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■約35000文字■Day1
彼方「朝香さん、ここ座ってもいい?」
果林「……あら、珍しいこともあるのね。もちろんよ」
学内のカフェでひとり物思いに耽っている同級生。机に置かれた肘の前にはブラックコーヒーが湯気を立てて主人に存在をアピールしている。
それを敢えて無視するように、まるで相手を焦らしているように、私が知る限りずっと、彼女は窓の外を眺めていた。
彼方「何してたの?」
果林「見て分からないかしら」
彼方「うーん……私が来るのを待っていた、とか」
果林「私を名字で呼ぶような人を?」
彼方「やっぱり違う?」
果林「違うわね」
彼方「ちぇ……」
2022年12月12日 21:10
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