菜「何をしていたんですか？」
歩夢「……」
せつ菜「歩夢さん！」
歩夢「……もう、隠しておけないかな」
せつ菜「え？」
歩夢「ねえ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「なんです？」
歩夢「今から私が言うこと、信じてくれる？」
42: 2021/05/18(火) 20:55:51.62 ID:qEYbzN1d
せつ菜「勿論です！仲間の言うことを疑ったりしません」
歩夢「じゃあ、お願い。絶対に秘密にしてね」
せつ菜「ええ。私、口は堅い方ですから！正体だってバレていませんし！」
歩夢「ふふ、そうだったね……」
歩夢「せつ菜ちゃん、私ね」
歩夢「怪物なんだ」
歩夢「じゃあ、お願い。絶対に秘密にしてね」
せつ菜「ええ。私、口は堅い方ですから！正体だってバレていませんし！」
歩夢「ふふ、そうだったね……」
歩夢「せつ菜ちゃん、私ね」
歩夢「怪物なんだ」
43: 2021/05/18(火) 20:58:27.60 ID:qEYbzN1d
せつ菜「はい……はい？」
歩夢「私はね、人の血を吸う怪物で」
せつ菜「血を吸う怪物」
歩夢「今、すっごくお腹が空いてるの」
せつ菜「お腹が……」
歩夢「信じてくれる？」
せつ菜「……」
歩夢「……」
せつ菜「……少し、時間をください」
歩夢「時間で解決できるんだ……」
歩夢「私はね、人の血を吸う怪物で」
せつ菜「血を吸う怪物」
歩夢「今、すっごくお腹が空いてるの」
せつ菜「お腹が……」
歩夢「信じてくれる？」
せつ菜「……」
歩夢「……」
せつ菜「……少し、時間をください」
歩夢「時間で解決できるんだ……」
50: 2021/05/18(火) 21:19:39.57 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
せつ菜「つまり、歩夢さんは吸血鬼……のような何かだと？」
歩夢「呑み込みが早いね。せつ菜ちゃんならすぐ理解してくれるって思ってた」
せつ菜「いえ、まぁ……言葉の意味は理解できましたが」
歩夢「信じても、信じなくてもいいよ。見なかったことにしてくれれば、それで」
せつ菜「いえ、信じます！」
歩夢「……ありがとう」ﾌ…
せつ菜「ですが、見なかったことにはしません！」
──────────────────
せつ菜「つまり、歩夢さんは吸血鬼……のような何かだと？」
歩夢「呑み込みが早いね。せつ菜ちゃんならすぐ理解してくれるって思ってた」
せつ菜「いえ、まぁ……言葉の意味は理解できましたが」
歩夢「信じても、信じなくてもいいよ。見なかったことにしてくれれば、それで」
せつ菜「いえ、信じます！」
歩夢「……ありがとう」ﾌ…
せつ菜「ですが、見なかったことにはしません！」
52: 2021/05/18(火) 21:22:27.58 ID:qEYbzN1d
歩夢「……！」
せつ菜「何か手伝えることはありませんか！？お腹が空いているなら料理とか……あぁでも血でないと……」
歩夢「……だから、言いたくなかったの」
せつ菜「？」
歩夢「こんなこと言ったら、絶対そう言ってくれる。せつ菜ちゃんだけじゃなく、みんなそう。だから黙ってたの」
せつ菜「ですが、このまま放っておくわけにも……！」
歩夢「いいの。何度も言ってるでしょ？大丈夫だから」
せつ菜「何か手伝えることはありませんか！？お腹が空いているなら料理とか……あぁでも血でないと……」
歩夢「……だから、言いたくなかったの」
せつ菜「？」
歩夢「こんなこと言ったら、絶対そう言ってくれる。せつ菜ちゃんだけじゃなく、みんなそう。だから黙ってたの」
せつ菜「ですが、このまま放っておくわけにも……！」
歩夢「いいの。何度も言ってるでしょ？大丈夫だから」
53: 2021/05/18(火) 21:26:26.36 ID:qEYbzN1d
せつ菜「……っ！でしたら！当てはあるんですか？」
歩夢「当て？」
せつ菜「今まで歩夢さんがこんなになっているところは見たことがありませんでした！それはきっと、血を飲める当てがあったからですよね？」
歩夢「そうだね」
せつ菜「なのに今回はそうじゃない。日常生活に支障を来す程飢えています！それって、当てがなくなったからじゃないんですか？」
歩夢「……鋭いね」
せつ菜「このまま歩夢さんを放っておいたとして、元に戻るのはいつですか！？明日ですか、来週ですか！？」
歩夢「……」
歩夢「当て？」
せつ菜「今まで歩夢さんがこんなになっているところは見たことがありませんでした！それはきっと、血を飲める当てがあったからですよね？」
歩夢「そうだね」
せつ菜「なのに今回はそうじゃない。日常生活に支障を来す程飢えています！それって、当てがなくなったからじゃないんですか？」
歩夢「……鋭いね」
せつ菜「このまま歩夢さんを放っておいたとして、元に戻るのはいつですか！？明日ですか、来週ですか！？」
歩夢「……」
54: 2021/05/18(火) 21:29:47.37 ID:qEYbzN1d
せつ菜「それまで、どうするつもりなんですか？」
歩夢「なんとかするよ」
せつ菜「今、なんとかできていないじゃないですか！」
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「でしたら……でしたらいっそ」
歩夢「ダメ。せつ菜ちゃん、やめて」
せつ菜「でしたらいっそ、私の血を」
歩夢「やめて！！」
歩夢「なんとかするよ」
せつ菜「今、なんとかできていないじゃないですか！」
歩夢「せつ菜ちゃん」
せつ菜「でしたら……でしたらいっそ」
歩夢「ダメ。せつ菜ちゃん、やめて」
せつ菜「でしたらいっそ、私の血を」
歩夢「やめて！！」
55: 2021/05/18(火) 21:32:10.83 ID:qEYbzN1d
せつ菜「……！」ﾋﾞｸｯ
歩夢「……ごめんね、大きい声出して」
歩夢「私は……みんなを傷つけたくない。今まで隠してきたのもそのため」
せつ菜「歩夢さん……」
歩夢「私が今までやってきたことを、無駄にしないで」
せつ菜「……」
歩夢「私の、これまでを——」
歩夢「……ごめんね、大きい声出して」
歩夢「私は……みんなを傷つけたくない。今まで隠してきたのもそのため」
せつ菜「歩夢さん……」
歩夢「私が今までやってきたことを、無駄にしないで」
せつ菜「……」
歩夢「私の、これまでを——」
57: 2021/05/18(火) 21:39:36.12 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
ずっと、我慢してきた。
我慢しないと、襲ってしまうから。
人と関わらないようにしてきた。
そうしないと、きっとたくさん傷つけてしまうから。
それでも、あの子は違った。
あの子だけは、ずっと私の隣にいてくれた。だから、手放せなかった。
──────────────────
ずっと、我慢してきた。
我慢しないと、襲ってしまうから。
人と関わらないようにしてきた。
そうしないと、きっとたくさん傷つけてしまうから。
それでも、あの子は違った。
あの子だけは、ずっと私の隣にいてくれた。だから、手放せなかった。
60: 2021/05/18(火) 21:43:30.72 ID:qEYbzN1d
絶対傷つけたくない。その一心でひたすらに我慢してきた。
こんな飢えにだって、いくらでも耐えられた。
すべては、傷つけないため。あの子と、ずっと友達でいるため。
そう思って生きてきた。
それなのに、いつの間にか私の腕の中にあるのが、あの子だけじゃなくなって。
大切なものがたくさん増えて。
傷つけたくないものも、たくさん─────
こんな飢えにだって、いくらでも耐えられた。
すべては、傷つけないため。あの子と、ずっと友達でいるため。
そう思って生きてきた。
それなのに、いつの間にか私の腕の中にあるのが、あの子だけじゃなくなって。
大切なものがたくさん増えて。
傷つけたくないものも、たくさん─────
61: 2021/05/18(火) 21:47:05.73 ID:qEYbzN1d
せつ菜「歩夢さんっ！」ﾀﾞｷｯ
歩夢「……っ！」
せつ菜「歩夢さんのこと、わかりません」
だめ。
せつ菜「どれくらい辛かったのか、どれくらい苦しんできたのか、私には何もわかりません」ｷﾞｭ…
だめなの。
せつ菜「でも、今目の前で苦しんでいることだけははっきりしています！」
わたしに、近付かないで。
せつ菜「私の血ならいくらでも差しあげます！だから、そんな辛そうな顔をしないでください！」
歩夢「……っ！」
せつ菜「歩夢さんのこと、わかりません」
だめ。
せつ菜「どれくらい辛かったのか、どれくらい苦しんできたのか、私には何もわかりません」ｷﾞｭ…
だめなの。
せつ菜「でも、今目の前で苦しんでいることだけははっきりしています！」
わたしに、近付かないで。
せつ菜「私の血ならいくらでも差しあげます！だから、そんな辛そうな顔をしないでください！」
63: 2021/05/18(火) 21:50:26.00 ID:qEYbzN1d
……ぁ。
顔が触れ合う距離に、せつ菜ちゃんがいる。
せつ菜ちゃんの香りが、鼻腔をくすぐる。
ヒトの、香りが。
歩夢「だめ……だめっ！」ｸﾞｲｯ
せつ菜「きゃ……っ！」
押し返した衝撃で、姿勢が崩れる。
有り余った膂力が悪さをして、せつ菜ちゃんに覆いかぶさる。
顔が触れ合う距離に、せつ菜ちゃんがいる。
せつ菜ちゃんの香りが、鼻腔をくすぐる。
ヒトの、香りが。
歩夢「だめ……だめっ！」ｸﾞｲｯ
せつ菜「きゃ……っ！」
押し返した衝撃で、姿勢が崩れる。
有り余った膂力が悪さをして、せつ菜ちゃんに覆いかぶさる。
64: 2021/05/18(火) 21:53:32.93 ID:qEYbzN1d
せつ菜「歩夢、さ……」
歩夢「ふ……ッ！ふーっ……！」
飢えはとっくに限界点を越えていた。
目の前には、自分の血を差し出すと言ってくれた子がいた。
……いい、かな。
みっともなく、涎が滴る。
ヒト以下の獣へと変わっていく感覚がする。
だって、いいって言っているじゃない。
自分からそう言ってくれたなら、少しくらい───
歩夢「ふ……ッ！ふーっ……！」
飢えはとっくに限界点を越えていた。
目の前には、自分の血を差し出すと言ってくれた子がいた。
……いい、かな。
みっともなく、涎が滴る。
ヒト以下の獣へと変わっていく感覚がする。
だって、いいって言っているじゃない。
自分からそう言ってくれたなら、少しくらい───
66: 2021/05/18(火) 21:59:06.51 ID:qEYbzN1d
──少しくらい、傷つけるの？
侑ちゃんがダメでも、せつ菜ちゃんならいいの？
そんなはずない。
過ごした時間が短くたって関係ない。せつ菜ちゃんだって大切な友達で、仲間で──
せつ菜「歩夢さん」
それでも、当のせつ菜ちゃんは。
私の首に両腕を回して。
せつ菜「どうぞ」
──ごめんなさい。
いただきます。
侑ちゃんがダメでも、せつ菜ちゃんならいいの？
そんなはずない。
過ごした時間が短くたって関係ない。せつ菜ちゃんだって大切な友達で、仲間で──
せつ菜「歩夢さん」
それでも、当のせつ菜ちゃんは。
私の首に両腕を回して。
せつ菜「どうぞ」
──ごめんなさい。
いただきます。
67: 2021/05/18(火) 22:02:47.94 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
──という訳で、無事歩夢さんは私の血を……
……え？肝心なところがわからないまま？
いや、その……その部分を克明に話すのはかなり恥ずかしいと言いますか……
結局なんて言ってたかって……はっきりさせないとダメですか？
わかりましたよ、もう……
──────────────────
──という訳で、無事歩夢さんは私の血を……
……え？肝心なところがわからないまま？
いや、その……その部分を克明に話すのはかなり恥ずかしいと言いますか……
結局なんて言ってたかって……はっきりさせないとダメですか？
わかりましたよ、もう……
71: 2021/05/18(火) 23:02:32.59 ID:qEYbzN1d
────────────────────────
──────────────────
せつ菜「……っ」ｷﾞｭｯ
せつ菜「……あれっ？」
歩夢「……」ﾁｭｯ
せつ菜「ひゃわッ！？あ、歩夢さん！？」
てっきり、獣のように食らいつかれるのかと思っていた。
それなりの痛みを感じる覚悟も、してはいた。
けれど、歩夢さんは水にたかる子猫のように、私の首筋を舐り始めた。
──────────────────
せつ菜「……っ」ｷﾞｭｯ
せつ菜「……あれっ？」
歩夢「……」ﾁｭｯ
せつ菜「ひゃわッ！？あ、歩夢さん！？」
てっきり、獣のように食らいつかれるのかと思っていた。
それなりの痛みを感じる覚悟も、してはいた。
けれど、歩夢さんは水にたかる子猫のように、私の首筋を舐り始めた。
72: 2021/05/18(火) 23:05:38.59 ID:qEYbzN1d
せつ菜「……あの」
歩夢「絶対……絶対、痛くしないから」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ
ふんふんと鼻を鳴らして、必死に首筋を湿らせていく。
吸血鬼なりの、気遣いなのかな。
理性が残っているようには思えなかった。
獣としての本能を、上原歩夢の本能が上回ったのかもしれない。
何にせよ、優しい歩夢さんのままで少し安心した。
歩夢「絶対……絶対、痛くしないから」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ
ふんふんと鼻を鳴らして、必死に首筋を湿らせていく。
吸血鬼なりの、気遣いなのかな。
理性が残っているようには思えなかった。
獣としての本能を、上原歩夢の本能が上回ったのかもしれない。
何にせよ、優しい歩夢さんのままで少し安心した。
74: 2021/05/18(火) 23:10:21.64 ID:qEYbzN1d
せつ菜「……」
安心は、したけれど。
歩夢「んっ……ぢゅぅ……っ」
せつ菜「っ、あゆむ、さ……」
──思ってたのと違う！
歩夢「大丈夫？嫌ならすぐに……」
安心は、したけれど。
歩夢「んっ……ぢゅぅ……っ」
せつ菜「っ、あゆむ、さ……」
──思ってたのと違う！
歩夢「大丈夫？嫌ならすぐに……」
77: 2021/05/18(火) 23:14:31.86 ID:qEYbzN1d
反射的に、腕に力がこもる。
しまった。拒否するつもりはないのに、これじゃ……
けれど、歩夢さんの体はびくともしない。
私と歩夢さんにそれほど力の差はないはずなのに。ないと思っていたのに。
月下の怪物は、ヒト程度の力では揺れ動くことすらなかった。
それでも力が込められていたことには気づいたようで。
歩夢「ご、めんね……！やっぱり……」ﾊﾞｯ
せつ菜「いえ、いえ！大丈夫、ですから……」
歩夢「でも……」
せつ菜「……あの」
歩夢「？」
せつ菜「舐めるのは、必要な行程なんですか……？///」
しまった。拒否するつもりはないのに、これじゃ……
けれど、歩夢さんの体はびくともしない。
私と歩夢さんにそれほど力の差はないはずなのに。ないと思っていたのに。
月下の怪物は、ヒト程度の力では揺れ動くことすらなかった。
それでも力が込められていたことには気づいたようで。
歩夢「ご、めんね……！やっぱり……」ﾊﾞｯ
せつ菜「いえ、いえ！大丈夫、ですから……」
歩夢「でも……」
せつ菜「……あの」
歩夢「？」
せつ菜「舐めるのは、必要な行程なんですか……？///」
78: 2021/05/18(火) 23:18:02.83 ID:qEYbzN1d
歩夢「うん。こうしないと、痛くしちゃうみたいだから。嫌なら、すぐに……」
せつ菜「いえ、それならいいんです。続けて、ください……」
続けてくださいって、なに。
これじゃ、舐めてもらうことを求めているみたい。
違う。これは、歩夢さんがヒトを傷つけないためには必要なことで。
私のためにやってくれていることなんだから、受け入れなきゃだめで。
それだけ。本当に、それだけなんだ。
せつ菜「いえ、それならいいんです。続けて、ください……」
続けてくださいって、なに。
これじゃ、舐めてもらうことを求めているみたい。
違う。これは、歩夢さんがヒトを傷つけないためには必要なことで。
私のためにやってくれていることなんだから、受け入れなきゃだめで。
それだけ。本当に、それだけなんだ。
80: 2021/05/18(火) 23:22:01.06 ID:qEYbzN1d
歩夢「じゃあ……はむっ」
せつ菜「……っ！」
歩夢「んむ、る……」
せつ菜「ひ、っ……ぅ」
だめ、だめ。
油断すると、変な声が口から滑り出そうになる。
ぺちゃぺちゃと水音が響いて。
耳元で、歩夢さんのかすかな吐息が言ったり来たり。
これで正気を保っていられるほど、私は場慣れした人間じゃない。
せつ菜「……っ！」
歩夢「んむ、る……」
せつ菜「ひ、っ……ぅ」
だめ、だめ。
油断すると、変な声が口から滑り出そうになる。
ぺちゃぺちゃと水音が響いて。
耳元で、歩夢さんのかすかな吐息が言ったり来たり。
これで正気を保っていられるほど、私は場慣れした人間じゃない。
81: 2021/05/18(火) 23:25:53.72 ID:qEYbzN1d
せつ菜「は、っぁ……！」
歩夢「んぅ、らいじょ、ぶ……？」
何度目かわからない、その言葉。
心の底から心配しているであろうその声音に、心臓をきゅっとつかまれた気になる。
これ以上は、耐えていられない。
せつ菜「あゆ、むさん……！」
歩夢「せつ菜ちゃん？ごめ……」
せつ菜「かんで、ください」
歩夢「んぅ、らいじょ、ぶ……？」
何度目かわからない、その言葉。
心の底から心配しているであろうその声音に、心臓をきゅっとつかまれた気になる。
これ以上は、耐えていられない。
せつ菜「あゆ、むさん……！」
歩夢「せつ菜ちゃん？ごめ……」
せつ菜「かんで、ください」
82: 2021/05/18(火) 23:29:07.01 ID:qEYbzN1d
歩夢「……っ！」
せつ菜「もう、大丈夫、ですから」
歩夢「でも、まだ」
このまま放っておいたら、どうなるかわからない。
だから、早く痛みで上書きしなきゃ。
この変な感じも、全部。
せつ菜「お願い、します」
せつ菜「もう、大丈夫、ですから」
歩夢「でも、まだ」
このまま放っておいたら、どうなるかわからない。
だから、早く痛みで上書きしなきゃ。
この変な感じも、全部。
せつ菜「お願い、します」
83: 2021/05/18(火) 23:32:25.54 ID:qEYbzN1d
歩夢「……腕でも服でも、握ってていいからね」
せつ菜「はい……」
歩夢「本当に我慢できなくなったら、背中叩いて。全力で。すぐやめるから」
せつ菜「わかり、ました」
歩夢「じゃあ、いくね……ぁむ」
歩夢さんはそう言って、私の首筋に唇を落とした。
歯先の気配がちらついて、かすかに触れる。
密着した体から、震えが伝わってくる。
せつ菜「……！」
まだ噛まれていないのに、体中に力がこもるのがわかる。
身をすくめて、ぎゅっと目をつぶって、その時を待つ。
歩夢「いただきます」
せつ菜「はい……」
歩夢「本当に我慢できなくなったら、背中叩いて。全力で。すぐやめるから」
せつ菜「わかり、ました」
歩夢「じゃあ、いくね……ぁむ」
歩夢さんはそう言って、私の首筋に唇を落とした。
歯先の気配がちらついて、かすかに触れる。
密着した体から、震えが伝わってくる。
せつ菜「……！」
まだ噛まれていないのに、体中に力がこもるのがわかる。
身をすくめて、ぎゅっと目をつぶって、その時を待つ。
歩夢「いただきます」
84: 2021/05/18(火) 23:35:34.46 ID:qEYbzN1d
召し上がれ。そう言おうとした瞬間。
つ、と。
首筋に違和感が走る。
痛みだと思っていたそれは、徐々に体中へと広がっていって。
私の体を、跳ね上げた。
せつ菜「ふ──────ッ！？」
つ、と。
首筋に違和感が走る。
痛みだと思っていたそれは、徐々に体中へと広がっていって。
私の体を、跳ね上げた。
せつ菜「ふ──────ッ！？」
86: 2021/05/18(火) 23:40:57.07 ID:qEYbzN1d
体の一部を穿たれているはずなのに。
刃物で切り付けられているも同然なのに。
痛みはなく、代わりに脳のあちこちをまっさらに塗り替えるような、衝撃──
歩夢さんのおかげなの？それとも、吸血ってこういうものなの？
違う、違う。
──思ってたのと、違う！
刃物で切り付けられているも同然なのに。
痛みはなく、代わりに脳のあちこちをまっさらに塗り替えるような、衝撃──
歩夢さんのおかげなの？それとも、吸血ってこういうものなの？
違う、違う。
──思ってたのと、違う！
88: 2021/05/18(火) 23:44:28.49 ID:qEYbzN1d
歩夢「ん、こくっ……ぐ……」
せつ菜「……っ！ふ、ぅ……はっ」
ごうごうと音がする。
血が巡る音なのか、吸われている音なのか、それとも、わたしの頭が沸騰している音なのか。
それに交じって、こくりこくりと喉が鳴る音。
歩夢さんの鼻息と呼応して、より頭を湧き立たせていく。
せつ菜「あゆ、むさ……！」
歩夢「……」ｺﾞｸｯｺﾞｸｯ
せつ菜「……っ！ふ、ぅ……はっ」
ごうごうと音がする。
血が巡る音なのか、吸われている音なのか、それとも、わたしの頭が沸騰している音なのか。
それに交じって、こくりこくりと喉が鳴る音。
歩夢さんの鼻息と呼応して、より頭を湧き立たせていく。
せつ菜「あゆ、むさ……！」
歩夢「……」ｺﾞｸｯｺﾞｸｯ
89: 2021/05/18(火) 23:47:38.14 ID:qEYbzN1d
痛いと思ってた。痛い方が、まだよかった。
──こんなの、聞いてない！
ひときわ強く手に力を籠めると、歩夢さんは弾かれたみたいに私から離れた。
せつ菜「ぇ……？」
歩夢「っごめんね、せつ菜ちゃん！私、つい……大丈夫！？」
彼女の唇は、自身の存在を誇示するようにてらてらと赤く輝いていた。
悲しみさえ見えるその表情に塗られた鮮血。
ちぐはぐな光景に、、頭がくらくらする。
──こんなの、聞いてない！
ひときわ強く手に力を籠めると、歩夢さんは弾かれたみたいに私から離れた。
せつ菜「ぇ……？」
歩夢「っごめんね、せつ菜ちゃん！私、つい……大丈夫！？」
彼女の唇は、自身の存在を誇示するようにてらてらと赤く輝いていた。
悲しみさえ見えるその表情に塗られた鮮血。
ちぐはぐな光景に、、頭がくらくらする。
90: 2021/05/18(火) 23:50:35.92 ID:qEYbzN1d
せつ菜「……歩夢さん」
歩夢「なに？やっぱりどこか……！」
せつ菜「まだ、足りませんか？」
歩夢「え？」
せつ菜「ふらふらになっちゃうくらい、飢えてましたよね」
歩夢「そうだけど、もう十分だよ。私はもう……」
せつ菜「まだ、足りませんよね」
歩夢「……せつ菜ちゃん？」
せつ菜「足りないって、いってください」
歩夢「なに？やっぱりどこか……！」
せつ菜「まだ、足りませんか？」
歩夢「え？」
せつ菜「ふらふらになっちゃうくらい、飢えてましたよね」
歩夢「そうだけど、もう十分だよ。私はもう……」
せつ菜「まだ、足りませんよね」
歩夢「……せつ菜ちゃん？」
せつ菜「足りないって、いってください」
92: 2021/05/18(火) 23:54:33.36 ID:qEYbzN1d
さっきの感覚が、まだ消えてない。
完全に消える前に、もう一度。上書きしてほしい。
その時にはもう、自分のことしか考えていなかった。
きっと、おかしくなってしまったんだ。
歩夢「……」
くぅ、と歩夢さんの喉が鳴る。
その姿は、贄を求める獣のように見えた。
完全に消える前に、もう一度。上書きしてほしい。
その時にはもう、自分のことしか考えていなかった。
きっと、おかしくなってしまったんだ。
歩夢「……」
くぅ、と歩夢さんの喉が鳴る。
その姿は、贄を求める獣のように見えた。
93: 2021/05/18(火) 23:57:28.60 ID:qEYbzN1d
歩夢「……ぁ、む」
また、きた。
せつ菜「ふ、ぁ……！」
歩夢「せふなひゃ、おいし」
耳元で、歩夢さんの声。
味を楽しむ余裕が出てきたらしく、さっきよりも優しく、柔らかな感じがした。
けれど、それで負担が軽くなる訳もなく。
相変わらず、身体中を迸る快感は抑えられそうにない。
また、きた。
せつ菜「ふ、ぁ……！」
歩夢「せふなひゃ、おいし」
耳元で、歩夢さんの声。
味を楽しむ余裕が出てきたらしく、さっきよりも優しく、柔らかな感じがした。
けれど、それで負担が軽くなる訳もなく。
相変わらず、身体中を迸る快感は抑えられそうにない。
94: 2021/05/19(水) 00:00:54.49 ID:FqLb/J6f
せつ菜「あゆ、あゆむさん……っ！」
歩夢「んぐ……くぅ」
訳がわからなくなって、うわごとのように彼女の名前を呼ぶ。
歩夢さんはその度に、応えるように頷いてくれる。
荒っぽくても理性があって、ちゃんと私のことを考えてくれている。
そんなの、ずるい。
歩夢「んぐ……くぅ」
訳がわからなくなって、うわごとのように彼女の名前を呼ぶ。
歩夢さんはその度に、応えるように頷いてくれる。
荒っぽくても理性があって、ちゃんと私のことを考えてくれている。
そんなの、ずるい。
96: 2021/05/19(水) 00:04:47.57 ID:FqLb/J6f
せつ菜「……美味しいですか、私の血？」
歩夢さんは、無言で頷いた。
せつ菜「だったら、あげます」
歩夢「……んぇ？」
せつ菜「もっと、もっとあげます。私が歩夢さんの食事になります。あしたも、あさっても。飲んでください、もっと」
歩夢さんは、無言で頷いた。
せつ菜「だったら、あげます」
歩夢「……んぇ？」
せつ菜「もっと、もっとあげます。私が歩夢さんの食事になります。あしたも、あさっても。飲んでください、もっと」
97: 2021/05/19(水) 00:08:42.95 ID:FqLb/J6f
自分でも、何を言っているのかわからなかった。
きっと、歩夢さんにあてられたんだ。
訳のわからない出来事に遭遇して、思考が飛んでいるんだ。
そういえば、吸血鬼は魅了の魔法が使えるって聞いたことがある。
きっとそれだ。そのせいだ。それで、私は……
歩夢「……だめ。せつ菜ちゃんが、大事だもん」
……魅了であって。使えるってことにして。
そうでないなら、どうしてこんなにどきどきしているの。
怪物なのに。食事なのに。どうしてそんなに優しいの。
きっと、歩夢さんにあてられたんだ。
訳のわからない出来事に遭遇して、思考が飛んでいるんだ。
そういえば、吸血鬼は魅了の魔法が使えるって聞いたことがある。
きっとそれだ。そのせいだ。それで、私は……
歩夢「……だめ。せつ菜ちゃんが、大事だもん」
……魅了であって。使えるってことにして。
そうでないなら、どうしてこんなにどきどきしているの。
怪物なのに。食事なのに。どうしてそんなに優しいの。
99: 2021/05/19(水) 00:11:17.54 ID:FqLb/J6f
心底悲しそうな顔をする歩夢さんに手を差し伸べて、唇の血をぬぐう。
そのまま、その血を自分のそれに塗り付けるようにして、指を当てた。
──わたし、何をしているんだろう。
これは、歩夢さんのせいじゃない。
わたしがおかしくなったせいだ。
せつ菜「だったら、もっと傷つけて」
歩夢「──え」
そのまま、歩夢さんの唇を塞いだ。
そのまま、その血を自分のそれに塗り付けるようにして、指を当てた。
──わたし、何をしているんだろう。
これは、歩夢さんのせいじゃない。
わたしがおかしくなったせいだ。
せつ菜「だったら、もっと傷つけて」
歩夢「──え」
そのまま、歩夢さんの唇を塞いだ。
100: 2021/05/19(水) 00:15:00.98 ID:FqLb/J6f
歩夢「──ん」
せつ菜「ん、むぅ……っ」
離れられる前に、歩夢さんの牙に舌を当てる。
切っ先が舌をかすめて、そこからちろちろとかすかに血が流れ出た。
歩夢「……！ん、ぐ……！」
歩夢さんはそれを舐め取るようにして、舌を絡ませてくる。
自分から先にしておきながら、どうすればいいかわからなくて。
わたしは、そのまま歩夢さんに全てを委ねた。
せつ菜「ん、むぅ……っ」
離れられる前に、歩夢さんの牙に舌を当てる。
切っ先が舌をかすめて、そこからちろちろとかすかに血が流れ出た。
歩夢「……！ん、ぐ……！」
歩夢さんはそれを舐め取るようにして、舌を絡ませてくる。
自分から先にしておきながら、どうすればいいかわからなくて。
わたしは、そのまま歩夢さんに全てを委ねた。
102: 2021/05/19(水) 00:18:14.73 ID:FqLb/J6f
歩夢「っは……んぐ、む……」
せつ菜「んぇっ……る、んむ……っ！」
歩夢「ぢゅぅ……ん、むぅ……」
せつ菜「はぷ……っふぅ……ん」
歩夢「ぶ、はっ」
せつ菜「んぇっ……る、んむ……っ！」
歩夢「ぢゅぅ……ん、むぅ……」
せつ菜「はぷ……っふぅ……ん」
歩夢「ぶ、はっ」
103: 2021/05/19(水) 00:21:41.42 ID:FqLb/J6f
せつ菜「っは……はーっ……///」
歩夢「はぁ、はっ……」
せつ菜「はぁ……けほっ」
歩夢「……今のは、せつ菜ちゃんが悪い」
せつ菜「ええ……なら、腹いせにもっと飲んでください」
歩夢「……っ！もう、知らないからね」
歩夢「はぁ、はっ……」
せつ菜「はぁ……けほっ」
歩夢「……今のは、せつ菜ちゃんが悪い」
せつ菜「ええ……なら、腹いせにもっと飲んでください」
歩夢「……っ！もう、知らないからね」
104: 2021/05/19(水) 00:25:10.01 ID:FqLb/J6f
────────────────────────
──────────────────
歩夢「……」
せつ菜「……思い出しました？」
歩夢「うん……思い出さない方がよかった……///」
せつ菜「あの後、結局すぐに私がダウンしてしまったのでその場はとりあえず丸く収まりましたが……」
歩夢「収まってないよ！？」
せつ菜「う……とにかくです！これが昨夜起こったことの全てです。しっかり！覚えておいてくださいね！」
歩夢「忘れたくても忘れられないよぉ……///」
──────────────────
歩夢「……」
せつ菜「……思い出しました？」
歩夢「うん……思い出さない方がよかった……///」
せつ菜「あの後、結局すぐに私がダウンしてしまったのでその場はとりあえず丸く収まりましたが……」
歩夢「収まってないよ！？」
せつ菜「う……とにかくです！これが昨夜起こったことの全てです。しっかり！覚えておいてくださいね！」
歩夢「忘れたくても忘れられないよぉ……///」
105: 2021/05/19(水) 00:28:37.94 ID:FqLb/J6f
せつ菜「あの……それで、ですね」
歩夢「？なに？」
せつ菜「いえ、その……次は、どうしますか？」
歩夢「えっ」
せつ菜「ですから、次……どのくらいの頻度で、吸うんですか？///」
歩夢「1か月くらい、かな」
せつ菜「わかりました。飲みたくなったら、いつでも言ってくださいね」
歩夢「……はい」
歩夢「？なに？」
せつ菜「いえ、その……次は、どうしますか？」
歩夢「えっ」
せつ菜「ですから、次……どのくらいの頻度で、吸うんですか？///」
歩夢「1か月くらい、かな」
せつ菜「わかりました。飲みたくなったら、いつでも言ってくださいね」
歩夢「……はい」
106: 2021/05/19(水) 00:31:16.83 ID:FqLb/J6f
せつ菜「ごほんっ！それじゃあ、練習に行きましょう！今日も……」ﾌﾗｯ
歩夢「ちょ……せつ菜ちゃん？」
せつ菜「なんだか、頭がくらくらして……これって」
歩夢「貧血だよ！やっぱり吸いすぎちゃったんだ……！せつ菜ちゃん、しっかり！」
せつ菜「ほ、本望……です……」ﾊﾞﾀｰﾝ
歩夢「せつ菜ちゃぁあああんっ！！」
おしまい
歩夢「ちょ……せつ菜ちゃん？」
せつ菜「なんだか、頭がくらくらして……これって」
歩夢「貧血だよ！やっぱり吸いすぎちゃったんだ……！せつ菜ちゃん、しっかり！」
せつ菜「ほ、本望……です……」ﾊﾞﾀｰﾝ
歩夢「せつ菜ちゃぁあああんっ！！」
おしまい
107: 2021/05/19(水) 00:32:05.88 ID:Aq3pF++j
は？
111: 2021/05/19(水) 01:09:02.34 ID:qEzEkydA
続いて
110: 2021/05/19(水) 00:46:44.27 ID:lcEIasSv
これはよいものだ、
109: 2021/05/19(水) 00:45:08.49 ID:cwjjmj8P
あゆむヴァンプだ
こういうしっとりしたせつ菜も良いね
こういうしっとりしたせつ菜も良いね
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1621333607/