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1: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:05:00.00 ID:???00
セラス「ねぇ、知ってる、泉? 花ちゃんが言ってたんだけど」
セラス「ここ、蓮ノ空の大倉庫には……うっかり迷い込んで骨になる、そんな哀れな新入生が毎年100人はいるんだって」
泉「ふふ、それは……いつものセラスの冗談じゃなくてかい?」クスッ
セラス「むぅ……泉はすぐ疑う。この大倉庫の大きさを見れば、その噂が本当だってわかるでしょ?」
泉「ああ、そうだね。見渡す限り色々なものが棚に収められている大倉庫、気を抜いたら迷子になってしまいそうな広さだ」フフッ
セラス「……? あれ、そこに……おふだ? が貼ってある箱がある。なんだろう、これ……?」
泉「ふむ……私が思うに、これはとても重要なものだと考察できるね。ひとまず、中を確かめてみようか」カチャ
ガタガタガタ…
セラス「!」
泉「おや。どうやら私達は……パンドラの箱を開けてしまったようだ」
ゴゴゴ…
SHAAAAAAAAARK!!!
セラス「ここ、蓮ノ空の大倉庫には……うっかり迷い込んで骨になる、そんな哀れな新入生が毎年100人はいるんだって」
泉「ふふ、それは……いつものセラスの冗談じゃなくてかい?」クスッ
セラス「むぅ……泉はすぐ疑う。この大倉庫の大きさを見れば、その噂が本当だってわかるでしょ?」
泉「ああ、そうだね。見渡す限り色々なものが棚に収められている大倉庫、気を抜いたら迷子になってしまいそうな広さだ」フフッ
セラス「……? あれ、そこに……おふだ? が貼ってある箱がある。なんだろう、これ……?」
泉「ふむ……私が思うに、これはとても重要なものだと考察できるね。ひとまず、中を確かめてみようか」カチャ
ガタガタガタ…
セラス「!」
泉「おや。どうやら私達は……パンドラの箱を開けてしまったようだ」
ゴゴゴ…
SHAAAAAAAAARK!!!
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2: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:06:00.00 ID:???00
────
セラス「というわけで、大倉庫からサメが出てきました」
瑠璃乃「?? どーゆーわけで?」
吟子「! 確か、前におばあちゃんが言っていました……蓮ノ空の大倉庫には、壁や地面を泳ぐサメが封印されている、って」
瑠璃乃「……え、吟子ちゃんまで、なんて??」
セラス「というわけで、大倉庫からサメが出てきました」
瑠璃乃「?? どーゆーわけで?」
吟子「! 確か、前におばあちゃんが言っていました……蓮ノ空の大倉庫には、壁や地面を泳ぐサメが封印されている、って」
瑠璃乃「……え、吟子ちゃんまで、なんて??」
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3: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:07:00.00 ID:???00
さやか「なるほど……では、蓮ノ空の寮に鉄格子があるのは、昔サメが生息していたせいだったんですね」
瑠璃乃「え??? え、えーと……まずそもそも、サメって海の生き物じゃ……」
セラス「瑠璃乃先輩、甘いですよ」バッ
瑠璃乃「セラスちゃん?」
セラス「先輩のその認識は甘すぎる……そう、梢先輩が頼むスタバの抹茶ティーラテのカスタムくらい甘い……」フッ
瑠璃乃「……いや、なんでセラスちゃんが、こずこずパイセンのカスタムを飲んでるの……?」
花帆「それは、あたしが前、せっちゃんと一緒にお出かけしたときに教えたからだね!」ドヤッ
瑠璃乃「え??? え、えーと……まずそもそも、サメって海の生き物じゃ……」
セラス「瑠璃乃先輩、甘いですよ」バッ
瑠璃乃「セラスちゃん?」
セラス「先輩のその認識は甘すぎる……そう、梢先輩が頼むスタバの抹茶ティーラテのカスタムくらい甘い……」フッ
瑠璃乃「……いや、なんでセラスちゃんが、こずこずパイセンのカスタムを飲んでるの……?」
花帆「それは、あたしが前、せっちゃんと一緒にお出かけしたときに教えたからだね!」ドヤッ
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4: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:08:00.00 ID:???00
セラス「瑠璃乃先輩。大前提、サメっていうのは、どこにでも現れるものなんです」
瑠璃乃「……??」
花帆「竜巻に巻き込まれて空から落ちてくるサメ……とか温泉を泳ぐサメ……なんてのもいるよね!」フンフン
吟子「そういうのもあって、とにかくサメは危険な生物ですから……早いうちに撃退しなきゃ、蓮ノ空中が大混乱に……!!」
さやか「くっ…………この場に綴理先輩さえいれば……!」
瑠璃乃「……や、今つづパイセンがいても何も変わんなくない?」
花帆「さやかちゃん! センパイが卒業して、今はあたし達が最上級生なんだから、諦めちゃダメだよ!」グッ
さやか「! そう、ですね。綴理先輩に託された思いを、サメのためにぶつけなければ……!」
瑠璃乃「…………いいこと言ってるのかどうか、ルリには判断できん……」
瑠璃乃「……??」
花帆「竜巻に巻き込まれて空から落ちてくるサメ……とか温泉を泳ぐサメ……なんてのもいるよね!」フンフン
吟子「そういうのもあって、とにかくサメは危険な生物ですから……早いうちに撃退しなきゃ、蓮ノ空中が大混乱に……!!」
さやか「くっ…………この場に綴理先輩さえいれば……!」
瑠璃乃「……や、今つづパイセンがいても何も変わんなくない?」
花帆「さやかちゃん! センパイが卒業して、今はあたし達が最上級生なんだから、諦めちゃダメだよ!」グッ
さやか「! そう、ですね。綴理先輩に託された思いを、サメのためにぶつけなければ……!」
瑠璃乃「…………いいこと言ってるのかどうか、ルリには判断できん……」
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5: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:09:00.00 ID:???00
さやか「ですが……蓮ノ空全域がサメの行動範囲ならば、どうやってサメを探し出せばいいのか……」ウーン
花帆「そういう時こそ、前例にならえばいいんだよ! せっちゃん、サメの動きのテンプレートってあったりする?」
セラス「もちろん。サメ映画あるある、一つ目」コホン
瑠璃乃「そんな幾つもあるある存在するんだ……」
セラス「最初の犠牲者は、必ずと言っていいほど水着のお姉さんです」
さやか「……! ということはつまり、水着を用意すればサメをおびき出せる……!」
瑠璃乃「んで、さやかちゃんは一体何を言ってるの!??」
花帆「そういう時こそ、前例にならえばいいんだよ! せっちゃん、サメの動きのテンプレートってあったりする?」
セラス「もちろん。サメ映画あるある、一つ目」コホン
瑠璃乃「そんな幾つもあるある存在するんだ……」
セラス「最初の犠牲者は、必ずと言っていいほど水着のお姉さんです」
さやか「……! ということはつまり、水着を用意すればサメをおびき出せる……!」
瑠璃乃「んで、さやかちゃんは一体何を言ってるの!??」
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6: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:10:00.00 ID:???00
吟子「水着の、お姉さん…………」ハッ
吟子「それって、もしかして……姫芽が危ない!!?」ガタッ
花帆「? 吟子ちゃん、どうしたの?」
吟子「あの、実は、次のライブの衣装を水着にしようかと試作品を作っていたんですが……」
瑠璃乃「へー…………え? ライブの衣装に水着??」
吟子「それで今、姫芽にその試着をしてもらっていたので……このままじゃ、サメが姫芽のところに……!」
さやか「! す、すぐに向かいましょう!」ガタッ
吟子「それって、もしかして……姫芽が危ない!!?」ガタッ
花帆「? 吟子ちゃん、どうしたの?」
吟子「あの、実は、次のライブの衣装を水着にしようかと試作品を作っていたんですが……」
瑠璃乃「へー…………え? ライブの衣装に水着??」
吟子「それで今、姫芽にその試着をしてもらっていたので……このままじゃ、サメが姫芽のところに……!」
さやか「! す、すぐに向かいましょう!」ガタッ
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7: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:11:00.00 ID:???00
────
タッタッタッ…
ガチャ
花帆「──姫芽ちゃん、大丈夫!??」
姫芽「!! かほせんぱい~! あの、さ、サメがいきなり部屋の中に~!!」
さやか「……! あ、あれが、蓮ノ空に現れたサメ……!」
サメ「……シャーク??」
瑠璃乃「……サメってシャークって鳴くの?」
セラス「日本のサメ映画だと、そうですね」コクリ
タッタッタッ…
ガチャ
花帆「──姫芽ちゃん、大丈夫!??」
姫芽「!! かほせんぱい~! あの、さ、サメがいきなり部屋の中に~!!」
さやか「……! あ、あれが、蓮ノ空に現れたサメ……!」
サメ「……シャーク??」
瑠璃乃「……サメってシャークって鳴くの?」
セラス「日本のサメ映画だと、そうですね」コクリ
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8: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:12:00.00 ID:???00
サメ「シャーク…シャーク…」ズズ…
花帆「! マズいよ、サメが姫芽ちゃんの方へ泳いで向かってる……!」
瑠璃乃「なんで普通にサメが床を泳いでるの??」
姫芽「わわ、こ、このままじゃ~……!?」
「ちぇすとーーーーーー!!!!」
サメ「??」ビクッ
花帆「! マズいよ、サメが姫芽ちゃんの方へ泳いで向かってる……!」
瑠璃乃「なんで普通にサメが床を泳いでるの??」
姫芽「わわ、こ、このままじゃ~……!?」
「ちぇすとーーーーーー!!!!」
サメ「??」ビクッ
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9: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:13:00.00 ID:???00
さやか「! もしや今の声は……」チラッ
小鈴「──ただいま参上しました、徒町です! 徒町は漁師家系の末っ子ですから、サメぐらい任せてください!」
瑠璃乃「どーゆー理屈?」
小鈴「さて……もう一発、ちぇすとーーーーーー!!!!」ガツン
サメ「シャーク…」フラフラ…
小鈴「サメだって……殴れば、倒せる!!」グッ
瑠璃乃「そんでもって、まさかの物理!?!?!?」
小鈴「──ただいま参上しました、徒町です! 徒町は漁師家系の末っ子ですから、サメぐらい任せてください!」
瑠璃乃「どーゆー理屈?」
小鈴「さて……もう一発、ちぇすとーーーーーー!!!!」ガツン
サメ「シャーク…」フラフラ…
小鈴「サメだって……殴れば、倒せる!!」グッ
瑠璃乃「そんでもって、まさかの物理!?!?!?」
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10: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:14:00.00 ID:???00
花帆「流石、小鈴ちゃん! これで、蓮ノ空に現れたサメも撃退できたはず……」
サメ「シャーク…??」カチン
セラス「! サメが……怒ってる!」
瑠璃乃「……そりゃ、いきなり殴られたら誰だって怒るとルリ思うゆえにルリあり」ウンウン
吟子「あの、怒ったサメはこの上なく凶暴になるので、これ以上手がつけられなくなる前に倒し切らないと……!」
さやか「っ、ですが、気性が荒い今の状態では近づくことすらできません! 一体、どうすれば……」
「──心配には及ばないよ、先輩方」ザッ
花帆「……! 泉ちゃん!」
サメ「シャーク…??」カチン
セラス「! サメが……怒ってる!」
瑠璃乃「……そりゃ、いきなり殴られたら誰だって怒るとルリ思うゆえにルリあり」ウンウン
吟子「あの、怒ったサメはこの上なく凶暴になるので、これ以上手がつけられなくなる前に倒し切らないと……!」
さやか「っ、ですが、気性が荒い今の状態では近づくことすらできません! 一体、どうすれば……」
「──心配には及ばないよ、先輩方」ザッ
花帆「……! 泉ちゃん!」
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11: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:15:00.00 ID:???00
泉「この桂城泉が来たからには、もう安心さ。蓮ノ空を襲うサメの恐怖に、怯える必要など無い」フッ
瑠璃乃「……なんで泉ちゃんはそんなに余裕しゃくしゃくなの??」
泉「ふふ、サメだけに余裕“シャーク”“シャーク”ということか。流石だね、瑠璃乃先輩」クスッ
瑠璃乃「違うよ!?!?」
瑠璃乃「……なんで泉ちゃんはそんなに余裕しゃくしゃくなの??」
泉「ふふ、サメだけに余裕“シャーク”“シャーク”ということか。流石だね、瑠璃乃先輩」クスッ
瑠璃乃「違うよ!?!?」
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12: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:16:00.00 ID:???00
セラス「泉。……秘策があるんだよね?」
泉「ああ。かくいう私も、セラスにたくさん見せられたからね。“サメ映画”には造詣が深いんだ」フフッ
姫芽「! そっか~、サメ映画に詳しければ、サメを撃退する方法にも詳しいもんね~」
瑠璃乃「……んん?? その理屈はおかしい気が……」
泉「なに、なんてことはないんだ、瑠璃乃先輩。多くのサメ映画でもラストにやっていることさ」
泉「サメは──爆発させれば良い! さぁ、くたばれ化け物!」カチャ
ドゴォォォォン????
泉「ああ。かくいう私も、セラスにたくさん見せられたからね。“サメ映画”には造詣が深いんだ」フフッ
姫芽「! そっか~、サメ映画に詳しければ、サメを撃退する方法にも詳しいもんね~」
瑠璃乃「……んん?? その理屈はおかしい気が……」
泉「なに、なんてことはないんだ、瑠璃乃先輩。多くのサメ映画でもラストにやっていることさ」
泉「サメは──爆発させれば良い! さぁ、くたばれ化け物!」カチャ
ドゴォォォォン????
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13: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:17:00.00 ID:???00
────
──
サメ「…シャーク……」パタリ
泉「ふっ、これで一件落着かな」
吟子「伝統ある蓮ノ空のサメ退治を、まさかこの目で見れるなんて……! 蓮ノ空に来て良かった……」シミジミ
瑠璃乃「…………いろいろ言いたいことはあっけど……泉ちゃん、その爆弾はどこで……?」
泉「これかい? 大倉庫に置いてあったよ」
瑠璃乃「すぅ………………もうツッコミしきれん、ルリの充電切れそう……」
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サメ「…シャーク……」パタリ
泉「ふっ、これで一件落着かな」
吟子「伝統ある蓮ノ空のサメ退治を、まさかこの目で見れるなんて……! 蓮ノ空に来て良かった……」シミジミ
瑠璃乃「…………いろいろ言いたいことはあっけど……泉ちゃん、その爆弾はどこで……?」
泉「これかい? 大倉庫に置いてあったよ」
瑠璃乃「すぅ………………もうツッコミしきれん、ルリの充電切れそう……」
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15: ◆4Lnttgze★ 2025/07/03(木) 21:18:00.00 ID:???00
小鈴「あぁ、なるほど! そもそも大倉庫が全ての始まりだったので、その大倉庫にサメの対抗策も置いてあったんですね!」
さやか「そういうこと、ですね。吟子さんの話では、昔からサメを封印していたということですし……これが伝統なのでしょう」
瑠璃乃「こんなのが伝統であって良いの??」
セラス「こうして、蓮ノ空に平和が訪れた……」
セラス「……だが実は、ひっそりと2体目のサメが出現していたことに誰も気づきはしなかったのである……」
瑠璃乃「それ、続編を匂わせるB級映画のオチじゃん……!? もうルリは、こんなのコリゴリだぁ~!!」
おしまい
さやか「そういうこと、ですね。吟子さんの話では、昔からサメを封印していたということですし……これが伝統なのでしょう」
瑠璃乃「こんなのが伝統であって良いの??」
セラス「こうして、蓮ノ空に平和が訪れた……」
セラス「……だが実は、ひっそりと2体目のサメが出現していたことに誰も気づきはしなかったのである……」
瑠璃乃「それ、続編を匂わせるB級映画のオチじゃん……!? もうルリは、こんなのコリゴリだぁ~!!」
おしまい
引用元: https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/anime/11224/1751544300/