【SS】きな子「insensible」夏美【ラブライブ!スーパースター!!】

liella!二期生ーSS


2: (あら) 2022/10/07(金) 20:48:25.72 ID:6Wbkw2Mq
きな子「うぅ…」

きな子「夏美ちゃーん、ここ教えて欲しいっすー」

夏美「…」カタカタカタタ

きな子「夏美ちゃーん?」

夏美「ぐっふっふふぅー。これは…これはキテますの…!」カチカチ…ッターン

きな子「夏美ちゃーん!? 問14の解き方教えて欲しいんすけどー!」

夏美「そこに置いてるノートに解き方を書いてますの! それ見れば大丈夫ですの」カタカタカタ

夏美「にょほー!? マママジですのー!? ついに来た…来ましたのー!」ガタッ

きな子「何が来たんすか?」

夏美「大物YouTuberとのコラボ企画でっすのー! 返信返信~~~♪」カチカチッ

きな子「ふーん? 夏美ちゃんも勉強しとかないと明日のテスト大変なことになるっすよ」

夏美「♪♪♪~~~~!」ッターン
 
3: (あら) 2022/10/07(金) 20:53:04.47 ID:6Wbkw2Mq
夏美「!?」クルクル

夏美「急にネットの接続が悪くなりましたの!? あぁ…やっぱりNUR〇に変えるんじゃなかったですの」

夏美「どうしようどうしよう…早く返信しないと…!」

きな子「えぇ…? こんなやり方で解けるっすか…なるほど?」

夏美「…にゃはっ♪」

夏美「きな子さん、きな子さん」チョイチョイ

きな子「なんっすかー…? 今集中してるから話しかけないで欲しいっすー…」

夏美「ノートのお題と言ってはなんだけど、少しスマホを貸してもらえませんの?」

きな子「スマホっすか? そこに置いてるからどうぞっすー」

夏美「やりっ!」

夏美「ふふふ~ん、デザリングONでっすの~」

夏美「快適快適~」カタカタ…ッターンッターンッターン

きな子「…むむぅ」
 
4: (あら) 2022/10/07(金) 20:58:20.87 ID:6Wbkw2Mq
きな子(この学校に来て始めて出会った同級生、鬼塚夏美ちゃん)

きな子(私は彼女の助言に背中を押されて部活に入り、充実した日々を送れている)

きな子(感謝したくても感謝しきれない、大事な友だち)

夏美(この学校に来て始めて声を掛けてくれたお友だち、桜小路きな子さん)

夏美(あと一歩で道を踏み外したかもしれない私を止めてくれた人)

夏美(私が新しい夢を追いかけて楽しく過ごせるのは貴女のお陰)

きな子・夏美(そんなあなたのことが―――)


きな子「夏美ちゃんのことなんか…大嫌いっす!」

夏美「っ…!? 私も貴女のことなんか知らないですの!」

夏美「絶交ですのーーーーー!!」
 
6: (あら) 2022/10/07(金) 21:03:25.65 ID:6Wbkw2Mq
メイ「…」

四季「…」

きな子「…」

夏美「…」

メイ「…なんかよぉ、あの二人えらく険悪じゃないか?」

四季「喧嘩でもした?」

メイ「かもしれねぇなぁ。昨日テストで揃って赤点とった後、言い争ってたもんなぁ」

四季「そういえば、テストの前に2人で勉強会するって言ってた」

メイ「あー、じゃあどっちかが間違った解き方教えたとかそんな理由か?」

四季「かも、しれないけど…それだけ?」

メイ「うーん」
 
7: (あら) 2022/10/07(金) 21:09:10.14 ID:6Wbkw2Mq
メイ「なぁ、お前らどうしたんだよ」

きな子「どうしたって…なんすか?」

きな子「きな子は今までとなんにも変わらないっすよ」プイッ

メイ「うおぉ…」

メイ「いやいや、絶対なんかあったろ…」

メイ「夏美と喧嘩でもしてるのか?」

きな子「っ!!」ギロッ

メイ「そうなんだな?」ジッ

きな子「…っ」

きな子「あんな人…知らないっす」

メイ「はぁ…。そうかよ」


夏美「…」

四季「…ふむ」
 
9: (あら) 2022/10/07(金) 21:14:43.05 ID:6Wbkw2Mq
夏美「…」

きな子「…」


四季「そっちはどうだった?」

メイ「四季と大体同じだな。すっごい睨まれたぞ」

メイ「睨み返したら黙ったけどな」

四季「…」

四季「顔怖いの気にしてるんじゃなかったの?」

メイ「こういうのは使いようだ」

四季「まぁ…メイが将来悪い大人になるかもしれない部分は放っといて」

四季「これ…私たちが間に入った方がいいよね?」

メイ「そうだな…。まずは…」
 
10: (あら) 2022/10/07(金) 21:21:06.62 ID:6Wbkw2Mq
すみれ「うんうん。報告・連絡・相談は大事よ。あんたたち、よく言ってくれたわね」

四季「二人が補習で週末まで来られないのは言っとかないといけなかったから…」

千砂都「だとしても有難う。二人とも、まるだね♪」

可可「こうして後輩から相談されるのは嬉しいデスね」

すみれ「それで、喧嘩の件だけど…」

すみれ「私たちが間に入って解決した方がいい?」

メイ「…いや」

四季「私たちで解決します」

千砂都「…」

千砂都「よし、じゃあこの件は二人に任せるよ」

四季・メイ「はいっ!」

千砂都「何かあればまたいつでも相談してね」
 
12: (あら) 2022/10/07(金) 21:27:17.83 ID:6Wbkw2Mq
かのん「…」ウズウズ

千砂都「かのんちゃん?」ガシィッ

かのん「ど、どうしてそんなに強く手を引っ張るの? ちぃちゃん」

千砂都「ダメだよ?」ニッコリ

かのん「うっ」

すみれ「そうよ。この件は1年生たちで解決する。そういう話なんだからアンタは座ってなさい」

かのん「でも…心配じゃん」

可可「そこを信じるのが先輩というものデス」

可可「第一、かのんが『先輩として』出張ったらそれは本当の解決にならないデスよ」

かのん「確かに…そうかもしれないけど」

恋「ふふ。心配しているところ申し訳ないのですが…」

恋「きな子さんが週末まで生徒会に来られない分の仕事はかのんさんに全部投げておきますね♪」

かのん「え゙ぇ゙っ゙!? 全部ぅ!?」

すみれ・千砂都・可可「ナイス恋(ちゃん・レンレン)!」
 
14: (あら) 2022/10/07(金) 21:33:03.48 ID:6Wbkw2Mq
きな子「…」

きな子(ここの問題…全然解き方違うじゃないっすか…)

きな子(何がノートに書いてるっすか…。夏美ちゃんも赤点取って補習に参加してるし…)

きな子(部や生徒会の先輩たちに赤点とったなんて言うのすっごく恥ずかしかったんすよ…?)

きな子(しかも、いつの間にか私のスマホを勝手に使って通信料凄いことにして…)

きな子(赤点のことと併せてお母さんからたくさん怒られたっすよ)

きな子(それに…何より…)


夏美「…」

夏美(ここの解き方…全然違いましたの。けど、それを見て赤点取ったからって怒るのは逆恨みですの)

夏美(むしろ違う解き方だって指摘してくれたらこうはならなかったのに)

夏美(デザリングの件は確かに申し訳なかったですの。けど、そんなに凄い額にはならないしちゃんと返しますの)

夏美(今回の件は一世一代のチャンス…こっちにも譲れないことがありますの!)

夏美(それは…それだけは…)
 
15: (あら) 2022/10/07(金) 21:38:41.86 ID:6Wbkw2Mq
キーンコーンカーンコーン

四季「補習が終わる時間だね」

メイ「行ってみるか!」


きな子「…」

夏美「…なんですの?」

きな子「っ…なんでもないっす。そっちこそ近寄らないで欲しいっす」

夏美「なっ…ツ!?」

夏美「近寄らないで欲しい!? 私がいつ貴女なんかに近付きましたの!?」

きな子「なん、か…!?」

きな子「夏美ちゃん『なんか』に言われたくないっす!」

きな子「マニーマニー言ってるような守銭奴は一人で寂しく誰も来ない動画配信でもしれてばいいっす!」

夏美「………っっ!!!!」ギロッ

きな子「!?」ハッ
 
17: (あら) 2022/10/07(金) 21:48:18.86 ID:6Wbkw2Mq
夏美「…」ダダダッ

メイ「おっ…!? 夏美!?」

四季「夏美ちゃん!」

四季(追いかけた方がいい? でも…私たちのことすら全然目に入ってないみたいだった)

四季(今は…)

きな子「あ…あぁ…」

きな子「私…」

四季「きな子ちゃん…」

メイ「何があったのか知らないけどよ…」

メイ「とりあえず座れ…。顔、真っ青だぞ」

きな子「私…どうして…」ヘタリ

四季「…一足遅かった」
 
18: (あら) 2022/10/07(金) 21:54:27.94 ID:6Wbkw2Mq
四季「はい、飲み物」

きな子「…」

メイ「まずは飲めって」

きな子「いらない…っす…」

メイ「これから色々話してもらわないといけないからな。喉乾くぞ?」

きな子「…」ブルッ

きな子「何も言うことはないっす。これはきな子の問題っすから」

メイ「あ?」

きな子「っ…」

メイ「さっきの騒ぎ、先生も見てたんだぞ? 先輩たちにも広まる話なんだぞ?」ズイッ

メイ「それなのに自分の問題だって言い張るのか?」ズイズイッ

きな子「う…」

四季「はいはい。メイ、顔怖い」

四季「それ飲んで…落ち着いたら話して? きな子ちゃん」
 
19: (あら) 2022/10/07(金) 22:00:48.14 ID:6Wbkw2Mq
四季「…」

メイ「…」

きな子「…」

きな子「ずっと、そこにいる気っすか…?」

メイ「下校時間は守る。けど、その後はきな子の家まで付いていく」

四季「me too.」

四季「言いたくないならそれでもいい。その時はちゃんと言って」

四季「けど、逃げるのだけは嫌」

四季「私たちも…友だち、でしょ?」

きな子「四季ちゃん…メイちゃん…」


きな子「…」

きな子「あれは――――」
 
20: (あら) 2022/10/07(金) 22:05:26.06 ID:6Wbkw2Mq
昨日――

きな子「な、なんすかこれ…」プルプル

きな子「月初めに入ったばっかりなのにこんなにデータ通信してる…」

きな子「夏美ちゃん、どういうことっすか!?」

夏美「にゃ、にゃははー…それは昨日デザリングという機能を使ったからで」

きな子「デザリング…!?」スマスマ

きな子「私のスマホの通信料を使って夏美ちゃんのPCでネットしたってことっすか!?」

きな子「動画いっぱい見てたしそりゃあこんな額にもなるっす…」

夏美「ごめんなさいー! 昨日は緊急事態だったから」

きな子「緊急事態? 緊急事態ってなんなんっすか」

きな子「テストで赤点とるより大事なことなんすか!?」

きな子「夏美ちゃんのせいで私まで赤点とったんすよ!?」

夏美「はぁ~? それは逆恨みですの! 勉強してない自分が悪いんですの」
 
21: (あら) 2022/10/07(金) 22:10:44.57 ID:6Wbkw2Mq
きな子「た、確かにそうっすけどそんな言い方…!」

夏美「いーや、言わせてもらいますの」

夏美「きな子さんが解き方の間違いに気付いていれば私だって赤点にはならなかったんですの」

夏美「第一、勉強会なのに解き方を聞いてきてばかりで私に得がなかったですの」

きな子「うっ…」

夏美「それならデザリングの件はお礼代として適当なんじゃないですの? 大体同意も得たし」

きな子「同意ってなんすか!? 私はデザリングなんて知らないっす…知らないと思ってやったっすよね!?」

きな子「それって悪意的じゃないっすか!?」

きな子「やっぱり、すみれ先輩が言ってたような悪いことをする人だったんすね!?」

夏美「言わせておけば…終わった話を蒸し返さないで!」

夏美「昨日は…昨日は本当に緊急事態だったんですの!」

きな子「そうっす…その、緊急事態って…」

きな子「何なんすか…?」
 
22: (あら) 2022/10/07(金) 22:14:11.63 ID:6Wbkw2Mq
夏美「言ったでしょう? 大物YouTuberとのコラボ企画の打診があったんですの」

夏美「今すぐにでも返事や商談がしたかった。その為に仕方なかったんですの」

夏美「動画配信でもっと上を目指すのは私の目標ですの」

きな子「…!」

きな子「それは…それはLiella!よりも大事な目標なんすか」

夏美「え?」ドキッ

きな子「赤点を取れば部には出られないっす! それが分かったうえでずっとあんなことしてたっすか!?」

きな子「たった数日補習に出るだけ…っすけど! 私たちは全国優勝を目指してるんすよ!?」

きな子「先輩たちやメイちゃん、四季ちゃんにどれだけ遅れをとると思ってるんすか!」

夏美「っそれは…!」

夏美「そもそも! 赤点取る前提がおかしいんですの! 貴女が指摘していれば…」

きな子「それこそ逆恨みじゃないっすか!!」
 
23: (あら) 2022/10/07(金) 22:18:33.51 ID:6Wbkw2Mq
きな子「そんなことなら…そんなことなら…そんな企画…!」

きな子「やめちゃえばいいじゃないっすかぁーーーー!」

夏美「あ…」

夏美「やめる!? 動画配信を!?」

夏美「よくもそんなこと…!!! 貴女に私の何が分かるんですの!?」

きな子「っ…!?」

夏美「出てって…」

夏美「もう…来ないで!!」

きな子「~~っ!」

きな子「夏美ちゃんのことなんか…大嫌いっす!」

夏美「っ…!? 私も貴女のことなんか知らないですの!」

夏美「絶交ですのーーーーー!!」
 
24: (あら) 2022/10/07(金) 22:22:29.71 ID:6Wbkw2Mq
夏美「っ…」

きな子「…」クルッ

きな子「っ…」ダダダッ

夏美(なんて言いたかったんだろう―――)

夏美(私に背中を見せて走りゆく貴女)

きな子(貴女に背中を見せて走る私)

きな子(本当に伝えたかったのはこんなことじゃなかったのに…!)

夏美「あ…」

夏美(走れ――走れ走れ走れ、手を伸ばして――――今ならまだ追いつけますの!)

夏美(なのに…どうして立ち尽くしてますの…!?)

きな子(もう一度、振り返った時…)

きな子(夕陽で形作られた私の影だけが空へと吸い込まれていた)
 
26: (あら) 2022/10/07(金) 22:26:42.66 ID:6Wbkw2Mq
きな子「…」

メイ「…」

四季「…」

メイ「まぁ、なんだ…」

四季「有難う。話してくれて」

四季「お代わりいる?」

きな子「いいっす…」

きな子「そんなことより、話したっすよ…? 帰るっす…」

四季「えっ…」

きな子「メイちゃんと四季ちゃんはいいっすね。仲良しで…」

メイ「ちょっ…! 待てよ!」ガシッ

きな子「離して!」バチィッ

メイ「痛っ…!」

きな子「ぁ…! ゴメンなさいっす…」ダダダッ
 
27: (あら) 2022/10/07(金) 22:30:25.68 ID:6Wbkw2Mq
メイ「…」

メイ「…なんか、余計状況悪くなってないか」

四季「ゴメン…」

メイ「四季が謝ることじゃないだろ」

メイ「きな子に今回の一件について話させることが出来たんだ。大事なことだろ」

メイ「最後に上手く引き止められなかった私の責任だ…」

四季「そうじゃない…」

四季「もっときな子ちゃんに同調してあげれば良かった」

四季「きな子ちゃんと夏美ちゃん、どっちが正しいとかじゃなくて話自体に」

メイ「そうか…」

メイ(『メイちゃんと四季ちゃんはいいっすよね。仲良しで…』)

メイ「私たちだって…しょっちゅう喧嘩してるってんだよ…」
 
28: (あら) 2022/10/07(金) 22:34:04.16 ID:6Wbkw2Mq
四季「…どう思った? きな子ちゃんの話」

メイ「どっちもどっち、お互い悪いとしか言いようがないだろ」

メイ「勉強してないのはお互い悪い」

メイ「デザリング云々は夏美が悪いけど悪意がどうとかはまた別の話」

メイ「問題は…夢の話だ」

四季「夏美ちゃんがまだ動画配信に力を入れていて、きな子ちゃんがLiella!のことをそこまで考えていたなんて」

四季「こっちの話が重くて…上手く説得できるような気がしない」

メイ「…先輩たちにもう一回相談するか?」

四季「…」

四季「う…」

四季「メイはどうしたい?」

メイ「私は…自分たちで解決するって言ったから自分たちで解決する」

メイ「数か月後には私たちもあの先輩たちのようになってないといけないんだからな…!」
 
29: (あら) 2022/10/07(金) 22:39:13.87 ID:6Wbkw2Mq
四季「…」ポチッ

ピンポーン

四季「…」

可可「どーぞ、上がって下サイ」ガチャッ

四季「お邪魔します…」

可可「四季が一人で可可の家に来るなんて…!」

可可「これはまさか愛の告白!? ドキドキしマスね」

四季「…」

可可「冗談はやめておきマス。ゴメンナサイ」

四季「はい…。こちらこそ夜なのにすみません」

四季「どうしても…私だけで頭が纏まらなかったので」

四季「『解決』は私たちでしますから…『相談』に乗ってください…」

可可「…もちろん、そのつもりデスよ」ニコッ
 
30: (あら) 2022/10/07(金) 22:44:31.05 ID:6Wbkw2Mq
可可「なるほど…なるほどなるほど…」

可可「夢を追いかける夏美に、Liella!を大事にするきなきな…!」

可可「いい話デス…」ウルウル

四季「…」

可可「そして悲しいすれ違いデスね…」

可可「四季はどう思うんデスか?」

四季「…どちらも、悪いと思います」

四季「ただ、どちらの想いも尊重しないといけないです」

可可「そうデスよね…」

可可「Liella!の夢はみんなの夢…でも、別の目標がある人だっています」

可可「レンレンは学校を盛り上げることデスし、すみれはショウビジネスに戻ることも考えてマス」

可可「2つの夢が重ならないなら、どちらかを取らなければなりまセン」

可可「そしてそれを止める術は、可可たちにはありまセン」
 
31: (あら) 2022/10/07(金) 22:49:20.92 ID:6Wbkw2Mq
四季「…」

可可「けど、本当にこの夢は重ならないのデスか?」

四季「え…?」

可可「夢を2つ見てはいけないのデスか?」

四季「…!!」

可可「重なる夢ならそのまま頑張ればいい」

可可「重ならない部分や2つ目の夢、それに勉強などはそれぞれ頑張るしかありませんが…」

可可「それを他の仲間と協力して叶えてもいいはずデス」

可可「四季が本当に思っていることは、そういうことデハ?」

四季「…」

四季「…はい!」

可可「具体的にどうするかはメイと考えるんデショウ? 頑張って下サイね」

可可「四季は、頭の良い子デス」

四季「ありがとうございます…!」
 
33: (あら) 2022/10/07(金) 22:53:10.81 ID:6Wbkw2Mq
四季(上手く言語化が出来なかった)

四季(2人の言い分の何が悪いか、どうするべきか)

四季(私たちに何が出来るのか)

四季(これから、どうして行くべきなのか)

四季(可可先輩は、私が思っていることを纏めてくれた…)

四季(何一つ、新しい意見を出さずに)


四季(可可先輩に相談したのは…)

四季(①いつもすみれ先輩と喧嘩していて仲直りの方法も知っていると思ったから)

四季(②は――――――)

四季「やっぱり先輩に相談して良かった…。私たち、あんな風になれるのかな…?」
 
34: (あら) 2022/10/07(金) 22:57:19.48 ID:6Wbkw2Mq
可可「…と、いうことがありまシタ」zoom

すみれ「…」zoom

千砂都「…」zoom

恋「…」zoom

かのん「え、なんで可可ちゃんのとこに来たの四季ちゃん…」zoom

可可「可可が一番頼りになるからデスかね」フフン

すみれ「ありえない」

千砂都「私、もしかして相談しづらい怖い先輩と思われてる…?」

恋「まぁまぁ、四季さんとメイさんの方だけでも良い方向に向かっていると分かって良いじゃないですか」

可可「そーいうことデス」

可可(可可に相談が来た理由は…『可可が一番こういうことに向いてなさそうだから』)

可可(部を纏めることが多い千砂都やかのんに頼っては自分たちの為にならない。そのうえで誰かに相談したい)

可可(その間を取っての可可…ということデス)

可可(生意気な後輩たちデス。…が、大会優勝を目指すメンバーなのだからこのくらいでなくては♪)
 
35: (あら) 2022/10/07(金) 23:01:40.36 ID:6Wbkw2Mq
恋(可可さんのところに四季さんが来たように、実は私もメイさんとお話したのです)

恋(もっとも…)


メイ「…はい、恋先輩?」TEL

恋「もしもし、こちら葉月恋です。メイさんですか? 夜分遅くに失礼します」TEL

メイ「夜遅くなのは構わないけどなんだよ…今日は考えることがあるんだ」

恋「あら、そうなんですね。その、考えることというのは…」

恋「先輩に相談しなくても大丈夫ですか?」

メイ「!!」

メイ「大丈夫だ…。なんとかする」

メイ「今回の件は私たちで解決する。そう決めたんだ」

恋「そう、ですか…」

恋(少し寂しいです。けど…私たちは大会優勝を目指すメンバー、こういう気骨は必要なんでしょうね)

恋「これは独り言ですが…とある人たちと険悪になった時、話を聞いてくれたことから解決に近づいたんですよね~」
 
36: (あら) 2022/10/07(金) 23:05:16.54 ID:6Wbkw2Mq
メイ「おはよう、四季」

四季「Good Morning.メイ」

メイ「きな子と夏美になんて言うか考えて来たか?」

四季「可可先輩と相談して決めた」

メイ「そっか…。先輩と相談したんだな」

四季「メイは? 恋先輩のところに行ってないの?」

メイ「昨日言った通りだよ。今回の件は1年生で解決する。私は自分で考える」

メイ「四季と違って頭良くないけどよ…一晩しっかり考えて来た」

四季「そう…」

四季(それもまた、一つなのかな)

メイ「授業が終わったら私がきな子と話す」

四季「夏美ちゃんは私が。OK」

メイ「よし、じゃあ…」

四季「話そう。昨日考えてきたこと」
 
37: (あら) 2022/10/07(金) 23:09:19.00 ID:6Wbkw2Mq
四季(昨日の一件があって…きな子ちゃんと夏美ちゃんの喧嘩はクラスでも噂になっていた)

四季(そのせいか2人の周りには不穏な空気が流れていた…)

メイ(授業が終わってからはそのまま補習へ。私たちは練習へ)

メイ(補習が終わる時間より前に練習を切り上げさせてもらって…)


メイ「おい、顔貸せよ」

きな子「なんすか…? カツアゲっすか?」

メイ「お前なんで私にまでそんな態度なんだよ…」

きな子「…」

きな子「確かにその通りっす…」

きな子「ごめんなさい…」

メイ「ま、いいんだけどな。私だって四季と喧嘩した時は目つき悪いんだろうし」

メイ「話そうぜ。お前の家まで歩きながらさ」
 
38: (あら) 2022/10/07(金) 23:12:57.50 ID:6Wbkw2Mq
メイ「そんな顔しながら歩くなよ…。本当にカツアゲしてるみたいだろ…」

きな子「じゃあ早く本題に入ってくださいっす…」

メイ「…そうだな」

メイ「ぶっちゃけさ、自分が悪いところは分かってるんだろ?」

きな子「…!!」

きな子「悪いところがあったのは分かってるっす。けど…」

メイ「ゆず…」

メイ(いや、ここはきな子に全部言って貰わないと)

きな子「譲れないところがあるっす。勉強はしてない自分が悪いし、デザリングもそこまで怒ることじゃないっす」

きな子「けど…紆余曲折あったとはいえLiella!より動画配信を選んだのは許せないっす」

メイ「…」

きな子「メイちゃんはどう思うっすか?」

メイ「私は…そうだな」
 
39: (あら) 2022/10/07(金) 23:16:54.55 ID:6Wbkw2Mq
メイ「私は夏美みたいな目標はないからさ、アイツがどこまでこだわってるのか分からないけどよ…」

メイ「どっちも大事だと思ってる、そう思ってるよ」

きな子「…そうじゃなかったじゃないっすか」

メイ「たまたま失敗しただけだろ」

メイ「そりゃあ意識が低かったのは間違いない。赤点なんて考えてなかったんだろ」

メイ「それはアイツも悪いけど…」

メイ「そういう意識にしてやれなかった私たちも悪いと思ってる」

メイ「現に私と四季はしっかり勉強してきたわけだからな。一緒に勉強会に誘えば良かった」

きな子「そんな…」

きな子「そ、そういう話じゃないっす! 」         ソウカナ?ガシイッ

きな子「夏美ちゃんは…」                 ゴソゴソ

メイ「Liella!より別のことを大事にする人であって欲しいのか?」

きな子「えっ…!?」

メイ「そうじゃないだろ? 少し頭冷やせよ…きな子にとって夏美はなんなんだよ…?」
 
40: (あら) 2022/10/07(金) 23:20:58.17 ID:6Wbkw2Mq
きな子「私にとっての…夏美ちゃん…」


夏美『やってもないのに、向いているかどうかなんて分からないでしょ?』

夏美『…本当にないから、こうしているんですの。マニーを稼ぐくらいしか、ないんですの…』

夏美『最高だった、ですの…! 見つけたかも…私の、夢…!!』


きな子「夏美ちゃん…夏美ちゃん…」

メイ「アイツと一緒に練習してきたんだったら分かるだろ?」

メイ「夏美が本気で練習に打ち込んできたこと。なら…信じてやれよ」

メイ「もし、夏美が本当に道を外していると思うんならその時はお前が正してやれ。その時は私たちにも言えよ?」

メイ「夏美の目標を応援したいのならそうしてやれ。勉強くらいなら私…はともかく四季が教えるからよ」

メイ「だから…………もう、喧嘩なんてすんじゃねーよ…!」

きな子「メイちゃん…!」
 
42: (あら) 2022/10/07(金) 23:24:22.45 ID:6Wbkw2Mq
メイ「はは…。ダメだな」

メイ「先輩に話をちゃんと聞くように言われてたのに…自分の言いたいことばっかり言って」

メイ「昨日はゴメンな? 腕掴んで」

きな子「ぁ…うぁ…!」

きな子「そんなことないっす…!」

きな子「メイちゃん…メイちゃぁん…!!」

きな子「私の方こそゴメンっす…! メイちゃん…!」

きな子「私の方こそ…自分のことばっかりで、自分が正しいと思い込んで…」

きな子「夏美ちゃんが一緒に頑張ってきたこと…忘れてたっす…!!」

メイ「ああ…アイツは私たちの仲間だもんな」

きな子「うん…うん…!」

メイ「謝りに行こうぜ」ピコン

メイ「四季…苦戦してるみたいだな…」
 
43: (あら) 2022/10/07(金) 23:28:17.15 ID:6Wbkw2Mq
夏美「…」

夏美「どれだけ言われても、家に入れる気はないですの…」

夏美「今回の件は私が全部悪い」

夏美「赤点をとったのも自分の責任。デザリングの件もきな子さんが知らないと思ってやったのは否定できない」

夏美「通信料は…ちゃんと返さないと」

夏美「…」

夏美「結局…全然やる気が出なくてコラボ配信の話もナシにしてしまいましたの」

夏美「動画配信も全然なのに練習もせず…私は一体何をしてますの…?」

夏美「…」

夏美「動画配信…Live配信の時間ですの…」

夏美「コラボ配信の告知してたから今からLive配信しないと…視聴者に謝らないと…」

夏美「まぁ、視聴者なんていないんですの…」ピコン


視聴者:1名 コメント「Hello.」
 
44: (あら) 2022/10/07(金) 23:32:04.62 ID:6Wbkw2Mq
夏美「…」

夏美(絶対四季さんですの…)

夏美「ええい、しつっこいですの! さっきから私の帰り道にずっとついてきて…!」

夏美「私の落ち度なんて全部分かってますの!」

夏美「きな子さんの言うことがもっともなのも!」

夏美「目標だのなんだの言って結局やってないことだって!」

夏美「もう、こんな私のことなんて放っておけばいいんですの…!」

夏美「どんな顔して顔を出せば…」

視聴者:1名 コメント「スパチャ送りました! 読んでください!」

夏美「!? 100円とはいえこんな私にスパチャなんて…!」

夏美「…」

夏美「『夏美ちゃんの良いところで打線組んでみた』…!?」\100

夏美「????????????????????????????」
 
45: (あら) 2022/10/07(金) 23:36:41.82 ID:6Wbkw2Mq
夏美「『1:動画配信を頑張っているところ』…残念ながらそうでもないですの」\200

夏美「また!? 『2:口調が可愛いところ』…これ何が言いたいんですの!?」\300

夏美「『3:実はSexy Bodyなところ』『4:小柄で抱きしめたら気持ちいいところ』…」\400,\500

夏美「セクハラですのーーーー! っていうかこんなのクリーンナップに置かないで!?」

夏美「!!」

夏美「『5:話していて楽しいところ』『6:いつも面白いことを考えてくれること』」\600,\700

夏美「やめて…こんなことにマニーをかけないで…700円とはいえマニーはマニーですの…!」

夏美「…『7:ずっと一緒に頑張ってきたところ』」\800

夏美「頑張って…ない…! 私は今サボってるんですの…」

夏美「…『8:友達思いなところ』」\900

夏美「…思ってなんか…私なんか…私が悪いんですの…!」

夏美「『9:だから…素直になって? 夏美ちゃんはちゃんと謝れるよ』」\1,000

視聴者:2名 コメント「夏美ちゃん、ゴメンなさい…」

コメント「謝りたいことがあるっす」

夏美「えっ…!?」
 
46: (あら) 2022/10/07(金) 23:40:02.46 ID:6Wbkw2Mq
四季「ゴメン、私じゃ説得しきれなかった…」

メイ「いいんだよ。アイツに気持ちは伝わったさ」

メイ「じゃないと…あんな顔して窓からこっちを覗いたりしないだろ?」


きな子「夏美ちゃーーーーーーーん!!!」

きな子「ゴメンっすーーーーーーー!!」


夏美「あ…あぁ…!」

夏美「っ…」ダダッ

夏美「私…私の方こそ…」ガチャッ…


夏美「ゴメンなさい…」

夏美「きな子さーーーーーーん!」ギュッ…

夏美「ゴメンなさい…ゴメンなさいですの…!」

きな子「私の方こそ…………ゴメンなさいっす…!」
 
47: (あら) 2022/10/07(金) 23:43:27.67 ID:6Wbkw2Mq
きな子「私…私…!」

夏美「先に私が謝りますの!」

夏美「まずはお金…通信料ですの…!」

夏美「間違った解き方をそのままにして赤点取らせてごめんなさい」

夏美「勝手にデザリングしてデータ通信してごめんなさい」

夏美「練習出来なくして…ごめんなさい」

夏美「あと、たくさん酷いことを言って………ごめんなさい、ですの…!!」

きな子「私の方こそ、酷いこといっぱい言ったっす…」

きな子「夏美ちゃんは同じ練習をして頑張ってるのにLiella!を大事にしてないとか…」

きな子「他にしたいことがあるのにそれを蔑ろにもした…」

きな子「夏美ちゃんの気持ちを全然考えずにいたっす…!」

きな子「本当に、ごめんなさい…!」
 
48: (あら) 2022/10/07(金) 23:48:46.57 ID:6Wbkw2Mq
きな子「…メイちゃん、四季ちゃん…」

夏美「お二人にも、ごめんなさいですの…」

きな子「ごめんなさいっす!」

メイ「へっ…いいんだよ」

四季「こうして無事仲直り出来た…。それで何より」

メイ「本当だよ…心配させやがって…!」グズグズ

きな子「メイちゃん…! なんでメイちゃんも四季ちゃんも泣くっすか…!」

四季「そりゃあ私たちだって泣くよ…! 2人のこと、大好きだから…!」

夏美「四季ちゃん…!」

四季「後ろの人たちだって、泣いてるし」

ビクゥッ

かのん「バレ゙でる゙ぅ゙ぅ゙~~~」ウルウル

すみれ「ア゙ン゙ダが゙ま゙た出張ろ゙ゔどずる゙がら゙でしょぉっ!?」グスン

可可「これで一件落着デスね!」
 
49: (あら) 2022/10/07(金) 23:51:17.45 ID:6Wbkw2Mq
epilogue

四季「というわけで、まずは傾向と対策」

四季「勉強自体はサボらずちゃんとするべきだけど、厄介なテストにはちゃんと対策しよう」

メイ「そうだな…」

夏美「勉強は学生の本分、ですのね」

きな子「肝に銘じるっす…」

四季「理数系は私。地理と生物はきな子ちゃん、国語は夏美ちゃんがしっかり勉強すること」

きな子「はいっす!」

メイ「おい、私は?」

四季「…」

メイ「なんで黙るんだよ!? 私もテスト受かってんだぞ!?」

四季「…体育?」

メイ「テストはあるけどさぁ…。この際だし英語とか頑張ってみるかぁ…」
 
50: (あら) 2022/10/07(金) 23:53:04.56 ID:6Wbkw2Mq
メイ「次にお互いの目標について」

メイ「部の目標はラブライブでの優勝」

メイ「それから大会も大事だけど、本質的には『私たちの歌を届ける』ことにあるよな」

四季「だね…」

夏美「私は…」

きな子「動画配信っすよね。今度は私も協力するっす!」

きな子「その代わり、生徒会の仕事が大変な時は夏美ちゃんも手伝って?」

夏美「…はいですの!」

四季「ところで、流れちゃったコラボ配信の相手って誰だったの?」

夏美「え? 大物YouTuberの…」

メイ「LTuberじゃなくて? 『大物YouTuber』なんだな?」

夏美「はい」

四季・メイ(没になってて良かった…!!)
 
52: (あら) 2022/10/07(金) 23:56:04.03 ID:6Wbkw2Mq
きな子「夏美ちゃーん」ムギュッ

夏美「暑苦しいからやめて欲しいですの…!」

きな子「えー?」

夏美「けど…今日だけ手くらいは繋いであげますの///」ギュッ

きな子「…はいっす///!」ムギュッ

夏美「それより、今度の件で四季さんとメイさんにはお世話になりましたの」ギュゥ…

きな子「そうっすね…」

夏美「そこで! ここに千円あるので~、一緒にお菓子を買いに行きますの!」

きな子「ええっ!? あの夏美ちゃんがお金を出すんすか!?」

夏美「どういう意味でっすの?」

夏美「…このお金は、四季さんとメイさんの為に使いたいんですの」

夏美「今日はみんなでお菓子パーティですの~!」
 
53: (あら) 2022/10/07(金) 23:59:02.69 ID:6Wbkw2Mq
メイ「はぁ…。これでやーっと一件落着って感じだな」

四季「…うん」

四季「けど…結局時間もかかっちゃったし先輩に相談もした」

四季「いつかは先輩たちみたいに頼りになる存在にならないといけないのに…」

メイ「いいんだよ。これで」

メイ「これから後輩が来てから、出来ればいいんじゃないか?」

メイ「今の2年生のようになりたい。それは私も同じだけど…来年も2年生は3年生としているんだ」

メイ「気楽に行こうぜ。ゆっくりあんな風になればいいさ」

四季「そう、だね…」

四季「私たちの代も、いつかあんな風に―――――」



 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1665143178/

※記事タイトルを修正しました

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