【SS】マルガレーテ「冬毬クロニクル」【ラブライブ！スーパースター!!】

とまマル
　

冬毬「マルガレーテは、自身の性格をどのように評価しますか」

マルガレーテ「そうね、一言で表すなら超絶クールかしら。ちょっと、何笑ってるのよ」

冬毬「失礼、つい」

マルガレーテ「なによ、ついって」

冬毬「お気になさらず、っつ、続けてください」

マルガレーテ「私は強いものが好きなの。私自身も、誰よりも強くありたいと思っているわ。なにより、このとおりクールでしょ？…ねえ、さっきからなんなのその顔、言いたいことでもあるわけ？」
　

冬毬「いえ、クレームをつけるつもりはありませんが、私の認識とは異なるものでしたので」

マルガレーテ「どういうことよ」

冬毬「私から見て、マルガレーテは可愛いですから」

マルガレーテ「か、かわ」
　

冬毬「ん、どうかしましたか、顔が赤いですが」

マルガレーテ「なんでもない」

冬毬「そうは見えませんが。ほら、耳まで真っ赤に」

マルガレーテ「なんでもないからっ！」
　

冬毬「ふふっ、なかなか珍しいものが見れました」

マルガレーテ「その言い方、あなた、わざとやったわね」

冬毬「さあ、なんのことでしょう」

マルガレーテ「言っておくけどね、私に言わせれば、冬毬だってすっごく可愛いわよ」
　

冬毬「なるほど、そうですか」

マルガレーテ「ちょ、そこは流れ的に、恥ずかしがったり照れたりするところでしょ！」

冬毬「そのような見え透いた手には引っかかりません」

マルガレーテ「本気で言ってるのに。なによ、余裕綽々な顔しちゃって」
　

冬毬「さて、私は姉者と待ち合わせをしているのでこれで」

マルガレーテ「えっ、聞いてないんだけど」

冬毬「私はスケジュールどおりに行動しているだけです。では、また明日」

マルガレーテ「あっ…もう、なんなのよ、勝ち逃げのつもり？」



夏美「冬毬、お待たせですの！ん、何やら嬉しそうな顔、何かいい事でもありましたの？」
　

次の日

マルガレーテ「冬毬、お昼にするわよ」

冬毬「待ってください、あと少しでノートが取り終わりますので」

マルガレーテ「真面目ね」

冬毬「最後に課題の範囲をメモして…はい、お待たせしました」
　

マルガレーテ「お昼はお弁当？」

冬毬「いえ、今日は購買でパンを買おうかと」

マルガレーテ「残っているかしら」

冬毬「どうでしょう、出遅れてしまいましたからね」

マルガレーテ「仕方ないわね、もし売り切れていたら私のを分けてあげるわ」
　

ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀｰ

マルガレーテ「お目当てが無事に買えてよかったわね」

冬毬「はい。この時間にカルボナーラパンが残っているのは、私の計算では6.25%の確率です。非常にレアで幸運だったと評価できます」

マルガレーテ「どんな計算よ。まあいいわ、せっかくだし部室に行って食べましょう」

冬毬「はい」
　

マルガレーテ「ご馳走様…ふぁぁ」

冬毬「眠そうですね」

マルガレーテ「昨日は遅くまで起きていたから」

冬毬「ソファーで少し寝てはいかがです。時間が来たら私が起こしますので」
　

マルガレーテ「悪いわよ」

冬毬「寝不足は学生のグレートエネミー、午後からのパフォーマンスにも影響します。遠慮なさらず」

マルガレーテ「ん…ならお言葉に甘えるわ…」

冬毬「おやすみなさい」

マルガレーテ「おやすみ…すぅ…すぅ…」

冬毬「…良い寝顔。ふふ、幸運とは気まぐれですね。統計では導き得ないことばかりです」
　

昼休み終了間際

マルガレーテ「すぅ…すぅ…」

冬毬「さて、そろそろ起こしてあげましょうか。少々名残惜しい気もしますが」

マルガレーテ「ん、んぅー…？」

冬毬「あっ」
　

マルガレーテ「ふぁぁ…とまり…？」

冬毬「ここにいますよ。気分はいかがです？」

マルガレーテ「んーっ…悪くないわ。時間は？」

冬毬「大丈夫です。今まさに起こしてあげようと思っていたところです」
　

マルガレーテ「ん、よかったわ」

冬毬「今まさに起こしてあげようとしていたのです」

マルガレーテ「ありがとう」

冬毬「はい」
　

マルガレーテ「ええ」

冬毬「…」

マルガレーテ「…？」

冬毬「そういうわけですので、もう一度寝てもらえませんか？」

マルガレーテ「なんでよ」
　

別の日

冬毬「マルガレーテ」

マルガレーテ「なに？」

冬毬「いえ、呼んでみただけです」

マルガレーテ「そう」
　

冬毬「マルガレーテ」

マルガレーテ「なによ」

冬毬「いえ、別に」

マルガレーテ「…？」
　

冬毬「マルガレーテ」

マルガレーテ「だからなんなのよ」

冬毬「なんとなくです」

マルガレーテ「あなた、無駄なことや非効率なことが嫌いでしょ」
　

冬毬「はい」

マルガレーテ「このやりとりはその極みだと思うけど」

冬毬「私にとってはそうではありません」

マルガレーテ「ああ、そう」
　

冬毬「…」

マルガレーテ「冬毬」

冬毬「はい」

マルガレーテ「呼んだだけ。お返し」

冬毬「ふふっ」

マルガレーテ「変な冬毬ね」
　

また別の日

冬毬「ウィーンはオーストリアの首都です」

マルガレーテ「そうね」

冬毬「マルガレーテの苗字もウィーン。ということは、日本人で言えば東京さんということになりますね」

マルガレーテ「東京っていう苗字、見たことないけど」

冬毬「非常に珍しい苗字だったと思います」

マルガレーテ「首都なのに？」

冬毬「はい。もっとも、澁谷なら身近にもいますが」

マルガレーテ「もしかして、それが言いたくてこの話をしたの？」
　

冬毬「かのん先輩とお揃いですね」

マルガレーテ「ふんっ」

冬毬「ふふっ」

マルガレーテ「その微笑ましいものを見るような目、やめなさいよ」

冬毬「閑話休題。ウィーンと言えば、音楽とチョコレートが有名ですね」

マルガレーテ「ええ。私はそのどちらも愛しているわ」

冬毬「お菓子作りとクラシック音楽が趣味で、チョコレートがお好きですものね。聞くところによると、ザッハトルテはウィーンが発祥だとか」

マルガレーテ「さすが冬毬、物知りね」
　

冬毬「そしてウィーン・マルガレーテと言えば、私のことが好き」

マルガレーテ「そうそう、私は冬毬のことが大好きで…ってちょっと、なに言わせるのよ！」

冬毬「…っ」

マルガレーテ「人に言わせておいて、本気で照れるのやめなさいよ！」
　

その日の夜

マルガレーテ「えっと、火加減は…このくらいかな」

マルガレーテ「とろけるチョコの香りも久しぶり。思い返せば、ここのところずっと部活続きだったものね。お菓子作りをする暇もないくらい、来る日も来る日も」

冬毬『マルガレーテ。次のライブに向けて、今日も練習、頑張りましょうね』

マルガレーテ「…カンが鈍っていなければいいけど」
　

翌日

冬毬「マルガレーテ、おはようございます」

マルガレーテ「おはよう。早速だけど冬毬、これ」

冬毬「これは…チョコのお菓子ですか？もしかして手作りの？」

マルガレーテ「昨日作ったの。最近は色々と忙しくてお菓子作りも久々だったけど、よければ食べて」
　

冬毬「ありがとうございます。マルガレーテの手作りお菓子だなんて、嬉しいです」

マルガレーテ「…まぁ、好きだからね」

冬毬「ん、なにか言いましたか？」

マルガレーテ「なんでもない。ほら、練習遅れるわよ」

冬毬「はいっ」



終わり
　

とまマルの日常短編でした。
この二人の呼び方はいくつかありますが、個人的にとまマル呼びが好きなので採用しています。

宣伝となり恐縮ですが、下記はとまマルの過去作です。よろしければ併せてお願いします。

冬毬「マルガレーテ・クロニクル」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1695036018/

ありがとうございました。
　

乙！小気味よいやりとりがすごい好みだし可愛かった
過去作の方も読ませてもらおう
　

とまマル助かる
過去作の方もめちゃめちゃ好きなのでまた書いてくれて嬉しい