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2: 2024/02/06(火) 08:55:08.00
・スレタイのDCはDOLLCHESTRAのことです。字数制限のため略しています
・以前書いたCB(スリーズブーケ編)、今後書く予定のMP(みらくらぱーく!)編とリンクした話です
・3ユニットで同時進行している話をDOLLCHESTRAの視点から描く、というコンセプトのため現段階では不可解な描写があるかもしれません
・今回から作中のラップをこちらのサイトで音声化したものを添えていきます。
https://www.suno.ai
サンプル(スリーズブーケ編より抜粋)
↓
https://cdn1.suno.ai/0bf4a86c-5b22-4a41-9363-2ac2a33631c9.mp4
・以前書いたCB(スリーズブーケ編)、今後書く予定のMP(みらくらぱーく!)編とリンクした話です
・3ユニットで同時進行している話をDOLLCHESTRAの視点から描く、というコンセプトのため現段階では不可解な描写があるかもしれません
・今回から作中のラップをこちらのサイトで音声化したものを添えていきます。
https://www.suno.ai
サンプル(スリーズブーケ編より抜粋)
↓
https://cdn1.suno.ai/0bf4a86c-5b22-4a41-9363-2ac2a33631c9.mp4
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3: 2024/02/06(火) 08:56:07.00
前作
【ラップSS】花帆「ん?スクールアイドル…ラップバトル?」【CB編】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/11177/1701252878/
【ラップSS】花帆「ん?スクールアイドル…ラップバトル?」【CB編】
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/11177/1701252878/
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4: 2024/02/06(火) 08:56:45.00
注意
※一部変えてはいますが、マイクなどの設定はヒプノシスマイクからの流用です
※時期は竜胆祭少し前を想定してます。本編ストーリーで語られていない箇所は作者の独自解釈・考察で補完しています
※一部キャラディス要素を含みます。キャラディスが苦手な方、キャラ同士のディスが苦手な人にはおすすめできません
※微リョナ要素ありです。苦手な方はご注意ください
※一部変えてはいますが、マイクなどの設定はヒプノシスマイクからの流用です
※時期は竜胆祭少し前を想定してます。本編ストーリーで語られていない箇所は作者の独自解釈・考察で補完しています
※一部キャラディス要素を含みます。キャラディスが苦手な方、キャラ同士のディスが苦手な人にはおすすめできません
※微リョナ要素ありです。苦手な方はご注意ください
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5: 2024/02/06(火) 08:57:31.00
①DOLLCHESTRA
~すごいことができそうです
さあ、マイクを取って激闘です~
綴理「心配ないよ。ボクは片付けが得意だから」
さやか「その自信はどこから出てきているのやら」
さやか「ですが、思いの外まじめに取り組んでいるようで見直しました」
さやか(梢先輩がラブライブに向けての意気込みを高めようと始めた大倉庫の整理)
綴理「……」イソイソ
綴理「……」テキパキ
さやか(綴理先輩は私の想像の何倍も熱心に片付けに精を出してくれているようです)
~すごいことができそうです
さあ、マイクを取って激闘です~
綴理「心配ないよ。ボクは片付けが得意だから」
さやか「その自信はどこから出てきているのやら」
さやか「ですが、思いの外まじめに取り組んでいるようで見直しました」
さやか(梢先輩がラブライブに向けての意気込みを高めようと始めた大倉庫の整理)
綴理「……」イソイソ
綴理「……」テキパキ
さやか(綴理先輩は私の想像の何倍も熱心に片付けに精を出してくれているようです)
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6: 2024/02/06(火) 08:58:05.00
綴理「あ…」
さやか「どうしました!?何かやらかしてしまったなら隠さないでくださいね!」
綴理「なんだろ。これ…」
さやか(綴理先輩が手に持っていたのは木製の箱…)
さやか「えーっと、『スクールアイドルラップバトル』と書いてありますね」
綴理「ラップ…さやがよく使ってるあの?」
綴理「あんなに薄いのにラップはすごいよね」
さやか「えーっと…そちらではないです。バトルと組み合わさってますし」
さやか「どうしました!?何かやらかしてしまったなら隠さないでくださいね!」
綴理「なんだろ。これ…」
さやか(綴理先輩が手に持っていたのは木製の箱…)
さやか「えーっと、『スクールアイドルラップバトル』と書いてありますね」
綴理「ラップ…さやがよく使ってるあの?」
綴理「あんなに薄いのにラップはすごいよね」
さやか「えーっと…そちらではないです。バトルと組み合わさってますし」
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7: 2024/02/06(火) 08:58:50.00
さやか「多分、音楽のジャンルの方のではないかと」
綴理「そっか、そっちがあったか」ヒューン
綴理「あ、このマイクまだ使えるみたいだ」
さやか「梢先輩にどうするか聞いてみますか」
綴理「そうだね」
さやか「では、私が行きますので、綴理先輩はここで片付けに集中していてください」
綴理「え?ボクも行くけど」
綴理「そっか、そっちがあったか」ヒューン
綴理「あ、このマイクまだ使えるみたいだ」
さやか「梢先輩にどうするか聞いてみますか」
綴理「そうだね」
さやか「では、私が行きますので、綴理先輩はここで片付けに集中していてください」
綴理「え?ボクも行くけど」
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8: 2024/02/06(火) 08:59:41.00
さやか「お気持ちはうれしいですが、綴理先輩はここでちゃんと片付けをお願いします」
さやか(綴理先輩を手で制して梢先輩にマイクの処遇を聞きにいくと…)
梢「なんと、このマイクはラップを具現化するの」
花帆「……」
花帆「…………へ?」
花帆「ラップを、具現化?なんのためにそんなことを」
梢「わたくしも記録でしか見たことがないのだけれど、かつてスクールアイドルがこのマイクを使ってラップバトルをする大会があったらしいの」
さやか(掃除の言い出しっぺの浮かれポ……梢部長はあろうことか花帆さんと"和気藹々と"おしゃべりに興じていた)
さやか(綴理先輩を手で制して梢先輩にマイクの処遇を聞きにいくと…)
梢「なんと、このマイクはラップを具現化するの」
花帆「……」
花帆「…………へ?」
花帆「ラップを、具現化?なんのためにそんなことを」
梢「わたくしも記録でしか見たことがないのだけれど、かつてスクールアイドルがこのマイクを使ってラップバトルをする大会があったらしいの」
さやか(掃除の言い出しっぺの浮かれポ……梢部長はあろうことか花帆さんと"和気藹々と"おしゃべりに興じていた)
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9: 2024/02/06(火) 09:00:20.00
さやか(マイクというのはこれのことでしょうかね?それはそうと)
さやか「……はぁ」
さやか「そこ!せっかく綴理先輩がやる気を出して片付けてるのにさぼらないでください!」
梢「あ、あらごめんなさい。つい…」
さやか「そりゃ先輩方は私たち1年生よりも蓮ノ空に長くいますから思い出もその分あるんでしょうけど」
さやか「綴理先輩が!あの綴理先輩が!遊ばないで真面目にやってるんですよ!あなたたちもちゃんと片付けてください」
さやか「……はぁ」
さやか「そこ!せっかく綴理先輩がやる気を出して片付けてるのにさぼらないでください!」
梢「あ、あらごめんなさい。つい…」
さやか「そりゃ先輩方は私たち1年生よりも蓮ノ空に長くいますから思い出もその分あるんでしょうけど」
さやか「綴理先輩が!あの綴理先輩が!遊ばないで真面目にやってるんですよ!あなたたちもちゃんと片付けてください」
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10: 2024/02/06(火) 09:01:19.00
綴理「さや、何話してるの?」
さやか「ああああっ!!綴理先輩の集中が切れてしまった!」
さやか(しかも、着いてくるのを止められなかった!これは私の監督責任です)
綴理「なんかボクの扱いがおかしいような?気のせい?」
さやか「綴理先輩、いい子ですから向こうに行ってまた片付けしましょうね」
綴理「んー?」
梢「あら?さやかさん、その手に持っているマイクは」
さやか(しまった。これの処遇を聞きに来たんでした)
さやか「これですか?さっき綴理先輩が見つけたものですね」
さやか「ああああっ!!綴理先輩の集中が切れてしまった!」
さやか(しかも、着いてくるのを止められなかった!これは私の監督責任です)
綴理「なんかボクの扱いがおかしいような?気のせい?」
さやか「綴理先輩、いい子ですから向こうに行ってまた片付けしましょうね」
綴理「んー?」
梢「あら?さやかさん、その手に持っているマイクは」
さやか(しまった。これの処遇を聞きに来たんでした)
さやか「これですか?さっき綴理先輩が見つけたものですね」
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11: 2024/02/06(火) 09:01:57.00
花帆「それ、あたしが見つけたのと同じだ!しかも2本ある」
さやか「部の備品ですか?多分まだ使えるかと思いますが」
梢「まだ使えるマイクがさらに2本…あったというの?」
さやか「とりあえずどうするか生徒会に聞いてみるということでよろしいですか?」
さやか(この様子では梢先輩もよく知らないようですし、沙知先輩なら…)
梢「待ってちょうだい!!」
さやか「部の備品ですか?多分まだ使えるかと思いますが」
梢「まだ使えるマイクがさらに2本…あったというの?」
さやか「とりあえずどうするか生徒会に聞いてみるということでよろしいですか?」
さやか(この様子では梢先輩もよく知らないようですし、沙知先輩なら…)
梢「待ってちょうだい!!」
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12: 2024/02/06(火) 09:06:24.00
昼まで一旦中断します
基本コピペなので元の地点まではそれほどかからないと思います
基本コピペなので元の地点まではそれほどかからないと思います
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13: 2024/02/06(火) 11:48:08.00
梢「ちょうどいいわ。さやかさん、わたくしとラップバトルしましょう」
さやか(…………)
さやか(…なにをいっているのでしょうか?このひとは?)
さやか「何がちょうどいいのか不明ですが…ラップバトル?…しかも私とですか?」
梢「なんとなく、この中では一番あなたが適任な気がするの」
梢「花帆さんを危険な目には合わせたくないし、綴理は言葉のセンスがアレだし」
花帆「ラップバトルで危険ってなに!?」
綴理「んー、アレ…とは?」
さやか(…………)
さやか(…なにをいっているのでしょうか?このひとは?)
さやか「何がちょうどいいのか不明ですが…ラップバトル?…しかも私とですか?」
梢「なんとなく、この中では一番あなたが適任な気がするの」
梢「花帆さんを危険な目には合わせたくないし、綴理は言葉のセンスがアレだし」
花帆「ラップバトルで危険ってなに!?」
綴理「んー、アレ…とは?」
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14: 2024/02/06(火) 11:50:06.00
梢「さあ、やるの?やらないの?」
さやか(…さて、どうしたものか)
花帆「さやかちゃん、やりたくないなら無理しないで」
綴理「ラップバトルは…誰かに言われてやるものじゃない」
綴理「ラップバトルを頑張らなきゃいけない理由は……どこにもない」
さやか(!!!……)
さやか(…さて、どうしたものか)
花帆「さやかちゃん、やりたくないなら無理しないで」
綴理「ラップバトルは…誰かに言われてやるものじゃない」
綴理「ラップバトルを頑張らなきゃいけない理由は……どこにもない」
さやか(!!!……)
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15: 2024/02/06(火) 11:50:45.00
さやか(その瞬間、とある記憶が私の脳裏をよぎった)
さやか(…前にもこの人は、こんな言葉を私にかけた)
さやか(あの時はもろもろ突き抜けてしまった私がスケートリンクで"あんなこと"をしでかしたわけだが)
さやか(今の私がやりたいこと、私のわがまま…か)
さやか「……いえ、やります」
綴理「それは、なんで?」
さやか「……私はラップバトルをしたことなどないです。梢先輩の意図も測りかねています」
さやか(…前にもこの人は、こんな言葉を私にかけた)
さやか(あの時はもろもろ突き抜けてしまった私がスケートリンクで"あんなこと"をしでかしたわけだが)
さやか(今の私がやりたいこと、私のわがまま…か)
さやか「……いえ、やります」
綴理「それは、なんで?」
さやか「……私はラップバトルをしたことなどないです。梢先輩の意図も測りかねています」
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16: 2024/02/06(火) 12:31:45.00
花帆「だったら」
さやか「…ですが、断る理由もないと思いました。受けて立ちます。梢先輩」
さやか(これは嘘では無い、だが真実というわけでもない)
梢「いい子ね。花帆さんほどじゃないけど」ヒューン
梢「さあ!さやかさんもマイクを取って、バトル開始よ」
さやか(いい子、ですか…そのような評価をしてもらえるのは光栄ではありますね)
さやか(たとえ、相手が浮かれポンチであったとしても…)
さやか「えーっと、こうすればいいですか?」ヒューン
さやか「って…はい!?」
花帆「どうしたの?さやかちゃ…ええ!?」
さやか「…ですが、断る理由もないと思いました。受けて立ちます。梢先輩」
さやか(これは嘘では無い、だが真実というわけでもない)
梢「いい子ね。花帆さんほどじゃないけど」ヒューン
梢「さあ!さやかさんもマイクを取って、バトル開始よ」
さやか(いい子、ですか…そのような評価をしてもらえるのは光栄ではありますね)
さやか(たとえ、相手が浮かれポンチであったとしても…)
さやか「えーっと、こうすればいいですか?」ヒューン
さやか「って…はい!?」
花帆「どうしたの?さやかちゃ…ええ!?」
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17: 2024/02/06(火) 12:32:40.00
綴理「おお…」
さやか(二人が驚いてしまったのも無理はないでしょう)
さやか(なぜなら梢先輩の後ろに……)
梢「噂どおり出たわね『スピーカー』が!」
さやか(おおよそ私のこれまでの経験で測れない物体が鎮座していたのだから)
さやか(スピーカーと梢先輩は言ってますが、どう見ても蓄音機です…)
さやか(そして、蓄音機に楽譜やら望遠鏡やら、ティーカップやら梢先輩の好きそうなものが装飾されている)
さやか(って…もしや…)
さやか(二人が驚いてしまったのも無理はないでしょう)
さやか(なぜなら梢先輩の後ろに……)
梢「噂どおり出たわね『スピーカー』が!」
さやか(おおよそ私のこれまでの経験で測れない物体が鎮座していたのだから)
さやか(スピーカーと梢先輩は言ってますが、どう見ても蓄音機です…)
さやか(そして、蓄音機に楽譜やら望遠鏡やら、ティーカップやら梢先輩の好きそうなものが装飾されている)
さやか(って…もしや…)
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18: 2024/02/06(火) 12:33:34.00
さやか「まさか…」
梢「そのまさかよ」
さやか(後ろへ振り向くと)
梢「さやかさんのスピーカーらしいわね、それ」
さやか(下にあるのはスケートリンクでしょうか?その上で大きな鍋が湯気を立てている…その周りをスケート靴が取り囲んでいて…)
さやか(後ろには優勝トロフィーと思われるものがデカデカとそびえたっている)
梢「どうやらね、このマイクでラップをする時にはその人独特のスピーカーが出てくるらしいのよ」
綴理「あれ?さっきボクがやった時には…」
梢「そのまさかよ」
さやか(後ろへ振り向くと)
梢「さやかさんのスピーカーらしいわね、それ」
さやか(下にあるのはスケートリンクでしょうか?その上で大きな鍋が湯気を立てている…その周りをスケート靴が取り囲んでいて…)
さやか(後ろには優勝トロフィーと思われるものがデカデカとそびえたっている)
梢「どうやらね、このマイクでラップをする時にはその人独特のスピーカーが出てくるらしいのよ」
綴理「あれ?さっきボクがやった時には…」
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19: 2024/02/06(火) 12:34:04.00
さやか「あの、これも梢先輩のもおおよそ一般的なスピーカーの形状ではないのですが、スピーカーなんですか?」
梢「一応、わたくしのは蓄音機なのだから音を出すという用途には適っているはずよ」
さやか「私のは鍋かトロフィーから音が出そうなんですが…」
梢「やってみればわかるわ………さて、わたくしからでいいかしら?」
さやか「私からと言われても何をすればいいかさっぱりですからね…どうぞ」
♪~~
花帆「なんか音楽が流れ始めた」
梢「では、いくわよ!」
梢「一応、わたくしのは蓄音機なのだから音を出すという用途には適っているはずよ」
さやか「私のは鍋かトロフィーから音が出そうなんですが…」
梢「やってみればわかるわ………さて、わたくしからでいいかしら?」
さやか「私からと言われても何をすればいいかさっぱりですからね…どうぞ」
♪~~
花帆「なんか音楽が流れ始めた」
梢「では、いくわよ!」
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20: 2024/02/06(火) 12:34:55.00
【梢】
憧れのマイク、手にしヒプノタイズ
ノってけゴーのサーフィンタイム
喜びにダイブ押し寄せる台風
でも!恐れ皆無でラブライブ
わたくしは歌うマーメイド
教えましょ上下の関係を
浅いところで舐めてるルーキー
あなたの精神へ深き周知
https://cdn1.suno.ai/98db7f8f-b8c9-4c02-bb8a-5d2988d1fba3.mp4
憧れのマイク、手にしヒプノタイズ
ノってけゴーのサーフィンタイム
喜びにダイブ押し寄せる台風
でも!恐れ皆無でラブライブ
わたくしは歌うマーメイド
教えましょ上下の関係を
浅いところで舐めてるルーキー
あなたの精神へ深き周知
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21: 2024/02/06(火) 12:35:26.00
ドドドド…
綴理「何の音?」
花帆「なんか近づいてきてる?」
さやか(そこからなにがあったのか)
さやか(よく……覚えていない)
…………………
…………………………
さやか「……はあ…はあ」
さやか(何があったんでしょう…とても恐ろしいことがあったような)
綴理「何の音?」
花帆「なんか近づいてきてる?」
さやか(そこからなにがあったのか)
さやか(よく……覚えていない)
…………………
…………………………
さやか「……はあ…はあ」
さやか(何があったんでしょう…とても恐ろしいことがあったような)
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22: 2024/02/06(火) 19:33:28.00
さやか(とにかく、よかった…生きてます、私)
さやか「はあ…はあ…」
さやか「なる…ほど、どうやら…ラップをすると、それが具現化…して相手を攻撃できると」
梢「正解よ。さやかさんは勘がいいわね」
さやか「にしても」
さやか「あいかわらず、馬鹿みたいなフレーズですね…頭の中はお花畑なんですか?」
梢「なにか言ったかしら?
さやか「はあ…はあ…」
さやか「なる…ほど、どうやら…ラップをすると、それが具現化…して相手を攻撃できると」
梢「正解よ。さやかさんは勘がいいわね」
さやか「にしても」
さやか「あいかわらず、馬鹿みたいなフレーズですね…頭の中はお花畑なんですか?」
梢「なにか言ったかしら?
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23: 2024/02/06(火) 19:34:03.00
花帆「はは…こっちもこうなんだ…」
綴理「こずのそういうところボクは好きだよー」
梢「さあ!次はさやかさんの番よ」
さやか(先ほどのからすると、何度も攻撃されるのは危ない)
さやか(やるならば一気に!)
さやか(と、勝ちを取りに行ってしまうのは競技の世界に身を置いていたからでしょう)
さやか「…あまり時間はかけたくありませんね」
さやか「全力でいかせてもらいます!」
綴理「こずのそういうところボクは好きだよー」
梢「さあ!次はさやかさんの番よ」
さやか(先ほどのからすると、何度も攻撃されるのは危ない)
さやか(やるならば一気に!)
さやか(と、勝ちを取りに行ってしまうのは競技の世界に身を置いていたからでしょう)
さやか「…あまり時間はかけたくありませんね」
さやか「全力でいかせてもらいます!」
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24: 2024/02/06(火) 19:34:43.00
【さやか】
部長の責務を軽く放置
のんきな中身の浮かれポンチ
帰ってください機械音痴
あなたの居場所は未開の地
尊敬にあたうものはない
もはや言うにも及ばない
時代遅れはお呼びじゃない
ゴリラは山に戻りなさい
https://cdn1.suno.ai/c32d9a2e-a1e8-4763-af6a-3f6c074b1b75.mp4
部長の責務を軽く放置
のんきな中身の浮かれポンチ
帰ってください機械音痴
あなたの居場所は未開の地
尊敬にあたうものはない
もはや言うにも及ばない
時代遅れはお呼びじゃない
ゴリラは山に戻りなさい
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25: 2024/02/06(火) 19:35:23.00
さやか(先ほどの梢先輩ので要領はわかりました)
さやか(込めましたよ、梢先輩…私の中身を!)
さやか「ここからいなくなれえええええ!」
ドゥグォオオオオオオオオン!!
梢「きゃあああああああっ!!」
花帆「梢センパイが…」
綴理「ふっとんだ!」
さやか(なかなかうまくいきましたね!)
ガコッ!
さやか(変な音がしましたが…まあ、大丈夫でしょう)
さやか(込めましたよ、梢先輩…私の中身を!)
さやか「ここからいなくなれえええええ!」
ドゥグォオオオオオオオオン!!
梢「きゃあああああああっ!!」
花帆「梢センパイが…」
綴理「ふっとんだ!」
さやか(なかなかうまくいきましたね!)
ガコッ!
さやか(変な音がしましたが…まあ、大丈夫でしょう)
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26: 2024/02/06(火) 19:36:05.00
さやか「こうでいいですか?梢"先輩"」
梢「くっ……やるわね」
さやか「なるほど、だいたいわかりました」
花帆「さやかちゃん、いつの間にラップなんて」
さやか「なんといいますか…その場のノリでできました」
綴理「ナイスファイトだよ。さやのきらめきはやっぱりいいね」
さやか「それほどでも、綴理先輩のご指導ご鞭撻のおかげです」
梢「くっ……やるわね」
さやか「なるほど、だいたいわかりました」
花帆「さやかちゃん、いつの間にラップなんて」
さやか「なんといいますか…その場のノリでできました」
綴理「ナイスファイトだよ。さやのきらめきはやっぱりいいね」
さやか「それほどでも、綴理先輩のご指導ご鞭撻のおかげです」
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27: 2024/02/06(火) 19:37:37.00
綴理「じゃあ、ボクも」
さやか「はい!共にこの浮かれポンチの機械音痴に鉄槌を下しましょう!」
綴理「ううん、ボクはこずの方につくよ」
さやか「え?」
さやが(意外、綴理先輩が…)
さやか(…いえ、私の想定が甘かっただけですね)
さやか(なんだかんだ綴理先輩はずっと梢先輩の手助けをしてきたわけですし)
さやか「はい!共にこの浮かれポンチの機械音痴に鉄槌を下しましょう!」
綴理「ううん、ボクはこずの方につくよ」
さやか「え?」
さやが(意外、綴理先輩が…)
さやか(…いえ、私の想定が甘かっただけですね)
さやか(なんだかんだ綴理先輩はずっと梢先輩の手助けをしてきたわけですし)
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28: 2024/02/06(火) 22:10:19.00
綴理「かほはさやの方についてくれてもいい」
梢「わたくしは2年生よ?1年生に遅れはとらない」
梢「こんなの大丈夫よ」
綴理「そう…わかった。加勢するよこず」ヒューン
梢「……?大丈夫だと言ったのだけれど?」
綴理「うん、大丈夫って聞いた。だから一緒に戦うよ」
綴理「こずの大丈夫は、大丈夫じゃないってことだから」
梢「わたくしは2年生よ?1年生に遅れはとらない」
梢「こんなの大丈夫よ」
綴理「そう…わかった。加勢するよこず」ヒューン
梢「……?大丈夫だと言ったのだけれど?」
綴理「うん、大丈夫って聞いた。だから一緒に戦うよ」
綴理「こずの大丈夫は、大丈夫じゃないってことだから」
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29: 2024/02/06(火) 22:11:23.00
梢「…まったく。変なところで気を遣ってくれるのだから」
綴理「ボク、気遣いできてる?」
梢「そうね…」
梢「わたくし一人でも勝てないわけではないのだけれど!本当に、勝てないわけではないのだけれど!」
梢「わたくしと、共に戦ってちょうだい…綴理」
綴理「うん承った」
綴理「ボク、気遣いできてる?」
梢「そうね…」
梢「わたくし一人でも勝てないわけではないのだけれど!本当に、勝てないわけではないのだけれど!」
梢「わたくしと、共に戦ってちょうだい…綴理」
綴理「うん承った」
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30: 2024/02/06(火) 22:13:13.00
さやか「こうなったら…花帆さん!」
花帆「まさか私も入れってこと!?」
綴理「入らないの?かほ」
さやか「つべこべ言わずに、はい!マイクです」
「ちょおおおおおっとまったああああ」
「そこぉ!4人でいい感じのストーリーを展開するなあああ」
花帆「まさか私も入れってこと!?」
綴理「入らないの?かほ」
さやか「つべこべ言わずに、はい!マイクです」
「ちょおおおおおっとまったああああ」
「そこぉ!4人でいい感じのストーリーを展開するなあああ」
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31: 2024/02/06(火) 22:14:58.00
花帆「この声…!」
梢「誰!?いったい誰なの!?」
綴理「あれは誰だー?」
さやか「この状況で乱入してくる二人なんてわかりきってると思うのですが?声でわかりますし」
慈「なにやら騒がしいので駆けつけてみれば…めぐちゃんたちを退けものにしてラップバトル」
瑠璃乃「ラップ本場のアッメーリカからきたルリ抜きのラップバトルなんてありえねっすよ」
梢「誰!?いったい誰なの!?」
綴理「あれは誰だー?」
さやか「この状況で乱入してくる二人なんてわかりきってると思うのですが?声でわかりますし」
慈「なにやら騒がしいので駆けつけてみれば…めぐちゃんたちを退けものにしてラップバトル」
瑠璃乃「ラップ本場のアッメーリカからきたルリ抜きのラップバトルなんてありえねっすよ」
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32: 2024/02/06(火) 22:15:38.00
花帆「み、みらくらぱーくっ!?」
梢「どうやら、強敵の登場のようね」
さや「…………」
綴理「さや、どうしたの?」
さやか「いえ…あまりにも予想通りなので」
瑠璃乃「まったくもう、こういうのはちゃんとホウレンソウしようよ」
慈「ホーレンソー!ホーレンソー!」
梢「どうやら、強敵の登場のようね」
さや「…………」
綴理「さや、どうしたの?」
さやか「いえ…あまりにも予想通りなので」
瑠璃乃「まったくもう、こういうのはちゃんとホウレンソウしようよ」
慈「ホーレンソー!ホーレンソー!」
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33: 2024/02/06(火) 22:16:42.00
梢「そうは言ってもね…」
さやか「できればお二人にはそのまま片付けを続行していただきたいので、回れ右でお願いします」
慈「こいつら、私たちを除け者にすることにためらいがない!」
瑠璃乃「こうなったら、めぐちゃん」
慈「出すしかないね、私たちの秘密兵器を!」
瑠璃乃「やっちまおうぜ相棒っ!」
慈「しかと見よ、これがみらくらぱーく!の切り札だ!」
さやか(そう言った二人が取り出したものは…)
さやか「できればお二人にはそのまま片付けを続行していただきたいので、回れ右でお願いします」
慈「こいつら、私たちを除け者にすることにためらいがない!」
瑠璃乃「こうなったら、めぐちゃん」
慈「出すしかないね、私たちの秘密兵器を!」
瑠璃乃「やっちまおうぜ相棒っ!」
慈「しかと見よ、これがみらくらぱーく!の切り札だ!」
さやか(そう言った二人が取り出したものは…)
0
34: 2024/02/06(火) 22:17:39.00
慈「じゃーーん!」
瑠璃乃「このマイクが目に入らぬか!」
花帆「はあ…」
さやか「なるほど」
慈「そう…私たちも持っていたのだよ、マイクを!名付けて…」
瑠璃乃「み゛~ら゛~く゛~ら゛~マ゛イ゛ク゛~~~~」
瑠璃乃「このマイクが目に入らぬか!」
花帆「はあ…」
さやか「なるほど」
慈「そう…私たちも持っていたのだよ、マイクを!名付けて…」
瑠璃乃「み゛~ら゛~く゛~ら゛~マ゛イ゛ク゛~~~~」
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35: 2024/02/06(火) 22:18:22.00
花帆「まだ、あったんだね」
さやか「…まあ、4本あった時点でそんな気はしてました」
綴理「これでみんなお揃いだね」
梢「それで、瑠璃乃さんはなぜそんなダミ声を出しているの?」
慈「反応が薄いぞ!もっと驚くとこだろ」
瑠璃乃「登場タイミング…遅かったかもね…」
さやか「…まあ、4本あった時点でそんな気はしてました」
綴理「これでみんなお揃いだね」
梢「それで、瑠璃乃さんはなぜそんなダミ声を出しているの?」
慈「反応が薄いぞ!もっと驚くとこだろ」
瑠璃乃「登場タイミング…遅かったかもね…」
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36: 2024/02/06(火) 22:19:21.00
梢「要するにあなたたちもマイクを見つけたからバトルに入れろと、そういうことでいいのかしら?」
瑠璃乃「そうなのですよ!」
瑠璃乃「いくよっ!めぐちゃん!ともに敵をぶっ飛ばそうぜ!」
慈「ん~それは無理じゃないかと」
瑠璃乃「な゛ん゛で゛!?」
慈「いや、だって既に2対2でバトってるんだから、分かれて1人ずつでしょ流れ的には」
瑠璃乃「ルリとめぐちゃんはユニットなのに?てか、一緒に登場したよね?」
瑠璃乃「そうなのですよ!」
瑠璃乃「いくよっ!めぐちゃん!ともに敵をぶっ飛ばそうぜ!」
慈「ん~それは無理じゃないかと」
瑠璃乃「な゛ん゛で゛!?」
慈「いや、だって既に2対2でバトってるんだから、分かれて1人ずつでしょ流れ的には」
瑠璃乃「ルリとめぐちゃんはユニットなのに?てか、一緒に登場したよね?」
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37: 2024/02/06(火) 22:19:51.00
梢「それを言ったらスリーズブーケもDOLLCHESTRAも分かれているのだけれど」
さやか「ですが、たしかにユニットごとにわけて三つ巴の方がいいかもしれません。私としても綴理先輩に攻撃はしたくありませんし」
梢「先ほど思い切りわたくしに攻撃をしていた人が言うセリフではないと思うのだれど…」
花帆「はは…困りましたねー」
綴理「困った、困った」
ゴゴゴゴゴ…
花帆「何?この音?」
さやか「ですが、たしかにユニットごとにわけて三つ巴の方がいいかもしれません。私としても綴理先輩に攻撃はしたくありませんし」
梢「先ほど思い切りわたくしに攻撃をしていた人が言うセリフではないと思うのだれど…」
花帆「はは…困りましたねー」
綴理「困った、困った」
ゴゴゴゴゴ…
花帆「何?この音?」
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38: 2024/02/06(火) 22:21:19.00
沙知「うわあああっ!」
梢「沙知先輩!?」
さやか「なぜ沙知先輩がここに?」
沙知「話は後だよ。それよりあれを」
花帆「あれ?…って」
ンゴオオオオオオ!!!
花帆「なに……あれ」
さやか「なんですかね…あれ」
梢「沙知先輩!?」
さやか「なぜ沙知先輩がここに?」
沙知「話は後だよ。それよりあれを」
花帆「あれ?…って」
ンゴオオオオオオ!!!
花帆「なに……あれ」
さやか「なんですかね…あれ」
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39: 2024/02/06(火) 22:22:45.00
瑠璃乃「なんかでっかくてまっくろでどろどろうねうねで気持ち悪いのがこっちくる?」
慈「あー、めぐちゃんああいう系統はダメかも」
沙知「早く逃げろ!こいつは、あんたらが束になっても勝てない」
梢「逃げろと言われても」
綴理「どこに?」
沙知「どこでもいい早く…」
慈「あー、めぐちゃんああいう系統はダメかも」
沙知「早く逃げろ!こいつは、あんたらが束になっても勝てない」
梢「逃げろと言われても」
綴理「どこに?」
沙知「どこでもいい早く…」
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40: 2024/02/06(火) 22:23:56.00
…………
…………………
…………………………
綴理「…や!さやっ!!」
さやか「……ん」
さやか「綴理…先輩…?」
綴理「…よかった。さや…生きてた」
さやか「あれ?えっと…?」
…………………
…………………………
綴理「…や!さやっ!!」
さやか「……ん」
さやか「綴理…先輩…?」
綴理「…よかった。さや…生きてた」
さやか「あれ?えっと…?」
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41: 2024/02/06(火) 22:24:42.00
さやか「たしか黒いのが…綴理先輩!ケガとかしてませんか?」
綴理「ボクはなんともないよ。さっきまで起きてこなかったさやの方が大変だった」
さやか「それは…ご心配をおかけしました」
さやか「私も特に異常はなさそうなので、ひとますばご安心ください」
綴理「うん、ご安心しておく」
綴理「ボクはなんともないよ。さっきまで起きてこなかったさやの方が大変だった」
さやか「それは…ご心配をおかけしました」
さやか「私も特に異常はなさそうなので、ひとますばご安心ください」
綴理「うん、ご安心しておく」
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42: 2024/02/06(火) 22:25:16.00
さやか(まだあまり頭が働きませんが、現状の把握をしましょう。少なくとも二人無事なのはいい…として)
さやか「…ここは大倉庫ではないようですが…」
さやか「妙に見覚えがあると言いますか、この場所は……その」
綴理「…ボクの教室だね。目が覚めたらここにいたんだ」
さやか「大倉庫からここまではかなりあるような気がしますが」
綴理「あの黒いのがここまで連れてきた、とか?」
さやか「…ここは大倉庫ではないようですが…」
さやか「妙に見覚えがあると言いますか、この場所は……その」
綴理「…ボクの教室だね。目が覚めたらここにいたんだ」
さやか「大倉庫からここまではかなりあるような気がしますが」
綴理「あの黒いのがここまで連れてきた、とか?」
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43: 2024/02/06(火) 22:26:01.00
さやか「誰かその時のことを見ていたりとか、私と綴理先輩以外はどちらに?」
綴理「わからない。見つかったのはさやだけだった」
綴理「起きたらさやが隣にいて、さやが起きてこない。それでさやを起こそうとした……今ここ」
さやか(なるほど、たしかにその状況なら綴理先輩はここを動けないです)
さやか「そもそも、あの黒いのが何かというのもありますね」
綴理「…ごめん。ボクがどんなに考えても答えは出なさそうなんだ」
さやか「あ!いえいえ、綴理先輩にそこまでは求めていないので」
綴理「わからない。見つかったのはさやだけだった」
綴理「起きたらさやが隣にいて、さやが起きてこない。それでさやを起こそうとした……今ここ」
さやか(なるほど、たしかにその状況なら綴理先輩はここを動けないです)
さやか「そもそも、あの黒いのが何かというのもありますね」
綴理「…ごめん。ボクがどんなに考えても答えは出なさそうなんだ」
さやか「あ!いえいえ、綴理先輩にそこまでは求めていないので」
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44: 2024/02/06(火) 22:26:35.00
綴理「そうか…」
綴理「求められていなかったんだね…ボクは」
綴理「みんなを探すこともできない、無力でごめんなさい」
さやか(なっ…!また、この人はっ!)
さやか「そうではないです!」
さやか「というより!この状況で綴理先輩がいることが私にとっては幸運です」
綴理「そう?」
さやか「はい」
綴理「求められていなかったんだね…ボクは」
綴理「みんなを探すこともできない、無力でごめんなさい」
さやか(なっ…!また、この人はっ!)
さやか「そうではないです!」
さやか「というより!この状況で綴理先輩がいることが私にとっては幸運です」
綴理「そう?」
さやか「はい」
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45: 2024/02/06(火) 22:27:24.00
さやか「綴理先輩は確実に力になります!先ほどのマイクはまだ持ってますか?」
綴理「あ、うん…はい」
さやか「梢先輩とバトルをしてわかりました。このマイクが具現化するのはその人の世界…ならば!」
さやか「聴く人を魅了してやまない、私自身もその鮮やかさに惹かれた綴理先輩の世界は……何者にも負けない力になる」
さやか「綴理先輩は私の一番のスクールアイドルなのですから!自信を持ってください」
綴理「う…うーんと」
さやか「綴理先輩?」
綴理「これは、今すぐに言うべきことだね。きっとそう」
綴理「あ、うん…はい」
さやか「梢先輩とバトルをしてわかりました。このマイクが具現化するのはその人の世界…ならば!」
さやか「聴く人を魅了してやまない、私自身もその鮮やかさに惹かれた綴理先輩の世界は……何者にも負けない力になる」
さやか「綴理先輩は私の一番のスクールアイドルなのですから!自信を持ってください」
綴理「う…うーんと」
さやか「綴理先輩?」
綴理「これは、今すぐに言うべきことだね。きっとそう」
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46: 2024/02/06(火) 22:28:37.00
綴理「さや、少し見ていてほしい」
さやか「……?」
綴理「ほい」ヒューン
さやか「いきなり何を?…って」
さやか「…………何も出てこない?」
さやか(綴理先輩はたしかにマイクを使おうとした)
さやか(にもかかわらず、私の時のような珍妙な物体は出てこない)
綴理「こういうことなんだ」
綴理「力にはなれそうにない。ごめん」
さやか「……?」
綴理「ほい」ヒューン
さやか「いきなり何を?…って」
さやか「…………何も出てこない?」
さやか(綴理先輩はたしかにマイクを使おうとした)
さやか(にもかかわらず、私の時のような珍妙な物体は出てこない)
綴理「こういうことなんだ」
綴理「力にはなれそうにない。ごめん」
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47: 2024/02/06(火) 22:30:09.00
さやか「私が使ってもいいですか?もしかしたら、マイク側の問題かもしれないですし」
綴理「え、うん」
さやか(…と、私が綴理先輩からマイクを受け取ると)
さやかスピーカー「」ドオオオオオオン
さやか「………出ましたね」
綴理「やっぱりボクのせい」
さやか「えっと………そうです!あまりにも綴理先輩がすごすぎるのでマイクが追いついていないとか」
綴理「そうなのかな」
綴理「え、うん」
さやか(…と、私が綴理先輩からマイクを受け取ると)
さやかスピーカー「」ドオオオオオオン
さやか「………出ましたね」
綴理「やっぱりボクのせい」
さやか「えっと………そうです!あまりにも綴理先輩がすごすぎるのでマイクが追いついていないとか」
綴理「そうなのかな」
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48: 2024/02/06(火) 22:30:44.00
さやか「そうに決まってます。だいたい、こんな変なものが出せるかどうかなんて大した話ではないと思います」
さやか「それよりも今はみなさんと合流するのが最優先です」
綴理「そうだね。うん」
綴理「あ、一つ気になったんだけど」
さやか「なんでしょう」
綴理「今日って学校は休みだったっけ?」
さやか「何を言ってるんですか…ちゃんと授業が…」
さやか「あ…」
さやか「それよりも今はみなさんと合流するのが最優先です」
綴理「そうだね。うん」
綴理「あ、一つ気になったんだけど」
さやか「なんでしょう」
綴理「今日って学校は休みだったっけ?」
さやか「何を言ってるんですか…ちゃんと授業が…」
さやか「あ…」
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49: 2024/02/06(火) 22:32:23.00
さやか(そうだ、今日は平日なんだ。にもかかわらず教室どころか廊下にも人ひとりいない)
さやか「おかしいですね。この時間ならまだ誰か教室にいてもいいのに」
綴理「ボクたち以外は避難訓練とか?」
さやか「まさかそんな」
綴理「……だよね」
さやか「と、とりあえず!人が集まってそうなところを目指します!そう、体育館!避難訓練なら体育館に集まっているかも!」
さやか「おかしいですね。この時間ならまだ誰か教室にいてもいいのに」
綴理「ボクたち以外は避難訓練とか?」
さやか「まさかそんな」
綴理「……だよね」
さやか「と、とりあえず!人が集まってそうなところを目指します!そう、体育館!避難訓練なら体育館に集まっているかも!」
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50: 2024/02/06(火) 22:33:48.00
綴理「体育館か…いるかな?」
さやか「行ってみないことにはわかりませんよ」
綴理「そっか、じゃあ体育館にレッツゴーだね」
さやか「はい、おー!です」
さやか(そんなこんなで体育館を目指して綴理先輩と私は進むことになった)
綴理「♪~~」
さやか「あ、それ新曲ですか?」
綴理「なんとなく今浮かんだんだ」
さやか「行ってみないことにはわかりませんよ」
綴理「そっか、じゃあ体育館にレッツゴーだね」
さやか「はい、おー!です」
さやか(そんなこんなで体育館を目指して綴理先輩と私は進むことになった)
綴理「♪~~」
さやか「あ、それ新曲ですか?」
綴理「なんとなく今浮かんだんだ」
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51: 2024/02/06(火) 22:35:03.00
綴理「これは、名曲の予感がしている」
さやか「自分でいいますかそれを」
綴理「いないね。誰も」
さやか「ここまで人がいないというのは入学以来はじめてですね」
綴理「みんなどこに行ったんだろう」
さやか「神隠しにでも会ったんでしょうか」
さやか(とても静かになったとはいえ、いつもの学校)
さやか(……だからかもしれない…いきなりのことに対応できなかった)
さやか「自分でいいますかそれを」
綴理「いないね。誰も」
さやか「ここまで人がいないというのは入学以来はじめてですね」
綴理「みんなどこに行ったんだろう」
さやか「神隠しにでも会ったんでしょうか」
さやか(とても静かになったとはいえ、いつもの学校)
さやか(……だからかもしれない…いきなりのことに対応できなかった)
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52: 2024/02/06(火) 22:35:50.00
DOLLCHESTRA②
夕霧綴理
~瞼を焼いたボクの赤
ふと呟いたボクのバカ~
キイイイイイイイイイ
綴理「っ!」
さやか「綴理先輩!!」
綴理(耳鳴りのような頭を刺す音)
綴理(眼球が痛みに耐えかねて光を失う、それでも痛みは治らず、頭を抱えて瞼を閉じる)
綴理(いや、閉じたんだと思う)
夕霧綴理
~瞼を焼いたボクの赤
ふと呟いたボクのバカ~
キイイイイイイイイイ
綴理「っ!」
さやか「綴理先輩!!」
綴理(耳鳴りのような頭を刺す音)
綴理(眼球が痛みに耐えかねて光を失う、それでも痛みは治らず、頭を抱えて瞼を閉じる)
綴理(いや、閉じたんだと思う)
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53: 2024/02/07(水) 18:17:47.00
綴理「…あれ?」
綴理(そんなに長い時間経ってはなかったと思う)
綴理(だけど、ボクは確かに気を失ってて、目が覚めたら)
綴理「あれ?」
綴理(周りは森だった)
綴理「さや?」
綴理「さやー?」
綴理「さやー迷子?」
綴理(そんなに長い時間経ってはなかったと思う)
綴理(だけど、ボクは確かに気を失ってて、目が覚めたら)
綴理「あれ?」
綴理(周りは森だった)
綴理「さや?」
綴理「さやー?」
綴理「さやー迷子?」
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54: 2024/02/07(水) 18:19:09.00
綴理(返事は無い。どうやらさやとはぐれたみたいだ)
綴理「さやがボクから離れるなんてめずらしい」
綴理「まずはさやを探した方がよさそうだ」
綴理(さて、人によっては慌ててしまうかもしれない)
綴理(ではなぜボクは慌てていないか…答えは簡単だ)
綴理(さっきボクたちは体育館に向かっていた。ならば…)
綴理(体育館に向かえば、さやがいる!我ながら冴えている)
綴理「さやがボクから離れるなんてめずらしい」
綴理「まずはさやを探した方がよさそうだ」
綴理(さて、人によっては慌ててしまうかもしれない)
綴理(ではなぜボクは慌てていないか…答えは簡単だ)
綴理(さっきボクたちは体育館に向かっていた。ならば…)
綴理(体育館に向かえば、さやがいる!我ながら冴えている)
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55: 2024/02/07(水) 18:20:15.00
綴理「では体育館へ」
綴理「………」
綴理「体育館はどっち?」
綴理「………困った」
???「体育館に行きたいなら行けばいいけど、まずはここを出なきゃかな」
綴理「ん?」
綴理「この声、聞き覚えのあるような無いような」
綴理「………」
綴理「体育館はどっち?」
綴理「………困った」
???「体育館に行きたいなら行けばいいけど、まずはここを出なきゃかな」
綴理「ん?」
綴理「この声、聞き覚えのあるような無いような」
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56: 2024/02/07(水) 18:21:01.00
綴理(どこからともなくいきなり現れたのは)
シャドウ綴理「やっほー。夕霧綴理の影、シャドウ綴理だよー」
綴理「……?」
シャドウ綴理「…ダメ…だったか…」
綴理「あ、いや…なんとなく伝わったよ?」
シャドウ綴理「そうか、それはよかった」
綴理(うーん、なんだろう)
綴理(鏡の中からボクみたいな何かが抜け出してきたような)
シャドウ綴理「やっほー。夕霧綴理の影、シャドウ綴理だよー」
綴理「……?」
シャドウ綴理「…ダメ…だったか…」
綴理「あ、いや…なんとなく伝わったよ?」
シャドウ綴理「そうか、それはよかった」
綴理(うーん、なんだろう)
綴理(鏡の中からボクみたいな何かが抜け出してきたような)
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57: 2024/02/07(水) 18:22:08.00
綴理「そんな感じ?」
シャドウ綴理「……なにが?」
綴理「いや、うん」
綴理「………」
シャドウ綴理「………」
シャドウ綴理「あ、質問あるならどうぞどうぞ」
綴理「え?うーん……はい」
綴理(ボクと話すってこんな感じなのか)
綴理(こずやめぐの気持ちが、少しだけわかった)
シャドウ綴理「……なにが?」
綴理「いや、うん」
綴理「………」
シャドウ綴理「………」
シャドウ綴理「あ、質問あるならどうぞどうぞ」
綴理「え?うーん……はい」
綴理(ボクと話すってこんな感じなのか)
綴理(こずやめぐの気持ちが、少しだけわかった)
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58: 2024/02/07(水) 18:22:55.00
綴理(質問、質問か…)
綴理「キミはボク?だよね」
シャドウ綴理「そうだね。ボクはキミ、夕霧綴理の…」
シャドウ綴理「…………」
シャドウ綴理「なんかいろいろが混ざり合ってここにいるんだ」
綴理「……説明が面倒だから手抜きした?」
シャドウ綴理「それでね。ここはキミの精神世界なんだ」
綴理(強引に進めた!)
綴理「キミはボク?だよね」
シャドウ綴理「そうだね。ボクはキミ、夕霧綴理の…」
シャドウ綴理「…………」
シャドウ綴理「なんかいろいろが混ざり合ってここにいるんだ」
綴理「……説明が面倒だから手抜きした?」
シャドウ綴理「それでね。ここはキミの精神世界なんだ」
綴理(強引に進めた!)
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59: 2024/02/07(水) 18:24:25.00
シャドウ綴理「そして出口は頂上」
綴理「ちょう、じょう?」
シャドウ綴理「あっち」
綴理(シャドウ?のボクの指さす先を見ると)
綴理(森の先が少し上り坂になっているようだった)
シャドウ綴理「この山の頂上まで行けば出られるよ」
綴理「ここは、山だったのか」
綴理「教えてくれてありがとうございます」
綴理「ちょう、じょう?」
シャドウ綴理「あっち」
綴理(シャドウ?のボクの指さす先を見ると)
綴理(森の先が少し上り坂になっているようだった)
シャドウ綴理「この山の頂上まで行けば出られるよ」
綴理「ここは、山だったのか」
綴理「教えてくれてありがとうございます」
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60: 2024/02/07(水) 18:42:41.00
シャドウ綴理「いえ、それほどでも」
綴理「……あれ?」
綴理「ここはボクの心の中で、山?」
シャドウ綴理「そうだね。だから登らないといけない」
シャドウ綴理「そして、途中にはそれなりに危ないものもある」
綴理「わかった。気をつけるよ」
綴理「……あれ?」
綴理「ここはボクの心の中で、山?」
シャドウ綴理「そうだね。だから登らないといけない」
シャドウ綴理「そして、途中にはそれなりに危ないものもある」
綴理「わかった。気をつけるよ」
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61: 2024/02/07(水) 18:43:35.00
綴理「では、お元気で」
シャドウ「うん、がんばって」
スタスタスタ
綴理「……」
シャドウ綴理「……」
綴理(どうも着いてきているようだ)
綴理「あの?」
シャドウ綴理「いえ、お構いなく」
シャドウ「うん、がんばって」
スタスタスタ
綴理「……」
シャドウ綴理「……」
綴理(どうも着いてきているようだ)
綴理「あの?」
シャドウ綴理「いえ、お構いなく」
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62: 2024/02/07(水) 18:44:31.00
綴理「それは難しいかな」.
シャドウ綴理「ボクが着いて行きたいだけなので」
綴理「そっか、ならいいか」
スタスタ
綴理「……」
シャドウ綴理「………」
綴理「いやいや、おかしい!」
シャドウ綴理「ボクが着いて行きたいだけなので」
綴理「そっか、ならいいか」
スタスタ
綴理「……」
シャドウ綴理「………」
綴理「いやいや、おかしい!」
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63: 2024/02/07(水) 18:45:31.00
綴理「これは…無理だ」
シャドウ綴理「どうかした?」
綴理「…やりにくい」
シャドウ綴理「やはりか。ごめんなさい」
綴理「とりあえず一緒に行く?えーと…」
綴理「キミ…ボク?……うーん、あなたをどう呼べばいいんだろ?」
シャドウ綴理「…夕霧綴理?」
綴理「それはボクも同じだからややこしい」
シャドウ綴理「どうかした?」
綴理「…やりにくい」
シャドウ綴理「やはりか。ごめんなさい」
綴理「とりあえず一緒に行く?えーと…」
綴理「キミ…ボク?……うーん、あなたをどう呼べばいいんだろ?」
シャドウ綴理「…夕霧綴理?」
綴理「それはボクも同じだからややこしい」
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64: 2024/02/07(水) 18:46:26.00
シャドウ綴理「盲点だった。今の今までその発想はなかった」
シャドウ綴理「うーん、困った」
綴理「前もって考えておくべきだったのでは?」
シャドウ綴理「返す言葉もないです。うん、キミが決めていいよ」
綴理(これは…こんにゃくみたいな会話だ)
綴理(グニャグニャして、掴もうとするとスルッとしちゃう)
シャドウ綴理「うーん、困った」
綴理「前もって考えておくべきだったのでは?」
シャドウ綴理「返す言葉もないです。うん、キミが決めていいよ」
綴理(これは…こんにゃくみたいな会話だ)
綴理(グニャグニャして、掴もうとするとスルッとしちゃう)
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65: 2024/02/07(水) 20:57:36.00
綴理「呼ぶとしたらもう一人のボク、かな」
シャドウ綴理「いいね、それ」
綴理「じゃあ進もうか…もう一人のボク」
綴理(後を付いてくるもう一人のボクと共に頂上を目指す)
綴理(しばらくはただの森だった、でも)
綴理「……これは、どうすれば」
綴理(ボクらの前には一面のいばらが広がっていた)
シャドウ綴理「いいね、それ」
綴理「じゃあ進もうか…もう一人のボク」
綴理(後を付いてくるもう一人のボクと共に頂上を目指す)
綴理(しばらくはただの森だった、でも)
綴理「……これは、どうすれば」
綴理(ボクらの前には一面のいばらが広がっていた)
0
66: 2024/02/07(水) 20:58:23.00
綴理「これは進めないな」
シャドウ綴理「どうやらボクの出番みたいだね」
シャドウ綴理「ほら」
綴理(もうひとりのボクが手をかざすと目の前のいばらは消えていった)
綴理「おおおっ」
シャドウ綴理「わかった?ボクがなんで着いてきたのか」
綴理「なるほど、キミがいればこうやって進めると」
シャドウ綴理「そういうこと」
綴理「よし、一緒にいこう」
シャドウ綴理「どうやらボクの出番みたいだね」
シャドウ綴理「ほら」
綴理(もうひとりのボクが手をかざすと目の前のいばらは消えていった)
綴理「おおおっ」
シャドウ綴理「わかった?ボクがなんで着いてきたのか」
綴理「なるほど、キミがいればこうやって進めると」
シャドウ綴理「そういうこと」
綴理「よし、一緒にいこう」
0
67: 2024/02/07(水) 20:59:03.00
綴理(ボクともう一人のボクは頂上を目指す)
綴理(途中いろんなものが立ちはだかった)
綴理(トゲトゲのいばら、よくわからないこわい魔物、ごろごろ転がってくる岩、そういうのをもう一人のボクが消してくれたこともあって揚げたてのポテトみたいにさくさく進んでいけた)
シャドウ綴理「あと少しで頂上かな」
綴理「この先は…またトゲトゲだね」
綴理(途中いろんなものが立ちはだかった)
綴理(トゲトゲのいばら、よくわからないこわい魔物、ごろごろ転がってくる岩、そういうのをもう一人のボクが消してくれたこともあって揚げたてのポテトみたいにさくさく進んでいけた)
シャドウ綴理「あと少しで頂上かな」
綴理「この先は…またトゲトゲだね」
0
68: 2024/02/07(水) 21:15:50.00
シャドウ綴理「ボクにまかせて」
綴理「うん、頼んだ」
綴理(もう一人のボクが道を塞ぐトゲトゲを消そうとする…その瞬間)
綴理「待って」
綴理(なんでそうしたのかわからない。ボクはトゲトゲに触っていた)
ザクッ…
綴理「っっ!」
綴理(その瞬間、流れ込んできた)
綴理「うん、頼んだ」
綴理(もう一人のボクが道を塞ぐトゲトゲを消そうとする…その瞬間)
綴理「待って」
綴理(なんでそうしたのかわからない。ボクはトゲトゲに触っていた)
ザクッ…
綴理「っっ!」
綴理(その瞬間、流れ込んできた)
0
69: 2024/02/07(水) 21:17:31.00
~~~~~~~~~~~
11月????日
こ??が勝手に振り付けを変えた。
ボクのためって言ってたけど、ボ??はそんなの頼んでない。
??ずは嘘は言っていないと思う。でも話してくれないことがある。
こずのことがわか??なくなりそうだ。
~~~~~~~~~~~
11月????日
こ??が勝手に振り付けを変えた。
ボクのためって言ってたけど、ボ??はそんなの頼んでない。
??ずは嘘は言っていないと思う。でも話してくれないことがある。
こずのことがわか??なくなりそうだ。
~~~~~~~~~~~
0
70: 2024/02/07(水) 21:18:35.00
綴理「こ……れ……」
シャドウ綴理「えっと、そこにいると上手くできないからどいてくれる?」
綴理「あ…れ?もしかして」
綴理(よろけて、またトゲトゲに手が触れる)
シャドウ綴理「えっと、そこにいると上手くできないからどいてくれる?」
綴理「あ…れ?もしかして」
綴理(よろけて、またトゲトゲに手が触れる)
0
71: 2024/02/07(水) 21:22:08.00
~~~~~~~~~~~
11月1??日
??ぐが踊??なくなった
どうしよう。ボクは何ができ??んだろう
~~~~~~~~~~~
綴理「…ま、まさか…」
~~~~~~~~~~~
10月3??日
????がステ??ジから落ちた
なにがあったかすぐにはわからなかった
め??は大丈夫だよって言ってた、でも心配
~~~~~~~~~~~
11月1??日
??ぐが踊??なくなった
どうしよう。ボクは何ができ??んだろう
~~~~~~~~~~~
綴理「…ま、まさか…」
~~~~~~~~~~~
10月3??日
????がステ??ジから落ちた
なにがあったかすぐにはわからなかった
め??は大丈夫だよって言ってた、でも心配
~~~~~~~~~~~
0
72: 2024/02/07(水) 21:24:06.00
綴理「……これは」
シャドウ綴理「どいて欲しかったけど、やるよ?いいよね?」
綴理「待って……!」
綴理(もう一人のボクが手を差し出した瞬間)
綴理(はっきりと感じた。なにかが抜け落ちた感覚を)
綴理「………」
シャドウ綴理「うーん、キミが邪魔で全部はできなかったか。半分くらい残った」
シャドウ綴理「どいて欲しかったけど、やるよ?いいよね?」
綴理「待って……!」
綴理(もう一人のボクが手を差し出した瞬間)
綴理(はっきりと感じた。なにかが抜け落ちた感覚を)
綴理「………」
シャドウ綴理「うーん、キミが邪魔で全部はできなかったか。半分くらい残った」
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73: 2024/02/07(水) 21:29:08.00
綴理「えっと、たしか…さっきボクは」
綴理(さっきまでのボクをたぐり寄せる)
綴理(たしか、こずとめぐのことを考えていた…気がする)
綴理「こず…めぐ…えっと、ボクはこずとめぐのことを…」
シャドウ綴理「こずとめぐがどうしたの?」
綴理「……」
シャドウ綴理「こずは頼りになるよね。スカウトが来た時は大変だったけど」
綴理(さっきまでのボクをたぐり寄せる)
綴理(たしか、こずとめぐのことを考えていた…気がする)
綴理「こず…めぐ…えっと、ボクはこずとめぐのことを…」
シャドウ綴理「こずとめぐがどうしたの?」
綴理「……」
シャドウ綴理「こずは頼りになるよね。スカウトが来た時は大変だったけど」
0
74: 2024/02/08(木) 20:54:10.00
綴理「そ、そうだ!こずにスカウトが来て、ボクは行ったほうがいいって言ってしまった」
綴理(あれ?)
綴理「なんでそんなこと……ボク、言ったんだろ」
シャドウ綴理「なるほど。だいぶできたみたいだ」
綴理「質問がある」
シャドウ綴理「なにかな?」
綴理(あれ?)
綴理「なんでそんなこと……ボク、言ったんだろ」
シャドウ綴理「なるほど。だいぶできたみたいだ」
綴理「質問がある」
シャドウ綴理「なにかな?」
0
75: 2024/02/08(木) 20:55:00.00
綴理「ボク、さっきからおかしいんだ」
綴理「心に穴が空いているような」
シャドウ綴理「…………」
シャドウ綴理「…………またか」
綴理「え?」
シャドウ綴理「またその質問なんだ」
シャドウ綴理「…さすがにそろそろ限界かな」
綴理「心に穴が空いているような」
シャドウ綴理「…………」
シャドウ綴理「…………またか」
綴理「え?」
シャドウ綴理「またその質問なんだ」
シャドウ綴理「…さすがにそろそろ限界かな」
0
76: 2024/02/08(木) 20:55:43.00
綴理「また?そろそろ限界?」
シャドウ綴理「もう、5回目なんだよ。その質問」
シャドウ綴理「あ、でもそっか、キミにとってはいつも1回目だよね。ごめん」
綴理「………何を言っているんだ?」
シャドウ綴理「言葉通りなんだけどな。キミはボクにもう5回も同じことを質問している」
シャドウ綴理「そしてそのたびに忘れているんだ」
綴理「…??どういう………こと?」
シャドウ綴理「もう、5回目なんだよ。その質問」
シャドウ綴理「あ、でもそっか、キミにとってはいつも1回目だよね。ごめん」
綴理「………何を言っているんだ?」
シャドウ綴理「言葉通りなんだけどな。キミはボクにもう5回も同じことを質問している」
シャドウ綴理「そしてそのたびに忘れているんだ」
綴理「…??どういう………こと?」
0
77: 2024/02/09(金) 03:34:11.00
シャドウ綴理「あ…でもね、4回目までのキミは今とは少し違ってたよ?」
シャドウ綴理「こずやめぐについて話す時、キミはなんかおかしかった。心は痛んでいたのにどこか嬉しそうだった」
シャドウ綴理「でもね。ボクがここで何をしていたかを話したら…一気に痛みが広がって、苦しそうだった」
シャドウ綴理「だからね…その苦しいのも食べてあげたんだ。4回」
綴理「待ってほしい。いろいろと追いつかない…溺れそうだ」
綴理「ねぇ、今までキミが消してきたものはなんなの?もしかして…」
シャドウ綴理「こずやめぐについて話す時、キミはなんかおかしかった。心は痛んでいたのにどこか嬉しそうだった」
シャドウ綴理「でもね。ボクがここで何をしていたかを話したら…一気に痛みが広がって、苦しそうだった」
シャドウ綴理「だからね…その苦しいのも食べてあげたんだ。4回」
綴理「待ってほしい。いろいろと追いつかない…溺れそうだ」
綴理「ねぇ、今までキミが消してきたものはなんなの?もしかして…」
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78: 2024/02/09(金) 03:35:04.00
シャドウ綴理「消してきた、か…それは少し違うかな?」
シャドウ綴理「今言ったんだけど。あのね、ボクはね…」
綴理(もう一人のボクが、ボクに向けて手を出す)
綴理「…あ」
綴理(ようやく気づいた…目を凝らして、わかった)
綴理(もう一人のボクの体から透明なもやもやが出ていた)
綴理「なに……そのもやもや…」
シャドウ綴理「今言ったんだけど。あのね、ボクはね…」
綴理(もう一人のボクが、ボクに向けて手を出す)
綴理「…あ」
綴理(ようやく気づいた…目を凝らして、わかった)
綴理(もう一人のボクの体から透明なもやもやが出ていた)
綴理「なに……そのもやもや…」
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79: 2024/02/09(金) 03:36:12.00
シャドウ綴理「そんなに怯えないで。……いや、怯えた方がボクとしてはいいのかな?」
シャドウ綴理「もう5回目だけど、答えるね」
シャドウ綴理「何回か出てきたいばらとか、トゲトゲとか、怪物とか、ボクたちの前に現れた危険なものはね…キミ、夕霧綴理の嫌な記憶が変化したものなんだ」
シャドウ綴理「どうもね、ここではキミの嫌な記憶がキミを傷つけようとしてくるらしいんだよ」
綴理「ボクの記憶が、ボクを?」
シャドウ綴理「だからボクは食べたんだ。夕霧綴理の痛みと恐怖の記憶を…夕霧綴理を守るために」
シャドウ綴理「もう5回目だけど、答えるね」
シャドウ綴理「何回か出てきたいばらとか、トゲトゲとか、怪物とか、ボクたちの前に現れた危険なものはね…キミ、夕霧綴理の嫌な記憶が変化したものなんだ」
シャドウ綴理「どうもね、ここではキミの嫌な記憶がキミを傷つけようとしてくるらしいんだよ」
綴理「ボクの記憶が、ボクを?」
シャドウ綴理「だからボクは食べたんだ。夕霧綴理の痛みと恐怖の記憶を…夕霧綴理を守るために」
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80: 2024/02/09(金) 03:37:05.00
シャドウ綴理「信じてほしい…ボクはキミを守りたかったんだよ」
綴理「なん…で?」
シャドウ綴理「それが生まれた理由だからかな」
シャドウ綴理「キミ自身が嫌な記憶に傷つけられないようにキミを守る、そのためにボクがここにいるんだから」
シャドウ綴理「別に悪い話でもないよ。痛かった記憶を抱え続けて生きればもっと痛くなる。それが無くなるんだ」
綴理「…それは」
シャドウ綴理「痛いのはイヤ。苦しいことがなくなればいい。怖い思いはしたくない…そうだよね?」
綴理「なん…で?」
シャドウ綴理「それが生まれた理由だからかな」
シャドウ綴理「キミ自身が嫌な記憶に傷つけられないようにキミを守る、そのためにボクがここにいるんだから」
シャドウ綴理「別に悪い話でもないよ。痛かった記憶を抱え続けて生きればもっと痛くなる。それが無くなるんだ」
綴理「…それは」
シャドウ綴理「痛いのはイヤ。苦しいことがなくなればいい。怖い思いはしたくない…そうだよね?」
0
81: 2024/02/09(金) 03:37:45.00
綴理「だけど、だけど…」
シャドウ綴理「…………見て」
綴理(もう一人のボクがシャツを捲り上げてお腹を見せる)
綴理「……?っ」
綴理(見てしまったことを後悔した…そこにあったのは)
綴理(ざっくりと、体を引き裂く傷痕、それも一つや二つじゃない)
綴理(もう一人のボクの体を這い回って、何十匹もの真っ赤なヘビのような、深い傷跡がいくつも、いくつも、体に刻まれていた)
綴理(咄嗟に口を抑えたから吐かずに済んだけど、喉の奥がヒリヒリと焼け焦げて痛い)
シャドウ綴理「…………見て」
綴理(もう一人のボクがシャツを捲り上げてお腹を見せる)
綴理「……?っ」
綴理(見てしまったことを後悔した…そこにあったのは)
綴理(ざっくりと、体を引き裂く傷痕、それも一つや二つじゃない)
綴理(もう一人のボクの体を這い回って、何十匹もの真っ赤なヘビのような、深い傷跡がいくつも、いくつも、体に刻まれていた)
綴理(咄嗟に口を抑えたから吐かずに済んだけど、喉の奥がヒリヒリと焼け焦げて痛い)
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82: 2024/02/09(金) 03:38:20.00
シャドウ綴理「キミの痛みを食べる度にね、ボクの体にこれが刻まれていった」
綴理「はあ…はあ…」
シャドウ綴理「これがキミの抱えた辛い記憶の形だ。ボクの場合は体だけど…キミは心にこれを抱えて生きるのかい?」
綴理(息がうまくできない)
シャドウ綴理「ボクはこれでいい、ボクがこれを抱えていれば夕霧綴理の心はもう痛まないのだから」
綴理(だっておかしいこんなの…)
綴理(なんで…笑ってるの?)
綴理「はあ…はあ…」
シャドウ綴理「これがキミの抱えた辛い記憶の形だ。ボクの場合は体だけど…キミは心にこれを抱えて生きるのかい?」
綴理(息がうまくできない)
シャドウ綴理「ボクはこれでいい、ボクがこれを抱えていれば夕霧綴理の心はもう痛まないのだから」
綴理(だっておかしいこんなの…)
綴理(なんで…笑ってるの?)
0
83: 2024/02/09(金) 03:39:10.00
シャドウ綴理「これはボクがここにいる印。キミを救ったボクの偉業…あと少しで全部刻まれる」
シャドウ綴理「それで最後にキミがボクを忘れれば完成だ」
綴理「やめて…やめて…ボクの顔で…声で」
シャドウ綴理「ね?どっちも得しかしないんだ」
シャドウ綴理「だから…さ」
「もっと、食べさせてよ、夕霧綴理の…痛みを」
シャドウ綴理「それで最後にキミがボクを忘れれば完成だ」
綴理「やめて…やめて…ボクの顔で…声で」
シャドウ綴理「ね?どっちも得しかしないんだ」
シャドウ綴理「だから…さ」
「もっと、食べさせてよ、夕霧綴理の…痛みを」
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84: 2024/02/09(金) 03:44:39.00
綴理(もやもやがボクにせまってくる…)
綴理(後ずさると…)
ザワワワワッ
綴理(後ろからはイバラが生えてきた…そうか、多分だけど今までもこうやってボクの進む先に)
綴理「いやだ、いやだ、無くすなんて」
シャドウ綴理「…ずっとキミはそればかりだね」
綴理「………え?」
綴理(後ずさると…)
ザワワワワッ
綴理(後ろからはイバラが生えてきた…そうか、多分だけど今までもこうやってボクの進む先に)
綴理「いやだ、いやだ、無くすなんて」
シャドウ綴理「…ずっとキミはそればかりだね」
綴理「………え?」
0
85: 2024/02/09(金) 08:51:33.00
シャドウ綴理「いやだと声をあげはしてもそこまで。まあ、記憶を消せば大人しくなったけど」
シャドウ綴理「いやなのに、そうならない方法を考えることさえしない」
シャドウ綴理「これは救いなんだよ?キミが嫌なものにこれ以上苦しまないで済むための」
シャドウ綴理「それなのに何度も何度も同じことを繰り返して…」
シャドウ綴理「……そうだ、いいことを思いついた」
綴理「いい…こと?」
シャドウ綴理「いやなのに、そうならない方法を考えることさえしない」
シャドウ綴理「これは救いなんだよ?キミが嫌なものにこれ以上苦しまないで済むための」
シャドウ綴理「それなのに何度も何度も同じことを繰り返して…」
シャドウ綴理「……そうだ、いいことを思いついた」
綴理「いい…こと?」
0
86: 2024/02/10(土) 04:01:57.00
シャドウ綴理「うん、無理やり食べるのはやっぱり良くないからね」
シャドウ綴理「これから先はキミが望まない限り食べない」
シャドウ綴理「でもね、ボクが食べないってことはさ…」
ザクッ
綴理「痛っ!」
綴理(イバラが…もうこんなに近くに)
綴理(あ…!)
綴理(流れ込んでくる)
シャドウ綴理「ここから出るために、そういうのをどんどん味わうってことだよ」
シャドウ綴理「これから先はキミが望まない限り食べない」
シャドウ綴理「でもね、ボクが食べないってことはさ…」
ザクッ
綴理「痛っ!」
綴理(イバラが…もうこんなに近くに)
綴理(あ…!)
綴理(流れ込んでくる)
シャドウ綴理「ここから出るために、そういうのをどんどん味わうってことだよ」
0
87: 2024/02/10(土) 04:02:32.00
綴理「あ……ああ……」
綴理(頭が割れそうだ)
シャドウ綴理「だからさ。ボクのいう通りにしてよ」
綴理(見える、聞こえる…でも、それがいつのことかよくわからない)
綴理(ただ、痛かった、怖かった)
綴理「う…うああああああああああああああっ!!」
綴理(頭が割れそうだ)
シャドウ綴理「だからさ。ボクのいう通りにしてよ」
綴理(見える、聞こえる…でも、それがいつのことかよくわからない)
綴理(ただ、痛かった、怖かった)
綴理「う…うああああああああああああああっ!!」
0
88: 2024/02/10(土) 04:03:16.00
綴理(もう一人のボクに背中を向けて、走る、走る、走る)
綴理(逃げなきゃ、逃げなきゃ!逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ!)
シャドウ綴理「ああ、待って」
シャドウ綴理「………別にいいか。出たいならまたここに来ないとだし
シャドウ綴理「また会おうね」
綴理(逃げなきゃ、逃げなきゃ!逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ!)
シャドウ綴理「ああ、待って」
シャドウ綴理「………別にいいか。出たいならまたここに来ないとだし
シャドウ綴理「また会おうね」
0
89: 2024/02/10(土) 11:02:38.00
綴理「はあ、はあ、はあ」
綴理(もう一人のボクは追ってこないようだった)
綴理「はぁはぁ…良かっ……??っ!!」
ドサアアッ
綴理(安心したからか、また体の奥からヒリヒリするのが湧き出してきて)
綴理(そのせいで…バランスを崩して倒れてしまった)
綴理「……あ…あ…あああっ」
綴理(さっきみた色んなものが頭に浮かんでくる)
綴理(もう一人のボクは追ってこないようだった)
綴理「はぁはぁ…良かっ……??っ!!」
ドサアアッ
綴理(安心したからか、また体の奥からヒリヒリするのが湧き出してきて)
綴理(そのせいで…バランスを崩して倒れてしまった)
綴理「……あ…あ…あああっ」
綴理(さっきみた色んなものが頭に浮かんでくる)
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90: 2024/02/10(土) 11:03:10.00
綴理「いやだいやだたすけてたすけてたすけてたすけていやだたすけてくださいいやだこわいたすけて…」
綴理(言葉を喋ってないと気が狂いそうだ、これはこれで狂ってるのかもしれないけど)
綴理「…っ!」
綴理(近くにあった木に手を付こうとして、手の痛みに気づいた)
綴理(さっきのイバラの傷、結構深いみたいだ)
綴理「あ…あはは…」
綴理(皮肉だけど、不意の痛みで少し落ちついた)
綴理(こんな傷の痛みにすら気づかないくらい、ボクは慌ててたみたいだ)
綴理(言葉を喋ってないと気が狂いそうだ、これはこれで狂ってるのかもしれないけど)
綴理「…っ!」
綴理(近くにあった木に手を付こうとして、手の痛みに気づいた)
綴理(さっきのイバラの傷、結構深いみたいだ)
綴理「あ…あはは…」
綴理(皮肉だけど、不意の痛みで少し落ちついた)
綴理(こんな傷の痛みにすら気づかないくらい、ボクは慌ててたみたいだ)
0
91: 2024/02/10(土) 11:03:56.00
綴理「……座ろう」
綴理(膝を抱いて座る…うん、これは落ち着くぞ)
綴理(制服はところどころ破れてる、お気に入りの手袋も靴下も靴もボロボロ、これはひどいな)
綴理(今は…とりあえず安全なんだと思う)
綴理(もう一人のボクは追ってこない。それにボクの意思を無視しないと言ってた)
綴理(少しだけ一緒にいてわかった。あれはいいことをしたいボク、だから悪いことはしないはず)
綴理(膝を抱いて座る…うん、これは落ち着くぞ)
綴理(制服はところどころ破れてる、お気に入りの手袋も靴下も靴もボロボロ、これはひどいな)
綴理(今は…とりあえず安全なんだと思う)
綴理(もう一人のボクは追ってこない。それにボクの意思を無視しないと言ってた)
綴理(少しだけ一緒にいてわかった。あれはいいことをしたいボク、だから悪いことはしないはず)
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92: 2024/02/10(土) 20:51:43.00
綴理「あれ?だったら」
綴理「忘れるのは、いいこと?」
綴理「……ううん、いいことだとしてもボクはいやだ」
綴理(忘れるなんていやだ。それはずっとはっきりしている)
綴理「でも…そうなったらもう一人のボクの力は借りれない…」
綴理「どうやって頂上までいけばいいんだ…」
綴理「忘れるのは、いいこと?」
綴理「……ううん、いいことだとしてもボクはいやだ」
綴理(忘れるなんていやだ。それはずっとはっきりしている)
綴理「でも…そうなったらもう一人のボクの力は借りれない…」
綴理「どうやって頂上までいけばいいんだ…」
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93: 2024/02/10(土) 20:52:14.00
綴理「このまま、ここでじっとしてればいいのかな?」
綴理「いや、だめだよね…それ」
綴理(ここにずっといれば安全かもしれないけど、それは帰れないってことだ)
綴理「えっと…ここを出てみんなのところに帰りたくて、食べられた記憶を取り戻すのもしたい」
綴理「だけど、どうしたらいいかわからない…」
綴理「……あ!」
綴理(こずとさやはこういう時にいっぱい書いてた!何を書いてるのか聞いてもよくわからなかったけど)
綴理「いや、だめだよね…それ」
綴理(ここにずっといれば安全かもしれないけど、それは帰れないってことだ)
綴理「えっと…ここを出てみんなのところに帰りたくて、食べられた記憶を取り戻すのもしたい」
綴理「だけど、どうしたらいいかわからない…」
綴理「……あ!」
綴理(こずとさやはこういう時にいっぱい書いてた!何を書いてるのか聞いてもよくわからなかったけど)
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94: 2024/02/11(日) 05:14:25.00
綴理(よし、ボクも書こう)
綴理「んー、じゃあ…」
綴理「まだ覚えてることを書いてみる…とか?」
綴理「とりあえず、今覚えていることは…」
綴理(地面に今のボクの覚えてることを書き出してみた)
綴理「ボクは蓮ノ空の2年生、スクールアイドルクラブに入っている」
綴理「スクールアイドルクラブにいるのはボクとこず、めぐ、さや、かほ、るりの6人…」
綴理「んー、じゃあ…」
綴理「まだ覚えてることを書いてみる…とか?」
綴理「とりあえず、今覚えていることは…」
綴理(地面に今のボクの覚えてることを書き出してみた)
綴理「ボクは蓮ノ空の2年生、スクールアイドルクラブに入っている」
綴理「スクールアイドルクラブにいるのはボクとこず、めぐ、さや、かほ、るりの6人…」
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95: 2024/02/11(日) 05:15:43.00
綴理「あ、ううん…これは…正しいけど、でも」
綴理(スクールアイドルクラブは6人…それは今の話で)
綴理(もしかしたら、今も一緒にいたかもしれない人がいた…)
綴理「あ…残ってるんだ。あの記憶は」
綴理「…あの人の記憶はまだ食べられてなかったのか」
綴理(それから少しずつ、残っている記憶を頼りに思い出して、確認していく)
綴理(ところどころ不自然に思い出せないところがある。特に去年のがひどい、3回あった文化祭とか去年スクールアイドルクラブで何をやったかとか、あちこちに穴がある)
綴理(スクールアイドルクラブは6人…それは今の話で)
綴理(もしかしたら、今も一緒にいたかもしれない人がいた…)
綴理「あ…残ってるんだ。あの記憶は」
綴理「…あの人の記憶はまだ食べられてなかったのか」
綴理(それから少しずつ、残っている記憶を頼りに思い出して、確認していく)
綴理(ところどころ不自然に思い出せないところがある。特に去年のがひどい、3回あった文化祭とか去年スクールアイドルクラブで何をやったかとか、あちこちに穴がある)
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96: 2024/02/11(日) 05:16:25.00
綴理(そんな去年の記憶で奇跡的に残っていた辛い思い出…)
綴理「……さちがボクたちを置いていって、やめちゃったこと」
綴理「"りじちょうのまご"だから、"やるべきことがある"から、ボクたちじゃなくて生徒会を選んだ」
綴理「なんで理事長の孫がそんなことしないとなのかは思い出せないけど…」
綴理(そういえば、あの人を最後に"さち"って呼んだのはいつだろう)
綴理「……さちがボクたちを置いていって、やめちゃったこと」
綴理「"りじちょうのまご"だから、"やるべきことがある"から、ボクたちじゃなくて生徒会を選んだ」
綴理「なんで理事長の孫がそんなことしないとなのかは思い出せないけど…」
綴理(そういえば、あの人を最後に"さち"って呼んだのはいつだろう)
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97: 2024/02/11(日) 05:17:17.00
綴理「なんで…」
綴理「なんで…これだけは…残ったんだろ」
綴理「置いていかれた記憶だけが」
綴理「なんでだろ…うーん」
ズキッ……
綴理「痛っ…」
綴理(考えようとオデコに触れた途端に痛みが走った)
綴理(棘かなにかにひっかかったんだろう…オデコがざっくりと裂けた感覚がある)
綴理「なんで…これだけは…残ったんだろ」
綴理「置いていかれた記憶だけが」
綴理「なんでだろ…うーん」
ズキッ……
綴理「痛っ…」
綴理(考えようとオデコに触れた途端に痛みが走った)
綴理(棘かなにかにひっかかったんだろう…オデコがざっくりと裂けた感覚がある)
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98: 2024/02/11(日) 05:17:55.00
綴理(一瞬…視界が真っ赤に染まった)
綴理「あ、これ…似てる」
綴理「ボクはこれを…見たことがある」
綴理「赤くて、痛くて、ボク自身にもわからない気持ちがあって…」
綴理「あ、これ…似てる」
綴理「ボクはこれを…見たことがある」
綴理「赤くて、痛くて、ボク自身にもわからない気持ちがあって…」
0
99: 2024/02/11(日) 05:28:16.00
~~~~ある日の記憶~~~~~~~~
沙知『おーい!綴理!夕霧綴理!』
綴理『ん?どうしたのさち?』
(今日は朝から空が灰色で、つまらない気持ちで終わるはずだった)
(でも窓の外を見たら真っ赤で、目が痛くて、綺麗で、ぼうっと見てしまっていた)
沙知『どうしたの?じゃないだろ…あたしの話聞いてた?』
梢『聞いてないと思いますよ…綴理は教室でもわたくし達の話をしょっちゅう』
慈『梢、気持ちはわかるけど!それはじめたら沙知先輩の話どころじゃないから抑えて!』
沙知『おーい!綴理!夕霧綴理!』
綴理『ん?どうしたのさち?』
(今日は朝から空が灰色で、つまらない気持ちで終わるはずだった)
(でも窓の外を見たら真っ赤で、目が痛くて、綺麗で、ぼうっと見てしまっていた)
沙知『どうしたの?じゃないだろ…あたしの話聞いてた?』
梢『聞いてないと思いますよ…綴理は教室でもわたくし達の話をしょっちゅう』
慈『梢、気持ちはわかるけど!それはじめたら沙知先輩の話どころじゃないから抑えて!』
0
100: 2024/02/11(日) 05:37:33.00
沙知『キミらはあたし以上に苦労してるんだねぃ…』
綴理『晴れてるね…綺麗だよね…空…真っ赤だ』
綴理『雨が降ってたけど、雨が終わったら綺麗だ』
沙知『おお!綴理にもこの良さがわかるかい?』
綴理『うん、ずっと見ていたい』
沙知『…そうだね……あたしたちの毎日も、こうやってずっと綺麗に晴れてたらいいね』
綴理『……さち?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
綴理『晴れてるね…綺麗だよね…空…真っ赤だ』
綴理『雨が降ってたけど、雨が終わったら綺麗だ』
沙知『おお!綴理にもこの良さがわかるかい?』
綴理『うん、ずっと見ていたい』
沙知『…そうだね……あたしたちの毎日も、こうやってずっと綺麗に晴れてたらいいね』
綴理『……さち?』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
0
101: 2024/02/11(日) 08:14:37.00
綴理「そうだ。赤は血の色、炎の色、とても痛い色…だけどそれだけじゃない」
綴理「赤は…赤は夕焼けだったんだ」
綴理「雨が上がったあの日の、綺麗な夕焼け…」
綴理「ううん、あの日だけじゃない」
綴理「赤は…赤は夕焼けだったんだ」
綴理「雨が上がったあの日の、綺麗な夕焼け…」
綴理「ううん、あの日だけじゃない」
0
102: 2024/02/11(日) 11:15:37.00
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
梢『綴理、歩くときは空ではなくて前を見て欲しいのだけれど』
綴理『あ、ごめん…夕焼け綺麗だなぁって…』
慈『おー!空が真っ赤だ。…ってるりちゃん!?』
瑠璃乃『あかい…イチゴあじ…くも…おいしそう』
花帆『瑠璃乃ちゃん!あと少しで寮だからしっかりして!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
梢『綴理、歩くときは空ではなくて前を見て欲しいのだけれど』
綴理『あ、ごめん…夕焼け綺麗だなぁって…』
慈『おー!空が真っ赤だ。…ってるりちゃん!?』
瑠璃乃『あかい…イチゴあじ…くも…おいしそう』
花帆『瑠璃乃ちゃん!あと少しで寮だからしっかりして!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
0
103: 2024/02/11(日) 11:16:38.00
綴理「あれから少し経って色々変わっちゃったけど…同じようにみんなで見た夕焼けも赤…」
綴理「そして」
綴理「そして」
0
104: 2024/02/11(日) 11:19:12.00
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さやか『ふふっ』
綴理『……さや?』
さやか『あの夕焼け、なんだか綴理先輩みたいだなって』
綴理『夕焼けが、ボクみたい?』
さやか『はい、混じり気がなくて…果てしなく大きくて…見たものの心を捉えて離さない』
さやか『綴理先輩のイメージそのものです』
綴理『そっか、これはボクなんだ』
綴理『ねえ、さや…これから先も見れたらいいねこれ』
さやか『何言ってるんですか…』
さやか『私は毎日見てますよ?夕焼けみたいに綺麗な赤色なら』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さやか『ふふっ』
綴理『……さや?』
さやか『あの夕焼け、なんだか綴理先輩みたいだなって』
綴理『夕焼けが、ボクみたい?』
さやか『はい、混じり気がなくて…果てしなく大きくて…見たものの心を捉えて離さない』
さやか『綴理先輩のイメージそのものです』
綴理『そっか、これはボクなんだ』
綴理『ねえ、さや…これから先も見れたらいいねこれ』
さやか『何言ってるんですか…』
さやか『私は毎日見てますよ?夕焼けみたいに綺麗な赤色なら』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
0
105: 2024/02/11(日) 11:19:49.00
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さやか『ふふっ』
綴理『……さや?』
さやか『あの夕焼け、なんだか綴理先輩みたいだなって』
綴理『夕焼けが、ボクみたい?』
さやか『はい、混じり気がなくて…果てしなく大きくて…見たものの心を捉えて離さない』
さやか『綴理先輩のイメージそのものです』
綴理『そっか、これはボクなんだ』
綴理『ねえ、さや…これから先も見れたらいいねこれ』
さやか『何言ってるんですか…』
さやか『私は毎日見てますよ?夕焼けみたいに綺麗な赤色なら』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
さやか『ふふっ』
綴理『……さや?』
さやか『あの夕焼け、なんだか綴理先輩みたいだなって』
綴理『夕焼けが、ボクみたい?』
さやか『はい、混じり気がなくて…果てしなく大きくて…見たものの心を捉えて離さない』
さやか『綴理先輩のイメージそのものです』
綴理『そっか、これはボクなんだ』
綴理『ねえ、さや…これから先も見れたらいいねこれ』
さやか『何言ってるんですか…』
さやか『私は毎日見てますよ?夕焼けみたいに綺麗な赤色なら』
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106: 2024/02/11(日) 11:22:03.00
綴理「夕焼けの赤は、ボクの赤」
綴理「みんなと、この先も進んでいきたいと思えるボクの赤なんだ」
綴理(怪我が痛い、もう一人のボクに会うまでに何があるか怖い、会ったところで何ができるかわからない)
綴理(だけど、このまま諦めてしまったらみんなのところには帰れない)
綴理(みんなが進んでいくのを知っていて、こんなところで膝を抱えてうずくまるなんてそんなの…)
綴理(あの人に置き去りにされた時と何も変わらない)
綴理「みんなと、この先も進んでいきたいと思えるボクの赤なんだ」
綴理(怪我が痛い、もう一人のボクに会うまでに何があるか怖い、会ったところで何ができるかわからない)
綴理(だけど、このまま諦めてしまったらみんなのところには帰れない)
綴理(みんなが進んでいくのを知っていて、こんなところで膝を抱えてうずくまるなんてそんなの…)
綴理(あの人に置き去りにされた時と何も変わらない)
0
107: 2024/02/11(日) 22:07:22.00
綴理「痛い…苦しい…記憶は穴だらけ…」
綴理「だけど、ボクの赤はまだ無くなってない…置いていかれたら嫌なんだってのもまだ残ってる」
綴理「だったら行かなきゃだよね」
シュルル……
綴理(目の前にいばらが現れた)
綴理「止まらないよ。ボクはみんなとまた会いたいんだ」
綴理「だけど、ボクの赤はまだ無くなってない…置いていかれたら嫌なんだってのもまだ残ってる」
綴理「だったら行かなきゃだよね」
シュルル……
綴理(目の前にいばらが現れた)
綴理「止まらないよ。ボクはみんなとまた会いたいんだ」
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108: 2024/02/11(日) 22:07:56.00
綴理(そうだ、このワクワクをボクは知ってる)
『私にとっては、あなたこそがスクールアイドルです!』
綴理(さやがボクを一番のスクールアイドルと言ってくれて)
『ボクは、ずっと。スクールアイドルになりたいんだ』
綴理(ようやく言えたあの時と同じ)
『私にとっては、あなたこそがスクールアイドルです!』
綴理(さやがボクを一番のスクールアイドルと言ってくれて)
『ボクは、ずっと。スクールアイドルになりたいんだ』
綴理(ようやく言えたあの時と同じ)
0
109: 2024/02/11(日) 22:08:33.00
綴理「絶対にまたみんなと会う」
綴理「それで一緒にスクールアイドルになるんだ」
ヒュウウウウウン!!
綴理「…え?」
綴理「マイクが…」
綴理(勝手に動いていた)
綴理(話しかけたら聞こえるのかな?こずは"機械さん"によく話しかけてるけど)
綴理「キミも戦いたいんだね。えっと…"マイクさん"でいいのかな?」
綴理「それで一緒にスクールアイドルになるんだ」
ヒュウウウウウン!!
綴理「…え?」
綴理「マイクが…」
綴理(勝手に動いていた)
綴理(話しかけたら聞こえるのかな?こずは"機械さん"によく話しかけてるけど)
綴理「キミも戦いたいんだね。えっと…"マイクさん"でいいのかな?」
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110: 2024/02/11(日) 22:09:13.00
綴理「いろいろ足りない。何が足りないのかさえわからない…」
綴理「でも、そんなボクを一番と言ってくれて隣にいてくれる後輩がいる、ボクと離れたくないと言ってくれた友達がいる」
綴理「だったら、信じてもいいよね。ボク自身を…うん」
キエエエエエエエエエエッ!!!
綴理「え?」
綴理「でも、そんなボクを一番と言ってくれて隣にいてくれる後輩がいる、ボクと離れたくないと言ってくれた友達がいる」
綴理「だったら、信じてもいいよね。ボク自身を…うん」
キエエエエエエエエエエッ!!!
綴理「え?」
0
111: 2024/02/11(日) 22:09:43.00
綴理("それ"はいつの間にか現れていた)
キエエエエエエッ!ピィィィッ!
綴理「ペンギン…なんで?」
綴理(いきなりペンギンがいたのも驚きだけど、それはボクの知ってるペンギンのサイズをはるかに超えた大きさだった)
綴理「もしかして…キミがボクのスピーカー?というやつ?」
キエ工ッッ!
綴理(あ、うなづいてる…)
キエエエエエエッ!ピィィィッ!
綴理「ペンギン…なんで?」
綴理(いきなりペンギンがいたのも驚きだけど、それはボクの知ってるペンギンのサイズをはるかに超えた大きさだった)
綴理「もしかして…キミがボクのスピーカー?というやつ?」
キエ工ッッ!
綴理(あ、うなづいてる…)
0
112: 2024/02/12(月) 11:50:53.00
綴理「そうか…ペンギンか」
綴理「うん….これはいい感じだぞ、だってペンギンは諦めない鳥なんだ」
綴理「足りないものがいっぱいでも、みんなと一緒に生きることをペンギンは諦めないんだ」
綴理(ペンギンは他の鳥みたいに自由に空を飛べない、そういうふうにしか生きることができないツバサを持ってしまったから)
綴理(でも、そのツバサは危険が溢れる海を早く泳ぐ武器になった)
綴理(寒さや暑さや痛みから体を守る盾になった)
綴理(ペンギンの飛べないツバサは、生きるための武器なんだ)
綴理「うん….これはいい感じだぞ、だってペンギンは諦めない鳥なんだ」
綴理「足りないものがいっぱいでも、みんなと一緒に生きることをペンギンは諦めないんだ」
綴理(ペンギンは他の鳥みたいに自由に空を飛べない、そういうふうにしか生きることができないツバサを持ってしまったから)
綴理(でも、そのツバサは危険が溢れる海を早く泳ぐ武器になった)
綴理(寒さや暑さや痛みから体を守る盾になった)
綴理(ペンギンの飛べないツバサは、生きるための武器なんだ)
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113: 2024/02/12(月) 11:51:25.00
綴理(ボクだってそうだ…みんなみたいに飛べなくても、痛くて怖い世界を泳いで)
綴理(絶対にみんなのところに帰る!)
キエッ!キエッ!
綴理「いこうか、ボクらの行きたいところへ」
シュルルルルルル
綴理(いばらはどんどん広がっていく)
綴理「まずはこれを何とかしないとだね」
綴理「やり方はわかってる。さやが見せてくれた」
綴理「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ2年、夕霧綴理…行くよ!」
綴理(絶対にみんなのところに帰る!)
キエッ!キエッ!
綴理「いこうか、ボクらの行きたいところへ」
シュルルルルルル
綴理(いばらはどんどん広がっていく)
綴理「まずはこれを何とかしないとだね」
綴理「やり方はわかってる。さやが見せてくれた」
綴理「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ2年、夕霧綴理…行くよ!」
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114: 2024/02/12(月) 11:51:55.00
【綴理】
飛べないツバサは紛い物
なんて言わない、ああ二度と
悲しみに溺れず海を泳げる
おもいツバサをボクは誇れる
最高速度で飛ばすぞエンジン
さあ行こうボクがファーストペンギン
みんなが待ってる踏み出すぞ先陣
強いいしを出して勝つぞ前進
https://cdn1.suno.ai/920f3be7-5789-4011-9f02-e217cc01f497.mp4
飛べないツバサは紛い物
なんて言わない、ああ二度と
悲しみに溺れず海を泳げる
おもいツバサをボクは誇れる
最高速度で飛ばすぞエンジン
さあ行こうボクがファーストペンギン
みんなが待ってる踏み出すぞ先陣
強いいしを出して勝つぞ前進
https://cdn1.suno.ai/920f3be7-5789-4011-9f02-e217cc01f497.mp4
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115: 2024/02/12(月) 11:52:42.00
綴理「はああっ!」
綴理(赤い光がいばらの群れへ向かう)
クアアアアアアッ
綴理(赤い光は一羽のペンギンとなり、咆哮をあげながら進んでいく)
キエエエエエエエエエエッ!!!
綴理(ペンギンがいばらへと食らいつく)
綴理(いばらは多い、どんなに頑張ってもたった一羽では多勢に無勢)
綴理「でも、でもね…いける…大丈夫」
綴理(赤い光がいばらの群れへ向かう)
クアアアアアアッ
綴理(赤い光は一羽のペンギンとなり、咆哮をあげながら進んでいく)
キエエエエエエエエエエッ!!!
綴理(ペンギンがいばらへと食らいつく)
綴理(いばらは多い、どんなに頑張ってもたった一羽では多勢に無勢)
綴理「でも、でもね…いける…大丈夫」
0
116: 2024/02/12(月) 11:53:25.00
綴理「ボクは知ってるんだ。覚えてるんだ。ペンギンは…」
キエエエエエエエエエエッ!!!!!!
キエエエエエエエエエエッ!!
キエエエエエエエエエエッ!!!!
綴理(襲いかかるペンギンは一羽じゃない)
綴理(一羽が襲いかかった後に何羽ものペンギンが襲いかかる)
綴理「…ペンギンはね」
綴理「一人が出したほんの少しの勇気にみんながついてくるんだ!」
キエエエエエエエエエエッ!!!!!!
キエエエエエエエエエエッ!!
キエエエエエエエエエエッ!!!!
綴理(襲いかかるペンギンは一羽じゃない)
綴理(一羽が襲いかかった後に何羽ものペンギンが襲いかかる)
綴理「…ペンギンはね」
綴理「一人が出したほんの少しの勇気にみんながついてくるんだ!」
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117: 2024/02/12(月) 11:55:35.00
綴理(ペンギンは正直言って弱い、一羽レベルで勝てる相手なんかたかが知れてる)
綴理(海に飛び込む時、逆に海から上がる時、ペンギンは絶えず先の見えない恐怖と戦わないといけない)
綴理(そんな時、ペンギン達はどうするか?)
綴理(群れの中の一羽…ほんの少しだけ勇気を出せた一羽が先に進む。そして、それを見た他のペンギンは一羽の勇気に一斉に続くんだ)
綴理(そんなペンギンの習性は『ファーストペンギン』と呼ばれている…らしい)
綴理(偉い学者さんたちはコストとか効果とか難しい言葉で説明したいみたいだけど…ボクはこう思うんだ)
綴理(ペンギンは臆病で、でもだからこそ一羽が出した勇気のすごさがわかるし、みんなで生きていこうとするんだって)
綴理(海に飛び込む時、逆に海から上がる時、ペンギンは絶えず先の見えない恐怖と戦わないといけない)
綴理(そんな時、ペンギン達はどうするか?)
綴理(群れの中の一羽…ほんの少しだけ勇気を出せた一羽が先に進む。そして、それを見た他のペンギンは一羽の勇気に一斉に続くんだ)
綴理(そんなペンギンの習性は『ファーストペンギン』と呼ばれている…らしい)
綴理(偉い学者さんたちはコストとか効果とか難しい言葉で説明したいみたいだけど…ボクはこう思うんだ)
綴理(ペンギンは臆病で、でもだからこそ一羽が出した勇気のすごさがわかるし、みんなで生きていこうとするんだって)
0
118: 2024/02/12(月) 11:56:24.00
ピィーーー!!
キエエエエエエエエエエッ!
綴理(群れをなしたペンギンはいばらを食いちぎる、地面から引き抜く)
綴理(生きるための抵抗、命を進めるための覚悟…なんてかっこいい言い方もできるけど、ペンギンだってやる時はやるんだ)
綴理(みんなで生き残るために戦うんだ)
綴理「はああああっ!」
綴理(ペンギンの猛攻にさらされたいばらが、赤く光り輝いて粒子となって拡散していく)
キエエエエエエエエエエッ!
綴理(群れをなしたペンギンはいばらを食いちぎる、地面から引き抜く)
綴理(生きるための抵抗、命を進めるための覚悟…なんてかっこいい言い方もできるけど、ペンギンだってやる時はやるんだ)
綴理(みんなで生き残るために戦うんだ)
綴理「はああああっ!」
綴理(ペンギンの猛攻にさらされたいばらが、赤く光り輝いて粒子となって拡散していく)
0
119: 2024/02/12(月) 11:57:48.00
綴理「今だ」
キィィ………エエエエエエエッ!!!
綴理(拡散していく粒子をペンギンが吸い込む)
ゴックン!
綴理(このやり方でいいのかはわからない、でももう一人のボクは記憶を"食べる"と表現した…)
綴理(だったら食べるだけだ、ボクたち…も)
ズキィィィッ!!!!
綴理「あ゛っ!」
綴理(頭が…痛い…何かが見える、聴こえる、入ってくる)
キィィ………エエエエエエエッ!!!
綴理(拡散していく粒子をペンギンが吸い込む)
ゴックン!
綴理(このやり方でいいのかはわからない、でももう一人のボクは記憶を"食べる"と表現した…)
綴理(だったら食べるだけだ、ボクたち…も)
ズキィィィッ!!!!
綴理「あ゛っ!」
綴理(頭が…痛い…何かが見える、聴こえる、入ってくる)
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120: 2024/02/12(月) 11:58:30.00
~~~~~~~~
ドサアアアッ
綴理『……え?』
綴理(何があったのかわからなかった)
綴理(さっきまでステージにいためぐが消えて、音楽だけがステージで動いていて)
梢『慈!』
沙知『何やってる!救護だ!音楽止めろ!』
ザワザワザワザワ……
綴理(こずもさちも他のみんなも、慌ただしく何かをしていた)
綴理『め……ぐ……?』
綴理(ボクだけが止まっていた。ボクだけ何もできなかった)
~~~~~~~~
ドサアアアッ
綴理『……え?』
綴理(何があったのかわからなかった)
綴理(さっきまでステージにいためぐが消えて、音楽だけがステージで動いていて)
梢『慈!』
沙知『何やってる!救護だ!音楽止めろ!』
ザワザワザワザワ……
綴理(こずもさちも他のみんなも、慌ただしく何かをしていた)
綴理『め……ぐ……?』
綴理(ボクだけが止まっていた。ボクだけ何もできなかった)
~~~~~~~~
0
121: 2024/02/12(月) 11:59:11.00
綴理「今の…そうか」
綴理「うん、思い出した。去年の竜胆祭……」
綴理「めぐが落ちて、ボクは何もできなくて…っ!!また!」
綴理「うん、思い出した。去年の竜胆祭……」
綴理「めぐが落ちて、ボクは何もできなくて…っ!!また!」
0
122: 2024/02/12(月) 12:01:31.00
~~~~~~~~~~~~
沙知『では、そういうことでよろしくお願いします』
沙知『はい!これがあた…じゃなかった私の、大賀美沙知のこの学校でやりたいことなので』
綴理(スクールアイドルをやめてからの沙知は、前よりも笑うようになった…と思う)
綴理(だから、ボクはわからなくなる)
綴理(さち…生徒会長にとってスクールアイドルクラブはなんだったんだろうって)
沙知『では、そういうことでよろしくお願いします』
沙知『はい!これがあた…じゃなかった私の、大賀美沙知のこの学校でやりたいことなので』
綴理(スクールアイドルをやめてからの沙知は、前よりも笑うようになった…と思う)
綴理(だから、ボクはわからなくなる)
綴理(さち…生徒会長にとってスクールアイドルクラブはなんだったんだろうって)
0
123: 2024/02/12(月) 12:02:11.00
沙知『お!綴理じゃないか……久しぶり』
沙知『元気そうで何より何より!…あ、すまない』
綴理(ボクがめぐに読んでもらおうと持っていたリハビリの本を見て生徒会長は謝った)
綴理(生徒会長はボクたちに会う時、少しだけ笑顔をやめるんだ)
綴理『……ねぇ』
沙知『何だい?スクールアイドルクラブはあたしも世話になったからねぃ。お願いをきいてやらんこともないぜ』
綴理『えっとね、……』
綴理『あ、ううん特に何も』
沙知『元気そうで何より何より!…あ、すまない』
綴理(ボクがめぐに読んでもらおうと持っていたリハビリの本を見て生徒会長は謝った)
綴理(生徒会長はボクたちに会う時、少しだけ笑顔をやめるんだ)
綴理『……ねぇ』
沙知『何だい?スクールアイドルクラブはあたしも世話になったからねぃ。お願いをきいてやらんこともないぜ』
綴理『えっとね、……』
綴理『あ、ううん特に何も』
0
124: 2024/02/12(月) 12:02:47.00
沙知『そっか…慈のこと頼んだよ。あたしは辞めた身だけど、どうしてもって時には遠慮しないで言ってくれ』
綴理『…ボク、これから部室いかないとだから』
沙知『そうか!蓮ノ大三角の復活に期待してるぞ後輩』
綴理(また…聞けなかったな…)
綴理(ボクたちは、スクールアイドルクラブはさちにとってなんだったのか)
~~~~~~~~~~~~
綴理『…ボク、これから部室いかないとだから』
沙知『そうか!蓮ノ大三角の復活に期待してるぞ後輩』
綴理(また…聞けなかったな…)
綴理(ボクたちは、スクールアイドルクラブはさちにとってなんだったのか)
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125: 2024/02/12(月) 12:03:46.00
綴理「……これは、確かに痛くて辛いね」
綴理(無くなったのは辛い記憶、だから記憶を取り戻すってことは今みたいのをどんどん味わうってこと)
綴理(その時のボクを追体験するってことだ)
綴理(とても痛い、ボクの今までと向き合うってことだ)
綴理(頂上へと歩きながら、途中現れる危険をペンギンさんと食い破りながらボクは少しずつ取り戻していく)
綴理(無くなったのは辛い記憶、だから記憶を取り戻すってことは今みたいのをどんどん味わうってこと)
綴理(その時のボクを追体験するってことだ)
綴理(とても痛い、ボクの今までと向き合うってことだ)
綴理(頂上へと歩きながら、途中現れる危険をペンギンさんと食い破りながらボクは少しずつ取り戻していく)
0
126: 2024/02/12(月) 19:40:19.00
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
綴理『…なんで?だってめぐの足は』
慈『ごめん。もう、私のことは気にしないでいいから』
梢『ちゃんと話してちょうだい。ただでさえ今は沙知先輩がいなくなって部が危ないの』
慈『だからだよ。私に構ってる余裕なんてないでしょ』
綴理『めぐ…忘れちゃったの?ボクたちは』
慈『3人で部を守る、でしょ!でも踊れないの!また落ちたらどうしようとか、前みたいに踊れないんじゃないかとか思うと』
梢『…………そんな状態の慈を放っておいてステージに立てと、慈はわたくしたちに言いたいのかしら?』
慈『そうだよ。私みたいなお荷物背負ってる場合じゃないでしょ?』
梢『……わたくしは、慈を荷物だなんて思ったことは一度もないわ』
綴理『…なんで?だってめぐの足は』
慈『ごめん。もう、私のことは気にしないでいいから』
梢『ちゃんと話してちょうだい。ただでさえ今は沙知先輩がいなくなって部が危ないの』
慈『だからだよ。私に構ってる余裕なんてないでしょ』
綴理『めぐ…忘れちゃったの?ボクたちは』
慈『3人で部を守る、でしょ!でも踊れないの!また落ちたらどうしようとか、前みたいに踊れないんじゃないかとか思うと』
梢『…………そんな状態の慈を放っておいてステージに立てと、慈はわたくしたちに言いたいのかしら?』
慈『そうだよ。私みたいなお荷物背負ってる場合じゃないでしょ?』
梢『……わたくしは、慈を荷物だなんて思ったことは一度もないわ』
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127: 2024/02/12(月) 19:41:44.00
慈『ははっ、何それ?梢らしくもない…気なんかつかわないでよ!』
梢『いつもみたいにはっきり言えばいいじゃん?今、藤島慈に時間を割くのは正しくない、そんなことしてたらラブライブに優勝できないから見捨てるべきだって』
梢『っ!!わたくしのこと…そんな風に』
梢『だったら…だったらもう、好きになさい!』
綴理『こず!?どこ行くの』
梢『帰るわ。もう話なんかできそうもないから』
ガラララララ…
慈『……綴理、ごめん。言いすぎた』
綴理『謝るなら、こずにだと思う』
慈『…そうだね。今日は帰る』
綴理『うん、また明日』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
梢『いつもみたいにはっきり言えばいいじゃん?今、藤島慈に時間を割くのは正しくない、そんなことしてたらラブライブに優勝できないから見捨てるべきだって』
梢『っ!!わたくしのこと…そんな風に』
梢『だったら…だったらもう、好きになさい!』
綴理『こず!?どこ行くの』
梢『帰るわ。もう話なんかできそうもないから』
ガラララララ…
慈『……綴理、ごめん。言いすぎた』
綴理『謝るなら、こずにだと思う』
慈『…そうだね。今日は帰る』
綴理『うん、また明日』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
0
128: 2024/02/12(月) 19:42:56.00
綴理「これも、相当にきついな…」
綴理「でも、ここまで来られた」
シャドウ綴理「おかえり」
綴理(もう一人のボクは、さっきと同じ場所で同じように立っていた)
綴理「ただいま、でいいのかな?」
シャドウ綴理「……キミはバカだ」
シャドウ綴理「そんなことする必要なんてないってボクがいくら説明してもわからないんだね」
綴理「でも、ここまで来られた」
シャドウ綴理「おかえり」
綴理(もう一人のボクは、さっきと同じ場所で同じように立っていた)
綴理「ただいま、でいいのかな?」
シャドウ綴理「……キミはバカだ」
シャドウ綴理「そんなことする必要なんてないってボクがいくら説明してもわからないんだね」
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129: 2024/02/12(月) 19:45:47.00
綴理「うん、ボクは…バカなんだ」
綴理「痛いのも怖いのもいやだ。だけど、忘れて置いていかれるのはもっと嫌なんだ」
シャドウ綴理「???置いていかれるのが嫌なら、置いていかれたことも忘れればいいんじゃない?
シャドウ綴理「キミが望むならいつだってボクがそれを食べて、キミを助けてあげるのに…」
綴理「ううん、それをやってもボクがちょっと楽になるだけ…先に行った人が戻ってくるわけじゃないんだ」
綴理「残るのは、置いていかれたことすらわからないボクだけだと思う」
綴理「っ!また…来たっ!」
綴理「痛いのも怖いのもいやだ。だけど、忘れて置いていかれるのはもっと嫌なんだ」
シャドウ綴理「???置いていかれるのが嫌なら、置いていかれたことも忘れればいいんじゃない?
シャドウ綴理「キミが望むならいつだってボクがそれを食べて、キミを助けてあげるのに…」
綴理「ううん、それをやってもボクがちょっと楽になるだけ…先に行った人が戻ってくるわけじゃないんだ」
綴理「残るのは、置いていかれたことすらわからないボクだけだと思う」
綴理「っ!また…来たっ!」
0
130: 2024/02/12(月) 19:47:24.00
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
綴理『地区予選、通過だってボクたち』
梢『そう、予想通りね』
綴理『……ねえ、どうして…』
梢『どうして振り付けを変えたのか…でしょ?』
綴理『うん』
梢『わたくしは、ラブライブ優勝を目指してこの部に入った』
綴理『知ってるよ。何度も聞いた』
綴理『地区予選、通過だってボクたち』
梢『そう、予想通りね』
綴理『……ねえ、どうして…』
梢『どうして振り付けを変えたのか…でしょ?』
綴理『うん』
梢『わたくしは、ラブライブ優勝を目指してこの部に入った』
綴理『知ってるよ。何度も聞いた』
0
131: 2024/02/12(月) 19:48:40.00
綴理『でも、なんで?…どうして?』
梢『…………』
梢『……勝ちたかったから、やったのよ』
綴理『……』
綴理(違う…ボクが話してほしいのはそういう"どうして"じゃない)
綴理(あんなに頑張ってたこずが、曲を聴いて一緒に優勝しようって喜んでたこずが)
綴理(どうして勝手に振り付けを変えて、どうして今はボクの顔を見てくれないのかっていう"どうして"だよ)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
梢『…………』
梢『……勝ちたかったから、やったのよ』
綴理『……』
綴理(違う…ボクが話してほしいのはそういう"どうして"じゃない)
綴理(あんなに頑張ってたこずが、曲を聴いて一緒に優勝しようって喜んでたこずが)
綴理(どうして勝手に振り付けを変えて、どうして今はボクの顔を見てくれないのかっていう"どうして"だよ)
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132: 2024/02/13(火) 12:32:43.00
綴理「……そっか。これもとびきり痛いやつだ」
綴理「でも、つながった。思い出したよ…こず」
シャドウ綴理「見てられない。今からだって遅くない、ボクに言ってくれれば…」
綴理「……キミの力は借りない、ボクの記憶は消させない…ボクはボクの力でここを出る」
キエエエエエエエ!
シャドウ綴理「……ボクの言葉は届かなかったか」
綴理「でも、つながった。思い出したよ…こず」
シャドウ綴理「見てられない。今からだって遅くない、ボクに言ってくれれば…」
綴理「……キミの力は借りない、ボクの記憶は消させない…ボクはボクの力でここを出る」
キエエエエエエエ!
シャドウ綴理「……ボクの言葉は届かなかったか」
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133: 2024/02/13(火) 21:43:06.00
綴理「邪魔をするなら、キミにだって容赦はしないよ」
シャドウ綴理「わからない。なんでそこまでするの?」
シャドウ綴理「あの記憶にここまでする価値があるとは到底思えない」
綴理「……あるよ。価値なら」
シャドウ綴理「どんな価値?聞きたいな」
綴理「こずがスカウトを断った時の話なんだけどね」
綴理「こずはね『あなたと離れたくなかったのよ』って言ったんだ」
シャドウ綴理「わからない。なんでそこまでするの?」
シャドウ綴理「あの記憶にここまでする価値があるとは到底思えない」
綴理「……あるよ。価値なら」
シャドウ綴理「どんな価値?聞きたいな」
綴理「こずがスカウトを断った時の話なんだけどね」
綴理「こずはね『あなたと離れたくなかったのよ』って言ったんだ」
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134: 2024/02/14(水) 08:21:10.00
シャドウ綴理「???」
綴理「……同じだったんだ」
綴理「あの時わかった。ボクらはずっと一緒に歩いていたんだ」
綴理「忘れれば楽になれるのかもしれなかった。無かったことにすれば苦しまずにいられた」
綴理「でも、ボクもこずも、無かったことになんてできなかった…一緒にいたい、その気持ちが一番だった。だから二人ともいっぱい苦しかったんだ」
綴理「お互いを理解することすらできてなかった。そんなボクらが、同じ道を歩いていたんだ」
綴理「……同じだったんだ」
綴理「あの時わかった。ボクらはずっと一緒に歩いていたんだ」
綴理「忘れれば楽になれるのかもしれなかった。無かったことにすれば苦しまずにいられた」
綴理「でも、ボクもこずも、無かったことになんてできなかった…一緒にいたい、その気持ちが一番だった。だから二人ともいっぱい苦しかったんだ」
綴理「お互いを理解することすらできてなかった。そんなボクらが、同じ道を歩いていたんだ」
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135: 2024/02/14(水) 08:23:00.00
綴理「ううん…こずだけじゃない。めぐも同じ。みんな同じ。毎日を悩んで痛い思いもして、それでも次の日を目指してた」
綴理「辛い記憶だってボクらが一緒に辛い思いをしながら同じ時間を生きた証明だったんだ」
綴理「だったら、みんなと生きた、みんなと生きれた時間をボクは無かったことになんてしたくない」
綴理「……これがボクの答え。だから渡せない、何一つ」
シャドウ綴理「……そう」
シャドウ綴理「戻ってきたと思ったら、さっきよりも聞き分けが悪くなったね」
綴理「辛い記憶だってボクらが一緒に辛い思いをしながら同じ時間を生きた証明だったんだ」
綴理「だったら、みんなと生きた、みんなと生きれた時間をボクは無かったことになんてしたくない」
綴理「……これがボクの答え。だから渡せない、何一つ」
シャドウ綴理「……そう」
シャドウ綴理「戻ってきたと思ったら、さっきよりも聞き分けが悪くなったね」
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136: 2024/02/14(水) 08:23:57.00
綴理「今のボクの心は夕焼けの赤だからね」
シャドウ綴理「…キミが取り返したいと思ってるものはキミを傷つけてきたものなんだよ?」
綴理「うん…それでいいんだ」
綴理「忘れたら、みんなと一緒にボクが歩いていた証明までなくなっちゃうから」
綴理「『そんな記憶がなくても一緒なんだ』なんて言える強い人もいるんだろうけど…ボクは違うから」
綴理「全部返してもらう。全部抱えてここを出たい」
シャドウ綴理「さっきまでボクが食べたのもってことかな?」
シャドウ綴理「…キミが取り返したいと思ってるものはキミを傷つけてきたものなんだよ?」
綴理「うん…それでいいんだ」
綴理「忘れたら、みんなと一緒にボクが歩いていた証明までなくなっちゃうから」
綴理「『そんな記憶がなくても一緒なんだ』なんて言える強い人もいるんだろうけど…ボクは違うから」
綴理「全部返してもらう。全部抱えてここを出たい」
シャドウ綴理「さっきまでボクが食べたのもってことかな?」
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137: 2024/02/14(水) 08:24:49.00
綴理「うん、返して…さっきまでボクから奪ったものを」
綴理「痛くて、辛くて、それでもボクにとって大事なものなんだ」
シャドウ綴理「そう…」
シャドウ綴理「でも返してと言われても…もう食べちゃったし」
綴理「あ、そこは心配ないよ」
キエエエエエエエエエエッ!
綴理「今度はボクが食べる番だから」
綴理「痛くて、辛くて、それでもボクにとって大事なものなんだ」
シャドウ綴理「そう…」
シャドウ綴理「でも返してと言われても…もう食べちゃったし」
綴理「あ、そこは心配ないよ」
キエエエエエエエエエエッ!
綴理「今度はボクが食べる番だから」
0
138: 2024/02/14(水) 08:27:41.00
シャドウ綴理「そう、そう来るんだね」
シャドウ綴理「キミが戦いを望むなら…こっちにもやり方がある」
綴理(透明なもやもやがもう一人のボクの体から溢れ出す)
綴理「あ!言い忘れてた…今からでもいいかな」
シャドウ綴理「何かな?言ってみてよ」
綴理「では…」
綴理「いただきます…もう一人のボク」
シャドウ綴理「キミが戦いを望むなら…こっちにもやり方がある」
綴理(透明なもやもやがもう一人のボクの体から溢れ出す)
綴理「あ!言い忘れてた…今からでもいいかな」
シャドウ綴理「何かな?言ってみてよ」
綴理「では…」
綴理「いただきます…もう一人のボク」
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139: 2024/02/14(水) 08:30:32.00
【綴理】
ずっと止まなかった冷たい通り雨
泣けなかったんだ涙もとうに枯れ
乾いた闇の中で感じた頬に風
そんな記憶は痛いだけ、その通りだね
でもさボクは弱くて怖がりだから
それさえも大事な繋がり宝
選べるか忘却をボクのバカ
消させるか網膜のボクの赤
https://cdn1.suno.ai/b6455bb8-7f8d-4059-a1f5-1e2764a597e2.mp4
ずっと止まなかった冷たい通り雨
泣けなかったんだ涙もとうに枯れ
乾いた闇の中で感じた頬に風
そんな記憶は痛いだけ、その通りだね
でもさボクは弱くて怖がりだから
それさえも大事な繋がり宝
選べるか忘却をボクのバカ
消させるか網膜のボクの赤
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140: 2024/02/14(水) 08:31:32.00
綴理「行こう!ペンギンさん!」
キエエエエエッ!キエエエッ!
シャドウ綴理「キミは実力行使を望んだ。平和的解決を拒んだ。だったらボクもそれに合わせる」
綴理(透明な何かが飛んでくる…でも)
キエエエエエエッ!!
パアアアアアン!
シャドウ綴理「手で叩き返した?…いや、それは手じゃないか」
キエエエエエッ!キエエエッ!
シャドウ綴理「キミは実力行使を望んだ。平和的解決を拒んだ。だったらボクもそれに合わせる」
綴理(透明な何かが飛んでくる…でも)
キエエエエエエッ!!
パアアアアアン!
シャドウ綴理「手で叩き返した?…いや、それは手じゃないか」
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141: 2024/02/14(水) 08:32:33.00
綴理「…ツバサ」
綴理「重くて…空も飛べないツバサ。だけど、重いから水の中を泳げる、こうやって武器にもなる」
シャドウ綴理「そうするしか生きる道はなかったからね」
綴理「そうかもしれない…だけどペンギンは選んだんだ。このツバサで、海を進んでみんなで生きていくって」
キエエエッ!
ガスッ!!
シャドウ綴理「くっ!!!」
綴理(ペンギンの突撃が決まった…つまり)
綴理「重くて…空も飛べないツバサ。だけど、重いから水の中を泳げる、こうやって武器にもなる」
シャドウ綴理「そうするしか生きる道はなかったからね」
綴理「そうかもしれない…だけどペンギンは選んだんだ。このツバサで、海を進んでみんなで生きていくって」
キエエエッ!
ガスッ!!
シャドウ綴理「くっ!!!」
綴理(ペンギンの突撃が決まった…つまり)
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142: 2024/02/14(水) 21:21:00.00
キエエエエエエエエエエッ!
クアアアアアッ!
キアアアッ!キエエエエエエエエエエッ!
シャドウ綴理「さすがに…1羽じゃ終わらないよね」
シャドウ綴理「ペンギン、本当にキミにピッタリな鳥だよ」
綴理「そうだね。できないことばかりの不完全な鳥、それもただ不完全なだけじゃない」
綴理「できることを全力でやればやるほど鳥からかけ離れていく…それがペンギンだ」
綴理「でもね、それでもいい」
綴理「ボクは飛べないペンギンだけど、海を泳いでいくことはできるんだから」
キエエエエエエエエエエッ!
綴理(ペンギンたちが透明な何かに噛み付いていく)
クアアアアアッ!
キアアアッ!キエエエエエエエエエエッ!
シャドウ綴理「さすがに…1羽じゃ終わらないよね」
シャドウ綴理「ペンギン、本当にキミにピッタリな鳥だよ」
綴理「そうだね。できないことばかりの不完全な鳥、それもただ不完全なだけじゃない」
綴理「できることを全力でやればやるほど鳥からかけ離れていく…それがペンギンだ」
綴理「でもね、それでもいい」
綴理「ボクは飛べないペンギンだけど、海を泳いでいくことはできるんだから」
キエエエエエエエエエエッ!
綴理(ペンギンたちが透明な何かに噛み付いていく)
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143: 2024/02/14(水) 21:21:54.00
綴理「返してもらう…全部」
ズキッ!…
綴理「…い゛っ」
シャドウ綴理「…ボクから直接…か」
シャドウ綴理「今までの比じゃないよ?」
綴理「はあっ…はあっ…」
綴理(記憶がどんどん入ってくる)
ズキッ!…
綴理「…い゛っ」
シャドウ綴理「…ボクから直接…か」
シャドウ綴理「今までの比じゃないよ?」
綴理「はあっ…はあっ…」
綴理(記憶がどんどん入ってくる)
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144: 2024/02/14(水) 22:24:21.00
~~~~~~~~~~~
ガラララ…
梢『あら?今日は早いのね綴理。というより、自分から来たなんて珍しい』
綴理『なんとかしないとだから。めぐが帰ってこられるように』
梢『そう…ね。来年のためにも』
梢『ね、ねえ、綴理?来年もラブライブに出るのよね…わたくしたち』
ガラララ…
梢『あら?今日は早いのね綴理。というより、自分から来たなんて珍しい』
綴理『なんとかしないとだから。めぐが帰ってこられるように』
梢『そう…ね。来年のためにも』
梢『ね、ねえ、綴理?来年もラブライブに出るのよね…わたくしたち』
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145: 2024/02/14(水) 22:24:53.00
綴理『そのつもりだよ。ボクは』
綴理『こずもでしょ?今年は諦めるけど、優勝したいって言ってた』
梢『それはそうなのだけれど』
梢『…あのね…綴理!』
綴理『ごめん、ちょっと走りたいんだ』
梢『……』
綴理『…怒ってないよボク』
綴理『こずもでしょ?今年は諦めるけど、優勝したいって言ってた』
梢『それはそうなのだけれど』
梢『…あのね…綴理!』
綴理『ごめん、ちょっと走りたいんだ』
梢『……』
綴理『…怒ってないよボク』
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146: 2024/02/14(水) 22:25:49.00
綴理『こずが頑張ってくれたのわかるから、怒ってない』
綴理(怒ってはいなかった。嘘じゃなかった)
綴理(だけどね。もう、わからないんだ)
綴理(今はもう、ボクの方がこずを見れていないのかもしれない)
綴理(ねえ…ボクたちは、何がいけなかったの?)
~~~~~~~~~~~
綴理(怒ってはいなかった。嘘じゃなかった)
綴理(だけどね。もう、わからないんだ)
綴理(今はもう、ボクの方がこずを見れていないのかもしれない)
綴理(ねえ…ボクたちは、何がいけなかったの?)
~~~~~~~~~~~
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148: 2024/02/14(水) 22:54:54.00
綴理「ぐっ、ああっ!」
綴理(痛い、だけどわかった)
綴理(やっぱりだ…ボクは…ボクは)
綴理「さち…こず…めぐ…」
綴理(ボクは弱虫で臆病で肝心な時に動けなかった)
綴理(でもね、だから思うんだ)
綴理「かほ…るり…さや」
綴理(もう、あんなのはいやだって…今、やらないとなんだって)
綴理「ボクは…全部持って帰るんだ」
シャドウ綴理「……」
綴理「これで全部取り返してやるんだ!」
綴理(痛い、だけどわかった)
綴理(やっぱりだ…ボクは…ボクは)
綴理「さち…こず…めぐ…」
綴理(ボクは弱虫で臆病で肝心な時に動けなかった)
綴理(でもね、だから思うんだ)
綴理「かほ…るり…さや」
綴理(もう、あんなのはいやだって…今、やらないとなんだって)
綴理「ボクは…全部持って帰るんだ」
シャドウ綴理「……」
綴理「これで全部取り返してやるんだ!」
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149: 2024/02/14(水) 23:39:35.00
【綴理】
晴れたらいいな明日あさっては
空に手を伸ばしただ待ってた
飛べない鳥はずっと怖がってた
でも踏み出すよやっとわかってさ
置いてかれるのが一番痛いんだ
ささやかでも歩いていたいんだ
「また明日も会いたいんだ」
ボクの口からそう言いたいんだ
https://cdn1.suno.ai/1bb69d06-5701-442e-9eab-c6733dcfdd2b.mp4
晴れたらいいな明日あさっては
空に手を伸ばしただ待ってた
飛べない鳥はずっと怖がってた
でも踏み出すよやっとわかってさ
置いてかれるのが一番痛いんだ
ささやかでも歩いていたいんだ
「また明日も会いたいんだ」
ボクの口からそう言いたいんだ
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150: 2024/02/14(水) 23:43:10.00
綴理「まだ…まだ…だ」
綴理「やり遂げるんだ、今度こそ」
綴理(ボクは決めたんだ)
クゥエエエエエエエ!
綴理「返してもらうよ、ボクの思い出」
綴理「やり遂げるんだ、今度こそ」
綴理(ボクは決めたんだ)
クゥエエエエエエエ!
綴理「返してもらうよ、ボクの思い出」
0
151: 2024/02/14(水) 23:47:19.00
~~~~~~~~~~~~~~
『では、みんなーバイめぐー』
綴理『……』
ガラガラガラガラ…
梢『おはよう、綴理』
綴理『うん、おはよう』
梢『慈の配信…見てるのね』
綴理『……うん』
『では、みんなーバイめぐー』
綴理『……』
ガラガラガラガラ…
梢『おはよう、綴理』
綴理『うん、おはよう』
梢『慈の配信…見てるのね』
綴理『……うん』
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152: 2024/02/14(水) 23:49:50.00
梢『ねえ、綴理。あのね…考えたのだけど』
梢『わたくしたち、しばらく別々に活動しましょう』
綴理『……そっか』
梢『どうして、とは言わないのね』
綴理『……ボクと踊るの、やっぱり嫌だよね』
梢『え?』
梢『ち……違うの!しばらくよ!わたくしは力をつける、あなたの隣に立てるくらい…そうしたらまた一緒に!』
梢『そうよ…慈だって帰ってくるかもしれない…今はこうするのが』
梢『わたくしたち、しばらく別々に活動しましょう』
綴理『……そっか』
梢『どうして、とは言わないのね』
綴理『……ボクと踊るの、やっぱり嫌だよね』
梢『え?』
梢『ち……違うの!しばらくよ!わたくしは力をつける、あなたの隣に立てるくらい…そうしたらまた一緒に!』
梢『そうよ…慈だって帰ってくるかもしれない…今はこうするのが』
0
153: 2024/02/14(水) 23:54:52.00
綴理『うん、正しい…とボクも思う』
綴理『…スクールアイドルは不完全…だけど、一人じゃない…だから輝いてる』
梢『???』
綴理『不完全でも、熱を持ったみんなで作る芸術…』
綴理(ごめんね、こず…めぐ…さち…ボクは何もできなかった、飛べもしない空を見て飛びたいって思うだけだった)
綴理(ボクは)
綴理(みんなと一緒にスクールアイドルになりたかった)
~~~~~~~~~~~~~~
綴理『…スクールアイドルは不完全…だけど、一人じゃない…だから輝いてる』
梢『???』
綴理『不完全でも、熱を持ったみんなで作る芸術…』
綴理(ごめんね、こず…めぐ…さち…ボクは何もできなかった、飛べもしない空を見て飛びたいって思うだけだった)
綴理(ボクは)
綴理(みんなと一緒にスクールアイドルになりたかった)
~~~~~~~~~~~~~~
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154: 2024/02/14(水) 23:57:07.00
綴理「これで……全部取り戻した」
綴理「……思い出なんて優しいものじゃなかったな」
シャドウ綴理「取り戻したの後悔してる?」
綴理「…ううん、やっぱりこれはボクにとって無くしたくないものだった」
綴理「ボクはずっと、スクールアイドルになりかったんだよ」
シャドウ綴理「やっぱり……理解できない」
綴理(もう一人のボクの姿が薄れていく)
綴理「ボクも理解なんてできてない」
綴理「……思い出なんて優しいものじゃなかったな」
シャドウ綴理「取り戻したの後悔してる?」
綴理「…ううん、やっぱりこれはボクにとって無くしたくないものだった」
綴理「ボクはずっと、スクールアイドルになりかったんだよ」
シャドウ綴理「やっぱり……理解できない」
綴理(もう一人のボクの姿が薄れていく)
綴理「ボクも理解なんてできてない」
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155: 2024/02/15(木) 00:00:45.00
綴理「だから…みんなのところに帰って、理解したいんだ」
綴理「今、ボクの中にあるこの気持ちはなんなのか」
綴理(体中が痛い、気を失いそう、だけど…ボクはやり遂げた)
綴理(ペンギンは、今日を生き延びたんだ)
シャドウ綴理「なら、そうしてみればいい。元々、戦う気なんかボクには無かったんだ」
シャドウ綴理「なのにキミは、ううん…もういいや」
シャドウ綴理「ボクは腹ペコで消えるかもだけど、せめてボクのことは忘れないでほしいかな」
綴理「今、ボクの中にあるこの気持ちはなんなのか」
綴理(体中が痛い、気を失いそう、だけど…ボクはやり遂げた)
綴理(ペンギンは、今日を生き延びたんだ)
シャドウ綴理「なら、そうしてみればいい。元々、戦う気なんかボクには無かったんだ」
シャドウ綴理「なのにキミは、ううん…もういいや」
シャドウ綴理「ボクは腹ペコで消えるかもだけど、せめてボクのことは忘れないでほしいかな」
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156: 2024/02/15(木) 00:02:05.00
綴理「うん、そうする」
シャドウ綴理「じゃあね」
『なんか、不思議だな。朝の海を眺めているような気分?…うーん』
『そう…水面にぷかぷか浮いている、みたいな気分だ…』
綴理(もう一人のボクはそうして消えて…)
シャドウ綴理「……あ……れ…?」
綴理「???」
シャドウ綴理「じゃあね」
『なんか、不思議だな。朝の海を眺めているような気分?…うーん』
『そう…水面にぷかぷか浮いている、みたいな気分だ…』
綴理(もう一人のボクはそうして消えて…)
シャドウ綴理「……あ……れ…?」
綴理「???」
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157: 2024/02/15(木) 00:04:30.00
綴理(消え………ない?)
シャドウ綴理「あはは、そっか…ごめん。ボク気づいちゃった」
シャドウ綴理「ボクはボク自身も気づかないうちに嘘をついていたみたいだ」
綴理「…嘘?」
シャドウ綴理「ボクはキミの、夕霧綴理のために食べていたんだと思っていた…でもね…今、お腹が空いて仕方ないんだ」
シャドウ綴理「そうだ…夕霧綴理本人が否定してもなお、ボクは望んでいるんだよ」
綴理(なぜだろう、『目の前にいるもう一人のボクも夕霧綴理だ』という実感は変わらずあるのに)
綴理(これは"ボクの知らないボク"だった)
シャドウ綴理「あはは、そっか…ごめん。ボク気づいちゃった」
シャドウ綴理「ボクはボク自身も気づかないうちに嘘をついていたみたいだ」
綴理「…嘘?」
シャドウ綴理「ボクはキミの、夕霧綴理のために食べていたんだと思っていた…でもね…今、お腹が空いて仕方ないんだ」
シャドウ綴理「そうだ…夕霧綴理本人が否定してもなお、ボクは望んでいるんだよ」
綴理(なぜだろう、『目の前にいるもう一人のボクも夕霧綴理だ』という実感は変わらずあるのに)
綴理(これは"ボクの知らないボク"だった)
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158: 2024/02/15(木) 00:06:42.00
シャドウ綴理「はは…誤解してた。ボクは…ボクはね…」
シャドウ綴理「ただ、食べたかったんだ。食べなきゃ消えちゃうから」
シャドウ綴理「ああ…ああ…そうか…忘れていたのはボクだったんだ…お腹すいたお腹すいたお腹すいた…」
綴理(もう一人のボクから出ていた透明なもやもやが白く濁っていく……)
シャドウ綴理「アアア!タベタイ!オナカスイタアアア!」
綴理「ねえ…どうしたの?」
シャドウ綴理「ただ、食べたかったんだ。食べなきゃ消えちゃうから」
シャドウ綴理「ああ…ああ…そうか…忘れていたのはボクだったんだ…お腹すいたお腹すいたお腹すいた…」
綴理(もう一人のボクから出ていた透明なもやもやが白く濁っていく……)
シャドウ綴理「アアア!タベタイ!オナカスイタアアア!」
綴理「ねえ…どうしたの?」
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159: 2024/02/15(木) 00:07:52.00
シャドウ綴理「アアアアアアア!」
綴理(もう目に見えて白くなったもやもやが広がっていく)
綴理「あ…」
綴理(遅かった…あっという間に、もやもやはボクを包み込んでいた)
綴理(そういえば、ここにきてからどのくらい経ったんだろう)
綴理(………さや、心配してるよね)
綴理(もう目に見えて白くなったもやもやが広がっていく)
綴理「あ…」
綴理(遅かった…あっという間に、もやもやはボクを包み込んでいた)
綴理(そういえば、ここにきてからどのくらい経ったんだろう)
綴理(………さや、心配してるよね)
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160: 2024/02/15(木) 00:11:22.00
DOLLCHESTRA③
村野さやか
~もう表情は見えなくて
でも氷青は消えなくて~
さやか「………」
さやか(こうなってからどのくらい経っただろうか)
さやか(私たち以外は誰もいない廊下、目を覚さない綴理先輩、そして座り込む私)
さやか「綴理先輩、そろそろ起きてくださいよ…」
さやか「などと言うのは身勝手ですよね」
村野さやか
~もう表情は見えなくて
でも氷青は消えなくて~
さやか「………」
さやか(こうなってからどのくらい経っただろうか)
さやか(私たち以外は誰もいない廊下、目を覚さない綴理先輩、そして座り込む私)
さやか「綴理先輩、そろそろ起きてくださいよ…」
さやか「などと言うのは身勝手ですよね」
0
161: 2024/02/15(木) 00:14:50.00
さやか(体育館に行こうと廊下を歩いていたら、綴理先輩がいきなり倒れてしまった)
さやか(なんで倒れたのかはわからない…気を抜いていたせいで、倒れる前の綴理先輩に何があったのかわからない)
さやか(ただ、寝ている。まるで眠り姫のように)
さやか「これでも倒れた瞬間はかなり動揺したんですよ?綴理先輩」
さやか「だけど、私が今ここでパニックになってなんになるってんですか…って思い直しました」
さやか「だいたい綴理先輩がこうなのはほぼ通常運転ですし」
さやか「聞こえてますかー?綴理先輩ー?」
さやか(なんで倒れたのかはわからない…気を抜いていたせいで、倒れる前の綴理先輩に何があったのかわからない)
さやか(ただ、寝ている。まるで眠り姫のように)
さやか「これでも倒れた瞬間はかなり動揺したんですよ?綴理先輩」
さやか「だけど、私が今ここでパニックになってなんになるってんですか…って思い直しました」
さやか「だいたい綴理先輩がこうなのはほぼ通常運転ですし」
さやか「聞こえてますかー?綴理先輩ー?」
0
162: 2024/02/15(木) 00:16:27.00
さやか(とりあえず声をかける、そうすれば目を覚ますかもしれないわけです)
さやか(頭を押さえた状態で倒れたから恐らく頭は打ってない。呼吸も脈拍も安定している…心配ない、心配ない)
さやか(何も知らない人が見たら、いつもみたいにお昼寝してる綴理先輩とそれを見守る私だ)
さやか「…今度は私が待つ側になっちゃいましたね」
さやか「ま、いつものことですけど。お寝坊さんの綴理先輩」
さやか「……起きてくれますよね。綴理先輩」
さやか(頭を押さえた状態で倒れたから恐らく頭は打ってない。呼吸も脈拍も安定している…心配ない、心配ない)
さやか(何も知らない人が見たら、いつもみたいにお昼寝してる綴理先輩とそれを見守る私だ)
さやか「…今度は私が待つ側になっちゃいましたね」
さやか「ま、いつものことですけど。お寝坊さんの綴理先輩」
さやか「……起きてくれますよね。綴理先輩」
0
163: 2024/02/15(木) 20:13:22.00
さやか(もし、このまま目を覚さなかったら?そんな不安が定期的に込み上げる)
さやか(気を失っていた私ではなく綴理先輩の方に異常があった?マイクが使えなかったのはそのせい?)
さやか(下手に動かすわけにもいかないし、ああ!もう!ダメ元です)
さやか「誰かいますかー!」
さやか「村野さやかと夕霧綴理はここでーす!」
「不用心ですよ。どんな敵が出てくるかわからないのにそんな大声で」
「とはいえ、この場合は私がその敵なので既に手遅れですけど」
さやか(気を失っていた私ではなく綴理先輩の方に異常があった?マイクが使えなかったのはそのせい?)
さやか(下手に動かすわけにもいかないし、ああ!もう!ダメ元です)
さやか「誰かいますかー!」
さやか「村野さやかと夕霧綴理はここでーす!」
「不用心ですよ。どんな敵が出てくるかわからないのにそんな大声で」
「とはいえ、この場合は私がその敵なので既に手遅れですけど」
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164: 2024/02/15(木) 20:14:00.00
さやか「誰ですか」
シャドウさやか「自分の声というのは案外わからないものなのでしょうか?」
シャドウさやか「このまま放置して変なのに見つかってしまうのもいやですし、このあたりで終わらせましょうか」
さやか「…私と同じ姿、同じ声…」
さやか「ドッペルゲンガー?」
シャドウさやか「それと似たようなものですかね。他のはシャドウと名乗ってますが」
さやか「なんであれ、綴理先輩がこうなってあなたが現れた…つまり」
さやか「あなたのせいで綴理先輩がこうなったということでしょうか」ヒューン
シャドウさやか「自分の声というのは案外わからないものなのでしょうか?」
シャドウさやか「このまま放置して変なのに見つかってしまうのもいやですし、このあたりで終わらせましょうか」
さやか「…私と同じ姿、同じ声…」
さやか「ドッペルゲンガー?」
シャドウさやか「それと似たようなものですかね。他のはシャドウと名乗ってますが」
さやか「なんであれ、綴理先輩がこうなってあなたが現れた…つまり」
さやか「あなたのせいで綴理先輩がこうなったということでしょうか」ヒューン
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165: 2024/02/16(金) 21:41:39.00
シャドウさやか「それは少し違いますね」
さやか「違う…?」
シャドウさやか「私はまだ何もしてません」
シャドウさやか「そもそも私には綴理先輩をどうこうするつもりなど無いですよ?」
さやか「あなたはこの件とは無関係ということですか」
シャドウさやか「はい、私が狙うのはあくまでも村野さやか、あなたなので」
さやか「違う…?」
シャドウさやか「私はまだ何もしてません」
シャドウさやか「そもそも私には綴理先輩をどうこうするつもりなど無いですよ?」
さやか「あなたはこの件とは無関係ということですか」
シャドウさやか「はい、私が狙うのはあくまでも村野さやか、あなたなので」
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166: 2024/02/16(金) 21:43:08.00
シャドウ「とはいえ、巻き込んでしまう確率はゼロではない。綴理先輩のためにもここから離れて私に倒されることをおすすめします」
さやか「そんな必要はないかと思います」
さやか「今ここで、あなたを倒せばいいだけでしょう?」
シャドウさやか「やってみますか?死ぬほど後悔すると思いますが」
さやか「何を、わけのわからないことを!」
さやか(梢先輩にだって通じたんです、本気を出せばこんなのすぐに)
さやか「一撃で終わらせます!」
さやか「そんな必要はないかと思います」
さやか「今ここで、あなたを倒せばいいだけでしょう?」
シャドウさやか「やってみますか?死ぬほど後悔すると思いますが」
さやか「何を、わけのわからないことを!」
さやか(梢先輩にだって通じたんです、本気を出せばこんなのすぐに)
さやか「一撃で終わらせます!」
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167: 2024/02/16(金) 22:01:08.00
【さやか】
鏡よ鏡よムダな自問自答
虚像に問うなど奇妙奇妙
感じてますよアンラッキーな示唆
お引き取りをgirl in the mirror
対話などいらない門前払い
影にもお化けにも人権はない
もう受け取らない毒入りリンゴ
こびとは眠り姫を守ればいいの
https://cdn1.suno.ai/2f80aaa4-c0b3-45aa-b55f-3542af088a92.mp4
鏡よ鏡よムダな自問自答
虚像に問うなど奇妙奇妙
感じてますよアンラッキーな示唆
お引き取りをgirl in the mirror
対話などいらない門前払い
影にもお化けにも人権はない
もう受け取らない毒入りリンゴ
こびとは眠り姫を守ればいいの
https://cdn1.suno.ai/2f80aaa4-c0b3-45aa-b55f-3542af088a92.mp4
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168: 2024/02/16(金) 22:05:39.00
さやか「これで、どうだあああ!」
ヒュウウウウウウウ…
さやか(上空から降り注ぐリンゴ爆弾…それは確実に目の前の私を捉えて)
ドオオオオオオオオオオオオン!
さやか(小気味よく爆発をした)
さやか「これでどうですか」
シャドウさやか「はあ…はあ…ふふっ、ふふふっ!」
シャドウさやか「あはははっ!やっと!やっと!」
さやか「???何を笑ってるんです?」
ヒュウウウウウウウ…
さやか(上空から降り注ぐリンゴ爆弾…それは確実に目の前の私を捉えて)
ドオオオオオオオオオオオオン!
さやか(小気味よく爆発をした)
さやか「これでどうですか」
シャドウさやか「はあ…はあ…ふふっ、ふふふっ!」
シャドウさやか「あはははっ!やっと!やっと!」
さやか「???何を笑ってるんです?」
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169: 2024/02/16(金) 22:06:49.00
シャドウさやか「笑いますよ。だって、やっと消えられるんですからっ!」
シャドウさやか「ああ痛い!苦しい!でも、でもでもでもこれで最後なんです!もう終わりなんです!」
シャドウさやか「からっぽな私が終わるんですよ!はははっ!やった!やったやったああああ!」
さやか「…空っぽ?」
シャドウさやか「そうじゃないですか?お姉ちゃんの後を追ってフィギュアを始めて、周りが求めるままに成果を出して」
シャドウさやか「それができないことが苦しくなったら、綴理先輩の姿に助けを求めてスクールアイドルを始めて」
シャドウさやか「綴理先輩のお世話という自分の居場所ができて安心する…ああ、空っぽで虚しい私」
シャドウさやか「ああ痛い!苦しい!でも、でもでもでもこれで最後なんです!もう終わりなんです!」
シャドウさやか「からっぽな私が終わるんですよ!はははっ!やった!やったやったああああ!」
さやか「…空っぽ?」
シャドウさやか「そうじゃないですか?お姉ちゃんの後を追ってフィギュアを始めて、周りが求めるままに成果を出して」
シャドウさやか「それができないことが苦しくなったら、綴理先輩の姿に助けを求めてスクールアイドルを始めて」
シャドウさやか「綴理先輩のお世話という自分の居場所ができて安心する…ああ、空っぽで虚しい私」
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170: 2024/02/16(金) 22:07:32.00
さやか「それは…違います!」
シャドウさやか「違うというなら、また私を叩きのめしますか?」
シャドウさやか「でも…残念。私はもう消えますし」
シャドウさやか「この終わり方をした以上……あなたの空っぽな……言葉はもう……」
誰にも届きませんよ?
シャドウさやか「違うというなら、また私を叩きのめしますか?」
シャドウさやか「でも…残念。私はもう消えますし」
シャドウさやか「この終わり方をした以上……あなたの空っぽな……言葉はもう……」
誰にも届きませんよ?
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171: 2024/02/16(金) 22:09:39.00
さやか「なにを…言ってるんですか」
さやか(次の瞬間…)
グシャアアアアッ
さやか(私の中から…黒いどろどろしたものが湧き出してきた)
さやか「ひっ!」
『表現力、自分の中の世界を外へと表す力』
さやか「なんですか…これ?」
さやか(次の瞬間…)
グシャアアアアッ
さやか(私の中から…黒いどろどろしたものが湧き出してきた)
さやか「ひっ!」
『表現力、自分の中の世界を外へと表す力』
さやか「なんですか…これ?」
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172: 2024/02/16(金) 22:11:59.00
『私は、村野さやかはそれを求めていた…』
さやか(耳を塞いでも、声は止まなかった)
さやか(いえ、これは…私の中から声がしている??)
『いろいろなことをした。でも…私自身の表現とは何なのかわからなかった』
『そしてある日気づいた、私が自分を表現していると思っていたその行為はすべて……』
『誰かの真似でしかなかったんだ』
さやか(耳を塞いでも、声は止まなかった)
さやか(いえ、これは…私の中から声がしている??)
『いろいろなことをした。でも…私自身の表現とは何なのかわからなかった』
『そしてある日気づいた、私が自分を表現していると思っていたその行為はすべて……』
『誰かの真似でしかなかったんだ』
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173: 2024/02/16(金) 22:14:49.00
さやか(なんなんですか…この…声)
さやか(いえ、今はこの黒いのを…)
『私自身の願いなんてなかった…どこにも』
『私の意思は、行動は、他の誰かの借り物』
さやか(違う、私は…みんなの期待に応えるって)
『周りは私に期待をしてくれた。それに応えられると嬉しかった』
さやか(いえ、今はこの黒いのを…)
『私自身の願いなんてなかった…どこにも』
『私の意思は、行動は、他の誰かの借り物』
さやか(違う、私は…みんなの期待に応えるって)
『周りは私に期待をしてくれた。それに応えられると嬉しかった』
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174: 2024/02/16(金) 22:16:17.00
さやか(そうですよ!それが私の)
『でも…』
『だれも私に期待しなくなったら…私が何もしない事を周りが望んだら、私は何をすればいいんだろう』
さやか(…っっ!!)
『私は、村野さやかは、何をやりたいんだろうって何度も自問自答したけれど、わからなかった』
『苦しんで悩んで私は気づいた』
さやか(だめです…意識が朦朧と)
『でも…』
『だれも私に期待しなくなったら…私が何もしない事を周りが望んだら、私は何をすればいいんだろう』
さやか(…っっ!!)
『私は、村野さやかは、何をやりたいんだろうって何度も自問自答したけれど、わからなかった』
『苦しんで悩んで私は気づいた』
さやか(だめです…意識が朦朧と)
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175: 2024/02/16(金) 22:19:37.00
『そうか…このからっぽが…なにひとつじぶんのものがないすがたが』
『村野さやかだったんだ』
『そうだ、わたしは…』
『わ た し じ 身 で 』
『か ら ッ ぽ を 表 げ ん ス れ ば』
『い イ ん だ 』
『村野さやかだったんだ』
『そうだ、わたしは…』
『わ た し じ 身 で 』
『か ら ッ ぽ を 表 げ ん ス れ ば』
『い イ ん だ 』
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176: 2024/02/16(金) 22:22:16.00
…………
…………………
さやか(……ん…ここは?)
さやか(えっと…たしか私は、私にそっくりな私と会って)
さやか(……え?)
さやか(周りは真っ黒だった)
さやか(真っ暗じゃない、真っ黒)
…………………
さやか(……ん…ここは?)
さやか(えっと…たしか私は、私にそっくりな私と会って)
さやか(……え?)
さやか(周りは真っ黒だった)
さやか(真っ暗じゃない、真っ黒)
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177: 2024/02/16(金) 22:23:11.00
さやか(いえ…それよりも…)
さやか(立てない…?)
さやか(少し考えてその理由がわかった)
さやか(ここには地面が無いんだ)
さやか(地面どころか体をいくら伸ばしても何にも触れない)
さやか(そこで私の意識はまた途切れた)
さやか(立てない…?)
さやか(少し考えてその理由がわかった)
さやか(ここには地面が無いんだ)
さやか(地面どころか体をいくら伸ばしても何にも触れない)
さやか(そこで私の意識はまた途切れた)
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178: 2024/02/16(金) 22:24:34.00
………
…………
さやか「あれ?」
さやか「ここは…スケートリンク?」
さやか(そうだ、何をぼーっとしてたんだ)
さやか(今日はお姉ちゃんの出る大会の日だ!)
ザワザワザワザワ
「やっぱ、村野つかささん優勝だよな」
「他が劣っているわけじゃないけど、つかささんは別格だよ」
さやか(ふふっ、みんなお姉ちゃんのことほめてる)
…………
さやか「あれ?」
さやか「ここは…スケートリンク?」
さやか(そうだ、何をぼーっとしてたんだ)
さやか(今日はお姉ちゃんの出る大会の日だ!)
ザワザワザワザワ
「やっぱ、村野つかささん優勝だよな」
「他が劣っているわけじゃないけど、つかささんは別格だよ」
さやか(ふふっ、みんなお姉ちゃんのことほめてる)
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179: 2024/02/16(金) 22:25:22.00
「おい!次がつかささんだぞ!」
さやか(満を持してお姉ちゃんがリンクに立つ)
さやか(音楽がはじまり、お姉ちゃんの世界が氷の上に展開される)
さやか(やっぱりお姉ちゃんはすごかった!)
さやか(優雅で、軽やかで、でも情熱的で、目が離せない)
さやか(これ以上ないくらい胸がときめく…お姉ちゃんの表情、動き、すべてが音楽と混ざりあって押し寄せてくる)
タンッ!
さやか(音楽が終わり、お姉ちゃんが締めのポーズを決める)
………
さやか(永遠にも思える、でもほんの一瞬の静寂の後…)
さやか(満を持してお姉ちゃんがリンクに立つ)
さやか(音楽がはじまり、お姉ちゃんの世界が氷の上に展開される)
さやか(やっぱりお姉ちゃんはすごかった!)
さやか(優雅で、軽やかで、でも情熱的で、目が離せない)
さやか(これ以上ないくらい胸がときめく…お姉ちゃんの表情、動き、すべてが音楽と混ざりあって押し寄せてくる)
タンッ!
さやか(音楽が終わり、お姉ちゃんが締めのポーズを決める)
………
さやか(永遠にも思える、でもほんの一瞬の静寂の後…)
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180: 2024/02/16(金) 22:26:47.00
オオオオオオ!
パチパチパチパチパチパチ!!
さやか(割れんばかりの歓声と拍手が空間を埋めつくす)
さやか「お姉ちゃん!」
さやか(私はこの瞬間が好きだった)
さやか(……)
さやか(あ…れ?好きだっ"た"?)
さやか(待って、何かがおかしい)
パチパチパチパチパチパチ!!
さやか(割れんばかりの歓声と拍手が空間を埋めつくす)
さやか「お姉ちゃん!」
さやか(私はこの瞬間が好きだった)
さやか(……)
さやか(あ…れ?好きだっ"た"?)
さやか(待って、何かがおかしい)
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181: 2024/02/16(金) 22:28:30.00
さやか「…あ」
さやか「思い…出した」
さやか(そうだ、ありえないんだ…お姉ちゃんがこんなふうに滑れるなんて)
さやか(だって…お姉ちゃんは…ケガで)
「いやー、一時はどうなるかと思ったけどさ。よくあのケガから持ち直したよ」
「私は立ち直るって信じてたけどね。あのつかさちゃんだよ?」
「そうだよ。つかさちゃんはあんなケガで終わるような子じゃない…壮絶な道だったけど、あの子はやり遂げたんだよ」
さやか「思い…出した」
さやか(そうだ、ありえないんだ…お姉ちゃんがこんなふうに滑れるなんて)
さやか(だって…お姉ちゃんは…ケガで)
「いやー、一時はどうなるかと思ったけどさ。よくあのケガから持ち直したよ」
「私は立ち直るって信じてたけどね。あのつかさちゃんだよ?」
「そうだよ。つかさちゃんはあんなケガで終わるような子じゃない…壮絶な道だったけど、あの子はやり遂げたんだよ」
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182: 2024/02/17(土) 21:01:54.00
さやか(どういうこと?お姉ちゃんはケガをしたけど、立ち直った?)
さやか(私の混乱をよそに大会は進み、表彰式も終わった)
さやか(もちろん結果はお姉ちゃんの優勝。大きな大会だったからかテレビの取材なんかも来てて、優勝者のインタビューが始まっていた)
アナウンサー「今大会も優勝をもぎとった村野つかささん、今のお気持ちをどうぞ」
つかさ「はい!とってもうれしいです!」
アナウンサー「今回はご自身の将来にも関わる大きな大会でプレッシャーも相当だったと思いますが、どのような心境で望みましたか?」
つかさ「えーっと、私はいつもみたいに滑りたいように滑っただけといいますか…」
さやか(私の混乱をよそに大会は進み、表彰式も終わった)
さやか(もちろん結果はお姉ちゃんの優勝。大きな大会だったからかテレビの取材なんかも来てて、優勝者のインタビューが始まっていた)
アナウンサー「今大会も優勝をもぎとった村野つかささん、今のお気持ちをどうぞ」
つかさ「はい!とってもうれしいです!」
アナウンサー「今回はご自身の将来にも関わる大きな大会でプレッシャーも相当だったと思いますが、どのような心境で望みましたか?」
つかさ「えーっと、私はいつもみたいに滑りたいように滑っただけといいますか…」
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183: 2024/02/17(土) 21:02:47.00
アナウンサー「2026年冬季オリンピックや海外への進出なども視野に入れてるといった話もありますが?」
つかさ「そうですねー。みなさんの期待に応えていけるよう精進します!」
さやか(オリンピック…?海外…?いや、たしかにお姉ちゃんがあのまま続けていたらそのくらいにはなったかも)
さやか(でも、どうなってるの?)
アナウンサー「少々、踏み込んだ質問をしてもよろしいでしょうか?」
つかさ「あ、はい。予想はできてますのでどうぞ」
つかさ「そうですねー。みなさんの期待に応えていけるよう精進します!」
さやか(オリンピック…?海外…?いや、たしかにお姉ちゃんがあのまま続けていたらそのくらいにはなったかも)
さやか(でも、どうなってるの?)
アナウンサー「少々、踏み込んだ質問をしてもよろしいでしょうか?」
つかさ「あ、はい。予想はできてますのでどうぞ」
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184: 2024/02/18(日) 11:20:19.00
アナウンサー「つかさんといえば…以前に大きなケガをされて選手生命が危ぶまれたのが記憶にあります」
つから「ありましたねー。そんなことも」
アナウンサー「私のような素人目にも、あの状況からの復帰は絶望的だった。そんな状況から立ち直りこうして成果を出した」
アナウンサー「ここまで努力を重ねられた理由、つかささんを支えたものとはなんだったのでしょう?」
つかさ「そうですね…やはり周囲の人に恵まれたんだと思います」
アナウンサー「周囲の人ですか。なるほど」
つから「ありましたねー。そんなことも」
アナウンサー「私のような素人目にも、あの状況からの復帰は絶望的だった。そんな状況から立ち直りこうして成果を出した」
アナウンサー「ここまで努力を重ねられた理由、つかささんを支えたものとはなんだったのでしょう?」
つかさ「そうですね…やはり周囲の人に恵まれたんだと思います」
アナウンサー「周囲の人ですか。なるほど」
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185: 2024/02/18(日) 11:22:19.00
つかさ「特に家族にはいくら感謝しても足りません」
さやか(…お姉ちゃん!)
つかさ「私の復帰のためにかかる費用を二つ返事で工面してくれたお父さん、辛い時にはいつだって相談に乗ってくれたお母さん、それにおじいちゃんおばあちゃんも…」
さやか(お姉ちゃん…こういう場では父とか母とか言うものだよ………あれ?)
さやか(何か、抜けてない?)
さやか(それから家族の話題になって、お姉ちゃんは笑顔で家族の話をした…でも)
さやか(私の、村野さやかのことはまったく触れられていない)
さやか(…お姉ちゃん!)
つかさ「私の復帰のためにかかる費用を二つ返事で工面してくれたお父さん、辛い時にはいつだって相談に乗ってくれたお母さん、それにおじいちゃんおばあちゃんも…」
さやか(お姉ちゃん…こういう場では父とか母とか言うものだよ………あれ?)
さやか(何か、抜けてない?)
さやか(それから家族の話題になって、お姉ちゃんは笑顔で家族の話をした…でも)
さやか(私の、村野さやかのことはまったく触れられていない)
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186: 2024/02/18(日) 22:30:52.00
アナウンサー「つかささんのモチベーションは家族や周囲の人のために頑張る、そこが根底なんですね。とくに家族の影響は大きい」
つかい「はい、そうですね」
さやか「まさか…そんなこと…ないよね?」
さやか(私の嫌な推測は、次の言葉で確信に変わった)
つかさ「だって、お父さんとお母さんの期待に応えられるのは、ひとり娘の私だけなんですから!」
さやか「ひとり…娘…」
さやか(あ…)
つかい「はい、そうですね」
さやか「まさか…そんなこと…ないよね?」
さやか(私の嫌な推測は、次の言葉で確信に変わった)
つかさ「だって、お父さんとお母さんの期待に応えられるのは、ひとり娘の私だけなんですから!」
さやか「ひとり…娘…」
さやか(あ…)
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187: 2024/02/18(日) 22:32:50.00
さやか(気づいてしまった。この場にはたくさんの人がいる。でも)
さやか(今こうして立ちすくんでる私に注意を払うものは一人もいない…まるで)
さやか(私という存在が無いかのような)
さやか「そんなはずは…そうだ、家とか学校とか」
さやか(どこでもいい、私が存在している証拠を)
さやか(今こうして立ちすくんでる私に注意を払うものは一人もいない…まるで)
さやか(私という存在が無いかのような)
さやか「そんなはずは…そうだ、家とか学校とか」
さやか(どこでもいい、私が存在している証拠を)
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188: 2024/02/18(日) 23:43:24.00
さやか(それから私はあちこちを回った)
さやか(だけど、その結果はさんざんだった)
さやか(自宅の私の部屋だった場所は乱雑に荷物が置かれた物置部屋と化していた)
さやか(教室に私の席は無かったし、名簿に"村野さやか"の名前は見つからなかった)
さやか(そうして最後の最後に辿り着いた場所は)
さやか「…スクールアイドルクラブの部室、もしここにも無かったら」
さやか(だけど、その結果はさんざんだった)
さやか(自宅の私の部屋だった場所は乱雑に荷物が置かれた物置部屋と化していた)
さやか(教室に私の席は無かったし、名簿に"村野さやか"の名前は見つからなかった)
さやか(そうして最後の最後に辿り着いた場所は)
さやか「…スクールアイドルクラブの部室、もしここにも無かったら」
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189: 2024/02/19(月) 18:46:24.00
さやか(どうしよう。この扉だけは開けたくない)
さやか(だって多分ない…ここにも)
さやか(ここにだけありました!なんてご都合主義はないんだと思う)
花帆「よーし!今日も頑張るぞー!」
さやか(この声、花帆さん?)
さやか(廊下の向こうから花帆さんと瑠璃乃さんが歩いてきていた)
さやか(だって多分ない…ここにも)
さやか(ここにだけありました!なんてご都合主義はないんだと思う)
花帆「よーし!今日も頑張るぞー!」
さやか(この声、花帆さん?)
さやか(廊下の向こうから花帆さんと瑠璃乃さんが歩いてきていた)
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190: 2024/02/19(月) 23:51:27.00
瑠璃乃「いやー、花帆ちゃんは元気だねー」
花帆「だってもうすぐ竜胆祭だもん!気合い入れないと」
瑠璃乃「まー、それはルリも同じなんだけどね」
瑠璃乃「竜胆祭はさ、めぐちゃんのリベンジマッチなんだ」
花帆「心配ないって。今年は、瑠璃乃ちゃんもいるんだから」
瑠璃乃「ん…そうだね。せいぜいめぐちゃんの足引っ張んないようにはしないと」
花帆「竜胆祭もだけどさ、ついにラブライブの予選に出るんだよ!梢センパイの夢のラブライブに!」
花帆「だってもうすぐ竜胆祭だもん!気合い入れないと」
瑠璃乃「まー、それはルリも同じなんだけどね」
瑠璃乃「竜胆祭はさ、めぐちゃんのリベンジマッチなんだ」
花帆「心配ないって。今年は、瑠璃乃ちゃんもいるんだから」
瑠璃乃「ん…そうだね。せいぜいめぐちゃんの足引っ張んないようにはしないと」
花帆「竜胆祭もだけどさ、ついにラブライブの予選に出るんだよ!梢センパイの夢のラブライブに!」
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191: 2024/02/19(月) 23:52:06.00
さやか(竜胆祭、ラブライブ予選、もうすぐなんですよね)
さやか(というか、先週まで本当にどたばたしてました)
さやか(梢先輩が無理が祟って高熱を出してしまい、部が一丸となって解決しようと動くことになって)
さやか(沙知先輩、かつてスクールアイドル部の一員で、今は蓮ノ空の生徒会長で、恐らく2年生と過去に何かあった人)
さやか(沙知先輩の試練は私だけ保留になってて、それで見つけた私の軸が『期待に応えたい』…それを沙知先輩に見せようとしてたんだ)
さやか(でも、今こうなって思う)
さやか(期待に応えるって、どういうことなんだろう?)
さやか(私の軸がそこにあったとして…それは他人の望むままに生きたいってことなんだろうか?)
さやか(というか、先週まで本当にどたばたしてました)
さやか(梢先輩が無理が祟って高熱を出してしまい、部が一丸となって解決しようと動くことになって)
さやか(沙知先輩、かつてスクールアイドル部の一員で、今は蓮ノ空の生徒会長で、恐らく2年生と過去に何かあった人)
さやか(沙知先輩の試練は私だけ保留になってて、それで見つけた私の軸が『期待に応えたい』…それを沙知先輩に見せようとしてたんだ)
さやか(でも、今こうなって思う)
さやか(期待に応えるって、どういうことなんだろう?)
さやか(私の軸がそこにあったとして…それは他人の望むままに生きたいってことなんだろうか?)
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192: 2024/02/19(月) 23:53:05.00
梢「あら、花帆さんやる気ね。わたくしも嬉しいわ」
梢「そのやる気に応えるためにも、今日からはいつもの倍以上に指導に力をいれないとかしら?」
花帆「こ、ここ、梢センパイ!」
慈「梢は今日も鬼教官だね。そんなんじゃ花帆ちゃんに嫌われちゃうぞー」
梢「心配無用よ。花帆さんには合意の上でこうして厳しくしているの。嫌われるなんて…」
梢「そ…そんなこと…無いわよね!花帆さん!」
慈「言いながらブレブレじゃん…」
梢「そのやる気に応えるためにも、今日からはいつもの倍以上に指導に力をいれないとかしら?」
花帆「こ、ここ、梢センパイ!」
慈「梢は今日も鬼教官だね。そんなんじゃ花帆ちゃんに嫌われちゃうぞー」
梢「心配無用よ。花帆さんには合意の上でこうして厳しくしているの。嫌われるなんて…」
梢「そ…そんなこと…無いわよね!花帆さん!」
慈「言いながらブレブレじゃん…」
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193: 2024/02/20(火) 08:19:26.00
慈「ま、無理はしないでよ。次も綴理が気づいてくれるとは限らないんだから」
さやか(綴理先輩…!)
瑠璃乃「いやぁ、マジでビックリしたね。ばっと見いつも通りの梢先輩だったのに熱あるのに気づくなんて」
梢「そのままでもわたくしは問題なかったのだけれど」
慈「そうやって無理して取り返しがつかなくなってからじゃ遅いんだって。部長の仕事もあったんでしょ?」
花帆「そうですよ!あたしは最高の梢センパイとステージに立ちたいんですから、無理とかしないでください」
梢「花帆さんがそういうなら…」
梢「綴理にはわたくしたちにばかり構ってないで、そろそろ自分のことも大事にしてほしいのだけれどね」
さやか(綴理先輩…!)
瑠璃乃「いやぁ、マジでビックリしたね。ばっと見いつも通りの梢先輩だったのに熱あるのに気づくなんて」
梢「そのままでもわたくしは問題なかったのだけれど」
慈「そうやって無理して取り返しがつかなくなってからじゃ遅いんだって。部長の仕事もあったんでしょ?」
花帆「そうですよ!あたしは最高の梢センパイとステージに立ちたいんですから、無理とかしないでください」
梢「花帆さんがそういうなら…」
梢「綴理にはわたくしたちにばかり構ってないで、そろそろ自分のことも大事にしてほしいのだけれどね」
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194: 2024/02/20(火) 08:27:31.00
さやか(そうか…そういう…ことか…)
さやか(私がいなかったら、綴理先輩はもっと周りを見れる)
さやか(それで梢先輩の不調に気づくことができたんだ)
さやか(私がいない状況ならあんなトラブルはそもそも起こらなかった)
さやか(なにが、私が部長の業務を引き継ぐだ…原因の一旦は私じゃないですか)
花帆「そういえば、その綴理センパイは一緒に来てないんですか?」
慈「また教室出たとこでファンの子たちの待ち伏せくらってね…私たちは先に行けってさ」
さやか(私がいなかったら、綴理先輩はもっと周りを見れる)
さやか(それで梢先輩の不調に気づくことができたんだ)
さやか(私がいない状況ならあんなトラブルはそもそも起こらなかった)
さやか(なにが、私が部長の業務を引き継ぐだ…原因の一旦は私じゃないですか)
花帆「そういえば、その綴理センパイは一緒に来てないんですか?」
慈「また教室出たとこでファンの子たちの待ち伏せくらってね…私たちは先に行けってさ」
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195: 2024/02/20(火) 23:28:39.00
梢「以前から内外問わずファンが多かったのだけど、また一段と人気が出たのよね」
瑠璃乃「まあ、それも当然ですよ」
瑠璃乃「蓮ノ空の夕霧綴理といえば、今注目度ナンバーワンのスクールアイドルじゃないですか」
花帆「この前もスカウトの話が来てたって聞きましたよ?」
綴理「そうだね。昨日も今日もてんやわんや」
花帆「あ、綴理センパイ!」
瑠璃乃「もうすっかり時の人じゃないですか。よっ!蓮ノ空の星」
瑠璃乃「まあ、それも当然ですよ」
瑠璃乃「蓮ノ空の夕霧綴理といえば、今注目度ナンバーワンのスクールアイドルじゃないですか」
花帆「この前もスカウトの話が来てたって聞きましたよ?」
綴理「そうだね。昨日も今日もてんやわんや」
花帆「あ、綴理センパイ!」
瑠璃乃「もうすっかり時の人じゃないですか。よっ!蓮ノ空の星」
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196: 2024/02/21(水) 08:20:59.00
綴理「うん、でもボクは」
梢「わたくしたちと一緒にスクールアイドルをしたい、でしょ。わたくしも同じよ」
慈「蓮ノ大三角だもんね。私たちは」
綴理「うん。ボクはみんなと、蓮ノ空のみんなといたい」
綴理「みんなとならスクールアイドルに、近づける気がする」
綴理「あのね、きいてほしいんだ。ボクね…」
梢「わたくしたちと一緒にスクールアイドルをしたい、でしょ。わたくしも同じよ」
慈「蓮ノ大三角だもんね。私たちは」
綴理「うん。ボクはみんなと、蓮ノ空のみんなといたい」
綴理「みんなとならスクールアイドルに、近づける気がする」
綴理「あのね、きいてほしいんだ。ボクね…」
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197: 2024/02/21(水) 20:38:27.00
さやか「っ!!!」
さやか(駆け出していた、全力で、廊下を、部室から逃げるように)
さやか(もうわかった!スクールアイドルになりたいと、そう願っていた綴理先輩の夢にすら、私はいらないんだ!)
さやか(今、綴理先輩の口にした"みんな"に私はいない…村野さやかはここには必要ない)
さやか(考えたことがなかったわけじゃない、私がいなくても、綴理先輩は自分で踏み出せたんじゃないかって)
さやか(たとえ自分で踏み出せなくても、私以外の誰かがそのきっかけを作ったんじゃないかって)
さやか(駆け出していた、全力で、廊下を、部室から逃げるように)
さやか(もうわかった!スクールアイドルになりたいと、そう願っていた綴理先輩の夢にすら、私はいらないんだ!)
さやか(今、綴理先輩の口にした"みんな"に私はいない…村野さやかはここには必要ない)
さやか(考えたことがなかったわけじゃない、私がいなくても、綴理先輩は自分で踏み出せたんじゃないかって)
さやか(たとえ自分で踏み出せなくても、私以外の誰かがそのきっかけを作ったんじゃないかって)
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198: 2024/02/21(水) 20:38:59.00
さやか「……はぁ」
さやか(私のいないスクールアイドルクラブは、私の思った以上に暖かい場所だった)
さやか(私の知るスクールアイドルクラブから私だけが消えて、私の知るよりも良い現実がここにある)
さやか(では、私は…なにをしていたんだろう)
さやか(私の選択が、もっと言えば私の存在が最良から遠ざけていた…そういうことなんでしょう)
さやか「あ、飛行機雲…」
さやか(なんでだろう目が離せない)
さやか(私のいないスクールアイドルクラブは、私の思った以上に暖かい場所だった)
さやか(私の知るスクールアイドルクラブから私だけが消えて、私の知るよりも良い現実がここにある)
さやか(では、私は…なにをしていたんだろう)
さやか(私の選択が、もっと言えば私の存在が最良から遠ざけていた…そういうことなんでしょう)
さやか「あ、飛行機雲…」
さやか(なんでだろう目が離せない)
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199: 2024/02/21(水) 22:55:22.00
さやか(今の綴理先輩は私とユニットをしていた時よりも評価されている…)
さやか(そりゃ当たり前ですよね…綴理先輩が私のレベルに合わせてるのは事実としてあったわけですし、1年の頃にスカウトされてた前例もあるので)
さやか(お姉ちゃんのこともそう。仮に子供がひとりだけならお父さんもお母さんもお姉ちゃんの復帰のためにもっと力を注げた)
さやか「案外、このまま私がいないほうが世界はうまく回るんでしょうか」
さやか「期待に答えたい。それが私の願いなら…いっそ」
さやか「このまま私がいないことが、みんなの期待に答える最高の形なのかも」
さやか(そりゃ当たり前ですよね…綴理先輩が私のレベルに合わせてるのは事実としてあったわけですし、1年の頃にスカウトされてた前例もあるので)
さやか(お姉ちゃんのこともそう。仮に子供がひとりだけならお父さんもお母さんもお姉ちゃんの復帰のためにもっと力を注げた)
さやか「案外、このまま私がいないほうが世界はうまく回るんでしょうか」
さやか「期待に答えたい。それが私の願いなら…いっそ」
さやか「このまま私がいないことが、みんなの期待に答える最高の形なのかも」
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200: 2024/02/22(木) 12:40:29.00
さやか(だったら…)
さやか「……あ」
さやか(もの想いに耽っていたせいか、気づかなかった)
さやか(目の前に、あの人がいた)
さやか「綴理先輩?」
さやか(目が合ってしまった、いやこれは偶然だ)
さやか(綴理先輩が見ていたのは私のいたその向こう)
さやか(真っ赤な夕焼け空、そうかもうそんな時間なのかと思いながら)
さやか「たしか、前もこんなことがあったような」
さやか(何気ない、いつもの帰り道)
さやか「……あ」
さやか(もの想いに耽っていたせいか、気づかなかった)
さやか(目の前に、あの人がいた)
さやか「綴理先輩?」
さやか(目が合ってしまった、いやこれは偶然だ)
さやか(綴理先輩が見ていたのは私のいたその向こう)
さやか(真っ赤な夕焼け空、そうかもうそんな時間なのかと思いながら)
さやか「たしか、前もこんなことがあったような」
さやか(何気ない、いつもの帰り道)
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201: 2024/02/22(木) 12:41:01.00
~~~~~~~~~~~~
『ねえ、さや…これから先も見れたらいいねこれ』
『何言ってるんですか…』
『私は毎日見てますよ?夕焼けみたいに綺麗な赤色なら』
~~~~~~~~~~~~
『ねえ、さや…これから先も見れたらいいねこれ』
『何言ってるんですか…』
『私は毎日見てますよ?夕焼けみたいに綺麗な赤色なら』
~~~~~~~~~~~~
0
202: 2024/02/22(木) 12:43:07.00
さやか「綴理先輩…」
さやか(先輩は何も答えない、私の後ろの空をじっと見ている)
さやか(あの時のように夕焼けをただ見つめて空に手を伸ばしている)
さやか「…聞こえないなら、それでいいです。ただの独り言なので」
さやか「綴理先輩、私は先輩の夕焼けみたいな輝きに惹かれてスクールアイドルをはじめました」
さやか「前にもいいましたよね。奇跡だったんです。何もかも見失っていた私の世界が変わったんです」
さやか(先輩は何も答えない、私の後ろの空をじっと見ている)
さやか(あの時のように夕焼けをただ見つめて空に手を伸ばしている)
さやか「…聞こえないなら、それでいいです。ただの独り言なので」
さやか「綴理先輩、私は先輩の夕焼けみたいな輝きに惹かれてスクールアイドルをはじめました」
さやか「前にもいいましたよね。奇跡だったんです。何もかも見失っていた私の世界が変わったんです」
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203: 2024/02/22(木) 22:33:59.00
さやか「だから私は先輩を追って、そうして先輩の探していたものを知って、私の探していたものを見つけてもらって」
さやか「そうやって進んでいく先で私たち二人が互いに支え合う日を、互いに必要としあう日々を夢見てしまった」
さやか「そうです。身の程知らずにも、あなたの隣にいたいと願い、ユニットとして隣に立った愚か者がいたんです」
さやか「でも、愚か者は愚か者でしかなかったみたいです」
さやか「だから、先輩…私は」
さやか「私は…」
さやか(私の頬を涙が伝っていた)
さやか「あ…あれ?おかしいです」
さやか「そうやって進んでいく先で私たち二人が互いに支え合う日を、互いに必要としあう日々を夢見てしまった」
さやか「そうです。身の程知らずにも、あなたの隣にいたいと願い、ユニットとして隣に立った愚か者がいたんです」
さやか「でも、愚か者は愚か者でしかなかったみたいです」
さやか「だから、先輩…私は」
さやか「私は…」
さやか(私の頬を涙が伝っていた)
さやか「あ…あれ?おかしいです」
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204: 2024/02/22(木) 22:35:02.00
さやか「私がいなくなってもいいんじゃないかって、思ったばかりだったのに」
さやか(ああなるほど、わかってしまった)
さやか(だって、今はあの時の夕焼けとは違う)
さやか(あの時の先輩は夕焼けを見ながらも、ちゃんと私を見てくれていた)
さやか(だけど今はそれがなくて、それがないという事実がただひたすら)
さやか(悔しかった)
さやか(ああなるほど、わかってしまった)
さやか(だって、今はあの時の夕焼けとは違う)
さやか(あの時の先輩は夕焼けを見ながらも、ちゃんと私を見てくれていた)
さやか(だけど今はそれがなくて、それがないという事実がただひたすら)
さやか(悔しかった)
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205: 2024/02/22(木) 22:37:05.00
さやか(そっか、私は悔しいんだ…ああ悔しくてたまらない)
さやか(ようやく自覚した。私はみんなに私を見てほしかったんだ。大事な人には絶対に見てほしかったんだ、強欲だったんだ)
さやか(村野さやかはとても浅はかで、汚くて、傲慢な人間だったんだ)
さやか(周囲の期待に応えるなんてあたかも聖人のような戯言を並べても、自己犠牲一つ貫けない愚か者なんだ)
さやか「そうですよね…こんな人間はいないほうがいい」
さやか「でも、でも…」
さやか「…綴理先輩…わがままになっていいと、あなたは私に言いました」
さやか(ようやく自覚した。私はみんなに私を見てほしかったんだ。大事な人には絶対に見てほしかったんだ、強欲だったんだ)
さやか(村野さやかはとても浅はかで、汚くて、傲慢な人間だったんだ)
さやか(周囲の期待に応えるなんてあたかも聖人のような戯言を並べても、自己犠牲一つ貫けない愚か者なんだ)
さやか「そうですよね…こんな人間はいないほうがいい」
さやか「でも、でも…」
さやか「…綴理先輩…わがままになっていいと、あなたは私に言いました」
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206: 2024/02/23(金) 13:30:29.00
さやか「ならば、今…とても身勝手で傲慢になってしまうことをお許しください」
さやか「……」
さやか「消えてなんてやるもんか。たとえ、お姉ちゃんが成功しようと…世界中の人間が幸せになれるんだとしても」
さやか「綴理先輩が力を発揮して認められるんだとしても、綴理先輩がスクールアイドルになれるんだとしても、こんな世界認めてなんかやらない」
さやか「だって私は綴理先輩と約束したんだ『一緒にスクールアイドルになる』って『隣にいる』って」
さやか「その約束を、無かったことにしろ?…ふざけるな」
さやか「私にとっては世界中の人間の幸せよりも綴理先輩との約束の方が大事なんです!私は、綴理先輩と一緒にスクールアイドルになりたい」
さやか「……」
さやか「消えてなんてやるもんか。たとえ、お姉ちゃんが成功しようと…世界中の人間が幸せになれるんだとしても」
さやか「綴理先輩が力を発揮して認められるんだとしても、綴理先輩がスクールアイドルになれるんだとしても、こんな世界認めてなんかやらない」
さやか「だって私は綴理先輩と約束したんだ『一緒にスクールアイドルになる』って『隣にいる』って」
さやか「その約束を、無かったことにしろ?…ふざけるな」
さやか「私にとっては世界中の人間の幸せよりも綴理先輩との約束の方が大事なんです!私は、綴理先輩と一緒にスクールアイドルになりたい」
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207: 2024/02/23(金) 13:43:27.00
さやか「いいですよね!だって先にそう言ったのは先輩です。私と先輩でスクールアイドルになりたいと、そう願ったのは先輩もだって言っていいですよね」
さやか「先輩もお姉ちゃんも私に求めてくれていた。私を求めてくれていた!そう思って、それを叶えることこそ」
さやか「『期待に応える』ことだと私は主張します」
さやか(なんとなく気づいてしまった。『みんなの期待に応えたい』これ…めちゃくちゃわがままなこと言ってた)
さやか(だって、周りが私が期待にすること前提なんです)
さやか(『私のやりたいことと周りのやってほしいことはおおよそ合っている』なんて傲慢な思考がいつだって私の中にはかったのだ)
さやか「先輩もお姉ちゃんも私に求めてくれていた。私を求めてくれていた!そう思って、それを叶えることこそ」
さやか「『期待に応える』ことだと私は主張します」
さやか(なんとなく気づいてしまった。『みんなの期待に応えたい』これ…めちゃくちゃわがままなこと言ってた)
さやか(だって、周りが私が期待にすること前提なんです)
さやか(『私のやりたいことと周りのやってほしいことはおおよそ合っている』なんて傲慢な思考がいつだって私の中にはかったのだ)
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208: 2024/02/23(金) 13:46:27.00
さやか(だけど、そんな裏側を見てもなお私はみんなの期待に応えたい)
さやか(周りが私を認識したということ、私が世界に存在した証明が生まれたということ…それらを嬉しく思う私を否定なんてしたくない)
さやか(私を見て欲しい、期待してほしい)
さやか(お姉ちゃんを助けたい、綴理先輩のお世話をしたい)
さやか(全部、私のわがまま以外の何物でもない)
さやか「ですが!だからなんだというのでしょう」
さやか「だって、期待に応えるのはなぜかときかれたら」
さやか「『私がそうしたいと、そうすべきと決めたから』と私は答えるんだから」
さやか(周りが私を認識したということ、私が世界に存在した証明が生まれたということ…それらを嬉しく思う私を否定なんてしたくない)
さやか(私を見て欲しい、期待してほしい)
さやか(お姉ちゃんを助けたい、綴理先輩のお世話をしたい)
さやか(全部、私のわがまま以外の何物でもない)
さやか「ですが!だからなんだというのでしょう」
さやか「だって、期待に応えるのはなぜかときかれたら」
さやか「『私がそうしたいと、そうすべきと決めたから』と私は答えるんだから」
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209: 2024/02/23(金) 13:47:32.00
ビシッ……
さやか「……え?」
さやか(あちこちに亀裂が走っていた。まるで世界にヒビが入ったかのように)
さやか(その亀裂は少しずつ消えていっているけれど、また新しく亀裂が入る)
さやか「これ、まさか私が?」
さやか(いや、考えるのは後だ。今私がやるべきことは)
さやか「誰も私を認識しない世界…存在証明のできない世界、そんなの、いやだ」
さやか「……え?」
さやか(あちこちに亀裂が走っていた。まるで世界にヒビが入ったかのように)
さやか(その亀裂は少しずつ消えていっているけれど、また新しく亀裂が入る)
さやか「これ、まさか私が?」
さやか(いや、考えるのは後だ。今私がやるべきことは)
さやか「誰も私を認識しない世界…存在証明のできない世界、そんなの、いやだ」
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210: 2024/02/23(金) 13:48:34.00
さやか「それでも、私に消えろというなら…私がいない方がうまくいくんだと突きつけてくるなら」
さやか「こんな世界、ぶっ壊してやる!!!」
さやか(さっき見たお姉ちゃんの姿が浮かぶ。あのお姉ちゃんはあのお姉ちゃんでとても努力したんだろう…奇跡にも等しいことをやり遂げたんだろう……でも)
さやか「ごめんね。おねえちゃん、私、悪い妹だ」
さやか「アイスダンスのステージ、ちゃんと見にいくからそれで許してね」
さやか「まあ、許さないなんて言われても聞くつもりないよ。私は私の求めるものを手に入れるだけだもん」
さやか「こんな世界、ぶっ壊してやる!!!」
さやか(さっき見たお姉ちゃんの姿が浮かぶ。あのお姉ちゃんはあのお姉ちゃんでとても努力したんだろう…奇跡にも等しいことをやり遂げたんだろう……でも)
さやか「ごめんね。おねえちゃん、私、悪い妹だ」
さやか「アイスダンスのステージ、ちゃんと見にいくからそれで許してね」
さやか「まあ、許さないなんて言われても聞くつもりないよ。私は私の求めるものを手に入れるだけだもん」
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211: 2024/02/23(金) 13:56:08.00
さやか「さようなら。私以外のみんなが幸せな世界」ヒューン
さやか(マイクを起動させた瞬間)
ジリリリリ!!!
さやか「何の音!?」
さやか(スピーカーの前に、目覚まし時計が現れていた)
さやか(そっか、これが私の本来の形なんだ。蓄音機が音を出すからセーフならこれだってセーフに決まってる)
さやか(安寧を暴力的なまでに否定して、過酷な現実に引き戻す目覚まし時計…今の私にはぴったりだ)
さやか「つまり、ここからさらに本気ってわけですね!いきますよ!」
さやか(マイクを起動させた瞬間)
ジリリリリ!!!
さやか「何の音!?」
さやか(スピーカーの前に、目覚まし時計が現れていた)
さやか(そっか、これが私の本来の形なんだ。蓄音機が音を出すからセーフならこれだってセーフに決まってる)
さやか(安寧を暴力的なまでに否定して、過酷な現実に引き戻す目覚まし時計…今の私にはぴったりだ)
さやか「つまり、ここからさらに本気ってわけですね!いきますよ!」
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212: 2024/02/23(金) 14:05:20.00
【さやか】
もう我慢するな好きに吠えろ
こんな世界など死に燃えろ
無理を言おう願え罪とエゴ
きれいな理想を踏み越えろ
愚かな犬だと嘲笑でもしろ
見せつけるまでだ氷青の色
世界はランウェイ首輪なんて
投げ捨て叫んで浴びろ歓声
https://cdn1.suno.ai/98e39c95-15a9-44ab-a904-8fa1b20f181f.mp4
もう我慢するな好きに吠えろ
こんな世界など死に燃えろ
無理を言おう願え罪とエゴ
きれいな理想を踏み越えろ
愚かな犬だと嘲笑でもしろ
見せつけるまでだ氷青の色
世界はランウェイ首輪なんて
投げ捨て叫んで浴びろ歓声
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213: 2024/02/23(金) 14:09:47.00
さやか「うおおおおおおっ!!」
ジリリリリリリリリリリリリリリ
さやか(目覚まし時計はけたたましく鳴り続ける)
ピシッ……ピシッ…
さやか(その音が世界をどんどん壊していく)
さやか「まだ、まだまだまだまたまだあああ!」
さやか「もっともっと騒げえええええええ!!!」
ジリリリリリリリリリリリリリリ
さやか(目覚まし時計はけたたましく鳴り続ける)
ピシッ……ピシッ…
さやか(その音が世界をどんどん壊していく)
さやか「まだ、まだまだまだまたまだあああ!」
さやか「もっともっと騒げえええええええ!!!」
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214: 2024/02/23(金) 14:10:35.00
さやか(さっきの何倍ものスピードと数で世界にヒビが走る)
さやか(砕けていく、いくつもの幸せを内包した世界が)
さやか(私がいないだけの、私以外のみんなには理想的な世界が)
さやか「……はあ…はあ…」
さやか(もうひび割れは直らない)
さやか(ただただ世界は崩れていく)
さやか「やっちゃいましたね。私」
さやか(砕けていく、いくつもの幸せを内包した世界が)
さやか(私がいないだけの、私以外のみんなには理想的な世界が)
さやか「……はあ…はあ…」
さやか(もうひび割れは直らない)
さやか(ただただ世界は崩れていく)
さやか「やっちゃいましたね。私」
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215: 2024/02/23(金) 14:11:37.00
さやか(多分、目の前には綴理先輩が立っている)
さやか(スクールアイドルとして多くの人に認められて、梢先輩とも慈先輩とも上手くいって、後輩にも恵まれた綴理先輩が)
さやか「すみません。私、見失うところでした」
さやか「ちゃっちゃと帰りますので、あと少しだけ待っててくださいね」
さやか「あ、今夜はおでんにしましょう。私の最高傑作を披露しますよ」
さやか(綴理先輩から返事はない。声が届かないんだから当然だ)
さやか(砕けていく世界で綴理先輩がどんな顔をしているか、もう見えない)
さやか(スクールアイドルとして多くの人に認められて、梢先輩とも慈先輩とも上手くいって、後輩にも恵まれた綴理先輩が)
さやか「すみません。私、見失うところでした」
さやか「ちゃっちゃと帰りますので、あと少しだけ待っててくださいね」
さやか「あ、今夜はおでんにしましょう。私の最高傑作を披露しますよ」
さやか(綴理先輩から返事はない。声が届かないんだから当然だ)
さやか(砕けていく世界で綴理先輩がどんな顔をしているか、もう見えない)
0
216: 2024/02/24(土) 00:16:11.00
さやか(何もわからないで迷い込んだ私を見つめてくれたあの眼差しこそが、私にとっての道標だった)
さやか(今、その眼差しがまた勇気をくれた…またもらってしまったんだ)
さやか(だったら返したい今日よりも眩しくなって)
さやか(それが誰も望まない形だとしても、ううん…私がこの人の隣にいる事をみんなに期待させてやるんだ)
さやか(私は夕霧綴理の隣にいたいんだから)
さやか(壊れる世界を歩いていく、最後にひとつどうしてもやりたいことがあった)
さやか(行く先はスクールアイドルクラブの部室…)
さやか(今、その眼差しがまた勇気をくれた…またもらってしまったんだ)
さやか(だったら返したい今日よりも眩しくなって)
さやか(それが誰も望まない形だとしても、ううん…私がこの人の隣にいる事をみんなに期待させてやるんだ)
さやか(私は夕霧綴理の隣にいたいんだから)
さやか(壊れる世界を歩いていく、最後にひとつどうしてもやりたいことがあった)
さやか(行く先はスクールアイドルクラブの部室…)
0
217: 2024/02/24(土) 00:18:28.00
さやか「間に合いましたね」
さやか(さあ、この扉を開けよう)
さやか(私はスクールアイドルクラブの一員で、DOLLCHESTRAとして夕霧綴理の隣に立つ村野さやか)
さやか(この扉を開けてここから飛び出すんだ)
ギイイイ……
さやか(扉を開けると同時に粉々に吹き飛ぶ、最高で最悪な世界)
さやか(その向こうに広がるのはまた暗い闇、でも私はもうそれを虚無だとは思わない)
さやか(さあ、この扉を開けよう)
さやか(私はスクールアイドルクラブの一員で、DOLLCHESTRAとして夕霧綴理の隣に立つ村野さやか)
さやか(この扉を開けてここから飛び出すんだ)
ギイイイ……
さやか(扉を開けると同時に粉々に吹き飛ぶ、最高で最悪な世界)
さやか(その向こうに広がるのはまた暗い闇、でも私はもうそれを虚無だとは思わない)
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218: 2024/02/24(土) 12:37:40.00
さやか(だってこの黒は、さっきわたしの中にも生まれたものだ)
さやか(私が私として道を選ぼうとしてなんども生まれたもの)
さやか(うまく行かない憤り、悔しさ、苦悩、嫉妬)
さやか(利己的な願い、それらを抱いたことへの羞恥…まあそんな感じのよくないものだ)
さやか(そんなものでいっぱいになってる自分を認めたくなくて、何もないことにしていた)
さやか(どこか遠くやありもしない深みにきれいな自分を探していた)
さやか(だけど、これもまたわたしの中身だったんだ。こんなにいっぱいなら、そりゃ何も入らなかっただろう)
さやか(私が私として道を選ぼうとしてなんども生まれたもの)
さやか(うまく行かない憤り、悔しさ、苦悩、嫉妬)
さやか(利己的な願い、それらを抱いたことへの羞恥…まあそんな感じのよくないものだ)
さやか(そんなものでいっぱいになってる自分を認めたくなくて、何もないことにしていた)
さやか(どこか遠くやありもしない深みにきれいな自分を探していた)
さやか(だけど、これもまたわたしの中身だったんだ。こんなにいっぱいなら、そりゃ何も入らなかっただろう)
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219: 2024/02/24(土) 12:39:18.00
さやか「何もないとか…よくもまあ、そんなことを」
さやか(そう口にした瞬間…)
ゴフッ…
さやか「!!!」
さやか(空気が変わった、重くのしかかってくる)
さやか(体なんかろくに動かせない…上下左右、あらゆる方向から周りが押し潰してくる)
さやか「…認めた瞬間にこれですか」
さやか「ありすぎたんだ…私の中には」
さやか(そう口にした瞬間…)
ゴフッ…
さやか「!!!」
さやか(空気が変わった、重くのしかかってくる)
さやか(体なんかろくに動かせない…上下左右、あらゆる方向から周りが押し潰してくる)
さやか「…認めた瞬間にこれですか」
さやか「ありすぎたんだ…私の中には」
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220: 2024/02/24(土) 23:51:32.00
さやか(苦しい…けど…)
さやか(こんなところでゆっくりしてる場合じゃない)
さやか「そうですよ…こんな行き場の無いもの溜め込んでないで」
さやか「さっさと!吐き出しちゃえばいいんですよ!」
さやか「出したくないから溜め込んで、まともに見れもしないものが溜まりに溜まって」
さやか「それで何も見えないから空っぽなんだとか…ああ!もう!いいご身分ですね!村野さやかという愚か者は」
さやか「お前が言うなって話なんですけどね!もうわかったんで、終わりにしますよ!」
さやか(こんなところでゆっくりしてる場合じゃない)
さやか「そうですよ…こんな行き場の無いもの溜め込んでないで」
さやか「さっさと!吐き出しちゃえばいいんですよ!」
さやか「出したくないから溜め込んで、まともに見れもしないものが溜まりに溜まって」
さやか「それで何も見えないから空っぽなんだとか…ああ!もう!いいご身分ですね!村野さやかという愚か者は」
さやか「お前が言うなって話なんですけどね!もうわかったんで、終わりにしますよ!」
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221: 2024/02/24(土) 23:54:51.00
【さやか】
私はどこだと何かを追って
繰り広げたのは見るも滑稽
自問自答の圧迫面接
何やってるんだまったく変です
何かに憑かれたかのようにさ
私という名のマトリョーシカ
開けるの疲れるああもういいか
自分を見つけたじゃんon mirror
https://cdn1.suno.ai/f2d33a6a-54f0-44d8-9523-42365d9b8234.mp4
私はどこだと何かを追って
繰り広げたのは見るも滑稽
自問自答の圧迫面接
何やってるんだまったく変です
何かに憑かれたかのようにさ
私という名のマトリョーシカ
開けるの疲れるああもういいか
自分を見つけたじゃんon mirror
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222: 2024/02/25(日) 00:04:14.00
さやか「…さあ、答えは得ました。今こそ私のすべてを吐き出して」
さやか「終わらせましょう…私よ…!!!」
さやか「暴れろおおおおおおおおっっっっ!!!!」
さやか(何かを具現化するまでもない、私のスピーカーの鍋と目覚まし時計…これだけあればこんなの楽勝だ)
さやか「あああああああああああああっ!!」
さやか(目覚まし時計の針がものすごい速度で回る)
さやか(時の加速するまま鍋の中身が強火にさらされ煮立っていく)
さやか「うわああああああああああああ!!!」
さやか「終わらせましょう…私よ…!!!」
さやか「暴れろおおおおおおおおっっっっ!!!!」
さやか(何かを具現化するまでもない、私のスピーカーの鍋と目覚まし時計…これだけあればこんなの楽勝だ)
さやか「あああああああああああああっ!!」
さやか(目覚まし時計の針がものすごい速度で回る)
さやか(時の加速するまま鍋の中身が強火にさらされ煮立っていく)
さやか「うわああああああああああああ!!!」
0
223: 2024/02/25(日) 00:08:44.00
さやか(煮立った中身は臨界に達し…)
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオ
さやか(鍋という枠を飛び越えて世界に噴き出した)
さやか(真っ黒な私のどろどろが、どんどんこの空間に放出されていく)
さやか(私が詰まってたこの空間に…)
さやか(さらに私をどんどんぶちまける!)
さやか「押し潰してくるとか知るか!もう、限界なんですよ!早く綴理先輩と合流したいのにこんなところに閉じ込められて」
さやか「だいたい、なんなんですか!ちょっとはまともに考えろ!村野さやか!!」
ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオ
さやか(鍋という枠を飛び越えて世界に噴き出した)
さやか(真っ黒な私のどろどろが、どんどんこの空間に放出されていく)
さやか(私が詰まってたこの空間に…)
さやか(さらに私をどんどんぶちまける!)
さやか「押し潰してくるとか知るか!もう、限界なんですよ!早く綴理先輩と合流したいのにこんなところに閉じ込められて」
さやか「だいたい、なんなんですか!ちょっとはまともに考えろ!村野さやか!!」
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224: 2024/02/25(日) 00:10:33.00
さやか「私以外には誰もわからないんですよ!私の中身がどうとかそんなのは。だったら結局のところ、私の中身を…」
さやか「決めるのは、自分だ!」
ブチャ…
さやか(やや…鈍い音がしたと思ったら)
ビギイイイイイイイイ!
さやか(破れた…真っ黒だった世界が)
さやか「決めるのは、自分だ!」
ブチャ…
さやか(やや…鈍い音がしたと思ったら)
ビギイイイイイイイイ!
さやか(破れた…真っ黒だった世界が)
0
225: 2024/02/25(日) 00:17:29.00
……
……………
さやか「あ……っと」
ドバアアアアアアア
さやか(なんらかの液体が流れているような音に目を覚ます)
さやか「…私は…えっと」
さやか(見慣れた学校の風景、黒い球体、そこから流れ出している黒いどろどろ)
さやか(どうやら私は破れた箇所から漏れていったどろどろに押し流されたようだ…)
さやか「出られました…」
……………
さやか「あ……っと」
ドバアアアアアアア
さやか(なんらかの液体が流れているような音に目を覚ます)
さやか「…私は…えっと」
さやか(見慣れた学校の風景、黒い球体、そこから流れ出している黒いどろどろ)
さやか(どうやら私は破れた箇所から漏れていったどろどろに押し流されたようだ…)
さやか「出られました…」
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226: 2024/02/25(日) 13:56:50.00
さやか「さて、綴理先輩の安否を一刻も早く確認したいところではありますが」
さやか「それよりも先に会わなければいけない人がいるようです」
さやか(破れて、中身が溢れて、それでもまったく小さくなる気配などない真っ黒な球体
さやか(その中へ手を伸ばすと、何かにふれた…おそらく手)
さやか(私をそれを…)
ガシッ!
さやか(思いっきり!力の限り掴んでやった)
さやか「それよりも先に会わなければいけない人がいるようです」
さやか(破れて、中身が溢れて、それでもまったく小さくなる気配などない真っ黒な球体
さやか(その中へ手を伸ばすと、何かにふれた…おそらく手)
さやか(私をそれを…)
ガシッ!
さやか(思いっきり!力の限り掴んでやった)
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227: 2024/02/25(日) 14:00:37.00
さやか「やっぱりいた。消えるなんて無理なんですよ」
『消えられると…思ったんだけどな』
『ひとつ聞いていいですか?』
『なんで持ち直したんですか?何かがあったんですよね』
『あの真っ黒で何も無いはずの空間で何かが』
さやか「……やっぱり、あれはあなたがやったことではなかった」
さやか(そうだ、私の心を砕くのが目的ならあの虚無の空間に閉じ込めておくだけでいい)
さやか(あんな"私に覚悟を決めさせるためにあったような"世界など見せる必要はない)
『消えられると…思ったんだけどな』
『ひとつ聞いていいですか?』
『なんで持ち直したんですか?何かがあったんですよね』
『あの真っ黒で何も無いはずの空間で何かが』
さやか「……やっぱり、あれはあなたがやったことではなかった」
さやか(そうだ、私の心を砕くのが目的ならあの虚無の空間に閉じ込めておくだけでいい)
さやか(あんな"私に覚悟を決めさせるためにあったような"世界など見せる必要はない)
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228: 2024/02/25(日) 14:04:15.00
『あの空間にあなたを閉じ込めて、あなたの心が折れるまで待つ…それが私のやろうとしたこと』
『なのに、あなたはあの空間に自分を見つけた』
『何をあの空間で見つけたんですか?聞かせてください』
さやか「おそらく…特別なことはしていません」
さやか「何かを私がやったのだとしたら、それは誰もができる、毎日やってることなんです」
さやか(つまり、その…私は、やってしまったのだ)
さやか(あの空間において、特になんらかの力を使うまでもなく対抗策に辿り着いてしまった)
さやか(恐らくあれは…ただの夢だったんだ)
『なのに、あなたはあの空間に自分を見つけた』
『何をあの空間で見つけたんですか?聞かせてください』
さやか「おそらく…特別なことはしていません」
さやか「何かを私がやったのだとしたら、それは誰もができる、毎日やってることなんです」
さやか(つまり、その…私は、やってしまったのだ)
さやか(あの空間において、特になんらかの力を使うまでもなく対抗策に辿り着いてしまった)
さやか(恐らくあれは…ただの夢だったんだ)
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229: 2024/02/25(日) 14:13:36.00
さやか「眠ってしまい、なんだか意味深な夢を見た。それだけなんです。あの中であったことなんて」
さやか「あはは、とんでもない眠り姫でしたね…私」
さやか(そうだ、この一連の出来事の真相は振り返ってみればとても簡単な話だった)
さやか「鏡に映るものとちゃんと向き合えなかったのが発端、そして毒林檎のせいで眠ってしまったお姫様はちゃんと結末にたどり着く」
さやか「なんか聞いたことある話ですよね。王子様のキスは残念ながらありませんでしたが」
『……』
『結局、わたしの狙いなんてそんな程度で超えられるものだったのかもしれないですね』
『ただの人間の身で乗り越えられてしまう程度の現象』
さやか「あはは、とんでもない眠り姫でしたね…私」
さやか(そうだ、この一連の出来事の真相は振り返ってみればとても簡単な話だった)
さやか「鏡に映るものとちゃんと向き合えなかったのが発端、そして毒林檎のせいで眠ってしまったお姫様はちゃんと結末にたどり着く」
さやか「なんか聞いたことある話ですよね。王子様のキスは残念ながらありませんでしたが」
『……』
『結局、わたしの狙いなんてそんな程度で超えられるものだったのかもしれないですね』
『ただの人間の身で乗り越えられてしまう程度の現象』
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230: 2024/02/26(月) 08:31:41.00
さやか「い、いやその…マイクとか無ければ無理でしたよ」
さやか「だいたいです!馬鹿にも程があります。周りを見ればいくらでも見つかったんですよ"私"なんてものは」
『それが問いへの答え、ということですね』
さやか「はい…これに気づかせてくれたのが、綴理先輩だったんです」
さやか「朝早くから私を商店街に連れ出して、あちこち連れ回して、まる一日かけて」
さやか「もし綴理先輩に会わなかったら、私は今も何もないことを嘆いていた」
さやか「ですが、もう胸を張って言えます」
さやか「だいたいです!馬鹿にも程があります。周りを見ればいくらでも見つかったんですよ"私"なんてものは」
『それが問いへの答え、ということですね』
さやか「はい…これに気づかせてくれたのが、綴理先輩だったんです」
さやか「朝早くから私を商店街に連れ出して、あちこち連れ回して、まる一日かけて」
さやか「もし綴理先輩に会わなかったら、私は今も何もないことを嘆いていた」
さやか「ですが、もう胸を張って言えます」
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231: 2024/02/26(月) 08:36:28.00
さやか「ぐちゃぐちゃで結構、どろどろ上等、それでも己を磨き、己を輝かせて、何ものにも負けないきらめきを掴む」
さやか「私を見ろと、私を必要としろと、私に期待しろと叫び続ける…空っぽなんて程遠いのが私!村野さやかです」
さやか「それを正しくないとか間違いだとか言う人がいるなら言ってやりましょう」
さやか「あなたに村野さやかの生き方を決める権利などないでしょう…と!」
『……そこまで言いますか』
『何にしろ、私の目論見は破られました。あなたの勝ちです』
さやか「はい、消えると言う目的も含めて阻止した私の完全勝利ですね」
さやか「私を見ろと、私を必要としろと、私に期待しろと叫び続ける…空っぽなんて程遠いのが私!村野さやかです」
さやか「それを正しくないとか間違いだとか言う人がいるなら言ってやりましょう」
さやか「あなたに村野さやかの生き方を決める権利などないでしょう…と!」
『……そこまで言いますか』
『何にしろ、私の目論見は破られました。あなたの勝ちです』
さやか「はい、消えると言う目的も含めて阻止した私の完全勝利ですね」
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232: 2024/02/26(月) 22:50:13.00
『……』
『…そっか、また私は消えられないんだ』
さやか「はい、諦めてください」
さやか「何しろ、あなたのオリジナルは世界すら滅ぼしかねないくらいのエゴの塊ですから」
『そうですね。では』
グニャアアア
さやか(黒い球体が収縮していく、そして)
『…そっか、また私は消えられないんだ』
さやか「はい、諦めてください」
さやか「何しろ、あなたのオリジナルは世界すら滅ぼしかねないくらいのエゴの塊ですから」
『そうですね。では』
グニャアアア
さやか(黒い球体が収縮していく、そして)
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233: 2024/02/26(月) 22:53:53.00
さやか(黒い球体が収縮していく、そして)
『これからよろしくお願いしますね』
グウウウウウウウウン
さやか(私の中に入ってきた…)
さやか「は?あなた、なにを?」
『どろどろの中身に今さら私が追加されたところで支障はないでしょう』
『それに、これはあなたの中から出てきたものですよ?』
『これからよろしくお願いしますね』
グウウウウウウウウン
さやか(私の中に入ってきた…)
さやか「は?あなた、なにを?」
『どろどろの中身に今さら私が追加されたところで支障はないでしょう』
『それに、これはあなたの中から出てきたものですよ?』
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234: 2024/02/26(月) 22:56:11.00
さやか「え!?ちょっと!まあ、確かに思い返すとそうなんですが!」
チュルルン
さやか「全部…入っちゃった」
『見させてもらいますよ。あなたと綴理先輩の行く先を』
さやか「あの!勝手に入ってこられても…」
『はて?村野さやかはどろどろ上等と先程聞きましたが?』
さやか「……まあ、害はないんですかね」
さやか「よし!切り替えましょう!って、そうだ綴理先輩!」
チュルルン
さやか「全部…入っちゃった」
『見させてもらいますよ。あなたと綴理先輩の行く先を』
さやか「あの!勝手に入ってこられても…」
『はて?村野さやかはどろどろ上等と先程聞きましたが?』
さやか「……まあ、害はないんですかね」
さやか「よし!切り替えましょう!って、そうだ綴理先輩!」
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235: 2024/02/26(月) 23:01:32.00
DOLLCHESTRA④
さやか&綴理
~ボクたちはここまで来られた
私たちが選んだ日々が答えだ~
さやか(綴理先輩はすぐに見つかった)
さやか(…というよりもう一人の私と遭遇した時のまま同じ場所に横たわっていた)
さやか「よかった…無事でした」
さやか「綴理先輩はあいかわらずお寝坊さんですね」
さやか(いまだに目を覚さないわけですが、こちとら夢の中とはいえ世界を一つ潰してるんです!これくらいでは動揺しません)
綴理「……」ムクッ
さやか「先輩っ!?」
さやか&綴理
~ボクたちはここまで来られた
私たちが選んだ日々が答えだ~
さやか(綴理先輩はすぐに見つかった)
さやか(…というよりもう一人の私と遭遇した時のまま同じ場所に横たわっていた)
さやか「よかった…無事でした」
さやか「綴理先輩はあいかわらずお寝坊さんですね」
さやか(いまだに目を覚さないわけですが、こちとら夢の中とはいえ世界を一つ潰してるんです!これくらいでは動揺しません)
綴理「……」ムクッ
さやか「先輩っ!?」
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236: 2024/02/27(火) 08:30:38.00
さやか(いいい、いきなり起き上がるなんて驚きましたよ!)
さやか「お、おはようございます」
綴理「うん…おは…よう」
綴理「……いこうか」
さやか「へ?」
綴理「たいいく…かん…いこうか」
さやか「あ、はい…そうですね」
さやか(綴理先輩はよろよろと立ち上がって、体育館に向かって歩き出す)
さやか「お、おはようございます」
綴理「うん…おは…よう」
綴理「……いこうか」
さやか「へ?」
綴理「たいいく…かん…いこうか」
さやか「あ、はい…そうですね」
さやか(綴理先輩はよろよろと立ち上がって、体育館に向かって歩き出す)
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237: 2024/02/27(火) 23:07:45.00
さやか「あ…えっと、まだ起きたばかりですし、少し休んでからでも」
綴理「ううん…はやく…いこう」
綴理「はやく…たいんだ…さや」
さや「あ、えっと、そうですね」
さやか(最初こそふらふらしていたものの、すぐにいつもの足取りで先輩は歩いていく)
さやか(大丈夫、なんでしょうか?)
さやか「あの…綴理先輩」
綴理「なに…?」
綴理「ううん…はやく…いこう」
綴理「はやく…たいんだ…さや」
さや「あ、えっと、そうですね」
さやか(最初こそふらふらしていたものの、すぐにいつもの足取りで先輩は歩いていく)
さやか(大丈夫、なんでしょうか?)
さやか「あの…綴理先輩」
綴理「なに…?」
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238: 2024/02/27(火) 23:08:40.00
さやか「本当に大丈夫ですか?眠っていたのもですが、今の綴理先輩は少しいつもと違うような…」
綴理「今のボク…おかしい?」
さやか「あ、いえ!これは言葉のあやと言いますか…」
さやか「あの!危険だから早く体育館に行こうと考えているなら、そこは気にしないでください」
さやか「上手くは言えないんですが、諸事情により梢先輩とのバトルの時よりも私はパワーアップしてますので!」
綴理「……」
さやか(出まかせでパワーアップなどど言ってみましたが、まあ…嘘はついてないですよね)
綴理「今のボク…おかしい?」
さやか「あ、いえ!これは言葉のあやと言いますか…」
さやか「あの!危険だから早く体育館に行こうと考えているなら、そこは気にしないでください」
さやか「上手くは言えないんですが、諸事情により梢先輩とのバトルの時よりも私はパワーアップしてますので!」
綴理「……」
さやか(出まかせでパワーアップなどど言ってみましたが、まあ…嘘はついてないですよね)
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239: 2024/02/28(水) 08:13:31.00
さやか「もちろん綴理先輩を戦力外だと言う気は毛頭ありません。なぜならば綴理先輩は…」
綴理「……つかえるよ?」
さやか「え?」
綴理「ボク…マイク…つかえるよ?」
さやか「使える?」
綴理「みせてあげる…」ヒューン
さやか(綴理先輩がマイクのスイッチを入れると)
綴理「……つかえるよ?」
さやか「え?」
綴理「ボク…マイク…つかえるよ?」
さやか「使える?」
綴理「みせてあげる…」ヒューン
さやか(綴理先輩がマイクのスイッチを入れると)
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240: 2024/02/28(水) 08:15:24.00
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
さやか「???」
ゴゴゴゴ…ゴゴゴゴゴ…
さやか(空気が震えてる?)
『危ない!後ろにすぐに飛んでください!!!』
さやか「!?」
さやか(すぐに後ろに飛ぶと)
さやか「???」
ゴゴゴゴ…ゴゴゴゴゴ…
さやか(空気が震えてる?)
『危ない!後ろにすぐに飛んでください!!!』
さやか「!?」
さやか(すぐに後ろに飛ぶと)
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241: 2024/02/28(水) 22:31:55.00
さやか「え……?」
さやか(白いなにかが私の眼前すれすれを薙いでいた)
綴理「ざんねん…はずしたか」
さやか「綴理先輩…」
綴理「ん?どうしたの?さや?」
さやか「それ…なんですか…?」
さやか「その白いのは、先輩から湧き出しているそのは、なんですか?」
さやか(綴理先輩から白い煙のようなものが湧き出していた…煙はどんどん量を増して、ゆらゆらと漂いながら顎のような形になったり、手のような形になったりしている)
綴理「たいいくかんまで…まつ…つもりだったけど」
綴理「いいか…がマン…限カイダヨ」
さやか(白いなにかが私の眼前すれすれを薙いでいた)
綴理「ざんねん…はずしたか」
さやか「綴理先輩…」
綴理「ん?どうしたの?さや?」
さやか「それ…なんですか…?」
さやか「その白いのは、先輩から湧き出しているそのは、なんですか?」
さやか(綴理先輩から白い煙のようなものが湧き出していた…煙はどんどん量を増して、ゆらゆらと漂いながら顎のような形になったり、手のような形になったりしている)
綴理「たいいくかんまで…まつ…つもりだったけど」
綴理「いいか…がマン…限カイダヨ」
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242: 2024/02/28(水) 23:20:02.00
【綴理?】
飢エ渇ク命ソノ幾億へ
猛リ叫ビテ血ト肉食セ
骸ガ転ガル悪鬼ノ路傍
群ガリ貪ルガ人ノ業
腹ノ足シナドナラヌハ昨日
糧求メ彷徨イココハ餓鬼道
生マレ力無ク泣ク赤子ラハ
囚ワレテ憐レ腹ノ中
https://cdn1.suno.ai/12e0ec0a-f8ef-46e8-9e0e-77074310a5a9.mp4
飢エ渇ク命ソノ幾億へ
猛リ叫ビテ血ト肉食セ
骸ガ転ガル悪鬼ノ路傍
群ガリ貪ルガ人ノ業
腹ノ足シナドナラヌハ昨日
糧求メ彷徨イココハ餓鬼道
生マレ力無ク泣ク赤子ラハ
囚ワレテ憐レ腹ノ中
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243: 2024/02/28(水) 23:22:07.00
綴理「イタダキマス…サヤ」
さやか(綴理先輩を取り囲む白い煙が一斉に口の形に変わった)
さやか「先輩…?」
綴理「アア…アアアアア!」
さやか(幾つもの口が一斉に襲ってくる)
さやか「…っ!!」
さやか(身を翻して避ける。口は私のぎりぎりを通り過ぎていく)
さやか(なんとか避けられる…これなら)
さやか(綴理先輩を取り囲む白い煙が一斉に口の形に変わった)
さやか「先輩…?」
綴理「アア…アアアアア!」
さやか(幾つもの口が一斉に襲ってくる)
さやか「…っ!!」
さやか(身を翻して避ける。口は私のぎりぎりを通り過ぎていく)
さやか(なんとか避けられる…これなら)
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244: 2024/02/28(水) 23:23:21.00
さやか(煙の応酬はどのくらい続いただろう…)
さやか(避けて、避けて、これでもかというくらい避け続けて…)
さやか(いつの間にか、体育館の入り口が見えていた)
さやか「…あ」
さやか(そうか…これは…)
さやか(なおも白い口は私を狙い飛んでくる)
さやか「…選んでられない!こうなったら!」
さやか(避けて、避けて、これでもかというくらい避け続けて…)
さやか(いつの間にか、体育館の入り口が見えていた)
さやか「…あ」
さやか(そうか…これは…)
さやか(なおも白い口は私を狙い飛んでくる)
さやか「…選んでられない!こうなったら!」
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245: 2024/02/28(水) 23:26:43.00
さやか(全力で体育館に向かって走る)
さやか(体育館に駆け込むと同時に追撃はぴたりと止んだ)
さやか「はあ…はあ…」
さやか「そういうことですか…先輩」
さやか「見事に誘い込まれてしまいましたよ」
ガコンッ!
さやか(ご丁寧に出入り口まで締めてくれますか…)
綴理「約束シタ…体育館イコッて…ダからボクは」
綴理「約束ヲ守ル、サヤとココに来タ……」
綴理「ボク、イイ子、サヤ…ゴホウビ…サヤ…タベル」
さやか(体育館に駆け込むと同時に追撃はぴたりと止んだ)
さやか「はあ…はあ…」
さやか「そういうことですか…先輩」
さやか「見事に誘い込まれてしまいましたよ」
ガコンッ!
さやか(ご丁寧に出入り口まで締めてくれますか…)
綴理「約束シタ…体育館イコッて…ダからボクは」
綴理「約束ヲ守ル、サヤとココに来タ……」
綴理「ボク、イイ子、サヤ…ゴホウビ…サヤ…タベル」
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246: 2024/02/29(木) 21:08:37.00
さやか(今の綴理先輩は明らかにおかしい、ずっと眠っていて起きたらこんな風になっている)
さやか「…綴理先輩には何もしないはずではなかったんですか」
『あの…それは…"私は"何もしないという話なので…』
『おおかた綴理先輩のシャドウが何かやったんではないかと』
さやか(…………)
さやか「……あの」
さやか「まだ、しゃべれるんですか?さっきいい感じに締めましたよね?」
さやか「…綴理先輩には何もしないはずではなかったんですか」
『あの…それは…"私は"何もしないという話なので…』
『おおかた綴理先輩のシャドウが何かやったんではないかと』
さやか(…………)
さやか「……あの」
さやか「まだ、しゃべれるんですか?さっきいい感じに締めましたよね?」
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247: 2024/02/29(木) 21:11:49.00
『…消えられないどころかこうして話せるなんて私も驚いてますよ』
『あまり出しゃばるのもどうかと思ったので黙っているつもりでしたが、状況が状況なので』
さやか「それはどうも」
『今の状況…綴理先輩のシャドウが何かをしたということでほぼ確定だと思います』
『それが私たちには"いきなり眠ったと思ったら、起きた時にはおかしくなっていた"ように見えてるということですね』
さやか「……なるほど」
さやか「ちなみにあなたから見てここはどうするべきだと思います?」
『あまり出しゃばるのもどうかと思ったので黙っているつもりでしたが、状況が状況なので』
さやか「それはどうも」
『今の状況…綴理先輩のシャドウが何かをしたということでほぼ確定だと思います』
『それが私たちには"いきなり眠ったと思ったら、起きた時にはおかしくなっていた"ように見えてるということですね』
さやか「……なるほど」
さやか「ちなみにあなたから見てここはどうするべきだと思います?」
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248: 2024/02/29(木) 21:13:51.00
『荒っぽい対処にはなりますが、綴理先輩ごとシャドウにきついお灸をすえるというのが最適解かと思います』
『まさか…綴理先輩には攻撃できませんなどと泣き言を言うつもりはありませんよね?』
さやか「はい、綴理先輩であれば私の攻撃など受けきってくれますから躊躇う理由はないです」
さやか「それにしても、またマイクの出番とは」
綴理「サヤ…サヤ…タベル」
さやか「寝てる間に何があったか、それは後でじっくり聞きましょう」
さやか「とりあえず、一言いわせてもらいます」
さやか「お行儀悪いですよ…先輩」
『まさか…綴理先輩には攻撃できませんなどと泣き言を言うつもりはありませんよね?』
さやか「はい、綴理先輩であれば私の攻撃など受けきってくれますから躊躇う理由はないです」
さやか「それにしても、またマイクの出番とは」
綴理「サヤ…サヤ…タベル」
さやか「寝てる間に何があったか、それは後でじっくり聞きましょう」
さやか「とりあえず、一言いわせてもらいます」
さやか「お行儀悪いですよ…先輩」
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249: 2024/02/29(木) 23:40:48.00
【さやか】
餓鬼道うんぬんまるで悪いガキの
カッコつけたような寒い歌詞を
歌うなど才能無駄遣い
やめてくださいよ解釈違い
お腹が空いたと通訳完了
作ってあげます朝ごはんを
対応しましょう窮地にすぐに
悪夢から覚めろ夕霧綴理
https://cdn1.suno.ai/034dd8bf-db04-40a6-b256-f771ac73d5c2.mp4
餓鬼道うんぬんまるで悪いガキの
カッコつけたような寒い歌詞を
歌うなど才能無駄遣い
やめてくださいよ解釈違い
お腹が空いたと通訳完了
作ってあげます朝ごはんを
対応しましょう窮地にすぐに
悪夢から覚めろ夕霧綴理
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250: 2024/02/29(木) 23:43:09.00
さやか「はあああっ!」
ジリリリリリリリリリ!
さやか(目覚まし時計が大音量で鳴り響く)
綴理「グ…ウウウウ…」
綴理「ア゛…ァ…ア゛ア゛ア゛!!」
さやか(綴理先輩が頭を抑えて苦しんでいる)
綴理「ア゛ア゛ア゛ア゛!!!ヴァア゛ア゛!!」
さやか(綴理先輩のものと思えない悲鳴をあげて、白い煙が綴理先輩から離れていく)
ジリリリリリリリリリ!
さやか(目覚まし時計が大音量で鳴り響く)
綴理「グ…ウウウウ…」
綴理「ア゛…ァ…ア゛ア゛ア゛!!」
さやか(綴理先輩が頭を抑えて苦しんでいる)
綴理「ア゛ア゛ア゛ア゛!!!ヴァア゛ア゛!!」
さやか(綴理先輩のものと思えない悲鳴をあげて、白い煙が綴理先輩から離れていく)
0
251: 2024/02/29(木) 23:43:52.00
綴理「………」
さやか(白い煙が完全に離れた綴理先輩はバランスを失い…)
さやか「危ない!」
さやか(倒れる前に受け止める!今度は間に合いました)
綴理「……あれ?さ…や…?」
綴理「ボク…たしか…白いもやもやに」
さやか「まったく…お寝坊さんですよ先輩」
綴理「あ…うん、えっと…おはよう?なのかな」
さやか(白い煙が完全に離れた綴理先輩はバランスを失い…)
さやか「危ない!」
さやか(倒れる前に受け止める!今度は間に合いました)
綴理「……あれ?さ…や…?」
綴理「ボク…たしか…白いもやもやに」
さやか「まったく…お寝坊さんですよ先輩」
綴理「あ…うん、えっと…おはよう?なのかな」
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252: 2024/02/29(木) 23:45:15.00
さやか「どれだけ、待ったと思ってるんですか…ずっとずっと待って待って…」
綴理「それは、大変申し訳ない…」
『感動の再会のところ悪いですが…泣くのは後にした方が良さそうですよ』
ゴゴゴゴゴ…
さやか(綴理先輩から離れた白い煙は…集まり…)
ウオオオオオオオオオオオ!!
オナカ…スイタ…サヤ…!タベタイ!
さやか(巨大な人の形になった)
綴理「それは、大変申し訳ない…」
『感動の再会のところ悪いですが…泣くのは後にした方が良さそうですよ』
ゴゴゴゴゴ…
さやか(綴理先輩から離れた白い煙は…集まり…)
ウオオオオオオオオオオオ!!
オナカ…スイタ…サヤ…!タベタイ!
さやか(巨大な人の形になった)
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253: 2024/02/29(木) 23:47:50.00
さやか「さすがに倒しきれませんでしたか…」
綴理「そうか…キミは」
さやか「先輩?」
綴理「だけど、ゴメン。ボクの気持ちは変わらないよ」
綴理「キミに何一つ奪わせる気なんかない」
アアアアア
オナカアアアアア!スイタアアアアア!
さやか(白い煙の巨人が綴理先輩に向けて腕を伸ばす)
綴理「そうか…キミは」
さやか「先輩?」
綴理「だけど、ゴメン。ボクの気持ちは変わらないよ」
綴理「キミに何一つ奪わせる気なんかない」
アアアアア
オナカアアアアア!スイタアアアアア!
さやか(白い煙の巨人が綴理先輩に向けて腕を伸ばす)
0
254: 2024/02/29(木) 23:52:10.00
さやか「先輩!下がってください」
綴理「ううん、ここはボクにやらせて」
綴理「ボクは…何一つ手放さずにみんなと一緒に歩くって決めたんだ」ヒューン
さやか(綴理先輩がマイクを構える…)
さやか(その瞬間、私の目の前に予想だにしない物体が登場した)
キエエエエエエエエエエッ!!!
綴理「ううん、ここはボクにやらせて」
綴理「ボクは…何一つ手放さずにみんなと一緒に歩くって決めたんだ」ヒューン
さやか(綴理先輩がマイクを構える…)
さやか(その瞬間、私の目の前に予想だにしない物体が登場した)
キエエエエエエエエエエッ!!!
0
255: 2024/02/29(木) 23:53:10.00
さやか「え?」
さやか(ペン……ギン?ですよね…これ)
キエッ!クエエエエッ!
綴理「うん、またよろしくね」
さやか「あの…それ」
綴理「行くよっ!」
さやか(ペン……ギン?ですよね…これ)
キエッ!クエエエエッ!
綴理「うん、またよろしくね」
さやか「あの…それ」
綴理「行くよっ!」
0
256: 2024/03/01(金) 19:28:40.00
【綴理】
食べたら眠いの湧き上がるけど
忘れちゃダメだ後片付けを
飛べない鳥が蜃気楼を越える
おもいツバサを信じようと燃える
叶えるみんなと会いに凱旋
さあはじめよう第二回戦
全て抱き生きていこう今日を
受けて立つよ生存競争
https://cdn1.suno.ai/4a85ffb4-7030-4221-9eaa-7c26ec99f0f3.mp4
食べたら眠いの湧き上がるけど
忘れちゃダメだ後片付けを
飛べない鳥が蜃気楼を越える
おもいツバサを信じようと燃える
叶えるみんなと会いに凱旋
さあはじめよう第二回戦
全て抱き生きていこう今日を
受けて立つよ生存競争
https://cdn1.suno.ai/4a85ffb4-7030-4221-9eaa-7c26ec99f0f3.mp4
0
257: 2024/03/02(土) 13:49:58.00
ウオオオオオオオオオオオ!
さやか「先輩!」
さやか(白い巨人が腕を振り下ろす…)
綴理「ごめんね…キミをそんなふうにさせたのはボクだ」
綴理「だから!」
キエエエエエエエエエエッ!!!
ガシッ!
さやか「ペンギンが…受け止めた…」
さやか「先輩!」
さやか(白い巨人が腕を振り下ろす…)
綴理「ごめんね…キミをそんなふうにさせたのはボクだ」
綴理「だから!」
キエエエエエエエエエエッ!!!
ガシッ!
さやか「ペンギンが…受け止めた…」
0
258: 2024/03/02(土) 13:50:45.00
綴理「もう、キミにひどいことはさせない…ボクがキミを止める」
さやか「でも…」
ウアア…タベル…タベル
さやか(白い巨人はもともと煙なんだ…だから受け止めたところで)
イタダキ…マアアアアアアアス!!
さやか(また煙にもどって襲ってくるだけ)
さやか(煙に戻って、幾つもの口になって、綴理先輩に…)
さやか「でも…」
ウアア…タベル…タベル
さやか(白い巨人はもともと煙なんだ…だから受け止めたところで)
イタダキ…マアアアアアアアス!!
さやか(また煙にもどって襲ってくるだけ)
さやか(煙に戻って、幾つもの口になって、綴理先輩に…)
0
259: 2024/03/02(土) 13:51:46.00
綴理「ねえ、キミはボクに『忘れないで』って言ったよね?」
綴理「キミは忘れちゃったのかな?ボクがキミにどうやって勝ったのか」
クエエエエッ
さやか「え?」
さやか(ペンギンが、口を開けた)
クエエエエエエエッ
さやか「あ……え??」
さやか(あの白い煙を吸い込んでる?)
綴理「キミは忘れちゃったのかな?ボクがキミにどうやって勝ったのか」
クエエエエッ
さやか「え?」
さやか(ペンギンが、口を開けた)
クエエエエエエエッ
さやか「あ……え??」
さやか(あの白い煙を吸い込んでる?)
0
260: 2024/03/02(土) 13:53:10.00
クエエエエエエエエエエエエエエエエッ
ゴクリンッ!
さやか「全部…の…飲み込んだ!?」
綴理「……あ、さや、終わったよ」
さやか「え?あの?あれって、そういう…何というか…」
クエッ!クエッ!キエエエエッ!
綴理「うん、頑張ったねペンギンさん」
さやか「あの…頭が追いつかないです」
綴理「さや、溺れそう?」
さやか「…聞きたいことが山ほどあるので、しばらくお話しよろしいですか」
ゴクリンッ!
さやか「全部…の…飲み込んだ!?」
綴理「……あ、さや、終わったよ」
さやか「え?あの?あれって、そういう…何というか…」
クエッ!クエッ!キエエエエッ!
綴理「うん、頑張ったねペンギンさん」
さやか「あの…頭が追いつかないです」
綴理「さや、溺れそう?」
さやか「…聞きたいことが山ほどあるので、しばらくお話しよろしいですか」
0
261: 2024/03/03(日) 01:12:24.00
…………
…………………
綴理「ということなんだ……そろそろわかった?」
さやか(なんとか…流れは理解できました)
さやか「えーっと、まず綴理先輩は精神世界でシャドウと出会った」
綴理「うん」
さやか「そのシャドウは綴理先輩の記憶を食べる?力があった」
…………………
綴理「ということなんだ……そろそろわかった?」
さやか(なんとか…流れは理解できました)
さやか「えーっと、まず綴理先輩は精神世界でシャドウと出会った」
綴理「うん」
さやか「そのシャドウは綴理先輩の記憶を食べる?力があった」
0
262: 2024/03/03(日) 01:13:36.00
さやか「で、なんやかんやあって綴理先輩は勝った」
綴理「うん、なんやかんや」
さやか「あの…なんやかんやとは?」
綴理「んー、食べられたけど夕焼けがぱーっとなって」
綴理「そうしたらペンギンさんが…」
さやか「あ、そのペンギンさんなんですが」
キエエエッ!
さやか「スピーカー…なんですか?」
綴理「うん、なんやかんや」
さやか「あの…なんやかんやとは?」
綴理「んー、食べられたけど夕焼けがぱーっとなって」
綴理「そうしたらペンギンさんが…」
さやか「あ、そのペンギンさんなんですが」
キエエエッ!
さやか「スピーカー…なんですか?」
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263: 2024/03/03(日) 01:14:25.00
綴理「うん、ボクのスピーカー」
綴理「ボクの…スピーカー?」
さやか「あ、そこは疑問に思ってたんですね」
クエッ!クエッ!
綴理「……いいよね。ペンギン」
さやか「……はい、綴理先輩にペンギンはまさにベストマッチです」
綴理「ペンギンは最強。さやよりも強いと思う」
さやか「おや?そういえば…まだ見せてなかったですね」
綴理「ボクの…スピーカー?」
さやか「あ、そこは疑問に思ってたんですね」
クエッ!クエッ!
綴理「……いいよね。ペンギン」
さやか「……はい、綴理先輩にペンギンはまさにベストマッチです」
綴理「ペンギンは最強。さやよりも強いと思う」
さやか「おや?そういえば…まだ見せてなかったですね」
0
264: 2024/03/03(日) 10:31:10.00
さやか「驚きますよ、これが!私の新スピーカーです」ヒューン
ドジャーーーン!
綴理「おお!目覚まし時計?みたいなのが増えてる」
さやか「気づきました?そうなんですよ!こちらも色々と…」
さやか「って、そうではなく。本題に戻りましょう」
さやか「えーっと。それで綴理先輩はシャドウに勝ちましたが、シャドウの様子がおかしくなった」
綴理「いい子だったんだけどね」
さやか「それで白いもやもやに包まれて、あんなことになっていたと」
綴理「申し訳ないです。すみません」
ドジャーーーン!
綴理「おお!目覚まし時計?みたいなのが増えてる」
さやか「気づきました?そうなんですよ!こちらも色々と…」
さやか「って、そうではなく。本題に戻りましょう」
さやか「えーっと。それで綴理先輩はシャドウに勝ちましたが、シャドウの様子がおかしくなった」
綴理「いい子だったんだけどね」
さやか「それで白いもやもやに包まれて、あんなことになっていたと」
綴理「申し訳ないです。すみません」
0
265: 2024/03/03(日) 21:08:52.00
さやか「あの白いのは綴理先輩のシャドウということでいいんでしょうか?」
綴理「なんとなくそんな気がする?ような」
さやか「まあ、もう倒してしまったわけですからそこを追及しても意味のないような」
綴理「そっか、それはそうだ」
グ…グェ…
綴理「ペンギンさん…?っっ!?」
さやか「先輩どうかしました?」
綴理「なんとなくそんな気がする?ような」
さやか「まあ、もう倒してしまったわけですからそこを追及しても意味のないような」
綴理「そっか、それはそうだ」
グ…グェ…
綴理「ペンギンさん…?っっ!?」
さやか「先輩どうかしました?」
0
266: 2024/03/03(日) 21:09:41.00
綴理「あれ…ボク、たしかに」
キ…キエエエッ…
さやか「ペンギンさん?どうしたんです?」
綴理「あ、いや、実に残念なお知らせだけど」
ヴオオオオオオオオオオオ!
さやか(……え?)
さやか(今、なんか聞こえたような)
綴理「倒せてない?ような気がしてる」
キ…キエエエッ…
さやか「ペンギンさん?どうしたんです?」
綴理「あ、いや、実に残念なお知らせだけど」
ヴオオオオオオオオオオオ!
さやか(……え?)
さやか(今、なんか聞こえたような)
綴理「倒せてない?ような気がしてる」
0
267: 2024/03/03(日) 21:10:12.00
ク…エ゛エ゛エッ!!
綴理「ペンギンさん!」
さやか「ひっ…!」
さやか(そこにあったのは見るもおぞましい光景…)
さやか(ペンギンさんの口から、白い巨人が生えていた)
キ゛エ…エ゛…
さやか「どうすれば…!」
綴理「ペンギンさん!」
さやか「ひっ…!」
さやか(そこにあったのは見るもおぞましい光景…)
さやか(ペンギンさんの口から、白い巨人が生えていた)
キ゛エ…エ゛…
さやか「どうすれば…!」
0
268: 2024/03/03(日) 21:10:42.00
綴理「ぺっ、ぺっして!ペンギンさん!」
ウ゛エエエッ!!
さやか「吐き出せた!」
綴理「でもまだここからだよ」
さやか(間一髪、吐き出すことに成功したわけですが…)
オナカ…スイタ…アアアアアアア
さやか(それはすなわち、近くまで迫った白い巨人との戦いを意味するわけで)
ウ゛エエエッ!!
さやか「吐き出せた!」
綴理「でもまだここからだよ」
さやか(間一髪、吐き出すことに成功したわけですが…)
オナカ…スイタ…アアアアアアア
さやか(それはすなわち、近くまで迫った白い巨人との戦いを意味するわけで)
0
269: 2024/03/04(月) 13:14:35.00
さやか「こうなったら…」
さやか「私が相手になりますよ」
ア…アアア…
さやか(あれ?動きが止まった?)
タ…ベル…ボク…
……ヒュン…
さやか(消えた…?)
さやか「私が相手になりますよ」
ア…アアア…
さやか(あれ?動きが止まった?)
タ…ベル…ボク…
……ヒュン…
さやか(消えた…?)
0
270: 2024/03/04(月) 13:15:09.00
綴理「…さや」
さやか「綴理先輩、これはいったい」
綴理「ごめん、ボクにもわからない」
綴理「今はできることをやろう」
さやか「とりあえずは綴理先輩の回復が優先でしょうか」
綴理「…そうだね。急ぐのは多分よくない」
さやか「後先考えずにとりあえず食べるとか、もうやめてくださいね」
さやか「綴理先輩、これはいったい」
綴理「ごめん、ボクにもわからない」
綴理「今はできることをやろう」
さやか「とりあえずは綴理先輩の回復が優先でしょうか」
綴理「…そうだね。急ぐのは多分よくない」
さやか「後先考えずにとりあえず食べるとか、もうやめてくださいね」
0
271: 2024/03/04(月) 13:24:12.00
綴理「食べたらダメなのがわかったので、はい…もうしません」
さやか「決定打ではないにしろ、私も一度はダメージを与えているので多少は余裕がありますよ」
さやか(それから数分はたっただろうか)
さやか(異変は私の側に起こった)
さやか「…」
綴理「さや、もうボクは大丈夫だよ。行こう」
さやか「そう…ですね。はい」
さやか(あ…れ…?)
綴理「…さや?」
さやか「力が…入らない」
さやか「決定打ではないにしろ、私も一度はダメージを与えているので多少は余裕がありますよ」
さやか(それから数分はたっただろうか)
さやか(異変は私の側に起こった)
さやか「…」
綴理「さや、もうボクは大丈夫だよ。行こう」
さやか「そう…ですね。はい」
さやか(あ…れ…?)
綴理「…さや?」
さやか「力が…入らない」
0
272: 2024/03/04(月) 22:25:42.00
さやか(待って、何か見落としてる気がする)
さやか(周りがゆらゆら揺れて見える…まるで蜃気楼のように)
綴理「……そうか…やっとわかった」
綴理「さや…さや!」
さやか(綴理先輩が私の体をゆすっている…)
さやか「綴理…先輩…」
さやか(綴理先輩が首を縦に振る。ようやく二人ともシャドウの真の狙いに気づいた)
さやか(周りがゆらゆら揺れて見える…まるで蜃気楼のように)
綴理「……そうか…やっとわかった」
綴理「さや…さや!」
さやか(綴理先輩が私の体をゆすっている…)
さやか「綴理…先輩…」
さやか(綴理先輩が首を縦に振る。ようやく二人ともシャドウの真の狙いに気づいた)
0
273: 2024/03/04(月) 22:29:15.00
綴理「さや、動ける?」
さやか「ぐ…っ!!」
さやか(力を振り絞る…なんとか少し動けそうだ)
さやか「はい…!」
さやか(私たちは用具入れに移動した。余計に追い詰められた気もするが、この状況ではおそらくこうするしかない)
綴理「ボクが…気づくべきだった」
さやか(扉のわずかな隙間を目張りし終わった綴理先輩が呟く)
さやか(扉を締めただけでは心元ないだけに、ガムテープを見つけられたのは不幸中の幸いだった)
さやか「ぐ…っ!!」
さやか(力を振り絞る…なんとか少し動けそうだ)
さやか「はい…!」
さやか(私たちは用具入れに移動した。余計に追い詰められた気もするが、この状況ではおそらくこうするしかない)
綴理「ボクが…気づくべきだった」
さやか(扉のわずかな隙間を目張りし終わった綴理先輩が呟く)
さやか(扉を締めただけでは心元ないだけに、ガムテープを見つけられたのは不幸中の幸いだった)
0
274: 2024/03/05(火) 21:11:51.00
綴理「また、ボクが足りなかった。そのせいで…」
さやか「先輩だけのせいじゃありません」
さやか「…消えてなんかいなかったんだ」
さやか(綴理先輩は言っていた。最初は透明だったんだと)
さやか(もっと早くに気づくべきだった。集まって白い巨人になったなら…その逆だってできるはずだ)
さやか(視認も困難なくらい限りなく薄くなり、拡散して周りを取り囲む)
さやか(力が弱くなるかもしれないが獲物をじわじわと追い込んでいく包囲網)
さやか「先輩だけのせいじゃありません」
さやか「…消えてなんかいなかったんだ」
さやか(綴理先輩は言っていた。最初は透明だったんだと)
さやか(もっと早くに気づくべきだった。集まって白い巨人になったなら…その逆だってできるはずだ)
さやか(視認も困難なくらい限りなく薄くなり、拡散して周りを取り囲む)
さやか(力が弱くなるかもしれないが獲物をじわじわと追い込んでいく包囲網)
0
275: 2024/03/05(火) 21:13:52.00
さやか「綴理先輩を取り戻した時点で一刻も早く体育館を出なければならなかった」
さやか「にもかかわらず、のんきに話など始めた私の落ち度もあります」
綴理「ここから出る…出られるのかな?今からでも」
さやか「…試してみますか?」
さやか「用具倉庫の壁、これを破壊すればあるいは…」
ガンッ!ガンッ!
さやか「…思ったより丈夫ですね」
綴理「さややボクに壊せるようなら欠陥建築だよねってボク思う。ゆえにボクあり」
さやか「にもかかわらず、のんきに話など始めた私の落ち度もあります」
綴理「ここから出る…出られるのかな?今からでも」
さやか「…試してみますか?」
さやか「用具倉庫の壁、これを破壊すればあるいは…」
ガンッ!ガンッ!
さやか「…思ったより丈夫ですね」
綴理「さややボクに壊せるようなら欠陥建築だよねってボク思う。ゆえにボクあり」
0
276: 2024/03/05(火) 21:14:40.00
さやか「そうだ!マイク、マイクがあるじゃないですか!」
さやか「やってやりますよ!私は!」
…………
…………………
~数分後~
さやか「はあ…はあ…まだです!まだ私は!」
綴理「おお、さやは頑張り屋」
さやか「諦めませんよ…浮かれポンチ梢先輩いわく、スクールアイドルは壁を壊せるようになって一人前らしいので」
さやか「やってやりますよ!私は!」
…………
…………………
~数分後~
さやか「はあ…はあ…まだです!まだ私は!」
綴理「おお、さやは頑張り屋」
さやか「諦めませんよ…浮かれポンチ梢先輩いわく、スクールアイドルは壁を壊せるようになって一人前らしいので」
0
277: 2024/03/05(火) 21:17:05.00
綴理「えっと…『壁は壊せるものさ~』ってやつ?」
さやか「…諦めませんが、少し休憩です」
綴理「…ごめんね。さや」
さやか「何がですか?」
綴理「あれはもう一人のボクだからさ、ああなる前にボクがなんとかしないとだったんだ」
さやか「……」
綴理「やるぞって思って進んでみたけど、ボクはやっぱり飛べない鳥のままなのかも」
綴理「みんなと同じ空を飛べなかった、何一つ変えられなかったあの時のまま」
さやか「…諦めませんが、少し休憩です」
綴理「…ごめんね。さや」
さやか「何がですか?」
綴理「あれはもう一人のボクだからさ、ああなる前にボクがなんとかしないとだったんだ」
さやか「……」
綴理「やるぞって思って進んでみたけど、ボクはやっぱり飛べない鳥のままなのかも」
綴理「みんなと同じ空を飛べなかった、何一つ変えられなかったあの時のまま」
0
278: 2024/03/05(火) 21:24:14.00
さやか「…それは違います」
綴理「さや?」
さやか「先輩、それは違います。先輩が何も変えられないなんてのは……絶対に違うんです」
さやか「綴理先輩は私を変えました。綴理先輩が私を変えてくれたから、私は今ここにいられるんです」
綴理「えっと…そうなの?」
さやか「はい、そうですよ。世界なんか滅ぼせるくらいわがままになってしまいました」
綴理「……そっか、さやは…ボクと会って変われたんだ」
さやか「私だけではないと思いますよ?花帆さんも、瑠璃乃さんも、もちろん梢先輩と慈先輩も、綴理先輩と会って変わったはずです」
綴理「さや?」
さやか「先輩、それは違います。先輩が何も変えられないなんてのは……絶対に違うんです」
さやか「綴理先輩は私を変えました。綴理先輩が私を変えてくれたから、私は今ここにいられるんです」
綴理「えっと…そうなの?」
さやか「はい、そうですよ。世界なんか滅ぼせるくらいわがままになってしまいました」
綴理「……そっか、さやは…ボクと会って変われたんだ」
さやか「私だけではないと思いますよ?花帆さんも、瑠璃乃さんも、もちろん梢先輩と慈先輩も、綴理先輩と会って変わったはずです」
0
279: 2024/03/05(火) 21:26:15.00
綴理「そうかな?」
さやか「直接聞いたんですか?綴理先輩と会って何一つ変わらなかったと」
綴理「聞いてない…です…はい」
さやか「あと、飛べない鳥うんぬんに関してですが…ペンギンが飛べないからなんだというんですか」
さやか「ペンギンはかわいいじゃないですか。必死に歩こうとするのは愛らしくてかわいい、水の中ですいすい泳いでいくのはかっこよくてかわいい」
さやか「それらの事実の前では、飛べないなんてのは些細な話です。そんなのどうでもよくなるくらい、人を魅了して離さない魅力をペンギンは持っているんです」
さやか「まるで綴理みたいですよね。だから私は、綴理先輩にペンギンがぴったりだと言ったんですよ?」
さやか「直接聞いたんですか?綴理先輩と会って何一つ変わらなかったと」
綴理「聞いてない…です…はい」
さやか「あと、飛べない鳥うんぬんに関してですが…ペンギンが飛べないからなんだというんですか」
さやか「ペンギンはかわいいじゃないですか。必死に歩こうとするのは愛らしくてかわいい、水の中ですいすい泳いでいくのはかっこよくてかわいい」
さやか「それらの事実の前では、飛べないなんてのは些細な話です。そんなのどうでもよくなるくらい、人を魅了して離さない魅力をペンギンは持っているんです」
さやか「まるで綴理みたいですよね。だから私は、綴理先輩にペンギンがぴったりだと言ったんですよ?」
0
280: 2024/03/06(水) 18:44:52.00
綴理「そっか、うん」
綴理「でもね…さや…それでもボクは」
綴理「今、やっぱり空を飛べたらいいなって思っちゃったんだ」
さやか「……それもまたいいと思います」
さやか「『飛べない』と『飛ぶことを夢見てはいけない』は別ですよ」
さやか「それにもしかしたらペンギンは飛べないのではなくあえて飛ばないだけかもしれない」
綴理「あえて飛ばない?」
さやか「それを私たち人間が飛べないと決めつけてるだけかもしれませんよ」
綴理「でもね…さや…それでもボクは」
綴理「今、やっぱり空を飛べたらいいなって思っちゃったんだ」
さやか「……それもまたいいと思います」
さやか「『飛べない』と『飛ぶことを夢見てはいけない』は別ですよ」
さやか「それにもしかしたらペンギンは飛べないのではなくあえて飛ばないだけかもしれない」
綴理「あえて飛ばない?」
さやか「それを私たち人間が飛べないと決めつけてるだけかもしれませんよ」
0
281: 2024/03/06(水) 18:46:00.00
綴理「そうか…ボクたちは何も知らないんだね」
ドカアアッ
さやか「何の音です?」
さやか(しばらくすると…あの白いのの唸り声が聞こえてきた)
さやか(だけど、その方向は)
ヴオオ…ヴヴ…
綴理「外から…聞こえてる?」
ドカアアッ
さやか「何の音です?」
さやか(しばらくすると…あの白いのの唸り声が聞こえてきた)
さやか(だけど、その方向は)
ヴオオ…ヴヴ…
綴理「外から…聞こえてる?」
0
282: 2024/03/06(水) 18:47:10.00
さやか(そうか。何もご丁寧に正面からくる必要なんてない)
さやか(一旦外に出て、そして外から来ればいいだけなんだ)
ドゴォオオオオオオン!!
綴理「そっか、壁は壊せるんだー」
さやか「は…はは…パワフルですね」
綴理「さや…どうする?」
ウオオオオオオオオオオオ!タベル!タベル!!!
綴理「お腹が空いてイライラしているね」
綴理「…戦う?」
さやか「…しかないですよね」
さやか(一旦外に出て、そして外から来ればいいだけなんだ)
ドゴォオオオオオオン!!
綴理「そっか、壁は壊せるんだー」
さやか「は…はは…パワフルですね」
綴理「さや…どうする?」
ウオオオオオオオオオオオ!タベル!タベル!!!
綴理「お腹が空いてイライラしているね」
綴理「…戦う?」
さやか「…しかないですよね」
0
283: 2024/03/06(水) 18:48:18.00
さやか(ま、まあ…二人で力を合わせればなんとか…)
さやか(…と二人がかりでの死闘を決意した、まさにその時)
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
さやか「………え?」
さやか(轟音と、衝撃が、駆け抜けた)
さやか(なに…今の?この白いのが何かやった?)
ア゛エエエ…イヤ…ア゛…
ア゛…ア゛ア゛……イダ…イダイヨオ
さやか(いえ、めちゃくちゃ苦しんでいるので違いますね…)
さやか(…と二人がかりでの死闘を決意した、まさにその時)
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
さやか「………え?」
さやか(轟音と、衝撃が、駆け抜けた)
さやか(なに…今の?この白いのが何かやった?)
ア゛エエエ…イヤ…ア゛…
ア゛…ア゛ア゛……イダ…イダイヨオ
さやか(いえ、めちゃくちゃ苦しんでいるので違いますね…)
0
284: 2024/03/06(水) 18:57:20.00
綴理「い…いた…耳…こわれそう」
さやか(綴理先輩もですか。そういえば…綴理先輩に取り憑いていたのを解除した時も音で苦しんでました)
さやか「さすが綴理先輩、耳がいいんですね」
さやか「ならば、チャンスです!」
ミシ…ミシ……
さやか「…あ」
さやか(これは、危ない気がする…白いのが無造作に破壊したところに今の衝撃が来たら…)
さやか「間に合えっ…!」
さやか(さっきのダメージが抜けきっていない綴理先輩の手を取って…走る!)
さやか(綴理先輩もですか。そういえば…綴理先輩に取り憑いていたのを解除した時も音で苦しんでました)
さやか「さすが綴理先輩、耳がいいんですね」
さやか「ならば、チャンスです!」
ミシ…ミシ……
さやか「…あ」
さやか(これは、危ない気がする…白いのが無造作に破壊したところに今の衝撃が来たら…)
さやか「間に合えっ…!」
さやか(さっきのダメージが抜けきっていない綴理先輩の手を取って…走る!)
0
285: 2024/03/07(木) 07:32:48.00
さやか(さっきのダメージが抜けきっていない綴理先輩の手を取って…走る!)
綴理「さ…や…なにを」
さやか「ここにいたら危ないです、逃げます!」
綴理「よくきこえないけど…うん、たぶんわかった」
さやか(私たちが用具倉庫を出てフロアに戻るとほぼ同時に)
ガラララララララララララララッッッ!
さやか(用具倉庫が…跡形もなく崩れ落ちた)
綴理「もう一人のボクは?」
さやか「これの下でしょう。さすがにこのくらいで倒せはしないでしょうし、また煙になって出てくるとは思いますが」
綴理「さ…や…なにを」
さやか「ここにいたら危ないです、逃げます!」
綴理「よくきこえないけど…うん、たぶんわかった」
さやか(私たちが用具倉庫を出てフロアに戻るとほぼ同時に)
ガラララララララララララララッッッ!
さやか(用具倉庫が…跡形もなく崩れ落ちた)
綴理「もう一人のボクは?」
さやか「これの下でしょう。さすがにこのくらいで倒せはしないでしょうし、また煙になって出てくるとは思いますが」
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286: 2024/03/07(木) 19:57:19.00
ヴ……ヴヴ…
さやか(崩れた瓦礫の下からうめき声が聞こえる、ダメージからまだ回復していないようだ)
さやか「先輩、聞こえますか?」
綴理「もう直ったよ。聞こえてる」
さやか「どうやら先ほどので相当なダメージを与えられたみたいです。ならばこの機に一斉に」
『やめた方がいいです』
『攻撃したところで、これを倒せるとは思いません』
さやか「ですが!他にどうしろと?」
さやか(崩れた瓦礫の下からうめき声が聞こえる、ダメージからまだ回復していないようだ)
さやか「先輩、聞こえますか?」
綴理「もう直ったよ。聞こえてる」
さやか「どうやら先ほどので相当なダメージを与えられたみたいです。ならばこの機に一斉に」
『やめた方がいいです』
『攻撃したところで、これを倒せるとは思いません』
さやか「ですが!他にどうしろと?」
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287: 2024/03/07(木) 19:58:02.00
『私に考えがあります。聞いてもらえますか?』
綴理「さや?独り言?」
『……このままでは紛らわしいですね。綴理先輩にも関わる話ですから、また外に出ましょう』
ウニョン!
さやか(私の中から黒いうねうねしたものが出てきて…)
シャドウさやか「よいしょっと!」
さやか(あ、一瞬で私の形になった…)
さやか「想像以上にすんなり出てきましたね」
綴理「さや?独り言?」
『……このままでは紛らわしいですね。綴理先輩にも関わる話ですから、また外に出ましょう』
ウニョン!
さやか(私の中から黒いうねうねしたものが出てきて…)
シャドウさやか「よいしょっと!」
さやか(あ、一瞬で私の形になった…)
さやか「想像以上にすんなり出てきましたね」
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288: 2024/03/07(木) 19:58:40.00
綴理「さやが、二人?あ…さやも会ってたのか」
シャドウさやか「はじめまして、村野さやかのシャドウです。何卒よろしくお願いします。綴理先輩」
綴理「なにとぞー」
シャドウさやか「さて、悠長に話している時間も無いので手短に行きます」
シャドウさやか「白い巨人、綴理先輩のシャドウだったものを倒すのは諦め、何よりもここを脱出するのを優先しましょう」
さやか「諦める?」
シャドウさやか「はじめまして、村野さやかのシャドウです。何卒よろしくお願いします。綴理先輩」
綴理「なにとぞー」
シャドウさやか「さて、悠長に話している時間も無いので手短に行きます」
シャドウさやか「白い巨人、綴理先輩のシャドウだったものを倒すのは諦め、何よりもここを脱出するのを優先しましょう」
さやか「諦める?」
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289: 2024/03/07(木) 19:59:23.00
シャドウさやか「…今が帰れる最後のチャンスだと思います。いえ…この際はっきり言いましょう」
シャドウさやか「ダメージを受けている今でさえ、私たちの攻撃であれを倒すことはできないと思います。もう、戦って倒すことは考えてはいけません」
さやか「いえ、うまくやれば…」
シャドウさやか「1回は退けられるかもしれない。ですが、1回がいいところ」
シャドウさやか「あれは食べることと成長することに特化した存在です。生半可に退けてもより強くなって帰ってくるのみ」
綴理「一度通じた方法がまた通じるとは限らないってことだよね…さっきのボクみたいに」
シャドウさやか「ならば、脱出の猶予があるうちに脱出を敢行すべきです」
シャドウさやか「ダメージを受けている今でさえ、私たちの攻撃であれを倒すことはできないと思います。もう、戦って倒すことは考えてはいけません」
さやか「いえ、うまくやれば…」
シャドウさやか「1回は退けられるかもしれない。ですが、1回がいいところ」
シャドウさやか「あれは食べることと成長することに特化した存在です。生半可に退けてもより強くなって帰ってくるのみ」
綴理「一度通じた方法がまた通じるとは限らないってことだよね…さっきのボクみたいに」
シャドウさやか「ならば、脱出の猶予があるうちに脱出を敢行すべきです」
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290: 2024/03/08(金) 08:30:40.00
綴理「ボクは、もう一人のさやの作戦に賭けるよ」
さやか「…納得はできません。仮に逃げたとしても、また追いつかれたらどうするのかという疑問もあります」
さやか「ですが、理解はしました。あなたの話を聞きましょう」
グアアアアアアア!
さやか(白い巨人が…もう持ち直した?)
シャドウさやか「困りましたね。作戦説明まで済ませたかったのですが」
シャドウさやか「仕方ありません。これからぶっつけ本番でいきます」
さやか「…納得はできません。仮に逃げたとしても、また追いつかれたらどうするのかという疑問もあります」
さやか「ですが、理解はしました。あなたの話を聞きましょう」
グアアアアアアア!
さやか(白い巨人が…もう持ち直した?)
シャドウさやか「困りましたね。作戦説明まで済ませたかったのですが」
シャドウさやか「仕方ありません。これからぶっつけ本番でいきます」
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291: 2024/03/08(金) 08:32:08.00
シャドウさやか「指示は最小限にします!あとは各自状況を見て、周囲の人の意図を汲んで柔軟に対応しましょう!」
綴理「それ…ボクが一番苦手なやつ」
シャドウさやか「ご安心を。綴理先輩に出す指示は単純ですし、何があっても私たちが合わせるので」
シャドウさやか「綴理先輩は思うがまま"飛んで"ください」
綴理「飛ぶ?」
シャドウさやか「はい。これから私が…飛ばしてあげますよ。飛べない鳥さんとやらを」
ウウ…タベル…タベル…ヴアアアアアアア!
シャドウさやか「さて、そろそろ本格的に動かないとですね」
綴理「それ…ボクが一番苦手なやつ」
シャドウさやか「ご安心を。綴理先輩に出す指示は単純ですし、何があっても私たちが合わせるので」
シャドウさやか「綴理先輩は思うがまま"飛んで"ください」
綴理「飛ぶ?」
シャドウさやか「はい。これから私が…飛ばしてあげますよ。飛べない鳥さんとやらを」
ウウ…タベル…タベル…ヴアアアアアアア!
シャドウさやか「さて、そろそろ本格的に動かないとですね」
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292: 2024/03/08(金) 18:46:40.00
シャドウさやか「まずは、綴理先輩」
綴理「うん、何をすればいい?」
シャドウさやか「先輩にしてほしいことは一つ」
シャドウさやか「あの白いのを足止めしてください」
綴理「やってはみるけど…できるかな」
さやか「あの白いのに対して綴理先輩が有効打を持っているとは」
綴理「うん、何をすればいい?」
シャドウさやか「先輩にしてほしいことは一つ」
シャドウさやか「あの白いのを足止めしてください」
綴理「やってはみるけど…できるかな」
さやか「あの白いのに対して綴理先輩が有効打を持っているとは」
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293: 2024/03/08(金) 18:48:21.00
シャドウさやか「最初の数分さえ凌げれば、足止めができる程度には状況が好転するはずです」
綴理「???」
シャドウさやか「じきにわかります」
シャドウさやか「お願いしますよ。私たちは移動しますので」
ヴヴ……ヴアアアアアアア…
綴理「よくわからないけど。わかった」
…アアアアアアア!!!
綴理「さてと、第3回戦だね。次は負けないよ」
綴理「???」
シャドウさやか「じきにわかります」
シャドウさやか「お願いしますよ。私たちは移動しますので」
ヴヴ……ヴアアアアアアア…
綴理「よくわからないけど。わかった」
…アアアアアアア!!!
綴理「さてと、第3回戦だね。次は負けないよ」
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294: 2024/03/08(金) 19:40:13.00
【綴理】
全力ですケープここは負けらんない
挑めデスケイブまるでマゼラン隊
気分はオウサマだからボクだけに
できること探そうかなガラパゴス、アデリー
いつもは固いマカロニだって熱を
あげればふにゃふにゃ行こうジェンツーも
フンボルト君、未来を見にいこうね
踏ん張るようん、ここからの全コウテイ
https://cdn1.suno.ai/6f74788b-5482-472d-990c-c5747dd2a63b.mp4
全力ですケープここは負けらんない
挑めデスケイブまるでマゼラン隊
気分はオウサマだからボクだけに
できること探そうかなガラパゴス、アデリー
いつもは固いマカロニだって熱を
あげればふにゃふにゃ行こうジェンツーも
フンボルト君、未来を見にいこうね
踏ん張るようん、ここからの全コウテイ
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295: 2024/03/08(金) 19:41:00.00
綴理「さあ、みんな出ておいで!」
キエッ!キエッ!キエッ!
キエッ!キエッ!キエッ!
キエッ!キエッ!キエッ!
綴理(ケープ、マゼラン、オウサマ、ガラパゴス、アデリー、マカロニ、ジェンツー、フンボルト、コウテイ…そして)
キエエエエエエエエエエッ!!!
綴理(最初からいたよくわからないやつ!)
綴理(大きいのも小さいのも合わせて10羽…これでいける)
綴理(ペンギンは一羽じゃない!みんなで力を合わせて生き抜く!それがペンギンだ!)
キエッ!キエッ!キエッ!
キエッ!キエッ!キエッ!
キエッ!キエッ!キエッ!
綴理(ケープ、マゼラン、オウサマ、ガラパゴス、アデリー、マカロニ、ジェンツー、フンボルト、コウテイ…そして)
キエエエエエエエエエエッ!!!
綴理(最初からいたよくわからないやつ!)
綴理(大きいのも小さいのも合わせて10羽…これでいける)
綴理(ペンギンは一羽じゃない!みんなで力を合わせて生き抜く!それがペンギンだ!)
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296: 2024/03/08(金) 19:42:50.00
綴理「いける?ペンギンさんたち!」
クエエエッ!
綴理「よし、突撃だ!」
クアアアアッ!
クエエエエエエ!
クエ!クエ!
綴理(ペンギンさんたちがもう一人のボクだったものに組み付く)
綴理「少しは先輩らしいところも見せないとだね」
綴理「ここは全力でいかないと」
クエエエッ!
綴理「よし、突撃だ!」
クアアアアッ!
クエエエエエエ!
クエ!クエ!
綴理(ペンギンさんたちがもう一人のボクだったものに組み付く)
綴理「少しは先輩らしいところも見せないとだね」
綴理「ここは全力でいかないと」
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297: 2024/03/08(金) 20:46:41.00
さやか(綴理先輩に白いのの対処を任せて、私たちは体育館内の階段を駆け上がっていた)
さやか「あの、この先って…」
シャドウさやか「はい、上から仕掛けます」
さやか(階段の先の扉を開けると、そこにあったのはフロアを取り囲むように上方に設置された観覧通路)
シャドウさやか「なるべく綴理先輩の近くから始めましょう」
さやか「始める?何をです」
シャドウさやか「またぶちまけるんですよ」
さやか「ぶちまけ…」
さやか「あの、この先って…」
シャドウさやか「はい、上から仕掛けます」
さやか(階段の先の扉を開けると、そこにあったのはフロアを取り囲むように上方に設置された観覧通路)
シャドウさやか「なるべく綴理先輩の近くから始めましょう」
さやか「始める?何をです」
シャドウさやか「またぶちまけるんですよ」
さやか「ぶちまけ…」
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298: 2024/03/08(金) 20:47:22.00
さやか「えっと、それはまさかですが」
シャドウさやか「そうです。文字通り私を打ち破ったあの黒いのを今また放出してください」
さやか「また、あれをやるんですか…」
シャドウさやか「綴理先輩はちゃんと役割を果たしてますよ?ほら」
さやか(下では綴理先輩の指示のもとで大小さまざまなペンギンさん達が白いのを必死に牽制していた)
さやか(というか、一羽だけじゃなかったんだ…ペンギンさん)
さやか「ああ…もう!どうにでもなれ!」
シャドウさやか「そうです。文字通り私を打ち破ったあの黒いのを今また放出してください」
さやか「また、あれをやるんですか…」
シャドウさやか「綴理先輩はちゃんと役割を果たしてますよ?ほら」
さやか(下では綴理先輩の指示のもとで大小さまざまなペンギンさん達が白いのを必死に牽制していた)
さやか(というか、一羽だけじゃなかったんだ…ペンギンさん)
さやか「ああ…もう!どうにでもなれ!」
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299: 2024/03/08(金) 21:47:02.00
【さやか】
溜まりに溜まったフラストレーション
ぶちまけてやれ汚濁の絶唱
模範的、平和的、文化的、御託の列挙を
嘆き、猛り、叫び、壊すぞ絶叫
綺麗なだけでしょガラスの靴なんて
氷上の頂上では刃が付くの靴まで
履いて、吐いて、足掻いて、三回転
半で、暗転くらって、なんてアハ体験
https://cdn1.suno.ai/87d18b35-350d-4faf-945e-4c46bc5037fd.mp4
溜まりに溜まったフラストレーション
ぶちまけてやれ汚濁の絶唱
模範的、平和的、文化的、御託の列挙を
嘆き、猛り、叫び、壊すぞ絶叫
綺麗なだけでしょガラスの靴なんて
氷上の頂上では刃が付くの靴まで
履いて、吐いて、足掻いて、三回転
半で、暗転くらって、なんてアハ体験
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300: 2024/03/08(金) 21:50:25.00
さやか「さあ…いきますよ…」
さやか(鍋の中身は準備万端、煮立って煮立って煮立ちまくっています)
さやか「ぶちかませええええええええ!」
ドバアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
さやか(黒くでどろどろした感情が世界に放たれる)
ドゴォオォオオオオオオオオオオオオオオオオ
さやか(世界を飲み込む黒、常軌を逸する速度と量で放出されるそれは、みるみるうちに体育館内を侵食していく)
さやか(鍋の中身は準備万端、煮立って煮立って煮立ちまくっています)
さやか「ぶちかませええええええええ!」
ドバアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
さやか(黒くでどろどろした感情が世界に放たれる)
ドゴォオォオオオオオオオオオオオオオオオオ
さやか(世界を飲み込む黒、常軌を逸する速度と量で放出されるそれは、みるみるうちに体育館内を侵食していく)
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301: 2024/03/08(金) 21:51:30.00
さやか「あの…」
シャドウさやか「どうしました?」
さやか「やってから言うのもなんなのですが、綴理先輩が下で溺れたりしないですよね」
シャドウさやか「まあ、大丈夫でしょう。綴理先輩なら」
さやか「そ、そうですよね」
シャドウさやか「それに、これを見て綴理先輩が"溺れるかもしれない"というイメージをしてくれるならむしろ好都合ですよ」
シャドウさやか「だって、綴理先輩は"ペンギン"なのですから」
さやか「あ…なるほど」
シャドウさやか「どうしました?」
さやか「やってから言うのもなんなのですが、綴理先輩が下で溺れたりしないですよね」
シャドウさやか「まあ、大丈夫でしょう。綴理先輩なら」
さやか「そ、そうですよね」
シャドウさやか「それに、これを見て綴理先輩が"溺れるかもしれない"というイメージをしてくれるならむしろ好都合ですよ」
シャドウさやか「だって、綴理先輩は"ペンギン"なのですから」
さやか「あ…なるほど」
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302: 2024/03/08(金) 21:52:50.00
…………
…………………
綴理「はあ…はあ…」
綴理「さすがに、そろそろ止めるのも難しそう」
綴理(ペンギンさんたちががんばってくれてるけど、基本は消耗戦だ)
ドゴォオォオオオオオオオオオオオオオオオオ
綴理「ん?」
ゴボボボボボボボ…
綴理「!!?」
綴理(なんか、黒いのがどばああっときた?ボク飲み込まれた?)
…………………
綴理「はあ…はあ…」
綴理「さすがに、そろそろ止めるのも難しそう」
綴理(ペンギンさんたちががんばってくれてるけど、基本は消耗戦だ)
ドゴォオォオオオオオオオオオオオオオオオオ
綴理「ん?」
ゴボボボボボボボ…
綴理「!!?」
綴理(なんか、黒いのがどばああっときた?ボク飲み込まれた?)
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303: 2024/03/08(金) 21:54:17.00
綴理(息、息……あれ?)
綴理「息できるし、しゃべれる?」
綴理(なんだかふわふわして…どろどろして黒いけど包み込まれるような、嫌な感じはしない)
綴理「あ…これ…」
綴理「海、だ」
綴理「そうだ。海なら…」
キエエエッ!
クエックエッ!
綴理(ペンギンさんたち、驚いてるけど、嬉しそう)
綴理「息できるし、しゃべれる?」
綴理(なんだかふわふわして…どろどろして黒いけど包み込まれるような、嫌な感じはしない)
綴理「あ…これ…」
綴理「海、だ」
綴理「そうだ。海なら…」
キエエエッ!
クエックエッ!
綴理(ペンギンさんたち、驚いてるけど、嬉しそう)
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304: 2024/03/08(金) 21:56:04.00
綴理「うんそうだよね、海ならボクらは」
綴理「もっと…すごいことができそうだ!」
綴理「行くよ!ペンギンさんたち」
キエエエエエエエエエエッ
綴理(一斉にペンギンさん達が動き始める)
綴理(スピードもパワーも今までの比じゃない…)
綴理(この黒いのはどろどろしてるけど、ペンギンさんはそんな中でも負けずに泳げる)
ヴヴ…ウウ!ウウアアアアアアア!!!
綴理「もっと…すごいことができそうだ!」
綴理「行くよ!ペンギンさんたち」
キエエエエエエエエエエッ
綴理(一斉にペンギンさん達が動き始める)
綴理(スピードもパワーも今までの比じゃない…)
綴理(この黒いのはどろどろしてるけど、ペンギンさんはそんな中でも負けずに泳げる)
ヴヴ…ウウ!ウウアアアアアアア!!!
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305: 2024/03/08(金) 21:57:27.00
綴理(もう一人のボクがペンギンさんたちに応戦しようとするけど…間に合わない)
クエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!
綴理「ペンギンさん」
クエッ!
綴理(近くにきたペンギンさんにつかまる)
綴理「ボクも…一斉突撃いくよ!」
アアアアアアア!!
綴理「また、煙みたいになって避ける?でも多分無理だよ」
クエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!
綴理「ペンギンさん」
クエッ!
綴理(近くにきたペンギンさんにつかまる)
綴理「ボクも…一斉突撃いくよ!」
アアアアアアア!!
綴理「また、煙みたいになって避ける?でも多分無理だよ」
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306: 2024/03/08(金) 21:59:41.00
綴理(煙になろうとして気づいたんだろう。もう一人のボクだった巨人は動きを止めた)
綴理「こんなドロドロした中で、空気みたいになってもさ」
綴理「身動きとれないよね?」
キエエエエエエエエエエッ!!!!!!!!!!
綴理(ボクたちの一斉突撃が炸裂する)
綴理「あ…そっか、こういうことか」
綴理「今のボク…自由に飛んでる」
………
………………
綴理「こんなドロドロした中で、空気みたいになってもさ」
綴理「身動きとれないよね?」
キエエエエエエエエエエッ!!!!!!!!!!
綴理(ボクたちの一斉突撃が炸裂する)
綴理「あ…そっか、こういうことか」
綴理「今のボク…自由に飛んでる」
………
………………
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307: 2024/03/08(金) 22:39:49.00
さやか「綴理先輩!さすがです!」
シャドウさやか「あの対応力、やはり一番のスクールアイドルですね」
さやか「まったくもって同意です」
さやか(ん?私と私なのだから意見が合うのは当然では?)
さやか(ま、細かいことはいいですよね)
シャドウさやか「あとはこの体育館じゅうに黒が満ちれば最後の仕上げです」
さやか「思ったよりすんなりいけそうですね」
シャドウさやか「綴理先輩さまさまです」
シャドウさやか「あの対応力、やはり一番のスクールアイドルですね」
さやか「まったくもって同意です」
さやか(ん?私と私なのだから意見が合うのは当然では?)
さやか(ま、細かいことはいいですよね)
シャドウさやか「あとはこの体育館じゅうに黒が満ちれば最後の仕上げです」
さやか「思ったよりすんなりいけそうですね」
シャドウさやか「綴理先輩さまさまです」
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308: 2024/03/08(金) 22:40:33.00
さやか「はい、このままいけばすぐに体育館いっぱい」
さやか「……?」
シャドウさやか「あれ?なんかおかしいです」
さやか(私たちの視線の先、綴理先輩が足止めしている白い巨人のあたりを中心に渦ができていた)
さやか「綴理先輩!!」
さやか(綴理先輩とペンギンたちは渦に巻き込まれないように近くのものにしがみついていた)
さやか「助けに行かないと」
シャドウさやか「…下がってる?」
さやか「……?」
シャドウさやか「あれ?なんかおかしいです」
さやか(私たちの視線の先、綴理先輩が足止めしている白い巨人のあたりを中心に渦ができていた)
さやか「綴理先輩!!」
さやか(綴理先輩とペンギンたちは渦に巻き込まれないように近くのものにしがみついていた)
さやか「助けに行かないと」
シャドウさやか「…下がってる?」
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309: 2024/03/08(金) 22:41:24.00
さやか「どうしました?」
シャドウさやか「水位が、下がってます」
さやか「え?…あ…」
さやか「まさか…あの白いのに…どろどろが飲まれているんですか?」
シャドウさやか「そうとしか」
さやか(あれよあれよという間に水位は下がっていく)
さやか「このままだと綴理先輩たちも…」
シャドウさやか「水位が、下がってます」
さやか「え?…あ…」
さやか「まさか…あの白いのに…どろどろが飲まれているんですか?」
シャドウさやか「そうとしか」
さやか(あれよあれよという間に水位は下がっていく)
さやか「このままだと綴理先輩たちも…」
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310: 2024/03/08(金) 22:42:14.00
さやか「私が助けに!」
シャドウさやか「いえ、あなたはこのまま放出を続けてください」
シャドウさやか「飲み込んでいる間は綴理先輩に直接危害が及ぶことはないはず。水位がこれ以上のスピードで下がったら、それこそ綴理先輩が危ない」
シャドウさやか「……こうなったら、もう…」
さやか(言ってることはわかります。でも、このままでは)
さやか(…と、その時だった)
シャドウさやか「いえ、あなたはこのまま放出を続けてください」
シャドウさやか「飲み込んでいる間は綴理先輩に直接危害が及ぶことはないはず。水位がこれ以上のスピードで下がったら、それこそ綴理先輩が危ない」
シャドウさやか「……こうなったら、もう…」
さやか(言ってることはわかります。でも、このままでは)
さやか(…と、その時だった)
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311: 2024/03/08(金) 22:43:48.00
…コズ?
コズ!コズ!!!
さやか「!???」
さやか「白い巨人が飲み込むのをやめた?」
ウウン…ワラワナイヨ…コズ…
コズノ…ダイジョウブハ…ウソジャナイッテ
イマハ…シンジレル…カラ
さやか「え?」
さやか(梢先輩!?それよりも、白い巨人が空腹とうなり声以外のことを話した?)
コズ!コズ!!!
さやか「!???」
さやか「白い巨人が飲み込むのをやめた?」
ウウン…ワラワナイヨ…コズ…
コズノ…ダイジョウブハ…ウソジャナイッテ
イマハ…シンジレル…カラ
さやか「え?」
さやか(梢先輩!?それよりも、白い巨人が空腹とうなり声以外のことを話した?)
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312: 2024/03/08(金) 22:47:58.00
さやか(ほどなくしてもう一つ、異変が起こる)
さやか「え!?」
さやか(外から目が眩むほどの緑の光が差し込んできていた)
さやか「あっちは…音楽堂?」
コズ……コズ……
さやか(真っ白な化け物が私たちの存在など見えていないかのように窓の外の光に向かって動き出す)
コズ…キレイ……キレイダヨ
ボクモ……イッショニ…ラブ…ライブ
さやか「え!?」
さやか(外から目が眩むほどの緑の光が差し込んできていた)
さやか「あっちは…音楽堂?」
コズ……コズ……
さやか(真っ白な化け物が私たちの存在など見えていないかのように窓の外の光に向かって動き出す)
コズ…キレイ……キレイダヨ
ボクモ……イッショニ…ラブ…ライブ
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313: 2024/03/08(金) 22:49:33.00
さやか「何が起こってるんですか…」
シャドウさやか「今がチャンスです!一気に!」
さやか「そ、そうですね!うおおおお!」
さやか(放出の速度を、上げる、本当に上がってるかわからないけど!)
アノネ…ボク…キョクツクッタ…ンダ
……コズト…マモルンダ…
さやか(白い巨人は、光に手を伸ばして何かを呟いている)
さやか(あの光に惹きつけられてるうちは、余裕が出来た)
シャドウさやか「今がチャンスです!一気に!」
さやか「そ、そうですね!うおおおお!」
さやか(放出の速度を、上げる、本当に上がってるかわからないけど!)
アノネ…ボク…キョクツクッタ…ンダ
……コズト…マモルンダ…
さやか(白い巨人は、光に手を伸ばして何かを呟いている)
さやか(あの光に惹きつけられてるうちは、余裕が出来た)
0
314: 2024/03/08(金) 22:50:25.00
ソレデネ……コズトメグト…
ウン……ダッテ…ダイサンカク……
さやか(間に合え!間に合え!このチャンスを無駄にするな!)
ア…サンニンダケジャナイ…イマハ
モット…モット
さやか(これはきっと偶然、でも数分でいい!足止めができるなら)
ウン……ダッテ…ダイサンカク……
さやか(間に合え!間に合え!このチャンスを無駄にするな!)
ア…サンニンダケジャナイ…イマハ
モット…モット
さやか(これはきっと偶然、でも数分でいい!足止めができるなら)
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315: 2024/03/08(金) 22:51:57.00
さやか(……そんな、奇跡の数分のおかげで)
シャドウさやか「溜まりきりました!いけますよ!」
さやか「やったああああ!」
シャドウさやか「綴理先輩!戻ってきてくださあああい!」
綴理「うん!そっちにいくね!」
綴理「…みどり、こずの色だ」
さやか(ペンギンとともに戻ってきた綴理先輩が光に手を伸ばしている)
シャドウさやか「溜まりきりました!いけますよ!」
さやか「やったああああ!」
シャドウさやか「綴理先輩!戻ってきてくださあああい!」
綴理「うん!そっちにいくね!」
綴理「…みどり、こずの色だ」
さやか(ペンギンとともに戻ってきた綴理先輩が光に手を伸ばしている)
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316: 2024/03/08(金) 22:54:13.00
さやか「先輩…あの光は」
綴理「こずが、助けてくれたのかな」
コズ…ヤクソク…ダヨ
さやか(白い巨人は相変わらず光に向かい何かを呟いていた)
綴理「…そっか…そんなになっても、やっぱり忘れないんだね」
綴理「キミにもボクも、大切な思い出なんだ」
さやか「先輩…?」
綴理「ただのひとりごと。うん…よかった」
綴理「こずが、助けてくれたのかな」
コズ…ヤクソク…ダヨ
さやか(白い巨人は相変わらず光に向かい何かを呟いていた)
綴理「…そっか…そんなになっても、やっぱり忘れないんだね」
綴理「キミにもボクも、大切な思い出なんだ」
さやか「先輩…?」
綴理「ただのひとりごと。うん…よかった」
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317: 2024/03/09(土) 12:40:01.00
綴理「それよりも、ここを出るんだよね」
さやか「そうでした。次は何をすればいいですか?」
シャドウさやか「もう特に何もないですよ。これで9割がた終わりです」
シャドウさやか「あとは二人でこのどろどろの中を全速力で駆け抜けて、手薄なところから脱出してください」
さやか「はい!…あれ?今」
綴理「…二人?」
シャドウさやか「はい、二人です。私はあの白いのが万が一にもお二人を追おうとした時に食い止めないとなので」
シャドウさやか「ここでお別れです」
さやか「そうでした。次は何をすればいいですか?」
シャドウさやか「もう特に何もないですよ。これで9割がた終わりです」
シャドウさやか「あとは二人でこのどろどろの中を全速力で駆け抜けて、手薄なところから脱出してください」
さやか「はい!…あれ?今」
綴理「…二人?」
シャドウさやか「はい、二人です。私はあの白いのが万が一にもお二人を追おうとした時に食い止めないとなので」
シャドウさやか「ここでお別れです」
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318: 2024/03/09(土) 12:42:11.00
さやか「まさか、あなたは最初から」
綴理「三人で一緒に出よう」
シャドウさやか「それは難しいです。ほら、白いのを見てください」
ア……アア……
さやか(緑の光はだんだんとおさまっていく、光に見惚れていた白い巨人は)
オナカ…オナカ……
さやか(また、元の食欲に突き動かされる怪物に戻ろうとしていた)
綴理「三人で一緒に出よう」
シャドウさやか「それは難しいです。ほら、白いのを見てください」
ア……アア……
さやか(緑の光はだんだんとおさまっていく、光に見惚れていた白い巨人は)
オナカ…オナカ……
さやか(また、元の食欲に突き動かされる怪物に戻ろうとしていた)
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319: 2024/03/09(土) 12:52:09.00
さやか「あなたがやらないとなんですか?」
シャドウさやか「私が適任でしょう」
シャドウさやか「だって、私は何をしようと、何をされようと消えられないんですから」
さやか「何をされようと消えられない…」
さやか「まさかですが、あなたの狙いは」
綴理「ねえ。もしかしてだけど」
綴理「もう一人のさやは、もう一人のボクにすでに食べられたことがあるの?」
さやか「え?……あの、どういう」
シャドウさやか「鋭いですね。はい。実を言うとそうです」
シャドウさやか「私が適任でしょう」
シャドウさやか「だって、私は何をしようと、何をされようと消えられないんですから」
さやか「何をされようと消えられない…」
さやか「まさかですが、あなたの狙いは」
綴理「ねえ。もしかしてだけど」
綴理「もう一人のさやは、もう一人のボクにすでに食べられたことがあるの?」
さやか「え?……あの、どういう」
シャドウさやか「鋭いですね。はい。実を言うとそうです」
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320: 2024/03/09(土) 12:54:03.00
シャドウさやか「……あの白い巨人は強敵でした」
シャドウさやか「透明になって取り囲まれたとき、即座にぱくっといかれてしまいましたよ」
シャドウさやか「ま、一体化してた私が食べられて復活したことが幸いしてオリジナルさんは生き延びたようで、なによりです」
さやか「……」
さやか(そうか、私があの時に動けたのは)
さやか(この子も…もう一人の私も食べられて…すぐに復活して…その分を私に分け与えたから)
シャドウさやか「まあ、その後で壁を壊すんだーってラップしまくった時にもガリガリ削られては戻りを繰り返してましたよ」
さやか「そうだったんですね…すみません」
シャドウさやか「透明になって取り囲まれたとき、即座にぱくっといかれてしまいましたよ」
シャドウさやか「ま、一体化してた私が食べられて復活したことが幸いしてオリジナルさんは生き延びたようで、なによりです」
さやか「……」
さやか(そうか、私があの時に動けたのは)
さやか(この子も…もう一人の私も食べられて…すぐに復活して…その分を私に分け与えたから)
シャドウさやか「まあ、その後で壁を壊すんだーってラップしまくった時にもガリガリ削られては戻りを繰り返してましたよ」
さやか「そうだったんですね…すみません」
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321: 2024/03/09(土) 12:58:05.00
シャドウさやか「つまりですね。私が食べられる分には全く問題ないんです」
シャドウさやか「また復活するだけなので。むしろ、食べられても復活できる私以上の適任はいません」
シャドウさやか「食欲のままに食べる性質と食べられようと消えない性質……まったく、ユニットとして噛み合いすぎです」
さやか「それでいいんですか?あなたは」
シャドウさやか「それがいいんです」
シャドウさやか「何もできず、己の虚無を見つめながら、消えられなかった」
シャドウさやか「渾身の策を寝ぼけた腹いせなんかで打ち破られてしまった」
シャドウさやか「そんな私が、消えられないが故に己の役割を見つけた」
シャドウさやか「また復活するだけなので。むしろ、食べられても復活できる私以上の適任はいません」
シャドウさやか「食欲のままに食べる性質と食べられようと消えない性質……まったく、ユニットとして噛み合いすぎです」
さやか「それでいいんですか?あなたは」
シャドウさやか「それがいいんです」
シャドウさやか「何もできず、己の虚無を見つめながら、消えられなかった」
シャドウさやか「渾身の策を寝ぼけた腹いせなんかで打ち破られてしまった」
シャドウさやか「そんな私が、消えられないが故に己の役割を見つけた」
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322: 2024/03/09(土) 12:59:40.00
シャドウさやか「まったく爽快です。痛快です」
さやか「何度も何度も食べられる、その恐怖を味わうとしてもですか?」
シャドウさやか「はい、そうです。むしろ聞き返したいくらいですよ?綴理先輩に食べられるのがそんなに嫌なのかと」
さやか「…ふふっ」
さやか「そういえば、そうですね。食べるのは綴理先輩なんでした」
シャドウさやか「まあ…もしもそれを間違ってるとかいうなら、言ってやりましょう」
さやか「はい!そうですね」
さやか&シャドウさやか「「あなたに、村野さやかの生き方を決める権利などないでしょう、と!」」
さやか「何度も何度も食べられる、その恐怖を味わうとしてもですか?」
シャドウさやか「はい、そうです。むしろ聞き返したいくらいですよ?綴理先輩に食べられるのがそんなに嫌なのかと」
さやか「…ふふっ」
さやか「そういえば、そうですね。食べるのは綴理先輩なんでした」
シャドウさやか「まあ…もしもそれを間違ってるとかいうなら、言ってやりましょう」
さやか「はい!そうですね」
さやか&シャドウさやか「「あなたに、村野さやかの生き方を決める権利などないでしょう、と!」」
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323: 2024/03/10(日) 00:26:06.00
シャドウさやか「では…」
さやか「はい、互いになすべきことを成しましょう」
綴理「終わった?」
綴理「もう一人のボクのこと。任せたよ」
シャドウさやか「はい、全身全霊をかけてお世話すると約束します」
シャドウさやか「その代わりと言ってはなんですが、私のオリジナルさんをこれからもよろしくお願いします」
シャドウ「放っておいたらこんな黒くてどろどろしたのをため込んでしまう人なので」
さやか「はい、互いになすべきことを成しましょう」
綴理「終わった?」
綴理「もう一人のボクのこと。任せたよ」
シャドウさやか「はい、全身全霊をかけてお世話すると約束します」
シャドウさやか「その代わりと言ってはなんですが、私のオリジナルさんをこれからもよろしくお願いします」
シャドウ「放っておいたらこんな黒くてどろどろしたのをため込んでしまう人なので」
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324: 2024/03/10(日) 10:05:17.00
綴理「うん、気をつける。約束する」
シャドウさやか「それと、オリジナルの私」
さやか「はい」
シャドウさやか「綴理先輩とこの先の未来を託します」
シャドウさやか「あなたの選択に、あなたの意志に、村野さやかのすべてを賭けます」
シャドウさやか「期待していいですよね。あなたに」
さやか「当然です。それが私の選んだ生き方です」
シャドウさやか「それと、オリジナルの私」
さやか「はい」
シャドウさやか「綴理先輩とこの先の未来を託します」
シャドウさやか「あなたの選択に、あなたの意志に、村野さやかのすべてを賭けます」
シャドウさやか「期待していいですよね。あなたに」
さやか「当然です。それが私の選んだ生き方です」
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325: 2024/03/10(日) 10:06:10.00
シャドウさやか「…話はそれだけです」
綴理「それだけというわりにかなり欲張りだ。さすがさや」
さやか「誰かさんのせいですね」
さやか「やりましょう綴理先輩。私たちの生存のために」
綴理「うん、二人で力を合わせて」
さやか&綴理「「ここを乗り越える」」
綴理「それだけというわりにかなり欲張りだ。さすがさや」
さやか「誰かさんのせいですね」
さやか「やりましょう綴理先輩。私たちの生存のために」
綴理「うん、二人で力を合わせて」
さやか&綴理「「ここを乗り越える」」
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326: 2024/03/10(日) 10:09:56.00
【綴理】
なんどだって願うそれは悪?
飛びたくてないた声がある
空にもくもく疑問が湧く湧く
やっと晴れボクボク心がわくわく
空の場所さえ羽は自由なんだね
溢れるヒントにピントを合わせ
自由なツバサならボクもある
行こうかボクらでBon Voyage!
【さやか】
もやるこの先に蜃気楼
あろうと後退禁止と
掲げて高めてどんなピンチも
打破する二人を信じよう
受け取ったのはまるで気体
掴めはしないおもい期待
なら飛び出したいそして見たい
結ばれた誓いが繋いだ視界
https://cdn1.suno.ai/00c02009-c987-46db-9a9a-3c440e4e1bf5.mp4
なんどだって願うそれは悪?
飛びたくてないた声がある
空にもくもく疑問が湧く湧く
やっと晴れボクボク心がわくわく
空の場所さえ羽は自由なんだね
溢れるヒントにピントを合わせ
自由なツバサならボクもある
行こうかボクらでBon Voyage!
【さやか】
もやるこの先に蜃気楼
あろうと後退禁止と
掲げて高めてどんなピンチも
打破する二人を信じよう
受け取ったのはまるで気体
掴めはしないおもい期待
なら飛び出したいそして見たい
結ばれた誓いが繋いだ視界
https://cdn1.suno.ai/00c02009-c987-46db-9a9a-3c440e4e1bf5.mp4
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327: 2024/03/10(日) 10:21:10.00
さやか(手を繋ぐ)
さやか(私たちの体が光を放つ、私は青…綴理先輩は赤)
さやか(光は闇の向こうへと伸びていき道となる)
キエエッ!クエッ!
綴理「頼んだよ。ペンギンさんたち」
クウウウウエエエエエ!
さやか(大きいペンギンが私たちを抱える)
さやか(小さいペンギンがそれに付き添う)
さやか(私たちの体が光を放つ、私は青…綴理先輩は赤)
さやか(光は闇の向こうへと伸びていき道となる)
キエエッ!クエッ!
綴理「頼んだよ。ペンギンさんたち」
クウウウウエエエエエ!
さやか(大きいペンギンが私たちを抱える)
さやか(小さいペンギンがそれに付き添う)
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328: 2024/03/10(日) 10:24:44.00
さやか「目指す先は!」
綴理「この海の向こうの空…」
さやか(白い巨人の攻撃とその後の爆発による崩落によってできた穴…そこから)
さやか「全部出しきって、最高速度で!」
綴理「一緒にいこう!さや」
さやか(私たちは外へと"飛び立つ")
さやか&綴理「「はあああああああああああ!」」
さやか(猛スピードで海中を飛翔する)
綴理「この海の向こうの空…」
さやか(白い巨人の攻撃とその後の爆発による崩落によってできた穴…そこから)
さやか「全部出しきって、最高速度で!」
綴理「一緒にいこう!さや」
さやか(私たちは外へと"飛び立つ")
さやか&綴理「「はあああああああああああ!」」
さやか(猛スピードで海中を飛翔する)
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329: 2024/03/10(日) 10:26:00.00
さやか「っっ!」
さやか(ペンギンさんが、力を使い果たして一羽、また一羽と消えていく)
さやか(意識が遠のく…あの子の、もう一人の私の回復力がどれほど大事だったか思い知らされる)
さやか「後少し、後少しなのに…」
綴理「さや…」
さやか(繋いだ手に力が籠る)
さやか(そうだ、この手は離したくない)
さやか(この手を繋いで、一緒にここから出るんだ)
さやか(ペンギンさんが、力を使い果たして一羽、また一羽と消えていく)
さやか(意識が遠のく…あの子の、もう一人の私の回復力がどれほど大事だったか思い知らされる)
さやか「後少し、後少しなのに…」
綴理「さや…」
さやか(繋いだ手に力が籠る)
さやか(そうだ、この手は離したくない)
さやか(この手を繋いで、一緒にここから出るんだ)
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330: 2024/03/10(日) 10:26:55.00
綴理「行こう、ボクたちの明日を掴みに」
さやか「はい、そして…私と先輩で!」
ザッパアアアアアアアン!
さやか&綴理「「新しく、約束をしよう!」」
さやか(水面を飛び出してなお、私たちのスピードは増していく)
さやか(目に飛び込む圧巻の景色、肌に吹き付ける飛ばされそうなくらいの風)
さやか(私たちは今まさに空を飛んでいた)
さやか「はい、そして…私と先輩で!」
ザッパアアアアアアアン!
さやか&綴理「「新しく、約束をしよう!」」
さやか(水面を飛び出してなお、私たちのスピードは増していく)
さやか(目に飛び込む圧巻の景色、肌に吹き付ける飛ばされそうなくらいの風)
さやか(私たちは今まさに空を飛んでいた)
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331: 2024/03/10(日) 10:33:35.00
~~~幕間・二つの影が重なる時~~~
ア゛ア゛…オナカ…モット…
シャドウさやか「食べられては復活して、これで何回目なんですかね」
シャドウさやか「向こうの二人と違って私たちはただの食糧と捕食者というのが、やや不満ではありますが」
シャドウさやか「まあ、気に入っていただけたようで何よりです」
モット…モット…タベル
シャドウさやか「はいはい、慌てないでください」
シャドウさやか「まだまだ、とびっきりのご馳走が盛りだくさんですからね」
ア゛ア゛…オナカ…モット…
シャドウさやか「食べられては復活して、これで何回目なんですかね」
シャドウさやか「向こうの二人と違って私たちはただの食糧と捕食者というのが、やや不満ではありますが」
シャドウさやか「まあ、気に入っていただけたようで何よりです」
モット…モット…タベル
シャドウさやか「はいはい、慌てないでください」
シャドウさやか「まだまだ、とびっきりのご馳走が盛りだくさんですからね」
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332: 2024/03/10(日) 10:34:54.00
シャドウさやか「自意識過剰で、自分勝手で、中身はどろどろでぎっしり、そのくせくだらないことで悩んで」
シャドウさやか「消えるなんてできっこない、どこまでも無尽蔵に存在意義を求めて、気に入らないなら世界すら敵に回すエゴのモンスター…」
シャドウさやか「消えたと思いきや未練がましく何度も復活する大馬鹿者、…どうです?今の綴理先輩にはとびきりのご馳走でしょう」
シャドウさやか「味には自信あります。あなたが私の味に期待してくれるなら、私もどんどん強欲になれます」
シャドウさやか「喰らい尽くせるものなら喰らい尽くしてください。私は全力で綴理先輩の期待に応えます。絶対に手を抜きませんよ」
シャドウさやか「消えるなんてできっこない、どこまでも無尽蔵に存在意義を求めて、気に入らないなら世界すら敵に回すエゴのモンスター…」
シャドウさやか「消えたと思いきや未練がましく何度も復活する大馬鹿者、…どうです?今の綴理先輩にはとびきりのご馳走でしょう」
シャドウさやか「味には自信あります。あなたが私の味に期待してくれるなら、私もどんどん強欲になれます」
シャドウさやか「喰らい尽くせるものなら喰らい尽くしてください。私は全力で綴理先輩の期待に応えます。絶対に手を抜きませんよ」
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333: 2024/03/10(日) 10:35:54.00
シャドウさやか「なので…」
バクッ!
シャドウさやか「…村野さやかを心ゆくまでご堪能くださいね」
…アリガト…サヤ
『ああ…うん。私にもできた』
『やりました!やりましたよ!』
~~~~~~~幕間終了~~~~~~~
バクッ!
シャドウさやか「…村野さやかを心ゆくまでご堪能くださいね」
…アリガト…サヤ
『ああ…うん。私にもできた』
『やりました!やりましたよ!』
~~~~~~~幕間終了~~~~~~~
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334: 2024/03/10(日) 10:43:08.00
DOLLCHESTRA⑤
さやか&綴理
~みんな揃って生き抜きましょう
その前にちょっと息抜こう~
さやか「……はぁ…はぁ」
さやか(体育館から噴き出てきた私と綴理先輩は)
さやか(荒い呼吸のまま……横たわり、がっしりと、抱き合っていた)
さやか「はぁ…はぁ…やりました!やりましたよ!!出し切りました…私!」
綴理「うん…そうっ…だね………さや……!!一緒にいけた!」
さやか「もう、離れませんからね。綴理先輩」
綴理「うん…一緒だよ。ボクとさやは……」
花帆「あ…あの…もしもーし?」
さやか&綴理
~みんな揃って生き抜きましょう
その前にちょっと息抜こう~
さやか「……はぁ…はぁ」
さやか(体育館から噴き出てきた私と綴理先輩は)
さやか(荒い呼吸のまま……横たわり、がっしりと、抱き合っていた)
さやか「はぁ…はぁ…やりました!やりましたよ!!出し切りました…私!」
綴理「うん…そうっ…だね………さや……!!一緒にいけた!」
さやか「もう、離れませんからね。綴理先輩」
綴理「うん…一緒だよ。ボクとさやは……」
花帆「あ…あの…もしもーし?」
0
335: 2024/03/10(日) 14:38:02.00
さやか「…………」
梢「あ、あのね…熱い抱擁してるところ申し訳ないのだけれど」
綴理「…………」
さやか「いやああああああ!見られたああああ!」
~間~
さやか「え…えーっと、そちらも無事なようでなによりです」
花帆「うん…ところでさっきのは」
さやか「あまり、深く考えないで下さい」
梢「あ、あのね…熱い抱擁してるところ申し訳ないのだけれど」
綴理「…………」
さやか「いやああああああ!見られたああああ!」
~間~
さやか「え…えーっと、そちらも無事なようでなによりです」
花帆「うん…ところでさっきのは」
さやか「あまり、深く考えないで下さい」
0
336: 2024/03/10(日) 14:39:07.00
梢「部長として、部員のああいうのは…その、いえ…本人どうしの話なのだから、いいのかしら?」
綴理「こずがなんでそんなに赤くなってるのか知らないけど」
綴理「ボクがさやのこと食べようとして、それでさやが食べられたいって言い出して、どろどろぐちゃぐちゃの中で抱き合ってただけ…だよ?」
梢「な、なななな…ななな…」
さやか「説明が面倒だからといって、変な切り取り方をしないでください。綴理先輩」
さやか「お二人が想像しているようなことは、断じてないので、ご安心ください」
梢「そ、そう…」
梢「あ、いえ!別に…っ!そのようなことは想像していなかったのだけど」
綴理「こずがなんでそんなに赤くなってるのか知らないけど」
綴理「ボクがさやのこと食べようとして、それでさやが食べられたいって言い出して、どろどろぐちゃぐちゃの中で抱き合ってただけ…だよ?」
梢「な、なななな…ななな…」
さやか「説明が面倒だからといって、変な切り取り方をしないでください。綴理先輩」
さやか「お二人が想像しているようなことは、断じてないので、ご安心ください」
梢「そ、そう…」
梢「あ、いえ!別に…っ!そのようなことは想像していなかったのだけど」
0
337: 2024/03/10(日) 14:42:06.00
花帆「お!そういえば…」
梢「……なんだか、嫌な予感がするのだけれど」
花帆「ようやく綴理センパイと合流できましたね。梢センパイ!」
綴理「ボク…?ボクがどうしたの?」
花帆「ほらほら、梢センパイ!言っちゃいましょうよ」
梢「そ…そうよね」
梢「…綴理」
綴理「なに?」
梢「……なんだか、嫌な予感がするのだけれど」
花帆「ようやく綴理センパイと合流できましたね。梢センパイ!」
綴理「ボク…?ボクがどうしたの?」
花帆「ほらほら、梢センパイ!言っちゃいましょうよ」
梢「そ…そうよね」
梢「…綴理」
綴理「なに?」
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338: 2024/03/10(日) 14:43:23.00
梢「あのね…綴理は、その普段はぽやーっとしてるけど、でもいざって時にはちゃんとしてて」
梢「ん?あ…うん」
梢「わたくしが思う以上にわたくしは綴理に助けられてるんだと思う」
梢「お互い気持ちを伝えるのは苦手どけど、でもねわたくしは綴理とこれからも…」
梢「………これからも…その」
綴理「こず?」
梢「………今のは忘れて…ちょうだい」
梢「ん?あ…うん」
梢「わたくしが思う以上にわたくしは綴理に助けられてるんだと思う」
梢「お互い気持ちを伝えるのは苦手どけど、でもねわたくしは綴理とこれからも…」
梢「………これからも…その」
綴理「こず?」
梢「………今のは忘れて…ちょうだい」
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339: 2024/03/10(日) 14:44:24.00
花帆「ええええっ!?」
綴理「…忘れる?」
綴理「それは…ダメ…それは、できないっ!」
梢「え…!?えっと…」
綴理「こずが珍しく、ボクにお礼を言った…忘れるなんてボクはしたくない」
梢「そ、そう…」
綴理「…忘れる?」
綴理「それは…ダメ…それは、できないっ!」
梢「え…!?えっと…」
綴理「こずが珍しく、ボクにお礼を言った…忘れるなんてボクはしたくない」
梢「そ、そう…」
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340: 2024/03/10(日) 14:45:23.00
梢「って…珍しくって何よ!わ、わたくしだってこれからは」
綴理「……これから…そっか」
綴理「そうだね。ボクたちにはこれからがあるんだ」
梢「???」
綴理「うん……そうだよね」
綴理「これから、たくさん結び合わせていけばいいんだ」
綴理「……これから…そっか」
綴理「そうだね。ボクたちにはこれからがあるんだ」
梢「???」
綴理「うん……そうだよね」
綴理「これから、たくさん結び合わせていけばいいんだ」
0
341: 2024/03/10(日) 14:47:03.00
さやか「あ、あの…花帆さん?…梢先輩はどうされたんですか?」
花帆「いや、アタシとしては綴理センパイの方がどうしたなんだけど…」
さやか「まあ、こちらは色々と込み入った事情が…ということは、まさか」
花帆「うん…こっちもかな」
梢「そ…そうよ!慈と瑠璃乃さんは?」
花帆「あ、ごまかした…」
花帆「いや、アタシとしては綴理センパイの方がどうしたなんだけど…」
さやか「まあ、こちらは色々と込み入った事情が…ということは、まさか」
花帆「うん…こっちもかな」
梢「そ…そうよ!慈と瑠璃乃さんは?」
花帆「あ、ごまかした…」
0
342: 2024/03/10(日) 14:49:12.00
綴理「めぐとるりは見てない、かな」
さやか「お二人も会ってないんですか?」
花帆「うん、会ってないんだよ」
綴理「あ……」
さやか「綴理先輩?」
綴理「あれ…こっちに来てるみたいだよ」
花帆(綴理センパイが指差した方から何かがが飛んできていた)
花帆(あれは…)
さやか「お二人も会ってないんですか?」
花帆「うん、会ってないんだよ」
綴理「あ……」
さやか「綴理先輩?」
綴理「あれ…こっちに来てるみたいだよ」
花帆(綴理センパイが指差した方から何かがが飛んできていた)
花帆(あれは…)
0
343: 2024/03/10(日) 14:50:02.00
花帆「鳥!?」
綴理「ひこうき?」
梢「いえ…あれはっ!」
慈「ひゃっほおおおおい!」ビューーン
瑠璃乃「いっくぜええええ!」ビューーン
「「「みらくらぱーくだっ」」」
綴理「ひこうき?」
梢「いえ…あれはっ!」
慈「ひゃっほおおおおい!」ビューーン
瑠璃乃「いっくぜええええ!」ビューーン
「「「みらくらぱーくだっ」」」
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344: 2024/03/10(日) 14:51:53.00
花帆「飛んでる!飛んでるよ!」
梢「なんというか…あの二人らしいわね」
綴理「ボクもとびたいー」
さやか「……」
さやか「……あの」
さやか「あれ、着地とかどうするんでしょう」
ギャアアアアアアアアアアア
…………
………………
梢「なんというか…あの二人らしいわね」
綴理「ボクもとびたいー」
さやか「……」
さやか「……あの」
さやか「あれ、着地とかどうするんでしょう」
ギャアアアアアアアアアアア
…………
………………
0
345: 2024/03/10(日) 14:56:02.00
慈「…着地…できた…ははっ」ハァハァ
瑠璃乃「…これ…今夜夢に見るやつだ……」ハァハァ
梢「…あまり期待はしていないけれども、状況の説明をしてもらっていいかしら?」
瑠璃乃「すみません…ドタバタしてて成り行きで飛んじゃいました」
慈「まあ、飛んじゃったもんは仕方ないよね」
梢「仕方なくはないでしょ。慈は知らないのだろうけれど、人間は普通は空を飛べないのよ?」
慈「私だってそのくらいは知ってるんですが!?」
綴理「めぐとるりかっこよかったよ。ヒーローみたいで」
瑠璃乃「…これ…今夜夢に見るやつだ……」ハァハァ
梢「…あまり期待はしていないけれども、状況の説明をしてもらっていいかしら?」
瑠璃乃「すみません…ドタバタしてて成り行きで飛んじゃいました」
慈「まあ、飛んじゃったもんは仕方ないよね」
梢「仕方なくはないでしょ。慈は知らないのだろうけれど、人間は普通は空を飛べないのよ?」
慈「私だってそのくらいは知ってるんですが!?」
綴理「めぐとるりかっこよかったよ。ヒーローみたいで」
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346: 2024/03/11(月) 08:33:36.00
慈「ヒーローか…ふふっそっか…」
慈「まさか、綴理にまでそんなこと言われるなんてね…」
花帆「あ!」
さやか「花帆さん、もしかしてなのだけれど…」
花帆「やっと慈センパイと合流できましたねー!梢センパイ!」
梢「そ、そうね…」
花帆「では…」
花帆「あのあの!慈センパイ!」
慈「なになに?花帆ちゃん」
慈「まさか、綴理にまでそんなこと言われるなんてね…」
花帆「あ!」
さやか「花帆さん、もしかしてなのだけれど…」
花帆「やっと慈センパイと合流できましたねー!梢センパイ!」
梢「そ、そうね…」
花帆「では…」
花帆「あのあの!慈センパイ!」
慈「なになに?花帆ちゃん」
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347: 2024/03/11(月) 19:18:35.00
花帆「なんと!梢センパイから大切な話があるみたいですよ」
慈「梢から……話?」
梢「え、えーっとね、その…慈…」
梢「め…慈が笑っているとね、わたくしもなんだか楽しくなれるの。だからね」
梢「慈がスクールアイドルとして立ち直れてよかった…そう思ってるわ」
梢「…戻って来てくれてありがとう」
慈「………」
慈「梢から……話?」
梢「え、えーっとね、その…慈…」
梢「め…慈が笑っているとね、わたくしもなんだか楽しくなれるの。だからね」
梢「慈がスクールアイドルとして立ち直れてよかった…そう思ってるわ」
梢「…戻って来てくれてありがとう」
慈「………」
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348: 2024/03/11(月) 19:19:26.00
慈「梢……変なもの食べちゃった?」
梢「食べてない!」
慈「ぽんぽんいた…」
梢「痛くない!」
慈「ええ…?じゃあなんで」
花帆「あ、あのですね!梢センパイは…」
梢「…花帆さん!」
梢「ええっと!とにかくわたくしは慈が無事でよかったと思いました!はい、終わりよ」
梢「食べてない!」
慈「ぽんぽんいた…」
梢「痛くない!」
慈「ええ…?じゃあなんで」
花帆「あ、あのですね!梢センパイは…」
梢「…花帆さん!」
梢「ええっと!とにかくわたくしは慈が無事でよかったと思いました!はい、終わりよ」
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349: 2024/03/12(火) 08:23:10.00
慈「………ふむふむ」
慈「ははーん、めぐちゃんなんとなーく状況がわかったぞー」
梢「なぜ…わたくしを見てニヤニヤしてるのかしら?慈?」
綴理「…あれ?さっきもこんなことしてたような」
綴理「もしかして、こず…また恥ずかしいの?」
慈「また?」
慈「ははーん、めぐちゃんなんとなーく状況がわかったぞー」
梢「なぜ…わたくしを見てニヤニヤしてるのかしら?慈?」
綴理「…あれ?さっきもこんなことしてたような」
綴理「もしかして、こず…また恥ずかしいの?」
慈「また?」
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350: 2024/03/12(火) 08:23:57.00
綴理「さっきボクにもね…」
梢「綴理…黙っててちょうだい…」
慈「そうだよ綴理。これ以上は梢が泣いちゃうよ」
梢「泣かないのだけれど?わたくしは泣いたりしないのだけれど!?」
梢「やはり、あなたたち二人には…相応の対応が必要なのかしらねっ?」
花帆「これは…前途多難だなぁ」
梢「綴理…黙っててちょうだい…」
慈「そうだよ綴理。これ以上は梢が泣いちゃうよ」
梢「泣かないのだけれど?わたくしは泣いたりしないのだけれど!?」
梢「やはり、あなたたち二人には…相応の対応が必要なのかしらねっ?」
花帆「これは…前途多難だなぁ」
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351: 2024/03/12(火) 08:24:54.00
瑠璃乃「いやー、待たせちまったね…ははっ…」
花帆「ううん、瑠璃乃ちゃんたちが無事でなによりだよ」
さやか「そちらはどうでしたか?」
瑠璃乃「色々あったけど、うん…諸々まとめたらいつも通りのみらくらぱーく!だったかな」
花帆「いつも通り?」
瑠璃乃「ま、そのいつも通りってのが実は一番かけがえのないもんじゃね?ってことなんだよね」
瑠璃乃「そんでもって、いつもの日常を守るために戦うヒーローはやっぱすげーなってルリ思う…ゆえにルリあり」
花帆「ううん、瑠璃乃ちゃんたちが無事でなによりだよ」
さやか「そちらはどうでしたか?」
瑠璃乃「色々あったけど、うん…諸々まとめたらいつも通りのみらくらぱーく!だったかな」
花帆「いつも通り?」
瑠璃乃「ま、そのいつも通りってのが実は一番かけがえのないもんじゃね?ってことなんだよね」
瑠璃乃「そんでもって、いつもの日常を守るために戦うヒーローはやっぱすげーなってルリ思う…ゆえにルリあり」
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352: 2024/03/12(火) 08:26:41.00
花帆「そっか、うん…アタシもね。そう思う」
花帆「いつも通りを重ねるのって想像するより大変なんだ。そんな大変なことをやってきた今までを肯定して前に進みたいな」
さやか「少し目を凝らせば見える大事なものこそ、人は見失ってしまいがちですからね」
さやか「手を伸ばせば簡単に掴めるくらい近くにあるのに気づかずに遠くを探したり、近くにありすぎて手放してしまったりしてしまう」
さやか(などど感傷に浸るのもいいのですが)
さやか(そろそろ、綴理先輩たちをどうにかしないとですね)
ウゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
梢「待って!何か来るわ」
花帆「いつも通りを重ねるのって想像するより大変なんだ。そんな大変なことをやってきた今までを肯定して前に進みたいな」
さやか「少し目を凝らせば見える大事なものこそ、人は見失ってしまいがちですからね」
さやか「手を伸ばせば簡単に掴めるくらい近くにあるのに気づかずに遠くを探したり、近くにありすぎて手放してしまったりしてしまう」
さやか(などど感傷に浸るのもいいのですが)
さやか(そろそろ、綴理先輩たちをどうにかしないとですね)
ウゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
梢「待って!何か来るわ」
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353: 2024/03/12(火) 20:49:34.00
花帆「…黒いのが集まってる?」
綴理「もしかして、ボクとさやのせいだったり」
さやか「いえ、あれは違うと思いますよ。なんとなくですが」
慈「ていうか!あれ!あの黒いのの集まってる近く!」
瑠璃乃「ん~?ってアレは生徒会長さん?」
梢「…行きましょう!」
綴理「もしかして、ボクとさやのせいだったり」
さやか「いえ、あれは違うと思いますよ。なんとなくですが」
慈「ていうか!あれ!あの黒いのの集まってる近く!」
瑠璃乃「ん~?ってアレは生徒会長さん?」
梢「…行きましょう!」
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354: 2024/03/12(火) 20:52:40.00
………
沙知「や、やあ…キミたち」
花帆「なんで沙知センパイがここに?」
沙知「いやー、大倉庫にいたはずなんだが。なーんか気づいたらこんなとこにいてさ、おまけによくわからない黒いのがわらわらと…」
沙知「まあ、心配するな。あれがなんだか知らないが、私がなんとかするよ」
梢「そんな…沙知先輩を置いてなんていけません!」
沙知「や、やあ…キミたち」
花帆「なんで沙知センパイがここに?」
沙知「いやー、大倉庫にいたはずなんだが。なーんか気づいたらこんなとこにいてさ、おまけによくわからない黒いのがわらわらと…」
沙知「まあ、心配するな。あれがなんだか知らないが、私がなんとかするよ」
梢「そんな…沙知先輩を置いてなんていけません!」
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355: 2024/03/12(火) 20:58:23.00
沙知「だが…」
グニャォアアア
慈「ひっ!」
綴理「あれ…増えた?」
さやか(つまり…あの子でも綴理先輩のでもないってことですよね)
沙知「あらら…3体か…」
グオオオオオオオッ!!
ギャアアアアアアアッ!!
ゴゴウウウウウウウッ!!
沙知「これは…なんとも」
グニャォアアア
慈「ひっ!」
綴理「あれ…増えた?」
さやか(つまり…あの子でも綴理先輩のでもないってことですよね)
沙知「あらら…3体か…」
グオオオオオオオッ!!
ギャアアアアアアアッ!!
ゴゴウウウウウウウッ!!
沙知「これは…なんとも」
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356: 2024/03/12(火) 21:02:20.00
さやか(それぞれが周りの小さいのを取り込み、分裂した黒いのが膨張していく)
さやか(…って綴理先輩のシャドウより大きくなってません?校舎の倍以上が3体も)
梢「綴理!慈!…いいかしら?」
綴理「うん、ボクたち同じこと考えてるね」
慈「私たちに任せてよ。沙知先輩」
沙知「…キミたちに、あれを倒せるのかい?」
さやか(…って綴理先輩のシャドウより大きくなってません?校舎の倍以上が3体も)
梢「綴理!慈!…いいかしら?」
綴理「うん、ボクたち同じこと考えてるね」
慈「私たちに任せてよ。沙知先輩」
沙知「…キミたちに、あれを倒せるのかい?」
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357: 2024/03/13(水) 08:22:31.00
梢「やれるわよね?花帆さん」
花帆「はい!やっちゃいましょう」
綴理「行こう、さや」
さやか「はい、なにとぞ」
慈「みらくら再出動だよ、るりちゃん」
瑠璃乃「オッケー!」
花帆「はい!やっちゃいましょう」
綴理「行こう、さや」
さやか「はい、なにとぞ」
慈「みらくら再出動だよ、るりちゃん」
瑠璃乃「オッケー!」
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358: 2024/03/13(水) 08:23:45.00
ウゴゴゴゴゴゴオオオトオオ!!
ギャアアアアアアアガアアア!!
グルルルルルウウウウウウウ!!
梢「では…ユニットで1つずつ、けりをつけましょう」
梢「蓮ノ空スクールアイドルクラブ、いくわよ!」
ギャアアアアアアアガアアア!!
グルルルルルウウウウウウウ!!
梢「では…ユニットで1つずつ、けりをつけましょう」
梢「蓮ノ空スクールアイドルクラブ、いくわよ!」
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359: 2024/03/13(水) 08:25:03.00
~~~SIDE:DOLLCHESTRA~~~
綴理「さてと、あれをなんとかしないとなんだけど」
さやか「やっちゃいますか?バーンと」
綴理「そうだねバーンと」
綴理「……」
さやか「どうかしました?」
綴理「さや、眩しいね」
さやか「私が眩しいのだとしたら、それはあなたの眩しさのおかげですよ。綴理先輩」
さやか「私のきらめきは綴理先輩に出会って生まれたものなのですから」
綴理「さてと、あれをなんとかしないとなんだけど」
さやか「やっちゃいますか?バーンと」
綴理「そうだねバーンと」
綴理「……」
さやか「どうかしました?」
綴理「さや、眩しいね」
さやか「私が眩しいのだとしたら、それはあなたの眩しさのおかげですよ。綴理先輩」
さやか「私のきらめきは綴理先輩に出会って生まれたものなのですから」
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360: 2024/03/13(水) 08:26:36.00
綴理「あのね…ボク、忘れないよ。今日あった色々なこと、ボクたちにとって大事なものをたくさん見つけたんだ」
綴理「今日からのこともずっと…ボクは忘れない」
さやか「…水を差すことを承知で言うなら、何もかもを覚えておく必要などないと思います」
さやか「人間の記憶力なんてたかが知れてるんですから。忘れることの方が多いんですし」
綴理「そう…だね…うん」
さやか「ですが…」
さやか「忘れることなどできない楽しい記憶を作っていきたいというならば…私も同感です」
さやか「私はどうやら、どんな形であれわがままで自分勝手に期待に応えていくしかないようなので…どうせ自分勝手なら周りも楽しい方がいいです」
綴理「今日からのこともずっと…ボクは忘れない」
さやか「…水を差すことを承知で言うなら、何もかもを覚えておく必要などないと思います」
さやか「人間の記憶力なんてたかが知れてるんですから。忘れることの方が多いんですし」
綴理「そう…だね…うん」
さやか「ですが…」
さやか「忘れることなどできない楽しい記憶を作っていきたいというならば…私も同感です」
さやか「私はどうやら、どんな形であれわがままで自分勝手に期待に応えていくしかないようなので…どうせ自分勝手なら周りも楽しい方がいいです」
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361: 2024/03/13(水) 08:28:30.00
綴理「んー、同じユニットとしては少しはボクのわがままをきいてほしいところかな」
さやか「あ…えっと違います!!もちろん綴理先輩の要望を無視するとかではないですよ!」
さやか「まあ、聞けるわがままには限度があると先に釘は刺させてもらいますが」
綴理「ちなみにその限度とは?」
さやか「場合によりけりです」
綴理「そんな逃げ方をする子に育てた覚えはないぞっ!」
綴理「なお、この点においてボクの記憶は確実である…えっへん」
さやか「あ…えっと違います!!もちろん綴理先輩の要望を無視するとかではないですよ!」
さやか「まあ、聞けるわがままには限度があると先に釘は刺させてもらいますが」
綴理「ちなみにその限度とは?」
さやか「場合によりけりです」
綴理「そんな逃げ方をする子に育てた覚えはないぞっ!」
綴理「なお、この点においてボクの記憶は確実である…えっへん」
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362: 2024/03/14(木) 08:28:58.00
さやか「その記憶については異議を申し立てます…と、こんなことをしてる場合ではないですね」
綴理「ねえ、さや」
さやか「…綴理先輩?」
綴理「空って、いろんな空があったんだね」
さやか「はい、雨がどんなに長く続いていても意外といきなり晴れて…かと思えば雪が降ったり」
さやか「海まで空だなんて言ってしまうのはやや強引ではありますがね」
綴理「うん、気分屋なんだ…空も、ボクたちも」
綴理「それでね。雨上がりの空は笑ってるんだ」
綴理「まだわからないことだらけなんだけど…それだけはわかった気がする」
綴理「ねえ、さや」
さやか「…綴理先輩?」
綴理「空って、いろんな空があったんだね」
さやか「はい、雨がどんなに長く続いていても意外といきなり晴れて…かと思えば雪が降ったり」
さやか「海まで空だなんて言ってしまうのはやや強引ではありますがね」
綴理「うん、気分屋なんだ…空も、ボクたちも」
綴理「それでね。雨上がりの空は笑ってるんだ」
綴理「まだわからないことだらけなんだけど…それだけはわかった気がする」
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363: 2024/03/14(木) 08:30:11.00
さやか「???」
綴理「そろそろやろうか、ボクたち二人で、すごいことを」ヒューン!!
キエエエエエエエエエエエ!
さやか「はい!どこまでもお供します。では…」ヒューン!!
さやか「氷青を舞う群青と」
綴理「紅蓮の炎」
さやか「私たちが」
綴理「ボクたちが」
さやか&綴理「「DOLLCHESTRA!!」」
綴理「そろそろやろうか、ボクたち二人で、すごいことを」ヒューン!!
キエエエエエエエエエエエ!
さやか「はい!どこまでもお供します。では…」ヒューン!!
さやか「氷青を舞う群青と」
綴理「紅蓮の炎」
さやか「私たちが」
綴理「ボクたちが」
さやか&綴理「「DOLLCHESTRA!!」」
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364: 2024/03/14(木) 08:52:50.00
【さやか】
きらめくパッションは紅蓮と群青
どうぞご鑑賞、譜面を繰るドール
イドで糸を切れば歓声沢山
二色の人形管弦楽団
音はわがままに響いて激烈
オートマターでも人間的です
ステージで提示だ真剣接戦
未知超える私たちは心堅石穿
【綴理】
とはいえ休みも当然大事
集まってしようおでんパーティ
嫌な気分もこてんぱんに
できるね寄り添える安心
休んだら音楽会開催
飛べるねsky high間違いない
抱き合い笑い合いはいはいはい!
満ちてくボクらは和気藹々
https://cdn1.suno.ai/49bff833-3b0f-4bf0-bc4b-b7432971d3aa.mp4
きらめくパッションは紅蓮と群青
どうぞご鑑賞、譜面を繰るドール
イドで糸を切れば歓声沢山
二色の人形管弦楽団
音はわがままに響いて激烈
オートマターでも人間的です
ステージで提示だ真剣接戦
未知超える私たちは心堅石穿
【綴理】
とはいえ休みも当然大事
集まってしようおでんパーティ
嫌な気分もこてんぱんに
できるね寄り添える安心
休んだら音楽会開催
飛べるねsky high間違いない
抱き合い笑い合いはいはいはい!
満ちてくボクらは和気藹々
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365: 2024/03/14(木) 08:55:16.00
綴理「キミたちにもこうなった事情があるんだろうけど」
さやか「すみません。こちらには押し通したいものがあるんです」
グアアアアアアア!
さやか(咆哮をあげて黒い影がこちらを威嚇する)
綴理「うん、そうだよね。キミたちだってここにいていい」
さやか「あなたたちの怒りも憎しみも悲しみも、あなたたちがここにいる証です」
さやか「すみません。こちらには押し通したいものがあるんです」
グアアアアアアア!
さやか(咆哮をあげて黒い影がこちらを威嚇する)
綴理「うん、そうだよね。キミたちだってここにいていい」
さやか「あなたたちの怒りも憎しみも悲しみも、あなたたちがここにいる証です」
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366: 2024/03/14(木) 12:30:39.00
綴理「だから、ボクたちに見せてほしいんだ。キミたちなりの方法で、キミたちの願いを」
さやか「それが力によるものならば、私たちも力で答えますよ」
綴理「ぶつけ合おう。ボクたちの全部を」
さやか「それが私たちにできる最大の存在証明」
綴理「ボクたちは忘れないよ…ここにキミたちとボクたちがいたことを」
さやか「さあ!はじめましょうか」
綴理&さやか「「互いの存在をかけた、生存競争を!!」」
さやか「それが力によるものならば、私たちも力で答えますよ」
綴理「ぶつけ合おう。ボクたちの全部を」
さやか「それが私たちにできる最大の存在証明」
綴理「ボクたちは忘れないよ…ここにキミたちとボクたちがいたことを」
さやか「さあ!はじめましょうか」
綴理&さやか「「互いの存在をかけた、生存競争を!!」」
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367: 2024/03/14(木) 12:32:35.00
さやか(私たちと影はぶつかる!互いにゆずれないから)
さやか(ぶつけ合うことが、答えなんだと信じて)
アアアア…
さやか(影が消えていく…その顔にどこかやり遂げた誇らしさを見るのは…私の都合のいい妄想なのかもしれない)
さやか(今日は色々あったな…もう…目もあけてられないくらいねむいや)
さやか(おやすみなさい。先輩)
さやか(ぶつけ合うことが、答えなんだと信じて)
アアアア…
さやか(影が消えていく…その顔にどこかやり遂げた誇らしさを見るのは…私の都合のいい妄想なのかもしれない)
さやか(今日は色々あったな…もう…目もあけてられないくらいねむいや)
さやか(おやすみなさい。先輩)
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368: 2024/03/14(木) 19:40:38.00
◯???
~幕間・とある少女の語り~
なるほどねぃ、二人はそういう道を選んだか
自分たちの存在を証明するために戦う道を
居場所を守るためにはそういうのも必要さ
手を取り合い花束を作ろうなんてのは一つの選択でしかない
己を縛る糸を引きちぎって、狂おしいほどに自己を懸けた曲を奏でる選択をしてもいいんだ
記憶も意志も持たないはずの人形が自らの音を奏でてる時点で無茶なことをしてるわけだからね
そのくらいの気概がなきゃ、居場所は守れないってことだ
さやかちゃん、まさか綴理の心に火をつけてくれてくれる子が現れるなんてあの頃のあたしは思いもしなかったんだぜ
本当に、正反対ゆえに噛み合ってるよ。キミたちは
「期待に応える」か…一応は先輩としてちょっかいを出したりはしたが、自分なりの答えをどうやらキミは出したようだね
~幕間・とある少女の語り~
なるほどねぃ、二人はそういう道を選んだか
自分たちの存在を証明するために戦う道を
居場所を守るためにはそういうのも必要さ
手を取り合い花束を作ろうなんてのは一つの選択でしかない
己を縛る糸を引きちぎって、狂おしいほどに自己を懸けた曲を奏でる選択をしてもいいんだ
記憶も意志も持たないはずの人形が自らの音を奏でてる時点で無茶なことをしてるわけだからね
そのくらいの気概がなきゃ、居場所は守れないってことだ
さやかちゃん、まさか綴理の心に火をつけてくれてくれる子が現れるなんてあの頃のあたしは思いもしなかったんだぜ
本当に、正反対ゆえに噛み合ってるよ。キミたちは
「期待に応える」か…一応は先輩としてちょっかいを出したりはしたが、自分なりの答えをどうやらキミは出したようだね
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369: 2024/03/14(木) 19:43:07.00
綴理…あの時のあたしには時間も力も足りなかった。ああする以外の選択はなかった
だけど、それは綴理たちを傷つけていい免罪符にはならない
あたしが綴理たちにしたことは言い訳のしようもない
だが、そんなひどい先輩でも先輩としての言葉が許されるなら言いたいんだ
嬉しかったよ綴理。綴理があたしとの記憶を、あたしの言葉を大事だと言ってくれて
あたしたちの居場所があった事実を守るために立ち上がってくれてさ
もし、もしだけどさ…あたしの言葉をまた綴理に届けられる
そんなわがままが許される時がもしも来たら
聞いてほしいんだ綴理。あたしもキミたちを大事に思ってるという、ただそれだけのことを
っとと!珍しくセンチメンタルな語りになってしまったな!
まあ…来たらでいい!この道を選んだ以上は何もかもなんて望んでないんだ
かわいい後輩ちゃんたちよ!旅は終わりだ、いるべき場所に帰りたまえ!わっはっはー!
だけど、それは綴理たちを傷つけていい免罪符にはならない
あたしが綴理たちにしたことは言い訳のしようもない
だが、そんなひどい先輩でも先輩としての言葉が許されるなら言いたいんだ
嬉しかったよ綴理。綴理があたしとの記憶を、あたしの言葉を大事だと言ってくれて
あたしたちの居場所があった事実を守るために立ち上がってくれてさ
もし、もしだけどさ…あたしの言葉をまた綴理に届けられる
そんなわがままが許される時がもしも来たら
聞いてほしいんだ綴理。あたしもキミたちを大事に思ってるという、ただそれだけのことを
っとと!珍しくセンチメンタルな語りになってしまったな!
まあ…来たらでいい!この道を選んだ以上は何もかもなんて望んでないんだ
かわいい後輩ちゃんたちよ!旅は終わりだ、いるべき場所に帰りたまえ!わっはっはー!
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370: 2024/03/15(金) 08:28:32.00
~大倉庫~
花帆「ん…」
梢「ここは…大倉庫?」
さやか「帰ってこられた?」
綴理「みたいだね」
瑠璃乃「ていうか、時間時間!」
慈「……え?寮の門限ぎりぎり?」
沙知「こら!キミたちこんな時間まで何をしてるんだ」
花帆「ん…」
梢「ここは…大倉庫?」
さやか「帰ってこられた?」
綴理「みたいだね」
瑠璃乃「ていうか、時間時間!」
慈「……え?寮の門限ぎりぎり?」
沙知「こら!キミたちこんな時間まで何をしてるんだ」
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371: 2024/03/16(土) 05:02:39.00
花帆「沙知センパイ」
沙知「まったく、部の備品整理はいいが熱中しすぎは感心しないぞ」
梢「あの…沙知センパイ?あれからどうなったんですか?」
沙知「あれから、とは?」
さやか「だから、黒い影が…」
沙知「……キミたちは何を言ってるんだ?」
沙知「まったく、部の備品整理はいいが熱中しすぎは感心しないぞ」
梢「あの…沙知センパイ?あれからどうなったんですか?」
沙知「あれから、とは?」
さやか「だから、黒い影が…」
沙知「……キミたちは何を言ってるんだ?」
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372: 2024/03/16(土) 09:02:07.00
綴理「あれ?一緒に見たよね?」
沙知「一緒って、アタシは今の今キミたちに今日初めて会ったんだぞ?」
瑠璃乃「どういうこと?」
沙知「おおかた疲れて夢でも見てたんだろ…大会も近いんだから無理はしないでくれたまえよ」
慈「あれが夢?」
沙知「ほらほら、寮長さんに怒られる前に帰った帰った。ここはアタシが後片付けしておくから!」
さやか(沙知先輩の言葉に釈然としないものを感じながらも、私たちはそれぞれの部屋に帰った)
さやか(一度綴理先輩と話そうとは思ったけど、また疲れが押し寄せて…私は…そのまま深い眠りについた)
さやか(こうして、私たちの不可思議な冒険は終わりを告げた)
沙知「一緒って、アタシは今の今キミたちに今日初めて会ったんだぞ?」
瑠璃乃「どういうこと?」
沙知「おおかた疲れて夢でも見てたんだろ…大会も近いんだから無理はしないでくれたまえよ」
慈「あれが夢?」
沙知「ほらほら、寮長さんに怒られる前に帰った帰った。ここはアタシが後片付けしておくから!」
さやか(沙知先輩の言葉に釈然としないものを感じながらも、私たちはそれぞれの部屋に帰った)
さやか(一度綴理先輩と話そうとは思ったけど、また疲れが押し寄せて…私は…そのまま深い眠りについた)
さやか(こうして、私たちの不可思議な冒険は終わりを告げた)
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373: 2024/03/16(土) 09:11:25.00
◯DOLLCHESTRA エンディング
~幻想だって構わない
夢物語だって笑わない
信じなきゃ何も変わらない~
さやか(あれから数日経った)
綴理(ボクたちは日常の中でまたゆるゆると生きている)
さやか(マイクは誰の手にも無く、学校のどこにもあの戦いの形跡は見つからない)
綴理(それでもあの日のことは、ボクたちみんなの心の中に消えずに残っている)
~幻想だって構わない
夢物語だって笑わない
信じなきゃ何も変わらない~
さやか(あれから数日経った)
綴理(ボクたちは日常の中でまたゆるゆると生きている)
さやか(マイクは誰の手にも無く、学校のどこにもあの戦いの形跡は見つからない)
綴理(それでもあの日のことは、ボクたちみんなの心の中に消えずに残っている)
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374: 2024/03/16(土) 09:14:14.00
綴理「うーん」
さやか「どうかしたんですか?せっかくのお天気な昼休みに空を見てぼーっとして」
綴理「また飛びたいなーって」
綴理「何もかも振り切って飛べるような気がしたんだけどな。現実はそう簡単じゃないようだ」
さやか「そうですね。梢先輩も言ってましたが、人間は普通は空を飛べないので」
さやか「飛ぶならそういう乗り物に乗ってみるとかですかね。寮生活では難しそうです」
綴理「マイク、無くなっちゃったからね」
さやか「どうかしたんですか?せっかくのお天気な昼休みに空を見てぼーっとして」
綴理「また飛びたいなーって」
綴理「何もかも振り切って飛べるような気がしたんだけどな。現実はそう簡単じゃないようだ」
さやか「そうですね。梢先輩も言ってましたが、人間は普通は空を飛べないので」
さやか「飛ぶならそういう乗り物に乗ってみるとかですかね。寮生活では難しそうです」
綴理「マイク、無くなっちゃったからね」
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375: 2024/03/16(土) 09:31:43.00
さやか「あのような物騒なものは無い方が後々のためです」
さやか「…あれでよかったんでしょうか?」
綴理「もう一人のボクたちのこと?」
さやか「私たちは結局、いろいろな問題を置き去りにしてしまっただけなのではないか……とも思ってしまうんです」
さやか「もしかしたら、もっと良い選択があったのではないかと。実際、ミスの連続でしたからね」
綴理「あれが正解か間違いかは、多分ずっとわからない」
綴理「あえて言うなら、選んだことが答えなんじゃないかな?」
さやか「………そうですね。選んだ道と私たち自身を信じましょう」
さやか「…あれでよかったんでしょうか?」
綴理「もう一人のボクたちのこと?」
さやか「私たちは結局、いろいろな問題を置き去りにしてしまっただけなのではないか……とも思ってしまうんです」
さやか「もしかしたら、もっと良い選択があったのではないかと。実際、ミスの連続でしたからね」
綴理「あれが正解か間違いかは、多分ずっとわからない」
綴理「あえて言うなら、選んだことが答えなんじゃないかな?」
さやか「………そうですね。選んだ道と私たち自身を信じましょう」
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376: 2024/03/16(土) 09:36:05.00
綴理「さてと、じゃあボクは戻るんで」
さやか「はい、午後も精進しましょうね」
沙知「あ!おーい!」
さやか「沙知先輩、あいかわらず忙しそうですね。竜胆祭の準備ですか?」
沙知「いやー、うちの生徒はみんなやりたいことがいっぱいでね…あと2、3人は私を増やしたいよ」
さやか「まるですでに体が複数あるような言い回しですね」
沙知「あ、それでキミたちの話にあったマイクなんだが。普通のマイクならともかく、そういうのは記録にないっぽいんだ」
さやか「はい、午後も精進しましょうね」
沙知「あ!おーい!」
さやか「沙知先輩、あいかわらず忙しそうですね。竜胆祭の準備ですか?」
沙知「いやー、うちの生徒はみんなやりたいことがいっぱいでね…あと2、3人は私を増やしたいよ」
さやか「まるですでに体が複数あるような言い回しですね」
沙知「あ、それでキミたちの話にあったマイクなんだが。普通のマイクならともかく、そういうのは記録にないっぽいんだ」
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377: 2024/03/16(土) 09:39:19.00
さやか「無いなら無いで私たちは構わないです」
さやか「まあ、綴理先輩は少々未練があるようですがね」
沙知「綴理は一緒じゃないのかい?いつも昼休みは一緒な気がするんだが」
さやか「じゃあと言って戻って行っちゃいました。まったく、空みたいに気分屋な人なんですから…」
沙知「………!さやかちゃん、その言葉は」
さやか「えっと…前に綴理先輩が使ってまして、なんだか耳に残っていたといいますか」
さやか「まあ、綴理先輩は少々未練があるようですがね」
沙知「綴理は一緒じゃないのかい?いつも昼休みは一緒な気がするんだが」
さやか「じゃあと言って戻って行っちゃいました。まったく、空みたいに気分屋な人なんですから…」
沙知「………!さやかちゃん、その言葉は」
さやか「えっと…前に綴理先輩が使ってまして、なんだか耳に残っていたといいますか」
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378: 2024/03/16(土) 09:40:18.00
沙知「そうか…そうだったね」
沙知「あたしがいた証だって、こうやってちゃんと残っていくんだな」
さやか「はい?」
沙知「ただの独り言さ。それよりも、竜胆祭はもう目と鼻の先だ」
沙知「君のソロ、とくと見させてもらうよ」
さやか「はい、望むところです」
さやか「私のすべてをかけて、私の選択した答えをお見せしますので」
沙知「あたしがいた証だって、こうやってちゃんと残っていくんだな」
さやか「はい?」
沙知「ただの独り言さ。それよりも、竜胆祭はもう目と鼻の先だ」
沙知「君のソロ、とくと見させてもらうよ」
さやか「はい、望むところです」
さやか「私のすべてをかけて、私の選択した答えをお見せしますので」
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379: 2024/03/16(土) 09:42:52.00
綴理「ここまで来れば…会わなくて済むかな」
綴理「さち、まだボクの心の中には雨が少し降ってるみたいなんだ」
綴理「やっぱり飛ぶのは難しい。だけど、もし…この雨にも立ち向かえるボクになれたら」
綴理「聞いてみたいんだ。あの時聞けなかったことを」
さやか(たとえこの想いが、見つけたものが、幻想だって構わない)
綴理(恐れずに進むための力になるって、ボクたちは信じてるから)
~DOLLCHESTRA編・完~
綴理「さち、まだボクの心の中には雨が少し降ってるみたいなんだ」
綴理「やっぱり飛ぶのは難しい。だけど、もし…この雨にも立ち向かえるボクになれたら」
綴理「聞いてみたいんだ。あの時聞けなかったことを」
さやか(たとえこの想いが、見つけたものが、幻想だって構わない)
綴理(恐れずに進むための力になるって、ボクたちは信じてるから)
~DOLLCHESTRA編・完~
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380: 2024/03/16(土) 09:46:23.00
【あとがき】
スレ落としたりしましたが、ようやく書き上げました!
スリーズブーケ編が長くなってしまい次はあまり長くならないようにと思ったはずが…
終わってみればスリーズブーケ編よりも長くなってます
作中の時期を竜胆祭直前にしたのはDOLLCHESTRAの一番おいしいタイミングだったからなんですが、リアルタイムでどんどん成長していく6人を見ながらあえて過去のキャラを書くというのはなかなか難しかったです
特にDOLLCHESTRAは少し気を抜くと今の二人の動きをし出す曲者でした
スリーズブーケ同様に今回も曲から話を作ってみました
特に「KNOT」の影響は大きかったです
今回の話はほぼKNOTです。自分の存在を支えるものはなんなのか?自分の意志で選択するとはどういうことなのか?
KNOTを初めて聴いてそんな問いが浮かんだ時からDOLLCHESTRAで話を書くならKNOTで書こうと決めていました
スレ落としたりしましたが、ようやく書き上げました!
スリーズブーケ編が長くなってしまい次はあまり長くならないようにと思ったはずが…
終わってみればスリーズブーケ編よりも長くなってます
作中の時期を竜胆祭直前にしたのはDOLLCHESTRAの一番おいしいタイミングだったからなんですが、リアルタイムでどんどん成長していく6人を見ながらあえて過去のキャラを書くというのはなかなか難しかったです
特にDOLLCHESTRAは少し気を抜くと今の二人の動きをし出す曲者でした
スリーズブーケ同様に今回も曲から話を作ってみました
特に「KNOT」の影響は大きかったです
今回の話はほぼKNOTです。自分の存在を支えるものはなんなのか?自分の意志で選択するとはどういうことなのか?
KNOTを初めて聴いてそんな問いが浮かんだ時からDOLLCHESTRAで話を書くならKNOTで書こうと決めていました
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381: 2024/03/16(土) 09:47:59.00
そこに「ツバサ・ラ・リベルテ」を加えて記憶による自分の存在証明をさせたのが綴理編、「runway」を加えてわがままという名の意志で未来を掴もうとさせたのがさやか編、とDOLLCHESTRA編は曲→ストーリーがやりやすかったです
(竜胆祭はツバサ・ラ・リベルテ前ではあるんですが、曲自体は既に綴理が知ってたのでセーフということで、あと、runwayはいつCD収録されるんでしょうか)
次はみらくらぱーく!編です
うだうだぐだぐだ書いているうちに本編ではみらくらぱーくが一つの山を乗り越えたどころかもう103期が終わりそうなわけですね
竜胆祭時点でのみらぱってどんなだっけと思い出しながらになりそうです
まあ、始まったのなら貫くのみです
みらぱ編も引き続きよろしくお願いします
(竜胆祭はツバサ・ラ・リベルテ前ではあるんですが、曲自体は既に綴理が知ってたのでセーフということで、あと、runwayはいつCD収録されるんでしょうか)
次はみらくらぱーく!編です
うだうだぐだぐだ書いているうちに本編ではみらくらぱーくが一つの山を乗り越えたどころかもう103期が終わりそうなわけですね
竜胆祭時点でのみらぱってどんなだっけと思い出しながらになりそうです
まあ、始まったのなら貫くのみです
みらぱ編も引き続きよろしくお願いします
引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11177/1707177216/