【SS】凛 「ハッピーハロウィンっにゃ！」

【真姫の場合】

真姫 「過ぎてるわよ？」

凛 「知ってるよ」

真姫 「じゃあなんでいちいち言うのよ」

凛 「えっと、日付を意識して欲しかったというか」

真姫 「どういう意味？」

凛 「あ、あのね」

真姫 「……なんてね、知ってるわよ。ハッピーバースデー凛。お誕生日おめでとう」 ﾆｺｯ

凛 「真姫ちゃん！」 ﾊﾟｧｧ

真姫 「もう、凛ったら。そんな遠回しに確認しなくてもいいのに」

凛 「だって真姫ちゃんがちゃんと覚えてるか確認したかったんだもん！ 大好きにゃ真姫ちゃん！」 ｷﾞｭｯ

真姫 「ｳﾞｪｪ！？ 急に抱きつかないで！///」

【穂乃果の場合】

穂乃果 「ええっ！？ ハロウィン！？ 昨日もうちに和菓子貰いにきてたよね！？」

凛 「覚えてないにゃ」

穂乃果 「そ、そんな……。昨日の分は残ってないし、つまりは穂乃果の自腹！？ 少女漫画用に貯めておいたのに～！！ うわーーーん！」 ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

凛 「マジ泣きしてるにゃ……」 ﾋｷｯ

凛 (普通に覚えられてないことはショックだったけど……とはいえ流石に可哀想だし、ネタバラシを……)

穂乃果 「とりあえずお母さんに直談判をするしか……ちょっと待っててね、凛ちゃん」 ｶﾞﾗｯ

ｵｶｱｰｻﾝ ﾊﾛｳｨﾝﾅﾝﾀﾞｹﾄﾞｰ

ｵｶｼﾊﾓｳﾅｲﾜﾖ

ｿｺｦﾅﾝﾄｶ！

凛 「穂乃果ちゃん……」

凛 「ん？ なんだろう、机の下に箱が……？」

穂乃果へ

穂乃果！ 明日は凛ちゃんの誕生日！
プレゼントが入ってるこの箱の上にこのメモを貼ってるんだから、流石に忘れないよね！？
頼むよ明日の穂乃果！！

凛 「……」

凛 「穂乃果ちゃん、すっかり忘れてるにゃ」

凛 (でもありがとう)

【にこの場合】

にこ (どうやら真姫によると、凛が昨日と同じくハロウィンのお菓子を貰いに各場所を回ってるみたいね……)

にこ 「やれやれ、ほんと素直じゃないんだから。素直に『祝って！』って言ってくれたらいいのに」 ｸﾞﾂｸﾞﾂ

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

凛 「にこちゃーん！ いるんでしょ？」

にこ 「知ってるわよ。ハロウィンのお菓子でしょ」 ｸﾞﾂｸﾞﾂ

凛 「話が早い、なら分かるよね？ ちょうだい！」

にこ 「だーめ。昨日あげたでしょ？ この扉を開けるつもりはないから」 ｸﾞﾂｸﾞﾂ

凛 「ええっー！？ このケチ！」

にこ 「うるさいわね！！ ケチで結構！」 ｸﾞﾂｸﾞﾂ

凛 「うぅ……じゃあ仕方ない、もう帰るね……」 ｸﾞｽｯ

にこ 「えっ、あっ、ちょっと待ちなさいよ！」 ｸﾞﾂｸﾞﾂ

凛 「……なに？ 扉開けてくれないんでしょ？」

にこ 「いや、その、三十秒くらい待って！」 ｸﾞﾂｸﾞﾂ

凛 「えぇ、なに、その具体的な時間。それにさっきからグツグツうるさいし……」

ｶﾞﾁｬ

にこ 「おまたせ。三十秒経ったわ」

凛 「開けてくれないんじゃなかったの？」

にこ 「ごめんなさい、つい時間稼ぎのためにね。ほら、入りなさい。今さっき料理ができたの。煮込む音が聞こえてたでしょ？」

凛 「料理？ ハロウィンのお菓子じゃなくて？」

にこ 「何言ってるのよ。誕生日ときたら豪勢な料理じゃない」

凛 「にこちゃん……！」 ﾊﾟｧｧ

【ことりの場合】

凛 (嫌な予感はしてたにゃ……！)

ことり 「凛ちゃ～ん？ どこにいるの～？ ことりから誕生日プレゼントをあげたいんだけどな～♪」 ﾌﾌ

凛 (あの目つきはやばい)

ことり 「ことり、このために凛ちゃんに似合いそうなデザインをたくさん考えておいたんだ。ファッションショーをやろうよ～」

凛 「誕生日プレゼントは嬉しいけど、海未ちゃんや穂乃果ちゃんを見るに、ことりちゃんのファッションショーに巻き込まれたら大変だ……とりあえずここから離れて……」

ｶﾞｼｯ

ことり 「どこに行くのかな？」 ﾆｺｯ

凛 「ひぃぃぃ！？」

ことり 「レッツパーティー♪」

凛 「ま、待って！」

ことり 「？ どうしたの？」

凛 「ハッピーハロウィンっにゃ！ トリックオアトリート？」

凛 (よし！ きっとことりちゃんはお菓子を持ってないはずだから、悪戯ってことでこちょこちょをして、動けなくなったところを退散するしかない！)

ことり 「マカロンがあるよ♪」 ｽｯ

凛 「にゃ！？」

ことり 「でもせっかくだから悪戯もいいかも……する方だけど」

凛 「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー！！」

…

…

…

凛 (そのマカロンは美味しかった……そして貰った服も素敵なものばかりだった……でもまるで着せ替え人形のように遊ばれた一時間は、あまりにも大変だったにゃ……) ﾄｵｲﾒ

【絵里の場合】

凛 「トリックオアトリート！ お菓子くれなきゃ悪戯するぞ！」

絵里 「……お菓子をあげなきゃ、私本当に悪戯されるの？」

凛 「えっ？」

絵里 「ふふ、意外って顔ね、凛」

凛 「あ、いや、そのね？」

絵里 「いいわ、後輩に可愛がられるのも悪くないかも。悪戯してよ」

凛 「ええっーーー！？///」

絵里 「こちょこちょでも、頭撫でるでも。ほら私、μ's加入のとき色々あったから、みんなとの距離を少しでも縮めたくて……」

凛 「絵里ちゃん……」

絵里 「ね？ 凛？」 ﾆｺｯ

凛 「ならこちょこちょにゃーーーー！」 ｺﾁｮｺﾁｮ

絵里 「ふふ、くすぶったいわね」

凛 「って全然効いてないし！？」

絵里 「じゃあ今度は私から悪戯しようかしら」

凛 「ええっ！？」

絵里 「くらえーーー！ エリーチカパンチ！」

凛 「まさかの暴力！？」

ﾄｯｰｰｰｰﾝ

絵里 「なんてね♪ 凛、額にあるその手紙を開けてみて」

凛 「えっ、これって……」

絵里 「招待状よ。ロシアでは、誕生日を迎える本人が誕生日パーティーの主催者になるの。だからその招待状でみんなを招待して？」 ﾆｺｯ

凛 「じゃあまずは絵里ちゃんを招待するにゃーーーーーー！！ 絵里ちゃん大好き！！」 ﾀﾞｷｯ

絵里 「もう、凛ったら」 ﾌﾌ

【海未の場合】

凛 「トリックオアトリート！！」

海未 「はて、ハロウィンは昨日だったはずですが……」

凛 「トリックオアトリート！！」

海未 「でも凛が来てるということはそういうことですよね。待っててください、今お菓子を用意しますから」

凛 「えっ？」

海未 「どうかしましたか？」

凛 「あ、な、なんでもないよ！」

凛 (そ、そんな……。海未ちゃんは同じリリホワだし、覚えていてくれてると思ってたのに……)

凛 「……」

海未 「はい、凛。お菓子ですよ。せっかくだから一緒に食べましょうか」

凛 「う、うん」

海未・凛 「「いただきます」」

海未 「……」 ﾓｸﾞﾓｸﾞ

凛 「……」 ﾓｸﾞﾓｸﾞ

凛 「あ、あの！ 海未ちゃん！」 ﾓｸﾞ

海未 「凛。食べながら喋るのは行儀が悪いですよ」

凛 「ご、ごめんなさい……！」

海未 「……まあ今日ぐらいは別に気にしなくても大丈夫ですよね。凛、どうですか、お菓子の味は」

凛 「うん！ すっごく美味しいよ！ それにしても海未ちゃんって和菓子が好きなイメージがあったけど、ショートケーキなんて珍しいね！」

海未 「そうですか？」

凛 「そうだよ！」

海未 「……まあ誕生日ですからね、やっぱりケーキでないと」

凛 「えっ？」

海未 「凛。あとで他のメンバーにも会いに行くんでしょ？ ケーキ、食べないんですか？」

凛 「あっ、今食べるね！」

海未 「……」 ﾓｸﾞﾓｸﾞ

凛 「……」 ﾓｸﾞﾓｸﾞ

凛 (海未ちゃん、ありがとう)

【希の場合】

希 「トリックオアトリート……！！」

凛 「にゃ！？」

希 「油断大敵やで、凛ちゃん。いつ自分がトリックオアトリートされるか、常に注意しとかんと」

凛 「そ、そんな！？」

希 「お菓子はある？ ないんやろ？ ならウチのわしわしを、くらわせるしかないようやな……」

凛 「あるよ、お菓子」

希 「なん……やて……！」

凛 「凛がお菓子も持たないで、お菓子を貰い回ってたと思う？」

希 「ってことは……」

凛 「はい、どうぞ。お菓子。じゃあ改めて」

希 「！」

凛 「トリックオアトリート？」 ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

希 「……っ！」

凛 「お菓子はある？ ないんだよね？ なら凛だってわしわしを、希ちゃんにくらわせてもいいよね？」

希 「あるんよ、お菓子」

凛 「なん……だと……！」

希 「ウチがお菓子も持たないで、トリックオアトリートを凛ちゃんにしたと思う？」

凛 「ってことは……」

希 「はい、どうぞ。お菓子。じゃあもう凛ちゃんはお菓子を持ってないはずだから」

凛 「！」

希 「トリックオアトリート？」 ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

凛 「……っ！」

希 「お菓子はある？ ないんやろ？ ならウチのわしわしを、今度こそ……」

凛 「あるよ、まだお菓子」

希 「なん……や(以下略)

…

…

…

希 「流石にウチも、そろそろ限界かもなぁ……」 ﾊｧ ﾊｧ

凛 「長い戦いにゃ……」 ﾊｧ ﾊｧ

希 「……」

凛 「……」

希 「……ここで一言。お誕生日おめでとう、凛ちゃん」

凛 「……ありがとう、希ちゃん。もっと早く言って欲しかったにゃ」

【花陽の場合】

凛 「今日はみんなにたくさんお祝いしてもらったにゃ」

花陽 「良かったね、凛ちゃん」

凛 「夜なんて、絵里ちゃんから貰った招待状を使って、誕生日パーティーをμ'sみんなでやることになったんだよ」

花陽 「ふふ、楽しみだなぁ」

凛 「去年までは二人だけの誕生日だったのに、今じゃこんなに増えて……でも」

花陽 「？ どうしたの凛ちゃん？」

凛 「……上手く説明できないけど、こんなにお祝いしてくれる人が増えてすごく嬉しい一方、かよちんとの二人きりの誕生日が無くなることが少し寂しくて」

花陽 「凛ちゃん……」

凛 「これから凛もかよちんも、もっとたくさんの人と出会うと思う。そしたら、かよちんとの距離は少しずつ離れていっちゃったりしないかな……？ 凛、それが怖くて……」

花陽 「……」

凛 「かよちん……」

花陽 「大丈夫だよ、凛ちゃん」

凛 「！」

花陽 「凛ちゃんが寂しいときは、今日μ'sのみんながお祝いしてくれたみたいに、私もすぐ凛ちゃんに駆けつけるよ」

凛 「で、でも遠く離れちゃったら寂しいかどうかなんて……」

花陽 「じゃあもしも凛ちゃんが寂しいときは、招待状みたいに、私に手紙を出して！ 離れるってことは、こういう手紙一枚も出せなくなるってこと。優しい凛ちゃんなら、もし会いたくなったら手紙を送ってくれるでしょ？」

凛 「かよちん……」

花陽 「ね？ ずっと離れない。だから安心して、凛ちゃん！」 ﾆｺｯ

凛 「……」

凛 (ありがとう、かよちん)

凛 「かよちん！！ 凛、元気出たよ！！ μ'sのみんなが待ってる、行こう！」

花陽 「うん！」

【μ'sの場合】

真姫 「ちょっと遅いわよ、待ちくたびれたじゃない。主催者が遅刻するってどういうことよ」

凛 「遅れちゃったにゃ」 ｱﾊﾊ

花陽 「でも入り口まで来てくれるなんて、真姫ちゃん優しいんだね」

真姫 「ｳﾞｪ！？/// 別に！ たまたま外に散歩したかっただけよ！///」

凛 「じゃあ扉開けるよ？」

花陽 「うん、開けて、凛ちゃん！」

ｶﾞﾁｬ

μ's 「「お誕生日おめでとうーーー！ 凛(ちゃん)！」」

凛 「みんな……ありがとうにゃーー！！」 ﾀﾞｷｯ

ﾎﾉｶﾓ ｲﾂﾓｱﾘｶﾞﾄｰｰ！

ﾁｮ ｱﾂｸﾙｼｲﾜﾖ！ ……ﾘﾝ ｵﾒﾃﾞﾄ

ﾘﾝﾁｬﾝ ｶﾜｲｲ~~

ﾊﾗｼｮｰｰｰｰ！

ﾌﾌ ﾘﾝﾊ ﾔｻｼｲﾉﾃﾞｽﾈ

ﾜｼﾜｼ ｵｯｹｰｯﾃｺﾄﾔﾝ？

真姫 「って凛！？ みんなに順番に抱きついてる……」

花陽 「あはは……」

花陽 (凛ちゃん……お誕生日おめでとう！)

おわり

ありがとうございました！
凛ちゃんお誕生日おめでとうございます！！
前日がハロウィンということで、少しハロウィン要素も入れてみました。

去年の凛ちゃん誕生日ss
凛 「犬派な凛のいた世界」(SS速報にて)

前作(というか現在進行形で執筆中)
すみれ 「ギャラクシー！？」 宇宙 「」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

前々作
可可 「レンレン！」 恋 「レンレン？」

【SS】可可 「レンレン！」 恋 「レンレン？」【ラブライブ！】

lovelive-petitsoku.com

2021年10月23日 11:00