【SS】梨子『葉桜の約束』【ラブライブ!サンシャイン!!】

りこ SS


1: 2020/05/04(月) 22:28:50.08 ID:XQql5eMu
千歌「梨子ちゃん梨子ちゃん!」

千歌「桜が咲き始めたよ!梨子ちゃんの季節だね」

梨子「それって、私の苗字が桜内だから?」

千歌「そそ!まぁ、他にも梨子ちゃんと桜ってぴったりじゃない?」

千歌「綺麗だし!」

梨子「そんなー…でもそんなこともあるかな?」

千歌「………」ジトー

2: 2020/05/04(月) 22:29:39.96 ID:XQql5eMu
梨子「冗談よ!」

千歌「あはは、分かってるよぉ」

千歌「梨子ちゃんは桜好きなの?」

梨子「んー、なんとなく特別に思ってるところはあるんだけれど」

千歌「あるんだけど?」

梨子「私は満開の桜!ってよりは葉桜が好きかな」

千歌「葉桜?葉っぱが好きなの?」

梨子「うん、桜が散り始めてから若葉が芽吹く…」

梨子「桜色の花と新緑の葉混じりがなんだか力強く綺麗に見えるの」

3: 2020/05/04(月) 22:30:17.62 ID:XQql5eMu
千歌「そっかぁ、私はじっくり見たことないなぁ」

梨子「うん、何て言うんだろう…」

梨子「何だか未来とか希望とかそういう明るいものを感じるの」

千歌「じゃあさ、じゃあさ!今度葉桜見にいこう!」

千歌「これから毎年!」

梨子「私が好きでも千歌ちゃんが気にいるかは分からないよ?」

千歌「ううん!きっと好きになる!約束!!」

梨子「うん、約束」

4: 2020/05/04(月) 22:30:52.11 ID:XQql5eMu
鞠莉「…千歌っち…?今…なんて…?」

千歌「私は、みんなと一緒に来年の桜を見ることはできないよ」

果南「嘘だ…千歌…嘘だって…言って…ねぇ、千歌、嘘って言ってよ!」

ダイヤ「おやめなさい!」

ダイヤ「これを伝えるのに千歌さんがどれほどのっ…どれだけの勇気が必要だったか…」

ダイヤ「やめて…ください…お願いだから…」

千歌「ダイヤさん…」

5: 2020/05/04(月) 22:31:18.01 ID:XQql5eMu
善子「千歌…」

千歌「ごめんね善子ちゃん、私リトルデーモンなのに」

善子「…っ、そうよ、まだ契約はぁっ…」

花丸「千歌ちゃん…マルは…マルは、千歌ちゃんに会えなかったら…」

千歌「うん、ルビィちゃんと善子ちゃんを支えてあげてね?」

千歌「ルビィちゃんも!未来のAqoursは任せたからね?」

ルビィ「…ルビィには…ルビィには…そんなのできな…

千歌「ダメだよ?自分で自分を否定したらルビィちゃんがかわいそうだよ?」

千歌「こんな私でもやってこれたから…ルビィちゃんなら必ずできるよ?」

ルビィ「うん、…がんばる…頑張るから…いなくならないで…」

6: 2020/05/04(月) 22:31:40.99 ID:XQql5eMu
千歌「みんな、ごめんね?」

千歌「まだ先のことだから…明日からは私普通に戻るから、頑張れるから」

千歌「もう1度ラブライブで優勝したい」

千歌「みんなと一緒に楽しみたいの」

千歌「私の最後のわがまま聞いてくれる?」

7: 2020/05/04(月) 22:32:13.27 ID:XQql5eMu
千歌「ごめんね、曜ちゃん梨子ちゃん送ってもらって、でも、今日はもう」

曜「うん、大丈夫」

千歌「今日は前まで志満ねぇ来てくれてるから」

梨子「分かった、そこまで送っていくね?」

千歌「大丈夫なのに」

梨子「いいから、曜ちゃんごめん、ここお願いしてもいい?」

曜「うん、梨子ちゃんお願い…」

梨子「ありがとう」

8: 2020/05/04(月) 22:32:37.96 ID:XQql5eMu
梨子「行こっか、千歌ちゃん」

梨子「志満さん校門のところ?」

千歌「うん…」

梨子「あれかな?あの軽トラ」

千歌「そだね…」

千歌「梨子ちゃんここで…大丈夫…」

梨子「…分かった、気をつけてね?」

千歌「ありがと…」

9: 2020/05/04(月) 22:33:10.32 ID:XQql5eMu
志満「もう…大丈夫?」

千歌「うん、ありがとう」

志満「よく頑張ったね」

千歌「う…んっ…ぅ…うわぁぁぁん…いやだよ…私っ…まだまだ…もっとみんなと…」

志満「……」ギュ

千歌「今日だけ…今日だけっだからっ…明日からはっ…!」

志満「私達にはいつでも頼ってもいいからね?家族なんだから」

千歌「ありがと…わたしっ…」

志満「うん…うん…」

10: 2020/05/04(月) 22:33:38.49 ID:XQql5eMu
美渡「志満ねぇおかえり」

美渡「千歌は?」

志満「しー…泣き疲れて眠っちゃったみたい」

美渡「そっか…」

美渡「なぁ、神様…なんで千歌なんだ?」

美渡「せっかく本気で走り出して、これからももっともっと…」

志満「美渡ちゃん…千歌ちゃんに怒られちゃうよ?」

志満「自分じゃない誰かに押しつけられたとしても、千歌ちゃんはそんなこと望まない…でしょ?」

美渡「うん…」

志満「さぁ、夕食の準備始めましょう?」

志満「美渡ちゃんはお父さん呼んできて?千歌ちゃん運んでもらわないと」

11: 2020/05/04(月) 22:35:48.03 ID:XQql5eMu
千歌「梨子ちゃん梨子ちゃん!明日楽しみだね!」

梨子「もうっ!いくら4月になって暖かくなってきたって言っても、お風呂上がりに顔出したら身体冷えちゃうでしょ?」

千歌「大丈夫だよー」

梨子「そんな調子で明日風邪ひいちゃった!とか言わないでよ?」

梨子「明日いっぱいお話しできるんだから今日は早く寝よう?」

千歌「はーい!」

梨子「明日朝迎えにいくから、昼食一緒に作ってそれから出かけようか?」

千歌「さんせーい!」

12: 2020/05/04(月) 22:36:09.25 ID:XQql5eMu
千歌「梨子ちゃんの料理楽しみだなぁ」

梨子「千歌ちゃんも作るの!」

千歌「ですよねー…」

梨子「じゃ、もう寝ようか?おやすみなさい」

千歌「おやすみー!」

梨子「おやすみなさい…か」

梨子「あと何回…」

梨子「おやすみ…千歌ちゃん」

13: 2020/05/04(月) 22:36:40.60 ID:XQql5eMu
千歌「いってきまーす!」

志満「いってらっしゃい」

美渡「ちゃんと梨子ちゃんの言うこと聞くんだぞー」

千歌「もうっ!私子どもじゃないよ!」

梨子「ふふ、いってきます!」

千歌「もうっ!美渡ねぇはいっつも私のこと子ども扱いするんだから!」

梨子「まぁまぁ、千歌ちゃんそんなプリプリしないで」

梨子「志満さんも美渡さんも千歌ちゃんのことが可愛いんだよ」

梨子「親からすれば子どもはいつまで経っても子どもって言うじゃない」

梨子「妹も同じようなものなんじゃない?」

14: 2020/05/04(月) 22:37:22.76 ID:XQql5eMu
千歌「むぅ…まぁ、私も、やっぱりお姉ちゃんはいつでもお姉ちゃんだけど…」

千歌「てか、梨子ちゃん一人っ子じゃん!」

梨子「私だって手のかかる家族が5人もいるんだもん」

梨子「頼れる先輩達はいなくなったんだから、私がしっかりしないとね?」

千歌「えー、梨子ちゃんが長女?」

千歌「Aqoursの長女は私だよ!」

梨子「千歌ちゃんが長女はないかなー」

千歌「なんだとぅ」

千歌「それより!梨子ちゃんAqoursのこと家族って!」

15: 2020/05/04(月) 22:37:53.54 ID:XQql5eMu
梨子「なによ」

千歌「ううん!なんでもー?」

梨子「いいじゃない!それほどに身近な存在になっちゃったの!」

梨子「ずっとあったような、一緒にいたような、そんな感じに」

千歌「私も!私も!」

千歌「ね?やってよかったでしょ?」

梨子「そうだね」

梨子「もし…」

千歌「もし?」

16: 2020/05/04(月) 22:38:30.28 ID:XQql5eMu
梨子「もし私が、例えばこっちに来た春が違っていたら…もし、ピアノに向き合えていたら…」

梨子「こんなに楽しくて、幸せな時間はなかったのかな(…それと…こんなにも悲しい時間も…)」

梨子「…千歌ちゃんともAqoursのみんなともすれ違ってたのかな?今日も明日も…」

千歌「そんなことない!そんなことないよ梨子ちゃん!」

梨子「千歌ちゃん?」

千歌「梨子ちゃん言ってたでしょ?この世に偶然なんてないんじゃないかって」

17: 2020/05/04(月) 22:39:06.21 ID:XQql5eMu
千歌「もし!もし仮に!梨子ちゃんが1年早くたって、遅くたって!きっと私は梨子ちゃんのことしつこく誘ってたよ?」

千歌「ずっとピアノ続けてても!もーっとしつこく勧誘してたかも!」

梨子「ふふ、あれ以上はもうこりごりね」

千歌「でしょ?だから今の梨子ちゃんラッキーだったんだよ」

千歌「違った道の梨子ちゃんはもっと疲れてたよきっと」

梨子「そうだね…私、運がよかったみたい!」

18: 2020/05/04(月) 22:39:34.64 ID:XQql5eMu
梨子「さ、着いたよ?」

梨子「どうかな?私はこの桜が好きなんだけど…」

千歌「うん…なんだろう…」

千歌「なんだか力強くて…暖かい…」

千歌「儚いイメージの桜からこんなにも強さを感じたのは初めてかも」

千歌「梨子ちゃんが好きって言ってたの、わかる」

梨子「気にいってもらえてよかった」

梨子「こんな時期に桜を見る人も少ないから、今日は貸し切りだね」

19: 2020/05/04(月) 22:51:29.42 ID:XQql5eMu
千歌「ポカポカで気持ちもいいし!景色もいいし!」

千歌「梨子ちゃんと作った昼食も美味しいだろうなぁ」

梨子「そうだね、この辺に座ってお昼にしようか」

千歌「わーい!」

千歌「早速食べよー!」

梨子「こら!その前にちゃんと手を拭いて」

千歌「はーい…さすがAqoursの自称お姉ちゃん」

梨子「はいはい、他称Aqoursの妹ちゃんはきちんと言うこと聞いてえらいねー」

千歌「なんだか扱いが園児ぐらいまで下がってない?」

梨子「気のせい気のせい」

20: 2020/05/04(月) 22:52:12.70 ID:XQql5eMu
千歌「ま、いいか」

千歌「美味しそう!」

梨子「今朝一緒に作ったんだから一度見てるじゃない」

千歌「チ・チ・チ、桜内くん、君はなにも分かってないね!」

梨子「はぁ…面倒くさいの始まっちゃった」

千歌「いい天気!歩いたから多少の運動の後!美味しそうなご飯!隣に美人!」

千歌「さぁ、君が今言うことは?」

梨子「美味しそう!」

千歌「よし!」

梨子「は!」

千歌「美人が効いたか!」

21: 2020/05/04(月) 22:52:45.25 ID:XQql5eMu
梨子「はいはい、茶番はおしまい!」

千歌「そうだね、せーの!」

千歌・梨子「いただきます!」

千歌「うん!やっぱり梨子ちゃんの作るタマゴサンドは絶品だなぁ」

梨子「ふふ、ありがと!」

千歌「毎日でも食べたい!毎日作って?」

梨子「なぁに、千歌ちゃんプロポーズ?」

千歌「へ?…あぁ…いや…あのー…」

梨子「くすくす、千歌ちゃん顔赤くなってる」

千歌「梨子ちゃんはそうやってすぐからかうんだから!」

梨子「ごめんごめん、千歌ちゃんが作ったのも美味しいよ?」

千歌「本当?ありがとう」

22: 2020/05/04(月) 22:53:14.66 ID:XQql5eMu
千歌・梨子「ごちそうさまでした!」

千歌「梨子ちゃん散歩でもしよう?」

梨子「そうだね」

千歌「梨子ちゃん梨子ちゃん見ててね!」

千歌「えい!」

千歌「7回…まぁまぁかな」

梨子「すごい!私やったことないんだよね」

23: 2020/05/04(月) 22:53:50.54 ID:XQql5eMu
千歌「本当に!もったいない!一時期曜ちゃんと果南ちゃんと練習してたんだよね」

千歌「内浦の水切りチャンピオンは果南ちゃんだよ」

千歌「私、10回超えたこと1度しかないのに、果南ちゃん安定して10近くできるんだよねぇ」

千歌「梨子ちゃん!果南ちゃんに挑んでみよう!」

千歌「私が鍛えてあげる!」

梨子「えぇ、千歌ちゃん果南ちゃんに勝てないんでしょ?」

24: 2020/05/04(月) 22:54:11.45 ID:XQql5eMu
千歌「きっと教える力がすごいんだよ!」

梨子「ほんとかなぁ」

千歌「とにかく1度やってみようよ!」

梨子「えーっと、えいっ!」

梨子「跳ねない…」

千歌「初めてだもん!そんなもんだよ!」

千歌「水切りのコツはね?…」

25: 2020/05/04(月) 22:54:39.25 ID:XQql5eMu
千歌「あぁ、失敗しちゃったぁ…」

梨子「んー!えい!」

梨子「やったやった千歌ちゃんに勝てた!」

千歌「悔しいー」

梨子「他全部私の負けだったんだけどね」

千歌「梨子ちゃんもだいぶ上手になったよね」

梨子「千歌師匠のご指導のおかげかな?」

千歌「梨子よ…もう私から教えることは何も無い…」

26: 2020/05/04(月) 22:55:08.33 ID:XQql5eMu
千歌・梨子「クスッ、あははは」

梨子「もうこんな時間だね」

梨子「お昼の場所戻って、ちょっとだけ葉桜を見て帰ろうか?」

千歌「えー、もうそんな時間?」

梨子「さぁさぁ、早く行こう?」

千歌「はーい!」

27: 2020/05/04(月) 22:55:33.05 ID:XQql5eMu
千歌「楽しい時間はあっという間だね」

千歌「24時間は誰しも平等なはずなのに…」

梨子「千歌ちゃん?」

千歌「ううん、桜綺麗だね」

千歌「今まで見た中で一番だ」

梨子「…千歌ちゃん…あのね…」

千歌「さ、そろそろ帰ろうか?」

梨子「千歌ちゃん!」

千歌「…っ」

28: 2020/05/04(月) 22:55:51.15 ID:XQql5eMu
梨子「わがまま…言ってもいい?」

千歌「いやだ」

梨子「千歌ちゃんもわがまま言ったでしょ?」

千歌「私が自分勝手なだけ」

梨子「ね、こっち向いて?」

千歌「みんな、自分勝手でわがままだ」

千歌「私、怒ってるんだよ?でも怒れないよ…」

千歌「みんな私を信じてくれてる」

29: 2020/05/04(月) 22:56:10.29 ID:XQql5eMu
千歌「じゃあ、鞠莉ちゃん、果南ちゃん、ダイヤちゃん!」

千歌「いってらっしゃい!」

千歌「今度の夏のラブライブ見に来てね!」

千歌「絶対優勝するから!」

30: 2020/05/04(月) 22:56:46.07 ID:XQql5eMu
千歌「あれ?鞠莉ちゃん?果南ちゃんにダイヤちゃんも!」

千歌「どうしたの?今朝みんなで見送ったのに!」

果南「んー、千歌に言いたいことがあったんだけど…」

ダイヤ「私もですわ」

ダイヤ「そう思い来てみれば、バッタリと」

鞠莉「以心伝心telepathyでーす!」

果南「ま、単刀直入に言うと、私たちはラブライブを見に行かない」

千歌「え?え?どうして?」

千歌「やっぱり新しい生活始まってすぐは難しい?」

ダイヤ「そういうことではありませんわ」

ダイヤ「大切な仲間の晴れ舞台です、何があっても応援に駆けつけたい、そう思っています」

千歌「なら!どうして?」

31: 2020/05/04(月) 22:57:19.79 ID:XQql5eMu
鞠莉「私たちは春のラブライブの応援に行きます」

鞠莉「そこで6人のAqoursのベストパフォーマンスを見せてください」

千歌「なんで…なんでそんな意地悪言うの…?」

千歌「私はっ…私はっ…その時にはっ…!」

鞠莉「可能性は0ではないのでしょう?」

ダイヤ「0からこんなにも輝いている千歌さんならきっと」

果南「信じてるよ、千歌」

果南「これが私たちのわがまま、たまにはいいでしょ?」

千歌「…っ…うん…」

果南「ほら、3人とも時間ずらしたからもうちょっと、大丈夫」

果南「おいで、千歌」

千歌「果南ちゃん…っ、鞠莉ちゃんもダイヤちゃんも…ありがとう…」

32: 2020/05/04(月) 22:57:48.46 ID:XQql5eMu
ルビィ「千歌ちゃん!」

ルビィ「ルビィたちは千歌ちゃんたちに勝負を挑みます!」

千歌「ルビィちゃん?」

花丸「マルたち、3人で話し合ったずら」

善子「我らは、かの約束の地での決戦は貴女たちとは別部隊で戦うと」

千歌「ん?」

花丸「善子ちゃん伝わらないずら」

善子「なんでよ!てかヨハネ!」

ルビィ「次のラブライブ出場をかけて勝負です!」

ルビィ「ルビィたちは3人で予選に出場します!」

33: 2020/05/04(月) 22:58:19.44 ID:XQql5eMu
千歌「え?どうして?Aqoursで出てくれないの?」

千歌「いなくなるかもしれないリーダーじゃ不安…?」

ルビィ・花丸・善子「そんなわけない!」

ルビィ「千歌ちゃんがいないと…曜ちゃんも梨子ちゃんも…」

ルビィ「3人だけはとっても不安で仕方ない!」

千歌「それならっ…」

善子「千歌、次でおしまいみたいに言うんだもの」

善子「ラブライブはもう1度あるでしょ?」

花丸「本当はAqoursで出たいけど、千歌ちゃんたちと歌いたいけど」

善子「私たちAqours6人はもう1度あのステージに堕天できると」

ルビィ「信じてるから!千歌ちゃんを!」

千歌「ルビィちゃん…花丸ちゃん…善子ちゃん…」

千歌「ありがとう…」

千歌「私たちルビィちゃんたちに負けないから!」

34: 2020/05/04(月) 22:58:53.22 ID:XQql5eMu
千歌「みんな…自分勝手で、わがままで…」

梨子「みんな千歌ちゃんが大好きだから、千歌ちゃんなら…って信じてる」

梨子「もちろん、私も」

梨子「ねぇ、千歌ちゃん」

梨子「確認」

千歌「確認?」

梨子「うん、毎年一緒に見てくれるんでしょ?」

梨子「来年また同じ日に同じ場所でこの葉桜を見よう」

梨子「これは千歌ちゃんが言い出したんだよ?約束、守ってね?」

千歌「梨子ちゃん…」

梨子「だって…桜の花がひとひらふたひら舞い散るような」

梨子「たったそれだけの時間、そう思っちゃうような」

梨子「まるで夢のような……そんな時間」

35: 2020/05/04(月) 22:59:29.97 ID:XQql5eMu
梨子「太陽が輝き続けて、これは夢じゃないよ!って教えてくれないと」

千歌「みんな意地悪」

千歌「残された時間なんて、あとわずかなのに…」

千歌「みんなが信じてくれているように、私だって私を信じたい…」

千歌「私後悔しないように頑張ろうって思ってたのに」

梨子「後悔は未来に作用するんだよ?」

梨子「いいじゃない、一緒に後悔して、未来で取り返して、また後悔するの」

梨子「パーフェクトなんてつまらないでしょ?私たちはもっともっとやれるって、そう信じて」

梨子「そして未来で過去を振り返って、私たちは言うの、楽しかったねって、幸せだったねって」

梨子「幸せを見つめて、また新しく進んでいくの」

36: 2020/05/04(月) 23:00:04.82 ID:XQql5eMu
千歌「いいの?私後悔しても、みんな許してくれる?」

梨子「みんな、千歌ちゃんが全力で走ってることは知ってるよ」

梨子「Aqoursはみんな千歌ちゃんの暖かい光で照らされてきたから」

梨子「だから、みんな今度は私たちの番だって」

梨子「千歌ちゃんの言葉に暗れ惑うことはなかった、強くなれた」

千歌「私も…強く…なれるかな?」

千歌「葉桜みたいに力強く、未来や希望を持っていいのかな?」

梨子「はい、千歌ちゃん」

千歌「梨子ちゃん…?」

梨子「未来を超えた、希望の約束」

梨子「指切りしよう?」

37: 2020/05/04(月) 23:00:36.52 ID:XQql5eMu
千歌「すっかり遅くなっちゃったねー」

梨子「志満さん怒ってないかな?」

千歌「連絡はしてるから…大丈夫だとは思う…」

千歌「もしもの時は梨子ちゃんも一緒に怒られてね?」

梨子「うぅ…よし、開けよう」

千歌「ただいまー」

志満「お帰りなさい、千歌ちゃん、梨子ちゃんも」

梨子「はい、ただいま戻りました」

38: 2020/05/04(月) 23:00:55.45 ID:XQql5eMu
志満「桜は綺麗だった?」

千歌「とっても綺麗だったよ!梨子ちゃんの言うことがわかった気がするの」

千歌「力をもらってきた!」

志満「それはよかった!でも次からはもう少し早く帰ってきてね?」

千歌・梨子「はい、気をつけます」

梨子「じゃ、千歌ちゃん、ありがとう、今日は楽しかった、またね?」

千歌「うん!ありがとう!バイバイ!」

千歌「ありがとう…私、前を向けたよ…」

39: 2020/05/04(月) 23:01:30.89 ID:XQql5eMu
梨子「これ、すごいですね」

美渡「父さんが入り口に飾っておけって」

美渡「3つもあれば邪魔だと思うんだけど…」

美渡「梨子ちゃんと曜ちゃんで1つずつ持っていく?」

梨子「3つとも千歌ちゃんがいなければきっとなかったから」

梨子「みんな千歌ちゃんが持っていて欲しいって」

梨子「私、そろそろ行きますね?」

美渡「こんな天気だしやめておいたらいいのに」

梨子「約束、なので」

梨子「いってきます」

40: 2020/05/04(月) 23:02:03.06 ID:XQql5eMu
梨子「今日は予報通り雨、千歌ちゃん約束の日になっちゃった」

梨子「今年も葉桜がきれいだよ」

梨子「雨が葉を濡らしていく、桜が散っていく…」

梨子「太陽を覆い隠して降る雨、桜流し…嫌な天気だなぁ…」

梨子「桜は太陽を夢に見て、太陽に恋をした」

梨子「今までもこれからも」

梨子「葉桜の約束は未来への希望…だから…」

梨子「きっと、この雨は桜雨なんかじゃなく、夜を拒む遣らずの雨」

梨子「ねぇ、千歌ちゃん、私、千歌ちゃんと出会えて幸せだったよ」

41: 2020/05/04(月) 23:02:37.87 ID:XQql5eMu
おしまい!

もしかしたら曜ちゃん編も書くかも
過去分も見て頂けると喜びます。
ついったーにまとめてます。
@fffssyou

44: 2020/05/07(木) 04:10:07.39 ID:Vqw5Rrgp
この千歌ちゃんには生きてほしい……
曜ちゃん編も期待

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1588598930/

【SS】曜『夜凪に消え行く』【ラブライブ!サンシャイン!!】
曜「なんだ、夜になってもうるさいのは変わらないじゃん」 曜「暗くなっても変わらない」 曜「うるさい」 曜「ずっと…ずっと頭の中に、心に」 曜「何度も何度も押し寄せる」
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