【SS】麻衣「雷のせいで生きづらい」【イキヅライブ！】

イキヅのSSは初めてです
台本形式、かつキャラの口調や呼び方等色々把握しきれてないのでご了承ください
　

ﾋﾟｺﾝ
ﾋﾟｺﾝ

花火「はい、皆さん集まりましたね」

花火「では、本日のいきづらい部!の活動について……」

麻衣「…………」

玲「どうしたの、麻衣？調子悪そうだね」

輝夜「それに、なんだか画面もカクついてるし…」

麻衣「な、なんでもないわ！私のことはいいから、早く会議を始めましょう」

輝夜「明らかに何かあるじゃないの。風邪でもひいた？」

翔音「何も問題ないって本人が言ってるんだし、ほっといてあげれば？」

ゆくり「そうだね。聞かれたくないこともあるだろうし、余計な詮索は無しにしようよ」

奇跡「うんうん！あんな日とかこんな日とか、女の子は色～んな日があるもんね♡」

麻衣「き、今日は違うし、そもそも体調悪くて凹んでるわけじゃないから！」

ポルカ「風邪とかじゃないんだね！よかった～」

真緑「それでは、何か辛いことがあったんですか？」

麻衣「あっ…」

花火「見事に墓穴を掘ったわね…」
　

玲「まあ、画面のカクつきは麻衣の調子と関係ないけどね。今、関東は雷雨で電波悪いから」


麻衣・翔音・真緑「」ﾋﾞｸｯ


花火「ん？」

奇跡「なんか『雷雨』って言葉に反応してなかった？」

玲「そうとも限らないんじゃない？」

奇跡「…『雷おこし』」

麻衣・翔音・真緑「」ﾋﾞｸｯ

奇跡「『エクレア』」

麻衣・翔音・真緑「」ﾋﾞｸﾋﾞｸｯ

のりこ「あ、あんまり揶揄わないであげようよ…」

輝夜「ここまでの反応でピンと来たわ。さては麻衣ちゃん、雷が怖いのね！」

麻衣「」ｷﾞｸｯ

花火「その反応は図星のようね」

ポルカ「え、なんでエクレアもダメだったの？」

花火「エクレアはフランス語で雷を意味するのよ。麻衣ちゃんって頭がいいし、その辺の雑学を知ってたんでしょうね」
　

麻衣「そ、そうよ。私、雷なんて大嫌いよ。でも、しょうがないじゃない…」

玲「何か嫌な思い出でもあるの？」

麻衣「忘れたくても忘れられないわ。近くの電柱に雷が落ちて停電して、作業中のデータが全部消し飛んだのよ…！」

ポルカ「うひゃー…」

のりこ「それは確かに、想像しただけですごく怖いかも…」

花火「PCを使う人ならトラウマになって当然ね」

麻衣「もう、あれから雷自体が大の苦手になっちゃって…」

玲「まあ、そんなことがあったらね。私だって雷は得意じゃないし、そんな恥ずかしがることでもないと思うけど」



ゆくり「あの……麻衣ちゃんだけじゃなく、翔音と真緑ちゃんも『雷』って言葉に反応してたよね」

ゆくり「もしかして、二人も？」

翔音「い、いや、ボクは別に…」

真緑「すみません…私も雷は怖くて苦手で…」

ポルカ「え、地球の環境がどうとか自然が大事って言ってるのに？」
　

真緑「それと雷はまた別です！山の木に直撃すれば最悪山火事の原因にもなる恐ろしい災害なんですよ！」

ポルカ・のりこ「や、山火事！？」

輝夜「実際あるらしいわよ？雷で木が燃えても大雨だったらすぐ消し止められるけど、小雨だと消火しきれないままどんどん周りに燃え広がるんですって」

のりこ「ひぃぃぃ…………」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

花火「山火事…最悪の場合、麓まで燃え広がって住宅地まで火に包まれる可能性があるわね…」

麻衣「火事……そんなことになったら、PCどころか電気も、いや、家も……」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

真緑「山火事は、多くの命を奪う最も残酷で危険な災害なんです。自然が大事だからこそあんな災害は起きてほしくないし、それを引き起こしかねない雷は大嫌いなんです！」

ポルカ「そっか、考えてみればああいう災害って被害受けるの人間だけじゃないもんね…」

ゆくり「真緑ちゃんは本当に自然を大切に思ってるんだね」

真緑「ありがとうございます。まあ、後は単純に音とか光が怖いっていうのもありますけど…」

ゆくり「ふふ、大丈夫だよ。真緑ちゃんに何も怖いことがないよう私達で守るから。ね、ローラ」

真緑「ふえっ！？」ﾄﾞｷｯ

ポルカ「おお、こんな歯の浮くようなセリフ言う人リアルでいるんだ」

ゆくり「は、歯の浮く…私、そんなふうに思われてたんだ……」ｽﾞｷｯ

花火「…ポルカちゃんは歯に衣でも着せてあげたらどうかしら。十二単くらい」

ポルカ「なんで！？今褒めたつもりなのに！」

玲「『歯の浮くように』って結構キツイ悪口だから、褒めるつもりでも言わない方がいいよ」
　

のりこ「なんだか、麻衣ちゃんと真緑ちゃんの話を聞いてるだけで、私まで雷が怖くなってきたかも…」

奇跡「のりっこも元から雷苦手じゃん。雷の音聞いたらキャーって叫んで」

のりこ「あんなの誰だって怖いよ！特に近くで落ちたらゴロゴロとか通り越して、ドカーンって爆発みたいな音するし…」



ﾄﾞﾄﾞｵｫｫｫｫﾝ

奇跡「うわっ！？」
真緑・のりこ「キャーーーーーー！！？」

奇跡「すっごい音…！めっちゃ近くで落ちてたんじゃない、関東の方！？」

ゆくり「うん…。のりこちゃんが言った通り、本当に爆発みたいな音だったね…」

ポルカ「ヤ…(ｻﾞｻﾞｯ)いよ東……(ｻﾞｻﾞｯ)方！電……(ｻﾞｻﾞｯ)ょっと点滅して…(ｻﾞｻﾞｯ)！」

輝夜「うわあ、画面がグチャグチャだし音声も途切れ途切れね…」

玲「こ……(ｻﾞｻﾞｯ)も画面バ…(ｻﾞｻﾞｯ)って…(ｻﾞｻﾞｯ)。…(ｻﾞｻﾞｯ)ば…………(ｻﾞｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ)いだはまと…(ｻﾞｻﾞｯ)に……(ｻﾞｻﾞｯ)わできないかも」

ゆくり「これじゃまともに通話できないかも、って言ってるみたい？」

輝夜「そうね。ちょっと今日の会議は延期にした方がいいかしら」

のりこ「あわわわわ……」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

奇跡「のりりん、大丈夫？」

のりこ「大丈夫、じゃないかも…。腰が抜けた…」

輝夜「電話越しの音で！？」

ゆくり「(私も驚いた拍子に腰打ったけど黙っておこう…)」

奇跡「ユッキーは？大丈夫？」

ゆくり「うん。私も驚いた拍子に腰打っちゃったけど黙っておこうって……あっ」

輝夜「…湿布、あとで貸してあげるわね」

ゆくり「ごめん……ありがとう……」
　

花火「あ…(ｻﾞｻﾞｯ)、あー、テス…(ｻﾞｻﾞｯ)ス。聞こえ」
ﾌﾞﾂﾝｯ

真緑「ひゃああああ！？」
輝夜「え、まさか停電！？」

ﾊﾟｯ
花火「…ああ、点いた。画面、元に戻ったみたいね」

花火「あー、あー。テステス。皆、音の方は大丈夫かしら？」

ゆくり「うん、ちゃんと聞こえるよ。画面も音声も問題ないみたい」

花火「そう。戻って早速で申し訳ないんだけど、今日の会議は浅草組は欠席ってことにしてくれないかしら？」

輝夜「ええ、ちょうどその話をしてたところよ。急ぎの用もないし、みんなも問題ないわよね？」

奇跡「問題ナッシーン⭐︎」

ゆくり「こればっかりはしょうがないよね」

真緑「わ、私もお願いします…。さっきみたいなことがあると怖いので…」

ポルカ「本当ごめん！ポルカが晴れ女だったらよかったのに」

のりこ「そそそそそそ、それ、は、ただの、め、めい、し、しんしんしん……」

奇跡「恐怖のあまりツッコミ自体がツッコミ待ちみたいになっちゃってる…」

玲「麻衣も、特に異論ないよね？」

麻衣「……」

花火「麻衣ちゃん？会議は明日にするけど、問題ないわよね？」

麻衣「…………」

ポルカ「…麻衣ちゃん？」
　

麻衣「………ひぐっ、ぐすっ」

ポルカ「麻衣ちゃん！？」

麻衣「…ごめん、あの時のこと思い出すと、どうしても怖くて、涙が止まらなくて」

玲「そりゃ仕方ないよ。何が『ごめん』なのさ」

麻衣「…がっかり、したでしょう？」

玲「誰に？」

麻衣「私に」


麻衣「中学の時、雷が怖くて泣いてたら、周りの子に言われたの」

麻衣「『クールでしっかりした人と思ってたのに、がっかりした』って」

麻衣「ごめんなさい。たかが雷くらいで泣くような、情けない人間で…」
　

ポルカ「謝ることじゃないよそんなの！」

麻衣「え…？」

ポルカ「麻衣ちゃん、聞いてるだけでゾワーってなるくらい怖い目にあったんだもん！情けなくなんかないよ！」

玲「雷や地震みたいな災害なんて一度痛い目を見たら大体の人は怖がるって」

花火「そうね。だから雷が怖いくらいで麻衣ちゃんに失望することなんかないわ」

輝夜「むしろ、そこまで話を聞いて今更ガッカリしたーなんて言う方にガッカリするわよ！」

麻衣「…笑わない？」

ゆくり「笑わないよ」

のりこ「私も、痛いほど雷の怖さはわかったし…。私のことを笑うならともかく、麻衣ちゃんを笑うなんてできないよ…」

真緑「はい！むしろ、私と同じ悩みを抱えてるんだって思うと、麻衣ちゃんに親近感が湧いちゃいました！」

麻衣「……みんな…」
　

花火「ねえ、この際なら明日の会議、親睦を深める意味でも各々の苦手なものを発表するのはどうかしら？」

花火「麻衣ちゃん達だけ苦手を晒されたみたいで不公平だと思うし、みんなで行動する時の目安にもなると思うのよね」

奇跡「おおー！つまり暴露大会ってことだよね！」

玲「言い方が不純…」

ポルカ「あれ、そういえばシオン様は？さっきからずっと声が聞こえないけど」

翔音「…………」

玲「…翔音？」
　

翔音「ああぁぁ嫌だ嫌だ学校行きたくない、ﾋｷｺﾓﾙﾋｷｺﾓﾙﾋｷｺﾓﾙ……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

玲「そういや、翔音もそんな感じだったね」

花火「…翔音ちゃん、明日学校に来ないとポルカちゃんがそっち(仙台)向かうわよ？」

翔音「ポルカが？ふふふ、ああ甘いね。そんな脅しに屈するほど、ぼ、ボクの引きこもりは甘くな……」

ポルカ「え、仙台行けるの！？やったー！じゃあシオン様、明日学校行かないでね！」

花火「…脅しとかじゃなく本気で行くと思うけど、どうする？」

翔音「何これ。もしかしてデッドオアダイを迫られてる？」


麻衣「…翔音は、どうなの？」

翔音「は？何が？」

麻衣「…横で聴いてたでしょう、私が雷苦手だって話。私に幻滅したんじゃないかって」

翔音「…はあ、何それ。雷どころか雨で学校サボりたがるボクへの嫌味？」

麻衣「そんなことは！」

翔音「幻滅とかどうとか、ボクみたいなダメ人間になってから言いなよ」

翔音「…マイマイは十分すぎるくらい立派なんだし、そんなことでがっかりするわけないじゃん」

麻衣「翔音…！」
　

ポルカ「シオン様～！やっぱ明日学校行ってもいいですよ！その代わり私絶対そっち行きますから！」

翔音「ホワイ！？」

ポルカ「抱きしめに行きます！」

翔音「ごめんマイマイ、ポルカのこと縛っといて！縄で！！」

麻衣「縛るのは無理だけど、そっちに向かわないようにしとくわね」

麻衣「ポルカ、そもそも向こうまで行けるほどお金ないんだし行くのは辞めときなさい。あと、花火も安易に脅しの道具にポルカを使わないこと」

花火「ご、ごめんなさい。カッとなって脅かしてやろうとしちゃって…」

ポルカ「がっくし…」
　

麻衣「でも、翔音も雷が苦手なら私みたいに白状してくれれば良かったのに。私、笑ったりしないわよ」

翔音「そっちこそ、ボク達が笑わないって内心期待してたんじゃないの？だから聞かれてすぐ認めたんでしょ」

麻衣「…まあ、確かにそうね。でも、それだとあなたは私たちのこと期待してなかったってこと？」

翔音「ボクは自分のこと探られるのがイヤなだけ。暴露大会とかいうので話さなきゃいけないっていうなら話すけど」

輝夜「じゃあ、雷以外でお願いね。もう今ので全員にバレたから」

翔音「え、嘘っ！？隠し通してたつもりなのに！」

のりこ「(アレで…？)」

麻衣「まあまあ、私も雷以外の苦手なもの自白するから」

奇跡「あ、マイマイはIT関係のものもNGね。なんかだいたい想像ついてつまんないから」

麻衣「待って、一気に私への制約増えたんだけど！」

ｺﾞﾛｺﾞﾛ…

麻衣「っ！」ﾋﾞｸｯ

玲「ねえ、また雷近くなってきたし、続きもとい暴露大会は明日に回そう」

ゆくり「了解。じゃあ、今日はお疲れ様でした」

皆「お疲れ様でしたー！」

ﾋﾟｯ
　

麻衣「ふぅ……」

ﾄﾞﾄﾞｵｵｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ……

麻衣「ひゃっ！？」ﾋﾞｸｯ

麻衣「…やっぱり、怖いものは怖いわね……」

麻衣「…………」

麻衣「……でも、前ほどじゃないかも」


おしまい
　

イキヅライブSS嬉しい
　

面白かったで