【SS】ことり「海未ちゃんの反抗期」

ことり「海未ちゃん！新しい衣装のデザインが出来たんだけど、見てもらってもいいかな？」

海未「はい、分かりました」

ことり「ど…どうかな？」

海未「…」

ことり「今回の衣装は自信作なんだけど…」
　

海未「ことり」

ことり「かわいいでしょ？今回の衣装はスカートに…」

海未「前回、私が言った事覚えていますか？」

ことり「う～ん…なんだっけ？」

ことり（なーんてねっ♪本当は覚えてるんだけど）ｸｽｸｽ
　

海未「いいですか、ことり」

海未「私は、このような破廉恥な衣装は着られません！！」

ことり「え～～っ」

海未「穂乃果じゃないんですから、何度も同じことを言わせないでください」

ことり「でもでも、海未ちゃんにとーっても似合うと思うんだけどなぁ…」

海未「うっ…」
　

ことり（ふふっ、海未ちゃん悩んでるみたい）ｸｽｸｽ

ことり（海未ちゃんだってかわいい服着たいの知ってるもん！）

ことり（だから、ことりは恥ずかしがりやさんの海未ちゃんの背中を押してあげてるんだけど）

ことり（今回はどうかな？）
　

海未「だ…ダメな物はダメなんですっ！！」

ことり（今回は随分照れてるみたい…海未ちゃんかわいいっ♪）

ことり「でも、このスカート丈って、海未ちゃんの制服とあまり変わらないよ？」

海未「なっ」

ことり「だから、海未ちゃんも問題なく着られると思うんだけど…」
　

海未「私のスカートを短くしたのは…誰でしたっけ…？」

ことり（あ…あれ？海未ちゃん怒ってる？）

海未「私はあれほど嫌だといったのに、ことりが強引に短くしたんじゃないですか！！」

ことり「あれー？そうだったかな？」

ことり（あはは…すっかり忘れてた…）
　

ことり「でも、昔の不良みたいなロングスカートにするって言ってたから…」

ことり「ブレザーにロングスカートって…かわいくないもん」

海未「ことりは、かわいいか、かわいくないかで話を進め過ぎなんです！！」

ことり「でも…かわいい方がいいでしょ？」

海未「だから、そういう問題ではないんです！」
　

ことり「えー…海未ちゃんって足が細くて綺麗だし絶対見せた方がいいと思うんだけどなあ」

海未「だから、足を見せるのは嫌だと…」

ことり「可愛い方が良いと思うんだけどなあ」ﾁﾗﾁﾗ

海未「くっ…」

ことり（ふふっ、悩んでる悩んでるっ♪）ｸｽｸｽ

ことり（もう一息かな？）
　

海未「そ…その手には乗りません！」

海未「かわいいと言えば何でも解決すると思わないでください！！」

ことり（む～）

ことり（今日の海未ちゃんは反抗期さんだから困っちゃうなあ）

ことり（早く素直になればいいのに）ﾌﾞｰ

ことり（こうなったら…）
　

ことり「いいもん！海未ちゃんが着てくれないなら一人だけジャージで出てもらうから！」

海未「えっ…」

ことり「みんなはかわいい衣装着てるのに一人だけジャージでもいいの！？」

海未「そ…それは…」

ことり「ことりはそれでいいよ。海未ちゃんが着ないならそうしてもらうだけだし」ﾌﾟｲｯ

海未「あの…それは困ります…」

ことり「じゃあ、ことりのデザイン通りで大丈夫だねっ♪」

海未「は…はい」

ことり（海未ちゃんだって本当は可愛い衣装着たいのに素直じゃないんだから）ｸｽｸｽ
　

海未「って違います！」

ことり「何が？」

海未「また、ことりにしてやられるところでした…」

海未「私が言いたいのは、肌の露出をもう少し減らして欲しいという事なんです！」

ことり（む～～、海未ちゃんわがままだなあ…）

ことり（絶対このデザインの方が可愛いに決まってるもん！変えるなんてありえないよ！）
　

ことり「この前海未ちゃんがこっそり練習していたあのポーズかわいかったなあ」

海未「なっ！？」

ことり「あのポーズを参考にしてこの衣装作ったんだけどなあ」

海未「見ていたのですか…！？」

ことり「振り付けにも取り入れてくれれば、ポーズもこの衣装もステージ映えすると思うんだけどなあ…」

海未「…」

ことり「とってもかわいいと思うんだけどなあ…」ﾁﾗﾁﾗ

ことり（自分の家でこっそりやればいいのに、穂乃果ちゃんの部屋とか人目の着くところでやるんだもん）ｸｽｸｽ

ことり（あの時の動画や音声はこっそり保存してるんだけど…内緒にしなくちゃね）
　

海未「ことり…ひとつだけ条件があります」

ことり「何かな？」

海未「記憶から、あの時の出来事を消してください」

ことり「うんっ♪」

海未「…今回は私の負けです、ことり」

海未「ですが次回こそは、私の意見も取り入れてもらいますからね！」

ことり「うんっ！」

ことり（当然、そんな事しないけどねっ♪）

ことり（だって、海未ちゃんにはかわいい衣装でステージに上がって欲しいんだもん♪）



おわり
　

おまけ



海未「それでは帰りましょうか…またことりにしてやられた感が否めませんが」

ことり「あ…あれ？」

海未「どうかしましたか？」

ことり「携帯が見当たらなくて」

海未「そうですか…一度電話をかけてみますね」

ことり「あっ、まって！！」

ことり（このままだと、大変な事に…）
　

ﾗﾌﾞｱﾛｰｼｭｰﾄ!!

海未「！？」

ことり（海未ちゃんからの着信音…こっそり録音したやつのままだった）

ことり（ってそうじゃなくて！！）

海未「…」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ
　

ﾗﾌﾞｱﾛｰｼｭｰﾄ!!

海未「ことり…？」

ことり「ひいっ」

海未「…」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

ﾗﾌﾞｱﾛｰｼｭｰﾄ!!

海未「…何ですか、これは」ﾆｺｯ
　

ことり「あ…あのね、海未ちゃん…」

海未「こっそり覗いていただけでなく、録音までしていたのですか？」

ことり「ご…ごめんね？」

海未「なぜ謝るのでしょうか？私は怒っていませんよ？」ﾆｺﾆｺ

ことり「あわわわ…」
　

海未「もう一度聞きますよ、ことり」

ﾗﾌﾞｱﾛｰｼｭｰﾄ!!

海未「これは…なんですか？」

ことり「海未ちゃんがこっそり練習している時に…その…たまたま…」

海未「たまたま…偶然というわけですか」
　

ことり「そ…そう、偶然！！」

海未「偶然録音ができて、それが着信音になるとは、もはや奇跡ですね」ﾆｺｯ

ことり「う…うん！！奇跡奇跡！すごいなあ」

ことり「あはは…」

ことり・海未「…」

ことり「ことり急用を思い出しましたっ！！」ﾀﾞｯ

海未「待ちなさい！！ことり！！！！」

ことり「い…いやああああ！！」
　

ことり（…ことりは反省しました）

ことり（なので次の衣装は少しだけ）

ことり（海未ちゃんの意見も取り入れる事にします…）


おわり