【SS】愛「りなりーも鬼にならない?」【ラブライブ!虹ヶ咲】

あい (3) SS


1: 2020/12/10(木) 23:11:54.15 ID:k99Oer0r
璃奈「愛、さん…………?愛さんなの………………?」

愛「あっ、この姿じゃ分かりにくかった?そうだよ!愛さんだよ!いやー久しぶりだね!ごめんごめん!鬼の皆に挨拶とかしててさー」

璃奈「……愛、さん」

愛「聞いてよりなりー、愛さん強い鬼になる素質があるらしくてさー、無惨様に誘われちゃったの!あっ!名前言っちゃ駄目なんだっけ!ごめんねむざっち!」

璃奈(言葉が耳に入ってこない。目の前の現実を受け入れたくない)

3: 2020/12/10(木) 23:17:23.87 ID:k99Oer0r
愛「あっ、でね!さっきの話の続きなんだけど、りなりーも鬼にならない?身体も丈夫になるし…………うん?」

璃奈「……黙って」チャキ

愛「……へー。りなりーも愛さんに刃を向けるんだ?」

璃奈「……お前は愛さんなんかじゃない!今すぐ私の前から消えてっ!」

愛「うーん」シュタッ

璃奈「え……」

愛「話はちゃんと聞こうよ、りなりー。物騒なものは仕舞ってさー」

璃奈「……っ!?」ゾゾゾッ

璃奈(一瞬で間合いを詰められて、さらに刀を鞘に戻された……)

4: 2020/12/10(木) 23:22:26.85 ID:k99Oer0r
璃奈「……はっ、はっ」ドッドッドッ

愛「そんなに緊張しないでよー。愛さんがりなりーを食べるわけないでしょ?今はお腹も空いてないしね」

璃奈「……っ!?」ピクッ

愛「ん?どしたんりなりー?」

璃奈「人、食べたの」ギロッ

愛「ちょっ、そんな睨まないでよー!流石にその辺の人は食べたりしてないよー!」

璃奈「……」

愛「……たださー、話が通じない鬼〇隊の人がいてさー……」

璃奈「……っ!」

6: 2020/12/10(木) 23:26:15.90 ID:k99Oer0r
愛「愛さんは何度も説得したんだよ?鬼になった方が良いって!でも家族の仇の一点張りでさー……愛さんもお腹空いてたからムカついちゃって……〇っちゃった!」

璃奈「……」

璃奈(……ああ)

愛「でもさー、結構美味しかったよ?鬼になったからかな?血が濃厚なソースみたいに感じでさー!肉にたっぷりかけると美味しいの!りなりーにも味わってほしいなー!」

璃奈(この人はもう、救えないんだ)

璃奈(斬らなきゃいけない……)

璃奈(私が……!私が、〇るんだ……!)

7: 2020/12/10(木) 23:28:36.85 ID:k99Oer0r
璃奈「……愛さん」

愛「ん?」

璃奈「私は……鬼にはならない」プルプル

愛「……はっ?」

璃奈「鬼〇隊の一員として、今ここで愛さんを斬る」スチャッ

愛「……あのさー。さっきの見たっしょ?りなりーには無理だって……」

璃奈「……できないからやらないは、無しだから」ガクガク

愛「……ふーん」

??「そこまでだ」

10: 2020/12/10(木) 23:32:27.38 ID:k99Oer0r
愛「ーーーーーッッッ!!」サッ

璃奈「っ!?」

義勇「……」

璃奈「義勇、さん……」

愛「……ぎゆー」

義勇「……天王寺。後は任せろ」

璃奈「………………うん。ありがとう……」ヘナヘナ

13: 2020/12/10(木) 23:37:54.80 ID:k99Oer0r
愛「ねぇぎゆー?いきなり斬りかかるのは酷くない?まずは話を聞いてから……」

義勇「……俺は鬼〇隊だ。そして宮下……お前は鬼だ」

愛「……ぎゆーてさー、結構ガンコだよねー」

義勇「水の呼吸……」

愛「ちょいまち!」

義勇「……?」

愛「ほら、今はお互いとも総力戦に向けて戦力を整えてる状況でしょ?そんなときにやり合うのは両方にとって利点がないかなーって」

義勇「……俺はお前をすぐに斬れる」

愛「んー、普通の鬼ならね。でもさー、もし愛さんが上弦の穴埋め筆頭株だって言ったら……どうする?」

義勇「……!」

15: 2020/12/10(木) 23:39:44.57 ID:k99Oer0r
愛「ぎゆーが稽古できない身体になっちゃったら、鬼〇隊のみんな困っちゃうだろうね!」ニコニコ

義勇「……」

愛「……というわけで今晩は帰るよ。ぎゆー。……りなりー」

璃奈「……っ!」ビクッ

愛「愛さんはまだ、諦めてないからね」

璃奈「……愛さんなんて、嫌い。……二度と顔を見せないで」

愛「……ありゃりゃ、嫌われちゃったかー……。まあ、嫌でもすぐ会う日が来るからさ」

璃奈「……」

愛「そのときに答え、聞かせてね?」

璃奈「……嫌い」

愛「……っ……じゃあね、りなりー……」スタスタ

璃奈「…………愛さんなんて、嫌いだもん」ボソッ

18: 2020/12/10(木) 23:42:07.03 ID:k99Oer0r
義勇「……」

璃奈「……」

義勇「……天王寺」

璃奈「……うっ……うっ……」グスグス

義勇「……天王寺?」

璃奈「うううううううう」ギューッ

義勇「……!?」

璃奈「ううううううううううううう」ポロポロ

義勇「…………」

璃奈「ばか……あいさんのばかぁ……」ポロポロ

義勇「……そうだな。(天王寺を泣かせた)宮下は本当に馬鹿だ」

璃奈「あ゛い゛さ゛ん゛は゛ばか゛じゃな゛い゛も゛ん゛」ポロポロ

義勇「えっ」

璃奈「あ゛や゛ま゛って゛」グスグス

義勇「す、すまん」ナデナデ

璃奈「さ゛わ゛ら゛な゛い゛で」ポロポロ

義勇「……」グサッ

22: 2020/12/11(金) 00:00:08.11 ID:ZuX3Huf1
義勇「……落ち着いたか」

璃奈「……うん。取り乱してごめんなさい」

義勇「……別にいい」

璃奈「……愛さんは」

義勇「……」

璃奈「私が斬る」

義勇「……本気か?それは……」

璃奈「分かってる……。私が愛さんを〇すんだ。もう覚悟はした」

義勇「……次に会うときは上弦の鬼かもしれないぞ」

璃奈「……上弦の鬼でも、一緒だよ。私にしかやれない。私にやらせて」

義勇「……それなら俺も同行する」

璃奈「……義勇さんは柱だよ。上弦の中でも更に上位の、強い鬼と戦わなくちゃいけない。そうでしょ?」

23: 2020/12/11(金) 00:04:17.02 ID:ZuX3Huf1
義勇「…………すまない」

璃奈「……いいの。愛さんが屋敷から姿を消した頃から、何となくそんな気がしてたの」

義勇「……」

璃奈「愛さんは変わった人だった。鬼とも仲良くしたがってた」

義勇「……俺たちともだ」

璃奈「……うん。愛さんは……皆と友達になりたかったんだね……」

璃奈(でも───)

24: 2020/12/11(金) 00:05:11.76 ID:ZuX3Huf1
───無限城

愛「……ん」

璃奈「……」ザッ

愛「久しぶり、りなりー!」ニコッ

璃奈(瞳に"上弦"そして"伍"の文字)

璃奈「本当に上弦になったんだね、愛さん」

愛「有"言"実行ってね!上"弦"だけに!あははははははは!」

璃奈「……」

26: 2020/12/11(金) 00:12:17.72 ID:ZuX3Huf1
愛「で、答えは変わった?」

璃奈「……変わらない。私は鬼にならない。そして愛さんを斬る」スチャッ

愛「はーあ。……まー、りなりーはそう言うと思ってた!」

璃奈「思ってたなら、どうするの」

愛「んー、わかるでしょ?愛さんもあんまりやりたくないけどさー……」

愛「身体で分からせるしかないよね!」シュババババ!

27: 2020/12/11(金) 00:16:44.63 ID:ZuX3Huf1
璃奈「っ!」サッ

愛「へぇ……今のを避けるなんて、中々やるじゃん?」ブォン

璃奈「……っ!」ササッ

愛「ねぇ!ぎゆーに稽古付けてもらったのかな!妬いちゃうなあ!」

璃奈「……全集中・愛の呼吸」

愛「!」

30: 2020/12/11(金) 00:22:33.66 ID:ZuX3Huf1
璃奈「壱の型!滅乳・強引!」

愛「おぉっ……」ヒョイッ

璃奈「まだまだ……!弍の型……!友愛!」

愛「……はぁ」ヒョイッ

璃奈「……っ!参の型!楽天ッ!」ブォン

愛「うぉううぉう!」パシッ

璃奈「くっ……!」

愛「つかまえた♡」ギュウ

32: 2020/12/11(金) 00:35:20.84 ID:ZuX3Huf1
璃奈「は、離して……!」

愛「んー、やだ♡」ギュウウゥゥゥゥ

璃奈「あがっ……!?あああああああああああああ!!!!!!」ボキボキ……ボキボキ……

愛「あっちゃー!ちょっと力加減ミスったかな?りなりー生きてるー?」

璃奈「はっ……はっ…………」コヒューコヒュー

璃奈「くっ……」プルプル

愛「やめときなって!その身体じゃまともに刀も振れないよ。……鬼になればまた振れるけど!」

璃奈「……っ」ゼェゼェ

33: 2020/12/11(金) 00:39:02.01 ID:ZuX3Huf1
愛「それにさ、りなりーにその呼吸教えたの、たぶん愛さんだよね!」

璃奈「っ!?」

愛「あ、やっぱり?ごめんね、鬼になって結構色々忘れちゃってさー」

璃奈「……そう、なんだ」

愛「ちょっ!そんな悲しそうな顔しないでよー!これから思い出作っていこうよ!りなりーも鬼になってさ!」

璃奈「……」

愛「ね?鬼になろ、りなりー」

34: 2020/12/11(金) 00:43:27.70 ID:ZuX3Huf1
璃奈「……愛さんは」

愛「?」

璃奈「私と初めて会ったときのこと、覚えてる?」

愛「……んー、ごめん、覚えてないや」

璃奈「そう……」

愛「……ごめん」

璃奈「……別にいい。今から話すから」

愛「……りなりー?状況分かってる?愛さんはいつでもりなりーを〇せるんだよ?」

璃奈「……口先だけ。愛さんはそんなことしない」

愛「……」

璃奈「……だって……愛さんはこんな私にも優しくしてくれた……初めての人だったから……」

愛「!」

35: 2020/12/11(金) 00:46:43.60 ID:ZuX3Huf1
璃奈「私……ずっとこんな表情だから……親に疎まれて……皆に避けられてた……」

愛「……」

璃奈「そんな私を屋敷に連れていってくれたのが……愛さんだった」

愛「!」

璃奈「それから愛さんと……義勇さんと過ごす時間は……とても楽しかった……愛さんは……私や義勇さんの気持ち……いつも察してくれた」

愛「……何で今さら、そんな話するのさ」

璃奈「ふふ……ごめんなさい……じゃあ……結論だけ言うね……」

璃奈「愛さん…………好き」チュッ

36: 2020/12/11(金) 00:52:01.89 ID:ZuX3Huf1
愛「……はっ?……んっ♡」

璃奈「……ん……♡ちゅる……んっ……♡」

愛「……んん♡」ビクッ

璃奈「……ぷはあ!」

愛「はあっ♡」ビクッ

愛「……ちょっとりなりー!何接吻かましてくれちゃってんのさ!」

璃奈「……言ったでしょ……愛さんが好きだから……」

愛「っ♡」

璃奈「……この前の別れ際……嫌いって言ってごめんなさい……私……やっぱり愛さんのことが好き……!」

愛「り、りなりー♡」

璃奈「鬼になっても……その気持ちには嘘つけない……から……」

愛「!」

愛「じゃ、じゃあ……りなりーも鬼に……!!」

37: 2020/12/11(金) 00:55:51.28 ID:ZuX3Huf1
璃奈「そうだね……私も……愛さんと一緒が良かった……これからも……ずっと……」

璃奈「でも」

璃奈「私は鬼にならないよ」

38: 2020/12/11(金) 00:56:23.33 ID:ZuX3Huf1
愛「ッッッ!なんでっ!なん……で…………?ぇ??」クラッ

愛(視界が、歪んで……)

愛(これはまさか……毒?でも……毒なんていつ……)

愛(!)

愛(さっきのキスで……)

璃奈「そう、口移ししたんだよ、愛さん」

愛「……どくなんて……いっぱんの……たいいんに……あつかえる……わけない……」

璃奈「……」

39: 2020/12/11(金) 00:59:13.47 ID:ZuX3Huf1
璃奈『……義勇さん。私も覚悟は決まってる。決まってる、けど……私が愛さんを倒すには、正直力が足りないとも思ってる』

義勇『……』

璃奈『だから、色々教えてほしい』

義勇『……天王寺は元々俺の弟子である宮下の弟子だ。俺が教えることは何もない』

璃奈『でもっ!』

義勇『蟲柱の元へ行け』

璃奈『……胡蝶、しのぶさん?』

義勇『……そうだ。奴もまた、覚悟を決めた剣士の1人だ』

璃奈『……!』

義勇『……話は既につけてある。奴から多くを学んでこい』

璃奈『……うん!ありがとう!義勇さん!』

42: 2020/12/11(金) 01:05:22.57 ID:ZuX3Huf1
璃奈「義勇さんのつてでね。毒の扱いをみっちり仕込まれた」

愛「……そっかあ……やっぱり……ぎゆーには……かなわないや……あはは……」ピクピク

璃奈「……」

愛「ねー……りなりー……愛さん……死ぬのかな?」

璃奈「……うん。死ぬよ」

愛「……あははははは!……そっかあ……それは寂しいなあ……」

璃奈「……」

愛「鬼のみんなとも仲良しに……なりたかったんだけどなあ……」

璃奈「……その考え方は……愛さんらしいと思う。すごく」

愛「ははっ……そうでしょ……?」

45: 2020/12/11(金) 01:13:20.40 ID:ZuX3Huf1
璃奈「でも」

璃奈「もっと身近にいる……愛さんのことを想っている人たち……」

愛「!!」

璃奈「……のことを……1番に……考えてほしい」

愛「…………っ」

璃奈「私も……義勇さんも……それに……もっとたくさんの人たち……みんな……愛さんのこと……想ってる……から……」

愛「…………はっ」

愛「はははははははははは!!あははははははははは!!」

愛「そう……だよね……なんでアタシ……こんな簡単なことに……気付けなかったんだろ……」ポロポロ

愛「あ……あれ……アタシ……泣いてるの?どうしちゃったんだろ……あはははははははは……」

璃奈「……」

46: 2020/12/11(金) 01:25:16.91 ID:ZuX3Huf1
愛「はは……愛さんそろそろ消えるみたい……」シュウウウゥ……

愛「……ね、りなりー」

璃奈「……なに?愛さん」

愛「もし……生まれ変わってまた出会えたら……友達になってくれる?」

璃奈「……うん」

愛「ほんとうに……?愛さん……また裏切っちゃうかもよ……?」

璃奈「……そしたらまた止める。ぶん殴ってでも止める」

愛「ははは……そっかあ……それなら……あんしん……だね……」

璃奈「……」

愛「……ふふっ……ありがとう……ばいばい、りなりー…………」シュウウウウウ……

璃奈「……」

璃奈「…………」

璃奈「………………」ポロポロ

璃奈「……ばいばい、愛さん」ポロポロ

48: 2020/12/11(金) 01:41:45.21 ID:ZuX3Huf1
───虹ヶ咲学園

愛「ねーねー!聞いてよりなりー!」

璃奈「なに?愛さん」

愛「この前ねー、すっごくかわいい男の子見つけてね!」

璃奈「……ふーん」

愛「道に迷ってたから愛さんが案内してあげたの!でねでね!別れ際にね!袖をぎゅーって握って!『まだ別れたくない……』って!思わずまた会う約束しちゃったよー!あーもー!ちっちゃい子って何であんなにかわいいんだろー?早く会いたいなー!義一くん!」

璃奈「……ふーん」ムギュウウウウ……

愛「り、りなりー?どしたん?」

璃奈「だって、今私といるのに、その子の話ばっかり……」ギュウウウ

愛「おっ、りなりーやきもちかあー!?心配しなくてもっ!愛さんの1番はりなりーだぞっ♡♡♡」ギュウウウウゥ!

璃奈「はわわわ……璃奈ちゃんボード『てれてれ(///ω///)』『きゅん(♡▽♡)』」

璃奈(『1番』……何気ない言葉なのに……なんだかすごく……心がぽかぽかする……)

璃奈「……私、愛さんの1番になれたよ……」ボソッ

愛「ん?いま何か言った?」

璃奈「……なんでもない」

璃奈「今のはただの、ひとりごと」

50: 2020/12/11(金) 01:42:31.59 ID:ZuX3Huf1
おわり

57: 2020/12/11(金) 02:11:26.84 ID:Pir9JKk7
やるやん、こういうの求めてたんだよ!

58: 2020/12/11(金) 02:12:34.11 ID:pnk1oyXI
いいオチだった

60: 2020/12/11(金) 02:36:29.73 ID:EwHaimmo
軽い気持ちで読んだけど普通に感動したわ

77: 2020/12/11(金) 09:45:50.08 ID:ZW6WDUCG
義勇「えっ」でなんかワロタ

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1607609514/

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