1: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:00:00.47 ID:jb4MrUll
トモリ「こんばんは。あなたは旅はお好きですか?」
トモリ「旅の目的は様々です。綺麗な景色を見たり、美味しいものを食べたり――」
トモリ「誰かに会いに行ったり、あるいは旅そのものが目的であったり……」
トモリ「今宵、4人の少女のもとに奇妙な世界への片道切符が届きました」
トモリ「彼女たちはなにを求めて旅をするのでしょうか」
歩夢『……ねえ、幼稚園のときのこと、覚えてる?』
トモリ「おや、早速出発する子がいるみたいですね」
………………
…………
……
『恋愛成就ブレスレット』
夜 マンション・ベランダ
あなた「――えー? 私そんなこと言ったの?」
歩夢「言ったよ。私はちゃんと覚えてるもん」
あなた「そっかー……っと、もうこんな時間。そろそろ寝ないと」
歩夢「あ……そうだね」
あなた「おやすみ、歩夢ちゃん」
歩夢「うん、おやすみなさい。また明日」
ガラガラ……
トモリ「旅の目的は様々です。綺麗な景色を見たり、美味しいものを食べたり――」
トモリ「誰かに会いに行ったり、あるいは旅そのものが目的であったり……」
トモリ「今宵、4人の少女のもとに奇妙な世界への片道切符が届きました」
トモリ「彼女たちはなにを求めて旅をするのでしょうか」
歩夢『……ねえ、幼稚園のときのこと、覚えてる?』
トモリ「おや、早速出発する子がいるみたいですね」
………………
…………
……
『恋愛成就ブレスレット』
夜 マンション・ベランダ
あなた「――えー? 私そんなこと言ったの?」
歩夢「言ったよ。私はちゃんと覚えてるもん」
あなた「そっかー……っと、もうこんな時間。そろそろ寝ないと」
歩夢「あ……そうだね」
あなた「おやすみ、歩夢ちゃん」
歩夢「うん、おやすみなさい。また明日」
ガラガラ……
2: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:03:00.35 ID:jb4MrUll
歩夢「はぁ……まだ話していたいのに……」
歩夢(あの子といられる時間が、もっと増えたらいいのになぁ)
歩夢(それだけじゃなくて、もっと特別な関係になりたい……)
歩夢(幼馴染以上の……できれば恋人同士に)
ピ口リン
歩夢「ん……? メール?」
歩夢(もしかしてあの子からだったり――)
スマホ画面〈あなたの恋、成就させます〉
歩夢「はぁ、ただのスパムメールだ……」ポチッ
歩夢(あ……開いちゃった)
歩夢「……『このブレスレットをつければ必ず思い人と結ばれます』」
歩夢「そんなに簡単に恋が叶ったら苦労しないよ……」
歩夢(それにこういうのって効果がない割にものすごく高――)
歩夢「300円!? しかも送料無料……」
歩夢(うーん……安すぎるのもまた怪しいなぁ)
歩夢「…………」ポチッポチッポチッ
歩夢「あっ! 注文しちゃった……まあいっか、どうせ300円だもん。寝よっと」
翌朝
歩夢「もう届いてる……」
歩夢「せっかくだしつけていこっかな……別に信じてるわけじゃないけど!」
歩夢(あの子といられる時間が、もっと増えたらいいのになぁ)
歩夢(それだけじゃなくて、もっと特別な関係になりたい……)
歩夢(幼馴染以上の……できれば恋人同士に)
ピ口リン
歩夢「ん……? メール?」
歩夢(もしかしてあの子からだったり――)
スマホ画面〈あなたの恋、成就させます〉
歩夢「はぁ、ただのスパムメールだ……」ポチッ
歩夢(あ……開いちゃった)
歩夢「……『このブレスレットをつければ必ず思い人と結ばれます』」
歩夢「そんなに簡単に恋が叶ったら苦労しないよ……」
歩夢(それにこういうのって効果がない割にものすごく高――)
歩夢「300円!? しかも送料無料……」
歩夢(うーん……安すぎるのもまた怪しいなぁ)
歩夢「…………」ポチッポチッポチッ
歩夢「あっ! 注文しちゃった……まあいっか、どうせ300円だもん。寝よっと」
翌朝
歩夢「もう届いてる……」
歩夢「せっかくだしつけていこっかな……別に信じてるわけじゃないけど!」
4: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:06:00.52 ID:jb4MrUll
道
カン! カン! カン!
歩夢「工事の音、すごいね」
あなた「うん……マンションでも建つのかな?」
………………
…………
……
部室
歩夢「あれ? しずくちゃんは?」
栞子「しずくさんは演劇部が忙しいそうで、しばらくこちらには顔を出せないと連絡がありました」
歩夢「へえ、そうなんだ……」
栞子「歩夢さん、ストレッチをお願いしてもいいでしょうか?」
歩夢「うん、いいよ」
翌朝 道
ウィーン! ガッシャン!
歩夢(昨日は結局特別なことは起こらなかったなぁ)
歩夢(やっぱりこんなブレスレットに効果なんてないよね……)
………………
…………
……
カン! カン! カン!
歩夢「工事の音、すごいね」
あなた「うん……マンションでも建つのかな?」
………………
…………
……
部室
歩夢「あれ? しずくちゃんは?」
栞子「しずくさんは演劇部が忙しいそうで、しばらくこちらには顔を出せないと連絡がありました」
歩夢「へえ、そうなんだ……」
栞子「歩夢さん、ストレッチをお願いしてもいいでしょうか?」
歩夢「うん、いいよ」
翌朝 道
ウィーン! ガッシャン!
歩夢(昨日は結局特別なことは起こらなかったなぁ)
歩夢(やっぱりこんなブレスレットに効果なんてないよね……)
………………
…………
……
5: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:09:00.44 ID:jb4MrUll
部室
歩夢「えっ、今日は栞子ちゃんも来てないの?」
せつ菜「はい。生徒会の仕事が立て込んでいて来られないみたいです」
歩夢「…………」
翌朝 道
ガッコン! ブォオオオオン!
歩夢(しずくちゃんに栞子ちゃん、立て続けに部活に来られないなんて……)
歩夢(まさか……ね。ただの偶然だよ、きっと)
あなた「歩夢ちゃん? どうかした?」
歩夢「う、ううん! なんでもないよ!」
………………
…………
……
部室
エマ「せつ菜ちゃん、栞子ちゃんのお手伝いで部活はお休みだって」
歩夢「そう……ですか」
エマ「なんだか最近みんな忙しいねぇ……」
夜 歩夢の部屋
歩夢(ブレスレットを付け始めてから、毎日一人ずつ同好会に来られなくなってる……)
歩夢(もしかしてあの子から私以外の子を遠ざけようとしてるのかな?)
歩夢(私はあの子とのドキドキするようなことが起きたりするのを期待してたんだけど……)
歩夢「でも……これであの子と結ばれるなら……」
歩夢「えっ、今日は栞子ちゃんも来てないの?」
せつ菜「はい。生徒会の仕事が立て込んでいて来られないみたいです」
歩夢「…………」
翌朝 道
ガッコン! ブォオオオオン!
歩夢(しずくちゃんに栞子ちゃん、立て続けに部活に来られないなんて……)
歩夢(まさか……ね。ただの偶然だよ、きっと)
あなた「歩夢ちゃん? どうかした?」
歩夢「う、ううん! なんでもないよ!」
………………
…………
……
部室
エマ「せつ菜ちゃん、栞子ちゃんのお手伝いで部活はお休みだって」
歩夢「そう……ですか」
エマ「なんだか最近みんな忙しいねぇ……」
夜 歩夢の部屋
歩夢(ブレスレットを付け始めてから、毎日一人ずつ同好会に来られなくなってる……)
歩夢(もしかしてあの子から私以外の子を遠ざけようとしてるのかな?)
歩夢(私はあの子とのドキドキするようなことが起きたりするのを期待してたんだけど……)
歩夢「でも……これであの子と結ばれるなら……」
6: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:12:00.61 ID:jb4MrUll
翌日 部室
歩夢「エマさんが怪我!?」
かすみ「当分安静にしてないといけないとか……心配です……」
歩夢「…………」
あなた「なんだかだんだん部室が静かになっていくね……」
かすみ「大丈夫ですよ! その分かすみんが元気にしてますから!」
あなた「ありがとう、かすみちゃん」
夜 ベランダ
あなた「私……なんだか不安だよ……」
歩夢「えっ?」
あなた「このまま誰も同好会に来なくなっちゃうような気がして……」
歩夢「そ、そんなことないよ!」
あなた「だけど……」
歩夢「少なくとも私は、ずっとあなたのそばにいるから……」
あなた「歩夢ちゃん……うん、そうだよね」
歩夢「エマさんが怪我!?」
かすみ「当分安静にしてないといけないとか……心配です……」
歩夢「…………」
あなた「なんだかだんだん部室が静かになっていくね……」
かすみ「大丈夫ですよ! その分かすみんが元気にしてますから!」
あなた「ありがとう、かすみちゃん」
夜 ベランダ
あなた「私……なんだか不安だよ……」
歩夢「えっ?」
あなた「このまま誰も同好会に来なくなっちゃうような気がして……」
歩夢「そ、そんなことないよ!」
あなた「だけど……」
歩夢「少なくとも私は、ずっとあなたのそばにいるから……」
あなた「歩夢ちゃん……うん、そうだよね」
8: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:15:00.42 ID:jb4MrUll
歩夢の部屋
歩夢(このブレスレット、人を遠ざけるというより排除してるような気がする……)
歩夢(私の恋の邪魔になりそうな子を、ひとりずつ……)
歩夢(もしかしたらこれからもっと大変な目に遭う子が出てくるかもしれない……)
歩夢(それで、いいのかな……? 私の恋のために、こんな……)
歩夢「ううん、弱気になっちゃダメ。ここまできたら、もう止まれないよ!」
歩夢(私は絶対に、あの子と……)
………………
…………
……
翌日 部室
歩夢「どういうこと? かすみちゃんと連絡がつかないって……」
あなた「私、電話してみる!」スッ
プルルルル……プルルルル……プルルッ
あなた「かすみちゃん!?」
かすみ〈……先輩〉
あなた「なにかあったの? みんな心配してるよ?」
かすみ〈すみません……その、かすみん具合が悪くて……〉
あなた「大丈夫? 私、今からそっちに――」
かすみ〈ダメですっ!!〉
あなた「っ……」
歩夢(このブレスレット、人を遠ざけるというより排除してるような気がする……)
歩夢(私の恋の邪魔になりそうな子を、ひとりずつ……)
歩夢(もしかしたらこれからもっと大変な目に遭う子が出てくるかもしれない……)
歩夢(それで、いいのかな……? 私の恋のために、こんな……)
歩夢「ううん、弱気になっちゃダメ。ここまできたら、もう止まれないよ!」
歩夢(私は絶対に、あの子と……)
………………
…………
……
翌日 部室
歩夢「どういうこと? かすみちゃんと連絡がつかないって……」
あなた「私、電話してみる!」スッ
プルルルル……プルルルル……プルルッ
あなた「かすみちゃん!?」
かすみ〈……先輩〉
あなた「なにかあったの? みんな心配してるよ?」
かすみ〈すみません……その、かすみん具合が悪くて……〉
あなた「大丈夫? 私、今からそっちに――」
かすみ〈ダメですっ!!〉
あなた「っ……」
9: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:18:00.47 ID:jb4MrUll
かすみ〈今のかすみんを……先輩に見られたくないです……〉
あなた「…………」
プツッ、ツーツーツー……
歩夢「ねぇ……かすみちゃん、どうしちゃったの……?」
あなた「わからない……わからないけど、普通じゃなかった……」
歩夢「…………」
夜 歩夢の部屋
歩夢「…………」ポチポチ……
歩夢「どうして……なんで販売ページが消えてるの……?」
歩夢「このブレスレット、絶対におかしい……」
歩夢(やっぱりこれ以上続けるべきじゃないのかな?)
歩夢(それでもあの子のことは諦めたくないよ……)
歩夢(だけど……このままじゃまた誰かが排除されちゃう……)
歩夢(私の恋か、私の仲間か。どちらかを選ばなくちゃいけない……)
歩夢「私は――」
ブチッ!
歩夢「もうこんなものなんていらない……私には、必要ない!」
歩夢「……これで、いいんだよね?」
………………
…………
……
あなた「…………」
プツッ、ツーツーツー……
歩夢「ねぇ……かすみちゃん、どうしちゃったの……?」
あなた「わからない……わからないけど、普通じゃなかった……」
歩夢「…………」
夜 歩夢の部屋
歩夢「…………」ポチポチ……
歩夢「どうして……なんで販売ページが消えてるの……?」
歩夢「このブレスレット、絶対におかしい……」
歩夢(やっぱりこれ以上続けるべきじゃないのかな?)
歩夢(それでもあの子のことは諦めたくないよ……)
歩夢(だけど……このままじゃまた誰かが排除されちゃう……)
歩夢(私の恋か、私の仲間か。どちらかを選ばなくちゃいけない……)
歩夢「私は――」
ブチッ!
歩夢「もうこんなものなんていらない……私には、必要ない!」
歩夢「……これで、いいんだよね?」
………………
…………
……
10: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:21:00.46 ID:jb4MrUll
翌日
プルルルル……プルルルッ
あなた〈歩夢ちゃん?〉
歩夢「ごめんね、朝早くから……まだ寝てたよね?」
あなた〈うん……でも大丈夫だよ〉
歩夢「その……今からそっちに行ってもいいかな?」
あなた〈えっ?〉
歩夢「今日は一日あなたと一緒にいたいの……」
あなた〈あ……わかったよ。でも着替えたりしてからでもいい?〉
歩夢「うん。準備ができたら呼んでね」
あなたの部屋
あなた「やっぱり歩夢ちゃんも心配、なんだよね?」
歩夢「うん……だけど、たぶんもう安心してもいいと思う」
あなた「どうしてそう思うの?」
歩夢「な、なんとなく! 来週はみんな揃うような気がして……」
あなた「そうだね……そうだといいな」
歩夢「きっとそうなるよ。私にはわかるの」
あなた「……そっか」
歩夢「ねぇ、明日もあなたと一緒にいてもいいかな?」
あなた「いいよ。私もひとりでいたくないから」
歩夢「……ありがとう」
………………
…………
……
プルルルル……プルルルッ
あなた〈歩夢ちゃん?〉
歩夢「ごめんね、朝早くから……まだ寝てたよね?」
あなた〈うん……でも大丈夫だよ〉
歩夢「その……今からそっちに行ってもいいかな?」
あなた〈えっ?〉
歩夢「今日は一日あなたと一緒にいたいの……」
あなた〈あ……わかったよ。でも着替えたりしてからでもいい?〉
歩夢「うん。準備ができたら呼んでね」
あなたの部屋
あなた「やっぱり歩夢ちゃんも心配、なんだよね?」
歩夢「うん……だけど、たぶんもう安心してもいいと思う」
あなた「どうしてそう思うの?」
歩夢「な、なんとなく! 来週はみんな揃うような気がして……」
あなた「そうだね……そうだといいな」
歩夢「きっとそうなるよ。私にはわかるの」
あなた「……そっか」
歩夢「ねぇ、明日もあなたと一緒にいてもいいかな?」
あなた「いいよ。私もひとりでいたくないから」
歩夢「……ありがとう」
………………
…………
……
11: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:24:00.39 ID:jb4MrUll
翌々日 道
カン! カン! ウィーン!
あなた「さっきかすみちゃんから電話があってね」
歩夢「そうなの? 様子はどうだった?」
あなた「もうすっごく元気そうだった! ほんと安心したよ」
歩夢「そうなんだ……よかったぁ」
歩夢(私はもうあんなものには頼ったりしない)
歩夢(恋はやっぱり自分の力で叶えないとダメなんだよね)
歩夢(少しずつでも、一歩一歩この子に近づいていけたらいいな)
歩夢(……ううん、私は絶対にこの子と結ばれるの!)
歩夢(だってこの子は私の幼馴染で、私のたったひとりの運命の人だもん!)
歩夢「ねぇ、あな――」クルッ
ガシャン! グシャッ!
歩夢「え……?」
「キャーッ!」
「誰か下敷きになってる!」
「救急車! 救急車呼ばなきゃ!!」
歩夢「なに……? あなた、どこに――」ピチャッ
歩夢(血……? 誰の……? やだ……嘘だよ、こんなの……)
歩夢「いやああぁぁぁぁーっ!!」
歩夢(私のせいだ……私がブレスレットを壊したせいで……)
歩夢「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめ――」
カン! カン! ウィーン!
あなた「さっきかすみちゃんから電話があってね」
歩夢「そうなの? 様子はどうだった?」
あなた「もうすっごく元気そうだった! ほんと安心したよ」
歩夢「そうなんだ……よかったぁ」
歩夢(私はもうあんなものには頼ったりしない)
歩夢(恋はやっぱり自分の力で叶えないとダメなんだよね)
歩夢(少しずつでも、一歩一歩この子に近づいていけたらいいな)
歩夢(……ううん、私は絶対にこの子と結ばれるの!)
歩夢(だってこの子は私の幼馴染で、私のたったひとりの運命の人だもん!)
歩夢「ねぇ、あな――」クルッ
ガシャン! グシャッ!
歩夢「え……?」
「キャーッ!」
「誰か下敷きになってる!」
「救急車! 救急車呼ばなきゃ!!」
歩夢「なに……? あなた、どこに――」ピチャッ
歩夢(血……? 誰の……? やだ……嘘だよ、こんなの……)
歩夢「いやああぁぁぁぁーっ!!」
歩夢(私のせいだ……私がブレスレットを壊したせいで……)
歩夢「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……ごめ――」
12: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:27:00.52 ID:jb4MrUll
虹ヶ咲学園
しずく「おはよう、栞子さん」
栞子「おはようございます、しずくさん」
しずく「あれ? それ……」
栞子「あぁ、これは……昨日たまたま見つけて衝動買いしてしまって」
しずく「へぇ……よく似合ってるよ」
栞子「ありがとうございます」
しずく「でも意外。栞子さんも衝動買いなんてするんだ」
栞子「ええ、まあ。その……実は歩夢さんとお揃いなんですっ」
栞子「……このブレスレット」
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
トモリ「自分に向けられた思いというものには、案外気づかないものです」
トモリ「それが好意であっても敵意であっても……」
トモリ「もし、あなたの目の前に突然気の合う友人が現れたら」
トモリ「その友人はあなたにどんな思いを抱いているのでしょうか」
トモリ「そしてあなたは、どんな思いを抱くのでしょうか……」
………………
…………
……
しずく「おはよう、栞子さん」
栞子「おはようございます、しずくさん」
しずく「あれ? それ……」
栞子「あぁ、これは……昨日たまたま見つけて衝動買いしてしまって」
しずく「へぇ……よく似合ってるよ」
栞子「ありがとうございます」
しずく「でも意外。栞子さんも衝動買いなんてするんだ」
栞子「ええ、まあ。その……実は歩夢さんとお揃いなんですっ」
栞子「……このブレスレット」
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
トモリ「自分に向けられた思いというものには、案外気づかないものです」
トモリ「それが好意であっても敵意であっても……」
トモリ「もし、あなたの目の前に突然気の合う友人が現れたら」
トモリ「その友人はあなたにどんな思いを抱いているのでしょうか」
トモリ「そしてあなたは、どんな思いを抱くのでしょうか……」
………………
…………
……
13: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:30:00.57 ID:jb4MrUll
『あなたと私』
あなた「…………」
侑「あなたは……誰なの……?」
あなた「……私は」
侑「それ、小学生の頃歩夢と遊園地に行ったときにお揃いで買ったお土産だよね?」
あなた「あぁ……うん、これは――」
侑「どうしてあなたが持ってるの? もしかして泥棒!?」
あなた「違うよ! これは私のなの!」
侑「意味わかんないよ! あなた何者!? 歩夢とどういう――」
あなた「一旦落ち着こう! ね? とりあえずうちに入って!」
侑「えっ、待ってよ! そこは空き部屋のはずじゃ――」
あなた「いいから早く!」
バタン!
――――――
――――
――
あなた「…………」
侑「あなたは……誰なの……?」
あなた「……私は」
侑「それ、小学生の頃歩夢と遊園地に行ったときにお揃いで買ったお土産だよね?」
あなた「あぁ……うん、これは――」
侑「どうしてあなたが持ってるの? もしかして泥棒!?」
あなた「違うよ! これは私のなの!」
侑「意味わかんないよ! あなた何者!? 歩夢とどういう――」
あなた「一旦落ち着こう! ね? とりあえずうちに入って!」
侑「えっ、待ってよ! そこは空き部屋のはずじゃ――」
あなた「いいから早く!」
バタン!
――――――
――――
――
15: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:33:00.43 ID:jb4MrUll
あなたの部屋
侑「なにこの部屋……私の部屋みたい……」
あなた「えっと……簡単に説明するね。侑ちゃんはパラレルワールドって知ってる?」
侑「う、うん……えっ? どうして私の名前――」
あなた「順番に説明するから、まずは私の話を聞いて?」
侑「……わかった」
あなた「私はね、この世界の人間じゃないの。元々はこことよく似た別の世界にいたんだ」
侑「……つまりあなたはパラレルワールドからやってきたってこと?」
あなた「そういうこと。なにかのはずみで飛ばされちゃったみたい、あはは」
侑「じゃあこの部屋はどうしたの? まるでずっとここで暮らしてたみたいだけど……」
あなた「うーん……よくわかんないけど一緒に飛ばされたんだと思う」
侑「そう、なんだ……」
あなた「私が言うのもなんだけど……信じてくれるんだね」
侑「なんかちょっと混乱しちゃって……信じるしかないっていうか……」
あなた「でも侑ちゃんに見つかっちゃうなんて、油断したなぁ……」
侑「ねぇ、あなたはいつからこの世界にいるの?」
あなた「1週間くらい前からかな。だからこっちの世界のことはだいたいわかってるつもりだよ」
侑「……さっきここと似てる世界から来たって言ってたよね? その世界にも私はいるの?」
あなた「ううん、侑ちゃんはいないよ。その代わりに私がいるって感じかな」
侑「なにこの部屋……私の部屋みたい……」
あなた「えっと……簡単に説明するね。侑ちゃんはパラレルワールドって知ってる?」
侑「う、うん……えっ? どうして私の名前――」
あなた「順番に説明するから、まずは私の話を聞いて?」
侑「……わかった」
あなた「私はね、この世界の人間じゃないの。元々はこことよく似た別の世界にいたんだ」
侑「……つまりあなたはパラレルワールドからやってきたってこと?」
あなた「そういうこと。なにかのはずみで飛ばされちゃったみたい、あはは」
侑「じゃあこの部屋はどうしたの? まるでずっとここで暮らしてたみたいだけど……」
あなた「うーん……よくわかんないけど一緒に飛ばされたんだと思う」
侑「そう、なんだ……」
あなた「私が言うのもなんだけど……信じてくれるんだね」
侑「なんかちょっと混乱しちゃって……信じるしかないっていうか……」
あなた「でも侑ちゃんに見つかっちゃうなんて、油断したなぁ……」
侑「ねぇ、あなたはいつからこの世界にいるの?」
あなた「1週間くらい前からかな。だからこっちの世界のことはだいたいわかってるつもりだよ」
侑「……さっきここと似てる世界から来たって言ってたよね? その世界にも私はいるの?」
あなた「ううん、侑ちゃんはいないよ。その代わりに私がいるって感じかな」
16: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:36:00.41 ID:jb4MrUll
侑「代わりってどういうこと?」
あなた「私のいた世界ではね、歩夢ちゃんの幼馴染は私なの」
侑「えっ、じゃあさっき持ってたのは……」
あなた「うん、あれは私と歩夢ちゃんの思い出」
侑「……ごめんなさい。私、泥棒なんて言って」
あなた「いいよいいよ。勘違いしちゃうのは仕方ないもん」
侑「それで……あなたはこれからどうするの?」
あなた「心配しないで。元の世界に戻る方法は見当がついてるから」
侑「そっか」
あなた「本当は誰にも見つからずにいなくなるつもりだったんだけど……」
侑「あ……私、余計なことしちゃった?」
あなた「ま、歩夢ちゃんに見つかるよりはよかったよ。絶対に混乱させちゃうだろうし」
侑「じゃあ歩夢たちにはあなたのこと黙っておいたほうがいいかな?」
あなた「そうだね。そうしてもらえると助かるよ」
侑の部屋
ガチャッ
歩夢「おかえり、侑ちゃん」
侑「あれっ、歩夢なんでいるの?」
歩夢「侑ちゃんこそ今までどこに行ってたの?」
侑「あー……ちょっとね」
歩夢「……もしかして、誰かと会ってた?」
侑「え……」
あなた「私のいた世界ではね、歩夢ちゃんの幼馴染は私なの」
侑「えっ、じゃあさっき持ってたのは……」
あなた「うん、あれは私と歩夢ちゃんの思い出」
侑「……ごめんなさい。私、泥棒なんて言って」
あなた「いいよいいよ。勘違いしちゃうのは仕方ないもん」
侑「それで……あなたはこれからどうするの?」
あなた「心配しないで。元の世界に戻る方法は見当がついてるから」
侑「そっか」
あなた「本当は誰にも見つからずにいなくなるつもりだったんだけど……」
侑「あ……私、余計なことしちゃった?」
あなた「ま、歩夢ちゃんに見つかるよりはよかったよ。絶対に混乱させちゃうだろうし」
侑「じゃあ歩夢たちにはあなたのこと黙っておいたほうがいいかな?」
あなた「そうだね。そうしてもらえると助かるよ」
侑の部屋
ガチャッ
歩夢「おかえり、侑ちゃん」
侑「あれっ、歩夢なんでいるの?」
歩夢「侑ちゃんこそ今までどこに行ってたの?」
侑「あー……ちょっとね」
歩夢「……もしかして、誰かと会ってた?」
侑「え……」
17: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:39:00.68 ID:jb4MrUll
歩夢「そうなんだ……どうして隠すの?」
侑「べ、別に隠したわけじゃ――」
歩夢「じゃあ誰と会ってたのか教えてくれるよね?」
侑「えっと……か、彼方さん!」
歩夢「彼方さん?」
侑「うん! ちょっと相談事があって……」
歩夢「なら最初からそう言ってくれればいいのに……」
侑「あはは……ごめんごめん」
侑(一応あとで彼方さんに連絡して話を合わせてもらおう……)
翌日 部室
歩夢「彼方さん、昨日って侑ちゃんと会ってましたか?」
侑「!」
彼方「うん、そうだけど……それがどうかしたの?」
歩夢「いえ、会ってたならいいんです」
侑「ちょっと歩夢! 私の話信じてなかったの?」
歩夢「ごめんね。昨日は様子がおかしかったから、ちゃんと確かめたくて」
侑「もうっ、幼馴染を疑うなんてひどいよ!」
歩夢「幼馴染……そうだよね。私たち、幼馴染だもんね」
彼方「疑いが晴れてよかったねぇ、侑ちゃん」
侑「べ、別に隠したわけじゃ――」
歩夢「じゃあ誰と会ってたのか教えてくれるよね?」
侑「えっと……か、彼方さん!」
歩夢「彼方さん?」
侑「うん! ちょっと相談事があって……」
歩夢「なら最初からそう言ってくれればいいのに……」
侑「あはは……ごめんごめん」
侑(一応あとで彼方さんに連絡して話を合わせてもらおう……)
翌日 部室
歩夢「彼方さん、昨日って侑ちゃんと会ってましたか?」
侑「!」
彼方「うん、そうだけど……それがどうかしたの?」
歩夢「いえ、会ってたならいいんです」
侑「ちょっと歩夢! 私の話信じてなかったの?」
歩夢「ごめんね。昨日は様子がおかしかったから、ちゃんと確かめたくて」
侑「もうっ、幼馴染を疑うなんてひどいよ!」
歩夢「幼馴染……そうだよね。私たち、幼馴染だもんね」
彼方「疑いが晴れてよかったねぇ、侑ちゃん」
18: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:42:00.31 ID:jb4MrUll
あなたの部屋
侑「この部屋、昨日より物が少なくなってない?」
あなた「うん、ちゃんと片付けてから出て行こうと思って。立つ鳥跡を濁さずってやつ」
侑「へー……」
あなた「侑ちゃんは今日どうだった? 私のこと話したりしてないよね?」
侑「それは大丈夫! ちょっと歩夢に疑われたけど、上手くごまかしたから」
あなた「そう。じゃあ部活のほうはどう?」
侑「みんな今日もすっごく可愛かった! やっぱりスクールアイドルってときめいちゃうよ!」
あなた「うんうん、わかるっ! 最高だよね!」
侑「私たちって……なんだか似てるね」
あなた「かもね」
数日後 部室
侑「ねえねえ、ちょっといい?」
愛「あっ、ゆうゆ。愛さんたちに用事?」
侑「新しい曲作ってみたから、聞いてみてくれない?」
ミア「ボクに聞かせるってことは、よほどの自信作ってことかな」
侑「あはは……お手柔らかにお願いします」
~間~
侑「……どうかな?」
愛「うんうん、いいよ! 愛さんこの曲めっちゃ好き!」
ミア「ま、何年も音楽やってるならこれくらいのものは作れないとね」
侑「やだなぁ、ミアちゃん。私まだ音楽初めて1年も経ってないよ?」
ミア「あぁ……そうか。Sorry、なにか勘違いしてたみたいだ」
侑「……?」
侑「この部屋、昨日より物が少なくなってない?」
あなた「うん、ちゃんと片付けてから出て行こうと思って。立つ鳥跡を濁さずってやつ」
侑「へー……」
あなた「侑ちゃんは今日どうだった? 私のこと話したりしてないよね?」
侑「それは大丈夫! ちょっと歩夢に疑われたけど、上手くごまかしたから」
あなた「そう。じゃあ部活のほうはどう?」
侑「みんな今日もすっごく可愛かった! やっぱりスクールアイドルってときめいちゃうよ!」
あなた「うんうん、わかるっ! 最高だよね!」
侑「私たちって……なんだか似てるね」
あなた「かもね」
数日後 部室
侑「ねえねえ、ちょっといい?」
愛「あっ、ゆうゆ。愛さんたちに用事?」
侑「新しい曲作ってみたから、聞いてみてくれない?」
ミア「ボクに聞かせるってことは、よほどの自信作ってことかな」
侑「あはは……お手柔らかにお願いします」
~間~
侑「……どうかな?」
愛「うんうん、いいよ! 愛さんこの曲めっちゃ好き!」
ミア「ま、何年も音楽やってるならこれくらいのものは作れないとね」
侑「やだなぁ、ミアちゃん。私まだ音楽初めて1年も経ってないよ?」
ミア「あぁ……そうか。Sorry、なにか勘違いしてたみたいだ」
侑「……?」
19: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:45:00.38 ID:jb4MrUll
あなたの部屋
あなた「いい曲だね。さすが侑ちゃん」
侑「ありがとう。あなたにもそう言ってもらえると安心するよ」
あなた「ふふっ、私そんなに大した人間じゃないよ?」
侑「でも音楽はあなたのほうが先輩だし……あっ」
あなた「どうかした?」
侑「いや……そういえばミアちゃんが変なこと言ってたなーって」
あなた「変なことって?」
侑「なんか私が何年も音楽やってる、みたいな……どうしてそんな勘違いしたんだろ?」
あなた「…………」
侑「ま、気にすることでもないかな。にしてもこの部屋ずいぶんがらんとしちゃったね」
あなた「あ、うん! だいぶ片付いたよ」
侑「ってことはあなたはもうすぐ出ていっちゃうんだ……」
あなた「そうだね……」
あなた「いい曲だね。さすが侑ちゃん」
侑「ありがとう。あなたにもそう言ってもらえると安心するよ」
あなた「ふふっ、私そんなに大した人間じゃないよ?」
侑「でも音楽はあなたのほうが先輩だし……あっ」
あなた「どうかした?」
侑「いや……そういえばミアちゃんが変なこと言ってたなーって」
あなた「変なことって?」
侑「なんか私が何年も音楽やってる、みたいな……どうしてそんな勘違いしたんだろ?」
あなた「…………」
侑「ま、気にすることでもないかな。にしてもこの部屋ずいぶんがらんとしちゃったね」
あなた「あ、うん! だいぶ片付いたよ」
侑「ってことはあなたはもうすぐ出ていっちゃうんだ……」
あなた「そうだね……」
20: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:48:00.40 ID:jb4MrUll
翌日 部室
栞子「侑さん」
侑「ん、どうしたの?」
栞子「この申請書、名前が抜けているので記名をお願いします」
侑「オッケー……あれ? これ私の名前でいいの?」
栞子「はい?」
侑「こういうのって部長が書くべきなんじゃない?」
栞子「ええ、ですから――」
ランジュ「なら大部長のランジュが書いてあげるわ!」
侑「いや、ここは部長のかすみちゃんに……」
かすみ「ぶちょー……? あ、そうでした! もうっ、しお子なに間違えてるの?」
栞子「す、すみません! 私としたことが……」
ランジュ「ねぇかすみ、それランジュが書きたいわ! いいでしょ?」
かすみ「ダメですよ! 部長の役割を取らないでくださいっ!」
侑(なにかが、おかしいような……まさか!)
栞子「侑さん」
侑「ん、どうしたの?」
栞子「この申請書、名前が抜けているので記名をお願いします」
侑「オッケー……あれ? これ私の名前でいいの?」
栞子「はい?」
侑「こういうのって部長が書くべきなんじゃない?」
栞子「ええ、ですから――」
ランジュ「なら大部長のランジュが書いてあげるわ!」
侑「いや、ここは部長のかすみちゃんに……」
かすみ「ぶちょー……? あ、そうでした! もうっ、しお子なに間違えてるの?」
栞子「す、すみません! 私としたことが……」
ランジュ「ねぇかすみ、それランジュが書きたいわ! いいでしょ?」
かすみ「ダメですよ! 部長の役割を取らないでくださいっ!」
侑(なにかが、おかしいような……まさか!)
21: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:51:00.33 ID:jb4MrUll
あなたの部屋
侑「あなたの目的はなに?」
あなた「えっと……なんの話?」
侑「とぼけないで! ここを出て元の世界に帰るなんて、嘘だよね?」
あなた「えっ……」
侑「本当は……私と入れ替わるために現れたんでしょ?」
あなた「……私と侑ちゃんが入れ替わる? どうしてそんな――」
侑「最近みんなの様子が変なの。まるで記憶を書き換えられたみたいな……」
侑「あなたが現れてからだよ、おかしくなり始めたのは」
あなた「…………」
侑「正直に答えて。私と入れ替わるつもりなんだよね?」
あなた「……もしそうだとしたら、侑ちゃんはどうする?」
侑「そんなの止めるに決まってるよ!」
あなた「どうやって? どうやって止めるって言うの?」
侑「それは……」
あなた「一番確実なのは……私を〇すことかな」
侑「……!」
あなた「いいよ。侑ちゃんがそうしたいなら、私を〇しても」
侑「な、なに言ってるの……?」
侑「あなたの目的はなに?」
あなた「えっと……なんの話?」
侑「とぼけないで! ここを出て元の世界に帰るなんて、嘘だよね?」
あなた「えっ……」
侑「本当は……私と入れ替わるために現れたんでしょ?」
あなた「……私と侑ちゃんが入れ替わる? どうしてそんな――」
侑「最近みんなの様子が変なの。まるで記憶を書き換えられたみたいな……」
侑「あなたが現れてからだよ、おかしくなり始めたのは」
あなた「…………」
侑「正直に答えて。私と入れ替わるつもりなんだよね?」
あなた「……もしそうだとしたら、侑ちゃんはどうする?」
侑「そんなの止めるに決まってるよ!」
あなた「どうやって? どうやって止めるって言うの?」
侑「それは……」
あなた「一番確実なのは……私を〇すことかな」
侑「……!」
あなた「いいよ。侑ちゃんがそうしたいなら、私を〇しても」
侑「な、なに言ってるの……?」
22: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:54:00.45 ID:jb4MrUll
あなた「私が侑ちゃんの居場所を奪おうとしているなら、他にどんな方法で止められるの?」
あなた「大丈夫だよ、私の存在を知っているのは侑ちゃんだけなんだから」
あなた「そもそも私はこの世界の人間じゃないし、いつ消えてもなんの問題もないでしょ?」
あなた「私が死んだところで誰も気にしないし、世界にはなんの影響もない」
あなた「ただ、すべてが元に戻るだけ……違う?」
侑「だけどっ……〇すなんて……」
あなた「自分の居場所を本気で守りたいなら、それくらいの覚悟を持たないとダメなのっ!!」
侑「っ……」
あなた「やってよ。今ここで、私を〇してみせてよ」
侑「できないよ……」
あなた「どうして?」
侑「友達を〇すなんて、できるわけないよ……」
あなた「…………」
侑「…………」
あなた「……ごめん、怖がらせるようなこと言って」
あなた「心配しなくても私は侑ちゃんの居場所を奪ったりしないから」
あなた「だから……明日にはもうここを出ていくことにするよ」
あなた「それで侑ちゃんともこの世界とも、ちゃんとお別れする」
あなた「……少し、長くいすぎたのかもしれないね」
………………
…………
……
あなた「大丈夫だよ、私の存在を知っているのは侑ちゃんだけなんだから」
あなた「そもそも私はこの世界の人間じゃないし、いつ消えてもなんの問題もないでしょ?」
あなた「私が死んだところで誰も気にしないし、世界にはなんの影響もない」
あなた「ただ、すべてが元に戻るだけ……違う?」
侑「だけどっ……〇すなんて……」
あなた「自分の居場所を本気で守りたいなら、それくらいの覚悟を持たないとダメなのっ!!」
侑「っ……」
あなた「やってよ。今ここで、私を〇してみせてよ」
侑「できないよ……」
あなた「どうして?」
侑「友達を〇すなんて、できるわけないよ……」
あなた「…………」
侑「…………」
あなた「……ごめん、怖がらせるようなこと言って」
あなた「心配しなくても私は侑ちゃんの居場所を奪ったりしないから」
あなた「だから……明日にはもうここを出ていくことにするよ」
あなた「それで侑ちゃんともこの世界とも、ちゃんとお別れする」
あなた「……少し、長くいすぎたのかもしれないね」
………………
…………
……
23: (もなむす) 2023/04/01(土) 21:57:00.41 ID:jb4MrUll
翌日 部室
侑「…………」
歩夢「侑ちゃん、なにかあったの?」
侑「えっ、どうして?」
歩夢「なんだか寂しそうな顔してるよ」
侑「……そっか。私、寂しいんだ」
歩夢「悩みごとがあるなら、私になんでも言ってね?」
侑「ありがとう。でも大丈夫だから」
歩夢「……本当に?」
侑「うん。ねえ、覚えてる? 小学生のとき、遊園地で一緒に買ったお土産のこと」
歩夢「もちろん覚えてるけど……あれ?」
侑「歩夢?」
歩夢「それって侑ちゃんと行ったんだったっけ?」
侑「えっ……?」
歩夢「侑ちゃんと行ったのは……えっと……おかしいな、どうして思い出せないの?」
歩夢「大切な思い出なのに……侑ちゃんのこと、思い出せない……」
侑(もしかして……本当は、私が……?)
あなたの部屋
ガチャッ
あなた「あれっ、侑ちゃん? 学校はどうしたの?」
侑「……私に嘘、ついたよね?」
あなた「嘘?」
侑「別の世界から来たのは、あなたじゃなくて私なんでしょ?」
あなた「…………」
侑「…………」
歩夢「侑ちゃん、なにかあったの?」
侑「えっ、どうして?」
歩夢「なんだか寂しそうな顔してるよ」
侑「……そっか。私、寂しいんだ」
歩夢「悩みごとがあるなら、私になんでも言ってね?」
侑「ありがとう。でも大丈夫だから」
歩夢「……本当に?」
侑「うん。ねえ、覚えてる? 小学生のとき、遊園地で一緒に買ったお土産のこと」
歩夢「もちろん覚えてるけど……あれ?」
侑「歩夢?」
歩夢「それって侑ちゃんと行ったんだったっけ?」
侑「えっ……?」
歩夢「侑ちゃんと行ったのは……えっと……おかしいな、どうして思い出せないの?」
歩夢「大切な思い出なのに……侑ちゃんのこと、思い出せない……」
侑(もしかして……本当は、私が……?)
あなたの部屋
ガチャッ
あなた「あれっ、侑ちゃん? 学校はどうしたの?」
侑「……私に嘘、ついたよね?」
あなた「嘘?」
侑「別の世界から来たのは、あなたじゃなくて私なんでしょ?」
あなた「…………」
24: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:00:00.52 ID:jb4MrUll
侑「ありえないんだよ、歩夢が私との思い出を忘れちゃうなんて」
侑「きっとみんなの記憶を書き換えているのは、私自身……」
侑「それにこの部屋、どうして片付けてるの?」
侑「部屋ごとこの世界に飛ばされたなら、戻るときだって一緒のはずだよね?」
侑「私、なんでしょ? あなたの居場所を奪おうとしているのは……」
侑「本当のこと、話してくれるよね?」
あなた「……気づいちゃったんだね」
侑「じゃあやっぱり――」
あなた「でも侑ちゃんはこのままこの世界で生きていてくれないかな?」
侑「そんなのダメだよ! ここはあなたの世界なのに!」
侑「そうだ、私が死んだらあなたは居場所を取り戻せるんじゃ――」
あなた「もう遅いの! 世界は侑ちゃんに適応し始めてるから……」
あなた「この流れは誰にも止められない。だから私が去るしかないんだよ」
侑「だけど……」
あなた「私がいなくなれば、もっと早いスピードで世界は侑ちゃんに合わせて変わっていくと思う」
あなた「きっと侑ちゃんの記憶からも、私の存在はすぐに消えてなくなるよ」
侑「嫌だよ……あなたを忘れちゃうなんて……」
あなた「短い間だったけど、侑ちゃんと過ごすことができて楽しかったな」
侑「待ってよ! 私はまだあなたと――」
あなた「歩夢ちゃんのこと、任せたからね」
侑「……私、絶対忘れないから! あなたのこと、忘れないからね!」
――――――
――――
――
侑「きっとみんなの記憶を書き換えているのは、私自身……」
侑「それにこの部屋、どうして片付けてるの?」
侑「部屋ごとこの世界に飛ばされたなら、戻るときだって一緒のはずだよね?」
侑「私、なんでしょ? あなたの居場所を奪おうとしているのは……」
侑「本当のこと、話してくれるよね?」
あなた「……気づいちゃったんだね」
侑「じゃあやっぱり――」
あなた「でも侑ちゃんはこのままこの世界で生きていてくれないかな?」
侑「そんなのダメだよ! ここはあなたの世界なのに!」
侑「そうだ、私が死んだらあなたは居場所を取り戻せるんじゃ――」
あなた「もう遅いの! 世界は侑ちゃんに適応し始めてるから……」
あなた「この流れは誰にも止められない。だから私が去るしかないんだよ」
侑「だけど……」
あなた「私がいなくなれば、もっと早いスピードで世界は侑ちゃんに合わせて変わっていくと思う」
あなた「きっと侑ちゃんの記憶からも、私の存在はすぐに消えてなくなるよ」
侑「嫌だよ……あなたを忘れちゃうなんて……」
あなた「短い間だったけど、侑ちゃんと過ごすことができて楽しかったな」
侑「待ってよ! 私はまだあなたと――」
あなた「歩夢ちゃんのこと、任せたからね」
侑「……私、絶対忘れないから! あなたのこと、忘れないからね!」
――――――
――――
――
25: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:03:00.40 ID:jb4MrUll
ガチャッ……バタン
歩夢「侑ちゃん! そんなところでなにしてるの?」
侑「えっと……なにしてたんだろ、私……」
歩夢「そこって空き部屋だったよね? どうやって中に入ったの?」
侑「うーん……鍵が開いてたのかな?」
歩夢「ダメだよ? 開いてても勝手に入っちゃ」
侑「あー、うん。ごめん」
歩夢「それで……この後どうするの? 学校に戻る?」
歩夢「このまま帰るなら、みんなには私が――」
侑「戻るよ、学校に」
歩夢「そう?」
侑「みんなに心配かけたくないしね」
歩夢「ふふっ、そうだね」
侑「じゃあ……行こっか、歩夢ちゃん」
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
歩夢「侑ちゃん! そんなところでなにしてるの?」
侑「えっと……なにしてたんだろ、私……」
歩夢「そこって空き部屋だったよね? どうやって中に入ったの?」
侑「うーん……鍵が開いてたのかな?」
歩夢「ダメだよ? 開いてても勝手に入っちゃ」
侑「あー、うん。ごめん」
歩夢「それで……この後どうするの? 学校に戻る?」
歩夢「このまま帰るなら、みんなには私が――」
侑「戻るよ、学校に」
歩夢「そう?」
侑「みんなに心配かけたくないしね」
歩夢「ふふっ、そうだね」
侑「じゃあ……行こっか、歩夢ちゃん」
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
26: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:06:00.46 ID:jb4MrUll
トモリ「あなたは夢を見ますか?」
トモリ「夢の中では現実ではありえないような不思議なことが起きたり」
トモリ「時には恐ろしい目に遭うこともあります」
トモリ「どんな夢でも目が覚めてしまえばおしまいですが――」
トモリ「夢の中で『これは夢だ』と自覚してしまったら……」
トモリ「その夢は奇妙な世界への入口かもしれません」
………………
…………
……
『どりーみん☆かすみん』
部室
かすみ「むにゃ……はっ! あれ……かすみん寝ちゃってた……?」
ガラッ
果林「あら、かすみちゃんひとり?」
かすみ「あ……果林先輩」
果林「もしかして寝てた?」
かすみ「はい。ふわぁ~……」
果林「大きなあくびね、可愛い」
かすみ「えへへ、かすみんはなにしてても可愛いですから!」
果林「ところでかすみちゃん、白のパンダってどう思う?」
かすみ「はい? なんですか突然?」
果林「エマったらね、パンダが白かったらただの白熊だって言うのよ?」
かすみ「はあ……」
果林「でも白くたってパンダはパンダでしょ? 白熊じゃないわよね?」
かすみ「さあ? かすみんにはわかんないです……」
トモリ「夢の中では現実ではありえないような不思議なことが起きたり」
トモリ「時には恐ろしい目に遭うこともあります」
トモリ「どんな夢でも目が覚めてしまえばおしまいですが――」
トモリ「夢の中で『これは夢だ』と自覚してしまったら……」
トモリ「その夢は奇妙な世界への入口かもしれません」
………………
…………
……
『どりーみん☆かすみん』
部室
かすみ「むにゃ……はっ! あれ……かすみん寝ちゃってた……?」
ガラッ
果林「あら、かすみちゃんひとり?」
かすみ「あ……果林先輩」
果林「もしかして寝てた?」
かすみ「はい。ふわぁ~……」
果林「大きなあくびね、可愛い」
かすみ「えへへ、かすみんはなにしてても可愛いですから!」
果林「ところでかすみちゃん、白のパンダってどう思う?」
かすみ「はい? なんですか突然?」
果林「エマったらね、パンダが白かったらただの白熊だって言うのよ?」
かすみ「はあ……」
果林「でも白くたってパンダはパンダでしょ? 白熊じゃないわよね?」
かすみ「さあ? かすみんにはわかんないです……」
27: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:09:00.38 ID:jb4MrUll
果林「…………」ジー
かすみ「な、なんでそんなに見てるんですか?」
果林「かすみちゃんって、本当に可愛いわよね……」
かすみ「当たり前じゃないですか」
果林「ねぇ、今からデートしない?」
かすみ「デート?」
果林「ええ、ふたりっきりでお出かけしましょ?」
愛「カリン! 抜け駆けなんてずるいよ!」
ランジュ「そうよ! かすみはランジュとデートするんだから!」
璃奈「かすみちゃん、好き。璃奈ちゃんボード『むちゅちゅ~』」
かすみ「えっ、えっ!? 皆さんどこから現れ――」
かりあいらんりな「「「「かすみ!」ん!」ちゃん!」」
かすみ「う、うわぁー!」ピュー!
空き教室
バタンッ!
かすみ「はぁ……はぁ……ど、どうなってるの?」
あなた「知りたい?」
かすみ「わっ、先輩!?」
あなた「どうしてこんなことになってるか、気になるよね?」
かすみ「そりゃ気になりますけど……先輩は知ってるんですか?」
あなた「もちろん。ここはね、かすみちゃんの夢の中なんだよ」
かすみ「夢……?」
あなた「でね、この夢の中ではみんなかすみちゃんのことが大好きなの!」
かすみ「へぇ……ってことは先輩も!?」
あなた「いや私は別に」
かすみ「なんでですかっ!」
かすみ「な、なんでそんなに見てるんですか?」
果林「かすみちゃんって、本当に可愛いわよね……」
かすみ「当たり前じゃないですか」
果林「ねぇ、今からデートしない?」
かすみ「デート?」
果林「ええ、ふたりっきりでお出かけしましょ?」
愛「カリン! 抜け駆けなんてずるいよ!」
ランジュ「そうよ! かすみはランジュとデートするんだから!」
璃奈「かすみちゃん、好き。璃奈ちゃんボード『むちゅちゅ~』」
かすみ「えっ、えっ!? 皆さんどこから現れ――」
かりあいらんりな「「「「かすみ!」ん!」ちゃん!」」
かすみ「う、うわぁー!」ピュー!
空き教室
バタンッ!
かすみ「はぁ……はぁ……ど、どうなってるの?」
あなた「知りたい?」
かすみ「わっ、先輩!?」
あなた「どうしてこんなことになってるか、気になるよね?」
かすみ「そりゃ気になりますけど……先輩は知ってるんですか?」
あなた「もちろん。ここはね、かすみちゃんの夢の中なんだよ」
かすみ「夢……?」
あなた「でね、この夢の中ではみんなかすみちゃんのことが大好きなの!」
かすみ「へぇ……ってことは先輩も!?」
あなた「いや私は別に」
かすみ「なんでですかっ!」
28: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:12:00.33 ID:jb4MrUll
あなた「にしてもうらやましいなぁ~、みんなからモテモテなんて!」
かすみ「そう言う先輩は現実でもかなりモテモテのような……」
あなた「ん? なにか言った?」
かすみ「いえ……それより、どうやったら夢から抜け出せるんですか?」
あなた「ええっ!? そんなのもったいないよ!」
あなた「せっかくモテモテなんだから、この状況を楽しまないと!」
かすみ「でもかすみんは先輩のことが――」
あなた「私なんてほっといていいからさ! ほら、さっそく来たみたいだよ!」
かすみ「え? 来たって……」
ガラッ!
愛「かすかすー!」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんですっ!!」
愛「今から愛さんと原宿行こっ?」
かすみ「……それってデートですか?」
愛「かすみんは愛さんとデートがしたいの?」
かすみ「そういうわけじゃ……」
愛「だったらフツーに友達同士でショッピングってことで!」
かすみ「まあ、それならいいですけど……」
原宿
かすみ「愛先輩、この辺詳しいんですね」
愛「まあねっ。けっこー歩いたし、ちょっと休憩しよっか。なにか買ってくるから待ってて!」
かすみ「はい、じゃあここで座ってます」
愛「あっ、たこ焼きくーださい!」
店員「うぃっすー」
~間~
愛「はい、あーん!」
かすみ「そう言う先輩は現実でもかなりモテモテのような……」
あなた「ん? なにか言った?」
かすみ「いえ……それより、どうやったら夢から抜け出せるんですか?」
あなた「ええっ!? そんなのもったいないよ!」
あなた「せっかくモテモテなんだから、この状況を楽しまないと!」
かすみ「でもかすみんは先輩のことが――」
あなた「私なんてほっといていいからさ! ほら、さっそく来たみたいだよ!」
かすみ「え? 来たって……」
ガラッ!
愛「かすかすー!」
かすみ「かすかすじゃなくてかすみんですっ!!」
愛「今から愛さんと原宿行こっ?」
かすみ「……それってデートですか?」
愛「かすみんは愛さんとデートがしたいの?」
かすみ「そういうわけじゃ……」
愛「だったらフツーに友達同士でショッピングってことで!」
かすみ「まあ、それならいいですけど……」
原宿
かすみ「愛先輩、この辺詳しいんですね」
愛「まあねっ。けっこー歩いたし、ちょっと休憩しよっか。なにか買ってくるから待ってて!」
かすみ「はい、じゃあここで座ってます」
愛「あっ、たこ焼きくーださい!」
店員「うぃっすー」
~間~
愛「はい、あーん!」
29: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:15:00.59 ID:jb4MrUll
かすみ「か、かすみん自分で食べられますから!」
愛「いいからいいから!」
かすみ「うぅ……あーむっ」
愛「美味しい?」
かすみ「……はい」
愛「あの……さ、かすみんにお願いしたいことがあるんだけど……」
かすみ「なんですか?」
愛「アタシ……かすみんとキス、したい……」
かすみ「え……?」
愛「ダメ、かな……?」
かすみ(愛先輩、本当にかすみんのことが好きなんだ……)
かすみ(キス、しちゃっていいのかな……どうせ夢なんだし……)
かすみ(そう、夢。これは夢だもん! 起きたら全部なかったことになるなら――)
かすみ「わかりました。いいですよ、キスしても……」
愛「ほんとに!? いいの!?」
かすみ「二度も言わせないでくださいっ!」
愛「じゃあさ、かすみんからしてほしい!」
かすみ「ええっ!?」
愛「ほら、早く愛さんにキスしてよ!」
かすみ「……あーもう! 一回だけですからね!」
チュッ
………………
…………
……
愛「いいからいいから!」
かすみ「うぅ……あーむっ」
愛「美味しい?」
かすみ「……はい」
愛「あの……さ、かすみんにお願いしたいことがあるんだけど……」
かすみ「なんですか?」
愛「アタシ……かすみんとキス、したい……」
かすみ「え……?」
愛「ダメ、かな……?」
かすみ(愛先輩、本当にかすみんのことが好きなんだ……)
かすみ(キス、しちゃっていいのかな……どうせ夢なんだし……)
かすみ(そう、夢。これは夢だもん! 起きたら全部なかったことになるなら――)
かすみ「わかりました。いいですよ、キスしても……」
愛「ほんとに!? いいの!?」
かすみ「二度も言わせないでくださいっ!」
愛「じゃあさ、かすみんからしてほしい!」
かすみ「ええっ!?」
愛「ほら、早く愛さんにキスしてよ!」
かすみ「……あーもう! 一回だけですからね!」
チュッ
………………
…………
……
30: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:18:00.47 ID:jb4MrUll
かすみ「夢の中とはいえ、愛先輩にキスしちゃった……」
璃奈「かすみちゃん」
かすみ「あ、りな子……」
璃奈「今から私の家、来てほしい……」
かすみ「え、なんで?」
璃奈「……嫌?」
かすみ「別にそういうわけじゃないけど……」
璃奈「じゃあ行こ」グイッ
かすみ「ちょっ、りな子!?」
璃奈の部屋
璃奈「かすみちゃんのためにゲームを作ったから、遊んでみて」
かすみ「へー、どんなゲーム?」
璃奈「璃奈ちゃんボールを転がして、可愛いものをくっつけて大きくするゲーム」
かすみ「……よくわかんないけど、とりあえずやってみよーっと」
~間~
かすみ「はあ~……やっとここまで大きくなった……」
かすみ「可愛くないものを巻き込んだら即ゲームオーバーなんて……」
璃奈「可愛さを追求するかすみちゃんのための特別仕様だよ」
かすみ「この難易度は全然可愛くないっ! って、あそこにいるのかすみん!?」
かすみ「くふふ、このゲームで一番可愛いもの見つけちゃった~。早速巻き込んじゃおーっと」ティコン
かすみ「……あれ? 終わっちゃったんだけど……まさかかすみんが可愛くないってこと!?」
璃奈「ううん、これはゲームクリア。私とかすみちゃんがひとつになれたから」
璃奈「かすみちゃんと、ひとつに……璃奈ちゃんボード『てれてれ』」
かすみ(……なんか怖いから深く考えないでおこ)
璃奈「かすみちゃん」
かすみ「あ、りな子……」
璃奈「今から私の家、来てほしい……」
かすみ「え、なんで?」
璃奈「……嫌?」
かすみ「別にそういうわけじゃないけど……」
璃奈「じゃあ行こ」グイッ
かすみ「ちょっ、りな子!?」
璃奈の部屋
璃奈「かすみちゃんのためにゲームを作ったから、遊んでみて」
かすみ「へー、どんなゲーム?」
璃奈「璃奈ちゃんボールを転がして、可愛いものをくっつけて大きくするゲーム」
かすみ「……よくわかんないけど、とりあえずやってみよーっと」
~間~
かすみ「はあ~……やっとここまで大きくなった……」
かすみ「可愛くないものを巻き込んだら即ゲームオーバーなんて……」
璃奈「可愛さを追求するかすみちゃんのための特別仕様だよ」
かすみ「この難易度は全然可愛くないっ! って、あそこにいるのかすみん!?」
かすみ「くふふ、このゲームで一番可愛いもの見つけちゃった~。早速巻き込んじゃおーっと」ティコン
かすみ「……あれ? 終わっちゃったんだけど……まさかかすみんが可愛くないってこと!?」
璃奈「ううん、これはゲームクリア。私とかすみちゃんがひとつになれたから」
璃奈「かすみちゃんと、ひとつに……璃奈ちゃんボード『てれてれ』」
かすみ(……なんか怖いから深く考えないでおこ)
32: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:21:00.33 ID:jb4MrUll
かすみ「というかりな子は隣で見てるだけでよかったの?」
璃奈「うん。かすみちゃんと……好きな人と一緒にいられるだけでも幸せだから」
かすみ「りな子……」
璃奈「ねえ、かすみちゃん。私のこと……ギュってして?」
かすみ「……しょうがないなあ」ギュッ
璃奈「えへへ……かすみちゃん、大好き」
………………
…………
……
かすみ「りな子があんなに甘えてくるなんて……ちょっとドキッとしちゃったかも」
ランジュ「かすみ! 探したわよ!」
かすみ「今度はランジュ先輩ですか……」
ランジュ「さ、デートしましょ! ランジュ、かすみと一緒に行きたいところがあるの!」
かすみ「はいはい、わかりましたよ……」
お城みたいな建物前
かすみ「って、ここは……!?」
ランジュ「ここ、一度来てみたかったのよ!」
かすみ「ま、待ってください! ここがどんなところかわかってるんですか!?」
ランジュ「ええ。恋人同士で入るところでしょ? ランジュが知らないわけないじゃない」
かすみ「でもでもかすみんたちまだ高校生ですし……」
ランジュ「つべこべ言わずに入るわよ!」グイッ
かすみ「ちょおっ……!」
璃奈「うん。かすみちゃんと……好きな人と一緒にいられるだけでも幸せだから」
かすみ「りな子……」
璃奈「ねえ、かすみちゃん。私のこと……ギュってして?」
かすみ「……しょうがないなあ」ギュッ
璃奈「えへへ……かすみちゃん、大好き」
………………
…………
……
かすみ「りな子があんなに甘えてくるなんて……ちょっとドキッとしちゃったかも」
ランジュ「かすみ! 探したわよ!」
かすみ「今度はランジュ先輩ですか……」
ランジュ「さ、デートしましょ! ランジュ、かすみと一緒に行きたいところがあるの!」
かすみ「はいはい、わかりましたよ……」
お城みたいな建物前
かすみ「って、ここは……!?」
ランジュ「ここ、一度来てみたかったのよ!」
かすみ「ま、待ってください! ここがどんなところかわかってるんですか!?」
ランジュ「ええ。恋人同士で入るところでしょ? ランジュが知らないわけないじゃない」
かすみ「でもでもかすみんたちまだ高校生ですし……」
ランジュ「つべこべ言わずに入るわよ!」グイッ
かすみ「ちょおっ……!」
33: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:24:00.45 ID:jb4MrUll
同・内部
かすみ(はうぅ……まさかランジュ先輩とホテルに入るなんて……)
ランジュ「きゃあっ! すごいわ! これはなにかしら……?」
かすみ(まあランジュ先輩のことだし、変なことにはならないよね)
かすみ(それにこういうところで女子会するって話も聞くし……)
ランジュ「かすみ? なにぼーっとしてるの?」
かすみ「ああランジュ先輩。もう気は済みましたか……って、ええっ!? ふ、服はどうしたんですか!?」
ランジュ「かすみこそどうしてまだ脱いでないの?」
かすみ「いや、あの、だって……」
ランジュ「いいわ、ランジュが脱がせてあげるから!」
かすみ「ま、待ってください! かすみんそんなつもりじゃ――」
ランジュ「让我们做爱吧!」
かすみ「いやぁーっ!」
………………
…………
……
かすみ「ううっ……ランジュ先輩とあんなことになるなんて……」
かすみ「でもでもこれは夢だもん! 夢だからノーカンだもん……」
果林「ハァイ、かすみちゃん」
かすみ「ひっ! 果林先輩……」プルプル
果林「どうしてそんなに怯えてるの?」
かすみ(ランジュ先輩でアレなら、果林先輩じゃもっと大変なことに……)
果林「ねぇかすみちゃん。私とデートしてくれる?」
かすみ「か、かすみんになにするつもりですか!?」
果林「別になにもしないわ。一緒に動物園に行ってほしいだけよ」
かすみ「動物園……?」
かすみ(はうぅ……まさかランジュ先輩とホテルに入るなんて……)
ランジュ「きゃあっ! すごいわ! これはなにかしら……?」
かすみ(まあランジュ先輩のことだし、変なことにはならないよね)
かすみ(それにこういうところで女子会するって話も聞くし……)
ランジュ「かすみ? なにぼーっとしてるの?」
かすみ「ああランジュ先輩。もう気は済みましたか……って、ええっ!? ふ、服はどうしたんですか!?」
ランジュ「かすみこそどうしてまだ脱いでないの?」
かすみ「いや、あの、だって……」
ランジュ「いいわ、ランジュが脱がせてあげるから!」
かすみ「ま、待ってください! かすみんそんなつもりじゃ――」
ランジュ「让我们做爱吧!」
かすみ「いやぁーっ!」
………………
…………
……
かすみ「ううっ……ランジュ先輩とあんなことになるなんて……」
かすみ「でもでもこれは夢だもん! 夢だからノーカンだもん……」
果林「ハァイ、かすみちゃん」
かすみ「ひっ! 果林先輩……」プルプル
果林「どうしてそんなに怯えてるの?」
かすみ(ランジュ先輩でアレなら、果林先輩じゃもっと大変なことに……)
果林「ねぇかすみちゃん。私とデートしてくれる?」
かすみ「か、かすみんになにするつもりですか!?」
果林「別になにもしないわ。一緒に動物園に行ってほしいだけよ」
かすみ「動物園……?」
34: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:27:00.31 ID:jb4MrUll
動物園
果林「ほんとパンダは可愛いわね……でもかすみちゃんにはかなわないわ」
かすみ「……ありがとうございます」
果林「…………」
かすみ「…………」
果林「……やっぱり、迷惑よね。私の気持ちは」
かすみ「えっ?」
果林「だってかすみちゃんが好きなのはあの子だもの。私じゃなくて……」
果林「今日は私なんかに付き合ってくれてありがとう。さ、もう帰りましょ」
かすみ「……迷惑なんかじゃないです」
果林「かすみちゃん……」
かすみ「かすみんにしてほしいこととか、ありませんか?」
果林「それってなんでもいいの?」
かすみ「……私にできることなら」
果林「そうね……じゃあひとつお願いしてもいいかしら?」
かすみ「……はい」
果林「これからもかすみちゃんのこと、好きでいさせてほしいの」
かすみ「え、そんなことでいいんですか? 他になにか――」
果林「それだけで十分よ。かすみちゃんへのこの想いは、大切なものだから」
かすみ「そう、ですか。かすみんてっきりエ チなお願いをされるのかと……」
果林「あら、かすみちゃんはそういうお願いのほうがよかったの?」
かすみ「違いますっ!」
果林「ふふっ、冗談よ」
かすみ「もー! からかわないでくださいっ!」
………………
…………
……
果林「ほんとパンダは可愛いわね……でもかすみちゃんにはかなわないわ」
かすみ「……ありがとうございます」
果林「…………」
かすみ「…………」
果林「……やっぱり、迷惑よね。私の気持ちは」
かすみ「えっ?」
果林「だってかすみちゃんが好きなのはあの子だもの。私じゃなくて……」
果林「今日は私なんかに付き合ってくれてありがとう。さ、もう帰りましょ」
かすみ「……迷惑なんかじゃないです」
果林「かすみちゃん……」
かすみ「かすみんにしてほしいこととか、ありませんか?」
果林「それってなんでもいいの?」
かすみ「……私にできることなら」
果林「そうね……じゃあひとつお願いしてもいいかしら?」
かすみ「……はい」
果林「これからもかすみちゃんのこと、好きでいさせてほしいの」
かすみ「え、そんなことでいいんですか? 他になにか――」
果林「それだけで十分よ。かすみちゃんへのこの想いは、大切なものだから」
かすみ「そう、ですか。かすみんてっきりエ チなお願いをされるのかと……」
果林「あら、かすみちゃんはそういうお願いのほうがよかったの?」
かすみ「違いますっ!」
果林「ふふっ、冗談よ」
かすみ「もー! からかわないでくださいっ!」
………………
…………
……
35: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:30:00.44 ID:jb4MrUll
あなた「夢の世界はどうだった?」
かすみ「ちょっと怖いこともありましたけど……楽しかったです」
あなた「ならよかった!」
かすみ「それでどうしたら夢から覚めるんですか?」
かすみ「あっ! もしかして先輩のキスで目が覚めたり――」
あなた「いや、普通に起きようと思えば起きられるよ」
かすみ「えー」
あなた「それじゃかすみちゃん、現実でも元気でね」
かすみ「はい! 夢の中の先輩もお元気で! よーし。目、覚めろ~!」
あなた「あ、最後にひとつだけ」
かすみ「なんですか?」
あなた「本当は私もかすみちゃんのこと好きだったの!」
かすみ「えええっ!? だったら最後にデートしてぇぇぇぇ……!」
――――――
――――
――
部室
かすみ「はっ! ああああ! なんで覚めちゃうのっ!? せっかく先輩がぁ……くぅ~!」
ガラッ
果林「かすみちゃん? どうしたの?」
かすみ「果林先輩! 今すっごく悔しいことがあったんですよ!」
果林「へえ、そうなの」
かすみ「ちょっと怖いこともありましたけど……楽しかったです」
あなた「ならよかった!」
かすみ「それでどうしたら夢から覚めるんですか?」
かすみ「あっ! もしかして先輩のキスで目が覚めたり――」
あなた「いや、普通に起きようと思えば起きられるよ」
かすみ「えー」
あなた「それじゃかすみちゃん、現実でも元気でね」
かすみ「はい! 夢の中の先輩もお元気で! よーし。目、覚めろ~!」
あなた「あ、最後にひとつだけ」
かすみ「なんですか?」
あなた「本当は私もかすみちゃんのこと好きだったの!」
かすみ「えええっ!? だったら最後にデートしてぇぇぇぇ……!」
――――――
――――
――
部室
かすみ「はっ! ああああ! なんで覚めちゃうのっ!? せっかく先輩がぁ……くぅ~!」
ガラッ
果林「かすみちゃん? どうしたの?」
かすみ「果林先輩! 今すっごく悔しいことがあったんですよ!」
果林「へえ、そうなの」
36: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:33:00.42 ID:jb4MrUll
かすみ「あとちょっとだったのにぃ……ぐぬぬぬぬ!」
果林「……相当悔しかったのね」
かすみ「今の夢、もっかい見れないかな……今度こそ先輩と……!」ブツブツ
果林「そんな顔してたら可愛いかすみちゃんが台無しよ?」
かすみ「いいんですっ! かすみんはどんな顔してても可愛いので!」
果林「……それもそうね。ところでかすみちゃん」
かすみ「はい?」
果林「白のパンダってどう思う?」
かすみ「……へ?」
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
トモリ「どんなに幸せな夢でも、永遠に終わらなければそれは悪夢と同じです」
トモリ「誰もがいつかは夢から覚めなければいけません」
トモリ「目を開ければ、そこには大きな世界が広がっています」
トモリ「そしてその世界は日々変わり続けるのです」
トモリ「同じように見えても、人も街も毎日少しずつ変わっていきます」
トモリ「あなたの身近にいる誰かも、昨日までとはなにかが違っているかもしれません」
………………
…………
……
果林「……相当悔しかったのね」
かすみ「今の夢、もっかい見れないかな……今度こそ先輩と……!」ブツブツ
果林「そんな顔してたら可愛いかすみちゃんが台無しよ?」
かすみ「いいんですっ! かすみんはどんな顔してても可愛いので!」
果林「……それもそうね。ところでかすみちゃん」
かすみ「はい?」
果林「白のパンダってどう思う?」
かすみ「……へ?」
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
トモリ「どんなに幸せな夢でも、永遠に終わらなければそれは悪夢と同じです」
トモリ「誰もがいつかは夢から覚めなければいけません」
トモリ「目を開ければ、そこには大きな世界が広がっています」
トモリ「そしてその世界は日々変わり続けるのです」
トモリ「同じように見えても、人も街も毎日少しずつ変わっていきます」
トモリ「あなたの身近にいる誰かも、昨日までとはなにかが違っているかもしれません」
………………
…………
……
37: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:36:00.35 ID:jb4MrUll
『昨日までと違う人』
部室
せつ菜「ひとつ聞いてもいいですか?」
あなた「ん? なに?」
せつ菜「あなたは私のこと、どう思っていますか?」
あなた「ええっ!? どど、どうって……?」
せつ菜「正直な気持ちを聞かせてください!」
あなた「えっと……すごく素敵だと思ってるよ」
あなた「スクールアイドルとしても、一人の女の子としても……」
あなた「その……なんていうか……好き、だよ……?」
せつ菜「あ……ありがとうございます……」
あなた「うん……」
せつ菜「ですが私が聞きたかったのはそういうことではなくてですね……」
あなた「へ……?」
せつ菜「さらなる飛躍のために、私にもなにか変化が必要なのでは? と思いまして……」
あなた「……!」カァァァ
せつ菜「すみません! 言葉足らずで……」
部室
せつ菜「ひとつ聞いてもいいですか?」
あなた「ん? なに?」
せつ菜「あなたは私のこと、どう思っていますか?」
あなた「ええっ!? どど、どうって……?」
せつ菜「正直な気持ちを聞かせてください!」
あなた「えっと……すごく素敵だと思ってるよ」
あなた「スクールアイドルとしても、一人の女の子としても……」
あなた「その……なんていうか……好き、だよ……?」
せつ菜「あ……ありがとうございます……」
あなた「うん……」
せつ菜「ですが私が聞きたかったのはそういうことではなくてですね……」
あなた「へ……?」
せつ菜「さらなる飛躍のために、私にもなにか変化が必要なのでは? と思いまして……」
あなた「……!」カァァァ
せつ菜「すみません! 言葉足らずで……」
38: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:39:00.46 ID:jb4MrUll
あなた「わ、私こそごめん……変なこと言って……」
せつ菜「いえっ! 変なんかじゃないです! その、嬉しかったので……」
あなた「そっか……ならよかった……のかな?」
せつ菜「は、話を戻しましょう!」
あなた「あ、そうだね!」
せつ菜「こほん……あなたから見て、今の私はどうですか?」
あなた「うーん……特になにかを変える必要はない気がするけど……」
せつ菜「そうでしょうか……」
あなた「でもちょっとしたイメチェンをしてみるのは面白いかも」
せつ菜「なるほど……イメージチェンジですか……」
あなた「と言っても具体的なことは思いつかないんだけどね、あはは……」
せつ菜「ではこうしましょう! 明日から毎日少し違った私になってみるので――」
せつ菜「あなたの意見を聞かせてくれませんか?」
あなた「少し違ったせつ菜ちゃんって、どんなの?」
せつ菜「それは見てからのお楽しみです!」
あなた「……なんだか面白そう! 私、協力するよ!」
せつ菜「ありがとうございます!」
せつ菜「いえっ! 変なんかじゃないです! その、嬉しかったので……」
あなた「そっか……ならよかった……のかな?」
せつ菜「は、話を戻しましょう!」
あなた「あ、そうだね!」
せつ菜「こほん……あなたから見て、今の私はどうですか?」
あなた「うーん……特になにかを変える必要はない気がするけど……」
せつ菜「そうでしょうか……」
あなた「でもちょっとしたイメチェンをしてみるのは面白いかも」
せつ菜「なるほど……イメージチェンジですか……」
あなた「と言っても具体的なことは思いつかないんだけどね、あはは……」
せつ菜「ではこうしましょう! 明日から毎日少し違った私になってみるので――」
せつ菜「あなたの意見を聞かせてくれませんか?」
あなた「少し違ったせつ菜ちゃんって、どんなの?」
せつ菜「それは見てからのお楽しみです!」
あなた「……なんだか面白そう! 私、協力するよ!」
せつ菜「ありがとうございます!」
39: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:42:00.40 ID:jb4MrUll
翌日
せつ菜「昨日とは違う優木せつ菜です!」
あなた「うん……? どこか変わってるの?」
せつ菜「はい! わかりませんか?」
あなた「んーっと……あ! 髪! 分け目が変わってる!」
せつ菜「わあ、正解ですっ! あなたなら気づいてくれると思っていました!」
あなた「なんか間違い探しみたいだね」
せつ菜「ふふっ、そうですね。ですがそれは趣旨とは違いますよ!」
あなた「あ、そっか」
せつ菜「あなたから見て、今日の私はどうですか?」
あなた「そうだなぁ……ちょっと印象が変わった気はするけど……」
あなた「インパクトは少なめって感じかなぁ」
せつ菜「ふむ……やはり変化は大きい方がいいんでしょうか?」
あなた「うーん、まあこういうのは色々試してみないとね」
せつ菜「ですよね! よーし、明日も気合を入れていきます!」
あなた「楽しみにしてるね!」
せつ菜「昨日とは違う優木せつ菜です!」
あなた「うん……? どこか変わってるの?」
せつ菜「はい! わかりませんか?」
あなた「んーっと……あ! 髪! 分け目が変わってる!」
せつ菜「わあ、正解ですっ! あなたなら気づいてくれると思っていました!」
あなた「なんか間違い探しみたいだね」
せつ菜「ふふっ、そうですね。ですがそれは趣旨とは違いますよ!」
あなた「あ、そっか」
せつ菜「あなたから見て、今日の私はどうですか?」
あなた「そうだなぁ……ちょっと印象が変わった気はするけど……」
あなた「インパクトは少なめって感じかなぁ」
せつ菜「ふむ……やはり変化は大きい方がいいんでしょうか?」
あなた「うーん、まあこういうのは色々試してみないとね」
せつ菜「ですよね! よーし、明日も気合を入れていきます!」
あなた「楽しみにしてるね!」
40: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:45:00.49 ID:jb4MrUll
翌日
せつ菜「ジャーン! 今日の優木せつ菜です!!」
あなた「おおっ、今日は制服なんだ!」
せつ菜「そうなんです! どうですかどうですか!?」
あなた「なんだか新鮮だね! 制服姿のせつ菜ちゃんもすっごく可愛い!」
せつ菜「えへへ……ありがとうございますっ」
あなた「それに……私とお揃いって感じがして嬉しいかも」
せつ菜「お揃いですか……そう考えると私も嬉しいですね!」
あなた「せっかくだから写真撮ろうよ! ふたりで!」
せつ菜「えっ?……まあ写真ならいい、かな」
あなた「ほらほら、もっとくっつこうよ!」
せつ菜「は、はいっ……」
あなた「じゃあ撮るよー?」カシャッ
せつ菜「ジャーン! 今日の優木せつ菜です!!」
あなた「おおっ、今日は制服なんだ!」
せつ菜「そうなんです! どうですかどうですか!?」
あなた「なんだか新鮮だね! 制服姿のせつ菜ちゃんもすっごく可愛い!」
せつ菜「えへへ……ありがとうございますっ」
あなた「それに……私とお揃いって感じがして嬉しいかも」
せつ菜「お揃いですか……そう考えると私も嬉しいですね!」
あなた「せっかくだから写真撮ろうよ! ふたりで!」
せつ菜「えっ?……まあ写真ならいい、かな」
あなた「ほらほら、もっとくっつこうよ!」
せつ菜「は、はいっ……」
あなた「じゃあ撮るよー?」カシャッ
41: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:48:00.32 ID:jb4MrUll
翌日
菜々「おはようございます」
あなた「せつ菜ちゃん、今日も制服だね……って、あれ? 菜々ちゃん?」
菜々「はい。今日の私はせつ菜ではなく、中川菜々ですよ」
あなた「へぇ~、こういうパターンもあるのかぁ……」
菜々「あなたは優木せつ菜と中川菜々、どちらの私が好きですか?」
あなた「ええっ!? そんなの選べないよぉ……」
菜々「つまりあなたは菜々のことも好きだと思ってくれているんですね」
あなた「うぅ……なんだか今日はちょっと意地悪じゃない?」
菜々「ふふっ、すみません。そんなつもりはなかったのですが……」
あなた「ほんとかなぁ?」
菜々「……あなたはこれからも、私のことを好きでいてくれますか?」
あなた「もちろん! 私はずっとせつ菜ちゃんのことが好きだよ!」
菜々「それが、どんな私でも……?」
あなた「うんっ!」
菜々「……よかった」
菜々「おはようございます」
あなた「せつ菜ちゃん、今日も制服だね……って、あれ? 菜々ちゃん?」
菜々「はい。今日の私はせつ菜ではなく、中川菜々ですよ」
あなた「へぇ~、こういうパターンもあるのかぁ……」
菜々「あなたは優木せつ菜と中川菜々、どちらの私が好きですか?」
あなた「ええっ!? そんなの選べないよぉ……」
菜々「つまりあなたは菜々のことも好きだと思ってくれているんですね」
あなた「うぅ……なんだか今日はちょっと意地悪じゃない?」
菜々「ふふっ、すみません。そんなつもりはなかったのですが……」
あなた「ほんとかなぁ?」
菜々「……あなたはこれからも、私のことを好きでいてくれますか?」
あなた「もちろん! 私はずっとせつ菜ちゃんのことが好きだよ!」
菜々「それが、どんな私でも……?」
あなた「うんっ!」
菜々「……よかった」
42: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:51:00.47 ID:jb4MrUll
翌日
せつ菜「おはようございますっ!!」
あなた「おはよう、今日はせつ菜ちゃんなんだね」
せつ菜「ですが今日の私も一味違いますよ!」
あなた「うーん、見た目はいつも通りに見えるけど……」
せつ菜「どこが変わったのか知りたいですか?」
あなた「教えて教えて!」
せつ菜「今日は……あなたとの関係を少し変えてみたんですよ、先輩」
あなた「え……? 今“先輩”って……」
せつ菜「はいっ! 今日は後輩の優木せつ菜です!」
あなた「おおぉ……これは予想外かも……」
せつ菜「先輩先輩っ! 私、先輩のこと……だーい好きですよっ!」
あなた「――!!」
せつ菜「なーんて……どうでしょうか?」
あなた「……せつ菜ちゃん。私、死んじゃうかも」
せつ菜「えええっ!? だ、大丈夫ですか!?!?」
せつ菜「おはようございますっ!!」
あなた「おはよう、今日はせつ菜ちゃんなんだね」
せつ菜「ですが今日の私も一味違いますよ!」
あなた「うーん、見た目はいつも通りに見えるけど……」
せつ菜「どこが変わったのか知りたいですか?」
あなた「教えて教えて!」
せつ菜「今日は……あなたとの関係を少し変えてみたんですよ、先輩」
あなた「え……? 今“先輩”って……」
せつ菜「はいっ! 今日は後輩の優木せつ菜です!」
あなた「おおぉ……これは予想外かも……」
せつ菜「先輩先輩っ! 私、先輩のこと……だーい好きですよっ!」
あなた「――!!」
せつ菜「なーんて……どうでしょうか?」
あなた「……せつ菜ちゃん。私、死んじゃうかも」
せつ菜「えええっ!? だ、大丈夫ですか!?!?」
43: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:54:00.76 ID:jb4MrUll
翌日
ガラッ
あなた「あっ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「…………」スタスタ……
あなた「……?」
せつ菜「…………」チョコンッピタッ
あなた「えっと……なんで私にくっついてるの?」
せつ菜「……今日は、どんな私だと思いますか?」
あなた「なんだろう……ワンちゃん、とか?」
せつ菜「違いますよ。今日の私は、あなたの恋人の優木せつ菜です」
あなた「へぇ……へ? ん? あー……え? ええっ!?」
せつ菜「こういう私は、どう思いますか?」
あなた「ど、どうって……あの、えっと……うぅ……」
せつ菜「すみません、この私はあまり気に入ってもらえなかったみたいですね」
あなた「そうじゃなくてっ! その、元々の目的はなんだったかなって思って……」
せつ菜「目的ですか……そんなのは最初からどうでもよかったのかもしれません」
あなた「えっ?」
ガラッ
あなた「あっ、せつ菜ちゃん」
せつ菜「…………」スタスタ……
あなた「……?」
せつ菜「…………」チョコンッピタッ
あなた「えっと……なんで私にくっついてるの?」
せつ菜「……今日は、どんな私だと思いますか?」
あなた「なんだろう……ワンちゃん、とか?」
せつ菜「違いますよ。今日の私は、あなたの恋人の優木せつ菜です」
あなた「へぇ……へ? ん? あー……え? ええっ!?」
せつ菜「こういう私は、どう思いますか?」
あなた「ど、どうって……あの、えっと……うぅ……」
せつ菜「すみません、この私はあまり気に入ってもらえなかったみたいですね」
あなた「そうじゃなくてっ! その、元々の目的はなんだったかなって思って……」
せつ菜「目的ですか……そんなのは最初からどうでもよかったのかもしれません」
あなた「えっ?」
44: (もなむす) 2023/04/01(土) 22:57:00.46 ID:jb4MrUll
せつ菜「私はただ……こうしてあなたと一緒にいたかっただけなんです。大好きな、あなたと」
あなた「せつ菜ちゃん……」
せつ菜「ごめんなさい……こんなわがままに付き合わせてしまって……」
あなた「謝ることなんてないよ!」
せつ菜「…………」
あなた「言ったでしょ? 私もせつ菜ちゃんが好きだって」
あなた「ううん、ただの好きじゃない。私はせつ菜ちゃんのことが大好きなのっ!!」
せつ菜「……!」
あなた「だからどんなわがままにだって私は付き合うよ!」
せつ菜「……嬉しいな。あなたにそんなことを言ってもらえるなんて」
せつ菜「私、ずっとあなたと一緒にいたいです。いつまでも、いつまでも……」
あなた「うん。私もせつ菜ちゃんと同じ気持ちだよ」
せつ菜「ではもうしばらく、このままでいさせてください……」ギュッ
………………
…………
……
あなた「せつ菜ちゃん……」
せつ菜「ごめんなさい……こんなわがままに付き合わせてしまって……」
あなた「謝ることなんてないよ!」
せつ菜「…………」
あなた「言ったでしょ? 私もせつ菜ちゃんが好きだって」
あなた「ううん、ただの好きじゃない。私はせつ菜ちゃんのことが大好きなのっ!!」
せつ菜「……!」
あなた「だからどんなわがままにだって私は付き合うよ!」
せつ菜「……嬉しいな。あなたにそんなことを言ってもらえるなんて」
せつ菜「私、ずっとあなたと一緒にいたいです。いつまでも、いつまでも……」
あなた「うん。私もせつ菜ちゃんと同じ気持ちだよ」
せつ菜「ではもうしばらく、このままでいさせてください……」ギュッ
………………
…………
……
46: (もなむす) 2023/04/01(土) 23:00:00.33 ID:jb4MrUll
翌日
せつ菜「おはようございます!」
あなた「せつ菜ちゃん、おはよう。今日はどんなせつ菜ちゃんかな?」
せつ菜「今日の私はいつもの優木せつ菜ですよ!」
あなた「えっ、じゃあもうイメチェンはおしまいなの?」
せつ菜「そうですね……私の気持ちは伝えちゃいましたから」
せつ菜「もう変に理由をつける必要はありません!」
あなた「そっか。でもちょっと寂しいなぁ……」
せつ菜「寂しい、ですか?」
あなた「うん。もっといろんなせつ菜ちゃんを見てみたかったかも……なんて」
せつ菜「…………」
あなた「だけどね、やっぱり私はいつものせつ菜ちゃんが好きだよ?」
せつ菜「……好き?」
あなた「……大好き」
せつ菜「ふふっ、ありがとうございますっ!」
――――――
――――
――
せつ菜「おはようございます!」
あなた「せつ菜ちゃん、おはよう。今日はどんなせつ菜ちゃんかな?」
せつ菜「今日の私はいつもの優木せつ菜ですよ!」
あなた「えっ、じゃあもうイメチェンはおしまいなの?」
せつ菜「そうですね……私の気持ちは伝えちゃいましたから」
せつ菜「もう変に理由をつける必要はありません!」
あなた「そっか。でもちょっと寂しいなぁ……」
せつ菜「寂しい、ですか?」
あなた「うん。もっといろんなせつ菜ちゃんを見てみたかったかも……なんて」
せつ菜「…………」
あなた「だけどね、やっぱり私はいつものせつ菜ちゃんが好きだよ?」
せつ菜「……好き?」
あなた「……大好き」
せつ菜「ふふっ、ありがとうございますっ!」
――――――
――――
――
47: (もなむす) 2023/04/01(土) 23:03:00.49 ID:jb4MrUll
夕方
ガラッ!
せつ菜「はあっ……はあ……」
あなた「せつ菜ちゃん……?」
せつ菜「よかった……まだ残っていたんですね」
あなた「どうしたの? そんなに急いで……」
せつ菜「その……急にあなたの顔が見たくなったと言いますか……」
あなた「あはは、なにそれ。明日またすぐ会えるのに」
せつ菜「あ……ですよね! すみません、変なことを言って……」
あなた「でも嬉しいよ? 私もせつ菜ちゃんに会うとなんかほっとするから」
せつ菜「そうなんですか?」
あなた「うんっ。だってせつ菜ちゃんは私の大好きな人だもん!」
せつ菜「なるほど……それを聞いたら、私もほっとしちゃいました!」
あなた「ならもう安心だね。じゃあ、また明日!」
せつ菜「……はいっ。さようなら!」
ガラッ!
せつ菜「はあっ……はあ……」
あなた「せつ菜ちゃん……?」
せつ菜「よかった……まだ残っていたんですね」
あなた「どうしたの? そんなに急いで……」
せつ菜「その……急にあなたの顔が見たくなったと言いますか……」
あなた「あはは、なにそれ。明日またすぐ会えるのに」
せつ菜「あ……ですよね! すみません、変なことを言って……」
あなた「でも嬉しいよ? 私もせつ菜ちゃんに会うとなんかほっとするから」
せつ菜「そうなんですか?」
あなた「うんっ。だってせつ菜ちゃんは私の大好きな人だもん!」
せつ菜「なるほど……それを聞いたら、私もほっとしちゃいました!」
あなた「ならもう安心だね。じゃあ、また明日!」
せつ菜「……はいっ。さようなら!」
48: (もなむす) 2023/04/01(土) 23:06:00.73 ID:jb4MrUll
翌日
ガラッ
あなた「おっ、みんなお揃いだね」
しずく「おはようございます、先輩」
あなた「うん、おはよう。ふわぁ~……」
エマ「わあ、なんだか眠そうだねぇ」
あなた「昨日のせつ菜ちゃんのことが気になってね。ちょっと寝不足なんだ」
歩夢「えっ、あなた昨日せつ菜ちゃんと会ってたの?」
あなた「当たり前でしょ? みんなだって学校で――」
歩夢「昨日は学校、お休みだったはずだけど……」
あなた「え? でも……」チラッ
せつ菜「?」
ミア「ベイビーちゃん、まだ寝ぼけてるの?」
彼方「ダメだよ~? 睡眠はしっかりとらないと」
あなた「あれれ、おかしいな……」
せつ菜「大丈夫ですか? 少し休んだほうがいいんじゃ……」
あなた「ううん、平気平気。さ、部活始めよっか!」
せつ菜「……そうですね! では今日も一日張り切っていきましょう!」
ガラッ
あなた「おっ、みんなお揃いだね」
しずく「おはようございます、先輩」
あなた「うん、おはよう。ふわぁ~……」
エマ「わあ、なんだか眠そうだねぇ」
あなた「昨日のせつ菜ちゃんのことが気になってね。ちょっと寝不足なんだ」
歩夢「えっ、あなた昨日せつ菜ちゃんと会ってたの?」
あなた「当たり前でしょ? みんなだって学校で――」
歩夢「昨日は学校、お休みだったはずだけど……」
あなた「え? でも……」チラッ
せつ菜「?」
ミア「ベイビーちゃん、まだ寝ぼけてるの?」
彼方「ダメだよ~? 睡眠はしっかりとらないと」
あなた「あれれ、おかしいな……」
せつ菜「大丈夫ですか? 少し休んだほうがいいんじゃ……」
あなた「ううん、平気平気。さ、部活始めよっか!」
せつ菜「……そうですね! では今日も一日張り切っていきましょう!」
49: (もなむす) 2023/04/01(土) 23:09:00.41 ID:jb4MrUll
あなた(そう言って笑うせつ菜ちゃんは、いつもと変わらないように見えた)
あなた(だけど今までのせつ菜ちゃんとは、なにかが決定的に違っている……)
あなた(私はなぜかそんな気がしてならなかった)
あなた(その違和感の正体にはどうしても気づくことができなくて)
あなた(それでも……私の中に不思議とひとつの確信があった)
あなた(昨日までのせつ菜ちゃんには、もう二度と会えないんだ……)
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
トモリ「いかがでしたか。奇妙な世界へと旅立った4人の少女たち」
トモリ「その行き先が彼女たちの望むものであればいいのですが……」
トモリ「なかなかそううまくはいかないようです」
トモリ「あなたならどんな旅を望みますか?」
トモリ「そもそも旅になんて出たくない、そんな人もいるかもしれません……」
トモリ「えっ? 私ですか? そうですね……私なら――」
キーンコーン
トモリ「……どうやら私もこの世界を旅立つ時が来たようです」
トモリ「またお会いしましょう」
このSSはフィクションです
あなた(だけど今までのせつ菜ちゃんとは、なにかが決定的に違っている……)
あなた(私はなぜかそんな気がしてならなかった)
あなた(その違和感の正体にはどうしても気づくことができなくて)
あなた(それでも……私の中に不思議とひとつの確信があった)
あなた(昨日までのせつ菜ちゃんには、もう二度と会えないんだ……)
世にも
奇妙な
虹ヶ咲
トモリ「いかがでしたか。奇妙な世界へと旅立った4人の少女たち」
トモリ「その行き先が彼女たちの望むものであればいいのですが……」
トモリ「なかなかそううまくはいかないようです」
トモリ「あなたならどんな旅を望みますか?」
トモリ「そもそも旅になんて出たくない、そんな人もいるかもしれません……」
トモリ「えっ? 私ですか? そうですね……私なら――」
キーンコーン
トモリ「……どうやら私もこの世界を旅立つ時が来たようです」
トモリ「またお会いしましょう」
このSSはフィクションです
50: (もなむす) 2023/04/01(土) 23:10:00.18 ID:jb4MrUll
お粗末さまでした。
55: (もんじゃ) 2023/04/02(日) 10:21:39.53 ID:42bKoNg3
スレタイでオチてるスレかと思いきや話も世にもっぽくまとまってて面白かった
61: (しうまい) 2023/04/02(日) 12:52:01.09 ID:S/CO/t3a
すごく良かった。世にも奇妙な物語にもニジガクにも愛を感じた
トモリネタは今度こっそりパクらせていただきたい
トモリネタは今度こっそりパクらせていただきたい
52: (こんにゃく) 2023/04/02(日) 00:57:21.52 ID:kfIdGheq
面白かった
切なくもモヤッとさせられるやつ好き
切なくもモヤッとさせられるやつ好き
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1680350400/