【SS】璃奈「天王寺璃奈です」浅希(可愛い…)【ラブライブ!虹ヶ咲】

SS


1: (たまごやき) 2021/08/11(水) 17:42:09.20 ID:Ltksw5qQ
【4月】

今日は虹ヶ咲学園の入学式の日

今日から新しい生活が始まるんだと思うとワクワクする♪

式も終わって、クラスも決まり、今は自己紹介の時間だ
先生「では次の人」
「はい」

「天王寺璃奈です、趣味はアプリの開発とゲームです、よろしくお願いします」
パチパチパチ

浅希「…///」ボーッ
か、可愛い…///

あんな可愛い子が私のクラスにいるんだ♪

もしかして、アイドルか何かかな?

仲良くなれたら嬉しいな♪

2: (たまごやき) 2021/08/11(水) 17:42:48.60 ID:Ltksw5qQ
【某日/放課後】

浅希「ねぇねぇ、帰りどっか寄ってかない?」

今日子「あ、じゃあ、私、ゲーセン行きたい!」

色葉「え?ゲーセン?」

今日子「欲しいぬいぐるみあるんだよ~」

色葉「ふふっ…いいよ、いこ?」

今日子「あは♪やった!」パアァ

色葉「ちょ~久しぶりに行くなぁ~」

浅希「確かにそうだね~」

今日子「…ぬいぐるみ取る!」ブツブツ

色葉「何が欲しい?」

今日子「えっとね、くまちゃんが欲しい!」

スタスタスタ…

3人「ん?」

璃奈「あ、あのっ…!!」

3: (たまごやき) 2021/08/11(水) 17:45:09.70 ID:Ltksw5qQ
浅希「…ん!?」

って、天王寺さん!?///天王寺さんが私に話しかけて…///

もしかして…天王寺さん、私たちと一緒に…!?///

うそ!?…まだ心の準備が…///

しゃ、喋らなきゃ…///


スタスタ

浅希「…ん!?」

璃奈「…なんでもない」


あああ…天王寺さん…

せっかく天王寺さんに話しかけられたのに、私があたふたしている間に行ってしまった…

4: (たまごやき) 2021/08/11(水) 17:47:52.81 ID:Ltksw5qQ
浅希「…」

色葉「天王寺さん、私たちに何か用だったかな?」

今日子「もしかして急ぎだと思われちゃった?」

浅希「!!」


そうだ、私は天王寺さんと仲良くなりたいのに…!

私から話しかけないと…!


浅希「私、ちょっと追いかけてくる!」ダッ

色葉「ちょ、浅希!?」


天王寺さん、どこだろう!?

あ、いた!!

あっ…

上級生の綺麗な人と一緒に…



そうだよね、天王寺さんみたいに綺麗な人には、素敵な友達がいるに決まってるもんね…

私なんかじゃ…不釣り合いだよね…

10: (たまごやき) 2021/08/11(水) 18:01:39.80 ID:Ltksw5qQ
【後日/焼き菓子同好会】


あれから結局、天王寺さんとは一度も話せていない…


浅希「はぁ…」

色葉「浅希!浅希!」

浅希「どうしたの?」

色葉「知ってる?今、噂になってる部室棟のヒーローの話!」

浅希「ヒーロー?」


そう言って色葉が私にスマホで撮った画像を見せてくる

あれ?この人は…あの時、天王寺さんと一緒にいた…

色葉「2年生の宮下愛先輩っていうんだけどね、
   いろんな体育会系の部活で助っ人で活躍しててさ、すっごい話題になってるんだよ!
   カッコいいよね~!」キラキラ


そっか…天王寺さんはこんなすごい人と…

やっぱり私なんかじゃ、仲良くなれないよね…


色葉「浅希?聞いてる?」

浅希「あ、うん!すごいよね~!」

12: (たまごやき) 2021/08/11(水) 18:17:26.81 ID:Ltksw5qQ
色葉「今度、愛先輩のこと応援しに行っちゃおっかな~!」

浅希「あはは、今日子ってば」クスクス

今日子「ねぇねぇ!浅希ちゃん、色葉ちゃん!」

浅希「今日子?もしかして部室棟のヒーローの話?それならさっき色葉が」

今日子「違う違う!この学校のスクールアイドルの話!」

色葉「へぇ、この学校にもスクールアイドル部があったんだ!」

今日子「あるのは同好会らしいんだけど、一度廃部になっちゃったみたいなんだ…
    でも、改めて部を立ち上げようと頑張ってる歩夢ちゃんっていうアイドルがいて…応援したくなっちゃった!」キラキラ

浅希「へぇ…そうなんだ…」


もしかして、天王寺さんも所属してるのかな?アイドルみたいに可愛いし…


色葉「ふーん、まぁ部室棟のヒーローの愛先輩の方がカッコいいけどね!」

今日子「いや、スクールアイドルの歩夢ちゃんが可愛いよ!」

浅希「…」


二人とも、応援したいって思える人ができたんだね♪

私は…私には…いないな…

私にも、そういう人がいたなら、元気が貰えたのかな

13: (たまごやき) 2021/08/11(水) 18:29:10.33 ID:Ltksw5qQ
ワクワクしていた学生生活だったけど

私は、仲良くなりたい子にも話しかけられず

応援したい特別な人もいない

こうやって何気ない日常を淡々と過ごしていくだけなのかな…

そう思っていたある日


色葉「浅希、たいへんだ!」

今日子「たいへんだよ!浅希ちゃん!」

浅希「二人ともどうしたの?また愛先輩と歩夢先輩の話?」

色葉「まぁ、違わないんだけど、ビックニュースなんだよ!」

浅希「はいはい、何?」

今日子「スクールアイドル同好会に新加入したメンバーなんだけどさ!」

色葉「愛先輩がスクールアイドル同好会に入部したんだよ!こなんだPVが公開されてさ!」

浅希「そうなんだ!凄いね!」


愛先輩…あの人か…

あんなに綺麗な人だし、アイドルになってもおかしくないよね


今日子「それだけじゃなくて!うちのクラスの天王寺さんも加入してたんだよ!」

浅希「えっ!?///」ドキッ

16: (たまごやき) 2021/08/11(水) 18:48:53.39 ID:Ltksw5qQ
天王寺さんが、あ、アイドル…!?

そんな夢見たような話が現実なわけ…!?


浅希「ほ、本当に…!?」

色葉「疑り深いなぁ、ほら、これが公開されたPVだよ」

浅希「…」


色葉から渡されたスマホで動画を見る


璃奈『にゃーん!とぉっ!』

璃奈『初めまして!天王寺璃奈だよ!』

璃奈『にゃんにゃーん』


そこに映っていたのは天王寺さんがアフレコしたであろう愉快な猫のキャラクターが自己紹介する動画だった

これを…あの天王寺さんが…?


浅希「…ふふっ♪」

今日子「凄いよね!これ、天王寺さんが作ったらしいんだ!」

色葉「ほら、ビックニュースだったでしょ?」ニカッ

浅希「うんっ♪」

18: (たまごやき) 2021/08/11(水) 18:57:15.57 ID:Ltksw5qQ
天王寺さんって性格はクールで、近寄りがたくて、

もし彼女がアイドルだったら、もっと手の届かない存在であるかのような…そんなイメージがあった

けど、このPVの天王寺さんは、可愛い声で、感情豊かで…

天王寺さんの内面が感じ取れるようで…

私たちの身近な存在なんだなと、感じることができた


浅希「色葉、今日子…ありがとう」

今日子「え?」

浅希「私にも、応援したい人ができたよ♪」

色葉「…そっか」ニカッ

今日子「うん!」ニコッ

浅希「私、天王寺さんのこと、応援する♪」

色葉「私も!そんでもって当然、愛先輩のことも応援する!」

浅希「だから、今日子!スクールアイドルのこと、もっと教えて!」

今日子「えへへっ!二人とも興味持ってくれて嬉しいっ!」

23: (たまごやき) 2021/08/11(水) 19:39:42.16 ID:Ltksw5qQ
【後日/ゲームセンター】

浅希「やった!GET!」

色葉「おー!すげー!」

今日子「浅希ちゃん、相変わらずぬいぐるみ取るのうまいね!」

浅希「ふっふっふ、ぬいぐるみなら任せてよ!」


なんだかんだ、3人でゲーセン行くのも楽しいな♪

いつか、天王寺さんと一緒に行けたら…な~んて…

って、あれ?あのピンク髪の子…もしかして…


浅希「天王寺さん…?」

璃奈「?」


やばっ…つい声に出しちゃった…///

まだ心の準備が…///


今日子「やっぱり天王寺さんだ!!」ダッ


ああっ、今日子…もうなるようになれ!!///

24: (たまごやき) 2021/08/11(水) 19:42:42.37 ID:Ltksw5qQ
侑「友達?」

璃奈「…クラスメイト」

色葉「!!…もしかして、愛先輩!?」グッ

愛「おっ!?」

今日子「…歩夢ちゃん!?」グッ

歩夢「ええっ!?…ええ…」

色葉「スクールアイドル同好会のPV観ました!愛先輩、最高でした!」

愛「わぁ、ありがとう!」

今日子「歩夢ちゃん可愛くて、私ファンになっちゃいました!」

歩夢「直接感想言ってもらうの初めて!嬉しい!」

今日子・色葉・浅希「可愛い~!!」


よし…なんとか今日子と色葉のテンションに合わせて接すことができた…

…でもこれは天王寺さんと話せるチャンスだ!

今日子と色葉と一緒だし、なるようになるよね!///

よし…///


て…て…///

クルッ


浅希「天王寺さんのも、観たよ♪」

璃奈「あ…」

浅希「あのキャラ、面白いよね♪」

色葉「うんうん、動きとか!」

璃奈「…」


う…うまく話せたかな…?///

私、変じゃなかったかな…///

25: (たまごやき) 2021/08/11(水) 19:44:43.49 ID:Ltksw5qQ
今日子「もしかして皆さん、ライブの下見に来たんですか?」

歩夢「ライブ?」

今日子「ジョイポリスのステージ、最近スクールアイドルもよくライブしてますよね?」

色葉「先週、近くの東雲学院もやったみたいですよ!」

侑「へぇ~、そうなんだ」

今日子「早くみなさんのライブ観たいです!」

浅希「!」


それって天王寺さんのライブが観れるってことだよね?だったら…


浅希「私も見たいです!///」

色葉「ライブやってくださいよ~!」

浅希「お願いします!」


璃奈「…やる」

浅希・色葉・今日子「ん?」

歩夢・愛「ん?」

璃奈「私、ここでライブやる!」

浅希「…!!」パァァ


ついに、ついに、天王寺さんのライブが観れる…!!

嬉しくて嬉しくて、楽しみすぎて、

その日は全く寝られませんでした♪

29: (たまごやき) 2021/08/11(水) 23:06:55.57 ID:Ltksw5qQ
浅希「~♪」

今日子「浅希ちゃん、最近ご機嫌だね」

浅希「え?そ、そうかな?」

色葉「そんなに天王寺さんのライブが楽しみなの?」クスクス

浅希「そっ、そんなんじゃ///」

色葉「そういえばライブの日程ってそろそろかな?…あっ!」

今日子「どうしたの?」

色葉「二人とも見て!天王寺さんが新しい動画出してるよ!」

浅希「えっ!?天王寺さんの!?」グイッ


璃奈『にゃんっ!くるっ!』

璃奈『天王寺璃奈、ライブ開催決定!』

璃奈『会場は東京ジョイポリス!』

璃奈『みんなー!来てねー!にゃんっ!』


色葉・今日子「わぁ~」

浅希「可愛い…///」ボソッ

色葉・今日子「へぇ~」ニヤニヤ

浅希「はっ…!///」

30: (たまごやき) 2021/08/11(水) 23:09:30.28 ID:Ltksw5qQ
璃奈「…」スタスタ

浅希・色葉・今日子「ん?」

璃奈「もし、良かったら…もし、良かったら…!」


天王寺さん…?

もしかして私達に何か伝えたいことが…?


浅希「…///」ドキドキ

璃奈「………っ!!」

色葉「…天王寺さん?」

璃奈「…何でもない」スタスタ

今日子「?」


え…?


せつ菜「璃奈さんっ!」

璃奈「…今日は…帰るね…」


天王寺さん…?

一体どうしたんだろう…?

31: (たまごやき) 2021/08/11(水) 23:13:04.50 ID:Ltksw5qQ
>>30
すみません1レス飛ばしていました。

色葉「浅希、ライブ楽しみだね~!」ニマニマ

浅希「もうっ、なんで私だけに言うの?///」

今日子「あ、あれ天王寺さん達じゃない!?」ダッ

浅希「ええっ///」

今日子「天王寺さーん!!」


ああっ!もう今日子ったらまた!///

とりあえず、手でも振っておこう…///


色葉「練習頑張ってるねー!」

浅希「ライブ、今週だよね?」ドキドキ

今日子「新しい動画見たよ~!」

色葉「そうそう、可愛かった~」

ガヤガヤ

32: (たまごやき) 2021/08/11(水) 23:13:51.82 ID:Ltksw5qQ
璃奈「…」スタスタ

浅希・色葉・今日子「ん?」

璃奈「もし、良かったら…もし、良かったら…!」


天王寺さん…?

もしかして私達に何か伝えたいことが…?


浅希「…///」ドキドキ

璃奈「………っ!!」

色葉「…天王寺さん?」

璃奈「…何でもない」スタスタ

今日子「?」


え…?


せつ菜「璃奈さんっ!」

璃奈「…今日は…帰るね…」


天王寺さん…?

一体どうしたんだろう…?

33: (たまごやき) 2021/08/12(木) 00:08:31.64 ID:zl9ZuG9Y
次の日

天王寺さんは、学校を休んでいる…

明日のライブ、大丈夫なんだろうか…

心配だ…お見舞いに行きたい…

でも、そんなに話したことのない私が行っても、きっと迷惑だよね…


浅希「はぁ…」トボトボ

ボフッ

愛「あいたっ!」


俯きながら歩いていたせいで誰かとぶつかってしまった…!


浅希「ご、ごめんなさい!」

愛「ううん、アタシこそ…あれ?君は…」

浅希「あ、愛先輩!?」

愛「りなりーのクラスメイトの!!」

34: (たまごやき) 2021/08/12(木) 00:09:18.48 ID:zl9ZuG9Y
愛「そっか、りなりーが昨日…」

浅希「はい、少し様子がおかしくて…」

愛「…安心して、アタシが絶対なんとかするから」

浅希「え?」

愛「ライブは絶対中止になんてさせないから、安心して見に来てよ!」ニカッ

浅希「は、はい…」


やっぱりこの人は…天王寺さんと近い存在なんだな…

35: (たまごやき) 2021/08/12(木) 00:10:47.44 ID:zl9ZuG9Y
【次の日/ライブ】

色葉・今日子「わぁ~!」

色葉「けっこう集まってるね!」

浅希「…」


ついにライブの日がやってきた…

天王寺さんのことが心配で心配で、昨日もほとんど眠れなかったけど…


浅希「天王寺さん、昨日休んでたけど、大丈夫かな…?」

色葉「大丈夫だって!」

今日子「心配なのはわかるけど、今日は全力で楽しもうよ!」

浅希「…そうだね♪」


そうだ、愛先輩も安心して見に来てって言ったんだ…

きっと、大丈夫…

36: (たまごやき) 2021/08/12(木) 00:20:06.37 ID:zl9ZuG9Y
デデン

璃奈『にゃにゃーん』


今日子「あ、あれって!」


璃奈『初めまして!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の天王寺璃奈です!』

璃奈『今日は、今の私にできる精一杯のライブを見てもらいたいです!』

璃奈『楽しんでくれると、嬉しいな!』

ワァァァァァア

・・・

天王寺さんのライブ…凄かった

天王寺さんが今まで、何に悩んでいたのか

天王寺さんがどういう気持ちでパフォーマンスをしているのか

ライブを通して、天王寺さんと繋がっていく…そんな感覚だった


璃奈「璃奈ちゃんボード、『にっこりん』♪」

37: (たまごやき) 2021/08/12(木) 00:35:00.36 ID:zl9ZuG9Y
色葉「天王寺さんのライブ、最高だった!」

今日子「うん!明日、天王寺さんに感想伝えたいね!」

色葉「お昼とか誘ってみようよ!」

今日子「うんうん!」

色葉「浅希も同じでしょ?…浅希?」

浅希「…私ね、ただ天王寺さんを応援してるだけで良いと思ってたけど…
   天王寺さんのこと、もっと知れたらなって思っちゃって、その…」

色葉・今日子「へぇ~」ニヤニヤ

浅希「な、何よ…///クラスメイトのこと、少しは知りたいって思ってもいいでしょ?」

色葉「全く、素直じゃないなぁ浅希は」

今日子「ずっと友達になりたかったんでしょ?」

浅希「えっ…!?///いや、そんなこと…///」

色葉「バレバレなんだって…天王寺さんと話すときいっつも緊張してるんだからさ」

浅希「えっ…ええっ!?///」

今日子「浅希ちゃん、緊張すると胸元で手を組む癖があるから分かりやすいよね!」

浅希「あ、えっと、その…///」

今日子「まぁまぁ、私たちも協力するからさ!」

色葉「頑張ってね、浅希!」

浅希「あ、あう…///」


全く、二人には敵わないな…

38: (たまごやき) 2021/08/12(木) 00:46:21.72 ID:zl9ZuG9Y
【次の日】

今日子「ほら、天王寺さん来たよ!話しかけないと…」

浅希「ま、待って…まだ早いんじゃ…」

色葉「大丈夫だって!私たちも一緒に行くからさ!」

浅希「うう…///」

色葉「ほら、行くよ」ダッ

今日子「行こ、浅希ちゃん!」ダッ

浅希「ま、待って…///」


天王寺さんに話しかけるんだ…

お…お…お…


浅希「おはよう、天王寺さん///」ニコッ

今日子「ライブ最っ高だった!」

璃奈「…!」

色葉「いっぱい感想言いたいんだけど、お昼とか一緒にどうかな?」

璃奈「…!」


天王寺さんがカバンからスケッチブックを取り出して、似顔絵を描き始めた

そして、自分の顔の前に掲げてこう言った

璃奈「うん、一緒に食べたい!」

浅希「…!!///」キュン


そっか…これが天王寺さんの、感情表現なんだ…

これから天王寺さんのこと、もっと知れたらいいな♪

44: (たまごやき) 2021/08/12(木) 14:09:21.49 ID:zl9ZuG9Y
浅希「天王寺さん♪」

色葉「お昼一緒にいこう?」

璃奈「うん!一緒に食べたい!」ニッコリン


あれから天王寺さんとは毎日一緒にお昼を食べている

天王寺さんのこと、スクールアイドル活動のこと、私達、焼き菓子同好会のこと

たくさん話すことができた

私たち、自然に友達になれたみたい…♪嬉しい…♪

これも、色葉と今日子のおかげだね♪

まぁ、二人はいっつも愛先輩と歩夢先輩のこと聞いてるけどね…


色葉「あ、そーそー」

浅希「ん?」

色葉「天王寺さんのこと、そろそろ名前で呼んでもいい?」


えっ…?名前で…?

45: (たまごやき) 2021/08/12(木) 14:11:26.05 ID:zl9ZuG9Y
今日子「そうだね!私達、もうこんなに仲良しなのに!」

璃奈「もちろん!そう言ってもらえて、嬉しい」ニッコリン

色葉「ふふっ、じゃあこれからは璃奈ちゃんって呼ぶね!」

今日子「私たちのことも、名前で呼んで、璃奈ちゃん!」

璃奈「うん!色葉ちゃん、今日子ちゃん!」

浅希「」カチコチ

璃奈「浅希ちゃん!」

浅希「っ!!///」ドキッ


て、天王寺さんから名前で…///

し、幸せ…///


色葉「ほら、浅希も呼びなよ!」ニヤニヤ

今日子「ほらほら」ニヤニヤ

浅希「え、えっと…///」ドキドキ

ギュッ

浅希「り…璃奈ちゃん♪」

璃奈「ありがとう、浅希ちゃん」ニッコリン

浅希「///」


はぅううう~

ついに、名前で呼び合う仲まで、進展しちゃった♪

46: (たまごやき) 2021/08/12(木) 15:13:07.88 ID:zl9ZuG9Y
浅希「~♪」

色葉「名前で呼べるようになって良かったね、浅希!」ニヤニヤ

浅希「うんっ!いろいろとありがとね、色葉、今日子」

今日子「どういたしまして~」ニヤニヤ


私にも応援したい人ができて

ずっと仲良くなりたかった人とも友達になれて

最近の学生生活、とっても充実してる気がする♪


演劇部A「あ、浅希~色葉~今日子~!」

浅希「どうしたの?」

演劇部A「聞いてよ~!今度、藤黄学園との合同演劇祭あるでしょ?」

色葉「うん!私たちも見に行くよ!」

今日子「確か虹ヶ咲はスクールアイドルの桜坂さんが主役なんだよね?」

演劇部A「それが…桜坂さんが主役降ろされちゃったんだよ~!」ウルウル

今日子「えっ?桜坂さんが?」

演劇部A「再オーディションするって部長が~!うえ~ん!」

浅希「そうなんだ…」

47: (たまごやき) 2021/08/12(木) 15:14:36.71 ID:zl9ZuG9Y
璃奈「しずくちゃんの様子がおかしい?」

かすみ「うん…なんかね、いつものしず子よりもしゅーんって感じで」

璃奈「うーん、そうだったような、そうじゃなかったような…」

色葉「そういえば、主役降ろされちゃったって聞いたけど…」

かすみ「ええっ!?何それ!?」

浅希「演劇部の子が言ってたの、それでもう一回オーディションがあるって…」

かすみ・璃奈「…」

璃奈「こういう時は気分転換が大事だと思う」

かすみ「…そうだね!今日は練習も休みだし、しず子誘ってパーっと遊びに行こうか!」

璃奈「うん!そうすればきっと、再オーディションもうまくいく」

48: (たまごやき) 2021/08/12(木) 15:15:07.13 ID:zl9ZuG9Y
なんだか大変そう…

私にも何か、できることはないかな…


浅希「り、璃奈ちゃん!」

璃奈「?」

浅希「私たちにできることがあったら、何でも言ってね!」

璃奈「!!…ありがとう…浅希ちゃん」

色葉「中須さんも、いつだって頼ってきてもいいからね!」

今日子「私たちはスクールアイドル同好会の味方だよ!」

かすみ「みんな、ありがとっ!」ニコッ

色葉・今日子「可愛い~!!」」

浅希「あはは…」

49: (たまごやき) 2021/08/12(木) 15:15:58.10 ID:zl9ZuG9Y
今日子「あれからどう?璃奈ちゃん?」

璃奈「うん…みんながお勧めしてくれた遊びスポットにいろいろ行ってきた!
   おかげで、しずくちゃん、少し元気になったと思うんだけど…」

色葉「やっぱりそんな簡単に元気にならないか…」

璃奈「しずくちゃん、ちょっと私と似てるところがあるんだ」

浅希「えっ…?」

璃奈「私の時のように、誰かが…引っ張ってあげないといけないと思う…!」


誰か…?


璃奈「ごめん、今日はお昼、かすみちゃんに誘われてるから…そこでしずくちゃんと話してみる!」

今日子「わかった!いってらっしゃい!」ニコッ

璃奈「うん!いってくる!」ダッ

浅希「…」

50: (たまごやき) 2021/08/12(木) 15:16:46.11 ID:zl9ZuG9Y
浅希「…」

色葉「浅希、璃奈ちゃんとお昼一緒になれなかったのは残念だけど、一日くらいそんな落ち込まなくても…」

浅希「いや、そういうわけじゃ…」

今日子「璃奈ちゃんが心配?」

浅希「っ…いや、ええっと…」

浅希「私、ちょっとお花を摘みにいってくるね…」スッ…

色葉「はいはい…」

今日子「行ってらっしゃい」ニコニコ

浅希「ごめんね」スッ


色葉「ほんっと、浅希って璃奈ちゃんのこと、好きすぎだよね~!」

今日子「なんだか、友達以上の感情があるみたい」

色葉「さすがにそれはないでしょ!」

今日子「ないか~」

51: (たまごやき) 2021/08/12(木) 15:18:34.67 ID:zl9ZuG9Y
ジャー

璃奈ちゃん…大丈夫かな?


(璃奈「私の時のように、誰かが…引っ張ってあげないといけないと思う…!」)


誰かっていうのは…やっぱり…

…あれ?あそこにいるのは…中須さんと、璃奈ちゃん?

何か深刻な話をしてる?

何を話してるんだろう?

…って!なんで私盗み聞きを!?

でも、何話してるかはすごい気になるし…ちょっとくらいは…

52: (たまごやき) 2021/08/12(木) 15:21:00.55 ID:zl9ZuG9Y
璃奈「きっと、今のしずくちゃんも、しずくちゃんだよ」

かすみ「え?」

璃奈「私も、ちょっと同じだったから、わかるんだ、自分のことが嫌な気持ち」

かすみ「…」

璃奈「私の時は…愛さんが、グイって、引っ張ってくれた」


…!!愛先輩が…


(愛「…安心して、アタシが絶対なんとかするから」)

(愛「ライブは絶対中止になんてさせないから、安心して見に来てよ!」ニカッ)


そうだよね…やっぱり璃奈ちゃんにとっての特別は…


璃奈「―が、励ましてくれた、だから、ライブができた!
   …私には、愛さんがいた!」

かすみ「…」

璃奈「しずくちゃんには…」

かすみ「!!…私、行ってくる!!」ダッ

璃奈「…ファイト!」ニッコリン


そっか…

わかってた…わかってたけど…

中須さんには桜坂さんが特別であるように…

やっぱり、璃奈ちゃんには、愛先輩が、特別なんだね…

58: (たまごやき) 2021/08/13(金) 13:58:11.18 ID:0wK1+gAs
あの後、桜坂さんは無事、合同演劇祭の主演になることができたそうだ

璃奈ちゃんと中須さん、頑張ってたもんね…良かった…

色葉、今日子と一緒に見に行ったけど、桜坂さんのステージは感動した

それに…


(黒しずく『やっぱり怖いんだ、本当の自分を見せることが』)

(白しずく『…だって!』)

(黒しずく『嫌われたくない…そうでしょう?』)

(白しずく『…!』)

(黒しずく『私、歌いたいの!みんなの心に届く歌を!そのためには、自分をさらけださなきゃ!…受け入れて』)


誰しも、嫌われたくないから隠している本心があるってことは、ものすごくわかる

私も璃奈ちゃんと友達になりたいと思いながらも、なかなか行動に移せなかったし…

今の私にも、そういう気持ちがあるんだろうか?

璃奈ちゃんにとって、愛先輩は特別な人だとしても、私は友達になれたから、とても幸せだと思ってたけど…

この、モヤモヤするような気持ちは…

私は、璃奈ちゃんに、まだ隠してる気持ちが、あるのだろうか…

59: (たまごやき) 2021/08/13(金) 13:59:17.22 ID:0wK1+gAs
しばらくして、虹ヶ咲学園も夏休みに入った

教室で璃奈ちゃんに会えないのは寂しいな…


浅希「はぁ…」

色葉「浅希、夏休み入ってから、元気ないじゃん」

浅希「え、そ、そんなことないよっ!」

今日子「…むむむ」

色葉「あれ?今日子、クッキー焼いたんだ」

今日子「うん、でもイマイチだなぁ」

浅希「あれ?そのクッキー」

今日子「そう!歩夢ちゃんのクッキー作ってみたんだ!」

色葉「へぇ~!いいじゃん!」

今日子「あ!そうだ!せっかくだし、3人でスクールアイドル同好会をイメージしたクッキーを作らない?」

浅希「!!」

色葉「それいい!私も協力するよ!」

浅希「もちろん!!私も作りたいな♪」

今日子「ありがとう!二人とも!」

60: (たまごやき) 2021/08/13(金) 14:02:22.89 ID:0wK1+gAs
・・・

色葉「できた~!」

今日子「璃奈ちゃんと愛先輩のクッキーもいい感じ!」

浅希「ふふっ、良かった♪」

浅希「うん、この調子で全員分完成させようね!」

色葉「ねぇねぇ、せっかくだし、この試作品を璃奈ちゃんのところに持って行かない?」

浅希「えっ///」

今日子「そうだね!璃奈ちゃんが今部室にいるか、確認してみるよ」ポチポチ

色葉「浅希、しばらく璃奈ちゃんに会えなくて寂しそうだったしね」ニコッ

浅希「っ!!///」

今日子「こうやってお菓子を持って行けば、夏休み中も璃奈ちゃんに会うきっかけができるね、浅希ちゃん!」ニコッ

浅希「もうっ!///二人だって璃奈ちゃんに会いたいんでしょ!」プンプン

色葉・今日子「ふふっ」


でも、おかげで璃奈ちゃんに会える…

ありがとう、色葉、今日子♪

61: (たまごやき) 2021/08/13(金) 14:03:26.49 ID:0wK1+gAs
コンコン

ガチャ

色葉「やっほー!」

浅希「焼き菓子同好会で、クッキー焼いたんだ♪」

今日子「スクールアイドル同好会をイメージしたの!一緒に食べよ!」

浅希「♪」

璃奈「みんな…」


璃奈ちゃん、可愛いなぁ///

しばらく会えてなかったから、すごく嬉しい♪

62: (たまごやき) 2021/08/13(金) 14:05:04.61 ID:0wK1+gAs
浅希「フェスするんだねっ!知らなかったっ!」ワクワク

璃奈「できるだけ多くの人に知ってもらいたくて、サイト作ってるの…はむっ」

璃奈「美味しい…」

色葉「良かった~!」

今日子「ねぇねぇ!フェスのこと、友達に話していい?きっと喜ぶと思うんだよね!」

璃奈「あっ…」

今日子「どうしたの?」

璃奈「まだ、生徒会の許可が降りてないから…」

今日子「あ…そうだよね…ごめん…つい、嬉しくて!えへへっ!」ニコッ

璃奈「…」

璃奈「大丈夫、やっぱり伝えて」

今日子「えっ!?」

色葉「いいの?璃奈ちゃん!」

璃奈「うん、絶対開催できるように頑張るから、楽しみに、してて」

今日子「ありがとうっ!」

浅希「頑張ってね、璃奈ちゃん♪」

璃奈「璃奈ちゃんボード『キリリ』」

璃奈「…///」

3人「ふふふっ」

63: (たまごやき) 2021/08/13(金) 14:07:46.45 ID:0wK1+gAs
色葉「ところで、愛先輩はっ!?」キョロキョロ


…愛先輩?

…って色葉、今日は璃奈ちゃんにクッキーを持ってきたはずじゃ…


浅希「…あ~、試作品持って行こうって言いだしたのはそういう…」

色葉「だって~」テヘヘ


ふふっ♪色葉もちゃっかりしてるんだから♪

…色葉は、愛先輩のことが、本当に大好きなんだなぁ


璃奈「愛先輩たちならフェスに向けて、体力作りしてるよ」

色葉「そっかぁ…」シュン

璃奈「大丈夫、このクッキーは私から愛先輩に渡しておく!色葉ちゃんの心のこもったクッキーだって」

色葉「本当っ!?ありがとう!璃奈ちゃん!」


…愛先輩と璃奈ちゃんのことが気にならないっていったら嘘になるけど

今は、こんな風に璃奈ちゃんと過ごせるだけで、私は幸せかな♪

それに、また璃奈ちゃんのライブが観られるなんて、嬉しい♪

この夏休み、モヤモヤしたまま過ごしちゃいそうだったけど…

素敵な夏休みになりそうで、ワクワクしてきた♪

フェスの開催が待ち遠しいな♪

65: (たまごやき) 2021/08/14(土) 13:49:03.18 ID:NvkSwG9A
色葉「そろそろ完成だね!」

今日子「うん、良い感じ!これなら歩夢ちゃんも絶対喜んでくれるよ!」

浅希「みんなも手伝ってくれてありがとね♪」

焼き菓子同好会部員A「ううん、私も歩夢ちゃんのためだったら!」

焼き菓子同好会部員B「歩夢ちゃん喜んでくれるかなぁ~」ワクワク

浅希「…歩夢先輩、大人気だね」

今日子「私が猛プッシュしといたからね!」ドヤ

色葉「あはは…」

焼き菓子同好会部員A「お、焼けたね!」スッ

浅希「どれどれ…おおっ♪」

良い感じ♪これなら璃奈も喜んでくれるかな♪

66: (たまごやき) 2021/08/14(土) 13:53:04.80 ID:NvkSwG9A
>>65
深刻な誤りをしました。

【誤】これなら璃奈も喜んでくれるかな♪

【正】これなら璃奈ちゃんも喜んでくれるかな♪

67: (たまごやき) 2021/08/14(土) 13:55:38.81 ID:NvkSwG9A
ガラガラ

璃奈「失礼します、色葉ちゃん、来たよ、璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

浅希「璃奈ちゃん♪」

歩夢「し、失礼します」

今日子「あ、歩夢ちゃん!?どうしてここに!?///」

浅希「私が璃奈ちゃんに頼んだんだ、完成したらすぐ見せたくて♪」

今日子「もう、歩夢ちゃんが来るなら言ってよ~」コソコソ

浅希「えへへ」

色葉「来ていただいてありがとうございます、歩夢先輩!」

歩夢「ううん、みんなが私たちのクッキー焼いてくれたって聞いた時は、びっくりしたよ!ありがとう!」ニッコリ

今日子・部員AB「可愛い~!!」

色葉「璃奈ちゃんもありがとね!」

璃奈「ううん、こちらこそ」

色葉「ところで、愛先輩は…」

璃奈「ごめん、今日はバスケ部の方に顔出すから行けないって…」

色葉「そっかー…」ガックシ

璃奈「ごめん…」

浅希「…」


相変わらず、璃奈ちゃんは愛先輩のこと、だいたい知ってるんだな…

っていけないいけない、せっかく璃奈ちゃんが来てくれてるのに!

今は璃奈ちゃんとの時間を大切にしよう♪

68: (たまごやき) 2021/08/14(土) 13:56:58.75 ID:NvkSwG9A
今日子「じゃーん!これが虹ヶ咲スクールアイドル同好会クッキーです!」

歩夢「わぁ~!!」

璃奈「璃奈ちゃんボード『キラキラ』」

今日子「もしフェスが出来るようになったら、いろんな方に食べてもらえたらいいなって思ってるんです!」

歩夢「本当に!?ありがとう、今日子ちゃん!絶対フェス、開催するね!」ニコッ

今日子「は、はい…///」ウットリ

部員A「あー!ずるーい!」

部員B「今日子だけ名前で呼ばれて!」

今日子「でへへへ…」

69: (たまごやき) 2021/08/14(土) 13:57:56.93 ID:NvkSwG9A
浅希「紅茶淹れました」コトッ

歩夢・璃奈「ありがとう」

今日子「さ、クッキーをどうぞどうぞ!」

歩夢・璃奈「いただきます」モグッ

浅希「…どうかな?」

璃奈「おいしい」ピース

浅希「ふふっ、良かった♪」

歩夢「美味しい…!とっても美味しいよ!」モグモグ

色葉「良かったです!」

今日子「喜んでもらえて光栄ですぅ!」キュンキュン

歩夢「侑ちゃんがいたら『ときめいちゃう~』って言いそうかも」クスッ

璃奈「確かに言いそう」

今日子「侑さん?」

歩夢「うん、私の幼馴染で、スクールアイドル同好会に所属してて…えっと」

璃奈「侑さんは私たちのアイドル活動を応援してくれる、マネージャーのような存在」

色葉「あ~、こないだ話してくれたマネージャーの人ね!」

今日子「歩夢ちゃんの幼馴染なんですね!」

歩夢「うん、今度紹介するねっ!」

73: (たまごやき) 2021/08/14(土) 22:38:12.30 ID:NvkSwG9A
・・・

色葉「それじゃあスクールアイドルフェスティバル、開催できるようになったんだ!」

璃奈「うん、さっきかすみちゃんからメッセージがきた!」

歩夢「やったね、璃奈ちゃん!」

璃奈「うん、みんなのおかげ、ありがとう!」

浅希「ううん、私たちも開催できることになって、すごく嬉しいよ♪」

今日子「歩夢ちゃん、璃奈ちゃん、その、クッキー以外に、私たちもフェスに何か協力したいんだけど…」

色葉「いい…かな?」

歩夢「もちろん、大歓迎だよ!」ニコッ

璃奈「本当にありがとう、璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

浅希「ありがとう、璃奈ちゃん♪」

今日子「フェス、楽しみだね!」

色葉「みんなで盛り上げていきましょう!」

みんな「おーっ!」

74: (たまごやき) 2021/08/14(土) 22:40:33.62 ID:NvkSwG9A
【下校時間】

璃奈ちゃん、同好会に寄ってから帰るって言ってたし、そろそろ来るかな…

フェスのこと、もっと相談したいし、一緒に帰りたいな…///

えへへ…///

ガラガラ

璃奈「あ、浅希ちゃん、待っててくれたの?」

浅希「うん、良かったら一緒に帰らない?///」モジモジ

璃奈「うん、愛さん、いい?」

愛「もちろん!りなりーの友達だよね?」ニカッ

浅希「っ…!」

浅希「…はい」

璃奈「ごめん、浅希ちゃん、愛さん、帰る前に少しトイレ行く」

愛「うん、いってらー」

璃奈「すぐ戻る」ダッ

浅希「…」

75: (たまごやき) 2021/08/14(土) 22:44:45.49 ID:NvkSwG9A
愛「浅希ちゃん?」

浅希「あ、はい…」

愛「りなりーから聞いたよ!焼き菓子同好会のみんながフェスに協力してくれるって知って、愛さんとっても嬉しいよ」ニカッ

浅希「いえ…」

愛「ん?どっか調子悪いの?」

浅希「いえいえ!そんなことは!」


ダメよ浅希!先輩なんだから失礼のないようにしないと…

…でも、愛先輩といると、つい、いろいろ考えちゃう…

どうして、璃奈ちゃんと愛先輩はそんなに仲がいいの?

愛先輩にとって璃奈ちゃんはどういう存在なの?

少しくらいなら…聞いてもいいよね…?


浅希「…あの、璃奈ちゃんと愛先輩は、学年が違うのに、仲が良いですよね」

愛「んー、そだね、愛さんとりなりーは、ずっ友だよ!」ニカッ

浅希「…他の同好会の方たちよりも、特別、仲が良いような…そんな気がしまして…」

愛「…」


って、何聞いてるの私!?

さすがに失礼だったかな…?


浅希「…」チラッ

愛「…そうだね」ニコッ

浅希「…!!」ズキッ


やっぱり、そうなんだ

76: (たまごやき) 2021/08/14(土) 22:55:23.03 ID:NvkSwG9A
愛「んー、周りには、やっぱ、けっこう特別に見えるかぁ~!
  友達には平等に接してるつもりだったんだけどなぁ~!
  なんか照れるね」クスッ

浅希「…何か、きっかけ…とか、あるん…ですか…?」

愛「きっかけかぁ…」

愛「りなりーと会ったのは、春に一人で元気なさそうだったところを偶然見かけてさ、
  どうしたのかな~って思って、めっちゃ気になったんだよね!
  んで、元気出して欲しいな~って思って、アタシから声かけたんだ」

浅希「…!」


…私は、璃奈ちゃんが一人でいたところに、声をかけることすら、しなかった


愛「そんでさ、りなりーがジョイポリの割引券をアタシに渡してきて、『お友達と行ってください』なんて言うもんだからさ、
  だったらアタシと一緒に行こ?ってりなりーをジョイポリに誘って、そこで一緒に遊んでから、そっからよく遊ぶようになったんだよ!
  それで自然と一緒にいることが多くなって、友達になったって感じかな?」

浅希「…」


(璃奈「私の時は…愛さんが、グイって、引っ張ってくれた」)

(璃奈「…私には、愛さんがいた!」)


浅希「…璃奈ちゃん、とっても嬉しかったんだと、思いますよ」

愛「ふふっ、だったら嬉しいなぁ!」エヘヘ

77: (たまごやき) 2021/08/14(土) 22:59:52.14 ID:NvkSwG9A
愛「その後ね、少しづつだけど、りなりーの抱えてる悩みとかも、知ることができてさ…
  その悩みをアタシ、誰よりもほっとけなくてさ、アタシもりなりーの悩みを一緒に解決したい!って思うようになって…
  だから、友達の中でも、りなりーは特別に感じてるんだと思う」

浅希「っ…それって…」

愛「ん?」


それって、璃奈ちゃんのことが、好きってことですか?


…!!

私ったら何を考えて…




浅希「そうなんですか♪」ニコッ

浅希「話していただき、ありがとうございます♪」

愛「ううん、どういたしまして!
  浅希ちゃん達も、りなりーにとってはもう、特別な友達だと思うよ」

浅希「…」

浅希「ふふっ、ありがとうございます♪」

愛「?」

璃奈「ごめん、お待たせ」ダッ

愛「あ、りなりー!」

璃奈「何話してたの?」

愛「ふふっ、りなりーの話を少しね!」ニカッ

璃奈「ええっ!?…二人とも、恥ずかしいよ…『照れ照れ』」

愛「あははっ…」

浅希「…」

79: (たまごやき) 2021/08/14(土) 23:15:55.07 ID:NvkSwG9A
・・・

浅希「じゃあ、私はここで」

愛「アタシの話、聞いてくれてありがとね、浅希ちゃん」

浅希「いえ、私の方こそ、話していただき、ありがとうございました♪」

璃奈「私も!今日はクッキーとか、フェスのこととか、いろいろとありがとう、浅希ちゃん」

浅希「ううん♪また、フェスの出し物を思いついたら、すぐに相談に行くね♪」

璃奈「うん、いつでも来てね、待ってる」

浅希「…『璃奈』、また明日ね♪」

璃奈「…!うん!また明日!」



やっぱり私は、色葉と今日子とは、同じ想いじゃなかったんだ

私は璃奈ちゃんの…『璃奈』の特別になりたかったんだ

愛先輩のような、ううん、愛先輩よりも、特別な存在になりたい

今までの私は臆病で、本当の自分を隠していたけれど、もう、隠さない…

本当の自分をさらけ出して、フェスだって、璃奈のために、璃奈のためだけに、頑張る、最高のフェスに、して見せる

私は、璃奈の特別に、なりたい

84: (たまごやき) 2021/08/16(月) 01:57:30.19 ID:IgshBuWg
【翌日】

ガラガラ

浅希「おはよ」

色葉「あ、おはよう浅希」

今日子「今日からフェスの準備だね!」

浅希「うん!私ね、昨日、家でいろいろ考えてきたから、後で璃奈のところへ相談に行くよ」ガサゴソ

色葉「…ええっ!?もう!?昨日の今日なのに…早いね…」

今日子「実は私も、歩夢ちゃんとやりたいことをまとめてきたんだ!」ガサゴソ

色葉「おお…二人ともすごいな…なんか出遅れた感…」

今日子「あ、でも…璃奈ちゃんの方も手伝わないと…」

色葉「そうだよ!今日子ってば歩夢先輩のステージのことばっかり!」

今日子「えへへ…つい…」

浅希「それなんだけど…今日子は歩夢先輩、色葉は愛先輩のステージへ手伝いに行くべきだと思うの」

色葉・今日子「えっ?」

85: (たまごやき) 2021/08/16(月) 01:58:12.73 ID:IgshBuWg
今日子「…いいの?浅希ちゃん?」

色葉「私達だって璃奈ちゃんのことも応援したいし…」

浅希「二人が璃奈の手伝いをしたいって気持ちがあるのは、わかるよ?」

浅希「でも、せっかくのお祭りなんだし、各々が一番行きたいステージを優先すべきじゃない?」ニコッ

色葉・今日子「…」

色葉「…それもそうだね!璃奈ちゃんのことは浅希に任せるよ!」

今日子「ありがとう、浅希ちゃん!」

浅希「ううん、気にしないで」


そう、二人は璃奈の友達だけど、特別じゃない

二人の特別は、歩夢先輩と愛先輩なんだから

だから、璃奈のもとへは、私だけが行くべきだよね♪

86: (たまごやき) 2021/08/16(月) 02:01:35.63 ID:IgshBuWg
ブーブー

浅希「あ、連絡きたから、私、そろそろ行くね」

色葉「え?誰から?」

浅希「情報処理学科の友達の中で、璃奈のステージを手伝ってくれる人と一緒に出し物を考える約束してたんだ♪」

色葉「え?昨日の今日でそこまで?」

今日子「す、すごい行動力だね…」

浅希「じゃ、それぞれステージは別だけど、頑張ろうね!」スッ

ガラガラ


色葉「なんというか…浅希、変わったね…」

今日子「うん…昨日までは、璃奈ちゃんに対して、もっと遠慮がちだったのに…」

色葉「フェスが決まって、浅希も本気になってるんだ…!…私たちも負けてられないね!」

今日子「うん!私も同好会の同志で集まるよ!」ポチポチ

色葉「じゃあ…私は…バスケ部かな」ポチポチ

88: (たまごやき) 2021/08/16(月) 18:36:38.01 ID:IgshBuWg
情報処理学科A「なるほど、ファンのみんなとゲームで交流するかぁ…斬新なアイデアだね!」

情報処理学科B「これなら天王寺さんも、ファンのみんなも楽しめるね!」

情報処理学科C「さすが浅希ちゃん!」

浅希「ふふっ♪でも、璃奈の意見も聞いておかないとね♪」

情報処理学科A「じゃ、じゃあ天王寺さんを呼びに行かないと…」

情報処理学科B「でもそれって直接、天王寺さんと会話するってことだよね…」

情報処理学科C「いざ呼びに行くとなると緊張するね~」

浅希「それなら、私が同好会に璃奈を呼びに行ってくるよ♪」スッ

情報処理学科A「お願い!私達じゃ緊張しちゃうから…」

情報処理学科B「こういう時、浅希ちゃんがいると心強いよ」

情報処理学科C「浅希ちゃんは、天王寺さんと『特別』仲がいいもんね!」

浅希「…ふふっ♪」

89: (たまごやき) 2021/08/16(月) 18:37:11.68 ID:IgshBuWg
3人から見たら、私は璃奈の特別になれてるのかな♪

嬉しいな♪

90: (たまごやき) 2021/08/16(月) 18:42:50.65 ID:IgshBuWg
【スクールアイドル同好会部室前】

服飾同好会A「じゃ、じゃあ、同好会にエマ先輩と果林先輩を呼びに入ろうか…」ガタガタ

|c||^ -^||「そ、そうですわね…先輩、お願いします!」

服飾同好会A「ええっ!?そこは|c||^ -^||が行ってきてよ!ほら!」グイッ

|c||^ -^||「で、ですが私、緊張してしまいまして…ここは先輩が…」

浅希「…あの~、すみません」

服飾同好会A・|c||^ -^||「あ、はい」

浅希「私、部室に用があるんですが、入ってもよろしいでしょうか?」

|c||^ -^||「!!…ご、ごめんなさい」スッ

服飾同好会A「ど、どうぞ」スッ

浅希「ありがとうございます」スタスタ

ガラガラ

浅希「璃奈いる?」

服飾同好会A・|c||^ -^||「!?」

璃奈「あ、浅希ちゃん」

浅希「ちょっと時間あるかな?出し物を考えてみたんだけど、璃奈の意見が聞きたくって♪」

璃奈「うん!…行ってもいい?」

かすみ「もちろん!」グッ

91: (たまごやき) 2021/08/16(月) 18:44:57.89 ID:IgshBuWg
璃奈「来てくれてありがとう、浅希ちゃん」

浅希「じゃあ、いこっか?」ギュッ

璃奈「!…う、うん…」

服飾同好会A・|c||^ -^||(自然と腕を組んだ!?)

璃奈「じゃ、じゃあみんな、行ってきます」フリフリ

エマ「行ってらっしゃ~い」フリフリ

服飾同好会A・|c||^ -^||「…」(よし、この流れで私達も行こう…!)

服飾同好会A「エマ先輩!果林先輩!」

エマ・果林「?」

|c||^ -^||「…よろしいですか?」

92: (たまごやき) 2021/08/16(月) 18:46:24.72 ID:IgshBuWg
璃奈「えっと…浅希ちゃん?」

浅希「ん?どうしたの?」ギュッ

璃奈「その…さすがに腕を組んで歩くのは…」

浅希「…嫌だった?」

璃奈「嫌じゃないけど…人に見られるから、ちょっと恥ずかしいというか…『照れ照れ』」

浅希「ふふっ♪照れてる璃奈も可愛いね♪」

璃奈「あう…」


こうやって璃奈と触れ合ってると安心する

私が璃奈の特別なんだって、そう、実感できるから

だから、離れたくなんて、ない

99: (たまごやき) 2021/08/18(水) 02:27:47.37 ID:lPsW5AHg
それからフェス開催の日まで、毎日、璃奈と会って、フェスの出し物の準備して…

帰りは璃奈と寄り道して、璃奈と過ごす時間が、以前より増している

私ってば、いつも璃奈と一緒だね♪

やっぱり、私が璃奈の特別だからかな?

ふふっ♪


璃奈「浅希ちゃん、毎日出し物の準備を手伝ってくれてありがとう、『にっこりん』」

浅希「ううん、私がやりたくてやってることだから♪」

璃奈「…楽しいフェスにするため、私、もっと頑張らなきゃ」」

浅希「璃奈、私も協力するよ♪一緒にがんばろ♪」ギュッ

璃奈「う、うん…」

100: (たまごやき) 2021/08/18(水) 02:29:09.40 ID:lPsW5AHg
璃奈「じゃあ、私はここで…」

浅希「うん、また明日♪」

璃奈「ばいばい」スッ


璃奈と別れるときは、いつだって寂しいなぁ

でも、また明日も璃奈と過ごせる♪

私ってば毎日充実してるなぁ♪

…って、いけない、璃奈に今日決まった出し物の資料を渡しそびれてた!

引き返さないと…


浅希「あ、いたいた、りな…」


璃奈「愛さん、お待たせ」

愛「おーっす!りなりー!」


浅希「…え?」

101: (たまごやき) 2021/08/18(水) 18:32:49.34 ID:lPsW5AHg
どうして、ここに愛先輩が…!?

浅希「…!!」ササッ

あ、つい隠れちゃった…
璃奈「愛さん、こんな時間に呼び出して、ごめんね…
   久しぶりに、愛さんとゆっくり話したくって」

愛「いーよ!りなりーのためなら、愛さんいつだって飛んでくるから!」ニカッ

璃奈「ありがとう…」
わ、私だって、璃奈のためなら、飛んでいくのに…!

どうして愛先輩に!?…相談なら私にしてくれたらいいのに…!?
愛「で、どーしたの?」

璃奈「フェスに向けて、同好会のみんなは頑張ってる…ファンの人たちも、私を応援してくれて、とっても嬉しい」

愛「うん!りなりー頑張ってるもんね!」

璃奈「…でもね、ファンの期待に答えなきゃって気になると、
   自分が本番で、うまくパフォーマンスできるのかな、とか
   ファンは、これで喜んでくれるのかな、とか
   そういう後ろ向きな気持ちになってきちゃって…」

愛「うん」

璃奈「『友達の一人』の浅希ちゃんも、応援してくれるけど、
   他に応援したい人がいるのに、私に気を遣ってくれてるんじゃないか、なんて思っちゃって…」

愛「…そっか」
え…

私は気なんて遣ってないよ…?

私は璃奈のことが大好きで大好きで、特別なんだよ…?

102: (たまごやき) 2021/08/18(水) 18:37:43.84 ID:lPsW5AHg
璃奈「…なんて、こんなんじゃ、ダメだよね…せっかく前向きになれてたはずなのにね…
   愛さん、ごめんね、こんな話をして…
   でも、私、不安で、どうしても愛さんに聞いてもらいたくって」

愛「りなりー…」ギュッ

璃奈「あっ…!」


浅希「…!」ズキッ

え…?

璃奈…?


愛「よしよし」ナデナデ

璃奈「愛さん…」ギュッ

愛「誰だって不安に感じることはあるよ、愛さんだってそう
  アタシもうまくいかないなーとか、失敗したな―って落ち込んでた時には、
  近所のおねーちゃんによく話聞いてもらってた」

璃奈「そうなんだ…愛さんも…」

愛「大丈夫だよ、りなりーが辛いときは、愛さんいつだって話聞くから…
  それに、りなりーがアタシを頼ってきてくれて、嬉しかったんだ!」

璃奈「…!」

103: (たまごやき) 2021/08/18(水) 18:43:53.84 ID:lPsW5AHg
愛「前までのりなりーは、アタシを頼らず、抱え込んじゃっててさ、
  なんで話してくれないのー!なんて思うことあったんだよね」

璃奈「う…!そうだったんだ、ごめんなさい」

愛「でも、今のりなりーは、頼ってくれてる!愛さん、それが嬉しいんだ!」

璃奈「愛…さん…
   ありがとう…!」

愛「ん…」

璃奈「もう少し、こうしてていい…?」ギュッ

愛「いーよ、りなりーは甘えん坊だなぁ」ギュッ

璃奈「えへへ」


浅希「…」ズキッ

…やっぱり、二人は特別なんだ

実際の二人を目の当たりにしたら、改めて実感した


それで、私は璃奈の悩みにも気付けないどころか、璃奈の悩みの種になっていたんだ…

私の大好きが…璃奈を苦しめていたんだ…


浅希「…う…」ポロポロ

私じゃ、二人の仲には、敵わないのかな…?

私じゃ、璃奈の特別に、なれないのかな…?

109: (たまごやき) 2021/08/20(金) 19:03:08.96 ID:/YWYwOVb
【翌日】

色葉「二人とも、出し物の準備は順調?」

浅希「…」ズーン

今日子「…」ズーン

色葉「って、どうしたのさ二人とも!こないだまでのやる気は!?」

浅希「えっ…ああ…ご、ごめんごめん…
   出し物の方は順調だよ…」

色葉「そう…体調悪いなら、休んだ方がいいよ…頑張りすぎなんじゃない?」

浅希「う、うん…そうしようかな…」

色葉「今日子も?」

今日子「私は元気だよ?けど、出し物の方がまだ、決まってなくって…えへへ…」

110: (たまごやき) 2021/08/20(金) 19:04:30.24 ID:/YWYwOVb
色葉「そう…今日子も、根詰めすぎは良くないよ?」

今日子「ありがとう!
    それと、歩夢ちゃんが最近、元気ないんだ」

色葉「歩夢先輩が?」

今日子「何か悩みごとがあるみたいだけど、私じゃ聞き辛くって…」

色葉「そうか…歩夢先輩かぁ…
   そうだ!マネージャーさんは!?」

今日子「マネージャーって、侑先輩?」

色葉「うん、歩夢先輩の幼馴染だし、協力してもらえないかな?」

今日子「それだ!ありがとう色葉ちゃん!私、行ってくる!」ダッ

色葉「おう、頑張れよ~」

111: (たまごやき) 2021/08/20(金) 19:05:02.15 ID:/YWYwOVb
色葉「じゃ、私も愛先輩の出し物の準備を手伝ってくるから…」

浅希「愛先輩の…」

色葉「浅希?」

浅希「ううん、なんでもないよ…あ、この資料、璃奈……ちゃんに渡しておいてくれる?」

色葉「え?…あ、うん…わかった…」

浅希「ありがとう、じゃあ私、帰るね…」スッ

色葉「うん、お大事に…」

ガラガラ

色葉「浅希も何か、悩みごとかな…?うーん…」

112: (たまごやき) 2021/08/21(土) 08:28:31.15 ID:lVlxnKAW
【浅希宅】

ボフッ

浅希「…」

何やってるんだろう私…

璃奈のために何でもやるつもりで、今まで頑張ってたのに…

フェスの準備をサボっちゃうなんて…

こんなんじゃ…璃奈の特別には…

いや、なんか、もういいや…

璃奈には、愛先輩がいるんだし…

璃奈の特別になれた気がして、浮かれて、調子に乗ってしまった…

私なんか、一緒にいても、きっと璃奈に迷惑だよ…

友達でいることも迷惑かな…はは…

これからは、璃奈のことは、こっそり見つめるだけの私に戻ろう…

その方が、璃奈のためだよね…

113: (たまごやき) 2021/08/21(土) 08:29:17.40 ID:lVlxnKAW
コンコン

浅希母「浅希ー!お友達来てるよー?」

浅希「友達…?」


今日子か色葉かな、あ、風邪か何かだと思ってお見舞いに来てくれたのかも…


浅希「今いくー」スタスタ


浅希「はーい」ガチャ

璃奈「あ、浅希ちゃん…」

浅希「え」

114: (たまごやき) 2021/08/21(土) 08:30:17.31 ID:lVlxnKAW
ん?なんで璃奈が家に…?

これは夢…?


璃奈「えっと…突然来ちゃってごめんね、その、
   色葉ちゃんから、今日は浅希ちゃん、気分が悪いから家にいるって聞いて、
   私、心配で…
   えっと、迷惑だったら、すぐ帰るから、その」アタフタ

浅希「…///」


璃奈が、私のことを心配して…///

ゆ、夢でも嬉しい…///


浅希「あ、ありがとう、璃奈……ちゃん///私は、もう平気」

璃奈「そう…良かった『にっこりん』」

浅希「あ、せ、せっかく来たんだから上がってよ///」

115: (たまごやき) 2021/08/21(土) 08:32:47.08 ID:lVlxnKAW
璃奈「おじゃまします…」ペコリ


り、璃奈が私の部屋に…///

本当にこれは現実なの…?

緊張で頭が破裂しそうだ…


璃奈「あ、フェスの資料、色葉ちゃんから受け取ったよ、ありがとう」

浅希「う、うん…今日は突然休んじゃって、ごめんね」

璃奈「そんな…そもそも浅希ちゃんは善意で私を手伝ってくれてるんだし、来ない日があっても全然大丈夫…」

浅希「…」

璃奈「あっ…!」


はは…そうだよね…

やっぱり私なんて、璃奈にとっては、いなくてもいい存在だよね…

今日もきっと、ただ、フェスの情報共有に来てくれただけなんだ…

って、いけないいけない、私ったらまたこんなこと考えて…


璃奈「ち、違う!私の本心は、そうじゃない!」

浅希「えっ?」

116: (たまごやき) 2021/08/21(土) 08:34:29.00 ID:lVlxnKAW
璃奈「本当は、今日、浅希ちゃんが来なくて、すごく、落ち込んだ…
   私、浅希ちゃんがいてくれた方が、楽しいし、嬉しい…
   だから、私、寂しくて、つい浅希ちゃんに会いに来ちゃったんだ…『照れ照れ』」

浅希「っ…///」ウルッ

璃奈「わ、わがまま言ってごめんなさい…
   いきなりこんなこと言われても、困っちゃうよね」

浅希「ううん…!違う!嬉しい、嬉しいの!」ウルウル

璃奈「…え?」

浅希「私も、私も璃奈と過ごせて、幸せだよ!
   私は善意で璃奈といるんじゃない、璃奈といたくて一緒にいるの!
   璃奈のことを応援したくて、応援してるの!」

璃奈「…!本当…?」

浅希「嘘でこんなこと言わないよ♪」ニコッ

璃奈「あ…浅希ちゃん…よ、良かった…」

浅希「璃奈…?」

117: (たまごやき) 2021/08/21(土) 08:37:46.67 ID:lVlxnKAW
璃奈「私、ずっと、不安で…浅希ちゃんが、どうして自分なんかのためにこんなに良くしてくれるんだろうって…
   それで、本当は迷惑に思ってるのかなって、悪い方にばかり考えちゃった…
   ごめんなさい…」

浅希「そんな…私の方こそ…璃奈は私がいると迷惑じゃないかと思って、それで今日休んじゃったし…」

璃奈「え!?そんな!?私は、迷惑なんて、全然思ってなかったよ!」

浅希「…」

璃奈「…」

浅希「…ふふっ♪」

璃奈「…なんか、私達、似てるかも…」

浅希「そうだね、あははっ!」

118: (たまごやき) 2021/08/21(土) 08:38:55.31 ID:lVlxnKAW
再び、璃奈と心が通じ合えた気がした

昨日まで悩んでいた自分が馬鹿馬鹿しい

愛先輩との話を盗み聞きするんじゃなく、璃奈から直接言葉を貰ったら、安心した

あの時も、私のことが迷惑に思ってたのじゃなく、璃奈は、私のためを思ってくれていたんだろうな

それなのに、璃奈からの直接言葉を貰わずに、勝手に悩んで、勝手に遠ざかろうとして

私ったら、なんて馬鹿なのだろう


浅希「ありがとう、璃奈♪おかげで元気出たよ♪」

璃奈「良かった…」

浅希「璃奈、私ね、愛先輩には負けないよ?」

璃奈「愛さん…?あ、同好会のみんなに負けないよう、ステージ頑張ろうね!璃奈ちゃんボード『キリリ』」

浅希「ふふっ♪そうだね」

128: (たまごやき) 2021/08/24(火) 21:54:28.07 ID:kEccuv7u
【スクールアイドルフェスティバル当日】


ザワザワ

侑「みんなー!」

今日子「あっ!侑先輩!」

色葉「こんにちは!」

浅希「いよいよですね!」

侑「うん!みんなのおかげだよ!」

今日子「いえいえ、そんな!」


フェスの準備をしていく中で、なんだかんだ、侑先輩とも仲良くなれた

歩夢先輩は、今日子と侑先輩の頑張りのおかげで元気になってくれて、ステージも間に合ったみたい

ただ、侑先輩があまりにも歩夢先輩と仲がいいから、たまに今日子が妬いちゃうけどね…

なんか今日子とは、私に通ずるものがあるかも…

各々、いろいろあったけど、こうして無事、フェスが開催出来て、良かった♪


侑「じゃあみんな、カウントダウン、いっくよー!」

みんな「おーーーーーーっ!!!」


\10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!/

\スクールアイドルフェスティバル!スタート!/

129: (たまごやき) 2021/08/24(火) 21:56:00.28 ID:kEccuv7u
【ジョイポリス 璃奈ステージ】


<< K.O. >>


浅希「瞬〇…」

璃奈「璃奈ちゃんボード『むんっ』」

ファンA「次、私!」

ファンB「私もやりたい!」

ファンC「私もー!」

璃奈「私も!みんなとやりたい!」ニッコリン


璃奈のステージは、ライブだけじゃなく、ファンと一緒にゲームで交流もできるイベントも行っている

私のアイデアが採用されちゃった♪ふふっ♪

練習で一回、スタッフの私が相手をしたけど、璃奈ったら手加減なしなんだから、もうっ…!


ファンA「璃奈ちゃん、対戦よろしくお願いします!」

璃奈「よろしくね!璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

ファンA「か、可愛い~///」

浅希「ふふっ♪」


ファンのみんな、とっても喜んでくれて、ステージは大成功となりました♪

130: (たまごやき) 2021/08/24(火) 22:05:54.22 ID:kEccuv7u
・・・

【休憩室】

璃奈「ふぅ…」

浅希「璃奈、お疲れ様♪はい、お水」スッ

璃奈「ありがとう、浅希ちゃんもお疲れ様」

浅希「ステージ、楽しかった?」

璃奈「うん、たくさんの人と繋がれて、嬉しい!璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

浅希「そっか♪」

璃奈「浅希ちゃんも、いっぱい協力してくれて、ありがとう!
   私、浅希ちゃんからしてもらったこと、少しずつ、恩返ししていきたい」

浅希「もう、だからそれはいいってば、私が璃奈のために好きでやってることなの!」ムスッ

璃奈「それでも、私も…浅希ちゃんのために、何かしたいから…」

浅希「っ…///」

璃奈「浅希ちゃんのこと、大切に思ってるから…」ジッ

浅希「璃奈…///」ドクン


友達からよく、文化祭のテンションで告白しちゃったとか、そういう話はよく聞くけど

今の私は、まさにそんな感じ…なのかな?

璃奈のステージを一緒にやり遂げた達成感と、目の前の璃奈が愛おしくてたまらなく思いが重なって、感情がとても高まっている

今なら、私が心の奥底にしまい込んでいた感情が飛び出していきそう

もう、我慢できない…///


浅希「璃奈、私ね…///」ドクン ドクン

璃奈「ん?」

浅希「私、璃奈のこと…///」

132: (たまごやき) 2021/08/24(火) 22:07:09.85 ID:kEccuv7u
ブー ブー ブー


璃奈「あ、ごめん」

浅希「っ…!!///あ…出ていいよ…」

璃奈「…うん」


璃奈のスマホのバイブ音が鳴り、私の高まった感情が抑え込まれ、私は正気に戻った


璃奈「…愛さん?」

浅希「…!」

璃奈「ごめん、私、行ってくる」ダッ

浅希「あ、璃奈!」バッ


その時、私の高まったはずの感情が徐々に低まっていくのを感じた

133: (たまごやき) 2021/08/24(火) 22:08:17.51 ID:kEccuv7u
・・・

璃奈のこと、つい追いかけて来ちゃった

璃奈、どこに行ったんだろう

ん?あれは…


侑「はっ…はっ…はっ…」ダッ


侑先輩が走って何処かに向かってる…

璃奈が愛先輩に呼ばれてたのと関係あるのかな…?

後をつけてみよう…

134: (たまごやき) 2021/08/24(火) 22:49:28.06 ID:kEccuv7u
・・・

侑先輩、このテントに入っていったな…

ちょっと覗いてみよう…


侑「どんな感じ!?」ダッ

愛「あ…今、りなりーが見てくれてる」

璃奈「…」カタカタカタカタカタ


浅希「…」

そっか、璃奈、愛先輩のステージで起こったトラブルの解決を手伝うためだったんだ…

ただ、それだけだ

そうに違いない

135: (たまごやき) 2021/08/24(火) 22:50:11.19 ID:kEccuv7u
愛「直るかな?」

璃奈「…」カタカタカタカタカタ

璃奈「…後は再起動すれば」カチッ

ピロリロリーン

璃奈「直った」

愛「~!!ありがと~!りなり~!!」ギュッ

璃奈「あっ…///」


浅希「…!」ズキッ

136: (たまごやき) 2021/08/24(火) 22:50:57.93 ID:kEccuv7u
璃奈「……もしかしたら」

愛「ん?」

璃奈「初めて愛さんの役に立てた?」

愛「…」フフッ

ポフン

愛「何言ってんの~!このこの~!」ナデナデ

璃奈「…うん///」テレテレ

愛「あっ!その顔、久々に見た~!」

璃奈「照れ照れ」


浅希「…」スッ

私は、その場から、逃げるように去ってしまった…

138: (たまごやき) 2021/08/24(火) 23:27:21.44 ID:kEccuv7u
やっぱり、愛先輩と璃奈は仲いいなぁ

私も負けないように、もっと頑張らないとなぁ

さて…そろそろ、私も次の作業に向かわないと


今日子「浅希ちゃーん!」

色葉「浅希ー!」

浅希「今日子、色葉」

今日子「歩夢ちゃんのステージ、大成功だったよー!」

色葉「愛先輩のステージも、ちょっとトラブルあったけど、璃奈ちゃんのおかげで…」

今日子「!!…浅希ちゃん!?」

色葉「浅希!?」

浅希「え…?どうしたの?何かあったの?」

今日子「な、何かあったのは、こっちの台詞だよ!!」

色葉「ど、どうしたんだよ!?」バッ

浅希「え?…どうしたって…?」

今日子「だって、泣いてるじゃない!」

浅希「え…」ポロポロポロ

139: (たまごやき) 2021/08/24(火) 23:29:14.16 ID:kEccuv7u
浅希「あ…あれ…私ったらまた泣いて」ポロポロポロ

浅希「な、何でだろう、あ!さっきの璃奈のステージに感動しただけだよ、あはは」ゴシゴシ

浅希「ごめんね二人とも、さ、次の合同ステージの手伝いに行こうよ」

今日子「そんなわけないでしょ!?」

浅希「っ!?」ビクッ

色葉「今日子…」

今日子「ご、ごめん…」

色葉「…とりあえず、落ち着ける所へ行こう?」

浅希「う、うん…」

140: (たまごやき) 2021/08/24(火) 23:36:14.94 ID:kEccuv7u
今日子「浅希ちゃん…何か辛いなら、力になるよ?」

色葉「なんでも話してよ、私ら友達でしょ?」

浅希「…璃奈と、愛先輩が、ずっと仲良しなのは、知ってる?」

色葉「……知ってる」

今日子「璃奈ちゃんと愛先輩が?」

色葉「愛先輩から、二人は、璃奈ちゃんが私たちと仲良くなる前からの、親友だって聞いた」

今日子「そうなんだ…」

浅希「…璃奈と愛先輩、二人の仲が羨ましくて、嫉妬して
   でも、璃奈と、もっと仲良くなりたいって、そう思って、頑張ってたんだ…
   二人の仲よりも、もっともっと!って…」ウルッ

色葉「…」

今日子「…わかるよ」

浅希「でも、二人の仲良さそうなところを見ると…
   私じゃ、踏み込めないような、二人だけの特別な空間のようなものを感じて…
   それでも、もっと頑張って…っ璃奈と仲良くなろうって思ってきたけど…っ
   何度も何度も…二人を見るたびに…っ私じゃ無理だって…っ絶対に辿り着けないって…っ
   そのことを考えないようにしても…っ、つい考えちゃって…っ、私…私っ…!」グスッ

141: (たまごやき) 2021/08/24(火) 23:40:44.99 ID:kEccuv7u
今日子「浅希ちゃん…」ウルッ

色葉「浅希には、無理だよ」

浅希「…っ!」

今日子「…色葉ちゃん!!」バッ

色葉「浅希が感じてるようにさ、璃奈ちゃんと愛先輩の関係は、その二人だけのものなんだよ
   だから、浅希がなろうったって、なれるはずない」

浅希「…」

今日子「…」

色葉「でも、それは、どっちが優れてるとか、劣ってるとか、そういう話じゃないんじゃないかな?」

浅希「…え?」

142: (たまごやき) 2021/08/24(火) 23:42:05.03 ID:kEccuv7u
色葉「私は、愛先輩のことを、部室棟のヒーローの頃から憧れてて、そんな愛先輩を応援するのが大好き。
   でも、私達3人で一緒に遊んだり、お菓子作ったりするのも大好き。
   そんで、同じクラスの璃奈ちゃんと、4人で一緒にお昼食べたり、3人で作ったお菓子を璃奈ちゃんに食べてもらうのも大好き。」

浅希「…」

色葉「それだけじゃなくてさ、バスケ部の人達と一緒に愛先輩の出し物を考える時間も好きだったな~…
   当然、家族と過ごす時間も好きだし、別の高校に行っちゃった幼馴染と久しぶりに遊んだりするのも好きだよ」ニカッ

色葉「…私はね、どの関係が一番好きかっていったら決められないよ?
   私からしたら、どの人と過ごす時間も大事だし、どの関係も特別なものだからね」

今日子「色葉ちゃん…」

色葉「だから、璃奈ちゃんと愛先輩に、特別な関係があるのならさ、
   もう、私達と璃奈ちゃんにだってあるはずだよ、そういうものがさ」

浅希「…!!」


(愛「浅希ちゃん達も、りなりーにとってはもう、特別な友達だと思うよ」)


色葉「だからさ…浅希も、璃奈ちゃんとしか作れない関係を作れるかもしれないってこと!」グッ

浅希「…そこは断定しないのね」クスッ

色葉「えっ!?ええっと…絶対作れるよ!」アセアセ

浅希「ふふっ…ありがとう、色葉♪」ニコッ

色葉「お、おう…」

143: (たまごやき) 2021/08/24(火) 23:48:42.87 ID:kEccuv7u
今日子「浅希ちゃん!私、浅希ちゃんの気持ち、とってもわかるよ!」ギュッ

浅希「うん」ギュッ

今日子「私もね、歩夢ちゃんと侑先輩が幼馴染っていう強い絆で結ばれてたとわかって、悔しかったけどね、
    歩夢ちゃんは、私達ファンに向けてくれる、別の想いもあるって信じてんだ!」

浅希「…今日子」

今日子「だから、浅希ちゃんのその想いも、絶対に璃奈ちゃん伝わるよ!!」ギュッギュッ

浅希「…あ、ありがとう、今日子、でも、ちょっと苦しい…」

今日子「あっ…ごめんごめん…」エヘヘ

色葉「浅希、ちょっとは元気出た?」

浅希「うん!ありがとう、色葉、今日子!」

今日子「えへへ、浅希ちゃん、良かった!」


二人の言葉に救われた気がした…

璃奈と愛先輩には、変わらない関係が合って、それを変えることも、超えることもできない

でも、私と璃奈にしかない関係だってあると、作れるんだと、そう気付かせてくれた

ありがとう、色葉、今日子、大好き

私にとっても、二人は特別だよ♪

148: (たまごやき) 2021/08/26(木) 01:39:06.67 ID:7JED32CS
【後日】

かすみ「ではっ!スクールアイドルフェスティバルの成功を祝して…」

みんな「かんぱーーーーーい!!」
後日、スクールアイドルフェスティバルの打ち上げが行われた

雨が降ってステージが中断しちゃったりとか、いろいろとアクシデントもあったけど…

なんとかフェスを無事に終えることができて良かった♪

スクールアイドル同好会のみなさんはもちろん、東雲や藤黄のスクールアイドルの方々もいて、

フェスに協力した私たち、虹ヶ咲の生徒も呼んでくれたんだ♪
ガヤガヤ

今日子「あ、歩夢ちゃん!一緒に写真いいですか?」キラキラ

歩夢「ふふっ、もちろんだよ!今日子ちゃん!」
色葉「愛先輩!また助っ人の応援に行きますね!」キラキラ

愛「あはは、いつもあんがとね、色葉っち!」
浅希「二人とも相変わらずだなぁ」

浅希「…」チラッ
情報処理学科A「璃奈ちゃん!私達ともまた一緒にゲーセン行かない!?」

情報処理学科B「璃奈ちゃんのコントローラーさばき、見たいなぁ!」

情報処理学科C「私とガ〇ダムで勝負してほしい!」

璃奈「もちろん!璃奈ちゃんボード『わーい♪』!」ニッコリン

情報処理学科ABC「可愛い~!!」
浅希「…」

149: (たまごやき) 2021/08/26(木) 01:40:59.93 ID:7JED32CS
むむむ…

フェスの影響か、璃奈の周りには、よく人が集まるようになった気がする

だから、学校で璃奈と話せる時間も、これから減っていっちゃうのかなぁ

そもそも、璃奈と友達になってからも、そこまで頻繁に話してなかったかも…

うう…私って、いつもこうだね

結局、璃奈と話すより、こう、遠くから見つめて、何かと考えてることばかり

それはそれで、私らしいのかな?あはは…


璃奈「…」スタスタ

浅希「えっ…?」


璃奈を見つめていると、私に気が付いたのか、璃奈が近づいてくる


璃奈「浅希ちゃん」

浅希「り、璃奈?どうかした?」アタフタ

璃奈「ちょっと二人で外に行かない?話したいことがあるの」

浅希「えっ?」ドキッ

150: (たまごやき) 2021/08/26(木) 01:44:02.64 ID:7JED32CS
【裏庭】

浅希「な、何かな?話って」ドキッドキッ

璃奈「えっと…これ」


璃奈の手に持っていたのは、可愛くラッピングされた小さい包みだった


璃奈「浅希ちゃんのために、クッキー作ってみたんだ」

浅希「り、璃奈が…これを?」

璃奈「うん…作るのは初めてだったけど、ネットでたくさん調べて、頑張って作った!『むんっ』」

浅希「璃奈…///」

璃奈「浅希ちゃんは、同好会のクッキーを作ってくれたり、フェスの出し物をいっぱい考えてくれたりして、
   私のことをいつも応援してくれてるから、いっぱい感謝してるんだ、
   だから、日頃のお礼というか…
   その…受け取ってくれる?」ジッ

151: (たまごやき) 2021/08/26(木) 01:45:41.98 ID:7JED32CS
璃奈が…

璃奈が…私のために…?

嬉しすぎて…爆発しそう…///


浅希「あ、ありがとう///…嬉しい、嬉しいよ、璃奈♪」ニコッ

璃奈「喜んでくれて、私も嬉しい♪ 『ハッピー』」

浅希「ふふっ♪…でも、どうしてわざわざここで?」

璃奈「えっと…みんながいるところで渡すのは、ちょっと恥ずかしかったから…『照れ照れ』」サッ

浅希「…///」キュン


ううっ…可愛い…可愛いよ、璃奈♪


璃奈「じゃ、じゃあ、戻ろっか」テクテク

浅希「あっ…」ドクン


璃奈は、私と繋がるために、いつも一歩踏み出してくれる

璃奈が、私に大好きをくれる、だから…

私も、璃奈と繋がるために、一歩踏み出さきゃ!

私も、璃奈に大好きを与えたい…!

152: (たまごやき) 2021/08/26(木) 01:46:16.52 ID:7JED32CS
浅希「待って、璃奈!」

璃奈「え?」

浅希「その、良かったら、今度二人で、お台場へ遊びに行かない?///」ドキッドキッ

璃奈「二人で…?」

浅希「ええっと…フェスのステージを一緒に頑張った、私達だけの、打ち上げ…みたいな…」モジモジ

璃奈「…」


い、いきなり二人っきりで出かけるなんて、おかしかったよね!

やっぱり、他の学科の子も誘おう!


浅希「あ、璃奈…その、やっぱり」モジモジ

璃奈「行きたい!」

浅希「え?」

璃奈「私も、浅希ちゃんと、二人でお出かけ、したい」

168:>>1(たまごやき) 2021/09/02(木) 02:14:09.22 ID:EMiqxExl
たくさんコメントいただき、本当にありがとうございます!

169: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:14:45.42 ID:EMiqxExl
【ジョイポリス】


璃奈「お待たせ、浅希ちゃん」

浅希「璃奈っ///」ドクン

璃奈「ごめん、その、待った?」

浅希「ううん、今来たところだよ///」ドクンドクン


本当は、全然落ち着かなくて、1時間前に来てからずっと近くをうろうろしていたなんて、

言えない…


浅希「じゃ、じゃあ、今日は思いっきり楽しもっか♪」

璃奈「うん」


今日は初めて、璃奈と二人っきりのお出かけ♪

よーし、絶対に璃奈にいいとこ見せて、仲を深めるよ、私!

170: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:19:43.18 ID:EMiqxExl
【VRアトラクション】

璃奈「ジョイポリスに来たら、まずは、やっぱりここだね」

浅希「そうだね、VRゲーム、楽しいよね♪」

璃奈「あ、今はゾンビのアトラクションなんだ」

浅希「ゾンビ…」


ポワワ~ン

(璃奈「ゾンビ怖いよ…璃奈ちゃんボード『あわわ』」ガクガク)

(浅希「大丈夫だよ、璃奈!私が、璃奈を守るから」キリッ)

(璃奈「浅希ちゃん…好き…璃奈ちゃんボード『うっとり』」パァァ)


なんて…えへへ…///

おし!ここは、バッチリいいとこ見せなきゃね!


浅希「行こう、璃奈!絶対クリアしようね!」グッ

璃奈「うん」

171: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:22:03.82 ID:EMiqxExl
VRゾンビ「うおおおおおおおおおおおおおお」ワラワラ

浅希「きゃあああああああっ!!」

ババババババババババババ

浅希「助けてええええええええ!!」アタフタアタフタ

璃奈「浅希ちゃん、落ち着いて!すぐ救援に向かう!」バッ


・・・

璃奈「なんとかクリアできたね」

浅希「うう、怖かったよ…」ブルブル

璃奈「だ、大丈夫?浅希ちゃん…よしよし、もう怖くないよ」ナデナデ

浅希「うう…璃奈ぁ…」ジワッ


うう…めちゃくちゃカッコ悪いよ私…

でも、璃奈に撫でられて、すごく嬉しい…なんて言えない///


璃奈「…///」ナデナデ

172: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:23:46.65 ID:EMiqxExl
【プライズコーナー/UFOキャッチャー】


璃奈「あっ…!スクールアイドル星人のぬいぐるみ」


あれは、私もとったことあるぬいぐるみだ

もしかして、璃奈もぬいぐるみ好きなのかな?

璃奈と共通な好きなものがあるのは嬉しいな♪


璃奈「やってみる」チャリン

浅希「頑張って!璃奈!」


ピロロロ ピロロロ


璃奈「うう…とれなかった…もう一回…」チャリン

浅希「ふぁ、ファイト!」


ピロロロ ピロロロ


璃奈「…うーん、とれないなぁ」

173: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:25:11.16 ID:EMiqxExl
璃奈、苦戦してるな…

よし、ここは私が!


浅希「私に任せて、璃奈!」チャリン

璃奈「え?」

浅希「ここをこうすれば…」

ピロロロ ピロロロ

ガコン

浅希「やった♪」

璃奈「す、すごい…」

174: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:26:50.90 ID:EMiqxExl
浅希「はい、璃奈!」スッ

璃奈「えっ?…でも、これは浅希ちゃんが」

浅希「ううん、このぬいぐるみ、実は持ってるんだ!
   だから、これは璃奈にあげるよ!受け取って!」ニコッ

璃奈「…」

璃奈「ありがとう」


ん?…あれ?

璃奈の声がちょっと暗い?

もしかして、ゲーマーとして、ぬいぐるみは自分で取りたかったとか…

だとしたら、余計なこと、しちゃったかな…

浅希「…」ズーン


璃奈「…///」ギュッ

175: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:28:30.75 ID:EMiqxExl
【カフェ】

璃奈「ここのタピオカ、美味しいね」

浅希「うん♪」

璃奈「ん…ごくっ」

浅希「…」ジー

璃奈「浅希ちゃん?」

浅希「え?…ううん、なんでもないの///」


美味しそうにタピオカを頬張ってる璃奈を、つい見つめてしまった

やっぱり可愛いな、璃奈は…


【謎解きゲーム】

璃奈「なるほど、この証拠品は明らかにムジュンしているっ!」キリリ

浅希「さすが璃奈♪」ウットリ


【ライブステージ】

バーチャルアイドル「みんなー!会いたかったよー!」

ウオオオオオオオオ

璃奈「すごい素敵なステージ…!参考になる!」

浅希「演出も歌も最高だね!」ブンブン


【ショッピング】

璃奈「これ、同好会のみんなに買っていこう」ソニック

浅希「可愛い~!じゃあ私は色葉と今日子にかな?」シャドウ

176: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:33:51.20 ID:EMiqxExl
・・・

浅希「う~ん、美味しい♪いっぱい遊んだ後のアイスは、たまらないよねぇ」ニコニコ

璃奈「でも、こんなにカ口りーを摂取しちゃったら、明日から運動頑張らないと…」

浅希「うっ…璃奈はアイドル活動で運動するけど、私は焼き菓子同好会だし、太る一方…」ズーン

璃奈「大丈夫、最近は家で運動できるゲームもある」

浅希「確かに!今度、買ってやってみるよ!」

璃奈「じゃあ、私も、一緒にやりたい」

浅希「え?…も、もちろん!一緒にやろうね//」

璃奈「うん」

浅希「それにしても本当に美味しい♪」モグモグ

璃奈「…///」ジー

浅希「ん?」

璃奈「あ、いや…なんでもないよ」バッ


え…?

もしかして、アイスの食べ方が汚くて引かれたとか…!?

も、もっと清楚に食べないと…えっと…

浅希「…」オロオロ


璃奈「…///」ジー

178: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:36:55.43 ID:EMiqxExl
・・・

浅希「楽しかったー!」

璃奈「……うん」

浅希「…璃奈?」


って、私、もしかして、思いっきり自分だけで楽しんじゃってたんじゃ…!

しまった…今日は璃奈にいいとこ見せるつもりだったのに…!

思い返せば私、何度もいろいろと失敗してた気が…


浅希「り、璃奈…ごめんね…?えっと、私のせいで疲れさせちゃったかな…?あはは…」

璃奈「…え?ど、どうして?」

浅希「その、私だけが楽しんじゃって、もしかして璃奈は、そんなに楽しくなかったのかなー、なんて…」シュン

璃奈「!!…そんなことない、すごく楽しかった…!すごく楽しかったよ…!」

浅希「璃奈…?」

179: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:39:04.63 ID:EMiqxExl
璃奈「…ごめんね、やっぱり私、表情で誤解させてたかも…
   今日は璃奈ちゃんボードを使わずに、素顔の私で、接したかったから…」

浅希「あっ…」


そういえば、今日は、あのボードを一度もつけるのを見てない気が…


璃奈「その、浅希ちゃんになら、素顔の私のまま、接してもいいかなって思って…」

浅希「そ、そうだったんだ…///」


私になら、それって…

私の事、特別に思ってくれたってことなのかな…///

180: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:44:17.53 ID:EMiqxExl
璃奈「誤解させちゃったかも、だけど、私、今日は本当に楽しかったんだ」

浅希「うん♪」

璃奈「浅希ちゃんの、見たことのない、いろんな一面が見れたりして、すごく楽しかった」


いろいろ恥ずかしいところを見せちゃったけど、璃奈は喜んでくれたんだ


璃奈「それと、浅希ちゃんが、欲しかったぬいぐるみを取ってくれて、すごく嬉しかった」


あれは、璃奈にとって余計な事じゃなかったんだ…良かった


璃奈「ゲームを楽しんでる浅希ちゃん、美味しそうに食べる浅希ちゃんが可愛くて、つい見つめちゃった」


ふふっ、私も、いろんな璃奈を、つい見つめちゃってたよ



璃奈「本当に、今日は、浅希ちゃんに、たくさん、幸せな時間を貰った」

璃奈「…」クルッ

璃奈「ありがとうっ」

浅希「っ…///」


私の目に映る璃奈のことが

愛おしくて愛おしくて、たまらなかった

181: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:46:27.70 ID:EMiqxExl
ギュッ

璃奈「あ、浅希ちゃん…?」


気が付けば、私は璃奈を、強く抱きしめていた


浅希「璃奈、私も、璃奈には幸せな時間を、たくさん貰ったよ」

璃奈「ん…」ギュッ

浅希「私こそ、ありがとう、璃奈」

璃奈「うん、嬉しい…」

浅希「璃奈…」ギュッ

璃奈「浅希ちゃん…」ギュッ

浅希「…」

182: (たまごやき) 2021/09/02(木) 02:48:36.65 ID:EMiqxExl
って何をいきなり抱き着いているんだ私はっ!!

あああああ恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい…///

でも、璃奈、柔らかい…

って変態かっ!!


バッ

浅希「じゃ、じゃあ、そろそろ帰ろっか…///」

璃奈「…浅希ちゃん、あの」

浅希「あえっ!?」


あああ、私ったらまた変な声出して…


璃奈「その、浅希ちゃんがよかったら、なんだけど」

浅希「う、うん」

璃奈「今から、家に来ない?」

197:>>1(たまごやき) 2021/09/07(火) 00:13:25.43 ID:wyDFbHpD
コメントいただきありがとうございます

198: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:15:56.85 ID:wyDFbHpD
【璃奈宅】

ガチャ

璃奈「どうぞ」

浅希「お、おじゃまします!」オドオド

璃奈「今日、家族の人、誰もいないから、遠慮しないで」

浅希「えっ…」ドクン


そ、それって…璃奈と一つ屋根の下に、ふ、二人きりってこと…///


浅希「そ、そうなんだ…」ドクン ドクン

璃奈「今日は一人で寂しいんだ…」

浅希「う、うん…」ドクッ ドクッ ドクッ

璃奈「だから…泊まっていかない?」

浅希「…ええっ!?///」

199: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:17:47.97 ID:wyDFbHpD
璃奈と二人きりで…お泊り!?///

二人きりなだけで緊張でバクバクなのに

加えて…お、お泊りだなんて///


璃奈「あ、や、やっぱりだめだよね…忘れて?」シュン

浅希「っ!!」ハッ


そっか、璃奈の家は、親御さんが居ないことが多くて、寂しいんだ

…ドキドキしてパニくってる場合じゃない!

だったら私が、璃奈のためにできることは当然…


浅希「もちろんいいよ!」ニコッ

璃奈「っ…!ありがとう///」パァァ

200: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:21:25.81 ID:wyDFbHpD
璃奈「じゃあ、夕飯は何か、出前を頼むね」ポチポチ

浅希「出前?」

璃奈「うん、一人の時は、よく頼むんだ。
   浅希ちゃん好きなもの、ある?」

浅希「…」


う~ん、せっかくだし、璃奈には、ちゃんとしたものを食べて欲しいな…

よし…!


浅希「璃奈、冷蔵庫に食材ある?」

璃奈「え?…うん、あるけど」

浅希「じゃ、今日は私が作る♪」グッ

201: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:22:28.07 ID:wyDFbHpD
・・・

グツグツ

浅希「ほら、味見して?」スッ

璃奈「…うん、美味しい!」

浅希「良かった♪もうすぐできるね」

璃奈「ありがとう浅希ちゃん、料理してくれて…」

浅希「ううん、これは璃奈もたくさん手伝ってくれたし、一緒に作ったようなものだよ♪」

璃奈「そ、そうかな、一緒に作れたの、嬉しいな」

浅希「ふふっ♪」


璃奈、喜んでるみたい♪

作って良かった♪

202: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:31:59.12 ID:wyDFbHpD
・・・

浅希・璃奈「ごちそうさまでした」

璃奈「料理、とても美味しかった、ありがとう」

浅希「どういたしまして♪」

璃奈「いつもは、一人でご飯食べることが多いから、こうやって一緒に作って、一緒に食べて、すごく楽しかった」

浅希「ふふっ、そうだね♪」

璃奈「…その、浅希ちゃんが良かったら、なんだけど」

浅希「ん?」

璃奈「また、一緒に作ってくれると、嬉しいな」

浅希「…うん、もちろんだよっ!」


それって…また泊まりに来てもいいってことなのかな?

まだ緊張しちゃうけど、璃奈と一緒に過ごせる時間が増えるのは、やっぱり嬉しい

204: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:35:48.85 ID:wyDFbHpD
・・・


璃奈「えい」ポチポチ

浅希「あっ」


<< K.O. >>


浅希「また瞬〇…」

璃奈「ぶいっ」v

浅希「むむむ、やっぱり敵わないな~」


~♪オフロガワキマシタ


璃奈「あ、お風呂沸いたよ、浅希ちゃん、先どうぞ」

浅希「ううん、璃奈が先で良いよ?」

璃奈「いやいや、浅希ちゃんから」

浅希「そんな、璃奈からで…」


お風呂の順番なんて、正直どっちでもいいと思うけど

こういう時は、つい譲っちゃうんだよね

多分、璃奈もそうで、こういうところも、私たち似てるかな?


璃奈「…だったら、間をとって」

浅希「?」

璃奈「一緒に入る?」

浅希「え」ドクッ

205: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:39:33.87 ID:wyDFbHpD
え、え

いやいや冗談でしょ、璃奈と一緒にお風呂なんて


浅希「ここのお風呂って大きいの?」

璃奈「ううん、でも二人くらいなら入るから…」

浅希「…えっと、えっと」


どうやら冗談じゃなさそうだ!!

璃奈と一緒にお風呂なんて、まだ早い…じゃなくて、恥ずかしいよ!!///


浅希「こ、この年にもなると、一緒にお風呂って、さすがに恥ずかしいかなぁ、えへへ///」

璃奈「そ、そっか…ごめん」シュン

浅希「あっ…」


今日の泊まりのことといい、璃奈、どうしちゃったんだ…?

…もしかして、私に甘えてくれてるのかな?

愛先輩も言ってたけど、璃奈って、けっこう甘えん坊なんだな

…そう思うと、ちょっと落ち着いたかも


浅希「…いいよ、璃奈、やっぱり一緒に入ろうっ…うん///」モジモジ

璃奈「うん、入ろう…」


…でもやっぱり恥ずかしいっ!!///

206: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:45:09.19 ID:wyDFbHpD
【風呂場】

璃奈「…」ゴシゴシ

浅希「///」ドキドキドキドキ


沈まれ…私の心臓…///

璃奈は友達と一緒にお風呂に入って、その、お喋りとか、そういうのがしたいんだ

ほら、林間学校の夜とかによくやるあれだ

だから私、絶対に変な気は起こしちゃ、だめ…


浅希「…」メソラシ

璃奈「浅希ちゃん、やっぱり、恥ずかしい?」

浅希「そんなことないよ?」メソラシ


すぐ傍には全裸の璃奈が身体を洗っていると思うと、つい、その、あれだ

感情が高まってしまうんだ

だめだめ…心を無にするんだ

そう、明鏡止水のように…

207: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:50:07.71 ID:wyDFbHpD
璃奈「浅希ちゃん」

浅希「はい」

璃奈「身体も洗えたし、そろそろ湯船に浸かろう」

浅希「どうぞ」

璃奈「いや、その、一緒に、浸かろう」

浅希「!?」ビクッ


え?この浴槽そんなに広くないよね…

こんな狭いところに二人で入ったら…

208: (たまごやき) 2021/09/07(火) 00:53:31.31 ID:wyDFbHpD
ギュウギュウ

璃奈「…」

浅希「///」ドッ ドッ ドッ


裸の状態でここまで密着するなんて…///

これ心臓の音、璃奈に聞こえてるんじゃ…///

あっ、璃奈の身体、やっぱり柔らか…///

ってだから余計なことを考えるな!考えるな!考えるな!


璃奈「浅希ちゃん」

浅希「ひゃい!///」

璃奈「その、恥ずかしいのに、我儘言って、ごめんね」

浅希「へ?」

璃奈「浅希ちゃんといるとね、すごく安心するし、もっと一緒にいたいって、思っちゃうんだ」

浅希「璃奈…」

璃奈「フェスの時も、浅希ちゃんは積極的に私のために動いてくれたし、すごく頼もしかった
   だから、そんな浅希ちゃんが、私は…」

浅希「…」

璃奈「あっ…えっと、やっぱり我儘すぎたかな、つい嬉しくて」

浅希「…ううん、私も嬉しいよ」

209: (たまごやき) 2021/09/07(火) 01:00:27.90 ID:wyDFbHpD
璃奈は、心も体も裸にして、私と向き合ってくれてるのかな…

だったら、私も

璃奈に、私のこと、もっと知って欲しい…


浅希「私は…璃奈の思ってるような頼もしい人間じゃないよ」

璃奈「え?」

浅希「私ね、ずっと璃奈と愛先輩の仲の良さに嫉妬してたんだ」

璃奈「愛さん?」

浅希「うん…二人が特別な関係だと思ったら、なんか悔しくて…」

璃奈「…浅希ちゃんって、そんなに愛さんと仲良かったんだ」

浅希「って、なんでそうなるの!?違うよ!?」


もう、璃奈ったら、自尊心低いのかな

そういうところは、やっぱり私とそっくり


璃奈「違うって…え?じゃあ…それって」

浅希「…そ、そうだよ///」

璃奈「…///」ジッ


こ、こうして本心を伝えると、やっぱり恥ずかしい

211: (たまごやき) 2021/09/07(火) 01:08:13.08 ID:wyDFbHpD
浅希「だ、だから、そんな愛先輩に負けたくなくて、フェスでも璃奈のために一生懸命だったんだ。
   愛先輩よりも、もっと璃奈と親密になりたいって思ってたから…」

璃奈「…」

浅希「あっ…その、ガッカリした…?」

璃奈「ううん、私のこと、そういうふうに想ってもらってもらってたなんて、全然思わなかったから」

浅希「そ、そっか…///」

璃奈「…浅希ちゃんの気持ち、伝わった」

浅希「璃奈…///」

璃奈「浅希ちゃん…」


ああ、また身体が熱くなってきたかも///

また、感情が…高まっていく…///

…ん?…とこれは感情が高まっていっているというよりも

…のぼせそう?


浅希「あっ!そろそろ上がろう///」バシャ

璃奈「そ、そうだね」バシャ

212: (たまごやき) 2021/09/07(火) 01:11:05.39 ID:wyDFbHpD
・・・

【寝室】


浅希「…///」

璃奈「…」


お風呂から上がってから、なんだか気まずい…

…よし、もう、寝よう

うん、一回寝れば、きっといろいろと落ち着くよね


浅希「あ~、私、そろそろ眠くなってきちゃった…」

璃奈「…」

ギュッ

浅希「あっ///」

璃奈「…」


璃奈が無言で腕を組んでくる

こ、これはやっぱり

一緒に寝るって…ことだよね

213: (たまごやき) 2021/09/07(火) 01:22:52.28 ID:wyDFbHpD
・・・

璃奈「…電気消すね」

浅希「うん」

ピッ

璃奈「…」ゴロン


こんなに璃奈が近くにいて…

寝られるんだろうか…

無理でしょ…///

…そうだ!こういう時は羊を数えていれば寝れるよね?


浅希「じゃ、じゃあ、おやすみ、璃奈」

璃奈「…」ギュッ

浅希「えぇっ!?///」


羊を思い浮かべる間もなく、体に抱き着かれた

…今日は一日中、璃奈にはドキドキしっぱなしだ

一つ屋根の下、一緒にお泊り、一緒にお風呂、一緒に寝る

…もう、限界だ

214: (たまごやき) 2021/09/07(火) 01:30:43.55 ID:wyDFbHpD
浅希「…璃奈っ!」

ガバッ

浅希「璃奈…私、私ね…///」

璃奈「……すぅ」

浅希「え?」

璃奈「…」スゥ スゥ

浅希「…」


ね、寝てる…?

……

ふふっ♪

そっか、今日は遊びまわったし、璃奈、疲れてたよね

璃奈の寝顔、幸せそう

この可愛い寝顔を見つめていたら、なんだか安心した

それに、さっきまでドキドキしてた胸も、徐々に落ち着いてきた…

私も、一日中ドキドキしっぱなしで、疲れてたってことかな…


浅希「…おやすみ璃奈」ギュッ

232:>>1(たまごやき) 2021/09/12(日) 14:38:44.97 ID:lrfPhoXJ
コメントいただきありがとうございます

233: (たまごやき) 2021/09/12(日) 14:42:47.74 ID:lrfPhoXJ
【数日後】

璃奈「おはよう」ガラガラ

クラスメイトたち「おはよう璃奈ちゃん!」ガヤガヤ

璃奈「うんっ!璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

クラスメイトたち「可愛い~!!」

璃奈「『照れ照れ』…」

ワイワイガヤガヤ


クラスメイトたち「ねぇねぇ、後で彼方先輩の寝顔を見に行こうよ!」ザワザワ

クラスメイトたち「ウチはエマ先輩に抱きしめて欲しい!」ザワザワ

クラスメイトたち「アタシは今日こそ果林先輩がホクロを撮りたいわ!」ザワザワ


色葉「スクールアイドル同好会の人気、すごいよねー」

今日子「元々ファンだった私としては鼻が高いよ」エッヘン

浅希「あはは…今日子ったら」


新学期が始まってからというもの、学校内でスクールアイドル同好会自体の人気が高まっている

やはり、スクールアイドルフェスティバルの影響が大きいのだろう

234: (たまごやき) 2021/09/12(日) 14:44:24.24 ID:lrfPhoXJ
【昼食】

浅希「あれ?今日、璃奈は?」

今日子「隣のクラスの人に呼ばれて、一緒にお昼だってー」

浅希「そ、そう…」


そして、クラスの中でも璃奈のファンが急増していた

夏休み前より、友達もたくさん増えたそうだ

私としては、ちょっぴり複雑だけど…


色葉「何、浅希?まーた寂しくて寂しくて震えてるの?」

今日子「大丈夫!璃奈ちゃんにとって永久保証の浅希ちゃんだから大切にしてくれるよ!」

浅希「も、もうっ!別に嫉妬なんてしてないよ!」プンプン

235: (たまごやき) 2021/09/12(日) 14:56:35.26 ID:lrfPhoXJ
色葉「全くいつまでもウジウジしてないで、いーかげん、告白しちゃいなよ浅希!」

今日子「そーそー!うかうかしてると誰かにとられちゃうよ?」

浅希「こ、告白!?…え!?…い、いったい何を!?」

色葉「いや、とぼけないでよ、璃奈ちゃんに好きって伝えるんだよ」

今日子「そして二人は恋人同士になるんだよ!」キラキラ

浅希「え…?」


…えええ!?私と璃奈が恋人!?///


浅希「冗談はやめてよ、恋人なんて!!///」

色葉「いやいや、冗談じゃないって、好きなんでしょ?」

今日子「デートもお泊りもしたんだったら、そろそろ告白でしょって話!」


二人とも何を言ってるの!?///


浅希「ちょっと!勘違いはやめてよ!」

今日子「またまたぁ~」

浅希「そもそも私が璃奈と恋愛するとか、あ、ありえないよ!///」

色葉「いや、だって、璃奈ちゃんに好きだって言おうとして失敗したって、こないだ…」

浅希「それは単純に、友達として好きだって言おうとしたんだよ?まだ言えてないけど…///」

色葉「えー…」

今日子「それにこないだ、璃奈ちゃんと特別な関係になりたいって…泣いてたし…」

浅希「私は、特別な友達になりたかっただけで、そんな…///」

今日子「無理があるよ…」

236: (たまごやき) 2021/09/12(日) 15:05:38.45 ID:lrfPhoXJ
浅希「だって…女の子同士なんて、お、おかしいよ、そんなの…///」

今日子「おかしくないって!」

色葉「そうそう、うち、女子高だし!」

浅希「関係あるかな…それ」

今日子「…浅希ちゃん、最初から告白するつもりでいるのかと思ってたよ」

浅希「ないよ!だって…
   璃奈とは、ずっと仲良くしていたいし…」

今日子「……そっか、促してごめんね?」

色葉「……私も騒ぎ立てて悪かったよ」

浅希「ううん、気にしてくれてありがとう」

色葉「ただ、恋してるのは間違いなさそうだけどなぁ」ジッ

今日子「うん…」ジッ

浅希「うう…///」


つい感情が高ぶっちゃうから、そのことは抑えて、あまり考えないようにしてたのに…

もう、認めるしかないのかな…

242: (たまごやき) 2021/09/13(月) 21:57:27.43 ID:ZjFrW1gU
・・・


【廊下】

浅希「はぁ…」スタスタ

璃奈と恋人になるなんて、考えるだけで顔が真っ赤になっちゃうよ

もしも、私が璃奈に告白したら、受け入れてくれるのかな…?

もし受け入れてくれるなら…私は…

…うん、いつか、伝えよう

璃奈のことが大好きな気持ちを、愛してるんだって気持ちを、ずっと伝えたいとは思っていた

璃奈に私の気持ち、知って欲しいな…///

…ん?あれは…

浅希「…」ヒョコッ


生徒「ごめんなさい天王寺さん…急に呼び出して…」

璃奈「大丈夫だよ、璃奈ちゃんボード『にこっ』」


璃奈と…同じ1年生の子?

あー、もしかして璃奈のファン?

プレゼントでも受け取ってるんだろう

やっぱり人気者だなぁ、璃奈は…


生徒「私、天王寺さんのことが、好きなの!」


浅希「…!?」

243: (たまごやき) 2021/09/13(月) 22:00:20.84 ID:ZjFrW1gU
璃奈「ありがとう、これからも応援してくれると、嬉しいな、璃奈ちゃんボード『わーい♪』」

生徒「…」


あっ、そっか、そうだよね

璃奈のファンの子だし、そういう意味の好きだよねっ

あー、びっくりした!

私ったら何考えて…


生徒「その、そうじゃなくてっ!恋人として…私と、お付き合いしてくれませんか!?」

璃奈「!?」


違った

あの子は、本気で、璃奈のことを…

244: (たまごやき) 2021/09/13(月) 22:06:30.61 ID:ZjFrW1gU
璃奈「…」アセアセ

生徒「あっ…」

璃奈「えっと」

生徒「ごめん!いきなりこんなこと言っても、迷惑だよね…」シュン

璃奈「そんなことない、すごく嬉しいよ
   …嬉しいけど…その…」

生徒「…そうだよね、天王寺さんには、愛先輩がいるもんね!」ニコッ

璃奈「えっ…?」

生徒「本当は、ダメだとわかってても、気持ちを伝えたかっただけなの!本当に、ごめんね!」

璃奈「そんな…」

生徒「これからも応援するからね、天王寺さん!じゃあ、また」ダッ

璃奈「あっ…!」

・・・


そっか…

もしも、私があの子のように、璃奈に告白したとしても

今のように、璃奈を困らせちゃうのだとしたら…

………やめよう

気持ちを一方的に伝えることが、璃奈のためになるとは限らない…

245: (たまごやき) 2021/09/13(月) 22:08:52.44 ID:ZjFrW1gU
それに…


(生徒「天王寺さんには、愛先輩がいるもんね!」)


あの子が璃奈に言っていたように

私は、未だにずっと、愛先輩との関係を気になっている

璃奈と愛先輩は、本当にそういう関係なの…?

247: (たまごやき) 2021/09/13(月) 22:38:02.19 ID:ZjFrW1gU
【次の日/通学路】

浅希「…」ボーッ


昨日は結局一日中、同じことをぐるぐる考えてしまった

考えたところで何もわかるはずないのにね…

二人の関係のことについて、一人で悩んでいたところで、何もわからない

もう、いっそのこと、璃奈に聞いてみようかな…


璃奈「浅希ちゃん」ポン

浅希「ひゃぁっ!?///」

璃奈「あっ…」


突然璃奈から肩に手を置かれたため、びっくりして声を上げてしまった


璃奈「ごめん、脅かせるつもりは、なかった」

浅希「ううん、こっちこそごめん…考え事してて///」

璃奈「おはよう、浅希ちゃん」

浅希「うん、おはよう璃奈♪」

248: (たまごやき) 2021/09/13(月) 22:39:09.65 ID:ZjFrW1gU
璃奈「通学路で会うなんて、珍しいね」

浅希「そうだね…」


どうしよう、愛先輩とのこと…聞いていいかな

でも、急にそんな話を投げかけるのも変な気もするし…うーん…


璃奈「朝から浅希ちゃんに会えて、嬉しい」

浅希「えっ…」

璃奈「浅希ちゃんと、早く会いたかったから」

浅希「あ…///」ボンッ

璃奈「えへへ…」メソラシ

浅希「わっ、私も嬉しいよっ♪」ニコッ

璃奈「良かった」


今は、璃奈と一緒に笑い合えるこの幸せな時間を大切にしたい

そう思った

250: (たまごやき) 2021/09/13(月) 23:43:26.09 ID:ZjFrW1gU
【教室】

ガラガラ


浅希「おはよー」

璃奈「おはよう、璃奈ちゃんボード『にっこりん』…」

生徒A「天王寺さんっ!」ガタッ

生徒B「新聞部の子が言ってたこと、本当なの!?」ザワザワ

璃奈「え?みんな、どうしたの?」

生徒C「これなんだけど…」スッ

浅希「…っ!?」


その子が見せたタブレットに映っていたのは、

璃奈と愛先輩が恋人同士だと書かれた記事だった

251: (たまごやき) 2021/09/13(月) 23:45:14.20 ID:ZjFrW1gU
璃奈「あ…あ…」サーッ

その記事を見た璃奈の顔が青ざめていくのが、私にはわかった

浅希「……何よこれっ!!」バッ

生徒A「ひっ」

生徒B「だから新聞部が…」


記事の内容より、いきなりこんなものを璃奈に見せてきたこいつらにまず腹が立った

私は不良生徒のようについ、クラスメイトの胸倉を掴んでしまった


璃奈「浅希ちゃん…」ギュッ

浅希「璃奈…?」

璃奈「…私のせいで、私のせいで、また愛さんが…
うっ…」

ガクッ

浅希「璃奈!?」

璃奈がその場に崩れ落ちてしまった

252: (たまごやき) 2021/09/13(月) 23:46:44.36 ID:ZjFrW1gU
生徒A「きゃーっ!!」

生徒B「天王寺さん!?」

ザワザワ

色葉「どけっ!!」ドン

生徒C「あっ」

今日子「璃奈ちゃん、しっかり!」

浅希「…!」


色葉と今日子が来てくれたおかげで、逆上していた私は、我に返った

今は、ここにいちゃ、ダメだ


浅希「…璃奈、一旦保健室いこう」ギュッ

璃奈「…う、うん」

色葉「浅希、手伝う」

今日子「私も」

浅希「ありがとう、二人とも、
…本当に」

274: (たまごやき) 2021/09/21(火) 19:07:40.43 ID:uEecUQtn
【保健室】


ひとまず、保健室の先生に事情を説明し、璃奈をベッドに寝かせた

パニック状態になっていた璃奈も、だいぶ落ち着いたようだ


璃奈「ごめんね、浅希ちゃん…色葉ちゃんと今日子ちゃんも」

浅希「気にしないで」

色葉「困った時はお互い様だよ」

今日子「そうだよ」

璃奈「私はもう大丈夫だから、3人とももう教室に戻って…」

浅希「ううん、先生には4人とも1限目休むって言ってあるから」

璃奈「そ、そんな…悪いよ…」

浅希「私も二人も、璃奈のことがほっとけないの!」

色葉「そうそう」

今日子「良くなるまで一緒にいるよ?」

璃奈「…ありがとう」

275: (たまごやき) 2021/09/21(火) 19:10:12.81 ID:uEecUQtn
璃奈「……その……新聞部の記事のことなんだけど」

浅希「っ!!」

色葉「璃奈ちゃん!…言いたくないことは、言わなくていいんだよ」

今日子「そうだよ…今は寝た方が…」

璃奈「…ううん、私が、3人には話しておきたいから…」

浅希「…」

璃奈「…いい?」

浅希「………わかった、聞くよ」

色葉「浅希…!」

今日子「浅希ちゃん…」

浅希「ちゃんと、全部、聞くから……話して?」

璃奈「……うん」


もう、聞く覚悟はできたよ

さっきまでの私は、踏み込む勇気もなく、ウジウジしていただけだったけど

璃奈が、話したいって、言ってくれてるんだ

今は、苦しそうな璃奈の事を精一杯受け止めたい

276: (たまごやき) 2021/09/21(火) 19:13:31.64 ID:uEecUQtn
璃奈「まず、私と愛さんは…」

浅希「…!」ドクン ドクン

色葉「…」

今日子「…」

璃奈「…恋人同士じゃない」

浅希「え…!?」

今日子「ってことは…あの記事は嘘だってこと!?」

璃奈「うん、事実無根」

浅希「…」ポカーン

色葉「…酷い話だね」

浅希「ほ、ほんとだよ!」


さっきまでの璃奈の態度から、もしかしたら、と思ってたけど

…違ったんだ

…ふぅ

あ…心の中で、とても安心した自分がいる

いかんいかん!…今は璃奈の話を聞かないと!

278: (たまごやき) 2021/09/21(火) 19:19:58.79 ID:uEecUQtn
璃奈「……実は、前にも同じようなことがあったの」

今日子「え?」

浅希「前にも?」

璃奈「私と愛さんがスクールアイドルを始める前に、一度だけ…」

色葉「あー、愛先輩が部室棟のヒーローとして人気だった時の…」

璃奈「そっか、色葉ちゃんは知ってるかもだね」

色葉「だけど、あれも、ただの噂だったはず…」

璃奈「…うん、その噂が立つ前、愛さんが3年生の先輩から、ラブレターを貰ったことがあったんだ。
その日、愛さんはその人に呼び出されてたけど、その後のことは、愛さんから何も聞いてない。
多分、告白されてたんだと思う。」


愛先輩、やっぱり前から女子生徒にモテモテだったんだな…

私も初めて見た時から、けっこう綺麗な人だなと思ったし…

279: (たまごやき) 2021/09/21(火) 19:28:04.21 ID:uEecUQtn
璃奈「その後は、しばらく何事もなかったんだけど…
しばらくしてから、私は、ある3年生の先輩に呼び出されたの。」

今日子「…それって」

璃奈「うん、愛さんにラブレターを渡した先輩。
私は、急に知らない上級生に呼び出されたことが怖くて、愛さんに相談した。
そしたら、愛さんが一緒についてきてくれることになって、二人でその先輩に会いに行ったの。」

色葉「…うん」

璃奈「そしたら、その先輩は愛さんに
『やっぱりその子と付き合ってるんだ』って言って、すぐ帰っちゃったの。
多分、泣いてたんだと思う」

浅希「…」

璃奈「その時私は、その先輩に睨まれた気がして、怖かった。
愛さんは、『巻き込んでごめん、誤解は愛さんの方で解いとくから』って言ってくれたんだけど…
その後すぐに、愛さんが1年生の子と付き合ってるって噂が広がったんだ。」

今日子「…そんな!」

璃奈「私は、そのことがすごく怖くなって、その時も同じように倒れちゃったんだ。」

浅希「そっか、それで…」

璃奈「うん、今日もその時のことを、つい思い出しちゃって…」

280: (たまごやき) 2021/09/21(火) 19:57:03.93 ID:uEecUQtn
璃奈「私は、みんなのヒーローである愛さんに、迷惑かけたくないって思って、
自分から、愛さんの元から離れようと、考えてたんだ。
でも、愛さんは、
『周りが何て言おうとほっといてよくない?アタシがりなりーと仲良くしたくて、してるんだからさ』
って言ってくれたんだ。」

今日子「…愛先輩!」ジーン

璃奈「私は、愛さんのその言葉に救われて、噂にも気にせず、今まで通り愛さんと接することができたんだ」

色葉「…そうだね!仮に璃奈ちゃんと愛先輩がどんな関係だろうと、周りにとやかく言われる筋合いはないんだしさ」

浅希「…っ!」

璃奈「でも、昔と今じゃ違うのは、今は愛さんがスクールアイドルだってこと」

今日子「…そっか、以前は二人ともスクールアイドルじゃなかったもんね」

色葉「…確かに事実じゃない噂が校外に漏れたりすると、今後の活動にも影響が出るかも」

璃奈「うん、だから…また、愛さんに迷惑は、かけたくない…!」プルプル

今日子「璃奈ちゃん…」

浅希「………」


璃奈は、自分のことより、愛先輩の心配を…

璃奈のアイドル活動にだって影響することなのに…

優しいな…璃奈は…

それに比べて…私は…

281: (たまごやき) 2021/09/21(火) 20:00:46.96 ID:uEecUQtn
色葉「璃奈ちゃん、話してくれて、ありがとう」

今日子「今は私達だって璃奈ちゃんの友達、ううん、親友だよ!」

璃奈「!!」

色葉「いっぱい頼ってよ!愛先輩よりは頼りないかもしれないけどさ!」

今日子「新聞部の記事の誤解を解くのに、私たちも協力するよ!」

璃奈「色葉ちゃん、今日子ちゃん、ありがとう」

浅希「…」

色葉「当然、浅希もだよね?」

浅希「…」ジワ…

今日子「浅希ちゃん?」

浅希「ごめんなさい、璃奈」

璃奈「え…?」

浅希「私は、最低なの…」

282: (たまごやき) 2021/09/21(火) 20:02:54.63 ID:uEecUQtn
浅希「私も、心の中でずっと思ってたんだ、璃奈と愛先輩は、付き合ってるんじゃないかって…」

璃奈「…!!」

浅希「何度も、璃奈にそのことを聞こうとした…関係を探ろうとした…」

璃奈「……浅希ちゃん」

浅希「私は、その噂を流した3年生の人や、新聞部の人と、何も変わらないんだよっ…」

色葉「…」

今日子「…」

浅希「…幻滅したよね」

284: (たまごやき) 2021/09/21(火) 20:06:06.31 ID:uEecUQtn
璃奈「…ううん、浅希ちゃんは、違うよ」

浅希「え?」

璃奈「心の中で思っていても、浅希ちゃんは、不確かなことを、誰かに話したりしなかった。
事実をちゃんと確かめようとしてくれた。だから、浅希ちゃんは、何も悪くないよ」

浅希「璃奈…」

璃奈「それに、浅希ちゃんは、教室で私の事を一番にかばってくれた。
噂よりも、私の身のことを、第一に考えてくれた。
だから…ありがとう、浅希ちゃん」

浅希「…璃奈っ!!」ギュッ


私は、つい、璃奈に飛び掛かるように抱き着いてしまった


璃奈「あっ…」


璃奈は、私の事は悪くないって言ってくれたのに

私は、どうしても罪悪感が消えなかった

ごめん、ごめんね、璃奈

285: (たまごやき) 2021/09/21(火) 20:11:06.34 ID:uEecUQtn
浅希「…璃奈、新聞部の件は、私も協力する」

璃奈「浅希ちゃん…」

浅希「私が璃奈のことを守るよ!」

璃奈「あっ………」

浅希「え…?」

璃奈「ありがとう…」


な、なんか自分で言ってて恥ずかしくなってきた…


浅希「あ…あう…///」ボンッ

色葉「そこで照れたらカッコよくないぞ」

浅希「う、うるさいな///」

璃奈「ふふっ、3人のおかげで、気分がだいぶ良くなった、本当に、ありがとう」

今日子「璃奈ちゃん…良かった!」

色葉「じゃあ、放課後に4人で新聞部へ直談判に行こう!」

浅希「そうだね!」

287: (たまごやき) 2021/09/21(火) 21:25:06.44 ID:uEecUQtn
【教室】

璃奈「…」ガラガラ

生徒A「天王寺さんっ!」ガタッ

浅希「…」ギロッ

生徒A「ひぃっ…!」ビクッ

今日子「浅希ちゃん、どーどー」

色葉「むやみに威嚇しないの」ナデナデ

浅希「むぅ…」

生徒A「天王寺さん、ごめんなさい」スッ

璃奈「え?」

生徒B「私達、天王寺さんのことを考えず、言いたいことを言っちゃって」

生徒C「不快に思ったよね、本当にごめん!」スッ

璃奈「そんな…私が勝手に倒れただけで…」

浅希「…」


そっか、この子たちも、別に悪気があったわけじゃないんだ…

なんでも悪意があったなんて考えちゃダメだよね…

私も反省しないと…

288: (たまごやき) 2021/09/21(火) 21:27:39.26 ID:uEecUQtn
璃奈「心配かけたけど、もう大丈夫だよ。璃奈ちゃんボード『元気!』」

生徒B「よ、良かった…」ホッ

璃奈「それと、私と愛さんは恋人同士じゃないし、悪いのは全部あの嘘の記事。璃奈ちゃんボード『メラメラ』」

生徒C「そうだったんだ…!じゃあ余計に…不用意に騒いでごめん!」ウルッ

生徒A・生徒B「ごめんなさい!」

璃奈「も、もう謝らないで!璃奈ちゃんボード『あわあわ』」アワアワ

浅希「あの…私もつい頭に血が上っちゃって、ごめんね…」

生徒A「ううん、悪いのは私達だから…」


お互いに謝り合って、なんとか教室の悪い雰囲気はなくなった…

良かった…

289: (たまごやき) 2021/09/21(火) 21:31:49.87 ID:uEecUQtn
【放課後/新聞部部室前】

浅希「ここね…」ギッ

色葉「浅希、落ち着いて、ね」

今日子「こういう時は冷静に記事の訂正をお願いすれば、大丈夫だよ?」

浅希「わ、わかってるよ…」


教室でのことがあったせいか、完全に狂犬をなだめるように扱われている


璃奈「…」ギュッ

浅希「ん…?」

璃奈「…」プルプル


璃奈が私の裾を掴んで震えている

過去のこともあるし、やっぱり怖いのかな…?

浅希「璃奈…」ギュッ

璃奈「あ…」

浅希「大丈夫!私たちがついてるよ」ニコッ

璃奈「浅希ちゃん…」

色葉・今日子「うん!」

璃奈「そうだね…」ギュッ


私は、璃奈の手を繋ぎながら、新聞部の部室のドアを叩いた

320: (たまごやき) 2021/10/04(月) 21:27:03.60 ID:75QUxDLE
【新聞部】

浅希「失礼します!」

新聞部「はい……あっ…!!」

浅希「っ…!」

璃奈「あなたは…」


新聞部の部室内にいたのは一人だけだった。

昨日、璃奈に告白していた子だった。


新聞部「天王寺…さん…」

色葉「璃奈ちゃん、知ってる子?」

璃奈「うん…え、えっと…」

新聞部「………」


璃奈は戸惑っていた

昨日、告白してきた子だとは、さすがに言いづらいよね…

まぁ私も、偶然見てたわけだから、反応し辛いんだけど…

321: (たまごやき) 2021/10/04(月) 21:28:39.23 ID:75QUxDLE
璃奈「この人は…」

新聞部「…わ、私が、昨日、天王寺さんに告白したの///それで…///」

璃奈・浅希「!?」

色葉・今日子「ええっ!?///」

新聞部「…まぁ、私は振られちゃったんだけど…」

色葉・今日子「…」

璃奈「…」

浅希「…」


なんだか少し気まずい雰囲気になっちゃった…

けど、ここに来た目的を言わないと…

322: (たまごやき) 2021/10/04(月) 21:30:42.43 ID:75QUxDLE
浅希「…今日のスクールアイドル同好会の記事の事なんだけど」

新聞部「っ!!…」ピク

浅希「あの記事は事実無根なの!璃奈本人が否定してて…
…だから、璃奈を信じてくれるなら、記事を削除するように言ってくれないかな?」

新聞部「…」

色葉「そうだよ!謝った情報を記事にするのは、新聞部として、どうかと思う!」

今日子「聞き入れてくれないなら…生徒会にだって相談しに行くんだから!」

新聞部「うっ…!!」

浅希「……璃奈は、あの記事を見たせいで、深く傷ついたの…ショックで倒れるくらいに…」

新聞部「えっ…!?天王寺さんが…!?」

璃奈「……」

浅希「私は、これ以上、璃奈が苦しそうにしているところを、見たくない…!」

新聞部「あっ…」

璃奈「浅希ちゃん…」

浅希「だからっ、璃奈の事を思ってくれるならっ…お願いしますっ…!」スッ

新聞部「あっ…」

浅希「…お願いします!!」

324: (たまごやき) 2021/10/04(月) 21:40:47.06 ID:75QUxDLE
色葉「浅希…」

今日子「浅希ちゃん…」

浅希「……あ」


色葉と今日子には、落ち着いて、冷静にって言われてたけど…

結局、感情的に話しちゃったかも…

新聞部の人、とまどってるよね…


浅希「あ、その…」

ギュッ

浅希「え…」

璃奈「…ありがとう、浅希ちゃん」


璃奈がまた、私の手をそっと握る

けど、さっきの不安そうな顔とは違っていて、顔色が良くなってるように見えた

325: (たまごやき) 2021/10/04(月) 21:41:39.84 ID:75QUxDLE
璃奈「……あの」

新聞部「っ!!」ピクッ

璃奈「浅希ちゃんの言ったように、私と愛さんは、大の仲良しだけど、本当に恋人とかじゃないの…
それに、これ以上、愛さんのアイドル活動に迷惑をかけたくない…だから…」

新聞部「……っ!」

バッ

璃奈「えっ」

新聞部「ごめんなさい!!」


新聞部の子は突然、目の前で土下座した


新聞部「あの記事は、私が振られた悲しさで、一時的な感情だけで書いてしまったものなの!!
他の部員たちは何も関係ないの!!」

浅希・璃奈「え…!?」

色葉・今日子「ええっ!?」

新聞部「…もし、天王寺さんと愛先輩が付き合ってるんだったら、二人の交際記事を出せば別れさせることができると思って…!
それで……私……!!」

璃奈「…」

327: (たまごやき) 2021/10/04(月) 21:48:11.03 ID:75QUxDLE
浅希「…!」キッ


璃奈の過去のこともあって、愛先輩を想ってる人の犯行だと思い込んでたけど…

そうか、この子が…!!


新聞部「私は…天王寺さんのことを、深く傷つけてしまった…ごめんなさい…ごめんなさい!!」

浅希「…!」

璃奈「あ…」

新聞部「ごめんなさい…ごめんなさい…」ポロポロ

浅希「…」


……この子の、今の姿を見て、感じた

この子も私のように、璃奈のことを、強く、深く、想い続けていたんだんだ

きっと、それが、悪い方向に暴走してしまったんだ

329: (たまごやき) 2021/10/04(月) 21:58:57.70 ID:75QUxDLE
………あのフェスの日、私は、璃奈が家に来てくれたおかげで、色葉と今日子が話を聞いてくれたおかげで、立ち直ることができた

もしかしたら、私も、この子のように暴走してしまったら…

同じことをしてしまった可能性も、あるのかな…?

…だとしたら、今の私にできることは…


浅希「………私もね、思い込みが激しいところがあって、よく周りが見えなっちゃうんだ」

新聞部「…!」

浅希「でも、そういう時に、友達が怒ってくれたり、私を正しい方向に導いてくれてるおかげで、今の私があるの」


そう、私には、色葉と今日子と、そして璃奈がいたから


浅希「…だから、あなたが、また何か、悩んでることがあったら、一人で抱え込まないで?」スッ

新聞部「…」

浅希「また辛いことがあったらさ、私が一番に聞いてあげるから」ニコッ

新聞部「あっ…」

璃奈「…浅希ちゃん」

色葉・今日子「…」フフッ

新聞部「……うん……ありがとう」ポロポロ

330: (たまごやき) 2021/10/04(月) 22:00:50.73 ID:75QUxDLE
ガラガラ

愛「失礼しまーす!…ってあれ?」

浅希「え?」

色葉「愛先輩!?」

璃奈「…愛さん!?」

愛「色葉っち達に…りなりー!?みんな何でここに!?」

璃奈「えっと…新聞部の記事を、取り消してもらおうと思って…それでみんなで…」

愛「…おー!そっか!えらいぞりなりー!」ヨシヨシ

璃奈「あ、愛さん…」アセアセ

浅希「…」モヤッ

今日子「浅希ちゃん、どーどー」

色葉「落ち着け、浅希」

浅希「な、何よ!落ち着いてるよ!?」

332: (たまごやき) 2021/10/04(月) 22:02:56.83 ID:75QUxDLE
・・・

どうやら愛先輩も、私たちのように新聞部の記事の件について釈明に来たんだそうだ

私たちの思いも伝わって、記事の削除と、謝罪の記事を投稿してもらった


新聞部「今回の事は、本当にごめんね、天王寺さん…」

璃奈「もう、いいよ、璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

新聞部「愛先輩も…この度は本当に申し訳ないことを…」

愛「アタシもいいよ!…りなりーも許してるなら、アタシも許す!」

新聞部「…ありがとうございます」

愛「…でもさ、もし、今日みたいな誤解じゃなくって、本当に、りなりーが誰かに恋した時は…」

新聞部「え…?」

愛「煽るような記事を書くんじゃなくて、りなりーのこと、応援してくれないかな?」

新聞部「…!!」

浅希「…!」

璃奈「あ…愛さん、何言って…!!///」

333: (たまごやき) 2021/10/04(月) 22:10:26.14 ID:75QUxDLE
え…?

愛先輩…それって、どういう…


愛「あー、ほら、アタシやりなりーも高校生なんだし、本当に誰かと付き合ったりするのは、そう遠い話じゃないと思うんだよね」

色葉「それは…」

今日子「そうかもね♪」

璃奈「…///」

愛「確かにアイドルは恋愛禁止!ってかすかすなら言いそうだけど…でもさ、本人の幸せを、一番に尊重してほしいって、思ってるんだ」

新聞部「…」

愛「君の立場からしたら、凄く無理なこと言ってるかもしれないけどさ…どうかお願いっ!!…この通り!!」スッ

浅希「…」

新聞部「……はい、今回の罪滅ぼしも兼ねて…今後そういった記事は一切書かないと誓います!」

愛「…良かった!!ありがとー!!」ナデナデ

新聞部「…あっ///い、いえ…///」キュン


…そうだよね

今は、璃奈と愛先輩が付き合ってなくて、内心ホッとしてたけど

アイドルとはいえ、スクールアイドル…璃奈も、私達と同じ高校生なんだ

いつ、恋をして、誰と付き合うようになるか、わからない

もし、その時がきたら、前みたいに、嫉妬するんじゃなく、

璃奈の幸せを考えて、応援したい

………そう思いたい

355: (たまごやき) 2021/10/12(火) 01:40:01.01 ID:CGv86Fp5
【数日後】

あれから数日経った

さすがに新聞部に記事を訂正してもらってすぐに噂は風化しなかった

だけど、スクールアイドル同好会の評判が悪くなったわけではなく…


今日子「ほらほら見て!最近、璃奈ちゃんと愛先輩の人気が上がったらしいよ!」

色葉「どれどれ…『りなあい尊い』『りなあい助かる』『もっとりなあいが見たい』」

浅希「…これって」

色葉「……なるほど、あの記事、ファンのみんなは好意的に受け止めてるわけだ」

今日子「そうなんだよ~!どうなることかと思ったけど、結果的に良かったんじゃないかな!」ニコッ

浅希「…」

色葉「ちょっと今日子!」

今日子「あ…!…ご、ごめん、浅希ちゃん…」オドオド

浅希「ううん、同好会に悪い印象がつかなかったのなら、良かったよ」ニコッ


そう、今日子の言う通り、璃奈と愛先輩の人気は、噂のおかげでむしろ上がったそうだ

私としては、ちょっと複雑だけど…悪い評判が広がったりはしなくて、本当に良かったと思ってる

でも、あの時、愛先輩が言ったように、璃奈は、きっと近いうちに…

356: (たまごやき) 2021/10/12(火) 01:40:39.50 ID:CGv86Fp5
ガラガラ

愛「ちーっす!」

色葉「えっ!?愛先輩っ!?」

浅希「…こんにちは」

今日子「あ、璃奈ちゃんなら今、職員室に…」

愛「あー、違う違う、アサッギーに用があってね!」ニコッ

色葉・今日子「…え!?」

浅希「わ、私…!?」

357: (たまごやき) 2021/10/12(火) 01:43:55.36 ID:CGv86Fp5
愛「ごめんね、急に呼び出して…」

浅希「い、いえ…」

愛「なんか懐かしいね、こうやって話すの」

浅希「そうですね…」


愛先輩と二人きりで話すのは…夏休みの時以来かな…

うう…璃奈といるときとは、なんだか別の意味で緊張しちゃうな…


愛「あの時、アサッギーにはいろいろ話しちゃったよね…」

浅希「え?」

愛「あー…思い出したらちょっと恥ずいなぁ…」エヘヘ

浅希「あの…ひとついいですか?」

愛「んー?」

浅希「その…アサッギーというのは…」

愛「あ、さっき思いついたあだ名だよ?可愛いっしょ?」ニカッ

浅希「あ、はい…」


か、可愛いのかな…?アサッギーって…

358: (たまごやき) 2021/10/12(火) 01:47:09.17 ID:CGv86Fp5
そういえば愛先輩って、璃奈の事も『りなりー』ってあだ名で呼んでるなぁ

その呼び方が特別感あって、すごくモヤモヤしたこともあったけど…

今考えたら、誰にでも、そうやってあだ名をつけて、親しくなろうとしてくれるだけなのかも…


愛「まず、こないだの新聞部のこと、ほんとありがとね!アタシもりなりーも助かったよ」

浅希「いえ!あれは、私だけじゃなく、色葉や今日子も…」

愛「うんうん!三人には感謝だよ!全くりなりー羨ましいなぁ!クラスにこんな良い親友がいて、愛さん羨ましい!」

浅希「そんな…」テレテレ


愛先輩、いつも通り、明るい雰囲気だな…

深刻な話かと思ってつい身構えちゃったけど…考えすぎだったかな?


愛「その、りなりーから聞いてるかな?」

浅希「え?」

愛「アイドルになる前にも、アタシとりなりーが噂になった時の事…」


そう思ってると、途端に、愛先輩が真剣な表情になった

359: (たまごやき) 2021/10/12(火) 01:48:25.86 ID:CGv86Fp5
浅希「はい…新聞部の一件の時、私達3人とも聞きました…」

愛「そっか…、あはは、なんかまたまた恥ずいなぁ…」エヘヘ

浅希「…」

愛「前さ、アタシとりなりーのこと、特別、仲が良く見えるって言ってたじゃん?」

浅希「は、はい…」

愛「もしかしてアサッギーも…アタシたちが、そういう関係に見えたことあるの?」ジッ

浅希「…っ!?」


愛先輩が私の事を不安そうにじっと見つめる

360: (たまごやき) 2021/10/12(火) 01:57:03.11 ID:CGv86Fp5
愛先輩…?

どうして、私にそんなことを聞くんだろう…?

確かに、私は、璃奈と愛先輩が、そういう関係なんじゃないかって勘ぐったことは、何度もあるけど…

正直に、答え辛い…

でも、こんなに真剣な愛先輩に嘘はつきたくないし…

ええっと…


浅希「…そ、そうなのかな~と、思ったことは、あります」

愛「………そっか」

浅希「で、でも、それは間違いなんですよね?」

愛「うん………誤解させて、ごめんね」

浅希「いえいえ、そんな…私も勝手にそう思ってただけで…」

愛「…アサッギーが聞いてるように、愛さんがりなりーと出会ったばかりの頃は、本当にいっつも一緒にいてさ
でも、そのせいで、前にも噂が立っちゃったんだよね…」

浅希「…」

愛「でも、スクールアイドル始めてからの、今のりなりーには、愛さんだけじゃなくて、アサッギーがいる」

浅希「え?」

362: (たまごやき) 2021/10/12(火) 02:07:47.73 ID:CGv86Fp5
愛「あ……!もちろん、スクールアイドル同好会のみんなもいるし、色葉っちや、きょっぴーもいるよ!」

浅希「あ、はい…」


きょっぴー?あ、今日子の事か…


愛「それに今は、りなりーのファンも友達も、以前に比べたらたっくさんいる!
アタシだけじゃなくて、りなりーは、いろんな人と繋がろうと頑張ってるのに…!
だから、今回も同じような噂が立っちゃったことに、愛さんめっちゃ悔しいんだよね」

浅希「愛先輩…本当に、二人は、互いのことを思い合ってるんですね」

愛「当然!りなりーは親友だからね!」

浅希「そういう二人の絆が感じ取られて、噂になったのかもしれませんね」

愛「うう~、仲良く見られるのは嬉しいんだけど…そ~じゃないっていうか…」


本当に仲が良すぎて、妬けちゃいますよ

363: (たまごやき) 2021/10/12(火) 02:12:45.69 ID:CGv86Fp5
愛「あ!それともあれかな、アタシ、最近よくりなりーから相談受けて一緒にいることが多かったから…そのせいかも…」

浅希「ああ…」


そういえば、前にも夜に二人で会ってたし、フェスの事を相談してたな…

私のように、こっそり目撃してた人がいてもおかしくないよね…


愛「とにかく、ファンのみんなには、アタシ以外にもりなりーには仲の良い友達がたっくさんいるってことを知って欲しいんだよね」

浅希「なるほど…」

愛「そういうわけで、アサッギー!みんなで遊びに行こう!」

浅希「え…?」


どういうわけで!?

374: (たまごやき) 2021/10/15(金) 23:24:10.65 ID:EdusLOMB
【教室】

浅希「それで、愛先輩に誘われたんだけど…来る?」

色葉「もちろんだよっ!」グイッ

浅希「い、色葉…」

色葉「愛先輩とお出かけできるなんて夢みたいじゃん!!」キラキラ

今日子「あはは…私は、どうしようかな…」

浅希「あ!あと歩夢先輩も来るって…」

今日子「私も行くよ!浅希ちゃんっ!!」グイッ

浅希「即決!?」

色葉「それで!?いつなの!?」ソワソワ

今日子「場所は!?」ソワソワ

浅希「あわわ…二人とも落ち着いて…」

375: (たまごやき) 2021/10/15(金) 23:26:09.98 ID:EdusLOMB
【廊下】

浅希「ふふっ…二人とも嬉しそうだったな♪」


愛先輩からの提案で、私達焼き菓子同好会の3人とスクールアイドル同好会の何人かで一緒に遊びに行こうという話になった

どうやらこないだのお礼もしたいということらしいけど…

まぁ、私としても、璃奈以外のスクールアイドル同好会の方たちと仲良くなれる、いい機会だ


璃奈「浅希ちゃん」

浅希「璃奈!もう用事は済んだの?」

璃奈「うん」


あ…

そういえば、愛先輩から頼まれてたっけ

(愛「りなりーにはアサッギーから誘っといて!お願いね!」ニカッ)


浅希「璃奈、その今度のお休みね…」

376: (たまごやき) 2021/10/15(金) 23:27:59.26 ID:EdusLOMB
璃奈「みんなで一緒にお出かけ?」

浅希「うん、都合あうかな?」

璃奈「私は大丈夫、行けるよ」

浅希「良かった~!」

璃奈「また一緒に遊びに行けるなんて…楽しみだね…」モジモジ

浅希「そうだねっ!私もスクールアイドルのみなさんと一緒に遊びに行けるの、とても嬉しいよ♪」

璃奈「…」

浅希「…璃奈?」

璃奈「うん…私も嬉しいよ」

377: (たまごやき) 2021/10/15(金) 23:48:08.80 ID:EdusLOMB
浅希「…」


まあ、本当のところは、みんなで遊びに行くことよりも

また璃奈と一緒に過ごせることが、私としては、一番嬉しいんだけど…

さすがに恥ずかしくて、言えないや…


璃奈「…じゃあ私、そろそろ同好会に行くね」

浅希「…あ、私もそろそろ行かないと…色葉たちが先に行って待ってるんだ!」

璃奈「そうだったんだ…それは早く行かなきゃだね」

浅希「またみんなでクッキー焼いて持って行くからね♪」

璃奈「ありがとう…」

浅希「璃奈も、練習頑張って!」

璃奈「うん…」

浅希「じゃあ、また…」スッ

璃奈「…」

浅希「…」スタスタ


そう…今は、この関係を少しでも長く続けていきたい

璃奈が、誰かに恋をして、さらに遠い存在になってしまうまで

私は、この璃奈との特別な関係を、大事にしたい

壊したくない

ああ、やっぱり駄目だなぁ、私は

もうこれ以上、一歩も踏み出せないよ

378: (たまごやき) 2021/10/16(土) 00:03:54.31 ID:8h4DCW+K
璃奈「…」タッタッタ

浅希「…ん?璃奈…」クルッ

璃奈「…っ!」ガバッ

浅希「えっ…///」


え?え?…何が起きたの?

さっき別れたはずの璃奈が駆けてきて…?

璃奈が…私に…抱き着いて…?


浅希「り…」

璃奈「また誘ってくれて、嬉しかった」ボソッ

浅希「えっ…」

璃奈「いつもありがとう、浅希ちゃん」ギュッ

浅希「りな…」

璃奈「………じゃあっ、またっ!」ダッ

浅希「あっ…!」


私が戸惑っている内に璃奈は、凄い速さで駆けて行ってしまった…

384: (たまごやき) 2021/10/16(土) 20:52:43.59 ID:8h4DCW+K
【当日】


浅希「あっ…」

璃奈「浅希ちゃん、おはよう」

浅希「お、おはよう璃奈、早いね…」

璃奈「ううん、私も今来たところ」

浅希「そ、そっか…」

璃奈「うん…」

浅希「…」

璃奈「…」


うう~…なんか…気まずい…///

今日までずっと夜な夜な璃奈のことを考えてたから…

いつも以上に緊張しちゃう…///


璃奈「あ、浅希ちゃん…どうしたの?大丈夫…」

浅希「あっ…な、なんでもないよ…あはは…」

385: (たまごやき) 2021/10/16(土) 20:55:19.62 ID:8h4DCW+K
あっ…

璃奈の今日の服…


浅希「すごく可愛い…」

璃奈「えっ…!?」

浅希「あっ…」


って私声に出してた!?///


浅希「あ、あはは…璃奈はスクールアイドルだから、可愛くて当然だよね!?私ったら、あはは…」

璃奈「…ううん、浅希ちゃんに可愛いって言われて、嬉しい…」モジッ

浅希「あっ…///…そ、それなら良かった!あはは…」ドキッ


あああ…いつも通り、私は璃奈の虜だよ…///

こないだ抱き着いてきたのもだけど、璃奈は無自覚に私をドキドキさせてくる…

も、もう…私の気持ちも知らないで…

私は、璃奈の事を諦めないといけないのに…

386: (たまごやき) 2021/10/16(土) 21:06:57.51 ID:8h4DCW+K
色葉「浅希!璃奈ちゃん!」

今日子「お待たせ~!二人とも早いねぇ」

浅希「おっ、おはよう!色葉、今日子!」

璃奈「璃奈ちゃんボード『おはよう』」


そっ、そうだ…

今日は二人っきりじゃなくて、他のみんなも来るんだし…

デレデレしてないで、もっとしっかりしないと…


愛「ういっすー!」

色葉「愛先輩っ!おはようございますっ!!」キラキラ

歩夢「みんな、おはよう!」

今日子「歩夢ちゃんっ!!楽しみにしてましたっ!!」キラキラ

侑「待たせちゃってごめんねー!」

今日子「あ!侑先輩も来ていただいたんですね…」

侑「うん、私はアイドルじゃないからガッカリしたかもしれないけど…」

今日子「い、いえ…!そんなことは…!」

侑「私も、こないだの愛ちゃんと璃奈ちゃんのこと、お礼したくて」

愛「だから今日は愛さん達2年生の奢りだよ~!」

色葉「ええっ!?いいんですか!?ありがとうございますっ!」


スクールアイドル同好会の先輩たちも来て、賑やかになってきた

そうだ…いつまでもドギマギしてないで、今日は思いっきり楽しまないとね…!


璃奈「…///」ジッ

388: (たまごやき) 2021/10/16(土) 22:04:23.44 ID:8h4DCW+K
・・・

【ラウンドワン_ボウリング場】

ガコーン!

愛「おっしゃー!」

色葉「すごいです愛先輩!またストライクだなんて!」

愛「うっしっし!もっと褒めていいよ~!」

歩夢「愛ちゃん上手いな~!全然敵わないよ~!」

今日子「いえいえ!歩夢ちゃんもコツコツと点を重ねていってるので高得点です!まだ全然追いつけます!」

歩夢「あはは…ありがとう、今日子ちゃん」

侑「コツコツ頑張ってる歩夢も可愛いよ」サラッ

歩夢「も、もう~///」

今日子「…」グヌヌ


ふふっ、色葉も今日子も凄く楽しそうで良かった

カラオケに、ビリヤードに、ボウリングと

久々にこうやってみんなでわいわい遊べて、私も楽しいな

そして、何より…


璃奈「次こそは私もストライクを取る…!」グッ

浅希「頑張って、璃奈♪」

璃奈「うん…!」


璃奈と一緒に遊べることが、やっぱり幸せだなぁ…

可愛いな…璃奈…

またうっかり声を漏らしそうだよ…

395: (たまごやき) 2021/10/19(火) 00:49:44.93 ID:CKSk0ldW
・・・


璃奈「はしゃぎすぎた…」グテー

浅希「あはは…みんな体力凄いよね…」グテー


たくさん遊んで疲れたので、私と璃奈は人気(ひとけ)のない静かなベンチで休んでいる

まだまだ元気な色葉たち、先輩たちは、スポッチャへ行ってしまった


璃奈「えへへ…またこうやって一緒に遊べるのが、嬉しくって…つい浮かれちゃった」

浅希「うん、私もだよ」


本当に嬉しいんだ

璃奈とまたこうして、笑い合えることが

ずっと、璃奈とこうして過ごしていたい…

璃奈に恋人なんて、できなければいいのに…

…っていかんいかん…今日は目一杯楽しむって決めたんだ


浅希「あ!私、飲み物買ってくるねっ!璃奈は何がいい?」

璃奈「えっ…そんな、悪いよ…」

浅希「いいからいいから!」ニコッ

璃奈「ありがとう…じゃあ、コーラを…」

浅希「わかった♪行ってくるね」

396: (たまごやき) 2021/10/19(火) 00:53:34.95 ID:CKSk0ldW
浅希「…」スタスタ


う~、コーラ売ってなかった…

璃奈、ガッカリしないかな…

メロンソーダでも許してくれるよね…同じ炭酸飲料だし!

早く璃奈のもとへ戻らなきゃ……


浅希「……え?」


璃奈が、誰かといる…?


ギャル「…天王寺、やっぱりお前、愛と付き合ってんだろ」ギロッ

璃奈「だから…違う…!」プルプル


う…嘘…!?

璃奈が不良に絡まれて…

ど、ど、どうしよう…こういう時、頼りになりそうなのは…

そ、そうだ!愛先輩を呼んで…


浅希「……!!」ハッ


(璃奈「愛さんに迷惑は、かけたくない…!」)


……ダメだ!

あの不良は、多分、璃奈と愛先輩の噂を知ってる…

ここで愛先輩に助けを求めて、揉めるようなことがあれば、今度こそ悪い噂が広がってしまうかもしれない…

そうしたら、絶対に璃奈は悲しむことに…

……それにあの時、誓ったじゃないか…!

私が璃奈の事を守るんだって!

私が行かなくてどうする!!

398: (たまごやき) 2021/10/19(火) 01:01:01.15 ID:CKSk0ldW
ギャル「お前のせいでアタシはっ!!」

璃奈「…っ!!」ビクッ

浅希「あの」ガシッ

ギャル「あん?」

浅希「やめてください…」

ギャル「何だアンタ…」ギロッ

璃奈「あ、浅希ちゃん…」

浅希「…わ、私の友達に何か用ですか?」

ギャル「アンタには関係ねぇ…アタシは愛をたぶらかしてる天王寺に用があるだけだ」

浅希「………璃奈は、そんなことしません」

ギャル「!?」

浅希「…愛先輩と璃奈は、とても絆の深い、親友なんです!むしろ関係ないのは、あなたですっ!!帰ってくださいっ!!」

ギャル「なんですって!?」ガバッ

浅希「…うっ」


逆上した不良に私は思いっきり掴まれた

399: (たまごやき) 2021/10/19(火) 01:05:45.20 ID:CKSk0ldW
璃奈「やめて!!」ガバッ

ギャル「うるさい!!」ブンッ

璃奈「あっ…」

浅希「…!!」


不良の拳が璃奈に向かって…!

ダメ…!!

璃奈を…守らないと…!!


ドスッ


浅希「うっ…」


私は璃奈を庇って、思いっきり殴られた


璃奈「浅希ちゃんっ!!」


痛い…

でも、倒れちゃだめだ…!

私が、璃奈を、守るんだ…!


浅希「もう…帰ってくださいっ…!!」

ギャル「うるさい!!どけっ!!」

浅希「どきません!!」

ギャル「関係ない奴がしゃしゃんないでよ!!」ブンッ

璃奈「もうやめてぇ!!」

400: (たまごやき) 2021/10/19(火) 01:08:42.61 ID:CKSk0ldW
ガシッ


その時、私に襲い掛かる不良の手を誰かが止めた


ギャル「!?」

愛「…」

浅希「あ…愛先輩…?」

璃奈「愛さん…?」

ギャル「!!…あっ…愛…!?」

愛「…お前か?」

ギャル「え…」

愛「アサッギーを傷つけたのは、お前かって聞いてんだよ」

ギャル「…そ、それは…」ビクビク


初めて見た…

こんなに怒ってる愛先輩は…


愛「りなりーにも、アサッギーにも、もう二度と関わるな!!」

ギャル「うっ…」ウルッ


ダッ


愛先輩に怒鳴られると、不良は逃げるように去っていった

401: (たまごやき) 2021/10/19(火) 01:15:23.57 ID:CKSk0ldW
浅希「…よ、良かった…」ヘナヘナ

璃奈「浅希ちゃん!」ギュッ


気が抜けて倒れそうなところを、璃奈に抱きかかえられた


浅希「り、璃奈…!大丈夫?怪我はない?」

璃奈「私は何とも…それより浅希ちゃん…顔が…」スッ

浅希「あー、大丈夫大丈夫」

璃奈「……ごめん…ごめんね…私のせいで、浅希ちゃんが…」ウルウル

浅希「そ、そんな、私が変に挑発したせいだし…」


あの璃奈が、涙を見せるなんて…

それだけ怖い思いをさせちゃったってことかな…


愛「…」スタスタ

浅希「あ、愛先輩、その、さっきは、ありがとうございまし…」

愛「…」ギュッ

浅希「あっ…」


愛先輩は無言で璃奈ごと私を抱きしめた


愛「ごめんね、アサッギー、りなりー…愛さんのことで、巻き込んで…」

璃奈「愛さん…」

浅希「愛先輩…私…私…」

愛「怖かったね…」ナデナデ

浅希「…うっ」ジワッ


私は感情が抑えられなくなり

愛先輩の胸でわんわん泣いた…

407: (たまごやき) 2021/10/19(火) 23:28:10.36 ID:CKSk0ldW
・・・

愛「落ち着いた?」

璃奈「……うん」

浅希「あ、あの、すみませんでした…お恥ずかしいところを…」

愛「恥ずかしくないよー」


先輩の前でこんなに泣いたこともだけど…

何より璃奈の前で泣いちゃったことが一番恥ずかしい…///

全く、情けないなぁ…もう……

…それはそうと、気になっていることがある


浅希「愛先輩…その……あの人って…やっぱり…」

璃奈「………」チラッ

愛「………うん、そうだよ」

浅希「……!」


や、やっぱり…!

前に愛先輩にラブレターを出したっていう、虹ヶ咲の3年の先輩…


浅希「もし、また学校で会うようなことがあれば…璃奈が…」

愛「ううん、あの人はもう転校して、別の学校の生徒だよ?」

浅希「え…?」

愛「あの時も、転校前に話したいってことで手紙を貰ったんだ……」

浅希「そうだったんですか…」ホッ

愛「前は、あんな人じゃなかったんだけどな…」


そういった愛先輩の顔は、少し寂しそうに見えた


色葉「あ!いたいた!愛先輩!」

今日子「璃奈ちゃん、浅希ちゃん……え!?」

浅希「あっ…」

408: (たまごやき) 2021/10/19(火) 23:36:12.29 ID:CKSk0ldW
・・・


色葉「酷い……」ギリッ

今日子「あんまりだよ、こんなの!」ジワァ

浅希「きょ、今日子…」オロオロ

今日子「だって…女の子の顔に…こんな…」ウルウル

色葉「許せない…」プルプル

浅希「色葉…」

歩夢「……警察を呼ぼう!」

浅希「えっ…」ゾッ


警察という言葉に少し背筋が凍った


侑「そうだね…!こんな酷いことされたんだし、学校にも連絡を…」

浅希「い、いいですよ!あまり大事(おおごと)にしない方がいいですし…」

歩夢「でもっ…!!」


これ以上、何かの影響で璃奈と愛先輩の噂が広がることになったら大変だしね…

それに…


浅希「璃奈に怪我がなかっただけで、私は十分ですから…」ニコッ

璃奈「…ぁ」

愛「アサッギー…」

409: (たまごやき) 2021/10/19(火) 23:43:41.48 ID:CKSk0ldW
浅希「色葉も今日子も、心配してくれて、ありがとね」

色葉「………バカ」ギュッ

浅希「えっ…?」

今日子「……そうだよ、浅希ちゃんのアホ」ギュッ

浅希「二人とも…」

色葉「浅希のくせにカッコつけすぎなんだよ…マヌケ」

今日子「ほんと、すぐ周りが見えなくなるんだから、おたんこなす」

浅希「あはは…酷いな、二人とも」

色葉「…」ギュッ

今日子「…」ギュッ

浅希「………心配かけて、ごめんね、二人とも」

410: (たまごやき) 2021/10/19(火) 23:45:43.86 ID:CKSk0ldW
>>409
すみません訂正します

浅希「色葉も今日子も、心配してくれて、ありがとね」

色葉「………バカ」ギュッ

浅希「えっ…?」

今日子「……そうだよ、浅希ちゃんのアホ」ギュッ

浅希「二人とも…」

色葉「浅希のくせにカッコつけすぎなんだよ…マヌケ」

今日子「ほんと、すぐ周りが見えなくなるんだから、おたんこなす」

浅希「あはは…酷いな」

色葉「…」ギュッ

今日子「…」ギュッ

浅希「………心配かけて、ごめんね」

411: (たまごやき) 2021/10/19(火) 23:49:00.95 ID:CKSk0ldW
・・・


浅希「ごめん…私のせいで、せっかくみんなで遊びに来たのに…解散することになって…」

色葉「浅希は何も悪くないんだから、謝らないの!」

今日子「十分遊んだから、私は満足だよ?」

愛「それに、早くアサッギーの手当てもしなきゃだからね!」

歩夢「そうだよ!女の子の顔は大事なんだから!」

侑「浅希ちゃんの顔もアイドルみたいに可愛いよ」

歩夢「は?」

愛「じゃあとりあえず、アサッギーはアタシと…」

璃奈「……ぁ」

愛「ん?どしたん、りなりー?」

璃奈「え、えっと…」メソラシ

愛「…………ああー」ニヤッ

浅希「愛先輩?」

愛「アサッギーの手当てはりなりーに任せよっかな!」

璃奈「え……」

412: (たまごやき) 2021/10/19(火) 23:58:29.16 ID:CKSk0ldW
璃奈が…私の…手当てって…///

ポワワーン

(璃奈『浅希ちゃん…///』ナースコス)


って…何、変な想像をしてるの私!!


愛「えっと…ほら!またあの人がこの辺をうろついてると危険だし…りなりーも誰かと一緒の方がいいでしょ?」

浅希「た、確かにそうですけど…」

色葉「うんっ!浅希も璃奈ちゃんも一人にしない方が安全だね」

今日子「じゃあ、浅希ちゃんのこと、よろしくね!璃奈ちゃん!」ニコッ

璃奈「う、うん…」

愛「じゃあそういうことで!」ポンッ

浅希「あ…」


そして、愛先輩は私に耳元で囁く


愛「りなりーのこと、お願いね、アサッギー」ニカッ

浅希「…え?」

421: (たまごやき) 2021/10/21(木) 21:27:11.71 ID:UlA8czPB
・・・


色葉たち、先輩たちと別れて、私は、璃奈と二人きりになった


璃奈「…」ギュッ

浅希「…あ」


璃奈が無言で私の手を握ってくる

きっと、さっきの怖い思いが消えていないんだね


(愛「りなりーのこと、お願いね、アサッギー」)


多分、愛先輩は璃奈の心の傷がまだ癒えてないことを知ってて…

だったら璃奈にも元気になってもらわないと…!


浅希「璃奈、心配しなくても、もう大丈夫だよ」ニコッ

璃奈「え…」

浅希「あの人も、もう私達の所には来ないって!」

璃奈「………うん」

浅希「……」


璃奈、やっぱりまだ怖いのかな…

422: (たまごやき) 2021/10/21(木) 21:34:11.45 ID:UlA8czPB
【璃奈宅】


璃奈「これで…大丈夫?」ペタペタ

浅希「あっ…うん…大丈夫///」


璃奈に手当して貰ってる時、すごく顔が近かったから、けっこう意識しちゃった…

間近で見たら、より可愛いくて、もっと近づきたくなる…///

って、また変なこと考えちゃダメダメ!


浅希「あ、ありがとう、璃奈///」

璃奈「ううん、お礼を言うのは、私の方だよ…
今日は助けてくれて、ありがとう」

浅希「えっ!?いやいや、私は何もできなくて……結局、助けてくれたのは愛先輩だし…」

璃奈「ううん、浅希ちゃんは、私の事を守ってくれたから」

浅希「…璃奈」

璃奈「…新聞部の時も、今日の事も、浅希ちゃんは、いつも私の事を守ってくれるね」

浅希「……そんな///」テレテレ


璃奈にそう言ってもらえるのが、嬉しくて、誇らしくて、ちょっとにやける

私も、少しは璃奈の役に立てたのかな…///

423: (たまごやき) 2021/10/21(木) 21:42:17.34 ID:UlA8czPB
璃奈「でも、すごく怖かった…」

浅希「!!…そ、それは仕方ないよ、あんな怖い目にあったんだもの…」


やっぱり、璃奈は、まだ…


璃奈「……違うの」

浅希「え…?」

璃奈「私のことじゃない……私のせいで、浅希ちゃんを傷つけちゃったことが、一番怖かった…」

浅希「…!」

璃奈「愛さんだけじゃなくて、浅希ちゃんまであんなことに巻き込まれることになるなんて、思ってなくてっ…」ジワッ

浅希「璃奈…?私は、全然平気だよ?」

璃奈「私のせいで、浅希ちゃんをこれ以上、傷つけたくない…だから、もう…」ギュッ

浅希「…っ!」

璃奈「もう、あんな無茶はしないで…!」

浅希「あ…」


(色葉「浅希のくせにカッコつけすぎなんだよ…マヌケ」)

(今日子「ほんと、すぐ周りが見えなくなるんだから、おたんこなす」)


璃奈「浅希ちゃんっ…」ギュッ


璃奈のためなら、いくらでも傷ついてもいいと思ってたけど

璃奈は、自分じゃなくて、周りが傷つくことが、怖かったんだ

璃奈はいつだって、みんなのことを想ってくれてるのに…

…私は、何もわかってなかった

434: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:18:13.78 ID:F/Pj21ZC
ギュッ

璃奈「あ…」


怯えている璃奈を、私は優しく抱き返した


浅希「璃奈、私の心配をしてくれてたんだね…ありがとう」ナデナデ

璃奈「だって……」

浅希「心配かけて、ごめんね」

璃奈「………うん」ギュッ

浅希「私は、よく周りが見えなくなっちゃうから」

璃奈「ほんとだよ…」

浅希「ごめん…でも…」


でも…私は…


浅希「璃奈のためだったら、これからもまた無茶しちゃうかも」

璃奈「………どうして」

浅希「ん?」

璃奈「どうして浅希ちゃんは、そこまで…私のために…」

浅希「……」


そんなの…当たり前だよ、だって私は…


浅希「璃奈の事が、好きだからだよ」

435: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:20:27.22 ID:F/Pj21ZC
璃奈「え…///」


今の璃奈を前にして、私は、もう気持ちが抑えられなかった


浅希「愛先輩の言っていたように、璃奈がこの先、誰かと恋をして、誰かと一緒になる日が来るのは、わかってる」

璃奈「…!そ、それは…」

浅希「それでも私は、諦められなかった…!璃奈と離れたくなかった…!」

浅希「……!」

浅希「私はいつだって、璃奈のそばにいたい、璃奈を守り続けたい」

璃奈「浅希ちゃん…」

浅希「これからもずっと、一緒にいさせてほしいの!」


私は、照れたり、ごまかしたりせず、

璃奈から目を逸らさずに、見つめ続けた


璃奈「………」


璃奈も、私から目を背けないでいてくれている

436: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:21:26.88 ID:F/Pj21ZC
璃奈「…」スッ

浅希「っ…!」


途端に璃奈の顔が近づいてきたので、私は思わず目を閉じてしまった


璃奈「ん…」チュッ


そして、唇に、柔らかいものが、触れた


浅希「……ん…」


一瞬、時が止まったようだった


璃奈「………私も、同じ気持ちだよ」

浅希「………璃奈///」

璃奈「浅希ちゃんと、ずっと一緒にいたい」ニコッ

浅希「…あっ///」


その時、初めて見た璃奈の笑顔を

私は一生忘れないと思う


璃奈「浅希ちゃん、大好き」



・・・

438: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:27:04.33 ID:F/Pj21ZC
・・・


色葉「そ、それじゃあ…!」パアァ

浅希「うん、私達…」モジモジ

璃奈「お付き合いを…始めました」モジモジ

今日子「…おめでとうっ!!浅希ちゃん!璃奈ちゃん!!」ギュッ

浅希「わわっ…今日子…!」

璃奈「あ、ありがとう…」


次の日、学校で色葉と今日子にだけ、すぐに私たちのことを報告した

私自身、夢みたいなフワフワした気持ちで、まだ全然実感ないんだけどね…


色葉「いやー!私たちからしたらやっとかーって感じだよ」

今日子「ほんとほんと!」

浅希「え…?」

色葉「まぁ、どう見ても両想いだったし」

今日子「ねー?」

璃奈「…ちょ、ちょっと///」


え…え…?

私の気持ちがバレてたのは、なんとなくわかってたけど…

も、もしかして、璃奈も…前から私を…!?

いや、そんなまさか…///

439: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:30:49.84 ID:F/Pj21ZC
璃奈「と、とりあえず、二人には、これまでと変わらずに接してほしいというか…」

浅希「今まで通り、あまり気にせずに、仲良くしてほしいです…」

色葉「えー、これからは二人でもっとイチャイチャしなよ」ニヤニヤ

今日子「そうそう!せっかく恋人同士になれたんだし♪」ニヤニヤ

璃奈「や、やめてよ///」

浅希「そうだよっ…///それに…」

色葉「ん?」

浅希「私にとっても、色葉と今日子と過ごす時間だって、特別なんだから…」

色葉「…!!…全く、浅希の癖に生意気だぞ」ゴシゴシ

浅希「あ、あはは…」

璃奈「うん!私も、色葉ちゃんと今日子ちゃんの事も、好き!璃奈ちゃんボード『はぁと』」

今日子「浅希ちゃん…璃奈ちゃん…」ウルッ

440: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:42:35.62 ID:F/Pj21ZC
色葉「それはそうと…璃奈ちゃんは、これからどうするの?」

璃奈「えっ…」

今日子「恋人ができたこと、私達以外には、当然知られない方がいいよね?
ほら、新聞部の件や、昨日の揉め事もあったばっかりだし…」

浅希「それは…」


確かに、最近噂になったばかりなのに、また熱愛報道なんて出たら

璃奈たち同好会に影響が出るかも…


璃奈「私は、正直に話した方がいいのかな…と思ってる」

浅希「!!…で、でも」アセアセ

璃奈「だって、ファンに嘘は、吐きたくないし…」

色葉「…まぁ、璃奈ちゃんの気持ちもわかるけど」

今日子「プライベートを全部話す必要は、ないと思うよ?」

璃奈「え…?」

色葉「璃奈ちゃんはアイドルだとしても、スクールアイドルだしさ…」

今日子「プロのアイドルとかだと失格なのかもしれないけど、
別に恋しちゃいけない契約とか無いんだし、あまり深く考えなくてもいいんじゃない?」

璃奈「………そうだね、わかった」

浅希「…」


確かに二人の言う通りだ…

璃奈はスクールアイドルなのに、最近いろいろあったせいか、本当のアイドルのように考えすぎなところ、あったかも…

441: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:44:13.92 ID:F/Pj21ZC
色葉「じゃあこれは、私達4人だけの秘密だね…」

今日子「うん!このことは誰にも言わないから安心して!」

浅希「あ、ありがとう……でも」

色葉・今日子「ん?」

浅希「このことを報告したい人が、もう一人だけいるんだ…」

璃奈「……私も」

色葉「……それって」

浅希「うん……」


私は、その人に交際を認められないと

璃奈とは付き合えない…そう思っている

443: (たまごやき) 2021/10/25(月) 00:51:36.16 ID:F/Pj21ZC
・・・


愛「やっほー!来たよ、アサッギー」

浅希「愛先輩!…来ていただいて、ありがとうございます」

璃奈「………」

愛「あ!りなりーも、アサッギーに呼ばれたんだ」

璃奈「う、うん…」

愛「そうだアサッギー、怪我はどう?」

浅希「はい!もう全然平気ですよ」

愛「そっかー!良かった…」ホッ

浅希「…そんなことより、今日は、愛先輩に、大事な話があるんです」

愛「んー?どうしたの?」


…やっぱり、愛先輩と話すのは、まだ緊張する

445: (たまごやき) 2021/10/25(月) 01:13:50.03 ID:F/Pj21ZC
浅希「愛先輩、昨日は改めて、助けていただいたこと、ありがとうございました」

愛「いいって!むしろ巻き込んじゃったのは愛さんだし…」

浅希「…私は、璃奈の事を守ることができなくて、そのことが情けなくて…悔しくて…」

愛「アサッギー…」

浅希「でもこれからは、守られてるだけの弱いままの私じゃなくて
璃奈の事を守っていけるように、強くなると誓います!!
…だって私は、璃奈の事が、大好きだから!!」

愛「…!!」

璃奈「浅希ちゃん…///」

浅希「だから愛先輩……いや、愛さん!!」

愛「え…?」

浅希「愛さんが今まで大事に守り続けてきた璃奈を…私にください!!」スッ

愛「………」

浅希「………」


い、言ってしまった…

446: (たまごやき) 2021/10/25(月) 01:14:27.10 ID:F/Pj21ZC
愛「…ぷっ」ククク…

浅希「え?」

愛「ぷくく……あっはっはっはっは!!」

浅希「あ、愛さん…?私は真剣に…」アセアセ

愛「だ、だって…まるで両親への結婚の挨拶じゃん…ぷぷぷ…あっはっはっはっは!!」

璃奈「あ、愛さん…///」

浅希「…///」プシュー


愛さんの笑いは、しばらく止まらなかった…

私もなんか、急に恥ずかしくなってきた…

448: (たまごやき) 2021/10/25(月) 01:27:22.37 ID:F/Pj21ZC
・・・

愛「…ご、ごめんごめん、アサッギー…あまりにも面白くてつい…」

浅希「いえ…冷静に考えてみたら変でした…」ズーン


相変わらず、私の暴走しやすいところは治らないままかも…


愛「それはそうと、二人はやっと付き合うことになったんだね!いやー、おめでとう!」ニカッ

浅希「え…?」


やっとって……!?


璃奈「えっと…愛さん、本当にいろいろありがとう」

愛「まぁ、いいってことよ!…てかさー」

璃奈「え…?」

愛「りなりーから告ったんだよね…?」ボソッ

璃奈「え、えっと…あ、浅希ちゃんから…」

愛「………りなりーのヘタレ」

璃奈「うっ…」ズキッ

浅希「え、えーっと…」アセアセ

璃奈「あっ…!!な…なんでもないからっ!!///」


やっぱり、璃奈も私の事を想ってくれてたんだ…///

まさか愛さんは、そのことを知って…!?

449: (たまごやき) 2021/10/25(月) 01:29:15.25 ID:F/Pj21ZC
愛「あはは、実はアタシは最初から、りなりーとアサッギーのこと応援してたんだ」

浅希「そ…そうだったんですか…」ヘナヘナ


一気に緊張が解けて、肩の力が抜けた


愛「噂の事とか、いろいろとアサッギーには申し訳なくってさ…
だから、やっとりなりーの恋が実って、愛さんもほっとしたよ」ニカッ

ナデナデ

浅希「あっ…」

愛「アサッギーは、もう十分、りなりーのこと守っていけるくらい、強い子だと思うよ」

浅希「愛さん…」

愛「りなりーのこと、これからよろしく頼んだよ、アサッギー」

浅希「……はい!」

450: (たまごやき) 2021/10/25(月) 02:22:04.30 ID:F/Pj21ZC
・・・・・・


浅希「…璃奈も、私のこと、好きでいてくれてたんだね」

璃奈「……ずっと、好きだったよ」

浅希「え……?」

璃奈「スクールアイドルになる前から、浅希ちゃんと友達になる前から、愛さんと出会う前から、ずっと、ずっと…」

浅希「それって…」

璃奈「入学式の日…同じクラスになった、浅希ちゃんの事を、ずっと見つめていた」

浅希「!!」

璃奈「一目惚れで、初恋だった…だから、浅希ちゃんと今の関係に慣れてることが、夢のようなんだ」

浅希「……!!」

璃奈「だから、嬉しすぎて、まだ実感ないや…えへへ…」

浅希「……そっか」

璃奈「浅希ちゃん…?」

浅希「何もかも、同じだったんだ」

璃奈「え…?」


あの時から、私はもう…


浅希「私もね、入学式のあの日…初めて璃奈を見た日からずっと、好きだったよ」

璃奈「えっ…///」

浅希「私も遠くから、璃奈を見ているだけだった…でも」

ギュッ

璃奈「あっ…///」

浅希「これからは、ずっと隣にいるからね」

璃奈「……うん」ニコッ


おしまい

453: (たまごやき) 2021/10/25(月) 02:38:32.39 ID:F/Pj21ZC
マイペースで書いていましたが、ここで完結とします。

二ヶ月の長い間、読んでいただいた方、コメントを頂いた方、保守していただいた方には感謝しかないです。
ありがとうございました。

過去にも短編SSはいくつか書いたことがあるので、読んでいただけると嬉しいです。

■あさりな
・色葉「結局、浅希って誰推しなの?」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1613288752/

・璃奈「浅希ちゃん、すき」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1613997802/

・かすみ「りな子の友達をかすみんのファンにする!」浅希「私!?」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1620308698/

・浅希「璃奈にゲームで勝ちたい!」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1625404955/

■その他
・【SS】歩夢「0時…侑ちゃんから電話来るかな?」せつ菜「お誕生日おめでとうございます!歩夢さん!!」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1614593406/

・かすみ「スクールアイドルは恋愛禁止です!」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1624544369/

・せつ菜「イヤホンが壊れました!」.
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1631974221/

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1628671329/

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