【SS】にこに甘えるりんぱな

2人にとって先輩の中でも絡みやすいのがにこちゃん
必然的に一緒にいる時間が多くなる

そして自分に懐く後輩を持てて嬉しいにこにー
妹のように可愛がる


にこりんぱなは神
でもそれが見れるのは１年間だけ

いずれやってくる卒業式
　

卒業式が近づいても普通に接するりんぱな


のぞえりの2人が遠くに行ってしまうのはわかってはいるが、にこが卒業してしまうという実感はイマイチない

真姫ちゃんに諭され現実を受け止め始める2人



卒業式の当日は2年生から胸にコサージュをつけられる3年生の中に、にこの姿を見つける。
　

のぞにこまきりんぱな とかいう家族
　

上手く声を掛けられない2人に気づいたにこが手を振ってくる

外向きは元気よく振り返すりんぱな


卒業式が終わった後
憧れの先輩やお世話になった先輩を在校生が取り囲む中
穂乃果に抱きつかれたり海未やことりから声を掛けられるにこを遠くから見つめるりんぱな
　

段々と2人の目には涙が溢れてくる

明るく見送ろうと1年生3人だけで決めた約束

発案者の姿が見えない。後ろを振り返ったら同じように目に涙を溜める真姫

結局こうなっちゃったにゃ、と凛ちゃんが呟く
　

そんな暗い雰囲気が流れる中、足音が近づいてくる

それは眉尻を下げて困ったように笑うにこだった
緑のリボンも、ブレザーのボタンもない
きっと誰かに貰われたんだろう

順番に花陽から、真姫、凛と頭の上に手をのせるにこ
　

いいぞいいぞ
　

やるやん
　

卒業式ってお祝いなのよ？という言葉に

こんな悲しいお祝いなんてないよぉ！思わず感情的に口に出してしまう花陽

いつもは大人しい幼馴染みのそんな姿に、遂に我慢出来なくなりにこに飛びついて声をあげてなく凛

ピンクのカーディガンを涙で濡らす

そんな凛を受け止めて
花陽と真姫に おいで、と口だけで伝えるにこ
　

凛の横に潜り込むように
近づいてきたのは花陽

にこは小さなその体をめいっぱいに広げ
2人を優しく抱きとめる

唇を噛み締めるように未だ涙を堪える真姫

もうにこは何も言わずにただ見つめる

にこの目が薄らと濡れているのに気づいた真姫は堪らずに下を向く

涙が零れた地面を踏みしめ
にこの元にたどり着くとまた同じように抱きとめられ
　

3人に揉みくちゃにされてしまうにこ
彼女らの表情とは違い
愛しいものを見つめるような微笑み


6人に、なっちゃうけど。皆で支えあって

でも上の3人に負けないように
がんばりなさいよ

そんなにこの言葉に頭を動かして頷く
　

そんな4人を遠くから見つめる穂乃果

みんな同じ学年だったら、良かったのに


誰に言ったわけでもないその呟きに

歳も性格もバラバラだったこの9人だからこそやり遂げる事が出来たのかも…しれませんね

と隣に佇む海未が言葉を零し

3年生がいないのに真姫ちゃん達を引っ張っていけるかな…

不安を口にしたことり
　

穂乃果の頭にふわりとのせられる手のひら

後ろから歩み寄ったのは
泣きじゃくる3人とそれを宥めるにこを
愛しそうに見つめる絵里と希


頑張らないとあの子達に抜かされちゃうわよ？

にこっちの教えは強力やからなぁ


からかうような口ぶりの、その言葉に笑って頷く3人。
　

絵里と希に気づいた素振りを見せるにこ

ひらひらと手を振る2人


やっと解放されたわ、と嬉しそうに近づいてくるにこに希が何か言葉を掛けると

幸せよ、ほんと。感謝しきれないくらい

と返す


連れ立って歩き始めた3年生の後ろ姿を
1つの場所に固まって見送る6人

春風に舞う桜が遠くなる双方の道を
鮮やかに彩っていた
　

やめてくれ……
この文は俺に効く
　

文才の塊