【SS】璃奈「璃奈ちゃんボードとは『スイカ割り』である」【ラブライブ！虹ヶ咲】

しずく「璃奈さん、ライブのときに着けている璃奈ちゃんボードがあるでしょ？」

璃奈「突然なに？」

しずく「あれって前見えないよね？」

璃奈「うん。見えないよ」

しずく「でも璃奈さん？」

璃奈「？」

しずく「あれ着けたままステージに上がってパフォーマンスして普通に帰ってくるでしょ？」

璃奈「そうだね」
　

しずく「前が見えないのにどうやってるの？」

璃奈「スイカ割り」

しずく「へ？」

璃奈「スイカ割り。しずくちゃん、知らない？」

しずく「もちろん知ってるけど…」

しずく「璃奈ちゃんボードの話となんの関係が？」

璃奈「スイカ割りと、同じだから」

璃奈「璃奈ちゃんボード『キリリッ』」
　

しずく「ええと…璃奈さん？」

しずく「ごめんなさい、全然わからない…」

璃奈「これ、ライブ用の璃奈ちゃんボード」

璃奈「ネコ耳のヘッドホンとボードが一体になってる」

しずく「ライブのときに着けてるやつだよね？」

璃奈「実はこれだけじゃない」

しずく「どういうこと？」
　

璃奈「これ」

しずく「マイクが2つ？」

しずく「これは？」

璃奈「これも、璃奈ちゃんボードの一部」

しずく「璃奈さんがマイク持って歌ってるの見たことないよ？」

璃奈「これは、侑さんと愛さんが使うマイク」

しずく「愛さんはスクールアイドルだけど…」

しずく「侑先輩は歌わないし、マイクは必要ないのでは？」
　

璃奈「愛さんと侑さんは歌わないよ」

璃奈「このマイクは、別の使い道がある」

しずく「よく見るとマイクに名前が書いてある…」

璃奈「しずくちゃん、璃奈ちゃんボード被ってみて」

しずく「いいの？」

しずく「よいしょ」ｶﾞﾊﾞｯ

しずく「うわあ！本当に何も見えないよ？」
　

璃奈「見えないよね」

璃奈「だからこれを使う」

しずく「なに？ヘッドホンしてからよく聞こえないよ」

璃奈「マイク、オン」ｶﾁｯ

璃奈『しずくちゃん、聞こえる？』

しずく「聞こえる！」

しずく「ヘッドホンから璃奈さんの声が」

璃奈『しずくちゃん、右向いて』

しずく「え？こう？」ｸﾙｯ
　

璃奈『そのまま3歩前へ』

しずく「こ、こうかな」ﾃｸﾃｸﾃｸ

しずく「前が見えないから怖いよ～璃奈さん」

璃奈『大丈夫、信じて』

璃奈『そこで決めポーズ』

しずく「き、決めポーズ？」

しずく「えいっ」ﾎﾞﾖﾖｰﾝ

しずく「こうかな？」

璃奈『ふっ』

しずく「あー！いま鼻で笑った！？」
　

璃奈『しずくちゃん、回れ右して3歩前へ』

しずく「っていつまでボード着けてたらいいの」ｶﾞﾊﾞｯ

璃奈「あ、外した」

しずく「璃奈さん、私で遊ぼうとしちゃいけません」

璃奈「ごめんね。決めポーズが面白かったから」

璃奈「璃奈ちゃんボード『ふっ』」

しずく「だから鼻で笑わないで！」
　

璃奈「これでわかったでしょ？スイカ割り」

しずく「よくわからないけど…」

璃奈「目隠しして指示された方向に進む」

しずく「だからスイカ割り？」

しずく「まさか璃奈さんの発明品がこんなにアナログなものだったとは…」

しずく「でもどうして愛さんと侑先輩の二人が指示を出すの？」

しずく「一人だけが出したほうが確実じゃない？」

璃奈「基本的にステージ上での移動や演出の指示を出すのは、侑さん」
　

しずく「愛さんは？」

璃奈「ただの賑やかし」

しずく「？？」

璃奈「侑さんと違う方向を指示してきたり」

しずく「ええ…」

璃奈「かわいいとか、サイコーとか、はしゃいでる」

しずく「大丈夫なのそれ？」

璃奈「大丈夫」
　

璃奈「侑さんの言葉だけ、信じていればいいから」

しずく「それじゃあ愛さんにマイクを渡す意味って…」

璃奈「あまりない」

璃奈「でも、愛さんの声を聞くと安心する」

璃奈「だから、大丈夫」

璃奈「だから、マイクを渡してる」
　

しずく「そうなんだ。なんかいいね」

璃奈「そうだ、今度はしずくちゃんも話しかけてきて？」

璃奈「そうしてくれると嬉しいな」

璃奈「璃奈ちゃんボード『にっこりん』」

しずく「私の声も安心する？」

璃奈「もちろん！」

璃奈ちゃんボード『おしまい』
　

おまけ『ライブリハ』

侑「璃奈ちゃんもうちょっと右かなぁ」

璃奈「こう？」ｽﾀｽﾀ

侑「あー行き過ぎた」

璃奈「『もうちょっと』だとわからない」

侑「だよねー……なかなか難しいねー」

璃奈「何センチとか、何メートルなら間違えないかも」

侑「えぇ！私あと60センチ右とか言われてもわかんないよ？」

璃奈「私は分かる」

璃奈「璃奈ちゃんボード『ドヤッ』」
　

侑「本当に？すごいね」

侑「だとしても私のほうがそんな細かい指示が出せないかも」

璃奈「ちょっと、考える」

璃奈「璃奈ちゃんボード『むむむー』」

侑「私も考えてみるよ」

璃奈「ピコーン！」

侑「ピコーンって…」

璃奈「思いついた」

侑「え！もう？」
　

璃奈「ステージの中央を基準に、時計があると考えて」

璃奈「0時がステージ奥、6時が手前」

璃奈「3時が向かって右側、9時は左側」

侑「うんうん、それで？」

璃奈「中央から動ける歩数を、あらかじめ決めておく」

璃奈「今回のステージだと、各方向に大股で5歩ぐらい？」

侑「そんなに広いステージじゃないもんね」

璃奈「歩き方も決めておく」

侑「歩き方？」

璃奈「大きく、ふつう、小さく」

璃奈「三段階もあれば十分、だと思う」
　

璃奈「時計の時刻で方向を」

璃奈「歩き方と歩数で距離を指示する」

侑「おお！それならできそう！」

侑「さっすが璃奈ちゃん！」

璃奈「えへへ、璃奈ちゃんボード『テレテレ』」

侑「例えば、『3時方向に大きく5歩』とか？」

侑「でもそのまま言うとちょっと長いね」

侑「そうだ！別の言葉に置き換えてみよう！」

・・・

そしてライブ当日

侑「璃奈ちゃん！7番大盛り3つ！その次は3番に並盛り3つね！！」

ファン「なんだろうあの人……」

おまけ　おわり
　

前作

侑「愛ちゃん、ダジャレ面白くないよ。やめたら？」愛「えっ…」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1652708335/