1: 2019/04/28(日) 11:43:15.63 ID:/qduXRMW
善子「(沼津から東京への交通費…水筒、お弁当…キャリーケース…)」
善子「…よしっ」
善子「今までお世話になりました。行ってきます、ママ」
バタン
善子「今日は風が強いわね…」
スタスタスタ……
ピロリン♪
善子「ん?」
善子「…よしっ」
善子「今までお世話になりました。行ってきます、ママ」
バタン
善子「今日は風が強いわね…」
スタスタスタ……
ピロリン♪
善子「ん?」
3: 2019/04/28(日) 11:46:11.88 ID:/qduXRMW
ルビィ『東京に行っても頑張ってね!』
花丸『応援してるずら~』
善子「……ふふっ」
善子「あ、り、が、と…っと」
スタスタスタ…
~沼津駅~
善子「(ここで切符を買うのよね)」
ピッピッピッ
善子「(えっと…改札を通って…)」
花丸『応援してるずら~』
善子「……ふふっ」
善子「あ、り、が、と…っと」
スタスタスタ…
~沼津駅~
善子「(ここで切符を買うのよね)」
ピッピッピッ
善子「(えっと…改札を通って…)」
4: 2019/04/28(日) 11:49:42.16 ID:/qduXRMW
~2年前~
梨子「善子ちゃんを見てるとね、いいなぁっていつも思うの」
善子「ヨハネ!…なによ、急に」
梨子「ほら、ヨハネちゃんって黒魔術とか、堕天使とか、そういうのが好きでしょ?」
善子「えぇっ?!まぁ、そうだけど…///」
梨子「私は…まだ信じられないの、自分のことが」
善子「…どういうこと?」
梨子「善子ちゃんを見てるとね、いいなぁっていつも思うの」
善子「ヨハネ!…なによ、急に」
梨子「ほら、ヨハネちゃんって黒魔術とか、堕天使とか、そういうのが好きでしょ?」
善子「えぇっ?!まぁ、そうだけど…///」
梨子「私は…まだ信じられないの、自分のことが」
善子「…どういうこと?」
5: 2019/04/28(日) 11:55:41.89 ID:/qduXRMW
梨子「自信を持って言えないの、その…ピアノが好きだって」
善子「…ピアノコンクール優勝したから、もうすっかりその気になってたかと思ってたわ。千歌と曜のおかげで」
梨子「あぁっ、うん、でも音ノ木坂から転校してAqoursに入る前よりはずっと好きになれたと思うよ」
梨子「…でも、まだ本当にピアノが好きだった、小さい頃の私には戻れてない」
善子「…ふぅん」ジーッ
梨子「あ…な、なんかごめんね!先輩なのに弱音吐いちゃって…かっこ悪いよね」アセアセ
善子「いいわよ別に。私とリリーの仲じゃない」
梨子「善子ちゃん…」
善子「それに、不安になる必要なんてないわ」
善子「…ピアノコンクール優勝したから、もうすっかりその気になってたかと思ってたわ。千歌と曜のおかげで」
梨子「あぁっ、うん、でも音ノ木坂から転校してAqoursに入る前よりはずっと好きになれたと思うよ」
梨子「…でも、まだ本当にピアノが好きだった、小さい頃の私には戻れてない」
善子「…ふぅん」ジーッ
梨子「あ…な、なんかごめんね!先輩なのに弱音吐いちゃって…かっこ悪いよね」アセアセ
善子「いいわよ別に。私とリリーの仲じゃない」
梨子「善子ちゃん…」
善子「それに、不安になる必要なんてないわ」
6: 2019/04/28(日) 12:00:29.25 ID:/qduXRMW
梨子「え…?」
善子「少なくとも私は、梨子の曲好きよ」ニコッ
梨子「っ…!///」ドキッ
善子「みんなもそう思ってるわよ。きっと」
梨子「う、うん…!」
善子「それに、もし梨子の曲が良くなかったらAqoursはここまで来れなかったと思う」
梨子「ありがとう、善子ちゃん…」
善子「少なくとも私は、梨子の曲好きよ」ニコッ
梨子「っ…!///」ドキッ
善子「みんなもそう思ってるわよ。きっと」
梨子「う、うん…!」
善子「それに、もし梨子の曲が良くなかったらAqoursはここまで来れなかったと思う」
梨子「ありがとう、善子ちゃん…」
8: 2019/04/28(日) 12:16:44.91 ID:/qduXRMW
善子「っ、上級リトルデーモンが困ってたらこれくらいのことはするわよ、別に///」テレテレ
梨子「優しいね、堕天使さんは」ニコッ
善子「や、優しいなんて言葉、堕天使には似合わないわよ!///」プイッ
梨子「えー?」クスクス
善子「うぅ…///」
梨子「…あのね、善子ちゃん」
善子「こ、今度はなによ!///」
梨子「優しいね、堕天使さんは」ニコッ
善子「や、優しいなんて言葉、堕天使には似合わないわよ!///」プイッ
梨子「えー?」クスクス
善子「うぅ…///」
梨子「…あのね、善子ちゃん」
善子「こ、今度はなによ!///」
10: 2019/04/28(日) 12:37:06.38 ID:/qduXRMW
梨子「私、善子ちゃんのことが好き」
善子「えぇぇっ?!///」カァァッ
梨子「優しいところも、堕天使なところも、すぐ調子に乗るところも、全部…」
善子「なっ…!///」
梨子「善子ちゃん、顔真っ赤」フフッ
善子「だ、だって!そ、そんな……」
善子「(リリーが私に告白…?!嘘でしょ…?!)」
善子「(好きな人と、両想いだったなんて…)」
善子「えぇぇっ?!///」カァァッ
梨子「優しいところも、堕天使なところも、すぐ調子に乗るところも、全部…」
善子「なっ…!///」
梨子「善子ちゃん、顔真っ赤」フフッ
善子「だ、だって!そ、そんな……」
善子「(リリーが私に告白…?!嘘でしょ…?!)」
善子「(好きな人と、両想いだったなんて…)」
11: 2019/04/28(日) 12:49:42.83 ID:/qduXRMW
善子「わ、私も!リリーのこと、うぅっ…///」
梨子「なぁに?」フフッ
善子「(なんでそんなに余裕そうなのよ…!)」
梨子「ね、言って?」ボソッ
善子「っ、リリーのことが、好き、です……///」
善子「(あぁぁどうしよう…まともに顔が見れないじゃない…!)」
梨子「うん、ありがとう…」
梨子「なぁに?」フフッ
善子「(なんでそんなに余裕そうなのよ…!)」
梨子「ね、言って?」ボソッ
善子「っ、リリーのことが、好き、です……///」
善子「(あぁぁどうしよう…まともに顔が見れないじゃない…!)」
梨子「うん、ありがとう…」
14: 2019/04/28(日) 13:17:33.09 ID:/qduXRMW
~1年前~
善子「っ、っ、り、りりぃ……」グズッ
梨子「うんっ……」グスグス
善子「そつぎょう、おめ、で…と…」グズグス
梨子「うん、ありがとう…」グスッ
善子「りりぃは、わたしの、いちばん、たいせつ、な、りとる、でーもんでっ…」
梨子「善子ちゃんっ……!」
ギュウッ
善子「っ、っ、り、りりぃ……」グズッ
梨子「うんっ……」グスグス
善子「そつぎょう、おめ、で…と…」グズグス
梨子「うん、ありがとう…」グスッ
善子「りりぃは、わたしの、いちばん、たいせつ、な、りとる、でーもんでっ…」
梨子「善子ちゃんっ……!」
ギュウッ
15: 2019/04/28(日) 13:22:06.88 ID:/qduXRMW
善子「うぅっ、う…うぁぁぁんっっ!!!」
梨子「また、絶対、会えるから…ううん、会おう?ねっ?」
善子「うんっ、うんっ……」ズビズビ
梨子「でも、やっぱり、善子ちゃんと離れちゃうのは、悲しい、かな……」グスッ
善子「私だって悲しいわよ…!」ズズッ
梨子「元気でね、善子ちゃん」
善子「リリーも、東京で元気でいなさいよ…!」
梨子「また、絶対、会えるから…ううん、会おう?ねっ?」
善子「うんっ、うんっ……」ズビズビ
梨子「でも、やっぱり、善子ちゃんと離れちゃうのは、悲しい、かな……」グスッ
善子「私だって悲しいわよ…!」ズズッ
梨子「元気でね、善子ちゃん」
善子「リリーも、東京で元気でいなさいよ…!」
17: 2019/04/28(日) 13:32:06.26 ID:/qduXRMW
善子「あ、あのね、リリー…っ、さ、最後に…したいことがあって」
梨子「うん…?」
善子「私、リリーとっ…梨子と、き、キス、がしたい、です…!///」
梨子「え…?」
善子「思い返してみれば、ほら…したことなかったじゃない?」
梨子「……」
ブロロロ…
千歌「りーこーちゃーん!バス来たよー!」
梨子「うん…?」
善子「私、リリーとっ…梨子と、き、キス、がしたい、です…!///」
梨子「え…?」
善子「思い返してみれば、ほら…したことなかったじゃない?」
梨子「……」
ブロロロ…
千歌「りーこーちゃーん!バス来たよー!」
18: 2019/04/28(日) 13:34:58.90 ID:/qduXRMW
梨子「あ、はーい!……それじゃあ善子ちゃん、またね。花丸ちゃんとルビィちゃんと仲良くするのよ?」
善子「っ、え?あ、えぇ……」
タッタッタッ……
ブロロロ……
善子「…………」
善子「(あれ…?なんで…?どうして…?)」
善子「リリー………」
善子「っ、え?あ、えぇ……」
タッタッタッ……
ブロロロ……
善子「…………」
善子「(あれ…?なんで…?どうして…?)」
善子「リリー………」
19: 2019/04/28(日) 13:54:38.29 ID:/qduXRMW
~電車~
善子「(よく考えてみたら、付き合おうだなんてどちらも言ってなかったのよ…)」
善子「(梨子が言ってた"好き"って、私のとは違ったみたい…)」
善子「(だったら、どうしてあんな思わせぶりなことばっかり…!)」
善子「梨子のばか……」ボソッ
善子「(全部話してもらうんだから…)」
善子「(たとえ、どんなに私が傷ついても…)」
善子「(よく考えてみたら、付き合おうだなんてどちらも言ってなかったのよ…)」
善子「(梨子が言ってた"好き"って、私のとは違ったみたい…)」
善子「(だったら、どうしてあんな思わせぶりなことばっかり…!)」
善子「梨子のばか……」ボソッ
善子「(全部話してもらうんだから…)」
善子「(たとえ、どんなに私が傷ついても…)」
25: 2019/04/28(日) 15:39:05.29 ID:/qduXRMW
~東京~
ピロリン♪
梨子「…え…善子ちゃん…?」
善子『話したいことがあるの』
善子『今どこ?』
善子『東京でしょ?』
梨子「…まさか、沼津から来てるの…?!」
プルルルル…
プルルルル…
プルルルル…
梨子「……」
ピッ
梨子「あの堕天使…どこにいるの…?!人にメール送っておきながら電話に出ないなんて…!」
ピロリン♪
梨子「…え…善子ちゃん…?」
善子『話したいことがあるの』
善子『今どこ?』
善子『東京でしょ?』
梨子「…まさか、沼津から来てるの…?!」
プルルルル…
プルルルル…
プルルルル…
梨子「……」
ピッ
梨子「あの堕天使…どこにいるの…?!人にメール送っておきながら電話に出ないなんて…!」
27: 2019/04/28(日) 16:46:55.70 ID:/qduXRMW
梨子「まったく……」ハァ…
梨子『東京駅の中のカフェで待ってる』
梨子「(善子ちゃん、急に東京に来るなんて…)」
梨子「(もしかして、あの日のこと何か思ってるのかな…)」
梨子「なんて言えば……」ポツリ
梨子『東京駅の中のカフェで待ってる』
梨子「(善子ちゃん、急に東京に来るなんて…)」
梨子「(もしかして、あの日のこと何か思ってるのかな…)」
梨子「なんて言えば……」ポツリ
28: 2019/04/28(日) 17:18:00.98 ID:/qduXRMW
~数時間後~
梨子「(善子ちゃん遅いわね…)」
梨子「(もう一回電話をーーー)」
善子「梨子っ!!!」ハァッハァッ
梨子「善子ちゃん…!」ガタッ
善子「久しぶりね」
梨子「もう、なんで電話出なかったの…?!心配したじゃない…!」
善子「ごめんなさい。あの後スマホの充電無くなっちゃって…」
梨子「それにしても、どうして東京に…?」
善子「…話したいこと、色々あるの」
梨子「っ…!」ドクンッ
善子「とりあえず、コーヒー頼んでもいいかしら?」
梨子「(善子ちゃん遅いわね…)」
梨子「(もう一回電話をーーー)」
善子「梨子っ!!!」ハァッハァッ
梨子「善子ちゃん…!」ガタッ
善子「久しぶりね」
梨子「もう、なんで電話出なかったの…?!心配したじゃない…!」
善子「ごめんなさい。あの後スマホの充電無くなっちゃって…」
梨子「それにしても、どうして東京に…?」
善子「…話したいこと、色々あるの」
梨子「っ…!」ドクンッ
善子「とりあえず、コーヒー頼んでもいいかしら?」
29: 2019/04/28(日) 17:28:27.35 ID:/qduXRMW
~数分後~
梨子「それで…どうして東京に?」
善子「見たらわかるでしょ。これよ、これ」
梨子「キャリーケース…?…えっ、善子ちゃんまさか…」
善子「東京の大学に合格したのよ」
梨子「そうだったんだ…おめでとう、すごいじゃない!」
善子「ママみたいにね、学校の先生になりたいの」
梨子「それで…どうして東京に?」
善子「見たらわかるでしょ。これよ、これ」
梨子「キャリーケース…?…えっ、善子ちゃんまさか…」
善子「東京の大学に合格したのよ」
梨子「そうだったんだ…おめでとう、すごいじゃない!」
善子「ママみたいにね、学校の先生になりたいの」
30: 2019/04/28(日) 17:38:31.54 ID:/qduXRMW
梨子「あ…確かに善子ちゃんのお母さん、学校の先生だったわよね」
善子「うん、そう。まだ細かいことは何も決めてないんだけどね」
梨子「花丸ちゃんとルビィちゃんは?」
善子「ずら丸は沼津の本屋で働きながら小説家を目指してて、ルビィは沼津のご当地アイドルのリーダーになったって」
梨子「そうだったんだ…二人ともすごいわね…」
善子「うん、そう。まだ細かいことは何も決めてないんだけどね」
梨子「花丸ちゃんとルビィちゃんは?」
善子「ずら丸は沼津の本屋で働きながら小説家を目指してて、ルビィは沼津のご当地アイドルのリーダーになったって」
梨子「そうだったんだ…二人ともすごいわね…」
31: 2019/04/28(日) 17:39:46.07 ID:/qduXRMW
善子「なんか、私だけ普通すぎてつまらないわね」
梨子「そんなことないよ。学校の先生だって立派な職業よ?」
善子「んー。そうかしら?ありがと。梨子の方は?上手くいってるの?」
梨子「そうね、どちらかと言えば…うん」
梨子「そんなことないよ。学校の先生だって立派な職業よ?」
善子「んー。そうかしら?ありがと。梨子の方は?上手くいってるの?」
梨子「そうね、どちらかと言えば…うん」
32: 2019/04/28(日) 17:40:39.77 ID:/qduXRMW
善子「テレビで見たわ。『天才ピアニスト桜内梨子』って」
梨子「えぇっ?!あの番組、沼津でも放送されてたなんて…」
善子「プロデビューもそう遠くないみたいね」
梨子「そんなことないよ。私なんてまだまだで…」
善子「また生で聞いてみたいわ。梨子のピアノ」
梨子「えぇっ?!あの番組、沼津でも放送されてたなんて…」
善子「プロデビューもそう遠くないみたいね」
梨子「そんなことないよ。私なんてまだまだで…」
善子「また生で聞いてみたいわ。梨子のピアノ」
33: 2019/04/28(日) 17:47:01.31 ID:/qduXRMW
梨子「善子ちゃんにはよく聞いてもらってたなぁ…音楽室で、二人きりで」
善子「(ふ、二人きりってわざわざ言わなくてもいいじゃない…!)///」ドキドキ
梨子「…善子ちゃん?」
善子「い、いいえ。なんでもないわ」
梨子「……」クスッ
善子「な、なによっ、人の顔ジロジロ見て…!///」カァァッ
善子「(ふ、二人きりってわざわざ言わなくてもいいじゃない…!)///」ドキドキ
梨子「…善子ちゃん?」
善子「い、いいえ。なんでもないわ」
梨子「……」クスッ
善子「な、なによっ、人の顔ジロジロ見て…!///」カァァッ
34: 2019/04/28(日) 17:58:59.11 ID:/qduXRMW
梨子「…やめちゃったの?」
善子「な、なにを…?」
梨子「あのお団子」
善子「掘り起こさないで!あんな黒歴史!」
梨子「えぇ?!く、黒歴史?!黒歴史になってたの?!」
善子「ならないはずないじゃないあんなのぉ…///」
梨子「堕天使ヨハネちゃーん♡」ケラケラ
善子「も、もうっ!!本気で怒るわよ?!」
梨子「ふふっ。ごめんね?」
善子「な、なにを…?」
梨子「あのお団子」
善子「掘り起こさないで!あんな黒歴史!」
梨子「えぇ?!く、黒歴史?!黒歴史になってたの?!」
善子「ならないはずないじゃないあんなのぉ…///」
梨子「堕天使ヨハネちゃーん♡」ケラケラ
善子「も、もうっ!!本気で怒るわよ?!」
梨子「ふふっ。ごめんね?」
35: 2019/04/28(日) 18:09:28.64 ID:/qduXRMW
善子「まぁ…一カ月前まではやってたわよ、スクールアイドル堕天使ヨハネ」
梨子「そうなの?」
善子「言い方悪いけど、アレが私の売りだったしね。途中で辞めたら支障が出るかもだし」
梨子「いつからそんな風に思ってたの?」
善子「言ったでしょ。梨子に。堕天使なんかいないってこと知ってるって」
梨子「そうなの?」
善子「言い方悪いけど、アレが私の売りだったしね。途中で辞めたら支障が出るかもだし」
梨子「いつからそんな風に思ってたの?」
善子「言ったでしょ。梨子に。堕天使なんかいないってこと知ってるって」
36: 2019/04/28(日) 18:19:50.52 ID:/qduXRMW
梨子「そんな前から…」
善子「でも後悔はしていないわ。あの時の私がいたからAqoursに出会えて、いい経験をさせてもらったし」
梨子「結果的には良かった、ってこと?」
善子「…そうね」ニコッ
梨子「うん…私も、ピアノに触れなかった時期があったからこそこうやって…」
善子「ん?」
梨子「……善子ちゃんと出会えた」
善子「でも後悔はしていないわ。あの時の私がいたからAqoursに出会えて、いい経験をさせてもらったし」
梨子「結果的には良かった、ってこと?」
善子「…そうね」ニコッ
梨子「うん…私も、ピアノに触れなかった時期があったからこそこうやって…」
善子「ん?」
梨子「……善子ちゃんと出会えた」
37: 2019/04/28(日) 18:32:31.81 ID:/qduXRMW
善子「……梨子」
梨子「うん」
善子「本当は、どう思ってたの?」
梨子「なにが?」
善子「私のこと」
梨子「………」
善子「どんな目で見てた?」
梨子「同じこと考えてたみたいね」
善子「…は?」
梨子「……似てるのかな、私達」ボソッ
善子「…えっ?」
梨子「そうやっていつまでも昔のこと引きずってるの」
梨子「うん」
善子「本当は、どう思ってたの?」
梨子「なにが?」
善子「私のこと」
梨子「………」
善子「どんな目で見てた?」
梨子「同じこと考えてたみたいね」
善子「…は?」
梨子「……似てるのかな、私達」ボソッ
善子「…えっ?」
梨子「そうやっていつまでも昔のこと引きずってるの」
38: 2019/04/28(日) 18:42:56.82 ID:/qduXRMW
善子「っ…!」ズキンッ
梨子「仲良くなれたのは…秋頃だったよね。善子ちゃんが拾った犬…懐かしい…」
善子「質問に答えなさいよっ…」
梨子「善子ちゃん家でお泊り会もしたよね。私が持ってきたケーキ、美味しかった?」
善子「ねぇっ…」
梨子「あとは何があったかなぁ…」
善子「っ…!」プルプル
梨子「仲良くなれたのは…秋頃だったよね。善子ちゃんが拾った犬…懐かしい…」
善子「質問に答えなさいよっ…」
梨子「善子ちゃん家でお泊り会もしたよね。私が持ってきたケーキ、美味しかった?」
善子「ねぇっ…」
梨子「あとは何があったかなぁ…」
善子「っ…!」プルプル
42: 2019/04/28(日) 22:47:48.79 ID:/qduXRMW
善子「なんで、なんでそんなっ…!」
梨子「なに?」
善子「私とは、遊びだったの…?!」
梨子「遊び…?」
善子「気持たせるようなことしておいて、自分は勝手に卒業して…私のこと置いて行って…」
善子「高校生なんて、もう子供じゃないのよ?!」
善子「人の気持ちで遊んで、どうせ陰で笑ってたりしたんでしょう…?」
梨子「なに?」
善子「私とは、遊びだったの…?!」
梨子「遊び…?」
善子「気持たせるようなことしておいて、自分は勝手に卒業して…私のこと置いて行って…」
善子「高校生なんて、もう子供じゃないのよ?!」
善子「人の気持ちで遊んで、どうせ陰で笑ってたりしたんでしょう…?」
43: 2019/04/28(日) 22:49:30.70 ID:/qduXRMW
善子「こんなこと、言いたくなかったけど…」
善子「梨子って、サイテーだったのね」
梨子「………!」ハッ!
梨子「待って善子ちゃん!ちが、違うの!なにか勘違いしてる!!」
善子「もういいわ。あなたには呆れた」
梨子「善子ちゃんっ…!」ガシッ
善子「お代は置いておくから。じゃあね」
善子「梨子って、サイテーだったのね」
梨子「………!」ハッ!
梨子「待って善子ちゃん!ちが、違うの!なにか勘違いしてる!!」
善子「もういいわ。あなたには呆れた」
梨子「善子ちゃんっ…!」ガシッ
善子「お代は置いておくから。じゃあね」
44: 2019/04/29(月) 00:02:25.81 ID:SCOeUMZp
梨子「あ……」
梨子「(なんで…なんで私、あんな酷い事言っちゃったんだろ…)」プルプル
梨子「(自業自得よ…そんな事言ったら嫌われるに決まってるじゃない…)」ポロポロ
梨子「(私のバカっ…泣いたってどうにもならないのに…!)」ポロポロ
梨子「ごめ、ごめん、な、さい、善子ちゃん……」シクシク
梨子「(なんで…なんで私、あんな酷い事言っちゃったんだろ…)」プルプル
梨子「(自業自得よ…そんな事言ったら嫌われるに決まってるじゃない…)」ポロポロ
梨子「(私のバカっ…泣いたってどうにもならないのに…!)」ポロポロ
梨子「ごめ、ごめん、な、さい、善子ちゃん……」シクシク
48: 2019/04/29(月) 06:22:10.91 ID:SCOeUMZp
スタスタスタ…
善子「(よかった、これでよかったのよ……)」
善子「(梨子は、私のことなんてどうでもよかったんだわ…)」
善子「(梨子は、私の恋人なんかじゃなかった)」
善子「(すべてはあの時の、私の勘違いだったのね…)」
善子「(……まさか、騙されるなんて)」
善子「(よかった、これでよかったのよ……)」
善子「(梨子は、私のことなんてどうでもよかったんだわ…)」
善子「(梨子は、私の恋人なんかじゃなかった)」
善子「(すべてはあの時の、私の勘違いだったのね…)」
善子「(……まさか、騙されるなんて)」
49: 2019/04/29(月) 06:31:49.47 ID:SCOeUMZp
善子「(家の鍵、貰いに行かなきゃ…)」
スタスタスタ……
ポツ…ポツ…
善子「!」
ザアアアアア
善子「うそ、雨……?!」
善子「(傘…傘持ってきてない…!)」ガサゴソ
善子「天気予報じゃ晴れだったのに…」
善子「(このまま走って何処かで買えばいいわよね…)」
スタスタスタ……
ポツ…ポツ…
善子「!」
ザアアアアア
善子「うそ、雨……?!」
善子「(傘…傘持ってきてない…!)」ガサゴソ
善子「天気予報じゃ晴れだったのに…」
善子「(このまま走って何処かで買えばいいわよね…)」
50: 2019/04/29(月) 06:57:30.98 ID:SCOeUMZp
梨子『風邪、引くわよ。あと、これ』
善子『いらない』
梨子『……はい』スッ
善子『どうして戻ってきたの?』
梨子『考えてみたら、帰っちゃったら本当に出てきたときに会えないなって』
善子『堕天使っていると思う?』
梨子『え?』
善子『私さ、小さい頃からずっと運が悪かったの』
善子『いらない』
梨子『……はい』スッ
善子『どうして戻ってきたの?』
梨子『考えてみたら、帰っちゃったら本当に出てきたときに会えないなって』
善子『堕天使っていると思う?』
梨子『え?』
善子『私さ、小さい頃からずっと運が悪かったの』
51: 2019/04/29(月) 06:58:46.16 ID:SCOeUMZp
善子『本当に、そういうのないのかなって。運命とか、見えない力とか』
梨子『見えない力はあると思う。善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも』
善子『……そうかな』
梨子『うん。だから信じている限り、きっとその力は働いていると思うよ』
ザアアアアア……
善子「っーーーーーーーーーーー」
善子「(あの日も、こんな雨で……)」
梨子『見えない力はあると思う。善子ちゃんの中だけじゃなく、どんな人にも』
善子『……そうかな』
梨子『うん。だから信じている限り、きっとその力は働いていると思うよ』
ザアアアアア……
善子「っーーーーーーーーーーー」
善子「(あの日も、こんな雨で……)」
52: 2019/04/29(月) 07:08:28.99 ID:SCOeUMZp
善子「(あの時の言葉も、表情も、ぜんぶぜんぶ、嘘だったなんて、そんなの…)」
善子「信じたく、ない……」
善子「(でも、嘘だった)」
善子「(不幸体質、だもんね。仕方ないわ)」ダッ
パシャパシャパシャ……
善子「(さようなら、梨子…)」ポロポロ
梨子「風邪、引くわよーーーっ!」
善子「信じたく、ない……」
善子「(でも、嘘だった)」
善子「(不幸体質、だもんね。仕方ないわ)」ダッ
パシャパシャパシャ……
善子「(さようなら、梨子…)」ポロポロ
梨子「風邪、引くわよーーーっ!」
54: 2019/04/29(月) 07:45:51.44 ID:SCOeUMZp
善子「梨子…?!」
梨子「そんな寒そうな格好で…!」ダッ
善子「こっち来ないでよ!」
梨子「本当に嫌なら逃げているはずよ」
善子「……」
梨子「相合傘、しよ?傘持ってないんでしょ?」
スタスタ…
善子「一体、なんのつもり?」
梨子「…私は、善子ちゃんで遊んでたわけじゃない」
梨子「そんな寒そうな格好で…!」ダッ
善子「こっち来ないでよ!」
梨子「本当に嫌なら逃げているはずよ」
善子「……」
梨子「相合傘、しよ?傘持ってないんでしょ?」
スタスタ…
善子「一体、なんのつもり?」
梨子「…私は、善子ちゃんで遊んでたわけじゃない」
55: 2019/04/29(月) 07:59:23.47 ID:SCOeUMZp
梨子「本気だった。善子ちゃんのこと」
善子「だったら、だったらなんで…!」
梨子「臆病だったの。善子ちゃんに対して」
善子「おく、びょう…?」
梨子「私は本当に好きだったけど、善子ちゃんはどうなのかなって」
善子「へ……」
梨子「私ね、恋に恋してたことがあったの」
善子「だったら、だったらなんで…!」
梨子「臆病だったの。善子ちゃんに対して」
善子「おく、びょう…?」
梨子「私は本当に好きだったけど、善子ちゃんはどうなのかなって」
善子「へ……」
梨子「私ね、恋に恋してたことがあったの」
57: 2019/04/29(月) 08:03:02.43 ID:SCOeUMZp
梨子「運良くその人とは付き合えたけど…上手く行かなかった」
善子「なんで…?」
梨子「私からこの人への恋愛感情はないって、気づいちゃったから」
梨子「私は恋に恋してる、って気づいちゃったから」
善子「……」
梨子「怖かったの。いつか捨てられちゃうんじゃないかって」
善子「なんで…?」
梨子「私からこの人への恋愛感情はないって、気づいちゃったから」
梨子「私は恋に恋してる、って気づいちゃったから」
善子「……」
梨子「怖かったの。いつか捨てられちゃうんじゃないかって」
58: 2019/04/29(月) 08:10:40.47 ID:SCOeUMZp
梨子「だから、付き合おうなんて言えなかった。キスすることもできなかった」
善子「っ……」
梨子「今までたくさん傷つけちゃってごめんね、善子ちゃん」
善子「本当、酷い話よ…!どうして話してくれなかったの…?!」グスッ
梨子「ごめん、ごめんね…」ギュウッ
善子「私は…ずっと梨子のこと好きだったのに…」グスッ
善子「っ……」
梨子「今までたくさん傷つけちゃってごめんね、善子ちゃん」
善子「本当、酷い話よ…!どうして話してくれなかったの…?!」グスッ
梨子「ごめん、ごめんね…」ギュウッ
善子「私は…ずっと梨子のこと好きだったのに…」グスッ
59: 2019/04/29(月) 08:18:03.44 ID:SCOeUMZp
善子「今でも、私の気持ちは変わってないのに…」ボソッ
梨子「え…?」
善子「梨子。私は今でもあなたのことが好きよ」
梨子「……!」ドキッ
善子「恋に恋なんてしてないわ。一年も会えてなかったのに、梨子以外考えられなかった」
善子「本当に、好き。世界で一番、愛してるの」
梨子「え…?」
善子「梨子。私は今でもあなたのことが好きよ」
梨子「……!」ドキッ
善子「恋に恋なんてしてないわ。一年も会えてなかったのに、梨子以外考えられなかった」
善子「本当に、好き。世界で一番、愛してるの」
60: 2019/04/29(月) 09:40:02.59 ID:SCOeUMZp
梨子「よし、こちゃ…」ウルウル
善子「私と、付き合ってくれませんか」
梨子「はいっ…喜んで」ポロポロ
ギュウッ
トサッ
梨子「よ、善子ちゃん、傘、落ちて…」
善子「どうせ濡れてしまうなら、梨子と一緒がいいわ…」
梨子「そんなセリフ、どこで覚えたの…?」
善子「…さあね」
善子「私と、付き合ってくれませんか」
梨子「はいっ…喜んで」ポロポロ
ギュウッ
トサッ
梨子「よ、善子ちゃん、傘、落ちて…」
善子「どうせ濡れてしまうなら、梨子と一緒がいいわ…」
梨子「そんなセリフ、どこで覚えたの…?」
善子「…さあね」
61: 2019/04/29(月) 10:39:31.33 ID:SCOeUMZp
善子「……梨子///」
梨子「善子ちゃん…///」
善子「愛してる。好きよ……」
梨子「私も、愛してる……」
チュウッ
善子「んっ……ふ…んんっ///」チュッ
梨子「はぁっ…んん…はぁっ…///」チュッ
善子「(梨子の唇、柔らかい…好き…)」
梨子「(善子ちゃんの顔…必死で可愛い…)」
梨子「善子ちゃん…///」
善子「愛してる。好きよ……」
梨子「私も、愛してる……」
チュウッ
善子「んっ……ふ…んんっ///」チュッ
梨子「はぁっ…んん…はぁっ…///」チュッ
善子「(梨子の唇、柔らかい…好き…)」
梨子「(善子ちゃんの顔…必死で可愛い…)」
64: 2019/04/29(月) 18:28:29.12 ID:SCOeUMZp
善子「んっ……///」スッ
梨子「っ?!?///こ、こらっ!!///」
善子「んぇ…?」
梨子「い、一応外なんだからヘンなとこ触っちゃだめ!!!///」
善子「あ……ごめなさい…」
善子「濡らしてしまったわね。傘、もう大丈夫よ。また、連絡するから」
梨子「え、ちょ、ちょっとまっ…!」
梨子「っ?!?///こ、こらっ!!///」
善子「んぇ…?」
梨子「い、一応外なんだからヘンなとこ触っちゃだめ!!!///」
善子「あ……ごめなさい…」
善子「濡らしてしまったわね。傘、もう大丈夫よ。また、連絡するから」
梨子「え、ちょ、ちょっとまっ…!」
65: 2019/04/29(月) 18:30:18.00 ID:SCOeUMZp
善子「走って帰るわ!そんな遠くないし!」
梨子「えぇぇっ?!待ちなさ…」
善子「大丈夫よ!私のことは心配しないで!」ニコッ
パシャパシャパシャ…
梨子「っ………///」ドキンドキン
梨子「(昔から何一つ変わってないなぁ…笑顔の作り方とか)」
梨子「行っちゃ、だめ」ボソッ
梨子「えぇぇっ?!待ちなさ…」
善子「大丈夫よ!私のことは心配しないで!」ニコッ
パシャパシャパシャ…
梨子「っ………///」ドキンドキン
梨子「(昔から何一つ変わってないなぁ…笑顔の作り方とか)」
梨子「行っちゃ、だめ」ボソッ
67: 2019/04/29(月) 18:39:23.56 ID:SCOeUMZp
パシャパシャパシャ
ガシッ
善子「?!りーーーー」
梨子「家、来てよ」
善子「うぇっ?!?///」
梨子「せっかくまた会えたんだから…」
善子「い、いい、けど…?」
梨子「それに…さっきの続きも、できるから…///」
善子「ぁ…あ、は、ひゃい……///」
おわり
ガシッ
善子「?!りーーーー」
梨子「家、来てよ」
善子「うぇっ?!?///」
梨子「せっかくまた会えたんだから…」
善子「い、いい、けど…?」
梨子「それに…さっきの続きも、できるから…///」
善子「ぁ…あ、は、ひゃい……///」
おわり
68: 2019/04/29(月) 18:40:02.26 ID:SCOeUMZp
最後まで読んで下さった方々ありがとうございました。
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1556419395/