【SS】小鈴「工　　しないと出られない部屋から一晩で脱出成功です！」【ラブライブ！蓮ノ空】

さやか「小鈴さん、起きてください」ﾕｻﾕｻ

小鈴「う……もう朝ですか……」ｸｼｸｼ

さやか「落ち着いて目を覚ましてください」

小鈴「あれ、ここはどこでしょうか？」

さやか「わかりません、私も今起きたところですが」

小鈴「誰かの家でしょうか？　徒町の実家ではありませんね」

さやか「状況からして誘拐かもしれません」

小鈴「誘拐！？」

さやか「落ち着いてください。誘拐かもしれませんが、妙にもてなされている風にも見えます」

小鈴「確かに良い部屋で……なんだろうこれ？」ﾋﾟﾗｯ

さやか「そんなところに紙ですか？」

小鈴「えっと、この部屋は工　　しないと出られな――」

バッ

小鈴「さやか先輩！？」

さやか「さっさと出ましょう、きっと誰かの悪戯です」

ガチャ

梢「さやかさんに小鈴さん！」
　

さやか「梢先輩！？」

梢「みんな、さやかさんと小鈴さんを見つけたわ」

綴理「さやとすずだ」

花帆「よかったー！　これで全員だね」

瑠璃乃「無事で何よりだよ」

ゾロゾロゾロ

小鈴「皆さん居たんですね！」

慈「二人は最初からここにいたの？」

さやか「はい、目が覚めたら私と小鈴さんはこの部屋にいました」

姫芽「みんなあっちの個室で寝てたんですよ～。全員ばらばらの部屋で」

吟子「部屋が9つもあったから、もしかしてと思って探してたんですよ」

梢「にしても女子高生9人も誘拐して何するつもりかしら？」

小鈴「あ、それがこんな紙が置いてあって」

花帆「この部屋はえっ……な！？」

姫芽「これはまた……」

吟子「何なんこれ……///」
　

さやか「これどう考えてもおかしいですよね。犯人は何を考えているんでしょうか」

姫芽「女の子同士の工　　が観たいなら9人も誘拐する必要ないですよね～」

瑠璃乃「そこ！？」

梢「確かにそこも違和感があるわね。ここに連れてこられる前は各々の部屋にいたはずなのだけれど」

慈「ご丁寧に9部屋もある部屋なんて用意してるくらいだし、私たちが狙いでしょ」

吟子「金目的、だとしてもちょっとおかしいですよね。閉じ込めること自体が目的とか」

綴理「さや、お腹空いた」

花帆「あ、あたしも……」

さやか「ご丁寧に冷蔵庫には十分な食材があったので作りましょうか」

小鈴「徒町も手伝います！　あとお魚が食べたいです」

綴理「ぶりの照り焼きが食べたい」

慈「せっかくだから高いもの食べちゃおうよ」

梢「……焦って考えても仕方ないわね」
　

そんなこんなで部屋を調べるも何の手がかりもなく、もう遅いので寝ることにしました。

そして翌朝、徒町たちは“この部屋から出る”ことが出来ました。

どうやらそこは学校の敷地の森の中で、歩いて寮までたどり着きました。

驚いた寮母さんに事情を説明し、その部屋があったところまで戻ったのですが、そこには何もありませんでした。

最初は嘘を疑われましたが、特に梢先輩が大真面目な様子を見て注意だけで済ませて下しました。

こうしてスクールアイドルクラブの平和な日常が戻りました。


めでたしめでたし
　

小鈴「誰と誰が工　　したんですか！？！？！？！？」
　

小鈴「出られたってことはつまり誰かと誰かが工　　したってこと！？！？」

小鈴「そんな、スクールアイドルクラブの誰かが……」

花帆「おはよう小鈴ちゃん！」

小鈴「ちぇすとー！？」

花帆「？　今日も元気だね」

小鈴「は、はい！　徒町元気です！」

梢「こんにちは小鈴さん」

小鈴「こんにちは」

花帆「梢センパイ～ちょっとこれ見てくださいよー」

梢「あら何かしら？　ああ、これは――」

小鈴（……梢先輩と花帆先輩ってそうなのかな？）
　

小鈴（花帆先輩って梢先輩に大好きってよく言ってるし、梢先輩も花帆先輩と話してるときは顔が緩み切ってるよね……）

花帆「よかったー流石梢センパイ！」

梢「続きは今日の夜、花帆の部屋でね」

小鈴「！？！？」

小鈴（一体何を！？　花帆先輩の部屋で二人きりで何を！？！？）

吟子「こんにちは。花帆先輩、また梢先輩に迷惑かけて」

花帆「そんなんじゃないもん。あ、そうだ吟子ちゃん」

吟子「何？」

花帆「今日の約束、また今度にしてくれないかな？　今夜は梢先輩とすることにしたんだ」

小鈴「！？」
　

小鈴（ま、まさか花帆先輩、吟子ちゃんにも手を出して！？）

吟子「……そう、わかった」

梢「こら花帆、先に約束をしていたならそれは不義理よ」

花帆「あ、そうですね……」

梢「吟子さん、よければ3人で一緒はどうかしら？」

小鈴「3人一緒に！？！？」

吟子「な、何！？」

小鈴「ああなんでもないです！　関係ないことを考えていたら聞こえてきた言葉につい反応してしまいまして」

花帆「あーあるよね」

梢「そうかしら？」

小鈴「徒町ちょっと外の空気を吸ってまいります！」

バタン
　

小鈴「まさかスリーズブーケの先輩方が……それに吟子ちゃんまで」

慈「お、小鈴ちゃんじゃん」

瑠璃乃「ハロハロー」

小鈴「あ、こんにちは」

姫芽「あれ～さっき部室に向かってたような」

小鈴「うん、ちょっと外の空気を吸いに」

慈「え？　なんかあった？」

瑠璃乃「昨日あんなことあったじゃん、ルリも珍しく部屋の中から出たくなっちゃうもん」

姫芽「思えば大変でしたね～」

小鈴（なんか安心するなぁ）
　

姫芽「でもアタシは早く部屋に帰りたいですね～」

慈「そっか、我慢できない感じ？」

姫芽「ですね～体がウズウズしてますよ～」

小鈴「！？」

瑠璃乃「ねえひめっち、ルリも部屋に行っていい？」

慈「あ、わたしも」

小鈴「！？！？」

姫芽「お？　じゃあ今日は3人プレイと行きますか～」

小鈴「はわわわわ……！」

姫芽「小鈴ちゃんも来る～？」

小鈴「い、いえ徒町ごときにはまだ早いといいますかお邪魔ですのでそれでは」ﾀﾞｯ

瑠璃乃「行っちゃった」

慈「小鈴ちゃんゲームしないの？」

姫芽「いえ、前も一緒にゲームはしたんですけどね～」
　

小鈴「みらくらぱーくも？　それじゃあ昨日は……」

小鈴「綴理先輩も大人ですからもしかしたら……」

さやか「……」ﾃｸﾃｸ

小鈴「あ、さやか先輩」

なんで今の今まで考えなかったんだろう？

さやか先輩が誰かと、したんじゃないかって。

やっぱり綴理先輩と？

綴理先輩と一緒にいるさやか先輩は、時々徒町には向けない顔をする気がする。

花帆先輩とも仲がいい。

梢先輩とは話が合うみたいだし、ユニットを組んだこともあるらしい。

慈先輩は？　瑠璃乃先輩は？

それとも吟子ちゃん、姫芽ちゃん……
　

小鈴「いやだ……」

気付くとさやか先輩は背を向け歩き出していた。

いやだ？

どうしてだろう？

さやか先輩はただ同じユニットの先輩で、徒町はそういう意味でさやか先輩のことが好きというわけではないのに。

どうして？

さやか先輩が誰かと――

さやか「小鈴さん！」

小鈴「！？」

さやか「どうして泣いているんですか！？　まさか誰かに……」

小鈴「あれ、徒町……泣いて」

さやか「とにかく私がいますから、大丈夫で――」

ぱしっ

さやか「小鈴さん？」

さやか先輩の抱きしめようとする手を、無意識に徒町は振り払っていた。

頭の中が真っ白になった。
　

小鈴「あ、ちがっ、これは……！」

さやか先輩の顔を見れなかった。

小鈴「決してさやか先輩のことが嫌いとかそういうことではなく！」

さやか「大丈夫ですよ」

小鈴「え」

さやか「いきなり抱きしめようとしてすみません。手を握ってもいいですか？」

小鈴「は、はい！　徒町などの手であれば5本でも10本でもどうぞ！」

さやか「くすっ、千手観音様ですか？　では失礼します」

さやか先輩の手のぬくもりが伝わってきた瞬間、一気に安心した。

さやか「人目に付きますから、そこの空き教室に行きましょう」
　

さやか「なるほど、昨日誰が行為をしたのかが気になっていたと」

小鈴「はい、でも徒町気付きました。本当はさやか先輩が誰かとしたんじゃないかって思ったらなんだか不安になってしまって。あっ、徒町ごときがどう思おうがさやか先輩の自由で……」

さやか「小鈴さん、私は昨日誰とも何もしていませんよ」

小鈴「！」

さやか「小鈴さんが知りたかったことはこれなんですよね」

小鈴「ほ、本当ですか！？」

さやか「本当です」

小鈴「人生で一度もですか！？」

さやか「それはまあ、そうですよ」

小鈴「一度も工　　したことないんですよね！？」

さやか「ありませんってば！」

小鈴「はっ、失礼しました」

さやか「最後の言い方だけは失礼として受け取っておきます」

小鈴「すみません……徒町なんぞに重大なプライバシーを明かしていただくだなんて」
　

さやか「実はですね、私も小鈴さんの気持ちがよく分かるんですよ」

小鈴「さやか先輩がですか？」

さやか「私には姉がいるのですが、姉とはそういう類の話は全然しないんですよね。それでふと、姉にそういう人はいるのか想像したんです」

小鈴「はい」

さやか「とても嫌な気分になりました。流石に今はもう姉もいい歳ですし、そういう経験も……」

小鈴「さやか先輩？」

さやか「……頭ではわかっていても嫌ですね。とにかく、私も小鈴さんと同じことを思ったことがあるので、別におかしなことじゃないと思いますよ？」

小鈴「そっか、普通なんだ」

さやか「小鈴さんが私をそういう風に思ってくれていたこと、正直に言ってとても嬉しいです」

小鈴「あ！」

さやか「ど、どうしました！」

小鈴「徒町気が付きました！　昨日誰が工　　したのかもう全然気になりません！」

さやか「ふふっ、それは良かったですね」
　

小鈴「うーん、安心したら急にお腹空いてきた～」

姫芽「あ、小鈴ちゃんだ～お菓子食べる～？」

小鈴「姫芽ちゃん！　食べる食べる！」

姫芽「はいどうぞ。そういえばさ～さっき小鈴ちゃんが泣いてるのを見たってクラスの子が言ってたんだけど～」

小鈴「あ、それはもう大丈夫だよ。さやか先輩は工　　したことないって」

姫芽「え？」

小鈴「あっ！　えっとまず昨日変な部屋連れてこられたよね？」

姫芽「うん」

小鈴「でもあそこから出られたってことは誰かが工　　したってことで」

姫芽「うん、うん？」

小鈴「それが一体誰なのかずっと気になってたんだけど」

姫芽「あー」

小鈴「本当は徒町、さやか先輩が誰かと工　　したのかもって不安になってたんだ」

姫芽「さやか先輩がね～」

小鈴「それでさやか先輩が私じゃないですって教えてくれたんだ」
　

姫芽「そっか～もっと食べる～？」

小鈴「ううん、お腹いっぱいだよ。それより姫芽ちゃん」

姫芽「ん～？」

小鈴「あの気持ちいいやつ、またしたいな」
　

姫芽「あーうん、今度してあげるね～」

小鈴「昨日の夜してくれたばっかりだけど、徒町もう我慢できなくて」

姫芽「ちょっとその話後にしようか～」

姫芽（小鈴ちゃん、あれが工　　だってわかってなかったんだ……。あんまりそこ深掘りされるとアタシが小鈴ちゃんに手を出してることがバレちゃうよ～）

※徒町は工　　＝めっちゃ深いキスのことだと思っています

小鈴「さっきからお腹の奥が切なくて」

姫芽「しょうがないな～今から小鈴ちゃんの部屋に行こうか」

クルッ

さやか「……」ﾆｺﾆｺ

姫芽（スポーンキル？）

おわり
　

後日、さやかちゃんはまだ一度も工　　したことないという噂が広まりました
　

よろしければSSの感想をお願いします
　

梢「私、ギター侍なのだけれど……」ｼﾞｬﾗｰﾝ
https://itest.2ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1719402179

沙知「かわいいねぃ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ　綴理・慈「にゃーん」　梢「に、にゃー」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1719576275/

慈「吟子ちゃんって何カップ？」
https://itest.2ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1720784556

吟子「これが初代スリーズブーケの衣装……！」
https://itest.2ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1722774167/

慈「第2回、ウミガメのスープ配信！」
https://itest.2ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1723033100
　

↑こちら直近の蓮ノ空の過去作です
　

よろしくお願いします
　

乙
さやすずはいいぞ

あと他のスレでレベル不足で書き込めなかったって感想拾ったから貼っとく
585(SIM) sage 2024/08/18(日) 22:00:14.72
ssスレに感想書こうとしたら必要レベル100で書き込めなかった🙄
からここに書くけど徒町が知らないだけでスリーズブーケもしてたかもしれない