4: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:22:07.46 ID:HDIKmfYb
しずくちゃんの誕生日だと、しっかり今朝まで失念しており、構想も書いたのも今日なので、もしかしたら誕生日ssなのに今日中に書き切れないかもですが、頑張りますのでよろしくお願いします。
5: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:22:25.54 ID:HDIKmfYb
演劇部部長 「明日はどうするの? しずく」
しずく 「えっ?」
演劇部部長 「……ほら、誕生日でしょ。私たちも祝いたいけど、スクールアイドル同好会のみんなもきっと準備してくれてる」
演劇部部長 「だから、どうするのかなって」
しずく 「それは……」
かすみ 「ん?」
かすみ (あれは演劇部の部長さんと、しず子……! なんの話してるのかな)
しずく 「えっ?」
演劇部部長 「……ほら、誕生日でしょ。私たちも祝いたいけど、スクールアイドル同好会のみんなもきっと準備してくれてる」
演劇部部長 「だから、どうするのかなって」
しずく 「それは……」
かすみ 「ん?」
かすみ (あれは演劇部の部長さんと、しず子……! なんの話してるのかな)
6: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:23:14.94 ID:HDIKmfYb
しずく 「……」
演劇部部長 「遠慮しなくても良いよ」
しずく 「えっ?」
演劇部部長 「しずくがどれだけ、あの同好会が大好きなのか私もよく分かってる。行ってきなよ」
しずく 「で、でも! 演劇部のみんなだって……」
演劇部部長 「大丈夫、大丈夫。ほら私たち演劇部だから。翌日に祝うとしても、まるで当日のように演じられるって。だから、当日は、同好会の方に行ってあげな。明後日に私たちの方でも祝おう?」
しずく 「ぶ、部長……!!」 グスッ
演劇部部長 「遠慮しなくても良いよ」
しずく 「えっ?」
演劇部部長 「しずくがどれだけ、あの同好会が大好きなのか私もよく分かってる。行ってきなよ」
しずく 「で、でも! 演劇部のみんなだって……」
演劇部部長 「大丈夫、大丈夫。ほら私たち演劇部だから。翌日に祝うとしても、まるで当日のように演じられるって。だから、当日は、同好会の方に行ってあげな。明後日に私たちの方でも祝おう?」
しずく 「ぶ、部長……!!」 グスッ
7: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:23:56.40 ID:HDIKmfYb
演劇部部長 「楽しんできなよ、しずく」
かすみ (しず子、泣いてる? 遠くからじゃ分からないな……近付いてみよう)
しずく 「……今日、活動は休みだってかすみさんから連絡が入ったんです」
演劇部部長 「……」
しずく 「でも、他の人たちはみんな部室に向かってて」
しずく 「こっそり覗いてみたら、部屋の飾り付けをしてたんです」
演劇部部長 「……素敵な仲間だね」
かすみ (しず子、泣いてる? 遠くからじゃ分からないな……近付いてみよう)
しずく 「……今日、活動は休みだってかすみさんから連絡が入ったんです」
演劇部部長 「……」
しずく 「でも、他の人たちはみんな部室に向かってて」
しずく 「こっそり覗いてみたら、部屋の飾り付けをしてたんです」
演劇部部長 「……素敵な仲間だね」
8: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:24:26.06 ID:HDIKmfYb
しずく 「はい!! それで、泣きたくなるくらい嬉しかったのに、演劇部のみんなもこんなに優しくて……」
しずく 「……私、本当に幸せです」 グスッ
かすみ (こっそり、耳を立てて聞いちゃいます!)
演劇部部長 「(誕生日過ぎちゃうけど私たちで)祝われるときは、(演劇部みんなで)まるで誕生日であるかのように演じるでしょ?」
しずく 「ふふ、演劇部ですもんね。私も誕生日であるかのように(明後日は)演技で皆さんに応えます!」
かすみ (えっ!?)
しずく 「……私、本当に幸せです」 グスッ
かすみ (こっそり、耳を立てて聞いちゃいます!)
演劇部部長 「(誕生日過ぎちゃうけど私たちで)祝われるときは、(演劇部みんなで)まるで誕生日であるかのように演じるでしょ?」
しずく 「ふふ、演劇部ですもんね。私も誕生日であるかのように(明後日は)演技で皆さんに応えます!」
かすみ (えっ!?)
9: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:24:54.19 ID:HDIKmfYb
タッタッタッ
しずく 「? 今、足音が?」
演劇部部長 「誰かそこにいるのか?」
シーン
しずく 「いない……気のせいなのかな」
演劇部部長 「いやもしかしたら」
演劇部部長 (誰か同好会の人が聞いてたら、もしかしたら勘違いしてるかもしれない。それは大変だ、早く誤解だって伝えないと)
しずく 「? 今、足音が?」
演劇部部長 「誰かそこにいるのか?」
シーン
しずく 「いない……気のせいなのかな」
演劇部部長 「いやもしかしたら」
演劇部部長 (誰か同好会の人が聞いてたら、もしかしたら勘違いしてるかもしれない。それは大変だ、早く誤解だって伝えないと)
10: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:25:24.89 ID:HDIKmfYb
ピカーンッ!
演劇部部長 「えっ!?!?」
しずく 「どうしたんですか、部長」
演劇部部長 「いま、UFOが見えたんだ、しずく!!!」
しずく 「また飛行機と見間違えたんじゃないんですか?」
演劇部部長 「いや本当に見えたんだって!!!」
しずく (……実は部長は、大のオカルト好きで、オカルト研にも所属しており、しょっちゅうUFOを見つけたと騒いでいる)
しずく (そしてそのときの部長は正直なかなかめんどくさいなので、優しく聞き流すことが大事だ)
演劇部部長 「えっ!?!?」
しずく 「どうしたんですか、部長」
演劇部部長 「いま、UFOが見えたんだ、しずく!!!」
しずく 「また飛行機と見間違えたんじゃないんですか?」
演劇部部長 「いや本当に見えたんだって!!!」
しずく (……実は部長は、大のオカルト好きで、オカルト研にも所属しており、しょっちゅうUFOを見つけたと騒いでいる)
しずく (そしてそのときの部長は正直なかなかめんどくさいなので、優しく聞き流すことが大事だ)
11: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:26:10.11 ID:HDIKmfYb
演劇部部長 「携帯だ!! 映像を撮るぞしずく!!」
しずく 「せっかくなら演劇部の部室から取ってきて、もっと高いカメラで撮りません?」
演劇部部長 「いつ消えるか分からないんだから!! ほら、しずく、新鮮な反応をしてくれ!! テレビ特番に送るときとかは、驚く人たちの声が入ってた方が採用されやすいんだぞ!!」
演劇部部長 「しずくは子供役! 私がお母さんやるから! せーの!」
しずく 「せっかくなら演劇部の部室から取ってきて、もっと高いカメラで撮りません?」
演劇部部長 「いつ消えるか分からないんだから!! ほら、しずく、新鮮な反応をしてくれ!! テレビ特番に送るときとかは、驚く人たちの声が入ってた方が採用されやすいんだぞ!!」
演劇部部長 「しずくは子供役! 私がお母さんやるから! せーの!」
12: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:26:40.58 ID:HDIKmfYb
しずく 「おかーさん、あれ、ひかってるよー?」
演劇部部長 「ええー? 本当かしら? って、本物だわ! お父さん、見て、UFOよ!」
演劇部部長 「はははは、そんなわけないだろ? ……アンビリーバボーぉぉぉぉぉぉぉぉ!? おいおい、世界の終わりか!?」
ワイワイ
ワイワイ
しずく (何やってんだろ、私……)
しずく (そういえば、さっき部長、何か言いかけてたような、なんだったのかな……)
…
…
…
演劇部部長 「ええー? 本当かしら? って、本物だわ! お父さん、見て、UFOよ!」
演劇部部長 「はははは、そんなわけないだろ? ……アンビリーバボーぉぉぉぉぉぉぉぉ!? おいおい、世界の終わりか!?」
ワイワイ
ワイワイ
しずく (何やってんだろ、私……)
しずく (そういえば、さっき部長、何か言いかけてたような、なんだったのかな……)
…
…
…
13: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:27:15.74 ID:HDIKmfYb
かすみ 「大変ですよーーーーーー!!」 タッタッタッ
侑 「どうしたの? かすみちゃん?」
かすみ 「大変なんですっ、侑先輩!」 ダキッ
歩夢 「抱きつく必要ないよね」 バッ
愛 「あっ、かすみん、引き離された」
かすみ 「とにかく大変なんですよ~!!」
ランジュ 「いったいどうしたの? 今ランジュたちは、明日のしずくのサプライズ誕生日パーティーの準備で忙しいのに」
侑 「どうしたの? かすみちゃん?」
かすみ 「大変なんですっ、侑先輩!」 ダキッ
歩夢 「抱きつく必要ないよね」 バッ
愛 「あっ、かすみん、引き離された」
かすみ 「とにかく大変なんですよ~!!」
ランジュ 「いったいどうしたの? 今ランジュたちは、明日のしずくのサプライズ誕生日パーティーの準備で忙しいのに」
15: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:28:01.84 ID:HDIKmfYb
かすみ 「そのサプライズ誕生日パーティーが問題なんですよ~!!」
せつ菜 「どういうことですか?」
かすみ 「実は、さっき、しず子と演劇部の部長さんが話してたのを見つけて! こっそり耳を立てて聞いてみたんです! そしたら」
演劇部部長 『祝われるときは、まるで誕生日であるかのように演じるでしょ?』
しずく 『ふふ、演劇部ですもんね。私も誕生日であるかのように演技で皆さんに応えます!』
かすみ 「って……」
せつ菜 「どういうことですか?」
かすみ 「実は、さっき、しず子と演劇部の部長さんが話してたのを見つけて! こっそり耳を立てて聞いてみたんです! そしたら」
演劇部部長 『祝われるときは、まるで誕生日であるかのように演じるでしょ?』
しずく 『ふふ、演劇部ですもんね。私も誕生日であるかのように演技で皆さんに応えます!』
かすみ 「って……」
16: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:28:39.65 ID:HDIKmfYb
彼方 「? どういうこと?」
栞子 「まさか、それって、いや、まさか……」
かすみ 「そうなんですよ!!!」
かすみ 「しず子の誕生日は本当は違う日かもしれない」
かすみ 「ってことなんですよ~~!!」
一同 「「ええっ!?」」
璃奈 「だけど、しずくちゃんの誕生日はかすみちゃんが教えてもらった日付だよ? それに、プロフィールにだって誕生日は4月3日だって……」
栞子 「まさか、それって、いや、まさか……」
かすみ 「そうなんですよ!!!」
かすみ 「しず子の誕生日は本当は違う日かもしれない」
かすみ 「ってことなんですよ~~!!」
一同 「「ええっ!?」」
璃奈 「だけど、しずくちゃんの誕生日はかすみちゃんが教えてもらった日付だよ? それに、プロフィールにだって誕生日は4月3日だって……」
17: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:29:03.03 ID:HDIKmfYb
果林 「いや、ありうるわ」
果林 「しずくちゃんは演劇部である自分を誇りに思ってて、誰よりも演技に熱心な子だもの」
果林 「誕生日すらも、違う日付なのに、まるで4月3日であるように演じてるかもしれない」
エマ 「なんでわざわざ違う誕生日を演じる必要が……はっ!? まさかケーキを一年に何個も食べるため!?」 ゴクリッ
ランジュ 「ケーキを食べたいなら今度ランジュがたくさん買ってあげるわ!」
エマ 「わーい!」
果林 「しずくちゃんは演劇部である自分を誇りに思ってて、誰よりも演技に熱心な子だもの」
果林 「誕生日すらも、違う日付なのに、まるで4月3日であるように演じてるかもしれない」
エマ 「なんでわざわざ違う誕生日を演じる必要が……はっ!? まさかケーキを一年に何個も食べるため!?」 ゴクリッ
ランジュ 「ケーキを食べたいなら今度ランジュがたくさん買ってあげるわ!」
エマ 「わーい!」
19: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:30:09.17 ID:HDIKmfYb
かすみ 「日常的に、演技のトレーニングをしたいしず子のことです……! 誕生日すらも演技な可能性大!」
彼方 「部長さんとの会話は、間違った誕生日を祝われるときも、全力で誕生日であるかのように演技をする宣言ってこと……?」
果林 「そうなるわね」
ミア 「なんだよそれ、同好会の仲間にくらい、本当の誕生日を教えてくれたって良いじゃないか!」
侑 「いやむしろ、これはしずくちゃんなりの愛情なのかも!」
ミア 「What’s?」
彼方 「部長さんとの会話は、間違った誕生日を祝われるときも、全力で誕生日であるかのように演技をする宣言ってこと……?」
果林 「そうなるわね」
ミア 「なんだよそれ、同好会の仲間にくらい、本当の誕生日を教えてくれたって良いじゃないか!」
侑 「いやむしろ、これはしずくちゃんなりの愛情なのかも!」
ミア 「What’s?」
20: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:30:53.26 ID:HDIKmfYb
侑 「だって、日付を偽ってたとしたら、明日はしずくちゃんの誕生日じゃないってことでしょ? だけど、私たちからお祝いされたら、まるで誕生日のように喜ぶ演技を頑張りたい! ってことなんだから」
侑 「しずくちゃんが私たちの気持ちに百パーセントの気持ちで応えてくれようとしてくれてるのは事実じゃん! 演技が大好きなしずくちゃんだからこそ、この応え方。ここまで愛情を込めてくれてるなんて、嬉しいよ!」
ミア 「そ、そうなのか……??」
果林 「ややこしいけど、侑の言ってることは一理あるわ」
栞子 「でもせっかくなら、本物の誕生日も祝いたいです。どうすれば、しずくさんの本物の誕生日を知ることができるのでしょう……?」
侑 「しずくちゃんが私たちの気持ちに百パーセントの気持ちで応えてくれようとしてくれてるのは事実じゃん! 演技が大好きなしずくちゃんだからこそ、この応え方。ここまで愛情を込めてくれてるなんて、嬉しいよ!」
ミア 「そ、そうなのか……??」
果林 「ややこしいけど、侑の言ってることは一理あるわ」
栞子 「でもせっかくなら、本物の誕生日も祝いたいです。どうすれば、しずくさんの本物の誕生日を知ることができるのでしょう……?」
21: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:31:35.11 ID:HDIKmfYb
愛 「あっ! ならさ! 直接聞いてみれば良いんじゃない?」
栞子 「それは難しいと思います。しずくさんは、4月3日が誕生日である演技をしてるのだから、本物の誕生日なんて教えてくれるはずがありません」
侑 「それにしずくちゃんが本気で演技で応えてくれるんだから、直接聞くのはやっぱり野暮だよ」
愛 「そ、そっか……うーん? じゃあ、どうすればいいのかな」
かすみ 「方法は一つしかないと思います」
かすみ 「しず子の演技はほとんど完璧ですけど」
かすみ 「でも、たまに未熟です」
栞子 「それは難しいと思います。しずくさんは、4月3日が誕生日である演技をしてるのだから、本物の誕生日なんて教えてくれるはずがありません」
侑 「それにしずくちゃんが本気で演技で応えてくれるんだから、直接聞くのはやっぱり野暮だよ」
愛 「そ、そっか……うーん? じゃあ、どうすればいいのかな」
かすみ 「方法は一つしかないと思います」
かすみ 「しず子の演技はほとんど完璧ですけど」
かすみ 「でも、たまに未熟です」
22: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:32:14.88 ID:HDIKmfYb
かすみ 「だからかすみんたちは、予定を変えず明日は普通にサプライズ誕生日パーティーを開いて」
かすみ 「その中でさりげなく、しず子の本物の誕生日がいつなのかを探るんです!」
侑 「演技の隙を見つけるってことだね!!」
かすみ 「その通り! さすが侑先輩!」 ダキッ
歩夢 「抱きつく必要ないよね」 バッ
愛 「あっ、かすみん、引き離された」
かすみ 「その中でさりげなく、しず子の本物の誕生日がいつなのかを探るんです!」
侑 「演技の隙を見つけるってことだね!!」
かすみ 「その通り! さすが侑先輩!」 ダキッ
歩夢 「抱きつく必要ないよね」 バッ
愛 「あっ、かすみん、引き離された」
23: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:32:54.80 ID:HDIKmfYb
かすみ 「これは、しず子とかすみんたちの心理戦です! 本当のしず子の誕生日を知るため……そしてお祝いするための!!」
かすみ 「みなさん、一緒に頑張ってくれませんか?」
侑 「もちろん!」
かすみ 「じゃあ明日の、(しず子の演技である4月3日の)サプライズ誕生日パーティー。(本物の誕生日を探りつつしず子の演技に応えるため)全力で祝いましょーーーー!!」
一同 「「おおっーーーーーー!!」」
かすみ 「みなさん、一緒に頑張ってくれませんか?」
侑 「もちろん!」
かすみ 「じゃあ明日の、(しず子の演技である4月3日の)サプライズ誕生日パーティー。(本物の誕生日を探りつつしず子の演技に応えるため)全力で祝いましょーーーー!!」
一同 「「おおっーーーーーー!!」」
24: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:34:12.11 ID:HDIKmfYb
~誕生日当日~
一同 「「しずく(さん、子、ちゃん)お誕生日おめでとう~~!!」」
しずく 「みんな……! ありがとうございます」 グスッ
侑 「さっそくなんだけど、ケーキ食べようかっ!」
しずく 「ケーキですか?」
一同 「「しずく(さん、子、ちゃん)お誕生日おめでとう~~!!」」
しずく 「みんな……! ありがとうございます」 グスッ
侑 「さっそくなんだけど、ケーキ食べようかっ!」
しずく 「ケーキですか?」
25: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:34:50.52 ID:HDIKmfYb
侑 「うん!! 誕生日と言えばケーキでしょ? ところでしずくちゃんは一年の中でケーキをいつ食べる?」
しずく 「一年の中で?」
侑 「そうそう!」
かすみ (……なるほど、ケーキは誕生日に食べるもの。つまり、ケーキを食べる日を言わせることで本物の誕生日を当てようとしてる)
かすみ (『ケーキはいつ食べる?』作戦ですね!!!)
しずく 「一年の中で?」
侑 「そうそう!」
かすみ (……なるほど、ケーキは誕生日に食べるもの。つまり、ケーキを食べる日を言わせることで本物の誕生日を当てようとしてる)
かすみ (『ケーキはいつ食べる?』作戦ですね!!!)
26: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:35:28.74 ID:HDIKmfYb
しずく 「今日とクリスマス、ですかね?」
侑 「なるほど!」
侑 「かすみちゃんやったよ!」 ヒソヒソ
かすみ 「何がです?」 ヒソヒソ
侑 「しずくちゃんの誕生日は12月24日だ!」
かすみ 「なわけないでしょ!?」
侑 「なるほど!」
侑 「かすみちゃんやったよ!」 ヒソヒソ
かすみ 「何がです?」 ヒソヒソ
侑 「しずくちゃんの誕生日は12月24日だ!」
かすみ 「なわけないでしょ!?」
27: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:37:32.17 ID:HDIKmfYb
愛 「じゃあ次は、しずくへ愛さんのダジャレのプレゼント!」
愛 「はい! 雫のキーホルダー! しずくだけに!」
しずく 「わぁ! 嬉しいです!!」
愛 「ところでせっかくだからこのキーホルダーに誕生日を印字したいんだけど、しずくの誕生日って何日?」
しずく 「えっ?」
愛 「はい! 雫のキーホルダー! しずくだけに!」
しずく 「わぁ! 嬉しいです!!」
愛 「ところでせっかくだからこのキーホルダーに誕生日を印字したいんだけど、しずくの誕生日って何日?」
しずく 「えっ?」
28: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 21:37:56.30 ID:HDIKmfYb
かすみ (……なるほど、さりげなく誕生日を確認してる。自然に聞かれたことで、しず子も演技を忘れ本当の誕生日の日付を言ってしまうという)
かすみ (『つい言わせちゃおう』作戦ですね!!!)
しずく 「ふふ、何言ってるんですか、愛さん。私の誕生日は今日じゃないですか」 ニコニコ
愛 「だ、だよねーー!w 何言ってるんだろ、愛さん!ww」
せつ菜 「みなさん、撃沈ですね……」
かすみ (『つい言わせちゃおう』作戦ですね!!!)
しずく 「ふふ、何言ってるんですか、愛さん。私の誕生日は今日じゃないですか」 ニコニコ
愛 「だ、だよねーー!w 何言ってるんだろ、愛さん!ww」
せつ菜 「みなさん、撃沈ですね……」
29: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:12:40.22 ID:HDIKmfYb
せつ菜 「良いでしょう。次は私の出番です!!」
せつ菜 「しずくさん!」
しずく 「せつ菜さん?」
せつ菜 「実は昨日、璃奈さん、かすみさん、栞子さんが私の家に泊まったんですけど」
かすみ 「えっ?」
せつ菜 「そのときに、私のマジックの練習を見てもらったんです。ということで」
せつ菜 「優木せつ菜のマジックショーです!!!」
せつ菜 「しずくさん!」
しずく 「せつ菜さん?」
せつ菜 「実は昨日、璃奈さん、かすみさん、栞子さんが私の家に泊まったんですけど」
かすみ 「えっ?」
せつ菜 「そのときに、私のマジックの練習を見てもらったんです。ということで」
せつ菜 「優木せつ菜のマジックショーです!!!」
30: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:13:20.08 ID:HDIKmfYb
彼方 「おおっー! マジックショー!? すごいねぇ、せつ菜ちゃん!」
かすみ 「なるほど……マジックショーでしず子の誕生日を探る何かを仕掛けるんですね」
かすみ 「それにしても、りな子、しお子。昨日、せつ菜先輩の家に泊まったんですか?」
璃奈 「ううん、泊まってないよ」
栞子 「私も泊まってません。マジックショーへの違和感のない導入のためについた嘘なんじゃないですか?」
かすみ 「そ、そうなのかな」
かすみ (かすみんたちが泊まったなんて嘘、今要るかな……?)
かすみ 「なるほど……マジックショーでしず子の誕生日を探る何かを仕掛けるんですね」
かすみ 「それにしても、りな子、しお子。昨日、せつ菜先輩の家に泊まったんですか?」
璃奈 「ううん、泊まってないよ」
栞子 「私も泊まってません。マジックショーへの違和感のない導入のためについた嘘なんじゃないですか?」
かすみ 「そ、そうなのかな」
かすみ (かすみんたちが泊まったなんて嘘、今要るかな……?)
31: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:13:59.75 ID:HDIKmfYb
せつ菜 「まずはこの帽子を見てください! 何も入ってませんよね?」
しずく 「入ってません!」
せつ菜 「でも~~」
せつ菜 「ハンドパワーをこの帽子に送ると~」 ムムム
せつ菜 「はいっ!!」
ハト 「ぽっぽーーー!」 パパパ
しずく 「すごい! ハトが出てきた!」
しずく 「入ってません!」
せつ菜 「でも~~」
せつ菜 「ハンドパワーをこの帽子に送ると~」 ムムム
せつ菜 「はいっ!!」
ハト 「ぽっぽーーー!」 パパパ
しずく 「すごい! ハトが出てきた!」
32: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:14:48.61 ID:HDIKmfYb
侑 「せつ菜ちゃんすごい!! 本格的だ!!」
せつ菜 「ちなみに、このハトは許可を取ってますので、ご安心ください!」
せつ菜 「念の為、危ないマジックをしてる間はずっと注意書きを下の方に入れておきましょう。『※許可は取っています』と!」
せつ菜 「最近コンプライアンスが厳しいですからね!!」
かすみ (急にメタい……!!)
※許可は取っています
せつ菜 「ちなみに、このハトは許可を取ってますので、ご安心ください!」
せつ菜 「念の為、危ないマジックをしてる間はずっと注意書きを下の方に入れておきましょう。『※許可は取っています』と!」
せつ菜 「最近コンプライアンスが厳しいですからね!!」
かすみ (急にメタい……!!)
※許可は取っています
33: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:15:08.27 ID:HDIKmfYb
せつ菜 「では次は何もないところから~!」
せつ菜 「ハンドパワー!!」 ボボォ
ランジュ 「すごい!! 炎が出てきたわ!!」
せつ菜 「どうですか? これがまさにせつ菜スカーレットストームです!!」
せつ菜 「あと一応言っておきますが、この炎を出すマジックも、取るべき場所からちゃんと許可は取っているのでご安心ください!」
※許可は取っています
せつ菜 「ハンドパワー!!」 ボボォ
ランジュ 「すごい!! 炎が出てきたわ!!」
せつ菜 「どうですか? これがまさにせつ菜スカーレットストームです!!」
せつ菜 「あと一応言っておきますが、この炎を出すマジックも、取るべき場所からちゃんと許可は取っているのでご安心ください!」
※許可は取っています
34: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:16:08.18 ID:HDIKmfYb
せつ菜 「今度はコップの中の10円玉が移動するマジックです!」
せつ菜 「見てください? 10円玉がありますね」
しずく 「はい!」
せつ菜 「上からコップを被せます」 スッ
せつ菜 「そしてもう一個のコップを隣に置きます」
せつ菜 「ちなみに、このコップの中には何も入ってません」
せつ菜 「そしてハンドパワーを込めると~!」 ムムム
せつ菜 「見てください? 10円玉がありますね」
しずく 「はい!」
せつ菜 「上からコップを被せます」 スッ
せつ菜 「そしてもう一個のコップを隣に置きます」
せつ菜 「ちなみに、このコップの中には何も入ってません」
せつ菜 「そしてハンドパワーを込めると~!」 ムムム
35: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:19:48.73 ID:HDIKmfYb
ガタンッ!
愛 「えっ!? 今なんの音!?」
しずく 「あっちから聞こえたような……」
せつ菜 (今のうち!) スッ
かすみ (堂々とすり替えた!?)
せつ菜 「では、ハンドパワーを込め終わったら、二つのコップを上げてみてください」
しずく 「わ、分かりました!」
愛 「えっ!? 今なんの音!?」
しずく 「あっちから聞こえたような……」
せつ菜 (今のうち!) スッ
かすみ (堂々とすり替えた!?)
せつ菜 「では、ハンドパワーを込め終わったら、二つのコップを上げてみてください」
しずく 「わ、分かりました!」
36: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:20:11.06 ID:HDIKmfYb
せつ菜 「ハンドパワー!!」 ムムム
パカッ
しずく 「10円玉が移動してる……!?」
せつ菜 「ふふ、どうです。これが練習の成果です!」
せつ菜 (それにしても、草むらからの音で気が逸れてるうちにコップを入れ替えるマジックだったけど……ラジコンを動かしただけであんなドンっなんて音出るかな……?)
せつ菜 「え、えっと、では最後のマジックです!!!」
パカッ
しずく 「10円玉が移動してる……!?」
せつ菜 「ふふ、どうです。これが練習の成果です!」
せつ菜 (それにしても、草むらからの音で気が逸れてるうちにコップを入れ替えるマジックだったけど……ラジコンを動かしただけであんなドンっなんて音出るかな……?)
せつ菜 「え、えっと、では最後のマジックです!!!」
37: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:21:00.52 ID:HDIKmfYb
せつ菜 「ここにトランプがあります。しずくさんは、好きな数字のトランプを二枚選んでください」
しずく 「なんでも良いんですか?」
せつ菜 「しずくさんの好きな数字二枚を選んでください!」
せつ菜 (そう、それこそが私の秘訣!!)
かすみ (……なるほど、無意識に数字を二枚取らせることで、そこから誕生日を推測するという)
かすみ (『トランプから誕生日を当てよう』作戦ですね!!!)
かすみ (でもそれ、誕生日か誕生月が二桁超えた時点で推測不可能ですよ!! せつ菜先輩!!)
しずく 「なんでも良いんですか?」
せつ菜 「しずくさんの好きな数字二枚を選んでください!」
せつ菜 (そう、それこそが私の秘訣!!)
かすみ (……なるほど、無意識に数字を二枚取らせることで、そこから誕生日を推測するという)
かすみ (『トランプから誕生日を当てよう』作戦ですね!!!)
かすみ (でもそれ、誕生日か誕生月が二桁超えた時点で推測不可能ですよ!! せつ菜先輩!!)
38: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:22:02.42 ID:HDIKmfYb
しずく 「これにします!」
せつ菜 「ではこの二枚を山札に戻して、山札を切ります」 スッ スッ スッ
せつ菜 「そして、完全に選んだ二枚が分からなくなった今、私はしずくさんが選んだ二枚をピッタリ引いてみせます!」
せつ菜 「ハンドパワー!!」 ムムム
せつ菜 「これだ!!!!! そう……」
せつ菜 「『4』と『3』だ!!!!」
せつ菜 「ではこの二枚を山札に戻して、山札を切ります」 スッ スッ スッ
せつ菜 「そして、完全に選んだ二枚が分からなくなった今、私はしずくさんが選んだ二枚をピッタリ引いてみせます!」
せつ菜 「ハンドパワー!!」 ムムム
せつ菜 「これだ!!!!! そう……」
せつ菜 「『4』と『3』だ!!!!」
39: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:22:47.98 ID:HDIKmfYb
一同 「「……」」
しずく 「おおっー! すごいです、合ってます!!」 パチパチ
かすみ (今日じゃん!!!!)
せつ菜 (まさか、無意識すら4月3日の演技をしていたというのですか……)
せつ菜 (い、いや! もしかしたら3月4日の可能性も!)
せつ菜 「しずくさんにとって3月4日は何の日ですか!?」
しずく 「おおっー! すごいです、合ってます!!」 パチパチ
かすみ (今日じゃん!!!!)
せつ菜 (まさか、無意識すら4月3日の演技をしていたというのですか……)
せつ菜 (い、いや! もしかしたら3月4日の可能性も!)
せつ菜 「しずくさんにとって3月4日は何の日ですか!?」
40: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 22:23:18.12 ID:HDIKmfYb
しずく 「……バウムクーヘンの日ですかね?」
栞子 「……ちなみに、神戸のドイツ菓子製菓会社・ユーハイムが2010年に制定した記念日ですね」
せつ菜 (しずくさんの演技力に完全敗北です……)
せつ菜 「」 チーン
かすみ 「せつ菜先輩ーーーーーっ!!」
栞子 「……ちなみに、神戸のドイツ菓子製菓会社・ユーハイムが2010年に制定した記念日ですね」
せつ菜 (しずくさんの演技力に完全敗北です……)
せつ菜 「」 チーン
かすみ 「せつ菜先輩ーーーーーっ!!」
41: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:03:55.37 ID:HDIKmfYb
栞子 「いよいよ、私の出番ですね」
かすみ 「しお子……何か秘策でもあるの?」
栞子 「ちょっと待ってください。今、必要なものを持ってきますので」 タッタッタッ
かすみ (草むらに入っていった……?)
ドタバタッ
ガダゴトッ
ガラガラ
栞子 「持ってきました。巨大なディスプレイです」 ガラガラ
かすみ 「それを使っていったい何を……?」
かすみ 「しお子……何か秘策でもあるの?」
栞子 「ちょっと待ってください。今、必要なものを持ってきますので」 タッタッタッ
かすみ (草むらに入っていった……?)
ドタバタッ
ガダゴトッ
ガラガラ
栞子 「持ってきました。巨大なディスプレイです」 ガラガラ
かすみ 「それを使っていったい何を……?」
42: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:06:04.71 ID:HDIKmfYb
栞子 「フラッシュ暗算というものを知ってますか、しずくさん」
しずく 「確かコンピュータの画面に一瞬だけ出てくる数字を足し算していく、みたいな……?」
栞子 「そうです!」
栞子 「せっかくの誕生日パーティーなので、普通のパーティーでいうビンゴのような、ゲーム性のあるイベントが一つくらいあっても良いかなと思いまして……考えました」
栞子 「この画面に一瞬出てくる数字たちをどれだけ覚えていたかで、私がプレゼントする数が変わるという仕組みです!」
しずく 「なるほど……! 頑張ってみるね!」
しずく 「確かコンピュータの画面に一瞬だけ出てくる数字を足し算していく、みたいな……?」
栞子 「そうです!」
栞子 「せっかくの誕生日パーティーなので、普通のパーティーでいうビンゴのような、ゲーム性のあるイベントが一つくらいあっても良いかなと思いまして……考えました」
栞子 「この画面に一瞬出てくる数字たちをどれだけ覚えていたかで、私がプレゼントする数が変わるという仕組みです!」
しずく 「なるほど……! 頑張ってみるね!」
43: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:06:35.81 ID:HDIKmfYb
栞子 「ではスタート!」
パッ パッ パッ パッ
かすみ (……なるほど、誕生日など自分にゆかりのある数字は覚えやすい。それを利用して誕生日を推測するという)
かすみ (『覚えていた数字から推測しよう』作戦ですね!!!)
栞子 「……では、しずくさん、解答お願いします!」
しずく 「順番に、5、18、4、6、22……」
栞子 「えっ?」
パッ パッ パッ パッ
かすみ (……なるほど、誕生日など自分にゆかりのある数字は覚えやすい。それを利用して誕生日を推測するという)
かすみ (『覚えていた数字から推測しよう』作戦ですね!!!)
栞子 「……では、しずくさん、解答お願いします!」
しずく 「順番に、5、18、4、6、22……」
栞子 「えっ?」
44: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:06:58.06 ID:HDIKmfYb
しずく 「……24、31、17、11、9……」
しずく 「……最後に1!」
栞子 「なっ……!」
栞子 「せ、正解です……全部……」
しずく 「やったーーーーーーー!」
ミア 「全問正解……!?」
しずく 「台本を毎日覚えてますから、記憶力には自信があります!」
侑 「さすがしずくちゃん! ときめいちゃうよー!!」
歩夢 「侑ちゃん……?」
しずく 「……最後に1!」
栞子 「なっ……!」
栞子 「せ、正解です……全部……」
しずく 「やったーーーーーーー!」
ミア 「全問正解……!?」
しずく 「台本を毎日覚えてますから、記憶力には自信があります!」
侑 「さすがしずくちゃん! ときめいちゃうよー!!」
歩夢 「侑ちゃん……?」
45: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:07:49.56 ID:HDIKmfYb
栞子 「まさか、これが突破されるとは、しずくさんの演技力には完敗です……えっと、席は……」
彼方 「栞子ちゃんの席は彼方ちゃんの隣だよ?」
栞子 「そ、そうでしたね!」 タッタッタッ
その後も、同好会メンバーによる、お祝いを桜坂しずくは全て突破し、結局、誕生日を探ることは誰もできなかった。
同時に、桜坂しずくの演技力に、改めて全員強く感動したのであった。
しかし、桜坂しずくとしては、演技も何も今日が誕生日なので、探りに気付くことも当然なく、同好会メンバーによるお祝いを素直に楽しみ、パーティーが終わる頃にはすごく嬉しい気持ちで満たされていた。
彼方 「栞子ちゃんの席は彼方ちゃんの隣だよ?」
栞子 「そ、そうでしたね!」 タッタッタッ
その後も、同好会メンバーによる、お祝いを桜坂しずくは全て突破し、結局、誕生日を探ることは誰もできなかった。
同時に、桜坂しずくの演技力に、改めて全員強く感動したのであった。
しかし、桜坂しずくとしては、演技も何も今日が誕生日なので、探りに気付くことも当然なく、同好会メンバーによるお祝いを素直に楽しみ、パーティーが終わる頃にはすごく嬉しい気持ちで満たされていた。
46: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:08:30.00 ID:HDIKmfYb
しずく (……本当に最高のパーティーだった)
侑 「みんなの出し物も終わって、食べ物も食べ終わったね」
しずく 「本当に楽しかったです! みなさん、本当にありがとうございます……!」
侑 「そんなお礼なんてしなくても良いんだよ! みんなしずくちゃんが大好きだから、お祝いしただけなんだから」
彼方 「そうだよ~。結局、誕生日は分からなかったけど、しずくちゃんが嬉しそうなら良かったよ~」
しずく 「……?」
侑 「みんなの出し物も終わって、食べ物も食べ終わったね」
しずく 「本当に楽しかったです! みなさん、本当にありがとうございます……!」
侑 「そんなお礼なんてしなくても良いんだよ! みんなしずくちゃんが大好きだから、お祝いしただけなんだから」
彼方 「そうだよ~。結局、誕生日は分からなかったけど、しずくちゃんが嬉しそうなら良かったよ~」
しずく 「……?」
47: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:08:56.81 ID:HDIKmfYb
侑 「ふふ、やっぱりしずくちゃんの演技力は流石だね」
しずく 「私の誕生日は4月3日ですよ?」
日が沈み、それぞれ家へと帰っていった。
誤解は解けないままだったが、誕生日パーティーが最高な形で終わった今では、そんなことはもはやどうでもよかった。
しかし、それでも気になってしょうがなかった人間が一人……!
しずく 「私の誕生日は4月3日ですよ?」
日が沈み、それぞれ家へと帰っていった。
誤解は解けないままだったが、誕生日パーティーが最高な形で終わった今では、そんなことはもはやどうでもよかった。
しかし、それでも気になってしょうがなかった人間が一人……!
48: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:09:21.58 ID:HDIKmfYb
かすみ 「親友のかすみんにさえ、誕生日を教えてくれないなんて」
かすみ 「しず子もひどいよ!!!」
栞子 「しかし、あそこまで完璧な演技力だと……」
璃奈 「これからも聞き出すのは難しいかも」
かすみ 「うぅ……!」
栞子 「……」
璃奈 「……」
かすみ 「しず子もひどいよ!!!」
栞子 「しかし、あそこまで完璧な演技力だと……」
璃奈 「これからも聞き出すのは難しいかも」
かすみ 「うぅ……!」
栞子 「……」
璃奈 「……」
49: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:09:38.60 ID:HDIKmfYb
璃奈 「だけど、一つだけ方法がある」
かすみ 「えっ?」
璃奈 「教えてもらえないなら、しずくちゃんが生まれた日に行けばいい」
栞子 「……どういうことですか?」
璃奈 「実はタイムマシンを作った。それを使う」
栞子・かすみ 「「……」」
栞子・かすみ 「「た、タイムマシン!?」」
璃奈 「今から私の秘密の研究所に行く。ついてきて」
…
…
…
かすみ 「えっ?」
璃奈 「教えてもらえないなら、しずくちゃんが生まれた日に行けばいい」
栞子 「……どういうことですか?」
璃奈 「実はタイムマシンを作った。それを使う」
栞子・かすみ 「「……」」
栞子・かすみ 「「た、タイムマシン!?」」
璃奈 「今から私の秘密の研究所に行く。ついてきて」
…
…
…
52: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:52:23.76 ID:HDIKmfYb
ピピピ
璃奈 「このタイムマシンは、少し抽象的な要求にも答えてくれる」
璃奈 「例えば、『桜坂しずくが生まれた日にタイムトラベルしたい』という願いも了承してくれる」
栞子 「なるほど。それでタイムスリップした先で、カレンダーや新聞を見ることで、しずくさんの誕生日が分かるってことですね」
璃奈 「その通り」
璃奈 「このタイムマシンは、少し抽象的な要求にも答えてくれる」
璃奈 「例えば、『桜坂しずくが生まれた日にタイムトラベルしたい』という願いも了承してくれる」
栞子 「なるほど。それでタイムスリップした先で、カレンダーや新聞を見ることで、しずくさんの誕生日が分かるってことですね」
璃奈 「その通り」
53: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:53:14.28 ID:HDIKmfYb
かすみ 「でもそれって、なんだか遠回りじゃない?」
璃奈 「……それはそう。しかもさらに言えばタイムスリップした先で未来を変えてしまうリスクもある。だから決して勧められる方法じゃないけど」
璃奈 「これしか今のところ手がない」
栞子 「……」
かすみ 「……」
かすみ 「分かった。行こう!」
栞子 「!」
璃奈 「……それはそう。しかもさらに言えばタイムスリップした先で未来を変えてしまうリスクもある。だから決して勧められる方法じゃないけど」
璃奈 「これしか今のところ手がない」
栞子 「……」
かすみ 「……」
かすみ 「分かった。行こう!」
栞子 「!」
55: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:53:45.07 ID:HDIKmfYb
かすみ 「……確かに色々怖いけど、やっぱりしず子の本当の誕生日を知りたいよ! 本当の誕生日もお祝いしたいよ! 二人もそう思うでしょ!?」
栞子 「も、もちろんです!!」
璃奈 「私たちは同好会の仲間でもあり、大切な友達でもある。正直、演技の修行の一環だったとしても、教えて欲しかった」
かすみ 「じゃあ行こう。過去へ!」
ウィーーーン
璃奈 「ここに乗って」 スッ
栞子 「も、もちろんです!!」
璃奈 「私たちは同好会の仲間でもあり、大切な友達でもある。正直、演技の修行の一環だったとしても、教えて欲しかった」
かすみ 「じゃあ行こう。過去へ!」
ウィーーーン
璃奈 「ここに乗って」 スッ
56: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:54:28.68 ID:HDIKmfYb
かすみ 「そもそもしず子は、演技バカすぎるよ!! 誕生日パーティーのときすら、あんな『嘘なんかついてませんよ~』って態度とって! そう思うでしょ、しお子!」 スッ
栞子 「あのですね、実はパーティーの途中で寝てしまいまして……私は記憶が曖昧なんです」 スッ
かすみ 「えっ? しお子、寝てたっけ」
栞子 「酔っ払ってしまって……」
かすみ 「パーティーにお酒なんて使ってないよ!? 高校生の集まりなんだから!!」
栞子 「あのですね、実はパーティーの途中で寝てしまいまして……私は記憶が曖昧なんです」 スッ
かすみ 「えっ? しお子、寝てたっけ」
栞子 「酔っ払ってしまって……」
かすみ 「パーティーにお酒なんて使ってないよ!? 高校生の集まりなんだから!!」
57: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:55:06.46 ID:HDIKmfYb
璃奈 「二人とも! そろそろ出発するよ! シートベルトして、強い揺れに気をつけてね」
かすみ 「りょ、了解です!」 アセアセ
栞子 「タイムマシンに乗るのは初めてです!」
ピピピ
ピピピ
ジリジリジリジリ
かすみ 「りょ、了解です!」 アセアセ
栞子 「タイムマシンに乗るのは初めてです!」
ピピピ
ピピピ
ジリジリジリジリ
58: (もんじゃ) 2023/04/03(月) 23:55:53.65 ID:HDIKmfYb
かすみ 「なんの音ですか!?」
璃奈 「……ま、まずい、エラーが発生した!」
栞子 「エラーが発生したら何が起きるんですか!?」
璃奈 「指定した時間とは違う時間に飛んじゃう……!」
栞子 「それは…急ですね…」
かすみ 「いや冷静すぎるでしょ!?」
ピカーンッ!
かすみ 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!!!」
…
…
…
璃奈 「……ま、まずい、エラーが発生した!」
栞子 「エラーが発生したら何が起きるんですか!?」
璃奈 「指定した時間とは違う時間に飛んじゃう……!」
栞子 「それは…急ですね…」
かすみ 「いや冷静すぎるでしょ!?」
ピカーンッ!
かすみ 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーー!!!」
…
…
…
59: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 00:23:27.95 ID:zkvgtpfH
~?月?日~
ピカーンッ!
演劇部部長 「えっ!?!?」
しずく 「どうしたんですか、部長」
演劇部部長 「いま、UFOが見えたんだ、しずく!!!」
しずく 「また飛行機と見間違えたんじゃないんですか?」
演劇部部長 「いや本当に見えたんだって!!!」
ピカーンッ!
演劇部部長 「えっ!?!?」
しずく 「どうしたんですか、部長」
演劇部部長 「いま、UFOが見えたんだ、しずく!!!」
しずく 「また飛行機と見間違えたんじゃないんですか?」
演劇部部長 「いや本当に見えたんだって!!!」
60: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 00:23:59.17 ID:zkvgtpfH
ヒューーーーーーン
スーーーーーン
ガチャ
璃奈 「無事、着地は成功……!」
かすみ 「それで今は何年の何月何日なの!? もし恐竜の時代なんかに飛んでたら、食べられちゃうし、戦国時代に飛んでたら、織田信長に処刑されちゃうし……!」 ガクガク
栞子 「恐竜時代ならプテラノドンが見たいです! 戦国時代ならやはり本能寺の変の真実が知りたいですね!」
かすみ 「いや好奇心旺盛~~!! そんな場合じゃないでしょ!?」
スーーーーーン
ガチャ
璃奈 「無事、着地は成功……!」
かすみ 「それで今は何年の何月何日なの!? もし恐竜の時代なんかに飛んでたら、食べられちゃうし、戦国時代に飛んでたら、織田信長に処刑されちゃうし……!」 ガクガク
栞子 「恐竜時代ならプテラノドンが見たいです! 戦国時代ならやはり本能寺の変の真実が知りたいですね!」
かすみ 「いや好奇心旺盛~~!! そんな場合じゃないでしょ!?」
61: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 00:24:42.53 ID:zkvgtpfH
璃奈 「信じられないけど、ほとんど時代を飛ばずに済んでる……。ここは現代だよ」
かすみ 「ひ、ひとまず良かった~! 現代ならまず命が危ないことはないもんね!」
璃奈 「というか、昨日だ」
かすみ 「えっ?」
璃奈 「ほら見て。スマホが変わってる」
栞子 「4月2日……。一日前にタイムスリップしたってことですね」
かすみ 「ひ、ひとまず良かった~! 現代ならまず命が危ないことはないもんね!」
璃奈 「というか、昨日だ」
かすみ 「えっ?」
璃奈 「ほら見て。スマホが変わってる」
栞子 「4月2日……。一日前にタイムスリップしたってことですね」
65: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 18:23:42.70 ID:zkvgtpfH
かすみ 「えっと一応聞くけどタイムマシンは……」
璃奈 「もちろんエラーを起こしたから、すぐには戻れない」
かすみ 「だ、だよね……」
栞子 「ではタイムマシンが直るまで、ここに待機ですね」
璃奈 「そうもいかない」
かすみ 「えっ」
璃奈 「もちろんエラーを起こしたから、すぐには戻れない」
かすみ 「だ、だよね……」
栞子 「ではタイムマシンが直るまで、ここに待機ですね」
璃奈 「そうもいかない」
かすみ 「えっ」
66: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 18:24:10.40 ID:zkvgtpfH
璃奈 「エラーを自動で直してくれるシステムがあって、それには大量の熱が発生する。その熱の対策として冷却装置があるんだけど」
栞子 「今日は、寒すぎてここでは過ごせないということですか」
璃奈 「そうなる」
かすみ 「……」
璃奈 「……」
栞子 「……」
璃奈 「……ごめんなさい、このタイムマシンが未完成な可能性は十分あった。だけどしずくちゃんの誕生日がどうしても知りたくて、気持ちが先走ってしまった」
栞子 「今日は、寒すぎてここでは過ごせないということですか」
璃奈 「そうなる」
かすみ 「……」
璃奈 「……」
栞子 「……」
璃奈 「……ごめんなさい、このタイムマシンが未完成な可能性は十分あった。だけどしずくちゃんの誕生日がどうしても知りたくて、気持ちが先走ってしまった」
67: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 18:24:39.87 ID:zkvgtpfH
かすみ 「いや、りな子は悪くない!! かすみんがどうしても知りたいって駄々こねたのが原因なんだから!」
栞子 「しずくさんの本物の誕生日を祝いたい、そんな気持ちから起きてしまったことです。誰も悪いはずがありません」
栞子 「それよりも、まずはタイムマシンが直るまでどこで過ごすかを考えなければ……」
かすみ 「? 普通に家に帰れば良いんじゃないの?」
璃奈 「……それは難しい」
栞子 「私たちは4月3日からやってきました。当然、この時間には4月2日の私たちがいるはずです。今家に帰ってしまうと、もう一人の自分と鉢合わせしてしまいます」
栞子 「しずくさんの本物の誕生日を祝いたい、そんな気持ちから起きてしまったことです。誰も悪いはずがありません」
栞子 「それよりも、まずはタイムマシンが直るまでどこで過ごすかを考えなければ……」
かすみ 「? 普通に家に帰れば良いんじゃないの?」
璃奈 「……それは難しい」
栞子 「私たちは4月3日からやってきました。当然、この時間には4月2日の私たちがいるはずです。今家に帰ってしまうと、もう一人の自分と鉢合わせしてしまいます」
68: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 18:25:45.68 ID:zkvgtpfH
璃奈 「もう一人の自分と会うのは絶対避けなくちゃいけない。もしかしたら、時空の乱れが生じて、私たちの存在自体が消えてしまうかも」
かすみ 「ひぃ!」
栞子 「となると、今日は野宿ということに……?」
かすみ 「ええっ!?」
かすみ (野宿は嫌だけど、もう一人の自分たちに会ったら大変なことになるらしいし、いったいどうすれば……!)
?? 「あれ? そこで何してるんですか、璃奈さん、かすみさん、栞子さん?」
かすみ 「ひぃ!」
栞子 「となると、今日は野宿ということに……?」
かすみ 「ええっ!?」
かすみ (野宿は嫌だけど、もう一人の自分たちに会ったら大変なことになるらしいし、いったいどうすれば……!)
?? 「あれ? そこで何してるんですか、璃奈さん、かすみさん、栞子さん?」
69: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 18:26:43.80 ID:zkvgtpfH
かすみ 「せ、せつ菜先輩!?」
せつ菜 「こっちは、みなさんの家の方向じゃなかったはずですけど……」
かすみ 「どどどうしよう! 二人とも!」 ヒソヒソ
璃奈 「落ち着いて。この時間軸に私たちがもう一人いるのは絶対にバレちゃいけない」 ヒソヒソ
栞子 「ここは私に任せてください」 ヒソヒソ
かすみ 「えっ?」
栞子 「疑う隙も与えないくらい完璧な嘘でこの状況を突破してみせます」 ヒソヒソ
せつ菜 「こっちは、みなさんの家の方向じゃなかったはずですけど……」
かすみ 「どどどうしよう! 二人とも!」 ヒソヒソ
璃奈 「落ち着いて。この時間軸に私たちがもう一人いるのは絶対にバレちゃいけない」 ヒソヒソ
栞子 「ここは私に任せてください」 ヒソヒソ
かすみ 「えっ?」
栞子 「疑う隙も与えないくらい完璧な嘘でこの状況を突破してみせます」 ヒソヒソ
70: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 18:27:27.43 ID:zkvgtpfH
栞子 「せつ菜さん。実は私たち、今日泊まる場所を探してるんです」
せつ菜 「泊まる場所をですか?」
栞子 「はい。実はかすみさんが『テレビのタレントみたいなことをしてみたい~! そうだ! 同好会の誰かの家にアポ無しで急に泊まるって企画はどうかな~!』と言い出して、私たち三人で急遽やることにしたんです」
璃奈・かすみ 「「!?」」
栞子 「せつ菜さんの家に泊まっても、良いかな~~?」
せつ菜 「泊まる場所をですか?」
栞子 「はい。実はかすみさんが『テレビのタレントみたいなことをしてみたい~! そうだ! 同好会の誰かの家にアポ無しで急に泊まるって企画はどうかな~!』と言い出して、私たち三人で急遽やることにしたんです」
璃奈・かすみ 「「!?」」
栞子 「せつ菜さんの家に泊まっても、良いかな~~?」
71: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 18:27:53.47 ID:zkvgtpfH
栞子 「良いともー!」
せつ菜 「同好会の全員が、明日のしずくさんの誕生日に備えて準備してる時にですか……?」
栞子 「ともぉ……」
せつ菜 「それに、そんな企画に乗るなんて、栞子さんらしくないような……」
栞子 「……」
栞子 「……どうしましょう、弁解の余地がありません」
せつ菜 「同好会の全員が、明日のしずくさんの誕生日に備えて準備してる時にですか……?」
栞子 「ともぉ……」
せつ菜 「それに、そんな企画に乗るなんて、栞子さんらしくないような……」
栞子 「……」
栞子 「……どうしましょう、弁解の余地がありません」
79: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 23:23:03.26 ID:zkvgtpfH
璃奈 「無理がありすぎる」
かすみ 「嘘にレベルがあるとしたら、レベル1くらい雑魚な嘘だよ……しお子……!」
せつ菜 「もしかして」
かすみ 「ひぃ!」
かすみ (もし、ここで家出でも疑われたりしたら……)
かすみ (当然、家に連絡が行って、かすみんたちがこの時間軸に二人いることが発覚してしまう……!)
かすみ 「嘘にレベルがあるとしたら、レベル1くらい雑魚な嘘だよ……しお子……!」
せつ菜 「もしかして」
かすみ 「ひぃ!」
かすみ (もし、ここで家出でも疑われたりしたら……)
かすみ (当然、家に連絡が行って、かすみんたちがこの時間軸に二人いることが発覚してしまう……!)
80: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 23:23:30.56 ID:zkvgtpfH
かすみ (そしたらなんか時空で大変なことになって……)
かすみ (かすみんたちは消失!?!?)
かすみ 「うぅ……!」 ポロポロ
せつ菜 「しずくさんの誕生日パーティーの出し物を一緒に作りたいってことですね!!」
かすみ 「……えっ?」 グスッ
せつ菜 「確かにみんなで考えたり、練習した方がクオリティが上がるとはいえ、一緒に泊まるという考えはありませんでした!」
かすみ (かすみんたちは消失!?!?)
かすみ 「うぅ……!」 ポロポロ
せつ菜 「しずくさんの誕生日パーティーの出し物を一緒に作りたいってことですね!!」
かすみ 「……えっ?」 グスッ
せつ菜 「確かにみんなで考えたり、練習した方がクオリティが上がるとはいえ、一緒に泊まるという考えはありませんでした!」
81: (もんじゃ) 2023/04/04(火) 23:24:29.14 ID:zkvgtpfH
せつ菜 「……それに、私個人の話なんですが、実はお母さんにスクールアイドルのことや自分の気持ちを素直に打ち明けた日から」
せつ菜 「お母さんも友達との付き合いに寛容になってくれて、友達の家に泊まったり、友達を家に泊めてもいいって言ってくれたんです!」ペカー
せつ菜 「それでずっと誘おうと思ってたんですけど、いざ初めて友達を家に泊めようと思うと緊張しちゃって……///」 テレテレ
せつ菜 「だから嬉しいです!! 栞子さんたちの方から誘ってくれるなんて!!」 パァァ
せつ菜 「お母さんも友達との付き合いに寛容になってくれて、友達の家に泊まったり、友達を家に泊めてもいいって言ってくれたんです!」ペカー
せつ菜 「それでずっと誘おうと思ってたんですけど、いざ初めて友達を家に泊めようと思うと緊張しちゃって……///」 テレテレ
せつ菜 「だから嬉しいです!! 栞子さんたちの方から誘ってくれるなんて!!」 パァァ
83: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:13:31.65 ID:0Slavh2z
璃奈 「……」
かすみ 「……」
栞子 「……」
璃奈・かすみ・栞子 ((なんだ、この可愛すぎる先輩は……))
璃奈 「せつ菜さんの言う通り。一緒に泊まって明日のパーティーの予行練習をしたかった! 璃奈ちゃんボード『練習あるのみ』」
せつ菜 「では早速行きましょう! 私もみなさんに練習を見てもらいたかったんです!」
せつ菜 「実はマジックショーをするつもりなんですが……」 ゴニョゴニョ
ワイワイ
ワイワイ
…
…
…
かすみ 「……」
栞子 「……」
璃奈・かすみ・栞子 ((なんだ、この可愛すぎる先輩は……))
璃奈 「せつ菜さんの言う通り。一緒に泊まって明日のパーティーの予行練習をしたかった! 璃奈ちゃんボード『練習あるのみ』」
せつ菜 「では早速行きましょう! 私もみなさんに練習を見てもらいたかったんです!」
せつ菜 「実はマジックショーをするつもりなんですが……」 ゴニョゴニョ
ワイワイ
ワイワイ
…
…
…
84: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:14:18.54 ID:0Slavh2z
せつ菜 「トランプを二枚選んでください!」
璃奈 「うーん……璃奈ちゃんボード『どの数字を選ぼうか』」
かすみ 「……」 ムムム
栞子 「かすみさん?」
かすみ 「! しお子?」
栞子 「難しい顔をしてどうかしたんですか? せっかく楽しいお泊まり会なのに」
かすみ 「そ、そうだよね! ごめん、なんでもない!」 スッ
璃奈 「うーん……璃奈ちゃんボード『どの数字を選ぼうか』」
かすみ 「……」 ムムム
栞子 「かすみさん?」
かすみ 「! しお子?」
栞子 「難しい顔をしてどうかしたんですか? せっかく楽しいお泊まり会なのに」
かすみ 「そ、そうだよね! ごめん、なんでもない!」 スッ
85: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:15:06.01 ID:0Slavh2z
栞子 「ん? その袋は?」
かすみ 「……えっと、しず子への誕生日プレゼントだよ」
栞子 「誕生日プレゼント? 誕生日プレゼントは昨日渡してませんでしたっけ……? あ、いや、タイムスリップしてるから、明日になるんでしょうか」
かすみ 「本物の誕生日用のプレゼントだよ」
栞子 「えっ?」
かすみ 「……しず子が前、髪飾りをくれたんだ。お礼って言ってね」
栞子 「あの髪飾りのことですね」
かすみ 「……えっと、しず子への誕生日プレゼントだよ」
栞子 「誕生日プレゼント? 誕生日プレゼントは昨日渡してませんでしたっけ……? あ、いや、タイムスリップしてるから、明日になるんでしょうか」
かすみ 「本物の誕生日用のプレゼントだよ」
栞子 「えっ?」
かすみ 「……しず子が前、髪飾りをくれたんだ。お礼って言ってね」
栞子 「あの髪飾りのことですね」
86: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:16:27.26 ID:0Slavh2z
かすみ 「うん。あのプレゼントがずっと嬉しくて、今度渡す誕生日プレゼントは、私も髪飾りにしようって決めてたんだ」
栞子 「えっ? ですが昨日渡してたのは、確か」
かすみ 「コップ。だってさ、4月3日は本当の誕生日じゃないって知っちゃったからさ」
かすみ 「この髪飾りは、本当の誕生日にこそ、渡したいって思ったんだもん」
栞子 「……」
かすみ 「しず子も頑固だよね。誕生日すら演技だなんて! そこが良いところでもあるけどさ!」
かすみ 「……ちょっと寂しいよ」
栞子 「かすみさん……」
栞子 「えっ? ですが昨日渡してたのは、確か」
かすみ 「コップ。だってさ、4月3日は本当の誕生日じゃないって知っちゃったからさ」
かすみ 「この髪飾りは、本当の誕生日にこそ、渡したいって思ったんだもん」
栞子 「……」
かすみ 「しず子も頑固だよね。誕生日すら演技だなんて! そこが良いところでもあるけどさ!」
かすみ 「……ちょっと寂しいよ」
栞子 「かすみさん……」
87: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:17:11.63 ID:0Slavh2z
せつ菜 「『2』と『5』ですね!!」
璃奈 「『2』は合ってるけど、片方は『7』だよ」
せつ菜 「そんなっ……!!」 ガーン
璃奈 「せつ菜さんができるまで、何回でも付き合うよ。だから明日は絶対に成功させよう」
せつ菜 「!」
せつ菜 「そうですね!! やるからには全力投球!! マジックを大成功させたいです!! しずくさんの笑顔と本物の誕生日を同時にゲットです!!」
璃奈 「『2』は合ってるけど、片方は『7』だよ」
せつ菜 「そんなっ……!!」 ガーン
璃奈 「せつ菜さんができるまで、何回でも付き合うよ。だから明日は絶対に成功させよう」
せつ菜 「!」
せつ菜 「そうですね!! やるからには全力投球!! マジックを大成功させたいです!! しずくさんの笑顔と本物の誕生日を同時にゲットです!!」
88: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:17:49.80 ID:0Slavh2z
せつ菜 「うおおおおおーーーーーー!」
菜々母 「ちょっとー? 菜々ー? 少しうるさいわよー?」
せつ菜 「あはは……ごめんなさい……///」
かすみ (せつ菜先輩もマジックを一生懸命やってる。かすみんも、このまま諦めるわけには……)
かすみ (明日はあまり学校に近付かないのが賢明なんだろうけど……でも……!)
菜々母 「ちょっとー? 菜々ー? 少しうるさいわよー?」
せつ菜 「あはは……ごめんなさい……///」
かすみ (せつ菜先輩もマジックを一生懸命やってる。かすみんも、このまま諦めるわけには……)
かすみ (明日はあまり学校に近付かないのが賢明なんだろうけど……でも……!)
89: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:56:34.43 ID:0Slavh2z
~誕生日当日~
せつ菜 「昨日は本当に楽しかったです!! みなさんありがとうございます!!」
栞子 「こちらこそ、急なお願いなのに本当にありがとうございました」 ペコッ
せつ菜 「お母さんもすごく喜んでました。私の友達のこと知れて嬉しいって」
せつ菜 「だからと言うわけではないんですが……あ、あの!」
璃奈・かすみ・栞子 「「?」」
せつ菜 「昨日は本当に楽しかったです!! みなさんありがとうございます!!」
栞子 「こちらこそ、急なお願いなのに本当にありがとうございました」 ペコッ
せつ菜 「お母さんもすごく喜んでました。私の友達のこと知れて嬉しいって」
せつ菜 「だからと言うわけではないんですが……あ、あの!」
璃奈・かすみ・栞子 「「?」」
90: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:56:54.68 ID:0Slavh2z
せつ菜 「よ、良ければなんですが、また泊まりに来てください……!///」
せつ菜 「またみなさんとたくさんお喋りしたり、遊んだりしたいです……!///」 テレテレ
璃奈 「……」
かすみ 「……」
栞子 「……」
璃奈・かすみ・栞子 ((なんだ、この可愛すぎる先輩は……))
せつ菜 「またみなさんとたくさんお喋りしたり、遊んだりしたいです……!///」 テレテレ
璃奈 「……」
かすみ 「……」
栞子 「……」
璃奈・かすみ・栞子 ((なんだ、この可愛すぎる先輩は……))
91: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 00:57:29.23 ID:0Slavh2z
かすみ 「もちろんです!! 絶対泊まりに行きます!! せつ菜先輩!!」 ダキッ
璃奈 「璃奈ちゃんボード『最高の夜は何度でも!』」 ダキッ
栞子 「わ、私も友達の家に泊まるのはあまりしてこなかったので、すごく楽しかったです! また行きたいです!」 ダキッ
せつ菜 「やったーー! 嬉しいです!!」
一同 「「……」」 ニコニコ
璃奈 「璃奈ちゃんボード『最高の夜は何度でも!』」 ダキッ
栞子 「わ、私も友達の家に泊まるのはあまりしてこなかったので、すごく楽しかったです! また行きたいです!」 ダキッ
せつ菜 「やったーー! 嬉しいです!!」
一同 「「……」」 ニコニコ
92: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:15:17.59 ID:0Slavh2z
キンコンカンコーン
せつ菜 「ってもうこんな時間です!!」
せつ菜 「えっと、かすみさんたちは今は一緒に校舎に入らないんでしたよね?」
かすみ 「はい。かすみんたちも、しず子の誕生日パーティーを成功させつつ本物の誕生日を探るために、近くに用意してるものがあって、それを今から運ばなきゃいけないんです」
せつ菜 「なるほど! それなら仕方ありませんね。ではまた後で会いましょう!」 タッタッタッ
タッタッタッ
タッタッタッ
せつ菜 「ってもうこんな時間です!!」
せつ菜 「えっと、かすみさんたちは今は一緒に校舎に入らないんでしたよね?」
かすみ 「はい。かすみんたちも、しず子の誕生日パーティーを成功させつつ本物の誕生日を探るために、近くに用意してるものがあって、それを今から運ばなきゃいけないんです」
せつ菜 「なるほど! それなら仕方ありませんね。ではまた後で会いましょう!」 タッタッタッ
タッタッタッ
タッタッタッ
93: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:15:49.25 ID:0Slavh2z
栞子 「……学校に一緒に行ったら、鉢合わせになってしまう可能性がありますからね」
かすみ 「それにしても、昨日のお泊まり会でますますせつ菜先輩の魅力を知れた気がします。さすがかすみんのライバルの一人です!」
璃奈 「じゃあ後はタイムマシンが直るまでどこかで隠れて……」
かすみ 「そ、そうだよね!」
栞子 「……」
栞子 「かすみさん」
かすみ 「!」
かすみ 「それにしても、昨日のお泊まり会でますますせつ菜先輩の魅力を知れた気がします。さすがかすみんのライバルの一人です!」
璃奈 「じゃあ後はタイムマシンが直るまでどこかで隠れて……」
かすみ 「そ、そうだよね!」
栞子 「……」
栞子 「かすみさん」
かすみ 「!」
94: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:16:19.73 ID:0Slavh2z
栞子 「……何か言いたいことがあるんでしょ?」
かすみ 「で、でも」
栞子 「ここまで来た仲間じゃないですか。遠慮しないでください」
かすみ 「しお子……」
かすみ 「……」
かすみ 「あ、あの! 一つ提案があるんだけど」
璃奈 「提案?」
かすみ 「で、でも」
栞子 「ここまで来た仲間じゃないですか。遠慮しないでください」
かすみ 「しお子……」
かすみ 「……」
かすみ 「あ、あの! 一つ提案があるんだけど」
璃奈 「提案?」
95: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:17:09.26 ID:0Slavh2z
かすみ 「学校に行きたい、って言ったらダメかな……?」
璃奈 「……学校に行ってもし自分たちと会ってしまったら、消えちゃう可能性もあるよ?」
かすみ 「分かってる。でも」
かすみ 「物陰からでいい。しず子の誕生日会を今度は第三者の目線から観察したい。そしたら今度こそ、本当の誕生日が分かるかもしれないから!」
かすみ 「やっぱり知りたいよ。諦めたくない!!」
璃奈 「……学校に行ってもし自分たちと会ってしまったら、消えちゃう可能性もあるよ?」
かすみ 「分かってる。でも」
かすみ 「物陰からでいい。しず子の誕生日会を今度は第三者の目線から観察したい。そしたら今度こそ、本当の誕生日が分かるかもしれないから!」
かすみ 「やっぱり知りたいよ。諦めたくない!!」
96: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:19:07.26 ID:0Slavh2z
璃奈 「……」
栞子 「……」
かすみ 「……って言っても、やっぱり危ないし、ダメに決まって」
璃奈 「行こう」
かすみ 「!」
璃奈 「タイムトラベルが失敗した時点で、しずくちゃんの誕生日を調べるのを諦めていた自分に、かすみちゃんから言われて気付いた。それじゃダメだよね。私たちは友達だから、もっと知りたい気持ちに嘘をつけない。ついちゃダメなんだ」
栞子 「かすみさんはどこか慌ただしいですから、行くとしても、一人で行かせるつもりはありません。三人集まればなんとやらです!」
かすみ 「二人とも……!」 グスッ
璃奈 「向かおう、虹ヶ咲学園に。そして」
栞子 「しずくさんのサプライズ誕生日パーティーに!」
かすみ 「……はいっ!!」
…
…
…
栞子 「……」
かすみ 「……って言っても、やっぱり危ないし、ダメに決まって」
璃奈 「行こう」
かすみ 「!」
璃奈 「タイムトラベルが失敗した時点で、しずくちゃんの誕生日を調べるのを諦めていた自分に、かすみちゃんから言われて気付いた。それじゃダメだよね。私たちは友達だから、もっと知りたい気持ちに嘘をつけない。ついちゃダメなんだ」
栞子 「かすみさんはどこか慌ただしいですから、行くとしても、一人で行かせるつもりはありません。三人集まればなんとやらです!」
かすみ 「二人とも……!」 グスッ
璃奈 「向かおう、虹ヶ咲学園に。そして」
栞子 「しずくさんのサプライズ誕生日パーティーに!」
かすみ 「……はいっ!!」
…
…
…
97: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:20:36.72 ID:0Slavh2z
栞子 「まずいことになりました……」
かすみ 「えっ?」
栞子 「見てください。あの校門に立っている人を」
栞子 「あれは風紀委員です。ということは、裏門含め、あらゆる門に風紀委員が駐在しているということになります」
かすみ 「それが何か問題があるの?」
栞子 「はい。彼女たちは全ての生徒に元気よく挨拶し、なおかつ顔も覚えています。つまり」
璃奈 「私たちが通ろうとしたら違和感を覚えられるということ……?」
かすみ 「えっ?」
栞子 「見てください。あの校門に立っている人を」
栞子 「あれは風紀委員です。ということは、裏門含め、あらゆる門に風紀委員が駐在しているということになります」
かすみ 「それが何か問題があるの?」
栞子 「はい。彼女たちは全ての生徒に元気よく挨拶し、なおかつ顔も覚えています。つまり」
璃奈 「私たちが通ろうとしたら違和感を覚えられるということ……?」
98: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:21:28.33 ID:0Slavh2z
栞子 「はい。私たちは今、しずくさんの誕生日パーティーが始まる直前くらいでしょうか。この時間に学校外にいるのはおかしいんです。見つかったらすぐに、声をかけられ、本人か疑われ、同好会へも連絡されることでしょう」
かすみ 「ええっーー!? しず子の近くどころか、学校の中にすら入れないってこと!?」
栞子 「そうなります……」
かすみ 「どどどうすれば!」 アセアセ
璃奈 「……」
璃奈 「一つ方法がある。乱暴な手段ではあるけど」
栞子 「乱暴な手段……?」
かすみ 「ええっーー!? しず子の近くどころか、学校の中にすら入れないってこと!?」
栞子 「そうなります……」
かすみ 「どどどうすれば!」 アセアセ
璃奈 「……」
璃奈 「一つ方法がある。乱暴な手段ではあるけど」
栞子 「乱暴な手段……?」
99: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:22:22.17 ID:0Slavh2z
璃奈 「栞子ちゃん、一応聞くけど防犯カメラがない柵はどこかにある?」
栞子 「防犯カメラがない柵? あるにはありますが……言っておきますが柵を登って乗り越えるのは難しいと思いますよ?」
栞子 「虹ヶ咲学園は防犯を徹底しており、柵を強引に登ろうとしたら、必ず防犯カメラに映り警報が鳴ります。唯一、あちらの方に防犯カメラのない場所がありますが……」
かすみ 「えっ、あそこだけ巨大なコンクリートの壁じゃん」
栞子 「そうなんです。あそこだけよじ登った人を見つけるカメラがないのは、そもそも登ることが不可能だからなんです。つまり、虹ヶ咲学園を校門を通過せずに侵入できる方法は皆無に等しく……」
栞子 「防犯カメラがない柵? あるにはありますが……言っておきますが柵を登って乗り越えるのは難しいと思いますよ?」
栞子 「虹ヶ咲学園は防犯を徹底しており、柵を強引に登ろうとしたら、必ず防犯カメラに映り警報が鳴ります。唯一、あちらの方に防犯カメラのない場所がありますが……」
かすみ 「えっ、あそこだけ巨大なコンクリートの壁じゃん」
栞子 「そうなんです。あそこだけよじ登った人を見つけるカメラがないのは、そもそも登ることが不可能だからなんです。つまり、虹ヶ咲学園を校門を通過せずに侵入できる方法は皆無に等しく……」
100: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:23:35.64 ID:0Slavh2z
璃奈 「壁があるなら壊そう」
栞子 「? 何かの名言ですか?」
璃奈 「研究所から持ってきた、この特殊なマシンで、コンクリートの壁に穴を開ける」
栞子 「はい???」
璃奈 「ほとんど騒音が出ないで、まるで木を切る電動ノコギリのように綺麗に壁を切り抜くことができる」
栞子 「そ、そんなのダメです!! 学校の壁を壊すなんて!!」
栞子 「? 何かの名言ですか?」
璃奈 「研究所から持ってきた、この特殊なマシンで、コンクリートの壁に穴を開ける」
栞子 「はい???」
璃奈 「ほとんど騒音が出ないで、まるで木を切る電動ノコギリのように綺麗に壁を切り抜くことができる」
栞子 「そ、そんなのダメです!! 学校の壁を壊すなんて!!」
101: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:28:07.05 ID:0Slavh2z
璃奈 「大丈夫。帰るときに瞬時に壁を直す装置を使うから」
かすみ 「りな子の発明力って、現代の科学水準を超えてない……?」
栞子 (……生徒会長としてこれを見逃してもいいのでしょうか?)
栞子 (いやしかし、そもそも不法侵入しようとしてるわけですし)
栞子 (さらに言えばタイムスリップをしてる時点で、もはや優等生ではない……ドラえもんだったらタイムパトロールに捕まるくらい悪い存在ですし……)
栞子 「……分かりました。その作戦でいきましょう」
かすみ 「りな子の発明力って、現代の科学水準を超えてない……?」
栞子 (……生徒会長としてこれを見逃してもいいのでしょうか?)
栞子 (いやしかし、そもそも不法侵入しようとしてるわけですし)
栞子 (さらに言えばタイムスリップをしてる時点で、もはや優等生ではない……ドラえもんだったらタイムパトロールに捕まるくらい悪い存在ですし……)
栞子 「……分かりました。その作戦でいきましょう」
102: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:28:34.12 ID:0Slavh2z
璃奈 「じゃあこの装置をまずは壁に設置しよう。かすみちゃん、そっちお願い」
かすみ 「了解です!」
璃奈 「栞子ちゃんは、そこを固定して」
栞子 (とはいえやっぱり抵抗があります。学校の壁を壊すなんて……うぅ、でも……)
璃奈 「栞子ちゃん?」
栞子 「が、頑張ります……!」
栞子 (これで私も学園の壁を壊した一人ですね……) グスッ
栞子 (きっと、現在皆勤賞ですし、神様も許してくれるはずです……)
※許可は取っています
かすみ 「了解です!」
璃奈 「栞子ちゃんは、そこを固定して」
栞子 (とはいえやっぱり抵抗があります。学校の壁を壊すなんて……うぅ、でも……)
璃奈 「栞子ちゃん?」
栞子 「が、頑張ります……!」
栞子 (これで私も学園の壁を壊した一人ですね……) グスッ
栞子 (きっと、現在皆勤賞ですし、神様も許してくれるはずです……)
※許可は取っています
103: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:29:18.07 ID:0Slavh2z
ゴゴゴゴゴゴ
かすみ 「近くだと音が聞こえるけど、確かに壁を切ってるにはしては、すごく小さな音だ……」
璃奈 「ちなみに開ける穴は大きさ・形を自由に決められるけど、リクエストはある?」
栞子 「……」
かすみ 「しお子? 何ぼっーとしてるの? リクエストだってさ」
栞子 「えっ!? リクエスト!?」
栞子 (歌のリクエストでしょうか……!)
栞子 「3.1415926535897……!!!」
璃奈 「円……了解」
ゴゴゴゴゴゴ
栞子 (やってしまいました……!! 穴の形まで指示するなんて……!! 生徒会長なのに!!)
※許可は取っています
かすみ 「近くだと音が聞こえるけど、確かに壁を切ってるにはしては、すごく小さな音だ……」
璃奈 「ちなみに開ける穴は大きさ・形を自由に決められるけど、リクエストはある?」
栞子 「……」
かすみ 「しお子? 何ぼっーとしてるの? リクエストだってさ」
栞子 「えっ!? リクエスト!?」
栞子 (歌のリクエストでしょうか……!)
栞子 「3.1415926535897……!!!」
璃奈 「円……了解」
ゴゴゴゴゴゴ
栞子 (やってしまいました……!! 穴の形まで指示するなんて……!! 生徒会長なのに!!)
※許可は取っています
104: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:30:37.70 ID:0Slavh2z
かすみ 「そういえば、今ってパーティーだと、どの時点くらいなんだろう」
璃奈 「おそらくせつ菜さんのマジックショーがやっている頃」
栞子 「あんなに練習してましたから、上手くいくと良いですね」
かすみ 「しお子、何言ってんのさ。昨日せつ菜先輩のマジックは成功してたんだから、成功するに決まってるじゃん」
栞子 「えっ? でも私たちが未来から来た時点で、変わってる可能性はありますよね? あ、いや、もちろん成功して欲しいですけど!」
かすみ 「え? 変わってる可能性?」
璃奈 「おそらくせつ菜さんのマジックショーがやっている頃」
栞子 「あんなに練習してましたから、上手くいくと良いですね」
かすみ 「しお子、何言ってんのさ。昨日せつ菜先輩のマジックは成功してたんだから、成功するに決まってるじゃん」
栞子 「えっ? でも私たちが未来から来た時点で、変わってる可能性はありますよね? あ、いや、もちろん成功して欲しいですけど!」
かすみ 「え? 変わってる可能性?」
105: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:32:03.28 ID:0Slavh2z
璃奈 「……それに関してはしばらく考えてたけど、正直どちらとも言えない」
栞子 「どちらとも言えない、ですか?」
璃奈 「確かに過去へ介入してる以上、未来は変わるはずなんだけど、もしかしたら介入されることも込みで私たちの体験した未来があったのかもしれない」
かすみ 「??」
ゴゴゴゴゴゴ
璃奈 「あ、そろそろ開くよ」
栞子 「どちらとも言えない、ですか?」
璃奈 「確かに過去へ介入してる以上、未来は変わるはずなんだけど、もしかしたら介入されることも込みで私たちの体験した未来があったのかもしれない」
かすみ 「??」
ゴゴゴゴゴゴ
璃奈 「あ、そろそろ開くよ」
106: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:35:23.67 ID:0Slavh2z
栞子 「本当に静かでしたね。これならバレずに済みそうですね。良かっ……」
ガタンッ!
栞子 「……」
璃奈 「……」
かすみ 「……」
かすみ 「めっちゃ、音響いたね……」
璃奈 「切り抜いたコンクリートの塊が後ろに倒れることによる音は想定してなかった……」
栞子 「皆勤賞があれば、大丈夫……! なんだって許されるはず……!!」 ガクガク
かすみ 「しお子がおかしくなった!?」
ガタンッ!
栞子 「……」
璃奈 「……」
かすみ 「……」
かすみ 「めっちゃ、音響いたね……」
璃奈 「切り抜いたコンクリートの塊が後ろに倒れることによる音は想定してなかった……」
栞子 「皆勤賞があれば、大丈夫……! なんだって許されるはず……!!」 ガクガク
かすみ 「しお子がおかしくなった!?」
107: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 01:36:51.97 ID:0Slavh2z
ウィーン
かすみ 「……ん? 何これ。おもちゃ?」
璃奈 「それは昨日せつ菜さんが使ってたやつだよ」
栞子 「確かラジコンで音を鳴らして、そのうちにコップを入れ替えるという……」
かすみ 「このラジコンでそんな音鳴らせるの? ていうかそもそも、かすみんたちがあのマジックショーのとき聞いた音だって、こんなラジコンが鳴らせるような音じゃなかったよ」
かすみ 「聞こえてきたのはそう、まさに、今コンクリートが倒れたときのようなドデカイ音……って、えっ?」
かすみ 「……ん? 何これ。おもちゃ?」
璃奈 「それは昨日せつ菜さんが使ってたやつだよ」
栞子 「確かラジコンで音を鳴らして、そのうちにコップを入れ替えるという……」
かすみ 「このラジコンでそんな音鳴らせるの? ていうかそもそも、かすみんたちがあのマジックショーのとき聞いた音だって、こんなラジコンが鳴らせるような音じゃなかったよ」
かすみ 「聞こえてきたのはそう、まさに、今コンクリートが倒れたときのようなドデカイ音……って、えっ?」
142: (しうまい) 2023/04/08(土) 22:44:08.41 ID:50rKzHzv
>>111
バレンタインマシンの人は自分じゃないですね、自分がバレンタインに書いたのは、せつ菜ちゃんが作ったチョコを落としたら床が溶けて下にいた彼方ちゃんが食べてしまうというミステリーです。
バレンタインマシンの人は自分じゃないですね、自分がバレンタインに書いたのは、せつ菜ちゃんが作ったチョコを落としたら床が溶けて下にいた彼方ちゃんが食べてしまうというミステリーです。
114: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 22:59:43.08 ID:0Slavh2z
栞子 「……」
かすみ 「……」
璃奈 「……見て。ちょうどパーティー会場の近くの草むらに通じてたみたい。ここからパーティーの様子が見えるよ」
しずく 「……バウムクーヘンの日ですかね?」
栞子(過去) 「……ちなみに、神戸のドイツ菓子製菓会社・ユーハイムが2010年に制定した記念日ですね」
せつ菜 「」 チーン
かすみ(過去) 「せつ菜先輩ーーーーーっ!!」
かすみ 「……」
璃奈 「……見て。ちょうどパーティー会場の近くの草むらに通じてたみたい。ここからパーティーの様子が見えるよ」
しずく 「……バウムクーヘンの日ですかね?」
栞子(過去) 「……ちなみに、神戸のドイツ菓子製菓会社・ユーハイムが2010年に制定した記念日ですね」
せつ菜 「」 チーン
かすみ(過去) 「せつ菜先輩ーーーーーっ!!」
115: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:00:16.22 ID:0Slavh2z
かすみ 「せつ菜先輩がしず子の演技力に完敗したところですね」
栞子(過去) 「いよいよ、私の出番ですね」
かすみ(過去) 「栞子……何か秘策でもあるの?」
栞子(過去) 「ちょっと待ってください。今、必要なものを持ってきますので」 タッタッタッ
かすみ 「……ん?」
かすみ 「気のせいかもしれないけど、過去のしお子、こっちの方に来てない?」
栞子 「えっ?」
栞子(過去) 「いよいよ、私の出番ですね」
かすみ(過去) 「栞子……何か秘策でもあるの?」
栞子(過去) 「ちょっと待ってください。今、必要なものを持ってきますので」 タッタッタッ
かすみ 「……ん?」
かすみ 「気のせいかもしれないけど、過去のしお子、こっちの方に来てない?」
栞子 「えっ?」
116: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:00:51.10 ID:0Slavh2z
璃奈 「あっ、ここにディスプレイがある」
栞子 「そ、そうでした……!! 確か隠してたのはここの草むらでした……!!」
かすみ 「ええっ!? まずいよ! このままじゃしお子がかすみんたちを見つけちゃう!」
璃奈 「万事休す……!」
栞子 「こ、こうなったら……かすみさん!」
かすみ 「なに、しお子!」
栞子 「そ、そうでした……!! 確か隠してたのはここの草むらでした……!!」
かすみ 「ええっ!? まずいよ! このままじゃしお子がかすみんたちを見つけちゃう!」
璃奈 「万事休す……!」
栞子 「こ、こうなったら……かすみさん!」
かすみ 「なに、しお子!」
117: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:01:17.76 ID:0Slavh2z
栞子 「一瞬で良いですから、過去の私の視界を遮ってください。その隙に私がどうにかしますから」
かすみ 「どうにかするって、どうするのさ!」
栞子 「とにかくお願いします!! 時間がありません!!」
栞子(過去) 「確かこの辺にディスプレイが……」
かすみ (後ろから手で目隠しするしかない!!) サッ
栞子(過去) 「えっ!?」
ドタバタッ
かすみ 「どうにかするって、どうするのさ!」
栞子 「とにかくお願いします!! 時間がありません!!」
栞子(過去) 「確かこの辺にディスプレイが……」
かすみ (後ろから手で目隠しするしかない!!) サッ
栞子(過去) 「えっ!?」
ドタバタッ
118: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:02:04.49 ID:0Slavh2z
栞子 「今です! 三船家に伝わる拳法……!」
栞子 「眠くなるツボっ!!!!!」 ギュッ
栞子(過去) 「へ……?」 クラッ
璃奈 「危ない」 キャッチ
栞子(過去) 「すぅ……すぅ……」
かすみ 「しお子はどうなっちゃったの……!?」
栞子 「安心してください。眠らせただけです。しばらくしたら目を覚ますでしょう」
栞子 「眠くなるツボっ!!!!!」 ギュッ
栞子(過去) 「へ……?」 クラッ
璃奈 「危ない」 キャッチ
栞子(過去) 「すぅ……すぅ……」
かすみ 「しお子はどうなっちゃったの……!?」
栞子 「安心してください。眠らせただけです。しばらくしたら目を覚ますでしょう」
119: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:02:27.92 ID:0Slavh2z
かすみ 「なら良かったけど……えっと、とりあえずディスプレイの置いてあった位置に過去のしお子を寝かせて……」 スッ
ガダゴトッ
かすみ 「次に、このディスプレイはどうしよう……。それに、何よりしお子がこのまま戻ってこなかったら、怪しまれちゃうんじゃ……」 アセアセ
栞子 「仕方ありません。入れ替わりましょう」
かすみ 「えっ?」
栞子 「ここからは私の出番ということです」
ガダゴトッ
かすみ 「次に、このディスプレイはどうしよう……。それに、何よりしお子がこのまま戻ってこなかったら、怪しまれちゃうんじゃ……」 アセアセ
栞子 「仕方ありません。入れ替わりましょう」
かすみ 「えっ?」
栞子 「ここからは私の出番ということです」
120: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:03:11.13 ID:0Slavh2z
ガラガラ
栞子 「持ってきました。巨大なディスプレイです」 ガラガラ
かすみ(過去) 「それを使っていったい何を……?」
栞子 「フラッシュ暗算というものを知ってますか、しずくさん」
しずく 「確かコンピュータの画面に一瞬だけ出てくる数字を足し算していく、みたいなものですよね……?」
栞子 「そうです!」
栞子 「持ってきました。巨大なディスプレイです」 ガラガラ
かすみ(過去) 「それを使っていったい何を……?」
栞子 「フラッシュ暗算というものを知ってますか、しずくさん」
しずく 「確かコンピュータの画面に一瞬だけ出てくる数字を足し算していく、みたいなものですよね……?」
栞子 「そうです!」
121: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:04:27.54 ID:0Slavh2z
璃奈 「過去の栞子ちゃんのふりをしてるみたい」
かすみ 「と、とりあえず、うまく騙せたのかな……?」
璃奈 「栞子ちゃん、ファインプレーだった……。一歩間違えば私たち全員、消失してたかもしれなかった……」
かすみ 「でも過去のしお子がここで眠っちゃってるわけだから、しばらくしお子はあっちにいないといけないってことだよね。えっと、ここからどうしよう……」
璃奈 「どうもしない。かすみちゃん、目的を忘れちゃダメ」
かすみ 「!」
かすみ 「と、とりあえず、うまく騙せたのかな……?」
璃奈 「栞子ちゃん、ファインプレーだった……。一歩間違えば私たち全員、消失してたかもしれなかった……」
かすみ 「でも過去のしお子がここで眠っちゃってるわけだから、しばらくしお子はあっちにいないといけないってことだよね。えっと、ここからどうしよう……」
璃奈 「どうもしない。かすみちゃん、目的を忘れちゃダメ」
かすみ 「!」
122: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:05:59.52 ID:0Slavh2z
璃奈 「どんな時も焦らず、一緒にしずくちゃんの本当の誕生日を見つけよう」
かすみ 「う、うん……!!」
栞子(過去) 「ん……ここは……私はいったい何を……」 ウトウト
かすみ 「ってしお子が目覚めた!? しばらく起きないんじゃなかったの!?」
璃奈 「ツボを完璧には押せてなかったのかも……!」
かすみ 「どどどどうしよう!」 アセアセ
栞子(過去) 「かすみ、さん……?」 ウトウト
かすみ 「!」
かすみ (ぬぬぬぬ、かすみん! 今こそ普段使ってない脳みそをフル回転です!!)
かすみ 「う、うん……!!」
栞子(過去) 「ん……ここは……私はいったい何を……」 ウトウト
かすみ 「ってしお子が目覚めた!? しばらく起きないんじゃなかったの!?」
璃奈 「ツボを完璧には押せてなかったのかも……!」
かすみ 「どどどどうしよう!」 アセアセ
栞子(過去) 「かすみ、さん……?」 ウトウト
かすみ 「!」
かすみ (ぬぬぬぬ、かすみん! 今こそ普段使ってない脳みそをフル回転です!!)
123: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:06:33.90 ID:0Slavh2z
かすみ 「え、えっと、しお子は今寝てたの!」
栞子(過去) 「寝てた……? なぜ……」 ウトウト
かすみ 「実は、そ、そうだ! パーティーのジュースの中にお酒が紛れ込んでたみたいで、それを飲んだしお子は酔っ払っちゃったの!」
栞子(過去) 「私が酔っ払った……?」 ウトウト
かすみ 「まだ眠いでしょ? 酔っ払ってるなら仕方ないよ。もう少し寝てなよ」
栞子(過去) 「酔っ払ってるなら……仕方ない……」 ウトウト
栞子(過去) 「寝てた……? なぜ……」 ウトウト
かすみ 「実は、そ、そうだ! パーティーのジュースの中にお酒が紛れ込んでたみたいで、それを飲んだしお子は酔っ払っちゃったの!」
栞子(過去) 「私が酔っ払った……?」 ウトウト
かすみ 「まだ眠いでしょ? 酔っ払ってるなら仕方ないよ。もう少し寝てなよ」
栞子(過去) 「酔っ払ってるなら……仕方ない……」 ウトウト
124: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:07:38.74 ID:0Slavh2z
栞子(過去) 「そう、です、よにぇ……」 ウトウト
栞子(過去) 「おやすみなさい……すぅ……すぅ……」
かすみ 「……」
璃奈 「……」
かすみ 「ふぅ、なんとかなった」
璃奈 「かすみちゃん、すごかった」 パチパチ
かすみ 「えへへ、咄嗟の判断だったけど上手くいったみたい」
栞子(過去) 「おやすみなさい……すぅ……すぅ……」
かすみ 「……」
璃奈 「……」
かすみ 「ふぅ、なんとかなった」
璃奈 「かすみちゃん、すごかった」 パチパチ
かすみ 「えへへ、咄嗟の判断だったけど上手くいったみたい」
125: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:48:08.64 ID:0Slavh2z
しずく 「……最後に1!」
栞子 「なっ……!」
栞子 「せ、正解です……全部……」
璃奈 「あっ、フラッシュ数字暗記クイズが終わったみたいだね」
かすみ 「全問正解のくだりは二回目だけど、改めて見ても、あれを全部暗記できるなんてしず子すごいなぁ……」
栞子 「なっ……!」
栞子 「せ、正解です……全部……」
璃奈 「あっ、フラッシュ数字暗記クイズが終わったみたいだね」
かすみ 「全問正解のくだりは二回目だけど、改めて見ても、あれを全部暗記できるなんてしず子すごいなぁ……」
126: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:48:28.34 ID:0Slavh2z
栞子 「まさか、これが突破されるとは、しずくさんの演技力には完敗です……えっと、席は……」
彼方 「栞子ちゃんの席は彼方ちゃんの隣だよ?」
栞子 「そ、そうでしたね!」 タッタッタッ
かすみ 「あっ、席を彼方先輩に教えてもらってる」
璃奈 「急に入れ替わったから席が分からなくても仕方ない」
彼方 「栞子ちゃんの席は彼方ちゃんの隣だよ?」
栞子 「そ、そうでしたね!」 タッタッタッ
かすみ 「あっ、席を彼方先輩に教えてもらってる」
璃奈 「急に入れ替わったから席が分からなくても仕方ない」
127: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:49:05.56 ID:0Slavh2z
その後も、以前体験した未来と同様、同好会メンバーによる、お祝いを桜坂しずくは全て突破し、結局、誕生日を探ることは誰もできなかった。
それは第三者として物陰からずっと見ていたかすみたちも同様で。結局、タイムスリップをもってしても、本当の誕生日を知ることはできなかったのである。
侑 「ふふ、やっぱりしずくちゃんの演技力は流石だね」
しずく 「私の誕生日は4月3日ですよ?」
日が沈み、それぞれ家へと帰っていった。
未来から来た三人も、絶望に似た気持ちを抱えながら、道を歩いてた。
でも、一人が立ち止まる。
それは第三者として物陰からずっと見ていたかすみたちも同様で。結局、タイムスリップをもってしても、本当の誕生日を知ることはできなかったのである。
侑 「ふふ、やっぱりしずくちゃんの演技力は流石だね」
しずく 「私の誕生日は4月3日ですよ?」
日が沈み、それぞれ家へと帰っていった。
未来から来た三人も、絶望に似た気持ちを抱えながら、道を歩いてた。
でも、一人が立ち止まる。
128: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:50:06.04 ID:0Slavh2z
かすみ 「……ねえ、りな子、しお子」
璃奈 「……」
栞子 「……」
かすみ 「結局、タイムスリップをしても、しず子の本当の誕生日を知ることはできなかった」
かすみ 「かすみんの努力不足だ……二人も手伝ってくれたのに、ごめん……っ」
栞子 「そんな! かすみさんは悪くありません。そんなこと言ったら私だって、上手く探ることができませんでした……」
璃奈 「……っ」
璃奈 「……」
栞子 「……」
かすみ 「結局、タイムスリップをしても、しず子の本当の誕生日を知ることはできなかった」
かすみ 「かすみんの努力不足だ……二人も手伝ってくれたのに、ごめん……っ」
栞子 「そんな! かすみさんは悪くありません。そんなこと言ったら私だって、上手く探ることができませんでした……」
璃奈 「……っ」
129: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:50:27.07 ID:0Slavh2z
ピピッ
璃奈 「!」
かすみ 「……今の音は?」
璃奈 「タイムマシンの修理が終わった合図、だと思う」
かすみ 「帰れるってこと……?」
璃奈 「……うん」
かすみ 「帰ったら、次にタイムスリップできるのは……?」
璃奈 「……分からない。少なくとも、もう二度とこんなリスクの高い状況で希望的観測では起動できない。だから、もうしばらく、時間がかかると思う」
璃奈 「!」
かすみ 「……今の音は?」
璃奈 「タイムマシンの修理が終わった合図、だと思う」
かすみ 「帰れるってこと……?」
璃奈 「……うん」
かすみ 「帰ったら、次にタイムスリップできるのは……?」
璃奈 「……分からない。少なくとも、もう二度とこんなリスクの高い状況で希望的観測では起動できない。だから、もうしばらく、時間がかかると思う」
130: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:51:00.25 ID:0Slavh2z
かすみ 「そっか……」
かすみ 「それは、仕方ないよね……」
璃奈 「……」
栞子 「……」
璃奈・栞子 「「仕方なくなんか……」」
璃奈・栞子 「「!」」
璃奈 「仕方なくなんかないよ! かすみちゃん!!」
栞子 「まだ今日という一日は終わってないんですよ!? かすみさん!!」
かすみ 「ふ、二人とも……?」
かすみ 「それは、仕方ないよね……」
璃奈 「……」
栞子 「……」
璃奈・栞子 「「仕方なくなんか……」」
璃奈・栞子 「「!」」
璃奈 「仕方なくなんかないよ! かすみちゃん!!」
栞子 「まだ今日という一日は終わってないんですよ!? かすみさん!!」
かすみ 「ふ、二人とも……?」
131: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:51:41.75 ID:0Slavh2z
栞子 「どうしたらしずくさんから本当の誕生日を教えてもらえるか、その方法は正直私には分かりません。でも」
栞子 「誕生日の話題は、やっぱり誕生日の時にしか本人に直接聞けないと思います」
かすみ 「!」
栞子 「今日が過ぎてしまったら、ますます本物の誕生日を探るのは難しくなると思います。だから……!!」
璃奈 「みんな頑張った……でも失敗してしまった……」
璃奈 「だけどかすみちゃんが教えてくれた。諦めちゃダメだって」
かすみ 「!」
璃奈 「まだしずくちゃんも、近くを歩いてる。タイムスリップができないなら、チャンスはこの時間だけ!!」
栞子 「誕生日の話題は、やっぱり誕生日の時にしか本人に直接聞けないと思います」
かすみ 「!」
栞子 「今日が過ぎてしまったら、ますます本物の誕生日を探るのは難しくなると思います。だから……!!」
璃奈 「みんな頑張った……でも失敗してしまった……」
璃奈 「だけどかすみちゃんが教えてくれた。諦めちゃダメだって」
かすみ 「!」
璃奈 「まだしずくちゃんも、近くを歩いてる。タイムスリップができないなら、チャンスはこの時間だけ!!」
132: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:52:22.60 ID:0Slavh2z
栞子 「あと一回だけ、チャレンジしてみませんか」
璃奈 「本当のタイムリミットはまだ来てないよ」
栞子・璃奈 「「かすみさん(ちゃん)!!」」
かすみ 「……」
かすみ 「……」
かすみ 「……ふふ」
かすみ 「そうだよね。かすみんらしくなかった」
かすみ 「かすみんはどんな時も諦めないんです!!」
璃奈 「本当のタイムリミットはまだ来てないよ」
栞子・璃奈 「「かすみさん(ちゃん)!!」」
かすみ 「……」
かすみ 「……」
かすみ 「……ふふ」
かすみ 「そうだよね。かすみんらしくなかった」
かすみ 「かすみんはどんな時も諦めないんです!!」
133: (もんじゃ) 2023/04/05(水) 23:52:46.86 ID:0Slavh2z
かすみ 「自分で決めたことは」
かすみ 「みんなで一緒に目指した願いは」
かすみ 「絶対に叶える!!」
かすみ 「世界で一番可愛いかすみんが」
かすみ 「こんなところで自分に負けるわけがありません!!」
かすみ 「二人とも、本当にありがとう。かすみん、あともう一回だけ走ってみる……」
かすみ (……待っててね)
かすみ 「しず子!!」
…
…
…
かすみ 「みんなで一緒に目指した願いは」
かすみ 「絶対に叶える!!」
かすみ 「世界で一番可愛いかすみんが」
かすみ 「こんなところで自分に負けるわけがありません!!」
かすみ 「二人とも、本当にありがとう。かすみん、あともう一回だけ走ってみる……」
かすみ (……待っててね)
かすみ 「しず子!!」
…
…
…
143: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:54:25.02 ID:50rKzHzv
しずく 「……あれ、部長から連絡が来てる」
しずく 「『友達を大切にしてあげな』?」
しずく 「急にどうしたんだろ、部長」
かすみ 「しず子~~!!」 タッタッタッ
しずく 「えっ? かすみさん!?」
かすみ 「はぁ……はぁ……良かった。まだ歩きで良かった」
しずく 「かすみさんの家はこっちじゃないよね? なんでここに……」
しずく 「『友達を大切にしてあげな』?」
しずく 「急にどうしたんだろ、部長」
かすみ 「しず子~~!!」 タッタッタッ
しずく 「えっ? かすみさん!?」
かすみ 「はぁ……はぁ……良かった。まだ歩きで良かった」
しずく 「かすみさんの家はこっちじゃないよね? なんでここに……」
144: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:54:50.57 ID:50rKzHzv
かすみ 「……それはね」
かすみ 「しず子に聞きたいことがあったから!」
しずく 「私に聞きたいこと?」
かすみ 「うんっ」
かすみ 「……」
しずく 「?」
しずく (真剣な顔……聞きたいことっていったい……)
かすみ 「しず子に聞きたいことがあったから!」
しずく 「私に聞きたいこと?」
かすみ 「うんっ」
かすみ 「……」
しずく 「?」
しずく (真剣な顔……聞きたいことっていったい……)
145: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:55:48.48 ID:50rKzHzv
かすみ 「この際だから、はっきり言うね」
かすみ (色々あった……しず子の本当の誕生日を知ろうとして、みんながいろんな方法で頑張ったけど失敗したこととか)
かすみ (そのあとタイムスリップをして、学校の中に忍び込んでパーティーを見たこととか)
かすみ (……だけど、この不思議な冒険も、ここで終わらせるんだ。かすみんは)
かすみ (しず子の本当の誕生日を祝いたい!! だから)
かすみ 「しず子、お願い!! 本当の誕生日を教えて!!!!」
かすみ (色々あった……しず子の本当の誕生日を知ろうとして、みんながいろんな方法で頑張ったけど失敗したこととか)
かすみ (そのあとタイムスリップをして、学校の中に忍び込んでパーティーを見たこととか)
かすみ (……だけど、この不思議な冒険も、ここで終わらせるんだ。かすみんは)
かすみ (しず子の本当の誕生日を祝いたい!! だから)
かすみ 「しず子、お願い!! 本当の誕生日を教えて!!!!」
146: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:56:46.00 ID:50rKzHzv
しずく 「本当の誕生日? えっと、私の誕生日は今日だよ? かすみさん?」
かすみ 「そうじゃなくて、本当の!!」
しずく 「本当も何も誕生日は4月3日だけど……」
かすみ 「……うぅ」 ポロポロ
しずく 「!?」
かすみ 「なんでぇ……なんで教えてくれないのぉ……しず子ぉ……」 ポロポロ
しずく 「かすみさん!?」
かすみ 「そうじゃなくて、本当の!!」
しずく 「本当も何も誕生日は4月3日だけど……」
かすみ 「……うぅ」 ポロポロ
しずく 「!?」
かすみ 「なんでぇ……なんで教えてくれないのぉ……しず子ぉ……」 ポロポロ
しずく 「かすみさん!?」
147: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:57:08.43 ID:50rKzHzv
かすみ 「このバカバカバカバカ!」 ポロポロ
しずく 「……ど、どうしたら」
しずく (そういえば)
彼方 『そうだよ~。結局、誕生日は分からなかったけど、しずくちゃんが嬉しそうなら良かったよ~』
しずく (彼方さんもそんなことを言ってたような……)
しずく 「あ、あのかすみさん」
かすみ 「うぅ……なに、しず子……」 グスッ
しずく 「……ど、どうしたら」
しずく (そういえば)
彼方 『そうだよ~。結局、誕生日は分からなかったけど、しずくちゃんが嬉しそうなら良かったよ~』
しずく (彼方さんもそんなことを言ってたような……)
しずく 「あ、あのかすみさん」
かすみ 「うぅ……なに、しず子……」 グスッ
148: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:57:40.65 ID:50rKzHzv
しずく 「もしかして勘違いしてない?」
かすみ 「勘違い? 勘違いなんかしてないよ」
しずく 「えっと、じゃあなんで私の誕生日が偽物だって思ったの?」
かすみ 「だ、だってあのとき部長と……!」
しずく 「部長? 部長がどうかしたの?」
かすみ 「そ、それは!」
しずく 「それは?」
かすみ 「勘違い? 勘違いなんかしてないよ」
しずく 「えっと、じゃあなんで私の誕生日が偽物だって思ったの?」
かすみ 「だ、だってあのとき部長と……!」
しずく 「部長? 部長がどうかしたの?」
かすみ 「そ、それは!」
しずく 「それは?」
149: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:58:18.61 ID:50rKzHzv
かすみ 「アレコレ」 ヒソヒソ
しずく 「ふむふむ」 ウンウン
かすみ 「……って。それってつまり、しず子は4月3日が本当の誕生日じゃない、ってことじゃないの?」
しずく「……」
かすみ 「しず子?」
しずく 「……ふふ」
しずく 「あはははははははは!」
かすみ 「??」
しずく 「ふむふむ」 ウンウン
かすみ 「……って。それってつまり、しず子は4月3日が本当の誕生日じゃない、ってことじゃないの?」
しずく「……」
かすみ 「しず子?」
しずく 「……ふふ」
しずく 「あはははははははは!」
かすみ 「??」
150: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:58:52.65 ID:50rKzHzv
しずく 「違うよ、かすみさん! あれは明日の話であって、私の誕生日は4月3日なの! それは嘘じゃないんだってば」
かすみ 「ど、どういうこと!?」
しずく 「だから」
しずく 「アレコレ」 ヒソヒソ
かすみ 「ふむふむ」 ウンウン
しずく 「……ってこと! つまりかすみさんの勘違いだったんだよ」
かすみ 「……え」
かすみ 「ええええええええええええ~~!?」
かすみ 「ど、どういうこと!?」
しずく 「だから」
しずく 「アレコレ」 ヒソヒソ
かすみ 「ふむふむ」 ウンウン
しずく 「……ってこと! つまりかすみさんの勘違いだったんだよ」
かすみ 「……え」
かすみ 「ええええええええええええ~~!?」
151: (しうまい) 2023/04/08(土) 23:59:33.45 ID:50rKzHzv
しずく 「ふふ」
かすみ 「わ、笑わないでよ!!」
しずく 「ふふ、そんなこと言われたって、ふふ、ツボにハマっちゃって……道理でみんな少し様子が変だったんだね……ふふ」
かすみ 「うぅ……!///」
しずく 「でもこれで万事解決だね! かすみさん!」
かすみ 「万事解決じゃないよ~!! かすみん、なんて勘違いを……!!」
しずく 「誰にでも失敗はあるものだよ」
かすみ 「うぅ……他人事みたいに……!」 ムムム
かすみ 「わ、笑わないでよ!!」
しずく 「ふふ、そんなこと言われたって、ふふ、ツボにハマっちゃって……道理でみんな少し様子が変だったんだね……ふふ」
かすみ 「うぅ……!///」
しずく 「でもこれで万事解決だね! かすみさん!」
かすみ 「万事解決じゃないよ~!! かすみん、なんて勘違いを……!!」
しずく 「誰にでも失敗はあるものだよ」
かすみ 「うぅ……他人事みたいに……!」 ムムム
152: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:07:44.21 ID:TOdv8uhU
しずく (……そんな誤解があったのは驚きだけど)
しずく (私の本当の誕生日を祝いたいって気持ちで、あんなにパーティー中にみんな、一生懸命探ってくれてたんだって思うと)
しずく 「……すごく嬉しい」
かすみ 「!」
しずく 「みんな、そしてかすみさんも、ありがとう! 私の誕生日のために、こんなに頑張ってくれてっ!」 ニコッ
しずく (私の本当の誕生日を祝いたいって気持ちで、あんなにパーティー中にみんな、一生懸命探ってくれてたんだって思うと)
しずく 「……すごく嬉しい」
かすみ 「!」
しずく 「みんな、そしてかすみさんも、ありがとう! 私の誕生日のために、こんなに頑張ってくれてっ!」 ニコッ
153: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:08:09.66 ID:TOdv8uhU
かすみ 「……」
しずく 「ってかすみさん? 急に黙ってどうしたの?」
かすみ (……渡すなら今しかない!)
かすみ 「しず子! これ受け取って!」
しずく 「これは……?」
かすみ 「誕生日プレゼントだよ、誕生日なんだから当たり前でしょ!」
しずく 「さっき誕生日プレゼントなら貰ったよ? コップの」
かすみ 「それは偽物の誕生日用なの!」
しずく 「ってかすみさん? 急に黙ってどうしたの?」
かすみ (……渡すなら今しかない!)
かすみ 「しず子! これ受け取って!」
しずく 「これは……?」
かすみ 「誕生日プレゼントだよ、誕生日なんだから当たり前でしょ!」
しずく 「さっき誕生日プレゼントなら貰ったよ? コップの」
かすみ 「それは偽物の誕生日用なの!」
154: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:08:56.78 ID:TOdv8uhU
かすみ 「こっちが、本物の誕生日用!」
かすみ 「もちろんコップもちゃんと悩んで買ったけど、それは偽物でもちゃんと祝いたかったからであって……! 不本意ではあったから、もう一個、本当に渡したいものはまだ渡してなかったの!」
しずく (かすみさん……!)
かすみ 「しず子、お誕生日おめでとっ!」 スッ
しずく 「開けても良いかな」
かすみ 「ダメっ!!」
しずく 「ええ……?」
かすみ 「もちろんコップもちゃんと悩んで買ったけど、それは偽物でもちゃんと祝いたかったからであって……! 不本意ではあったから、もう一個、本当に渡したいものはまだ渡してなかったの!」
しずく (かすみさん……!)
かすみ 「しず子、お誕生日おめでとっ!」 スッ
しずく 「開けても良いかな」
かすみ 「ダメっ!!」
しずく 「ええ……?」
156: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:52:16.75 ID:TOdv8uhU
かすみ 「恥ずかしいから持って帰ってから見て!!」
しずく 「でもすごく気になるんだけど」
かすみ 「ダメっ!!」
しずく 「見たいのに」
しずく (まあ、かすみさんらしいけど)
しずく 「……もう、仕方ないなぁっ」
かすみ 「分かった?」
しずく 「うん」
かすみ 「じゃあ、よろしくね、また明日!! しず子っ!!」 タッタッタッ
しずく 「ってかすみさん!?」
しずく 「でもすごく気になるんだけど」
かすみ 「ダメっ!!」
しずく 「見たいのに」
しずく (まあ、かすみさんらしいけど)
しずく 「……もう、仕方ないなぁっ」
かすみ 「分かった?」
しずく 「うん」
かすみ 「じゃあ、よろしくね、また明日!! しず子っ!!」 タッタッタッ
しずく 「ってかすみさん!?」
157: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:52:38.10 ID:TOdv8uhU
しずく 「……い、行っちゃった」
しずく 「……」
しずく 「……」 チラッチラッ
しずく (かすみさん、隠れてないよね)
しずく 「家まで待てないよっ」 バッ
しずく 「!」
しずく 「……かすみさんったら」
しずく 「……ふふ、ありがとう」
…
…
…
しずく 「……」
しずく 「……」 チラッチラッ
しずく (かすみさん、隠れてないよね)
しずく 「家まで待てないよっ」 バッ
しずく 「!」
しずく 「……かすみさんったら」
しずく 「……ふふ、ありがとう」
…
…
…
158: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:53:05.86 ID:TOdv8uhU
璃奈 「……」
栞子 「……」
かすみ 「二人とも、どうしたの? こんなところで座って……タイムマシンの準備は?」
璃奈 「かすみちゃんの勘違いだったんだね」
かすみ 「ぎくっ! 見てたの!?」
栞子 「やることがなかったので、つい覗いてしまいました」
かすみ 「ご、ごめん、本当にごめん二人とも!! かすみんのせいで、こんな危険なタイムスリップまでしたのに……」
栞子 「……」
かすみ 「二人とも、どうしたの? こんなところで座って……タイムマシンの準備は?」
璃奈 「かすみちゃんの勘違いだったんだね」
かすみ 「ぎくっ! 見てたの!?」
栞子 「やることがなかったので、つい覗いてしまいました」
かすみ 「ご、ごめん、本当にごめん二人とも!! かすみんのせいで、こんな危険なタイムスリップまでしたのに……」
159: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:53:26.74 ID:TOdv8uhU
璃奈 「……良かった。だよね栞子ちゃん」
栞子 「……ええ。ほっとしました」
かすみ 「えっ?」
璃奈 「本物ということは、しずくちゃんの誕生日はみんなちゃんと祝えてたということ。それなら些細な問題は気にしない! 璃奈ちゃんボード『冒険もいい思い出』」
栞子 「このタイムスリップだって無駄じゃありませんでした。正直、学校の壁をこっそり壊して直すのも、スリルというか、普段の私なら感じれない楽しさがありましたし……」
かすみ 「しお子、悪い子だ」
璃奈 「反抗期だ」
栞子 「ち、ちがいますっ!」
栞子 「……ええ。ほっとしました」
かすみ 「えっ?」
璃奈 「本物ということは、しずくちゃんの誕生日はみんなちゃんと祝えてたということ。それなら些細な問題は気にしない! 璃奈ちゃんボード『冒険もいい思い出』」
栞子 「このタイムスリップだって無駄じゃありませんでした。正直、学校の壁をこっそり壊して直すのも、スリルというか、普段の私なら感じれない楽しさがありましたし……」
かすみ 「しお子、悪い子だ」
璃奈 「反抗期だ」
栞子 「ち、ちがいますっ!」
160: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:54:01.65 ID:TOdv8uhU
栞子 「……何より、もう一回楽しいパーティーを過ごせたこと。せつ菜さんの家に泊まれたこと。この三人でたくさんの壁を超えれたこと」
栞子 「この冒険にこそ、意味があったんです。決して、かすみさんの勘違いを責めたりしません」
かすみ 「二人とも……っ!!」 グスッ
璃奈 「それに今はかすみちゃんを怒れる余裕がない」
栞子 「ええ、それはもう、大変なことに……」
かすみ 「え?」
栞子 「この冒険にこそ、意味があったんです。決して、かすみさんの勘違いを責めたりしません」
かすみ 「二人とも……っ!!」 グスッ
璃奈 「それに今はかすみちゃんを怒れる余裕がない」
栞子 「ええ、それはもう、大変なことに……」
かすみ 「え?」
161: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:54:32.41 ID:TOdv8uhU
栞子 「私たちが今座ってるここ、何があった場所か分かりますか」
かすみ 「ま、まさか……」
璃奈 「そのまさか。タイムマシン、消えちゃった」
かすみ 「……」
栞子 「……」
璃奈 「……」
かすみ 「……まじで?」
璃奈 「うん」
栞子 「私たちが帰ってきた頃にはもう、跡形もなく」
かすみ 「ま、まさか……」
璃奈 「そのまさか。タイムマシン、消えちゃった」
かすみ 「……」
栞子 「……」
璃奈 「……」
かすみ 「……まじで?」
璃奈 「うん」
栞子 「私たちが帰ってきた頃にはもう、跡形もなく」
162: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:54:54.48 ID:TOdv8uhU
かすみ 「ええええええええええええ~~!?」
璃奈 「驚いても仕方ない。私たちも最初状況が分かったときに、顔が青ざめていくのが自分でも分かるくらい焦った」
栞子 「私もかなり焦りました。そして一言」
栞子 「それは…急ですね…、と」
かすみ 「いや冷静じゃん!?」
かすみ 「いやもう良いよこのくだり!!」
璃奈 「驚いても仕方ない。私たちも最初状況が分かったときに、顔が青ざめていくのが自分でも分かるくらい焦った」
栞子 「私もかなり焦りました。そして一言」
栞子 「それは…急ですね…、と」
かすみ 「いや冷静じゃん!?」
かすみ 「いやもう良いよこのくだり!!」
163: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:55:36.60 ID:TOdv8uhU
栞子 「まあ正直言ってしまうと、そこまで焦ってません」
かすみ 「な、なんでよ!!」
栞子 「私にはタイムマシンを勝手に持ち去った犯人が推測できてるからです」
かすみ 「ええっ!?」
璃奈 「……栞子ちゃんの推理を私も聞いたけど、おそらく合ってると思う」
かすみ 「だ、誰なの! タイムマシンを持ち去った犯人は!」
?? 「ふふ、私だよ、かすみちゃん」
かすみ 「な、なんでよ!!」
栞子 「私にはタイムマシンを勝手に持ち去った犯人が推測できてるからです」
かすみ 「ええっ!?」
璃奈 「……栞子ちゃんの推理を私も聞いたけど、おそらく合ってると思う」
かすみ 「だ、誰なの! タイムマシンを持ち去った犯人は!」
?? 「ふふ、私だよ、かすみちゃん」
164: (しうまい) 2023/04/09(日) 00:56:07.43 ID:TOdv8uhU
かすみ 「なっ! あなたは!」
演劇部部長 「まさかタイムマシンが存在してる、だなんてね……」
かすみ 「演劇部の部長!?」
栞子 「やっぱり、あなたでしたか」
璃奈 「タイムマシンは……」
演劇部部長 「あっちの方、かなり見えずらいけど。ほら、あそこの草むらに上手く隠してるでしょ」
璃奈 「本当だ。良かった……」
演劇部部長 「まさかタイムマシンが存在してる、だなんてね……」
かすみ 「演劇部の部長!?」
栞子 「やっぱり、あなたでしたか」
璃奈 「タイムマシンは……」
演劇部部長 「あっちの方、かなり見えずらいけど。ほら、あそこの草むらに上手く隠してるでしょ」
璃奈 「本当だ。良かった……」
165: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:01:06.40 ID:TOdv8uhU
演劇部部長 「ところで、しずくへの誕生日パーティーはどうだったの? 無事成功したの?」
かすみ 「それは成功しましたけど……! 今はそこじゃないでしょ!!」
かすみ 「なんで部長さんがタイムマシンのことを知ってるんですか!?」
かすみ 「そ、それに、タイムマシンの存在がバレたらかすみんたちは消失への道を辿ることになっちゃうんじゃ……」 ガクガク
演劇部部長 「安心して。別にタイムマシンの存在をバラすつもりはないよ」
かすみ 「ほ、本当ですか?」 ガクガク
演劇部部長 「うん」
かすみ 「それは成功しましたけど……! 今はそこじゃないでしょ!!」
かすみ 「なんで部長さんがタイムマシンのことを知ってるんですか!?」
かすみ 「そ、それに、タイムマシンの存在がバレたらかすみんたちは消失への道を辿ることになっちゃうんじゃ……」 ガクガク
演劇部部長 「安心して。別にタイムマシンの存在をバラすつもりはないよ」
かすみ 「ほ、本当ですか?」 ガクガク
演劇部部長 「うん」
166: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:01:32.86 ID:TOdv8uhU
かすみ 「良かった~~!」 ホッ
演劇部部長 「まあ私だってタイムスリップしちゃったし」
栞子 「……やはり」
かすみ 「へえー……」
かすみ 「……」
かすみ 「ええっ!?」
かすみ 「部長さんもタイムスリップした!?」
演劇部部長 「まあ私だってタイムスリップしちゃったし」
栞子 「……やはり」
かすみ 「へえー……」
かすみ 「……」
かすみ 「ええっ!?」
かすみ 「部長さんもタイムスリップした!?」
168: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:02:23.62 ID:TOdv8uhU
演劇部部長 「ところで生徒会長。なぜか君はタイムマシンを持ち去った犯人が私だと分かってたようだけど、それはどうして?」
栞子 「……あれは学校の壁を壊して侵入した時のことです」
栞子 「派手にガタンッと、切り抜いたコンクリートの塊を倒してしまいましたが、奇跡的にせつ菜さんのマジックと被ったことで同好会のみなさんにはバレずに済みました」
栞子 「しかし、私はずっと疑問だったんです」
栞子 「なぜ、外の風紀委員にはバレなかったのだろうと」
かすみ 「あっ……!」
栞子 「……あれは学校の壁を壊して侵入した時のことです」
栞子 「派手にガタンッと、切り抜いたコンクリートの塊を倒してしまいましたが、奇跡的にせつ菜さんのマジックと被ったことで同好会のみなさんにはバレずに済みました」
栞子 「しかし、私はずっと疑問だったんです」
栞子 「なぜ、外の風紀委員にはバレなかったのだろうと」
かすみ 「あっ……!」
169: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:03:17.11 ID:TOdv8uhU
栞子 「あんなに大きい音なら、どこか一つの門にくらいは音が響いてるはずです」
栞子 「しかし、音を怪しんだ風紀委員がこちらに来ることはなかった」
栞子 「しばらくして穴は塞いだものの、音が鳴りすぐ来られていたら異変に気付かれていたことでしょう」
かすみ 「確かに!! なんで来なかったんだろう……!!」
栞子 「一つ考えられるのは、風紀委員を統率する」
栞子 「風紀委員の委員長が『あの音に関しては私が調査したが問題はなかったので、配置に戻るように』等の指示をしたというケースです」
演劇部部長 「ほお……」
栞子 「しかし、音を怪しんだ風紀委員がこちらに来ることはなかった」
栞子 「しばらくして穴は塞いだものの、音が鳴りすぐ来られていたら異変に気付かれていたことでしょう」
かすみ 「確かに!! なんで来なかったんだろう……!!」
栞子 「一つ考えられるのは、風紀委員を統率する」
栞子 「風紀委員の委員長が『あの音に関しては私が調査したが問題はなかったので、配置に戻るように』等の指示をしたというケースです」
演劇部部長 「ほお……」
170: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:03:51.38 ID:TOdv8uhU
かすみ 「で、でも、それが合ってるとして、なんで風紀委員の委員長がかすみんたちを助けるようなことを……」
栞子 「私は生徒会長として、せつ菜さんほど完璧ではありませんが生徒全員の特徴を把握しているつもりです」
栞子 「……そして、人を騙せるほどの変装と演技ができる人物は学園の中ではたった一人しか知りません」
演劇部部長 「なるほどね……」
かすみ 「部長さんがかすみんたちを助けてくれたってことですか……?」
演劇部部長 「……」
栞子 「私は生徒会長として、せつ菜さんほど完璧ではありませんが生徒全員の特徴を把握しているつもりです」
栞子 「……そして、人を騙せるほどの変装と演技ができる人物は学園の中ではたった一人しか知りません」
演劇部部長 「なるほどね……」
かすみ 「部長さんがかすみんたちを助けてくれたってことですか……?」
演劇部部長 「……」
171: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:04:40.96 ID:TOdv8uhU
演劇部部長 「まあ、とりあえず、タイムマシンもあそこにあるんだし、早く帰りなよ」
栞子 「……なぜ早く返そうとするんですか」
演劇部部長 「自分の活躍をアピールしたくないんだ。私はむしろ感謝している。大事な可愛い可愛い後輩を、全力で祝ってくれたことを」
栞子 「……」
かすみ 「あれ? そういえば、それでなんで部長さんがタイムマシンを持ち去った犯人になるんですか?」
璃奈 「……あの場面で、私たちを助けるためには、私たちの事情をある程度知ってないといけない。しずくちゃんの誕生日パーティーが始まる直前、あの時間に私たちが外にいるのはおかしいはずで、しかも不法侵入しようとしてる。タイムスリップしてきた事情を知ってない限り、普通は協力しようとしない」
栞子 「……なぜ早く返そうとするんですか」
演劇部部長 「自分の活躍をアピールしたくないんだ。私はむしろ感謝している。大事な可愛い可愛い後輩を、全力で祝ってくれたことを」
栞子 「……」
かすみ 「あれ? そういえば、それでなんで部長さんがタイムマシンを持ち去った犯人になるんですか?」
璃奈 「……あの場面で、私たちを助けるためには、私たちの事情をある程度知ってないといけない。しずくちゃんの誕生日パーティーが始まる直前、あの時間に私たちが外にいるのはおかしいはずで、しかも不法侵入しようとしてる。タイムスリップしてきた事情を知ってない限り、普通は協力しようとしない」
172: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:06:23.33 ID:TOdv8uhU
演劇部部長 「その通り。タイムマシンを見つけた私は、今日の朝へタイムスリップして、君たちを助けた。それが使命だと思ったからね」
璃奈 「……タイムマシンの修理が終わったあと、そして私たちが戻る前にタイムマシンに乗りタイムスリップをして、それで私たちを助けた。その後またタイムマシンでこの時間に帰ってきた」
璃奈 「あなたいったい何者……?」
演劇部部長 「別に何者でもないさ」
璃奈 「……」
栞子 「……」
かすみ 「……」
璃奈 「……タイムマシンの修理が終わったあと、そして私たちが戻る前にタイムマシンに乗りタイムスリップをして、それで私たちを助けた。その後またタイムマシンでこの時間に帰ってきた」
璃奈 「あなたいったい何者……?」
演劇部部長 「別に何者でもないさ」
璃奈 「……」
栞子 「……」
かすみ 「……」
173: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:06:56.40 ID:TOdv8uhU
演劇部部長 「しずくには『友達を大切にしてあげな』って連絡したけど、君たちにもお願いしておくね」
演劇部部長 「しずくをよろしく。桜坂しずくが最高に輝くためには、君たちの存在が必要なんだ」
演劇部部長 「ってことで、バイバイ」 ニコッ
かすみ (そして、私たちはタイムマシンで帰った)
かすみ (りな子はこう言っていた。運が良かったと)
演劇部部長 「しずくをよろしく。桜坂しずくが最高に輝くためには、君たちの存在が必要なんだ」
演劇部部長 「ってことで、バイバイ」 ニコッ
かすみ (そして、私たちはタイムマシンで帰った)
かすみ (りな子はこう言っていた。運が良かったと)
174: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:07:29.83 ID:TOdv8uhU
かすみ (部長さんが助けてくれなきゃ、かすみんたちは当然風紀委員に捕まってたわけだけど、あのタイムマシンは一度エラーを起こしてる。部長さんの行き帰りでもしもまたエラーが起きてたら……)
かすみ (そう考えたら、恐ろしいって)
かすみ (まあ何はともあれ、しず子の誕生日はちゃんと分かったし、プレゼントも渡せたし、無事帰れたし、問題はナッシングだよ)
かすみ (まあしお子は、あんなに早く返そうとするなんて、部長さんは怪しいって愚痴ってたけど……)
かすみ (そう考えたら、恐ろしいって)
かすみ (まあ何はともあれ、しず子の誕生日はちゃんと分かったし、プレゼントも渡せたし、無事帰れたし、問題はナッシングだよ)
かすみ (まあしお子は、あんなに早く返そうとするなんて、部長さんは怪しいって愚痴ってたけど……)
175: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:12:01.98 ID:TOdv8uhU
演劇部部長 「……」
演劇部部長 「ふう、帰ったか」
演劇部部長 「カッコつけすぎてしまった……」
演劇部部長 「何が使命だと思ったから、だよ」
演劇部部長 「……タイムマシンだって、昨日見たUFOずっと探してたら見つけただけだし」
演劇部部長 「……タイムスリップだって、中に入って適当にボタン押してたらできちゃっただけだし」
演劇部部長 「……彼女たちを助けたのも、何か事情があると思って、特に考えもせず助けただけだし」
演劇部部長 「ふう、帰ったか」
演劇部部長 「カッコつけすぎてしまった……」
演劇部部長 「何が使命だと思ったから、だよ」
演劇部部長 「……タイムマシンだって、昨日見たUFOずっと探してたら見つけただけだし」
演劇部部長 「……タイムスリップだって、中に入って適当にボタン押してたらできちゃっただけだし」
演劇部部長 「……彼女たちを助けたのも、何か事情があると思って、特に考えもせず助けただけだし」
176: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:12:24.91 ID:TOdv8uhU
演劇部部長 「なるほど、そういうことだったのね」
演劇部部長 「勝手にあっちからペラペラ喋ってくれて助かった~……」
演劇部部長 「それに、バレたら恥ずかしいからって慌てて返しちゃったよ」
演劇部部長 「……まあ許してくれるよね」
演劇部部長 「演技しても。私、演劇部だし」
…
…
…
演劇部部長 「勝手にあっちからペラペラ喋ってくれて助かった~……」
演劇部部長 「それに、バレたら恥ずかしいからって慌てて返しちゃったよ」
演劇部部長 「……まあ許してくれるよね」
演劇部部長 「演技しても。私、演劇部だし」
…
…
…
177: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:12:55.52 ID:TOdv8uhU
ガチャ
しずく 「おはようございます」
歩夢 「あれ? しずくちゃん、それって」
愛 「おおっー! かすみんのと似てるねー」
果林 「ペアルック、みたいなものかしら……?」
エマ 「似合ってるよーしずくちゃん!」
しずく 「ふふ、ありがとうございます!」
しずく 「おはようございます」
歩夢 「あれ? しずくちゃん、それって」
愛 「おおっー! かすみんのと似てるねー」
果林 「ペアルック、みたいなものかしら……?」
エマ 「似合ってるよーしずくちゃん!」
しずく 「ふふ、ありがとうございます!」
178: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:13:22.66 ID:TOdv8uhU
しずく (かすみさんから貰った髪飾りは、概ねみんなから好評だった。感想を聞いてないのはあと一人)
ガチャ
かすみ 「あっ!」
かすみ 「それ!!」
かすみ 「ふふ、やっぱり、かすみん間違ってなかった!」
かすみ 「すごく可愛いよ、しず子!」 ニコッ
おわり
ガチャ
かすみ 「あっ!」
かすみ 「それ!!」
かすみ 「ふふ、やっぱり、かすみん間違ってなかった!」
かすみ 「すごく可愛いよ、しず子!」 ニコッ
おわり
179: (しうまい) 2023/04/09(日) 01:16:42.73 ID:TOdv8uhU
ありがとうございました。
しずくちゃん誕生日おめでとう!!六日遅れですが。
思いつきで書き始めたのもあって、誕生日ssなのに壮大になってしまいましたが無事完結できてよかったです。
しずくちゃん誕生日おめでとう!!六日遅れですが。
思いつきで書き始めたのもあって、誕生日ssなのに壮大になってしまいましたが無事完結できてよかったです。
180: (茸) 2023/04/09(日) 01:20:36.02 ID:/Gw3gLhc
乙 &完結おめです
こういうSFすこ
こういうSFすこ
181: (しまむら) 2023/04/09(日) 10:49:02.11 ID:Iq1ppAC4
完結乙
上手くまとまってて面白かった
上手くまとまってて面白かった
182: (なっとう) 2023/04/09(日) 12:29:49.59 ID:h5Tm8QYZ
おつ
面白かった
面白かった
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1680524378/