1: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 22:17:03.25 ID:p0CljKoO
>>2と>>4が>>6する話
安価ずれたら下を採用します
安価ずれたら下を採用します
2: (光) 2022/02/18(金) 22:18:57.71 ID:X3x6wFkx
果林
4: (SB-iPhone) 2022/02/18(金) 22:19:41.10 ID:Yy13lWZm
しずく
6: (奈良漬け) 2022/02/18(金) 22:19:53.99 ID:j7B9Ai4p
〇し合い
10: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 22:34:47.67 ID:p0CljKoO
果林「しずくちゃん、やめて!」
走りながら、必死に大声で叫ぶ
しずく「卑怯者!逃げるな!」
だけど、しずくちゃんは足を緩める様子はない
果林「はぁ、はぁ……………このままじゃ、追いつかれる……………」
部活も終わって生徒が帰宅したこの時間、もうほとんど生徒はいない
ここまでほとんどの教室の鍵が閉められていた
けど、視線の先に、扉が開いている教室を見つけた
果林「あそこならっ」
全力で、ここまでも全力ではあったけど、最後の力を振り絞るようにして一層加速する
急いで教室に駆け込み、扉を閉めた
ガラッ!
しずく「!」
視界の端でとらえたしずくちゃんとはまだ少しの距離があった
果林「鍵っ……………よかった、閉められる!」
入ってきた扉の鍵を閉める
急いで、もう一つの入り口の鍵を閉めに走る
果林「間に合って……………」
もう一つの方は、元々、扉は閉まっていたから、鍵を閉めるだけ
ガチャ
ガチャガチャ
果林「ちょ、何で!」
よく見ると少しだけ隙間が空いていてしっかりと閉まっていない
急いで、閉めようと、扉に手をかけたとき、隙間から、しずくちゃんと目が合った
走りながら、必死に大声で叫ぶ
しずく「卑怯者!逃げるな!」
だけど、しずくちゃんは足を緩める様子はない
果林「はぁ、はぁ……………このままじゃ、追いつかれる……………」
部活も終わって生徒が帰宅したこの時間、もうほとんど生徒はいない
ここまでほとんどの教室の鍵が閉められていた
けど、視線の先に、扉が開いている教室を見つけた
果林「あそこならっ」
全力で、ここまでも全力ではあったけど、最後の力を振り絞るようにして一層加速する
急いで教室に駆け込み、扉を閉めた
ガラッ!
しずく「!」
視界の端でとらえたしずくちゃんとはまだ少しの距離があった
果林「鍵っ……………よかった、閉められる!」
入ってきた扉の鍵を閉める
急いで、もう一つの入り口の鍵を閉めに走る
果林「間に合って……………」
もう一つの方は、元々、扉は閉まっていたから、鍵を閉めるだけ
ガチャ
ガチャガチャ
果林「ちょ、何で!」
よく見ると少しだけ隙間が空いていてしっかりと閉まっていない
急いで、閉めようと、扉に手をかけたとき、隙間から、しずくちゃんと目が合った
12: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 22:47:10.05 ID:p0CljKoO
反射的に足を伸ばして、閉まっている方の扉を足の力で押さえつける
開いていた方は、両手で閉める側に思いっきり引っ張る
でも、それと同時にしずくちゃんも扉に手をかけた
果林「んっ、ぬおおおお!!」
しずくちゃんが力を入れるより早く、思いっきり閉める
しずく「あ”っあぁ”っ」
しずくちゃんの細い指が扉に挟まれる
スライド式の扉にはゴムがついているから、扉の側は固さがない
けれど、指はおかしな体勢で挟まれて、指同士が重なったところがとても痛そうだ
しずく「う”っ、あ”っ」
しずくちゃんの悲痛な声に、一瞬力を抜きそうになる
ガッ!
その瞬間、扉に力が入った
力を抜く寸前だったから、なんとか、持ち直してそのまましずくちゃんの手を挟む
開いていた方は、両手で閉める側に思いっきり引っ張る
でも、それと同時にしずくちゃんも扉に手をかけた
果林「んっ、ぬおおおお!!」
しずくちゃんが力を入れるより早く、思いっきり閉める
しずく「あ”っあぁ”っ」
しずくちゃんの細い指が扉に挟まれる
スライド式の扉にはゴムがついているから、扉の側は固さがない
けれど、指はおかしな体勢で挟まれて、指同士が重なったところがとても痛そうだ
しずく「う”っ、あ”っ」
しずくちゃんの悲痛な声に、一瞬力を抜きそうになる
ガッ!
その瞬間、扉に力が入った
力を抜く寸前だったから、なんとか、持ち直してそのまましずくちゃんの手を挟む
13: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 22:51:50.26 ID:p0CljKoO
それから、しずくちゃんの力が抜けて、また急に扉を引っ張ろうとするのが何度か繰り返された
私が力を抜く瞬間を狙っているんだろう
ぜったいに失敗できないライブのとき以上の集中力で、一瞬も気を抜かずに扉に力を入れ続けた
それから、5分くらいだろうか
1時間くらい経っただろうか
ピタリと、しずくちゃんの動きが止まる
指が挟まれているから、そこにいるはずなのに、まったく少しも動かなくてまるでいなくなったかのよう
私はいつ急に力を込められるか気が気じゃなかった
果林「……………」
しずく「……………」
果林「……………」
しずく「うっ、うっ……………ぐすっ」
果林「!?」
私が力を抜く瞬間を狙っているんだろう
ぜったいに失敗できないライブのとき以上の集中力で、一瞬も気を抜かずに扉に力を入れ続けた
それから、5分くらいだろうか
1時間くらい経っただろうか
ピタリと、しずくちゃんの動きが止まる
指が挟まれているから、そこにいるはずなのに、まったく少しも動かなくてまるでいなくなったかのよう
私はいつ急に力を込められるか気が気じゃなかった
果林「……………」
しずく「……………」
果林「……………」
しずく「うっ、うっ……………ぐすっ」
果林「!?」
16: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 23:05:32.61 ID:p0CljKoO
しずく「痛い、痛い……………」
果林「……………」
しずく「果林さん、痛いです。なんでこんなことするんですか……………」
果林「……………」
しずく「本当に痛いんです……………」
しずく「このまま、指が曲がったら……………夢が叶わなくなっちゃう」
果林「っ」
果林「……………もう、追いかけてこない?」
しずく「……………はい、もうなにもしません」
果林「約束して。絶対裏切ったりしないって」
しずく「はい、約束します」
しずく「だから、お願いです。指を抜かせてください」
果林「……………っ」
扉の隙間を少しだけ開けた
次の瞬間、私が空けた隙間以上に扉が開かれる
そこには、しずくちゃんの笑った顔
果林「ふんっ!」
既に右腕を振りかぶっていた私は、思いっきり、しずくちゃんの顔面を殴りつけた
果林「……………」
しずく「果林さん、痛いです。なんでこんなことするんですか……………」
果林「……………」
しずく「本当に痛いんです……………」
しずく「このまま、指が曲がったら……………夢が叶わなくなっちゃう」
果林「っ」
果林「……………もう、追いかけてこない?」
しずく「……………はい、もうなにもしません」
果林「約束して。絶対裏切ったりしないって」
しずく「はい、約束します」
しずく「だから、お願いです。指を抜かせてください」
果林「……………っ」
扉の隙間を少しだけ開けた
次の瞬間、私が空けた隙間以上に扉が開かれる
そこには、しずくちゃんの笑った顔
果林「ふんっ!」
既に右腕を振りかぶっていた私は、思いっきり、しずくちゃんの顔面を殴りつけた
17: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 23:09:47.56 ID:p0CljKoO
しずくちゃんの身体が吹き飛ぶ
廊下の壁に打ち付けられたしずくちゃんはそのまま床に倒れこんだ
……………また、演技かもしれないから、安心はできない
その様子を見て、私は
1,追撃する
2,廊下に出て、そのまま校舎の出口まで走る
3,扉を閉めて鍵をかける
>>18
廊下の壁に打ち付けられたしずくちゃんはそのまま床に倒れこんだ
……………また、演技かもしれないから、安心はできない
その様子を見て、私は
1,追撃する
2,廊下に出て、そのまま校舎の出口まで走る
3,扉を閉めて鍵をかける
>>18
18: (光) 2022/02/18(金) 23:10:41.55 ID:X3x6wFkx
2
19: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 23:32:51.08 ID:p0CljKoO
……このまま校舎の出口まで走ろう
急に起き上がったしずくちゃんに、足を掴まれるなんてことがないように
視線を外さず、距離を保ったまま注意して廊下に出る
距離が十分離れたところで、私は全力で駆け出した
逃げてる最中は闇雲に走っていたから不安だったけれど
窓から見える校舎の出口に向かって進んでいたら、知っている道に出ることができた
このまま、まっすぐに寮への道を進む
いつもより遅い時間なせいで、人通りがまったくない
いつもと同じ時間なのに、まったく違う道のように感じた
海沿いに近いこの道は、都心にしては明かりも少なく、頼りになるのは、等間隔で立っている街路灯だけ
ふと、小学生のときに読んだ怖い本を思い出す
学校の図書室に唯一置いてある漫画だったからクラスでちょっとだけ流行ったやつだ
こんな風に人通りがまったくない暗い道で、街路灯の光がないところで息をすると、暗闇に連れていかれてしまう話
帰りが遅くなってしまった主人公の女の子は、街路灯の間を息を止めて走る
ようやく家に着こうというその直前で、転んでしまって、街路灯に照らされていないところで息をしてしまう
そしてその子は連れていかれた
……………なんで急にそんな話を思い出したんだろう
さっきあんなことがあったばかりだから、バカバカしい話だったと思いつつも、背筋が冷えて身震いした
急に起き上がったしずくちゃんに、足を掴まれるなんてことがないように
視線を外さず、距離を保ったまま注意して廊下に出る
距離が十分離れたところで、私は全力で駆け出した
逃げてる最中は闇雲に走っていたから不安だったけれど
窓から見える校舎の出口に向かって進んでいたら、知っている道に出ることができた
このまま、まっすぐに寮への道を進む
いつもより遅い時間なせいで、人通りがまったくない
いつもと同じ時間なのに、まったく違う道のように感じた
海沿いに近いこの道は、都心にしては明かりも少なく、頼りになるのは、等間隔で立っている街路灯だけ
ふと、小学生のときに読んだ怖い本を思い出す
学校の図書室に唯一置いてある漫画だったからクラスでちょっとだけ流行ったやつだ
こんな風に人通りがまったくない暗い道で、街路灯の光がないところで息をすると、暗闇に連れていかれてしまう話
帰りが遅くなってしまった主人公の女の子は、街路灯の間を息を止めて走る
ようやく家に着こうというその直前で、転んでしまって、街路灯に照らされていないところで息をしてしまう
そしてその子は連れていかれた
……………なんで急にそんな話を思い出したんだろう
さっきあんなことがあったばかりだから、バカバカしい話だったと思いつつも、背筋が冷えて身震いした
20: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 23:33:16.49 ID:p0CljKoO
ガッ
足が何かにつまづいた
身体が前に倒れこむ
上手く両手をついて、怪我をしなかった
身体に傷がつくようなことがなかったことに、何より安堵する
だけど、次の瞬間、背筋がぞっと寒くなった
後ろを振り向くとそこにはしずくちゃんが____
果林「誰もいない……………」
立ち上がって、寮に向かって走った
今度は転ばないように
足が何かにつまづいた
身体が前に倒れこむ
上手く両手をついて、怪我をしなかった
身体に傷がつくようなことがなかったことに、何より安堵する
だけど、次の瞬間、背筋がぞっと寒くなった
後ろを振り向くとそこにはしずくちゃんが____
果林「誰もいない……………」
立ち上がって、寮に向かって走った
今度は転ばないように
21: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 23:40:23.90 ID:p0CljKoO
寮では、門限を破ったことを相当怒られた
私は寮では優等生だから、こんなに怒られるのは初めてだったけど
さっき感じていた恐怖との落差で、むしろ怒られている最中なのに、なんだか安心した
エマもいつも通りだった
エマ「果林ちゃんが門限破るなんて珍しいね、なにしてたの~?」
果林「……………ちょっとね」
しずくちゃんのことは、言わなかった
信じてもらえないと思ったし、今の普段通りすぎる寮の様子を見たら、なんだか夢だったような気がしてきたのだ
エマ「そっか~」
エマ「なんにもなくて安心したよ。それじゃあもう遅いし、わたし部屋に戻るね」
果林「あっ」
エマ「?」
果林「なんでもないわ」
果林「エマ、また明日」
エマ「うん、明日、おやすみなさい、果林ちゃん」
今日だけ、一緒に寝て欲しい
なんてことを言いそうになった
私は寮では優等生だから、こんなに怒られるのは初めてだったけど
さっき感じていた恐怖との落差で、むしろ怒られている最中なのに、なんだか安心した
エマもいつも通りだった
エマ「果林ちゃんが門限破るなんて珍しいね、なにしてたの~?」
果林「……………ちょっとね」
しずくちゃんのことは、言わなかった
信じてもらえないと思ったし、今の普段通りすぎる寮の様子を見たら、なんだか夢だったような気がしてきたのだ
エマ「そっか~」
エマ「なんにもなくて安心したよ。それじゃあもう遅いし、わたし部屋に戻るね」
果林「あっ」
エマ「?」
果林「なんでもないわ」
果林「エマ、また明日」
エマ「うん、明日、おやすみなさい、果林ちゃん」
今日だけ、一緒に寝て欲しい
なんてことを言いそうになった
22: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 23:51:56.31 ID:p0CljKoO
午前3時を過ぎても、まったく眠くならなかった
当然といえば、当然かもしれないが、さっきまではなぜか眠れる気がしたのだ
やっぱりエマのところに行く?
さすがに、こんな時間には………
眠るのを諦めて、ベッドから出る
冷えた空気が肌を伝って、身体が震えた
私はエアコンの空気で肌が乾燥するのが嫌だから基本的に暖房は使わない
ニジガクの寮は断熱がしっかりしてる方だけど、この2月の夜に暖房なしでは寒いのは否めない
学校に置き去りにしたしずくちゃんのことを思う
しずくちゃんは大丈夫だろうか
___なんであんなことをされたのに心配しなくちゃいけないんだろう
どんな感情を持てばいいかわからないまま、部屋を出てお手洗いに向かう
トン
トン
足音が廊下に響く
トン
トン
トン
ふと、違和感を感じた
足音が微妙にずれているような
後ろを振り返ろうとした瞬間、背中に熱いものを感じる
果林「えっ」
滲む視界の中で、しずくちゃんの顔が笑った
当然といえば、当然かもしれないが、さっきまではなぜか眠れる気がしたのだ
やっぱりエマのところに行く?
さすがに、こんな時間には………
眠るのを諦めて、ベッドから出る
冷えた空気が肌を伝って、身体が震えた
私はエアコンの空気で肌が乾燥するのが嫌だから基本的に暖房は使わない
ニジガクの寮は断熱がしっかりしてる方だけど、この2月の夜に暖房なしでは寒いのは否めない
学校に置き去りにしたしずくちゃんのことを思う
しずくちゃんは大丈夫だろうか
___なんであんなことをされたのに心配しなくちゃいけないんだろう
どんな感情を持てばいいかわからないまま、部屋を出てお手洗いに向かう
トン
トン
足音が廊下に響く
トン
トン
トン
ふと、違和感を感じた
足音が微妙にずれているような
後ろを振り返ろうとした瞬間、背中に熱いものを感じる
果林「えっ」
滲む視界の中で、しずくちゃんの顔が笑った
23: (ささかまぼこ) 2022/02/18(金) 23:52:15.13 ID:p0CljKoO
おしまい
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1645190223/