【SS】かのん「可可ちゃんと秋の日々」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのくぅ(クーカー)

かのん「…」

可可(作詞をしているかのんは、凄い集中力デス)

かのん「…」

可可(曲作り中のかのんも、真剣そのものデス)

かのん「わたし、勉強きらいぃぃぃ」

可可「先程までとはまるで別人デス」

かのん「計算式が、専門用語が、記号とカタカナが私をいじめるんだぁぁぁぁ」

可可「どうして急に数学恐怖症になってしまったのデスか」

かのん「正しくは化学と数学と世界史の恐怖症です…」

可可「それはなかなか…でも、この前の中間テストの結果は悪くなかったデスよね？」

かのん「あの辺まではよかったんだけど、最近急に難しくなったって言うか…」

可可「というより、単純に勉強が疎かになっているのでは？」

かのん「うぐっ」

可可「勉強もスクールアイドルも、大事なのは日々の積み重ね。追いつくのは大変ですが、置いていかれるのはあっという間デス」

かのん「ぐぬぬ、正論すぎて耳が痛い…」

可可「そう言えば、来週は英語と数学の小テストが予定されていましたね」

かのん「えっ！？それ、再来週じゃなかったっけ？」

可可「来週デスよ。さっきスケジュールを確認したばかりですから間違いありません。ほら」

かのん「うわ、本当だ！私、てっきり再来週だとばかり…」

可可「ちなみに、勉強の進み具合は…ああ、そんな顔しないでクダサイ。聞いた可可が悪かったですから」

かのん「ど、どうしよう。準備なんて全然してないし、このままじゃ間違いなく赤点になっちゃう！」

可可「確かに、テスト日の勘違いに気付かないままだったら危なかったと思いマス。ですが、心配はご無用デス！」

かのん「え…」

可可「勉強のことならお任せあれ。可可が教えマス！」

かのん「私の勉強、手伝ってくれるの…？」

可可「もちろんデス！一緒に頑張りましょう！」

かのん「わあ、ありがとう！可可ちゃんのサポートがあれば心強いよ、大助かり！」

可可「お安い御用デス！ちょうどいい機会デスから、苦手をこれ以上増やさないためにも、次の土日を使って遅れを一気に取り戻しましょう！」

かのん「そうだね、次の土日で一気に…土日？」

可可「ハイ、お勉強会デス！」

かのん「き、聞いたことのない言葉ですね」

可可「泊まり込みでみっちり猛勉強、またの名をジャパニーズ缶詰デス！」

かのん「猛勉強、缶詰…！？あ、あの、可可ちゃん？」

可可「ん、どうしました？」

かのん「ええっと、勉強を助けてくれるのはすごく、すごーく嬉しいんだけど」

可可「けど？」

かのん「その、土日はちょうど練習も無いから、可可ちゃんとお出かけしたいなーって考えてて」

可可「えっ、そうだったのデスか？」

かのん「うんうん！だからさ、ここは勉強会っていうよりも、お泊まり会ってことにしたらどうかなーなんて」

可可「かーのーんー」

かのん「ひっ」

可可「その場しのぎで勉強から逃れようとしても、そうはいきません」

かのん「い、いやいや、決してそんなつもりじゃ」

可可「じー」

かのん「う、ううっ…ごめんって、私が悪かったからそんな風に見ないで…」

可可「苦手を放っておいたら、わからないところはどんどん蓄積しマス。逆の見方をすれば、早めに手を打っただけ、結果的には楽になるということデス」

かのん「それは、そうだろうけど…」

可可「そのためなら協力は惜しみませんし、だからこそ、可可は心を鬼にしマス」

かのん「可可ちゃん…わかったよ。私のためを思って、そこまで考えてくれてるんだもん。週末はしっかり勉強に取り組む！」

可可「その意気デス！お出かけは、かのんがテストを突破したときのお楽しみということで！」

かのん「うん、それを目標に頑張るよ！勉強に付き合ってくれたお礼は、そのとき必ずお返しするから！」

可可「いえ、それには及びません」

かのん「えっ、どうして？」

可可「だって、理由はどうあれ、かのんと一緒に週末を過ごせるのなら、これ以上の嬉しいことなんてありませんから！」

かのん「ふぇっ！？」

可可「あれ？かのん、ほっぺたが真っ赤デスよ」

かのん「く、可可ちゃんがおかしなこと言うから！」

可可「思ったことを口にしただけデス。ねえ、かのん」

かのん「な、なに？」

可可「週末は可可とふ、た、り、き、り、デスね！」

かのん「い、言い方！変な言い方ばかりしないでよ！」

可可「きゃーっ、かのんが怒ったデス～♪」

かのん「もうっ、可可ちゃーん！」

週末めっちゃ勉強した。

……………………………………

かのん「秋といえばスポーツの秋！」

可可「可可、体育だけは苦手デス…」

かのん「プロフィールに載ってるくらいだもんね。でもね、スポーツの秋は、運動が苦手な可可ちゃんにもいい事もあるんだよ」

可可「いい事…どんな？」

かのん「それはね…お休みだよ！」

可可「お休み？」

かのん「うん！10月にはスポーツの日っていう祝日があるんだ！だからこの日は二人でどこか遊びに――」

可可「無いデスよ」

かのん「へっ？」

可可「2021年のスポーツの日は10月ではなく、7月です。もう終わってマス。だから休みじゃないデス」

かのん「う、嘘だよ、そんなはずは」

可可「ほら、カレンダーを見てください」

かのん「ほ、本当だ、10月に祝日が無い！どうして！？」

可可「オリンピックの影響で、休みが繰り上げになりましたからね。驚くのも無理ありマセン」

かのん「それよりなにより、唐突なメタネタを放り込まれたことに一番驚いてるっていうか…」

可可「と言うわけで、今月は祝日がありませんので、休みは有意義に使わないとデス」

かのん「そんなぁ…ただでさえこの前、土日を丸々勉強に費やしたばかりなのに…」

可可「むっ、かのんは共に学んだあの2日間を、有意義では無かったと言うのデスか」

かのん「ああ、そういう意味じゃなくて。休みが無いってわかったら、なんとなくがっかりした気持ちになったってだけで」

可可「むー…」

かのん「本当だって。可可ちゃんと一緒に過ごせて、嬉しかったよ」

可可「なら良かったデス！」

かのん(本当に外出禁止で勉強漬けとは思わなかったけどね…)

可可「なにか言いマシター？」

かのん「べ、別に？」

可可「目が泳いでいますが。まあ何はともあれ、せっかくの過ごしやすい季節。何もしないでいたらもったいないデス」

かのん「だよね、色んな秋をフルに楽しまなきゃ！ってことで、まずはスポーツの秋を満喫するためにも、今度の休みはラウンドワンにでも行って、思いっきり体を動かそうか！」

可可「か、体を動かすのは練習だけで間に合ってマスー！」

……………………………………

可可「かのん、大変デス」

かのん「んー、どったの？」

可可「ようやく衣装のデザインが纏まりマシタ」

かのん「おおっ、やったね！お疲れさま！」

可可「しかし、徹夜で作業に集中していたせいで…」

かのん「えっ、もしかして、どこか体調悪くしちゃったとか…？」

可可「ハイ…頑張りすぎた結果…」

かのん「うん…」

可可「かのんのナポリタンしか食べられなくなりました」

かのん「うん…うん？」

可可「そうなのです。可可はもはや、かのんのナポリタンしか食べられない体になってしまったのデス！」

かのん「いや、流石に意味不明…」

かのん「今の可可を満たすことができるのは、かのんのナポリタンだけなのデスー！作ってクダサイー、かのんのナポリタンー！」

可可「わ、わかった、わかったよ。じゃあ今日の夜、作りに行くから、それでいい？」

可可「やったー！頑張った甲斐がありマシタ！」

かのん「ふふっ、作って欲しいって、初めから素直に言えばいいのに。でも、お昼ご飯はどうするの？」

可可「ああ、サンドイッチを持ってきてマス！」

かのん「んんん？」

可可「今日はいいお天気ですし、お昼は中庭で食べましょう！」

かのん「いやいや、ちょっと待って」

可可「どうしました？」

かのん「可可ちゃん、私の作ったナポリタン以外は食べられないんじゃなかったの？」

可可「よく言うでしょう、お昼ご飯は別腹デス！」

かのん「言わないー！」

――――――――

かのん「はい、お待ちどおさま！」

可可「わぁ～！とっても美味しそうデス！輝く湯気に、食欲を刺激する魔法の香りと鮮やかな赤色！可可はこの瞬間を、ずっとずっと心待ちにしていマシタ！」

かのん「大袈裟だって。なんの変哲もないご家庭ナポリタンだよ？」

可可「そんなことありません！かのんの作ってくれるナポリタンは、いつだって最高の味わいデス！」

かのん「相変わらず褒め上手だなぁ」

可可「可可はありのままの事実を伝えているだけデス！」

かのん「ふふっ、はいはい。それじゃあ、食べよっか」

可可「ハイ！」

かのくぅ「いただきまーす！」

――――――――

可可「ご馳走様でした！はふぅ、美味しかったデス～！」

かのん「お粗末様でした。はい、食後のミルクティー」

可可「おおっ、至れり尽くせり！ありがとうございマス、食器は可可が洗いますので！」

かのん「こちらこそ、美味しそうに食べてくれてありがとう。ナポリタン、本当に楽しみにしてたんだね」

可可「ただのナポリタンではなく、かのんのナポリタンだからデス！頑張った後には、ご褒美が必要デスので！」

かのん「それはなにより。私も作り甲斐があるよ」

可可「ふふっ、今日はとってもいい日デス！」

かのん「ご褒美かぁ。ねえ、可可ちゃん」

可可「なんですか？」

かのん「この前のテスト、私、結構頑張ったよね」

可可「ハイ！点数もかなり良かったデス！」

かのん「だよね。私もご褒美が欲しいなぁ」

可可「テストが終わった後、お出かけしマシタよ」

かのん「あれは遊びに行く予定をずらしただけで、ご褒美っていうのとは違うんじゃないかな」

可可「むむむ、では、かのんはなにがお望みデスか？」

かのん「それは…えいっ」ﾊｸﾞ

可可「わわっ。ど、どうしたのです？急に抱きついたりして…」

かのん「私が欲しいのは、可可ちゃんと一緒にいる時間だよ」

可可「可可との、時間？」

かのん「2日間ずっと家にいたり、別の日は出かけたりもしたけど…まだ足りないんだ。私って意外と欲張りだったみたい」

可可「かのん…」

かのん「だからさ、土日はまたお泊り会して一緒に過ごせたらーって。どうかな？」

可可「…そんなの、答えは決まっています。えいっ」ﾊｸﾞ

かのん「わっ」

可可「もちろん大賛成デス！可可だって、かのんと同じ気持ちなのですから！」

かのん「ふふっ、ありがと。でも、今回は缶詰は無しだよ？家もいいけど、やっぱりお出かけもしたいからね」

可可「色んな秋をフルに楽しむ、デスね！」

かのん「そうそう。覚悟してね、行きたいところ、やりたいことに、徹底的に付き合ってもらうから！」

可可「望むところデス！今だけのこの季節を、心ゆくまでめいっぱい楽しみましょう！」



終わり

勉強の秋、スポーツの秋、食欲の秋のかのくぅでした。

宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作です。よろしければ併せてお願いします。

かのん「可可ちゃんとほっと一息」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1634469318/

ありがとうございました。