【SS】侑「せつ菜ちゃんて視力を自由に変えられるの?」せつ菜「はい?」【ラブライブ!虹ヶ咲】

せつなsetunasetsuna SS


1: 2021/04/27(火) 21:56:31.99 ID:XMtHzrMg
せつ菜「アニメじゃないんですから、そんな能力はありませんよ」

侑「でも、生徒会長の時は眼鏡かけてるのに」

侑「せつ菜ちゃんの時は掛けてないじゃん」

せつ菜「せつ菜の時だけコンタクトにしてるんです」

侑「え!?そうなの?」

2: 2021/04/27(火) 21:59:51.72 ID:XMtHzrMg
せつ菜「コスプレイヤーの方も写真を撮ったり、ショーの時だけカラコンをしたりするでしょう?」

せつ菜「それと同じ感覚です」

侑「でもDIVE!の前は、眼鏡外したようにしか見えなかったよ?」

せつ菜「あの時は単純に、用意をしていなかったので裸眼でした」

せつ菜「侑さんに説得されるまでは、もう優木せつ菜になるつもりはありませんでしたからね」

3: 2021/04/27(火) 22:03:07.48 ID:XMtHzrMg
侑「ってことは、あの時は目の前ピンボケで歌ってたの?」

せつ菜「いいえ。みなさんの顔も侑さんの顔も、くっきり見えてましたよ。心の目で」

侑「せつ菜ちゃん、今ちょっとかっこいいこと言ったと思ってるでしょう?」

せつ菜「かっこよくありませんか?」ドヤァ

侑「ううん、せつ菜ちゃんのそういうとこ、好き」

せつ菜「ふふっ、ありがとうございます!」

5: 2021/04/27(火) 22:07:28.38 ID:XMtHzrMg
────

侑「もしかして実は伊達眼鏡で、本当は目が良かったりしない?」

せつ菜「しっかり度が入ってますよ。前にかすみさんに無断で奪われた時は困りましたから」

侑「眼鏡をかけてステージに立とうと思うことは無いの?」

せつ菜「それはこれからも無いでしょうね」

せつ菜「眼鏡をかけた優木せつ菜と生徒会長が似てる、と勘づく人もいるでしょうから」

せつ菜「それが噂になれば、謎のスクールアイドルというイメージも揺らぎますし、副会長との良好な関係も壊したくないです」

6: 2021/04/27(火) 22:11:52.86 ID:XMtHzrMg
侑「眼鏡をかけたせつ菜ちゃんも良いと思うんだけどなあ」

せつ菜「ダメです。その姿でステージに立つとしても、卒業公演の時がいいですね」

せつ菜「ほら、アニメやアメリカの映画でもあるじゃないですか!ヒーローや主人公たちをいつも助けてくれる謎の仮面を付けたお助けキャラが、最終回直前で正体を明かす展開!」

せつ菜「ああいうのがやりたいんです!」

侑「わわ、急に早口になったね」

せつ菜「侑さんはそういう展開、好きじゃありませんか?」

侑「ううん、かっこいいと思う」

侑「そんな日が来るまで、ずっとせつ菜ちゃんを応援出来たらいいな」

せつ菜「ふふっ、よろしくお願いしますね!」

7: 2021/04/27(火) 22:15:13.62 ID:XMtHzrMg
─────

侑「また視力の話に戻るんだけどさ」

侑「普段からコンタクトにはしないの?」

せつ菜「コンタクトも管理が大変ですからね」

せつ菜「洗浄液に浸けたり、付け外しでどうしても手間がかかりますし」

せつ菜「それならば普段は眼鏡にして、勉強をしたり、アニメや漫画を楽しむのに時間を使いたいんです」

せつ菜「もちろん正体のカモフラージュの一環でもありますけどね」

侑「そっかー。いろいろ考えてるんだねえ」

せつ菜「勉強やラノベの読みすぎで、近視になってしまったのは少し残念ですが…」


ズズイッ


侑「な、なに?そんなに顔を近づけてきて///」

10: 2021/04/27(火) 22:18:44.69 ID:XMtHzrMg
せつ菜「眼鏡もコンタクトも忘れたという口実にすれば、こうして侑さんに思い切り近づくこともできます」

侑「それ、私に言っちゃって良いの?」

せつ菜「ええ。私の正直な気持ちですから」

せつ菜「侑さんは、こんな私はいやですか?」

侑「いやじゃないけど、ちょっと心臓に悪いかな///」

せつ菜「ふふっ。侑さん、顔が赤くなってますよ?」

侑「な、なんか今日のせつ菜ちゃん、妙に強気じゃない?」

せつ菜「侑さんには何度も照れさせられてますから、やられてばかりじゃ悔しいんですよ」

11: 2021/04/27(火) 22:22:33.01 ID:XMtHzrMg
せつ菜「音楽室で会ったときも、いきなり距離を詰めてきたのはあなたの方ですし」

侑「あの時のせつ菜ちゃんは『ち、近いです!///』って言ってて可愛かったのになあ」

せつ菜「あれはせつ菜ではありません。あの時の私は、生徒会長の中川菜々ですよ」

侑「ふーん、ってことは…」ニヤリ

せつ菜「な、なんですかその目は…」

侑「えーい!」ワシャシャシャシャー!

せつ菜「わわっ!どうしたんです!?いきなり私の髪を解いて──」

せつ菜「──って、わぁ!一瞬のうちに三つ編みに!」

13: 2021/04/27(火) 22:27:15.42 ID:XMtHzrMg
侑「そして眼鏡もかければ…」カチャ

侑「はーい、中川菜々さんの完成~」

菜々「こらー!なんてことするんです!」

侑「あれ!?そこは照れるとこじゃないの?」

菜々「いきなりこんなことされたら私だって怒りますよ!」

侑「あちゃー、生徒会長モードの厳しいところを引き出してしまったかあ」

菜々「生徒会長関係ないです!どんな私でも怒ります!」

侑「ご、ごめん!ごめんって!」

菜々「もう!あんなに素敵な言葉をかけてくれた人と同じとは思えません!」

侑「へ?私、そんな良いこと言ったっけ?」

17: 2021/04/27(火) 22:35:48.77 ID:XMtHzrMg
菜々「屋上に呼び出されたあの日、私が幸せになれないのは嫌だと言ってくれたでしょう?」

菜々「私にそんな言葉をかけてもらう資格なんて無いと思いながら、けど本当はとても嬉しかった」

菜々「私の憧れる漫画の主人公のようで、かっこよかったです」

侑「そんな…。私はただ、大好きな人の歌が聴けなくなるのが寂しいと思っただけのわがままだよ。全然かっこよくないって」

侑「本当にかっこいいのは、せつ菜ちゃんだよ」

菜々「こら」

侑「え?」

18: 2021/04/27(火) 22:38:58.37 ID:XMtHzrMg
菜々「今の私は中川菜々ですよ。この姿をせつ菜と呼ばないでください」

侑「良いじゃん。ここには、私たち以外に誰も居ないんだし」

菜々「どこで誰が聞いているか分かりませんから、用心するに越したことはありません」

侑「分かったよ、せつ菜ちゃん」

菜々「ほらまた」

侑「ごめん、菜々さん」

菜々「…………」

侑「菜々さん…?」

菜々「──なんで…」

菜々「なんで菜々『さん』なんですか?」

19: 2021/04/27(火) 22:42:14.42 ID:XMtHzrMg
侑「いや、だってほら、生徒会長だし…」

侑「あまり呼び慣れてないから…」

菜々「今さら他人行儀な真似はよしてください」

菜々「もう侑さんとは、そんな仲じゃないでしょう?」

侑「ごめん…」

菜々「だから、その……」

菜々「今の私の事は……菜々『ちゃん』って、呼んでほしいです……」

侑「…………」

菜々「きゅ、急に黙らないでください…!」

侑「菜々ちゃん、可愛い」

菜々「なっ…///」

20: 2021/04/27(火) 22:45:58.37 ID:XMtHzrMg
侑「あはは!せつ菜ちゃんの時はかっこいいし、生徒会長は厳しいとこもあるけど──」

侑「菜々ちゃんはすっごく可愛いんだね!」

菜々「も、もう!からかうのはやめてください!!///」

侑「なんで菜々ちゃんって呼んだのに怒るのさー!」

菜々「侑さんの天然!人たらし!ラノベ主人公!!」

侑「なにそれ!ひどい言い草だよそれは!」

菜々「やかましいです!生徒会長をからかうのは校則違反ですよ!」

侑「いつできたのそんな校則!」

21: 2021/04/27(火) 22:49:14.49 ID:XMtHzrMg
───────


せつ菜「もう、あまり頻繁に変わるのも大変なのでやめてください」

侑「あ、せつ菜ちゃんに戻すんだ」

せつ菜「菜々のままだと、誰かさんがからかってきますからね」

侑「あはは、ごめんって」

せつ菜「ふふっ、実は私からも侑さんに聞いてみたいことがあるんです」

侑「なに?」

せつ菜「侑さんのその髪色です」

侑「…別に普通じゃない?」

せつ菜「いいえ、毛先が緑色じゃないですか」

侑「ああ、これね」

22: 2021/04/27(火) 22:52:51.77 ID:XMtHzrMg
せつ菜「染めてるわけじゃないんですよね?」

侑「ただの地毛だよ。毛先だけメラニン色素が薄いのかもね」

せつ菜「でも、それで緑になるものでしょうか?」

侑「うーん、お母さんがまだ私をお腹の中に抱えてる頃──」

侑「わかめを食べると髪の綺麗な子が産まれる、って聞いてよく食べてたみたいでさ」

せつ菜「その話、私も聞いたことあります!」

侑「だから、わかめの色素が髪に出ちゃったのかも」

せつ菜「そ、そんなことがありえるんでしょうか?」

侑「そうでも思わないと、説明つかなくない?」

せつ菜「なら、そういう事にしておきましょうか」

侑「うん、これでいいんだよ」

23: 2021/04/27(火) 22:56:43.57 ID:XMtHzrMg
───────

侑「私もせつ菜ちゃんの髪について聞きたいんだけど」

せつ菜「なんですか?」

侑「せつ菜ちゃんってDIVE!の時、髪の毛先が青色になってたよね?」

せつ菜「ああ、あれですか!あれはヘアスプレーで染めたんです」

侑「なんか理由ってあるの?」

せつ菜「CHASE!が赤い炎なら、DIVE!は青い水のイメージで対比にしたかったんですよ」

せつ菜「哲学者タレスの『万物の根源は水』という言葉もありますから、はじまりの歌にぴったりの色だと思いまして」

侑「さすがせつ菜ちゃんだ!タレスさんはよく分からないけど、物知りでかっこいい!」

せつ菜「世界史で習っているはずですよ。ちゃんと勉強してくださいね」

侑「──あれ?でも、それだけじゃ髪の毛染める理由にはならないんじゃ…」

せつ菜「え?」

26: 2021/04/27(火) 23:01:06.09 ID:XMtHzrMg
侑「それならCHASE!で、髪を赤く染めててもおかしくないじゃん」

せつ菜「そ、それは…」

侑「おやおや?これはもしかして他に何か理由があるね?」

せつ菜「──侑さん、聞きたいですか?」

侑「わたし、せつ菜ちゃんのことは何でも知りたいなあ」

せつ菜「───」

せつ菜「分かりました。それならば覚悟してもらいますよ?」

侑「え?」

27: 2021/04/27(火) 23:04:11.02 ID:XMtHzrMg
せつ菜「今一度聞きます。あなたは私を受け止める覚悟はできていますか?」

侑「覚悟──は、分からないけど…」

侑「私は、どんなせつ菜ちゃんだって大好きだ、って言える自信があるよ」

せつ菜「わかりました。そういうことでしたら話しましょう」

せつ菜「青い髪色の理由はですね──」














せつ菜「侑さん──あなたですよ」

28: 2021/04/27(火) 23:08:07.38 ID:XMtHzrMg
侑「──どういうこと?」

せつ菜「侑さんの毛先だけ色の違う髪を、リスペクトしたんです」

侑「ま、またどうして?」

せつ菜「侑さんが、私を肯定してくれた人だからです」

せつ菜「私は、私を応援してくれるファンに歌を──大好きを届けたいと思っています」

せつ菜「けど、あのDIVE!は、私の歌が聴きたいと言ってくれた侑さんへの、特別な贈り物でもあったんですよ」

せつ菜「あの歌を歌うことで、あなたに大好きの恩返しがしたかった───」

30: 2021/04/27(火) 23:11:36.21 ID:XMtHzrMg
「───あの時の侑さんは、まさしく私のヒーローでした」


「自分を押し〇して、一人で泣いていた私の心を見つけてくれた」


「取り乱した私に全力でぶつかって、全力で受け止めてくれた」


「私が見失った自分の姿を──」


「真っ直ぐに大好きだと伝えてくれたあなたを見て、もう一度見つけられたんです」


「あの青い髪だって、ただのはじまりの水の色じゃない」


「私の凍てついていた大好きが、溶けだした色なんです」


「私の心の冬を、あなたのくれた熱い気持ちが、春に変えてくれたから!」




「───侑さん」




「私も───あなたのことが大好きです!!」




「大大大、大好き────────っ!!!」

31: 2021/04/27(火) 23:14:51.24 ID:XMtHzrMg
せつ菜「はぁ…はぁ……はぁ…」

侑「…………せつ菜……ちゃん」

せつ菜「ど、どうですか!」

せつ菜「これが──あなたの問いに対する……私の答えです!!!」

侑「あ…」

侑「あはは……」

侑「あははははは…///」

侑「何気なくした質問から、とんでもない答えが返ってきちゃった…///」

侑「顔がめちゃくちゃ熱くて、目から──汗が……えへへっ///」

32: 2021/04/27(火) 23:17:55.02 ID:XMtHzrMg
せつ菜「やりました!侑さんを真っ赤にしたので、私の勝ちですね!!」

侑「え?私たち、そんな勝負してたっけ?」

せつ菜「さあ。でも私は気分がいいですよ!」

せつ菜「大声でいっぱい、侑さんに大好きって言えましたから!!」

侑「あはは、私も!」

侑「こんなに大好きって言ってもらえて、すっごくときめいちゃった!!」

33: 2021/04/27(火) 23:21:06.71 ID:XMtHzrMg
せつ菜「ふふっ、実はこの気持ち、ずっと言いたくてうずうずしてたんです」

侑「もう。それなら、言ってくれたら良かったのに」

せつ菜「仕込んだ隠し味を自ら種明かしするって、格好がつかないじゃないですか」

せつ菜「なので、聞かれるまでは私の胸に秘めておこうと思ってました」

せつ菜「侑さんの前では、いつもかっこいい私でいたいですからね!!」

侑「あはは!大丈夫!せつ菜ちゃんは、いつだって最高にかっこいいよ!」















侑「でも───」

せつ菜「え?」

侑「こんなに真っ赤にさせられちゃ悔しい!それー!」ワシャシャシャシャー!

せつ菜「あ、こら!何やってるんです!また髪を三つ編みに…!ああっ、眼鏡を胸ポケットから抜き取らないで!」

34: 2021/04/27(火) 23:23:17.21 ID:XMtHzrMg
侑「はい、また菜々ちゃん完成!」

菜々「もう…!またこんなことして…!」

侑「かっこいいせつ菜ちゃんも大好きだけど、私は可愛い菜々ちゃんも大好きになりたいな」

菜々「そ、そんな…何を言ってるんですか///」

侑「うんうん、やっぱりこっちだと照れ屋さんになるみたいだね」

菜々「まったく…。本当に、あなたみたいな人は初めてですよ」

菜々「侑さんが気に入ってくれるのなら、こっちの私も悪くないかもしれませんね」ニコッ

侑「うん!今度は菜々ちゃんのことも、いっぱい教えてね!」

菜々「ふふ、侑さんのこともですよ」












おわり

36: 2021/04/27(火) 23:24:56.98 ID:grgN1rg4
素晴らしい
ゆうななも良いな

38: 2021/04/27(火) 23:26:27.90 ID:+3UujSIX
/⁄*イ`^ᗜ^リ ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞

39: 2021/04/27(火) 23:34:21.48 ID:adWnY64i
こんの青春送りたかったなぁ

40: 2021/04/27(火) 23:41:11.52 ID:4AHNPOJe
ゆうせつはベタなくらいが丁度いい

41: 2021/04/27(火) 23:42:36.43 ID:fVAgmJ4i

これで明日が乗り越えられる

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1619528191/

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