1: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 18:41:17.84 ID:pVQOBNp+
かのん(それはいつも通りの放課後のことだった)
可可「違います! ここでターンした方が可愛いデス!」
すみれ「ターンしたら一拍遅れるじゃない! 可愛さよりも確実性を取るべきよ!」
かのん(可可ちゃんとすみれちゃんは言い合いを、恋ちゃんはレズAVの研究を、ちーちゃんは丸をしてる。ここまでは普段通りの光景だったんだけど……)
可可「これだからグッソクムシは……」
すみれ「……っ!」
かのん(久しぶりに可可ちゃんが溢したグソクムシという言葉に、頭に血がのぼってしまったんだろうね)
すみれ「グソクムシって……言わないで!!」
かのん(すみれちゃんが、金で可可ちゃんの顔を叩いちゃったんだ)
かのん(すみれちゃんの金は長さ凡そ2m、玉本体の重さは120kgほどある。そんなものに殴られたらひとたまりもない)
かのん(可可ちゃんの身体は吹き飛び、壁に叩きつけられた。すみれちゃんはそれを見て、勝利を確信した──筈だった。立ち上がってきた可可ちゃんの顔には青痣も無ければ、鼻血の一つも出ていなかったんだ)
かのん(すみれちゃんが金を出したのを見て瞬時に動いたんだろうね、可可ちゃんの手にもまた金が握られていたよ。それで顔へのインパクトを防いだのは、火を見るよりも明らかだった)
可可「違います! ここでターンした方が可愛いデス!」
すみれ「ターンしたら一拍遅れるじゃない! 可愛さよりも確実性を取るべきよ!」
かのん(可可ちゃんとすみれちゃんは言い合いを、恋ちゃんはレズAVの研究を、ちーちゃんは丸をしてる。ここまでは普段通りの光景だったんだけど……)
可可「これだからグッソクムシは……」
すみれ「……っ!」
かのん(久しぶりに可可ちゃんが溢したグソクムシという言葉に、頭に血がのぼってしまったんだろうね)
すみれ「グソクムシって……言わないで!!」
かのん(すみれちゃんが、金で可可ちゃんの顔を叩いちゃったんだ)
かのん(すみれちゃんの金は長さ凡そ2m、玉本体の重さは120kgほどある。そんなものに殴られたらひとたまりもない)
かのん(可可ちゃんの身体は吹き飛び、壁に叩きつけられた。すみれちゃんはそれを見て、勝利を確信した──筈だった。立ち上がってきた可可ちゃんの顔には青痣も無ければ、鼻血の一つも出ていなかったんだ)
かのん(すみれちゃんが金を出したのを見て瞬時に動いたんだろうね、可可ちゃんの手にもまた金が握られていたよ。それで顔へのインパクトを防いだのは、火を見るよりも明らかだった)
2: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 18:45:42.21 ID:pVQOBNp+
すみれ「なるほどね。金の皮を伸ばして一時的に壁を作り出したってわけね」
可可「……それだけじゃ『部分点』しかあげられないデス」
すみれ「な……」ガクッ
かのん(すみれちゃんが膝から崩れ落ちる。彼女の足首にはくっきりと、金の皮型の痣が残されていた)
可可「正確には『壁を作り、余った皮で鞭の様にすみれの脚を破壊した』デス」
すみれ「……やるじゃない!」
かのん(戦況は可可ちゃん優勢に傾いている。すみれちゃんの不意打ち気味に放った一撃では、完全に防御した可可ちゃんには傷を負わせることは出来なかった)
かのん(反面、すみれちゃんは足首への鋭い一撃により得意の機動力を封じられている。これでは金烈風や金連撃を繰り出すのは不可能だ)
かのん(……とはいえ、不利な盤面だからと言って負けを認めるような女じゃない。ここは続行だろう)
すみれ「よく伸びる皮ね、お風呂じゃふやけて大変なんじゃない?」
可可「力で負けた途端金への口撃デスか? 打つ手がないのなら、今謝れば許しマス」
すみれ「謝る……謝るねぇ、謝る……」
すみれ「悪いけど、ショービジネスの辞書にはその言葉は載ってないのよ!」
可可「……それだけじゃ『部分点』しかあげられないデス」
すみれ「な……」ガクッ
かのん(すみれちゃんが膝から崩れ落ちる。彼女の足首にはくっきりと、金の皮型の痣が残されていた)
可可「正確には『壁を作り、余った皮で鞭の様にすみれの脚を破壊した』デス」
すみれ「……やるじゃない!」
かのん(戦況は可可ちゃん優勢に傾いている。すみれちゃんの不意打ち気味に放った一撃では、完全に防御した可可ちゃんには傷を負わせることは出来なかった)
かのん(反面、すみれちゃんは足首への鋭い一撃により得意の機動力を封じられている。これでは金烈風や金連撃を繰り出すのは不可能だ)
かのん(……とはいえ、不利な盤面だからと言って負けを認めるような女じゃない。ここは続行だろう)
すみれ「よく伸びる皮ね、お風呂じゃふやけて大変なんじゃない?」
可可「力で負けた途端金への口撃デスか? 打つ手がないのなら、今謝れば許しマス」
すみれ「謝る……謝るねぇ、謝る……」
すみれ「悪いけど、ショービジネスの辞書にはその言葉は載ってないのよ!」
3: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 18:47:20.06 ID:pVQOBNp+
可可「だったらここで死──!?」
ギュオオッ!
かのん(可可ちゃんの足元から競り上がってきたのは、金だった。鋭い〇意を持った金の皮が槍の形を取り、心の臓を貫かんと迫る)
かのん(咄嗟に回避の姿勢を取るが間に合わず、金の槍は可可ちゃんの左腕を刺し貫いた。流れ出た赤い血が床を濡らす)
可可「っ……! 金の皮が長いのは、そっちの方デスよ!」
すみれ「意識が会話に向いている間に、皮をそこまで這わさせてもらったわ……悪いわね、これも戦略よ」
可可「卑怯なっ……!!」
かのん(しゅるしゅると元に戻っていく皮を見ながら可可ちゃんが叫ぶ。しかし何も卑怯ということはない……戦に卑怯という言葉を持ち込む者はいない。足を使えないすみれちゃんと、左腕を使えない可可ちゃん。これで戦況は互角となった)
かのん(いや、すみれちゃんの方がやや優勢か。可可ちゃんの腕の穴からは、今も絶えず血液が滴り落ちている。すみれちゃんが防御に徹すれば、いずれ動けなくなるのは可可ちゃんの方だ)
可可「……」
かのん(それを理解しているだろうに、可可ちゃんの顔には何処か余裕の色が見て取れた。勝機、あるいは慢心なのか、それは今の私では理解出来なかった)
ギュオオッ!
かのん(可可ちゃんの足元から競り上がってきたのは、金だった。鋭い〇意を持った金の皮が槍の形を取り、心の臓を貫かんと迫る)
かのん(咄嗟に回避の姿勢を取るが間に合わず、金の槍は可可ちゃんの左腕を刺し貫いた。流れ出た赤い血が床を濡らす)
可可「っ……! 金の皮が長いのは、そっちの方デスよ!」
すみれ「意識が会話に向いている間に、皮をそこまで這わさせてもらったわ……悪いわね、これも戦略よ」
可可「卑怯なっ……!!」
かのん(しゅるしゅると元に戻っていく皮を見ながら可可ちゃんが叫ぶ。しかし何も卑怯ということはない……戦に卑怯という言葉を持ち込む者はいない。足を使えないすみれちゃんと、左腕を使えない可可ちゃん。これで戦況は互角となった)
かのん(いや、すみれちゃんの方がやや優勢か。可可ちゃんの腕の穴からは、今も絶えず血液が滴り落ちている。すみれちゃんが防御に徹すれば、いずれ動けなくなるのは可可ちゃんの方だ)
可可「……」
かのん(それを理解しているだろうに、可可ちゃんの顔には何処か余裕の色が見て取れた。勝機、あるいは慢心なのか、それは今の私では理解出来なかった)
4: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 18:49:15.77 ID:pVQOBNp+
すみれ「悪いけれど……護らせてもらうわ」
すみれ「可可……そこで血を失い、乾いていきなさい」
かのん(言いながらすみれちゃんが金で己を包み込んでいく。金とは謂わば筋肉の塊だ。それに身を包むとなれば、屈強な男達に護身されているようなものである)
かのん(皮の一部で迎撃の余地も残す……ただひたすらにタイムアップを狙うのなら、最高の布陣だと言うしかない)
可可「……」
可可「……」
かのん(瞬間──気付いた違和。可可ちゃんが二人いる。いや、そう認識している側から一人、また一人と増えていく)
かのん(これは金の力ではない……? 私の知る金にそんな力はない。だとするとこれは……?)
可可「すみれが持てる力を全て使うと言うのなら、可可もこれを使わせてもらいマス」
可可「ククは以前、中国武術を習っていたことがありマス……」
可可「この技に慣れていないすみれには、可可が何人もいるように見えているんデスよね?」
かのん(中国武術──言われて思い出す。過去にテレビで見た、空手と中国武術の対決を。あの時敵の選手は八人に分身していた。三千年の歴史が産み出した技で使い手は数人しかいない、と解説されていたが……可可ちゃんがその一人だなんて!)
すみれ「可可……そこで血を失い、乾いていきなさい」
かのん(言いながらすみれちゃんが金で己を包み込んでいく。金とは謂わば筋肉の塊だ。それに身を包むとなれば、屈強な男達に護身されているようなものである)
かのん(皮の一部で迎撃の余地も残す……ただひたすらにタイムアップを狙うのなら、最高の布陣だと言うしかない)
可可「……」
可可「……」
かのん(瞬間──気付いた違和。可可ちゃんが二人いる。いや、そう認識している側から一人、また一人と増えていく)
かのん(これは金の力ではない……? 私の知る金にそんな力はない。だとするとこれは……?)
可可「すみれが持てる力を全て使うと言うのなら、可可もこれを使わせてもらいマス」
可可「ククは以前、中国武術を習っていたことがありマス……」
可可「この技に慣れていないすみれには、可可が何人もいるように見えているんデスよね?」
かのん(中国武術──言われて思い出す。過去にテレビで見た、空手と中国武術の対決を。あの時敵の選手は八人に分身していた。三千年の歴史が産み出した技で使い手は数人しかいない、と解説されていたが……可可ちゃんがその一人だなんて!)
5: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 18:52:06.12 ID:pVQOBNp+
すみれ「それが……それがどうしたと言うのよッッッ!!」
かのん(しかし、確かにそうだ。いくら分身を増やしたところで、すみれちゃんの金防御は破れはしない……)
かのん(この場において必要なのは手数ではなく、強烈な一発による突破力だ。これではいくら玉数を増やしたとして──)
可可「いきマス!」
すみれ「なッ……!?」
かのん(否、違う。可可ちゃんとてそれは理解っていた。分身による軽い一撃など数千、数万と繰り返したところで意味を成さないことを)
かのん(すみれちゃんの皮壁を前にして、次々と可可ちゃん達が積み上がって行く。ねじれ曲がるように、目の前の自分に絡みつくように積み上がって行く)
かのん(そして──玉、玉、玉。積み上がったのは、一振りの巨大な金だった。金と呼ぶには余りに巨大で、無骨で、グロテスクなそれを可可ちゃんは軽々と持ち上げる)
可可「すみれ、手加減は出来ませんヨ」
すみれ「ッ……! 来なさい! 防ぎきってみせるわよ!!」
かのん(しかし、確かにそうだ。いくら分身を増やしたところで、すみれちゃんの金防御は破れはしない……)
かのん(この場において必要なのは手数ではなく、強烈な一発による突破力だ。これではいくら玉数を増やしたとして──)
可可「いきマス!」
すみれ「なッ……!?」
かのん(否、違う。可可ちゃんとてそれは理解っていた。分身による軽い一撃など数千、数万と繰り返したところで意味を成さないことを)
かのん(すみれちゃんの皮壁を前にして、次々と可可ちゃん達が積み上がって行く。ねじれ曲がるように、目の前の自分に絡みつくように積み上がって行く)
かのん(そして──玉、玉、玉。積み上がったのは、一振りの巨大な金だった。金と呼ぶには余りに巨大で、無骨で、グロテスクなそれを可可ちゃんは軽々と持ち上げる)
可可「すみれ、手加減は出来ませんヨ」
すみれ「ッ……! 来なさい! 防ぎきってみせるわよ!!」
6: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 18:55:10.75 ID:pVQOBNp+
かのん(これが可可ちゃんにとって最後の一撃になることが分かったのだろう、すみれちゃんは迎撃に回していた余力を全て防御の一点のみに注ぎ込む)
かのん(今やすみれちゃんは片玉と化していた。その余りの丸さに、丸をしていたちぃちゃんが歓喜の声をあげる。可可ちゃんの双玉はお気に召さなかったみたいだけれど)
かのん(恋ちゃんはなんかオ ってた)
可可「『金ッッッ……落とし』!!」
ブォンッ!!
すみれ「ぐっ……うっ!!」
ガキィィンッ!!
かのん(肉同士がぶつかり合い、大きな火花と共に金属音が室内に響きわたった。金の焼ける匂いが鼻を突く)
可可「ォォォォォォォオッ!!!」
すみれ「らぁぁぁぁぁぁっ!!!」
かのん(そして──勝負が決まるのは、一瞬だった)
かのん(今やすみれちゃんは片玉と化していた。その余りの丸さに、丸をしていたちぃちゃんが歓喜の声をあげる。可可ちゃんの双玉はお気に召さなかったみたいだけれど)
かのん(恋ちゃんはなんかオ ってた)
可可「『金ッッッ……落とし』!!」
ブォンッ!!
すみれ「ぐっ……うっ!!」
ガキィィンッ!!
かのん(肉同士がぶつかり合い、大きな火花と共に金属音が室内に響きわたった。金の焼ける匂いが鼻を突く)
可可「ォォォォォォォオッ!!!」
すみれ「らぁぁぁぁぁぁっ!!!」
かのん(そして──勝負が決まるのは、一瞬だった)
7: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 18:57:35.60 ID:pVQOBNp+
すみれ「ぐ……もう、駄目……っ!!」
かのん(バギン、と一際大きい音が響いたかと思うと、すみれちゃんの金がメリメリと打ち崩されていく。完全なる防御は破られ、ちぃちゃんが鋭い悲鳴を上げた)
かのん(そして)
すみれ「……」
すみれ「なんで……止めたのよ」
可可「……別に。すみれを〇したら明日から寂しくなるな。そう思っただけデス」
すみれ「……そ」バタッ
かのん(床に倒れ込むすみれちゃんを、可可ちゃんは無傷の右手でギュッと抱きしめ、背負い上げると部室を後にした。保健室に連れて行くのだろう)
かのん(しかし──分かっているだろうか、可可ちゃんは。すみれちゃんを倒したということは)
かのん(彼女もまた金の使い手として、永劫に終わることない恐ろしき戦いへと足を踏み入れてしまったということだ)
かのん(バギン、と一際大きい音が響いたかと思うと、すみれちゃんの金がメリメリと打ち崩されていく。完全なる防御は破られ、ちぃちゃんが鋭い悲鳴を上げた)
かのん(そして)
すみれ「……」
すみれ「なんで……止めたのよ」
可可「……別に。すみれを〇したら明日から寂しくなるな。そう思っただけデス」
すみれ「……そ」バタッ
かのん(床に倒れ込むすみれちゃんを、可可ちゃんは無傷の右手でギュッと抱きしめ、背負い上げると部室を後にした。保健室に連れて行くのだろう)
かのん(しかし──分かっているだろうか、可可ちゃんは。すみれちゃんを倒したということは)
かのん(彼女もまた金の使い手として、永劫に終わることない恐ろしき戦いへと足を踏み入れてしまったということだ)
8: (鮒寿司) 2022/05/25(水) 19:00:04.06 ID:pVQOBNp+
かのん(そこには人を人とも思わぬ者もいるだろう。悪意を持って接してくる者もいるだろう)
かのん(可可ちゃんの優しさは……そんな相手には隙にしかならない。いつまでああしていられるか──見ものだね)
恋「んっ……んふっ……!!」プシャアッ
恋「ふぅ……本日のレズAV研究は終わりですね。千砂都さん、そろそろ出ようと思いますがどうします?」
千砂都「じゃあ私も帰ろうかな。かのんちゃん、帰るよ」
かのん「ゴォ……ジデ。ォロ……シデ」
かのん(まぁ私はちぃちゃんに『丸』されて、意識だけある丸い肉塊に改造されたから、ちぃちゃんが運んでくれないと何も見れないんだけどね。てへっ)
完
かのん(可可ちゃんの優しさは……そんな相手には隙にしかならない。いつまでああしていられるか──見ものだね)
恋「んっ……んふっ……!!」プシャアッ
恋「ふぅ……本日のレズAV研究は終わりですね。千砂都さん、そろそろ出ようと思いますがどうします?」
千砂都「じゃあ私も帰ろうかな。かのんちゃん、帰るよ」
かのん「ゴォ……ジデ。ォロ……シデ」
かのん(まぁ私はちぃちゃんに『丸』されて、意識だけある丸い肉塊に改造されたから、ちぃちゃんが運んでくれないと何も見れないんだけどね。てへっ)
完
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1653471677/