【SS】曜｢ずるいよ、梨子ちゃんは｣【ラブライブ！サンシャイン!!】

曜｢東京からの転校生、現る…！だし｣

曜｢おしとやかな美人で、ピアノも弾けて…｣

曜｢気配りができる、すっごくいい子｣

曜｢私と大違いだ…｣ｱﾊﾊ


ｶﾞﾀｯ


曜｢？｣ｸﾙﾘ


梨子｢…｣ｶｧｧｧ

曜｢わ゛っ｣

曜｢り、梨子ちゃん…｣

梨子｢え、えっと…その…忘れ物を…｣

曜｢…聞いてた？｣

梨子｢…ごめんなさい！｣ﾍﾟｺｯ

梨子｢盗み聞きしてた訳じゃないの、入りづらくて…っ｣ﾍﾟｺﾍﾟｺ

曜｢あっはは…ごめんね｣

梨子｢本当っ、ごめんなさい…｣ﾍﾟｺﾍﾟｺ

曜｢お、落ち着いてよ梨子ちゃん｣

曜｢教室でヘンな独り言呟いてる私だよ、悪いのは｣

梨子｢…っ｣ｶｧ

曜｢…できれば、忘れて欲しいかな｣ｱﾊﾊ

梨子｢…でも、嬉しかったよ｣

曜｢えっ？｣

梨子｢曜ちゃんが、そんな風に思ってくれてるなんて…｣

梨子｢恥ずかしいけど…嬉しいな｣ﾆｺ

曜｢…、うん｣ｺﾞｸﾘ

梨子｢あっ…それとね、曜ちゃん｣

曜｢は、はい｣

梨子｢私は…とっても素敵だと思うよ、曜ちゃんのコト｣

曜｢え…っ｣

梨子｢私と大違い…って｣

梨子｢全然そんな事無いよ、寧ろ私なんて…｣

曜｢…｣

梨子｢曜ちゃんは元気で明るくて、運動も料理も何でも出来て…｣

梨子｢大舞台でも活躍できる｣

曜｢…｣

梨子｢私に無い物が、全部曜ちゃんにはある…｣

梨子｢ずっと『羨ましいな』って思ってたんだよ…？｣

曜｢…｣


曜｢バカみたい｣ｱﾊﾊ

梨子｢えっ？｣ﾋﾞｸｯ

曜｢ごめんね、梨子ちゃん…｣

曜｢私、梨子ちゃんに嫉妬してたんだ｣

梨子｢わ、私に…？｣

曜｢うん…｣

曜｢いいなあ、羨ましいなあ、って｣

梨子｢それなら、私だって…｣

曜｢…私ね？｣

曜｢千歌ちゃんが梨子ちゃんと仲良くしてるのを見てると、胸が苦しくなったんだ｣

梨子｢…千歌ちゃん？｣

曜｢私の大切な友達が、どこかに行っちゃう…｣

曜｢そんな気がして、寂しくなったの｣

梨子｢…｣

曜｢私とは全く違う梨子ちゃんが、羨ましくて…｣

曜｢ずるいな、って｣

曜｢…ごめんね？｣

梨子｢ううん…私、曜ちゃんにそんな思いさせて…｣

梨子｢ごめんなさい…｣

曜｢梨子ちゃんは何も悪くないよ！｣

曜｢勝手に嫉妬した私が悪いんだから｣ｱﾊﾊ

梨子｢曜ちゃん…｣

曜｢でも…もう、そんな事は思わない｣

曜｢だって、こんなにも優しい人なんだもん…｣

曜｢千歌ちゃんも、そんな梨子ちゃんのお陰で笑顔になれた｣

梨子｢そ、そんな…｣

曜｢…ほんっと、今までの自分がバカみたい｣ﾍﾍ

梨子｢曜ちゃん…｣

曜｢ごめん、イヤだよね、私みたいな子…｣ｱﾊﾊ

梨子｢…ううん｣

梨子｢寧ろ、ちょっと嬉しい…かな｣

曜｢え…っ？｣ﾎﾟｶﾝ

梨子｢曜ちゃんの事、本当に完璧で隙がない人だと思ってたの｣

梨子｢だから私も、ちょっと嫉妬…してたのかも｣

梨子｢でも、今お話してて、ちょっぴり安心しちゃった…｣

曜｢…｣

梨子｢ご、ごめんね？｣

曜｢…梨子ちゃん、今バカにした？｣

梨子｢そ、そんなっ！そんなつもりじゃ…！｣ｱﾜﾜ

曜｢あはははっ、冗談だよー！｣

梨子｢…よ、よかった…びっくりした…｣ﾎｯ

曜｢へへっ、ごめんごめん｣ﾆﾍ

梨子｢もう…｣ﾌﾌｯ

曜｢…私、もっと梨子ちゃんと仲良くしたいな｣

梨子｢曜ちゃん…｣

曜｢…｣

梨子｢…｣

曜｢……い、嫌かな？｣ｵﾛｵﾛ

梨子｢…｣手ﾆｷﾞ

曜｢え…｣

梨子｢こちらこそ、仲良くして下さい｣ﾆｺ

曜｢……う、うん｣ｴﾍﾍ

梨子｢…曜ちゃん、顔赤い｣

曜｢だ、だって…！｣ｱﾜﾜ

梨子｢からかったお返し｣ﾆｺ

曜｢もう…｣ﾑﾑ

梨子｢ごめんなさい…｣ﾌﾌ


＜ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

梨子｢わっ、もうこんな時間…！｣

曜｢途中まで、一緒に帰ろっか｣

梨子｢…うん｣ﾆｺ

という願望