【SS】穂乃果「はぁ～、音ノ木はもっと入試簡単にしないと廃校になっちゃうよぉ

海未「ですが、やはり伝統と面子がある訳です。やすやすと学力の低い生徒を入学させる訳にはいきませんよ」

穂乃果「そのせいで廃校だよ～！たまたま穂乃果は小六のときに海未ちゃんと微積分の勉強したりしてたから入試はいけたけど……」

海未「積分からのアプローチですか？あれは中学範囲から逸脱しているので……昨年の入試の回答の際には、アルキメデスの求積法を利用しましたが」

ことり「私も小学校の頃からアメリカに住んでてTOEIC満点取れたから帰国子女枠で入学出来たんだ♡」

穂乃果「ことりちゃんは凄いね～、流石だよぉ！」

真姫「はぁ……面白くないわね、どの模試を受けても全教科で全国一位の偏差値105なんだもの……張り合いがまるで無いわね」

花陽「私なんて二位だし……真姫ちゃんには敵わないなぁ、えへへ」

真姫「何言ってるのよ、花陽は中三の時に免疫作用を促進させる万能稲の開発でノーベル賞の授賞が確定したと言われてるじゃないの」

花陽「あれは恥ずかしいから……知り合いの教授名義で発表したの」

凛「勿体無いにゃ～かよちんの凄さが世の中に広まらないなんて……」

真姫「凛だってABC予想の証明に貢献したんでしょ？」

凛「ちょっとしたアドバイスをね、ふふふ」

絵里「はぁ、司法試験は法科大学院を出ないと受けられないのが面倒ね……試験だけならいつでも合格できるのに」

希「えりちは将来弁護士になるん？」

絵里「うーん、どうしようかしら……ロシア文学の研究も、量子力学もやりたいのよね……まぁ、この辺りは趣味でいいかしら、在野の研究者も最近では珍しく無いし……」

希「ウチは早く国連で働きたいなぁ……途上国の開発支援とインフラ整備に関わりたいわ」

絵里「希は研究者にはならないの？せっかく優秀な頭脳があるのに……」

希「うーん、ウチはウチなりのやりたいことを考えたんよ、勿論、研究も大切やけど……それを応用する側に専門知識を提供する立場になりたいなぁ」

にこ「ふん、二人とも、大層な身分ね」

希「にこっちはハーバード大学行くんやなかったん？」

にこ「確かに向こうの教授から歓迎されたけど……やっぱり、私はアイドルになりたいのよ、そんな学歴持ったらみんなが親近感持てなくなるじゃない」

希「音ノ木坂に入ってる時点でどうかと思うけどなぁ……」

雪穂「お姉ちゃん、勉強教えてー」

穂乃果「ええーっ……これから寝ようと思ってたのに……」

雪穂「お願いだよぉ！どーしても分からないの！」

穂乃果「はぁ、仕方ないなぁ、どれどれ……むっ、数学だね！任せなさい！」

雪穂(はぁ……お姉ちゃんが勉強してる姿、全く見たこと無いんだけど……なんでこんなに勉強できるんだろ……)

穂乃果「ね、だから方程式で捉えづらいならグラフ……逆にグラフを方程式に……」

雪穂「うん、うん……わかった！ありがとう！」

穂乃果「雪穂は音ノ木の試験受けるの？」

雪穂「む、無理だよあんなの……普通に東大より難しいんじゃない？異次元すぎて……」

穂乃果「そっかあ……残念だなぁ」

理事長「音ノ木坂の方針ですか？……やはり、このままで良いと思いますよ？現に結果は残しています。日本人のノーベル賞、フィールズ賞の受賞者うち7割が音ノ木坂出身の学生です」

大臣「ええ、しかし、あまりにも学生数が減少していて……教育倫理的にそのような秀才の集め方はどうかと……」

理事長「貴方の仰るとおり、教育倫理的に言えば、天才が天才同士で自らの能力を高め合える環境は誰にとっても理想的かと思いますが……やはり、こちらとしては妥協をするつもりはありません」

大臣「……」

理事長「確かに……単純な教育機関における健全なる学生の育成メソッド……という観点からすれば、学力という指標は飽くまで副次的なものかも知れませんが……彼女たちが極めて例外的な人材であることは十分にご理解されていると思います……」

大臣「しかし、このままでは高等学校として認められる最低生徒数を下回り……それでも考えを改めて下さらねば政府としては、廃校という処置を……」

理事長「現行法でしょう……？それは……」

大臣「……」

理事長「いいかしら……この国の、トップは誰……？」

大臣「……貴方様です」

理事長「そうよ……貴方もこちら世界の人間なら、そのくらい理解していてるはずです……」

大臣「お、お待ちください！」

理事長「いいえ……大人しくしなさい、首相に貴方を解任する圧力をかけましょうか？」

大臣「ど、どうかお許しを……」

理事長「貴重なご意見をありがとうございました｣ﾆｺｯ

穂乃果「あ、ツバサさん」

ツバサ「高坂さん……久しぶりね」

穂乃果「もうすぐ地区予選ですね！お互い、全力を尽くして頑張りましょう！」

ツバサ「ふふ……そうね、お互い、ね。それじゃ、また会場で会いましょう」

穂乃果「さようなら～……はぁ～緊張したぁ」

海未「アライズ相手に緊張してどうするんですか」

真姫「ツバサさんの方が緊張してたわよ、よく見たら足が震えてたわ」

ツバサ「はぁ……はぁ……μ'sにさっき会ったわ」

あんじゅ「ツバサちゃん大丈夫？……顔が真っ青だよ」

ツバサ「彼女たちと同じステージで闘うのね……圧倒的なオーラの前に、自分の存在が消えてしまいそうだったわ、同じ人類とは思えない……」

あんじゅ「私もこの前、矢澤さんに会ったんだけど……笑顔で握手されただけで3日間ぼーっと頭が働かなくなって……あぁ、やっぱり、神様っているんだなぁ、って気持ちになって……」

英玲奈「彼女たちの支持者は一介のファンと呼ぶにはあまりにも支持基盤が広すぎる……もはや宗教的な存在として捉えた方が適切かも知れない」

ツバサ「私たちだって取り込まれてしまうわ……彼女たちとステージで演技を競うなんて滑稽な道化師のようなもの……観客になれたらどれだけ気持ちが楽か……」

あんじゅ「それでも、私たちは続けるって決めたんだもの……」

英玲奈「そうだ……たとえμ'sの前では塵に等しい存在の私たちも……せめてもの抗いを見せるべきなのだろう……」

ツバサ「ふふっ……まだ震えが止まらないわ」

海未「覇ッッ！！」

ﾊﾟｼｨｲｨﾝ

審判「一本！」

男「バ……馬鹿な……全国大会で優勝したこの俺が、こんな目隠しをしたままの女子高生に負けるとは……」

海未「目だけが物を見るのではありませんよ……お判り頂けたでしょうか｣ｼｭﾙﾙﾙｯ

海未父「海未、次の男は柔道の金メダリストだ」

海未「はぁ……良いですよ、ほら……ハンデです、最初から私の胸ぐらを掴んだ状態で始めて構いませんよ」

男「……このっ……舐めるなよっ……？」

ｶﾞｼｯ

男「しゃぁぁっっ！！」

ｶﾞｸﾝ……

男「は、は……はぁ……？」

海未「筋肉で投げようとしていますね……だから、動きが硬い……骨格の構造に合わせてに力が流れて行くのが丸わかりです……だから対応も簡単……」

男「くそっ……！？なんで、こんな軽いはずの女を……」

海未「投げる時に自分の力を使う必要はありません……ほっ」

ﾋﾞｭｵｯ……ﾊﾞﾀｧｧﾝ

男「かはっ……」

審判「背負い投げ、一本！」

海未「まだまだ、ですね」

穂乃果「海未ちゃーん！やっほー！」

海未「おや、穂乃果……丁度、今終わったところです」

穂乃果「うへぇ……強そうなおじさんが床にいっぱい転がってる……」

海未「合気道、柔道、剣道、空手などなど……いずれも武道家たちです」

穂乃果「海未ちゃん！そうやって強くなるのも良いけどね、飽くまで本業はアイドルだよっ！」

海未「はぁ……わかって居ますよ、しかし、最近は練習が弛んでいますね……メニューを厳しくしましょうか……」

海未「今日の走り込みは40kmです」

花陽「40kmかぁ……」

凛「厳しくするって言ったのに、拍子抜けだにゃ～」

海未「ちゃんと2時間以内に走らないとダメですよ、アイドルたるもの、このくらいの体力は必要です」

真姫「呆れた……そんなのできない人、μ'sにいると思えないんだけど……」

穂乃果「よぉーしっ！じゃあ早速行くよーっ！｣ﾀﾀﾀﾀ

ことり「穂乃果ちゃんは元気だね……｣ｼｭﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

そして予選当日

穂乃果「さぁ～ひゅめを～」

ﾜｧｧｧｧｱｧｯｯｯ！！



ツバサ｢あ……あ……」ｼﾞｮﾜｱｱｱｱｱｱ

あんじゅ「ツバサちゃん……失禁してる……」

英玲奈「……やはり、勝てるはずも無い、か……」

あんじゅ「あの激しい演技で汗ひとつかかずに、笑顔で……完璧なパフォーマンス……」

英玲奈「ふふふっ……才能、か……私たちには遠い世界だったようだ」

そして……


穂乃果「やったぁ！優勝だよ！優勝～～！」

にこ「ふふふ、努力の賜物ね」

海未「そうですね、努力の成果です。やはり頑張れば、人間なんだって出来るんです」

ことり「楽しかったね～、またやりたいなぁ」

絵里「けど、これから私たちも忙しくなるわよ……社会に出て、どんな試練が待ち受けているか……」

穂乃果「きっと乗り越えられるよ！」

海未「そうです！熱いハートがあれば！」

凛「かよちん、じゃあこの後大学に寄っていこっか」

花陽「そうだ、研究室に呼ばれてたんだね」

真姫「私も勉強しないとね……まだまだ高みを目指すわよ」

希「はぁ～っ、どんな未来が待ってるんかなぁ！楽しみやね！」

穂乃果は穂むらを継ぎ、和菓子職人となった

彼女の和菓子は造形、味、いずれも過去の人類が到達したことの無い領域に達しており、やがて『菓子の神」として人間国宝の認定を受けた


海未は日本舞踊の園田流を継いだ

その傍で数々の文学作品を執筆、芥川賞受賞の後、超自然主義『園田派』を提唱、その『言葉の鬼』と評された精緻な描写は人間の思考レベルをひとつ上の次元に押し上げたと評され、栄光をたたえノーベル文学賞を受賞した


ことりは独自ブランドを立ち上げ、世界的デザイナーとなった

次々と作られる斬新ながらも『人間本来への回帰』を強調したデザインは21世紀のファッションを代表する存在となり、また、不思議なことに彼女の服を纏う人間はあらゆる生命に同等の惜しみなき慈愛を注ぐようになった。その功績を讃え、ノーベル平和賞が授与された

凛は数学・物理学・哲学等、多様な範囲で偉大な功績を残し、受賞歴は枚挙にいとまが無い

しかしさらに注目すべきはオリンピックにおける数々の世界記録の塗り替えであろう、彼女の打ち立てた記録は『未来永劫破られることは無いだろう』と評された、まさに『文武両道』の鬼である


花陽は万能稲の改良を更に進め、生産力、環境適応力、様々な能力を向上させた『完全米』を作り上げた

その生産コストの低さと圧倒的な栄養価の高さは多くの貧困に苦しむ人民を救済し、『食糧危機に決着を付けた女』とし30億人の命を救い、その功績を大いに讃えられた


真姫は臨床医、および研究医を同時並行で行い、医学の発展に貢献した

天皇陛下の主治医は勿論のこと、海外の大統領なども『ドクター・ニシキノ』の神業を求め多くが来日した。また、彼女は癌の完全治療薬の開発に成功し、人類の平均寿命を大幅に引き上げた」

希は国際連合のトップとなり、有り余る手腕とカリスマ性で人種、信条、国籍を超えたあらゆる社会集団の対立の調停を行った

彼女の地球全体を包み込む圧倒的な包容力により、世界中の人々は『地球人』として一つの共同体となり、自らの使命に目覚めることとなった。結果……環境問題、差別、政界汚職、〇人などもその影を潜め、ついには地上から完全に戦争が消えた

絵里は史上最年少で弁護士となったのち、政界に転身し、衆参両議会の満場一致初の女性内閣総理大臣に就任した

『人類の進化』をモットーした彼女のは主に文化育成、研究機関支援に力を入れた。そのため絢瀬政権の下に再び『技術帝国日本』は再生し、国力の大いなる向上を果たすこととなった

にこは世界トップアイドルとなり、CDの売り上げは累計50億枚を記録した

しかしその後彼女は『宇宙No. 1』を目指すために絢瀬絵里の力を借りて種子島宇宙センターから発射された超時空ワープロケットに乗り込み、新たなる銀河へと旅立った。

惑星を転々とし、その何れでも異星人を魅了した。

最後には自ら肉体を放棄し、宇宙に無数並行で存在する形而上の精神体となった。

人類を超越した矢澤にこは宇宙空間と一体化し、時間を越え……まさに『GODにこにー』となったのである。

宇宙を満たす『憎しみ』のエーテルは消滅し、すべての生命に幸福が訪れたのだ。
(たまに地球にも帰ってくるらしい)

おわり

にこにー結局アイドルかと思ったら一番規模でかかった

Godにこにークッソワロタ
おつ

夢叶え過ぎだろｗｗｗ

クソワロタｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

素直に面白かった

スケールが許容範囲越える大きさで笑った