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ゆうあいーSS
宮下愛ーSS
虹ヶ咲ーSS
高咲侑ーSS
宮下愛は聞きなれない言葉に首を傾げる。視線の先には同級生であり同じスクールアイドル同好会のメンバーでもある高咲侑が自信満々な顔で手をわきわきと動かしていた。
アロママッサージ、という言葉を愛は知らないわけではない。だが、一般の高校生である自分には縁遠いものだと思っていたため、あまり興味のないものであった。そして同様に自分と同じ年である侑がそれにはまっているということに違和感を覚える。愛の表情からそんな思いを察知したのか、侑は苦笑して手を振る。
「っていっても、される方じゃなくてする方ね! ほら、夏って疲れがたまりやすいっていうでしょ? 最近みんなも体重そうだし、なにかできないかなと思って……」
「あぁ、なんだそういうことかー!」
納得したように愛は頷き、チラリと窓の外に目を向ける。雲一つない青空には夏真っ盛りで張り切っているかのような太陽が浮かんでいて、世界中に光と熱をばら撒いている。今年の夏は連日過去最高気温を更新しているらしく、ニュースではどこの局も「熱中症に気をつけて」という注意喚起を流していた。愛自身夏は嫌いではなく寧ろ好きな方だが、ここ最近はそんな彼女をもってしても外出することすら憚られ、アイス片手にクーラーの効いた部屋でゆっくり過ごさざるを得なかった。
そんな少し動いただけで汗が噴き出る気温の中の練習は、確かに今まで以上に疲労が蓄積される。先日ももともとインドア派だった天王寺璃奈が軽い熱中症になり部内が軽いパニック状態になったものだ。
2021年11月5日 21:30
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