【長編SS】善子「…………ここはいったい……」【ラブライブ!サンシャイン!!】

SS


1: 2017/01/04(水) 21:52:59.45 ID:zVPDDSgz.net
善子「………」ムクリ

ゴンッ

善子「痛っ」

狭い……ぴったり私が入るくらい?…

ズキッ

善子「ぐっ……」

頭が痛い…どうしてこんなところに…

6: 2017/01/04(水) 21:57:15.84 ID:zVPDDSgz.net
プシュッ

善子「……開いた…」

薄暗い部屋…どうしてこんなところに…思い出せない…

ゴンッ

「あいたっ」

善子「!?」

7: 2017/01/04(水) 22:00:50.93 ID:zVPDDSgz.net
「ぴぎっ」

善子「ルビィ!」

ルビィ「善子ちゃん!」

善子「良かったわ」

ルビィ「それよりここは」

善子「ルビィはここに来る前のこと覚えてる?」

ルビィ「うぅ…ごめんね…ルビィ思い出せないよぉ…」

善子「ルビィも……」

9: 2017/01/04(水) 22:06:01.80 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「どうしてこんなところに…」

善子「わからないわ……とにかく…薄暗くて気味が悪いから…外に出るわよ」

ルビィ「うん…」

善子「いつまで覚えてる…?…」

ルビィ「えっとぉ……」

善子「なんにも覚えてないの?!」

ルビィ「あのねぇ…善子ちゃんと…お洋服を買いにいって…」

善子「そうだわ!そう、そのあと……」

ルビィ「そのあとのことは覚えてないよ」

10: 2017/01/04(水) 22:06:50.11 ID:zVPDDSgz.net
>>8今度はちゃんとやります

12: 2017/01/04(水) 22:10:17.98 ID:zVPDDSgz.net
善子「……病院……なのかしら…?ベッドがある部屋がたくさん…それに窓がないわ」

ルビィ「…地下ってこと?」

善子「たぶん…それに…私たちが入ってたのって…」

ルビィ「ぴぎっ…もしかして…」

善子「霊安室……」

ルビィ「ぴぎゃあ!じゃあルビィたち…死んじゃったの!?」

善子「だだ大丈夫よ生きてるでしょ!!」

13: 2017/01/04(水) 22:14:15.48 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「あっ階段だよ」?

善子「良かったぁ…やっぱり地下だったのね」

ルビィ「早く出ようよ!」

善子「当たり前よ♪」

トットコトットコ

14: 2017/01/04(水) 22:20:22.13 ID:zVPDDSgz.net
コツコツコツ

善子「長いわね…」

ルビィ「うゅ…地下何階だったんだろう…疲れたよぉ」

善子「それに埃っぽいわ…」

ルビィ「ほんとに病院なのかなぁ…すっごい汚いよ」

善子「そうね…」

ルビィ「あっ…明かりが見えてきたよ!」

善子「はぁ…やっと一階?」

17: 2017/01/04(水) 22:28:48.02 ID:zVPDDSgz.net
ヒュオォォォォォ

善子「…………」

ルビィ「ふぇ……」

善子「そ……外?」

階段がそのまま出口だったの?…それより…

ルビィ「なんにもない…」

何もない…そのまんまの意味で…そりゃもちろん土はあるけど……

善子「うーん…ここは……そう採掘場よ!土を掘って宝石を探してるのよ!ほら!ここ穴みたいになってるでしょ?」

ルビィ「ほんとだぁ…ここだけへこんでるみたい…」

善子「とにかく!この坂を上れば何かあるはずよ!」

18: 2017/01/04(水) 22:32:11.11 ID:zVPDDSgz.net
ザッザッザ

ルビィ「急だねぇ」

善子「きついわね…」

ルビィ「うえっ…土汚いなぁ」

善子「我慢しなさい…もうすぐよ」

おかしいのはわかってる…採掘場に病院なんてあるわけないじゃない…
じゃあここはどこなの…

19: 2017/01/04(水) 22:38:28.64 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「ぴぎ……そんな…」プルプル

善子「こ……こんな……」

……建物は薙ぎ倒されて…ビルは傾いて……灰色の石塊が散らかってる…

善子「こんなの…」

ルビィ「教科書で見たよ…こんな町…」

善子「…広島…」

ルビィ「あっ、はだしのゲンだった」

22: 2017/01/04(水) 22:50:16.27 ID:zVPDDSgz.net
善子「な…なんで…」

ルビィ「えっとぉ…じゃあルビィたちは…マンガになったの?」

善子「違うでしょ……」

ルビィ「え、じゃあ」

善子「わからない…」

ルビィ「そんなぁ……」

ルビィ「うっ…おねえちゃん…」ポロポロ

善子「………とにかく…人を探しましょう…何か…情報を」

ルビィ「うえっ……いたらいいね…」ポロポロ

善子「そんなこと言わないでよ…」

23: 2017/01/04(水) 22:54:25.81 ID:zVPDDSgz.net
ザッザッ

善子「………」

ルビィ「お腹すいたよぉ…」グゥ

善子「………」グゥ

ルビィ「善子ちゃんも?」

善子「そうね…喉も乾いたわ」

ルビィ「うゆぅ…誰かぁ…いませんかぁ…ルビィですよぉ?」

善子「誰かぁ……」

26: 2017/01/04(水) 23:08:14.56 ID:zVPDDSgz.net
善子「うぅ…」

ルビィ「だれかぁ…」

歩いても歩いても瓦礫…本当に人いないんじゃ…

ルビィ「うゆ…みんなは…どうなっちゃったのかなぁ…」

善子「……きっと…大丈夫よ…」

ルビィ「だよね…」

善子「みて…あそこ…煙みたいなの出てない?」

ルビィ「ほんとだ!!じゃあ…」

善子「人がいるわ!!」

27: 2017/01/04(水) 23:13:02.92 ID:zVPDDSgz.net
善子「あれ…テントよ」

ルビィ「テント!キャンプだよ!」

善子「すみませーん!!」

ルビィ「だれかぁ!」

バサッ

善子「…………誰も……いない…」

ルビィ「そ…そんなぁ…」

善子「……でも…火がついてる…誰か人がいたのよ…ここで待つわよ…」

ルビィ「ちょっと迷惑かな?」

善子「仕方ないわよ…きっと戻ってくるわ…」

ルビィ「うん…」

28: 2017/01/04(水) 23:17:17.21 ID:zVPDDSgz.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ルビィ「……ふぇ……えへへ」zzz

善子「…………」スヤスヤ

「起きてください」

ルビィ「へへ…まだ早いよぉ…」スヤスヤ

「起きなさい…ルビィ…善子さん」

善子「…ぁ…わたしはヨハネよぉ」ウトウト

「起きてください!!」

ルビィ「ぴぎゃっ!!」

善子「はっ!?!!??」

31: 2017/01/04(水) 23:21:47.44 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「ぴぎゃあ!オバケ!!!」

善子「ひいっ!妖怪!!」

「落ち着いてください!!」

善子「落ち着けるわけないでしょ!!目が覚めたら目の前に包帯グルグルのミイラがぁ!!!」

ルビィ「あくりょうたいさん!!あくりょうたいさん!!」

善子「って……この声…あんたダ

「ふんっ!」バキッ

善子「ごほっ…何すんのよぉ!!」

「私はダ………名も無き旅人ですわ…」

ルビィ「名も無き旅人?」

名も無き旅人「そうです」

32: 2017/01/04(水) 23:25:39.03 ID:zVPDDSgz.net
善子「じゃあ名も無き旅人!あんたはなんで私たちの名前を知ってるのよ!!」

名も無き旅人「あっ……それは…」

ルビィ「この声…おねえ

名も無き旅人「知っています!!あなたたちは有名です!」

善子「なんで?」

名も無き旅人「とにかく…有名ですよ」

ルビィ「おねえ

善子「あっそ……ねえ名旅」

名も無き旅人「略さないでください!!」

ルビィ「あっはっは、名旅さんだね」

善子「これはどういうことなのよ!!」

33: 2017/01/04(水) 23:28:12.94 ID:zVPDDSgz.net
名旅「これとは?」

善子「全部よ!!この町もぜーんぶ!!」

名旅「はて…どこから話せば…」

ルビィ「ここははだしのゲンなの?」

名旅「いいえ、現実ですよ」

ルビィ「ぴぎ!?そんなぁ!!」

名旅「この町は…沼津ですよ」

善子「えっ!?」

名旅「もっとも…今は立ち入り禁止の汚染区域なので名前はありませんが…」

34: 2017/01/04(水) 23:32:47.50 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「う…」ガクガク

善子「ルビィ…」

ルビィ「うぇ……みんなは…おねえちゃんは…まるちゃんは…どこに…」プルプル

名旅「……皆…わかりません…私はここに残っていますが…鞠莉さんは…昨年亡くなってしまいました…私ももう長くはありません…」

善子「……」

ダイヤでしょ?…空気を読んだ方がいいの?…知らないふりした方がいいのかしら?

ルビィ「ずいぶん詳しいんですね、ルビィのおともだちまで知ってるなんて…」

名旅「あわっ!?ははそうですね」アタフタ

善子「………」

35: 2017/01/04(水) 23:38:25.56 ID:zVPDDSgz.net
名旅「!……そろそろ危険です…雨が降ります…地下へ」

ルビィ「地下?」

名旅「黒い雨に触れたら危ないので地下に逃げるのですよ」

善子「地下なんて…」

名旅「ここですよ」

ガラガラ

善子「おっ……秘密基地みたいね…」

名旅「さあ急いで…」

36: 2017/01/04(水) 23:41:45.76 ID:zVPDDSgz.net
善子「……ここは…スーパー?」

名旅「そうです…かつてスーパーだったところに住まわせてもらっています」

ルビィ「黒い雨って…」グゥー

名旅「………ここはスーパーです…缶詰めがたくさんあります…話は食べてからにしましょう」

善子「あるのね!」

名旅「ええ、シーチキンとコーンがたっぷりありますよ」

シーチキンペリペリ

ルビィ「うわぁぁぁ✨」

名旅「どうぞ」

善子「いただきますっ」

ルビィ「いただきまーす!」

37: 2017/01/04(水) 23:49:24.46 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「ふぇ…おいしぃ…」モグモグ

善子「空腹に沁みるわぁ…ツナがこんなに美味しく感じるなんて…」

ルビィ「とうもろこしあまぁい…」トローン

名旅「ふふふ、おかわりもありますよ」

ルビィ「ありがとうおばさん」

名旅「…………」

善子「で……何?黒い雨って」

名旅「黒い雨は…汚染された雨です」

ルビィ「汚いんだね」

善子「浴びたらどうなるの?」

名旅「……病気になったり…皮膚がただれてしまったり…とにかく浴びれば寿命が縮みますよ」

ルビィ「ぴぎ……」

善子「なんでそんなものがここに降ってるのよ!!」

名旅「………ここだけではありませんよ…世界中に…降り注いでいます…」

善子「な………」

38: 2017/01/04(水) 23:55:10.28 ID:zVPDDSgz.net
名旅「5年前の大戦で…世界は大きく変わったのです…」

善子「た……大戦?!」

ルビィ「うゆ…やっぱりはだしのゲン?」

名旅「ほとんどの地域は……ここ沼津と同じように人の住める環境ではなくなってしまいました」

善子「じゃ……じゃあ……」

ルビィ「人類は…」

名旅「滅びてはいませんよ…現在世界各地にドーム型のコロニーがあり…そこに多くの人類が暮らしています…」

善子「な…なにそれ……アニメじゃないんだから…」

ルビィ「あなたは……おばさんは何をしてるんですか?………こんなところで……」

40: 2017/01/04(水) 23:59:07.72 ID:zVPDDSgz.net
名旅「ある人たちが目覚めるのを…ずっと待っていました……もう私は長くないので…ここで…その方たちにもう一度会いたいと思って…」

善子「……………」

ルビィ「会えたの?その人たちに」

名旅「ええ、とっても安心しましたよ」

ルビィ「よかったねぇ」ニコニコ

善子「……それで……もっと詳しく教えて……」

名旅「わかりました…」

42: 2017/01/05(木) 00:08:19.94 ID:dI1y71iP.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━

善子「…………」

ルビィ「…………」

名も無き旅人━おそらく、間違いなくダイヤは私たちに教えてくれた……

この時代のこと…戦争の原因となった軌道エレベーター直結タイムマシン…

コロニー計画……知っている限りのみんなの話…

そして……

名旅「あなたたちの…話をしましょう」

ルビィ「……ルビィたちは…病院みたいなところで目が覚めて…」

善子「……どうして…そんなところにいたのか……ってこと?」

44: 2017/01/05(木) 00:13:39.40 ID:dI1y71iP.net
名旅「あなたたちは…人工冬眠は知っていますか?」

善子「……まあ…映画とかで…」

ルビィ「くまさんが冬にするんだよね 」

名旅「覚えて……いませんね…」

善子「そうよ!戦争なんて…忘れるわけないわ!」

名旅「あなたたちは…本来あと20年人工冬眠をする予定でした…その予定が崩れて強引に目を覚ましたため記憶障害が起きているのです」

ルビィ「ほぇ…きおくしょーがい?」

善子「そ…そんな…どうして!!」

名旅「あなたたちは…自らの意思で…人工冬眠をしたのですよ」

ルビィ「ルビィが?」

45: 2017/01/05(木) 00:20:58.94 ID:dI1y71iP.net
名旅「そうです…」

善子「な……なんで」

名旅「この世界を…変えるために」

善子「この世界を」

ルビィ「変える?」

名旅「あなたたちは…たまたま被爆を免れました…私や…果南さん…鞠莉さんは命は助かったものの…放射能でいつまで生きられるかわかりませんでした」

ルビィ「果南ちゃんも鞠莉ちゃんも…」

名旅「千歌さんたちも行方不明……コロニーは入場規制で入れず…そんなとき…善子さん…あなたが言ったのです」

善子「私が……」

名旅「私がやると……私がこの世界を元に戻すと…」

ルビィ「そんな…どうやって」

善子「軌道エレベーター直結タイムマシン……」

47: 2017/01/05(木) 00:26:45.95 ID:dI1y71iP.net
名旅「そうです…汚染が弱まった時代に目を覚まして…完成したタイムマシンで過去に戻って……移動するワームホールの座標データを削除すれば…」

善子「………なるほど」

ルビィ「ルビィは?」

名旅「私は止めたのですが…善子さんと一緒に行くといって…」

善子「じゃあ…」

名旅「そうです…お願いがあります…あなたたち二人で…日本コロニーの軌道エレベーターから過去に飛んでほしいのです」

50: 2017/01/05(木) 00:34:57.02 ID:dI1y71iP.net
善子「…やるしかないわね」

ルビィ「そうしたらおうちに帰れる?」

名旅「きっと帰れますよ」

善子「決まりね…」

名旅「………とりあえず今日はゆっくり休みましょう…あのクレーターからここまでかなり距離があります、とても疲れているでしょう」

ルビィ「待って」

善子「?どうしたの?」

ルビィ「おばさん…顔の包帯……取ってもらっていい?」

名旅「えっ!?」

52: 2017/01/05(木) 00:40:16.09 ID:dI1y71iP.net
名旅「わ……私…被爆で顔の皮膚がぼろぼろなのです…気分を悪くしますよ」

ルビィ「………そっか…ごめんね」

善子「………」

名旅「それでは…おやすみなさい」

ルビィ「うん、おやすみ」

善子「……」ホッ

ダイヤ……よね?包帯で顔を隠すのは…ダイヤだってバレたくないから?それとも本当に皮膚の……

ルビィ「ふぇ……おねぃちゃ……」スヤスヤ

善子「………ねえ……ねえダイヤ」コソコソ

名旅「!!ダイヤ?そんな人はいませんよ」

善子「……気づかないわけないでしょ!」

名旅「そうですか……ルビィが寝ています…もう雨はやんでいるのでそとで話しましょう」

善子「わかったわ…」

55: 2017/01/05(木) 00:55:13.03 ID:dI1y71iP.net
…………………………

善子「………」

ダイヤ「汚い空でしょう?」

善子「そうね……」

ダイヤ「前に星を見たのはいつだったか…思い出せません…」

善子「…………ねぇ」

ダイヤ「?」

善子「包帯……取ってよ…」

ダイヤ「気づいていますよね……構いませんよ……」ハラハラ

善子「っ…………」

皮膚は剥がれ落ちてぼろぼろになった顔…毛はほとんど抜け落ちた頭…茶色い包帯…
翡翠色の瞳だけが綺麗…

ダイヤ「言ったでしょう…気分を悪くしますよと」

善子「ごめん…」

ダイヤ「……こんな顔を…ルビィには見せられません…」

善子「……そうね」

ダイヤ「善子さん……」

善子「?」

ダイヤ「………いえ……ルビィには何も言わないでくださいね」

善子「わかったわ」

56: 2017/01/05(木) 01:05:36.99 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「25年…それだけ経てば…ある程度復興は済んでいると踏んで…あなたたちは人工冬眠に入りました……その後…ロシアからの最後の核攻撃、狙いは第二首都箱根…しかし大きくずれて……ちょうどあなたたちが眠っていた施設に落ちました」

善子「それが…あの坂…」

ダイヤ「私は…それで諦めていました…あなたたちは死んでしまったのだと…」

善子「……」

ダイヤ「しかし、施設は爆発の威力で地下に沈んでいたようです…」

善子「沈んだ!?じゃあ…私屋上から出てきたの!?」

ダイヤ「そういうことになりますね……元々シェルターだったのでしょう、それに加えて大地が柔らかかったのでしょう……とにかく…運が良かったのですよ」

善子「………」

57: 2017/01/05(木) 01:11:43.00 ID:dI1y71iP.net
善子「25年って…」

ダイヤ「そうです…25年も経ってはいませんよ」

善子「……なんで…」

ダイヤ「……き……機械の故障でしょう…人工冬眠カプセルの」

善子「それに…25年経ってないけど…軌道エレベーターのタイムマシンは完成してるの?」

ダイヤ「し…していますよ…」

善子「………何か知ってるの?……話してよ」

ダイヤ「………すみません…話せないのです」

善子「なんで」

ダイヤ「約束ですよ…ある人との…」

善子「………………はぁ…わかったわ…聞かない…」

ダイヤ「ありがとうございます」

善子「まあ…もう寝るわよ…地下に戻りましょう」

ダイヤ「はい………善子さん…」

善子「なに?」

ダイヤ「本当に……ありがとうございます」

善子「?……どういたしまして…」

60: 2017/01/05(木) 01:20:54.08 ID:dI1y71iP.net
ルビィ「えへへぇ…おねぃちゃん…」スヤスヤ

善子「……………おやすみ」

夢だったりしないかしら…だって目が覚めたら世界が瓦礫の山になってたなんて…信じられない

これが現実かどうかは…寝たらわかるわよね

夢だったらいいわね…目が覚めたらみんなを誘ってカラオケにでもいこうかしら……

61: 2017/01/05(木) 01:28:25.15 ID:dI1y71iP.net
善子「…………」

ルビィ「おはよー!善子ちゃん!!」

善子「んぅ………ヨハネと呼びなさい……」ウトウト

ルビィ「朝ごはんははごろもフーズだよ!!まぐろフレーク!!」

善子「……」

夢じゃない……やっぱり……ここが現実…

善子「おはよ……」

ダイヤ「あら起きましたか、おはようございます」

ルビィ「コーンもおいしいよ!」

善子「…………」モグモグ

ルビィ「おねえちゃん今日はなにするの?」

ダイヤ「おね!?」

ルビィ「間違えちゃった…おばさんおねえちゃんに似てるんだもん…」

善子「…」ホッ

ダイヤ「き…今日は東京コロニーまでのルート確認とそこからの詳しいお話をしますよ」

77: 2017/01/05(木) 22:56:52.50 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「私が大事にしておいた車がありますからね、それで17ゲートにつれていきますよ」

ルビィ「おばさん車持ってるんだぁ」

ダイヤ「ええ、ガソリンもバッチリですわ」

善子「着いたらどうするの?」

ダイヤ「私はコロニーに入ることができません…なのであなたたち二人でなんとか…」

ルビィ「ええ…おばさんは一緒に来れないのぉ?」

ダイヤ「そうなのです…」

78: 2017/01/05(木) 23:03:20.70 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「私は一度コロニー入場抽選をされたときにデータを取られてしまったのでもう入ることはできません…」

善子「……じゃあ私たちは」

ダイヤ「あなたたちのデータはありません…人工冬眠していましたからね」

ルビィ「ほぇ~」

ダイヤ「なので侵入さえすれば…」

善子「なるほどね、それで私たちにしかできないってわけ」

ダイヤ「そういうことです」

ルビィ「ルビィは選ばれし者なんだね」

善子「それ今私が言おうと思ってたのよ」

79: 2017/01/05(木) 23:11:00.49 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「コロニーに入ったら一番高い建物である軌道エレベーターを目指してくださいね」

善子「そんな…目指してすぐ乗れるものなの?」

ダイヤ「まあ…なんとかなるらしいですわ」

ルビィ「?」

ダイヤ「と…とにかく一番高い建物を目指せばよいのです!」

善子「なんか雑ね…」

ルビィ「そのほうがわかりやすいよ」

善子「ま…まあそうだけど…」

80: 2017/01/05(木) 23:15:56.04 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「出発は明日です!」

ルビィ「ええっ!?まだ準備がぁ」

善子「といっても…なにもする事ないわよ…私たちは何も持ってないし…車もダ…名旅さんのだし」

ルビィ「……そうだね…じゃあ何かして遊ぼっか?」

ダイヤ「今は外が晴れています…散歩にでもいってきて大丈夫ですよ」

善子「散歩ね」

ダイヤ「雲が出てきたらすぐここに戻るのですよ!!!」

ルビィ「はあい!!」

善子「了解よ」

81: 2017/01/05(木) 23:23:02.46 ID:dI1y71iP.net
善子「はぁ…瓦礫ね…」

ルビィ「うゅ…つまんないねぇ…本当におばさん以外人はいないのかな…ここには」

善子「そうねぇ…というか…瓦礫の撤去とかしないのかしら…」

ルビィ「ルビィのおうちはどこだったかなぁ…」

善子「…あっちは海かしら」

ルビィ「海…行ってみよっか」

82: 2017/01/05(木) 23:38:02.18 ID:dI1y71iP.net
善子「…………」

ルビィ「これが…海?」

善子「そう……みたいね…」

ルビィ「ルビィこんなの知らないよ…海は青いもん」

善子「これじゃドブよ…」

ルビィ「これじゃ遊べないよぉ…」

善子「……また…ここに来るわよ」

ルビィ「?」

善子「私たちが元に戻すの。次来たときは青い海なんだから」

ルビィ「そっか…そうだよね…そのために来たんだもんね」

善子「…とにかく…明日よ」

ルビィ「うん!」

83: 2017/01/05(木) 23:53:32.63 ID:dI1y71iP.net
善子「………」

ルビィ「どうかしたの?」

善子「いや…なんでもないわ」

ルビィ「そっか…じゃあ戻ろ?」

善子「うん」

どうも物事が進むのが早いような気がするのよね…
ダイヤが準備してたとは言え…
ダイヤは何を知っているのかしら…
とある人との約束…聞かないとは言ったけどやっぱり気になる…

84: 2017/01/06(金) 00:26:53.31 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「ただいまー」

ダイヤ「あら、お帰りなさいルビィに善子さん」

善子「外はまだまだ晴れてたわよ」

ダイヤ「そうですか」

ルビィ「海すっごく汚くなってるんだねぇ…」

ダイヤ「ここ周辺は特に海の汚染がひどいですからね」

善子「海…放射能…ゴジラでも出てきそうね」

ダイヤ「あら、懐かしいですね」

ルビィ「ゴジラなら知ってるよ、ハム太郎の映画のおまけだね」

85: 2017/01/06(金) 00:35:14.19 ID:kQHKyHyZ.net
善子「……歩いたからお腹空いたわ」

ルビィ「うん!ごはんにしようよ」

ダイヤ「今日はとっておきを出しますよ………桃缶ですわ!!さらにみかんにパイナップルも!!」

ルビィ「わあ!!フルーツいっぱいだぁ!!」

ダイヤ「明日に備えておいしいものを食べましょう!」

ルビィ「やったぁ!」

善子「やるじゃないの♪」

ダイヤ「さば!カニ!コンビーフ!缶詰よりどりみどりですよ!!」

ルビィ「ごちそうだぁ!」

86: 2017/01/06(金) 00:46:45.38 ID:kQHKyHyZ.net
……………………………………………………

ルビィ「ふぇ…お腹いっぱいだよぉ……」スヤスヤ

善子「……良かったの?こんなに食べ物出しちゃって?」

ダイヤ「良いのですよ…ふたりの笑顔を見られただけで」

善子「……また私には言えないこと?」

ダイヤ「………すみません」

善子「まあ…昨日聞かないっていったし…」

ダイヤ「きっとわかりますよ…全て…」

善子「?」

ダイヤ「私が教えなくても…知ることになりますから…安心してください」

善子「うーん……気になるけど…まあ良いわ、明日はよろしくね」

ダイヤ「ええ、任せてください」

92: 2017/01/06(金) 11:01:46.71 ID:kQHKyHyZ.net
ここは…どこ……歩いてるのは…私とルビィ?

「本当に……いいの?」

あっ……あっちにいるのは果南にマリーとダイヤ…

「大丈夫なの?」

「25年のコールドスリィプ…危険な賭けよ…25年後は今より酷いかもしれない…」

!………これは…

「ルビィは行くよ」

「しかし…」

「善子ちゃんひとりで行かせられないもん!」

「………やはり…いくのですね…わかりました」

「うん…ごめんねおねえちゃん…でもルビィたちは大丈夫!待っててね…25年後に!」

93: 2017/01/06(金) 11:11:46.37 ID:kQHKyHyZ.net
善子「っ……………」?

夢…?……じゃない…たぶん……記憶……
冬眠に入る前の……

ルビィ「うゅ……あれ?…おきてるの?」ウトウト

善子「あっ…ごめん…起こしちゃった」

ルビィ「ううん…大丈夫だよ…」

善子「…………ちょっと早く起きちゃったわね…」

ルビィ「うん…」

善子「大丈夫?」

ルビィ「ルビィは…こんなの嫌だから…絶対絶対帰ろうね…帰ったらまたお洋服買いにいこう?」

善子「……うん、決まりね」

ルビィ「約束だよ………じゃあもう少し寝よっか…」

94: 2017/01/06(金) 11:23:55.09 ID:kQHKyHyZ.net
……………………………………………………………

ダイヤ「おはようございます」

善子「おはよ…」

ルビィ「おはよー…」

ダイヤ「さて…朝ごはんにしましょうか」

ルビィ「うん…」

ダイヤ「たっぷり食べてくださいね、腹が減っては戦はできぬ!!ですわ」

96: 2017/01/06(金) 22:59:29.73 ID:kQHKyHyZ.net
??ブロロロロロロロロロ

ダイヤ「一時間ほどでゲートにつきますわ」

養子「以外と早いわね」

ルビィ「おやつ持ってきたら良かったなぁ」

ダイヤ「そろそろ見えますよ…大きなドームが」

ルビィ「どのくらいおっきいのかなぁ」

ダイヤ「とっても大きいですよ!」

善子「それじゃどのくらい大きいのかわからないわよ」

97: 2017/01/06(金) 23:04:03.06 ID:kQHKyHyZ.net
ダイヤ「ふむ……だいたい東京と埼玉がまるごとですね」

ルビィ「ふぇ…それって東京ドームなんこぶん?」

ダイヤ「えっ!?それは…」

ルビィ「うーん…あんまり大きくなさそう…」

ダイヤ「ルビィ…帰ったら地図を見るのですよ」

ルビィ「はあい」

善子「…結構経ってるけど全然見えてこないわよ?」

ダイヤ「あら…もう見えていますよ?」

ルビィ「うゆ…どこぉ?」

98: 2017/01/06(金) 23:13:53.54 ID:kQHKyHyZ.net
善子「……どこよ」

ダイヤ「目の前ですよ」

ルビィ「うゅ…ずっと灰色だよ?空気が汚いから遠くが灰色に見えるんじゃないの?」

ダイヤ「コロニーは灰色の壁なのですよ」

ルビィ「壁?」

養子「壁ぇ!?」

ダイヤ「とっても大きいと言ったでしょう?」

養子「いや…ええっ!?」

ダイヤ「ドーム型で上に軌道エレベーターが飛び出ているのです…大きすぎて軌道エレベーターは見られませんがね」

ルビィ「へぇ…本当におっきいんだね」

99: 2017/01/06(金) 23:18:05.20 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「全然ドームって感じしないねぇ…ルビィ東京ドームみたいなのかと思ってわくわくしちゃったよ」トホホ

養子「大きすぎるのよ」

ダイヤ「さあ飛ばしますよぉ!」

ブォーンブブブブ

ルビィ「ひゃあ速いね!!」

養子「風を!感じるわ!!」ヒューン

100: 2017/01/06(金) 23:22:32.15 ID:kQHKyHyZ.net
…………………………………………………………

ルビィ「ここが…入口?」

養子「大きいわね…」

ダイヤ「ゲートからの侵入は難しいですので少し東進んだところにある下水道からになります」

善子「なんか燃えてきたわね!コロニー潜入作戦!!」

ルビィ「とにかく真ん中のエレベーター!!」

ダイヤ「その通り!軌道エレベーターを目指すのです!」

101: 2017/01/06(金) 23:29:34.69 ID:kQHKyHyZ.net
チロチロチロ

ダイヤ「さて…ここが下水道ですよ」

ルビィ「うえっ…臭いよぉ…」

養子「下水………おえっ」

ダイヤ「我慢してください、これでも海よりはまだ良いですよ」

養子「そ…そうよねぇ…」

ルビィ「うゅ…」

?サササ

ルビィ「ぴぎゃっ!!?」

養子「ひいっ何よぉ!!!?」

ルビィ「あれ…ねずみさんだ…」

102: 2017/01/06(金) 23:31:46.37 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「そういえば…動物みたの初めてだね」

養子「……たしかに」

ダイヤ「ここが動物の住める環境だと言うことですよ」

養子「外はどぶねずみも嫌うほど酷いってことね…」

ルビィ「あっ…あそこ…ちょっと明るいよ?」

ダイヤ「なるほど……ここまでですね」

104: 2017/01/06(金) 23:45:37.18 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「ここまで?」

ダイヤ「私がついていけるのが……ということです」

養子「本当にダメなの?」

ダイヤ「前にも言いましたが…私のDNA情報はすでにコロニーに知られています、さらにこの見た目…目立ってしまいますからね」

ルビィ「うゅ……」ウルウル

ダイヤ「さ…早くあの光の下に…」

ルビィ「おねぇ……おばさん………またね」??

ダイヤ「ふふふ…もう会うことはありませんよ…あなたたちがこの世界を変えるのですからね…」

養子「ダ……名もなき旅人さん……ありがとう…」

ダイヤ「礼には及びませんよ………ルビィを…よろしく頼みます」

養子「任せて!」

ダイヤ「それでは…」

105: 2017/01/06(金) 23:53:13.83 ID:kQHKyHyZ.net
養子→善子

…………………………………………………………………

善子「このはしごをのぼればコロニーに出れそうね」

ルビィ「うん…ルビィ脚立しかのぼったことないからはしごは心配だなぁ」

善子「あんまり変わらないんじゃない?」

ルビィ「そうかなぁ……」

カツカツッ

善子「大丈夫そうね」

ガシッ…ガシッ

ルビィ「うゅ…結構長いねぇ…」

善子「汚いわ…うえっ…」

112: 2017/01/07(土) 14:50:40.59 ID:6OCmm5/1.net
カツッカツッ

ルビィ「うぅ…そろそろかなぁ?」

善子「そうね……もうちょっとじゃないかしら?」

ルビィ「明るくなってきたねぇ」

善子「!…あの格子っぽいのから出られそうよ」

ルビィ「明るくなってきたから善子ちゃんのおぱんつが見えるよ」

善子「ひゃっ!!?何をぉ!!!?」

ルビィ「うわわ!危ないよぉ」


「あれ?…中から声が聞こえたような…」

113: 2017/01/07(土) 14:54:46.93 ID:6OCmm5/1.net
善子「わっ!誰かにバレた!?」

ルビィ「うゅ…善子ちゃんのせいだよぉ…」

「おーい!……誰かいるんですかぁ?」

ルビィ「うゅ…」

善子「す…すみませーん…道に迷っちゃって…あけてもらえませんかぁ?」

ルビィ「道に迷っちゃってこんなところに来るなんて…」

「大変ですぅ…今あけますよぉ?……うんしょ…」

ガタッ

善子「ほら!鉄格子をとってくれたわ!」

ルビィ「いい人だね!」

115: 2017/01/07(土) 15:00:52.19 ID:6OCmm5/1.net
善子「っ……ぷはぁ…ここが…」

ルビィ「善子ちゃん早く出てよ!」

善子「ああごめんごめん」

ルビィ「ふぅ…」

善子「ここがコロニー…」

コロニー…ってドームの中じゃないの?…空は青いし…ここは…草が生えてる…誰かの家の庭?

ルビィ「お空が青いね…」

「あのぉ…あなたたちは……」

ルビィ「あわわ」アタフタ

善子「あっ…ありがとうございました」

「ほんとに排水口から人が……たいへん!!海未ちゃぁぁぁん!排水口から人がぁ!!」

116: 2017/01/07(土) 15:04:47.47 ID:6OCmm5/1.net
善子「うええ!?ちょっと待ってぇ!」

「………良く見たらかわいいですね…でも汚いし臭い……良かったらシャワー浴びてきますか?」

善子「うっ…そういえばここに来てからまともな水を浴びてない…」

「私はことりです、よろしくね」

善子「私は堕天使ヨハネよ」

ルビィ「黒澤ルビィです」

ことり「わぁ…ヨハネちゃんにルビィちゃん…外国の人?よろしくね」

117: 2017/01/07(土) 15:10:40.62 ID:6OCmm5/1.net
……………………………………………

善子「ふぅ」サッパリ

ことり「わあ!やっぱり!海未ちゃんの服がぴったり!!」

海未「ことり!排水口から出てきた人を家にあげるとはどういうことですか!!」ガミガミ

ことり「だってぇ…」

海未「だってじゃありません!!」

善子「………」

海未「だいたいあなた…何者なのですか?突然人の家の排水口から出てくるなんて…訳がわかりません!!」

善子「うぅ……たしかに…」

118: 2017/01/07(土) 15:16:38.35 ID:6OCmm5/1.net
善子「えっと…その」

海未「………」ギロリ

善子「あはは…」

海未「あなたまさか…コロニー不正侵入では…」

善子「うっ」ギクッ

ことり「まあまあ海未ちゃん落ち着いて…でも本当に気になるなぁ…どうしてヨハネちゃんは排水口から出てきたの?」

善子「っ………その人の…言うとおり…私はコロニー外から…」

海未「ななな…なんと!!それでは早く治安維持局に!!」

ことり「海未ちゃんストップ!!」

119: 2017/01/07(土) 15:21:38.16 ID:6OCmm5/1.net
海未「し…しかし」

ことり「もうすこし話を聞いてあげよう?」

海未「ですが」

ことり「ね?」

海未「うぅ…」

ことり「じゃあヨハネちゃん…教えて?」

善子「……そうね……どこから説明すればいいかしら…」

120: 2017/01/07(土) 15:28:41.91 ID:6OCmm5/1.net
………………………………………………………

ことり「へぇ~、人工冬眠かぁ」

海未「!……どうやら本当みたいですね…伊達ヨハネと黒澤ルビィと言う人間はコロニー登録者にも抽選登録者にもいません…?」

善子「うーん…それは…」

ことり「大変だったよねぇ目覚めたら外なんて」

善子「うん……そうだわ……」

ことり「とりあえず…ごはん食べよう?ルビィちゃんは」

善子「ああっ!!ルビィ!!ルビィは!!?」

海未「またお風呂にいるのでは?」

善子「そんな…いくらなんでも長すぎるわ!!」

121: 2017/01/07(土) 15:33:39.42 ID:6OCmm5/1.net
善子「ルビィ!!ルビィ!!」

ガラララッ

♨ルビィ?「ふゅ…きもちいぃ」スヤスヤ

善子「………はぁ」

ことり「お風呂が気持ち良くて寝ちゃったんだね♪」

ルビィ「……うゅ…どうしてみんなが…?…」ウトウト

善子「…いいからあがりなさい…」

ルビィ「はぁい」

122: 2017/01/07(土) 15:38:53.75 ID:6OCmm5/1.net
ルビィ「わぁぁぁぁ…料理だぁ!!」

ことり「海未ちゃんのチャーハンだよ」

海未「私…炒飯には自信があります」

ルビィ「いいんですかぁ…こんな…」

海未「感想を聞かせてくださいね」

善子ルビィ「いたただきまーす」

ルビィ「うゅ…おいしいよぉ」ハムハム

ことり「海未ちゃんはチャーハンなら右に出るものはいないっていうんだよぉ?…ちなみにことりは左だよ」

善子「?」

ルビィ「私たちこの真ん中のエレベーター目指してるんです」

善子「そうそう…できる限り早くいきたいの」

129: 2017/01/08(日) 10:59:50.44 ID:kG2fgusF.net
ことり「それは…やめておいたほうがいいんじゃないかなぁ」

ルビィ「でも…ルビィたちはそのためにここに…」

ことり「前にエレベーターに勝手に入って〇されちゃった人もいるし…」

ルビィ「ころされる……」

ことり「ここで暮らすなら私の教会に入れてあげるよ?農業区だから治安維持局はあんまり来ないし…いざとなったら海未ちゃんに戸籍を」

海未「ことり!」

善子「でも…いかなきゃいけないのよ…」

ダイヤ……それにみんなを放り投げて…私とルビィだけこんなところで普通の暮らしに戻るなんて…

130: 2017/01/08(日) 11:10:15.96 ID:kG2fgusF.net
ことり「そっか……」

善子「コロニーのことを教えてほしいわ、ここからどうやってエレベーターに近づくか」

ことり「コロニーはね、お仕事で4つに分けられてるんだよ」

ルビィ「お仕事で…」

ことり「ここは農業をするところなの。みんなでお野菜を作ったり豚さん牛さんを育てたりしてるんだよ」

ルビィ「そうだ!!ここってドームなんですよね?なのにどうしてお空が青いの?」

ことり「それはただのプロジェクターだよ、半年に一回点検でオフになると灰色の天井がみえるよ」

ルビィ「ふぇ…本当にお空かと思ったよ…そっくりだねぇ」

133: 2017/01/08(日) 11:25:30.44 ID:kG2fgusF.net
ことり「私は教会で子供たちと一緒に羊さんと鶏さんを育ててるの」

ルビィ「子供がいるんですか?女の子同士なのに?!」

海未「!!はっ!………何を!!それではまるで私とことりが

ことり「ことりたちの子供じゃないよ、みんな孤児なの」

ルビィ「こじ…」

ことり「お母さんだけコロニー入居抽選が当たったりした人が権利を子供にあげて子供だけでコロニーに来る子とかが少なくないから…私と他の女の子たちで一緒に教会で暮らしてるんだ、今日は休みだったけど」

ルビィ「なるほど…」?

海未「まあ実質夫婦ですね、私たちふたりで

ことり「海未ちゃんは役所で働いてるの、だから戸籍をいじるのもたぶん大丈夫だよ」

ルビィ「いえ…ルビィたちはここで暮らすわけではないので」

134: 2017/01/08(日) 11:31:20.80 ID:kG2fgusF.net
善子「そうね…ここから一番早くエレベーターにいくには」

海未「私の仕事場が一番早いですよ」

ルビィ「わあ!運がいいね!」

善子「ついに堕天使にも運が

海未「しかし、そんなことを許すわけにはいきませんね」

ルビィ「そんなぁ」

海未「言ったでしょう?死にますよ、本当に」

善子「でも」

海未「あなたたちに協力したことがもし発覚したら…私やことりにまで……そんなことはあってはなりません!!」

135: 2017/01/08(日) 11:38:02.75 ID:kG2fgusF.net
ことり「……海未ちゃん」

善子「…………」

ルビィ「でもぉ…」

善子「でもじゃないわ…私たちのせいで人が死ぬかもしれないのよ……」

ルビィ「うゅ……」

善子「別の方法を探すしかない…とにかく絶対にエレベーターに…」

ことり「……とりあえず…今日はもう暗くなるから泊まっていいよ」

136: 2017/01/08(日) 11:44:09.51 ID:kG2fgusF.net
…………………………………………………………

ことり「羊さんのお乳で作ったチーズケーキです!」

海未「チーズケーキでは晩御飯になりませんよ…」

ルビィ「わぁぁ…チーズケーキだぁ…」

ことり「デザートにいちごもあるよ♪」

善子「ぐっ…」ジュルリ

ルビィ「ぜーんぶデザートだよ!!」

海未「その通りですよ!!」

ことり「ふぇぇ…じゃあ鈴木さんが作ったレタスも…」

139: 2017/01/08(日) 21:14:29.08 ID:kG2fgusF.net
皆「いたただきまーす」

ルビィ「うへぇ…あまぁい…」トロトロ

海未「ことりにチーズケーキを作らせたら右に出る者はいません!!」

ことり「えへへ、そんなことないよぉ」

善子「なかなかやるじゃないの」モグモグ

ルビィ「レタスも美味しいです!」

ことり「ドレッシングがあるよ♪」

140: 2017/01/08(日) 21:31:17.48 ID:kG2fgusF.net
……………………………………………………………

海未「ごちそうさまでした」スタッコラ

ことり「お風呂できてるから先にどうぞ~」

善子「どうしようかしら…エレベーターまで」

ルビィ「あんまり迷惑かけられないもんねぇ」

ことり「ごめんねぇ…できれば手伝ってあげたいんだけど…」

善子「いいのよ…私たちの考えが甘かったわ」

ことり「海未ちゃんは…ほっとけないんだよ…ふたりのことを…」

ルビィ「うゅ…今日出会ったばっかりなのに…」

141: 2017/01/09(月) 00:05:09.35 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「…この家は…本当は三人で暮らす予定だったの」

ルビィ「三人で?」

ことり「うん…だけどことりだけコロニー入居抽選で外れちゃって…もう一人の子、その子は入居権を持ってたんだけど…」

善子「…………」

ことり「ことりの分の入居権を取ってくるって言ってまだ外壁を作ってる途中のコロニー政府に直談判しに行っちゃったの」

ルビィ「まさか」

ことり「そのまま帰って来なくて…ことりに入居権利書が届いた……」

142: 2017/01/09(月) 00:12:32.14 ID:ZxR6LDhY.net
善子「そんなことが…」

ことり「ここに入ってから海未ちゃんの権限で調べたら……特定軍事機密漏洩で極刑だって……」

ルビィ「きょっけー?」

ことり「そんな無謀なことをした穂乃果ちゃんと…今そんなことをしようとしてるヨハネちゃんにルビィちゃんを重ねてるんだと思う」

ルビィ「それで…」

ことり「もちろんそれだけじゃないよ…バレちゃったら本当にみんな危ないし……でも…きっと海未ちゃんの頭の中には…」

善子「……」

143: 2017/01/09(月) 00:16:56.13 ID:ZxR6LDhY.net
海未「ふぅ…お風呂が空きましたよ」サッパリ ♨☀

ことり「次にお風呂に入りたい人はいますかぁ?いないならことりが入りまぁす」

ルビィ「どうぞ…」

善子「私は最後でいいわ…」

ことり「じゃあお風呂?入っちゃうね」

海未「お風呂あがりにはことりのプリンがありますから楽しみにしててくださいね」

ルビィ「わあい!今日はデザートばっかりだぁ!」

144: 2017/01/09(月) 00:26:51.53 ID:ZxR6LDhY.net
海未「奥の部屋に布団を敷いています…そこで寝てください」

ルビィ「はぁーい♪善子ちゃんおふとん見に行こー?」

善子「そうね…」

そんなことがあったとなると…やっぱり私たちだけで軌道エレベーターまで行くしかない…とりあえず車でも借りて近づいて見ようかしら…明日は地図を借りよう…

ルビィ「ふわぁぁぁぁぁぁ」バサッ

ルビィ「やわらかぁぁぁい」

145: 2017/01/09(月) 00:29:50.68 ID:ZxR6LDhY.net
善子「………私の布団は…」

ルビィ「うゅ……これしかないよ?」

善子「な……」

ルビィ「えへへ今日は寝てねってことだよ!!大丈夫!ルビィ寝相はそんなに悪くないよ!それにふたりで寝たらすっごくあったかいよ!」

善子「そうね……」

ルビィ「……ふゅ…そろそろお風呂上がったかなぁ?」

善子「いってみたら?」

ルビィ「うん!」

146: 2017/01/09(月) 00:40:55.15 ID:ZxR6LDhY.net
海未「………」

善子「ねぇ…」

海未「どうしましたか?」

善子「私たちのこと…どう思ってる?」

海未「……迷惑ですね」

善子「うげっ!」

海未「ですが…やはり人が多いと楽しいです…教会の子供たちといるのも楽しいですが…今日は……そうですね…家族が増えたような」

善子「………」

海未「…ふふふ…たった1日過ごしただけなのに…私気持ち悪いですね」

善子「………そんなこと」

海未「あなたたちにエレベーターへは行ってほしくありません」

善子「わたっ

147: 2017/01/09(月) 00:48:43.90 ID:ZxR6LDhY.net
海未「ですが…私は知っています…あなたのような人は…止められない」

善子「………」

海未「しかもあなたは……ヨハネはひとりだけじゃない…他の…多くの人の想いを背負ってここまで来たのでしょう?」

善子「……そうよ…私だけじゃない…ルビィも…」

海未「なおさらです……私にはあなたたちを止めることはできません…」

善子「……きょ……協力を」

海未「………………良いですよ…私の権限を使ってあなたたちをエレベーターに送り届けましょう」

善子「ほんとぉ!!?」

148: 2017/01/09(月) 00:53:39.35 ID:ZxR6LDhY.net
善子「はぁ…」

海未「どうしましたか?」

善子「ちょっと拍子抜けしちゃったのよ」

海未「拍子抜け?」

善子「なーんかもっと説得するのは難しいと思ってて……こんなにあっさり協力してもらえるなんて」

海未「人の命がかかっているのですよ」ムクムク

善子「大丈夫!!絶対に成功させるわ!!そしたらあなたに会いに行くのよ!その世界だと海未は私のことを知らないだろうけどね」

海未「ふふ…楽しみに待っていますよ」


「ぴぎゃあああああああ」

149: 2017/01/09(月) 00:58:33.66 ID:ZxR6LDhY.net
海未「今のは?!」

善子「ルビィの悲鳴よ!!」

海未「風呂場からですっ!!」

善子「いくわよ!!」

トットコトットコ

善子「ルビィ!!」

ガラララッ

ルビィ「ぴぎゃああああ痛いよぉぉぉぉぉぉ」??

ことり「えへへ、ルビィちゃん足つぼマッサージは初めて?」

ルビィ「あぎゃぁぁああああああ」??

150: 2017/01/09(月) 01:04:32.73 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「わあっ!海未ちゃんにヨハネちゃん!?」

ルビィ「うゅ…どうして…」

ことり「勝手に女の子のお風呂に入ってくるなんて」

ルビィ「のび太……」

海未「そ…その違うんです…悲鳴が…」

善子「そうよ!ルビィが」

ことり「違いませんっ!海未ちゃん反省!!」

海未「ええ!?」

ことり「ヨハネちゃんはまだお風呂に入ってないから今すぐ入ろう!!」

善子「ええっ?!罰は!?」

ルビィ「足つぼだよ」

善子「ひいっ!!」

151: 2017/01/09(月) 01:08:42.34 ID:ZxR6LDhY.net
善子「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」??

ルビィ「えへへぇ」チャポン

ことり「それっ」ギュイッ

善子「びゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」??

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

海未「ふふふ…悲鳴が聞こえますね…」

海未「反省といっても…何もすることは無いでしょう…さて…今日は疲れました…」ウトウト

152: 2017/01/09(月) 01:16:01.48 ID:ZxR6LDhY.net
善子「ふぃ~痛かったあぁ…でもクセになりそうね」

ルビィ「そうなの!」

ことり「しーっ…海未ちゃんがお休みだよ…」

海未「……………」スヤスヤ

ことり「おやすみ?」

善子「おやすみなさい」

ルビィ「おやすみなさい」

157: 2017/01/09(月) 14:04:26.75 ID:ZxR6LDhY.net
カンカンコンカン

ルビィ「ぴぎゃあ!」

善子「ひゃっ!?何よぉ!!?」

海未「朝ですよ!!」

善子「え…まだ5時よ…」

海未「もう6時です!私は仕事でもう家をでなければなりません!!」

ルビィ「うゅ…早いんだね」

海未「仕事場が遠いので」

善子「だからって私たちを起こさなくても…」

158: 2017/01/09(月) 14:07:17.61 ID:ZxR6LDhY.net
海未「あなたたち…タダで泊まる気だったんですか!!?」

ルビィ「そ…そんなことは」

海未「ことりが鶏の卵を取りに行っています!ルビィはかごを持ってそちらへ!!ヨハネは洗濯物を干してください!!」

ルビィ「はぁい」

海未「それと…これを読んでおいてください」パサッ??

善子「これは…」

海未「私は行きます」

ルビィ「いってらっしゃあい」

159: 2017/01/09(月) 14:14:10.18 ID:ZxR6LDhY.net
……………………………………………………………

ことり「じゃあ…ふたりは一緒に教会に来てもらいます!」

ルビィ「教会に」

ことり「羊さんに子供たちと遊んでるだけで良いよ」

ルビィ「うゅ…ひつじさん…怖いからルビィは子供たちの方にいくね…」

善子「ちょっ!?私が羊の世話をォ!?」

ルビィ「きっとできるよ!」

善子「ええっ!?」

160: 2017/01/09(月) 14:23:51.28 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「今日だけみんなと一緒に過ごすルビィちゃんです!」

ルビィ「よろしくおねがいします」

「よろしくおねがいしまーす」

ルビィ「みんな…孤児なんですね…」

ことり「うん…仲良くしてあげてね」

ルビィ「はい…」

ことり「じゃあお外に出ましょう!」

「はーい」

161: 2017/01/09(月) 14:29:55.25 ID:ZxR6LDhY.net
善子「ハァイ!堕天使ヨハネよ!よろしくね羊たち!」

???「エ"~」

善子「………………ほら…草」

???「エ"~」

善子「…………何よ……楽そうね…」

???「エ"エ"」

善子「そうだわ!さっきの海未の紙でも読もうかしら」

?「エ"エ"ーーエ"」

善子「うるさいわねジンギスカン」

162: 2017/01/09(月) 14:36:02.13 ID:ZxR6LDhY.net
善子「……なになに」

≪私はエレベーターの周りの輸送リングから送る食料の各区の配分を決めています

その仕事であなたたちを食料と偽って科学特区のエレベーターまで送り届けることができるでしょう

そこからはあなたたち次第です、私はエレベーター関連施設に入ったことはありませんので

実行は明日。早い方が良いのでしょう?帰ったら詳しく話しますね≫

善子「なるほど…」

?「エ"エ"ー」ムシャ

善子「ああっ!!?紙をぉ!?」

?「エ"エ"」ムシャムシャバリバリ

163: 2017/01/09(月) 14:40:46.46 ID:ZxR6LDhY.net
善子「紙食べるのってヤギじゃないの?」

?「エエ」

善子「信じられない……」

???「エ"エ"ー」

善子「なんとか言いなさいよ!!」

?????????
??????????


善子「………はぁ…」

164: 2017/01/09(月) 14:58:39.29 ID:ZxR6LDhY.net
…………………………………………………………

ルビィ「えへへ…楽しかったなぁ」

ことり「みんな良い子でしょ?」

ルビィ「うん!」


「誰かぁぁぁぁぁぁ!!!」


ルビィ「善子ちゃんの声だ!!」

ことり「へ?誰?」

ルビィ「あれは!!」


??????
??????
??善子??「いやぁぁぁぁぁぁぁ」
??????
??????

165: 2017/01/09(月) 15:02:10.41 ID:ZxR6LDhY.net
善子「うぇ…全身草まみれよ…あいつら?…この私に草を…」

ルビィ「うわ…臭いよ善子ちゃん…お風呂入りなよ…」

善子「うぐぅ…」

ことり「お風呂わかしとくよ」

善子「お願いしまぁす…」

ことり「そろそろ海未ちゃんも帰ってくるよ」

166: 2017/01/09(月) 15:12:02.01 ID:ZxR6LDhY.net
善子「ふぅ…ひどい目にあったわ…」サッパリ

ルビィ「……………」クンクン

善子「もう匂わないわよ!」

ルビィ「ほんとだ」

ことり「よかったね♪海未ちゃんが手伝ってくれることになって」

善子「本当にありがとう…」

ことり「いいんだよ」

ルビィ「えへへ…」

ガラララ

ことり「海未ちゃん帰ってきたよ!!」

167: 2017/01/09(月) 15:20:45.59 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「おかえりぃ」

海未「ふぅ…ただいま…」

ルビィ「お風呂にしますか?」

善子「ごはんにする?」

ことり「どっちにしますか?」

海未「そうですね…先にお風呂に……」

ルビィ「うゆ!今日は背中流しますよぉ」

海未「そ…そうですか…お願いします」

善子「じゃあ私たちはごはんの準備!」

ことり「今日はちゃんと作るよ!」

168: 2017/01/09(月) 15:26:43.12 ID:ZxR6LDhY.net
………………………………………………………………

ルビィ「えへへさっぱり!」ニコニコ

海未「風呂場が少し獣臭かったのですが」

善子「うぎっ」ギクッ

ことり「晩御飯ができましたよぉ!!」

善子「お!……おあがりよ!!」

ルビィ「わあいシチューだぁ!」パァ

善子「私も手伝ったのよ!」フンス

ことり「お野菜を切ってもらいました!」

善子「ごはんも炊きました!」

169: 2017/01/09(月) 17:19:19.92 ID:ZxR6LDhY.net
皆「いただきます??」

ことり「みんなで食べると美味しいね!」

海未「はい!」モグモグ

ことり「妹ができたみたい」

ルビィ「うゅ………おねいちゃん……」

海未「……」

善子「大丈夫よ!」

ルビィ「でも……でもぉ」ポロポロ

善子「もう明日よ!つまり明日にはもうダイヤに会えるかもしれないの!そりゃもちろんいろいろ済ませた後だからちょっと時間はかかるけど…」

ルビィ「………会えるよね…」

善子「もちろんよ!この私がいれば!」

170: 2017/01/09(月) 17:24:09.88 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「そっかぁ…もう行っちゃうんだね…」

海未「ごはんですよ!楽しいお話にしましょう」

善子「そうね♪」

ことり「今日ヨハネちゃんは羊さんに舐められて草まみれになったんだよ」

海未「なんと!だから風呂場が獣臭かったのですね!」

善子「うあーいわないでよぉ!!」

ルビィ「えへへへほんとにすっごく臭かったんだよぉ!」

善子「許さないんだから!あの羊ども…次会ったらジンギスカンにしてくれるわ!!」

171: 2017/01/09(月) 17:28:40.55 ID:ZxR6LDhY.net
……………………………………………………………

海未「さて…明日は私の出勤の時間ですからね」

ルビィ「早いねぇ」

海未「細かいこと…といってもあの紙に書いてある通りですよ」

ルビィ「あの紙?」

海未「はい、ヨハネに渡したはずですが…」

善子「………」ギクッ

ルビィ「ルビィ知らないよ?」

善子「……実は…羊に食べられちゃったのよ…」

172: 2017/01/09(月) 17:33:12.52 ID:ZxR6LDhY.net
海未「……………」

善子「ごめんなさい!!」ヘコー

ルビィ「善子ちゃん……」

海未「……適当なことを…」

善子「嘘じゃないのよぉ!!」

海未「もういいですよ…捨てて結構です」

善子「違うってばぁ!!」

海未「はぁ……明日あなたたちには大きな段ボールの中に入ってもらいます」

ルビィ「えへへ…ヤマトかな?佐川かな?」

海未「それに入った後は私が送り先をエレベーターにしますから…まあふたりがやることは…特にありません…エレベーターに行ってからですね」

173: 2017/01/09(月) 17:36:49.80 ID:ZxR6LDhY.net
善子「エレベーター潜入作戦…ヨハネ大佐と呼びなさい」

ルビィ「たいさぁ!!」

海未「……本当に…気を付けるのですよ…一歩間違えば…」

ルビィ「………」ゴクッ

善子「…………エレベーターの地図とかは」

海未「……ありません」

ルビィ「迷子になっちゃうよ」

海未「……ほかに何か」

善子「…………!……関係ないんだけど…ちょっと調べてみてほしいことが」

海未「なんですか?いってみてください」

174: 2017/01/09(月) 17:42:49.91 ID:ZxR6LDhY.net
善子「人の名前を調べてほしいの…私たちが最初に来たときみたいに」

海未「……名前を…いってみてください」

ルビィ「鞠莉ちゃんは…死んじゃってて…」

善子「高海千歌…桜内梨子…渡辺曜…松浦果南…国木田花丸…この五人の」

ルビィ「おねえちゃんも…」

善子「…そ…そうね」

海未「……………」カタカタピッピ??

175: 2017/01/09(月) 17:51:22.56 ID:ZxR6LDhY.net
海未「高海千歌……コロニー特別商業区にいます」

ルビィ「千歌ちゃんがぁ!?」

海未「渡辺曜…同じく特別商業区に……」

善子「…生きてたんだ……」

海未「………4人は…コロニー入居していないため…消息は不明です…」

ルビィ「……」

善子「そう…」


聞くんじゃ無かった…でも…知りたかった…みんながどうなったのか…

176: 2017/01/09(月) 17:57:30.01 ID:ZxR6LDhY.net
ルビィ「ルビィたち…頑張らないとね…絶対に帰ろうね…みんなでまた……」

善子「……そう…よね…やらなきゃいけないのよ…」

海未「……頼みますよ…あなたたちが成功したら……穂乃果も……」

善子「うん……」

ルビィ「絶対絶対!おねえちゃんにマルちゃん梨子ちゃん果南ちゃん鞠莉ちゃんがいるところに帰るよ!」

善子「よし!そうと決まれば」

ルビィ「明日は早いし寝よう!」

178: 2017/01/09(月) 21:20:30.61 ID:ZxR6LDhY.net
善子「………………」

眠れない……水でも飲みにいこうかしら

ガチャ

善子「えっと…麦茶…」

ことり「ヨハネちゃん?」

善子「ひゃっ?!」

ことり「あはは、ごめんね驚かせちゃって」

善子「大丈夫よ」

179: 2017/01/09(月) 21:24:13.36 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「眠れないの?」

善子「………うん」

ことり「ことりも眠れないの…」

善子「うーん…」

ことり「ヨハネちゃんが…明日…過去に戻れたら…この世界はどうなると思う?」

善子「ここが?」

ことり「そう、ここは戦争があって大きなコロニーに選ばれた人だけが移住してるけどヨハネちゃんは戦争の原因を無くしにいくんでしょ?」

善子「そね」

180: 2017/01/09(月) 21:37:29.33 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「そしたらここはどうなるのかな?このまま時間が進むのかな?それとも消えて無くなるのかな?」

善子「……………」

ことり「ごめんね…難しいこと聞いて」

善子「消えちゃうのかしら?それとも戦争が起きた世界として残る?」

ことり「……そっか…」

善子「どうかしたの?」

ことり「もしもここが消えちゃうなら…なんかもったいないなって…」

善子「?」

ことり「全部無かったことになったら…ここで出会った人たちも忘れちゃうんだよね」

181: 2017/01/09(月) 21:45:21.76 ID:ZxR6LDhY.net
善子「…………」

答えが思い付かない…なんていえば良いのかしら…

ことり「ごめんね、変なこと言っちゃって…りんごジュースもあるから飲んでいいよ、おやすみなさい」

善子「おやすみなさい」


私は…目が覚めたら突然こんなゲームみたいな世界に来ちゃって…普通の世界に戻すためにここまで来たけど…

私とルビィ以外の人はみんな私たちが寝てた間の時間を過ごしてて…
その中でしか産まれなかった不幸もたくさんあるけど
ここでしか無かった幸せもあるかもしれないのよね…

私たちは…それを全部無かったことにしちゃうかもしれないわけで…

182: 2017/01/09(月) 21:50:39.10 ID:ZxR6LDhY.net
善子「……うぁぁぁん」

やるのよ…やらなきゃ…何のためにダイヤと別れてここまで来たの?何のために人工冬眠したの?
ルビィはみんなに会いたいし…私もみんなに会いたい…

善子「ふぅ!寝るわ!!」

考えても仕方ないわ!何もわからないんだから!

183: 2017/01/09(月) 21:52:56.08 ID:ZxR6LDhY.net
………………………………………………………………

「おきて!!おきて!!善子ちゃん」

善子「んぅ……もう?」ウトウト

ルビィ「朝だよ!!」

善子「ぐぅ…」

ルビィ「さっ、朝御飯に!」

善子「ま…まってよぉ…」

184: 2017/01/09(月) 21:58:37.91 ID:ZxR6LDhY.net
善子「おはよう」

海未「おはようございます、よく眠れましたか?」

善子「うぅ…まあまあね」

海未「ダメですよしっかり寝ないと」

ことり「あさごはんはフレンチトーストだよ」

ルビィ「わあいフレンチトースト!」

ことり「できたてをめしあがれ!」

ルビィ「えへへ、いただきまーす」

ことり「ヨハネちゃんは次だよ」

185: 2017/01/09(月) 22:11:53.64 ID:ZxR6LDhY.net
海未「おいしいですねぇ」モッモッ

ルビィ「メープルシロップをぉ」

タラーリ

ルビィ「はむっ……おいしい~」

ことり「ヨハネちゃんのも焼けたよ~」

善子「ありがとう…いただきます」

ルビィ「ルビィがシロップかけてあげるよ」タラー

善子「ああっ!」

ルビィ「えっ?ダメだった?」

善子「違うわ…かけ方ってのがあるのよ…」

ルビィ「うゅ…ごめんなさい…」

187: 2017/01/09(月) 23:33:26.72 ID:ZxR6LDhY.net
善子「おいひいわ♪」モグモグ

ことり「よかったぁ」

ルビィ「へへ、毎日食べたいな」

海未「さて…食べ終わったら準備をしてすぐ出発でよ」

善子「あ…服」

ことり「それならあげるよ」

海未「私のなのですが…」

ことり「また新しいの作ってあげるから」

海未「そうですか…気に入っていたのですが…」

ルビィ「うゅ…手作りだったんですか…」

ことり「大丈夫だよ、たくさんあるし」

190: 2017/01/09(月) 23:41:18.46 ID:ZxR6LDhY.net
……………………………………………………………

海未「さて…準備はできましたか?」

善子「ばっちりよ!」

ルビィ「もともとなんにももってないしぃ」

ことり「ことりは教会にいかなきゃいけないから…ここでお別れだね」

善子「本当にありがとう…お世話になりました」

ルビィ「ありがとうございました!」

ことり「いいえ…楽しかったよ」

善子「服も…ごはんも寝床もぜーんぶ…ほぼタダで…」

ことり「気にしないで…最後にみんなで写真を撮ろう?」

192: 2017/01/09(月) 23:46:35.75 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「はいはいならんで~」

ルビィ「ルビィは」

海未「前に出てもいいですよ」

ルビィ「じゃあ善子ちゃんも前に!」

善子「堕天使の定位置……フロント」

ことり「さん、にー、いち」

パシャ

ことり「撮れました!今は見れないけどちゃんと飾るよ」

ルビィ「うぇ……ルビィを忘れないでくださいね」

ことり「もちろん!ヨハネちゃんもルビィちゃんも」

海未「ではいってきます!私はいつもの時間に帰ってきますので」

ことり「うん!いってらっしゃい??バイバイヨハネちゃんにルビィちゃん」

ルビィ善子「さよーならー」

195: 2017/01/09(月) 23:51:30.94 ID:ZxR6LDhY.net
ブロロロロロロロロロロロロ

海未「さあ…車でとばせば30分ほどでつきます」

善子「近いのね」

海未「ほぼ一本道ですからね」

ルビィ「ルビィたちは段ボールに…」

海未「補強はしてありますからよほどのことがない限り輸送に問題はないと思います。やはり問題はエレベーターについてから」

善子「そうね…」

海未「しかし私はそこまで手伝えません…」

ルビィ「いえ…こんなにいろいろしてくれただけでも…」

海未「気にしないでください…私の性なのです…あなたたちのような人に手を貸すのが…」

198: 2017/01/09(月) 23:57:40.86 ID:ZxR6LDhY.net
海未「そろそろ到着です、後ろの台車に乗っている段ボールの中に入ってください」

ルビィ「ふぇ…ルビィ直送便…」

善子「フレッシュにお届けね」

海未「あと…一応その中に…」

善子「拳銃!?!」チャキ?

ルビィ「ぴぎゃ!?」

海未「万が一のためです…強引にでもエレベーターに乗って成功させてください…」

善子「じゅ…じゅじゅ銃なんて…打ったことないし」

海未「人に当てるものでは無いですよ、慣れた人でも狙って当てるのは難しいものです」

善子「………」チャキ?

ルビィ「さ…はいろう?」スッポリ

200: 2017/01/10(火) 00:06:37.28 ID:ariKWBXf.net
?????

ルビィ「ふゅ」

善子「しっ!」

善子「よく聞こえないわね」ボソボソ

ルビィ「いま…リングって」ボソボソ

善子「輸送リングね…エレベーターの周りを囲む輪状の機械らしいわ」ボソボソ

海未「そろそろリングに乗せますよ」ボソボソ

善子「了解!お別れね」

ルビィ「ばいばい!」

海未「頼みますよ」

善子「任せなさい!」

201: 2017/01/10(火) 00:14:57.54 ID:ariKWBXf.net
?ウィーーン?

善子「……」

ルビィ「……寝るね」

善子「よく寝られるわね」

ルビィ「………じゃあ起きるよ」

善子「穴が…」ガサゴソ

ルビィ「そんな動かないでよぉ…」

善子「外がみてみたいのよ」ガサゴソ

善子「………真っ暗ね」

ルビィ「……ルビィもみたい!」

善子「あっ、ちょっと明るくなってきたわ!」

ルビィ「ずるいよ!善子ちゃんばっかり」

善子「ここからは…本当に未知よ…それで私たちだけでやるの…覚悟はいい?」

ルビィ「おっけーですたいさぁ!!!!」

善子「あっ、それ覚えてたの」

?ウィーーン?

善子「道が別れたわ!きっと到着よ」

ルビィ「むぐ…静かにしようね」

202: 2017/01/10(火) 00:19:56.56 ID:ariKWBXf.net
ガコン!!

善子「うっ」

ルビィ「む」

ドサッ

「なんだこれ重いなぁ!鹿でも入ってるのか?」

ゴロゴロゴロ

善子「うっ…揺れる…気持ち悪…」

バタン

ルビィ「そうだ…ルビィたちって食料だよね?どこに運ばれるのかな?」ボソボソ

善子「あっ…」

ブォォォンブロロロロロロロロロロロロ

203: 2017/01/10(火) 00:22:27.25 ID:ariKWBXf.net
バリバリイッ

ルビィ「むはぁ!!」

善子「ぐっは!!う!撃つわよ!!」チャキ?

ルビィ「……トラックの荷台みたいだね」

善子「チャンスね…車が止まったら開けて降りるわよ!」

ルビィ「わかった!」

ブロロロロロロロロロロロロ

205: 2017/01/10(火) 00:34:54.71 ID:ariKWBXf.net
?⛔ブブブブブブブ

善子「よし!止まったわ!」

ルビィ「よいしょ!」

ガチャ

ルビィ「あきました!」

善子「出るわよ!」

ルビィ「うゅ……」スタッ

善子「…………」トッ

??ブロロロロロロロロロロロロ

ルビィ「ふぅ…」

善子「……ひとまず科学特区に潜入」

206: 2017/01/10(火) 00:36:25.07 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「ふぇ~すごい町…」

さっきまでいた農業区とはうってかわってまさに漫画やゲームで見たような未来都市…ちょっとワクワクするわね…

善子「………」✨

ルビィ「ここはお空が灰色だね」

パイプみたいなビルがいくつもコロニーの天井まで伸びててキラキラいろんな色に光ってる…ほかにもよく分からないアンテナみたいなものとか…

善子「…エレベーターは…」

ルビィ「あれかな?」

善子「そうね」

一番大きな銀色の柱…このコロニーどころか空も越えて…宇宙まで届くエレベーター…私たちはそこに向かう

210: 2017/01/10(火) 14:01:20.38 ID:qzpGalIH.net
善子「けっこう近そうね」

ルビィ「おっきいねぇ…このエレベーターに乗ったら帰れるなんて」

善子「帰るわけじゃないのよ…ワームホールの軌道を特定した7年前に行くの…そのデータを消す」

ルビィ「難しいねぇ…」

善子「たぶんJAXA的な施設にいくことになるわ」

ルビィ「じゃくしゃ…」

善子「サ!」

「お前たち…見ない顔だな」

211: 2017/01/10(火) 14:08:55.96 ID:qzpGalIH.net
善子「ひっ!?」

ルビィ「は…はろー」

「…………研究員ではないな?じゃあ食い物でも?」

ルビィ「あ…その…ルビィたち出前で…エレベーターにオムライスをお届けに」

そんな嘘が信じてもらえるわけが!! オムライスなんてどこにもないじゃないのぉ!!
まずい…逃げないと

「おーそうかそうかじゃあ窓口まで一緒だな」

ルビィ「へ」

善子「え?」

212: 2017/01/10(火) 14:16:04.10 ID:qzpGalIH.net
おじさん「若いのに大変だな」

善子「あはは」

ルビィ「おじさんはなんのお仕事をしてるんですか?」

おじさん「私はエレベーターの技術者だ」

善子「そ…そうなの」

おじさん「今日は大事な実験があってな緊張してたんだ」

善子「実験?」

おじさん「あっ…今のは忘れてくれ」

ルビィ「……………気になりますぅ」

おじさん「ダメだ」

善子「お願いします」

おじさん「………ダメだ」

213: 2017/01/10(火) 14:22:56.95 ID:qzpGalIH.net
ルビィ善子「お願いしまぁす」

おじさん「…………ぐ」

ルビィ「お願いしますぅ」

善子「お願いしまぁす」

おじさん「………」

ルビィ「…………?✨✨」

善子「…………?✨✨✨」

おじさん「……今日は…タイムマシンで過去の戦争に物資を送るんだ…」

ルビィ「過去に!?」

おじさん「このことは絶対に誰にもいってはいかんぞ…絶対に」

善子「もちろん言わないわ!」

214: 2017/01/10(火) 14:28:35.68 ID:qzpGalIH.net
ルビィ「えへへ」

善子「ふふふ」

おじさん「?」

善子「おじさんはエライの?」

おじさん「?……あぁまあ一応…技術責任者という」

ルビィ「それはどのくらいエライの?」

おじさん「……まあ…私がいなければタイムマシン実用化は…」

善子「ふふふ…ついてるわね」

ルビィ「もしかして…善子ちゃんも同じこと考えてた?」

おじさん「?」

215: 2017/01/10(火) 15:33:29.87 ID:qzpGalIH.net
善子「ちょっとおじさん先に行ってて」

おじさん「ん?ああ」

ルビィ「おじさんを人質に…銃で」ボソボソ

善子「って思ったんだけど…やっぱりダメね」ボソボソ

ルビィ「ええ…良いと思ったんだけど」

善子「ダメダメ、潜入よ潜入!」

ルビィ「そう…だね」

善子「物資に紛れる!」

ルビィ「それしか無いよねぇ」

善子「問題は…戦争中に物資を送るわけだから遅いのよね…なんとか7年前にできないかしら」

216: 2017/01/10(火) 15:39:56.31 ID:qzpGalIH.net
おじさん「おーい」

善子「ごめんなさーい」

おじさん「どうしたんだ?」

ルビィ「ちょっとおさいふを」

おじさん「そうかい…さぁもう正門だ」

ルビィ「ふぇ…これが」

おじさん「窓口は右だからここまでだね」

善子「ありがとうございました」

おじさん「オムライス楽しみにしてるよ、じゃあ」

ルビィ「ばいばーい」

善子「ふぅ……とりあえず…周りを見てみるわよ」

ルビィ「うん!」

220: 2017/01/10(火) 21:00:05.74 ID:ariKWBXf.net
善子「これが窓口…荷物としてならここに入る」

ルビィ「食べ物としてなら直接いけたのかな?」

善子「………あっ!!?」

ルビィ「?」

善子「いや……」

そういえばエレベーターに届けてくれるって書いてあったような…あのまま乗ってても良かったのかしら?…

ルビィ「?」

善子「……ごめん」

ルビィ「どうしたの?」

善子「もしかしたら……ごめん」

221: 2017/01/10(火) 21:04:04.81 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「いいよべつに…わかんないけど」

善子「……入れるところを探すわよ」

ルビィ「ここも入ろうと思えば入れそうだね」

善子「そうね…」

ルビィ「窓口の職員さんはふたり…」

善子「……」

222: 2017/01/10(火) 21:08:12.12 ID:ariKWBXf.net
善子「は…はろ~」

ルビィ「こんにちは…出前ですぅ」

窓口①「はい?出前?」

善子「う…動かないで!本物の銃よ」チャキ?

窓口「ひっ」✋

ルビィ「入りますね」

ガチャ

窓口②「な……何が目的ですか?」プルプル

ルビィ「その制服…中の職員さんも一緒ですか?」

窓口①「は…はい」

善子「それ貸して」

窓口①「?」

ルビィ「その服を貸してください」

223: 2017/01/10(火) 21:12:25.10 ID:ariKWBXf.net
善子「あとガムテープとかないかしら?あなたたちを縛るのに使いたいんだけど」

窓口①「は…はい」

ルビィ「服脱いでくださいね」

窓口②「………」ヌギヌギ

善子「ごめんなさい…」ベリベリ

窓口②「う…あなたたち…何を」ギチギチ

ルビィ「ごめんなさぁい」

窓口①「何をしてるかわかってるの?若いのに」ギチギチ

善子「じゃあしばらくじっとしてて…窓口も今日は閉鎖ってことで」

224: 2017/01/10(火) 21:15:13.05 ID:ariKWBXf.net
善子「ふぅ…」

ルビィ「善子ちゃん上手いね!まるでテ口りスト!」

善子「…なんか複雑ね」

ルビィ「どうすればいいかな?」

善子「入っちゃったのよもう…とにかく送る物資と年代指定!」

ルビィ「じゃあ探さないとね」

善子「とりあえずあっちね…正門から遠い方が匂うわ!」

トットットット

225: 2017/01/10(火) 21:21:02.54 ID:ariKWBXf.net
「お前たち!」

ルビィ「ひゃい!!?」

職員「何をしてる!ちゃんと持ち場に戻れ!」

善子「は…はいすみません」

職員「……お前たち…どこの所属だ?若いな」

ルビィ「えっと…」

善子「そ…その…は…搬入です!今日の実験で送る荷物の」

職員「…………」

ルビィ「うゅ………」

職員「…じゃあ早く倉庫に戻れ!」

226: 2017/01/10(火) 21:24:13.17 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「えへへ…ラッキーだね、倉庫まで教えてもらって」

善子「この私がいながら…」

ルビィ「とりあえず倉庫はわかったね」

善子「あとは…年代指定…どうすれば…」

ルビィ「あのおじさんのところだよね」

善子「うん…だけどそれは…」

ルビィ「とりあえず探してみよう」

善子「そうね」

227: 2017/01/10(火) 21:38:43.38 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「うぅ…階段…長いよぉ」

善子「ストップ!」

ルビィ「うゅ」

善子「しっ……聞こえるわ……」

?扉?

おじさんの声「…………5年……に………」

ルビィ「ごねん?…」

おじさんの声「……ウィルス……7年…」

ルビィ「うゅ…わかんない」

善子「神は私たちの味方ね」

ルビィ「?」

善子「謎のウィルスで5年前だけが指定できないから送る物資を小規模にして7年前にするって…」

ルビィ「ええ?そんな都合のいいことが?!」

善子「わからないわ…誰かが私たちの味方をしてるのかも…それとも実験の邪魔をしようとしてるのか……でもこれを利用しない手はない!!」

228: 2017/01/10(火) 21:41:45.81 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「ってことは…あとはお荷物にはいるだけ?!」

善子「そう!」

ルビィ「やったぁ!」

善子「倉庫に向かうわよ!」

ルビィ「えへへ…お天道様はみてるんだね」

善子「ええ…しっかりね」

ルビィ「はやく入っちゃお!」

善子「うん!入っちゃえばこっちのものよ!」

229: 2017/01/10(火) 21:49:53.71 ID:ariKWBXf.net
…………………………………………………………………
????
善子「……実験用…この箱で間違いないわ!」

ルビィ「はやく入らないと」

善子「うーん…ふたりは入れそうに無いわね…」

ルビィ「………じゃあ……別々の箱だね」

善子「そうね…」

ルビィ「ばいばい…また…あとで」

善子「何よ…お別れじゃ無いわよ?」

ルビィ「うゅ…でも…箱の中で一人なんて寂しいよぉ…」

善子「大丈夫よ、7年前に着いたらすぐ会えるんだから、それに箱は隣よ?見えなくても隣にいるから」

ルビィ「……うん…じゃあ入っちゃうね」

230: 2017/01/10(火) 21:56:39.91 ID:ariKWBXf.net
善子「………」スッポリ

ウィルス…一体誰が…ここに来たときから気になってた…やっぱり誰か味方がいる…ダイヤ以外に

最初に起きた時も…人工冬眠の機械の故障で5年ちょっとで起きたなんて…
ダイヤが火を焚いてたのも…

それはダイヤの約束したある人?…今回のウィルスも同じ人?

ガタン

動き出した!……このままエレベーターに乗る…ルビィは大丈夫かしら…

232: 2017/01/10(火) 22:05:40.24 ID:ariKWBXf.net
ガコン

善子「…もう…エレベーターかしら…」

…………何かしら……

「ウィルス……とはいったものの実際はよくわかっていません…機密にアクセスした形跡は無く…ただ5年前だけ選べないのです」

「それならかまわんだろう…今日やる…それに今日は実験だ…送り届けたことを確認できればもっと大規模なことも行う…武器だけじゃない…人もな…」

「それまでに5年前を選べるようにしておけばよいですね?」

「ああ」

「それでは…」

「始めろ…」

233: 2017/01/10(火) 22:10:17.89 ID:ariKWBXf.net
善子「……」

ルビィは大丈夫かしら?怖がってるの?

ジジジジジ

「第一コンテナ…開始」

「続けて第二…」

ウィーーン

善子「…私のは…第五」

「第三………第四…」

善子「ふぅ…」

「第五……」

ガコン

234: 2017/01/10(火) 22:17:40.33 ID:ariKWBXf.net
ウィーーン

善子「ひゃあっ?!」フワッ

エレベーターだったのを忘れてたわ…それもすごいスピードで宇宙まで!

善子「っぐ…耳痛い…」

ウィンウィンウィン

善子「ぐっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ギンギン

頭が痛い…今までに感じたこともないくらいの…

善子「…っ…ふぅ…ふぅ…ぐぅ」ギンギン

身体も!!皮膚を裂かれてるような痛み!

善子「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」????

熱い!血が沸騰しちゃいそうなくらい…

235: 2017/01/10(火) 22:35:14.56 ID:ariKWBXf.net
…………………………………………………………

…………どれくらい時間がたったんだろう…

ここはまだ宇宙?…それとも過去にもどれた?

あれだけの痛みにも慣れちゃった……

善子「………っ……」ピクッ

あれ…?…動ける……それに 少し明るい

じゃあここは…7年前?…ルビィ!ルビィは先についたの?!

善子「かっ…げっ…おええええっ」ボトボト

236: 2017/01/10(火) 22:40:29.65 ID:ariKWBXf.net
そうだ…箱から出ないと…

善子「ふんっ」メリメリ

善子「……」

優しい光…これは…

善子「月明かり」

それに…ここは…草むら?…どうして……

善子「ルビィ!ルビィィィィィィ!どこーー?返事してーーー」

ルビィはどこ?まさか私を置いて行くなんてそんなことしないわよね?

238: 2017/01/10(火) 22:46:37.74 ID:ariKWBXf.net
善子「ルビィーーー!」

そうだ…ちょっと歩いてみようかしら…すこし座標がずれたのかも…

ザッザッザッ

善子「あっ……」

あれは…私が入ってたのと同じ箱!番号は

ザッザッザッ

善子「………第………一……」

周りには…これ以外見当たらない…

善子「……………ルビィ!!ルビィーーーーー!!!!!」

240: 2017/01/10(火) 22:50:51.21 ID:ariKWBXf.net
善子「はぁ…はぁ…ルビィーーーーー!!!!!」

怖い…ルビィに何かあったら……

ザッザッザッ

善子「ルビィーーーーー!!!!!」

いくら呼んでも返ってこない…これは…どういうことなの?…ルビィだけ送れなかったの?…

善子「………実験…」

そうだ……実験…まさか……

善子「…そんな…嘘よ…ルビィ!!返事しなさいよ!!寝る時間じゃ無いわよ!!ルビィ!!ダイヤが怒ってるわよ!!」

241: 2017/01/10(火) 22:58:00.13 ID:ariKWBXf.net
善子「…………うぅ…ぐっ…ルビィ…返事して…」ポロポロ

頭に浮かぶ…最悪の答えが…

善子「る…ルビィ…来てよぉ…はやく…?」ボロボロ

ここに…ルビィはいない……わからない…けど…

善子「ぐっ…うぅ…うっ…ルビィィ…」ポロリ

歩いても歩いても…ルビィが入ってた第四の箱は見当たらない…


「てめえ…何してやがる!!!」

242: 2017/01/10(火) 23:04:31.02 ID:ariKWBXf.net
善子「なによぉ!!」クワッ

謎の男「てめえ…その顔…忘れちゃいねえぞ糞野郎!!今ここでぶっ〇してやる!」

善子「なっ…誰よあんた!あんたなんか見たことないわよ!!」

謎の男「糞っ垂れ野郎…今すぐYZWカスタムで蜂の巣にしてやらぁ!!」ガチャ?

善子「え…」

まずい…銃を箱に忘れた…〇される!
まさかルビィもこいつに………

「やめなさい!」ポカッ

謎の男「いてっ」

243: 2017/01/10(火) 23:09:36.52 ID:ariKWBXf.net
優しそうなおばさん「大丈夫ですか?」

善子「は……はい」

謎の男「ね…姉ちゃん!邪魔するんじゃねえよ!」

優しそうなおばさん「こたろう…やっぱり私ひとりで行くべきでした」

謎の男「うるせえ!」

優しそうなおばさん「静かにしなさい!!」ポカッ

謎の男「ぐっ」

優しそうなおばさん「さあ車に乗って、ヨハネさん?…で合ってますよね?」

善子「え…」

誰?

244: 2017/01/10(火) 23:13:18.85 ID:ariKWBXf.net
優しそうなおばさん「こんにちは、私はこころと言います…さっき暴れてた猿が弟のこたろうです」

こたろう「誰が猿だ!!」

善子「……あなたたちは……誰なの?」

こころ「…………」

善子「ここはどこなの?ルビィがどこにいるか知ってる?」

こたろう「一度にそんなに質問するんじゃねえぞ糞ッ垂れ」

善子「あんたに聞いてないから!」

こころ「………教会についてからにしましょうか…」

善子「教会……?」

?ブロロロロロロロロロロロロ?

247: 2017/01/10(火) 23:17:51.41 ID:ariKWBXf.net
…………………………………………………………………

善子「こ……ここは……」

車に乗ってる途中から…見覚えのある風景だと思ってた…

でもまさか…ここが…あのことりが働いてた教会だなんて…

こころ「さあつきました…中へ」

善子「…………どういうこと…」

教会がある…ってことは…私は過去に戻れなかった……ってこと?…じゃあここには……ことりと海未がいるの?

こたろう「入れっていってんだよ糞ッ垂れが!!」

248: 2017/01/10(火) 23:21:29.34 ID:ariKWBXf.net
こころ「はじめまして…じゃ無いかもしれません…ヨハネさん…私たちはあなたのことを知っています」

善子「な…なにがどうなってるのよ!!ここ…教会なんでしょ?…ことりは?家に帰ったの?!」

こたろう「糞野郎!やっぱりぶっ〇し

こころ「こたろう」

こたろう「……チッ……俺は部屋に戻るぜ…」

こころ「そのほうがいいです」

善子「なんなの…いったい…もうなにがなんだか…」

250: 2017/01/10(火) 23:28:38.34 ID:ariKWBXf.net
こころ「ことりおねえちゃんは…20年前に死にました」

善子「え?」

こころ「海未さんがあなたたちを手伝ったことがバレて…」

善子「な…何を…だって…ここは?私はタイムスリップに失敗して…またここに」

こころ「!………なるほど…わかりました」

善子「は?何を」

こころ「ヨハネさん…あなた、タイムスリップに成功はしてるみたいですね」

善子「な…なにを…」

こころ「ここは未来ですよ…あなたたちが泊まりに来た日から…20年後の」

251: 2017/01/10(火) 23:34:42.53 ID:ariKWBXf.net
善子「……なによ……なによ!!適当なこと言わないで!!」

こころ「たまたまこたろうと麦泥棒を探して巡回してて…あなたを見つけました…」

善子「証拠…証拠は!!?なんで20年もたってるのよ!!意味わかんない!」

こころ「……この写真…知ってますよね?」

善子「っ…これは…昨日…お別れの前に撮った…」

こころ「あなたにとっては昨日ですね…でも見てみてください…この写真ボロボロなんですよ…なんでも海未さんがデータより紙で持ちたかったとか…」

善子「た……でも…あんたが適当に石で擦ったりしたんでしょ!!」

こころ「どうすればいいでしょうか…とりあえず…元ことりさんの家にでも行ってみますか?」

善子「何よ!元なんてつけて!!早く行くわよ!」

253: 2017/01/10(火) 23:40:16.78 ID:ariKWBXf.net
ピンポーン

こころ「鈴木さーんこころです!」

インターホン「あら、こころちゃん!いらっしゃい」

ガチャ

鈴木「こころちゃん……それにあなたは?」

善子「えっ…こ……ことり…海未…」

こころ「新しい教会の子です、挨拶に」

鈴木「あら、よろしくね」

善子「…………………」

こころ「すみません…まだ慣れてないみたいで」

鈴木「そう…」

こころ「今日はこれだけです、夜遅くに失礼しました」

鈴木「大丈夫よ、じゃあねこころちゃん」

バタン?

255: 2017/01/10(火) 23:46:19.63 ID:ariKWBXf.net
こころ「もうわかりましたか?ここはあなたの知ってる教会じゃありません」

善子「…………………」

こころ「こたろうは…ことりおねえちゃんが大好きでした…だからことりおねえちゃんが死ぬ原因になったあなたたちをひどく憎んでいます…」

善子「ん…な……そん……な……」ヘナヘナ

ルビィは居なくなった…タイムスリップは失敗したのか…何故か未来に飛んじゃった…ことりと海未は私のせいで死んじゃった……

善子「ああっ…うう…ぐっ…なんでぇ…なんでよぉ…?」ポロポロ

何もない…全部ダメ…ごめんダイヤ…ごめんルビィ…ごめんね…みんな…

257: 2017/01/10(火) 23:51:02.87 ID:ariKWBXf.net
………………………………………………………………

善子「……………………」

こころ「落ち着きましたか?最近になってお茶の葉の農家もできたので紅茶が飲めるようになりました」

善子「……………………」

こころ「とりあえず…ゆっくりうちで休んでください…ヨハネさんが喋りたくなったらまた続きをしましょうか」

善子「……………………」

こころ「寝室は…一番奥になります、元々倉庫だったのでちょっと窮屈ですけどがまんしてくださいね」

こころ「………ではおやすみなさい」

259: 2017/01/10(火) 23:57:41.72 ID:ariKWBXf.net
善子「…………………」

私のせいで…私のせいでことりと海未は死んだ……
ルビィは…消えた…

みんなの思いを…背負って人工冬眠して…私は…ダメだった…

ルビィのことも守れなくて…世界は何も変わらず20年進んじゃった…

それで私だけ…生きちゃった……


紅茶……冷めちゃったかしら…

喉乾いたわ……お腹も空いた……

からだが動かない…重い…金縛りにあってるみたいに…金縛りにあったことはないけど

260: 2017/01/11(水) 00:00:25.78 ID:o52jJ0B0.net
こたろう「うおっ……てめえ…まだ起きてやがったのか…」

善子「…………………」

こいつは…なんだっけ…忘れちゃった……

こたろう「糞ッ垂れ野郎驚かすんじゃねえぞ」

善子「…………………」

驚かせてなんかないわ…ずっと座ってたのよ…

こたろう「糞ッ垂れ野郎……姉ちゃんに迷惑かけんなよ!迷惑かけるなら出ていきやがれ畜生が!」

261: 2017/01/11(水) 00:08:37.96 ID:o52jJ0B0.net
…………………………………………………………………

善子「……………………」

外が明るくなった…もう朝なのね…といってもコロニーの偽太陽…思えば昨日の月明かりも偽月の光

こころ「あれ…ヨハネさん…もしかしてずっとそうしてたんですか?」

善子「………………………」

そうよ一晩中座ってたのよ

私馬鹿でしょ?ダメでしょ?全部失敗したのよ?たくさんの友達が私に賭けて…危険をおかして私を助けてくれたのに

こころ「あさごはんはなにかリクエストはありますか?今なら好きなものを作りますよ?」

善子「………………」

そうねぇ…昨日食べたけど…フレンチトーストが食べたいわ…
昨日はルビィがたくさんメープルシロップをかけたけど…あのくらいも悪くないわね、またたくさんかけようかしら

266: 2017/01/11(水) 00:20:47.09 ID:o52jJ0B0.net
こころ「はい!自信作です!フレンチトーストですよ」

善子「………………」

なんで……

こころ「今日はことりおねえちゃんの味に近づいたでしょうか、こたろうに聞いてみましょう」

善子「……………」

甘い香りが鼻の奥をつついてる…

善子「………」ピクッ

こころ「!………」

善子「………」パクッ

こころ「ふふふ」ニコニコ

善子「…っ……ふぐっ…うぅ…ああぁ…」ポロポロ



こたろう「おは………チッ…俺はまた寝るぜ糞ッ垂れ」

267: 2017/01/11(水) 00:24:24.94 ID:o52jJ0B0.net
こころ「ハンカチをどうぞ」

善子「……ごめんなさい」

こころ「いえいえ…」

善子「美味しかったわ…まあ…ことりのと比べたらすこし落ちるけど」

こころ「うぅ…まだまだ修行が足りませんか…」

善子「ごめんなさい…」

こころ「?」

善子「無視しちゃってて……私…こんなの受け入れられなくて…」

こころ「まあ…誰だってそうでしょう…」

268: 2017/01/11(水) 00:30:18.63 ID:o52jJ0B0.net
こころ「意外と早かったですね」

善子「?」

こころ「もっとずーっと落ち込んだままだと思ってました」

善子「私は今だって」

こころ「ずーっと口聞いて貰えないかもって思いました、そんな顔でしたよ」

善子「…そう…ひどい顔してたのね…私」

こころ「ことりおねえちゃんが治安維持局に連行される前の日…言ってたんです…もしもヨハネさんたちが帰って来たらうちに入れてあげてって」

善子「……ことりが」

こころ「こたろうはダメですね、ヨハネさんを〇そうとしちゃってますから」

269: 2017/01/11(水) 00:50:14.96 ID:o52jJ0B0.net
善子「……でも…私が悪いから…」

こころ「はぁ……これから…どうしますか?」

善子「…………何も考えてないわ…」

こころ「もうちょっと考えてください!」

善子「?……だって」

こころ「ことりおねえちゃんも海未さんももういません…でも…あなたのお友だちはそれだけじゃないですよね?」

善子「………」

まだ…決まったわけじゃない…ルビィはどこかにいるはず…

それに…わからないけど海未に調べてもらったら千歌と曜もコロニーにいる…

270: 2017/01/11(水) 00:55:57.75 ID:o52jJ0B0.net
善子「そうね…ルビィたちを探すわ…」

こころ「ですよね」

善子「……といっても…」

こころ「手がかりは全く、ありませんよね」

善子「何かしってるの?」

こころ「いえ、まったく」

善子「まあ…とにかく探す…」

こころ「ことりおねえちゃんがヨハネさんたちの為にお洋服を作ってました、もう20年も前のものですけど……よかったら着ていってくださいね」

善子「うん、ありがとう」

こころ「ほかに何かいるものがあったらいってくださいね」

271: 2017/01/11(水) 01:03:37.03 ID:o52jJ0B0.net
………………………………………………………………

善子「よしっ…」ズッ

こころ「もういっちゃうんですね…もう少しゆっくりしていっても」

善子「じっとしてられないの…」

こたろう「チッ……さっさと出ていきやがれブス」

善子「悪かったわね」

こころ「こら!」ボカッ

こたろう「ケッ」

善子「ありがとう…ふたりとも…迷惑かけてごめん…」

こころ「いえいえ」

善子「じゃあ行くわ??」

こころ「いってらっしゃーい?」

280: 2017/01/11(水) 23:02:46.08 ID:o52jJ0B0.net
善子「ふぅ!特別商業区ね」

?ブロロロロロロ「ヨハネさーん…やっぱり送りますよー」

善子「こころさん?!」

こころ「乗ってください!ここからリニアの駅までは歩きはキツいですよ」

善子「……ありがとう」

こころ「さあ」ガチャ

281: 2017/01/11(水) 23:09:24.58 ID:o52jJ0B0.net
?ブぉぉぉぉん

こころ「最後までこたろうが…ごめんなさい」

善子「いいのよ、気にしてないから」

こころ「お姉さまと戦争ではぐれてから…教会のことりおねえちゃんがお母さんの代わりで」

善子「私羊と戯れてたから教会の子たちほとんど覚えてないの…ごめんなさい」

こころ「ことりおねえちゃんが居なくなってからは…こたろうは…」

善子「……」

こころ「でも…昔はすなおないい子だったんですよ」

282: 2017/01/11(水) 23:15:19.56 ID:o52jJ0B0.net
こころ「必要なものは全部ありますか?足りないものがあれば買いますよ?」

善子「たぶん大丈夫よ、リニアの切符とお金と着替えがあれば」

こころ「大丈夫そうですね」

善子「本当にありがとう」

こころ「いえいえ……そろそろ駅ですよ」

?ブぉぉぉぉん

283: 2017/01/11(水) 23:20:04.01 ID:o52jJ0B0.net
??

こころ「それでは」

善子「こんなところまで…ありがとう」

こころ「いいんですよ、ことりおねえちゃんがいたらこうしたでしょうし」

善子「はは、なるほどね」

こころ「じゃあ、がんばってお友だちを見つけてくださいね」

善子「うん、さようなら」

こころ「さようなら~」?

ブロロロロロロロロロロロロ

284: 2017/01/11(水) 23:30:13.59 ID:o52jJ0B0.net
善子「………」キョロキョロ

善子「改札……あった」?

次は…15分後ね、それで商業区の駅まで20分…

善子「はぁ…」

千歌と曜がいる商業区…とりあえずそこで探そう

えっと…あれから25年だから……ふたりはもう40くらいか…見て分かればいいんだけど…

アナウンス「プーーー…マモナク…デンシャガトウチャクシマス」

285: 2017/01/11(水) 23:35:06.37 ID:o52jJ0B0.net
????

モフッ

善子「席?がふわっふわねぇ…」

善子「おっ…到着したら椅子が起こしてくれるのね!」

寝てなかったことをすっかり忘れてたわ

そんなこと考えてたら突然もの凄い睡魔が…

善子「ふぅ……」

286: 2017/01/11(水) 23:42:04.65 ID:o52jJ0B0.net
…………………………………………………………………

ブルルルルルル……ブルルルルルル

善子「んぐ……」スヤスヤ???

ブルルルルルル……ブルルルルルル

善子「ああ!もう!!!って………着いたのね……」

中途半端に寝ちゃったから余計に眠くなっちゃうわ……駅を出たら…とりあえず宿を探そうかしら…



善子「えっと……北口…南口…うぅーん……北!!」

北ね!なんとなく、南を選んだほうが良さそうだけどあえて北を選ぶことで不幸を避ける堕天使の上等テクニック!

287: 2017/01/11(水) 23:56:56.96 ID:o52jJ0B0.net
善子「わっ……」

たくさんのビルに大きなスクリーン…飲食店にデパート……あの看板には…スキー!?こんなところで?!
とにかくいろんな趣味とか娯楽の街なのかしら…

善子「……とりあえず…案内所的なところを…」

スポーツ…ゲーム…映画らしきもの…飲食店にいろんなお店…なんだかこっちも楽しそうね…

288: 2017/01/12(木) 00:04:44.59 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

「ありがとうございましたー」

善子「500円……安いわね…意外と」

でもコンビニで買えるガイドブック…あまり期待はしないほうが…

?パラパラ

善子「ホテル…旅館……400箇所!?」

多すぎるのよ…広いコロニーっていっても……
とりあえず…適当に安そうなところを…

そうだ…千歌は旅館の子だったっけ…

善子「………そんな…都合よくいかないわよねぇ…」

十千万だっけ…?パラパラ

289: 2017/01/12(木) 00:20:27.86 ID:vpdjn7eq.net
善子「…やっぱり…ないわよねぇ」

うーん……一番安いところにしよう…節約しないと…『民宿ワタミ』……なんか黒そうだけど…まあいいわよね

善子「ここから…バスで20分…はぁ」

バス停…駅に戻って待つのね…寝ないようにしないと…乗り遅れたらずっとそのまま寝ちゃいそう…

??

善子「………」ジロジロ

何あのピッカピカの靴…あんなのが流行ってるの?センスないわね…未来の人って

294: 2017/01/12(木) 10:17:40.20 ID:vpdjn7eq.net
…………………………………………………………………

??ブーッ

善子「ありがとうございました」チャリン

善子「………民宿……これかしら…?」

民宿和民

善子「うーん…漢字…ますます黒いわね…」

ガララララ

善子「すみませーん」

おばさん「はーいご予約の方ですか?」

善子「う…いえ…すみません」

おばさん「あら…ちょっと待ってくださいね」

295: 2017/01/12(木) 10:23:55.60 ID:vpdjn7eq.net
善子「……」

おばさん「大丈夫ですよ、一泊だけなら」

善子「本当ですか!?」

おばさん「一番奥の部屋になります」

善子「はぁーい」

トットットッ

ガララララ

善子「はぁ~疲れた…」

意外としっかりした部屋ね、とりあえずどうするか考えないと…

296: 2017/01/12(木) 10:28:47.99 ID:vpdjn7eq.net
善子「あっ…せんべい」

あんまり変わらないのね…そういうところは

バリバリボリボリ

なんにもないのよねぇ…手がかり…

でも千歌と曜は商業区にいる可能性が高いはず……生きてればだけど…

ルビィ…ルビィは………

善子「はぁ…」

まったくわかんない…この世界にいるのかどうかも…

善子「うぅーん…」グゥ~

297: 2017/01/12(木) 10:36:13.65 ID:vpdjn7eq.net
トットットッ

善子「すみません…ごはんって」

おばさん「500円追加で夕朝に出せますよ」

善子「なるほど…じゃあ5500円…」

おばさん「………7500円ですよ、2食つきで」

善子「ええっ!?そんなぁ!?一番安いんじゃないのぉ?!」

おばさん「………あぁ…もしかして…間違えたの?ワタミさんと」

善子「えっ!?ここって民宿ワタミじゃ」

おばさん「ごめんなさいね、ここ和民と書いてカズミンって読むの」

善子「えええっ!?」

298: 2017/01/12(木) 10:39:30.48 ID:vpdjn7eq.net
おばさん「もしかして…北口の17番バス乗り場からきたの?」

善子「は…はい」

おばさん「ワタミは南口の17番乗り場なの」

善子「うええっ!?」

嘘…やっぱり北口は失敗だったの……

おばさん「……ごめんなさいね…ワタミの方にいきます?今なら全然大丈夫ですよ」

善子「うぐ…いえ…今日はここに」

おばさん「ごめんなさいね」

2000円…痛いわね…

299: 2017/01/12(木) 10:44:15.83 ID:vpdjn7eq.net
おばさん「お昼ごはんなら近くにたくさんあるから…」

善子「はぁい…」

ガララララ

善子「はぁ…何食べようかしら…」

トボトボ

善子「ガイドブックには…えっとこの辺は…Bの9……何これ!?ラーメン屋ばっかりじゃないのぉ!!」

なんでこんなにラーメン屋が密集してるのよ…

300: 2017/01/12(木) 10:54:19.38 ID:vpdjn7eq.net
油そば本舗、ら~めん大好き倶楽部、火山、成層軒、竜の舞etc.…

善子「うぐぐぐ…竜の舞…が一番かっこいいけど…何これ…ほとんどモヤシじゃないの…それにこんなに食べられないわ…」

油そば本舗…これは…何?ラーメンなの?なんでラーメンカテゴリにあるの?

成層軒…ここは餃子がおいしいって書いてあるけど…まあマトモそうね…

火山…熱いのね、激辛ラーメン…辛さを1から10まで調節できるのね…ここも大丈夫そう

ら~めん大好き倶楽部…ここは…普通のラーメン屋さん…看板メニューにニラ…うま辛さ豚骨ニララーメン…たまねぎラーメン…

善子「…油そば…も美味しそうだけど…よくわからないし…山盛りモヤシは食べれない…」

301: 2017/01/12(木) 10:57:35.10 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

ガララララ

「いらっしゃいませー」

善子「………」

ら~めん大好き倶楽部…一番普通のラーメン屋さん…安そうだし…

「お一人様ですかぁ?」

善子「はい」

「カウンター席でよろしいですか?」

善子「構いません」

「じゃあ空いてるところにどうぞ」

善子「……」

302: 2017/01/12(木) 11:03:18.37 ID:vpdjn7eq.net
善子「…どれにしようかしら…」

しょうゆラーメン、みそラーメン、とんこつラーメン…どこにでもあるラーメンたちと餃子、チャーハン…
そこにやっぱり目立つのが…ニラとたまねぎ

「オススメはニララーメンにゃ」

善子「あっ…はい」

何この人…「にゃ」って……方言?「ずら」みたいな感じ?

ニラは…あんまり美味しくなさそうね…一応看板らしいけど…

善子「すみませーん」

「はいはーい」

善子「ニ……しょうゆラーメンと餃子を」

「………はぁい…しょうゆと餃子ですね」ショボ

303: 2017/01/12(木) 11:10:02.85 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

「しょうゆと餃子でーす」

善子「ありがとうございます………じゃあ……いただきます」

「若い女の子が来るなんて珍しいにゃ~」

善子「そ…そうなんですか」ツルルルル

善子「ぶっ…あっつ」

「むぎ茶だよ」カタッ

ゴクッゴクッ

善子「ぷふぅ…ありがとうございます」

「凛はお姉さんくらいの頃は…ら~めんの修行を始めたんだぁ」

善子「そ…そう…フーッフーッ」ツルルルル

304: 2017/01/12(木) 11:16:11.70 ID:vpdjn7eq.net
………………………………………………………………

善子「……………………」

「それでね、師匠が……」

長い!…食べ終わっちゃったんだけど!いつまでら~めん修行の話してるのよ!?

善子「あ…あのぉ」

「あっ…ごめんなさい…また喋り過ぎたにゃ」

善子「ご…ごちそうさまでした」

「お姉さんは旅の途中?」

善子「えっ?なんで…」

「なんとなく!」

善子「…まあ…旅って感じになるかもしれない…」

「そっかぁ!じゃあ困ったときは凛を頼ってもいいよ!」

善子「困ったこと…」

「そう!なんでも言って!!」

305: 2017/01/12(木) 11:24:12.82 ID:vpdjn7eq.net
善子「………」

「?」

善子「困ったことって言われても…」

「そんなに深刻なの?それともなんにもない?」

善子「うーん…そうねぇ…人を探してるのよ…」

「人を?」

善子「そう、でもなんにも手がかりがなくて」

「それなら…」

善子「それなら?」

「ずーっとエレベーターの方にいったところの科学特区との境の辺りに情報屋さんがいるらしいにゃ」

善子「情報屋さん?」

何それ…ゲームじゃないんだから…

「本当だよ!」

306: 2017/01/12(木) 11:27:44.65 ID:vpdjn7eq.net
善子「まあ…考えとくわ」

「がんばってね~」

善子「えっとしょうゆラーメンが550円と餃子が300円」

「はぁーい、ありがとうございましたー」

ガララララ

善子「……ふぅ、お腹いっぱいだわ…」

情報屋さん…なんかあんまり期待できないけど……まあどうしようもなければいってみようかしら

310: 2017/01/12(木) 19:09:26.84 ID:vpdjn7eq.net
善子「どうしようかしら…」

それっぽいところにいってみる?

でも…それっぽいところなんて…

とりあえず歩いてみようかしら…

テッテッテ

善子「………」

人…多いわね………歩いても歩いても人か…よく分からないお店…

しかもみんなあのピッカピカの靴…眩しいのよ!!

311: 2017/01/12(木) 19:16:31.64 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………


善子「はぁ~」バタッ

あれから4時間…ずっと歩いたけど何も無し…
まあ仕方ないけど…

善子「足が痛い…」ゴロゴロ

柔らかいわねぇ…民宿のベッドは…

このまま寝ちゃいそう……

晩御飯まで一時間…このまま寝ちゃったらそのまま朝まで寝ちゃいそうだから我慢しないと……

312: 2017/01/12(木) 20:54:13.79 ID:vpdjn7eq.net
ずっとここで生きることになるのかしら…

元々25年後、つまり今の時代に目覚める予定だったとはいえ…5年しか経たずに目覚めて…そのまま失敗しちゃった……

しかもその事はバレてて…お世話になった人は〇されて……
そうなった以上警備はこの前よりずっと厳しくなってるだろうし…もうエレベーターへの侵入は……

それにエレベーターのタイムマシンはもう完成してるかもしれない…そしたらこの世界の戸籍がない私が合法的にのる手段はないし
そもそも一般人には使わせないだろうし…

善子「…はぁ…」

313: 2017/01/12(木) 20:59:17.47 ID:vpdjn7eq.net
ルビィ…みんな……とにかく会いたい………

善子「…!……そうだ……協力者…」

忘れてた…協力者…誰かわからないけどきっといる…私たちの味方…

その人は…20年経って生きてるのかしら…生きてるのなら話を聞きたい…

それで謝らないと…失敗したことを…

善子「……会わなきゃいけない人がいっぱいね…」

314: 2017/01/12(木) 21:06:15.36 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

善子「いただきまーす」

おばさん「ごはんのおかわりは無料ですよ」

善子「わかりました!」

ごはん、鰤の照り焼き、ポテトサラダ、味噌汁、りんごジュース、プリン

善子「へぇ~鰤、魚なんていたんだ」モグモグ

おばさん「お魚の養殖場ができたのは最近ですね」

善子「養殖場ねぇ……」モッモッ

おばさん「そう、農業区の地下にね」

善子「地下…排水口は…」

おばさん「?…そんなものもうずいぶん前に無くなりましたよ」

315: 2017/01/12(木) 21:08:58.52 ID:vpdjn7eq.net
善子「えっ?!」

おばさん「そこから不正にコロニーに来る人が問題になってましたから」

善子「じゃあ排水は?!」

おばさん「完全な循環システムが完成したんですよ」

善子「………」

じゃあ…もうここを出られないってわけね…

善子「そうだ…」

外はどうなってるんだろう…25年後はある程度復興が進んでると考えて25年後に目覚める予定だったらしいけど…

316: 2017/01/12(木) 21:11:54.44 ID:vpdjn7eq.net
善子「コロニーの外は…復興とか進んでるの?」

おばさん「そうですねぇ…最近になって外部の調査隊が設立されて…」

善子「!」

まだぜんぜん進んでないの?……信じられない…

おばさん「………あなた…ちょっと変じゃない?知らなすぎじゃ」

善子「うえっ!?…その…病気だったんです!ずっと寝たきりで…」

おばさん「そう、大変だったんですね」

善子「そ、そうなの…あはは…」

317: 2017/01/12(木) 21:23:13.22 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

♨チャポン♨

善子「…………」ソーッ

チャプ

善子「あっ!……たかいわね…」ジャブ

危なかったのかしら…?

にしても全然進んでないなんて…やる気あるの?…ずっと世界をこのままにしておく気?だとしたら…なんで…

外は…あのときのまま?…瓦礫の山…

考えるのは避けてたけど…ダイヤ…あれから20年経って…………

善子「……………暖かいわね…変わらないのはお風呂だけ…かしら」♨?♨

318: 2017/01/12(木) 21:37:34.84 ID:vpdjn7eq.net
…………………………………………………………………

善子「ああ~」サッパリ

今日はゆっくり寝よう…回ったのはこの北口側を大きくぐるっと、途中でちょっと路地をみたくらい
明日は南口側に行くわ…それで安い方のワタミに泊まろうかしら…

善子「えっと…朝ごはんは7時半…」

??カチッカチッ??

善子「おやすみ………って…ひとりだった…」

324: 2017/01/13(金) 15:35:32.91 ID:oz0fmL0t.net
…………………………………………………………………

善子「お…おはようございます」ウトウト

おばさん「おはようございます朝ごはんは出来てるのでどうぞ」

ごはん?、のり、味噌汁、鮭、ヨーグルト

善子「いただきます」

おばさん「一泊なので…10時までにお荷物を」

善子「はーい」モグモグ

325: 2017/01/13(金) 15:39:30.74 ID:oz0fmL0t.net
善子「よし、着替え、財布……」ギュッギュ

善子「………洗濯…ワタミの方は貸してくれるかしら…?…」

それともコインランドリー?コインランドリーなんてここにあるのかしら…



善子「じゃあ…ありがとうございました」

おばさん「はい、こちらこそね~」

善子「7500円ね」

おばさん「ありがとうございました~また来てくださいね~」

326: 2017/01/13(金) 15:46:15.17 ID:oz0fmL0t.net
善子「………………」

??「ブーン」

善子「駅まで20分…」

で南口にいって17番乗り場からワタミに
泊まれたら荷物を置いてまた町を歩く…

善子「はぁ…スニーカーでも買おうかしら…足が…」

また歩くなんて…自転車のレンタルとかしてないか調べてみよう…

327: 2017/01/13(金) 15:53:38.11 ID:oz0fmL0t.net
………………………………………………………………

民宿ワタミ

善子「小さい……のね」

まあ一番安いところだし…

?「アンアンッ!!」

善子「きゃっ」

?「アンッ!!」

善子「犬…何よもう…驚かさないで…」

?「アンッ!!アンアンッ!」

ガララララ

「あ~ごめんねトリュフぅ今ごはん持ってくるよ」

328: 2017/01/13(金) 15:57:38.19 ID:oz0fmL0t.net
善子「すみませ

「えっ!?」

善子「あっ」

「なんで~!!?」

善子「え」

「なんでなんでなんで!!?」

善子「あああ痛い痛い」ホッペブニブニ

「あっ…ごめん…」

善子「…あなた…」

「もしかして…善子ちゃんの娘さん?」

329: 2017/01/13(金) 16:04:32.02 ID:oz0fmL0t.net
善子「違うわよ!」

千歌「ええっ!?じゃあなんで!?昔のまんまだよ!!」

善子「あとで説明するわ……それより千歌……でいいのよね?」

千歌「そうだよ!高海千歌!42歳独身!心はまだまだ女子高生!!」

善子「……………」

千歌「……………」

善子「……年相応の振舞いをし

千歌「善子ちゃぁぁぁん…ちっちゃくてかわいいぃ」ギュウッ

善子「あわっ!千歌が大きくなったのよ!!」

331: 2017/01/13(金) 16:09:08.08 ID:oz0fmL0t.net
…………………………………………………………………

千歌「ほんとに…善子ちゃん…昔のまんま…かわいい…娘ができたみたいだよ…」ウルウル

善子「私にとっては昨日のことみたいだけど」

千歌「こーるどすりーぷ…だっけ?」

善子「そうね…で目覚めたら未来に来てたってわけ」

千歌「…まあ…いろいろあったからねぇ…とにかく…善子ちゃんが生きてて良かった!!」

善子「……そっちこそ…見つけられて良かったわ、千歌」

333: 2017/01/13(金) 16:13:48.76 ID:oz0fmL0t.net
千歌「そうだ!」

善子「?」

千歌「曜ちゃんがそろそろ帰って来るかも!!」

善子「えっ?一緒にいるの?」

千歌「そ!ふたりで民宿!……それとトリュフも!」

善子「あの犬?」

千歌「そうだよ!トリュフっていうの!」

善子「…まあ…うまくやってるのね」

千歌「それが……」

「たっだいま~」

334: 2017/01/13(金) 16:19:56.03 ID:oz0fmL0t.net
曜「わっ!!?」

善子「……………」

曜「よ……妖怪!?座敷わらし!?」

善子「…まあ…日本的には妖怪かもしれないわね…堕天使」

曜「………善子ちゃんの……娘さん?」

善子「違うわよ!」

千歌「善子ちゃんはこーるどすりーぷしたんだよ!」

曜「こーるどすりーぷ……」

善子「そう、だから25年前のまんまなのよ」

曜「うーん」ジロジロ

337: 2017/01/13(金) 23:06:26.85 ID:3uLt2KS/.net
曜「ちっちゃくてかわいいっ!!娘ができたみたいだよ!!」 ギュッ

善子「ふわっ!?」

千歌「あははは、よーちゃん私とおんなじこといってるー」

曜「で…どうしてこーるどすりーぷなんてしたの?」

善子「それは…」

千歌「タイムマシンを使って過去にもどって戦争のきっかけを無くすんだって」

曜「なるほど!…よくわらないけど」

善子「とにかく…ふたりが生きてて良かったわ…」

338: 2017/01/13(金) 23:12:07.89 ID:3uLt2KS/.net
千歌「私たちなりにみんなを探してるんだけど…お仕事もあってなかなか難しくて…」

善子「そうよね…」

千歌「私たち以外に会った?」

善子「ダイヤは…20年前目覚めた時に…私とルビィを助けてくれたわ…」

千歌「おおっ!ダイヤちゃんが!」

善子「でも今はわからない…コロニーの外に住んでたから……」

曜「……そっか…」

善子「マリーは…もういないって…ダイヤがいってた……」

千歌「…………」

善子「あとは……みんなわからない…20年前の友達に調べてもらって千歌と曜がここにいるのはわかってたけど…」

曜「……それで…ルビィちゃんは?別行動?」

339: 2017/01/13(金) 23:16:23.37 ID:3uLt2KS/.net
善子「……………」

曜「……………」

善子「ここに…20年前からここにくる時に…はぐれたの…」

千歌「…………お昼にしよっか!もうこんな時間だもん!」

曜「そ、そうだね!」

千歌「善子ちゃんゆっくりしていってね!お金はとらないよ!なんならずーっといてもいいよ!」

善子「ありがとう……」

曜「さっ!お料理お料理!」

341: 2017/01/13(金) 23:31:42.78 ID:3uLt2KS/.net
……………………………………………………………………

千歌「どうぞ~カレー??だよー」

善子「いただきまーす」パクッ

曜「千歌ちゃーん…私もお腹が空きましたー」

千歌「もー自分でよそって!!」

曜「はぁ~い」トットット

善子「ふたりとも…変わらないわね」モグモグ

千歌「そう?もうおばちゃんだよ?」

善子「そーいうことじゃなくて…」

トットット

曜「いただきまーす」

342: 2017/01/13(金) 23:38:20.83 ID:3uLt2KS/.net
善子「ふたりは…誰かに会えたりしたの?」

千歌「……全然…みんな…コロニーの外にいるのかなぁ…」

曜「そう…なのかな…善子ちゃんの話だと少なくともダイヤちゃん鞠莉ちゃん果南ちゃんは外にいたわけだし…」

千歌「………」

善子「…………」

曜「……コホン」

343: 2017/01/13(金) 23:41:51.95 ID:3uLt2KS/.net
曜「ごはん中くらい…楽しくしようよ」

千歌「そ…そーだねぇ」

曜「ここでひとつ!」

千歌「なあに?」

曜「この民宿の名前の由来を知ってるかね?」

善子「ワタミ…あの黒い」モグモグ

千歌「えっ?私知らないよ?曜ちゃんがいつの間にか決めたんだもん」

善子「知らないのぉ!?」

千歌「ほんとにほんとに!」

344: 2017/01/13(金) 23:45:02.68 ID:3uLt2KS/.net
曜「私と…千歌ちゃん…」

千歌「?」

曜「渡辺と…高海」

善子「まさか」

曜「ワタ(ナベ)と…(タカ)ミ」

千歌「うっ!嘘ぉ!?」

善子「そんな…」

曜「どう?すごいでしょ?」

千歌「すごい…今まで気づかなかったよ…」

曜「でしょ?だって言わなかったもん!」

345: 2017/01/13(金) 23:50:34.48 ID:3uLt2KS/.net
善子「………ごちそうさま」

千歌「おっ、どうだった?」

善子「とっても美味しかったわ」

曜「私もごちそうさまー」

千歌「とりあえず…今日はゆっくりしていきなよ」

善子「………そうさせてもらうわ…」

なんだか…ふたりと話してたら気が抜けてきちゃった…

千歌「あ!曜ちゃんお皿洗っといてね~」

曜「りょーかい!」

346: 2017/01/13(金) 23:57:23.60 ID:3uLt2KS/.net
善子「ふぅ」ゴロゴロ

千歌「大変だったねぇ」

善子「…まあね…」

千歌「私はここでしか働いてないけど…曜ちゃんは二日おきにタクシーの運転手さんもやってるの」

善子「タクシーの…」

千歌「だからここにも詳しいよ……まあ…それでも今まで誰にも会えなかったんだけど…」

347: 2017/01/14(土) 00:05:38.51 ID:aCRSoB9E.net
千歌「だから…私も曜ちゃんも…善子ちゃんが来てくれてすっごく嬉しいな」

善子「千歌……」

千歌「これからどうするの?……ルビィちゃんを探して…」

善子「……………」

千歌「エレベーター…二回も侵入される事件があって警備はものすごいらしいよ」

善子「……」

千歌「もし良かったら…私たちと一緒に暮らさない?ルビィちゃんも一緒に」

善子「……………」

348: 2017/01/14(土) 00:09:29.26 ID:aCRSoB9E.net
曜「お皿!洗い終わりました!!」

千歌「おっ!ありがとー!」

曜「さーて、今日は善子ちゃんもいるから三人でお昼寝だね!」

善子「お昼寝……ここ民宿でしょ…仕事は」

千歌「それが…」

曜「昔はかなり儲かったんだけどねぇ」

善子「?何かあったの?」

千歌「…何かあったっていうか…」

349: 2017/01/14(土) 00:12:53.81 ID:aCRSoB9E.net
曜「なにもなかったっていうか…」

善子「…………」

千歌「えへへ…まあ…二日に一回くらい来るし…」

善子「………」

曜「………寝よう…」

千歌「そうだね……」

352: 2017/01/14(土) 11:39:48.60 ID:aCRSoB9E.net
曜「…………」スヤスヤゴロゴロ

善子「ねえ」

曜「んぅぅぅ…」スヤスヤ

善子「ねえってば!」

曜「なぁにぃ?…まだお昼寝の時間だよ?」ウトウト

善子「タクシーの運転手なんでしょ?」

曜「………そうだけど…それがどうしたの?」

善子「情報屋さんって知ってる?客から聞いたりとかしてない?」

353: 2017/01/14(土) 11:46:39.59 ID:aCRSoB9E.net
曜「……私も…噂なら聞いたことあるよ…」

善子「じゃあ…会ったことはないのね…」

曜「私も…仕事しながら私なりに探してはいるんだけど…」

善子「エレベーターの近くの科学特区の境目の近くにいるらしいんだけど」

曜「あぁそれも聞いたな…本当にいるのかなぁ…」

善子「明日…探しに行こうと思うの」

曜「……そっか…手伝うよ」

結局手がかりになるものはなにも無くて…存在するのかもよく分からない情報屋に頼るしかないのね…

355: 2017/01/14(土) 12:30:18.41 ID:aCRSoB9E.net
……………………………………………………………………

千歌「それではぁ!!善子ちゃんが来たことをぉ」

曜「かんぱーい!!」?

カンカンッ

千歌「はやいよぉ!!」?

曜「………ぷはぁ」

千歌「からあげいーっぱい作ったよぉ?」

善子「じゃ、いただきまーす」

曜「善子ちゃんも飲むぅ?」

善子「嫌よ!それビールでしょ!!」

曜「まあまあ~そんなお堅いこと」

千歌「だーめ!!」パシッ

曜「あべっ」

千歌「善子ちゃんはぶどうジュースだよぉ」

356: 2017/01/14(土) 12:37:52.94 ID:aCRSoB9E.net
曜「ヤア!ヤア!」

千歌「もー!曜ちゃん!!」

曜「ヤア!ヤア!」

千歌「うるさぁい!!」ドンッ

曜「ばっ」㌧

善子「…………」

千歌「ごめんね…曜ちゃんアルコールが入るとすぐ暴走しちゃうの…」

善子「そう…なのね」

曜「…………」zzz

善子「嵐のようね…」

千歌「あはは……起きたらちゃんと反省してるから大丈夫だよ……
明日はまたルビィちゃんを探しにいくの?」

357: 2017/01/14(土) 12:45:04.59 ID:aCRSoB9E.net
善子「そうね……噂に聞いてた情報屋さんを探そうと思うの」

千歌「そっかぁ…私にも何かできることはないかな」

善子「……ここにも泊めてもらえるだけで助かるわ」

千歌「ごめんね…」

善子「いいのよ…会えただけで」

千歌「…そっか!」

善子「からあげ美味しいわよ」

千歌「ありがとー、お風呂出来てるからいつでもどーぞ」

359: 2017/01/14(土) 12:53:25.82 ID:aCRSoB9E.net
……………………………………………………………………

曜「昨日は…ごめんなさい!」

善子「…………」

曜「千歌ちゃんに聞きました…私が大暴れしたと」

善子「大暴れってほどじゃ」

曜「反省してます…もう昨日のようなことはしません!」

善子「別にいいわよどっちでも…」

千歌「だーめ!いっつも私が片付けるんだよ!!」

曜「ごめんなさい!」

360: 2017/01/14(土) 12:58:44.09 ID:aCRSoB9E.net
千歌「今日は善子ちゃんを車に乗せてルビィちゃんを探すのを手伝ってあげてね!」

曜「元々その予定だよ」

千歌「ならよろしい」

曜「じゃあさっそく!!」

善子「ええ」

千歌「いってらっしゃーい!」

361: 2017/01/14(土) 13:32:30.38 ID:aCRSoB9E.net
……………………………………………………………………

?ブォォォォォォォン

曜「ちなみに善子ちゃんは誰から聞いたの?情報屋さんの話」

善子「…前に泊まってた民宿の近くのラーメン屋さんで聞いたの」

曜「へぇ~」

善子「………昨日ビール飲んでたけど…車運転していいの?」

曜「…………ちょっとまって………フゥーッ」

ピピッ

曜「オッケー!」

善子「そのたまごっちみたいなのでアルコールがはかれるのね」

曜「たまごっち…懐かしいね!」

362: 2017/01/14(土) 14:57:43.63 ID:aCRSoB9E.net
曜「…この辺かなぁ?」

善子「……こっちの方は…雰囲気が違うわね」

曜「そうだねぇ…まだまだ小さな善子ちゃんには悪影響かも、車止めてくるから待ってて」

善子「うん」

目の前に大きなエレベーターが立ってる…
並んでるお店は…駅の近くとかコロニーの外側みたいな華やかなものはないけど…違う意味で派手なピンクの看板やらなにやら……
人もおじさんと派手な女の人ばっかり…

曜「止めてきたよ!」

363: 2017/01/14(土) 15:01:29.09 ID:aCRSoB9E.net
善子「……ほんとにこんなところに情報屋が…」

曜「わかんない…まあ探してみよう」

善子「そうね」

曜「そうだ!はぐれたらいけないからはい」

善子「なにこれ?携帯?」

曜「そう、私はお仕事用の無線でプライベートの携帯と繋げるから私の携帯持っててね」

善子「ありがとう」

曜「じゃあとりあえずあるいてみよー!」

364: 2017/01/14(土) 15:08:05.83 ID:aCRSoB9E.net
善子「うわ…これって風

曜「ダメー!見ちゃダメ!!まだ16歳でしょ!!」バッ

善子「ふぐぐモゴモゴ

曜「はぁ、ダメだった、失敗だった…まだこんなにかわいい善子ちゃんをこんなところに連れてくるなんて」

善子「ぷはっ!仕方ないでしょう!」

曜「そーだけどぉ」

善子「………なんか…それっぽいものはまったく見当たらないわねぇ」

曜「そうだねほとんど風…いかがわしいお店だよ」

365: 2017/01/14(土) 15:16:42.24 ID:aCRSoB9E.net
善子「あれは?セーフでしょ?」

フルーツパーラーあやせ

曜「フルーツパーラー…すごい目立つね…ここだと」

善子「入ってみるわよ!」

曜「うーん…まああそこなら」

ガララララ

「いらっしゃいませ」

曜「あの~」

「かわいらしいお客さんね、親子かしら?」

366: 2017/01/14(土) 15:20:08.28 ID:aCRSoB9E.net
善子「ち」

曜「そうです!かわいいでしょう?」

「ふふふ、あまり似てないわね」

善子「……………」

「さ、カウンターに座って」

曜「あのぉ」

「どうかしたの?」

曜「ここの近くに情報屋さんがあるって聞いたんですが」

「…………なるほどね…知ってるわよ」

善子「本当!?」

367: 2017/01/14(土) 15:28:21.23 ID:aCRSoB9E.net
「科学特区の境目の壁よ、行けばわかるわ」

曜「本当ですか!?ありがとうございます!」

善子「やったわ!」

曜「せっかくだし何か頼もうか」

善子「じゃあこのいちごのババロア!」

曜「うーん…このみかんジュレってやつにしてみようかな」

「承ったわ!少々お待ち下さい」

369: 2017/01/14(土) 15:39:26.38 ID:aCRSoB9E.net
曜「こんなにあっさり見つかるとはねえ」

善子「まあいいじゃないの」

「お待ちどうさま、いちごのババロアとみかんジュレよ」

曜「わーい、いただきまーす」

善子「いただきます」

曜「美味しい~」ジュルッ

善子「おいしいわね♪」モグモグ

「新鮮なフルーツよ、毎朝農業区から直送!」

371: 2017/01/14(土) 15:43:38.99 ID:aCRSoB9E.net
曜「ビックリしました、まさかこんなところにフルーツパーラーがあるなんて…」

「そうね、表ではここだけよ」

善子「どうしてここで始めようとおもったんですか?」

「実は昔駅の方でやってたんだけどうまくいかなかったのよ、それであえてここでやったらたくさん人が来てくれるんじゃないかと思って」

曜「なるほど!」

善子「やるわね」

372: 2017/01/14(土) 15:47:17.47 ID:aCRSoB9E.net
…………………………………………………………………

善子「ごちそうさま」

曜「おいしかったです!」

「またいつでも来て。朝の方がフルーツが新鮮でいいわよ」

善子「いちごのババロア…1200円ね」

曜「いいよ~私がだすから」

善子「え?出すわよ?」

曜「いーの、はいみかんジュレとあわせて2500円」

「ありがとうございました」

373: 2017/01/14(土) 15:50:12.60 ID:aCRSoB9E.net
曜「ふぅ…じゃあ壁まで!」

善子「そうね」

曜「競争だぁ!」

善子「ええっ!?」

曜「冗談だよ」

善子「………」

曜「あっ!ここもダメだよ!見ないでね!」

善子「何を今さら…」

374: 2017/01/14(土) 16:01:39.82 ID:aCRSoB9E.net
曜「ふぅ…壁に来たけど……」

善子「壁ね」

曜「何も無いね」

善子「なんでよぉ!?騙したの!?」

曜「とりあえず歩いてみようよ」

善子「もぉ…壁じゃない……」

曜「おっ、おしゃれな落書き」トットット

善子「行けばわかるって…壁しか……ん?」

あのマンホール…

375: 2017/01/14(土) 16:05:43.53 ID:aCRSoB9E.net
「ひゃあぁぁぁぁあああああ」

曜「何っ!?」

曜「あれ……善子ちゃん?…善子ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん」

━━━━━━━━━━━━━━━━━

善子「いったぁぁぁぁい」ヒリヒリ

マンホールの周りがつるつるしてて滑って落っこちちゃった……

善子「ここは…」

何……マンホールの中に落ちたのに…人がたくさんいる…それにお店みたいなのもたくさん……

ザワザワ

376: 2017/01/14(土) 16:08:43.53 ID:aCRSoB9E.net
プルルル

善子「あっはい」

電話「善子ちゃん!?よかったぁ…今どこ!?」

善子「なんか…マンホールの中に」

電話「マンホールの中ぁ!?ちょっと待ってて!すぐ行くよ」プツッ

善子「……………」

マンホール…排水口?…なら循環システムがどうこうで使われなくなってたはず…
それで利用してるのかしら…

曜「うわぁぁぁぁぁぁぁ」ドサッ

380: 2017/01/14(土) 23:33:43.13 ID:aCRSoB9E.net
曜「いったたた……あっ!善子ちゃん!大丈夫?怪我は?」

善子「問題ないわ…それより」

曜「わっ!?何ここ…」

善子「地下にこんなところがあったのね…」

曜「……25年もコロニーに住んでて初めて知ったよ…」

善子「ここに例の情報屋さんがいるってことよね…」

曜「そう考えたほうがいいね」

381: 2017/01/14(土) 23:40:11.11 ID:aCRSoB9E.net
曜「すごいねぇ…お店もあるし…机と椅子もたくさん…」

善子「じゃあ情報屋さんを探しましょう」

曜「うん」

善子「といっても…」

曜「大丈夫!」

善子「?」

曜「すみませーん」トットット

おっさん「あ?どうしたんだ姉ちゃん」

382: 2017/01/14(土) 23:42:38.97 ID:aCRSoB9E.net
曜「あの…私ここに来たの初めてなんですけど」

おっさん「そうかい、どうしてこんなところに?」

曜「情報屋さんの噂を聞いて」

おっさん「ああ、なるほどな、それならここから右に50歩ほど進んだところにあるバーに行きな」

曜「本当ですかぁ?ありがとうございます」

おっさん「オウ、気を付けろよ」

トットット

曜「ここから右に50歩くらいのところのバーだって」

善子「……ここでは情報屋さんも有名なのね」

383: 2017/01/14(土) 23:46:38.98 ID:aCRSoB9E.net
テクテクテク

曜「46,47,48,49………」

善子「50!!」

曜「ここ?」

善子「みたいね」

曜「名前は…書いてないね…この数字は電話番号かな?」

善子「とりあえず入ってみるわよ」

曜「あっ…善子ちゃんまだ子供だからバーなんて」

善子「今さら何いってんのよ」

曜「あはは、冗談だよ。さあはいろう」

384: 2017/01/14(土) 23:59:28.57 ID:aCRSoB9E.net
?チリンチリン?

「いらっしゃいませ」

この人が情報屋さん?…帽子をかぶってるしサングラスみたいなのをかけてて顔がよく見えないわね…

曜「ふたりです」

「……!……………」 ガクッ

善子「大丈夫ですか?」

「えっ…でも………」

曜「?」

「そっか…そうだ…経ったんだ…25年」

善子「えっ?」

386: 2017/01/15(日) 00:17:41.42 ID:LG2pRTtS.net
「たぶんだけど…善子だよね?…それと…もう一人は曜かな?」

ペタペタ

曜「ひゃっ?!えっ!?」

「曜…良かった…」ギュッ

曜「ふわっ!?…もしかして…か…果南ちゃん!?」

善子「えっ!?」

果南「良かった…壊れてなかったんだ…生きてたんだ…」

善子「むっ…」ギュムッ

これは……ハグ!?

387: 2017/01/15(日) 00:21:41.52 ID:LG2pRTtS.net
果南「……ルビィは?一緒に目覚めたんでしょ?」

善子「……」

曜「果南ちゃん…どうしてこんなところに…」

果南「それは話すと長くなるんだけど」

善子「というか…情報屋さんって…」

果南「ああ、それは私じゃないよ」

曜「ええっ!?」

果南「情報屋……ふたりが探してる情報屋さんなら…奥の部屋にいるよ」

389: 2017/01/15(日) 00:33:10.77 ID:LG2pRTtS.net
果南「はいりますよ」

ガチャ

「何?」

果南「情報屋…って呼ばれてる……にこさんだよ」

にこ「さんはいらないっていつも言ってるでしょ!!」

善子「あなたが…」

にこ「ふぅーん…ちんちくりんね…」

果南「このふたりは…私の昔の友達なんだ」

にこ「ええっ!?」

曜「そうです…」

390: 2017/01/15(日) 00:41:21.30 ID:LG2pRTtS.net
にこ「……果南……あんた…友達を探してここまで来たんでしょ…積もる話があるんじゃない?」

果南「それは…」

曜「友達をさがして?」

にこ「そ、果南はチカ、ヨー、リコ、マルとかいう人を探してコロニーに違法侵入してきたのよ」

曜「私たちを!?」

果南「そ……それで死にそうになってたところをにこさんに助けてもらったんだよ」

善子「……大丈夫なの?…汚染…モロに浴びてたんじゃ」

果南「それも地下の医者にみてもらって…目は見えなくなったし髪も無くなったけど…」

391: 2017/01/15(日) 00:42:03.41 ID:LG2pRTtS.net
にこ「……果南……あんた…友達を探してここまで来たんでしょ…積もる話があるんじゃない?」

果南「それは…」

曜「友達をさがして?」

にこ「そ、果南はチカ、ヨー、リコ、マルとかいう人を探してコロニーに違法侵入してきたのよ」

曜「私たちを!?」

果南「そ……それで死にそうになってたところをにこさんに助けてもらったんだよ」

善子「……大丈夫なの?…」

果南「地下の医者にみてもらって…目は見えなくなったし髪も無くなったけど…」

392: 2017/01/15(日) 00:50:29.63 ID:LG2pRTtS.net
果南「22か23年前にダイヤたちと別れて…みんなを探しに…」

曜「そ…そうだったんだね……」

善子「…………………」

果南「大丈夫?」

善子「……なんか…何をいえばいいのか…」

果南「ふふ、私もだよ」

にこ「で…私に用ってなに?」

善子「………人を探してるの」

393: 2017/01/15(日) 00:55:37.59 ID:LG2pRTtS.net
にこ「人を…」

善子「ルビィ……黒澤ルビィっていう」

にこ「……どんな人なの?外見の特徴とか」

善子「真っ赤な髪で…翡翠色の瞳…背は私とほぼ同じくらいで」

にこ「…………私はね…わけあって情報を集めてるうちに…いつの間にか情報屋なんて呼ばれるようになったの」

善子「はあ」

にこ「だから私は何でもしってる訳じゃないわ」

善子「…………じゃあ」

にこ「私の知る限り赤い髪の女はふたりいるわ」

394: 2017/01/15(日) 01:02:45.07 ID:LG2pRTtS.net
善子「ふたり……」

にこ「そのうちどちらかがあなたの探してる人かもしれない…どっちも違うかもしれない」

善子「……」

にこ「ひとりは…23年前にエレベーターに侵入しようとして〇された人よ…戸籍不明で名前も不明…赤い髪だったっていうのも単なる噂でほとんどわからない」

善子「23年前…」

ことりや千歌の言ってた…私とルビィの前に侵入してた人…

にこ「もう一人は…私の妹が科学特区に行った時に少し話したって…名前は聞いてないらしいわ」

善子「!」

395: 2017/01/15(日) 01:11:48.98 ID:LG2pRTtS.net
曜「つまり…ルビィちゃんは科学特区にいるかもってこと?!」

善子「………」

果南「ルビィが?」

にこ「あんまり期待しないで…」

善子「………とりあえず…いかなきゃいけないところができたわね」

果南「そうだ!なんでルビィと一緒にいないの?」

善子「………それは…」

399: 2017/01/15(日) 09:46:53.08 ID:LG2pRTtS.net
…………………………………………………………………

果南「………なるほどね…つまり一回20年前に目覚めて…そのとき失敗しちゃったんだ」

善子「……」

果南「鞠莉は…死んじゃって…ダイヤも20年前に別れたっきりでわからない…千歌はちいさな民宿で曜と暮らしてて…ほかのみんなは行方不明…」

善子「………」

果南「…鞠莉…なんだかんだでしぶとそうだったけど…一番最初に…」

善子「……ごめんなさい…」

果南「何いってんの…善子のせいじゃないよ」

善子「でも…私が失敗しなかったら…」

果南「誰も善子を責めたりはしないよ」

400: 2017/01/15(日) 09:54:06.39 ID:LG2pRTtS.net
果南「…命をかけて戦って来たんだもんね……帰って来ただけで十分だよ」

善子「…」

果南「これからどうするの?ルビィを探して…千歌たちのところに暮らす?」

善子「…そんな…私のせいで死んじゃった人もいるのに…私だけ…」

果南「誰もそんなこと気にしないって…きっと20年前に助けてくれたダイヤも…農業区のふたりの女の子も…他のみんなも善子が普通に暮らすっていっても文句は言わないと思うよ」

善子「でもぉ…」

果南「いいの…もう危ないことしないでね…」

401: 2017/01/15(日) 09:59:59.59 ID:LG2pRTtS.net
曜「果南ちゃんが生きてて良かったよほんとに」

果南「私もにこさんに助けてもらえなかったらずっと昔に死んでたよ」

にこ「さんはいらないっていってるでしょ」

曜「ところで……ここってなんなんですか?」

果南「ここは元々排水口だったところを利用してるんだ」

にこ「たまたま埋められなかったのよ…それでここにコロニーでの戸籍の無い人たちが集まって暮らしてるのよ」

曜「へぇ~…コロニーでの戸籍が無い人って」

果南「そう、ほとんどは不法侵入した人」

曜「…………」

にこ「今は外から入るのはほぼ不可能だけど昔はたくさんいたのよ」

402: 2017/01/15(日) 10:06:53.16 ID:LG2pRTtS.net
善子「いちおう私もそうだし」ヒョコッ

曜「たしかに」

果南「上に住んでる人たちと協力しながらね」

曜「にこさんも外から?」

にこ「そうね」

果南「妹を探しに来たんだよね」

にこ「それで情報を集めてたのよ」

曜「見つかったんですか?」

にこ「ひとりはね…今は買い物にいかせてる」

曜「ひとり…ってことはほかにも」

にこ「そうよ、私含めて四人姉弟」

403: 2017/01/15(日) 10:13:15.50 ID:LG2pRTtS.net
善子「……………」

にこ「はぐれちゃったみたいなのよ…弟ともうひとりの妹は」

曜「大変ですね~」

にこ「ここあは運良くいい人に拾われたから普通に暮らせてたけど…こころとこたろうは…あの子達ふたりだけで……」

善子「えっ?」

にこ「……なによちんちくりんだんご」

善子「むっ……」

410: 2017/01/15(日) 22:18:26.15 ID:LG2pRTtS.net
にこ「………まさか…あんた何か知ってるの?」

善子「知ってるわ」

にこ「なっ?!こころとこたろうを!?」

善子「……良く見たら似てるような気がするわ目とか…いろいろ

にこ「教えなさい!どこで会ったの!!」

善子「農業区の教会よ」

にこ「んな……」

411: 2017/01/15(日) 22:22:42.66 ID:LG2pRTtS.net
善子「20年前に私とルビィを助けてくれたことりが教会で働いててそれで今はことりに育てられたこころさんたちが教会にいるってわけ」

にこ「………元気だった?」

善子「そうね…一応電話番号もあるけど」

にこ「教えなさいっ!!」

善子「あ……はい」

果南「……………じゃあ…私たちは席を外そうか?」

曜「そうだね」

412: 2017/01/15(日) 22:27:50.02 ID:LG2pRTtS.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

果南「何か食べる?」

曜「さっきフルーツパーラーに行ったんだけど………食べます!!」

果南「お酒もあるよ」

曜「じゃ

善子「やめて」

曜「はい……」ショボ

果南「?」

善子「……じゃあ軽く…たこ焼き!!」

果南「わかった」

413: 2017/01/15(日) 22:31:31.06 ID:LG2pRTtS.net
?チーーン?

果南「はいよっ」

曜「冷凍たこ焼き……」

果南「なっ…以外と美味しいんだよ!」

善子「じゃあいただきまーす」パクッ

曜「果南ちゃんはどうする?」

果南「どうするって?」

曜「いや…良かったら…私たちと暮らさない?」

414: 2017/01/15(日) 22:36:25.44 ID:LG2pRTtS.net
果南「………まあ…考えたんだけど…」

曜「………」

果南「ほら…目見えないし…迷惑かけちゃうよ」

曜「そんなこと!…一緒にいられるだけで」

果南「…にこさん、歩けないんだ」

善子「えっ?!」

果南「戦争で…やっちゃったんだって。外見的には治ってはいるけどもう動かないらしいんだって」

曜「それで…奥の部屋でずっと座ってたんだ…」

415: 2017/01/15(日) 22:44:14.77 ID:LG2pRTtS.net
果南「私も…目は見えないけど…できることはあるし」

曜「助けてもらった恩返しってことだね」

果南「ま…そういうことになるのかな」

曜「まあ!同じ町にいるんだからいつでも会える!こんどは千歌ちゃんも連れてくるよ!」

果南「おっ!千歌は20年ちょっとでどうなったかな」

曜「ぜんぜん変わってないよ」

善子「嘘よ、大きくなってるわ」

果南「見れないのが残念だな…千歌だけじゃなくてふたりも…」

曜「…………」

善子「……………」?パクッ

曜「ああっ!?善子ちゃんほとんどたこ焼き食べてるぅ!!」

416: 2017/01/15(日) 22:47:49.32 ID:LG2pRTtS.net
曜「ずるいよ!」

善子「いいじゃないの、私は育ち盛りなのよ」ペロリ

果南「あはは」

曜「も~」

善子「ふぅ…ごちそうさま」

果南「そろそろにこさん電話終わったかな?」

コンコン

417: 2017/01/15(日) 22:54:51.08 ID:LG2pRTtS.net
ドアのむこう「入らないで!!」

果南「……大丈夫?」

ドアのむこう「お代はいらないわ…だんごガールがまだいるなら……ありがとうって言っといて…」

果南「だってさ」

善子「だんごガール…」●

曜「どうしたのかな?」

果南「たぶん…泣いてるんじゃない?見られたくないのかも」

419: 2017/01/15(日) 22:59:27.13 ID:LG2pRTtS.net
ドアのむこう「聞こえてるわよ!!」

果南「あはは…」

曜「じゃあ…私たちは」

果南「うん、またいつでも来てね、こんどは千歌も連れてきて」

曜「千歌ちゃんならここに果南ちゃんがいるっていったら飛んでくるかも」

果南「そうだ……もし科学特区にいくなら…ここの地下道を通れば検閲がないよ」

善子「本当!?」

果南「うん、またおいで」

善子「ありがとぉ!!」

曜「じゃあね?」

果南「うん、バイバイ?✨」

421: 2017/01/15(日) 23:03:43.59 ID:LG2pRTtS.net
?ぶぉぉおおおおん

曜「いやぁ…驚いたね」

善子「まさか情報屋に果南がいるなんて」

曜「よかったね…本当に」

善子「ルビィの手がかりも見つかった…」

曜「科学特区…」

善子「会ったのは妹さんらしいから…妹さんに聞いてみるわ」

曜「そうだね…さーて急いで帰って千歌ちゃんに報告しなきゃ!」

423: 2017/01/15(日) 23:18:12.02 ID:LG2pRTtS.net
…………………………………………………………………

千歌「ええ~!!!!か………果南ちゃんが!?」

曜「そう、なんと情報屋さんと一緒に働いてたの」

千歌「う…うわぁぁぁぁぁ!!!」

曜「落ち着いて!!」

千歌「な…あ……か…」

曜「言葉になってないよ!!」

千歌「はっ!どこ!?」

曜「今日はこれからガスの点検がくるから離れられないでしょ」

千歌「で…でもぉぉぉぉ」

曜「私もすぐ行かなきゃいけないし…」

善子「留守番するわよ?」

曜「ガスの点検の支払いで身分証見せなきゃいけないんだよね…」

善子「あっ…」

424: 2017/01/15(日) 23:21:47.31 ID:LG2pRTtS.net
千歌「うわーーんずるいずるい!!」ジタバタ

曜「おばさんが大暴れ…」

善子「あんたもでしょ」

曜「うぐっ…」

千歌「ううぅ…」

曜「じゃ…じゃあ私はまたタクシーを」

千歌「いってらっしゃい……」

曜「帰りはいつもより遅くなるから晩ごはんはいいや」

千歌「うぅ…」

425: 2017/01/15(日) 23:38:29.10 ID:LG2pRTtS.net
千歌「…………」スヤスヤ??

善子「喚き疲れて寝たの?……ほんとに40台?」

ここで暮らす……

たしかに果南の言ったようにダイヤも…ことりも海未も…みんなも私がここで暮らすことを知っても怒らないと思う…
そんな人たち…
だけど…だからって…そう簡単に決められない…

そもそも自分の意思で世界を変えに未来に来た…これは私の問題…

諦めて…普通に暮らす自分を許せるか…

エレベーターに行くのが自〇行為なのもわかってる…だからって…

426: 2017/01/15(日) 23:40:24.67 ID:LG2pRTtS.net
ピンポーン

「ガスの点検に来ましたー」

千歌「ぐむ…」ウトウト

善子「千歌!起きて!ガスよ」

千歌「ふわ…はぁーい」

トテトテトテ

千歌「はい…はい…お願いします…あっ身分証…はい…1200円…」

427: 2017/01/15(日) 23:47:27.93 ID:LG2pRTtS.net
千歌「はぁ…今日はお風呂使えないってさ…」

善子「ガスね」

千歌「どっかお風呂いこっかぁ…」フーン

善子「そうね、いちおうガイドブック持ってるわよ」?

千歌「こんな時間だし車もないから…近くにしようね…あとついでにごはんも食べよう?コンロもダメだって…」

善子「調べてみるわね」

429: 2017/01/16(月) 00:16:54.60 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「お風呂…北口のほうまで行かないと」

千歌「ええっ!!」

善子「バスに乗るしか…」

千歌「あー…もうめんどくさい…タクシー呼んじゃお…」

ピッポッパ

千歌「あっ…民宿ワタミの高海と申しますがぁ…はいタクシーを…はいお願いしまーす」

善子「………」

千歌「近くのが来てくれるってさ」

430: 2017/01/16(月) 00:19:01.80 ID:Ic/7Qsdk.net
タクシー?プップー

千歌「あっ…北口のほうの……って曜ちゃん!!」

曜「わっ!!千歌ちゃんに善子ちゃん!!」

千歌「それがお風呂が使えなくってさぁ…」

曜「なるほど、それでお風呂に」

千歌「そういうこと」

曜「じゃあ乗って」

千歌「タダに…」

曜「うぐ…」

431: 2017/01/16(月) 00:21:57.49 ID:Ic/7Qsdk.net
?ぶぉぉおおおおん

千歌「いやーまさか曜ちゃんが来るとは」

善子「助かったわね、お財布も」

千歌「あっはっは、私運良いなぁ!」

曜「うぅ…お金がぁ…」ショボショボ

千歌「お風呂屋さんの近くにいいところないかなー」

善子「晩ごはんも決めないとね」

曜「この辺だったかな~」

432: 2017/01/16(月) 00:24:43.22 ID:Ic/7Qsdk.net
曜「ここら辺のはずだよ」

千歌「ありがとー!」

善子「感謝するわ♪」

曜「どういたしましてぇ…うぅ…じゃあね…また??✨」

?ぶぉぉおおおおん

千歌「さてと…あっ!!」

善子「あ…」

千歌「ラーメン屋さんがたくさん並んでる…」

善子「Bの9…すっかり忘れてたわ…ここがラーメン屋さんの集まりだなんて」

千歌「いったことあるの?」

433: 2017/01/16(月) 00:26:53.59 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「ええ、前にワタミと間違えて和民に泊まったときに」

千歌「じゃあ安心だね」

善子「?」

千歌「美味しいラーメン屋さん」

善子「えっ」

千歌「どれかな?」

善子「一ヶ所しかいってないわよ!」

千歌「じゃあそこにしよー!名前は?」

善子「ら~めん大好き倶楽部…」

434: 2017/01/16(月) 00:31:07.75 ID:Ic/7Qsdk.net
「らっしゃい!あっ!この前の旅人さん」

善子「ど…ども~」

千歌「こんばんは~」

「今日はお友達連れてきたのかにゃ?ずいぶん歳が離れてるね」

千歌「………この人……にゃって」ボソボソ

善子「方言よ」ボソッ

「?……とりあえず空いてるところどこでもいいよ~」

435: 2017/01/16(月) 00:33:28.68 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「どれがおすすめ?」

善子「私は…普通にしょうゆラーメンを」

千歌「うーん……このニラはどうかな?」

善子「さ……さあ?」

千歌「やっぱりみそ!!」

善子「すみませーん」

「はいはーい」

千歌「みそラーメンとしょうゆラーメンそれと…チャーハン半分こしよ?」

善子「いいわよ」

「ニララーメンは?」

千歌「大丈夫です」

「…………そっか……」

436: 2017/01/16(月) 00:36:59.57 ID:Ic/7Qsdk.net
…………………………………………………………………

「はい、しょうゆラーメンとみそラーメンとチャーハンです」

千歌「わあ!美味しそう!」

善子「いただきまーす」

千歌「いただきまーす!」

善子「………」ツルルルッ

千歌「おいしぃ~」ツルン

「ニラはもっと美味しいにゃ……」

千歌「みそもじゅーぶん美味しいですよ!」

「ありがとう……そうだ…旅人のお姉さん…探してた人は見つかった?」

437: 2017/01/16(月) 00:39:14.81 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「いや…でもあなたに教えてもらった情報屋さんからすっごい手がかりをもらったわ」

「ほんとぉ!?本当にいたんだ……それはよかったね」

善子「こちらこそ」つるる

千歌「ここで聞いたんだね」

善子「そうなのよ」

「ニララーメンが食べたくなったらいつでも呼ぶにゃ……」テトテトテト

千歌「ニララーメン…そんなに美味しいのかなぁ…」

438: 2017/01/16(月) 00:43:44.18 ID:Ic/7Qsdk.net
こちらこそ→ありがとう

………………………………………………………………

千歌「ごちそうさまー」

善子「ごちそうさまでした」

千歌「おいしかったです!チャーハンもラーメンも」

「こんどはニララーメンを食べてね…」

善子「…………」

千歌「えっと…じゃあ2000円で」

「はい…おつりだよ」

千歌「ごちそうさまでしたー」

善子「ごちそうさまでした」

「また来るにゃ…それで次こそはニラを」

ガラララ

439: 2017/01/16(月) 00:45:37.68 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「はぁ~お腹いっぱい…」

善子「チャーハン以外と多かったわね」

千歌「次はお風呂屋さん…」

善子「えっと…和民じゃない方にすこし歩けば」

千歌「あの煙突かな?」

善子「たぶんそうね」

千歌「よしいこう!」

440: 2017/01/16(月) 00:53:53.64 ID:Ic/7Qsdk.net
…………………………………………………………………

♨チャプン♨

千歌「ふぅ…落ち着くねぇ」ホンホン

善子「元々埼玉のなんとかっていう温泉だったところらしいわ…コロニーでは珍しく天然温泉みたい…」ホワホワ

千歌「えへへ…すごいねぇ……」

善子「なんだか眠くなっちゃうわ…」

千歌「善子ちゃん……」

善子「どうしたの?」

千歌「ルビィちゃんを見つけたら私たちといっしょに暮らす話…考えてくれた?」

善子「………わからない…」

441: 2017/01/16(月) 00:57:18.89 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「………」

善子「どうすればいいのか…わからないの……」

千歌「………そっか」

善子「……ごめん」

千歌「いいんだよ…別に急がなくても…まだルビィちゃんも見つかってないし…」

善子「……」

千歌「……………」

善子「……ごめんなさい」

千歌「いーのいーの気にしないで」

442: 2017/01/16(月) 01:00:43.17 ID:Ic/7Qsdk.net
…………………………………………………………………

千歌「……ぷはぁー、お風呂あがりのマミーはいいねえっ!」

善子「…」ゴクッゴクッ

千歌「さーてとっ、タクシー呼んどくよ」

ピッポッパ

善子「ぷはぁっ」

千歌「はーい、お風呂屋さんです!お願いしまーす」

ピッ

千歌「ちょっとしたら来てくれるって」

449: 2017/01/16(月) 10:58:16.56 ID:xVgKosJa.net
……………………………………………………………………

千歌「たっだいまー」

曜「あっ」コンビニベントーモグモグ

千歌「曜ちゃん!?帰り遅くなるんじゃなかったの!?」

曜「あっ…いやちょっとはやくなって…それよりお風呂は…」

善子「ガスの点検で明日の朝まで使えないわよ…」

曜「ええっ!?」

千歌「だから善子ちゃんと晩ごはん食べてお風呂入ってきたんだ~」ホカホカ

曜「えっ!?ずるい!!」

千歌「ごめんね」

451: 2017/01/16(月) 11:08:11.67 ID:xVgKosJa.net
曜「…………」スヤスヤ

千歌「曜ちゃん寝ちゃった…」

善子「疲れてたのよ…」

千歌「そうだね…朝から走り回ってたし」

善子「んーっ…はぁ~……私も疲れたわ…」

千歌「私たちも寝よっか」

善子「うん…おやすみ」

千歌「おやすみなさぁい~?✨」

452: 2017/01/16(月) 11:21:24.35 ID:xVgKosJa.net
…………………………………………………………

善子「…………」スヤスヤ

千歌「朝だよ~」

善子「……ぇ… …」

千歌「おはよう!」

善子「あっ……おはよう」ウトウト

千歌「朝ごはんできるから食べてね 」

善子「うん…いただくわ」

453: 2017/01/16(月) 11:25:53.55 ID:xVgKosJa.net
千歌「はぁーい」

ごはん?、のり、味噌汁、鮭、ヨーグルト

善子「……」

この前も同じもの食べたような……

千歌「どうしたの?気分悪いの?」

善子「いや…大丈夫よ、いただきます」

千歌「いまあったかいお茶出すね~」

善子「そうだ…曜は」

千歌「いまお風呂に入ってるよ」

善子「ああ…そういえば」

455: 2017/01/16(月) 11:32:51.32 ID:xVgKosJa.net
曜「お風呂入ってさっぱり全開ヨーソロー」ビシッ

千歌「うわっ!あがったの!?…それにそのよーそろー久しぶりに聞いたね」

曜「たぶん10年くらいいってません!!」

千歌「ほんとに!?」

曜「たぶん!でも善子ちゃんが来たので解放します!!」

善子「なんか懐かしいわね」

曜「へへ、そう思ってくれたら嬉しいな」

456: 2017/01/16(月) 11:36:35.04 ID:xVgKosJa.net
曜「今日はどうするの?」

善子「千歌は大丈夫?」

千歌「果南ちゃんに会いに行くから休業でーす!」

善子「なら千歌といっしょにまた地下に行くわ」

千歌「うわっ!今のはまさかぁ~?」

善子「……………」モグモグ

曜「そっか、送るよ」

千歌「ありがとー」

457: 2017/01/16(月) 11:43:09.42 ID:xVgKosJa.net
千歌「………やっぱり…私と地下をかけてるんじゃ」

善子「ないわよ!」

曜「あちゃー」

千歌「曜ちゃんは?」

曜「ごめんね、私は今日もお仕事だからいけないや…でもあそこまで送るくらいなら」

千歌「そっかぁ…ごめんね」

善子「…………ごちそうさま」

曜「じゃあ準備したら私に言ってね」

千歌「はぁ~い」

465: 2017/01/16(月) 22:52:16.22 ID:Ic/7Qsdk.net
……………………………………………………………………

千歌「はーい曜ちゃんおねがーい」

曜「おっ、さあ乗って乗って」

善子「いつも悪いわね」

曜「大丈夫大丈夫」

?ブブブブ

曜「じゃああのマンホールまで!」

千歌「はやくっはやくっ果南ちゃん果南ちゃん」

466: 2017/01/16(月) 22:54:54.26 ID:Ic/7Qsdk.net
曜「善子ちゃんは?」

善子「科学特区で見た赤い髪の人の話を詳しく聞くわ」

曜「そうだったね」

善子「そしたらあっちに向かうかも」

千歌「ええっ!?」

善子「大丈夫よ、ちゃんと帰るから」

千歌「え…え…本当に?絶対だよ!!?」

善子「うん、約束するわ」

467: 2017/01/16(月) 22:58:03.35 ID:Ic/7Qsdk.net
曜「お金持った?」

善子「たぶん…」

曜「いくらでもだすからいってね」

善子「…科学特区は20年前から変わってるかしら」

千歌「そうだねぇ…あそこは普通には入れないからわかんないなぁ」

善子「そっか…」

曜「そういえば前にルビィちゃんと一回いったんだっけ」

善子「そうね…あのときも十分未来の都市って感じだったけど」

468: 2017/01/16(月) 23:01:49.61 ID:Ic/7Qsdk.net
曜「地下の人たちに聞いてみればいいよ」

善子「うん、にこさんたちにも」

千歌「ルビィちゃん…すぐ見つかるといいな」

曜「うん…人がふえたらもっと楽しくなるもんね」

善子「………」

曜「……そろそろあのフルーツパーラーだから」

善子「じゃあこの辺で大丈夫よ」

曜「ごめんね、いってらっしゃい」

千歌「うん!またね?」

ガチャ

?「今日は晩ごはんおうちで食べるからね~」ぶぉぉおおおおん

469: 2017/01/16(月) 23:04:09.73 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「うわぁ…ここが例のみかんジュレのお店……」ジュルリ

善子「きょ…今日はいかないわよ?」

千歌「わかってるもん!はやく果南ちゃんのところにいこうっ!」

トットコトットコ

善子「あっ!待ってよぉ!」

千歌「へへっ善子ちゃん若いのにおっそーい♪」

スタコラ

470: 2017/01/16(月) 23:06:37.24 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「このマンホールよ」

千歌「ここから?」

善子「そう、入ったら地下の町よ」

千歌「なんだかワクワクしてきた…」

善子「…………」

千歌「じゃあお先に」スポッ



「うわああっ」ドサッ

善子「………大丈夫?」

「へいきへいきー早くきてー」

善子「それっ」スポッ

471: 2017/01/16(月) 23:09:24.37 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「うっ」ドサッ

千歌「すっごーい…広いんだね…」

善子「ぐ…」

千歌「どうしたの?」

善子「お…落ちたときに……おしりを…」ジンジン

千歌「あれま、大丈夫?」

善子「問題ないわ、行きましょう」

千歌「うん、早くいこう!」

472: 2017/01/16(月) 23:14:04.59 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「えっと…47,48,49,50」

千歌「?」

善子「そう!ここよ」

千歌「数字……へんな名前だね」

善子「ここに果南がいるわ」

千歌「はやく入ろうよぉ」

ガチャ

?チリンチリン?

473: 2017/01/16(月) 23:18:34.01 ID:Ic/7Qsdk.net
果南「いらっしゃーい」

善子「ハァイ♪堕天使が華麗に来店よ」

果南「おっ、善子と………」

千歌「だーれだっ?!」

果南「……………」

千歌「さん!にー!いち!」

果南「千歌………?」

千歌「せいかーーい!!」

果南「千歌……来てくれたんだ…」

474: 2017/01/16(月) 23:23:02.22 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「かーーなんちゃぁぁぁぁぁんっ」ギュッ

果南「元気そうだね」

千歌「ほんとはすぐに飛んで行きたかったんだけどごめんね」

果南「大丈夫だよ」

千歌「昨日はガスの点検で…」

果南「民宿やってるんだって?」

千歌「そうなの!もー大変でさぁ~」

善子「あっ私…奥の部屋でにこさんと話してくるわ」

千歌「はいよっ!」

果南「うん、いってきな」

476: 2017/01/16(月) 23:25:56.57 ID:Ic/7Qsdk.net
コンコン

善子「はいりますよ?」

ガチャ

にこ「あっ…あんたはだんごガール」

こころ「あっヨハネさん!!」

こたろう「チッ」

善子「えっ?!来てたの?!」

こころ「昨日電話があったので飛んできました!動物たちは鈴木さんに任せたので大丈夫ですよ」

477: 2017/01/16(月) 23:31:52.38 ID:Ic/7Qsdk.net
にこ「あんた…運の悪いだんごね」

善子「え?」

にこ「ちょうどここあは業務スーパーに買い出しに行ってるわ」

善子「えっ?ここあって」

にこ「赤い髪の女の子に会った妹よ」

善子「えええっ!?」

こころ「残念ですね」

善子「そんなぁ」

にこ「まあ大丈夫よ、詳しいことは聞いておいたから、特徴とかはメモに書いておいたから紙持ってさっさと帰りなさい」

善子「………わかったわ」

478: 2017/01/16(月) 23:33:27.42 ID:Ic/7Qsdk.net
ガチャ

果南「あれ?早かったね」

善子「メモをもらったから…」

果南「ま、久しぶりに姉弟が揃ったみたいだし水をさすようなことはね」

善子「そうね」

千歌「で!?それにルビィちゃんのことが!?」

善子「………たぶん」

479: 2017/01/16(月) 23:40:03.92 ID:kYmHU0s6.net
千歌「なになにぃ…赤い髪で…髪型は…結んでなくてなんか固そうで肩くらいまでの長さで……」

善子「身長はだいたい150~160」

千歌「地下から来たから心配してくれたんだって!危ないから帰れって、優しいんだね」

果南「………まだルビィっていうには弱い気がするけど」

善子「………とりあえず…会いに行かないと…」

千歌「そうだね、会いにいこー!!」

480: 2017/01/16(月) 23:40:47.05 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「なになにぃ…赤い髪で…髪型は…結んでなくてなんか固そうで肩くらいまでの長さで……」

善子「身長はだいたい150~160」

千歌「地下から来たから心配してくれたんだって!危ないから帰れって、優しいんだね」

果南「………まだルビィっていうには弱い気がするけど」

善子「………とりあえず…会いに行かないと…」

千歌「そうだね、会いにいこー!!」

481: 2017/01/16(月) 23:46:18.60 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「地下から科学特区までいくにはどうすればいい?」

果南「私は目が見えないから案内できないし…にこさんも妹たちと話してるから……ちょっと待ってて」

ピッポッパ

果南「あっ、果南でーす……はいありがとうございます…あの、科学特区までの道案内を……はい、友達の…はい、お願いします」

プツッ

果南「知り合いに頼んだよ、ここの向かいのお店のとなりの部屋に住んでる花陽さんって人のところに行きな」

善子「ごめん…ありがとう」

果南「いいってば…はやくルビィを見つけて来てね」

善子「うん」

482: 2017/01/16(月) 23:50:02.83 ID:Ic/7Qsdk.net
ガチャ

善子「ふぅ…向かいのお店の……」

千歌「おとなりさん」

善子「ひゃあっ!?」ビクッ

千歌「うわあっ!?」

善子「千歌ぁ!?」

千歌「もー!驚かさないで!!」

善子「それはこっちのセリフよ!!ついてくるの!?」

千歌「……善子ちゃんひとりじゃ心配だもん!」

善子「果南としばらく話してなさいよ」

千歌「大丈夫!果南ちゃんはいつでもあそこにいるもん!でも善子ちゃんはわかんないし」

善子「……そう…じゃあいっしょに行くわよ」

千歌「うん!」

483: 2017/01/16(月) 23:52:19.13 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「………小泉さん」

善子「……」

コンコン

善子「すみませーん」

ガチャ

花陽「あっ、あなたたちが果南ちゃんのお友達ですか?」

千歌「はい!」

花陽「科学特区までですね、準備するのでちょっと待っててください。あがってどうぞ~」

485: 2017/01/16(月) 23:54:46.08 ID:Ic/7Qsdk.net
花陽「小泉花陽です!よろしくね」

善子「堕天使ヨハネよ」

千歌「高海千歌でーす」

花陽「ヨハネさん、素敵な名前だね、外国の方ですか?」

善子「あっいや」

花陽「ちょっと待っててくださいね、炊飯器の中のごはんよかったらどうぞ~」

486: 2017/01/16(月) 23:58:18.78 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「いただきます」?

千歌「なんか思ってたのと違うね」

善子「地下の案内できるってくらいだからヤクザみたいなのを勝手に想像してたわ」モグモグ

千歌「うん、私も怖い女の人かと思った」

善子「………ごはん…美味しいわ」モグモグ

千歌「うわぁ…私も食べよっかなぁ」

花陽「お待たせしました!」

千歌「あっ」

487: 2017/01/17(火) 00:08:54.23 ID:gUtnB3C+.net
善子「ちょっとだけいただいたわ」

花陽「あっもっと食べていいんですよ?」

善子「大丈夫です」

千歌「じゃあ…」

花陽「はい、出発進行ですっ」

ガチャ

花陽「とりあえずしばらくまっすぐなので…人が多いのではぐれないようにしましょうね」

489: 2017/01/17(火) 00:15:01.28 ID:gUtnB3C+.net
ザワザワ

善子「花陽さんは何をしてるんですか?」

千歌「あなたもコロニーの外から?」

花陽「いえ、私は入居の権利を持っていたので住んでいました」

善子「!じゃあどうして地下に」

花陽「…ここができたばっかりのころに落っこちちゃったんです…そのころはまだ今ほど上にいかがわしいお店も少なくて…」

善子「……」

490: 2017/01/17(火) 00:19:17.06 ID:gUtnB3C+.net
花陽「にこちゃんはその頃からいたよ、果南ちゃんは…私が来てからちょっとしてからかな」

千歌「へえ~」

花陽「それからここに通うようになって…みんないい人ばかりなので」

善子「なるほど」

花陽「いつもは地下のみんなの戸籍とかの嘘の身分証とかを作ってるんです」

善子「嘘の身分証…?…大丈夫なの?」

花陽「簡素なものでDNAチェック用のチップとかはないんですけど…入れたらたぶんここが危ないし…
それでも上でやれることは増えるんでけっこうお金になりますよ」

千歌「なるほど~いろんなお仕事があるなぁ」

花陽「…あっ……この非常通路にはいります」

ギィ~

492: 2017/01/17(火) 00:24:22.53 ID:gUtnB3C+.net
善子「うわっ」

千歌「真っ暗だ!」

?カチッ?

花陽「ここを通ります…」

カツンカツン

善子「………」

千歌「ここはどこのしたかなぁ?」

花陽「今はどこかの研究所のしたですよ…」

善子「………」

花陽「ここに元々排水口だった出口が4つ並んでます、気をつけてくださいね、右から2番目が科学特区の地下街に通じてます、他のに入ったらぜんぜん違うところに出ちゃいますからね」

493: 2017/01/17(火) 00:30:02.34 ID:gUtnB3C+.net
トテトテトテ

花陽「……ここからですよ」

千歌「以外と近いんだね」

花陽「もともと境目に近かったので」

千歌「たしかに」

花陽「私は出てすぐのごはん屋さんにいるので帰るときは言ってね」

善子「悪いわね」

花陽「いえいえ、お友達を探すの…頑張ってくださいね」

497: 2017/01/17(火) 12:25:31.00 ID:GDr7StvA.net
千歌「……さて、どうしよっか」

善子「地下街のことを知ってるのよね」

千歌「うーん…私も知らなかったし正規の方法でコロニーに入ってきた人はほとんど知らないのかなぁ」

善子「それで地下街のことを治安維持局に通報したりしないってことは…」

千歌「地下に用があるのかな?それとも花陽さんみたいな感じ?」

千歌「あっ、今のは私とよーちゃんをかけ

善子「ええ?!」

千歌「かけたわけじゃないよって言おうとしたの!!」

498: 2017/01/17(火) 12:28:42.72 ID:GDr7StvA.net
善子「にこさんの妹が会ったのは地上みたいだし…」

千歌「うーん…」

善子「別れる?…私は地上で千歌は」

千歌「ダメっ!!」

善子「…………」

千歌「それに千歌は地下って……ね」

善子「じゃあとりあえず地道に地下で聞き込みかしら…赤い髪なら目立つでしょ」

千歌「そうだね」

500: 2017/01/17(火) 12:32:13.50 ID:GDr7StvA.net
千歌「すみませーん…赤い髪の女の人を」

おじさん「ああ、俺は知らねえな。商業区のほうの情報屋はいったか?」

千歌「あ、はいその人に聞いて」

おじさん「そうか、悪いな」

千歌「いえ……」

善子「どんどん聞いてみるわよ」

千歌「うん!」

501: 2017/01/17(火) 12:36:39.17 ID:GDr7StvA.net
千歌「すみませーん」

爺さん「なんじゃ?」

千歌「赤い髪の女の人、みたことありませんか?」

爺さん「赤い髪……といったら…ひとり」

善子「ええっ!?」

爺さん「何度かみたことがあるぞ」

千歌「も…もうちょっと詳しく」

爺さん「といっても…見たことがあるだけじゃ」

善子「そうですか…ありがとうございます」

千歌「やっぱり地下に来てるんだね」

善子「以外とはやく見つけられるかも…」

502: 2017/01/17(火) 12:45:34.46 ID:GDr7StvA.net
善子「あっ、すみません」

若い男「おっ、めずらしいな!子供か」

善子「あっ…ええと…友達を探してて…」

若い男「人探しかい?情報屋はいったか?」

善子「行きました…」

若い男「で、どんな奴なんだ?」

善子「赤い髪の…」

若い男「赤い髪…それならスクラップ女だ」

善子「は?スクラップ女?」

503: 2017/01/17(火) 12:49:46.41 ID:GDr7StvA.net
若い男「そう、赤い髪の綺麗なおばさんだ、週末夜のスクラップ市によく来るぞ」

善子「おば……おばさん!?」

若い男「そうだ、鋭い目付きで人を寄せ付けないオーラを出す…ひとしきりスクラップを漁って目当ての物を買ったらすぐに出ていく……気づけばスクラップ女と呼ばれるようになったんだ」

善子「………ありがとうございます」

千歌「スクラップ女……」

若い男「じゃあな、頑張れよ」?

504: 2017/01/17(火) 12:55:24.00 ID:GDr7StvA.net
千歌「おばさん…って」

善子「……」

千歌「ルビィちゃんじゃ…」

善子「もう少し…もう少し聞き込みを続けるわよ…」

ひとつだけ…なんとなく答えが出てきそう…
今までのことの一部が繋がって…少しずつ大きくなってるような…
わかってるけど…そんな答えにたどり着きたくない…
だから他に赤い髪を見た情報が少しでもほしい…私の考えが間違ってるってことを…

千歌「……うん…しばらく続けよっか…」

505: 2017/01/17(火) 12:59:16.80 ID:GDr7StvA.net
…………………………………………………………………

千歌「以外とスクラップ女は有名なんだね…」

善子「地下市場に出る人はみんな見たことがあるみたいね…話したことある人はいなかったけど」

千歌「…………」

善子「スクラップ女以外は…」

千歌「なし…」

善子「……」

千歌「だ…大丈夫!明日は外に出てみよう!外で探してみよう!スクラップ市は明後日だから…明日ダメだったらスクラップ市にいってみよう!」

善子「そ…そうね」

506: 2017/01/17(火) 13:02:45.19 ID:GDr7StvA.net
千歌「あっ、今日はもう」

花陽「大丈夫ですか?」ガサッ

善子「はい…」

千歌「大荷物ですね…ちょっと持ちますよ?」

花陽「じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」ガサッ

千歌「うっ…重いですね…」

善子「……白い粉が漏れてる…」

千歌「えっ…もしかしてこれって」

花陽「ち…違いますっ!」

507: 2017/01/17(火) 13:06:59.76 ID:GDr7StvA.net
花陽「小麦粉です!お友達がラーメン屋さんをやってるので私がごはん屋さん経由で仕入れてるんです!」

千歌「…なるほど…例のクスリじゃあない……」

花陽「さあはやく戻りますよ!」

千歌「りょーかい!」

善子「あっ、明日と明後日もここに行きたいんだけど」

花陽「明日は大丈夫ですよ、でも明後日は用事があっていけないので…明日道を覚えてくださいね」

千歌「うん、しっかりメモするよ」

508: 2017/01/17(火) 13:13:55.73 ID:GDr7StvA.net
……………………………………………………………………

千歌「たっだいまー」

曜「おかえり千歌ちゃん善子ちゃん」フンフン♪

千歌「ふぃ~っお腹いっぱい…お風呂入ってはやく寝よ~っと」

曜「えっ…」

千歌「?」

善子「…あれ…机にオムライスが……3つ…」

曜「い…いや…なんでもないよ…あれは全部私の晩ごはん…」

509: 2017/01/17(火) 13:18:17.76 ID:GDr7StvA.net
千歌「あっ……」

曜「いや大丈夫!お疲れ!はやくお風呂入ってねちゃいな!」アワワ

千歌「……ごめん」

曜「いいんだって…ほら言ったでしょ、私の晩ごはんだから~」ウルウル

善子「あ…お腹すいたわ~…」

千歌「私も~」

曜「……な…なら私が作ったオムライス…ふたりにあげるよ…」

千歌「ほ…ほんとー?やったーいただきまーす」

善子「うわあありがたいわ、私今オムライスって気分だったの」

千歌「えへへ私も~」

510: 2017/01/17(火) 13:22:40.70 ID:GDr7StvA.net
曜「あはは、私もたべちゃおーっと……」

千歌「えへへ」モグモグ

善子「とっても美味しいわ」モグモグ

帰りに果南とにこさん姉弟と花陽さんの上質な白米を食べたなんて……それでもオムライスを詰め込まないと…

曜「ど…どうかな?美味しい?今日は少しコチュジャンをいれてみたんだけど…」

千歌「うっ…美味しいよ…隠し味が聞いてて…」

善子「また食べたいわ…おいしくて…」

曜「そっか…また作るよ…こんどはお昼にでも…」

511: 2017/01/17(火) 13:28:23.03 ID:GDr7StvA.net
…………………………………………………………………

千歌「ご…ごちそうさまぁ…」タプン

曜「あ、千歌ちゃんお風呂できてるからどうぞ~」

千歌「ちょっ…動けな

善子「じ…じゃあ私が先に…」

曜「じゃあいっしょに入ろうよ?」

善子「あ…うん…」

曜「渡辺式背中ゴシゴシするよ」

善子「お…お願いするわ…」

512: 2017/01/17(火) 13:36:23.80 ID:GDr7StvA.net
……………………………………………………………………

♨チャポン♨

曜「ほら背中向けて?」

善子「お…おいしかったわ…本当に」ヒョイ

曜「ごめんね…無理させちゃって…私が確認しておけば…晩ごはん食べて来たんだよね」ジャコジャコゴシゴシ

善子「あっいや…こっちが伝えておけば…」

曜「今日はどうだった?ルビィちゃんの手がかり」ジャコジャコゴシゴシ

善子「………赤い髪の女の人を見たって…そういう人ならたくさんいたわ…それにその人がいつごろ現れるかも……」

曜「そ…そっか……流すよ?」

ジャアアアアアアア

513: 2017/01/17(火) 13:42:39.27 ID:GDr7StvA.net
♨ザプッ♨

善子「でも…その赤い髪の人…おばさんなんだって…」ホッカホカ

曜「お…おばさん!?じゃ…じゃあルビィちゃんじゃ」ホッカホカ

善子「……わからない…」

曜「わからない?…ルビィちゃんは…」

善子「…もしかしたら…ルビィはタイムスリップに成功して過去に行けたのかも…」

曜「……は……そっか…それでおばさん…」

善子「………とりあえず…もう少し探してみるけど…」

曜「そうだね…私明日と明後日は休みとったから手伝うよ」

善子「ごめん…」

♨チャプン♨

514: 2017/01/17(火) 13:57:12.14 ID:GDr7StvA.net
……………………………………………………………………

千歌「えへへ……かなんちゃ…へへ」スヤスヤ

曜「寝てる…」

善子「お風呂は…」

曜「明日の朝でいいんじゃない?」

善子「じゃあ私たちも…」

曜「えへへ、今日はいっしょに寝よっか?」

善子「ええっ!?ちょっ!なっ」

曜「千歌ちゃんばっかり善子ちゃんといっしょでずるいし♪私もこんな歳だし子供といっしょに寝るお母さんにちょっと憧れてたんだ~」

善子「あっ…そう…じゃあ」

曜「ほらおいで~ママといっしょに」

善子「むぅ……」

515: 2017/01/17(火) 13:59:03.13 ID:GDr7StvA.net
……………………………………………………………………

曜「………………」スヤスヤ

ゲシッゲシッ

善子「あっ、痛っ」ドサッ

曜「ふはは…」zzz

善子「なんでそんな寝相悪くなったのよぉ!」

曜「……」スヤスヤ

善子「もぉ~!私の部屋に戻るわ!」

516: 2017/01/17(火) 14:01:57.23 ID:GDr7StvA.net
……………………………………………………………………

曜「うわぁぁぁぁぁぁ大変だぁ!!」

千歌「ふぇ…なに…もううるさいなぁ…朝から…」

曜「善子ちゃんがいないんだよぉ!!」

千歌「えっ!?」

トットコトットコ

善子「何っ?どうしたの!?」バッ

曜「あっ」

千歌「いるじゃん!嘘つき!!お風呂入ってくる!!」

517: 2017/01/17(火) 14:09:54.99 ID:GDr7StvA.net
曜「な…なんで」

善子「布団から追い出されたのよ」

曜「そ…そんな…誰に…」

善子「……もう……いいわ」

曜「………?」

善子「今日は休みなんでしょう?」

曜「うんっ!私もルビィちゃんを探すよ~………そうだ!千歌ちゃんがお風呂入ってる間に朝ごはん作ってきます!!ちょっとまってて~」

善子「……」

522: 2017/01/17(火) 20:55:57.28 ID:gUtnB3C+.net
…………………………………………………………………

千歌「はぁ~さっぱり!」ホッカホカ

善子「早いわね」

曜「朝ごはんできました!スクランブルエッグとトーストです!」ジュワッ

千歌「おおっ」

善子「やるわね」

千歌「でも曜ちゃん朝から嘘ついたからな~」チラッ

曜「ええっ!?まだいうの!?」

千歌「せっかく気持ちよく寝てたのに…」

523: 2017/01/17(火) 21:00:17.78 ID:gUtnB3C+.net
曜「あれは!昨日の夜善子ちゃんといっしょに寝てたら…善子ちゃんが部屋から出ていっちゃって…それを」

千歌「どうして出ていっちゃったの?」

善子「……寝相が悪くて布団から追い出されたのよ」

千歌「うわっひっどぉーい」

曜「だってぇ」ガクガク

千歌「ほら善子ちゃんおいで」ヒョイヒョイ

善子「………」ソソソ

千歌「寒かったねえ…辛かったねえ」ナデナデ

善子「………」

曜「うわぁぁぁぁぁごめんなさい!ごめんなさい!」

524: 2017/01/17(火) 21:03:18.50 ID:gUtnB3C+.net
千歌「………」

曜「ごめんなさい!ごめんなさい!」

千歌「曜ちゃん…ごめんね…言い過ぎたよ」

曜「ごめんなさい!ごめんなさい!」

善子「あ……ほら元気だして」

曜「うわぁぁぁぁぁ私は最低だ!」

千歌「いや…ほら半分冗談みたいな…」

曜「え!?」

善子「気にしないで…」

曜「………なぁんだ!!」

千歌「朝ごはん覚めないうちに食べなきゃ!」

善子「いただきまーす」

525: 2017/01/17(火) 21:06:12.99 ID:gUtnB3C+.net
千歌「んっ!おいしいよ!」モグモグ

曜「本当!?よかったぁ!」

善子「うん、おいしいわよ」

曜「今日と明日はお休みもらったので善子ちゃんを手伝いますっ!」

千歌「私も休業!」

曜「あはは、千歌ちゃんはほぼ休みみたいな

千歌「ぐっ…」

曜「あっ…」

善子「………」

曜「とりあえず10時に出発!」

526: 2017/01/17(火) 21:10:01.42 ID:gUtnB3C+.net
…………………………………………………………………

花陽「新しいお友達ですね」

曜「渡辺曜です!」

花陽「小泉花陽です、よろしくね」

千歌「さっそくいっちゃおう!」

花陽「じゃあ昨日の道の通りに」

善子「しばらくまっすぐね」

曜「うわ~私科学特区いくの初めてだから緊張するな~」

千歌「ていっても地下だよ」

528: 2017/01/17(火) 21:14:50.41 ID:gUtnB3C+.net
曜「えっ?千歌ちゃん?」

千歌「…はぁ…ダメだね、曜ちゃんはもう」

善子「………今日は地上に出てみようかしら」

花陽「やめといたほうが良いと思うよ」

善子「…それは」

花陽「聞き込みですよね?…地上は人が少ないのであんまり見ない人だとすぐ通報されたりするかも…」

善子「……なるほど」

千歌「ものすごい警戒心だね」

花陽「お買い物も地上で買えるものはだいたい地下に持ってきてくれてますから」

529: 2017/01/17(火) 21:21:16.46 ID:gUtnB3C+.net
花陽「それに、今日は私も手伝いますよ」

善子「本当ですか!?」

花陽「はい、みなさん楽しそうなので加わりたくなりました」

千歌「じゃあ4人…これは二手に別れたほうが効率がいいね」

曜「じゃあ私は善子ちゃんと」ソソソ

千歌「あっ!ずるい!私がぁ!!」

花陽「……じゃあ私も善子ちゃんと」

善子「ええ……」

千歌「ここは…平等にじゃんけんで決めよう……せーのっじゃんけんポンッ!」

千歌✌チョキ
曜✌チョキ
花陽✊グー

花陽「やったぁ、じゃあ善子ちゃんと行きますね」

530: 2017/01/17(火) 21:24:46.13 ID:gUtnB3C+.net
千歌「ま、悔しいけど花陽さんなら地下博士だから善子ちゃんを任せられるね」

曜「うっ…ぐぅ…そんなぁ」

千歌「まーまーいっしょにがんばろう?」

曜「ううぅ…うん」

花陽「右から2番目ですよ~」

??

531: 2017/01/17(火) 21:27:39.19 ID:gUtnB3C+.net
花陽「じゃあここで別れましょう」

千歌「うう…善子ちゃん…元気でね…」

曜「身体に気をつけてね…」

善子「…………」

千歌「花陽さん…善子ちゃんを頼みます」

花陽「任せてください!」

曜「ううっ…じゃあ行ってくるよ…ルビィちゃんを探しに…」トボトボ

532: 2017/01/17(火) 21:31:34.37 ID:gUtnB3C+.net
花陽「よろしくね、善子ちゃん」

善子「よろしく…花陽さん」

花陽「赤い髪の女の人…でいいんだよね?」

善子「そうよ」

花陽「さっそく聞いてみよっか」

━━━━━━━━━━━━━━━━━

曜「あっ!すみません!」

おっさん「?どうしたんだい?」

千歌「人を探してるんです…赤い髪の」

おっさん「赤い髪…スクラップ市でみたような…」

千歌「そうですか…ありがとうございます…」

533: 2017/01/17(火) 21:35:59.70 ID:gUtnB3C+.net
…………………………………………………………………

花陽「はぁ…ぜんぜんいませんね…」

善子「スクラップ女ばかりね…」

花陽「…………」グゥ~

善子「………」

花陽「………///」

善子「ごはんにする?」

花陽「は…はい…」

善子「こっちの地下はどんなお店がオススメかしら」

花陽「…昨日のごはん屋さんに…」

534: 2017/01/17(火) 21:41:01.52 ID:gUtnB3C+.net
……………………………………………………………………

花陽「オススメはもちろん白いごはんです、私はおにぎりも好きですけど気分によってはお茶漬けも頼みますね」

善子「うーん……じゃあお茶漬けね!」

花陽「あっ、すみませーんごはん大盛とお茶漬け……」

善子「あっ…鯛で」

花陽「鯛茶漬けで」

「かしこまりました」

花陽「果南ちゃんに聞きました」

善子「?」

花陽「たいへんだったんですねぇ」

善子「そうね…」

535: 2017/01/17(火) 21:46:41.46 ID:gUtnB3C+.net
花陽「タイムマシンを使うなんて…すっごいことですよ」

善子「…まあ…失敗しちゃったんだけど…」

花陽「………………別れちゃったお友達…見つけましょうね…」

善子「うん…手伝ってくれてありがとう…」

花陽「あっ…実際の年齢はあんまり変わらないみたいなので…花陽…でいいですよ」

善子「……よろしくね…花陽」

花陽「がんばろうね、善子ちゃん」

「おまたせいたしました、鯛茶漬けとごはん大盛です」

536: 2017/01/17(火) 21:54:33.95 ID:gUtnB3C+.net
…………………………………………………………………

花陽「お腹いっぱいで元気いっぱいですっ!」

善子「お茶漬け美味しかったわ♪」

花陽「それは良かったです、こんどは白いごはんも食べてくださいね」

善子「さてと……また」

花陽「聞き込みですね」

?プルルルプルルル

花陽「千歌ちゃんからです」

花陽「はい……えっ?今すぐ?…はい…はいわかりました」プツッ

善子「今すぐ?」

花陽「何か手がかりを見つけたみたい…いってみようか」

善子「うんっ」

537: 2017/01/17(火) 22:11:54.66 ID:gUtnB3C+.net
……………………………………………………………………

千歌「おーい!こっちこっちー!」

花陽「何か手がかりでも見つけましたか?」

善子「はぁ…はぁ…どうなの?」

曜「このおじいさんが…ルビィちゃんらしき人をみたんだって」

善子「ほ…本当!?」

おじいさん「……うむ」

善子「く…詳しく教えて…ください」

おじいさん「ただ見た、赤い髪の若い女が…物騒な物を買って行くところをな」

千歌「ぶ…物騒な物…」

おじいさん「落ち着いた雰囲気で美しい女だったな…翡翠のような丸く大きな瞳で…」

善子「………そ…その人は…」

538: 2017/01/17(火) 22:16:33.61 ID:gUtnB3C+.net
おじいさん「若かった私は見とれてしまったわ」

曜「若かった…?…」

おじいさん「そうだ…あれはいつだったか…10か20年くらい前だろう」

善子「!…………」

千歌「すごい記憶力ですねぇ」

おじいさん「ここには若い女は滅多に来ないからなぁ…その中でもとても美しい女だったからな」

善子「あ…ありがとうございました…」

おじいさん「どうだろうなぁ…今は…生きてるならまた会ってみたい……」

善子「……………」

539: 2017/01/17(火) 22:24:58.95 ID:gUtnB3C+.net
善子「………っ………」

おじいさん「じゃあな」?

千歌「………じゃあ…再開しよっか?」

善子「……いいわ…」

千歌「え?」

善子「もう…いいわ」

千歌「え」

曜「………」

善子「………明日…スクラップ市に……」

曜「……そうだね…とりあえず今日は解散でいっか」

千歌「う…うん」

花陽「あ、私明日はいけないので…みなさん頑張ってくださいね」

善子「うん…今日は手伝ってくれてありがとう…」

花陽「大丈夫?」

善子「大丈夫よ…」

540: 2017/01/17(火) 22:29:23.26 ID:gUtnB3C+.net
…………………………………………………………………

?ぶぉーーん

善子「…………………」

千歌「あ

曜「千歌ちゃん!」

千歌「?」

曜「善子ちゃんをおうちに連れて帰ったらいっしょに晩ごはんのお買い物に行こっか」

千歌「………そうだね…善子ちゃんお留守番任せていーい?」

善子「…………」コクッ

曜「じゃあうちで楽しみに待っててね~」

541: 2017/01/17(火) 22:42:17.87 ID:gUtnB3C+.net
……………………………………………………………………

善子「…………」ゴロリ

約20年前…落ち着いた綺麗な赤い髪の女の子
翡翠みたいな丸い大きな綺麗な瞳…物騒な物を買って行った…

20はだいたいで……たぶんそれ以上前…23年前だとしたら……

だとしたら……ルビィは……

つじつまが合うのかはわからない…けど…そういう風に繋がる……

善子「…………」ほろり

ルビィは…ルビィは……

542: 2017/01/17(火) 22:59:25.85 ID:gUtnB3C+.net
…………………………………………………………………

善子「…………」スヤスヤ

千歌「ただいま……」

曜「寝ちゃった…起こさないほうが良いよね」

千歌「うん…」

曜「昨日…お風呂で善子ちゃんが言ってたの…ルビィちゃんはタイムスリップに成功して過去に戻れたのかもって…」

千歌「……」

曜「それで成長したルビィちゃんがスクラップさんって考えてたんだと思う……でも今日のを聞いちゃって……」

千歌「じゃあ…善子ちゃんとルビィちゃんの前に侵入したのが…またルビィちゃんだったってこと?…」

曜「かもしれない……だとしたらもう……」

543: 2017/01/17(火) 23:04:57.80 ID:gUtnB3C+.net
千歌「そんな…」

善子「……あ……帰ってたの……」

曜「うん、ただいま」

善子「………部屋にいるから…晩ごはんになったら呼んで……」トボトボ

千歌「うん…」


曜「目…真っ赤だったね」

千歌「善子ちゃん……」

552: 2017/01/18(水) 21:34:03.93 ID:hDcJ9tOC.net
曜「大丈夫……じゃないよね…」

千歌「晩ごはんは食べるみたい…」

曜「うん…」

千歌「どうしてお鍋にしちゃったの…晩ごはん」

曜「いや…三人でお鍋囲んだら元気になるかな…って」

千歌「……とりあえず…準備しよっか……私お野菜切るからお鍋出しといて…あと洗濯物入れて畳んどいてほしいな、それとお風呂も作っといてくれたら助かるよ……」

曜「うん、いってくるね」

トテテテテ

553: 2017/01/18(水) 21:41:32.81 ID:hDcJ9tOC.net
善子「………」ドサッ

私がコールドスリープするなんて言わなかったら…
私を心配してついてきたルビィは……

私のせいで……ルビィは…

ルビィだけじゃない…海未もことりも…

私が…

善子「うぶっ……おえっ…おえぇぇぇぇ」ボドボド

それなのに…そんなことをしておいて私は…千歌の誘いを迷ってた…

私に…そんな資格なんてない…ここで平和に暮らすなんて…

554: 2017/01/18(水) 21:47:18.51 ID:hDcJ9tOC.net
どうして…こんなことを…

たったふたりで世界を変えようだなんて…自信があったの?

受け入れて…今の千歌たちみたいに暮らそうと思わなかったの?

善子「…っ…ぐっ…」

コンコン

「善子ちゃん…晩ごはんは…」

善子「ごめんなさい…やっぱり…あとで食べるわ…机の上に置いておいて」

「……うん」

555: 2017/01/18(水) 21:50:50.91 ID:hDcJ9tOC.net
千歌「………お鍋なのに…」

曜「洗濯物を畳んでお風呂を作ってきたよ」

千歌「ありがとう…じゃあ」

?グツグツ?

曜「善子ちゃんは…」

千歌「ひとりになりたいのかな…今はいいって」

曜「……そっか」

556: 2017/01/18(水) 21:55:41.37 ID:hDcJ9tOC.net
千歌「いただきます」

曜「いただきます」

千歌「白菜たっぷりだよ」

曜「ありがとう…」モグモグ

千歌「善子ちゃん…どうするのかな…」

曜「どうするって…」

千歌「これから…」

曜「これから…」

千歌「出ていっちゃったりしないかなぁ…」

557: 2017/01/18(水) 22:00:01.22 ID:hDcJ9tOC.net
曜「ルビィちゃんがもういないって考えて…またエレベーターに…」

千歌「ダメだよ…無茶だよそんなの」

曜「でも…」モグモグ

千歌「うん…止めないとね…もしそうなったら…」

曜「辛いことを受け入れないと……それも辛いことだけど」

千歌「と…いうことで明日はずっとおうちにいて善子ちゃんを見張っててもらっていい?」

曜「へ?」

558: 2017/01/18(水) 22:03:09.79 ID:hDcJ9tOC.net
千歌「いってみようと思うんだ…例のスクラップ市…」

曜「スクラップさんに会いに?」

千歌「うん……まだ全部決まったわけじゃないし……もちろん善子ちゃんも誘ってみるけど…」

曜「……そうだね…まかせて」

千歌「善子ちゃんが行くっていったら曜ちゃんも一緒にいこうね?」

曜「そりゃもちろん!」

559: 2017/01/18(水) 22:20:11.14 ID:hDcJ9tOC.net
……………………………………………………………………

ゴシゴシ

善子「……………」zzzz

ゴシゴシ

善子「……っ……ん」ウトウト

千歌「あっ……起こしちゃった?」

善子「……千歌……」

千歌「ごめんね…勝手に入っちゃって…」

善子「………」

千歌「すぐ終わらせるから…臭いでしょ?…大丈夫大丈夫、私も気分悪いと吐いちゃうんだ~」

善子「ご…ごめん………」

千歌「いいのいいの…ゆっくり休んでね」ゴシゴシ

565: 2017/01/19(木) 10:21:39.43 ID:5zSXTGfK.net
…………………………………………………………………

コンコン

千歌「あのね…今日はスクラップ市にいってみようと思うの…良かったら善子ちゃんもいかない?」

千歌「…………夕方に出るから…」

テコテコテコ

曜「善子ちゃん…どうだって?」

千歌「わかんない…でも昨日は行くみたいなこと言ってたし…」

曜「うん…夕方まで時間あるし…」

566: 2017/01/19(木) 10:26:48.11 ID:5zSXTGfK.net
千歌「こないなら…私ひとりでも…」

曜「うん…」

千歌「朝ごはん…食べよっか…」

曜「そうだね…」

千歌「大丈夫かな…お腹すいてないかな」

曜「食べてないのかな…」

千歌「しかも…昨日吐いちゃってたみたいで…」

曜「………」

567: 2017/01/19(木) 10:40:04.13 ID:5zSXTGfK.net
……………………………………………………………………

千歌「…………」

曜「……………」

千歌「……えっと…」

曜「うわっ…もう16時だよ!!」

千歌「うええっ!?」

曜「ぼーっとしてたらすごい時間がぁ!」

千歌「善子ちゃん呼んでくるね」

曜「うん」

568: 2017/01/19(木) 10:44:41.49 ID:5zSXTGfK.net
コンコン

千歌「そろそろ出るんだけど…」

「………………」

千歌「………じゃあ私いってくるから…お留守番、曜ちゃんとよろしくね」

テコテコテコ

曜「どうだって?」

千歌「何も言わなかったよ…」

曜「そっか…」

千歌「じゃあ私いってくるから…善子ちゃんのことお願い」

曜「うん…うちのタクシー呼んであるから…」

千歌「ありがとう」

569: 2017/01/19(木) 10:52:17.34 ID:5zSXTGfK.net
曜「バイバーイ」

?ブブブブブ

千歌「じゃあお願いします!」

「女の子ひとりであんなところなんて…珍しいね」

千歌「あ…地下……いや!」

「地下?」

千歌「私千歌っていうんですよ!えへへ」

「?……まあいいや、この時間は空いてるからすぐつくよ」

570: 2017/01/19(木) 11:12:52.50 ID:5zSXTGfK.net
………………………………………………………………

ストン

千歌「あいたっ!」ヒリヒリ

花陽「あれ…千歌ちゃん」

絵里「知り合い?」

千歌「あ…花陽さん!?」

花陽「うん、知り合いだよ…善子ちゃんのお友達」

絵里「あ、にこを探してたかわいらしい親子ね」

花陽「ごめんね千歌ちゃん今日は絵里ちゃんと上に用事があって…」

571: 2017/01/19(木) 11:16:13.98 ID:5zSXTGfK.net
千歌「いーんですよ!私ひとりでも大丈夫!」

花陽「まっすぐ歩いて非常通路」

千歌「右から2番目!……ですよね?」

花陽「うん!がんばってね」

千歌「はい!」

絵里「こんどフルーツパーラーに

千歌「もしかしてみかんジュレの!?いきます!」

絵里「……」

花陽「じゃあね?」

572: 2017/01/19(木) 11:20:46.12 ID:5zSXTGfK.net
千歌「まっすぐ…まっすぐ…まっすぐあるいて~」

バァン!

千歌「非常通路!!」

ガチャ

千歌「わっ真っ暗!!」

✨?カチッ?✨

千歌「ふぅ…ひとりだとちょっと怖いかも……大丈夫大丈夫!何かいいものをもってかえって善子ちゃんの元気を取り戻せたらいいな」

573: 2017/01/19(木) 11:41:24.48 ID:5zSXTGfK.net
千歌「右から2番目ぇ~♪」

ソーッ

千歌「ここ!」

✨?

千歌「ライトチカチカぁ~千歌ピッカピカ♪」✨?

千歌「……」

ガタッ

千歌「よいしょっと…」

574: 2017/01/19(木) 11:44:07.65 ID:5zSXTGfK.net
千歌「………ひと多いなぁ~」

千歌「スクラップ市…大人気なんだね!」

おじさん「そりゃそうだ」

千歌「?いつのまに」

おじさん「地上じゃ高価で買えないような物が流れてくるからなぁ…壊れてるが」

千歌「へぇ~」

おじさん「みんな自分で直したり改造したりするんだ」

575: 2017/01/19(木) 11:46:19.62 ID:5zSXTGfK.net
千歌「へぇ~じゃあスクラップさんも機械がとくいなんだぁ」

おじさん「あんたも市場が目当てかい?」

千歌「うん!」

おじさん「はやくいかないと無くなっちまうぜ」

千歌「なっ!わかりました!ありがとうおじさん」

トットコトットコ

576: 2017/01/19(木) 11:50:37.87 ID:5zSXTGfK.net
ザワザワザワザワ

千歌「うーん…赤い髪…赤い髪」

「邪魔だぞ!」

千歌「あっすみませーん」

ザワザワザワザワ

千歌「みんな背が高いよぉ…」

ザワザワ

「ありがとう、7000円ね」

「まいどあり~」

千歌「あれは…赤い髪!」

577: 2017/01/19(木) 11:53:55.81 ID:5zSXTGfK.net
千歌「わあ帰っちゃう!」

「………」ザッ

千歌「まって!まってー!」

「………………」スタスタスタ

千歌「まってよぉ!赤い髪のぉ」

「…!…………………」ダッダッダッ

千歌「うわっ…まってよぉ!スクラップおばさん!…………………る……ルビィちゃん!!!」

「……………」ピクッ

千歌「うひゃっ」ドンッ

579: 2017/01/19(木) 12:02:32.51 ID:5zSXTGfK.net
「…………今…ルビィって言った?」

千歌「え……はい」

「…………」

千歌「あの…」

「……あなた……ツシマヨシコ?」

千歌「えっ」

「……だんごが無いわね……」

千歌「あ…あなたは」

「ついてきなさい」スタスタスタ

千歌「えっ?」

589: 2017/01/19(木) 22:06:55.75 ID:5zSXTGfK.net
「……整形…髪は染めた?そういう可能性もあるわね」スタスタ

千歌「ええっ!?違います!!」

「あなた…名前は?」

千歌「た…高海千歌です…」

「ルビィの友達?」スタスタスタ

千歌「あなたは…ルビィちゃんのお友達?……なら善子ちゃんに…」

「!」キュッ⛔

千歌「うわっ」ドンッ

「善子…善子ってツシマヨシコ?!」

千歌「は…はい」

「いるの?!どこに!?」

千歌「あわわ」

590: 2017/01/19(木) 22:14:49.20 ID:5zSXTGfK.net
善子「……………」

コンコン

善子「…」

ドアの向こう「善子ちゃん?……」

善子「………」

ドアの向こう「…どうするの?…これから…」

善子「ど…どうするって…どうしようも…どうしようもないのよ…」ホロホロ

ドアの向こう「……」

善子「私のせいで…ルビィは……私が〇したのよ…」

ドアの向こう「そんなこと」

善子「あるわよ!」

591: 2017/01/19(木) 22:22:33.67 ID:5zSXTGfK.net
善子「それで…私だけ…こんなところで普通に暮らすなんて…許されるわけないでしょ!!」

ドアの向こう「善子ちゃん…」

善子「もう…出ていくわ…ありがとう…泊めてくれて…ごはんも…うっ」

ドアの向こう「そんな…」

「どいたどいたどいたぁ!!」

ドンガラガッシャァァァン

善子「!?」

トットットット

「どいて!」

「うわっ!千歌ちゃん」

ガチャッ

千歌「善子ちゃん!!」

善子「んな…」

千歌「来て!!」

592: 2017/01/19(木) 22:26:10.17 ID:5zSXTGfK.net
善子「え」

千歌「いいから!!」

曜「私は!!?」

千歌「うーんじゃあ曜ちゃんも!」

曜「いや言われなくてもいくけど!」

善子「な」

千歌「はやく!車に!」

善子「な…なんな」

千歌「んもぉぉぉいいから来てって!!」

593: 2017/01/19(木) 22:31:01.42 ID:5zSXTGfK.net
?ブォォォォン

善子「何?」

千歌「連れてこいって!津島善子を」

曜「えっと…スクラップさんに会いに行って…」

千歌「そう!そのスクラップさんが」

善子「私を…?」

千歌「うん!はやく連れてこいって!いるなら善子ちゃんを連れてこないと話を進めないとか」

曜「わわ、なんだろ」

善子「私を……」

知ってる人…このコロニーで?…誰?
私も千歌も知らない赤い髪の女…でも私を知ってる…

595: 2017/01/19(木) 22:42:08.18 ID:5zSXTGfK.net
……………………………………………………………………

千歌「はぁ…はぁ…連れてきました!!」

「…!………津島善子……」

善子「だ…誰なの?」

曜「この人がスクラップさん…きれいだね」

ザワザワ「なんだ…スクラップ女がしゃべってるぞ…」ザワザワ

「場所を…変えるわよ…ついてきて」スタスタスタ

596: 2017/01/19(木) 22:48:10.09 ID:5zSXTGfK.net
善子「そ…外?!」

20年前…私にとってはついこの間来た場所…20年前とはあまり変わってないように見えるけど

千歌「うわっ!科学特区の地上初めてだ!」

曜「私もだよ!」

「……ここよ」スタッ

千歌「うわ…すごいビル…」

曜「ここに住んでるんですか?」

「入っていいわよ」

597: 2017/01/19(木) 22:56:38.95 ID:5zSXTGfK.net
………………………………………………………………
✨✨
千歌「うわぁ…ひろい…」

曜「しかもきれい…」

「………ふぅ…ハーブティーよ」ゴクッ

千歌「自分で飲むの…」

「仕方ないじゃない…」

善子「あ…あなたは…誰なの?どうして私を知ってるの?」

「…………やっぱり…20年前と全く同じ…」

善子「はあ!?」

598: 2017/01/19(木) 23:07:34.25 ID:5zSXTGfK.net
「………だんごもついてる…」ジロジロ

善子「んなっ…質問に答えてよ!」

「あっ…ごめんなさい…私は真姫よ、西木野真姫…」

善子「20年前って…」

真姫「そうね…何から話そうかしら」

善子「んなっあんたが呼んだんでしょ!!」

真姫「じゃあ20年前から…20年前…あなたたちの使うタイムマシンを5年前に設定できなくさせたのは私よ、ついでにその日に強行させたのも」

善子「え……」

真姫「ルビィの………そう、遺言でね」

600: 2017/01/19(木) 23:15:08.51 ID:5zSXTGfK.net
善子「な…何者なのよ…」

真姫「次は私の質問に答えて」

善子「は」

真姫「どこにいったの?」

善子「え?」

真姫「20年前、タイムスリップしてどうなったの?」

善子「………この前農業区に落ちたわ」

真姫「この前…20年………じゃあ二つの物資は消えたんじゃなくて20年後に…」

602: 2017/01/19(木) 23:31:33.01 ID:5zSXTGfK.net
善子「な…なんなの…なんで私たちに協力」

真姫「あなたに協力したんじゃないわ、私はルビィの気持ちを汲み取ったの……それもダメだったけど」

善子「っ……ルビィは」

真姫「23年前に単独でエレベーターにいって……死んだわ」

善子「……………」

真姫「今から20年前のあなたとのエレベーターの侵入を手伝った」

善子「それで…」

真姫「それと…津島善子を助けろって」

善子「…」

真姫「それで私はパパのタイムマシンのチームに加わったわ、なんとか完成させようとしたけど間に合わなくて……あの実験に賭けたの、ちゃんとふたり過去に戻れるように
その結果は半分失敗、送った物資のうちふたつは行方不明」

603: 2017/01/19(木) 23:34:59.75 ID:5zSXTGfK.net
千歌「むずかしい…」

曜「私たちは黙ってよっか…」

真姫「座ってていいわよ、冷蔵庫のものは好きにしていいわ」

千歌「お言葉に甘えて…」

善子「………」グゥ~

真姫「…………はぁ…食べなさい、津島善子」

曜「じゃあ私がお料理するので待っててね」

千歌「おっ!私もお手伝いしちゃおっ」

604: 2017/01/19(木) 23:43:59.30 ID:5zSXTGfK.net
真姫「まさか20年後に飛んでるなんて…」

善子「る…ルビィは…」

真姫「成功したのよ、7年前…つまり今から27年前に行ったの」

善子「な…7年前……」

真姫「そう、それから私がルビィと初めて出会ったのはその半年後、戦争が始まる直前ね
ルビィはワームホールの座標データの削除ができなかった、失敗したのよ」

善子「……っ…ルビィ…」ウルウル

真姫「今でも鮮明に思い出せる…泣いてたわ、公園で」

605: 2017/01/19(木) 23:53:25.21 ID:5zSXTGfK.net
真姫「思わず話しかけちゃった、自分とあまり歳が変わらないような女の子が泣いてるんだもの」

善子「そ…それで」

真姫「それから話すようになって…帰るところが無いって言うから私のうちに来いっていったの、それでパパの写真を見せたら震えだして」

善子「……あんたの父親って」

真姫「軌道エレベーター技術責任者」

善子「あの…おじさん」

真姫「だからマンションの部屋で私と暮らしてたのよ…それから戦争が始まって」

606: 2017/01/19(木) 23:56:12.56 ID:5zSXTGfK.net
曜「あっ…八宝菜です」

千歌「お野菜切りました」

善子「………」ジュルリ

真姫「……食べていいわよ」

善子「い……いただきます」

千歌「善子ちゃん…食べるくらいの元気は戻ってよかったね」

曜「うん!食べて寝れば元気100倍!」

607: 2017/01/20(金) 00:01:08.04 ID:1XgHnmW0.net
善子「………目的は…私をここに呼びつけて…」モグモグ

真姫「だって死んだものだと思ってたんだもの」

善子「……………」

千歌「それだけっ!?」

真姫「あなたは…運が悪いんだか…良いんだか」

善子「?」

真姫「とっておきの選択肢を提示するわ」

善子「私に?」

真姫「そう」

608: 2017/01/20(金) 00:10:36.25 ID:1XgHnmW0.net
真姫「ルビィがいなくなって…あなたたちのエレベーターの侵入を手伝ってから…どうにかできないかずっと考えてたの」

善子「………」ゴクッ

真姫「それで私が出した結論よ」

善子「な……」

真姫「ついてきて」

善子「あっ…あとで食べるわ!」

千歌「あっ」

609: 2017/01/20(金) 00:16:30.07 ID:1XgHnmW0.net
真姫「………………」

善子「………………」

チーン

真姫「私専用の地下室…表に出たら面倒な物を作ってるの」

善子「うわ……」

どこもかしこもよくわからない機械と難しそうな本だらけ…

真姫「これよ」

善子「これ?」

………どうみても…ヘッドホンと大きなダサい腕輪これは…?

善子「なんなの?」

真姫「タイムマシンよ…未完成だけどね」

610: 2017/01/20(金) 00:20:11.88 ID:1XgHnmW0.net
真姫「これには足りないものがある…でもその物質はコロニーの中では手に入らないの」

善子「っ……」

真姫「気づいた?……そうよ、コロニー外部の調査隊…最近になってできたの」

善子「……」

真姫「それで運が良いのよ、もちろんあなたに会わなかったら私ひとりでやる予定だったけど…」

善子「やる!……私が…」

真姫「そう言うと思ったわ」

611: 2017/01/20(金) 00:24:36.27 ID:1XgHnmW0.net
…………………………………………………………………

千歌「おっ、おふたりさーん…戻ってきたの」

曜「冷たくなっちゃったよ~」

善子「わっ……今すぐ食べるわ!」

真姫「レンジはあっちよ」

善子「借りるわよ」トットコトットコ

真姫「……もう遅いし…三人とも泊まっていいわよ」

千歌「ほんとぉ!?やったぁ!」

曜「ありがとうございます」

625: 2017/01/20(金) 23:10:34.74 ID:1XgHnmW0.net
真姫「お風呂はあっちよ」

千歌「…すみません…じゃあいただきます!」トットットット

曜「うーん…明日も休んじゃお!!ちょっと電話してくるね~」トットットット

善子「ふーっ」パクッ

真姫「わかってると思うけど…」

善子「あっつ!!?」

真姫「あなたが仮に過去に戻って」

善子「ふっ…はふっみ…水!」

真姫「温めすぎよ!!」

626: 2017/01/20(金) 23:21:46.39 ID:1XgHnmW0.net
善子「………」ゴクッゴクッ

真姫「………」

善子「ぷはぁ…ごめんなさい…」

真姫「あなたが過去に戻って…データを消したら戦争は起こらないわ、そしてあなたが人工冬眠することはなくなる」

善子「……」

真姫「自分がどうなると思う?」

善子「……全部無かったことになって消える?」

真姫「………消えるかもしれないしもしかしたらあなただけ存在し続けるかもしれない」

善子「つまり…」

真姫「世界にあなたがふたり存在し続けることも考えられるわ」

善子「…」

627: 2017/01/20(金) 23:36:50.78 ID:1XgHnmW0.net
真姫「その場合…ひとりで生きていかなければならないわ…」

善子「………」

真姫「ふたつの世界の記憶を持ったあなたはその世界に唯一残るタイムマシンの痕跡、もちろん私の作ったものはすぐに壊してもらうけど…それでも何が起こるかわからない…」

善子「家にも帰れないし…みんなにも会えないのね…」

真姫「ゆっくり考えてもいいわよ…私があなたを焚き付けちゃったんだけどね」

善子「…………」

真姫「……まあいいわ…私も八宝菜をいただこうかしら」

628: 2017/01/20(金) 23:40:58.94 ID:1XgHnmW0.net
真姫「ルビィは…帰ろうとしたけど過去の自分たちがあまりにも楽しそうにしてたから帰れなかったらしいわ」

善子「………」

真姫「いただきます」

トットットット

曜「やったー!明日も休んでいいって!明後日も明々後日も!!」

善子「よかったわね」

真姫「クビなんじゃ…」モグモグ

曜「あ"あ"っ!!!」ガクッ

629: 2017/01/20(金) 23:48:09.59 ID:1XgHnmW0.net
善子「ひとりでタイムマシンなんて…すごいわね…」

真姫「簡単よ」

善子「ええっ!?」

真姫「未来の技術」

善子「未来の……?」

真姫「そう、この国はいまものすごい勢いで革新が進んでるわ」

善子「…」

真姫「タイムマシンが完成してから…その用途はほとんどが未来との通信よ」

善子「通信…」

真姫「それで未来から技術をそのまま持ってきてるのよ」

善子「……」

630: 2017/01/20(金) 23:59:34.22 ID:1XgHnmW0.net
真姫「本来その発見をするはずだった人たちは成果を盗まれてるのよ
でもそれにも気づかず厚待遇な科学特区で研究を続ける」

善子「……なんかややこしいわ…」

真姫「そんなことを知って表で何か作るのが嫌になって地下で私だけの研究をしてたの」

善子「なるほど…」

千歌「ありがとうございましたぁ」ホッカホカ

曜「じゃあ次私借りまーす」トットットット

631: 2017/01/21(土) 00:10:41.69 ID:w8zPm5n4.net
真姫「それと…コロニー外部調査…あなたにもついてきてもらうわ」

善子「……20年前のままの…あの瓦礫に…」

真姫「………それは嘘よ」

善子「嘘?」

真姫「出ればわかるわ」

善子「……わかったわ、ついていく」

真姫「ごちそうさま…部屋は…奥の部屋を自由に使って」

千歌「はぁーい」

632: 2017/01/21(土) 00:14:07.52 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

千歌「わぁ~でっかいベッドだぁ~」ボフッ

曜「これは…!!」

善子「私床で

千歌「私とぉ…曜ちゃんの間に善子ちゃん!」

曜「じゃあ私がパパ役!」

千歌「私はママ!善子ちゃんは愛娘!!」

曜「ふぉっふぉっふぉおいで善子~」ボフッ

千歌「それじゃおじいちゃんだよ!」

善子「んもぉ!!」

633: 2017/01/21(土) 00:23:37.36 ID:w8zPm5n4.net
千歌「………」スヤスヤ

曜「………zzzz」ゴロゴロ

善子「……………」

消えてなくなる…それとも残ってひとりで生きるか…
どっちでも私がやらないといけない…
ルビィ…ことりに海未を死なせた私がその罪を償うなら…それしかない…

怖くてもやらないといけないの…それにこの私がいなくてももうひとりの私は大丈夫、何も知らないでまた昔のように…

曜「…………」ゴロゴロドンッ

善子「ぶへっ」ドサッ

634: 2017/01/21(土) 00:26:36.49 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

曜「うわっ!善子ちゃん大丈夫?!」

善子「……ん……あぁ…」ウトウト

曜「寒くない?!どうしてベッドから出ちゃったの!?」

善子「………いや…狭くて」

千歌「んん…なにぃ…」ウトウト

曜「善子ちゃんが結局ベッドから出ちゃって」

千歌「どーせ曜ちゃんが蹴っ飛ばしたんでしょ」

曜「んなぁ!まさかぁ!!」

639: 2017/01/21(土) 10:41:03.52 ID:w8zPm5n4.net
千歌「おはようございまーす」

真姫「おはよう…冷蔵庫のとなりにパンがあるから食べて」

曜「ありがとうございます!」

千歌「さーて…私たちはどうしよっか」

曜「休みなんだけどなぁ~」

千歌「善子ちゃんはどうするの?」

善子「えっと…」

真姫「外部調査は明後日よ…だから今日は自由にしていいわ」

善子「すぐじゃないのぉ!!」

真姫「だから明日ここに来てくれればいいわ」

640: 2017/01/21(土) 10:45:36.21 ID:w8zPm5n4.net
千歌「じゃあ一旦帰ろっか!」

真姫「問題ないわ…明日の昼頃…地下のごはん屋の前に来てくれれば」

曜「じゃあ今日は善子ちゃんも休日だね!」

真姫「細かいことは明日話すから」

善子「了解よ!」

真姫「じゃあ食べ終わったら地下まで送るわ」

千歌「お願いします!」

641: 2017/01/21(土) 10:48:09.71 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

真姫「明日の昼頃よ!」

善子「覚えてるわよ!」

真姫「じゃあね、八宝菜美味しかったわ」

千歌「ありがとうございましたー」

曜「また作りますよ♪」

642: 2017/01/21(土) 10:57:26.19 ID:w8zPm5n4.net
千歌「今日はどうする~?」

善子「そうね…」

曜「善子ちゃんも元気になったし…明日まで特にやることがないなら…」

善子「?」

曜「今日は出掛けよー!!」

善子「ええっ?!」

千歌「いーね!私あのフルーツパーラーでみかんジュレ食べたい!」

曜「例のラーメン屋さんも行きたい!!」

千歌「果南ちゃんのところにも行こっか!」

643: 2017/01/21(土) 11:06:47.54 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

?チリンチリン?

果南「いらっしゃいませ~」

千歌「果南ちゃーーん!」

果南「千歌……」

曜「いらっしゃいましたー」

善子「おはよう」

果南「曜に善子も……どうしたの?またにこさんに用?」

善子「えっと…どう説明すればいいかしら……とにかく当初の目的が果たせそうよ!」

果南「当初の目的……過去に戻ってタイムマシンができるきっかけになったデータを消す…ってこと?」

善子「うん」

644: 2017/01/21(土) 11:20:06.60 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

果南「すごい巡り合わせだね…ルビィが過去戻れてて…その過去のルビィの友達がタイムマシンを作ってて」

千歌「その人はたまたま私たちが探してたスクラップさんだった…なんてね」

善子「あとは外部から必要な物を集めて過去に戻ってデータを消せば」

果南「戦争は起こらない…昔に戻る…」

善子「そうよ!」

果南「よかった…ありがとう…」

善子「まだ早いわ…やることも多いし」

果南「気をつけてね…外部調査…」

善子「うん!」

645: 2017/01/21(土) 11:29:11.17 ID:w8zPm5n4.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━

絵里「いらっしゃい♪」

千歌「こんにちはーっ」

曜「こんにちは!」

善子「こんにちは」

絵里「あら…いつかの親子に昨日の……3人ならテーブル席をどうぞ」

千歌「はぁーい」

曜「みかんジュレふたつと…」

善子「じゃあまたいちごのババロア♪」

絵里「承ったわ」

646: 2017/01/21(土) 11:37:19.78 ID:w8zPm5n4.net
絵里「3人はどういう関係なの?親子と…お母さんのお友達?」

曜「パパでーす!」

千歌「ママでーす!」

善子「…………」

絵里「………あなた男だったの?…驚いたわ…」

曜「あは…は」

647: 2017/01/21(土) 11:40:31.14 ID:w8zPm5n4.net
……………………………………………………………

絵里「お待たせしました…いちごのババロアと…みかんジュレをふたつね」

千歌「わぁぁぁおいしそぉ…」

曜「じゃあっいただきまーす」

千歌「いただきます!!」ハムッ

善子「いただきます」

千歌「ん~おいしい~?」

曜「はぁ~やっぱりおいしいなぁ」

千歌「善子ちゃんもひとくち食べる?」プルン

善子「うーん…みかんは遠慮しとくわ」

650: 2017/01/21(土) 20:28:12.09 ID:w8zPm5n4.net
絵里「ファミリー割引で3800円のところがおひとつ無料で2500円よ!」

曜「ファミリー割引、表は風ぞ……闇の町でもファミリーとかくるんですか?」

善子「闇の町…」

絵里「地下で家族になった人たちが来るのよ」

千歌「なるほどぉ」

善子「ごちそうさま♪美味しかったわ」

曜「おいしかったです!」

千歌「また来まーす!」

絵里「ふふ、ありがとうごさいました」

652: 2017/01/21(土) 20:33:14.78 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

ガララララ

凛「らっしゃい!」

千歌「どーもー!」

善子「…………」

曜「ら~めん大好き倶楽部…」

凛「旅人さんまた来てくれたんだね!」

花陽「あっ!善子ちゃんたち!?」

千歌「わっ!花陽さん!?」

凛「!?!?知り合い?!」

653: 2017/01/21(土) 20:38:36.35 ID:w8zPm5n4.net
花陽「この前小麦粉を届けたらーめん屋さんのお友達なんです」

千歌「すごーい…地下からいろんな人が繋がってる…」

花陽「そっか…絵里ちゃんもにこちゃんも果南ちゃんも…」

曜「たしかにすごいね…」

凛「空いてる席にいってね」

曜「ニラらーめん…」

凛「イチオシにゃ!」

千歌「私は…とんこつ!!」

善子「今日はみそにしてみようかしら」

千歌「ぎょうざもたのんじゃお!」

654: 2017/01/21(土) 20:40:37.19 ID:w8zPm5n4.net
曜「…………」

千歌「曜ちゃんは?」

善子「まさか…」

凛「ニラ?」

花陽「たまねぎ?」

曜「しょ………ニラ!!」

凛「みそ!とんこつ!ぎょうざ!ニラ
ぁぁ!」

花陽「よかったね凛ちゃん」

655: 2017/01/21(土) 20:43:36.56 ID:w8zPm5n4.net
………………………………………………………………

凛「ニララーメンとぎょうざでーす…みそととんこつはちょっと待つにゃ」

?カタッ

曜「これが…ニララーメン…」

千歌「ニラの香り…」クンクン

曜「お先にいただきます」

善子「………」スンスン

花陽「あ!凛ちゃんチャーハン追加するね」

凛「はいはーい」

656: 2017/01/21(土) 20:48:02.04 ID:w8zPm5n4.net
曜「んっ!おいしい!」ツルルル

凛「はーいみそととんこつでーす」

カタッ??

千歌「いっただっきまーす!」

善子「いただきまーす」

花陽「善子ちゃん元気を取り戻したんだね♪」

善子「……やることが見つかったのよ」ツルル

花陽「そっか…がんばってね」

657: 2017/01/21(土) 20:51:49.27 ID:w8zPm5n4.net
曜「気づいてる?」

千歌「ん?何に?」ツル

善子「ぎょうざが5つってこと?」ゴクッ

千歌「はっ!?どう分けるかって?」

曜「でも大丈夫!私はニララーメンでニラを摂取しすぎたからぎょうざはいっこでいいや!」

千歌「さっすが曜ちゃんおっとなだね~」

凛「かよちんチャーハンできたよ!」

花陽「!」

658: 2017/01/21(土) 20:55:30.24 ID:w8zPm5n4.net
善子「ふぅ…」

曜「おいしかったぁ」

凛「ニララーメン…食べてくれてありがとー!」

曜「いえいえそんなぁ」

千歌「んーっ…もうお腹いっぱい…」パンパン

善子「ごちそうさまでした」

曜「次はどうしよっか?」

千歌「そうだねえ…一旦帰ろっか!?」

曜「うん!おひるねタイム!」

659: 2017/01/21(土) 21:01:25.75 ID:w8zPm5n4.net
凛「ぎょうざと…ニラととんこつとみそで……2250円です!」

曜「私が出すよ~」

善子「大丈夫なの?クビなんじゃ

曜「ち…違うよ!はい2500円」

ジリリチーン

凛「250円のお返しでーす」

千歌「えっ…曜ちゃんクビ…?…」

曜「そ…そんなことないよ!」

凛「ニララーメンを食べてくれた人はみんないいお仕事に就けたらしいにゃ」

善子「よかったじゃない」

曜「うぅ…」

千歌「ごちそうさまでしたー」

凛「また来てね」

花陽「ばいばーい」

曜「ごちそうさまでした!」

660: 2017/01/21(土) 21:07:26.78 ID:w8zPm5n4.net
……………………………………………………………………

曜「さーておひるねタイ…

千歌「ちょっと曜ちゃん!!」フン

曜「………」

千歌「クビってどういうこと!!?」

曜「え…」

善子「今日の休みを取ろうとしたら明日も明後日も来なくていいって言われたらしいわ」

曜「だ…だけど…だからってクビとは…」

千歌「…………」ギロギロ

曜「ほぼ無職の癖に…」ボソッ

千歌「!!!」カッ

善子「ちょっ!?落ち着いて!!」

661: 2017/01/21(土) 21:13:00.65 ID:w8zPm5n4.net
千歌「むむむむ…私は無職なんかじゃない!!」カッ

曜「私だってクビって決まったわけじゃないもん!!」

善子「ふたりともおちついて」アタフタ

曜「ふんっ…」スタスタ

善子「あっ、どこいくのよ?!」

曜「…………」スタスタ

ガララララ

662: 2017/01/21(土) 21:18:10.81 ID:w8zPm5n4.net
善子「ちょっ…いいの?!」

千歌「大丈夫大丈夫、すぐ帰ってくるよ」

善子「…………」

千歌「やることないならおひるねタイムにしちゃお?」

善子「…………本当に大丈夫なの?」

ガララララ

曜「クビじゃなかったよ!!」スタスタ

善子「うわっ!?」

曜「電話したらクビじゃなかった!!」

663: 2017/01/21(土) 21:22:27.99 ID:w8zPm5n4.net
千歌「……ごめんね」

曜「…………いいよ、私こそ無職って言っちゃってごめんね、いつも家事ありがとう」

千歌「へへ」

曜「ふふふ」

善子「……なんなのよこれ…」

曜「さーておひるねタイムの前におやつタイムにしよっか」

千歌「さんせーい…おやつ持ってくるね~」トットットット

665: 2017/01/21(土) 21:28:58.02 ID:w8zPm5n4.net
曜「ふぅ…晩ごはんはどうしようか…昨日は八宝菜…」バリバリ

千歌「いろいろあるしまた鍋でいいんじゃない?一昨日善子ちゃんは食べてないみたいだし」バリボリ

善子「鍋でいいわよ」サクッ

曜「じゃあけってーい」

千歌「ごはん炊いとこっと」トットットット

曜「……寝ちゃお…」

667: 2017/01/21(土) 21:32:33.82 ID:w8zPm5n4.net
善子「運動してないの?食べて寝て働いての繰り返しで太るんじゃ…」

曜「働いてるから大丈夫だよ…おやすみ」

善子「………」

千歌「ごはん準備したから私もおひるねタイムに入りまーす」

善子「……まくらとってくるわ…」トットット

669: 2017/01/21(土) 21:37:47.36 ID:w8zPm5n4.net
……………………………………………………………………

善子「…………」スヤスヤ

千歌「ぐつぐつ煮えて来ましたよ~」

曜「おおっ」ムクリ

千歌「白菜食べごろですよ~」

曜「善子ちゃんおきて!もう晩ごはんの時間だよ」グイグイ

善子「んぇ……もう?」

千歌「もう6時半ですよ~」

善子「うええっ!?もう!?」

曜「おひるねタイムは終わりだよ」

670: 2017/01/21(土) 21:43:51.70 ID:w8zPm5n4.net
善子「……あんまりおなか空いてないわ…今日は食べてばっかりだったし…」

千歌「お鍋だから大丈夫!食べる分だけ食べればいいの」

曜「やっぱり鍋で正解だったみたいだね」

千歌「さあどうぞ~」

曜「いただきまーす」

千歌「善子ちゃんは白菜もりもり水菜もりもりだよ~」

善子「野菜ならまあ…」

千歌「あっ?!トリュフにごはんあげてくるね」トットット

曜「どんどんネギ食べちゃおっと」ヒョイヒョイ

672: 2017/01/21(土) 21:50:38.74 ID:w8zPm5n4.net
曜「はいはいはい」ヒョイヒョイ

善子「うわあっ?!勝手にいれないでよぉ!!」

千歌「ただいま戻りました~」

善子「ちょっとぉ…」

曜「明後日から…コロニーの外にいくんでしょ?」

善子「…そうよ」

曜「じゃあ今のうちにたくさんおいしいもの食べないと!!」ヒョイヒョイヒョイヒョイ

善子「こんなに食べられないわ!」モグモグ

千歌「曜ちゃんたまには良いこというね~」ヒョイヒョイ

善子「ひゃあっ肉まで!?」ドッサリ

673: 2017/01/21(土) 21:57:04.12 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

善子「うぶ…もう食べられないわ…」タプン

千歌「おいしいものチャージ完了!これで安心だね!」

善子「ごちそうさま……」

曜「外部調査はどれくらいなの?」

善子「うーん…そういえば聞いてないわね…たぶん長くて一週間くらいじゃないかしら?」

千歌「長いねぇ…」

善子「明日詳しいことがわかったら連絡するわ」

曜「頼んだよ~」

千歌「お風呂できてるから善子ちゃん一番風呂いいよ!」

善子「うっ…じゃあいただくわ…」ズッズッ

675: 2017/01/21(土) 22:10:56.59 ID:w8zPm5n4.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
♨♨?♨♨

ザプッ

善子「ふぅ~」ホッ

久しぶりに楽しかったわ…ありがとう千歌、曜

人工冬眠から目が覚めてから…いろんなことがあったけど…もう終わりが見えてきた…あと少しで…

待っててルビィ、みんな…絶対にまた会えるから…

善子「………」ウトウト

676: 2017/01/21(土) 22:12:08.29 ID:w8zPm5n4.net
とうすこ民かよ

677: 2017/01/21(土) 22:15:01.63 ID:w8zPm5n4.net


━━━━━━━━━━━━━━━━━

曜「……………善子ちゃん……遅くない?」

千歌「お風呂………もう40分くらい経ってるね…」

曜「大丈夫かな?」

千歌「はっ?!まさか…」

曜「善子ちゃんが危ない!!」

千歌「大変だ!!」

678: 2017/01/21(土) 22:19:59.74 ID:w8zPm5n4.net
♨ガララララ♨

千歌「善子ちゃんっ!!」

善子「…………」スヤスヤzzz

曜「寝てる…」

千歌「お風呂で寝ちゃダメだよ!!」

善子「ぶっ……うっ……」zzz

曜「起きない!?」

千歌「善子ちゃーん」グイグイ

善子「…………」ズルズル

曜「善子ちゃん!おきて!」フキフキ

善子「……っ…え……うわあっ!?なにしてんのよぉ!!!?」

679: 2017/01/21(土) 22:22:15.97 ID:w8zPm5n4.net
千歌「寝てたんだよお風呂で!」

善子「わっ!?寝ちゃってたのぉ!?」

曜「そうだよ!ダメだよお風呂で寝ちゃ!!おひるねもたくさんしたのに!」

善子「ご…ごめん…」

千歌「疲れてたんだね!早く寝ちゃいな」

善子「うん…」

680: 2017/01/21(土) 22:27:09.42 ID:w8zPm5n4.net
……………………………………………………………………

千歌「マミー冷蔵庫にあるよ?」

善子「♪」ホカホカ

千歌「長くて一週間かぁ…」

善子「………」ゴクッゴクッ

千歌「一週間も善子ちゃんに会えなくなるなんてさみしいな」

善子「ぷはぁ……曜がいるでしょ?」

千歌「そりゃあそうだけどぉ…」

曜「私じゃ不満かね?」ヌッ

千歌「ひゃあっ!?曜ちゃんお風呂上がってたの!?」

681: 2017/01/21(土) 22:38:30.38 ID:w8zPm5n4.net
善子「………」

曜「あっ!マミー冷蔵庫に入れなくていいよ!私飲むから」

千歌「善子ちゃんが来てから家族が増えたみたいで楽しかったから」

曜「私も!」

千歌「曜ちゃんはパパだもんね」

曜「千歌ちゃんはママ」

善子「ふふ♪パパ…ママ…」

千歌「はぁ~ぁぁぁ…かわいいぃぃぃぃ」

曜「もう一回!もう一回いって!!」

善子「一回限定よ♪」

曜「ぎゃー!!録音しておけばよかったぁ…」

683: 2017/01/21(土) 22:40:41.40 ID:w8zPm5n4.net
千歌「えへへ」

曜「じゃあもう寝よっか」

千歌「おひるねもしてお風呂でも寝ちゃった善子ちゃんは眠れるかな?」

善子「問題ないわ!」

千歌「じゃあおやすみなさい」

曜「うんおやすみ!」

千歌「明日は9時くらいに起こすよ?」

善子「ええ、おやすみなさい」

684: 2017/01/21(土) 22:46:20.25 ID:w8zPm5n4.net
…………………………………………………………………

善子「…………」スヤスヤzzz

千歌「善子ちゃーん…あさだよ~」ソーッ

善子「………」zzz

千歌「9時だよ~」

善子「っ!!!」ガバッ

千歌「おはよう」

善子「お…おはよう…」パチッ

千歌「朝ごはんできてるからね」

685: 2017/01/21(土) 22:54:45.42 ID:w8zPm5n4.net
曜「おっ!おはよう!」

善子「おはよう☀」

千歌「昨日のお鍋にうどんをいれたよ」カパッ

グツグツ

善子「……いただきます……」

曜「お昼にごはん屋さんで待ち合わせ…10時くらいに出ようか」

善子「そうね…すこし早めに」ツルル

686: 2017/01/21(土) 23:03:49.72 ID:w8zPm5n4.net
千歌「………もう少し早く起こせばよかった……」

善子「大丈夫よ」

曜「じゃあ私は準備してくるね」トットッ

千歌「私は洗濯物干してくるね」トットッ

善子「………」モグモグ

外への出発は明日…どうなってるのかしら…20年前と違うって…復興が進んでるってこと?
でも前の和民の人ようやく調査隊ができたって…
嘘を教えられてるってことなの?

善子「………ごちそうさま」

687: 2017/01/21(土) 23:09:28.64 ID:w8zPm5n4.net
善子「えっと……」

荷物……何がいるんだろう…
着替え?と…お金は…いらない?
………大したもの持ってないし…着替えだけでいいのかしら?

ガサガサ

善子「うーん…これで準備万端なの?」

トットットット

善子「おまたせ……」

曜「おっ準備OK?!」

千歌「私もごはん屋さんまでついていくよ!」

曜「じゃあ行こうか!」

689: 2017/01/21(土) 23:38:26.40 ID:w8zPm5n4.net
……………………………………………………………………

曜「………よし」

千歌「このマンホールいつもちょっと緊張するな~」

善子「それっ」スポッ

曜「よっと」ヒュン

千歌「…………もうどいたかな?」ストン

ドサッ

曜「ほっ」ドムッ

善子「ぐぶっ」ゴキッ

善子「お…重い…」ギギギ

曜「うわあごめん!!」

ストン

千歌「善子ちゃん大丈夫?」

善子「こ…腰に…」

千歌「あちゃー…上からおばさんが落ちてきて腰を…」

曜「ごめんね…私がすぐに降りちゃったから」

690: 2017/01/21(土) 23:42:19.57 ID:w8zPm5n4.net
善子「オ"……オ"……」ゴゴ

曜「…………トヤアッ!!」バシッ

善子「あああぅ」グギッ

千歌「ちょっ!?何するの!?」

曜「いや…なおるかな~と」

善子「あっ…えっ…い……いたくない……?」

千歌「うわなおったよ!?!」

曜「ふふん」

善子「いつもの通りね…まっすぐ歩いて…」

千歌「うん」

691: 2017/01/21(土) 23:44:41.48 ID:w8zPm5n4.net
トットットット

花陽「あっおはよう」

千歌「花陽さん!おはようございまーす」

曜「おはようございます」

善子「おはよう」

花陽「これからまた科学特区まで?」

善子「そうよ」

花陽「道は…もう大丈夫ですよね」

千歌「大丈夫!しっかり覚えてます!!」

花陽「ふふ、がんばってね~」

692: 2017/01/21(土) 23:48:35.02 ID:w8zPm5n4.net
千歌「まっすぐ……まっすぐ」

曜「そろそろ非常通路?」

千歌「まっすぐ……」

善子「そろそろじゃない?」

千歌「ここ!!」

ガチャッ

?千歌「懐中電灯つけまーす」?

善子「……このまま排水口までね…」

千歌「右から2番目!!」

善子「覚えてるわよ…」

693: 2017/01/21(土) 23:56:32.64 ID:w8zPm5n4.net
トットットット

千歌「ここ!!右から2番目!!」

曜「はいはい」

千歌「っと…扉が重い…」

曜「ふんっ」ズズズ

善子「んぐぐ」

千歌「はぁ~ついたぁ!」

曜「おっごはん屋の前に…」

千歌「おーい!真姫さーん」

694: 2017/01/22(日) 00:00:00.16 ID:r9CUz1dF.net
真姫「遅い!!」

善子「なんでぇ!?」

千歌「まだ11時20分ですよ?」

真姫「私はお昼ごはんは混む前の11時に食べるのよ!」

善子「そんなの知らないわよぉ!!」

真姫「まあいいわ」

曜「じゃあ…がんばってね」

千歌「真姫さん!善子ちゃんをお願いしますね」

695: 2017/01/22(日) 00:22:26.19 ID:r9CUz1dF.net
善子「じゃあね?」

千歌曜「がんばってね~」



真姫「さて…とりあえずうちにいくわよ」

善子「調査ってどれくらいなの?」

真姫「4班のグループがそれぞれ東北、関東、近畿、中国に向かう…私の班は関東で5日よ。ちなみに中国だったら二週間、近畿と東北だったら十日」

善子「5日…」

697: 2017/01/22(日) 00:28:24.23 ID:r9CUz1dF.net
善子「というか…私みたいな戸籍もない浮浪者をグループにいれてもいいの?」トットッ

真姫「………班長になるのはパパが選んだ人…他の班員はみな地上でスカウトされた浮浪者になる」

善子「ふ…浮浪者でいいの?」

真姫「浮浪者だと都合がいいのよ、調査が終わって帰ったあと処分するのに」

善子「しょ…処分って…」

真姫「外の世界を見たからよ…」

善子「そんな…」

真姫「浮浪者は嘘の報酬でスカウトされるわ……そう、例えばコロニーの戸籍と永住権とかね……それで調査に従事して終わったあとは〇されるの」スタスタ

699: 2017/01/22(日) 00:40:47.26 ID:r9CUz1dF.net
善子「んな…外って…」

真姫「復興…ガレキの処理は10年前にスタートしたわ…それで今はほとんど終わってる…植林も進んでるわ」

善子「えっ…」

真姫「何故だと思う?」

善子「………わからない…排水口も塞いで…コロニーの人にどうして知られたくないの?…」

真姫「世界にコロニーは9つ…それも全部日本とロシアのものと同じものよ」

善子「………」

真姫「……世界中を更地にして…コロニーに人類を閉じ込めて…その間に外を片付けて全世界の土地と資源を半分づつに分ける…そしてタイムマシンで手にいれた圧倒的な技術…」

善子「なにそれ…」

真姫「戦争で人類は適正人口まで減って人口問題もクリア、汚染がひどいところ以外は自然に溢れるかつての地球に戻る」

700: 2017/01/22(日) 00:48:49.55 ID:r9CUz1dF.net
善子「…………」ポカーン

真姫「こんなシナリオよ」

善子「スケールが…大きすぎて…」

真姫「性格には調査では無いわね…外の作業確認と手伝いよ」

善子「………」

真姫「グループは基本的に四人~十人だけど関東はかなり進んでるから私たちふたりよ…」

善子「なんか取りにいくんでしょ?」

真姫「そうよ、富士山で40年後発見されるレアメタル」

善子「それがあればタイムマシンが完成するのね」

真姫「ええ」

701: 2017/01/22(日) 00:53:30.89 ID:r9CUz1dF.net
………………………………………………………………

真姫「ついたわ」

善子「おじゃまします……」

真姫「私たちのグループ以外は労働が主になる」

善子「……」

真姫「大丈夫?」

善子「いや…頭のなかが…」

真姫「もうあなたは登録したわ、戻れないわよ」

善子「………もちろんいくけど」

702: 2017/01/22(日) 00:57:06.97 ID:r9CUz1dF.net
真姫「専用車の説明と荷物と…あといろいろ説明することが山ほどあるわ」ドッサリ

善子「うえぇ…」

真姫「その前に…お茶でも飲んで落ち着きなさい…」

トポポ

善子「…ありがとう」ゴクッ

善子「うえっ苦っ!!」

真姫「子供ね」

703: 2017/01/22(日) 01:06:55.56 ID:r9CUz1dF.net
…………………………………………………………………

善子「車は…以外と簡単そうね」

真姫「車は私が運転するから…」

善子「なんでよぉ!?運転させて!!」

真姫「難しいのよ…本で見た通りじゃないってこと」

善子「ええ~」

真姫「それにそこら辺の車とは違うのよ」

善子「うぅ……」ショボ

真姫「…………ちょっとだけ…無理だってわかったらすぐに交代」

善子「本当!?」

真姫「約束するわ」

善子「堕天使のドライビングテクニックに震えなさい!!」

真姫「……ふぅ……すこし休憩するわ…おなかが空いてるなら好きなもの食べていいわよ」

711: 2017/01/22(日) 19:08:02.00 ID:r9CUz1dF.net
善子「そうだ、電話借りてもいいかしら?千歌たちに連絡を」

真姫「いいわよ、固定のはないから私の携帯を使って」?

善子「ありがとう」ピッポッパ

電話「プルルルル…はいこちら民宿ワタミの高海でーす」

善子「わた

電話「善子ちゃん!?」

善子「うん、コロニー外の調査は5日だってわかったから」

電話「そっかそっか!じゃあその日はごちそうを準備しとくね♪」

善子「ふふ、楽しみだわ」

電話「がんばってね!楽しみに待っててね~」

善子「うん、じゃあまた」プツッ

712: 2017/01/22(日) 19:16:07.06 ID:r9CUz1dF.net
真姫「……そんな短くていいの?もっと」

善子「大丈夫よ…それより…例のレアメタルを手にいれてからどのくらいで完成するの?」

真姫「……入れて調整するだけ…長引いても3日ね、たぶん次の日には使えるはずよ」

善子「なるほどね」

真姫「たとえすぐ完成しても急かさないわ、ゆっくりみんなに挨拶してから使えばいいのよ、ごちそうでもなんでも楽しんできなさい」

善子「いつ使っても行きたい過去は同じ…」

真姫「そういうこと、極端だけど一ヶ月後でも一年後でも過去に戻って目的を達成さえすればいいのよ」

713: 2017/01/22(日) 19:24:03.22 ID:r9CUz1dF.net
善子「………ルビィはどうだったの?長い付き合いなんでしょ?」

真姫「そうね…4年ちょっとかしら…」

善子「20歳…20歳のルビィはどんな感じだったの?」

真姫「そうね…初めて会った時とは別人のように変わったわ」

善子「そっか…」

真姫「…結んでた髪をほどいてて…身長も伸びたわ、私より大きくなったのよ」

善子「ええっ!?」

真姫「嘘じゃないわ」

714: 2017/01/22(日) 19:30:54.62 ID:r9CUz1dF.net
善子「はっ…そういえばあのおじいさんも落ち着いててきれいだったって」

真姫「いつもあなたの話をしてたわ…」

善子「私の?」

真姫「そう、それで最後には昔に戻ったように泣きながら謝るの。謝る相手は目の前にいないのに」

善子「…………」

真姫「あとは…お姉さんの話と…友達のマルちゃんって子の話を覚えてるわ」

善子「そう…」

真姫「後悔してるのよ…私があのときルビィを止められたら……」

善子「あのときって…」

真姫「23年前よ」

715: 2017/01/22(日) 19:36:23.85 ID:r9CUz1dF.net
真姫「うっかりよ…突然うちに覆面の変な人が入ってきて…パパを縛りつけて…私を押さえつけようとしたの」

善子「え…」

真姫「触られたときにすぐルビィだってわかったわ…だけどもう遅かった…しっかり鍛えてたルビィに動けなくさせられて…そのままルビィは出ていって…」

善子「……エレベーターに…」

真姫「そう……そのあとメモが見つかったの……あなたたちを手伝えって」

善子「………」

716: 2017/01/22(日) 19:54:41.10 ID:r9CUz1dF.net
善子「あ…ありがとう…」

真姫「気にしないで」

善子「……そうだ…ダイヤは知らないってこと?」

真姫「ルビィのお姉さんね…会ったことは無いわ」

善子「…………じゃあ…とある人じゃないってこと?」

真姫「?何の話?」

717: 2017/01/22(日) 20:01:49.69 ID:r9CUz1dF.net
善子「いや…私たちが人工冬眠から目覚めた時にダイヤに助けてもらったんだけど…ダイヤに協力してた人がいたみたいで…誰かは言えないみたいだけど」

真姫「……………」

善子「人工冬眠から目覚めさせたのとかもその人じゃないかって思うの…25年の予定が故障で5年になるなんて…」

真姫「もう少し話して」

善子「…よく考えればあのときの態度も…エレベーターのタイムマシンが未完成だっていうのを知ってたのを黙ってた…」

真姫「…はぁ……検討もつかないわ」

善子「やっぱり…」

真姫「言えない……って言うのが引っかかるわね」

善子「…………」

真姫「まあ…今は全くヒントがないんだから考えても仕方ないわ」

718: 2017/01/22(日) 20:04:18.69 ID:r9CUz1dF.net
善子「うん……」

真姫「さて…そろそろ始めるわよ」ドッサリ

善子「うわ…まだそんなに……私車だけでいいわ…」

真姫「そういうわけにもいかないのよ」

善子「いやよ…」

真姫「わがまま言わないの」

719: 2017/01/22(日) 20:09:52.58 ID:r9CUz1dF.net
………………………………………………………………

善子「ぶあーーっ!こんなのぜっっっっったい明日になったら全部忘れてるわ!!」

真姫「………じゃあ覚えるまで繰り返す?」

善子「嘘に決まってるじゃないの!覚えてるわ!頭の中のアカシックレコードにしっかり記録されてるんだから!」

真姫「わけのわからないことを言わないで」

善子「とにかく大丈夫よ!……………」

真姫「ならいいけど……じゃあそろそろ晩ごはんにして早めに寝るわよ」

善子「了解!」

720: 2017/01/22(日) 20:19:44.71 ID:r9CUz1dF.net
真姫「今日は……出前よ」

善子「出前!?」

真姫「ピッツァでいいかしら?」

善子「まあいいけど…」

真姫「私はトマトとモッツァレラのピッツァ」

善子「うーん…じゃあこのエビマヨベーコンの」

真姫「じゃあ注文しちゃうから、来るまでの間にお風呂入る?」

善子「……じゃあ」

722: 2017/01/22(日) 20:56:37.99 ID:r9CUz1dF.net
……………………………………………………………

善子「湯船がからっぽだったんだけど…」サッパリ

真姫「あら…悪かったわね」

善子「前は千歌がいれておいてくれたのね」

ピンポーン

真姫「良いタイミングね、ちょうど来たみたい」トットットッ

723: 2017/01/22(日) 20:59:33.11 ID:r9CUz1dF.net
真姫「一枚のピッツァを二種類の味が半分ずつね」

善子「そっちも美味しそう…ちょっと交換

真姫「いやよ!私はトマトとモッツァレラのピッツァが食べたかったの!あなたはエビマヨベーコンを頼んだんだから!!」

善子「そんな…ちょっとくらい…ひときれくらい…」ウルウル

真姫「…………………ひときれ……ひときれだけよ?」

善子「本当に?!やったぁ!!」

車の時も思ったけどもしかしてこの人……

725: 2017/01/22(日) 21:03:20.58 ID:r9CUz1dF.net
真姫「いただきます」フンッ

善子「いただきまーす」

真姫「ふん……まあまあね…次は違うところで頼むわ」モッチリ

善子「あっふ…チーズがっあっ…み…みじゅ」ホフホフ

真姫「あなたねえ……」

善子「ほはっ…はっみじゅ!」ホホッフ

トポポポ☕

真姫「はい」☕

善子「………ぷはぁ…あっついのよチーズ!!」

727: 2017/01/22(日) 21:07:49.27 ID:r9CUz1dF.net
真姫「もう!!交換しなければよかったのよ!!」

善子「……ごめんなさい」ショボ

真姫「この前も八宝菜温め過ぎたでしょ!!ちゃんとしなさい!あと冷たい飲み物は冷蔵庫の中にあるから!」

善子「覚えておきます」モグモグ

真姫「はぁ……」

善子「エビマヨベーコンは?おいしい?」

真姫「……まあまあよ」

728: 2017/01/22(日) 21:17:23.31 ID:r9CUz1dF.net
真姫「………明日はすぐ出発よ、大丈夫?」

善子「しっかり眠るわ!」モチモチ

真姫「ならいいけど…まあ引きずってでもつれていくし」

善子「ええ……怖いこと言わないでよ……」

真姫「あなたがちゃんと起きればいいのよ………ごちそうさま、私はシャワー浴びてくるから…食べ終わったら寝ててもいいわ…好きにしてて」

善子「わかったわ!この前のおっきいベッドの部屋でいいの?」

真姫「好きなところでいいわよ、ソファでも床でもベッドでも」

732: 2017/01/23(月) 00:30:13.85 ID:yysfs568.net
……………………………………………………………………

真姫「起きて…時間よ」

善子「うぇ……そんな…まだ」ウトウト

真姫「このつなぎに着替えてね」

善子「まだ…6時じゃない……」ウトウト

真姫「一時間前よ!しっかりして!!じゃあ朝ごはん準備して待ってるから」スタスタ

善子「うぅ…眠いわ…」ヌギヌギポイッ

善子「つなぎ……ダサい…嫌…」スポッ

733: 2017/01/23(月) 00:35:27.05 ID:yysfs568.net
真姫「あら…つなぎ…様になってるわよ」

善子「うぅ…つなぎが似合う堕天使……」

真姫「良いじゃない、かわいらしいわ」

善子「あ…」

目玉焼き、ベーコン、トースト、ヨーグルト

真姫「ふふ、今日はちゃんと料理したわよ♪」

善子「ありがと…いただきます…」

真姫「食べたら出るわよ?わかってる?事務局では黙ってるのよ?」

善子「それは覚えてるわ…」モグモグ

734: 2017/01/23(月) 00:40:40.05 ID:yysfs568.net
真姫「ならいいわ…あなたが先に出るんだからね、ひとりで大丈夫?事務局までの道とか」

善子「問題ないわ…あと」モグモグ

真姫「あと?」

善子「私のことずっとあなたって呼んでるでしょ?…ヨハネでいいわよ……真姫さん」

真姫「…………ふふ…善子」

善子「んなあっ?!今ヨハネと言ったはずよぉ!!」

735: 2017/01/23(月) 00:46:34.18 ID:yysfs568.net
…………………………………………………………………

善子「ふぅ……」トテトテトテ

私…とコロニー外調査にスカウトされた浮浪者たちは先に集合…私と真姫さんの関係は表には出さない方がいいから私が先に出る…
真姫さんはあとから入って私を専用車に詰めてさっさと出発…大丈夫かしら…
まあ『パパ』がいればだいたい思い通りになるらしいけど…

帰りの方が心配だわ…本来始末される予定の私がどうやって…

善子「…はぁ……ここが事務局ね…」

ギィー

736: 2017/01/23(月) 00:53:36.98 ID:yysfs568.net
善子「…………」

ここに集められてるのは浮浪者で…なんとなく想像はついてたけどおじさんばかり…というか女の子って私しかいないんじゃ…

善子「………私しかいない…」

もう!!早く来てよ!!おじさんの視線が痛いわ!!

?ブロロロロロロロ

善子「あっ」

おじさんたちが何人かずつゲームで見た装甲車みたいなのに乗ってる…そろそろかしら?

善子「早く来なさいよぉ…」ウズウズ

おっさん「どうした嬢ちゃんオシッコでも行きたいのか?」

善子「…………」プイッ

何よこいつ気持ち悪っ!!早くどっかいきなさいよ!!

737: 2017/01/23(月) 00:56:58.95 ID:yysfs568.net
ブロロロロロロロ

真姫「おまたせ」

善子「!」

真姫「早く乗りなさい」

善子「……」トテトテトテ

真姫「後ろを閉めて」

ガチャッ

ブロロロロロロロ

真姫「西木野…出発します…午前7時40分」

738: 2017/01/23(月) 01:05:01.10 ID:yysfs568.net
善子「遅いわよぉ!」ウルウル

真姫「悪かったわね、大丈夫?変な人に嫌なことされなかった?」

善子「気持ち悪いおじさんに気持ち悪いこと言われたんだから!!」フン

真姫「……ごめんなさい…もうちょっと早く出れば良かったわ」

善子「あっ…いや…触られたりしてないから…別に…そんな…」

真姫「……ならいいけど………日程…大丈夫?」

善子「えっと…関東平野で3日と…旧神奈川周辺で2日をやらずに富士山までいくんだったわよね?」

真姫「正解よ、じゃあ早速旧千葉まで行くから…眠かったら寝てても構わないわ」

741: 2017/01/23(月) 20:32:33.34 ID:yysfs568.net
?ブロロロロロロロ

善子「………以外と広いのね…車」

真姫「そうね…私たち以外は四人乗ってるわ」

善子「うわっ…ほんとにガレキが片付いてる…」

真姫「床下に5日分の食べ物が4人分あるからふたり分は好きにしていいわよ」

善子「うわ…まずそう…なにこれ…前に雑貨屋で見た宇宙食みたい」ガチャ

真姫「意外と美味しいわよ」

善子「ならいいけど………そうだ」

真姫「?」

742: 2017/01/23(月) 20:36:20.23 ID:yysfs568.net
善子「富士山らへんに行くときにちょっとだけ寄ってほしいところがあるの」

真姫「………レアメタルの採掘が終わってからならいいけど」

善子「うん、じゃあ富士山にいったらがんばるわ」

真姫「…………」

善子「あっ!運転させてよ!」

真姫「そういえばそんなこと言ってたわね…」

真姫「じゃあ止まるから交代ね」

743: 2017/01/23(月) 20:39:59.02 ID:yysfs568.net
ブボォォン……ブブブブ

善子「わっ!……」

真姫「エンジンがかかっただけよ!」

ブロロロロロロロ

善子「やった!!進んだわ!!」キュイッキュイッ

真姫「………」

善子「……あれ……曲がれない……ちょっとこれ大丈夫なの!?」グイ

真姫「大丈夫……」

善子「全然言うこと聞かないわよ!?このっ!」ポカッ

真姫「あっ!やめなさい!!」

744: 2017/01/23(月) 20:42:17.72 ID:yysfs568.net
車「ジドウウンテンカイジョ」

善子「えっ…」

真姫「今すぐブレーキを踏んで!!」

善子「えっ?どっち?」ズムッ

真姫「逆よ!!!」

善子「ええ?!」アタフタ

真姫「どいて!!」

善子「ひぇっ」ドサッ

真姫「………っ」

キキィィィィィィィィィィ

745: 2017/01/23(月) 20:45:33.76 ID:yysfs568.net
真姫「はぁ……」

善子「じ…自動運転って……」

真姫「……嘘をついたのよ…心配だったから」

善子「……まあ……もう運転はいいわ…」

真姫「私も…あとは港まで自動運転に任せるからゆっくりしましょう」

善子「うん……」

746: 2017/01/23(月) 20:52:36.21 ID:yysfs568.net
……………………………………………………………………

「ピロピロ!モクテキチデスモクテキチデス」

真姫「さ、港よ」

善子「私は…」

真姫「オーストラリア船の人と軽く挨拶するだけだから中にいてもいいわよ」

善子「船?」

真姫「昨日説明したでしょ!!鉄鉱石よ!」

善子「ああ…そういえば」

真姫「じゃあゆっくりしてて、旧水戸の工場まで三時間くらいあるから……まあやることもないし寝てれば?」

善子「はぁ~い……」

747: 2017/01/23(月) 21:04:13.07 ID:yysfs568.net
…………………………………………………………………

ガチャッ

真姫「遅くなってごめ……」

善子「ふふ」ニタァ

真姫「なんなの?…この黒い悪趣味なカーテン…」

善子「ちょうど黒いつなぎが余ってたから……仕切りにして部屋を…」

真姫「…………何してるのよ!!」カッ

善子「ええ…そんな怒らなくても…」

真姫「洗濯はできないからつなぎは使い捨てだって昨日言ったでしょ!!」?

善子「あっ……」

真姫「しかもこれ…4着分?…切ってるし」

善子「…切ってうでの部分を結んでカーテンに」

748: 2017/01/23(月) 21:08:27.65 ID:yysfs568.net
真姫「信じられない!」ビッ

善子「ああ……」

真姫「………善子、あなたの分のつなぎはもうそれだけよ!!ずっと同じつなぎよ!!」

善子「え……」

真姫「あなたが勝手に使ったの!!」

善子「いやっ…そんな…臭うんじゃ…」

真姫「知らないわ」

善子「そんな…」

真姫「とにかく…片付けといて…」

善子「………」ショボ

749: 2017/01/23(月) 21:15:55.17 ID:yysfs568.net
……………………………………………………………………

善子「…………」すやすや

真姫「工場よ…起きて」トントン

善子「んぇ……」ウトウト

真姫「工場はついてきてもらうわ」

善子「……あっ!!片付け…ごめん…やっといてくれたの?………」

真姫「自動運転でやることなかったから…」

善子「あ……ありがとう…」

真姫「大丈夫よ、朝も早く起こしちゃったし寝ちゃっても仕方ないわ」

750: 2017/01/23(月) 21:20:12.50 ID:yysfs568.net
真姫「………さっきは悪かったわね…」

善子「へ?」

真姫「…怒鳴っちゃって……でもつなぎを勝手に切るのはダメよ」

善子「あ……いや…こっちこそごめんなさい…」

真姫「……とりあえずいくわよ」

善子「うん…」

ガチャッ……トスッ

善子「っと…久しぶりに地面…」

真姫「あれが工場よ」

善子「………なんか普通ね…未来の工場だしもっと未来っぽいのを想像してたけど…」

751: 2017/01/23(月) 21:27:24.43 ID:yysfs568.net
スタスタスタ

真姫「じゃ………私は私の仕事があるから……」

善子「私は…」

真姫「単純な作業よ、一日お仕事体験だと思ってて」

善子「ええ…」

真姫「仕方ないでしょ、そういう名目で来てるんだから……」

善子「はぁ………じゃあ」

真姫「夕方ね、迎えに行くから」

善子「またあとでね……」ショボ

753: 2017/01/23(月) 21:39:13.17 ID:yysfs568.net
……………………………………………………………………

ウィーーン

善子「……」ボー

ベルトコンベアの前で立って音が鳴ったらボタンを押すだけのお仕事…
異常なし、音はならない…ただ立ってるだけのお仕事……

ガチャッ

真姫「おまたせ」

善子「…………………」ポカーン

真姫「大丈夫?………車に戻るわよ?」

善子「………………うへっ!?真姫さん!?」

真姫「心ここにあらずって感じだったけど…」

善子「だ、大丈夫!早く車に!」

754: 2017/01/23(月) 21:48:15.01 ID:yysfs568.net
善子「…………………」ボー

真姫「ほんとに大丈夫なの?!」

善子「ボタン!!?ボタン!!押さなきゃ…………って……」アワワ

真姫「ずっと立ってるだけだったけど……そうとうこたえたみたいね」

善子「いや…大丈夫……大丈夫……」

真姫「…今日はもう何もないから…車でごはんにするわ」

善子「えっ!?もうそんな時間!?」

真姫「………重症ね」

755: 2017/01/23(月) 21:54:41.06 ID:yysfs568.net
……………………………………………………………………

真姫「水を入れてこの糸をひっぱれば……」キュッ

プチッ

善子「わっ……」

真姫「暖かいスープに」ホッカホカ

善子「全然違うじゃない…不味そうだったのに…」

真姫「それも同じようにひっぱれば……」キュッ

善子「うわ…すごいわね…ごはんが……」

真姫「便利でしょ?」

善子「すごい………いただきます」

756: 2017/01/23(月) 22:03:33.40 ID:yysfs568.net
善子「………」チュルルル

真姫「どう?」

善子「おいしい……」

真姫「ふふ、良かったわ♪」

善子「……工場で働いてるのって……もしかして…」

真姫「……言ってみて」

善子「コロニーに入れなかった人……?」モグモグ

真姫「……そうよ」

善子「やっぱり…」

真姫「……どうしたの?」

善子「いや…なんでもないわ…」

757: 2017/01/23(月) 22:18:15.15 ID:yysfs568.net
善子「そういえばお風呂って…」モグモグ

真姫「無いわよ」

善子「ですよね~………」

真姫「トイレを閉めてホースにノズルをつけてお湯にすればシャワーになるわ」

善子「はぁ…よかった」ゴクッゴクッ

真姫「………………」

善子「ごちそうさま」

758: 2017/01/23(月) 22:30:02.34 ID:yysfs568.net
……………………………………………………………………

善子「……うぅ」スンスン

真姫「?」

善子「くっさ!!汗よ汗!……またこのつなぎを…しかも最後まで…うぇ…いやよこんなの…」ショボ

真姫「………仕方ないわね…私の分のつなぎ一着あげるから…」

善子「本当?!」パァ

真姫「今着てるのは…まあ水に一晩浸けてから昼乾かせばマシにはなるんじゃない?」

善子「………うぅ…ありがとうございます」ウルウル

真姫「…………どういたしまして」

759: 2017/01/23(月) 22:34:18.04 ID:yysfs568.net
善子「ふふ…ありがとう」ニコニコ

真姫「……」

善子「ふふふ」ニコニコ

真姫「何よ……」

善子「なんでもないわ」

真姫「………じゃあ寝るから…おやすみなさい」

善子「うん、おやすみなさい」

764: 2017/01/24(火) 10:37:20.32 ID:qmdd7XIb.net
………………………………………2日後………………………………………

善子「うぅ………」トボトボ

真姫「…………大丈夫?」

善子「もういいのよね?…工場?は…立ってるだけは…」

真姫「今日でお仕事は終わりよ、よくがんばったわね」

善子「あぁーん…疲れたぁ…」ポコ

真姫「ここからが本番よ?」

善子「うん…わかってるけどぉ…」

真姫「……悪かったわ…無理矢理連れてきて」

765: 2017/01/24(火) 10:52:57.34 ID:qmdd7XIb.net
善子「うぅ…別にいいけどぉ…」

真姫「………知ってもらいたかったのよ」

善子「?」

真姫「コロニーの外」

善子「……………」

真姫「過去に戻って…戦争が起こらない世界に変わって……それでもしこの津島善子が変わった世界に残ってしまったら」

善子「……前にいってたわね…消えるか…残ってひとりで生きるか……」

真姫「あなたがやったことは誰にも知られないのよ……世界を救ったのに」

善子「……わかってる……」

真姫「ひとりで生きなきゃいけない……助けたかった人…会いたかった人と話すことも出来ない…」

善子「……」

真姫「だからよ」

善子「だから?」

766: 2017/01/24(火) 11:02:41.63 ID:qmdd7XIb.net
真姫「あなた自身…自分がどれだけ世界に影響を及ぼしたのか…」

善子「…………」

真姫「英雄になるのよ……その世界ではあなたしかその事実は知らないけど……自分のやったことに誇りを持つの」

善子「…」

真姫「そうすれば……少しはひとりで生きるのもマシになるかなって思って…」

善子「……あらためて言われると…怖いわね…」

真姫「本当に辛くなったら…私のところに来てもいいわ……善子がちゃんと昔の私を納得させられたら…きっと私は助ける」

善子「できるかしら…」

真姫「さあ?」

767: 2017/01/24(火) 11:08:32.10 ID:qmdd7XIb.net
善子「すぐいくかも」

真姫「…………」

善子「まあ…その時に考えるわ…」

真姫「じゃ…このまま神奈川まで自動運転だから」

善子「んーーーっ……はぁ…疲れた」

真姫「ゆっくり休みましょう」

善子「うん…」

768: 2017/01/24(火) 11:16:00.92 ID:qmdd7XIb.net
……………………………………………………………………

善子「うえっ……」パチッ

まだ外が暗い…夜明け前かしら

真姫「………」スヤスヤ

今どの辺なのかしら…たしか運転席で…

?????「「「ゴンッ」」」?????

善子「へっ!?」ガクッ

何?車が何かにぶつかった!?

善子「ぅあ痛っ」ゴスッ

真姫「何っ!?事故!?」

善子「うぅ…頭打った…」ヒリヒリ

769: 2017/01/24(火) 11:19:52.85 ID:qmdd7XIb.net
真姫「なんで……自動運転で事故なんて…」

ギギギギギギギギギギギギ

真姫「きゃっ」グラッ

善子「かかか傾いてる!?」

真姫「ひゃあ」ゴロゴロ

ギギギギギギギギギギギ゙

善子「うわわわわわ」ドサッ

「「ドスーーーーン」」???

真姫「お…横転!?」

善子「なんで!?」

真姫「外に誰かいるわ!!自動運転はちゃんと地形も見てるはずよ!!」

善子「ええっ?!」

784: 2017/01/27(金) 01:45:23.69 ID:cW34QyM2.net
真姫「……見て…モニターを」

善子「……人…みんな銃を持ってる」

真姫「ここで会うとは…やっぱりあなたツいてないわね」

善子「なんなの?」

真姫「コロニーに入れなくて…それで外で徴用から逃れた人たちが徒党を組んでるのよ…」

善子「……そんな…」

「「何も持たずに出てこい!!」」

真姫「出るしか無いわね…」

785: 2017/01/27(金) 01:51:03.82 ID:cW34QyM2.net
ガチャッ

善子「………」

真姫「………」

リーダー「よし!こいつらを縛って荷台に載せろ、車の中の物も全部出して一緒に詰めろ!」

手下「はっ」サッサッサッ

リーダー「……さて、お前らをどうするかはボス次第だ…荷台で遺言でも考えときな」

786: 2017/01/27(金) 01:54:59.69 ID:cW34QyM2.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━
???
ぶぉーん

善子「こんな時に…」

真姫「この数相手じゃどうしようもないわ…」

善子「し……死ぬの?…私たち…」

真姫「………さあ…わからないわ、でもまだ生きてる」

善子「でも…」

真姫「考えるのよ…何かこっちから出せるものがあれば交渉できるかもしれない…」

善子「でも…車の中の物は全部奪われちゃったし…」

真姫「………」

??ぶぉーん

804: 2017/01/30(月) 14:42:24.53 ID:T1RxwP6G.net
てす

805: 2017/01/30(月) 14:59:34.99 ID:T1RxwP6G.net
…………………………………………………………………

リーダー「ここで神に祈ってるんだな!すぐに気づくぜ、そんなものはいねえ」



善子「げっ」ドッ

真姫「きったないわね…」

善子「きゃっ!」

真姫「何?!」

善子「見て……あれ」

806: 2017/01/30(月) 15:06:14.85 ID:T1RxwP6G.net
善子「便器が…そのまま…」

真姫「………映画で見たままの刑務所みたいね」

善子「いやよ!………カーテンくらいつけてよお!!?」

真姫「最悪ね…」

善子「もぉ…どうなっちゃうのよ…」

真姫「……」

コツコツコツ

807: 2017/01/30(月) 15:11:54.70 ID:T1RxwP6G.net
リーダー「こいつがさっき捕まえた

「女の子やん?」

リーダー「は……」

「女の子こんな汚いとこに閉じ込めちゃダメって言うたやん?」

リーダー「は……」

善子「何……」

真姫「………」

「ほらおいで、ゆっくりお話しよう?」ガシャン

善子「……開けてくれた…」

真姫「………なんなの?」

808: 2017/01/30(月) 15:17:23.03 ID:T1RxwP6G.net
……………………………………………………………………

「えっと……つまり別にうちらを捕まえて働かせようとしたわけでもなく」

善子「うんうん」コクコクッ

「タイムマシンの材料を探しに来たってことでええの?」

真姫「だいたいそんなところよ」

「ほら!謝り!!」ポカッ

リーダー「……」

「はよ謝り!!!」ドスッ

リーダー「す…すみませんでした…」

善子「…………」

真姫「………」

希「うちは東條希、よろしくね」

真姫「よ…よろしく」

善子「よろしくお願いします…」

「のんちゃ~ん、さっき捕まえた人はどうだった?」

809: 2017/01/30(月) 15:27:08.17 ID:T1RxwP6G.net
善子「なんかゆるいわね」

真姫「でも良かったわね…」

善子「うん…〇されたりは無さそうね」

「うわっ!!?」

希「?…どうしたんまるちゃん」

「わぁぁあああああああぁぁぁぁ!!」トトトトト

善子「…?…」

「わぁぁぁ!?!」ペタペタ

善子「んぶっ…そんな触らな

「……すごいずら~…昔のまんまそっくりさん……お母さんの名前は?」

善子「え……」

「ねえねえ!」

善子「……………マル?」

810: 2017/01/30(月) 15:32:10.50 ID:T1RxwP6G.net
花丸「わっ!?まるのこと知ってるの?お母さんから聞いたの?お母さんは元気?」

善子「ちょっ!落ち着いて!!」

花丸「声まで!懐かしい!すごいずら!」

希「…お友だち?」

花丸「で?で?」グイグイ

善子「……国木田花丸……でいいのよね?」

花丸「そうだよ!」

善子「……私は本物よ」

花丸「本物?」

善子「娘でもそっくりさんでもなくても…津島善子そのものよ」

花丸「えええぇぇぇええええ!?!!!?」

真姫「……これが…マルちゃん?」

花丸「あなたもまるのこと知ってるの?!」

真姫「そうね、ルビィから聞いてたわ」

花丸「る…ルビィちゃん!!!??」

希「ちょっとおちつき…もうめちゃくちゃや」

812: 2017/01/30(月) 15:39:16.79 ID:T1RxwP6G.net
花丸「わぁぁぁああああぁぁぁぁぁ」

善子「………」

真姫「こっちもこっちよ…何がなんだか」

希「つまり…さっき捕まえた人が…マルちゃんの昔のお友だちだった?」

花丸「………そうだ!!!」

希「そうか!!??」

花丸「ちょっと待ってて!!」トトトトト

善子「何?まだ何かあるの?!」

真姫「……とりあえず…こっちで進めるわよ…私は西木野真姫」

善子「あっ…津島善子です」

希「うん、よろしくね」

814: 2017/01/30(月) 15:53:04.14 ID:T1RxwP6G.net
善子「……ここはどこなの?」

希「ここは…昔の自衛隊の病院だったところを」

真姫「旧自衛隊の病院?!」

希「そ」

真姫「じゃあ…富士山は」

希「すぐそこだよ」

真姫「ついてるわね……」

善子「あっ!そっか」

希「?」

真姫「40年後…富士山で発見されるレアメタルを探してるのよ」

希「ほう」

真姫「どうしてもレーザーの出力を上げるためにそれが必要なの」

善子「それは初耳よ」

希「で、それを探しに来たってこと?」

真姫「そうよ、だいたいの場所もわかってる」

希「邪魔してごめんな…」

815: 2017/01/30(月) 16:18:42.95 ID:T1RxwP6G.net
花丸「善子ちゃーん」

善子「あっ…どこ行ってたのよ」

花丸「この人誰だと思う?」

「ふふ…全然変わってない…本当に昔のままだね」

善子「……」

花丸「ぶっぶー!遅いずら!!」

善子「うええ!?はやいわよ!」

花丸「正解は?」

善子「うぅーん…その目は………リリー?」

梨子「もう…恥ずかしいからその名前はやめて……」

花丸「梨子ちゃんも一緒なんだよ」

善子「ええっ!!?」

梨子「善子ちゃん…」

希「マルちゃんのお友だちなら梨子ちゃんのお友だちやもんね」

花丸「もうびっくりずら!!」

816: 2017/01/30(月) 16:25:14.15 ID:T1RxwP6G.net
希「……ゆっくりしゃべっててええよ」

真姫「私たちはこっちで話してるわ」



花丸「かわいいずら」

梨子「えっと…16歳くらい?」

善子「こんなところで会うなんて…」

花丸「マルもびっくり!」

梨子「私もびっくりしちゃった…まさか善子ちゃんが…」

善子「そうだ!コロニーで千歌と曜と果南に会ったわ!」

梨子「千歌ちゃんたちが!?」

善子「そう!千歌は小さな民宿で曜はタクシーのドライバーで千歌と一緒に暮らしてるの。果南はコロニーでの籍がないから地下にある秘密の町で働いてたわよ」

花丸「千歌ちゃんたちが……そうだ!ルビィちゃんは!?」

817: 2017/01/30(月) 16:38:38.85 ID:T1RxwP6G.net
……………………………………………………………………

花丸「そんなことが……」

梨子「大変だったんだね…」

善子「…………」

花丸「はやく見つけないとねれあめたる?」

梨子「私たちも手伝うよ」

善子「リリー……マル…

花丸「へへ」

善子「ふたりはどうだったの?…戦争とか…大変だったんでしょ…私はずっと寝てたから…」

818: 2017/01/30(月) 16:57:28.91 ID:T1RxwP6G.net
花丸「マルはお母さんとお父さんのところにいってて」

梨子「私は…東京に向かうときにお母さんとはぐれて…そこで希ちゃんと会ったの」

善子「…………」

花丸「お母さんお父さんも一緒に居たんだけど…6年前に…」

善子「そう……」

梨子「千歌ちゃんたち…元気だったんだね」

善子「果南は目が見えなくなっちゃったけど…」

花丸「ダイヤちゃんは……」

善子「わからないわ…あれからどうなったのか…」

梨子「そっか…」

822: 2017/01/30(月) 20:48:58.03 ID:AhCVNYAW.net
希「ちょっとええかな?」

梨子「どうしたの?」

希「西木野さんとお話して…」

真姫「手伝ってもらうことにしたわ」

希「ちょっ、今うちが言おうと…」

花丸「ほんとお?!マルもがんばるよ!」

真姫「あ、あなたたちは別で動いてもらうわ」

花丸「ええ…」

真姫「善子」

善子「何かしら?」

真姫「行きたいところがあるんでしょ?だいたい予想はつくわ、そのふたりと一緒に行ってきなさい」

善子「んえっ!?」

823: 2017/01/30(月) 20:55:15.48 ID:AhCVNYAW.net
希「そのふたりがいれば大丈夫」

真姫「私は東條さんと」

希「希でええよ、のんちゃんでも」

真姫「の…希……と富士山に向かうわ」

梨子「それで私たちは…」

善子「……沼津よ……」

花丸「!」

善子「…………」

真姫「決まり……で良いかしら?」

善子「みんながそれで良いなら」

花丸「おっけーずら」

梨子「善子ちゃんマルちゃんよろしくね」

希「決まりやね」

824: 2017/01/30(月) 21:10:32.63 ID:AhCVNYAW.net
……………………………………………………………………
?ブロロロロロロロ

花丸「どう?マルのどらいぶは」

善子「ふふ、上手いわね♪」

梨子「早速出発なんて…」

善子「仕方ないわ…残り2日…意外と時間が無いのよ」

花丸「沼津まで行くのって…ダイヤちゃんのことだよね?」

善子「…………そうよ……わからない…けど果南はまだ生きてたから…もしかしたらダイヤも…」

花丸「……」

梨子「前に私たちが沼津まで行ったのは結構前なんだ…」

花丸「あの辺は汚染がひどいらしいからまだ復興があんまり進んでないらしいずら」

825: 2017/01/30(月) 21:19:23.38 ID:AhCVNYAW.net
…………………………………………………………………

花丸「ガレキは片付いてるみたいだね」

善子「あれから20年経ったのよね…」

梨子「なんだか不思議だね…善子ちゃんにとってはついこの間なのに…私とマルちゃんは」

花丸「ダイヤちゃんがここら辺にいたならマルもここに行けば良かったなぁ…でもそしたら梨子ちゃんに会えなかったし…うぅ…」

善子「元スーパーの地下なんだけど…」

梨子「何か目印みたいなものは無かった?」

善子「うぅーん…あ!クレーターからまっすぐ歩いてきたわ!」

花丸「クレーターずら?マルに任せて!」

?ブロロロロロロロ

826: 2017/01/30(月) 21:26:43.65 ID:AhCVNYAW.net
?ブロロロロロロロォォォン

花丸「まっすぐ!」

梨子「スピード出しすぎたら危ないよ?」

花丸「マルは運転得意だから大丈夫ずら」

善子「ちょっ!ストップ!」

?⚠キキィィィィィィィィィィィィ

梨子「きゃっ」ドスッ

善子「げっ」ドスッ

花丸「シートベルトしないと危ないよ?」

善子「ほんと…危ないわよ…」

梨子「もう…帰りは私が運転するからね」

善子「…この辺で降りてみても良いかしら…」

花丸「じゃあ降りて探してみよっか」ガチャ

???

827: 2017/01/30(月) 21:41:35.92 ID:AhCVNYAW.net
花丸「………どこかなぁ……」

梨子「……スーパーの地下かぁ……」

花丸「いだっ」ドテッ

梨子「あっ!マルちゃん大丈夫?」

花丸「うわっ…危ないずら…しかもすぐそこは大きな穴…」

梨子「一歩間違えば大怪我だったね…」

善子「……………」

花丸「ずいぶん広い穴だよ……」

善子「……これ…穴じゃないわ…」

梨子「穴じゃない?」

善子「……床が落ちたのよ…地下に」

花丸「じゃ……じゃあ…」

善子「…………………降りて見るわよ…」

828: 2017/01/30(月) 21:54:22.59 ID:AhCVNYAW.net
花丸「うわあっ」ドスッ

梨子「ひゃあっ」ドテッ

善子「…………」

間違いない…あのときのスーパー…………
天井は落ちて…中は砂だらけ…それはつまり……

花丸「錆びちゃった棚みたいなの…やっぱりスーパーだね」

梨子「なんだろうこれ」ペリペリ

梨子「うええっ…腐ってる…」

善子「……なんとなく…途中から気づいてたのよ…でも言えなかったの…」

花丸「……」

善子「だって…声に出したら…本当にそうだって決まっちゃう気がして……」

花丸「善子ちゃん…」

善子「別れるときに…ルビィをお願いって言われたの……なのに私……」ウルウル

花丸「ごめんね…マルは」

善子「うぅ…違うのよ…私が…」

梨子「…………ねぇ…これって?」

829: 2017/01/30(月) 21:58:52.39 ID:AhCVNYAW.net
花丸「……本?」

梨子「うん…ぼろぼろだけど…」

善子「ほ…ほん?」

梨子「ぼろぼろでところどころ抜けてるところがあるんだけど…中を読んでみて?」

善子「………」

花丸「これって…」

梨子「うん…」

花丸「ダイヤちゃんの日記…?…」

善子「……日記…なんて…書いてたの……」

花丸「とにかく読んでみよ」

梨子「うん」

836: 2017/01/31(火) 23:24:20.73 ID:a6IT0qib.net
?ペラペラ

梨子「!」

花丸「………」

?≪鞠莉さんが亡くなって、日数を数えるのを忘れてしまいました。
140…といくつでしょうか。動かなくなった友を穴に埋めるという行為は私にはと……………です。≫

善子「…っ…」ペラペラ

?≪いつ………うに外を歩いても何の気配も感じません≫

花丸「…」

?≪正正正正正正正正正……≫

梨子「……」

?≪なんとルビィと善…………現れました。ふたり………ても立派です。元気な姿をみられて…………す。これから大変で………大…………ィは………しい………た。≫

838: 2017/01/31(火) 23:37:27.62 ID:a6IT0qib.net
善子「これは…あの日…」

花丸「汚れてたり破れてたりでちゃんと読めないね…」

?≪予定通り、かわい…しい……ィと善………が……て。私は………た……に…命を……。≫

?≪別…な…と……を心………ます。皆……たい。≫

?≪手………なく…これ以…書け…ん。≫

梨子「……ここで終わりみたい……」

善子「…………」

私たちと会ってから…すぐに終わってた…
本当にギリギリだったんだ…もう長くないって…わかってたからついて来なかったんだ…一緒にコロニーに入って…私とルビィの目の前で死にたく無かったんだわ…

花丸「ほかには……何もないかなぁ…」

839: 2017/01/31(火) 23:43:07.59 ID:a6IT0qib.net
梨子「私は…向こうでそれを拾って…」

花丸「………もうちょっとみてみよっか」

善子「もう…いきましょう…」

梨子「えっでも」

善子「いいのよ…もう」

花丸「…………そうだね…戻ってゆっくりお休みするずら」

梨子「そうだね…」

花丸「のんちゃんたちはどのくらい進んだのかなぁ」

梨子「西木野さんがいろいろわかってるみたいだから大丈夫だと思うよ」

花丸「じゃあ早速車に戻るずら」

841: 2017/01/31(火) 23:48:50.37 ID:a6IT0qib.net
……………………………………………………………………

花丸「ただいま~」

あのリーダー「お帰りなさいマルさん梨子さん!」

善子「ぅぇっ」

梨子「……あっ!里依田さんは善子ちゃんに乱暴したから近づくの禁止だよ!」

花丸「そうずら!自分のお部屋に戻って!」

あのリーダー「うっ、へいっ!戻ります!!」ソソクサソソクサ

花丸「大丈夫?」

善子「問題ないわ…」

花丸「まだのんちゃんたちは帰ってないみたいだからゆっくり休んでね」

843: 2017/01/31(火) 23:53:20.74 ID:a6IT0qib.net
梨子「はい、お茶だよ」

善子「あ…ありがとう…」

花丸「大丈夫だよ!きれいな土で育てたお茶っ葉だよ」

善子「…」ゴクッ

梨子「向こうにベッドがあるから…ゆっくり休憩しててね」

花丸「まくらもたくさんあるよ」

善子「ええ、ありがとう」

845: 2017/02/01(水) 00:02:30.26 ID:MJjpDUs6.net
ドサッ

善子「………はぁ……」

私たちが目覚めた日…それから私たちをコロニーまでつれていって…それから……

もしも一緒に行って…すぐに地下につれていって…果南と同じように医者にみせられたら……
もう遅かったのかしら…じゃあもう少し早く目覚めていれば?…

あの日記…どんな気持ちで書いてたの?…一人になって……次に誰かに…

善子「はっ……」

もう一人味方がいたんだった…協力者は…あの日記には何も書いてない…
書くなって言われたのかしら…

847: 2017/02/01(水) 00:18:23.30 ID:MJjpDUs6.net
………………………………………………………………

花丸「起きて!!善子ちゃん起きて!!」ボフッ

善子「げぇぇ…なによぉ…」ウトウト

花丸「のんちゃんたちが帰ってきたよ」

善子「ええっ」ヒョンッ

花丸「早く早く」

善子「うああ、わかってるわよぉ」

花丸「ちゃんと取れたって!」

848: 2017/02/01(水) 00:24:45.91 ID:MJjpDUs6.net
真姫「あら、おはよう」

善子「うぅ…」

希「そんなすぐ起こさんでも…」

花丸「あ…ごめんね善子ちゃん」

真姫「これよ、例のもの」✨?✨

梨子「きれいですね…」

善子「ほんと…これが金属なの?」

真姫「これを削って…強い光を通して…ブツブツ……レーザーが……ブツクサ…」ブツブツ

善子「うわ…難しい話はわからないからいいわ」

真姫「そう?…とりあえずこれで目標は達成よ」

希「………じゃあ……ごはんにする?」

花丸「賛成ずら!!」

849: 2017/02/01(水) 00:37:28.16 ID:MJjpDUs6.net
希「ほらおいで」

?よくわからない焼いた肉、みどりの野菜

花丸「今日は豪華だね!」

希「お客様がいらっしゃってるからやね」

梨子「……じゃあ、手を合わせてください」パンッ

皆「いただきます」

善子「……これ何の肉なの?」?

花丸「それは鳩さんのお肉だよ」

善子「鳩!?」

梨子「植林が進んでるところに少しずつ増えてるんだって」

善子「へえ~」モグモグ

花丸「お野菜もちゃーんと地下からのたぶんきれいな土で育ててるから大丈夫だよ」

善子「なるほど…」モグモグ

850: 2017/02/01(水) 00:46:06.45 ID:MJjpDUs6.net
真姫「そっちはどうだったの?」モグモグ

善子「あっ…」

真姫「…………」モッモッ

善子「……大丈夫よ…知りたかったことは……」

真姫「そう…明日はもう帰るんだからね」

善子「わかってるわ」モグモグ

花丸「さみしいなぁ」

梨子「仕方ないことだよ…」

善子「………ごちそうさま」

希「お、早いね」

花丸「あっ!お風呂つくってあるから入っていってね」

善子「ありがと…」

851: 2017/02/01(水) 00:56:13.75 ID:MJjpDUs6.net
…………………………………………………………………

善子「ふぅ」ホカホカサッパリ

花丸「お湯加減はどうだった?」

善子「気持ちよかったわ…それに久しぶりにお湯につかれてよかった…」

花丸「よかった、マルも入ってくるね」

善子「うん…」

花丸「善子ちゃんは向こうのお客様用のふかふかベッドにふわふわ布団の部屋だよ」

善子「ええっ、いいわよそんな」

花丸「大丈夫大丈夫、お客様なんて来たことないからいつもマルが使ってたんだよ」

善子「ええ……」

花丸「じゃあおやすみなさい」

善子「おやすみなさい?」

859: 2017/02/01(水) 21:31:36.11 ID:8TzzTR/v.net
……………………………………………………………………

善子すやすや

花丸「善子ちゃん」

善子「んぇ…」スヤスヤ

花丸「善子ちゃん、起きて」

善子「ぁ…マル…」ウトウト

花丸「おはよう」

善子「ぅ…おはよ…」

花丸「まだ朝ごはんまで時間があるから…ちょっとだけお話しよう?」

善子「うん…いいけど…」

860: 2017/02/01(水) 21:49:09.27 ID:8TzzTR/v.net
花丸「もう帰っちゃうんだよね」

善子「……うん…」

花丸「もうちょっと…一緒にいたかったなぁ…もっともーっと…今まで一緒にいられなかった分たっくさんお話したかったな」

善子「………そうね…千歌たちにも会わせたかったわ、きっと大喜びでパーティになるわ」

花丸「えへへ、楽しそうずら」

善子「ふふ」

花丸「ごめんね、お別れの前なのにこんなこといっちゃって」

善子「い…いいのよ…大丈夫」

花丸「善子ちゃんが…ぜーんぶうまく行って、戦争が起きなかったら…その世界のマルにこの世界で起きたことたくさんお話してほしいな」

善子「この世界で……?」

花丸「そう、こーるどすりーぷして…タイムスリップして………その話…マルは信じてくれるかなぁ?」

善子「そ…それは………」

ガチャ

梨子「あ、起きてたの?…………お邪魔しちゃったかな?」

善子「あ…いや」

梨子「朝ごはんできたからおいで」

花丸「あっ!ごめんね、お手伝いしなきゃ!」

861: 2017/02/01(水) 21:58:40.71 ID:8TzzTR/v.net
真姫「おはよう、よく眠れた?」

善子「ええ…しっかり眠れたわ」

希「おっ、おはよ善子ちゃん。じゃあみんな席について手を合わせて」

皆「いただきます」??

善子「………」モグモグ

真姫「……大丈夫?」

善子「ぅぇあっ大丈夫よ!」

真姫「横須賀で私が出てる間は善子はやることないはずだから気分悪いならゆっくり休んでていいのよ」

善子「あっ…うん」

862: 2017/02/01(水) 22:11:53.36 ID:8TzzTR/v.net
……………………………………………………………………

真姫「お世話になったわ。本当にありがとう」

希「気にしないでええんよ。マルちゃんも梨子ちゃんもお友達に会えて嬉しそうやったし……な?」

花丸梨子「うん」

梨子「千歌ちゃんによろしくね。私たちは元気だよって」

善子「話しておくわ!」

花丸「マルもね」

善子「もちろんよ」

梨子「じゃあ……」

花丸「またね?」

梨子「………そっか…善子ちゃんが過去に戻れたらまた会えるもんね」

花丸「うん、そういうことずら」

梨子「…またね?」

善子「……さよなら、リリー、マル」

真姫「……じゃあ車?に乗って」

863: 2017/02/01(水) 22:31:02.83 ID:8TzzTR/v.net
????

真姫「……本当に大丈夫?」

善子「うぅ…大丈夫よ…」

真姫「……つらいわよね……私たちの25年の間にあったことが数日で頭に叩き込まれて……昔の友達に会って別れて…」

善子「……」

真姫「……もう終わりよ…私がタイムマシンを完成させれば、きっとこんな世界にはならない」

善子「だけど…」

真姫「…すべて終わったら私のところに来なさい」

善子「…信じてもらえるかしら……未来から来ただなんて…」

真姫「うーん…じゃあ秘密を教えておくわ、絶対に私しか知らないこと…それを言ったらきっと過去の私もあなたの話を信じざるを得ないはずよ」

善子「秘密?」

真姫「そう、私は…」

善子「私は?」

真姫「………やっぱり嫌!!自分で考えて!!」

善子「ええっ!!」

864: 2017/02/01(水) 23:16:12.66 ID:8TzzTR/v.net
……………………………………………………………………

真姫「じゃあ…少し外で仕事があるからお留守番よろしくね」

善子「ええ、まかせて」

ガチャ

善子「……はぁ…」

またね…だなんて……この私はもう会えないのに…

もうすぐ…あとちょっとで終わるっていうのに…

ひとりになるのが怖くなってくる…

さよならをして……コロニーに入ってタイムマシンができたらまた…さよならをしないといけない…

それから世界を変えられたら…この私は消えるか…残って……

会いたかった人も、救いたかった人にも…会えるのは私じゃない私なの?…

865: 2017/02/01(水) 23:26:16.97 ID:8TzzTR/v.net
…………………………………………………………………

真姫「そろそろだけど……わかってる?しゃべっちゃダメよ?」

善子「いや…〇される予定なのはわかってたから…誤魔化さないといけないのはわかってたけど」

真姫「………15.6歳の女子なら詰め込めると思って」

善子「こんな箱に…」??

真姫「仕方ないのよ…外から持ち帰ったものはそれに入れなきゃいけないの…大丈夫よ、検査は弄ってあるから」

善子「うぅ…まさに箱入り娘」ギュウギュウ

真姫「じゃあ…これからゲートだから」

善子「うぇ…狭い…おしりがいたい…背中がいたいわぁ」

真姫「閉めるわよ」ガバッ

箱「きゃあっ!真っ暗よ!」

真姫「ちゃんと静かにするのよ!!」

箱「はぁい…」

867: 2017/02/01(水) 23:37:20.53 ID:8TzzTR/v.net
……………………………………………………………………

真姫「もういいわよ」

箱「ぐーっぐーっ」ガタガタ

真姫「あっ…外からじゃないと開けられないんだった」ガバッ

善子「あーっ」

真姫「大丈夫?」

善子「すっごい揺れるし…暑いし…」ハァハァ

真姫「もうコロニーよ」

善子「はぁ…よかった…」

真姫「………箱、似合ってるわよ。箱入りヨハネ」

善子「うえっ!?い……意外と語呂が良い!?」

真姫「そ…そうかしら……とりあえず地下からお友達のところに行ってて。私はすぐにタイムマシンに取りかかるから」

善子「あっ…お願い…します」

真姫「ごはん屋のところでずっと待ってるらしいから…早く行ってあげましょう」

868: 2017/02/01(水) 23:47:10.59 ID:8TzzTR/v.net
…………………………………………………………………

千歌「うわぁぁぁぁぁぁ!よぉぉぉぉしっこちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん」

善子「ち

千歌「うわ!本物だぁ!!うぅ~んはぁ~ふぅぁ~!」モギュモギュ

善子「あああ」

真姫「じゃ、できたら連絡するから」

千歌「あっ!真姫さーん善子ちゃんをありがとうございました!」

真姫「私がつれていったんだから…」

千歌「じゃあ!!」

善子「連絡よろしくね」

真姫「ええ」

869: 2017/02/01(水) 23:51:29.05 ID:8TzzTR/v.net
善子「曜は?」

千歌「おしごとだよ」

善子「そう……そう!!それより!!」

千歌「なになに?」

善子「外でマルとリリーに会ったのよ!!」

千歌「えっ!?!!!えええええええええっ!!!?オエッ…ゴッホゴッホ…ホゲッ…ゴエエッ」

善子「ちょっ!?大丈夫!?」

千歌「ちょっそ…ええっ!?」

善子「本当よ!!」

千歌「梨子ちゃんにマルちゃんが……」

善子「そう、元気にしてたわ」

千歌「うあーーー私も行きたかったぁぁ!!!」

善子「そんなこと言われてもぉ…」

870: 2017/02/02(木) 00:20:15.13 ID:Des2V6Lx.net
千歌「ねえどうだった?ねえねえ」グイグイ

善子「うわわわ」

千歌「まった!」

善子「ええっ」

千歌「帰ってからのお楽しみにする!」

善子「!」

千歌「早く帰ろ!!」グイグイ

善子「わっわかったから引っ張らないで~!」

千歌「はやくっはやくっ!」

871: 2017/02/02(木) 00:31:28.09 ID:Des2V6Lx.net
…………………………………………………………………

善子「は~っ…なんだか帰ったら急に疲れたような」

千歌「では!」

善子「……富士山の近くにある昔の自衛隊の病院だったところにたくさんの人がいたのよ」

千歌「へえ~」

善子「それで、そのボスだったのが希さんっていう人と……うーんふたりはたぶん副ボスみたいな感じだったのかしら?」

千歌「その副ボスが?」

善子「そう」

千歌「梨子ちゃんが…マルちゃんが……うわぁぁぁぁ!!会いたかったぁぁぁぁ!!」

善子「…………」

千歌「うぅ…どうだった?」

善子「最初は気づかなかったけどふたりともそのまま歳をとったような感じね」

千歌「うぅ…会いたかったなぁ……でも…よかった…元気だったんだね」

善子「…そうね…」

872: 2017/02/02(木) 00:46:18.41 ID:Des2V6Lx.net
ガラララッ

「わっ!靴が!」

千歌「あっ!曜ちゃん帰って来たみたい」

ドッドッドッド

曜「善子ちゃん!!!!!」ドギュッ

善子「お゛っ」オッ

千歌「えへへ、おかえり~」

曜「はあ~癒されるよ~帰ったら小さな善子ちゃんがいる~」

千歌「梨子ちゃんとマルちゃんに会ったんだって」

曜「えっ!?ええええええええええっ!!!?」

千歌「元気だったって」

曜「…………はぁ…もうびっくりしすぎて…」

千歌「ね~!」

876: 2017/02/02(木) 22:32:54.05 ID:Des2V6Lx.net
……………………………………………………………………

千歌「それではぁ!」

曜「善子ちゃんが帰還してきたことを祝ってぇ……」

善子「…………」

千歌「かん

曜「かんぱーい」ココン

善子「そんな……いいのよ別に…」

千歌「いーのいーの私たちが勝手にやってるの」

曜「ひゃ~まさか梨子ちゃんとマルちゃんが元気だったなんてね~」

千歌「もうね!ほんとにね!びっくりしちゃってね!」

善子「私だって驚いたわ、悪い奴等に捕まったと思ったら…」

千歌「いや~でもよかったね~」

877: 2017/02/02(木) 22:41:53.16 ID:Des2V6Lx.net
曜「もうそろそろ外に出られるようになるのかな~?」

千歌「そしたらすぐ会いに行かなくっちゃ!」

曜「ほんとだよ~」

善子「ん~おいしいわ…」モグモグ

千歌「ねえそれ作ったの私!」

善子「ふふ、ありがとう」

曜「でもそのお金は私が稼いだんだよ」

善子「さすがね、千歌も頑張りなさい」

千歌「へいっ!ちゃーんとお仕事がんばりますっ!」

善子「ふぅ…」

曜「ひゃ~かわいい」ドォーーン

善子「ぶっ」ドスッ

千歌「あっ!こら!曜ちゃん!いつの間にお酒飲んで!!」

曜「ああ~」

千歌「善子ちゃん逃げて!もう曜ちゃんとまともな会話はできない!」

善子「ええっ!?」

千歌「ごはんを持って逃げて!食べ終わったらお風呂に入っていいよ!曜ちゃんは私が押さえておくから!」

878: 2017/02/02(木) 22:50:45.28 ID:Des2V6Lx.net
……………………………………………………………………

曜「あ゛あ゛~」グースカ

善子「………寝たのね…」ホカホカ

千歌「あはは…大変だよ…」

善子「………」

千歌「お風呂上がりのマミー飲む?」

善子「……じゃあ…いただくわ」

千歌「はいはい、どうぞ」トポポポポ

善子「…」ゴクッゴクッ

千歌「真姫さんがタイムマシンを完成させたら…すぐにいっちゃうんだよね」

善子「……そうね…」

879: 2017/02/02(木) 22:56:13.13 ID:Des2V6Lx.net
千歌「……ルビィちゃんに会いたいよね……ダイヤちゃん鞠莉ちゃんにも」

善子「………」

千歌「そのために行くんだもんね…がんばってね……」

善子「…ぁ……」

千歌「どうかしたの?」

善子「…………いや…なんでもないわ…」

千歌「………じゃあ、曜ちゃんを部屋に連れてってお風呂入るから…おやすみなさい」

善子「うん…おやすみ…」

880: 2017/02/02(木) 23:16:30.61 ID:Des2V6Lx.net
……………………………………………………………………

千歌「起きて!!善子ちゃん!!」

善子「…なによぉ…」ウトウト

千歌「真姫さんから電話があったよ!!」

善子「ええっ!?」ガバッ

千歌「出来る限りのはやくいつものごはん屋に来てって!!」

善子「えええっ!?早っ!!」

曜「歯磨いて顔洗って着替えたら車乗って!朝ごはんは車の中で済ましちゃお」

善子「わかったわ!」

881: 2017/02/02(木) 23:29:21.01 ID:Des2V6Lx.net
……………………………………………………………………

^真姫「悪いわね、こんな朝早くに」

善子「うぅ…」ウトウト

千歌「おはようございます」

曜「おはようございまーす」

真姫「どうも」

善子「で…連絡が来たってことは…」

真姫「ええ、完成よ。徹夜よ徹夜」

善子「うわ…ごめんなさい」

真姫「いいのよ気にしないで」

善子「じゃあ…」

真姫「そうね…じゃあ説明させてもらうわ」

882: 2017/02/02(木) 23:38:35.55 ID:Des2V6Lx.net
真姫「単純よ、このヘッドギアを着けて…腕輪の数字を調整するの」?

善子「……それだけ?」

真姫「向こうに着いたら…これよ」

善子「なにそれ…USBメモリ?」

真姫「これを探すのに苦労したんだから」

善子「?」

真姫「これをインターネットに繋がってるPCに差すのよ」

善子「そしたら?」

真姫「JAXAから全部のデータを消せるわ…ワームホールだけを指定するのは面倒だったからすべてにしたの」

善子「そっか…ついてからのこと全く考えてなかった…」

真姫「差し込んでしばらくしたら画面が暗くなるから、そしたら抜いて、このUSBを破壊して」

善子「…ぅ…了解」

真姫「ずっと探してたのよ、この古い規格のUSBを」

千歌「それでスクラップに!」

真姫「そういうこと」

883: 2017/02/02(木) 23:44:12.35 ID:Des2V6Lx.net
真姫「それで終わりよ」

善子「…」

真姫「戦争も、この世界も…きっと無かったことになるわ」

善子「……本当に終わり……なのね」

真姫「そうよ…少なくともきっかけは無くなる」

真姫「お別れをしなさい、そこのふたりに」

善子「……」

884: 2017/02/03(金) 00:04:36.75 ID:iclW3Ke/.net
善子「……千歌…曜」

千歌「さよなら…じゃないもんね…またね」

善子「……同じようなこと…マルたちも言ってたわよ」

千歌「えっ!?………えへへ…みんな、考えることは同じなのかな」

曜「ずるいよ千歌ちゃん…私も同じこと言おうと思ってたのに…」

千歌「……あんまり時間かけちゃ悪いね…」

曜「うん、じゃあ善子ちゃん頑張ってね」

真姫「会えて本当によかったわ…自信を持っていいのよ、あなたはこれから世界を変えるのよ…」

善子「…わかった……あと…このタイムマシンって使える回数とか制限は…」

真姫「例のレアメタルでレーザーの消費電力を大幅に下げてるから…そんな何百何千と使わない限り問題ないわ。寄り道でもするの?」

善子「……まあそんなところね、確かめなきゃいけないことがあるのよ」

真姫「気を付けなさいよ」

善子「わかってる……じゃあ…さよなら」?

千歌「じゃあね善子ちゃん!またね」

曜「昔の私によろしくね」

885: 2017/02/03(金) 00:13:20.12 ID:iclW3Ke/.net
痛い…頭に針を刺されてるような

それも深く…脳みそのど真ん中まで届きそうなくらい…

でもあのときの…未完成の起動エレベーターのタイムマシンよりはマシかもしれない…

善子「あっぐ……」ドスン

高いところから落ちたような感覚…

痛みがあるのかないのかわからない

善子「か……あ……」ペタペタ

手の感覚がある…声も出そう…じゃあまぶたを開けば…

善子「あ……げっ…げえっ…ごっほごほ」

あの日に…

887: 2017/02/03(金) 00:58:44.61 ID:iclW3Ke/.net
善子「ふぐぐ…」ググ

すごいわね…本当にあの日目覚めた病院…じゃあ今私とルビィがカプセルの中で……

善子「……………」トットット

確かめさせてもらうわ…私たちを目覚めさせたのは誰か…ダイヤが約束したその人に

善子「薄暗くて気味が悪いわね」トットット

あの部屋…私たちが眠るカプセルの部屋で

善子「………まだ…誰もいないわよね…」

ドスッ

善子「何?!」

何かが落ちた!?

ドンッブーッブーッ

善子「ええ?!」

カプセル「予期せぬトラブルが発生しました。蘇生措置を行います。12時間の措置のあと、簡単なテストを…」

善子「えええっ!?」

「ふぃ…痛いよ…」

888: 2017/02/03(金) 01:04:25.91 ID:iclW3Ke/.net
善子「!!」

「あれぇ…あっ!!」ドッ

善子「あっ!待って!!」トットット

「なになに?!なんなのぉ!?」ドッドッドッド

善子「ちょっ!!」トットット

「どうしてまたここにぃ!!」

善子「待ってってば!!」

「!!」スタッ

善子「ねぇ…」

「……あれ…えっと…えっとぉ…」

薄暗くて顔がよく見えないけど…

善子「る……ルビィ?」

「……………どうしてルビィのこと知ってるんですかぁ~」ドッドッドッド

善子「わっ!待ってよぉ!!」トットット

889: 2017/02/03(金) 01:13:26.24 ID:iclW3Ke/.net
ずっと追いかけて…いつまで逃げるのよ!…そういえば…この階段、懐かしいわね

善子「はぁ…はぁ…」

ルビィ「…………あっ外だ!」

善子「出て!明るいところにでたらわかるわ!!」

ルビィ「はぁ…はぁ…!???!!!!」

善子「ル………ビィ?」

いつか聞いたみたいに…髪の毛はおろしてすこし大きくなって落ち着いた雰囲気…だけど…間違えたりなんかしない!この赤い髪…翡翠の目…

ルビィ「善子ちゃん…善子ちゃん善子ちゃん…善子ちゃん……善子ちゃん……うっ…ぐぅ善子ちゃん…うぇっ…善子ちゃんん…善子…ちゃんうあぁぁぁ善子ちゃぁぁぁぁん」ボロボロ

善子「ルビィ……」

890: 2017/02/03(金) 01:20:30.14 ID:iclW3Ke/.net
……………………………………………………………………

ルビィ「ぐっ…ぅぅ…えっ…」ズビーッ

善子ルビィ「「なんで」」

善子「あっ…ルビィから…」

ルビィ「なんで善子ちゃんがいるの?」

善子「……それは…こっちのセリフというか…」

ルビィ「どうしてルビィはこんなところにまた…」

善子「えーっと……どこから来たの?」

ルビィ「ルビィは……エレベーターに乗ってたら途中でなんか止まって…そしたらまた上にいって…起きたらここに」ズルルル

善子「………西木野真姫」

ルビィ「えっ!?」

善子「知ってるわよね」

ルビィ「えっ!?なんで善子ちゃん…おともだちだったの?!」

891: 2017/02/03(金) 01:31:13.11 ID:iclW3Ke/.net
善子「えっと…なんというか」

ルビィ「というか…なんで?!えっと…あのとき…はじめてエレベーターに乗った時に死んじゃったと思ってたのに!」

善子「……私も…私もルビィが死んじゃったと思ってたわ」

ルビィ「???わかんないよぉ…」

善子「私は…未来に行ってたのよ」

ルビィ「み…未来!?」

善子「そう、あの時から20年後に」

ルビィ「えっ…えええっ!?」

善子「私も信じられなかったわ…」

ルビィ「………」

892: 2017/02/03(金) 01:54:24.38 ID:iclW3Ke/.net
それから…未来での出来事を話した…
私たちのせいでことりと海未が死んじゃったこと…千歌曜マルリリーが元気だったこと…ルビィを探してたら真姫さんにあって…それから真姫さんの作ったタイムマシンでここまできたこと…

ルビィ「ごめんね…大変だったね…」

善子「…ルビィの方が大変だったでしょ?…ひとりで過去に飛んじゃって…何も出来なくて…戦争も…」

ルビィ「うゅ…そんな…ルビィは……ずっと真姫ちゃんと…」ウッ

善子「それでもすごいわ…私なんて…みんなが助けてくれなかったら…きっとここに来るずっとまえに死んじゃったと思う」

ルビィ「…ルビィはね…って…真姫ちゃんに聞いてるかな?…」

善子「うん…知ってるわ…でも私はエレベーターに侵入して〇されたって聞いてたの」

ルビィ「ルビィはね…真姫ちゃんのパソコンで年代指定してから…こんどこそやるんだってエレベーターまでいって…そしたらエレベーターに乗るところで見つかっちゃって…そのまま強引に乗ったの…」

善子「それで途中で止まって…そのまま未完成のエレベーターでちょうどここに来たのね」

ルビィ「そう…なのかな?」

893: 2017/02/03(金) 01:58:03.48 ID:iclW3Ke/.net
ルビィ「えへへ…それって…運命かな?」

善子「……そうかもしれないわね…」

ルビィ「神様がもう一回善子ちゃんに会わせてくれたんだ!」

善子「ルビィ……」ポロリ

ずっと…会いたかった……もう会えないと思ってたのに…

ルビィ「えへへ…泣いてる…まだまだこどもだねぇ」

善子「んなっ…なによ…あんたもさっきあんだけ泣いてたじゃないの…」

ルビィ「えへへ…」

「んなっ!!だ……誰ですか!!!??ま…そんな…」

894: 2017/02/03(金) 02:03:05.78 ID:iclW3Ke/.net
ズザザザザザザ

「んまあ!?」

ルビィ「お…お姉ちゃん?」

善子「その包帯は……」

ダイヤ「んなっ!?わ…わけがわかりません!!どうしてこのクレーターに……はっ…まさか」

善子「というかルビィ…ダイヤって気づいてたの」

ルビィ「そりゃそうだよ」

ダイヤ「ルビィ…どうして大きく…」

896: 2017/02/03(金) 02:07:16.17 ID:iclW3Ke/.net
……………………………………………………………………

ダイヤ「な…なんと!!??ふたりともタイムマシンで!?」

善子「そうね」

ルビィ「うん!」

ダイヤ「は……わ……なんという」

善子「……ということで…12時間くらいしたら人工冬眠してる私たちが目覚めるから」

ルビィ「お手伝いしてあげてね」

善子「あっ、私たちに会ったことは秘密よ。ややこしくなるし」

ダイヤ「な…もうすでにややこしいですわ……」

897: 2017/02/03(金) 02:13:40.32 ID:iclW3Ke/.net
ダイヤ「……じゃあ…私の運命も…」

善子「……いっても良いの?」

ダイヤ「ええ…構いません」

善子「…………私たちを導いたあと…そのあとすぐに…日記は終わったわ……」

ダイヤ「…………………」

ルビィ「お姉ちゃん……」

ダイヤ「わかっていました…もう長くないと…最近身体もいうことを聞かなくて…」

善子「………」

ダイヤ「ですが安心しましたわ!私はしっかりふたりを導いてから死ねるのですね…それだけでも…」

ルビィ「おねえ……ちゃん」

ダイヤ「ルビィ…せっかく大人になって…綺麗になったのですから泣いてはいけませんよ…美しい顔が崩れてしまいます」

ルビィ「うゅ…ぐっ」

898: 2017/02/03(金) 02:28:00.72 ID:iclW3Ke/.net
ダイヤ「ふたりとも…立派になりましたね…」

善子「私はそんなに変わってないわよ」

ダイヤ「見た目の話じゃありませんよ」

ルビィ「えへへ」

ダイヤ「さて…私は明日、目覚めるふたりを導くのですね」

善子「そうね…」

ダイヤ「明日のルビィは小さくてかわいらしいルビィですわね」

ルビィ「えへへへぇ」

899: 2017/02/03(金) 02:31:36.00 ID:iclW3Ke/.net
ルビィ「ルビィはお姉ちゃんがルビィたちをコロニーにつれてってる間はあのスーパーで隠れてないとね」

ダイヤ「ならアイス売り場がいいですよ」

ルビィ「えへへ、帰ってきたらもっとお話しようね」

ダイヤ「ええ、もちろん……さて…善子さんは…」

善子「……うん…これでもうやることはないはず…あとは7年前にいって…このUSBを…」

ルビィ「大丈夫?」

善子「ふぅ……大丈夫!覚悟はできてるわ!!」

900: 2017/02/03(金) 02:38:38.79 ID:iclW3Ke/.net
ダイヤ「本当に…すみません…善子さん…たったひとりに…すべてを」

善子「いいのよ」

ルビィ「ルビィやろっか?」

善子「私がやるの…私がやらなきゃいけないの」

ダイヤ「もう少しゆっくりしていきますか?スーパーに行けば美味しい缶詰めがありますよ」

善子「それはこれから目覚める私たちの分よ」

ルビィ「善子ちゃん…」

善子「もう行くわ!早くいかないと…」

ルビィ「うゅ…ルビィはなんにも…」

善子「気にしないで…」

ダイヤ「本当に…ありがとうございました」

善子「……じゃあ…さよなら」

901: 2017/02/03(金) 02:43:00.21 ID:iclW3Ke/.net
……………………………………………………………………

善子「げえっ…」

立て続けにタイムマシンを使うのは…良くないわね…

善子「オエエエッ」ボドボド

願った通り…7年前の図書館についた…

善子「裏に来ておいてよかった……オエエエッ」ボロロ

図書館のPCを借りて…USBを差せば終わる…

善子「ふぅ……」トットット

902: 2017/02/03(金) 02:50:38.14 ID:iclW3Ke/.net
??????

善子「本当に…終わる」

心臓の鼓動がこんなに大きく聞こえる…こんなの産まれてはじめて

これを差し込んで…私は…消えるか残ってひとりでいきるか…

どっちにしろみんなとお別れね…

この身体が消えて…意識だけこの世界の私に乗り移るなんて……そんな都合の良いことにはならないわよね…

本当にさよなら…もう…

善子「うぅ…っぐ…あぁ…ぐっ…うぅ…」ポロポロ

終わらせないと…早くこのUSBを差し込んで…

善子「はぁ…はぁ…」ボロロ

これで…ほんとにおしまいよ!

?カチッ?

904: 2017/02/03(金) 03:18:36.35 ID:iclW3Ke/.net
■□■□■□■□■□■□■□■□■

善子「おまたせ」

ダイヤ「遅いですわ!」

ルビィ「おはよう善子ちゃん」

ダイヤ「早く電車に乗りますよ」

善子「ふふ、ヨハネオススメの秋葉原だて

ダイヤ「急いでください!!」

ピロリン♪

ルビィ「あっスマホが泣いたよ」

ダイヤ「まーたらいんですか?」

ルビィ「ニュースだったよ…じゃくしゃがサイバー攻撃だって…どうでもいいや」

善子「もう!急ぎなさいよ」

ダイヤ「なっ!あなたが遅れたから急いでいるのですよ!!」



おしまい

908: 2017/02/03(金) 04:35:49.73 ID:9TbFcYhs.net

面白かった
善子がどうなったか気になるなー

909: 2017/02/03(金) 04:44:19.01 ID:aL5SzMYX.net

よっちゃんのその後が気になるけど想像におまかせってことですかな…
ともかく書ききってくれてありがとうございます

910: 2017/02/03(金) 06:29:22.17 ID:tQM2cAZm.net
面白かったよー乙乙

917: 2017/02/03(金) 08:06:19.46 ID:/xAzo4bM.net
乙、面白かった
善子が飛んだあとに未来のダイヤさんが死んだってことはあの未来は消えなかったってことだよな

919: 2017/02/03(金) 08:34:31.88 ID:TGIUEe+q.net
長い間乙!素晴らしかった!

善子ちゃんがどうなったかは気になるところだけど、世界は救われて良かった

921: 2017/02/03(金) 13:07:12.35 ID:pBOiA39o.net
乙、面白かった
未来組のその後が気になる

922: 2017/02/03(金) 15:01:31.99 ID:qVWJVpR3.net
楽しかった。やっぱりSFはいいな。

923: 2017/02/03(金) 18:17:50.97 ID:t7rYzCgU.net
想像できるからこそ良い作品なんだよなあ…

924: 2017/02/03(金) 19:25:29.71 ID:/zHO79O6.net

今までのSSの中で1番好きかもしれない

926: 2017/02/03(金) 20:52:49.99 ID:dGFjucp3.net
善子が「あの人」の係りやった時、消えずに共存してたな
ってことは、平和になった過去でも別々にいるはず
それじゃ寂しいし未来にワープしたかな?100回レベルで使えるらしいし
未来は変わったかな?
最初の世界で「あの人」が関わった後だったんだから、
パラレルワールド量産じゃなく世界は一つってことになる?
だとすると、未来も平和な世界に書き換わってる?
そうすると、善子と真姫ちゃんは出会ってないことになって、、、
善子は過去に行ってなかったことになって、、、
全部夢だったも同然?
あれ?主人公善子は消えちゃうんか?

929: 2017/02/03(金) 22:59:34.78 ID:1pk21W3W.net
ちょっと気になるとこもあるけど...乙です
書ききってくれてありがとう

930: 2017/02/03(金) 23:41:26.69 ID:TP0QsYIc.net
平和になったその後を明確に書かないことで考察する楽しみを残してくれる良いSS
もちろんあるとするならちゃんとしたおまけが書かれるのも歓迎
ともあれ1スレほぼまるまる使用した長編乙!

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1483534379/

タイトルとURLをコピーしました