8: 2021/02/14(日) 22:22:12.77 ID:dzwxddaY
侑「歩夢、お疲れ様!」
侑「帰ろっか?」
歩夢「侑ちゃんもお疲れ様」
侑「暗くなるとまた寒くなってくるね」
歩夢「そうだね、お昼とかだとポカポカで暖かかったのにね」
歩夢「春も、もうすぐだね」
侑「歩夢歩夢!」
侑「春より先に来るものがあるよ!」
侑「帰ろっか?」
歩夢「侑ちゃんもお疲れ様」
侑「暗くなるとまた寒くなってくるね」
歩夢「そうだね、お昼とかだとポカポカで暖かかったのにね」
歩夢「春も、もうすぐだね」
侑「歩夢歩夢!」
侑「春より先に来るものがあるよ!」
10: 2021/02/14(日) 22:24:07.67 ID:dzwxddaY
歩夢「ん?」
侑「ほらほら!」
歩夢「そうだね」
ピンク色の旗を指さして、目を輝かせる。
ツインテールがぴょこぴょこしそうで可愛い。
歩夢「なんて、言えないけど」
侑「なにが?」
歩夢「ううん、なんでもないよ」
侑「えー、教えてよ!」
侑「ほらほら!」
歩夢「そうだね」
ピンク色の旗を指さして、目を輝かせる。
ツインテールがぴょこぴょこしそうで可愛い。
歩夢「なんて、言えないけど」
侑「なにが?」
歩夢「ううん、なんでもないよ」
侑「えー、教えてよ!」
11: 2021/02/14(日) 22:24:37.72 ID:dzwxddaY
歩夢「それより、バレンタインの準備って侑ちゃん進めてるの?」
侑「もちろん!バッチリだよ」
侑「今年はみんなにあげたいんだ!」
侑「がんばれ!応援してるよ!大好きだよ!って」
歩夢「私にもくれるの?」
侑「当たり前じゃん!」
侑「歩夢には何個あげて何個貰ったか覚えてないよ」
歩夢「侑ちゃん一度くれなかった時あったよね?」
侑「え?嘘!」
侑「もちろん!バッチリだよ」
侑「今年はみんなにあげたいんだ!」
侑「がんばれ!応援してるよ!大好きだよ!って」
歩夢「私にもくれるの?」
侑「当たり前じゃん!」
侑「歩夢には何個あげて何個貰ったか覚えてないよ」
歩夢「侑ちゃん一度くれなかった時あったよね?」
侑「え?嘘!」
12: 2021/02/14(日) 22:25:10.79 ID:dzwxddaY
歩夢「嘘じゃないよ?」
侑「えー、喧嘩なんてしたことないしなぁ……」
歩夢「くれなかった、は間違いかもね?」
歩夢「侑ちゃんね、ホワイトデーにくれたんだよ」
侑「あぁー!あったね!」
歩夢「私、始めどうしてくれないのかなんて泣いちゃってさ」
侑「私もその日に思いついたからさ」
侑「子供のイタズラじゃないけどさ、その時はそうしたかったんだよ」
歩夢「侑ちゃん、私が泣いちゃうからすごく困った顔してたよ?」
侑「ん、でも、そりゃあ困るでしょ」
侑「本人は渡すつもりはあるんだから」
侑「えー、喧嘩なんてしたことないしなぁ……」
歩夢「くれなかった、は間違いかもね?」
歩夢「侑ちゃんね、ホワイトデーにくれたんだよ」
侑「あぁー!あったね!」
歩夢「私、始めどうしてくれないのかなんて泣いちゃってさ」
侑「私もその日に思いついたからさ」
侑「子供のイタズラじゃないけどさ、その時はそうしたかったんだよ」
歩夢「侑ちゃん、私が泣いちゃうからすごく困った顔してたよ?」
侑「ん、でも、そりゃあ困るでしょ」
侑「本人は渡すつもりはあるんだから」
15: 2021/02/14(日) 22:25:43.60 ID:dzwxddaY
歩夢「でも、おろおろして困ってる侑ちゃんも可愛かったよ」
侑「もうっ!茶化すならこの話はおしまいだよ歩夢!」
歩夢「あはは、ごめんごめん」
歩夢「ねぇ侑ちゃん」
侑「うん?」
歩夢「侑ちゃんはあの時……」
歩夢「ううん、やっぱりなんでもない」
侑「えー、そこまで言って何も言わないのずるいよ歩夢ー!」
歩夢「別に大したことじゃないよ」
侑「それでも!」
侑「もうっ!茶化すならこの話はおしまいだよ歩夢!」
歩夢「あはは、ごめんごめん」
歩夢「ねぇ侑ちゃん」
侑「うん?」
歩夢「侑ちゃんはあの時……」
歩夢「ううん、やっぱりなんでもない」
侑「えー、そこまで言って何も言わないのずるいよ歩夢ー!」
歩夢「別に大したことじゃないよ」
侑「それでも!」
17: 2021/02/14(日) 22:26:28.82 ID:dzwxddaY
歩夢「うーん……なんで、ホワイトデーにくれたの?」
侑「え?」
侑「あー、その……」
歩夢「覚えてない?」
侑「うん……」
侑「でも、きっとホワイトデーを知ったからだと思う」
歩夢「侑ちゃんらしいかも」
侑「でしょ?」
侑「知ってしまったことはやってみたいでしょ?」
侑「え?」
侑「あー、その……」
歩夢「覚えてない?」
侑「うん……」
侑「でも、きっとホワイトデーを知ったからだと思う」
歩夢「侑ちゃんらしいかも」
侑「でしょ?」
侑「知ってしまったことはやってみたいでしょ?」
19: 2021/02/14(日) 22:27:34.15 ID:dzwxddaY
侑「大した理由なんてなかった、と思う」
侑「ただ……」
歩夢「ただ?」
侑「特別なことをしてみたい!」
侑「そんな動機だと思うよ?」
歩夢「今年もそうする?」
侑「えぇー!」
侑「もうどうするか考えてるのに!」
歩夢「ふふ、冗談だよ」
侑「ただ……」
歩夢「ただ?」
侑「特別なことをしてみたい!」
侑「そんな動機だと思うよ?」
歩夢「今年もそうする?」
侑「えぇー!」
侑「もうどうするか考えてるのに!」
歩夢「ふふ、冗談だよ」
20: 2021/02/14(日) 22:28:43.41 ID:dzwxddaY
侑「それに、別に今となってはバレンタインデーでもホワイトデーでも一緒でしょ?」
侑「大切な人にチョコを贈る」
侑「何月何日の日付なんかよりもこの想いを大事にしたいな」
歩夢「侑ちゃん……」
歩夢「そうだね、私もいっぱい想いを込めて作るね」
侑「私は、歩夢の作るチョコいつも美味しくて好きだな」
侑「どうやって作ってるか教えてもらって作っても、歩夢にもらった方が美味しいんだもん」
侑「やになっちゃうね!」
歩夢「私も侑ちゃんが作るチョコ好きだよ」
侑「大切な人にチョコを贈る」
侑「何月何日の日付なんかよりもこの想いを大事にしたいな」
歩夢「侑ちゃん……」
歩夢「そうだね、私もいっぱい想いを込めて作るね」
侑「私は、歩夢の作るチョコいつも美味しくて好きだな」
侑「どうやって作ってるか教えてもらって作っても、歩夢にもらった方が美味しいんだもん」
侑「やになっちゃうね!」
歩夢「私も侑ちゃんが作るチョコ好きだよ」
21: 2021/02/14(日) 22:29:22.51 ID:dzwxddaY
歩夢「私が作ったチョコよりずーっと美味しいと思うし、好きだよ」
侑「それなら!」
歩夢「それなら?」
侑「きっと相手への愛情がこもってるんだね!」
歩夢「愛情って……なんだか恥ずかしいよ」
侑「でも、良く言うでしょ?」
侑「愛情が一番の調味料だ!って」
侑「歩夢がきっと愛をたくさんたくさん込めて作ってくれてるんだね」
歩夢「ぅ……それなら侑ちゃんもそういうことでしょ?」
侑「ぁ……うん、もちろんそうだよ!」
侑「それなら!」
歩夢「それなら?」
侑「きっと相手への愛情がこもってるんだね!」
歩夢「愛情って……なんだか恥ずかしいよ」
侑「でも、良く言うでしょ?」
侑「愛情が一番の調味料だ!って」
侑「歩夢がきっと愛をたくさんたくさん込めて作ってくれてるんだね」
歩夢「ぅ……それなら侑ちゃんもそういうことでしょ?」
侑「ぁ……うん、もちろんそうだよ!」
22: 2021/02/14(日) 22:30:02.91 ID:dzwxddaY
歩夢「ふふっ、それなら今年のチョコも楽しみだな」
侑「楽しみにしててね!」
侑「歩夢のチョコも楽しみにしてるよ!」
歩夢「うん、頑張る、ね」
侑「ありがと!」
侑「それじゃ、今日はもうお別れだね?」
侑「バイバイ、また明日」
歩夢「うん、バイバイ、侑ちゃん」
あの日の子ども同士の小さな約束。
それでも2人だけの秘密。
貴女は覚えていなくとも、そんなことはどうでもよくて。
侑「楽しみにしててね!」
侑「歩夢のチョコも楽しみにしてるよ!」
歩夢「うん、頑張る、ね」
侑「ありがと!」
侑「それじゃ、今日はもうお別れだね?」
侑「バイバイ、また明日」
歩夢「うん、バイバイ、侑ちゃん」
あの日の子ども同士の小さな約束。
それでも2人だけの秘密。
貴女は覚えていなくとも、そんなことはどうでもよくて。
25: 2021/02/14(日) 22:33:36.44 ID:dzwxddaY
今日はくだらないお話でもなんでもいいから。
別に話題もないけれど、お話なんてしなくても。
もっと一緒にいたい。
そんな気持ちが溶け出しそうで。
貴女を困らせたくなくて、溢れそうな言葉を唇で鍵かける。
別に話題もないけれど、お話なんてしなくても。
もっと一緒にいたい。
そんな気持ちが溶け出しそうで。
貴女を困らせたくなくて、溢れそうな言葉を唇で鍵かける。
27: 2021/02/14(日) 22:35:13.72 ID:dzwxddaY
――
歩夢「はぁ……」
歩夢「チョコ、どうしようかな?」
歩夢「レシピ、すごいな考えてる人」
歩夢「どれも美味しそう……」
歩夢「でも、なんだろう……」
歩夢「なにかピンとこない」
指を滑らせてスクロール。
昔、苦労して溶かしたチョコだって今は簡単にできる。
自分も、技術も、機械も、全て変わって、進化して。
歩夢「はぁ……」
歩夢「チョコ、どうしようかな?」
歩夢「レシピ、すごいな考えてる人」
歩夢「どれも美味しそう……」
歩夢「でも、なんだろう……」
歩夢「なにかピンとこない」
指を滑らせてスクロール。
昔、苦労して溶かしたチョコだって今は簡単にできる。
自分も、技術も、機械も、全て変わって、進化して。
28: 2021/02/14(日) 22:36:15.32 ID:dzwxddaY
歩夢「ダメだ」
手につかない。
スマホを置いて、寝転がる。
眩しい。
歩夢「リモコン、どこだっけ」
手元を探って、電気を消して、深く息を吐く。
歩夢「近すぎた……のかなぁ」
この部屋にいたって、ベランダに出たって、私たちは壁に阻まれる。
私たちの未来はこのまままっすぐ伸びて、ほんの数センチは埋まらないのかな。
手を天井に伸ばして、糸が切れたように落ちる。
手につかない。
スマホを置いて、寝転がる。
眩しい。
歩夢「リモコン、どこだっけ」
手元を探って、電気を消して、深く息を吐く。
歩夢「近すぎた……のかなぁ」
この部屋にいたって、ベランダに出たって、私たちは壁に阻まれる。
私たちの未来はこのまままっすぐ伸びて、ほんの数センチは埋まらないのかな。
手を天井に伸ばして、糸が切れたように落ちる。
29: 2021/02/14(日) 22:37:23.11 ID:dzwxddaY
歩夢「どうしちゃったんだろう」
歩夢「嫌なことばっかり考えて」
歩夢「こんなんじゃどんなチョコ渡せばいいかなんてわかんないよ」
歩夢「無邪気に渡せた記憶の中の自分がほんのちょっと羨ましいよ」
歩夢「私も、変わる」
歩夢「侑ちゃんも……変わった」
歩夢「あたりまえの世界なんてない」
歩夢「分かってるはずなんだけどなぁ」
歩夢「嫌なことばっかり考えて」
歩夢「こんなんじゃどんなチョコ渡せばいいかなんてわかんないよ」
歩夢「無邪気に渡せた記憶の中の自分がほんのちょっと羨ましいよ」
歩夢「私も、変わる」
歩夢「侑ちゃんも……変わった」
歩夢「あたりまえの世界なんてない」
歩夢「分かってるはずなんだけどなぁ」
31: 2021/02/14(日) 22:39:18.99 ID:dzwxddaY
歩夢:侑ちゃん
なんの計画もなく、自然とメッセージを送ってしまった。
だって、私も変わったんだ。
いつかこの気持ちを忘れてしまうのかもしれない。
そんなの嫌だから。
侑:どうしたの?
歩夢:遅くにごめんね?
歩夢:今少しだけお話いいかな?
侑:了解!
なんの計画もなく、自然とメッセージを送ってしまった。
だって、私も変わったんだ。
いつかこの気持ちを忘れてしまうのかもしれない。
そんなの嫌だから。
侑:どうしたの?
歩夢:遅くにごめんね?
歩夢:今少しだけお話いいかな?
侑:了解!
33: 2021/02/14(日) 22:40:31.58 ID:dzwxddaY
歩夢「ごめんね侑ちゃん」
侑「ううん、どうしたの?」
侑「うっ、さむ!」
歩夢「あ、ごめんね……」
侑「いいよいいよ!」
侑「ちょっと上着取ってくるから待ってて!」
歩夢「うん」
侑「ごめんごめん、お待たせ!」
侑「それでどうしたの?」
侑「ううん、どうしたの?」
侑「うっ、さむ!」
歩夢「あ、ごめんね……」
侑「いいよいいよ!」
侑「ちょっと上着取ってくるから待ってて!」
歩夢「うん」
侑「ごめんごめん、お待たせ!」
侑「それでどうしたの?」
34: 2021/02/14(日) 22:42:14.91 ID:dzwxddaY
侑「あれ?歩夢、元気ない?」
歩夢「え?そ、そんなことないよ!」
侑「うそ」
侑「私に嘘ついたってすぐバレちゃうよ?」
侑「ね?」
歩夢「うん……」
侑「よっと……」
侑「ほら!手を伸ばせば届く距離にいるんだから!」
歩夢「侑ちゃん!危ないよ!?」
歩夢「え?そ、そんなことないよ!」
侑「うそ」
侑「私に嘘ついたってすぐバレちゃうよ?」
侑「ね?」
歩夢「うん……」
侑「よっと……」
侑「ほら!手を伸ばせば届く距離にいるんだから!」
歩夢「侑ちゃん!危ないよ!?」
35: 2021/02/14(日) 22:43:42.72 ID:dzwxddaY
侑「大丈夫大丈夫!」
侑「ね、いつだってそばにいるんだから」
侑「なんだって相談してよ」
歩夢「うん、ありがとう」
触れられた顔が、暖かい。
歩夢「あのね、ゆうちゃんにお願いがあるの?」
侑「お願い?」
侑「そんなの歩夢のお願いならなんだって大丈夫だよ!」
侑「なに?」
歩夢「明日、一緒にチョコを作ってくれませんか?」
侑「ね、いつだってそばにいるんだから」
侑「なんだって相談してよ」
歩夢「うん、ありがとう」
触れられた顔が、暖かい。
歩夢「あのね、ゆうちゃんにお願いがあるの?」
侑「お願い?」
侑「そんなの歩夢のお願いならなんだって大丈夫だよ!」
侑「なに?」
歩夢「明日、一緒にチョコを作ってくれませんか?」
36: 2021/02/14(日) 22:45:41.58 ID:dzwxddaY
――
侑「おじゃましまーす!」
歩夢「侑ちゃん、いらっしゃい」
侑「案外一緒に作ったことなかったかもね」
歩夢「うん、そうだね」
歩夢「お互い秘密にしてたのかも」
侑「毎年楽しみだったよ」
歩夢「それならごめんね、今回」
侑「ううん、歩夢と一緒に作るのもすっごく楽しみ!」
歩夢「ありがとう、私も楽しみだよ」
侑「すっごく?」
侑「おじゃましまーす!」
歩夢「侑ちゃん、いらっしゃい」
侑「案外一緒に作ったことなかったかもね」
歩夢「うん、そうだね」
歩夢「お互い秘密にしてたのかも」
侑「毎年楽しみだったよ」
歩夢「それならごめんね、今回」
侑「ううん、歩夢と一緒に作るのもすっごく楽しみ!」
歩夢「ありがとう、私も楽しみだよ」
侑「すっごく?」
37: 2021/02/14(日) 22:47:54.33 ID:dzwxddaY
歩夢「へ?」
侑「私はすっごく楽しみ、歩夢は?」
歩夢「ふふっ、もちろんすごーーーっく楽しみだよ」
侑「えへへ、そっかそっか」
侑「よーし、それじゃレッツクッキーング!」
侑「で、どんなの作るの?」
歩夢「うん、色々考えたんだけどね、今回はスタンダード?なチョコにしようかなって」
侑「なるほどなるほど?」
侑「私歩夢の作るのだったらなんでも好きだよ!」
侑「私はすっごく楽しみ、歩夢は?」
歩夢「ふふっ、もちろんすごーーーっく楽しみだよ」
侑「えへへ、そっかそっか」
侑「よーし、それじゃレッツクッキーング!」
侑「で、どんなの作るの?」
歩夢「うん、色々考えたんだけどね、今回はスタンダード?なチョコにしようかなって」
侑「なるほどなるほど?」
侑「私歩夢の作るのだったらなんでも好きだよ!」
39: 2021/02/14(日) 22:50:14.68 ID:dzwxddaY
侑「去年のガトーショコラだって、その前のクッキーだって、ブラウニーだって……」
侑「全部全部美味しかった!」
歩夢「あ、ありがと」
歩夢「そこまで言われると照れちゃうね」
湯煎のためのお鍋がコトコト音立てて。
私の心も貴女への想いがコトコトと。
レシピなんてないけれど、私の気持ちを込めて。
ビターで甘いこの気持ち。
苦い未来なんて溶けて消えちゃえば、なんてほんのちょっぴりビターチョコ。
侑「全部全部美味しかった!」
歩夢「あ、ありがと」
歩夢「そこまで言われると照れちゃうね」
湯煎のためのお鍋がコトコト音立てて。
私の心も貴女への想いがコトコトと。
レシピなんてないけれど、私の気持ちを込めて。
ビターで甘いこの気持ち。
苦い未来なんて溶けて消えちゃえば、なんてほんのちょっぴりビターチョコ。
41: 2021/02/14(日) 22:53:10.32 ID:dzwxddaY
――
侑・歩夢「かんせーい!!」
侑「ありがと、歩夢のおかげでとっても美味しくできた気がする」
歩夢「ううん、侑ちゃんほとんど自分でやってたでしょ?」
侑「それでも、歩夢が一緒にいてくれたからね」
侑「上手くできた気がする!」
歩夢「それなら、よかった」
歩夢「私も、侑ちゃんがいたから上手にできたと思う」
侑「ほんと?」
侑・歩夢「かんせーい!!」
侑「ありがと、歩夢のおかげでとっても美味しくできた気がする」
歩夢「ううん、侑ちゃんほとんど自分でやってたでしょ?」
侑「それでも、歩夢が一緒にいてくれたからね」
侑「上手くできた気がする!」
歩夢「それなら、よかった」
歩夢「私も、侑ちゃんがいたから上手にできたと思う」
侑「ほんと?」
43: 2021/02/14(日) 22:54:57.15 ID:dzwxddaY
侑「ね、ね、歩夢」
歩夢「うん?」
侑「味見、したいなぁ」
歩夢「後で侑ちゃんにあげるものだよ?」
歩夢「ちゃんと包装して渡すまで待ってて」
侑「えー、いいじゃん!」
侑「ほら、ひとつだけ!」
歩夢「もう、仕方ないなぁ」
歩夢「ほら、あーん」
侑「あー……」
何気なしに取るハートの形をしたチョコ。
やっぱりこの気持ちは胸にしまったままじゃいられない。
歩夢「うん?」
侑「味見、したいなぁ」
歩夢「後で侑ちゃんにあげるものだよ?」
歩夢「ちゃんと包装して渡すまで待ってて」
侑「えー、いいじゃん!」
侑「ほら、ひとつだけ!」
歩夢「もう、仕方ないなぁ」
歩夢「ほら、あーん」
侑「あー……」
何気なしに取るハートの形をしたチョコ。
やっぱりこの気持ちは胸にしまったままじゃいられない。
44: 2021/02/14(日) 22:56:49.73 ID:dzwxddaY
せっかく作ったハートに嘘なんてつけないよ。
きっと、あの日あの時の約束から。
ずっと変わらないこの気持ちを言葉に。
歩夢「侑ちゃん、好き」
侑「……んっ!!」
侑「……っ!ごほっ!」
歩夢「侑ちゃん!?大丈夫?」
侑「だい、じょぶ……」
侑「それより……」
歩夢「好き」
きっと、あの日あの時の約束から。
ずっと変わらないこの気持ちを言葉に。
歩夢「侑ちゃん、好き」
侑「……んっ!!」
侑「……っ!ごほっ!」
歩夢「侑ちゃん!?大丈夫?」
侑「だい、じょぶ……」
侑「それより……」
歩夢「好き」
45: 2021/02/14(日) 22:59:24.23 ID:dzwxddaY
顔なんかとっくに真っ赤になってると思う。
火照る体はきっとチョコなんて簡単に溶かしちゃう。
侑「……そっか」
侑「ありがとう」
歩夢「うん……」
侑「私は……」
このまま真っ直ぐな未来。
この近すぎる距離のまま、平行線なんて嫌だから。
触れられない未来なんていらない。
ずっと手を繋いで歩きたい。
火照る体はきっとチョコなんて簡単に溶かしちゃう。
侑「……そっか」
侑「ありがとう」
歩夢「うん……」
侑「私は……」
このまま真っ直ぐな未来。
この近すぎる距離のまま、平行線なんて嫌だから。
触れられない未来なんていらない。
ずっと手を繋いで歩きたい。
47: 2021/02/14(日) 23:01:30.77 ID:dzwxddaY
侑「私、も」
侑「私も好きだよ」
侑「あの日のあの時の約束忘れたことなんてなかったよ」
侑「ねぇ、歩夢」
侑「もう一度約束」
侑「私とずっと一緒にいてくれますか?」
歩夢「もちろんっ!」
侑「私も好きだよ」
侑「あの日のあの時の約束忘れたことなんてなかったよ」
侑「ねぇ、歩夢」
侑「もう一度約束」
侑「私とずっと一緒にいてくれますか?」
歩夢「もちろんっ!」
50: 2021/02/14(日) 23:05:46.08 ID:dzwxddaY
貴女へのとっておきのチョコ、もうひとつ手に取って。
溶ければいいと思ったビターチョコ、私の唇へ。
ほんの少し俯いて、目を閉じる。
ずっと埋まらなかった数センチの距離が、ゼロになる。
ビターなチョコのはずなのに、ずっと甘い味がする。
それでもほんのちょっぴり大人の味がした。
溶ければいいと思ったビターチョコ、私の唇へ。
ほんの少し俯いて、目を閉じる。
ずっと埋まらなかった数センチの距離が、ゼロになる。
ビターなチョコのはずなのに、ずっと甘い味がする。
それでもほんのちょっぴり大人の味がした。
51: 2021/02/14(日) 23:07:00.98 ID:dzwxddaY
おしまい。
ハッピーバレンタイン!!
ハッピーバレンタイン!!
52: 2021/02/14(日) 23:07:14.47 ID:rUC5iIoq
ビターどころかすごく甘い
54: 2021/02/14(日) 23:09:57.05 ID:lk1LH5yn
甘々だった最高
55: 2021/02/14(日) 23:11:28.21 ID:kF80J9ne
?cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ素晴らしいSSだったよ!また書いてね!
57: 2021/02/14(日) 23:13:40.72 ID:dzwxddaY
あと、Aqoursもお昼に書いたので、気が向いた時にでも、こちらも読んで頂けると幸いです。
千歌「パティシエール!だよ!!」
μ'sは時間とアイデアが足りず書いてません。
すみません。
千歌「パティシエール!だよ!!」
【SS】千歌「パティシエール!だよ!!」【ラブライブ!サンシャイン!!】
1: 2021/02/14(日) 15:32:04.30 ID:dzwxddaY
梨子「はぁ」 千歌「ちょっと梨子ちゃん反応薄い!」 梨子「千歌ちゃんのノートが近すぎて何も見えないの」 千歌「そ...
μ'sは時間とアイデアが足りず書いてません。
すみません。
58: 2021/02/14(日) 23:14:22.62 ID:X8q5DX6x
バレンタインにふさわしい神SSだったと言わざるを得ない…
60: 2021/02/14(日) 23:19:41.75 ID:mbSBSwSh
素晴らしい…
62: 2021/02/14(日) 23:32:19.13 ID:CkJ8D/Qf
ハッピーバレンタイン!
64: 2021/02/14(日) 23:53:48.90 ID:2zg5FE93
バレンタインゆうぽむ多くて助かる
乙
乙
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1613308741/