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■約40000文字■ 私の一番古く、一番大切な記憶。
歩夢『わたしと、ともだちになってくれる?』
侑『わたしとあゆむはもうしんゆうじゃん!ほら、あっちであそぼ?』
私の物語はここから始まった。侑ちゃんと出会い、幼稚園、小学校、中学校とずっと一緒の時間を過ごした。
でも、スクールアイドル同好会に入って全てが変わった。紆余曲折を経て、私はその変化を受け入れた。
侑ちゃんから貰ったローダンセの花。進む道は別々であっても、私たちが互いを想い合う気持ちは変わらない。
第一回SIFが終わり、すでに半月が経過していた。あの燃えるような熱気はどこへやら。通常の学園生活、同好会の活動が再開していた。
今日も次のライブに向け、同好会の皆と一緒に練習をした。スクールアイドルとして夢を追うと決意してから、より身の入った練習ができるようになった気がする。
日々の練習メニューは辛いけれど、私一人じゃないから頑張ることができる。ソロアイドルだけど一人じゃない。スクールアイドル同好会は私にとって大切な居場所だ。
今日のことを少しだけ回顧しながら、私はベッドに入った。充実した毎日。日々成長を実感できる毎日。今が人生の中で一番楽しい。こんな日々がいつまでも続いたらいいのに──
『──侑ちゃんを返して』
唐突に、私の頭に声が響いた。
歩夢「誰……?」
上体を起こし、暗い室内を確認したが誰もいない。けれど確かに、ハッキリと聞こえたのだ。勘違いのはずがない。
不気味に思いながらも、私はもう一度毛布にくるまった。私は何となく、壁に顔を向けて瞼を閉じた。壁の向こうには侑ちゃんがいる。何となく、そう考えたら熟睡できる気がしたから。
私の不安は徐々に霞のように消えていく。これならぐっすりと眠れそうだ。睡魔も徐々に強まり、意識が落ちる寸前。もう一度だけ頭に響いた声を思い出す。
あれは……私の声だった。
2023年2月28日 21:10
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