3: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:26:49.35 ID:Bcgx8NhV
すみれ 「っていうことで、かのんと私、付き合い始めました」
かのん 「えへへ」
可可 「え?」
千砂都 「は?」
恋 「おおっー……?……めでたい、のですよね?」 パチパチ
かのん 「えへへ」
可可 「え?」
千砂都 「は?」
恋 「おおっー……?……めでたい、のですよね?」 パチパチ
5: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:27:09.79 ID:Bcgx8NhV
かのん 「いざ言うと恥ずかしいね」
すみれ 「だから一年生にはまだ秘密にしてるでしょ? かのんが全員に言うのは待ってほしいって言うから」
かのん 「……うん、ありがとうすみれちゃん」 ニコッ
すみれ 「……ど、どういたしまして///」
恋 「まさかお二人がそのような関係になるとは……屋上でのイベントと公園でのイベントはこなしたんですか?」
かのん 「それは恋愛ゲームの発想だよ、恋ちゃん……」
すみれ 「だから一年生にはまだ秘密にしてるでしょ? かのんが全員に言うのは待ってほしいって言うから」
かのん 「……うん、ありがとうすみれちゃん」 ニコッ
すみれ 「……ど、どういたしまして///」
恋 「まさかお二人がそのような関係になるとは……屋上でのイベントと公園でのイベントはこなしたんですか?」
かのん 「それは恋愛ゲームの発想だよ、恋ちゃん……」
6: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:27:36.14 ID:Bcgx8NhV
可可 (すみれがかのんと付き合う?)
可可 (密かに恋心を持っていたすみれと、アイドルとして最推しのかのんが、つ、つ、付き合って……!?)
可可 「」 チーン
千砂都 (マイネームイズオサナナジミ……! オサナナジミ! オサナナジミ! 幼馴染!!!!)
千砂都 (かのんちゃんどういうこと!?!? で、でも、かのんちゃんの幸せが私の幸せだから……)
千砂都 「」 チーン
可可 (密かに恋心を持っていたすみれと、アイドルとして最推しのかのんが、つ、つ、付き合って……!?)
可可 「」 チーン
千砂都 (マイネームイズオサナナジミ……! オサナナジミ! オサナナジミ! 幼馴染!!!!)
千砂都 (かのんちゃんどういうこと!?!? で、でも、かのんちゃんの幸せが私の幸せだから……)
千砂都 「」 チーン
7: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:28:07.51 ID:Bcgx8NhV
恋 「お二人とも、沈黙してますね……」
すみれ 「まあ驚くわよね、普通」
かのん 「ねぇ、ちぃちゃん」
千砂都 「!」
かのん 「……あのね、一年生に話せなかったのはもう一つ理由があるんだ」
すみれ 「なるべく現時点では人に知られたくないのよ。ほら、女性同士の恋愛だから、ね」
かのん 「も、もちろん、一年生を疑ってるわけじゃないよ? でも、やっぱり、なかなか簡単には話せないよ……」
すみれ 「まあ驚くわよね、普通」
かのん 「ねぇ、ちぃちゃん」
千砂都 「!」
かのん 「……あのね、一年生に話せなかったのはもう一つ理由があるんだ」
すみれ 「なるべく現時点では人に知られたくないのよ。ほら、女性同士の恋愛だから、ね」
かのん 「も、もちろん、一年生を疑ってるわけじゃないよ? でも、やっぱり、なかなか簡単には話せないよ……」
8: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:28:48.84 ID:Bcgx8NhV
恋 「すみれさん……かのんさん……」
恋 (……ですよね。時代は変わってきてますが、いまだそういう偏見も多い。『禁断のセカイ』の見過ぎで女性同士の恋愛も当たり前に感じてましたが、現実はそうじゃない)
かのん 「この五人は、私が初めて、ちぃちゃん以外に居場所を見つけたところだから話したの。私とすみれちゃんの恋愛は普通ではないのかもしれない、でもきっと、みんななら応援してくれると信じて」
千砂都 「かのんちゃん……」
かのん 「だから私の最高の親友、ちぃちゃんにも応援してもらいたいんだ」
千砂都 (……当たり前だよ、かのんちゃん)
恋 (……ですよね。時代は変わってきてますが、いまだそういう偏見も多い。『禁断のセカイ』の見過ぎで女性同士の恋愛も当たり前に感じてましたが、現実はそうじゃない)
かのん 「この五人は、私が初めて、ちぃちゃん以外に居場所を見つけたところだから話したの。私とすみれちゃんの恋愛は普通ではないのかもしれない、でもきっと、みんななら応援してくれると信じて」
千砂都 「かのんちゃん……」
かのん 「だから私の最高の親友、ちぃちゃんにも応援してもらいたいんだ」
千砂都 (……当たり前だよ、かのんちゃん)
9: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:29:09.38 ID:Bcgx8NhV
千砂都 「うん! 私は全力で応援するよー! 恋ちゃんだって可可ちゃんだって一緒! だよね!」
恋 「もちろんです!!」
可可 「あ、当たり前デス……!」
すみれ 「みんなぁ……」 グスッ
かのん 「良かった……良かったね、すみれちゃん……!」 グスッ
すみれ 「うんっ……うんっ……!」 ポロポロ
恋 「もちろんです!!」
可可 「あ、当たり前デス……!」
すみれ 「みんなぁ……」 グスッ
かのん 「良かった……良かったね、すみれちゃん……!」 グスッ
すみれ 「うんっ……うんっ……!」 ポロポロ
10: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:30:30.67 ID:Bcgx8NhV
~千砂都の家~
千砂都 「……」
千砂都 「……かのんちゃんの幸せノート、書き足さないと」
ガラッ
『かのんちゃんの幸せノート』
もっとダンスが上手くなるように全力でサポートする
かのんちゃんの歌声を活かしたパフォーマンスのアイデアを練る
美味しいたこやきを作ってあげる
かのんちゃんの魅力をみんなに届けたい(写真をあげるのは怒られた)
…
…
…(以下2800個)
かのんちゃんと、すみれちゃんの恋愛を、応援する
法改正する(そのためには政治家に)
かのんちゃんのあらゆる知り合いに、『禁断のセカイ』を読ませて、価値観を作っておく
恋愛の邪魔をするくらいなら、遠い知らない国に旅に出る
千砂都 「……」
千砂都 「……かのんちゃんの幸せノート、書き足さないと」
ガラッ
『かのんちゃんの幸せノート』
もっとダンスが上手くなるように全力でサポートする
かのんちゃんの歌声を活かしたパフォーマンスのアイデアを練る
美味しいたこやきを作ってあげる
かのんちゃんの魅力をみんなに届けたい(写真をあげるのは怒られた)
…
…
…(以下2800個)
かのんちゃんと、すみれちゃんの恋愛を、応援する
法改正する(そのためには政治家に)
かのんちゃんのあらゆる知り合いに、『禁断のセカイ』を読ませて、価値観を作っておく
恋愛の邪魔をするくらいなら、遠い知らない国に旅に出る
11: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:31:13.50 ID:Bcgx8NhV
カキカキ
千砂都 「……」
カキカキ
千砂都 「……」 ポロッ
ポロポロ
千砂都 「うぅ……」
ポロポロ
千砂都 「うぇぇ……か、かのんちゃ……」
千砂都 「……」
カキカキ
千砂都 「……」 ポロッ
ポロポロ
千砂都 「うぅ……」
ポロポロ
千砂都 「うぇぇ……か、かのんちゃ……」
12: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:31:33.07 ID:Bcgx8NhV
ポロポロ
千砂都 「かのんちゃぁぁぁぁーーーーーーーーーんっっ!!!!!」
ポロポロ
千砂都 (お祝いするべきなのに)
千砂都 (涙が、涙が止まらないよぉ……)
千砂都 「ずっと昔から、一緒だったのに……かのんちゃん、かのんちゃん……っ」
ポロポロ
千砂都 「かのんちゃぁぁぁぁーーーーーーーーーんっっ!!!!!」
ポロポロ
千砂都 (お祝いするべきなのに)
千砂都 (涙が、涙が止まらないよぉ……)
千砂都 「ずっと昔から、一緒だったのに……かのんちゃん、かのんちゃん……っ」
ポロポロ
13: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:32:19.87 ID:Bcgx8NhV
~可可の家~
可可 「……」
可可 「……今日の分の、グソクムシノートを書かないと」
ガラッ
『グソクムシノート』
これは、可可の日本語の練習のために、あくまでも練習のために、すみれに言った悪口およびそれに関する反省をメモするノートデス
A月B日
グソクムシにはちょうどいい部屋の狭さです!
反省
そもそもグソクムシの住む部屋の大きさなんて知りません。海ならむしろ広くないですか?
可可 「……」
可可 「……今日の分の、グソクムシノートを書かないと」
ガラッ
『グソクムシノート』
これは、可可の日本語の練習のために、あくまでも練習のために、すみれに言った悪口およびそれに関する反省をメモするノートデス
A月B日
グソクムシにはちょうどいい部屋の狭さです!
反省
そもそもグソクムシの住む部屋の大きさなんて知りません。海ならむしろ広くないですか?
14: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:32:57.38 ID:Bcgx8NhV
A月C日
かのんと最近くっつきすぎですよ! グソクムシ!
反省
グソクムシという嫌味を挟む意味がありません。普通に「かのんともくっつきたいし、すみれともくっつきたいから、間に入っていいですか?」と言えば良かった
A月D日
グソクムシのくせにボーリングが上手いんですね。可可にも教えるデス!
反省
そもそもボーリングが上手いグソクムシはいない
かのんと最近くっつきすぎですよ! グソクムシ!
反省
グソクムシという嫌味を挟む意味がありません。普通に「かのんともくっつきたいし、すみれともくっつきたいから、間に入っていいですか?」と言えば良かった
A月D日
グソクムシのくせにボーリングが上手いんですね。可可にも教えるデス!
反省
そもそもボーリングが上手いグソクムシはいない
15: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:33:25.18 ID:Bcgx8NhV
A月E日
特に、特に、何も……
カキカキ
可可 「……」
カキカキ
可可 「……」 ポロッ
ポロポロ
可可 「うぅ……」
ポロポロ
可可 「うぇぇ……す、すみれぇ……」
特に、特に、何も……
カキカキ
可可 「……」
カキカキ
可可 「……」 ポロッ
ポロポロ
可可 「うぅ……」
ポロポロ
可可 「うぇぇ……す、すみれぇ……」
16: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:33:47.32 ID:Bcgx8NhV
ポロポロ
可可 「すみれぇぇぇぇーーーーーーーーーっっ!!!!!」
ポロポロ
可可 (そうだ。今日は嫌味を言う余裕もなかった)
可可 (こんなことになるなら、もっと素直に可可の気持ちをすみれに伝えておけば……)
可可 「可可はバカデス、アホデス……マヌケデス、グソクムシデス……っ」
ポロポロ
可可 「すみれぇぇぇぇーーーーーーーーーっっ!!!!!」
ポロポロ
可可 (そうだ。今日は嫌味を言う余裕もなかった)
可可 (こんなことになるなら、もっと素直に可可の気持ちをすみれに伝えておけば……)
可可 「可可はバカデス、アホデス……マヌケデス、グソクムシデス……っ」
ポロポロ
18: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:34:53.98 ID:Bcgx8NhV
~恋の家~
恋 「……」
恋 「……さて、今日の分のゲームを進めましょうか」
恋 (今日は以前かのんさんから教えていただいた、ネットゲームというものをしてみます!)
恋 (サヤさんにお願いしてネット環境も整えました)
恋 「それにしても、友達と一緒に戦うマルチプレイも最近知ったのに、まさかネットで遠いどこかの誰かと一緒にゲームができる日が来るなんて……」 キラキラ
恋 「……」
恋 「……さて、今日の分のゲームを進めましょうか」
恋 (今日は以前かのんさんから教えていただいた、ネットゲームというものをしてみます!)
恋 (サヤさんにお願いしてネット環境も整えました)
恋 「それにしても、友達と一緒に戦うマルチプレイも最近知ったのに、まさかネットで遠いどこかの誰かと一緒にゲームができる日が来るなんて……」 キラキラ
19: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:35:33.09 ID:Bcgx8NhV
ポチポチッ
恋 「ん? えっと、おー、なるほど。この『ルーム』の中にいるこのメンバーで、クエストをクリアするのですね」
恋 「チャット? 挨拶をしておきましょう」
レンレン 『初めまして。レンレンです。よろしくお願いします。まだゲーム歴が長いわけではありませんが、皆さんの役に立てるよう頑張ります! 得意な戦法はいのちだいじにです!』
マニー 『歴は短いけど文章は長いんですのwwww』
Sumire 『よろしくね』
Kanon 『よろしく! よーし! みんなでクエスト頑張ろー!』
恋 「ん? えっと、おー、なるほど。この『ルーム』の中にいるこのメンバーで、クエストをクリアするのですね」
恋 「チャット? 挨拶をしておきましょう」
レンレン 『初めまして。レンレンです。よろしくお願いします。まだゲーム歴が長いわけではありませんが、皆さんの役に立てるよう頑張ります! 得意な戦法はいのちだいじにです!』
マニー 『歴は短いけど文章は長いんですのwwww』
Sumire 『よろしくね』
Kanon 『よろしく! よーし! みんなでクエスト頑張ろー!』
20: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:36:02.98 ID:Bcgx8NhV
恋 「すみれに、かのんに、マニー。二人は偶然そっくりな名前です! あと、この『w』とはなんでしょう?」
恋 「とりあえず郷に入れば郷に従う、真似してみましょう」
レンレン 『Sumireさん、Kanonさん、よろしくお願いします!』
レンレン 『そしてマニーさんも、よろしくお願いしますwww』
恋 「相手よりも数を多く使うのは失礼な気がしたので三つにしましたが、問題ないでしょうか」
恋 「とりあえず郷に入れば郷に従う、真似してみましょう」
レンレン 『Sumireさん、Kanonさん、よろしくお願いします!』
レンレン 『そしてマニーさんも、よろしくお願いしますwww』
恋 「相手よりも数を多く使うのは失礼な気がしたので三つにしましたが、問題ないでしょうか」
21: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:36:47.14 ID:Bcgx8NhV
マニー 『喧嘩売ってるんですの!れ!!れ!!』
Sumire 『煽りは良くないわよ、二人とも。それよりクエスト頑張りましょう』
Kanon 『きゃーーーー! Sumireちゃんかっこいいーー!』
Sumire 『もう、Kanonったら』
恋 「なぜビックリマークと一緒に『れ』がたくさんあるのでしょう?」
Sumire 『煽りは良くないわよ、二人とも。それよりクエスト頑張りましょう』
Kanon 『きゃーーーー! Sumireちゃんかっこいいーー!』
Sumire 『もう、Kanonったら』
恋 「なぜビックリマークと一緒に『れ』がたくさんあるのでしょう?」
22: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:37:11.77 ID:Bcgx8NhV
恋 『喧嘩は売ってません。ごめんなさい!!れれれれれれれれ!!』
恋 「……謝罪の気持ちを込めて、今度は相手よりも『れ』の数を増やしてみました! これならどうでしょう!」
マニーが退出しました
恋 「退出、してしまったのですか?」 キョトン
恋 「まあ大丈夫でしょう。今日は夜通しゲームをしますよーーーー!!!」
ヤッフゥーー!
恋 「……謝罪の気持ちを込めて、今度は相手よりも『れ』の数を増やしてみました! これならどうでしょう!」
マニーが退出しました
恋 「退出、してしまったのですか?」 キョトン
恋 「まあ大丈夫でしょう。今日は夜通しゲームをしますよーーーー!!!」
ヤッフゥーー!
23: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:46:02.11 ID:Bcgx8NhV
~翌日 科学室にて~
四季 「……ついにできた」
ブクブク
四季 「これで世界平和に一歩近づく」
メイ 「なにやってんだ? 四季?」
四季 「ってメイ!? いつからそこに!?」
メイ 「今さっきだよ。それで何なんだ、その黒い液体は」 タタタッ
四季 「……ついにできた」
ブクブク
四季 「これで世界平和に一歩近づく」
メイ 「なにやってんだ? 四季?」
四季 「ってメイ!? いつからそこに!?」
メイ 「今さっきだよ。それで何なんだ、その黒い液体は」 タタタッ
24: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:46:35.03 ID:Bcgx8NhV
四季 「絶対に触っちゃダメ」
メイ 「お、おう、分かったよ。それはそんなに危ないのか」
四季 「これは『人の悪い心を集める装置』」
メイ 「?」
四季 「その名の通り、人の悪い心を液体にして集めることができる。だから当然、この黒い液体に触れればどんな人にも悪い心が生まれる」
メイ 「ひぇっ」
メイ 「お、おう、分かったよ。それはそんなに危ないのか」
四季 「これは『人の悪い心を集める装置』」
メイ 「?」
四季 「その名の通り、人の悪い心を液体にして集めることができる。だから当然、この黒い液体に触れればどんな人にも悪い心が生まれる」
メイ 「ひぇっ」
25: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:46:57.53 ID:Bcgx8NhV
四季 「正確に言えば、どんな立派な人間にでも、少しはあるであろう心の闇の部分、それをこの黒い液体は一気に増幅させる」
メイ 「どんな立派な人間でもか……?」
四季 「そう。1mmでも心の闇があれば、一気に増幅される。例えば、可愛くて真面目で純粋でオタクにも猫にも誰にも実は優しいヤンキーな完璧美少女のメイであっても、この液体に触れれば悪い心が生まれてしまうってこと」
メイ 「よ、よく分からないが恐ろしいな……なんでそんなものを作ったんだよ」
メイ 「どんな立派な人間でもか……?」
四季 「そう。1mmでも心の闇があれば、一気に増幅される。例えば、可愛くて真面目で純粋でオタクにも猫にも誰にも実は優しいヤンキーな完璧美少女のメイであっても、この液体に触れれば悪い心が生まれてしまうってこと」
メイ 「よ、よく分からないが恐ろしいな……なんでそんなものを作ったんだよ」
26: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:47:36.93 ID:Bcgx8NhV
四季 「……確かに何かしらの衝撃でこれが外に流出したら大変なことになるかもしれない。でも、それさえ防げば、この装置はいたるところにある悪の心を吸収してくれるってこと。それはつまり世界平和に繋がる」
メイ 「し、四季……おまえ、そんなことまで考えて……」
四季 「まあ正直に言えば世界なんてどうでも良い」
メイ 「おい」
四季 「でも平和になれば、メイも、そしてLiella!も、この学校のみんなも、もっと安心して毎日を生きてゆける。それが私の望み」
メイ 「四季……」
メイ 「し、四季……おまえ、そんなことまで考えて……」
四季 「まあ正直に言えば世界なんてどうでも良い」
メイ 「おい」
四季 「でも平和になれば、メイも、そしてLiella!も、この学校のみんなも、もっと安心して毎日を生きてゆける。それが私の望み」
メイ 「四季……」
29: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:49:37.86 ID:Bcgx8NhV
四季 「分かってくれた? メイ?」
メイ 「……ああ。四季、本当にありがとな。この件だけじゃない。いつも素直じゃないけど、優しいお前に感謝してる」
四季 「ふふ、嬉しい」
四季 (さらに技術を進めたら、ちょっとだけメイの悪の部分を増して、罵倒されるプレイもあり)
ガラッ
夏美 「二人ともこんなところにいたのですね」
メイ 「……ああ。四季、本当にありがとな。この件だけじゃない。いつも素直じゃないけど、優しいお前に感謝してる」
四季 「ふふ、嬉しい」
四季 (さらに技術を進めたら、ちょっとだけメイの悪の部分を増して、罵倒されるプレイもあり)
ガラッ
夏美 「二人ともこんなところにいたのですね」
31: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:50:28.05 ID:Bcgx8NhV
メイ 「夏美? どうしたんだよ?」
夏美 「実はですね……昨日ゲームをしてたときに煽られてしまい、ストレスマッハですの。だから四季さんにストレスを減らせる装置を貸してもらおうと思って」
メイ 「そんな都合のいいもんあるわけないだろ」
四季 「あるよ、そこの棚の上に」
メイ 「あるのかよ!?」
夏美 「うーん、この高さ、背伸びして届くくらいですの……?」 ググググ
夏美 「実はですね……昨日ゲームをしてたときに煽られてしまい、ストレスマッハですの。だから四季さんにストレスを減らせる装置を貸してもらおうと思って」
メイ 「そんな都合のいいもんあるわけないだろ」
四季 「あるよ、そこの棚の上に」
メイ 「あるのかよ!?」
夏美 「うーん、この高さ、背伸びして届くくらいですの……?」 ググググ
32: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:51:06.77 ID:Bcgx8NhV
メイ 「おいおい、無理すんなよ。脚立を借りてくれば良いじゃないか」
夏美 「めんどくさいですの!」 ググググ
夏美 「ありゃ?」 フラッ
夏美 (無理に爪先立ちしたから体勢が……!)
夏美 「おっと、と、と……」
ポフッ
夏美 「ありがとうございます、四季さん」
四季 「急にこっちに来るから驚いた」
夏美 「めんどくさいですの!」 ググググ
夏美 「ありゃ?」 フラッ
夏美 (無理に爪先立ちしたから体勢が……!)
夏美 「おっと、と、と……」
ポフッ
夏美 「ありがとうございます、四季さん」
四季 「急にこっちに来るから驚いた」
33: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:51:42.34 ID:Bcgx8NhV
メイ 「っておい、四季!?!? 後ろ見ろ! 後ろ!!」
四季 「えっ?」
メイ 「黒い液体が入った装置が床に落ちて……」
パリィィーーーーン
メイ 「……」
四季 「……」
夏美 「……こぼれちゃったですの」
夏美 (二人の顔を見ると、なんだかやばい感じ?)
四季 「えっ?」
メイ 「黒い液体が入った装置が床に落ちて……」
パリィィーーーーン
メイ 「……」
四季 「……」
夏美 「……こぼれちゃったですの」
夏美 (二人の顔を見ると、なんだかやばい感じ?)
34: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:52:37.02 ID:Bcgx8NhV
シュワシュワシュワ
四季 「まずい、気化した!! この黒い煙を吸ったら大変なことになる!」
四季 (この悪の液体を万が一体内に取り込んだ場合の、錠剤の特効薬が現在二粒!)
四季 (この特効薬を作れるのは私しかいない! だからまずは私が飲む!) ゴクッ
四季 (あとは一人! メイと夏美ちゃん、どっちを!?)
四季 「まずい、気化した!! この黒い煙を吸ったら大変なことになる!」
四季 (この悪の液体を万が一体内に取り込んだ場合の、錠剤の特効薬が現在二粒!)
四季 (この特効薬を作れるのは私しかいない! だからまずは私が飲む!) ゴクッ
四季 (あとは一人! メイと夏美ちゃん、どっちを!?)
35: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:53:11.36 ID:Bcgx8NhV
メイ (四季が急いで飲んだあの錠剤……きっとこの液体の効果を弱める何か)
メイ (私たちにすぐ渡さないあたり、あと一粒しかないんだな。すると)
メイ 「四季、よこせ!」 ガシッ
四季 「メイ!!」
メイ 「夏美! 早くこれを飲め!」 スッ
夏美 「人から貰ったものは簡単に口に入れてはいけないと母から教えられ!」
メイ 「状況が状況だろ!?!?」
メイ (私たちにすぐ渡さないあたり、あと一粒しかないんだな。すると)
メイ 「四季、よこせ!」 ガシッ
四季 「メイ!!」
メイ 「夏美! 早くこれを飲め!」 スッ
夏美 「人から貰ったものは簡単に口に入れてはいけないと母から教えられ!」
メイ 「状況が状況だろ!?!?」
36: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 17:53:45.38 ID:Bcgx8NhV
夏美 「母の教えには逆らえないので、メイさんが食べてください!」 グイッ
メイ 「むっ!?」 モグッ
夏美 (分かってます……この煙に対する特効薬だったのでしょう?)
夏美 (夏美のせいなんですから、私のことなんか気にしなきゃ良いのに)
夏美 (ありがとう、二人とも)
シュワシュワシュワ
シュワシュワシュワ
メイ 「むっ!?」 モグッ
夏美 (分かってます……この煙に対する特効薬だったのでしょう?)
夏美 (夏美のせいなんですから、私のことなんか気にしなきゃ良いのに)
夏美 (ありがとう、二人とも)
シュワシュワシュワ
シュワシュワシュワ
37: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:00:37.36 ID:Bcgx8NhV
~恋の家~
恋 「はっ!?」 バッ
恋 「……サヤさん」
サヤ 「なんでしょうお嬢様」
恋 「私は寝坊したのですね?」
サヤ 「……残念ながら」
恋 「そ、そんな……!」
恋 (私、皆勤賞だったのにぃ!) ポロポロ
恋 「はっ!?」 バッ
恋 「……サヤさん」
サヤ 「なんでしょうお嬢様」
恋 「私は寝坊したのですね?」
サヤ 「……残念ながら」
恋 「そ、そんな……!」
恋 (私、皆勤賞だったのにぃ!) ポロポロ
38: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:01:05.32 ID:Bcgx8NhV
サヤ 「申し訳ありません。起こすべきだとは思ってたのですが、昨日かなり遅い時刻に寝ていたことを知っていたので、心配で……」
恋 「サヤさんは悪くありません……! 全部全部、私が悪いのです……!」
サヤ 「お嬢様……!」
恋 「今は何時ですか?」
チビ 「one!」
恋 「なるほど、昼一時……かなり寝坊してしまいましたが、それでも休むのはいけませんね。学校の支度をします、サヤさん」
サヤ 「承知しました、お嬢様」 ペコリ
恋 「サヤさんは悪くありません……! 全部全部、私が悪いのです……!」
サヤ 「お嬢様……!」
恋 「今は何時ですか?」
チビ 「one!」
恋 「なるほど、昼一時……かなり寝坊してしまいましたが、それでも休むのはいけませんね。学校の支度をします、サヤさん」
サヤ 「承知しました、お嬢様」 ペコリ
41: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:37:07.53 ID:Bcgx8NhV
~かのんの家~
かのん 「普通に寝坊しちゃった……ありあは?」
かのん母 「もうとっくに行ったわよ」
かのん 「なんで起こしてくれなかったの?」
かのん母 「昨日すごく夜更かしてたでしょ?」
かのん 「ば……バレてる……」
かのん母 「ありあが言ってたわ。彼女ができたんだって? すみれさん?」
かのん 「そこまで!?」
かのん 「普通に寝坊しちゃった……ありあは?」
かのん母 「もうとっくに行ったわよ」
かのん 「なんで起こしてくれなかったの?」
かのん母 「昨日すごく夜更かしてたでしょ?」
かのん 「ば……バレてる……」
かのん母 「ありあが言ってたわ。彼女ができたんだって? すみれさん?」
かのん 「そこまで!?」
42: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:37:45.07 ID:Bcgx8NhV
かのん母 「やっぱりそうなのね。ふふ、もうそういう年頃なのね」 ニコニコ
かのん 「……え、笑顔だけど嫌じゃないの? 彼氏じゃないんだよ? 彼女なんだよ?」
かのん母 「嫌なわけないわよ。娘が幸せな恋をしている。それだけで十分」
かのん母 「それに、私は男の人と結婚したけど、男だからじゃない、あの人だから結婚したの。それと何の違いがあるの? あなたが好きになった人がたまたま女性だっただけでしょ?」
かのん 「……」
かのん 「……え、笑顔だけど嫌じゃないの? 彼氏じゃないんだよ? 彼女なんだよ?」
かのん母 「嫌なわけないわよ。娘が幸せな恋をしている。それだけで十分」
かのん母 「それに、私は男の人と結婚したけど、男だからじゃない、あの人だから結婚したの。それと何の違いがあるの? あなたが好きになった人がたまたま女性だっただけでしょ?」
かのん 「……」
43: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:38:15.25 ID:Bcgx8NhV
かのん母 「それで学校はどうするの?」
かのん 「……今日一日休んで良い?」
かのん母 「どうして?」
かのん 「すみれちゃんと付き合ってること、一年生にも伝えようか、一日考えたい」
かのん母 「……そう。ふふ、自由にしなさい」
かのん 「……今日一日休んで良い?」
かのん母 「どうして?」
かのん 「すみれちゃんと付き合ってること、一年生にも伝えようか、一日考えたい」
かのん母 「……そう。ふふ、自由にしなさい」
44: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:38:47.13 ID:Bcgx8NhV
~すみれの家~
すみれ 「はぁ……」 サッサッ
すみれ 「めちゃくちゃお母さんに怒られてしまった……」
すみれ (この時間から学校行っても仕方ないって、巫女の手伝いをして許してもらってるわけだけど)
すみれ 「後でLiella!にも休みの連絡を入れなくちゃ……」 サッサッ
すみれ妹 「お姉ちゃん! ただいま!」
すみれ 「……あんた小学校は?」
すみれ 「はぁ……」 サッサッ
すみれ 「めちゃくちゃお母さんに怒られてしまった……」
すみれ (この時間から学校行っても仕方ないって、巫女の手伝いをして許してもらってるわけだけど)
すみれ 「後でLiella!にも休みの連絡を入れなくちゃ……」 サッサッ
すみれ妹 「お姉ちゃん! ただいま!」
すみれ 「……あんた小学校は?」
45: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:39:07.94 ID:Bcgx8NhV
すみれ妹 「今日はしょくいんかいぎ? なんとかで早く終わったの!」
すみれ 「そっか」
すみれ妹 「お姉ちゃんの掃き掃除手伝うね!」
すみれ 「別に大丈夫よ?」
すみれ妹 「私がお姉ちゃんの手伝いをしたいの!」
すみれ 「ふふ、じゃあ頼もうかしら」
すみれ 「そっか」
すみれ妹 「お姉ちゃんの掃き掃除手伝うね!」
すみれ 「別に大丈夫よ?」
すみれ妹 「私がお姉ちゃんの手伝いをしたいの!」
すみれ 「ふふ、じゃあ頼もうかしら」
46: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:39:29.75 ID:Bcgx8NhV
すみれ (……かのんとこのまま真剣なお付き合いを重ねていったら)
すみれ (いつか、この子にも、話さないといけないわよね?)
すみれ (その頃には、この子も早くても中学生くらいにはなってるだろうから……多少世の中のことも知ってるだろうし)
すみれ (かのんとの恋愛をこの子に否定されたら、私……)
すみれ妹 「お姉ちゃん、大好き!」 ニコッ
すみれ 「ふふ、私もよ」 ニコッ
すみれ (いつか、この子にも、話さないといけないわよね?)
すみれ (その頃には、この子も早くても中学生くらいにはなってるだろうから……多少世の中のことも知ってるだろうし)
すみれ (かのんとの恋愛をこの子に否定されたら、私……)
すみれ妹 「お姉ちゃん、大好き!」 ニコッ
すみれ 「ふふ、私もよ」 ニコッ
47: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:39:58.18 ID:Bcgx8NhV
~学校~
恋 「うぅ……遅刻した後に学校に入るのはものすごく気まずい……」
恋 (心なしか校舎自体も、暗く見えます……)
恋 「ていうか、黒い霧が出てません? 気のせいでしょうか……」 タッタッ
ガラッ
恋 「先生! 申し訳ありません! 授業に遅れてしまい……!」
恋 「うぅ……遅刻した後に学校に入るのはものすごく気まずい……」
恋 (心なしか校舎自体も、暗く見えます……)
恋 「ていうか、黒い霧が出てません? 気のせいでしょうか……」 タッタッ
ガラッ
恋 「先生! 申し訳ありません! 授業に遅れてしまい……!」
48: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:41:05.23 ID:Bcgx8NhV
先生 「葉月さん! そんなこと気にしてないわ! とりあえず席に座りなさい!」
恋 「? わ、分かりました」 スタッ
恋 (なんだか空気が暗い? これは私の気持ちが反映されてるんでしょうか? 幻覚?)
先生 「では今日は……『三回聞いたら呪われるらしい音楽』を三回流したいと思います!!」
恋 「!?」
恋 (か、変わった授業ですね……)
恋 「? わ、分かりました」 スタッ
恋 (なんだか空気が暗い? これは私の気持ちが反映されてるんでしょうか? 幻覚?)
先生 「では今日は……『三回聞いたら呪われるらしい音楽』を三回流したいと思います!!」
恋 「!?」
恋 (か、変わった授業ですね……)
49: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:41:35.74 ID:Bcgx8NhV
先生 「ぎゃははは! では一回目! 行きますよ! みなさん!」
音楽科生徒 「「ひゃっほーーーぅ!!!」」
恋 「えっ? えっ?」
音楽科生徒 「ついでメタルも流そうぜぇぇ先公!」 ジャキィィン
音楽科生徒 「ヘッドバンギングだぁぁ! ぎゃははは!」 ブンブン
先生 「世紀末のハーモニーだぜぇぇぇ!」
恋 (これはさすがにおかしい!)
恋 (いったい皆さんに何が……!?)
音楽科生徒 「「ひゃっほーーーぅ!!!」」
恋 「えっ? えっ?」
音楽科生徒 「ついでメタルも流そうぜぇぇ先公!」 ジャキィィン
音楽科生徒 「ヘッドバンギングだぁぁ! ぎゃははは!」 ブンブン
先生 「世紀末のハーモニーだぜぇぇぇ!」
恋 (これはさすがにおかしい!)
恋 (いったい皆さんに何が……!?)
50: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:42:41.14 ID:Bcgx8NhV
音楽科生徒 「まるで夢のような時間の始まりだぁぁぁっ!!!」
恋 「ゆ、夢……?」
恋 (まさかこれもまだ夢の中だと言うのですか!? サヤさん、実はまだ私は寝坊してるままなのでは!?)
音楽科生徒 「おいおい葉月~! ノリが悪いんじゃないか? せっかくなんだから一緒に騒ごうぜ? ほら、いぇーーいっ!!」
恋 「ええっ!?」
恋 (ゆ、夢だとしてもこのノリはついていけません……!! 誰か助けて……!)
恋 「ゆ、夢……?」
恋 (まさかこれもまだ夢の中だと言うのですか!? サヤさん、実はまだ私は寝坊してるままなのでは!?)
音楽科生徒 「おいおい葉月~! ノリが悪いんじゃないか? せっかくなんだから一緒に騒ごうぜ? ほら、いぇーーいっ!!」
恋 「ええっ!?」
恋 (ゆ、夢だとしてもこのノリはついていけません……!! 誰か助けて……!)
51: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:43:48.62 ID:Bcgx8NhV
~体育館~
メイ 「早くこちらに逃げてください!」
生徒 「米女さん! あの黒い霧は何なんですか!?」
生徒 「この体育館なら安全なの!?」
生徒 「全員入れるわけないよぉぉ!!」
四季 「メイ。これで無事だった人は全員!?」
メイ 「分からん! だが黒い煙を吸ってない人は片っ端から助けてきた! なあ、四季。この体育館、大丈夫なのか!?」
メイ 「早くこちらに逃げてください!」
生徒 「米女さん! あの黒い霧は何なんですか!?」
生徒 「この体育館なら安全なの!?」
生徒 「全員入れるわけないよぉぉ!!」
四季 「メイ。これで無事だった人は全員!?」
メイ 「分からん! だが黒い煙を吸ってない人は片っ端から助けてきた! なあ、四季。この体育館、大丈夫なのか!?」
54: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:48:23.39 ID:Bcgx8NhV
四季 「……正直何とも言えない。今は校舎中に広がってるから、この少し離れた体育館に避難したにすぎない。できるだけ早く発生源を止めないと」
メイ 「発生源……科学室か……!」
四季 「黒い液体を入れてる器が壊れただけで、装置自体は故障してない。だから、あの煙は止めない限りずっと出続ける!」
メイ 「なら私が行くよ! ……夏美のおかげで特効薬も飲めたからな」
四季 「メイ! 特効薬を飲んだとしても、万能とは言えない! 発生源に近づけば煙も濃くなる! あの濃度じゃおそらく特効薬も意味がない! だから装置を止められず科学室を出たんでしょ!?」
メイ 「発生源……科学室か……!」
四季 「黒い液体を入れてる器が壊れただけで、装置自体は故障してない。だから、あの煙は止めない限りずっと出続ける!」
メイ 「なら私が行くよ! ……夏美のおかげで特効薬も飲めたからな」
四季 「メイ! 特効薬を飲んだとしても、万能とは言えない! 発生源に近づけば煙も濃くなる! あの濃度じゃおそらく特効薬も意味がない! だから装置を止められず科学室を出たんでしょ!?」
55: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:50:50.95 ID:Bcgx8NhV
メイ 「でも誰かが科学室に戻ってどうにかしないといけないだろ!?」
四季 「……今から私は特効薬を作る」
メイ 「!」
四季 「でも、この特効薬自体、最近開発できたものだし、時間がかかる。大量生産はできない。せいぜい一時間で二粒」
メイ 「二粒……!」
四季 「それも予防薬だから、まだ煙をそこまで吸ってない人にしか使えない」
四季 「……今から私は特効薬を作る」
メイ 「!」
四季 「でも、この特効薬自体、最近開発できたものだし、時間がかかる。大量生産はできない。せいぜい一時間で二粒」
メイ 「二粒……!」
四季 「それも予防薬だから、まだ煙をそこまで吸ってない人にしか使えない」
56:sage(やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:51:39.08 ID:Bcgx8NhV
メイ 「なっ! じゃあ意味ないじゃないか!」
四季 「ある!! メイと私で、装置を止めに行くメンバーを集めるの! 人数が増えれば辿り着く確率が増える!」
メイ 「そ、そうか……!」
生徒 「校舎から二人、生徒が逃げたのを見たわよ! 大丈夫なの!?」
メイ 「ええっ!?」
四季 「……悪の心が増幅された人が何をするかは分からないけど、あの煙の効果が人から人に移ることはないからそこは安心して」
四季 「ある!! メイと私で、装置を止めに行くメンバーを集めるの! 人数が増えれば辿り着く確率が増える!」
メイ 「そ、そうか……!」
生徒 「校舎から二人、生徒が逃げたのを見たわよ! 大丈夫なの!?」
メイ 「ええっ!?」
四季 「……悪の心が増幅された人が何をするかは分からないけど、あの煙の効果が人から人に移ることはないからそこは安心して」
57: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:53:16.08 ID:Bcgx8NhV
すいません、sage入力の位置を間違えて投稿してしまったので、もう一度。
58: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:54:25.42 ID:Bcgx8NhV
メイ 「なっ! じゃあ意味ないじゃないか!」
四季 「ある!! メイと私で、装置を止めに行くメンバーを集めるの! 人数が増えれば辿り着く確率が増える!」
メイ 「そ、そうか……!」
生徒 「校舎から二人、生徒が学校の外へ逃げたのを見たわよ! 大丈夫なの!?」
メイ 「ええっ!?」
四季 「……悪の心が増幅された人が何をするかは分からないけど、あの煙の効果が人から人に移ることはないからそこは安心して」
四季 「ある!! メイと私で、装置を止めに行くメンバーを集めるの! 人数が増えれば辿り着く確率が増える!」
メイ 「そ、そうか……!」
生徒 「校舎から二人、生徒が学校の外へ逃げたのを見たわよ! 大丈夫なの!?」
メイ 「ええっ!?」
四季 「……悪の心が増幅された人が何をするかは分からないけど、あの煙の効果が人から人に移ることはないからそこは安心して」
59: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:55:21.45 ID:Bcgx8NhV
メイ (集まった生徒たちがみんな焦ってる……当然だ、この状況、正気でいる方が難しい)
メイ 「なあ、四季。ここに集まった人たちだけでも学校の外に出すのはダメなのか」 ヒソヒソ
四季 「それも難しい。人の流れは風を生む。この煙が街中に移動してしまう」 ヒソヒソ
メイ 「っ!」
四季 「それに、この学校でこんな騒動が起きたことが発覚すれば、何かしらの形で生徒たちの自由は減る。問題を起こした学校は、部活動などの活動を縮小されるし、悪評がついたら残りの学校生活、生きづらくなる。それは阻止しなくちゃいけない。つまり」 ヒソヒソ
メイ 「私たちだけで解決するしかないってことか……!」
四季 「……その通り」
メイ 「なあ、四季。ここに集まった人たちだけでも学校の外に出すのはダメなのか」 ヒソヒソ
四季 「それも難しい。人の流れは風を生む。この煙が街中に移動してしまう」 ヒソヒソ
メイ 「っ!」
四季 「それに、この学校でこんな騒動が起きたことが発覚すれば、何かしらの形で生徒たちの自由は減る。問題を起こした学校は、部活動などの活動を縮小されるし、悪評がついたら残りの学校生活、生きづらくなる。それは阻止しなくちゃいけない。つまり」 ヒソヒソ
メイ 「私たちだけで解決するしかないってことか……!」
四季 「……その通り」
60: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:56:49.78 ID:Bcgx8NhV
メイ 「だが、今ここにいる人たちは混乱してるし怒ってるぞ……このままじゃ、止めたって外に出ようとする……!」
四季 「……」
四季 (覚悟を決めるしかない)
四季 「私に任せて」
メイ 「えっ?」
四季 「みんな……! 話を聞いてください!」
生徒 「「……!」」 ザワザワ
四季 「今回の煙騒動……それは、私のミスによって起きたことです」
四季 「……」
四季 (覚悟を決めるしかない)
四季 「私に任せて」
メイ 「えっ?」
四季 「みんな……! 話を聞いてください!」
生徒 「「……!」」 ザワザワ
四季 「今回の煙騒動……それは、私のミスによって起きたことです」
61: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:57:19.01 ID:Bcgx8NhV
メイ 「なっ!?」
生徒 「「若菜さんが?? 本当に?」」 ザワザワ
四季 「だから、この騒動が終わってから、私を煮ても焼いても構わない……!」
メイ 「四季、何を言ってるんだ!!」
四季 「だけど今だけは私たちに協力してほしい!! これ以上犠牲を出したくない!! お願い!!」
生徒 「「……」」
四季 (もうこれ以上……誰も傷つけたくない……!)
生徒 「「若菜さんが?? 本当に?」」 ザワザワ
四季 「だから、この騒動が終わってから、私を煮ても焼いても構わない……!」
メイ 「四季、何を言ってるんだ!!」
四季 「だけど今だけは私たちに協力してほしい!! これ以上犠牲を出したくない!! お願い!!」
生徒 「「……」」
四季 (もうこれ以上……誰も傷つけたくない……!)
62: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 18:59:05.29 ID:Bcgx8NhV
~回想 煙が発生して少しの頃~
四季 「夏美ちゃん!?」
夏美 「……四季さん、もう私を運ばなくていい。さっさと置いて、早く逃げるんですの」
メイ 「四季! とにかくまだ煙を吸ってない人たちを避難させよう! どうすればいい!」
四季 「体育館! 学校の中だと今は体育館しかない!」
メイ 「分かった!」
四季 「夏美ちゃん!?」
夏美 「……四季さん、もう私を運ばなくていい。さっさと置いて、早く逃げるんですの」
メイ 「四季! とにかくまだ煙を吸ってない人たちを避難させよう! どうすればいい!」
四季 「体育館! 学校の中だと今は体育館しかない!」
メイ 「分かった!」
63: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 19:00:12.60 ID:Bcgx8NhV
夏美 「いつも心の中で小さく思ってた、悪戯心や、反抗心や、悪知恵、それがどんどん頭に浮かぶ……! 普段納得していたことも、自分の感情に素直になりすぎるがゆえ、我慢できなくなってる。こんな危ない煙。特効薬を飲んだとは言え、吸わないに越したことはない!」
四季 「だけど! 倒れた夏美ちゃんを放っておけない!」
夏美 「あそこを見て」 チラッ
四季 「えっ?」
夏美 「窓から煙を吸ったきな子さんが見えるでしょ?」
四季 「きな子ちゃん……」
四季 「だけど! 倒れた夏美ちゃんを放っておけない!」
夏美 「あそこを見て」 チラッ
四季 「えっ?」
夏美 「窓から煙を吸ったきな子さんが見えるでしょ?」
四季 「きな子ちゃん……」
64: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 19:00:45.04 ID:Bcgx8NhV
きな子 「この北海道食品をかき集めた鍋を食べるっす!!!!」
生徒 「もう食べられないよ、きな子ちゃーーーん!」 ウェーーン
夏美 「おそらく、北海道の食べ物の魅力を伝えたい、その願いが爆発したんですの。普段ならドがつくほどの優しい方ですのに、今は嫌がってる相手にも強引に鍋を食べさせてしまってる……」
四季 「……ごめんなさい」
夏美 「責めてるんじゃないんですの。言いたいことは、いずれ私もああなってしまうということ」
四季 「!」
生徒 「もう食べられないよ、きな子ちゃーーーん!」 ウェーーン
夏美 「おそらく、北海道の食べ物の魅力を伝えたい、その願いが爆発したんですの。普段ならドがつくほどの優しい方ですのに、今は嫌がってる相手にも強引に鍋を食べさせてしまってる……」
四季 「……ごめんなさい」
夏美 「責めてるんじゃないんですの。言いたいことは、いずれ私もああなってしまうということ」
四季 「!」
65: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 19:01:14.55 ID:Bcgx8NhV
夏美 「私の近くにいて、二人に迷惑なんてかけたくない!!!! 早く、遠くに行って、そしてこの騒動を解決して、いつも通りの日常に戻してください!! 四季さん!!」
四季 「夏美ちゃん……!」
夏美 「お願いします……っ」
四季 「……分かった。メイ、私たちも体育館に向かう!」
四季 (もうこれ以上、誰も傷つけないために……!)
四季 「夏美ちゃん……!」
夏美 「お願いします……っ」
四季 「……分かった。メイ、私たちも体育館に向かう!」
四季 (もうこれ以上、誰も傷つけないために……!)
70: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 20:48:18.42 ID:Bcgx8NhV
~現在 体育館~
四季 「……っ!」
メイ (煮ても焼いてもって……! 私は四季が苦しむところなんて見たくない!)
メイ (やめてくれ、四季ぃ……) ポロポロ
生徒 「若菜さん」
四季 「!」
生徒 「あなたが本当にこの煙を?」
四季 「そう。『悪の心を増幅させる煙』を作ったのは私」
四季 「……っ!」
メイ (煮ても焼いてもって……! 私は四季が苦しむところなんて見たくない!)
メイ (やめてくれ、四季ぃ……) ポロポロ
生徒 「若菜さん」
四季 「!」
生徒 「あなたが本当にこの煙を?」
四季 「そう。『悪の心を増幅させる煙』を作ったのは私」
71: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 20:48:58.21 ID:Bcgx8NhV
メイ 「……ち、違うんだ! 聞いてくれみんな!!」
四季 「メイ……?」
メイ 「確かに、四季がこの煙を作る装置を作った! でも目的は違った! 悪の心を吸収することで、平和な社会を作ろうとしたんだ! でも装置が故障してこんなことに……」
メイ 「四季は、四季は確かに悪いことをしたけど、悪気があったんじゃない……っ! 頼む、許してほしいっ……!」 ポロポロ
四季 「……」
四季 「メイ……?」
メイ 「確かに、四季がこの煙を作る装置を作った! でも目的は違った! 悪の心を吸収することで、平和な社会を作ろうとしたんだ! でも装置が故障してこんなことに……」
メイ 「四季は、四季は確かに悪いことをしたけど、悪気があったんじゃない……っ! 頼む、許してほしいっ……!」 ポロポロ
四季 「……」
72: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 20:50:00.22 ID:Bcgx8NhV
生徒 「……米女さん」
メイ 「っ」
生徒 「許すも何も、私たちは四季さんを責める気はないよ? ねえ、みんな?」
生徒 「「うんうん」」
メイ 「えっ?」
四季 「ど、どうして……私、こんな酷いことをしたのに……」
生徒 「若菜さんも米女さんも悪い人じゃないもん。それに、さっきは混乱して嫌なことを言ってしまったけど……本当は私たちの中であなたたちに怒る人なんていない!」
メイ 「っ」
生徒 「許すも何も、私たちは四季さんを責める気はないよ? ねえ、みんな?」
生徒 「「うんうん」」
メイ 「えっ?」
四季 「ど、どうして……私、こんな酷いことをしたのに……」
生徒 「若菜さんも米女さんも悪い人じゃないもん。それに、さっきは混乱して嫌なことを言ってしまったけど……本当は私たちの中であなたたちに怒る人なんていない!」
73: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 20:51:12.86 ID:Bcgx8NhV
生徒 「だってLiella!には返しきれない恩がある!! 私たち、あなたたちの大ファンだもの!!」
生徒たち 「「そうよ! だから何か協力できることがあるなら、私たちに言って!」」
メイ 「おいおい……こんなこと、あっても良いのかよ……」 ポロポロ
四季 「み、みんな……」 ポロポロ
メイ (私たちが努力して手に入れたものは、実績や技術だけじゃない……! こんなかけがえのないものを、もらった……!)
生徒たち 「「そうよ! だから何か協力できることがあるなら、私たちに言って!」」
メイ 「おいおい……こんなこと、あっても良いのかよ……」 ポロポロ
四季 「み、みんな……」 ポロポロ
メイ (私たちが努力して手に入れたものは、実績や技術だけじゃない……! こんなかけがえのないものを、もらった……!)
74: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 20:51:32.12 ID:Bcgx8NhV
四季 「……ありがとう。じゃあ今から特効薬を作るのを手伝ってほしい」
四季 「人手が増えたら、一時間じゃなくて三十分に縮められる!」
メイ 「よしっ! みんな! 四季を全力で手伝うぞーーー!」
生徒 「「おおっーーー!」」
四季 「人手が増えたら、一時間じゃなくて三十分に縮められる!」
メイ 「よしっ! みんな! 四季を全力で手伝うぞーーー!」
生徒 「「おおっーーー!」」
79: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 22:53:37.52 ID:Bcgx8NhV
~かのんの家~
かのん母 「千砂都ちゃんが来てるわよー?」
かのん 「ちぃちゃんが?」
かのん (今学校のはずだけど、もしかして心配させちゃったかな!?)
かのん 「今行くー!」
タッタッ
かのん 「ちぃちゃん!」
千砂都 「かのんちゃん!」 ニコッ
かのん母 「千砂都ちゃんが来てるわよー?」
かのん 「ちぃちゃんが?」
かのん (今学校のはずだけど、もしかして心配させちゃったかな!?)
かのん 「今行くー!」
タッタッ
かのん 「ちぃちゃん!」
千砂都 「かのんちゃん!」 ニコッ
80: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 22:54:07.23 ID:Bcgx8NhV
かのん 「どうしたの? それに学校は?」
千砂都 「学校なんてどうでも良いの! それよりかのんちゃん! ちょっと来て!」 ギュッ
かのん 「え?」
かのん (手、引っ張る力強っ!) ググググ
かのん 「少し出かけてくるね!」
かのん母 「はーい、気をつけて行ってくるのよ」
千砂都 「学校なんてどうでも良いの! それよりかのんちゃん! ちょっと来て!」 ギュッ
かのん 「え?」
かのん (手、引っ張る力強っ!) ググググ
かのん 「少し出かけてくるね!」
かのん母 「はーい、気をつけて行ってくるのよ」
81: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 22:55:13.99 ID:Bcgx8NhV
~公園~
かのん 「ここって……」
千砂都 「うん! かのんちゃんが私を守ってくれた公園!」
かのん 「ふふ、懐かしいな」
千砂都 「あそこのブランコ漕がない?」
かのん 「えっ……あ、いや、平日の昼に公園で高校生がブランコ漕いでたら少し変じゃない?」
千砂都 「良いからさ!」 ググググ
かのん 「ちぃちゃん!?」
かのん 「ここって……」
千砂都 「うん! かのんちゃんが私を守ってくれた公園!」
かのん 「ふふ、懐かしいな」
千砂都 「あそこのブランコ漕がない?」
かのん 「えっ……あ、いや、平日の昼に公園で高校生がブランコ漕いでたら少し変じゃない?」
千砂都 「良いからさ!」 ググググ
かのん 「ちぃちゃん!?」
82: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 22:56:01.92 ID:Bcgx8NhV
かのん (ちぃちゃん、なんだかいつもと違うような……)
コギコギ
コギコギ
千砂都 「……」
かのん 「……」
千砂都 「私はずっと弱虫だった」
かのん 「そ、そんなこと」
千砂都 「そんな私をかのんちゃんは守ってくれた」
コギコギ
コギコギ
千砂都 「……」
かのん 「……」
千砂都 「私はずっと弱虫だった」
かのん 「そ、そんなこと」
千砂都 「そんな私をかのんちゃんは守ってくれた」
84: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 22:57:00.34 ID:Bcgx8NhV
かのん 「……」
千砂都 「だから、かのんちゃんの力になりたくて。かのんちゃんができないことを私は頑張ったんだ」
かのん 「ちぃちゃん……」
千砂都 「私はかのんちゃんのためなら、もっともっと努力するよ? かのんちゃんの期待に応えられるなら何でも頑張れる」
かのん 「そ、そんな! 私は望むことなんて」
千砂都 「……はっきり言っていいかな」
千砂都 「だから、かのんちゃんの力になりたくて。かのんちゃんができないことを私は頑張ったんだ」
かのん 「ちぃちゃん……」
千砂都 「私はかのんちゃんのためなら、もっともっと努力するよ? かのんちゃんの期待に応えられるなら何でも頑張れる」
かのん 「そ、そんな! 私は望むことなんて」
千砂都 「……はっきり言っていいかな」
85: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 22:57:47.47 ID:Bcgx8NhV
かのん 「え? な、なにを?」
かのん (声のトーンが低い、もしかして説教!?)
千砂都 「……いや、はっきり言うのはやめとこうかな」
かのん 「えっ……」
かのん (ちぃちゃん。何かを悩んでる……)
千砂都 「……」
かのん 「……」
千砂都 「まあいいや、移動しよう、かのんちゃん」
かのん 「えっと、どこに?」
かのん (声のトーンが低い、もしかして説教!?)
千砂都 「……いや、はっきり言うのはやめとこうかな」
かのん 「えっ……」
かのん (ちぃちゃん。何かを悩んでる……)
千砂都 「……」
かのん 「……」
千砂都 「まあいいや、移動しよう、かのんちゃん」
かのん 「えっと、どこに?」
87: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 22:58:12.25 ID:Bcgx8NhV
千砂都 「空港に」
かのん 「く、く、く、く、空港!?」
千砂都 「手錠かけとくね」 ガチャ
かのん 「!?」
千砂都 「鍵は私の家にあるけど、これでかのんちゃんは私と離れられないね」
かのん 「ちぃちゃん!? 本当に何してるの!? ねぇ!?」
千砂都 「……かのんちゃんは誰にも渡さない」
かのん 「えっ」
千砂都 「大丈夫、安心して。あっちでの生活も私が養うから」
かのん 「!?!?!?」
かのん 「く、く、く、く、空港!?」
千砂都 「手錠かけとくね」 ガチャ
かのん 「!?」
千砂都 「鍵は私の家にあるけど、これでかのんちゃんは私と離れられないね」
かのん 「ちぃちゃん!? 本当に何してるの!? ねぇ!?」
千砂都 「……かのんちゃんは誰にも渡さない」
かのん 「えっ」
千砂都 「大丈夫、安心して。あっちでの生活も私が養うから」
かのん 「!?!?!?」
93: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 23:45:16.09 ID:Bcgx8NhV
~すみれの家~
すみれ 「ほら、そこ、葉っぱ落ちてるわよ」
すみれ妹 「えー、お姉ちゃんの方が近いよ」
すみれ 「どう見たってそっちの方が近いでしょ、面倒くさがっちゃダメよ?」
すみれ妹 「えーー、お姉ちゃんそんくらいやってくれても良いじゃん」
すみれ 「ダメなものはダメ。こういうのは若いうちからしっかりやっておかないと……」
すみれ 「ほら、そこ、葉っぱ落ちてるわよ」
すみれ妹 「えー、お姉ちゃんの方が近いよ」
すみれ 「どう見たってそっちの方が近いでしょ、面倒くさがっちゃダメよ?」
すみれ妹 「えーー、お姉ちゃんそんくらいやってくれても良いじゃん」
すみれ 「ダメなものはダメ。こういうのは若いうちからしっかりやっておかないと……」
94: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 23:46:36.16 ID:Bcgx8NhV
すみれ妹 「ところでね、お姉ちゃん」
すみれ 「違う話に逸らしてもダメよ」
すみれ妹 「私ね、えらいからね」
すみれ 「うん」
すみれ妹 「こんな歌歌えるんだ!」
すみれ妹 「しあわせは歩いてこない~♪ だから歩いてゆくんだね~♪ 一日一歩~三日で三歩~♪ 三歩進んで二歩さがる~♪」 タッタッ
すみれ 「おおっー、歌詞も合ってるし音程も取れてるし上手ねぇ」 パチパチ
すみれ 「違う話に逸らしてもダメよ」
すみれ妹 「私ね、えらいからね」
すみれ 「うん」
すみれ妹 「こんな歌歌えるんだ!」
すみれ妹 「しあわせは歩いてこない~♪ だから歩いてゆくんだね~♪ 一日一歩~三日で三歩~♪ 三歩進んで二歩さがる~♪」 タッタッ
すみれ 「おおっー、歌詞も合ってるし音程も取れてるし上手ねぇ」 パチパチ
95: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 23:47:23.22 ID:Bcgx8NhV
すみれ妹 「えへへ」
すみれ 「さすが私の妹ね!」 パチパチ
すみれ妹 「ところで一歩進んだから、お姉ちゃんの方が葉っぱ近いよ」
すみれ (この子……やるわね……!)
すみれ 「分かったわよ。じゃあそっちの方、頼むわね」
すみれ妹 「分かった!」
すみれ 「さすが私の妹ね!」 パチパチ
すみれ妹 「ところで一歩進んだから、お姉ちゃんの方が葉っぱ近いよ」
すみれ (この子……やるわね……!)
すみれ 「分かったわよ。じゃあそっちの方、頼むわね」
すみれ妹 「分かった!」
96: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 23:48:45.05 ID:Bcgx8NhV
すみれ (結局掃除する量は変わらないのに……本当お姉ちゃんにかまってほしいんだから)
すみれ (まあ、可愛い妹ね)
可可 「すみれの妹……可愛いデスね」
すみれ 「って可可!? いつからそこに!?」
可可 「さっきデス」
すみれ 「あんた学校はどうしたのよ! まあ私も言える立場じゃないんだけど……」
すみれ (まあ、可愛い妹ね)
可可 「すみれの妹……可愛いデスね」
すみれ 「って可可!? いつからそこに!?」
可可 「さっきデス」
すみれ 「あんた学校はどうしたのよ! まあ私も言える立場じゃないんだけど……」
97: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 23:49:23.81 ID:Bcgx8NhV
可可 「……それと、すみれの巫女姿も可愛いデス」
すみれ 「!?」
可可 「付き合いたいくらいデス」
すみれ 「……あんた頭でも打ったの?」
可可 「どういうことデスカ!? 打ってマセン!!」
すみれ 「いや、それにしたって、なんていうか」
すみれ 「!?」
可可 「付き合いたいくらいデス」
すみれ 「……あんた頭でも打ったの?」
可可 「どういうことデスカ!? 打ってマセン!!」
すみれ 「いや、それにしたって、なんていうか」
98: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 23:49:47.97 ID:Bcgx8NhV
すみれ妹 「お姉ちゃん、こっちの落ち葉集めたよ!」
すみれ 「ご苦労様。じゃあ私はこのお姉ちゃんと少し話すから、冷蔵庫にあるケーキ食べていいわよ」
すみれ妹 「ほんと!?」
すみれ 「ええ。あっ、でも、二つのうちもう一つは私の……」
すみれ妹 「やったぁぁぁーーー!」 タッタッ
すみれ 「聞いて、ないわね……まあ二個食べても別に良いんだけど」
すみれ 「ご苦労様。じゃあ私はこのお姉ちゃんと少し話すから、冷蔵庫にあるケーキ食べていいわよ」
すみれ妹 「ほんと!?」
すみれ 「ええ。あっ、でも、二つのうちもう一つは私の……」
すみれ妹 「やったぁぁぁーーー!」 タッタッ
すみれ 「聞いて、ないわね……まあ二個食べても別に良いんだけど」
99: (やわらか銀行) 2022/11/26(土) 23:50:17.60 ID:Bcgx8NhV
可可 「……」
すみれ 「それにしたってどういう風の吹き回し? 可可」
可可 「……可可は振られてもいいのデス」
すみれ 「えっ?」
可可 「ただ、後悔だけは絶対に……」
すみれ 「可可……?」
すみれ 「それにしたってどういう風の吹き回し? 可可」
可可 「……可可は振られてもいいのデス」
すみれ 「えっ?」
可可 「ただ、後悔だけは絶対に……」
すみれ 「可可……?」
103: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:49:45.37 ID:sBkHlAKD
~とある駐車場~
タクシー運転手 「お待たせしました、お客様」
千砂都 「じゃあそろそろ行こう」
かのん 「たんま! たんま! ちょっと待ってよ!? ちぃちゃん!」
千砂都 「何かな、かのんちゃん。今からこの車に乗って空港に向かうところだけど」
かのん 「空港って!? そしてなぜタクシーが用意されてるの!?」
タクシー運転手 「お待たせしました、お客様」
千砂都 「じゃあそろそろ行こう」
かのん 「たんま! たんま! ちょっと待ってよ!? ちぃちゃん!」
千砂都 「何かな、かのんちゃん。今からこの車に乗って空港に向かうところだけど」
かのん 「空港って!? そしてなぜタクシーが用意されてるの!?」
104: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:50:09.12 ID:sBkHlAKD
千砂都 「私が予約したの」
かのん 「予約!? ま、待ってよ、タクシーってお金高いよ? それに飛行機ってチケットが必要じゃ……」
千砂都 「あるよ、チケット」
かのん 「なんでよ!?」
千砂都 「……どうにか、いろんな人とのコネクションを利用して二枚用意することができたの。イタリア行きのチケット」
かのん 「イタリア!?」
かのん 「予約!? ま、待ってよ、タクシーってお金高いよ? それに飛行機ってチケットが必要じゃ……」
千砂都 「あるよ、チケット」
かのん 「なんでよ!?」
千砂都 「……どうにか、いろんな人とのコネクションを利用して二枚用意することができたの。イタリア行きのチケット」
かのん 「イタリア!?」
105: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:50:38.32 ID:sBkHlAKD
千砂都 「イタリアは良いよ、かのんちゃん。食べ物は美味しいし、成人したらワインも美味しい。それにオシャレだし、かのんちゃんも念願の、キラキラした人になれるよ」
かのん 「……」
千砂都 「……」
かのん 「……っ、それでもダメだよ! ラブライブは!? Liella!は!? みんなはどうするの!?」
千砂都 (今、一瞬間があったな……)
かのん (一瞬、惹かれてしまった……)
タクシー運転手 (この子、揺らいでるな……)
かのん 「……」
千砂都 「……」
かのん 「……っ、それでもダメだよ! ラブライブは!? Liella!は!? みんなはどうするの!?」
千砂都 (今、一瞬間があったな……)
かのん (一瞬、惹かれてしまった……)
タクシー運転手 (この子、揺らいでるな……)
106: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:52:20.07 ID:sBkHlAKD
かのん 「ちぃちゃんだって嫌じゃないの!? だってちぃちゃんは、誰よりも真剣に練習メニューを考えて、一年生も二年生も引っ張ってきたんだよ!? ここまで来たんだよ!? なのに、それを全部諦めて海外!?」
千砂都 「っっ!」
かのん 「ちぃちゃんらしくないよ!!」
千砂都 「……」
かのん 「……私の知ってる、ちぃちゃんじゃないっ」
千砂都 「……そんなこと言ったら」
かのん 「!」
千砂都 「っっ!」
かのん 「ちぃちゃんらしくないよ!!」
千砂都 「……」
かのん 「……私の知ってる、ちぃちゃんじゃないっ」
千砂都 「……そんなこと言ったら」
かのん 「!」
107: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:52:57.20 ID:sBkHlAKD
千砂都 「かのんちゃんだってかのんちゃんじゃない!!」
かのん 「ど、どういうこと!?」
千砂都 「私の知ってるかのんちゃんなら、かのんちゃんなら私を選んでくれるはずなのに……!」 ポロポロ
千砂都 「すみれちゃんを、選んじゃった……」 ポロポロ
かのん 「え……?」
かのん 「ど、どういうこと!?」
千砂都 「私の知ってるかのんちゃんなら、かのんちゃんなら私を選んでくれるはずなのに……!」 ポロポロ
千砂都 「すみれちゃんを、選んじゃった……」 ポロポロ
かのん 「え……?」
108: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:54:05.64 ID:sBkHlAKD
千砂都 「ずっと、ずっと、かのんちゃんが、好きでした……」 ポロポロ
千砂都 「幼馴染としても、親友としても……だけどそれだけじゃなくて、恋愛的な気持ちでも……ずっと……」 ポロポロ
千砂都 「……」 ポロポロ
かのん 「ちぃちゃん……」
かのん (そうだったんだね、ちぃちゃん……)
ダキッ
千砂都 「!」
千砂都 「幼馴染としても、親友としても……だけどそれだけじゃなくて、恋愛的な気持ちでも……ずっと……」 ポロポロ
千砂都 「……」 ポロポロ
かのん 「ちぃちゃん……」
かのん (そうだったんだね、ちぃちゃん……)
ダキッ
千砂都 「!」
109: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:55:11.04 ID:sBkHlAKD
かのん 「……ちぃちゃん、ごめん」
かのん 「その告白には、私はイエスとは言えない」
千砂都 「うぅ」
かのん 「やっぱりちぃちゃんは、大事な幼馴染で、家族のような人だから、恋愛的な視点では見れない。それに、私本当に恋してるんだ、すみれちゃんに」
千砂都 「……あはは、だよね」
千砂都 「結果は分かってたよ……振られるってこと……。でも微かにどこか願ってたんだ。ひょっとしたらかのんちゃんなら、心変わりして私を選んでくれるんじゃないかなって」
かのん 「その告白には、私はイエスとは言えない」
千砂都 「うぅ」
かのん 「やっぱりちぃちゃんは、大事な幼馴染で、家族のような人だから、恋愛的な視点では見れない。それに、私本当に恋してるんだ、すみれちゃんに」
千砂都 「……あはは、だよね」
千砂都 「結果は分かってたよ……振られるってこと……。でも微かにどこか願ってたんだ。ひょっとしたらかのんちゃんなら、心変わりして私を選んでくれるんじゃないかなって」
110: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:55:58.27 ID:sBkHlAKD
かのん 「……」
千砂都 「こんな切ない思いをするなら告白なんかするんじゃなかった、な……」
かのん 「私は嬉しかったよ」
千砂都 「!」
かのん 「……告白してくれたこと。私全然知らなかったんだ、ちぃちゃんの気持ち。本当に、鈍感だよね。こんなに一緒にいたのに」
千砂都 「……」
千砂都 「こんな切ない思いをするなら告白なんかするんじゃなかった、な……」
かのん 「私は嬉しかったよ」
千砂都 「!」
かのん 「……告白してくれたこと。私全然知らなかったんだ、ちぃちゃんの気持ち。本当に、鈍感だよね。こんなに一緒にいたのに」
千砂都 「……」
111: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:56:19.96 ID:sBkHlAKD
かのん 「このまま、ちぃちゃんの気持ちを知らないままで、一生を過ごしてたら絶対に後悔してたと思う。だから、ちぃちゃんが勇気を出してくれたこと、私は嬉しい。ありがとう、ちぃちゃん」
千砂都 「……っ」 ポロポロ
かのん 「ごめんね……でもっ、大好きだよ、ちぃちゃん……っ!」 ポロポロ
千砂都 「かのんちゃん……かのんちゃん……っ!!」 ポロポロ
かのん・千砂都 「「うわぁぁぁぁぁーーーーん」」 ポロポロ
千砂都 「……っ」 ポロポロ
かのん 「ごめんね……でもっ、大好きだよ、ちぃちゃん……っ!」 ポロポロ
千砂都 「かのんちゃん……かのんちゃん……っ!!」 ポロポロ
かのん・千砂都 「「うわぁぁぁぁぁーーーーん」」 ポロポロ
112: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:56:38.95 ID:sBkHlAKD
タクシー運転手 「……」
タクシー運転手 (青春ってやつは、儚かったり楽しかったり、複雑だねぇ)
タクシー運転手 (でもどうか、この子たちには幸せな未来を送ってほしいものだ……)
タクシー運転手 「なんだか甘いねぇ、コーヒーでも買ってくるかな……」
タクシー運転手 (青春ってやつは、儚かったり楽しかったり、複雑だねぇ)
タクシー運転手 (でもどうか、この子たちには幸せな未来を送ってほしいものだ……)
タクシー運転手 「なんだか甘いねぇ、コーヒーでも買ってくるかな……」
113: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:58:37.08 ID:sBkHlAKD
~音楽科教室~
恋 「みなさん、盛り上がってますかーー!」
音楽科生徒 「「ひゅーーーー!」」
恋 「今、この音楽は何回目?」
音楽科生徒 「「二回目ーーーー!」」
恋 「つまり、後一回聞いたら私たちピンチってことです! だから、代わりに私のロックを聴いてもらいたいっ!!」
音楽科生徒 「「恋ちゃんのロック聴かせてーーーー!!」」
恋 「みなさん、盛り上がってますかーー!」
音楽科生徒 「「ひゅーーーー!」」
恋 「今、この音楽は何回目?」
音楽科生徒 「「二回目ーーーー!」」
恋 「つまり、後一回聞いたら私たちピンチってことです! だから、代わりに私のロックを聴いてもらいたいっ!!」
音楽科生徒 「「恋ちゃんのロック聴かせてーーーー!!」」
114: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:59:13.95 ID:sBkHlAKD
恋 (……なぜか場の空気に流されてくうちに、私がステージで歌うことになりました)
恋 (しかもロッカーみたいな格好になっております)
恋 (かつてお母様が好きでよく見ていた、YAZAWAのパフォーマンスをなんとか思い出しながら……それっぽく振る舞っております)
恋 「……お母様。今も私を見守ってくれてますか?」
恋 「ロックが生き様を見せるというなら、今の私の気持ち。全部ここに込めますっ!」 ジャキーーーン
音楽科生徒 「「おおっーーーー!」」
恋 (しかもロッカーみたいな格好になっております)
恋 (かつてお母様が好きでよく見ていた、YAZAWAのパフォーマンスをなんとか思い出しながら……それっぽく振る舞っております)
恋 「……お母様。今も私を見守ってくれてますか?」
恋 「ロックが生き様を見せるというなら、今の私の気持ち。全部ここに込めますっ!」 ジャキーーーン
音楽科生徒 「「おおっーーーー!」」
115: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 11:59:41.25 ID:sBkHlAKD
恋 「Everybody! 叫べ今宵今夜はTonight!」
音楽科生徒 「「全部同じ意味!!」」
トゥクトゥクトゥク
音楽科ドラム担当 「REN、準備はいいか」
ウィンウィーーギィィン
音楽科ギター担当 「私たちにあなたの気持ちをすべて表現できるかは分からないけど」
バババッン
音楽科ベース担当 「表現ってものは、全力の先に見えるもんさ、なあ、そうだろ?」
音楽科生徒 「「全部同じ意味!!」」
トゥクトゥクトゥク
音楽科ドラム担当 「REN、準備はいいか」
ウィンウィーーギィィン
音楽科ギター担当 「私たちにあなたの気持ちをすべて表現できるかは分からないけど」
バババッン
音楽科ベース担当 「表現ってものは、全力の先に見えるもんさ、なあ、そうだろ?」
116: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 12:01:38.02 ID:sBkHlAKD
「「「REN!!!!!」」」
恋 「……お母様」
恋 (私、なんだかロックにハマってしまいそうな、悪い女の子になってしまうかもしれませんっ!! だけど!!)
REN 「何も考えずに全力で歌う……それが最高だーーーーっ!!」
音楽科生徒 「「きゃーーーーー! REN、かっこいいーーー!」」
恋 「……お母様」
恋 (私、なんだかロックにハマってしまいそうな、悪い女の子になってしまうかもしれませんっ!! だけど!!)
REN 「何も考えずに全力で歌う……それが最高だーーーーっ!!」
音楽科生徒 「「きゃーーーーー! REN、かっこいいーーー!」」
121: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 15:49:04.70 ID:sBkHlAKD
~体育館~
四季 「その薬品をビーカーに」
生徒 「わ、分かりました!」
キャーーーーー! レンーーーッ!
メイ 「……校舎の方から音楽が聴こえねぇか? 結構激しめの」
生徒 「えっ? 気のせいじゃないですか?」
四季 「その薬品をビーカーに」
生徒 「わ、分かりました!」
キャーーーーー! レンーーーッ!
メイ 「……校舎の方から音楽が聴こえねぇか? 結構激しめの」
生徒 「えっ? 気のせいじゃないですか?」
122: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 15:49:27.32 ID:sBkHlAKD
ブクブク
四季 「……」
四季 (今だっ……!) カチッ
四季 「よし。あとは少し待つだけ。みんな、お疲れ様! これで三十分で二粒作れた! ありがとう!」
生徒 「やったーーーー!」
生徒 「信じて良かったーーー!」
メイ 「四季、お疲れ様。ほらジュース」 スッ
四季 「……ありがとう。ちょうど喉が渇いてた」 ゴクッゴクッ
四季 「……」
四季 (今だっ……!) カチッ
四季 「よし。あとは少し待つだけ。みんな、お疲れ様! これで三十分で二粒作れた! ありがとう!」
生徒 「やったーーーー!」
生徒 「信じて良かったーーー!」
メイ 「四季、お疲れ様。ほらジュース」 スッ
四季 「……ありがとう。ちょうど喉が渇いてた」 ゴクッゴクッ
123: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 15:50:42.46 ID:sBkHlAKD
メイ 「なあ、一休みのところ悪いんだが、質問いくつかしていいか?」
四季 「Of course」
メイ 「この特効薬は予防がメインなんだろ? それって煙を止めても、煙を吸ってしまった人は治らないってことなのか?」
四季 「……この特効薬では治らない。でも、煙を止めた後に、何時間かかるかもしれないけど、吸ってしまった人にも効く治療薬を作る予定」
メイ 「なら先にそれをやった方がいいんじゃ……最悪、みんなが煙を吸ってしまっても、後でその治療薬を飲ませればいいわけだし……」
四季 「Of course」
メイ 「この特効薬は予防がメインなんだろ? それって煙を止めても、煙を吸ってしまった人は治らないってことなのか?」
四季 「……この特効薬では治らない。でも、煙を止めた後に、何時間かかるかもしれないけど、吸ってしまった人にも効く治療薬を作る予定」
メイ 「なら先にそれをやった方がいいんじゃ……最悪、みんなが煙を吸ってしまっても、後でその治療薬を飲ませればいいわけだし……」
124: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 15:51:23.28 ID:sBkHlAKD
四季 「ダメ。この煙は吸いすぎると手遅れになる。もう完全に心に悪が定着してしまう」
メイ 「なっ!?」
四季 「それに、煙がどんどん広がって街中に入ってたら、もっと大変なことになる。だからまずは煙を止めて、これ以上吸うことがない状態にしてから、治療薬を作る方が良い」
メイ 「な、なるほど……」
四季 「それに、甘く見ない方が良い」
メイ 「何を?」
メイ 「なっ!?」
四季 「それに、煙がどんどん広がって街中に入ってたら、もっと大変なことになる。だからまずは煙を止めて、これ以上吸うことがない状態にしてから、治療薬を作る方が良い」
メイ 「な、なるほど……」
四季 「それに、甘く見ない方が良い」
メイ 「何を?」
125: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 15:51:39.74 ID:sBkHlAKD
四季 「……煙を吸った人たちを」
メイ 「えっ? 悪の心が増大したから、暴力的になってるとか……?」
四季 「それもあるけど、何より意識しなきゃいけないことは、『解放感』」
メイ 「?」
四季 「……みんなが我慢してた、抑圧してた、小さな悪い心を増幅させるってことは、一種の『解放感』を感じさせる。つまり、嫌な気持ちではないということ。そんな状態を止めようとしてくる人たちがいたら?」
メイ 「はぁ、邪魔されるってことか……」
メイ 「えっ? 悪の心が増大したから、暴力的になってるとか……?」
四季 「それもあるけど、何より意識しなきゃいけないことは、『解放感』」
メイ 「?」
四季 「……みんなが我慢してた、抑圧してた、小さな悪い心を増幅させるってことは、一種の『解放感』を感じさせる。つまり、嫌な気持ちではないということ。そんな状態を止めようとしてくる人たちがいたら?」
メイ 「はぁ、邪魔されるってことか……」
126: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 15:51:56.73 ID:sBkHlAKD
四季 「そう。それも含めて、なるべく装置を止めに行く人の数は増やさないといけない」
メイ 「……」
四季 「……」
メイ 「想像以上に長い道のりになりそうだ」
四季 「……時間制限はあるけどね。とりあえず特効薬ができたら、誰が二粒飲むか、話し合う」
メイ 「……よし、分かった」
メイ 「……」
四季 「……」
メイ 「想像以上に長い道のりになりそうだ」
四季 「……時間制限はあるけどね。とりあえず特効薬ができたら、誰が二粒飲むか、話し合う」
メイ 「……よし、分かった」
127: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:04:14.52 ID:sBkHlAKD
~すみれの家~
可可 「……」
すみれ 「可可、本当にどうしたのよ?」
すみれ 「急に褒めてきたり、どこかしおらしかったり、いつもの可可らしくないわよ」
可可 「……いつもの可可ってどんな感じですか」
すみれ 「えっ? そりゃあ、まあ、グソクムシとか言ってきたり? 変に突っかかってきたり?」
可可 「うぅ」 ポロポロ
可可 「……」
すみれ 「可可、本当にどうしたのよ?」
すみれ 「急に褒めてきたり、どこかしおらしかったり、いつもの可可らしくないわよ」
可可 「……いつもの可可ってどんな感じですか」
すみれ 「えっ? そりゃあ、まあ、グソクムシとか言ってきたり? 変に突っかかってきたり?」
可可 「うぅ」 ポロポロ
128: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:04:48.96 ID:sBkHlAKD
すみれ 「ええっ!? なんでそれで泣くのよ!?」
可可 「やっぱり、可可がそんな態度を取ったからぁ……」 ポロポロ
すみれ 「……」
すみれ 「可可、少しここで待ってて」
可可 「え?」 ポロポロ
すみれ 「……すぐ戻ってくるから」 タッタッ
可可 「す、すみれ……」
可可 「やっぱり、可可がそんな態度を取ったからぁ……」 ポロポロ
すみれ 「……」
すみれ 「可可、少しここで待ってて」
可可 「え?」 ポロポロ
すみれ 「……すぐ戻ってくるから」 タッタッ
可可 「す、すみれ……」
129: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:05:12.79 ID:sBkHlAKD
可可 (離れてしまいました……)
可可 (当然、ですよね……急に泣き出したりしたら迷惑ですし、心底呆れるハズです……)
すみれ 「お待たせ」 タッタッ
すみれ 「ほら、これ持って」 スッ
可可 「え……こ、これは、フォーク……?」
可可 (それにすみれが持ってるのはなんの箱デスカ……?)
すみれ 「まだ妹が食べてなかったから私の分のケーキ、可可にあげる」
可可 「なっ!?」
可可 (当然、ですよね……急に泣き出したりしたら迷惑ですし、心底呆れるハズです……)
すみれ 「お待たせ」 タッタッ
すみれ 「ほら、これ持って」 スッ
可可 「え……こ、これは、フォーク……?」
可可 (それにすみれが持ってるのはなんの箱デスカ……?)
すみれ 「まだ妹が食べてなかったから私の分のケーキ、可可にあげる」
可可 「なっ!?」
130: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:12:57.80 ID:sBkHlAKD
すみれ 「何か悲しいことがあったんでしょ? そういうときには甘いものに限るわ」
可可 「す、すみれ……」
すみれ 「なに? 気遣ってるの? 良いのよ、別に、大事な友達のためだもの。ケーキ一個くらい」
可可 (なんで……)
可可 「……なんでそんな優しいんですか、すみれは!?」
すみれ 「え?」
可可 「す、すみれ……」
すみれ 「なに? 気遣ってるの? 良いのよ、別に、大事な友達のためだもの。ケーキ一個くらい」
可可 (なんで……)
可可 「……なんでそんな優しいんですか、すみれは!?」
すみれ 「え?」
131: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:13:34.51 ID:sBkHlAKD
可可 「可可は、可可は、すみれにいつも酷いことばかり言って! な、なのに、こんな気持ちもあるから、二人が付き合ったこともす、素直に認められなくて……」 ウルウル
すみれ 「ってちょっとまた泣くの!? 可可、落ち着きなさい! あ、あのね!」
すみれ 「可可の言ってること、よく分からないけど、別に私はあなたが言ったことで傷ついたりなんかしてないわよ!」
可可 「……え?」
すみれ 「確かによく喧嘩するけど、その、なんていうか……可愛い妹がもう一人いる気分っていうか。そ、それに、私がセンターで歌ったときとか、可可にはたくさん助けられてきたし! それで、だから!」
すみれ 「うぅ、上手く説明できないけど……」 アセアセ
すみれ 「ってちょっとまた泣くの!? 可可、落ち着きなさい! あ、あのね!」
すみれ 「可可の言ってること、よく分からないけど、別に私はあなたが言ったことで傷ついたりなんかしてないわよ!」
可可 「……え?」
すみれ 「確かによく喧嘩するけど、その、なんていうか……可愛い妹がもう一人いる気分っていうか。そ、それに、私がセンターで歌ったときとか、可可にはたくさん助けられてきたし! それで、だから!」
すみれ 「うぅ、上手く説明できないけど……」 アセアセ
132: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:14:38.70 ID:sBkHlAKD
可可 「……」
可可 「……説明しなくて良いですよ、すみれ」 ニコッ
すみれ 「え?」
可可 「もう十分伝わりました。すみれは、本当に優しいです」
すみれ 「ちょ、今日のあんたやっぱり少し変よ?」
可可 「……頭は打ってマセンヨ」
すみれ 「そ、それは分かったけど」
可可 「……説明しなくて良いですよ、すみれ」 ニコッ
すみれ 「え?」
可可 「もう十分伝わりました。すみれは、本当に優しいです」
すみれ 「ちょ、今日のあんたやっぱり少し変よ?」
可可 「……頭は打ってマセンヨ」
すみれ 「そ、それは分かったけど」
133: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:15:14.50 ID:sBkHlAKD
可可 「すみれ」
すみれ 「!」 ドキッ
可可 「……可可はすみれが好きです」
すみれ 「あ、ありがとう、でもそれは私だって」
可可 「違いマス! 恋の意味で好きなんです!」
すみれ 「……はい?」
可可 「でも今まで素直になれなくて、喧嘩言葉ばかり……だけど、本当は可可、あなたが好きでした」
すみれ 「!」 ドキッ
可可 「……可可はすみれが好きです」
すみれ 「あ、ありがとう、でもそれは私だって」
可可 「違いマス! 恋の意味で好きなんです!」
すみれ 「……はい?」
可可 「でも今まで素直になれなくて、喧嘩言葉ばかり……だけど、本当は可可、あなたが好きでした」
134: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:15:41.38 ID:sBkHlAKD
可可 「すみれと喋ってるとき、可可はなんでも言えます。それはダメなことも分かってますが、だけど、すみれと喋るのが楽しすぎて、幸せすぎて……」
可可 「……これが、恋じゃないなら、可可はもうよく分かりマセン」
すみれ 「……あんた、本気なの?」
可可 「……本気です」
すみれ 「……」
可可 「……」
可可 「……これが、恋じゃないなら、可可はもうよく分かりマセン」
すみれ 「……あんた、本気なの?」
可可 「……本気です」
すみれ 「……」
可可 「……」
135: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:16:16.74 ID:sBkHlAKD
すみれ 「私を好きになってくれた、その気持ちはとても嬉しいけど」
可可 「うっ」
可可 「うぅ……」 ポロポロ
すみれ 「ってちょっとまだ話してないでしょ!? 泣かないでよ!」
可可 「だってぇ……!」 ポロポロ
すみれ 「……」
すみれ 「分かってるようだから言うわね。ごめんなさい、可可」
可可 「……っ」 ポロポロ
可可 「うっ」
可可 「うぅ……」 ポロポロ
すみれ 「ってちょっとまだ話してないでしょ!? 泣かないでよ!」
可可 「だってぇ……!」 ポロポロ
すみれ 「……」
すみれ 「分かってるようだから言うわね。ごめんなさい、可可」
可可 「……っ」 ポロポロ
136: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:17:23.64 ID:sBkHlAKD
すみれ 「私、かのんが好きなの。Liella!のみんなは大切だし、可可も大切。みんな好きよ。だけど、恋人として好きなのは、かのん……かのんなの!」
可可 「す、すみれぇ……」 ポロポロ
すみれ 「……これだけは譲れない」
すみれ (酷い言い方をしたかしら)
すみれ (可可とこれがきっかけで、距離を置かれたらどうしよう)
すみれ (でも、かのんが好きなのはもう私の中で揺らがないこと。それに、変な返事を濁して可可を傷つけるのも間違い)
すみれ (ここではっきり言うことは、間違ってない……そう、仕方ないことなのよ……!)
可可 「す、すみれぇ……」 ポロポロ
すみれ 「……これだけは譲れない」
すみれ (酷い言い方をしたかしら)
すみれ (可可とこれがきっかけで、距離を置かれたらどうしよう)
すみれ (でも、かのんが好きなのはもう私の中で揺らがないこと。それに、変な返事を濁して可可を傷つけるのも間違い)
すみれ (ここではっきり言うことは、間違ってない……そう、仕方ないことなのよ……!)
137: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:17:48.75 ID:sBkHlAKD
すみれ 「だから……っ、ごめんね、可可……!!」 ポロポロ
可可 「いいんです、すみれ……」 ポロポロ
すみれ 「!」 ポロポロ
可可 「ちゃんと振ってくれて、ありがとう……そういうところがあなたの、素敵なところですから……」 ポロポロ
すみれ 「可可……」 ポロポロ
可可 (……さよなら、です)
可可 (可可の無謀な、でも無駄じゃなかった、楽しかった恋……)
可可 「いいんです、すみれ……」 ポロポロ
すみれ 「!」 ポロポロ
可可 「ちゃんと振ってくれて、ありがとう……そういうところがあなたの、素敵なところですから……」 ポロポロ
すみれ 「可可……」 ポロポロ
可可 (……さよなら、です)
可可 (可可の無謀な、でも無駄じゃなかった、楽しかった恋……)
138: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:20:41.91 ID:sBkHlAKD
~とある駐車場~
かのん 「えっ!? 黒い煙!?」
千砂都 「うん……今学校は大変なことになってる」
かのん 「なんで!? どうして!? みんなは、みんなは大丈夫なの!?」
千砂都 「……分からない」
かのん 「は、早く行かないと!」
千砂都 「その前にかのんちゃん、謝らせて」
かのん 「えっ?」
かのん 「えっ!? 黒い煙!?」
千砂都 「うん……今学校は大変なことになってる」
かのん 「なんで!? どうして!? みんなは、みんなは大丈夫なの!?」
千砂都 「……分からない」
かのん 「は、早く行かないと!」
千砂都 「その前にかのんちゃん、謝らせて」
かのん 「えっ?」
139: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:21:55.83 ID:sBkHlAKD
千砂都 「……多分、その黒い煙のせいだとは思うんだけど、私の心の中にある、『かのんちゃんと結ばれるのは私だ』っていうワガママな気持ちが、『二人を祝ってあげなくちゃ』っていう気持ちに勝っちゃった。だけど黒い煙だけが理由じゃない!」
千砂都 「結局は私の心の弱さが、かのんちゃんに苦しい思いをさせた。だからごめんなさい……っ」
かのん 「……ちぃちゃん。さっき言ったでしょ。私は、ちぃちゃんが正直に話してくれたこと、嬉しかったって」
千砂都 「でも……」
千砂都 「結局は私の心の弱さが、かのんちゃんに苦しい思いをさせた。だからごめんなさい……っ」
かのん 「……ちぃちゃん。さっき言ったでしょ。私は、ちぃちゃんが正直に話してくれたこと、嬉しかったって」
千砂都 「でも……」
140: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:22:26.72 ID:sBkHlAKD
かのん 「それに、ここまで来たけど、もう私を海外に連れて行く気はないんでしょ」
千砂都 「そ、それは、もちろんだよ!」
かのん 「……だったらその心の闇に、ちぃちゃんの優しさが勝ったってことだよ」
千砂都 「!」
かのん 「やっぱりちぃちゃんはちぃちゃんだ! 誰にも負けない私の最強の幼馴染!」 ニコッ
千砂都 「かのんちゃん……!」ウルウル
千砂都 「そ、それは、もちろんだよ!」
かのん 「……だったらその心の闇に、ちぃちゃんの優しさが勝ったってことだよ」
千砂都 「!」
かのん 「やっぱりちぃちゃんはちぃちゃんだ! 誰にも負けない私の最強の幼馴染!」 ニコッ
千砂都 「かのんちゃん……!」ウルウル
141: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:23:05.38 ID:sBkHlAKD
タクシー運転手 「あ、あの……」
かのん 「あっ、忘れてた」
千砂都 「す、すいません、待たせてしまって……でも悪いんですけど空港に行く予定は……」
タクシー運転手 「後ろ乗りな、二人とも」
かのん・千砂都 「「!?」」
かのん 「あっ、忘れてた」
千砂都 「す、すいません、待たせてしまって……でも悪いんですけど空港に行く予定は……」
タクシー運転手 「後ろ乗りな、二人とも」
かのん・千砂都 「「!?」」
142: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 17:24:12.63 ID:sBkHlAKD
タクシー運転手 「まずはそのお嬢ちゃんの家に向かって、手錠を外さなくちゃいけないんだろ? それから学校で良いのかな」
かのん 「ええっ!? わ、悪いですよ、そんな! 私たちの事情に巻き込んじゃ」
タクシー運転手 「良いんだ。見たところ、時間が早いに越したことはないって感じだし、近道はよく知ってる。お代も要らない」
かのん 「ええっ!?」
タクシー運転手 「甘ったるい砂糖を貰ったってことで帳消しさ」
かのん 「ええっ!? わ、悪いですよ、そんな! 私たちの事情に巻き込んじゃ」
タクシー運転手 「良いんだ。見たところ、時間が早いに越したことはないって感じだし、近道はよく知ってる。お代も要らない」
かのん 「ええっ!?」
タクシー運転手 「甘ったるい砂糖を貰ったってことで帳消しさ」
146: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:18:35.11 ID:sBkHlAKD
~すみれの家~
可可 「……」 モグモグ
すみれ 「どう? 美味しい? ケーキ」
可可 「少し甘酸っぱいです……」 モグモグ
すみれ 「ああ、いちごケーキだからね」
可可 (こんな鈍感で、かのんとやってゆけるのでしょうか……心配です……)
可可 (でもかのんも似たようなものですね……)
可可 「……」 モグモグ
すみれ 「どう? 美味しい? ケーキ」
可可 「少し甘酸っぱいです……」 モグモグ
すみれ 「ああ、いちごケーキだからね」
可可 (こんな鈍感で、かのんとやってゆけるのでしょうか……心配です……)
可可 (でもかのんも似たようなものですね……)
147: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:19:07.60 ID:sBkHlAKD
すみれ 「……それで、その黒い煙を吸ってから、歯止めが効かなくなったと」
可可 「はい。そこから、すみれが困ると分かってたのに、来てしまいマシタ」
すみれ 「別に困ってないってば。それで、その黒い煙の原因は分かってるの?」
可可 「……」
すみれ 「って、可可が知ってるわけないか。うーん、とりあえずLiella!のみんなに連絡して……」
可可 「はい。そこから、すみれが困ると分かってたのに、来てしまいマシタ」
すみれ 「別に困ってないってば。それで、その黒い煙の原因は分かってるの?」
可可 「……」
すみれ 「って、可可が知ってるわけないか。うーん、とりあえずLiella!のみんなに連絡して……」
148: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:19:25.47 ID:sBkHlAKD
可可 「……知ってます」
すみれ 「そこからできれば集合して……って、今なんて?」
可可 「知ってるどころか可可が原因なんです」
すみれ 「……」
可可 「……ごめんなさい、すみれ」 ペコッ
すみれ 「ええっ!?」
すみれ 「そこからできれば集合して……って、今なんて?」
可可 「知ってるどころか可可が原因なんです」
すみれ 「……」
可可 「……ごめんなさい、すみれ」 ペコッ
すみれ 「ええっ!?」
150: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:31:10.95 ID:sBkHlAKD
~回想 昨日の放課後~
可可 「すみれと、かのんが……」 ショボーン
可可 「……この気持ち、どうすればイイですか」
可可 (暴発して、すみれへ想いをぶつけたものなら、すみれが非常に困ってしまいます。とはいえ、耐え忍ぶのも苦しい……)
可可 「しきしき、なら、こんな気持ちも上手く整理できる装置を待ってるかも……」
可可 「すみれと、かのんが……」 ショボーン
可可 「……この気持ち、どうすればイイですか」
可可 (暴発して、すみれへ想いをぶつけたものなら、すみれが非常に困ってしまいます。とはいえ、耐え忍ぶのも苦しい……)
可可 「しきしき、なら、こんな気持ちも上手く整理できる装置を待ってるかも……」
151: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:31:45.66 ID:sBkHlAKD
トントン
可可 「誰かいませんか……?」
可可 「入りますよー?」
ガラッ
可可 「……しきしきも、メイメイもいない」
可可 (あるのは、机の上にある変な装置だけ……)
可可 「なんでしょう、これ。たくさんボタン付いてますが」 ポチポチッ
可可 「誰かいませんか……?」
可可 「入りますよー?」
ガラッ
可可 「……しきしきも、メイメイもいない」
可可 (あるのは、机の上にある変な装置だけ……)
可可 「なんでしょう、これ。たくさんボタン付いてますが」 ポチポチッ
152: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:32:17.54 ID:sBkHlAKD
ウィーーン
シュワシュワシュワ
可可 (開けた途端、中にある液体が気化した!?)
可可 「嫌な予感! すぐ閉めるです!」 ポチポチッ
ウィーーン
可可 「ふぅ、閉じました」
可可 (にしても、なんだったのですか、今の液体、および気体は……)
シュワシュワシュワ
可可 (開けた途端、中にある液体が気化した!?)
可可 「嫌な予感! すぐ閉めるです!」 ポチポチッ
ウィーーン
可可 「ふぅ、閉じました」
可可 (にしても、なんだったのですか、今の液体、および気体は……)
153: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:32:48.18 ID:sBkHlAKD
可可 「?」 クラッ
可可 (なんだかクラクラするような? もしかして今の気体を吸ったんじゃ……)
可可 (それに、なんだか今なら、かのんのことを気にせず、すみれに告白できるような……!)
可可 (そうです! 振られたとしても、そうじゃないにしても、せめて告白できなければ、可可は一生後悔する……!)
可可 (なら勇気を出さないと!)
可可 (なんだかクラクラするような? もしかして今の気体を吸ったんじゃ……)
可可 (それに、なんだか今なら、かのんのことを気にせず、すみれに告白できるような……!)
可可 (そうです! 振られたとしても、そうじゃないにしても、せめて告白できなければ、可可は一生後悔する……!)
可可 (なら勇気を出さないと!)
154: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:36:51.39 ID:sBkHlAKD
可可 (だけど……だけど、あと少しだけ勇気が足りない……)
可可 「この装置を持ち帰れば、勇気を出せるでしょうか……?」 ガシッ
可可 「動かせないように机に固定されてますね。えっと、工具なら外せるでしょうか」
可可 「ふむ、なるほど、なるほど」 ガチャガチャ
タッタッ
「早く、あの装置を完成させないと……」
可可 (誰か来る!?)
可可 「この装置を持ち帰れば、勇気を出せるでしょうか……?」 ガシッ
可可 「動かせないように机に固定されてますね。えっと、工具なら外せるでしょうか」
可可 「ふむ、なるほど、なるほど」 ガチャガチャ
タッタッ
「早く、あの装置を完成させないと……」
可可 (誰か来る!?)
155: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:38:03.31 ID:sBkHlAKD
可可 (に、逃げないと……!)
タッタッ
ガラッ
四季 「……今誰かいた? この時間に科学室に?」
四季 「……気のせいか。それより早く完成させないと。いち早く平和な社会のために。そして、メイとのイチャイチャのために。ずばり後者が本命だけど」
タッタッ
ガラッ
四季 「……今誰かいた? この時間に科学室に?」
四季 「……気のせいか。それより早く完成させないと。いち早く平和な社会のために。そして、メイとのイチャイチャのために。ずばり後者が本命だけど」
156: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 18:38:24.37 ID:sBkHlAKD
~現在 すみれの家~
可可 「……ということでして」
すみれ 「科学室ならどう考えても四季が関係あるったらありそうね」
可可 「きっとあの液体が何かしらの衝撃でこぼれたんです。可可が固定してたのを取ったから……」
すみれ 「……うーん、まあ起きちゃったものは仕方ないし、とりあえず、四季なら何か対策をしてるはずだわ。学校に向かいましょう、可可」
可可 「す、すみれ」
すみれ 「とにかく学校がそんなことになってるなら、なんとかしないと!」
可可 「……ということでして」
すみれ 「科学室ならどう考えても四季が関係あるったらありそうね」
可可 「きっとあの液体が何かしらの衝撃でこぼれたんです。可可が固定してたのを取ったから……」
すみれ 「……うーん、まあ起きちゃったものは仕方ないし、とりあえず、四季なら何か対策をしてるはずだわ。学校に向かいましょう、可可」
可可 「す、すみれ」
すみれ 「とにかく学校がそんなことになってるなら、なんとかしないと!」
157: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:20:16.80 ID:sBkHlAKD
~体育館~
四季 「特効薬が完成した……!」
生徒 「「やったぁぁーーー!」」
メイ 「それで、誰がそれを飲むかだが……」
生徒 「「……」」
生徒 「私が行きます」
生徒 「いや私が!」
四季 「この特効薬も万能じゃない。煙の発生源に近づいたら、正気を失うかもしれない。それでも行ってくれる……?」
四季 「特効薬が完成した……!」
生徒 「「やったぁぁーーー!」」
メイ 「それで、誰がそれを飲むかだが……」
生徒 「「……」」
生徒 「私が行きます」
生徒 「いや私が!」
四季 「この特効薬も万能じゃない。煙の発生源に近づいたら、正気を失うかもしれない。それでも行ってくれる……?」
158: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:20:45.29 ID:sBkHlAKD
生徒 「っ」 ガタガタ
生徒 「こ、怖いけど、米女さんと若菜さんについて行きます……!」 ガタガタ
メイ (そんな震えてる人に行かせられねぇよ……気持ちは十分嬉しいが……)
かのん 「四季ちゃん! メイちゃん!」 タッタッ
メイ 「かのん先輩!? 無事だったんですか!?」
千砂都 「私もいるよ!」 タッタッ
四季 「千砂都先輩!」
生徒 「こ、怖いけど、米女さんと若菜さんについて行きます……!」 ガタガタ
メイ (そんな震えてる人に行かせられねぇよ……気持ちは十分嬉しいが……)
かのん 「四季ちゃん! メイちゃん!」 タッタッ
メイ 「かのん先輩!? 無事だったんですか!?」
千砂都 「私もいるよ!」 タッタッ
四季 「千砂都先輩!」
159: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:21:21.49 ID:sBkHlAKD
すみれ 「良かった! かのんも千砂都も四季もメイも無事だったのね!」 タッタッ
可可 「可可もいるですよ!」 タッタッ
メイ 「良かった……っ!! 無事だった……っ!!」 ポロポロ
すみれ 「ってメイ!? いくらなんでも号泣しすぎじゃない!?」
四季 「……メイと私は、目の前で夏美ちゃんと、きな子ちゃんが煙を吸ったのを見た」
かのん 「!」
可可 「可可もいるですよ!」 タッタッ
メイ 「良かった……っ!! 無事だった……っ!!」 ポロポロ
すみれ 「ってメイ!? いくらなんでも号泣しすぎじゃない!?」
四季 「……メイと私は、目の前で夏美ちゃんと、きな子ちゃんが煙を吸ったのを見た」
かのん 「!」
160: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:22:29.44 ID:sBkHlAKD
四季 「だから、私以外の無事なLiella!に会えて、本当に安心したんだと思う」
かのん 「そうだったんだね、メイちゃん……四季ちゃん……」
四季 「!? 千砂都先輩、可可先輩! こっちに来るのを待ってください!」
千砂都 「えっ!? どうしたの!?」
可可 「や、やっぱり、可可が悪いことをしたから……!?」
四季 「二人。煙を吸ってますよね……?」
メイ 「ええっ!?」
かのん 「そうだったんだね、メイちゃん……四季ちゃん……」
四季 「!? 千砂都先輩、可可先輩! こっちに来るのを待ってください!」
千砂都 「えっ!? どうしたの!?」
可可 「や、やっぱり、可可が悪いことをしたから……!?」
四季 「二人。煙を吸ってますよね……?」
メイ 「ええっ!?」
161: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:22:50.15 ID:sBkHlAKD
四季 「……この悪の煙を吸った人間は、目の色が少し変わる。それで判別できる」
千砂都 「……」
可可 「……」
四季 「この煙を吸った人間は、特効薬を事前に飲んでない限りは、衝動的な暴走をしてしまいます。二人が悪いわけじゃないけど、少し待ってほしい」
かのん 「大丈夫だよ、四季ちゃん」
四季 「……かのん先輩?」
千砂都 「……」
可可 「……」
四季 「この煙を吸った人間は、特効薬を事前に飲んでない限りは、衝動的な暴走をしてしまいます。二人が悪いわけじゃないけど、少し待ってほしい」
かのん 「大丈夫だよ、四季ちゃん」
四季 「……かのん先輩?」
162: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:23:11.28 ID:sBkHlAKD
かのん 「ちぃちゃんのその衝動的な暴走は、もう終わったんだ。それに、今はコントロールできてる」
すみれ 「可可も同じよ。二人は強い。だから安心して」
四季 「……」
メイ 「お、おい、どうするんだよ、四季」
四季 「先輩たち、疑ってごめんなさい」 ペコッ
メイ 「わ、私も、すみません!」 ペコッ
すみれ 「可可も同じよ。二人は強い。だから安心して」
四季 「……」
メイ 「お、おい、どうするんだよ、四季」
四季 「先輩たち、疑ってごめんなさい」 ペコッ
メイ 「わ、私も、すみません!」 ペコッ
163: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:23:54.27 ID:sBkHlAKD
可可 「……そ、そんな! この状況なら仕方ありませんよ!」
千砂都 「うん。それより事情を聞かせてほしいな。この感じだと、四季ちゃん、関係あるんでしょ?」
四季 「……実は、今から校舎に向かう予定なんです」
かのん 「えっ!? 校舎の方は黒い煙が充満してたよ!? それを見て体育館の方に来たんだから!」
四季 「発生源を止めに行くんです。そして、そのためにはなるべく多くの人が必要!」
千砂都 「うん。それより事情を聞かせてほしいな。この感じだと、四季ちゃん、関係あるんでしょ?」
四季 「……実は、今から校舎に向かう予定なんです」
かのん 「えっ!? 校舎の方は黒い煙が充満してたよ!? それを見て体育館の方に来たんだから!」
四季 「発生源を止めに行くんです。そして、そのためにはなるべく多くの人が必要!」
164: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:24:24.66 ID:sBkHlAKD
四季 「この煙の中を進む心の強さがある人たちが……!」
メイ (あと二粒の特効薬……)
メイ 「……みんな、お願いがある」
生徒 「「?」」
メイ 「校舎に行くの、正直とても怖いだろ?」
生徒 「「そ、そんなこと」」
メイ 「みんなはLiella!への感謝の気持ちで、ここまで協力してくれた。なら、もう一度、Liella!の頑張る姿を見てもらいたいんだ」
生徒 「「米女さん……」」
メイ (あと二粒の特効薬……)
メイ 「……みんな、お願いがある」
生徒 「「?」」
メイ 「校舎に行くの、正直とても怖いだろ?」
生徒 「「そ、そんなこと」」
メイ 「みんなはLiella!への感謝の気持ちで、ここまで協力してくれた。なら、もう一度、Liella!の頑張る姿を見てもらいたいんだ」
生徒 「「米女さん……」」
165: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:24:53.13 ID:sBkHlAKD
メイ 「……先輩たちに、折り入ってお願いがあります」
かのん 「! も、もちろんだよ!」
メイ 「今から状況を説明しますから、そしたら」
メイ 「かのん先輩とすみれ先輩は、特効薬を飲んで」
メイ 「可可先輩と千砂都先輩は、克服したことを信じて」
メイ 「そして特効薬をすでに飲んだ私とメイの」
かのん 「! も、もちろんだよ!」
メイ 「今から状況を説明しますから、そしたら」
メイ 「かのん先輩とすみれ先輩は、特効薬を飲んで」
メイ 「可可先輩と千砂都先輩は、克服したことを信じて」
メイ 「そして特効薬をすでに飲んだ私とメイの」
166: (やわらか銀行) 2022/11/27(日) 19:25:19.17 ID:sBkHlAKD
メイ 「六人で! 発生源を止めに行ってくれませんか!」
すみれ 「……なるほどね」
かのん 「が、頑張るよ!」
千砂都 「ふふ、私も頑張らなくちゃ」
可可 「可可も、運動神経に関しては期待しないで欲しいですが、全力で協力します!」
四季 「……じゃあ行きましょう!」
四季 「校舎の中に!!!!」
すみれ 「……なるほどね」
かのん 「が、頑張るよ!」
千砂都 「ふふ、私も頑張らなくちゃ」
可可 「可可も、運動神経に関しては期待しないで欲しいですが、全力で協力します!」
四季 「……じゃあ行きましょう!」
四季 「校舎の中に!!!!」
169: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:52:37.31 ID:JbAwLVkY
~校舎一階~
シュワシュワシュワ
シュワシュワシュワ
すみれ 「特効薬を飲んだとはいえ、いざこの中に入るのは怖いわね……」
かのん 「だ、だ、大丈夫だよ、すみれちゃ……わ、私がついてるし……」 ガタガタ
すみれ 「あんたの方が心配よ」
メイ 「でもかのん先輩はいざとなったらすごくカッコいい人です! きっと煙を止めてくれます! だから特効薬を渡したんです!」
すみれ 「……ふふ、知ってるわよ。かのんがカッコいいことくらい」 ボソッ
シュワシュワシュワ
シュワシュワシュワ
すみれ 「特効薬を飲んだとはいえ、いざこの中に入るのは怖いわね……」
かのん 「だ、だ、大丈夫だよ、すみれちゃ……わ、私がついてるし……」 ガタガタ
すみれ 「あんたの方が心配よ」
メイ 「でもかのん先輩はいざとなったらすごくカッコいい人です! きっと煙を止めてくれます! だから特効薬を渡したんです!」
すみれ 「……ふふ、知ってるわよ。かのんがカッコいいことくらい」 ボソッ
170: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:53:12.45 ID:JbAwLVkY
キャーーーーー! レンーーーッ!
メイ 「……さっき聞いた音だ。やっぱり気のせいじゃない! ライブでもやってるのか?」
四季 「学校で騒がしい音楽をやってはいけない。そういう我慢をしていた人が暴走しているのかも」
千砂都 「あれ、廊下に誰かいる……?」
「先輩たち! 申し訳ないですけど、ここで北海道料理を食べてもらいますよ!」
きな子 「北海道はでっかいどーー!」 ドンッ
かのん 「きな子ちゃん!?」
メイ 「……さっき聞いた音だ。やっぱり気のせいじゃない! ライブでもやってるのか?」
四季 「学校で騒がしい音楽をやってはいけない。そういう我慢をしていた人が暴走しているのかも」
千砂都 「あれ、廊下に誰かいる……?」
「先輩たち! 申し訳ないですけど、ここで北海道料理を食べてもらいますよ!」
きな子 「北海道はでっかいどーー!」 ドンッ
かのん 「きな子ちゃん!?」
171: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:54:41.18 ID:JbAwLVkY
四季 「……今きな子ちゃんは、普段ずっと我慢してた、北海道の食べ物の魅力を伝えたい気持ちが爆発してて、会う人会う人に無理やり鍋を食べさせる人になっている!」
かのん 「別に言ってくれたらいつでも食べるのに……めっちゃ美味しいじゃん、北海道料理……」
可可 「いつもなら嬉しいくらいですけど、今は一刻を争う状況! きなきなに、構ってる場合じゃアリマセン!」
きな子 「なら仕方ないっす! 無理やりでも止めるっす!」
かのん 「きな子ちゃんと争いたくなんかないよ!?」
千砂都 「で、でも! 足止めを食らったら時間が!」
かのん 「別に言ってくれたらいつでも食べるのに……めっちゃ美味しいじゃん、北海道料理……」
可可 「いつもなら嬉しいくらいですけど、今は一刻を争う状況! きなきなに、構ってる場合じゃアリマセン!」
きな子 「なら仕方ないっす! 無理やりでも止めるっす!」
かのん 「きな子ちゃんと争いたくなんかないよ!?」
千砂都 「で、でも! 足止めを食らったら時間が!」
172: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:54:59.71 ID:JbAwLVkY
きな子 「見てください! かのん先輩! 北海道のカニっす!」 ドンッ
かのん 「うぎゃあぁぁぁ~~!! 美味しそう~~!!」
すみれ 「さっそく負けそうになってるわね……」
きな子 「はい、茹でたカニです! どうぞ!」 スッ
かのん 「目の前で見ると、余計美味しそうに見える……カニって高いし……」 ゴクッ
可可 「トドメくらいましたね……」
かのん 「うぎゃあぁぁぁ~~!! 美味しそう~~!!」
すみれ 「さっそく負けそうになってるわね……」
きな子 「はい、茹でたカニです! どうぞ!」 スッ
かのん 「目の前で見ると、余計美味しそうに見える……カニって高いし……」 ゴクッ
可可 「トドメくらいましたね……」
173: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:55:25.72 ID:JbAwLVkY
きな子 「ほらほら、他の皆さんも、食べてください! 北海道のお肉に北海道の野菜に北海道の海鮮に……」 ドンッ ドンッ ドンッ
千砂都 「このじゃがいもすごく丸い!」 パァァ
可可 「思わぬところで罠がっ!!」
メイ 「ま、まずい! 本当に足止め食らっちまう! 煙だって吸う時間は最小限にすべきだってのに!」
「私に任せるんですの~! みなさんっ!」
メイ 「って!?」
千砂都 「このじゃがいもすごく丸い!」 パァァ
可可 「思わぬところで罠がっ!!」
メイ 「ま、まずい! 本当に足止め食らっちまう! 煙だって吸う時間は最小限にすべきだってのに!」
「私に任せるんですの~! みなさんっ!」
メイ 「って!?」
174: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:56:11.67 ID:JbAwLVkY
夏美 「さっきぶりですの! お二方!」
メイ 「な、夏美ぃ、無事だったのかよぉ~~!!」 グスッ
夏美 「……メイさん、近付かない方が良いですの」 バッ
メイ 「え?」
四季 「……目の色が変わってる。やっぱり夏美ちゃんも煙を吸ってる」
夏美 「そう! 今の夏美は、自分の衝動に忠実になってしまっている状態!」
メイ 「な、夏美ぃ、無事だったのかよぉ~~!!」 グスッ
夏美 「……メイさん、近付かない方が良いですの」 バッ
メイ 「え?」
四季 「……目の色が変わってる。やっぱり夏美ちゃんも煙を吸ってる」
夏美 「そう! 今の夏美は、自分の衝動に忠実になってしまっている状態!」
175: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:57:13.10 ID:JbAwLVkY
かのん 「夏美ちゃんの衝動って……!」
夏美 「マニーですのっ!!!!」
かのん 「あ、やっぱり?」
夏美 「ということで、きな子さんっ!!」 ガシッ
きな子 「へっ!? な、なんすか、夏美ちゃん!?」
夏美 「動画を撮りましょう! 北海道料理のアピール動画を!」
きな子 「北海道料理のアピール動画を……!?」
夏美 「マニーですのっ!!!!」
かのん 「あ、やっぱり?」
夏美 「ということで、きな子さんっ!!」 ガシッ
きな子 「へっ!? な、なんすか、夏美ちゃん!?」
夏美 「動画を撮りましょう! 北海道料理のアピール動画を!」
きな子 「北海道料理のアピール動画を……!?」
176: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:57:40.41 ID:JbAwLVkY
夏美 「それなら今ここで先輩方に食べてもらうよりも、ずっと多くの人に知ってもらえるんですの!」
夏美 (再生数伸びたらの話ですけど!)
夏美 「その動画で稼いだ額でさらに高級な北海道食品を買って! それでまた動画を撮るんですの! まさに最高無限ループ!」
夏美 (再生数伸びたらの話ですけど!)
きな子 「夏美ちゃん……!」
夏美 「ナイスアイデアだと思いませんか!?」
夏美 (再生数伸びたらの話ですけど!)
夏美 「その動画で稼いだ額でさらに高級な北海道食品を買って! それでまた動画を撮るんですの! まさに最高無限ループ!」
夏美 (再生数伸びたらの話ですけど!)
きな子 「夏美ちゃん……!」
夏美 「ナイスアイデアだと思いませんか!?」
177: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:58:06.49 ID:JbAwLVkY
きな子 「それならいけそうな気がするっす!!!」 パァァ
夏美 「夏美の計算に狂いはないですの!」 エッヘン
四季 「……」
四季 (夏美ちゃん、悪の液体のせいで、相当暴走してるはずなのに……)
メイ 「な、夏美、ありがとな!」
夏美 「……勘違いしないでほしいですの」
メイ 「!」
夏美 「夏美の計算に狂いはないですの!」 エッヘン
四季 「……」
四季 (夏美ちゃん、悪の液体のせいで、相当暴走してるはずなのに……)
メイ 「な、夏美、ありがとな!」
夏美 「……勘違いしないでほしいですの」
メイ 「!」
178: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 00:58:47.96 ID:JbAwLVkY
夏美 「私は今、お金を稼ぎたい衝動に流されているだけ。それがたまたま、きな子さんの足止めができてるにすぎない。いつ、動画を撮る対象があなたたちになってもおかしくない……っ!!」
夏美 「だから早く行くんですのっ……! 私がきな子ちゃんを止めてるうちに!」
すみれ (……私たちのために、必死に耐えてくれてるのね)
すみれ 「ありがとう、その気持ち、絶対に無駄にしないから」
夏美 「……ふふ、それなら安心ですの」
四季 「化学室は二階! 階段に向かう!」
夏美 「だから早く行くんですのっ……! 私がきな子ちゃんを止めてるうちに!」
すみれ (……私たちのために、必死に耐えてくれてるのね)
すみれ 「ありがとう、その気持ち、絶対に無駄にしないから」
夏美 「……ふふ、それなら安心ですの」
四季 「化学室は二階! 階段に向かう!」
180: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:28:09.51 ID:JbAwLVkY
~校舎階段~
メイ 「うおおおおっ!? めっちゃ人がいる!?」
ザワザワ ザワザワ
生徒 「ここは通さない!」
生徒 「科学室には行かせない!」
ザワザワ ザワザワ
生徒 「あなたたち! この煙を止めるつもりでしょ!」
メイ 「うおおおおっ!? めっちゃ人がいる!?」
ザワザワ ザワザワ
生徒 「ここは通さない!」
生徒 「科学室には行かせない!」
ザワザワ ザワザワ
生徒 「あなたたち! この煙を止めるつもりでしょ!」
181: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:28:32.66 ID:JbAwLVkY
生徒 「この煙のおかげで、念願の学校でお菓子パーティーをやれるんだよ!?」
生徒 「普段なら罪悪感でこんなこと、到底できないのに!」
かのん 「……この学校、良い子しかいない!」
メイ 「この大人数をどかしながら階段を上るのは、骨が折れるぞ……!」
すみれ 「っ、だけど、時間が」
可可 「……!」 クラッ
可可 (なんですか、今の目眩は……)
生徒 「普段なら罪悪感でこんなこと、到底できないのに!」
かのん 「……この学校、良い子しかいない!」
メイ 「この大人数をどかしながら階段を上るのは、骨が折れるぞ……!」
すみれ 「っ、だけど、時間が」
可可 「……!」 クラッ
可可 (なんですか、今の目眩は……)
182: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:28:52.08 ID:JbAwLVkY
千砂都 「……ねえ、可可ちゃん」
可可 「! もしかして千砂都も?」
千砂都 「うん」
可可 「ということは……」
千砂都 「……」
可可 「……」
千砂都 「多分そういうことだよね……残念だけど……」
千砂都 (でも一緒に行けないなら、せめて)
可可 「! もしかして千砂都も?」
千砂都 「うん」
可可 「ということは……」
千砂都 「……」
可可 「……」
千砂都 「多分そういうことだよね……残念だけど……」
千砂都 (でも一緒に行けないなら、せめて)
183: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:29:18.92 ID:JbAwLVkY
千砂都 「みんな! ここは私と可可ちゃんが頑張って道を作る! だからその間に進んで!」
すみれ 「なっ!? そしたら二人はどうするのよ!」
可可 「……この人たちはきっと、かのんたちを追いかけてくるハズです。それをここで食い止めます」
かのん 「二人を置いていけってこと!? そんなのできないよ!!」
千砂都 「……かのんちゃん、今私、頭がクラクラしてるんだ」
かのん 「えっ……?」
すみれ 「なっ!? そしたら二人はどうするのよ!」
可可 「……この人たちはきっと、かのんたちを追いかけてくるハズです。それをここで食い止めます」
かのん 「二人を置いていけってこと!? そんなのできないよ!!」
千砂都 「……かのんちゃん、今私、頭がクラクラしてるんだ」
かのん 「えっ……?」
184: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:29:58.07 ID:JbAwLVkY
可可 「おそらく、完全に克服はできてなかったんです……これ以上濃度が高いところに行ってしまえば、きっと暴走してしまう」
千砂都 「かのんちゃんたちに迷惑なんかかけたくないよ。だから、ここで私たちが壁になるの。二人を通す壁に!」
かのん 「ち、ちぃちゃん……可可ちゃん……」
すみれ 「……かのん」
かのん 「!」
すみれ 「二人の覚悟、ないがしろにする気?」
かのん 「……」
千砂都 「かのんちゃんたちに迷惑なんかかけたくないよ。だから、ここで私たちが壁になるの。二人を通す壁に!」
かのん 「ち、ちぃちゃん……可可ちゃん……」
すみれ 「……かのん」
かのん 「!」
すみれ 「二人の覚悟、ないがしろにする気?」
かのん 「……」
185: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:30:44.33 ID:JbAwLVkY
かのん 「行こう、すみれちゃん、メイちゃん、四季ちゃん。絶対に四人で装置を止めるんだ!」
タッタッ
かのん 「っ!」
生徒 「行かせてたまるか!」
千砂都 「させないよ!」 バッ
タッタッ
タッタッ
かのん 「っ!」
生徒 「行かせてたまるか!」
千砂都 「させないよ!」 バッ
タッタッ
186: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:31:04.25 ID:JbAwLVkY
すみれ 「なっ! そこ邪魔よ!」
生徒 「バリケードを作るんだ!!」
可可 「そうはさせませんっ!!」
タッタッ
かのん (二人とも……)
かのん (……ありがとうっ) グスッ
タッタッ
タッタッ
生徒 「バリケードを作るんだ!!」
可可 「そうはさせませんっ!!」
タッタッ
かのん (二人とも……)
かのん (……ありがとうっ) グスッ
タッタッ
タッタッ
187: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:31:25.91 ID:JbAwLVkY
~音楽科教室~
音楽科生徒 「「アンコール! アンコール! アンコール! アンコール!」」
音楽科ドラム担当 「REN、アンコールだってよ」
音楽科ギター担当 「こんなにたくさんの人が、あなたの魂の叫びに引き込まれたのよ!」
音楽科ベース担当 「あー……こんなに楽しい日は久しぶりだ」
REN 「ならもうワンライブ……っ!」
音楽科生徒 「「アンコール! アンコール! アンコール! アンコール!」」
音楽科ドラム担当 「REN、アンコールだってよ」
音楽科ギター担当 「こんなにたくさんの人が、あなたの魂の叫びに引き込まれたのよ!」
音楽科ベース担当 「あー……こんなに楽しい日は久しぶりだ」
REN 「ならもうワンライブ……っ!」
188: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:32:00.90 ID:JbAwLVkY
ザワザワ
ザワザワ
REN (教室の外が騒がしい……?)
REN 「……」 スッ
生徒 「大変だ! 科学室に向かってる人たちがいる!」
生徒 「この煙を止められちゃう!」
生徒 「ふふ、安心して。澁谷かのんさんたちでしょ? 私の友達から連絡が来た。ロープで捕まえて少しの間申し訳ないけど、部屋に閉じ込めたって」
生徒 「そ、そうなの? 申し訳ないけど、ひとまずそれで助かったね」
ザワザワ
REN (教室の外が騒がしい……?)
REN 「……」 スッ
生徒 「大変だ! 科学室に向かってる人たちがいる!」
生徒 「この煙を止められちゃう!」
生徒 「ふふ、安心して。澁谷かのんさんたちでしょ? 私の友達から連絡が来た。ロープで捕まえて少しの間申し訳ないけど、部屋に閉じ込めたって」
生徒 「そ、そうなの? 申し訳ないけど、ひとまずそれで助かったね」
189: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:32:23.94 ID:JbAwLVkY
REN (なっ……! かのんさんたちが来てる……!? しかもどこかに閉じ込められて!?)
REN 「……」
音楽科ドラム担当 「どうしたんだ? REN?」
REN 「みんな、ごめんなさい。私は、アンコールに出れない」
音楽科ギター担当 「ええっ!? どうして!?」
音楽科ベース担当 「おいおい、この歓声を裏切るつもりか?」
REN 「……」
音楽科ドラム担当 「どうしたんだ? REN?」
REN 「みんな、ごめんなさい。私は、アンコールに出れない」
音楽科ギター担当 「ええっ!? どうして!?」
音楽科ベース担当 「おいおい、この歓声を裏切るつもりか?」
190: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:33:12.49 ID:JbAwLVkY
REN 「……このライブ最高に楽しかった、メンバーにも、聴いてくれた人たちにも、心から、いや魂から感謝してるっ!!!」
REN 「だけど今、友達が困ってることを知った!!! 友達は放っておけないっ! それが例えロックンロールなことではなくても!!」
音楽科ドラム担当 「REN……」
音楽科ギター担当 「あはは、何よそれ」
音楽科ベース担当 「……はぁ、そんなこと言われちゃな」
REN 「だけど今、友達が困ってることを知った!!! 友達は放っておけないっ! それが例えロックンロールなことではなくても!!」
音楽科ドラム担当 「REN……」
音楽科ギター担当 「あはは、何よそれ」
音楽科ベース担当 「……はぁ、そんなこと言われちゃな」
191: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:33:38.15 ID:JbAwLVkY
音楽科ドラム担当 「行ってきて、REN」
REN 「……! 良いの!?」
音楽科ギター担当 「そりゃRENがいれば最強だけど、私たち三人だけでも音楽は奏でられるわ。だって、音楽科だもの」
音楽科ベース担当 「RENがここから少し離れても、はっきり聴こえるように、ボリュームマックスで鳴らしてやるからよ!!!」
REN 「……! 良いの!?」
音楽科ギター担当 「そりゃRENがいれば最強だけど、私たち三人だけでも音楽は奏でられるわ。だって、音楽科だもの」
音楽科ベース担当 「RENがここから少し離れても、はっきり聴こえるように、ボリュームマックスで鳴らしてやるからよ!!!」
192: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:33:55.29 ID:JbAwLVkY
バンドメンバー 「「「頑張ってこい! REN!!」」」
音楽科ドラム担当 「友達を助ける、そりゃあ最高なロックンロールだ」 ポンッ
REN 「みんなっ……!」 グスッ
音楽科ドラム担当 「でも泣くのはロックじゃねぇぜ、REN!」
REN 「っ、もちろんっ!!」 バッ
REN 「私、友達を助けに行ってきますっ!!!!」
音楽科ドラム担当 「友達を助ける、そりゃあ最高なロックンロールだ」 ポンッ
REN 「みんなっ……!」 グスッ
音楽科ドラム担当 「でも泣くのはロックじゃねぇぜ、REN!」
REN 「っ、もちろんっ!!」 バッ
REN 「私、友達を助けに行ってきますっ!!!!」
193: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:34:45.92 ID:JbAwLVkY
~とある部屋~
四季 「まさか階段を上った後に、待ち伏せされてるとは……」
メイ 「しかもロープで椅子に縛られたんじゃ動けねぇ……!」
すみれ 「それに、ここ防音よね……叫んでも外に聞こえないんじゃないの?」
かのん 「うぅ……万事休すだぁ……」
メイ 「せめてこのロープさえ、ほどければ……くっそ!!」 ググ
四季 「まさか階段を上った後に、待ち伏せされてるとは……」
メイ 「しかもロープで椅子に縛られたんじゃ動けねぇ……!」
すみれ 「それに、ここ防音よね……叫んでも外に聞こえないんじゃないの?」
かのん 「うぅ……万事休すだぁ……」
メイ 「せめてこのロープさえ、ほどければ……くっそ!!」 ググ
194: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:35:05.87 ID:JbAwLVkY
すみれ 「無理よ。きつく縛られてるし、刃物もない。誰かが助けに来てくれるとかじゃないと……」
すみれ (せっかく夏美や可可や千砂都が先に行かせてくれたのに、こんなところで時間を食うわけには……)
すみれ (だけど、こんな状況、どうすればいいったらいいのよ……!!)
かのん 「あっ……!」
すみれ 「えっ……?」
すみれ (せっかく夏美や可可や千砂都が先に行かせてくれたのに、こんなところで時間を食うわけには……)
すみれ (だけど、こんな状況、どうすればいいったらいいのよ……!!)
かのん 「あっ……!」
すみれ 「えっ……?」
195: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:35:41.39 ID:JbAwLVkY
かのん 「そういえば私! 刃物持ってる!!」
四季 「日頃から刃物を持ち歩いてるなんて……!」 ガクガク
メイ 「か、かのん先輩、先輩が例えやばい人だったとしても、私は嫌いになんか……!」 ガクガク
かのん 「ち、違うよ!? そうじゃなくて、ほら! ポケットに!」スッ
かのん 「カニ! きな子ちゃんから貰ったカニがある! ほら、カニのハサミで切れるでしょ!」
四季 「まだ持ってたなんて……なんて食にがめつい……!」
かのん 「良いでしょ別に!! それで助かるなら!!」
四季 「日頃から刃物を持ち歩いてるなんて……!」 ガクガク
メイ 「か、かのん先輩、先輩が例えやばい人だったとしても、私は嫌いになんか……!」 ガクガク
かのん 「ち、違うよ!? そうじゃなくて、ほら! ポケットに!」スッ
かのん 「カニ! きな子ちゃんから貰ったカニがある! ほら、カニのハサミで切れるでしょ!」
四季 「まだ持ってたなんて……なんて食にがめつい……!」
かのん 「良いでしょ別に!! それで助かるなら!!」
196: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:36:34.79 ID:JbAwLVkY
かのん 「だけど、手が縛られてるから掴みにくい……!」 ググ
すみれ 「じゃあ私が取るわ。かのんはその姿勢をキープしてて。万が一、床にでも落としたら、もっと拾うの大変になるわよ」
かのん 「わ、分かった! 気をつける!」
すみれ 「よしっ! ここっ!」 スッ
すみれ 「取れたわ! かのん、縛られてるところ出して!」
かのん 「は、はい!」
すみれ 「じゃあ私が取るわ。かのんはその姿勢をキープしてて。万が一、床にでも落としたら、もっと拾うの大変になるわよ」
かのん 「わ、分かった! 気をつける!」
すみれ 「よしっ! ここっ!」 スッ
すみれ 「取れたわ! かのん、縛られてるところ出して!」
かのん 「は、はい!」
197: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:36:56.75 ID:JbAwLVkY
すみれ 「ロープを切るわよ?」 ジグジグジグ
パッ
かのん 「やった! ほどけた! 今みんなのも切るね!」
ジグジグジグ
ジグジグジグ
ジグジグジグ
四季 「カニのはさみ……きな子ちゃんにも感謝しなきゃ」 パッ
メイ 「ふぅ、すみれ先輩とかのん先輩の息ぴったりな連携のおかげで助かった!」 パッ
パッ
かのん 「やった! ほどけた! 今みんなのも切るね!」
ジグジグジグ
ジグジグジグ
ジグジグジグ
四季 「カニのはさみ……きな子ちゃんにも感謝しなきゃ」 パッ
メイ 「ふぅ、すみれ先輩とかのん先輩の息ぴったりな連携のおかげで助かった!」 パッ
198: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:37:27.42 ID:JbAwLVkY
すみれ 「じゃあ扉開けるわよ?」
ガッ
すみれ 「?」
かのん 「どうしたの、すみれちゃん?」
ガッ ガッ ガッ
すみれ 「まずい。外からロックがかかってる。誰かが、つっかえ棒でもはめてるのかも」
かのん 「ええっ!? じゃあ出れないってこと!?」
ガッ
すみれ 「?」
かのん 「どうしたの、すみれちゃん?」
ガッ ガッ ガッ
すみれ 「まずい。外からロックがかかってる。誰かが、つっかえ棒でもはめてるのかも」
かのん 「ええっ!? じゃあ出れないってこと!?」
199: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:38:08.77 ID:JbAwLVkY
かのん 「ちょ! お願い! ここから出して! みんなの思いを無駄になんかできないの!」 ドンドンドンッ
すみれ 「いくら外に訴えかけても、今の私たちを助けてくれる人なんて……」
ガラッ
「待たせたな」
かのん 「えっ!?」
REN 「……マイフレンズ」 チャキーーン
かのん 「恋ちゃん!?」
すみれ 「待って、私こんなロッカーみたいな格好した恋なんて知らない」
すみれ 「いくら外に訴えかけても、今の私たちを助けてくれる人なんて……」
ガラッ
「待たせたな」
かのん 「えっ!?」
REN 「……マイフレンズ」 チャキーーン
かのん 「恋ちゃん!?」
すみれ 「待って、私こんなロッカーみたいな格好した恋なんて知らない」
200: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:38:54.08 ID:JbAwLVkY
四季 「恋先輩が我慢してた衝動がロックってこと……?」
メイ 「恋先輩、かっこいい~~!!」 フーー!
REN 「『恋』じゃない、『REN』と呼んで」
すみれ 「いや表記は知らないけど、発音は一緒でしょ」
かのん 「あっ! すみれちゃんの言う通り、つっかえ棒だったみたい、床に落ちてるよ」
REN 「Youたちを見つけるのは大変だった……」
REN 「ずっと探してたけれど、全然見つからない……誰に聞いても教えてくれない……」
メイ 「恋先輩、かっこいい~~!!」 フーー!
REN 「『恋』じゃない、『REN』と呼んで」
すみれ 「いや表記は知らないけど、発音は一緒でしょ」
かのん 「あっ! すみれちゃんの言う通り、つっかえ棒だったみたい、床に落ちてるよ」
REN 「Youたちを見つけるのは大変だった……」
REN 「ずっと探してたけれど、全然見つからない……誰に聞いても教えてくれない……」
201: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:39:29.16 ID:JbAwLVkY
REN 「この部屋も、中からドンドンと叩く音がなければ気付くことができなかった」
すみれ 「かのんのやけくそに救われたってことね……」
四季 「恋先輩。実は」
REN 「『REN』と呼んで」
四季 「恋先輩。実はこの黒い霧は、人の抑圧された欲望や悪い心を増幅させる力があるんです……! 今私たちは、煙の発生源である科学室に向かって、それを止めに行きたいんです」
REN 「……なるほど、それで私もこんなロッカーに。納得だ」
すみれ 「かのんのやけくそに救われたってことね……」
四季 「恋先輩。実は」
REN 「『REN』と呼んで」
四季 「恋先輩。実はこの黒い霧は、人の抑圧された欲望や悪い心を増幅させる力があるんです……! 今私たちは、煙の発生源である科学室に向かって、それを止めに行きたいんです」
REN 「……なるほど、それで私もこんなロッカーに。納得だ」
202: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:39:55.25 ID:JbAwLVkY
REN 「分かった。もちろん協力しよう。だが見たら分かるように、黒い煙のせいで真っ暗だ。気を付けて歩こう」
かのん 「確かに暗めだけど、そこまで真っ暗じゃないような……」
すみれ 「サングラス着けてるからじゃない?」
REN 「……」
かのん 「……」
すみれ 「……」
REN 「本当だ、明るくなった」 カチャ
かのん (キャラ変わっても、天然なところは全然変わってない……)
かのん 「確かに暗めだけど、そこまで真っ暗じゃないような……」
すみれ 「サングラス着けてるからじゃない?」
REN 「……」
かのん 「……」
すみれ 「……」
REN 「本当だ、明るくなった」 カチャ
かのん (キャラ変わっても、天然なところは全然変わってない……)
203: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:40:52.30 ID:JbAwLVkY
四季 「えっ」
メイ 「恋先輩、目の色が変わってない!?」
REN 「目の色?」
四季 「この煙の効果によって、悪の心が増幅した人は、少し目の色が変わるんです。でも、恋先輩は全然変わってない……」
かのん 「恋ちゃんはずっと校舎内にいたんだよね?」
REN 「ああ、ずっと校舎で魂を演奏してたのさ」
すみれ 「話しづらいからそのキャラやめてよ」
メイ 「恋先輩、目の色が変わってない!?」
REN 「目の色?」
四季 「この煙の効果によって、悪の心が増幅した人は、少し目の色が変わるんです。でも、恋先輩は全然変わってない……」
かのん 「恋ちゃんはずっと校舎内にいたんだよね?」
REN 「ああ、ずっと校舎で魂を演奏してたのさ」
すみれ 「話しづらいからそのキャラやめてよ」
204: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:41:19.25 ID:JbAwLVkY
メイ 「特効薬も飲んでないはずなのにどうして……」
四季 「……1mmもないんだ」
メイ 「えっ?」
四季 「純粋な恋先輩には1mmも心の闇がないんだよ! だから煙の効果がない!」
かのん 「そんな人いるの!?」
すみれ 「じゃあ、このロッカーみたいな格好はなんなのよ」
四季 「……1mmもないんだ」
メイ 「えっ?」
四季 「純粋な恋先輩には1mmも心の闇がないんだよ! だから煙の効果がない!」
かのん 「そんな人いるの!?」
すみれ 「じゃあ、このロッカーみたいな格好はなんなのよ」
205: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:41:36.62 ID:JbAwLVkY
四季 「……思い込み、としか言いようがない」
REN 「……」
かのん 「……」
すみれ 「……」
REN 「思い込み……」
恋 「だったんですね……! 正直そんな気がしてました!」
かのん (戻った……)
REN 「……」
かのん 「……」
すみれ 「……」
REN 「思い込み……」
恋 「だったんですね……! 正直そんな気がしてました!」
かのん (戻った……)
206: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:42:11.39 ID:JbAwLVkY
すみれ 「でもそれって最強なんじゃないの?」
すみれ 「つまり、いくら煙を吸おうと関係ないってことよね? 0をいくら倍にしても0なんだから! つまり」
かのん 「つまり……?」
すみれ 「私たちは発生源に近付く度、濃度が濃くなることを恐れてるけど、恋にはそれが全く関係ないってことよ!!」
かのん 「ええっ!?」
恋 「……そんなにすごいことなんですか?」 キョトン
すみれ 「つまり、いくら煙を吸おうと関係ないってことよね? 0をいくら倍にしても0なんだから! つまり」
かのん 「つまり……?」
すみれ 「私たちは発生源に近付く度、濃度が濃くなることを恐れてるけど、恋にはそれが全く関係ないってことよ!!」
かのん 「ええっ!?」
恋 「……そんなにすごいことなんですか?」 キョトン
207: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 20:43:03.05 ID:JbAwLVkY
メイ 「す、すごいことですよ!! 恋先輩!! 私たちの懸念が全部解決される!!」
四季 「ここに来て、とんでもないラッキー……あとはタイムリミットに間に合うか、どうかだけ」
かのん 「じゃ、じゃあ急ごう! 早く科学室に行かなくちゃ!」
すみれ 「だけど二階はさっきもそうだけど、止めようとする人たちがたくさんいるわよ? また捕まったら今度こそ……」
恋 「それに関しては任せてください! 秘密の抜け道があります!」
メイ 「秘密の抜け道……?」
恋 「はい! 科学室にもすぐ行けますよ。とりあえず、ついてきてください」 ニコッ
四季 「ここに来て、とんでもないラッキー……あとはタイムリミットに間に合うか、どうかだけ」
かのん 「じゃ、じゃあ急ごう! 早く科学室に行かなくちゃ!」
すみれ 「だけど二階はさっきもそうだけど、止めようとする人たちがたくさんいるわよ? また捕まったら今度こそ……」
恋 「それに関しては任せてください! 秘密の抜け道があります!」
メイ 「秘密の抜け道……?」
恋 「はい! 科学室にもすぐ行けますよ。とりあえず、ついてきてください」 ニコッ
210: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:41:59.22 ID:JbAwLVkY
~スクールアイドル部 部室~
かのん 「って私たちの部室じゃん」
恋 「実はここに……」
ガラッ
メイ 「通路!?」
恋 「狭いのでほふく前進でしか進めませんが、ここから科学室の目の前にある教室にたどり着けます」
すみれ 「何なの? この通路は」
かのん 「って私たちの部室じゃん」
恋 「実はここに……」
ガラッ
メイ 「通路!?」
恋 「狭いのでほふく前進でしか進めませんが、ここから科学室の目の前にある教室にたどり着けます」
すみれ 「何なの? この通路は」
211: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:43:00.56 ID:JbAwLVkY
恋 「……お母様が在籍してた頃、つまり『神宮音楽学校』時代に作られた通路です。今となっては明確な理由は分かりませんが、おそらく、避難用通路の名残でしょう」
かのん 「これって、理事長知ってるの?」
恋 「いいえ、知ってるのはおそらく私だけです」
かのん 「えっ? じゃあ、なんで恋ちゃん知ってるの?」
恋 「……私とて悔しかったのですよ」 ニコニコ
かのん 「?」
かのん 「これって、理事長知ってるの?」
恋 「いいえ、知ってるのはおそらく私だけです」
かのん 「えっ? じゃあ、なんで恋ちゃん知ってるの?」
恋 「……私とて悔しかったのですよ」 ニコニコ
かのん 「?」
212: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:43:23.60 ID:JbAwLVkY
恋 「お母様の残してくれたものを、かのんさんに先に見つけられてしまったことに」
かのん 「な、なるほど」
恋 「……だから、この学校のことはたくさん調べたのです。この通路は、その結果の一つですね」
メイ 「つ、ついに科学室に……!」
四季 「……」
四季 (特効薬を飲んでからしばらく経つ……効果は大丈夫だろうか)
四季 (いやどちらにせよ、ここで戻ったらもう取り返しがつかない。進むしかない)
恋 「では行きましょう、みなさん!」
かのん 「な、なるほど」
恋 「……だから、この学校のことはたくさん調べたのです。この通路は、その結果の一つですね」
メイ 「つ、ついに科学室に……!」
四季 「……」
四季 (特効薬を飲んでからしばらく経つ……効果は大丈夫だろうか)
四季 (いやどちらにせよ、ここで戻ったらもう取り返しがつかない。進むしかない)
恋 「では行きましょう、みなさん!」
213: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:44:16.90 ID:JbAwLVkY
~通路中~
かのん 「ねぇ……」
かのん 「何で私が先頭なの~~!?」 ウワァーーン
すみれ 「泣かないで早く進みなさいよ。列が進まないでしょ」
恋 「みなさん、怖がるものですから、くじ引きで決めたじゃないですか、かのんさん」
メイ 「なんか先頭からかのん先輩の泣き声が聞こえる……」
四季 「狭い通路だからよく響く」
かのん 「ねぇ……」
かのん 「何で私が先頭なの~~!?」 ウワァーーン
すみれ 「泣かないで早く進みなさいよ。列が進まないでしょ」
恋 「みなさん、怖がるものですから、くじ引きで決めたじゃないですか、かのんさん」
メイ 「なんか先頭からかのん先輩の泣き声が聞こえる……」
四季 「狭い通路だからよく響く」
214: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:44:39.93 ID:JbAwLVkY
恋 「それにしても、メイさんと四季さんは分かりましたが、なぜお二人は無事だったんですか?」
すみれ 「あー……えっと、寝坊しちゃってね」
かのん 「昨日、すみれちゃんと一緒にゲームやってたんだ。だから寝るの遅くなっちゃって」
恋 「ゲーム……」
すみれ 「あー……えっと、寝坊しちゃってね」
かのん 「昨日、すみれちゃんと一緒にゲームやってたんだ。だから寝るの遅くなっちゃって」
恋 「ゲーム……」
215: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:45:10.85 ID:JbAwLVkY
~回想 ゲーム中~
恋 「よし! あとちょっとでクリアです! お二人ともサポート頼みますよ!!」
レンレン 『任せました!』
Kanon 『ねえ、Sumireちゃん。そこにある花取ってよ』
Sumire 『今はモンスター倒すのが先でしょ?』
Kanon 『えーー……恋人なのに花、渡してくれないの?』
Sumire 『もう、仕方ないわねぇ』
恋 「うぎやぁぁぁぁーーーー! 攻撃食らいましたーーーー!」
恋 「よし! あとちょっとでクリアです! お二人ともサポート頼みますよ!!」
レンレン 『任せました!』
Kanon 『ねえ、Sumireちゃん。そこにある花取ってよ』
Sumire 『今はモンスター倒すのが先でしょ?』
Kanon 『えーー……恋人なのに花、渡してくれないの?』
Sumire 『もう、仕方ないわねぇ』
恋 「うぎやぁぁぁぁーーーー! 攻撃食らいましたーーーー!」
216: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:45:36.71 ID:JbAwLVkY
レンレン 『で、では! 私が罠を仕掛けるのでそちらに誘導してください!』
Kanon 『分かったよ!』
Sumire 『どこら辺に罠を仕掛けるの?』
レンレン 『あそこの広い荒野に……』
Kanon 『そういえば、あそこの広い荒野ってたまに、オアシスが出てくるんだって』
レンレン 『それは低確率で発生するイベントですね』
Kanon 『それをカップルで見れたら、そのカップルはずっと幸せになれるんだって! 行こうよ、Sumireちゃん!』
Sumire 『ゲームにもあるのねぇ、そういうの……』
レンレン 『あ、いや、罠の誘導……』
Kanon 『分かったよ!』
Sumire 『どこら辺に罠を仕掛けるの?』
レンレン 『あそこの広い荒野に……』
Kanon 『そういえば、あそこの広い荒野ってたまに、オアシスが出てくるんだって』
レンレン 『それは低確率で発生するイベントですね』
Kanon 『それをカップルで見れたら、そのカップルはずっと幸せになれるんだって! 行こうよ、Sumireちゃん!』
Sumire 『ゲームにもあるのねぇ、そういうの……』
レンレン 『あ、いや、罠の誘導……』
217: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:46:06.86 ID:JbAwLVkY
恋 「うぎやぁぁぁぁーーーー! 罠にかけるの失敗しましたーーーー!」
恋 「なんなんですか!!!! このイチャイチャカップルは!!!! ゲームに集中してくださいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 ドンドンドンッ
チビ 「くぅ」 ガクガク
サヤ 「ああ、チビ怖がらせてしまいましたね。あっちに行きましょうか。仕方ありません、お嬢様、ゲームに集中すると人が変わることがありますから……」
恋 「なんなんですか!!!! このイチャイチャカップルは!!!! ゲームに集中してくださいよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 ドンドンドンッ
チビ 「くぅ」 ガクガク
サヤ 「ああ、チビ怖がらせてしまいましたね。あっちに行きましょうか。仕方ありません、お嬢様、ゲームに集中すると人が変わることがありますから……」
218: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:47:01.05 ID:JbAwLVkY
~現在 通路中~
恋 「……」
メイ 「恋先輩? 急に止まってどうしたんですか?」
四季 「メイ進めない。進めない」 モフッモフッ
メイ 「だからってお尻触んなよ!! わざとだろ!! どう考えても!!」
すみれ 「恋? 早く進まないとタイムリミットが……」
恋 「……行かせません」
すみれ 「えっ?」
恋 「……」
メイ 「恋先輩? 急に止まってどうしたんですか?」
四季 「メイ進めない。進めない」 モフッモフッ
メイ 「だからってお尻触んなよ!! わざとだろ!! どう考えても!!」
すみれ 「恋? 早く進まないとタイムリミットが……」
恋 「……行かせません」
すみれ 「えっ?」
219: (やわらか銀行) 2022/11/28(月) 22:47:38.36 ID:JbAwLVkY
恋 「科学室には行かせませんよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 ドタッバタッ
すみれ 「急に暴れた!? なんで!?」
かのん 「って、ええっーーーー!? 恋ちゃん、目の色が変わってるよ!?」
メイ 「嘘だろ!? 恋先輩は1mmも悪い心がないから大丈夫だったんじゃないのか!?」
四季 「……もしかしたら、何かがきっかけで、悪の心が少し芽生えたのかもしれない。一瞬でも生まれたら、あとは今まで吸った分の煙で一気に増幅される!」
すみれ 「どうしてこんなことになるのよ~~!!」
すみれ 「急に暴れた!? なんで!?」
かのん 「って、ええっーーーー!? 恋ちゃん、目の色が変わってるよ!?」
メイ 「嘘だろ!? 恋先輩は1mmも悪い心がないから大丈夫だったんじゃないのか!?」
四季 「……もしかしたら、何かがきっかけで、悪の心が少し芽生えたのかもしれない。一瞬でも生まれたら、あとは今まで吸った分の煙で一気に増幅される!」
すみれ 「どうしてこんなことになるのよ~~!!」
223: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 19:55:47.39 ID:rkOJhOY+
四季 「大変なことになった……っ!」 モフッモフッ
メイ 「だからいい加減お前は尻を触るのをやめろよ!!」
四季 「……違う、メイ」 モフッモフッ
メイ 「えっ?」
四季 「私のメイへの気持ちが暴走してる、つまり、特効薬の効果が切れ始めてる……!」
メイ 「まじで!?」
メイ 「だからいい加減お前は尻を触るのをやめろよ!!」
四季 「……違う、メイ」 モフッモフッ
メイ 「えっ?」
四季 「私のメイへの気持ちが暴走してる、つまり、特効薬の効果が切れ始めてる……!」
メイ 「まじで!?」
224: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 19:56:11.45 ID:rkOJhOY+
四季 「ということは、そろそろメイにも変化が生じる可能性が……」
メイ 「はっ!?」
メイ (さっきの恋先輩の格好……あれって……)
メイ (伝説のアイドル矢澤にこが、アイドル引退後、一年だけ活動したという伝説のロックスター『NICO YAZAWA』の武道館ライブのときの格好とそっくり……!?) ドキューーン
メイ (なんて最高なんだぁぁ! 恋先輩~~!!)
メイ 「はっ!?」
メイ (さっきの恋先輩の格好……あれって……)
メイ (伝説のアイドル矢澤にこが、アイドル引退後、一年だけ活動したという伝説のロックスター『NICO YAZAWA』の武道館ライブのときの格好とそっくり……!?) ドキューーン
メイ (なんて最高なんだぁぁ! 恋先輩~~!!)
225: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 19:56:32.75 ID:rkOJhOY+
メイ 「はっ!? 一瞬アイドル愛で暴走するところだった!!」
メイ (本当に特効薬の効果が……)
メイ 「……っ、私たちはここまでなのか! 四季!」
四季 「……残念ながらそうなる」 モフッモフッ
メイ・四季 ((それなら私たちにできることは))
メイ (本当に特効薬の効果が……)
メイ 「……っ、私たちはここまでなのか! 四季!」
四季 「……残念ながらそうなる」 モフッモフッ
メイ・四季 ((それなら私たちにできることは))
226: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 19:56:56.30 ID:rkOJhOY+
恋 「すみれさん!! 科学室には行かせませんよー!!」 ガシッ
すみれ 「うぎやぁぁぁぁ! 足掴まれた~!!」
かのん 「すみれちゃん!?」
すみれ (こ、こうなったらかのんだけでも……!)
メイ 「恋先輩!」 ガシッ
恋 「メイさん!?」
すみれ 「うぎやぁぁぁぁ! 足掴まれた~!!」
かのん 「すみれちゃん!?」
すみれ (こ、こうなったらかのんだけでも……!)
メイ 「恋先輩!」 ガシッ
恋 「メイさん!?」
227: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 19:58:21.38 ID:rkOJhOY+
メイ 「お願いします! 自分を取り戻してください!! 元の恋先輩に戻ってください!!」
恋 「!」
恋 (そ、そうだ、私はさっきまで、みんなに協力しようと思ってたのに……なんで……!)
REN 「……ありがとう、You。元に戻ったぜベイベ」
メイ 「そ、そこまでは戻る必要は! いやかっこいいけど! めっちゃかっこいいけど!!」
恋 「!」
恋 (そ、そうだ、私はさっきまで、みんなに協力しようと思ってたのに……なんで……!)
REN 「……ありがとう、You。元に戻ったぜベイベ」
メイ 「そ、そこまでは戻る必要は! いやかっこいいけど! めっちゃかっこいいけど!!」
228: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 19:58:38.61 ID:rkOJhOY+
すみれ 「足から手が離れた! 今ならいける!」
メイ 「すみれ先輩! かのん先輩!」
かのん 「メイちゃん……?」
メイ 「きっと恋先輩はあと少ししたらまた暴走してしまうと思います……そして、しばらくしたら私と四季だって……!」
四季 「……特効薬の効果が切れかかってる。私たちより後に飲んだ二人はまだ大丈夫だろうけど、私たちはおそらく限界が近づいてる」
かのん 「そ、そんな……!」
メイ 「すみれ先輩! かのん先輩!」
かのん 「メイちゃん……?」
メイ 「きっと恋先輩はあと少ししたらまた暴走してしまうと思います……そして、しばらくしたら私と四季だって……!」
四季 「……特効薬の効果が切れかかってる。私たちより後に飲んだ二人はまだ大丈夫だろうけど、私たちはおそらく限界が近づいてる」
かのん 「そ、そんな……!」
229: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:01:00.31 ID:rkOJhOY+
メイ 「だから恋先輩は全力で私たちが食い止めますから、早く二人で科学室に行ってください! そして、装置を、どうかお願いです! 止めてください!!」
かのん (まただ……)
かのん (また、私はLiella!のみんなを置いて……)
すみれ 「かのん!!!!」
かのん 「……!」
すみれ 「放心状態になっちゃダメ!! 私とあなたが、みんなを助けなくちゃいけないの!! みんなが頑張ってくれた分まで!」
かのん 「……っ。分かった!!!! 迷わない!!!!」
かのん (まただ……)
かのん (また、私はLiella!のみんなを置いて……)
すみれ 「かのん!!!!」
かのん 「……!」
すみれ 「放心状態になっちゃダメ!! 私とあなたが、みんなを助けなくちゃいけないの!! みんなが頑張ってくれた分まで!」
かのん 「……っ。分かった!!!! 迷わない!!!!」
230: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:01:32.46 ID:rkOJhOY+
四季 (二人とも……)
メイ (頼んだ……!)
四季 「……」
メイ 「……」
REN 「……」
四季 「メイのお尻、もみもみ」 モフッモフッ
メイ 「お前、煙関係なく揉んでたりしないよな?」
メイ (頼んだ……!)
四季 「……」
メイ 「……」
REN 「……」
四季 「メイのお尻、もみもみ」 モフッモフッ
メイ 「お前、煙関係なく揉んでたりしないよな?」
231: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:02:52.95 ID:rkOJhOY+
~科学室前~
シーン
かのん 「てっきり科学室前はたくさん人が見張ってると思ったけど……誰もいないね」
すみれ 「多分だけど、部室にあんな抜け道があるなんてみんな知らないから、ずっと部室の前の扉で待ってるんじゃない? 私たちが出るの」
かのん 「それなら今がチャンスだね。行こう、すみれちゃん!」
すみれ 「ええ。覚悟決めなきゃね……!」
すみれ (四季が煙の毒牙にやられたということは……特効薬を作れる人はもういないということ)
シーン
かのん 「てっきり科学室前はたくさん人が見張ってると思ったけど……誰もいないね」
すみれ 「多分だけど、部室にあんな抜け道があるなんてみんな知らないから、ずっと部室の前の扉で待ってるんじゃない? 私たちが出るの」
かのん 「それなら今がチャンスだね。行こう、すみれちゃん!」
すみれ 「ええ。覚悟決めなきゃね……!」
すみれ (四季が煙の毒牙にやられたということは……特効薬を作れる人はもういないということ)
232: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:03:12.98 ID:rkOJhOY+
すみれ (これをミスったら私たちは二度と悪の煙から回復できない)
すみれ (正真正銘これが最初で最後のチャンス……!)
すみれ 「……」
かのん 「……」 ギュッ
すみれ 「かのん、急にどうしたの、手なんか握って」
かのん 「……私ね」
すみれ 「?」
すみれ (正真正銘これが最初で最後のチャンス……!)
すみれ 「……」
かのん 「……」 ギュッ
すみれ 「かのん、急にどうしたの、手なんか握って」
かのん 「……私ね」
すみれ 「?」
233: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:03:44.96 ID:rkOJhOY+
かのん 「すみれちゃんと付き合えたこと、本当に嬉しいんだ。だから、これで最後にしたくない」
すみれ 「!」
かのん 「……二人が一緒なら負けないよね」
すみれ 「……当然ったら当然よ」
すみれ (本当、かのんは肝心なときはかっこいいんだから)
かのん 「よしっ、行こうっ!!!」
ガラッ
すみれ 「!」
かのん 「……二人が一緒なら負けないよね」
すみれ 「……当然ったら当然よ」
すみれ (本当、かのんは肝心なときはかっこいいんだから)
かのん 「よしっ、行こうっ!!!」
ガラッ
234: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:04:28.55 ID:rkOJhOY+
~科学室~
かのん 「ええっ!?」
すみれ 「な、なによ、これ……!」
かのん (あまりに強い濃度で頭がクラクラする……! まともに立ってられない!)
すみれ (これじゃ特効薬を飲んでるとはいえ、おそらく私たちも全然持たない……!!)
すみれ (だけど一番根本的な問題は)
シュワシュワシュワ
シュワシュワシュワ
すみれ 「煙が濃すぎて本当に何も見えないじゃない!? これじゃどこに装置があるのかも分からないわよ!?」
かのん 「ええっ!?」
すみれ 「な、なによ、これ……!」
かのん (あまりに強い濃度で頭がクラクラする……! まともに立ってられない!)
すみれ (これじゃ特効薬を飲んでるとはいえ、おそらく私たちも全然持たない……!!)
すみれ (だけど一番根本的な問題は)
シュワシュワシュワ
シュワシュワシュワ
すみれ 「煙が濃すぎて本当に何も見えないじゃない!? これじゃどこに装置があるのかも分からないわよ!?」
235: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:05:07.07 ID:rkOJhOY+
かのん 「メイちゃんたちの話だと、床に落としたのは間違いないから、床を探していけば……」
すみれ 「……!」 クラッ
すみれ (め、目眩が……)
すみれ 「うっ……!」 ストッ
かのん 「すみれちゃん! 座り込んで大丈夫……!?」
すみれ (うまく立てない……!)
すみれ 「……!」 クラッ
すみれ (め、目眩が……)
すみれ 「うっ……!」 ストッ
かのん 「すみれちゃん! 座り込んで大丈夫……!?」
すみれ (うまく立てない……!)
236: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:05:29.99 ID:rkOJhOY+
すみれ 「私のことは心配しなくて良いから、早く装置を見つけなさい! いつかのんもこうなるか分からないわよ!?」
かのん 「わ、分かった……!」
かのん (クラクラして、本当に一瞬でも気を抜いたら気絶してしまうくらい……!)
かのん (早く見つけないと……!)
かのん (だけど本当にどこなの!?)
かのん 「見つからない! 見つからないよ!!」
かのん 「わ、分かった……!」
かのん (クラクラして、本当に一瞬でも気を抜いたら気絶してしまうくらい……!)
かのん (早く見つけないと……!)
かのん (だけど本当にどこなの!?)
かのん 「見つからない! 見つからないよ!!」
237: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:05:54.46 ID:rkOJhOY+
すみれ 「か、かのん……!」 フラフラ
すみれ (かのんだってつらいはずなのに、全力で体動かしてんのよ!?)
すみれ (このショービジネスを熟知してる平安名すみれが!!)
すみれ (恋人にかっこいいところを見せられなくてどうするの!?)
すみれ (上手く立て……! ちゃんと歩け……! 平安名すみれ!!!!) フラフラ
バンッ
すみれ 「うっ……!」
すみれ (かのんだってつらいはずなのに、全力で体動かしてんのよ!?)
すみれ (このショービジネスを熟知してる平安名すみれが!!)
すみれ (恋人にかっこいいところを見せられなくてどうするの!?)
すみれ (上手く立て……! ちゃんと歩け……! 平安名すみれ!!!!) フラフラ
バンッ
すみれ 「うっ……!」
238: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:07:41.65 ID:rkOJhOY+
かのん 「えっ!? な、何の音!?」
すみれ 「だ、大丈夫! 私が壁にぶつかっただけだから……」
かのん 「……!」 クラッ
かのん (頭が痛い……っっ!!) フラフラ
バタッ
すみれ 「かのん!?」
かのん 「はぁ……はぁ……」
すみれ 「だ、大丈夫! 私が壁にぶつかっただけだから……」
かのん 「……!」 クラッ
かのん (頭が痛い……っっ!!) フラフラ
バタッ
すみれ 「かのん!?」
かのん 「はぁ……はぁ……」
239: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:08:56.81 ID:rkOJhOY+
かのん (まずい……倒れちゃった……)
かのん (装置、見つけないといけないのに……)
かのん (もう体が動かせない……)
すみれ 「そ、そんな……」
すみれ (私も、もう壁に寄っかかって、これ以上動けない……! 一歩でも歩いたら倒れてしまう……!)
すみれ (かのんは床に倒れてしまった……満身創痍……)
すみれ (もう私たちはここまでなの……?)
かのん (装置、見つけないといけないのに……)
かのん (もう体が動かせない……)
すみれ 「そ、そんな……」
すみれ (私も、もう壁に寄っかかって、これ以上動けない……! 一歩でも歩いたら倒れてしまう……!)
すみれ (かのんは床に倒れてしまった……満身創痍……)
すみれ (もう私たちはここまでなの……?)
240: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:10:13.19 ID:rkOJhOY+
すみれ 「……か、かのん」
かのん 「……な、なに、すみれちゃん」
すみれ 「……ここまでみんな頑張ってくれたわ。夏美がきな子を止めてくれた。可可と千砂都が階段で道を作ってくれた」
かのん 「……うん」
すみれ 「……きな子のくれたカニでロープを切れた。恋が外から助け出してくれた。暴走した恋を四季とメイが止めてくれた」
かのん 「……うん、うん」 ポロポロ
かのん 「……な、なに、すみれちゃん」
すみれ 「……ここまでみんな頑張ってくれたわ。夏美がきな子を止めてくれた。可可と千砂都が階段で道を作ってくれた」
かのん 「……うん」
すみれ 「……きな子のくれたカニでロープを切れた。恋が外から助け出してくれた。暴走した恋を四季とメイが止めてくれた」
かのん 「……うん、うん」 ポロポロ
241: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:14:07.01 ID:rkOJhOY+
すみれ 「……そんなみんなの期待が守れそうにない。なのに、私今、この最後の時間を、自分のために使いたいと思ってる」
かのん 「……すみれちゃん」 ポロポロ
すみれ 「……ねえ? 手を伸ばせばここから届く? 最後にあなたと手を繋ぎたいの、私」 ポロポロ
かのん 「……手、手を」 ポロポロ
すみれ 「……大好きよ、かのん。そして、みんな、ごめんなさい」 ポロポロ
かのん 「……すみれちゃんが謝るときは、私も一緒に謝るから。だから今は」 ポロポロ
すみれ・かのん ((あなたの手を……!))
チョン
かのん 「……すみれちゃん」 ポロポロ
すみれ 「……ねえ? 手を伸ばせばここから届く? 最後にあなたと手を繋ぎたいの、私」 ポロポロ
かのん 「……手、手を」 ポロポロ
すみれ 「……大好きよ、かのん。そして、みんな、ごめんなさい」 ポロポロ
かのん 「……すみれちゃんが謝るときは、私も一緒に謝るから。だから今は」 ポロポロ
すみれ・かのん ((あなたの手を……!))
チョン
242: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:14:46.43 ID:rkOJhOY+
~回想 付き合う直前~
すみれ 「……ふふ、ここのコーヒー美味しいわね」
かのん 「でしょ? お気に入りなんだ」
すみれ 「でも私は、あなたの家のコーヒーも好きだけど……ていうか同業者でしょ? なんで自分の店じゃないところ、私に紹介するのよ」
かのん 「だって家族に見られながらすみれちゃんと話すの恥ずかしいんだもん……!」
すみれ 「なんで?」
かのん 「えっ?」
すみれ 「……ふふ、ここのコーヒー美味しいわね」
かのん 「でしょ? お気に入りなんだ」
すみれ 「でも私は、あなたの家のコーヒーも好きだけど……ていうか同業者でしょ? なんで自分の店じゃないところ、私に紹介するのよ」
かのん 「だって家族に見られながらすみれちゃんと話すの恥ずかしいんだもん……!」
すみれ 「なんで?」
かのん 「えっ?」
243: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:15:21.26 ID:rkOJhOY+
すみれ 「Liella!でなら、何度もあそこで集まってるし、別に友達同士で喋っていたって……」
かのん 「……あ、あれ? そうだよね、なんでこんなこと言ったんだろ、私」
すみれ 「……」
かのん 「……」
すみれ (やっば、かのん黙っちゃったわよ……私、変なこと言っちゃったかしら……)
すみれ (な、なんとか、誤魔化さないと!)
かのん 「……あ、あれ? そうだよね、なんでこんなこと言ったんだろ、私」
すみれ 「……」
かのん 「……」
すみれ (やっば、かのん黙っちゃったわよ……私、変なこと言っちゃったかしら……)
すみれ (な、なんとか、誤魔化さないと!)
244: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:16:49.63 ID:rkOJhOY+
すみれ 「あ、えっと、そ、その、そうね! もしかして恋人っぽく見られるのが恥ずかしかったとか!?」
かのん 「こ、恋人!?///」
すみれ 「そ、そう……!! ほらさ、私たち、一緒にいるとまるでカップルみたいに絵になるじゃない!?」
かのん 「そうなの!?」
すみれ 「えっ、あ、いや、その……/// そう、ネットでエゴサしてるときに書いてあったから……」
かのん 「そ、そうなんだ……私たちそう見られてるんだ……」
かのん 「こ、恋人!?///」
すみれ 「そ、そう……!! ほらさ、私たち、一緒にいるとまるでカップルみたいに絵になるじゃない!?」
かのん 「そうなの!?」
すみれ 「えっ、あ、いや、その……/// そう、ネットでエゴサしてるときに書いてあったから……」
かのん 「そ、そうなんだ……私たちそう見られてるんだ……」
245: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:17:24.77 ID:rkOJhOY+
すみれ 「……///」
かのん 「……///」
すみれ (本当何言ってるのよ~~!! 私ぃぃぃぃ~~!!///)
すみれ 「……え、えっと」
かのん 「それってなんだか嬉しいね」
すみれ 「えっ?」
かのん 「ふふ、上手く説明できないけど、それって私とすみれちゃんが、恋人くらい仲良しに見えてるってことでしょ! それならすごく嬉しい!」 ニコッ
すみれ 「!」 ドキッ
かのん 「……///」
すみれ (本当何言ってるのよ~~!! 私ぃぃぃぃ~~!!///)
すみれ 「……え、えっと」
かのん 「それってなんだか嬉しいね」
すみれ 「えっ?」
かのん 「ふふ、上手く説明できないけど、それって私とすみれちゃんが、恋人くらい仲良しに見えてるってことでしょ! それならすごく嬉しい!」 ニコッ
すみれ 「!」 ドキッ
246: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:17:51.38 ID:rkOJhOY+
かのん 「……それに、一瞬言われて考えちゃったけど、意外とイメージできるんだ。すみれちゃんと恋人になった後の生活」
かのん 「一緒に映画見に行ったり、同じ雑誌を買ってみたり! 前のすみれちゃんみたいに、一緒にスカウトされるまで街を歩くのも面白そう!」
すみれ 「なっ! す、スカウトはやめてよ!!」
かのん 「あ、ご、ごめん、別にすみれちゃんをバカにしたわけじゃなくて……!」 アセアセ
すみれ 「違う!! 私は今、かのんにスカウトされたの! それでLiella!になったの!」
かのん 「!」
かのん 「一緒に映画見に行ったり、同じ雑誌を買ってみたり! 前のすみれちゃんみたいに、一緒にスカウトされるまで街を歩くのも面白そう!」
すみれ 「なっ! す、スカウトはやめてよ!!」
かのん 「あ、ご、ごめん、別にすみれちゃんをバカにしたわけじゃなくて……!」 アセアセ
すみれ 「違う!! 私は今、かのんにスカウトされたの! それでLiella!になったの!」
かのん 「!」
247: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:18:39.46 ID:rkOJhOY+
すみれ 「……だから他にスカウトされても、入ってなんかやんないわ。一番最初に私を見つけてくれたのは、紛れもなく、かのんだから」
かのん 「!」 ドキッ
すみれ 「……」 ドキドキ
かのん 「……」 ドキドキ
すみれ (なんだろう、この気持ち……)
かのん (Liella!のみんなはもちろん大好きだけど、それとはまた違う気持ちの気がする……)
かのん 「!」 ドキッ
すみれ 「……」 ドキドキ
かのん 「……」 ドキドキ
すみれ (なんだろう、この気持ち……)
かのん (Liella!のみんなはもちろん大好きだけど、それとはまた違う気持ちの気がする……)
248: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:19:13.12 ID:rkOJhOY+
すみれ (かのんは、私がずっと憧れてた目標なのよね……? それだけでしょ? ねぇ……私?)
かのん (すみれちゃん。すみれちゃんは、私にとって……友達……仲間……? それとも……)
すみれ 「……」 ドキドキ
かのん 「……」 ドキドキ
すみれ (この時間、この時間がとても楽しい……でも楽しいだけじゃなくて、なんだか心の中が暖かくて……)
かのん (すみれちゃんと一緒にいると、すごく安心する……どんなに怖いことがあっても、すみれちゃんと一緒にいれたら……乗り越えられる気がするくらい……)
かのん (すみれちゃん。すみれちゃんは、私にとって……友達……仲間……? それとも……)
すみれ 「……」 ドキドキ
かのん 「……」 ドキドキ
すみれ (この時間、この時間がとても楽しい……でも楽しいだけじゃなくて、なんだか心の中が暖かくて……)
かのん (すみれちゃんと一緒にいると、すごく安心する……どんなに怖いことがあっても、すみれちゃんと一緒にいれたら……乗り越えられる気がするくらい……)
249: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:19:34.14 ID:rkOJhOY+
すみれ・かのん ((ねぇ、この気持ちって、もしかして……!))
すみれ 「……ちょっと提案なんだけど」
かのん 「……うん、聞かせて」
すみれ 「付き合っちゃう?」
かのん 「そうしようっか」
すみれ 「……ちょっと提案なんだけど」
かのん 「……うん、聞かせて」
すみれ 「付き合っちゃう?」
かのん 「そうしようっか」
250: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:21:10.16 ID:rkOJhOY+
~現在 科学室中~
すみれ 「……大好きよ、かのん。そして、みんな、ごめんなさい」 ポロポロ
かのん 「……すみれちゃんが謝るときは、私も一緒に謝るから。だから今は」 ポロポロ
すみれ・かのん ((あなたの手を……!))
チョン
すみれ・かのん 「「……!」」
すみれ 「……大好きよ、かのん。そして、みんな、ごめんなさい」 ポロポロ
かのん 「……すみれちゃんが謝るときは、私も一緒に謝るから。だから今は」 ポロポロ
すみれ・かのん ((あなたの手を……!))
チョン
すみれ・かのん 「「……!」」
251: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:22:03.75 ID:rkOJhOY+
すみれ 「……こんなことってありえるの?」
かのん 「……はは、すみれちゃんとなら、何でも謝れるけど、謝らないに越したことはないよね」
すみれ 「私とかのんが手を繋ごうとした真ん中に!」
かのん 「あったよ!! 装置が!!」
かのん 「私がボタンを押すっ。四季ちゃんが装置を止めるボタンがあるって……!」
かのん 「……はは、すみれちゃんとなら、何でも謝れるけど、謝らないに越したことはないよね」
すみれ 「私とかのんが手を繋ごうとした真ん中に!」
かのん 「あったよ!! 装置が!!」
かのん 「私がボタンを押すっ。四季ちゃんが装置を止めるボタンがあるって……!」
252: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:22:27.80 ID:rkOJhOY+
かのん 「……!」 クラッ
すみれ 「……!」 クラッ
すみれ (意識が朦朧としてる……! 急いでかのん……!!)
かのん 「どこ、ボタンはどこにあるの!?」
かのん (意識がはっきりしないのと、何より視界が暗すぎて、電源ボタンがどこか見えない……!)
すみれ 「くっ……あとちょっと、あとちょっとなのに!」 フラフラ
バンッ
すみれ 「っ、また壁に……」
すみれ 「……!」 クラッ
すみれ (意識が朦朧としてる……! 急いでかのん……!!)
かのん 「どこ、ボタンはどこにあるの!?」
かのん (意識がはっきりしないのと、何より視界が暗すぎて、電源ボタンがどこか見えない……!)
すみれ 「くっ……あとちょっと、あとちょっとなのに!」 フラフラ
バンッ
すみれ 「っ、また壁に……」
253: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:23:01.52 ID:rkOJhOY+
ドシンッ
すみれ (今横に何か落ちた? 一体何!?)
すみれ 「どうせ私はここから動けない……かのんもこのままじゃボタンを見つける前に気絶しちゃう……」
すみれ 「ならその得体の知れないものに頼っても仕方ないわよね……!」 スッ
すみれ (触った感じ、この装置はボタンが一つしかない!!)
すみれ 「お願い!! いけぇぇぇぇぇーーーーー!!!」 ポチッ
すみれ (今横に何か落ちた? 一体何!?)
すみれ 「どうせ私はここから動けない……かのんもこのままじゃボタンを見つける前に気絶しちゃう……」
すみれ 「ならその得体の知れないものに頼っても仕方ないわよね……!」 スッ
すみれ (触った感じ、この装置はボタンが一つしかない!!)
すみれ 「お願い!! いけぇぇぇぇぇーーーーー!!!」 ポチッ
254: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:24:55.70 ID:rkOJhOY+
ビューーーーーーン
すみれ 「!?」
すみれ (部屋中の煙が一瞬消えた!?)
かのん (また煙がすぐ戻ったけど、今の一瞬で十分!)
かのん (電源ボタンはここだっ!)
ポチッ
すみれ 「!?」
すみれ (部屋中の煙が一瞬消えた!?)
かのん (また煙がすぐ戻ったけど、今の一瞬で十分!)
かのん (電源ボタンはここだっ!)
ポチッ
255: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:25:30.53 ID:rkOJhOY+
シュワシュワシュワ
シュワシュワシュワ
シュワシュワ
シュワ
シュ
かのん 「……!」
すみれ 「やった……! やったわ……!!」
かのん 「止まった!! 止まったよ!! すみれちゃん!! 止まったよ」 パァァ
すみれ 「かのん!! あなたのおかげよ!! かのんのおかげで……私たち、まだこれからも!!」 パァァ
シュワシュワシュワ
シュワシュワ
シュワ
シュ
かのん 「……!」
すみれ 「やった……! やったわ……!!」
かのん 「止まった!! 止まったよ!! すみれちゃん!! 止まったよ」 パァァ
すみれ 「かのん!! あなたのおかげよ!! かのんのおかげで……私たち、まだこれからも!!」 パァァ
256: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:27:14.96 ID:rkOJhOY+
すみれ (煙が晴れた後……さっき私が押した装置を調べてみた)
すみれ (そこには説明書きが貼ってあった)
すみれ (……一瞬だけものすごく強い風が発生し、部屋の空気を良くする。そのことによって、リラックス効果を与える『ストレスを減らせる装置』らしい)
すみれ (かのんと抱きしめ合いながら、しばらく一緒に泣いていた……)
すみれ (そこには説明書きが貼ってあった)
すみれ (……一瞬だけものすごく強い風が発生し、部屋の空気を良くする。そのことによって、リラックス効果を与える『ストレスを減らせる装置』らしい)
すみれ (かのんと抱きしめ合いながら、しばらく一緒に泣いていた……)
257: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:27:43.45 ID:rkOJhOY+
すみれ (その後、四季の発明によって校舎中に治療薬の煙が撒かれ、みんな回復した……)
すみれ (沈んでゆく夕陽に照らされながら)
すみれ (こうして、この騒動は終焉した)
すみれ (私は、これからも、Liella!の未来を、そして、かのんとの未来を歩めることに)
すみれ (心から喜びながら、夕陽を眺めていた……)
すみれ (沈んでゆく夕陽に照らされながら)
すみれ (こうして、この騒動は終焉した)
すみれ (私は、これからも、Liella!の未来を、そして、かのんとの未来を歩めることに)
すみれ (心から喜びながら、夕陽を眺めていた……)
258: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:28:49.47 ID:rkOJhOY+
~校庭~
夏美 「嬉しいですの~~!!」 ポロポロ
きな子 「ごめんなさいっす~~!! みんなぁ~~!!」 ポロポロ
メイ 「無事で良かったよぉ~~!! 本当~~!!」 ポロポロ
すみれ 「……なんか一年生組、肩組んで泣きあってるけど、あんたはいいの?」
四季 「私はそういう柄じゃないから……」
夏美 「嬉しいですの~~!!」 ポロポロ
きな子 「ごめんなさいっす~~!! みんなぁ~~!!」 ポロポロ
メイ 「無事で良かったよぉ~~!! 本当~~!!」 ポロポロ
すみれ 「……なんか一年生組、肩組んで泣きあってるけど、あんたはいいの?」
四季 「私はそういう柄じゃないから……」
259: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:29:24.79 ID:rkOJhOY+
すみれ 「じゃあこれは先輩からのお願いなんだけど」
四季 「?」
すみれ 「……一緒に泣いてあげて。みんな、四季がいないと寂しがるわ」
四季 「っ」 ウルッ
タッタッ
四季 「ごめんなさい……!! 夏美ちゃん……きな子ちゃん……!! 私のせいでぇ……!!」 ポロポロ
四季 「?」
すみれ 「……一緒に泣いてあげて。みんな、四季がいないと寂しがるわ」
四季 「っ」 ウルッ
タッタッ
四季 「ごめんなさい……!! 夏美ちゃん……きな子ちゃん……!! 私のせいでぇ……!!」 ポロポロ
260: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:30:53.52 ID:rkOJhOY+
夏美 「そ、そんな、四季さんは悪気があったわけじゃ……それに夏美が倒しさえしなければ……」 ポロポロ
きな子 「誰も悪くないっす! 誰も悪くないっすよぉ……!」 ポロポロ
メイ 「四季ぃ~!! お前まで泣くなよバカ~~!!」 ポロポロ
一年生組 「「「「うわぁぁぁ~~ん!!」」」」 ポロポロ
きな子 「誰も悪くないっす! 誰も悪くないっすよぉ……!」 ポロポロ
メイ 「四季ぃ~!! お前まで泣くなよバカ~~!!」 ポロポロ
一年生組 「「「「うわぁぁぁ~~ん!!」」」」 ポロポロ
261: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:31:26.60 ID:rkOJhOY+
千砂都 「……いやー、大変だったね、かのんちゃん。あやうくイタリアだよ」
かのん 「いや本当にビビったからね!? ちぃちゃん!?」
可可 「なるほどー。海外に駆け落ち、悪くない手ですね……!」
かのん 「可可ちゃん、やめてよ!?」
恋 「それにしても、今回は色々学ぶことが多かったです。自分の違う一面を知れた気がしました」
かのん 「いや本当にビビったからね!? ちぃちゃん!?」
可可 「なるほどー。海外に駆け落ち、悪くない手ですね……!」
かのん 「可可ちゃん、やめてよ!?」
恋 「それにしても、今回は色々学ぶことが多かったです。自分の違う一面を知れた気がしました」
262: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:32:20.74 ID:rkOJhOY+
すみれ 「……だとしたって、もう二度とこんな目には遭いたくないけどね」
かのん 「あっ! すみれちゃん!」 パァァ
千砂都 「……」 チラッ
可可 「……」 チラッ
千砂都 「なんていうかー? たこ焼きを食べたい気分というかー?」
可可 「おおっー!? 良いですね! なら行きましょうか!? たこ焼きー!」
かのん 「えっ! たこ焼きなら私も」
千砂都 「かのんちゃんはダメっ!!」
かのん 「ええっーーー!? なんで!?」
かのん 「あっ! すみれちゃん!」 パァァ
千砂都 「……」 チラッ
可可 「……」 チラッ
千砂都 「なんていうかー? たこ焼きを食べたい気分というかー?」
可可 「おおっー!? 良いですね! なら行きましょうか!? たこ焼きー!」
かのん 「えっ! たこ焼きなら私も」
千砂都 「かのんちゃんはダメっ!!」
かのん 「ええっーーー!? なんで!?」
263: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:33:03.50 ID:rkOJhOY+
すみれ (気遣ってくれてるのね)
すみれ 「かのん。なら私とかのんは、あそこのカフェに行きましょう」
かのん 「たこ焼……!」
すみれ 「私の言うことが聞けないわけ?」 ドドドド
かのん 「聞けますっ!! めっちゃ聞けます!!」
恋 「……そのたこ焼き、私も行っていいですか? 千砂都さん、可可さん」ニコッ
千砂都 「もちろん!! 私もたくさん恋ちゃんと喋りたいことあるし!!」
可可 「可可もです!!」
すみれ 「かのん。なら私とかのんは、あそこのカフェに行きましょう」
かのん 「たこ焼……!」
すみれ 「私の言うことが聞けないわけ?」 ドドドド
かのん 「聞けますっ!! めっちゃ聞けます!!」
恋 「……そのたこ焼き、私も行っていいですか? 千砂都さん、可可さん」ニコッ
千砂都 「もちろん!! 私もたくさん恋ちゃんと喋りたいことあるし!!」
可可 「可可もです!!」
264: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:33:50.72 ID:rkOJhOY+
~帰り道 一年生組~
メイ 「いやー、泣き疲れた」
四季 「慣れないことをした……」 ハァ
メイ 「でも、嬉し泣きって悪くないだろ?」
四季 「……まあね。でももう少し検証が必要。ということで私とデートしよう、メイ」
メイ 「まだ煙残ってる?」
メイ 「いやー、泣き疲れた」
四季 「慣れないことをした……」 ハァ
メイ 「でも、嬉し泣きって悪くないだろ?」
四季 「……まあね。でももう少し検証が必要。ということで私とデートしよう、メイ」
メイ 「まだ煙残ってる?」
265: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:34:22.29 ID:rkOJhOY+
きな子 「昼に撮った動画! 再生数どれくらいいきました!?」
夏美 「北海道料理のですね、再生数、まだイマイチですね……」
きな子 「ええっ!? そんな!?」
夏美 「でもこれからですの! シリーズとして頻繁に投稿すれば、自ずと結果はついてくる!」
きな子 「だけどそれでもショックっすね……夏美ちゃんの投稿してる動画の中でももしかしてビリっすか?」
夏美 「北海道料理のですね、再生数、まだイマイチですね……」
きな子 「ええっ!? そんな!?」
夏美 「でもこれからですの! シリーズとして頻繁に投稿すれば、自ずと結果はついてくる!」
きな子 「だけどそれでもショックっすね……夏美ちゃんの投稿してる動画の中でももしかしてビリっすか?」
266: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:34:43.12 ID:rkOJhOY+
夏美 「いやビリ、ではないですの。ビリから二番目ですけど」
きな子 「ち、ちなみにそのビリの動画というのは……」
夏美 「『澁谷かのんのダジャレ百連発!』ですね……」
きな子 「……」
夏美 「……」
きな子 「ち、ちなみにそのビリの動画というのは……」
夏美 「『澁谷かのんのダジャレ百連発!』ですね……」
きな子 「……」
夏美 「……」
267: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:35:17.33 ID:rkOJhOY+
メイ 「そういや、四季」
四季 「なに? メイ?」
メイ 「……『人の悪い心を集める装置』の開発はまだ続けるのか?」
四季 「いや、もうやめることにした」
メイ 「こ、今回のことは残念だけどよ、私は良い研究だと思ったし、開発できたら世界平和は本当に……!」
四季 「なに? メイ?」
メイ 「……『人の悪い心を集める装置』の開発はまだ続けるのか?」
四季 「いや、もうやめることにした」
メイ 「こ、今回のことは残念だけどよ、私は良い研究だと思ったし、開発できたら世界平和は本当に……!」
268: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:35:52.88 ID:rkOJhOY+
四季 「……悪用されたらおしまいだし、今回でつくづく感じた。結局、この事件を救ったのは、薬を作るのを手伝ってくれたみんなや、Liella!の仲間たちの優しさだった」
四季 「人の悪を減らせるのは、人の優しさだけ。だから、私は違う研究で、人の優しさを活かした研究で、世界を救いたいと思う」
メイ 「……そっか、私は応援するぜ、四季」
四季 「……ありがとう、メイ」
四季 「人の悪を減らせるのは、人の優しさだけ。だから、私は違う研究で、人の優しさを活かした研究で、世界を救いたいと思う」
メイ 「……そっか、私は応援するぜ、四季」
四季 「……ありがとう、メイ」
269: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:36:14.85 ID:rkOJhOY+
~帰り道 可可・千砂都・恋~
千砂都 「……はあ、失恋って丸いよね」
可可 「??」
千砂都 「……切ないってことだよ」
可可 「ああ、それなら可可も分かります」
恋 「二人とも落ち込んでる場合じゃありませんよ!!」
千砂都 「……恋ちゃんはなんで可可ちゃんと私が落ち込んでるのか知ってるの?」
恋 「いえ、知りません!!」
可可 「元気ですね、レンレン」
千砂都 「……はあ、失恋って丸いよね」
可可 「??」
千砂都 「……切ないってことだよ」
可可 「ああ、それなら可可も分かります」
恋 「二人とも落ち込んでる場合じゃありませんよ!!」
千砂都 「……恋ちゃんはなんで可可ちゃんと私が落ち込んでるのか知ってるの?」
恋 「いえ、知りません!!」
可可 「元気ですね、レンレン」
270: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:36:41.40 ID:rkOJhOY+
恋 「私には二人の事情はわかりませんが……でも。元気であってほしいです」
千砂都・可可 「「……!」」
恋 「Liella!の物語は始まったばかりなんですよ? 私が一番元気に、みんなを引っ張っていかないといけないのです!!」
千砂都 「恋ちゃん……!」 ウルウル
可可 「なんて優しいんですか! レンレン……!」 ウルウル
恋 「ってなぜ泣きそうになってるのですか!? 元気になってほしいのに!?」
恋 (は、話変えないと……!!)
千砂都・可可 「「……!」」
恋 「Liella!の物語は始まったばかりなんですよ? 私が一番元気に、みんなを引っ張っていかないといけないのです!!」
千砂都 「恋ちゃん……!」 ウルウル
可可 「なんて優しいんですか! レンレン……!」 ウルウル
恋 「ってなぜ泣きそうになってるのですか!? 元気になってほしいのに!?」
恋 (は、話変えないと……!!)
271: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:37:12.78 ID:rkOJhOY+
恋 「そ、そういえば! 私、バンド組んだんです!」
千砂都 「あ、それはかのんちゃんから聞いたよ!」
可可 「Liella!を引っ張るって言ったばっかなのにですか!?」
恋 「安心してください! Liella!の練習の時間は絶対に減らしません。今までゲームに費やしてた時間を使えばいいだけですから!」
可可 「逆に今までどれだけゲームをやってたですか……」
千砂都 「それにしても、音楽科の中にロックをやりたい人がいたんだね」
千砂都 「あ、それはかのんちゃんから聞いたよ!」
可可 「Liella!を引っ張るって言ったばっかなのにですか!?」
恋 「安心してください! Liella!の練習の時間は絶対に減らしません。今までゲームに費やしてた時間を使えばいいだけですから!」
可可 「逆に今までどれだけゲームをやってたですか……」
千砂都 「それにしても、音楽科の中にロックをやりたい人がいたんだね」
272: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:37:49.66 ID:rkOJhOY+
恋 「……今回の煙がなければ、知ることはなかったでしょうね。音楽科はクラシックが多いですから。だけど、実はロックをやりたい人もいた。ふふ、私も、ロックの楽しさを知っちゃいました」
恋 「スクールアイドルもロックも、全力で頑張りますっ!」
千砂都 「私たちもライブ行っていいかな?」
恋 「もちろんです!!」
可可 「参考になるかもですし、『NICO YAZAWA』のライブビデオを貸しましょうか?」
恋 「本当ですか! 嬉しいです!」 パァァ
恋 「スクールアイドルもロックも、全力で頑張りますっ!」
千砂都 「私たちもライブ行っていいかな?」
恋 「もちろんです!!」
可可 「参考になるかもですし、『NICO YAZAWA』のライブビデオを貸しましょうか?」
恋 「本当ですか! 嬉しいです!」 パァァ
273: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:38:06.47 ID:rkOJhOY+
千砂都 「……」
可可 「……」
千砂都 「……恋ちゃんがこんなに前向いてるんだから、私たちも前向かなくちゃ、だね。可可ちゃん」
可可 「……ふふ、ですね」
可可 「……」
千砂都 「……恋ちゃんがこんなに前向いてるんだから、私たちも前向かなくちゃ、だね。可可ちゃん」
可可 「……ふふ、ですね」
274: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:45:36.93 ID:rkOJhOY+
~帰り道 かのん・すみれ~
かのん 「今日は色々あったね~。すみれちゃん」
すみれ 「本当いろいろありすぎて、疲れたったら疲れたわよ……」
かのん 「でも私はすごく伝わったよ! すみれちゃんの愛!」 ニコッ
すみれ 「……からかわないの」
かのん 「なっ! からかってないもん!」
かのん 「今日は色々あったね~。すみれちゃん」
すみれ 「本当いろいろありすぎて、疲れたったら疲れたわよ……」
かのん 「でも私はすごく伝わったよ! すみれちゃんの愛!」 ニコッ
すみれ 「……からかわないの」
かのん 「なっ! からかってないもん!」
275: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:45:57.44 ID:rkOJhOY+
すみれ 「それなら私もかのんの愛、伝わったわよ。装置を止めたときのかのん、すごくかっこよかった」
かのん 「えっ……///」
すみれ 「……冗談よ」
かのん 「ええっ~~!?」
すみれ 「私をからかった罰よ」
かのん 「からかってないってば~~!!」
すみれ (まあ、かのんがかっこよかったの、本当だけどね)
かのん 「えっ……///」
すみれ 「……冗談よ」
かのん 「ええっ~~!?」
すみれ 「私をからかった罰よ」
かのん 「からかってないってば~~!!」
すみれ (まあ、かのんがかっこよかったの、本当だけどね)
276: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:46:48.48 ID:rkOJhOY+
かのん 「……」
すみれ 「……」
かのん 「あっ! すみれちゃん! もう今日はどうする? このまま帰る? それともさっき言ってたようにカフェに行く?」
すみれ 「どうしようかしら……一応連絡したけど、遅くなったら家族に心配されるし……」
ブーーン
すみれ 「ん? 目の前でタクシーが停まったんだけど」
すみれ 「……」
かのん 「あっ! すみれちゃん! もう今日はどうする? このまま帰る? それともさっき言ってたようにカフェに行く?」
すみれ 「どうしようかしら……一応連絡したけど、遅くなったら家族に心配されるし……」
ブーーン
すみれ 「ん? 目の前でタクシーが停まったんだけど」
277: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:47:22.02 ID:rkOJhOY+
ガチャ
タクシー運転手 「お嬢ちゃん、用事は済んだのかい?」
かのん 「タクシー運転手さん!」
すみれ 「……この人は?」
かのん 「ちぃちゃんと私を学校まで送ってくれた優しい人!」
タクシー運転手 「あはは、お代は貰ったもんだから優しくなんかないさ。それで、そちらがお嬢ちゃんの恋人か!」
タクシー運転手 「お嬢ちゃん、用事は済んだのかい?」
かのん 「タクシー運転手さん!」
すみれ 「……この人は?」
かのん 「ちぃちゃんと私を学校まで送ってくれた優しい人!」
タクシー運転手 「あはは、お代は貰ったもんだから優しくなんかないさ。それで、そちらがお嬢ちゃんの恋人か!」
278: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:47:48.69 ID:rkOJhOY+
かのん 「あ、えっと、その……///」 テレテレ
すみれ 「はい。かのんの恋人です!」
かのん 「!」
すみれ 「……これから、いくら私たちの関係に否定的な意見を持った人が現れたとしても、そうはっきり言えなくちゃ、恋人じゃないでしょ?」
かのん 「すみれちゃん……!」
タクシー運転手 「……本当、君たちは最高だな。良し! またお代を貰ったもんだ! タクシーでどこでも連れてってあげるよ!」
すみれ 「はい。かのんの恋人です!」
かのん 「!」
すみれ 「……これから、いくら私たちの関係に否定的な意見を持った人が現れたとしても、そうはっきり言えなくちゃ、恋人じゃないでしょ?」
かのん 「すみれちゃん……!」
タクシー運転手 「……本当、君たちは最高だな。良し! またお代を貰ったもんだ! タクシーでどこでも連れてってあげるよ!」
279: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:48:16.43 ID:rkOJhOY+
かのん 「ええっ!? あ、いや、悪いですよ!!」
タクシー運転手 「うーん、今日は星が綺麗だから、向こうの丘とかどうだろう。カップルに人気の場所らしいし、君たちにぴったりだよ!」
すみれ 「……ならありがたく」
かのん 「すみれちゃん!?」
すみれ 「この星空、かのんと一緒に見れる場所、ずっと考えてたのよ」
かのん 「///」
タクシー運転手 「ふふ、乗りな」
タクシー運転手 「うーん、今日は星が綺麗だから、向こうの丘とかどうだろう。カップルに人気の場所らしいし、君たちにぴったりだよ!」
すみれ 「……ならありがたく」
かのん 「すみれちゃん!?」
すみれ 「この星空、かのんと一緒に見れる場所、ずっと考えてたのよ」
かのん 「///」
タクシー運転手 「ふふ、乗りな」
280: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:49:23.67 ID:rkOJhOY+
~丘~
かのん 「……ご厚意でここまで来ちゃったけど、本当に綺麗だね、星空」
すみれ 「……ね、来てよかった」
かのん (本当に今日は色々あったなぁ……)
かのん (大変な事態がたくさんあって、何度も諦めかけた)
かのん (それでも、みんなが助けてくれたり、隣ですみれちゃんが怒ってくれたから)
かのん (煙を止められて、今の私たちがいる)
かのん (本当に今日は色々あった……だけど)
かのん 「……ご厚意でここまで来ちゃったけど、本当に綺麗だね、星空」
すみれ 「……ね、来てよかった」
かのん (本当に今日は色々あったなぁ……)
かのん (大変な事態がたくさんあって、何度も諦めかけた)
かのん (それでも、みんなが助けてくれたり、隣ですみれちゃんが怒ってくれたから)
かのん (煙を止められて、今の私たちがいる)
かのん (本当に今日は色々あった……だけど)
281: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:50:05.50 ID:rkOJhOY+
かのん 「別に今日に限った話じゃないよね」
すみれ 「えっ?」
かのん 「人間生きていたら、これからも大変なことがあったり、悩むことがたくさんある。別に今日だけが特別じゃない」
すみれ 「……」
かのん 「だけど私たちならきっと、今日のようにそれを乗り越えてゆける。どんなに嫌なことがあっても、絶対私が」
かのん 「すみれちゃんを守るから!!」
すみれ 「!」 ドキッ
かのん 「ね?」 ニコッ
すみれ 「えっ?」
かのん 「人間生きていたら、これからも大変なことがあったり、悩むことがたくさんある。別に今日だけが特別じゃない」
すみれ 「……」
かのん 「だけど私たちならきっと、今日のようにそれを乗り越えてゆける。どんなに嫌なことがあっても、絶対私が」
かのん 「すみれちゃんを守るから!!」
すみれ 「!」 ドキッ
かのん 「ね?」 ニコッ
282: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:50:28.69 ID:rkOJhOY+
すみれ 「……はあ」
かのん 「ってなんでそこでため息!?」
すみれ (せっかく、かっこつけたのに)
すみれ (結局、かのんに言われちゃった。ほんと、かのん、かっこいいんだから)
すみれ 「……大好きよ、かのん」
かのん 「……ふふ、私も大好きだよ、すみれちゃん」
おわり
かのん 「ってなんでそこでため息!?」
すみれ (せっかく、かっこつけたのに)
すみれ (結局、かのんに言われちゃった。ほんと、かのん、かっこいいんだから)
すみれ 「……大好きよ、かのん」
かのん 「……ふふ、私も大好きだよ、すみれちゃん」
おわり
283: (やわらか銀行) 2022/11/29(火) 20:51:52.90 ID:rkOJhOY+
ありがとうございました。
完結しました。
11月中に完結できて良かった。何日もかかってしまい申し訳ありませんでした。
最初は、かのすみがお喋りする短編を考えていたのに、なぜこうなった……!
ここまで読んでくれてありがとうございました!
完結しました。
11月中に完結できて良かった。何日もかかってしまい申し訳ありませんでした。
最初は、かのすみがお喋りする短編を考えていたのに、なぜこうなった……!
ここまで読んでくれてありがとうございました!
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1669451135/