【SS】侑「七夕の約束」【ラブライブ!虹ヶ咲】

ゆうぽむ SS


1: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:16:54.76 ID:KZbAdCzF
あゆむ『ひぐっ、ぐすっ…』シクシク

ゆう『あ、あゆむちゃん、泣かないでよ』オロオロ

あゆむ『だって…可哀想だよ…1年に1回しか会えないなんて』

ゆう『あゆむちゃん…』

2: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:18:19.48 ID:KZbAdCzF
あゆむ『おりひめさんも、ひこぼしさんも、お互いのことが大好きなのに、どうしてずっと会えないの?』


ゆう『でも、ふたりはお互いのことが好きだから、きっと離れ離れになっても大丈夫だよ』

ゆう『だから、あゆむちゃんも泣かないで?』


あゆむ『大丈夫じゃないよ』グス

ゆう『あゆむちゃん…?』

あゆむ『だって、わたしはゆうちゃんと離れたくないもん』

あゆむ『もしわたしが、ゆうちゃんと1年に1回しか会えなくなっちゃったら、わたし、無理だよ』

あゆむ『きっと、寂しくて、悲しくて、ずっと泣いちゃうよ』

4: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:19:56.23 ID:KZbAdCzF
あゆむ『だから…』

ゆう『大丈夫だよ』ギュ

あゆむ『ゆう、ちゃん?』

ゆう『わたしはいつだって、あゆむちゃんのとなりに居るよ』ナデナデ

あゆむ『…ほんとうに?』

ゆう『ほんとうだよ』ニコ


ゆう『あ!そうだ!』

あゆむ『ゆうちゃん?』

5: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:21:57.03 ID:KZbAdCzF
ゆう『七夕の日は、わたしとあゆむちゃんがずっと一緒にいればいいんだよ!』


あゆむ『それって、どうするの?』

ゆう『わたしがあゆむちゃんを起こしにいって、それでごはんも一緒に食べて、一緒にお風呂にはいって、同じベッドで寝るの!』

ゆう『そしたら、あゆむちゃんも寂しくないでしょ?』

あゆむ『う、うん!』


ゆう『やくそくだよ?七夕の日は、わたしが絶対あゆむちゃんをむかえにいくから!』

あゆむ『うん!やくそくだよ!わたしも、ゆうちゃんのこと、ずっとまってるから!』


================

6: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:24:25.07 ID:KZbAdCzF
~7月7日~


チュンチュン


歩夢「……」


コンコン


歩夢「…!」パアァァ


ガチャ


侑「おはよう、歩夢」ニコ

歩夢「おはよう、侑ちゃん」ニコ


侑「今年こそは私が歩夢を起こそうと思ってたけど…

侑「早起きだよねぇ、歩夢」

侑「…あ、カーテン開けるね?」シャー

歩夢「ん、ありがとう。

歩夢「…いつもは私が侑ちゃんを起こしてるから、早く起きるのが習慣になってるんだと思う」

7: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:28:30.68 ID:KZbAdCzF
歩夢「それに…」

侑「それに?」

歩夢「…ううん。なんでもない」


歩夢(侑ちゃんが来てくれるのが待ち遠しくて、目が覚めちゃうの)

歩夢(…なんて、恥ずかしくて、そんな事は言えないけど)


侑「そっか。…あ、朝ごはんの支度は私がするね。だから、歩夢はもう少しゆっくりしてなよ」

歩夢「う、うん」


歩夢(小さい頃の約束。七夕の日は2人でずっと一緒にいるというもの)

歩夢(侑ちゃんが私を起こしに来て、ご飯を一緒に食べて、お泊りして…)

歩夢(一日中ずっと一緒にいるというこの約束を、私たちが破った事は一度も無い)

8: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:31:57.36 ID:KZbAdCzF
歩夢(それは、高校三年生になっても変わる事無く…なんて事は、きっと無くて)チラ



《7月7日!児童館で七夕ライブ!!》



歩夢「侑ちゃん…」

歩夢(1年とちょっと前、私はスクールアイドルになった)

歩夢(そして、侑ちゃんはそんな私を応援してくれて…)

歩夢(やがて、私と侑ちゃんにはそれぞれ違う夢が出来た)

歩夢(私はそれが怖かった)

歩夢(私が侑ちゃんから離れちゃう事が、侑ちゃんが私から離れちゃう事が、怖かった)

歩夢(離れ離れになって、会える時間も殆ど無くなって…こんな日だからかな?まるで彦星と織姫みたいだと思った)


ガチャ


侑「歩夢。ごはん出来たよ」

歩夢「うん。今行くね」ニコ


歩夢(小さな頃の私は、物理的な繋がりだけが大事だと思っていて、愛し合う2人が離れ離れになるのを可哀想だと思っていたんだ)

歩夢(今の私は、どう思っているんだろう?)

10: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:36:44.30 ID:KZbAdCzF
――――――


歩夢「ほら、座って?侑ちゃん。髪の毛結んであげるね」

侑「ん」


侑「はぁ…」

歩夢「もう、そんなにガッカリしないの。今日は侑ちゃんにとっても大事な日でしょ?」

侑「そうだけどさ…」


侑「観たかったな…歩夢たちのライブ」

歩夢「今日は音楽科の大事な発表があるんでしょ?」

歩夢「私たちの事を考えてくれるのは嬉しいけど、侑ちゃんはちゃんと自分の夢も大事にして?」


侑「自分の夢…かぁ」

11: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:39:30.66 ID:KZbAdCzF
侑「ねぇ歩夢」

歩夢「なぁに?侑ちゃん」

侑「歩夢はさ、私の夢と、私たちの約束と、どっちが大事だと思ってる?」


歩夢「…比べるようなものじゃないでしょ。私にとっては、どっちも大切だよ」

侑「…そっか」


歩夢「…よしっ、と。侑ちゃん、出来たよ」

侑「ん、ありがと歩夢」

侑「うーん、歩夢が結んでくれると、いつもより綺麗に見えるなぁ」

歩夢「そうかな?それなら嬉しいな。今日は大事な日だもん」


侑(…それって、どっちの意味?)


歩夢「侑ちゃん?」

12: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:41:36.60 ID:KZbAdCzF
侑「ちょっと考え事。これから毎日歩夢に髪を結んでもらおうかなって」

歩夢「何それ…それじゃあ、侑ちゃんも毎日早起きしないとね?」クス


侑「…うん」

歩夢「侑ちゃん?」


侑「…何でもない!行こっか、歩夢」

歩夢「う、うん」


歩夢(それから侑ちゃんは何かを考え込むように黙り込んでしまった)

歩夢(私と話してる時も、何かを考えてるようで、どうにも会話が弾まなかった)

歩夢(やっぱり、今日の発表会の事が不安なのかな?)

13: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:44:13.45 ID:KZbAdCzF
――――――

侑「それじゃあ歩夢、また後で」

歩夢「うん…あ、これ、侑ちゃんの分のお弁当だけど…」ゴソゴソ

歩夢「お昼、一緒に食べられそうかな?」


侑「あー…ごめん。今日はちょっと…無理、かも」

歩夢「…そっか」


侑「本当にごめん!今日は私たちにとって大切な日なのに…」

侑「これじゃあ約束を破るみたいになっちゃうけど、でも、私は歩夢のこと」

歩夢「大丈夫だよ、侑ちゃん」

侑「歩夢…でも」

14: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:46:17.46 ID:KZbAdCzF
歩夢「だって侑ちゃん、約束通りに私のことを迎えに来てくれたでしょ?」

歩夢「それに、侑ちゃんが作ってくれた朝ごはんも、とっても美味しかったよ」

歩夢「だから、私は大丈夫だよ。侑ちゃんの気持ちは、ちゃんと伝わってるから」


侑「私は…」

歩夢「それにね侑ちゃん。七夕には、彦星と織姫が年に一度会える以外にも、特別な意味があるでしょ?」

侑「あ…」


歩夢「お星様に、叶えたい願いをお祈りする日」

歩夢「だから、私は願うよ」ス…

歩夢「侑ちゃんが、発表会で成功しますようにって」ギュ

15: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:49:07.82 ID:KZbAdCzF
侑「歩夢…」

侑「…ありがとう。歩夢」

侑「私も、願うよ」


侑「歩夢の、みんなのライブが成功しますように」ギュ


歩夢「侑ちゃん…!」


侑「それじゃあ歩夢」


侑「行ってくるね」ニコ


歩夢「うん」


歩夢「行ってらっしゃい」


歩夢「侑ちゃん」ニコ

17: (はんぺん) 2021/07/07(水) 15:56:51.11 ID:KZbAdCzF
歩夢(愛し合う2人が離れ離れになる事も、1年に1回しか会えないという事も、とても寂しくて悲しくて)

歩夢(もしも私はそんな立場になったら?)

歩夢(侑ちゃんと1年に1回しか会えないなんて言われたら?)

歩夢(きっと私は寂しくて泣いちゃうと思う)


歩夢(それでも)

歩夢(彦星と織姫は互いを想いあっていて、信じていて)

歩夢(だから、大丈夫なんだと思う。どれだけ離れていても、心が繋がっているから)

19: (はんぺん) 2021/07/07(水) 16:03:24.87 ID:KZbAdCzF
歩夢「頑張ってね。侑ちゃん」

歩夢(だから、私も大丈夫)

歩夢「私自身の為に」

歩夢(私も侑ちゃんも夢を追いかけ続ける限り、きっと、ずっと繋がっているのだから)

歩夢「みんなの為に」

歩夢(大切なものも、叶えたい夢も、どれだけ増えても私たちはお互いを想い合っているから)

歩夢「あなかの為に」

歩夢(七夕の日に寂しくて泣いちゃう私は、もうどこにも居ない)

歩夢「私も、頑張るよ」

24: (はんぺん) 2021/07/07(水) 16:18:29.90 ID:KZbAdCzF
――――――

侑「お疲れ様、歩夢」ニコ

歩夢「お疲れ様、侑ちゃん」ニコ


歩夢「発表会、どうだった?」

侑「手ごたえはあったかな。先生たちにも…一応は褒められたし」


侑「でも、そっちのライブは良かったみたいだね」

侑「かすみちゃんたちが喜んでたよ?ほら、これ」ス…

歩夢「わぁ、皆からのLINEがこんなに…」

侑「でも、歩夢からはライブの事については何もなかったからさ、ちょっと不安だったんだよね」


侑「もしかしたら歩夢、何か失敗しちゃったんじゃないかって」

25: (はんぺん) 2021/07/07(水) 16:21:17.48 ID:KZbAdCzF
歩夢「それは…今日は、ライブの後に侑ちゃんと一緒にいられるでしょ?」

歩夢「だから、ライブの事はその時に伝えたかった」

歩夢「メッセージだけじゃ伝えきれないから、会って、2人きりの時にゆっくり伝えたかったの」

歩夢「今日は…私たちにとって特別な日だから」

侑「歩夢…」


侑「特別な日、か…」

歩夢「侑ちゃん?」


侑「…ねえ歩夢」

侑「晩ごはん食べたらさ、ちょっと2人で行きたいところがあるんだけど…」

侑「ごめんね?ライブの後で疲れてるのに」


侑「…いい、かな?」

歩夢「う、うん。私は大丈夫だよ」


侑「…ありがとう、歩夢」

侑「それじゃあ、帰ろっか」ニコ

歩夢「うんっ」ニコ

27: (はんぺん) 2021/07/07(水) 16:25:06.48 ID:KZbAdCzF
一旦ここまでです!
続きは夜に更新します。

36: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:14:30.96 ID:KZbAdCzF
――――――

歩夢「それでね?そしたらいきなりかすみちゃんが…」

侑「あはは、かすみちゃんらしいね!」


歩夢(2人で晩ごはんの支度をしながら、私は今日のライブの事を沢山話した)

歩夢(璃奈ちゃんの発明で天の川が児童館の天井に映し出されて、それが大好評だった事)

歩夢(しずくちゃん考案の七夕演劇に魅入る余り、感動で泣いちゃう子どもがいた事)

歩夢(そんな子どもたちも、愛ちゃんのライブが始まるとすぐにみんな笑顔になっちゃってた事)

歩夢(かすみちゃんが秘密で持ってきた、『子どもウケ間違いナシコッペパン』がウケ過ぎて一瞬で完売してた事)

歩夢(せつ菜ちゃんのステージは、子どもたちだけじゃなくてそこにいた人皆が魅了されるぐらい凄かった事)

歩夢(本当に、沢山の事があった)

37: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:15:39.02 ID:KZbAdCzF
侑「うぅ…やっぱり私も観たかったなぁ…」

歩夢「次はきっと、侑ちゃんも観れるよ」クス

侑「だといいけど…って歩夢!」

歩夢「わ、わぁ!?急にどうしたの?」

侑「肝心の歩夢の事が聞けてないよ!」

侑「今日のライブ、歩夢はどうだったのさ!?」

歩夢「わ、私は…」

歩夢「…言わなきゃ駄目、かな?」

侑「…別に。言いたくないなら無理には言わなくてもいいよ」

侑「歩夢の事何も聞けないのはちょっと寂しいけどね」アハハ

歩夢「無理、とかじゃないんだけど…」

歩夢「ちょっと恥ずかしい、というか…」

38: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:17:35.50 ID:KZbAdCzF
歩夢「あのね。彦星と織姫が1年に1回しか会えないのは寂しいって言ってる子どもがいたんだ」

侑「っ!それって」

歩夢「うん。まるで少し前までの私みたいで…」


歩夢「だから私は、そんな子どもたちの為に歌ったの」

歩夢「二人がお互いを想い会っていれば、離れ離れになっても大丈夫だって」


侑「歩夢…」

歩夢「お互いに想い合う気持ちがあって、それぞれが自分の夢の為に頑張れるなら、きっと大丈夫だって」

歩夢「私は、それを伝える為に歌ったの」

歩夢「この空の向こうの、彦星と織姫にも届くような歌を」


歩夢「二人が、幸せでいられますようにって」

39: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:19:24.86 ID:KZbAdCzF
侑「…そっか」


歩夢「侑ちゃん?」


侑「頑張ったんだね、歩夢」ニコ

侑「凄いよ、歩夢は。本当に凄いと思うよ」ナデナデ

歩夢「っ!ゆう、ちゃん」

侑「お疲れ様、歩夢」ナデナデ


歩夢「…うん」


歩夢「ありがとう、侑ちゃん」

40: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:22:22.01 ID:KZbAdCzF
~間~

歩夢「ねぇ侑ちゃん、2人で行きたいところって、どこなの?」

侑「えーっと…うん、もう少しで着くよ」

歩夢「…うん」


歩夢(侑ちゃん、さっきからあまり喋ってくれない…)

歩夢(それに、私と目も合わせてくれないし、ちょっと顔も強張っているような…)

歩夢(朝の登校中の時みたいな、何かを考えてるような感じ?)



侑「…着いたよ、歩夢」

歩夢「あ、うん…」


歩夢「わぁ…!」

41: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:25:01.07 ID:KZbAdCzF
歩夢(侑ちゃんに連れて行かれて来た場所は、周りが緑に囲まれていて、それでいて星空がよく見えるような、そんな場所)

歩夢(夜の空には、沢山の星が煌めいていた)


歩夢「綺麗…」


侑「ここは夜になると星がよく見えるって聞いてさ」

侑「だから、この日にこの星空を歩夢と一緒に見たかったんだ」

侑「今日は、私たちにとって特別な日、だから」


歩夢「うん…ありがとう、侑ちゃん」

歩夢「こんな綺麗な景色を侑ちゃんと一緒に見られて、嬉しいな」ニコ


侑「うん…私も、嬉しいよ。歩夢」ニコ…

歩夢「侑ちゃん?」

42: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:27:36.80 ID:KZbAdCzF
侑「…本当はね、ここに来たかった理由は、もう一つあるんだ」


歩夢「そう、なの?」


侑「うん。…あのね、私、ずっと前から、歩夢に伝えたかった事があるの」


侑「…その為に、色々準備もして来たんだけどさ」

侑「でも、中々自分に自信が持てなくて」

侑「それだから、覚悟も決まらなくて」

43: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:29:27.31 ID:KZbAdCzF
侑「…ねぇ歩夢。覚えてる?歩夢が、スクールアイドルを始めた時のこと」


歩夢「…うん。よく、覚えてるよ。」

歩夢「忘れる訳が無いよ。私にとって、凄く大事な思い出だもの」


侑「私ね、あの時、歩夢が夢を追いかけてくれたから、自分の夢を見つける事が出来たんだよ?」


侑「それだけじゃない。最初のスクールアイドルフェスティバルの時もだよ」

侑「雨が降ってきて、ステージがどんどん中止になっちゃって、そんな時に私は何も出来なかった」

侑「…ただ過ぎていく時間を眺めて、予定表の出来なくなったステージを塗り潰して」

45: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:32:20.64 ID:KZbAdCzF
侑「でもさ、歩夢は、信じてたよね」

侑「また、ステージに上がれるって。まだ終わりじゃないって」

侑「あの時の歩夢の言葉のお陰で、私は自分に自信が持てたんだよ?」


侑「…いつだって歩夢は、私に勇気をくれた」

侑「私が臆病になって立ち止まった時に、私の手を引っ張ってくれた」


侑「…私に、前に進む力をくれた」

46: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:34:39.09 ID:KZbAdCzF
侑「…本当はね、怖かったんだ。私」


侑「今日、歩夢とずっと一緒に居られなかった事が」


侑「歩夢との約束を破っちゃう事が」

歩夢「そんなこと」

侑「あるよ」

歩夢「っ!」ズキ


侑「あるんだよ…」


歩夢「ゆう、ちゃん…」

47: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:38:17.88 ID:KZbAdCzF
侑「きっとこれから先、私にも歩夢にも、夢が出来て、大切なものが増えて」

侑「どんどん世界が広がっていくんだと思う」


侑「それ自体はすっごく嬉しいよ?でもね」

侑「その広い世界の中で、歩夢の手を離しちゃう事が怖いんだ」


侑「歩夢を、見失っちゃう事が怖いんだ」

歩夢「っ、でも」

侑「…歩夢の歌が、届かなくなっちゃう事が怖いんだ」

歩夢「っ!」


侑「私にとって、歩夢との約束は、私と歩夢を繋いでくれる絆だから。私は、それを失いたくないんだ」


歩夢「侑ちゃん…」

48: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:41:14.19 ID:KZbAdCzF
侑「ここに来たもう一つの理由はね、歩夢との新しい約束の為なんだ」

侑「…聞いて、くれる?」


歩夢「…」コクリ


侑「…ありがとう、歩夢」



侑「スゥー、ハァー、…ふぅ、よしっ」

侑(覚悟は、決まった)

49: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:44:05.20 ID:KZbAdCzF
侑「これから先、私にどれだけ大切なものが増えても、1番大切なのは歩夢でいたい」

侑「私が夢を追いかけてる時には、歩夢に1番近くで応援して欲しい」

侑「私の夢が叶った時には、歩夢に1番沢山喜んで欲しい」

侑「私の世界がどんなに広くなっても、歩夢には1番近くにいて欲しい」

侑「歩夢の事を大切に想う人が増えても、歩夢を1番大切に想うのは私でいたい」

侑「歩夢にどれだけ大切な物が増えても、私が歩夢の1番大切な存在でありたい」

50: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:46:29.27 ID:KZbAdCzF
侑「歩夢を1番最初に可愛いっておもったのは私だけど、1番最後に可愛いって想うのも、私がいい」

侑「歩夢に引っ張ってもらうだけの私じゃなくて、歩夢を引っ張っていけるような、そんな私になりたい」


侑「歩夢と、誰よりも長い時間を、一緒に過ごしたい」


侑「…歩夢の事が好き。世界で1番、大好き」


侑「だから―――」

51: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:50:26.71 ID:KZbAdCzF
侑「上原歩夢さん」



侑「私と、結婚して下さい」

55: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:54:14.65 ID:KZbAdCzF
歩夢「……」

歩夢(言葉が、出なかった)

歩夢(侑ちゃんが、私と)

歩夢(夢、じゃ、ないよね?)


歩夢「…あ……」


歩夢(侑ちゃんは私に指輪を差し出して、でも、その手は震えていて)

歩夢(その目は真っ直ぐ私を見つめていて、でも、今にも泣き出してしまいそうで)


歩夢(いつから?一体どれだけの想いを抱えていたんだろう)

歩夢(侑ちゃんは、自分の勇気を振り絞って)

歩夢(私に、ありったけの想いをぶつけてくれた)


歩夢(だから今度は私の番)

歩夢(私が、侑ちゃんの想いを受けとめてあげる番)

56: (はんぺん) 2021/07/07(水) 22:57:17.25 ID:KZbAdCzF
歩夢「…侑ちゃん」


歩夢「侑ちゃんの想い、嬉しいよ」ギュ


侑「ぁ…」


歩夢「ありがとう―――」

歩夢「これからも、よろしくお願いします」ニコ

57: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:00:37.14 ID:KZbAdCzF
侑「あ…」フルフル

侑「…歩夢!」ダキ


歩夢「わ!ふふ、侑ちゃん」

侑「~~~っっ!良かったぁ…」


侑「わ、わたし」

侑「嬉しい…」

侑「嬉しいよ」

侑「嬉しいよぉ、歩夢ぅ」


歩夢「私もだよ」

歩夢「侑ちゃん」

歩夢「私、今、本当に」

歩夢「世界で1番、幸せだよ、侑ちゃん」

58: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:04:22.49 ID:KZbAdCzF
―歩夢の部屋―

侑「んへ、んへへ、んへへへへぇ~」ニコニコ

歩夢「侑ちゃん、今までに見たことないぐらい顔が緩んでるよ…」

侑「だってぇ、ほんと~に幸せなんだもーん」ニコニコ

歩夢「も、もう///」


侑「歩夢はどう?幸せ?…もし、私を傷付けたくないとかそんな理由だったら…」

歩夢「侑ちゃん、変なこと言わないでよ」


歩夢「私だって、侑ちゃんと、その、結婚…出来て、嬉しいよ?」

歩夢「でも、こうしてプロポーズされて、指輪も渡されて、それでもまだ実感が湧かないというか…」


歩夢「夢の中にいるみたいというか…」

59: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:07:42.53 ID:KZbAdCzF
侑「夢、ねぇ」

侑「私も、ずっと夢に見てたよ」

侑「歩夢とこうして一緒になれる事をね」


歩夢「ずっと、かぁ」

歩夢「この指輪のお金、いつから貯めてたの?」


侑「歩夢と結婚したい!って思った時から、だから…」


侑「…小学生ぐらいから、かな?」

侑「お年玉とかをちょっとずつ貯めてさ」

侑「お母さんにも、相談したりして」

61: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:10:44.60 ID:KZbAdCzF
歩夢「そ、そんなに前からだったんだ」

歩夢(全然気がつかなかった…)シュン


歩夢「…え?それじゃあもしかして、侑ちゃんのお母さんは」

侑「私の気持ちは知ってたって事になるね。まぁいつプロポーズするかは伝えてないけど」

歩夢「恥ずかしくなってきた…どんな顔して侑ちゃんのお母さんと会えばいいの…」


侑「朝になったら、お母さんたちにも知らせに行こうよ」

侑「私たちの事、沢山応援してくれてたからさ」


歩夢「…うん」

62: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:14:59.28 ID:KZbAdCzF
歩夢「皆には、どうしよう?」

歩夢「ちゃんと伝えた方がいいのかな?」


侑「うーん…」


侑「皆が私たちの事をどう受け止めるかは、まだ分からないけどさ」

侑「やっぱり、せめて歩夢がスクールアイドルを引退するまでは待った方がいいと思う」


歩夢「そう、なのかな」

侑「だってさ、いきなり私と歩夢が結婚しましたー、なんて言ったら、皆びっくりしちゃうよ」

歩夢「いつ言ってもびっくりすると思うけど…」

64: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:23:29.74 ID:KZbAdCzF
侑「私も、こうして歩夢と一緒になれたのは凄く嬉しいよ?でもさ」

侑「歩夢はスクールアイドルだから」

侑「歩夢に夢を見てくれる人を裏切るような事はしたくないよ」


歩夢「わ、私もみんなのことは裏切りたくないけど…」


侑「…何か、みんなに伝えたい理由でもあるの?」


歩夢「だって…みんなに内緒にするって事は、みんなが侑ちゃんと…その…」モジモジ

歩夢「…仲良くするって事でしょ?」

侑「歩夢…」キュン

66: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:30:52.84 ID:KZbAdCzF
歩夢「私だって、侑ちゃんがみんなの事を大切に想ってるって事は分かってるよ」

歩夢「そんな侑ちゃんだから、みんなが侑ちゃんの事が好きで、私もそんな侑ちゃんの事を」

歩夢「そ、その…愛してる、から…うぅ///」カアァ

侑(可愛い)キュン


侑「みんなの事は、私も大切だけどさ」


侑「歩夢は、特別だよ。それだけは、絶対だから」


歩夢「侑ちゃん…」



歩夢「ねぇ侑ちゃん。一つ、いいかな」

侑「なぁに、歩夢?」

67: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:39:42.98 ID:KZbAdCzF
歩夢「侑ちゃんは私のこと、愛してくれる?侑ちゃんが特別に愛するのは、私だけ?」

侑「当然だよ。この指輪だって、そのためにあるんだからさ」


歩夢「侑ちゃんの想いも言葉も、全部嬉しいよ」

歩夢「でも、ね」ズイ


侑「っっ!?」

侑「あ、歩夢?」


歩夢「想いだけでも、言葉だけでも、まだ足りないの」ギュ

侑「歩夢…」


歩夢「だから、もっと、もっと沢山欲しい」

歩夢「侑ちゃんの愛が、沢山欲しい」

歩夢「侑ちゃんの愛で、私を満たして欲しいの」ウルウル

68: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:47:30.18 ID:KZbAdCzF
侑「~っ!」ドクンドクン

侑「歩夢…」


歩夢「……っっ」ス…

侑「ひぅっ」ドクン


侑(歩夢、顔を真っ赤にして、目を閉じて)

侑(待ってるんだ。私が、来るのを)


侑「歩夢…」

歩夢「ゆう、ちゃん」



ドクン ドクン




チュ…

69: (はんぺん) 2021/07/07(水) 23:57:24.60 ID:KZbAdCzF
侑「…ん」チュウ

歩夢「んむ…んん…」チュウ


プハ


侑「ぷは、はぁっ、はぁっ」

歩夢「はぁっ、はぁっ、」


侑「キス、しちゃったね、あゆむ」ハァハァ

歩夢「うん…気持ち、良かった」ハァハァ


歩夢「ありがとう、ゆうちゃん」エヘヘ


侑「…ねぇ、歩夢」ガバ!

歩夢「わぁ!?ゆうちゃん!?」ドサ

歩夢(ゆ、ゆうちゃんに、押し倒されて…!)ドキドキ

71: (はんぺん) 2021/07/08(木) 00:07:06.46 ID:IBXBZnWN
侑「ねぇ歩夢。私、言ったよね?小学生の頃からずっと、歩夢と結婚したかったって」

歩夢「う、うん…嬉しかった、よ?」


侑「…こういうことをしたいって思い始めたのは、それよりも少し後だけどさ」

侑「だから、歩夢と結婚できて、こうして歩夢と愛し合えて、今、凄く嬉しいんだ」


侑「…あの時とは、立場が逆だね?」

歩夢「あの時って…あ、あれは///」

侑「恥ずかしかった?でもね、私は少しだけ、期待してたんだよ?」

侑「なのに歩夢は一人で帰っちゃって…今だってそう。私の気持ちも知らないで、一人で気持ちよくなっちゃって」

74: (はんぺん) 2021/07/08(木) 00:23:19.78 ID:IBXBZnWN
歩夢「ゆ、侑ちゃん?目が怖いよ?」

侑「私は、まだまだ全然足りないよ」

侑「だって、私のこの気持ちを受け止められるのは、歩夢だけなんだからさ」


歩夢「ひ…」


侑「ね、歩夢」

歩夢「ゆう、ちゃん」

侑「私の愛、受け止める覚悟は出来た?」

歩夢「ま、まって、まだ、お風呂とか」

侑「待ったよ。ずっと待ってた。こんなに私の気持ちを大きくさせたのは、歩夢だよ?」

76: (はんぺん) 2021/07/08(木) 00:28:00.78 ID:IBXBZnWN
歩夢「あぅ…」カアァ

歩夢「う、うぅ」


侑「ね、いいでしょ…?」ボソ


歩夢「うう…」

歩夢「優しく、して、ね?」ウルッ


侑「………」プツン

侑「ごめん、無理」ガバ

歩夢「ひゃあ!?あ、ゆ、ゆう、ちゃ、ひゃ、あ♡ああ♡ああ~♡♡」ビクッビクッ

♡♡♡♡♡♡

♡♡♡♡

♡♡


78: (はんぺん) 2021/07/08(木) 00:31:15.58 ID:IBXBZnWN
~おしまい~

79: (ぎょうざ) 2021/07/08(木) 00:32:50.28 ID:tR1tlYH/
?cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ?
⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞?

81: (光) 2021/07/08(木) 00:34:48.42 ID:6kzlBccL
 
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 ??? AYUMU ♡  YU  ???
 ???cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リ⎛(cV„Ò ᴗ ÓV⎞??
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         ?

77: (SB-iPhone) 2021/07/08(木) 00:31:08.65 ID:IQlJmD7N

83: (SB-iPhone) 2021/07/08(木) 00:40:37.10 ID:IQlJmD7N

20: (SB-iPhone) 2021/07/07(水) 16:03:30.21 ID:Sf7u8BKj

82: (茸) 2021/07/08(木) 00:39:02.20 ID:CDokAj7X
重めな二人で綺麗なゆうぽむをありがとう

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1625638614/

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