【SS】歩夢「侑ちゃん……私、今まで……幸せ、だった、よ……」ｶﾞｸｯ【ラブライブ！虹ヶ咲】

侑「あ、歩夢っ！　死んじゃ嫌だよっ！　ガクッってなっちゃだめ！」

歩夢「いい、の……。侑ちゃんに、看取られて逝ける、なら……」ﾆｺｯ

侑「そんな……」

侑「いやだ、いやだ……っ！　私、もっと歩夢といっぱいやりたいことあるのに！」

侑「死んじゃだめだよ歩夢ぅ！」

歩夢「……」ﾆｺﾘ

侑「……あぁっ！」

侑「……っ」ｸﾞｩ~…

歩夢「……？」

侑「あ、ごめん歩夢……。お腹空いちゃったからちょっとおやつ食べるね……」ｸﾞｽｯ
　

歩夢「……え？」

侑「う、うぅ……。歩夢がいなくなっちゃったら、もう玉子焼き、食べられなくなるんだよね……」ｶﾞｻｺﾞｿ

侑「もぐもぐ……。かすみちゃんから貰った玉子焼きコッペパン……美味しいなぁ」ｸﾞｽｸﾞｽ

歩夢「……」ﾎﾟﾑｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘねぇ侑ちゃん

侑「なに……？　歩夢」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
　

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ今から早口で玉子焼きの作り方教えるから。かすみちゃんのコッペパンに頼らなくてもいいんだよ

侑「え゛っ゛で、でもっ。今際の際なんだよっ！？　最期の言葉が玉子焼きのレシピになるかもしれないんだよっ！　もぐもぐっ！」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘいいの……。玉子焼きという形だったとしても、侑ちゃんの中で生きられるのなら、それで……

侑「歩夢……もぐもぐ……ごくんっ。分かった、分かったよ歩夢……。歩夢のレシピ、心に刻むよ！」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘじゃあ、言うね。まず、卵に愛を込めるために一晩一緒に寝ます──
　

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘそれから数分後です！


侑「うんっ、うんっ！　ありがとう歩夢！　これでいつでも歩夢の玉子焼きを再現できるよ！」

歩夢「そ、っか……。それ、なら……私も安心して逝ける、ね……」ﾆｺｯ

侑「あ、歩夢っ！」

歩夢「私、がいなくなっても……ちゃんと、起きて……。学園にも、ちゃんと……」ｶﾞｸｯ

侑「あぁっ！　ガクッとしちゃだめだよっ！」ﾕｻﾕｻ

侑「うぅ……歩夢のモーニングコールが無くなったら、私はどうやって起きればいいのさ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

歩夢「……」

侑「仕方ない……。私、これからエマさんと同じ部屋で過ごすことにするよ……」

歩夢「……？」
　

侑「……ミアちゃんでもいいな。ランジュちゃん？　果林さん……。どうしよう。選り取り見取りだね」ﾑﾑﾑｯ

歩夢「……」ﾎﾟﾑｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘねえ侑ちゃん

侑「……あ、ごめん。どの部屋が一番ときめくか真剣に考えてた」ﾊｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ今から私のタルパを作って。そうすればモーニングコールもできるから

侑「タルパ？」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘまたの名をイマジナリーフレンド。強い暗示をかけて存在しない人を作り出すことだよ。両者の違いについては調べてね

侑「へぇ～。よく分かんないけど、分かったよ！」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘよろしい。それじゃあまず、実際の私を一日中いじくってみて。目を瞑って触感を確認したり、嗅いでみたり、舐めてみたり、ちゅ、ちゅーっ、とか……、しちゃったり──
　

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘちゅーは恥ずかしくてできませんでした。それから数時間後ですよ！

🌸cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ私がいるからもう安心だよ、侑ちゃん

侑「わ～お。本当にできるんだ。これって歩夢には見えてないんだよね？」

歩夢「見え、ないよ……」

歩夢「あぁ、だめ……。だんだん、侑ちゃんの姿も、霞んで……」

歩夢「でも、最後に見る光景が、侑ちゃんなら……それも……」ｶﾞｸｯ

侑「歩夢っ！　ガクッとしちゃだめだってば！」ﾕｻﾕｻ

歩夢「ふふ……。ごめん、ね……。先に、逝く、ね……」

侑「歩夢っ！　歩夢ぅ！　歩夢がいなくなったら、私は誰と一緒に登校すればいいのさ！」

歩夢「寂しい、だ、ろうけど……。私を想って──」

侑「──うぅむ。寮暮らしでないとすると、せつ菜ちゃん、彼方さん、愛ちゃん……。候補はいくらでもでてくるね」
　

侑「鎌倉からわざわざ私のために来てくれるしずくちゃんとかもときめいちゃうなぁ」

侑「毎朝辛くないの？　って私が聞くとさ、『侑先輩の隣を歩けば、そこから素敵な一日の始まりなんですよ』なんて言われちゃったりして……」

侑「わ～お。ときめき急行発進だね」

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘほう。ではどうでしょうか？　歩夢さんが留学中の間だけ、私と一緒に登校すると言うのは

侑「あ、それいいね！」

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘ二週間という限られた期間だからこそ生まれる特別感……。歩夢さんが帰ってくる前日、ちょっと寂しい気持ちになるんです

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘあぁ、こんな日々も終わっちゃうんだって。でも、残念がってるのは私だけだろうな、そんな風に侑先輩は思うんです

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘそこに突然、私が腕を絡めるんです。上目遣いをしながら口を開き

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘ『侑先輩、これからもずっと……あなたの隣を歩かせてください』

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘ潤んだ瞳でそう言われるんですっ！　どうですか！？
　

侑「うひょ～っ！　いいねいいねぇしずくちゃん！」

歩夢「……」ﾎﾟﾑｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘねえ、どうする

🌸cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘどうするって。阻止しなきゃ。というか、私は侑ちゃんのタルパだから見えないはずなんだけど……

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘうるさい。ほら、解決案を早急に練ろう

🌸cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ了解。練りに練るよ──
　

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘそれから数分後ですよ！

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘねえ侑ちゃん

侑「……あ、ごめん。栞子ちゃんと初々しく手を繋いで登校するシーンを新聞部に激写される長編妄想をしずくちゃんと談義──」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘだめ

侑「あ」ｷﾞｭｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘよし。これでおっけーだね

🌸cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘうん。死後硬直でずっと手を繋いだまま。これならずっと一緒にいられるし、毎朝の登校も心配いらないね

侑「え～。私、毎朝歩夢を引きずって登校するの～？　それはちょっと無理じゃないかなぁ？」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ運動不足の侑ちゃんにはいい運動でしょ

侑「ま、そっかぁ……」
　

歩夢「……うっ、あっ」ﾋﾞｸｯ

侑「……歩夢っ！？」

歩夢「ご、めんね……侑ちゃん。時間が、来ちゃった、みたい……」

侑「うわあっ！　だめだよ歩夢！　意識を強く持って！」

歩夢「ごめん、ね……。でも、侑ちゃんに、〇されるなら……それも……」

侑「死んじゃだめだよ！　ガクッとしないように首押さえておくから！　ほら！」ｻｻｯ

歩夢「私、が、死んでも……みんな、のこと……よろしく、ね……」ｶﾞｸｯ

侑「うわあっ！　頭じゃなくてお尻の方がガクッてなった！」

歩夢「ばい、ばい……これ、が……最期、だね……」ｶﾞｸｯ

侑「うわあっ！　気を抜いたら頭も！」

侑「歩夢ぅ！　歩夢ぅ！！」

璃奈「騒がしい。どうしたの？」ｶﾞﾗﾗｯ
　

侑「……っ！　璃奈ちゃん！」

侑「歩夢がっ、歩夢がぁっ！　死んじゃいそうなんだ！　たすけて！」

歩夢「侑ちゃ……。最期に、よく、顔を見せ、て……」ｿｯ

璃奈「死ぬ、って……見た感じ外傷もないし、顔色もいいし。どういうこと？」

侑「私にも分からないんだ！　でも、雰囲気で死んじゃいそうだから！」

璃奈「えぇ……？」

歩夢「……ちゃ……っこよすぎ」

璃奈「え？　歩夢さん、今なんて？」

歩夢「侑ちゃん、の……スーツ姿、カッコよすぎて……」

歩夢「ため、しに……。壁ドン、して……愛を囁いて、って言ったら……」

歩夢「カッコよすぎて……キュン死……うぅん……ときめき死……」ｶﾞｸｯｶﾞｸｯ

侑「あぁっ！　お尻と頭が両方同時になんて！」

璃奈「……璃奈ちゃんボード『茶番』」
　

侑「璃奈ちゃん！　どうにかならないかなぁ！？」

璃奈「……はぁ。一つだけ、方法がある」

璃奈「今の歩夢さんが飛び起きる、たった一つの冴えたやり方が」

侑「そんなやり方が！？　教えて教えて！！」ﾄﾞｻｯ

歩夢「げふっ」ﾄﾞｼｰﾝ

侑「あ、ごめん歩夢っ。つい、手を離しちゃった……」

歩夢「いい、の……。侑ちゃん、が、幸せ、で……無事、なら──」

璃奈「じゃあまず、こっちに来て」ｼﾗｯ

侑「あ、うん！　それでそれで！？」

璃奈「お腹とお腹がくっつくくらい近づいて」

侑「え、うん……」ｽｯ
　

歩夢「……」ﾁﾗｯ

璃奈「最後に、璃奈ちゃんボードを使って私と侑さんの顔を隠す。これで歩夢さんから私たちの顔は見えない」ｻｯ

侑「まあ、そうだけど。これで終わりなの？」

歩夢「……？」

璃奈「うぅん。仕上げに侑さんの胸元を掴んで……」

璃奈「……」ﾁｭｯ

侑「！？！？！？！？！？！？！？！？！？！？！？！？！？！？」

歩夢「……」

歩夢「……は？」
　

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘなにこれ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘなんなのこれ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘおかしいよね

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘこんなの許されていいの？

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘねえ、いいはずないよね

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘいいはずが、ないよねぇ！？！？！？！？！？！？

@cﾒ༎ຶ ۝ ༎ຶ ﾘお゛お゛ｫｫｵお゛お゛お゛お゛おぉぉおｫｵ゛お゛お゛お゛ん゛！？！？！？！？！？！？！？！？！？
　

璃奈「ほら。飛び起きた。蘇生完了。これにてミッションコンプリートだね。璃奈ちゃんボード『ブイッ』」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘブイッじゃないよね。互いの同意がないちゅーなんてノーカンに決まってるじゃん

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ愛のないちゅーをして、それがそんなに誇らしい？

璃奈「私に誇る気は毛頭ない。というか、歩夢さんからはボードで見えていないはずだけど」

璃奈「私と侑さんが本当にちゅーをしたのかどうか。それはシュレディンガーの猫。観測していない歩夢さんにはどちらの可能性も併存して──」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘはい。お口チャックだよ璃奈ちゃん。侑ちゃんの顔を見て

璃奈「侑さんの顔？」ﾁﾗｯ

侑「あわわわわわわ//」ｶｵﾏｯｶ!!

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘシュレディンガーだかなんだか知らないけど、あの侑ちゃんの顔が証明してるよ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘねえ、どう責任を取るつもりなのかな？
　

璃奈「どうと言われても」ｼﾗｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ……はぁ。しょうがないね。侑ちゃんのちゅーを奪うしかないみたい

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ私が璃奈ちゃんとちゅーすれば、侑ちゃんのちゅーを奪えたことになるよね

璃奈「え……」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ逃げないで。これが責任の取り方だよ。眠れる獅子を起こしちゃったみたいだね璃奈ちゃん

璃奈「まあ、永眠しそうになってたから起こしたけど」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ生意気な口……。今から塞いで──

侑「だ、だめっ！」ｶﾞﾊﾞｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘどいて侑ちゃん！　そいつちゅーできないっ！
　

侑「だめだってば！！」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ……ねぇ侑ちゃん。どうして邪魔をするの？

@cﾒ*´•̥ _ •̥ ﾘそんなに……璃奈ちゃんがいいの？

@cﾒ*´•̥ _ •̥ ﾘ私はもう……いらないの……？

侑「そんなわけないじゃんっ！」

@cﾒ*´•̥ _ •̥ ﾘじゃあ……どうして璃奈ちゃんを庇うの……？

侑「あぁもうっ！　歩夢っ！」

@cﾒ*´•̥ _ •̥ ﾘなに……

侑「……」ﾁｭｯ

Σ @cﾒ◉ _ ◉ﾘ……っ！？！？！？！？

侑「……私のファーストちゅーだよ、歩夢」
　

@cﾒ*˶・ -・ ˵ﾘえ、あ……

歩夢「どどど、どういう……//」

侑「ちゅーをされるフリでも、璃奈ちゃんにあれだけ迫られれば赤くなっちゃうよ……」

歩夢「侑ちゃん……」

侑「歩夢のはじめてを誰かに奪われちゃうって考えたら……だめだ～って胸がざわついて……」

侑「……ごめん。互いに同意のないちゅーなんてだめだって歩夢が言ってたのに」

歩夢「……いいの」

侑「……え？」
　

歩夢「侑ちゃんになら……。うぅん、侑ちゃんだけなら、いいの」

歩夢「でも……二回目は互いを想い合ったちゅーがしたいな……」

侑「！」

歩夢「……私、侑ちゃんとちゅーしたい」

侑「わ、私も！　歩夢とちゅーしたいっ」

歩夢「侑ちゃん……」

侑「歩夢……」

ﾁｭｯ♡

璃奈「二人は幸せなちゅーをしておわり。璃奈ちゃんボード『手が焼けるぜ』」

歩夢「……うっ！」ﾋﾞｸｯ

侑「歩夢！？」
　

歩夢「し、しあわせ、すぎて、しぬ……」ｶﾞｸｯ

侑「あ、歩夢―っ！！」ﾕｻﾕｻ!!

歩夢「わ、たし……侑ちゃんに、会えて……本当に、よかった……」ﾆｺｯ

侑「歩夢……」

侑「り、璃奈ちゃん……！　ここからどうすれば！！」ｱﾜﾜﾜ…

璃奈「……」ｼﾞﾄｯ

璃奈「もう付き合い切れない。璃奈ちゃんボード『勝手にやってろ』」ﾌﾟｲｯ

侑「どどど、どうすれば……っ！　あ、そうだ！　またさっきみたいに誰かとちゅーするフリすれば！！」ｷｮﾛｷｮﾛ!!

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ……は？
　

かすみ「おっはよ～ございますっ！　可愛いかすみんの登場ですよぉ～」ｶﾞﾗﾗｯ

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘかすかす、ハウスっ！

かすみ「かすかすじゃありません！　かすみんですぅ！　それに子犬じゃないからハウスって言っても家に帰りませんっ！」

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘゴーホームっ！　ゴーホームっ！

侑「かすみちゃん！　私と今からちゅーしようっ！」ﾄﾞﾝｯ

かすみ「ふぁ……？」

かすみ「ちょ、ちょちょっ、かすみん……まだ、心の準備が……//」

@cﾒ༎ຶ ۝ ༎ຶ ﾘお゛お゛ｫｫｵお゛お゛お゛お゛おぉぉおｫｵ゛お゛お゛お゛ん゛！？！？！？！？！！？！？！？！？！？！？

🌸cﾒ༎ຶ ۝ ༎ຶ ﾘお゛お゛ｫｫｵお゛お゛お゛お゛おぉぉおｫｵ゛お゛お゛お゛ん゛！？！？！？！？！！？！？！？！？！？！？

jΣﾐｲ˶º ᴗº˶ﾘこういうのもアリなのでは！？

璃奈「……璃奈ちゃんボード」

从[´・֊・]从『おしまい』
　

かなり好き
　

タルポム
　

こういうのでいいんだよの見本市
　

@cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ⎛(cV„Ó ᴗ ÒV⎞🌸cﾒ*˶ˆ ᴗ ˆ˵ﾘ
　

なんだこれ、好きすぎる
乙