【SS】かのん「可可ちゃんの好きなもの」【ラブライブ！スーパースター!!】

かのくぅ(クーカー)

かのんちゃん家の喫茶店――

可可「わあぁ…！ナポリタン、チョコバナナのサンデー、それにミルクティー！」

かのん「可可ちゃんの好きなものを取り揃えたよ！って言っても、全部お店で出してるものだけどね」

可可「どうしてこんなに沢山…ハッ！可可、もしかして今日が誕生日だったとか」

かのん「あははっ、まさか」

可可「では、どうして？」

かのん「日頃の頑張りにお疲れ様ってところかな。ライブも無事終わったことだしさ、今日は豪勢に行こうよ！」

可可「ありがとうございマス！可可の好きなものが4つも勢揃い！こんなに嬉しいことはありマセン！」

かのん「ふふっ、そうだね、4つ全て…ん？」

可可「どうしました？」

かのん「可可ちゃんの好きなものって、ナポリタン、チョコバナナ、ミルクティーだよね？」

可可「ハイ！」

かのん「4つって言ってたけど、あと1つは？」

可可「ふふっ、内緒デス！」

かのん「んー？」

……………………………………

かのんちゃんの部屋――

可可「うぅ、古文ムズカシイ…えっと『おこたる』は、この文中では『怠ける』ではなく『病気がよくなる』の意味で…」

かのん「…」

可可「あれ、かのん？」

かのん「zzz…」

可可「もしかして、寝ちゃったデスか？」

かのん「くー…」

可可「かのん、かーのーんー、聞こえますかー」

かのん「すー…ぴー…」

可可「本当に寝てしまったみたいデス。疲れていたのでしょうか、昨日も遅くまで曲を作ってたと言ってマシタし」

かのん「ぐー…zzz…」

可可「…かのん。寝てるのなら、いいですよね…？」

かのん「…！」

可可「ね、かのん」

かのん「く、くー…」

可可「可可、ずっと、ずっとかのんが――」

かのん「…っ」



可可「聞こえているのは知ってマス」

かのん「うええっ！？」

可可「ほら、やっぱりー」

かのん「あっ！」

可可「まったく、たぬき寝入りなんていけません。いくら勉強が難しく、練習や曲作りが大変とはいえ」

かのん「ご、ごめん、ちょっとしたドッキリっていうか、いたずらのつもりっていうか…」

可可「かのん、怠ってはいけません」

かのん「うぐっ…は、はーい、気を取り直してしっかり勉強を」

可可「しっかり勉強を一休みしましょう」

かのん「うん、ちゃんと一休みして…えっ？」

可可「中途半端な休み方では、疲れは取れません。休む時はちゃんと休まなければ」

かのん「えっと、つまり、休んでいいってこと？」

可可「息抜きは必要デス。それだけかのんが頑張っていること、可可はわかってマス」

かのん「可可ちゃん…」

可可「そして、良い休息には甘いものが不可欠デス」

かのん「あははっ、だね。飲み物持ってくるよ。ココアでいい？」

可可「可可も準備をお手伝いします、一緒に甘いひとときを過ごしましょう！」

かのん「うん！」

……………………………………

部室――

かのん「ふふっ、うふふふ～」

すみれ「随分とご機嫌ね」

かのん「ああ、すみれちゃん。いたんだ」

すみれ「いたわよ。それで、なに一人でニヤけ顔してたの？」

かのん「ニヤけてたわけじゃないけどさ、かわいいって漢字で『可愛い』って書くでしょ？」

すみれ「ええ、それが？」

かのん「可可ちゃんの可だなぁって」

すみれ「重症ね」

……………………………………

かのんちゃんの部屋――

可可「暑いデス…」

かのん「暑いね…部屋全体が熱ばってるから、エアコンつけても全然涼しくならない…」

可可「可可、もうダメです、溶けてしまう…」

かのん「冷たいカフェオレが飲みたい…」

かのくぅ「「ふぁぁ～…」」

ありあ「お姉ちゃんたちー、お母さんがお店落ち着いたからアイス食べに来なってさー」

かのくぅ「「いくー！」」

……………………………………

かのん「仕上げにチョコソースをかければ…へいお待ち、チョコバナナベビーカステラ一丁！」

可可「わああっ、すごい、すごい！まん丸でとっても綺麗デス！美味しそうデス！」

かのん「今回のは自信作なんだ！たこ焼き器で作ったバナナカステラにたっぷりのチョコソース、きっと気に入ってもらえると思うよ！」

可可「ああ、焼いたカステラの甘い香りがたまりマセン…！」

かのん「前にたこ焼きを作った時、そう言えばたこ焼き器を使ったスイーツがあるなーって気付いてさ、試してみようと思ったんだ」

可可「素晴らしいアイデアデス！たこ焼きの技術を応用するなんて！」

かのん「丸いものマスター・ちぃちゃんの教えは伊達じゃないね！」

可可「かのん、早速一緒に食べましょう！」

かのん「うん！」

かのくぅ「「いただきまーす！」」

可可「ではでは、あむっ、はふはふ」

かのくぅ「熱々だから気を付けてね。お味はいかが？」

可可「んんーっ、最高デス！甘くて濃厚で、とってもとっても美味しいデス！」

かのん「どれどれ…うん！カステラの中に入れたバナナがとろっとしてて、チョコと相性バッチリだね！」

可可「素敵なスイーツを作ってくれてありがとうございます！可可、好きなものがまた一つ増えマシタ！」

かのん「えへへっ、そう言ってもらえて嬉しいよ！」

……………………………………

可可ちゃん、私に色んなことを言ってくれるんだ。

「衣装が良く似合う」とか「とっても可愛い」とか、「歌が好き」とか「心奪われた」とか。

嬉しいけど、表現が豊かすぎるというか、オーバーというか…あっ、もちろん嫌なわけじゃないよ？

でも、なんだかくすぐったい気持ちになって、いつも頬の温度が上がっちゃうというか…

かのん「今日はありがとう。いろんな所を見て回れて楽しかったよ」

可可「こちらこそ、付き合ってくれてありがとうございマス！かのん、大好きデス！」

かのん「だ、大好き…！」

ほら、今日も別れ際にこういうことを言うんだよ。

可可「あれれ、なんだか顔が赤いデス」

かのん「な、なんでもないよ」

可可「そうですか？」

かのん「本当に大丈夫、なんでもないから」

そう、なんでもない。これは可可ちゃんなりの言い回しであって、きっとごく普通のこと。

おそらく、可可ちゃんは誰に対してもこんな風にストレートな言い方をしてるんだろうから――って、あれ？私、さっきから何を考えてるの？

かのん「…でも、そういうの、あんまり誰にでも言わない方がいいかなって」

可可「えっ？」

かのん「あっ」

口が勝手に喋っていた。

かのん「えっと、ほら、なんて言うか、中にはびっくりしたり、勘違いしちゃう人もいるかもだし――」

可可「言いマセンよ」

かのん「へっ？」

可可ちゃんは私に向き直ると、軽く微笑んで。

可可「誰にでもは言いマセン。かのんにだけ、デス」

かのん「えっ。そ、それ、どういう…」

可可「ふふっ。内緒、デス！」

かのん「あっ！ちょっと」

可可「それではまた明日！再見～！」

また明日って…そんな、この顔のほてりと胸がむずむずする感覚はどうすればいいの！？

かのん「ねえ、待ってよ、可可ちゃーん！」



終わり

かのくぅが可愛くて書いてしまいました。

宣伝となり恐縮ですが、下記はかのくぅの過去作で、一応は前日談にあたります。よろしければ併せてお願いします。

かのん「可可ちゃんな日々」
https://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1628942808/

ありがとうございました。

6cƠᴗƠ∂ｽﾊﾞﾗｼｲssﾉﾋﾄｰ

6cƠᴗƠ∂ やっぱりクーカーなんデス