【SS】穂乃果「それぞれの日常」

SS


1: 2015/02/01(日) 15:12:39.53 ID:OBYTBnRr.net
~にこちゃんとことりちゃん~

ガラッ

にこ「ことり、いる?」

ことり「わぁ、にこちゃん。どうかした?」

にこ「ことりは家庭科室で衣装作りしてるって穂乃果に聞いたから、手伝おうと思って」

ことり「ほんとに?ありがとう」

にこ「いいの。ことりに任せっきりにするわけにはいかないでしょ?」

ことり「ふふ。……あ、」

にこ「なに?」

ことり「にこちゃん、カーディガンの一番下のボタン、取れかかってるよ」

にこ「嘘?…ほんとだ」

ことり「つけてあげるから貸して?」

にこ「いいわよ。これぐらい自分でできるから」

ことり「いーいーかーらー。貸して?」

にこ「…別にいいのに」

ことり「ふふ。すぐ終わるから待っててね」

2: 2015/02/01(日) 15:13:42.74 ID:OBYTBnRr.net
にこ「……」

ことり「……」チクチク

にこ「……」

ことり「……」チクチク

にこ「……あのね、ことり」

ことり「うん?」

にこ「これ、誰にも言ってない話なんだけど」

ことり「なぁに?」

にこ「…そのカーディガン、希がくれたのよ。1年の時に」

ことり「ええっ、そうなの?」

にこ「私の誕生日にくれたの。"アイドルはやっぱピンクやんなぁ?"って」

にこ「私の誕生日って真夏よ?夏に長袖のカーディガン渡すなって話でしょ?」

ことり「でも、それから毎日着てるんだね」

にこ「……否定はしないわ」

ことり「ふふ」クスクス

3: 2015/02/01(日) 15:14:19.86 ID:OBYTBnRr.net
にこ「3年間、ずっと着てたから。やっぱりほつれたり穴が空いたりしちゃってね」

ことり「でも大切に着てるんだね。ところどころ縫い直したあとがあるもん」

にこ「ま、まぁね。にこの女子力の高さをアピールするにはうってつけだしぃ?」

にこ「それに、スピリチュアルだのなんだの言ってる希がくれたやつだから、粗末に扱ったらなんか罰があたりそうじゃない?」

ことり「そうかもね」クスクス

にこ「…もう、笑ってんじゃないわよ」

ことり「ごめんね」クスクス

4: 2015/02/01(日) 15:15:03.19 ID:OBYTBnRr.net
ことり「……よし!できた!にこちゃん着てみて?」

にこ「……」ゴソゴソ

ことり「どう?」

にこ「…完璧。さすがはことりね」

ことり「ほんと?よかったぁ」

にこ「なんか悪かったわね、手伝いに来たのに」

ことり「いいのいいの。にこちゃんと希ちゃんしから知らない話も聞けたし」

にこ「な、」

ことり「えへへ」

にこ「…じゃあ、お代はそれってことにしとくわ」

ことり「うん!」

5: 2015/02/01(日) 15:15:44.04 ID:OBYTBnRr.net
にこ「……でも、」

ことり「うん?」

にこ「当然、今までも大切にしてたけど。ことりが直してくれたんだから、今よりもっと大切に着ないといけないわね」

ことり「にこちゃん…!」

にこ「べ、別に変な意味じゃないわよ!なんかこう、あんたの怨念がこもってそうだからそう思っただけよ!」

ことり「うん、そうだね」クスクス

にこ「…さっさと衣装作り終わらせて、練習行きましょ」

ことり「うん!」

6: 2015/02/01(日) 15:17:47.65 ID:OBYTBnRr.net
~絵里ちゃんと花陽ちゃん~

絵里(端から端までの教室移動って、冬だと寒いから辛いわよね…)テクテク

絵里(いっそ廊下にもエアコンを設置して欲しいぐらいだわ)テクテク

絵里(ロシアの冬も寒いけど、日本の冬もまた違った寒さなのよね…)テクテク

花陽「え~り~ちゃ~~~ん!」タタタタッ

絵里「…花陽?」

花陽「はぁ、はぁ、追いついたぁ…」ハァハァ

絵里「ど、どうしたの。何か用事でもあった?」

花陽「ううん、特に用事はないんだけど…向こうの渡り廊下を歩いてたら、たまたま絵里ちゃんの姿を見つけたから」

絵里「…それで走ってきたの?」

花陽「うん!」

絵里「ハラショー…」

花陽「うん?」

絵里「花陽、私に声をかけてくれたのは嬉しいけど、廊下は走っちゃダメよ?」

花陽「あ、うん、そうだね。ごめんなさい…」ショボーン

絵里(何これ可愛い)

7: 2015/02/01(日) 15:18:47.21 ID:OBYTBnRr.net
絵里「凛とずっと一緒にいるから、ついつい走っちゃう癖が移ったのかもしれないわね」ナデナデ

花陽「えへへ」

絵里(昔は、花陽にはどことなく怖がられてた気がするけど)ナデナデ

絵里(あの頃に比べれば、随分と懐いてくれたわよね…)ナデナデ

花陽「え、絵里ちゃん…?」

絵里「……花陽」

花陽「な、なんでしょう」

絵里「あなた、私の妹にならない?」

花陽「ええっ!?」

絵里「亜里沙がいるから、姉にもなれるわよ?」

花陽「えええっ!?」

11: 2015/02/01(日) 15:44:56.71 ID:OBYTBnRr.net
~ほののぞりん~

穂乃果「朝からなに?」

希「校内新聞の掲示の許可を頂きたいと思いまして!」

凛「生徒は自由に掲示物を掲示できると、生徒手帳に書いてありましたので」

穂乃果「何をするつもり?」

凛「それは…」

希「広報です!かわいい…じゃなかった、かしこい生徒会長の姿を、全校生徒に知ってもらいたいんです!」


"激撮!生徒会長、おもちゃのチョコレートを間違えて食べる!?"


穂乃果「校内新聞は遊びではないのよ?」

凛(二役)「三人は…」

希「ちゃうで凛ちゃん!うちと凛ちゃんを入れて二人やで」ボソボソ

凛(二役)「二人は校内新聞の掲示の許可を取りにきたんやろ?部活でもないのに、生徒会が内容までとやかく言う権利はないはずにゃ、違った、ないはずや」

穂乃果「それもそうね!!ハラショー!!認め「られないわぁ」

希「……」

凛「……」

穂乃果「……」

絵里「生徒会室で随分と楽しそうね、あなたたち」

凛「……」

穂乃果「……」

希「………逃げるしか、ないやん?」ダッ

凛「にっげるにゃ~!!」ダッ

穂乃果「にっげろ~!!」ダッ

絵里「待ちなさぁぁぁぁい!!!」ダダダダダダ

15: 2015/02/01(日) 15:52:14.52 ID:OBYTBnRr.net
~ことりちゃんと海未ちゃん~

ことり(今日もことりは、みんなの衣装作りにいそしんでるわけですが)

海未「…いえ、ここの歌詞はもうちょっと……」ブツブツ

ことり(そしてそんなことりの隣には、作詞中の海未ちゃんがいるわけですが)

海未「もう少し明るい意味の単語の方がいいでしょうか…」ブツブツ

ことり「……」チラッ

海未「うーん……」ブツブツ

ことり(どうして海未ちゃんの左手が、ことりのお腹にまわってるの~~!!)ピィ~~~

16: 2015/02/01(日) 15:53:25.31 ID:OBYTBnRr.net
ことり「……」チラッ

海未「駄目ですね、ここは真姫に相談するとしますか…」

ことり「……」チラチラッ

海未「よし、では次のフレーズに移りましょう」

ことり(…ダメだぁ)

ことり(さっきからこうやって何度も、ことりのお腹にまわされた海未ちゃんの腕をチラチラと見てるんだけど、)

ことり(海未ちゃんは作詞に集中してるのか、まっったく気付いてくれません)

ことり(穂乃果ちゃんとか凛ちゃんとか、女の子同士でくっついたり抱き合ったりするのはよくあることだけど、)

ことり(あの海未ちゃん、だもんね…)

ことり(それに海未ちゃん、びっくりするぐらい自然に腕をまわしてきたから)

ことり(きっと、無意識なんだろうなぁ…)ハァ…

17: 2015/02/01(日) 15:54:33.01 ID:OBYTBnRr.net
ことり(海未ちゃんにくっつかれるのはぜんっぜん嫌じゃないんだけど、)

ことり(なんだか恥ずかしくて、衣装作りに集中できないよぉ~!)

ことり(どうしよう、やっぱり声に出して教えてあげた方がいいのかな?)

ことり(でもそうしたら海未ちゃんのことだから、きっとすっごく恥ずかしがっちゃうよね…?)

ことり(あ~~~ん!もうどうしよ~~う!)タスケテホノカチャーン!

海未「あ、今いい歌詞が浮かびました!」

18: 2015/02/01(日) 15:55:30.87 ID:OBYTBnRr.net
ことり(うう、もう限界だよぅ…)

ことり(お腹に意識を集中させすぎて、なんだか息が止まりそうになってきちゃった…!)

ことり(海未ちゃんには申し訳ないけど、でもここは言うしかない!)

ことり「ううう海未ちゃん!」

海未「はい?どうしました?ことり」

ことり「ああああのね!えっとね!」

海未「なんでしょう」

ことり「てててててがね!手がね!」

海未「手?手がどうかしましたか?」

ことり「海未ちゃんの手が、海未ちゃんの手が…!!」

ことり「ことりのお腹に、まわってるの~~!!!」ピィ~~~~

19: 2015/02/01(日) 15:56:42.80 ID:OBYTBnRr.net
海未「ああ、すみませんことり」

ことり「…ピィ?」

海未「苦しかったですか?もう、それならそうと早く言ってくだされば良かったのに」

ことり「……ピィ?」

海未「しかし、ことりのお腹はとても温かいですね」フフ

ことり「…………ピィ」

20: 2015/02/01(日) 16:18:35.27 ID:OBYTBnRr.net
~にこのぞえり~

絵里「聞いた?希。UTXが廃校になるらしいわよ」

希「いややわぁ、えりち。"らしいわよ"なんて、そう仕向けたのは一体誰なんよって話やん?」クスクス

絵里「あら、まるで私が悪いような言い草ね」

希「ちゃうの?」

絵里「どうでしょうね。ただ私が言えることは、先に喧嘩を仕掛けてきたのはあちらだと言うことだけよ」クスクス

希「ふふ、おっそろしい人やわぁ」

絵里「失礼ね、ただ私はね……」

絵里「我らがリーダーの命令に、従っただけよ」


にこ「…フッ。計画通り……ね」


絵里「……」

希「……」

にこ「……ふふっ」

にこ「ねぇ理事長室のこの椅子ほんっとすごいんだけど!どこからどう見ても悪の親玉が座ってるみたいな椅子よ!!」ギッシギッシ

絵里「ねぇにこ早く交代してよ!次は私の番よ!」

希「えりちが終わったら次はうちやからな!」


ワーワー! キャーキャー!


理事長「……廃校にします」

26: 2015/02/01(日) 18:47:40.66 ID:tzhjncy1.net
~希ちゃんとにこちゃん~

ホノカチャーン! コッチコッチー!

エー! マッテヨリンチャーン!

アハハハハハ!!


にこ「……相変わらず賑やかね」

希「まあねぇ、お箸が転げても面白い年頃やって言うやろ?」

にこ「なによ、まるであんたは違うような言い方ね」

希「うーん、うちはもう三年生やから。そんな時代は終わっちゃったなぁ」

にこ「……」エンピツコロコロ

希「……フフッ」

にこ「いま笑った!笑ったでしょ!!」

希「何を言うとるのにこっち。うちがそんなんで笑うわけが、」

にこ「……」エンピツコロコロ

希「クッ、フフフッ」

にこ「ほらね!ほーらね!!やっぱり笑ってるじゃない!」

希「ちゃう!!にこっちの顔が面白いのがあかんのやって!!」

にこ「なによ!別に私は面白い顔なんてしてないわよ!」

希「はあ!?よく言うわにこっち!そんな面白い顔しとって…」

ナニヨ!ヒトノセイニスンジャナイワヨ!

ドウカンガエタッテニコッチガワルイヤンカ!



穂乃果「…賑やかだね、あの二人」

凛「そうだね」

29: 2015/02/01(日) 19:49:09.89 ID:E2ZVzLFd.net
~ことりちゃんと穂乃果ちゃん~

穂乃果「ねぇことりちゃん、ここらへん?」

ことり「うーん、もうちょっと真ん中あたりかなぁ?」

穂乃果「ここ?」

ことり「そうそう!…でね、そこをぎゅーっと握って…」

穂乃果「握って…」

ことり「海未ちゃんの名前を呼ぶの!」

穂乃果「海未ちゃぁん」

ことり「もうちょっとあま~い感じで!」

穂乃果「…ウミチャァン」

ことり「うん!いい感じだよ穂乃果ちゃん!」

30: 2015/02/01(日) 19:49:45.73 ID:E2ZVzLFd.net
穂乃果「なるほど、それでそれで?」

ことり「それでね、海未ちゃんの名前を呼んだあとにそこを掴んだままぐ~っと溜めをつくって…」

穂乃果「ぐ~~~~っ」

ことり「…………今だよ!」

穂乃果「オネガァイ!」

ことり「いいね穂乃果ちゃん!それを通してやってみて!」

31: 2015/02/01(日) 19:50:36.98 ID:E2ZVzLFd.net
穂乃果「…ウミチャァン……」

穂乃果「……オネガァイ!」

ことり「完璧!完璧だよ穂乃果ちゃん!」

穂乃果「やったぁ!あとは海未ちゃんにやってみるだけだね!」

ことり「うん!」

33: 2015/02/01(日) 19:51:22.17 ID:E2ZVzLFd.net
穂乃果「…ウミチャァン……」

穂乃果「……オネガァイ!」

海未「駄目です」

穂乃果「なんで!?」

34: 2015/02/01(日) 19:55:31.80 ID:E2ZVzLFd.net
~凛ちゃんと真姫ちゃん~

ガラッ

凛「まっきちゃーん!!おはようにゃー!!」

真姫「ちょ、ちょっと凛!教室は他の皆もいるんだからもう少し静かに入って、」


オハヨー リンチャンオハヨー


凛「おっはよー!あ、おはよー!おはようにゃー!!」

真姫「聞いてないわね……」

35: 2015/02/01(日) 19:56:23.56 ID:E2ZVzLFd.net
真姫「って、凛!あなた濡れてるじゃない!」

凛「えへへ」

真姫「えへへじゃないわよ!傘持って来なかったの!?」

凛「うん」

真姫「まったくこんな日に傘を持って来ないなんて…天気予報確認しなかったの?」

凛「ううん!凛、ちゃんと天気予報みてきたよ!」

真姫「だったらどうして傘を忘れるのよ…」

凛「ふっふっふ、真姫ちゃん、"雨は夜ふけすぎ~に~"だよ!」

真姫「なによその歌」

凛「ええっ!?真姫ちゃん知らないの!?これが噂のカルチャーショックってやつだにゃ…!」

真姫「…凛、それたぶんジェネレーションギャップだから。全然違うから。あと私たちは同い年よ」

凛「にゃっ!?」

36: 2015/02/01(日) 19:57:28.83 ID:E2ZVzLFd.net
真姫「まったく…なんでこんな日に傘を持ってこないんだか」ゴシゴシ

凛「ま、真姫ちゃん…頭を拭いてくれるのは嬉しいんだけど、もうちょっと優しくして、にゃっぷ、」ゴシゴシ

真姫「なによ、乾かしてもらってるだけでもありがたいと思いなさいよ」ゴシゴシ

凛「はぁい」ゴシゴシ

37: 2015/02/01(日) 19:58:58.94 ID:E2ZVzLFd.net
真姫「……よし、これぐらいでいいでしょ」

凛「うん!ありがと真姫ちゃん!」ダッ

真姫「ちょ、ちょっと凛待ちなさい!まだ終わってないわよ!」

凛「ええ?」

真姫「髪の毛、そのままにしておくわけにはいかないでしょ?ボサボサよ?」

凛「あらま…」

真姫「ほら、ここに座って。梳かしてあげるから」

真姫「凛は可愛いんだから。髪の毛もちゃんと整えておかないといけないでしょ?」

凛「真姫ちゃん…」

凛「だいすきにゃー!!」ダキッ

真姫「ちょ、ちょっと凛!クッツカナイデ!」

凛「えへへ。………あ、」

真姫「なに?窓の外に何か……あ、」

38: 2015/02/01(日) 19:59:43.78 ID:E2ZVzLFd.net
凛「ほら真姫ちゃん、言ったでしょ?"雨は夜ふけすぎ~に~"だよ?」

真姫「ええ?」

凛「正確には夜更けすぎじゃないけど。…ちゃーんと、雪に変わったにゃ」

真姫「…その歌……」

凛「あ、かよちんが来たにゃ!おっはよーかよちん!!」ダッ

真姫「……ったく」

39: 2015/02/01(日) 20:01:04.02 ID:E2ZVzLFd.net
カヨチンオハヨー!

ワ、リンチャンオハヨ…アレ、リンチャン、キョウハカミノケサラサラダネ

エヘヘ、コレハサッキマキチャンガネ…


真姫「……雨は夜ふけすぎに、か…」

真姫「……」

真姫(凛はこの歌の続き、知ってるのかしら)


カヨチーン!ユキガツモッタラユキガッセンシヨウネー!

ウン!


"きっと君は来ない
ひとりきりのクリスマスイブ"


真姫「………なんて、ね」

42: 2015/02/01(日) 20:46:08.41 ID:E2ZVzLFd.net
~絵里ちゃんと凛ちゃん~

凛「あのね、絵里ちゃん。凛、とってもすごいことに気付いたにゃ…!」

絵里「どうしたの?凛」

凛「絵里ちゃんって、"おか"って名字の人と結婚すると…」

絵里「……」ゴクリ

凛「なんと!"おかえり!"になっちゃうにゃ!!」

絵里「……」

凛「……」

絵里「ハラショー…」

凛「ね!?ね!?すごいでしょ!?」

絵里「ええ、すごいわ凛!そんなこと考えたこともなかったわ!」

凛「デッショー?」

絵里「私、岡さんとは結婚できないわね…!」

凛「かわいそうだにゃー!!」


希(……ほのぼのするなぁ)

43: 2015/02/01(日) 22:52:53.93 ID:E2ZVzLFd.net
~真姫ちゃんとにこうみりんぱな~

ガラッ

花陽「真姫ちゃん…」

真姫「どうしたの?花陽。こんなところに呼び出して」

花陽「…あのね、真姫ちゃん。あのね……」

真姫「な、なによ」

花陽「私、ずっと前から!ずっと前から、真姫ちゃんのことが好きだったの!」

真姫「……」

真姫「…ヴぇぇぇっ!?」

花陽「ごめんね真姫ちゃん!!」ダッ

真姫「あ、ちょっと花陽!!!」


ガラッ ダダダダダッ…


真姫「行っちゃった…」

44: 2015/02/01(日) 22:53:55.30 ID:E2ZVzLFd.net
ガラッ

凛「まーきちゃん!こんなところで何してるにゃ?」

真姫「、凛…」

凛「どうしたの?暗い顔して」

真姫「……何でもないわ」

凛「…そっか」

45: 2015/02/01(日) 22:54:59.28 ID:E2ZVzLFd.net
凛「…あのね、真姫ちゃん」

真姫「なに?」

凛「凛はね、いつだって真姫ちゃんの力になりたいって思ってるから」

真姫「凛…」

凛「だって、ね。凛は、凛は…」

凛「凛は、真姫ちゃんのことが大好きだから!」

真姫「……ヴぇぇぇぇぇっ!?」

凛「返事はいつでもいいから!」ダッ

真姫「り、凛!待ちなさいよ!!」


ガラッ ダダダダダッ…


真姫「……なんなのよ、もう」

46: 2015/02/01(日) 22:56:13.52 ID:E2ZVzLFd.net
にこ「どう海未ちゃん、採点の方は」コソコソ

海未「そうですね、なかなかいいリアクションでしたが、花陽の後でしたのでその分相乗効果があったかと思われます」コソコソ

凛「え~?じゃあ凛の得点はあんまり高くないってこと?」コソコソ

海未「そうなりますね」コソコソ

花陽「ううっ、やっぱり心が痛いよぉ…」コソコソ

にこ「よし!ここで満を持してにこにーにこちゃんの登場よ!」

47: 2015/02/01(日) 22:57:53.76 ID:E2ZVzLFd.net
ガラッ

にこ「ま~きちゃん!」

真姫「…にこちゃん」

にこ「どうしたのかな~?そんな暗い顔しちゃってぇ」

真姫「……別に」

にこ「あ~、頭のいい真姫ちゃんでもぉ、やっぱり悩みとかあるんだぁ?」

真姫「どうでもいいでしょ」

にこ「どうでもいいわけないでしょ」

真姫「っ、」

にこ「真姫ちゃんが何に悩んでるのか知らないけど、大切な人を支えてあげたいと思うのは当然のことでしょ?」

真姫「……」

にこ「…私ね、真姫ちゃんのことが、」

真姫「……」

にこ「真姫ちゃんのことが、」

真姫「にこちゃん」

にこ「真姫ちゃんのことが、ってなによ真姫ちゃん」

真姫「私、にこちゃんのことが好きよ」


凛「え?」

海未「え?」

花陽「え?」

にこ「……あれ?」

53: 2015/02/02(月) 00:16:27.37 ID:QTBDPunY.net
~希ちゃんと絵里ちゃん~

希「なあえりち、これどうやるかわかる?」

絵里「どれ?…ああこれはね、さっきの公式を使って、」

希「あ、そっか。ありがとな、えりち」

絵里「…いいえ」

54: 2015/02/02(月) 00:17:20.40 ID:QTBDPunY.net
絵里(テスト前だから勉強教えてって希に言われて、放課後の教室で勉強会を開いたはいいけど)

絵里(希は勉強は出来る子だから、正直なところ私がいなくてもいいと思うのよね…)

絵里(いや、別に希と一緒にいたくないとか、そういうわけじゃないのよ?)

絵里(そういうわけじゃないんだけど、だけど……)

55: 2015/02/02(月) 00:18:24.52 ID:QTBDPunY.net
絵里(茜色に染まる教室、並べられた机と椅子、掲示物が貼られた黒板、遠く聞こえる部活動生の声)

絵里(こんな空間にいると、最近はどうも意識せずにはいられない)

絵里(…もうすぐ、ここを卒業しないといけないということを)

絵里(そして…)

希「えーっと…ここがこうなるから…」ブツブツ

絵里(目の前のこの人とも、もうすぐお別れだということを)

56: 2015/02/02(月) 00:19:48.28 ID:QTBDPunY.net
希「…なんや、これ簡単やん」

絵里(別に、別々の大学に進学するからといって、会えなくなるわけじゃない)

絵里(でも、会おうとしないと会えない距離になる)

絵里(それって、割と辛いことなのかもしれないわね)

絵里(…オトノキザカは、女子校だったから。希が共学の大学に行くと、きっとモテるんでしょうね)

絵里(ていうか、モテないわけがないのよ。美人だしスタイルいいし、何より優しい子だし)

絵里(希が、モテないわけがないのよ)

絵里(……あれ、どうしてだろう)

絵里(なんだか、心臓の辺りが痛い…?)

57: 2015/02/02(月) 00:20:47.89 ID:QTBDPunY.net
希「えりちどうしたん?さっきからボーッとして」

絵里「あ、いえ。なんでもないわ」

希「なぁん、えりちのへーんなの」クスクス

絵里「ふふ」

58: 2015/02/02(月) 00:22:01.34 ID:QTBDPunY.net
希「…なぁ、えりち」

絵里「なに?」

希「……受験、頑張ろな?」ニッコリ

絵里「ーーーー!」


ガタンッ


希「えりち?だいじょう…んっ!」

絵里「……」

希「っ、……」

絵里「……」

絵里(……あ、れ。私、いま…)

絵里(希に…キスした……?)

64: 2015/02/02(月) 00:46:30.47 ID:QTBDPunY.net
希「……何でキスしたん」

絵里「え?」

希「なんでキスしたの!ばか!」

絵里「ば、ばか…?」

希「なんで、もう、いまさらやんか…」

絵里「希…」

希「…なぁ、えりち。なんでキスしたんよ」

絵里「え、いや、えーっと…希がすっごく綺麗だったから…」

希「…違う。違うよえりち。私が欲しい言葉はそんな言葉じゃないの」

絵里「希……」

希「ねぇ、お願い。言ってよえりち」

絵里「え、えっと…希のことが好きだから……たぶん」

希「はあ!?たぶん!?」

絵里「ちょ、ちょっと希、落ち着いて、」

希「落ち着けるわけないやろ!?だって、だって…」

希「…だって、うちはずっと前から、えりちのことが好きやったのに……」

絵里「…希……」

65: 2015/02/02(月) 00:47:14.51 ID:QTBDPunY.net
絵里(そう言った希の顔が真っ赤だったのは、)

絵里(教室を赤く照らす、夕陽のせいだったのかもしれないけど)

絵里(きっと、希の赤に負けないぐらい)

絵里(私の顔も、赤くなっていたと思う)

66: 2015/02/02(月) 00:48:16.52 ID:QTBDPunY.net
絵里「…ごめんね、希」

希「……す」

絵里「なぁに?」

希「もっかい、してくれたら……許す」

絵里「……」

絵里「……ふふ」

67: 2015/02/02(月) 00:48:51.86 ID:QTBDPunY.net
絵里(茜色に染まる教室、並べられた机と椅子、掲示物が貼られた黒板、遠く聞こえる部活動生の声、)

絵里(紫の髪、長い睫毛、紅く染まった柔らかい頬、)

絵里(……そして、私の好きなあなたの匂い)

73: 2015/02/02(月) 17:41:22.37 ID:QTBDPunY.net
~凛ちゃんと花陽ちゃん~

凛「気持ちいいねぇかよちん」

花陽「そうだねぇ~」

凛「やっぱりお花見に来てよかったねぇ」

花陽「そうだねぇ~」

凛「ふふっ」

凛(満開の桜の木の下にかよちんと寝っ転がって)

凛(ただただ、落ちてくる花びらを眺めるだけ)

凛(あったかい陽気と綺麗な桜と、かよちんが作った美味しいご飯)

凛(……最高だにゃ)

74: 2015/02/02(月) 17:43:43.92 ID:QTBDPunY.net
凛「かよちん見て見て!魚が泳いでる!」

花陽「り、凛ちゃん!あんまり川に近づくと落っこちちゃう、」

凛「にゃっ!?」ズルッ

花陽「凛ちゃん!!」

凛「……セーフ」エヘヘ

花陽「よ、よかったぁ……」

凛「ごめんね、こういうところにいるとついついはしゃいじゃうから」

花陽「…ふふ。凛ちゃんは昔からそうだもんね」

凛「でも、近くにこんな場所があったなんて知らなかったよ」

花陽「私もね、学校の帰りにたまたま気付いたの」

花陽「綺麗な桜が咲いてて、そばを川が流れてて、小さな公園もあって」

花陽「きっと凛ちゃんと来たら楽しいだろうなって思ったんだ」

凛「…えへへ」

花陽「りーんちゃん。こっちおいで?」

凛「うん!」

凛(……あ、)

凛(桜の花びらが、かよちんの髪に…)

凛(携帯、携帯……あった)ゴソゴソ

凛(かよちんにバレないように、そーっと…)


カシャッ


凛「撮れた!」

花陽「り、凛ちゃん!?」

凛「見て見て!かよちん超かわいいよー!」

花陽「は、恥ずかしいよ凛ちゃん…」

凛「待ち受けにしよーっと!」

花陽「えええ!?」

75: 2015/02/02(月) 17:44:40.02 ID:QTBDPunY.net
凛(それからかよちんとは、とりとめもない話をして)

凛(本当にどうでもいい話だったけど、でも、二人で笑うたびにかよちんと肩がくっついて)

凛(たぶんこういうのを幸せっていうんだろうなって、なんとなくそう思った)

76: 2015/02/02(月) 17:45:33.55 ID:QTBDPunY.net
凛(……あ、あれ)

凛(水筒がリュックに入らない…)

凛「ねぇかよちん、これ入らないんだけど、」


カシャッ


凛「にゃっ!?」

花陽「えへへ」

凛「あーかよちん!不意打ちは卑怯だにゃ!」

花陽「これでおあいこだよ~」

凛「にゃー!!」

花陽「……ねぇ、凛ちゃん」

凛「うん?」

花陽「今度は、真姫ちゃんと一緒に来ようね」

凛「うん!」

77: 2015/02/02(月) 17:46:40.56 ID:QTBDPunY.net
真姫「…で、その時の写真がこの待ち受けだと」

花陽「かわいいよねぇ、凛ちゃん」

真姫「桜の花びらを頭につけた凛って…なんかズルいわね。写真だと普段の騒がしさは写らないし」

花陽「かわいいよねぇ、凛ちゃん」

真姫「……」

花陽「今度は真姫ちゃんも一緒に行こうね!」

真姫「ヴぇぇぇ!?」

80: 2015/02/02(月) 18:22:18.03 ID:QTBDPunY.net
~にこのぞえり パート2~

バッター  サンバン  アヤセ~

絵里「さぁにこ!どっからでもかかって来なさい!!」ザッ

にこ「フッ、威勢だけはいいようね」

にこ「いいわ。この、"魔球にこにーボール"」

にこ「打てるもんなら、打ってみなさいよ!!!」ビュンッ


カキーン  ゴロゴロゴロ…


希「えりち!走って!!」

絵里「え!?走る!?」ダッ

希「ちゃ、ちゃう!えりちそっちは三塁や!!」

にこ「あーっはっはっはっは!」ゲラゲラ

81: 2015/02/02(月) 18:23:48.04 ID:QTBDPunY.net
バッター  ヨバン  トウジョウ~

希「フッ。やっぱりうちの出番やな」ザッ

にこ「よく言うわね。あんたもこの"魔球にこにーボール"で沈めてやるわ」

希「うちはえりちのようにはいかんで?」

絵里「……」ズーーン

希「あ、いやえりちごめん、そういうわけじゃなくてな?とりあえずあとで一緒に野球のルール勉強しよな?」

絵里「……」ズーーーン

にこ「ああもう!いいからさっさとしなさいよ!」

82: 2015/02/02(月) 18:26:48.14 ID:QTBDPunY.net
希「じゃあ、仕切り直しで」ザッ

にこ「ふん。どっちにしろあんたもこの"魔球にこにーボール"は打てっこないわ」

希「それはどうかな?にこっち」

にこ「ははっ。…寝言は寝て言いなさいよ!!!」ビュンッ

希「ふん!!」


カキーーーーン!!


にこ「な、なに!?」

希「あーっはっは!うちの勝ちやなにこっち!」


ヒューーー… ガシャッ バリーーーーン


にこ「あ、ガラス…」

希「…確かあそこって」

絵里「理事長室…」




理事長「…………廃校にします」

87: 2015/02/03(火) 22:33:04.40 ID:1TytdwdK.net
~希ちゃんと絵里ちゃん~

希「傘、傘……あれ?ない…」

希(確かこの辺に置いたと思うんだけど…)

希(…やっぱりない。誰か間違えて持って行っちゃったのかな)


ザーーーーーー…


希(雨、止みそうにないし。濡れて帰るしかないかぁ…)


「入れば?」


希「え?」

88: 2015/02/03(火) 22:34:20.48 ID:1TytdwdK.net
希(突然声を掛けられて、後ろを振り返ると)

希(そこに立っていたのは、あの、)

希(成績優秀で運動神経抜群、美人でいつだってクールだと有名な、あの、)

希「絢瀬さん!?」

絵里「入らないの?」

希「え?」

絵里「傘、持ってないんでしょう?入らないなら別にいいけど」スタスタ

希「ま、待って絢瀬さん!」

絵里「……」ピタッ

希「その……傘、入れてくれる…?」

絵里「…どうぞ」スッ

希「あ、ありがとう!」

90: 2015/02/03(火) 22:36:40.90 ID:1TytdwdK.net
希(でも、どうしよう)

希(傘に入れてもらったはいいけど、絢瀬さんと話すのなんて初めてだし)

絵里「……」スタスタ

希(それに、絢瀬さんをこんなに近くで見ることさえ初めてだけど)

希(でも、ほんとに美人よね…)

希(…綺麗な金髪。お人形さんみたい……)

絵里「あの」

希「な、なに!?」

絵里「濡れてない?」

希「え、うん。大丈夫だけど…」

希(むしろ濡れてるのは絢瀬さんの方じゃ…)

希「あ、絢瀬さん」

絵里「なに?」

希「右肩、濡れてるよ…?」

絵里「別に、これくらい大したことないわ」

希「そんな、だって私を傘に入れてくれてるから濡れてるんじゃ、」

絵里「大したことないって言ってるでしょう?気にしないで」

希「………」

希「………はい」スッ

絵里「なに?」

希「ハンカチ。…使って?」

絵里「…ありがとう」

91: 2015/02/03(火) 22:38:33.42 ID:1TytdwdK.net
希「……それが、うちとえりちの出会いのキッカケってやつかなぁ」

穂乃果「へぇ~~~。絵里ちゃんは覚えてるの?」

絵里「1年生の時の話でしょう?もう覚えてないわね」

にこ「……ククッ」

絵里「にこ?」

にこ「おっと。失礼」

希「でもな、あの時は見つからんかった傘なんやけど、次の日学校に来たらなぜかうちの机の上に置いてあったんよ」

穂乃果「ええ?間違えて持って行っちゃった人が、こっそり希ちゃんに返したってこと?」

希「うーん、でもそうだとしても、間違えて持って行った人にはあれがうちの傘だとわからないはずやと思うんやけど…」

にこ「…クククッ」

絵里「にこさん?」

にこ「あら失礼。何でもないわ」

92: 2015/02/03(火) 22:39:53.92 ID:1TytdwdK.net
ーーーー
ーー

絵里「…ね、ねぇにこ。本当にいいの?」

にこ「別にほんとに盗むわけじゃないんだから。明日の朝イチで返せばいいでしょ?」

絵里「でも…」

にこ「あーもう!希と仲良くなりたいんだったら私の言うことを聞きなさいよ!」

絵里「はい…」

にこ「いい?もうすぐ希が来るから、傘を持ったあんたが"傘がないんだったら一緒に帰りましょう"って話しかけるの」

絵里「…それから?」

にこ「それから?そんなもん知らないわよ!あとはどうにかして会話を盛り上げなさいよ!」

絵里「ええっ」


希「傘、傘……あれ?ない…」


にこ「ほら、希が来たわよ!行ってこい!」ドンッ

絵里「ちょ、ちょっと!にこ!」

93: 2015/02/03(火) 22:40:45.26 ID:1TytdwdK.net
にこ「………素直じゃない友人を持つと、苦労するわよね」

穂乃果「にこちゃん?どうかした?」

にこ「なんでもないわ、なんでも」

96: 2015/02/04(水) 00:02:47.46 ID:lXyHfGI+.net
~穂乃果ちゃんと海未ちゃん~

穂乃果「ねぇねぇ海未ちゃん、この問題はどうやるの?」

海未「どれですか?…ああ、これは…」

ガチャッ

絵里「穂乃果、ちょっといい?」

穂乃果「あ、絵里ちゃん!」

穂乃果「ごめんね海未ちゃん、ちょっとだけ待っててね!」タタタッ

海未「あ、穂乃果…」

海未「……」

97: 2015/02/04(水) 00:03:26.53 ID:lXyHfGI+.net
ガチャッ

穂乃果「海未ちゃん!お待たせ!」

海未「いえ。そんなに待ってはいませんよ」

穂乃果「そう?じゃあ勉強の続きをお願いします!」

海未「ええ、わかりました」

98: 2015/02/04(水) 00:04:12.44 ID:lXyHfGI+.net
穂乃果「……」カキカキ

海未「……」

穂乃果「……」カキカキ

海未「……」ギュッ

穂乃果「ん?」

海未「……」ギューッ

穂乃果「……ふふっ」

海未「どうかしましたか?穂乃果」

穂乃果「うーうん。なんでもないよ、海未ちゃん」

海未「そうですか」

穂乃果「でもさぁ海未ちゃん、左手だとシャーペンが持ちにくくない?」

海未「…大丈夫です。日頃から鍛えていますので」

穂乃果「そっかそっか。さすが海未ちゃんだね」クスクス

99: 2015/02/04(水) 00:06:21.21 ID:lXyHfGI+.net
にこ「…ねぇ、ちょっとあれどう思う?」コソコソ

真姫「どう思うって言われても…どう見たって、穂乃果と海未が手を繋いでるわね」コソコソ

凛「しかもあれ、恋人繋ぎだにゃ…」コソコソ

にこ「海未ちゃん、本気で私たちには見えてないと思ってるわよね」コソコソ

真姫「でもあの様子だと、穂乃果は私たちが気付いてることに気付いてるわよ」コソコソ

凛「ヤキモチ妬いてることに気付いてない海未ちゃんと、それを知った上で何も言わない穂乃果ちゃん…」コソコソ

真姫「ダメよ、凛。ここはもう見て見ぬ振りをするしかないわ」コソコソ

凛「そうだね…」コソコソ

にこ「穂乃果と海未。恐るべし」コソコソ

103: 2015/02/04(水) 23:31:07.39 ID:6slkKdcm.net
~まきりんぱな~


エーツギニー  ココニコレヲダイニュウシテー


真姫「……」カリカリ

花陽「zzz…」

真姫「…花陽」ボソッ

花陽「…zzz」

真姫「……花陽!」

花陽「……ごはん…」グゥグゥ

真姫(完全に寝てるわね)

104: 2015/02/04(水) 23:33:05.77 ID:pmo4qIF+.net
花陽「…んふふ…たきたてごはん…」グゥグゥ

真姫(ほんと、見事なまでに爆睡してるわね)

真姫(でも、あの花陽が授業中に寝るなんて)

真姫(最近練習が立て込んでたから、疲れてるのかしら)


コツンッ


真姫(痛っ……何これ?紙?ゴミ?)

真姫(後ろから飛んできたわよね)クルッ

凛「……」ジーーッ

真姫(凛…)

凛「……」コソコソ

真姫(な、なに?開けろってこと?)

凛「……」ウンウン

真姫(ったく一体何なのよ)ガサガサ

真姫(…えーっと、なになに?)


"かよちん、昨日アイドルのDVDを夜遅くまで観てたらしいにゃ!"


真姫(心配して損したわ)

105: 2015/02/04(水) 23:36:19.06 ID:pmo4qIF+.net
デアルカラシテー コノモンダイノコタエハー


花陽「……んぅ」グゥグゥ

真姫(全く起きる気配はなさそうね)

花陽「…ふふ」グゥグゥ

真姫(ったく、授業中なのに幸せそうに寝ちゃって)

花陽「ん…」モゾ…

真姫(あ、こっち向いた)

真姫「……」

真姫(隣の席だから、手を伸ばせば届きそうよね)

真姫「……」

真姫「……」ソーーッ

花陽「……まきちゃん」

真姫「!」ビクッ

花陽「ふふ…」グゥグゥ

真姫(な、なに!?いま私を呼んだわよね!?)

花陽「…まきちゃん……」

真姫「!!」

花陽「…まきちゃん…ごはんになっちゃったのぉ…?」

真姫(ええ!?)

花陽「……んぅ」グゥグゥ

真姫「……」

真姫(やっぱり寝てる)

花陽「…んん…むりです…はなよにはまきちゃんはたべられません……」

真姫「……フッ」

真姫(どんな寝言よ)クスクス

106: 2015/02/04(水) 23:37:56.00 ID:pmo4qIF+.net
花陽「…んふふ」グゥグゥ

真姫(ほんと、幸せそうね)

真姫(たまに思うけど、花陽を見てるとどこか癒されるのよね)

真姫(ふわふわしてて、あたたかくて)

真姫("花陽"って名前は、本当に)

真姫(この子には、ぴったりの名前よね)

花陽「…えへへ……」グゥグゥ

真姫(……なんか、眠ってる花陽を見てたら、)

真姫(私も、眠くなってきたわね…)

107: 2015/02/04(水) 23:39:28.43 ID:pmo4qIF+.net
キーン コーン カーン コーン…


凛「まーきちゃん!かよちん!」

凛「もう授業終わっちゃったよ~!」

花陽「…んふふ」グゥグゥ

真姫「……」スー スー

凛「……」

凛「ふふっ」

凛「かわいいなぁ、ふたりとも」クスクス

109: 2015/02/04(水) 23:45:21.86 ID:pmo4qIF+.net
~にこちゃんと絵里ちゃん~


スタスタスタスタ…


にこ「………希!!!」クルッ!

希「ど、どしたんにこっち。突然こっちを振り返って」

にこ「やった当たった!にこ1ポイントゲットにこ~!」

絵里「次は私の番よ!」

希「うん?」

110: 2015/02/04(水) 23:47:51.83 ID:pmo4qIF+.net
テクテクテクテク…


絵里「………海未!!!」クルッ!

ことり「ぴぃっ!?」

絵里「ええ!?ことり!?」

にこ「はいざんねーん!私の勝ちね!」

絵里「ぐぬぬ…もう一回勝負よ!」

にこ「無駄よ!何度やったってにこが勝つのよ!」

ことり「…ぴぃ?」

111: 2015/02/04(水) 23:48:53.84 ID:pmo4qIF+.net
真姫「…何してんの、あれ」

凛「"近づいた足音君ならいいのにゲーム"らしいにゃ」

真姫「はあ?」

凛「足音だけで誰が近づいて来てるのかを当てるんだって~」

真姫「……」

真姫「………馬鹿でしょ」

112: 2015/02/04(水) 23:50:29.00 ID:pmo4qIF+.net
そろそろネタ切れ感が否めないですね…

118: 2015/02/06(金) 16:31:29.20 ID:wdZ58R/1.net
~真姫ちゃんとにこちゃん~

凛「にっこちゃーん!おっはようにゃー!!」ダキッ

にこ「わ、びっくりするわね。おはよう、凛」ナデナデ

凛「ん?んー?まぁいいにゃ」ゴロゴロ


真姫「……」

119: 2015/02/06(金) 16:32:34.12 ID:wdZ58R/1.net
花陽「にこちゃんにこちゃん!昨日のアイドル特番観た!?」

にこ「もちろん観たわよ!みんな面白かったし可愛かったわねー」

花陽「……」

にこ「……」

花陽「え!?」

にこ「なに?」

花陽「え、いや、うん…そうだね?」

にこ「ふふ、どうしたのよ」クスクス


真姫「……」

120: 2015/02/06(金) 16:34:00.37 ID:wdZ58R/1.net
凛「真姫ちゃん真姫ちゃん」ツンツン

真姫「なによ、凛。授業中よ?」

凛「見て見て、グラウンド」ユビサシ

真姫「……」

凛「三年生は持久走なんだねー。にこちゃん頑張って走ってるにゃ」

真姫「……」

凛「いいな、凛も走りたい……あ」

真姫「あ」

凛「にこちゃん、こけちゃった」

真姫「……」

凛「おお、希ちゃんと絵里ちゃんが颯爽と登場にゃ」

真姫「……」

凛「にこちゃん、大丈夫かなぁ?」

121: 2015/02/06(金) 16:35:35.93 ID:wdZ58R/1.net
真姫「先生」

ナンダー ドウシタニシキノー

真姫「具合が悪いので保健室に行ってもいいでしょうか」

凛「ま、真姫ちゃん?」

ダイジョウブカー? キヲツケテイケヨー

真姫「はい」


ガラッ  スタスタスタ


凛「……」

凛「颯爽と去って行ったにゃ…」

122: 2015/02/06(金) 16:39:42.66 ID:wdZ58R/1.net
ガラッ

絵里「あら、真姫。どうかしたの?」

真姫「…ちょっと具合が悪くて」

希「あらあら、真姫ちゃんもなん?」

真姫「も?」

絵里「私たち体育の授業だったんだけど、持久走をしてたらにこが転けちゃってね」

希「怪我の治療のために保健室に連れてきたんやけどな、なーんか様子がおかしいから熱を計らせたんよ」

絵里「そしたらまあ、ビンゴよ。保健医の先生もいないし、ゴネるにこを寝かしつけるのに苦労したわ」

真姫「…にこちゃんは?」

希「そっちのベッドで寝てるで?嫌がってた割にはぐっすり寝てるから、実は相当しんどかったんやろなぁ」

絵里「真姫は?大丈夫なの?」

真姫「…ええ。私のは寝不足みたいなものだし。1時間だけベッドで休ませてもらえば大丈夫だわ」

希「そっかそっか。ほんならえりち、うちらは授業に戻ろか?」

絵里「そうね。真姫、お大事にね」

希「真姫ちゃん、にこっちのこと頼んだで~」

絵里「うん?」

希「ほら行こ?えりち」


ガラッ  スタスタスタスタ…


真姫「……」

123: 2015/02/06(金) 16:42:23.20 ID:wdZ58R/1.net
真姫「……」

真姫(朝から様子がおかしいとは思ってたのよね)

真姫(凛に抱き着かれたとき、いつものにこちゃんだったら"離れなさいよ!"って言うし)

真姫(花陽とアイドルの話をしてたとき、いつものにこちゃんだったら"みんな可愛いけどまあにこの可愛さには敵わないわね"とか言うし)

にこ「……」スー スー

真姫(……ま、別に私には関係ないんだけど)

124: 2015/02/06(金) 16:45:22.60 ID:wdZ58R/1.net
キーン コーン カーン コーン…


にこ「……んぅ」

にこ「ん……授業終わったのね…」

真姫「……」ジーーッ

にこ「……真姫ちゃん?」

真姫「……」ジーーーッ

にこ「真姫ちゃん!」

真姫「ゔぇぇぇっ!?」

にこ「ええっ!?」

真姫「お、起きたなら起きたっていいなさいよ!」

にこ「いや、それより…こんなとこで何してんのよ」

真姫「見ればわかるでしょ!?」

にこ「わかんないから訊いてんのよ。何で私が寝てるベッドの横につっ立ってるわけ?」

真姫「べ、別に…」

にこ「ん?」

真姫「別に、にこちゃんのことなんか見てないわよ!」

にこ「はあ?」

真姫「だいたいにこちゃんなんてどうでもいいのよ!私には関係ないのよ!関係ないけどあんまり無理するんじゃないわよ!どうでもいいけど!」

にこ「ま、真姫ちゃんちょっと落ち着いて、」

真姫「私は次の授業があるからもう行くわ!どうでもいいけどちゃんとゆっくり体を休めなさいよ!ばか!」


ガラッ  ダダダダダダッ…


にこ「……なんだったのよ、一体」

129: 2015/02/06(金) 18:39:56.37 ID:wdZ58R/1.net
~穂乃果ちゃんと海未ちゃん~

穂乃果「海未ちゃん!私と結婚して!」

海未「嫌です」

穂乃果「え~海未ちゃんのケチ~~」

海未「ケチとかそういう問題ではありません」

穂乃果「なんで?」

海未「いいですか穂乃果、そもそも日本では同性婚は認められていないんです」

穂乃果「じゃあそれが認められたら結婚してくれる?」

海未「嫌です」

穂乃果「なんで!」

海未「穂乃果と結婚なんて、苦労するのが目に見えてますから」

穂乃果「ひどいよ海未ちゃん!」ガーン

130: 2015/02/06(金) 18:41:12.17 ID:wdZ58R/1.net
穂乃果「ねー海未ちゃん、穂乃果と結婚してよ~」

海未「嫌です」

穂乃果「じゃあさじゃあさ、穂乃果と一緒に毎日ほむまんを作ってください!」

海未「嫌です」

穂乃果「え~。じゃあ、毎日穂乃果のパンツを洗ってください!」

海未「もっと嫌です」

穂乃果「もう何ならいいのさ~」

海未「何だって駄目です」

穂乃果「もう海未ちゃんのケチ!じゃあ穂乃果と付き合ってよ!」

海未「いいですよ」

穂乃果「……」

海未「……」

穂乃果「……ん?」

131: 2015/02/06(金) 18:42:18.52 ID:wdZ58R/1.net
穂乃果「…海未ちゃん?」

海未「なんですか?」

穂乃果「えっと、あの…穂乃果と、付き合ってください…?」

海未「いいですよ」

穂乃果「ほんとに!?」

海未「だからそう言ってるじゃないですか」

穂乃果「ほんとに!?ほんとにいいの!?」

海未「もう、しつこいですよ」

穂乃果「やったー!海未ちゃんだいすき!!」ダキッ

海未「まったく穂乃果は、しょうがない人ですね」ナデナデ

穂乃果「えへへ」

134: 2015/02/06(金) 21:17:14.08 ID:wdZ58R/1.net
~凛ちゃんとにこちゃん~

凛「にゃーー!!」グルグルグルグル

にこ「…何してんのよ、あんた」

凛「あ、にこちゃん!あのね、穂乃果ちゃんがね!こうやってバケツを回したら水がこぼれないんだよって教えてくれたの!」グルグルグルグル

にこ「馬鹿でしょ…」

凛「ねーにこちゃんこれすごいよ!えんしんりょくって言うんだって!」グルグルグルグル

にこ「はいはい、わかったからそのへんにしときなさいよ」

凛「それがねにこちゃん!」グルグルグルグル

にこ「なに」

凛「これ、止めどきがわかんないの!」グルグルグルグル

にこ「……」

凛「ちょ、ちょっとにこちゃん!無言で離れていかないでよ!」グルグルグルグル

135: 2015/02/06(金) 21:19:50.41 ID:wdZ58R/1.net
にこ「ど、どうすんのよ!失敗したら大惨事でしょ!?」

凛「にこちゃん…凛、そろそろ腕が…」グルグルグルグル

にこ「ダ、ダメよ!急に止めたら水がこぼれるでしょ!?」

凛「にゃ~~~~」グルグルグルグル

にこ「いい?回すスピードを少しずつゆっくりにするのよ?」

凛「ゆっくり?」グルグルグルグル

にこ「そう。ゆっくり、ゆっくり…」

凛「ゆっくり…」グルグル

にこ「ゆっくり…」


ズルッ


凛「にゃーーーーーーー!!!!」

にこ「いやぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」


シーーーーーン


にこ「………あ、あれ?」

凛「えへへ!実はこのバケツ、空っぽでしたー!!」ジャーン

にこ「……」

凛「やーいにこちゃん騙されてやんのー!」ケラケラ

にこ「………凛?」

凛「逃げるが勝ちにゃ!!」ダッ

にこ「待ちなさぁぁい!!」ダダダダダダッ



絵里「……」

希「えりち?マネしちゃダメやで?」

絵里「そ、そんなことするわけないでしょう!?」

140: 2015/02/07(土) 00:59:32.75 ID:FDjckjOJ.net
面白い、最高

86: 2015/02/02(月) 20:11:15.67 ID:RdBQYJYW.net
雰囲気好きだわ

引用元: http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1422771159/

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