【SS】花丸「オラはハッカー」【ラブライブ!サンシャイン!!】
■約15000文字■
2018/01/07(日) 16:34:34.10 ID:lGqc2NB1
花丸「未来ずらー」
善子「何言ってんのよ。簡単じゃない」
ルビィ「花丸ちゃん、情報処理の授業苦手だもんね...」
善子「エクセル、ワードは現代社会で必須よ。ほら、教えてあげるから」
花丸「ありがとう、善子ちゃん」
善子「ヨハネ!」
---
--
-
花丸「」カタカタッターン
花丸「...データ抜き取り、成功ずら」
4: 2018/01/12(金) 22:25:07.89 ID:3MPNJ1mI
花丸「未来ずら〜」
善子「ふふん。パワポを使えば発表資料なんてちょこざいよ」
ルビィ「すごい!アニメーションもついてる!」
花丸「オラも資料を可愛く飾りづけしたい」
善子「白背景に文字だけ?全くパワポ初心者はこれだから。ほら、貸しなさい」
花丸「ありがとう、善子ちゃん」
善子「ヨハネ!」
---
花丸「...」 カタカタッターン
花丸「データ改ざん、成功ずら」
善子「ふふん。パワポを使えば発表資料なんてちょこざいよ」
ルビィ「すごい!アニメーションもついてる!」
花丸「オラも資料を可愛く飾りづけしたい」
善子「白背景に文字だけ?全くパワポ初心者はこれだから。ほら、貸しなさい」
花丸「ありがとう、善子ちゃん」
善子「ヨハネ!」
---
花丸「...」 カタカタッターン
花丸「データ改ざん、成功ずら」
6: 2018/01/12(金) 22:26:11.61 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
医師「残念ですが」
女「嘘でしょう?こんなに暖かいのに...?」
医師「手は尽くしたのですが、脳死の判定が」
女「あぁ...そんな...果南」
果南「」
医師「...」
--
-
医師「残念ですが」
女「嘘でしょう?こんなに暖かいのに...?」
医師「手は尽くしたのですが、脳死の判定が」
女「あぁ...そんな...果南」
果南「」
医師「...」
7: 2018/01/12(金) 22:26:42.01 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
ザワザワ...
花丸「10時から全校集会だってさ」
善子「気が滅入るわね」
ルビィ「きっと、あの事だろうね...」
花丸「ルビィちゃん、知ってる子なんでしょ?」
ルビィ「うん...お姉ちゃんとすごく仲がよかった」
ルビィ「いつも明るくて...元気いっぱいで」
ルビィ「最近会わなかったけど、ルビィにも優しくて」
ルビィ「うっ...花丸ちゃぁ...」
花丸「泣かないで。ルビィちゃん」 ヨシヨシ
善子「...気が滅入るわね」
--
-
ザワザワ...
花丸「10時から全校集会だってさ」
善子「気が滅入るわね」
ルビィ「きっと、あの事だろうね...」
花丸「ルビィちゃん、知ってる子なんでしょ?」
ルビィ「うん...お姉ちゃんとすごく仲がよかった」
ルビィ「いつも明るくて...元気いっぱいで」
ルビィ「最近会わなかったけど、ルビィにも優しくて」
ルビィ「うっ...花丸ちゃぁ...」
花丸「泣かないで。ルビィちゃん」 ヨシヨシ
善子「...気が滅入るわね」
8: 2018/01/12(金) 22:27:16.08 ID:3MPNJ1mI
---
グズ... グズ....
花丸(三年生の方からすすり泣きが。無理ないか)
鞠莉「おはようございます」
鞠莉「今日は緊急の全校集会、申し訳ありませんでした」
鞠莉「お話するのは...もう、何人かはご存知かもしれませんが」
鞠莉「私たちの学友の...松浦、果南さんが...う、うぅ...」
鞠莉「昨晩...脳死の連絡が...松浦さんの親御さんから」
鞠莉「彼女は本当に活発な女の子で...」
鞠莉「一週間前のあの日も...元気に登校して...う、果南...うわぁあん」
花丸「...」
グズ... グズ....
花丸(三年生の方からすすり泣きが。無理ないか)
鞠莉「おはようございます」
鞠莉「今日は緊急の全校集会、申し訳ありませんでした」
鞠莉「お話するのは...もう、何人かはご存知かもしれませんが」
鞠莉「私たちの学友の...松浦、果南さんが...う、うぅ...」
鞠莉「昨晩...脳死の連絡が...松浦さんの親御さんから」
鞠莉「彼女は本当に活発な女の子で...」
鞠莉「一週間前のあの日も...元気に登校して...う、果南...うわぁあん」
花丸「...」
9: 2018/01/12(金) 22:27:54.66 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
花丸「もすもす」 モグモグ
梨子『こんばんは。のっぽパン?』
花丸「うん」 モグモグ
梨子「太るよ?」
花丸「梨子ちゃんと違って、オラは絶賛育ち盛りずら」
花丸「で?どうしたの?」
梨子『なんとなく。電話したくなっちゃった』
花丸「ふーん...」
--
-
花丸「もすもす」 モグモグ
梨子『こんばんは。のっぽパン?』
花丸「うん」 モグモグ
梨子「太るよ?」
花丸「梨子ちゃんと違って、オラは絶賛育ち盛りずら」
花丸「で?どうしたの?」
梨子『なんとなく。電話したくなっちゃった』
花丸「ふーん...」
10: 2018/01/12(金) 22:29:04.75 ID:3MPNJ1mI
花丸「残念だけど、今日さ、なんかモヤモヤしちゃって」
花丸「パフォーマンスが出ないと思う」
花丸「できれば警察の案件、やりたくないな」
梨子『...そっか。わかった』
梨子『かくいう私も、同じよ』
梨子『公務とはいえ、今日の理事長室の盗聴は早々に切り上げたわ』
梨子『ずっと泣いてるだけだし...』
花丸「あぁ」
梨子『理事長ファンの私には辛いもの』
花丸「...なんだ、それ」
花丸「パフォーマンスが出ないと思う」
花丸「できれば警察の案件、やりたくないな」
梨子『...そっか。わかった』
梨子『かくいう私も、同じよ』
梨子『公務とはいえ、今日の理事長室の盗聴は早々に切り上げたわ』
梨子『ずっと泣いてるだけだし...』
花丸「あぁ」
梨子『理事長ファンの私には辛いもの』
花丸「...なんだ、それ」
11: 2018/01/12(金) 22:29:34.20 ID:3MPNJ1mI
花丸「...梨子ちゃんは、松浦さん、知ってた?」
梨子『知らない』
花丸「だよね。学年違うし。オラも知らなかったずら」
花丸「松浦さん、体育の途中で倒れたんでしょ?」
梨子『えぇ。でも、元気が取り柄みたいな子、だったのは本当みたい』
梨子『クラスの彼女と幼馴染の子が言ってた』
花丸「ルビィちゃんも言ってたずら」
梨子『今日の集会は、事故を予想するのは困難だった、っていう弁明ね』
花丸「SNSやマスコミへ漏らすのも慎め、という意図もあったと思う」
花丸「こんなローカルのニュース、関心を持つのいないけどね」
梨子『これ以上のリスクは回避したいのよ...きっと』
梨子『知らない』
花丸「だよね。学年違うし。オラも知らなかったずら」
花丸「松浦さん、体育の途中で倒れたんでしょ?」
梨子『えぇ。でも、元気が取り柄みたいな子、だったのは本当みたい』
梨子『クラスの彼女と幼馴染の子が言ってた』
花丸「ルビィちゃんも言ってたずら」
梨子『今日の集会は、事故を予想するのは困難だった、っていう弁明ね』
花丸「SNSやマスコミへ漏らすのも慎め、という意図もあったと思う」
花丸「こんなローカルのニュース、関心を持つのいないけどね」
梨子『これ以上のリスクは回避したいのよ...きっと』
12: 2018/01/12(金) 22:30:16.23 ID:3MPNJ1mI
梨子『理事長も可哀想に。同級生の脳死で辛いはずなのに』
梨子『危機管理の怠慢を親御さんやPTAに詰められるよ。きっと』
花丸「廃校に、友人の事故に、PTAの晒し上げ」
梨子『彼女、お祓いに行った方がいいかも』
花丸「神頼み?そんなもん、何にもならんずら」
梨子『仏に頼んだ方がよかった?』
花丸「ふん。本当に問題を解決したいんだったら...」
ピロロン
花丸「あ、なんか依頼きた。待ってて...」
梨子『うん』
梨子『危機管理の怠慢を親御さんやPTAに詰められるよ。きっと』
花丸「廃校に、友人の事故に、PTAの晒し上げ」
梨子『彼女、お祓いに行った方がいいかも』
花丸「神頼み?そんなもん、何にもならんずら」
梨子『仏に頼んだ方がよかった?』
花丸「ふん。本当に問題を解決したいんだったら...」
ピロロン
花丸「あ、なんか依頼きた。待ってて...」
梨子『うん』
13: 2018/01/12(金) 22:30:55.63 ID:3MPNJ1mI
花丸「...ただいま」
花丸「梨子ちゃん、すごい急なんだけどさ」
梨子『うん?』
花丸「松浦さんが入院してるのって、藤浪総合病院であってる?」
梨子『えぇっと。確か、最初は学校に近い高山大学病院に運ばれたはずだけど...』
梨子『入院先はそっちだったはず。理事長室の盗聴器から、そんな名前が聞こえた』
梨子『どうして?』
花丸「...どうやら理事長は、頼むべき相手を知ってるみたいずら」
花丸「梨子ちゃん、すごい急なんだけどさ」
梨子『うん?』
花丸「松浦さんが入院してるのって、藤浪総合病院であってる?」
梨子『えぇっと。確か、最初は学校に近い高山大学病院に運ばれたはずだけど...』
梨子『入院先はそっちだったはず。理事長室の盗聴器から、そんな名前が聞こえた』
梨子『どうして?』
花丸「...どうやら理事長は、頼むべき相手を知ってるみたいずら」
14: 2018/01/12(金) 22:31:47.67 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
カランカラン
店員「いらっしゃいませ、1名様ですか?」
鞠莉「いえ、待ち合わせで...ヨハネです」
店員「ヨハネ様ですね。はい、こちらへどうぞ」
鞠莉(...ハッカーとの顔合わせ)
鞠莉(どんな人でも怯えちゃだめ。大丈夫、私なら出来る...)
店員「こちらの一番奥の席ですね。どうぞ」
---
花丸「パフェうまいずらー」
鞠莉「...」
---
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-
カランカラン
店員「いらっしゃいませ、1名様ですか?」
鞠莉「いえ、待ち合わせで...ヨハネです」
店員「ヨハネ様ですね。はい、こちらへどうぞ」
鞠莉(...ハッカーとの顔合わせ)
鞠莉(どんな人でも怯えちゃだめ。大丈夫、私なら出来る...)
店員「こちらの一番奥の席ですね。どうぞ」
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花丸「パフェうまいずらー」
鞠莉「...」
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15: 2018/01/12(金) 22:32:28.35 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「まさか、浦女の生徒だなんて。サプラーイズでーす」
花丸「あ、そういうのいいんで」 モグモグ
鞠莉「ご、ごめんなさい」
花丸「...」 モグモグ
鞠莉「...」 シュン
花丸「...オラも理事長に情報屋と繋がりがあったの、驚いてるずら」
鞠莉「...メッセンジャーとは留学先のラーメン屋でね」
鞠莉「お話ししたら意気投合して、連絡先を交換したの」
鞠莉「困ったことがあったらコールしてくれって」
花丸「ふーん」 モグモグ
花丸(偶然を装って小原とコネクションを取ろうとしたんだろうなぁ)
花丸「あ、そういうのいいんで」 モグモグ
鞠莉「ご、ごめんなさい」
花丸「...」 モグモグ
鞠莉「...」 シュン
花丸「...オラも理事長に情報屋と繋がりがあったの、驚いてるずら」
鞠莉「...メッセンジャーとは留学先のラーメン屋でね」
鞠莉「お話ししたら意気投合して、連絡先を交換したの」
鞠莉「困ったことがあったらコールしてくれって」
花丸「ふーん」 モグモグ
花丸(偶然を装って小原とコネクションを取ろうとしたんだろうなぁ)
16: 2018/01/12(金) 22:33:06.69 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「で、今回の件で相談したら」
鞠莉「オススメの日本のハッカーがいるって」
花丸「...それがオラだったってわけね」
鞠莉「彼、言っていたわ。最近あなたが警察と組んで事件を解決したって」
鞠莉「私の依頼も、警察の力が必要になるから、あなたが最適だと」
花丸「あー...理解したずら」
花丸(やっぱり警察に手を貸したの、情報屋にはバレてるずらか...)
鞠莉「オススメの日本のハッカーがいるって」
花丸「...それがオラだったってわけね」
鞠莉「彼、言っていたわ。最近あなたが警察と組んで事件を解決したって」
鞠莉「私の依頼も、警察の力が必要になるから、あなたが最適だと」
花丸「あー...理解したずら」
花丸(やっぱり警察に手を貸したの、情報屋にはバレてるずらか...)
17: 2018/01/12(金) 22:33:53.92 ID:3MPNJ1mI
---
花丸「うん。依頼には十分な貯金ずら」
花丸「でも、これってお父さんの...?」
鞠莉「いえ。自分で稼いだもの。仮想通貨取引でね」
鞠莉「最初のマネーこそ、親に出してもらったけど、1000倍まで育てたのは私」
鞠莉「ちゃんと親にはタックス付きで借金返済済みよ」
花丸「義理堅いずら」
鞠莉「手堅く日本円に換金しているのは、これっぽっちだけだけど」
鞠莉「株や仮想通貨、海外の口座を合わせれば、資産プラス20億ってとこかしら」
花丸「ファー」
花丸(個人資産で30億越え。オラの生活スタイルなら7転生ぶん遊んで暮らせるずら)
花丸「うん。依頼には十分な貯金ずら」
花丸「でも、これってお父さんの...?」
鞠莉「いえ。自分で稼いだもの。仮想通貨取引でね」
鞠莉「最初のマネーこそ、親に出してもらったけど、1000倍まで育てたのは私」
鞠莉「ちゃんと親にはタックス付きで借金返済済みよ」
花丸「義理堅いずら」
鞠莉「手堅く日本円に換金しているのは、これっぽっちだけだけど」
鞠莉「株や仮想通貨、海外の口座を合わせれば、資産プラス20億ってとこかしら」
花丸「ファー」
花丸(個人資産で30億越え。オラの生活スタイルなら7転生ぶん遊んで暮らせるずら)
19: 2018/01/12(金) 22:35:24.03 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「でも...このマネー。私が豪遊するために作ったマネーじゃ無いのよ?」
鞠莉「知ってるかもしれないけど...」
鞠莉「今、浦女は一個大きな問題を抱えているの」
花丸「廃校の事?」
鞠莉「あはは。やっぱりユー、ノーイング」
鞠莉「...私は、このお金を使って守るつもりだったの。浦の星女学院を」
鞠莉「でも、全然足りない。相手にされない。親の金だろうって」
鞠莉「悔しいよ...」 グッ
花丸「...」
鞠莉「ねぇ、国木田さん」
鞠莉「...あなたも私が親のお金を貪ってるだけの、おバカなスポイルガールに見えてた?」
花丸「うぐ...」
鞠莉「ふふ、いいの。ホテルの娘って、パリスちゃんみたいに思われる、さがだから」
花丸「...認識を改めるずら」
鞠莉「そうしてくれたら、マリー嬉しいな」 ニコッ
花丸「」ドキッ
鞠莉「知ってるかもしれないけど...」
鞠莉「今、浦女は一個大きな問題を抱えているの」
花丸「廃校の事?」
鞠莉「あはは。やっぱりユー、ノーイング」
鞠莉「...私は、このお金を使って守るつもりだったの。浦の星女学院を」
鞠莉「でも、全然足りない。相手にされない。親の金だろうって」
鞠莉「悔しいよ...」 グッ
花丸「...」
鞠莉「ねぇ、国木田さん」
鞠莉「...あなたも私が親のお金を貪ってるだけの、おバカなスポイルガールに見えてた?」
花丸「うぐ...」
鞠莉「ふふ、いいの。ホテルの娘って、パリスちゃんみたいに思われる、さがだから」
花丸「...認識を改めるずら」
鞠莉「そうしてくれたら、マリー嬉しいな」 ニコッ
花丸「」ドキッ
20: 2018/01/12(金) 22:36:05.99 ID:3MPNJ1mI
---
花丸「...で、依頼の事なんだけど、気になっている部分があるずら」
鞠莉「何でも聞いて?」
花丸「うん。まぁ、一点だけなんだけど。きっかけ、だよね」
花丸「何で急に松浦さんの病院を探ってほしいと思ったのかなって」
鞠莉「...私、プライベートでも果南と仲がよかったの」
鞠莉「ここ一週間は公務ってことで」
鞠莉「学校サボって果南のお見舞いに行ってるぐらいにね☆」
花丸「バッドガールずら」
鞠莉「お互い様でしょ?」
花丸「...で、依頼の事なんだけど、気になっている部分があるずら」
鞠莉「何でも聞いて?」
花丸「うん。まぁ、一点だけなんだけど。きっかけ、だよね」
花丸「何で急に松浦さんの病院を探ってほしいと思ったのかなって」
鞠莉「...私、プライベートでも果南と仲がよかったの」
鞠莉「ここ一週間は公務ってことで」
鞠莉「学校サボって果南のお見舞いに行ってるぐらいにね☆」
花丸「バッドガールずら」
鞠莉「お互い様でしょ?」
21: 2018/01/12(金) 22:36:55.37 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「...果南さ。今にも目をさますんじゃないかってぐらい綺麗なの」
鞠莉「脳死って聞いて、本当に信じられなかった」
鞠莉「そんな折よ...一通のメールが届いたの」
花丸「メール?」
鞠莉「えぇ。待ってね...これよ」 ッス
花丸「差出人不明。件名なし。本文は...」
花丸「『松浦果南は脳死ではない。藤浪総合病院の裏を探れ。まだ助けられる』...?」
鞠莉「脳死って聞いて、本当に信じられなかった」
鞠莉「そんな折よ...一通のメールが届いたの」
花丸「メール?」
鞠莉「えぇ。待ってね...これよ」 ッス
花丸「差出人不明。件名なし。本文は...」
花丸「『松浦果南は脳死ではない。藤浪総合病院の裏を探れ。まだ助けられる』...?」
22: 2018/01/12(金) 22:37:35.40 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「理事長宛てのメールとして届いてきたの」
花丸「警察には?」
鞠莉「もちろん見せたわ。でも...悪戯だって」
花丸「...そっか。そうなるよね」
鞠莉「果南のご父兄にも連絡したけど、彼らにもメールは届いてて」
花丸「同じ文言で?」
鞠莉「そう言ってたわ」
鞠莉「でも、こんなメールで決心を惑わせないでくれ、って怒鳴られちゃった」
花丸「決心って...」
鞠莉「延命装置を切る事だと...思うわ」
花丸「だとしたら、あまり、時間がなさそうだね」
鞠莉「えぇ。だから、病院にも直接電話したけど...相手にされなかった」
花丸「ふむ...」
花丸「警察には?」
鞠莉「もちろん見せたわ。でも...悪戯だって」
花丸「...そっか。そうなるよね」
鞠莉「果南のご父兄にも連絡したけど、彼らにもメールは届いてて」
花丸「同じ文言で?」
鞠莉「そう言ってたわ」
鞠莉「でも、こんなメールで決心を惑わせないでくれ、って怒鳴られちゃった」
花丸「決心って...」
鞠莉「延命装置を切る事だと...思うわ」
花丸「だとしたら、あまり、時間がなさそうだね」
鞠莉「えぇ。だから、病院にも直接電話したけど...相手にされなかった」
花丸「ふむ...」
23: 2018/01/12(金) 22:38:05.98 ID:3MPNJ1mI
花丸「って、え?理事長、病院に電話したの?」
鞠莉「え?えぇ、したわ。もう一度診断し直してって」
花丸「...う、うぅーん」
鞠莉「まずかった、かしら...」
花丸「うん」
鞠莉「え?えぇ、したわ。もう一度診断し直してって」
花丸「...う、うぅーん」
鞠莉「まずかった、かしら...」
花丸「うん」
24: 2018/01/12(金) 22:38:50.06 ID:3MPNJ1mI
花丸「...このメールが悪戯じゃないと仮定して...」
花丸「メールの送り主は、態々インスタントメアドを取得して」
花丸「自分の素性がバレないように、こっそり病院の闇を暴いて欲しい、と連絡した訳だよ」
花丸「それなのに、病院に正面から不正を騒ぎ立てるって...どう思う?」
鞠莉「あ...」
花丸「まだ親ならわかるずら。娘の死を受け入れられないんだなって」
花丸「でも、理事長と松浦さんの関係性は、あくまでも学生とその学校の理事長」
花丸「不正を働いてる病院の人が聞いたら、警戒すると思わない?」
鞠莉「あ、あぁ...本当、私って馬鹿...うぅ」
鞠莉「いつもこうなの。何にも上手に行かない...私はただ果南を...」
鞠莉「果南を助けたいだけなのに...うぅ...うわぁぁん」
花丸(やってしまったずらー)
花丸「メールの送り主は、態々インスタントメアドを取得して」
花丸「自分の素性がバレないように、こっそり病院の闇を暴いて欲しい、と連絡した訳だよ」
花丸「それなのに、病院に正面から不正を騒ぎ立てるって...どう思う?」
鞠莉「あ...」
花丸「まだ親ならわかるずら。娘の死を受け入れられないんだなって」
花丸「でも、理事長と松浦さんの関係性は、あくまでも学生とその学校の理事長」
花丸「不正を働いてる病院の人が聞いたら、警戒すると思わない?」
鞠莉「あ、あぁ...本当、私って馬鹿...うぅ」
鞠莉「いつもこうなの。何にも上手に行かない...私はただ果南を...」
鞠莉「果南を助けたいだけなのに...うぅ...うわぁぁん」
花丸(やってしまったずらー)
25: 2018/01/12(金) 22:39:27.36 ID:3MPNJ1mI
---
花丸「落ち着いた?」
鞠莉「ごめんなさい。最近泣き慣れてて」
花丸「嫌な慣れずらねぇ」
鞠莉「それで、国木田さんは...この依頼、うけてくれる?」
花丸「うーん。清く快諾って訳にはいかないずら」
鞠莉「そう...」
花丸「うん。病院って結構セキュリティ強くて...」
花丸「ハッキングで医療器具が動かなくなりました。なんてことがあったらまずいからね」
花丸「たまに保険会社から病死の裏どりの依頼されるけど、骨が折れるずら」
鞠莉「へー...」
花丸「つまるとこ、このメールだけでは」
花丸「いくらお金を積まれても、オラのリスクに合わない」
鞠莉「!」
花丸「落ち着いた?」
鞠莉「ごめんなさい。最近泣き慣れてて」
花丸「嫌な慣れずらねぇ」
鞠莉「それで、国木田さんは...この依頼、うけてくれる?」
花丸「うーん。清く快諾って訳にはいかないずら」
鞠莉「そう...」
花丸「うん。病院って結構セキュリティ強くて...」
花丸「ハッキングで医療器具が動かなくなりました。なんてことがあったらまずいからね」
花丸「たまに保険会社から病死の裏どりの依頼されるけど、骨が折れるずら」
鞠莉「へー...」
花丸「つまるとこ、このメールだけでは」
花丸「いくらお金を積まれても、オラのリスクに合わない」
鞠莉「!」
26: 2018/01/12(金) 22:40:03.26 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「...だよね。このメールも悪戯かもしれないし...」
鞠莉「ありがとう。話を聞いてくれただけでも心が軽くなった」 ニコッ
鞠莉「...お会計してくるね」 ッス
花丸「待つずら」
鞠莉「?」
花丸「確かにオラには、お断り案件だけど」
花丸「理事長には、実はもうワンチャンス、オラに依頼できる可能性があるずら」
鞠莉「え...?」
花丸「」 ッピ
鞠莉(トランシーバー?...)
花丸「...どうする?理事長ファン1号?」
鞠莉「ありがとう。話を聞いてくれただけでも心が軽くなった」 ニコッ
鞠莉「...お会計してくるね」 ッス
花丸「待つずら」
鞠莉「?」
花丸「確かにオラには、お断り案件だけど」
花丸「理事長には、実はもうワンチャンス、オラに依頼できる可能性があるずら」
鞠莉「え...?」
花丸「」 ッピ
鞠莉(トランシーバー?...)
花丸「...どうする?理事長ファン1号?」
27: 2018/01/12(金) 22:40:47.23 ID:3MPNJ1mI
トランシーバー『どうする?って、なーに、カッコつけてるの』
鞠莉「!」
トランシーバー『理事長を泣かした罰。協力しなきゃ逮捕ね。通信アウト』
花丸「...やれやれ。協力しないと、オラ、逮捕されちゃうってさ」
鞠莉「!」
トランシーバー『理事長を泣かした罰。協力しなきゃ逮捕ね。通信アウト』
花丸「...やれやれ。協力しないと、オラ、逮捕されちゃうってさ」
28: 2018/01/12(金) 22:41:17.85 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
ブロロロ...ブーン....
花丸「で、何で公安オッケー出たの?」
梨子「...花丸ちゃんとの電話終わった後、藤浪に関わる口座を洗ったんだけど」
梨子「ちょっと気になる金の動きを見つけたのよ」
花丸「できる上司はスピード感が違うずら」
梨子「ふふ。私が情で捜査決定したと思った?」 ニコッ
花丸「まっさか。鬼悪魔梨子っぴー軍曹がそんな、そんな」 ニコッ
梨子「おろすよ」
花丸「ごめんずら」
--
-
ブロロロ...ブーン....
花丸「で、何で公安オッケー出たの?」
梨子「...花丸ちゃんとの電話終わった後、藤浪に関わる口座を洗ったんだけど」
梨子「ちょっと気になる金の動きを見つけたのよ」
花丸「できる上司はスピード感が違うずら」
梨子「ふふ。私が情で捜査決定したと思った?」 ニコッ
花丸「まっさか。鬼悪魔梨子っぴー軍曹がそんな、そんな」 ニコッ
梨子「おろすよ」
花丸「ごめんずら」
29: 2018/01/12(金) 22:41:53.88 ID:3MPNJ1mI
花丸「でもさ、医者なんて裏金がグルグルしてなんぼなとこあるし」
花丸「大したもの出ないと思うずら」
梨子「そうね。それならそれでいいんだけど...」 ゴソゴソ
梨子「これ見て」 ピラッ
花丸「写真?...ただの白いトラックずら」
梨子「えぇ。藤浪総合病院付近のNシステムが捉えたトラックなんだけれど」
梨子「この車がNシステムに引っかかった3日後に必ず振り込まれている金があるの」
梨子「それも、数千万単位で」
花丸「こういう因果関係調べるの得意だよね。おたく」
梨子「...何が運ばれてると思う?」
花丸「臨床実験データの紙媒体...とはいかないかな。冷蔵コンテナだし」
花丸「臓器...多分ね」
梨子「私もそう思う」
花丸「大したもの出ないと思うずら」
梨子「そうね。それならそれでいいんだけど...」 ゴソゴソ
梨子「これ見て」 ピラッ
花丸「写真?...ただの白いトラックずら」
梨子「えぇ。藤浪総合病院付近のNシステムが捉えたトラックなんだけれど」
梨子「この車がNシステムに引っかかった3日後に必ず振り込まれている金があるの」
梨子「それも、数千万単位で」
花丸「こういう因果関係調べるの得意だよね。おたく」
梨子「...何が運ばれてると思う?」
花丸「臨床実験データの紙媒体...とはいかないかな。冷蔵コンテナだし」
花丸「臓器...多分ね」
梨子「私もそう思う」
30: 2018/01/12(金) 22:42:31.14 ID:3MPNJ1mI
花丸「じゃあ、強制踏み込みしようずら」
梨子「そうもいかないのよ。あそこ、立地が悪いでしょ?」
梨子「マスコミが来にくいから、衆議院の休養施設として人気なの」
花丸「はぁ...ここで政治家が絡んでくるずらか...」
梨子「痛いところよね。急に動きづらくなる」
梨子「だから、調べるとしても内部の決定的な証拠が必要なの」
梨子「よろしくね、花丸ちゃん」 ニコッ
花丸「はぁ、明日もずる休みか...」
花丸「オラも公務で学校が休めたらなぁ」
梨子「そうもいかないのよ。あそこ、立地が悪いでしょ?」
梨子「マスコミが来にくいから、衆議院の休養施設として人気なの」
花丸「はぁ...ここで政治家が絡んでくるずらか...」
梨子「痛いところよね。急に動きづらくなる」
梨子「だから、調べるとしても内部の決定的な証拠が必要なの」
梨子「よろしくね、花丸ちゃん」 ニコッ
花丸「はぁ、明日もずる休みか...」
花丸「オラも公務で学校が休めたらなぁ」
31: 2018/01/12(金) 22:43:08.42 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
花丸「自分の部屋と、図書室の次ぐらいに、ここが好きずら」
梨子「偽装トラックが?」
花丸「ハッカーにとってこんなに恵まれた場所もなかなかないよ」
梨子「ふーん。PCがブンブン煩くて、辛気臭いのに」
花丸「このロマンがわからんとは、遅れてるずら」
梨子「...で、手に持ってる大量のお菓子は?」
花丸「今さっき、家から持ってきたずら」
花丸「どうせ、残業させるんでしょ?」
梨子「よくわかってるじゃない。ルマンド頂戴」
花丸「やーだね」
--
-
花丸「自分の部屋と、図書室の次ぐらいに、ここが好きずら」
梨子「偽装トラックが?」
花丸「ハッカーにとってこんなに恵まれた場所もなかなかないよ」
梨子「ふーん。PCがブンブン煩くて、辛気臭いのに」
花丸「このロマンがわからんとは、遅れてるずら」
梨子「...で、手に持ってる大量のお菓子は?」
花丸「今さっき、家から持ってきたずら」
花丸「どうせ、残業させるんでしょ?」
梨子「よくわかってるじゃない。ルマンド頂戴」
花丸「やーだね」
32: 2018/01/12(金) 22:43:53.26 ID:3MPNJ1mI
---
梨子「で、ハックフローは?」 モグモグ
花丸「藤浪のWebサイトをハッキングして、院内のVPN探しから」 モグモグ
花丸「ポータルがあるはずだから、そこから潰すずら」 モグモグ
梨子「いいと思う」 モグモグ
花丸「警察が踏み込むためには何がいる?」
梨子「そうね...手術ログと、外科にかかった患者データ。あと院内死亡患者も」
花丸「結構重いのを軽々と並べられた」
梨子「やめる...?」
花丸「誰に言ってるずら?理事長泣かせた分は働いてやるずら」
梨子「だよね」 ニコッ
梨子「で、ハックフローは?」 モグモグ
花丸「藤浪のWebサイトをハッキングして、院内のVPN探しから」 モグモグ
花丸「ポータルがあるはずだから、そこから潰すずら」 モグモグ
梨子「いいと思う」 モグモグ
花丸「警察が踏み込むためには何がいる?」
梨子「そうね...手術ログと、外科にかかった患者データ。あと院内死亡患者も」
花丸「結構重いのを軽々と並べられた」
梨子「やめる...?」
花丸「誰に言ってるずら?理事長泣かせた分は働いてやるずら」
梨子「だよね」 ニコッ
33: 2018/01/12(金) 22:44:35.36 ID:3MPNJ1mI
花丸「そっちは何を?」
梨子「積荷の終着地点と、金の出所を追うわ。あと踏み込めれるように書類まとめとく」
梨子「取得したデータは全部流して。逐一レポートしていく」
花丸「なるほど。任せるずら」
梨子「じゃ、徹夜になると思うけど、頑張りましょ」 ッス
花丸「ずら」 ッス
パシンッ
梨子「積荷の終着地点と、金の出所を追うわ。あと踏み込めれるように書類まとめとく」
梨子「取得したデータは全部流して。逐一レポートしていく」
花丸「なるほど。任せるずら」
梨子「じゃ、徹夜になると思うけど、頑張りましょ」 ッス
花丸「ずら」 ッス
パシンッ
34: 2018/01/12(金) 22:45:18.50 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
花丸「...梨子ちゃん。ヤバいものを見つけたずら」
梨子「ん?ヤバいものだらけで、今更だけど。どうしたの?」
花丸「今、藤浪の薬剤保管庫のデータに潜ってるんだけど」
花丸「...BIA10-2474って薬、覚えてる?」
梨子「えぇっと、確かフランスでの臨床実験時に死亡事故の起きた...」
花丸「惜しいずら。脳死事故が起きた経口薬ずら」
梨子「!」
--
-
花丸「...梨子ちゃん。ヤバいものを見つけたずら」
梨子「ん?ヤバいものだらけで、今更だけど。どうしたの?」
花丸「今、藤浪の薬剤保管庫のデータに潜ってるんだけど」
花丸「...BIA10-2474って薬、覚えてる?」
梨子「えぇっと、確かフランスでの臨床実験時に死亡事故の起きた...」
花丸「惜しいずら。脳死事故が起きた経口薬ずら」
梨子「!」
35: 2018/01/12(金) 22:46:06.29 ID:3MPNJ1mI
花丸「元々は脳神経の一部を阻害して、苦痛を和らげる薬だったんだけど」
花丸「副作用で、神経に必要なタンパク質、脂質も破壊しちゃって」
花丸「結果として、大脳を損傷させたとんでもない失敗作ずら」
梨子「詳しいのね」
花丸「この事故後から、製薬会社へのハッキング依頼が急増してね」
梨子「で、藤浪にその危険な薬が沢山あったと?」
花丸「いや、この改悪版のBIA10-2474Xなるものが」
花丸「病院内部で開発されて、大量に保管されてた」
梨子「え?」
花丸「副作用で、神経に必要なタンパク質、脂質も破壊しちゃって」
花丸「結果として、大脳を損傷させたとんでもない失敗作ずら」
梨子「詳しいのね」
花丸「この事故後から、製薬会社へのハッキング依頼が急増してね」
梨子「で、藤浪にその危険な薬が沢山あったと?」
花丸「いや、この改悪版のBIA10-2474Xなるものが」
花丸「病院内部で開発されて、大量に保管されてた」
梨子「え?」
37: 2018/01/12(金) 22:47:02.90 ID:3MPNJ1mI
花丸「研究レポートを見るに」
花丸「このBIA10-2474Xはオリジナルの副作用を本作用として昇格させた」
花丸「脳みそ絶対破壊マンって感じの薬ずら」
梨子「...臓器の摘出は時間の経った死体からはできない」
梨子「この薬は臓器を新鮮に保ったまま人を〇せる...」
花丸「そう。臓器コーディネーター生唾ものの薬ずら」
梨子「ご丁寧に経口薬から注射剤になってるし、確信犯ね」
梨子「これを患者に打っていたデータは?」
花丸「脳死と診断された人の日付と、この薬の在庫数が一致してた」
花丸「このBIA10-2474Xはオリジナルの副作用を本作用として昇格させた」
花丸「脳みそ絶対破壊マンって感じの薬ずら」
梨子「...臓器の摘出は時間の経った死体からはできない」
梨子「この薬は臓器を新鮮に保ったまま人を〇せる...」
花丸「そう。臓器コーディネーター生唾ものの薬ずら」
梨子「ご丁寧に経口薬から注射剤になってるし、確信犯ね」
梨子「これを患者に打っていたデータは?」
花丸「脳死と診断された人の日付と、この薬の在庫数が一致してた」
38: 2018/01/12(金) 22:48:08.73 ID:3MPNJ1mI
花丸「梨子ちゃん。検挙としては、臓器摘出のデータが欲しいところだけど」
花丸「劇薬の不正生成、保存、使用で、警察を先に動かせないかな?」
梨子「どうしたの、急に?」
梨子「こんな薬があったのなら、臓器摘出の記録も割れそうじゃない」
花丸「うん...だけど、私たちにはタイムリミットがあったんだ」
花丸「1時間後...松浦さん、この薬を打たれるかもしれない」
梨子「はい?」
花丸「劇薬の不正生成、保存、使用で、警察を先に動かせないかな?」
梨子「どうしたの、急に?」
梨子「こんな薬があったのなら、臓器摘出の記録も割れそうじゃない」
花丸「うん...だけど、私たちにはタイムリミットがあったんだ」
花丸「1時間後...松浦さん、この薬を打たれるかもしれない」
梨子「はい?」
39: 2018/01/12(金) 22:49:44.30 ID:3MPNJ1mI
---
梨子「はい。資料はお送りした通り。至急現場へ向かってください。では」 ガチャッ
花丸「...どう?」
梨子「大丈夫。警察は動いた」
梨子「10分あれば警察が到着するわ」
花丸「焦らす結果になって申し訳なかったずら」
梨子「花丸ちゃんのせいじゃないわ」
梨子「むしろここまできて、松浦さんにあの劇物が刺されてたかと思うと...」
花丸「オラも在庫の数が減る瞬間を盗聴できたのはラッキーだったずら」
花丸「ま、そこから手術室の予約管理サーバーにアクセスして」
花丸「松浦さんの名前を見たときはぞっとしたけどね」
梨子「はい。資料はお送りした通り。至急現場へ向かってください。では」 ガチャッ
花丸「...どう?」
梨子「大丈夫。警察は動いた」
梨子「10分あれば警察が到着するわ」
花丸「焦らす結果になって申し訳なかったずら」
梨子「花丸ちゃんのせいじゃないわ」
梨子「むしろここまできて、松浦さんにあの劇物が刺されてたかと思うと...」
花丸「オラも在庫の数が減る瞬間を盗聴できたのはラッキーだったずら」
花丸「ま、そこから手術室の予約管理サーバーにアクセスして」
花丸「松浦さんの名前を見たときはぞっとしたけどね」
40: 2018/01/12(金) 22:50:20.83 ID:3MPNJ1mI
梨子「...でもさ、松浦さんって脳死の診断されてたよね?」
花丸「うん。だけど、松浦さんが入院してから使われた形跡はなかったずら」
梨子「誰かが、松浦さんのカルテを偽装してたってこと?」
花丸「先に脳死にしておくことで、BIA10-2474Xが打たれない用にしてたんだと思うよ」
梨子「ふーむ...つまり、その偽装をした医師が」
花丸「メールをよこした内部告発者ずら」
花丸「うん。だけど、松浦さんが入院してから使われた形跡はなかったずら」
梨子「誰かが、松浦さんのカルテを偽装してたってこと?」
花丸「先に脳死にしておくことで、BIA10-2474Xが打たれない用にしてたんだと思うよ」
梨子「ふーむ...つまり、その偽装をした医師が」
花丸「メールをよこした内部告発者ずら」
41: 2018/01/12(金) 22:50:55.59 ID:3MPNJ1mI
花丸「でも、偽装としてはお粗末すぎ」
花丸「在庫のログも改ざんしてないし、脳波の記録だって改ざんが不自然」
梨子「素人だったわけだ」
花丸「うん」
花丸「単純に悪事の内容をメールに書けばいいものを」
花丸「わざわざ怪文テイストに送ってきてた時点で、三流だと察してたけどね」
梨子「それもそうね」
梨子「ただ...不器用なりに彼が出来る事で、松浦さんを助けようとしたの」
梨子「なんだか、分かる気がするわ」
花丸「在庫のログも改ざんしてないし、脳波の記録だって改ざんが不自然」
梨子「素人だったわけだ」
花丸「うん」
花丸「単純に悪事の内容をメールに書けばいいものを」
花丸「わざわざ怪文テイストに送ってきてた時点で、三流だと察してたけどね」
梨子「それもそうね」
梨子「ただ...不器用なりに彼が出来る事で、松浦さんを助けようとしたの」
梨子「なんだか、分かる気がするわ」
42: 2018/01/12(金) 22:51:43.04 ID:3MPNJ1mI
---
花丸「ハラハラしたら、眠気吹っ飛んだずら」
梨子「私も。何百人もの脳死になった人のレポートを見て...」
花丸「なんか家からお茶でも持ってくる?」
梨子「いや、いいわ。戻ったら学校サボったことバレるんじゃ?」
花丸「確かに。じゃあ、テレビつけていい?」
梨子「そうね。気分転換に。面白いのでお願い」
花丸「平日のお昼のテレビは、ズル休みの特権ずら〜」 ッピ
テレビ『...速報です。先ほど、静岡、県道334号線で起きた両線に跨る事故で...』
花丸「ハラハラしたら、眠気吹っ飛んだずら」
梨子「私も。何百人もの脳死になった人のレポートを見て...」
花丸「なんか家からお茶でも持ってくる?」
梨子「いや、いいわ。戻ったら学校サボったことバレるんじゃ?」
花丸「確かに。じゃあ、テレビつけていい?」
梨子「そうね。気分転換に。面白いのでお願い」
花丸「平日のお昼のテレビは、ズル休みの特権ずら〜」 ッピ
テレビ『...速報です。先ほど、静岡、県道334号線で起きた両線に跨る事故で...』
45: 2018/01/12(金) 22:59:45.37 ID:3MPNJ1mI
梨子「ん?」
テレビ『...この事故は、トラック、バスを含む...』
花丸「うわぁ...すごい事になってるなぁ」
テレビ『...この事故は、トラック、バスを含む...』
花丸「うわぁ...すごい事になってるなぁ」
46: 2018/01/12(金) 23:00:43.61 ID:3MPNJ1mI
梨子「...まずいわ」
花丸「え?」
梨子「...!」
花丸「どうしたずら?」
梨子「もしもし!はい、先ほど連絡した桜内です!到着の件ですが!え、えぇ!」
花丸「...」
梨子「はい。はい。わかりました。失礼します」 ツーツーツー
梨子「まずいわ。花丸ちゃん」
梨子「このテレビの事故で、警察の到着まで45分以上かかる」
花丸「え?」
梨子「...!」
花丸「どうしたずら?」
梨子「もしもし!はい、先ほど連絡した桜内です!到着の件ですが!え、えぇ!」
花丸「...」
梨子「はい。はい。わかりました。失礼します」 ツーツーツー
梨子「まずいわ。花丸ちゃん」
梨子「このテレビの事故で、警察の到着まで45分以上かかる」
47: 2018/01/12(金) 23:01:23.51 ID:3MPNJ1mI
梨子「至急、病院システムにアクセス!院内のカメラをモニターに!」
花丸「了解!」 カタカタカタ...
梨子「...」 カタカタカタッターン
梨子「緊急通信。こちら桜内、装備Sで静岡藤浪総合病院へ。4人でいい。20分でいける?」
スピーカー『ネガティブ。30分かかる』
梨子「わかった。時間はこっちで稼ぐ。急いで。病院についたら誘導する」
梨子「送る資料は機内で目を通して」
スピーカー『ラジャー。通信アウト』
花丸「了解!」 カタカタカタ...
梨子「...」 カタカタカタッターン
梨子「緊急通信。こちら桜内、装備Sで静岡藤浪総合病院へ。4人でいい。20分でいける?」
スピーカー『ネガティブ。30分かかる』
梨子「わかった。時間はこっちで稼ぐ。急いで。病院についたら誘導する」
梨子「送る資料は機内で目を通して」
スピーカー『ラジャー。通信アウト』
48: 2018/01/12(金) 23:01:52.66 ID:3MPNJ1mI
花丸「今のは?」 カタカタカタ
梨子「公安フレンズよ。進捗は?」
花丸「あと少し...開くよ」 カタカタカタ
梨子「よし、視界は確保できた」
梨子「花丸ちゃん。10分よ。10分私たちで松浦さんの手術までの時間を稼ぐ」
花丸「了解。状況は読めてきてる」
花丸「まずは病院全フロアに枝をはる。やってやるずら!」 カタカタカタ
梨子「公安フレンズよ。進捗は?」
花丸「あと少し...開くよ」 カタカタカタ
梨子「よし、視界は確保できた」
梨子「花丸ちゃん。10分よ。10分私たちで松浦さんの手術までの時間を稼ぐ」
花丸「了解。状況は読めてきてる」
花丸「まずは病院全フロアに枝をはる。やってやるずら!」 カタカタカタ
50: 2018/01/12(金) 23:02:23.05 ID:3MPNJ1mI
---
花丸「...全部じゃないけど、完了。残り時間は!?」
梨子「手術開始まで8分。公安到着まで16分」
花丸「8分稼ぐ...あ、エレベーターを止めるってどう?」
梨子「駄目よ。あの事故の患者が運び込まれた時のERの妨げになる」
梨子「松浦さんの部屋にロックはかけられない?」
花丸「無理ずら。オールドタイプの錠前ずら」
梨子「そっか。考えるのよ...」
花丸「...全部じゃないけど、完了。残り時間は!?」
梨子「手術開始まで8分。公安到着まで16分」
花丸「8分稼ぐ...あ、エレベーターを止めるってどう?」
梨子「駄目よ。あの事故の患者が運び込まれた時のERの妨げになる」
梨子「松浦さんの部屋にロックはかけられない?」
花丸「無理ずら。オールドタイプの錠前ずら」
梨子「そっか。考えるのよ...」
51: 2018/01/12(金) 23:02:58.55 ID:3MPNJ1mI
花丸「あ」
梨子「ん?」
花丸「大きな事故が起きたから、もしかすると緊急性が高いとして」
花丸「手術室の予約が、切り替わっているかもしれない」 カタカタ
梨子「確かに。予約状況はどうなってる?」
花丸「出すよ」 カタカタ
梨子「ん?」
花丸「大きな事故が起きたから、もしかすると緊急性が高いとして」
花丸「手術室の予約が、切り替わっているかもしれない」 カタカタ
梨子「確かに。予約状況はどうなってる?」
花丸「出すよ」 カタカタ
52: 2018/01/12(金) 23:03:44.94 ID:3MPNJ1mI
梨子「どんどんER用に手術室が予約されていってるけど...」
花丸「松浦さんの予約は...取り消されていない!」
梨子「緊急搬送よりも松浦さんを脳死にすることの方が大事みたいね」
花丸「腐ってるずら!」
梨子「怒っては駄目。クールに方法を考えましょう」
花丸「くぅ!...あれ?今モニターに映ったの...」
梨子「え?」
花丸「迷ってる時間はないずら!電話をかける!」 ピッピ
花丸「松浦さんの予約は...取り消されていない!」
梨子「緊急搬送よりも松浦さんを脳死にすることの方が大事みたいね」
花丸「腐ってるずら!」
梨子「怒っては駄目。クールに方法を考えましょう」
花丸「くぅ!...あれ?今モニターに映ったの...」
梨子「え?」
花丸「迷ってる時間はないずら!電話をかける!」 ピッピ
53: 2018/01/12(金) 23:04:41.67 ID:3MPNJ1mI
---
ガラツ
鞠莉「〜♪」
鞠莉「かっなーん。花瓶のウォーター変えてきたよ☆」
果南「」
鞠莉「窓際に置いとくね」
果南「」
鞠莉「ほ〜んと。いつまでたっても手がかかる!さっさと起きなさいよ」
果南「」
鞠莉「みんな、待ってるんだから」
ガラツ
鞠莉「〜♪」
鞠莉「かっなーん。花瓶のウォーター変えてきたよ☆」
果南「」
鞠莉「窓際に置いとくね」
果南「」
鞠莉「ほ〜んと。いつまでたっても手がかかる!さっさと起きなさいよ」
果南「」
鞠莉「みんな、待ってるんだから」
54: 2018/01/12(金) 23:05:25.89 ID:3MPNJ1mI
ガラッ
医師「おや、お見舞いかな?」
鞠莉「!...はい。失礼しております」
鞠莉(いつものドクターじゃない...?)
医師「君は確か...松浦さんの学校の理事長でしたかな?」
鞠莉「はい...ご無沙汰しております」
医師「聞きましたよ。3日前に、診断し直してくれって電話されたこと」
鞠莉「も、申し訳ありませんでした」
医師「いえいえ。お若いのに、学校の生徒の為に。熱心ですね」
医師「おや、お見舞いかな?」
鞠莉「!...はい。失礼しております」
鞠莉(いつものドクターじゃない...?)
医師「君は確か...松浦さんの学校の理事長でしたかな?」
鞠莉「はい...ご無沙汰しております」
医師「聞きましたよ。3日前に、診断し直してくれって電話されたこと」
鞠莉「も、申し訳ありませんでした」
医師「いえいえ。お若いのに、学校の生徒の為に。熱心ですね」
55: 2018/01/12(金) 23:06:15.75 ID:3MPNJ1mI
医師「その電話のおかげか、松浦さん、今から再検査する事になりましてね」
鞠莉「ほ、本当ですか!」
医師「えぇ。確証はできませんが、もしかすると脳死ではないかもしれません」
鞠莉「う、うぅ...果南...良かった...」
医師「では、これからその再検査に連れて行きますので」
医師「暫く、松浦さんをお借りしますね」
鞠莉「はい!あ、手伝います!」
鞠莉「ほ、本当ですか!」
医師「えぇ。確証はできませんが、もしかすると脳死ではないかもしれません」
鞠莉「う、うぅ...果南...良かった...」
医師「では、これからその再検査に連れて行きますので」
医師「暫く、松浦さんをお借りしますね」
鞠莉「はい!あ、手伝います!」
56: 2018/01/12(金) 23:07:06.43 ID:3MPNJ1mI
---
医師「では、失礼します」
医師「良い結果だと、いいですね?」
果南「」
鞠莉「どうか、よろしくお願いします!」
ピシャッ
鞠莉「...う、うぅ...果南...良かった...」
医師「では、失礼します」
医師「良い結果だと、いいですね?」
果南「」
鞠莉「どうか、よろしくお願いします!」
ピシャッ
鞠莉「...う、うぅ...果南...良かった...」
58: 2018/01/12(金) 23:07:42.91 ID:3MPNJ1mI
鞠莉(そうだ、国木田さんとご父兄に...)
鞠莉(あれ?着信きてる...)
鞠莉(...誰もいないし) ピッ
鞠莉「...チャオ☆」
花丸『つ、繋がった!理事長、今、どこ!?」
鞠莉「ホワッツ?どこって、果南の病室だけど...?」
鞠莉(あれ?着信きてる...)
鞠莉(...誰もいないし) ピッ
鞠莉「...チャオ☆」
花丸『つ、繋がった!理事長、今、どこ!?」
鞠莉「ホワッツ?どこって、果南の病室だけど...?」
59: 2018/01/12(金) 23:08:31.77 ID:3MPNJ1mI
---
花丸「梨子ちゃん。理事長、病院にいた!」
梨子「最高よ。状況を確認して」
花丸「もしもし、松浦さんは?」
鞠莉『今、ドクターが脳死の再検査をしてくれるって、連れて行ったわ』
花丸(行動が想定より早い...)
花丸「お医者さんさ、その時、何か注射とかしてた?」
鞠莉『いえ?刺してないよ?』
花丸(そこはセーフずらか...)
花丸「梨子ちゃん。理事長、病院にいた!」
梨子「最高よ。状況を確認して」
花丸「もしもし、松浦さんは?」
鞠莉『今、ドクターが脳死の再検査をしてくれるって、連れて行ったわ』
花丸(行動が想定より早い...)
花丸「お医者さんさ、その時、何か注射とかしてた?」
鞠莉『いえ?刺してないよ?』
花丸(そこはセーフずらか...)
60: 2018/01/12(金) 23:09:16.34 ID:3MPNJ1mI
---
花丸『理事長、よく聞いて。その検査は真っ赤な嘘』
花丸『逆に脳死の誤診を隠す為に、脳死にさせるつもりずら』
鞠莉「...え...?そ、そんな!」
花丸『とにかく、今警察が向かっている』
花丸『松浦さんが3階の2番手術室に入ったら最後』
花丸『注射1本で終わってしまうずら...!』
花丸『理事長、よく聞いて。その検査は真っ赤な嘘』
花丸『逆に脳死の誤診を隠す為に、脳死にさせるつもりずら』
鞠莉「...え...?そ、そんな!」
花丸『とにかく、今警察が向かっている』
花丸『松浦さんが3階の2番手術室に入ったら最後』
花丸『注射1本で終わってしまうずら...!』
61: 2018/01/12(金) 23:10:28.20 ID:3MPNJ1mI
花丸『理事長、お願い!時間を稼いで!』
花丸『今、松浦さんを助けられるのは小原さんだけずら!』
鞠莉「...っく。わかった!時間を稼げばいいのね!」 ピッ
鞠莉(果南...!)ダッ
花丸『今、松浦さんを助けられるのは小原さんだけずら!』
鞠莉「...っく。わかった!時間を稼げばいいのね!」 ピッ
鞠莉(果南...!)ダッ
62: 2018/01/12(金) 23:11:49.57 ID:3MPNJ1mI
---
梨子「誤診を隠す為に脳死にさせる。いい言葉のチョイスよ」
花丸「今、そういうお世辞をいう暇ないよ」
花丸「何か妙案は!?」
梨子「えぇ。手術室って電子ロックよね。手術室の使用状況も同期されるみたいだし」
花丸「!」
梨子「3階2番手術室のパスをデタラメに。一時的に使用不可にして構わないわ」
花丸「分かった!間に合えぇぇ!」カタカタカタ
梨子「誤診を隠す為に脳死にさせる。いい言葉のチョイスよ」
花丸「今、そういうお世辞をいう暇ないよ」
花丸「何か妙案は!?」
梨子「えぇ。手術室って電子ロックよね。手術室の使用状況も同期されるみたいだし」
花丸「!」
梨子「3階2番手術室のパスをデタラメに。一時的に使用不可にして構わないわ」
花丸「分かった!間に合えぇぇ!」カタカタカタ
63: 2018/01/12(金) 23:12:21.59 ID:3MPNJ1mI
---
鞠莉「はぁ...はぁ...」
鞠莉「み、見つけた...」
鞠莉(手術室まで、もうそこ...!声を..大きな声を!)
鞠莉「お、お医者さん!!」
医師「...ん?」
果南「」
医師「あぁ、理事長さん。どうなされました?」 ニコッ
鞠莉「」 ビクゥ
鞠莉(怖い...今、人を〇そうとしてる人が目の前にいる)
鞠莉「はぁ...はぁ...」
鞠莉「み、見つけた...」
鞠莉(手術室まで、もうそこ...!声を..大きな声を!)
鞠莉「お、お医者さん!!」
医師「...ん?」
果南「」
医師「あぁ、理事長さん。どうなされました?」 ニコッ
鞠莉「」 ビクゥ
鞠莉(怖い...今、人を〇そうとしてる人が目の前にいる)
64: 2018/01/12(金) 23:12:47.13 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「あの、その...果南に...最後の言葉を言いたくて...」
医師「最後?検査が終われば、また病室に連れて帰りますよ?」
鞠莉「あ..あ...」
鞠莉(こ、怖い...!)
鞠莉(誰か...力を貸して...!)
「今、松浦さんを助けられるのは小原さんだけずら!」
鞠莉「っ...!」
鞠莉(味方は...一人じゃない!)
医師「最後?検査が終われば、また病室に連れて帰りますよ?」
鞠莉「あ..あ...」
鞠莉(こ、怖い...!)
鞠莉(誰か...力を貸して...!)
「今、松浦さんを助けられるのは小原さんだけずら!」
鞠莉「っ...!」
鞠莉(味方は...一人じゃない!)
65: 2018/01/12(金) 23:13:16.12 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「ち、違うの!もし、今回の検診で脳死って決まっちゃったら」
鞠莉「私の声が、絶対に届かないって決まっちゃったら」
鞠莉「私が彼女にずっと伝えたかった言葉を一生言えない...!」
鞠莉「届く可能性がある、この時間を私にください!」
鞠莉「お願いします!少し!少し...時間をください!」
果南「」
医師「...わかった。少しだけだよ」
鞠莉「ありがとうございます!」
鞠莉「私の声が、絶対に届かないって決まっちゃったら」
鞠莉「私が彼女にずっと伝えたかった言葉を一生言えない...!」
鞠莉「届く可能性がある、この時間を私にください!」
鞠莉「お願いします!少し!少し...時間をください!」
果南「」
医師「...わかった。少しだけだよ」
鞠莉「ありがとうございます!」
66: 2018/01/12(金) 23:14:07.65 ID:3MPNJ1mI
ピーポーピーポー ハヤク!
医師(窓の外が騒がしくなってきたな...早く済ませてオペ室を空けたいが)
鞠莉「果南!果南...!」
医師(...)
医師(窓の外が騒がしくなってきたな...早く済ませてオペ室を空けたいが)
鞠莉「果南!果南...!」
医師(...)
67: 2018/01/12(金) 23:14:57.26 ID:3MPNJ1mI
---
梨子「理事長がギリギリで止めたわ!公安到着まで、あと6分!」
花丸「パスコード変更完了!...だけど!」
梨子「だけど...?」
花丸「生体認証がまだハックできてない」
梨子「パスコードとセットじゃないの?」
花丸「逆。パスコードか、生体認証でロックが開く」
花丸「くそう、このデータを改ざんしたらERの手術室まで響く...」
花丸「下手したら他の手術室に医者が入れなくなるずら」
梨子「この手術室だけ、サーバへのアクセスは切れない?」
花丸「ハードとの繋がりがきついけど、やってみるずら!」カタカタ
梨子「頑張って、花丸ちゃん。...理事長」
梨子「理事長がギリギリで止めたわ!公安到着まで、あと6分!」
花丸「パスコード変更完了!...だけど!」
梨子「だけど...?」
花丸「生体認証がまだハックできてない」
梨子「パスコードとセットじゃないの?」
花丸「逆。パスコードか、生体認証でロックが開く」
花丸「くそう、このデータを改ざんしたらERの手術室まで響く...」
花丸「下手したら他の手術室に医者が入れなくなるずら」
梨子「この手術室だけ、サーバへのアクセスは切れない?」
花丸「ハードとの繋がりがきついけど、やってみるずら!」カタカタ
梨子「頑張って、花丸ちゃん。...理事長」
68: 2018/01/12(金) 23:15:33.65 ID:3MPNJ1mI
---
--
-
鞠莉「果南...私は果南と出会って色んな事を教わったよ」
果南「」
鞠莉「世界が広い事、友達との時間が楽しい事」
鞠莉「喧嘩の仕方に仲直りの仕方」
果南「」
鞠莉「私は、まだまだ貴方との時間を歩んでいきたい」
鞠莉「必ず、目覚めさせる...私が貴方を守る」
鞠莉「私が果南を思う気持ち...形にするから」
鞠莉「応援してね?」 ギュッ
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鞠莉「果南...私は果南と出会って色んな事を教わったよ」
果南「」
鞠莉「世界が広い事、友達との時間が楽しい事」
鞠莉「喧嘩の仕方に仲直りの仕方」
果南「」
鞠莉「私は、まだまだ貴方との時間を歩んでいきたい」
鞠莉「必ず、目覚めさせる...私が貴方を守る」
鞠莉「私が果南を思う気持ち...形にするから」
鞠莉「応援してね?」 ギュッ
70: 2018/01/12(金) 23:16:12.25 ID:3MPNJ1mI
医師「...さて。そろそろ、いいかな?」
鞠莉「...」
医師「理事長さん...?」
鞠莉「...」
医師「理事長?」
鞠莉「...」
医師「理事長...!」
グッ
鞠莉「いや!私はどかない!」
医師「!」
鞠莉「...」
医師「理事長さん...?」
鞠莉「...」
医師「理事長?」
鞠莉「...」
医師「理事長...!」
グッ
鞠莉「いや!私はどかない!」
医師「!」
72: 2018/01/12(金) 23:17:24.03 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「絶対通さない。果南を見〇しにはさせないんだから!」
医師「何を言っているんだ...」
鞠莉「全部お見通しよ!果南を脳死させるつもりだって!」
医師「...!」
鞠莉「私は知ってる!この病院に闇がある事を!」
医師「何を言っているんだ...」
鞠莉「全部お見通しよ!果南を脳死させるつもりだって!」
医師「...!」
鞠莉「私は知ってる!この病院に闇がある事を!」
74: 2018/01/12(金) 23:18:20.07 ID:3MPNJ1mI
ザワザワ... ナンダナンダ...?
医師「言わせておけば...おい、看護師!こいつを抑え 」
看護師A「え?は、はい!」
看護師B「友人のお見舞いかな?興奮しないで?」
鞠莉「触らないで!果南は渡さない!」
看護師C「あっばれるな!患者に迷惑だ!」
看護師B「大人しくなさい?」
鞠莉「果南は生きてる!手術室なんかに連れては行かせない!」
看護師A「こ、こら!患者から離れなさい」
看護師C「ひっぺがすぞ。せーっの」
鞠莉「あっ...!」
果南「」
医師「言わせておけば...おい、看護師!こいつを抑え 」
看護師A「え?は、はい!」
看護師B「友人のお見舞いかな?興奮しないで?」
鞠莉「触らないで!果南は渡さない!」
看護師C「あっばれるな!患者に迷惑だ!」
看護師B「大人しくなさい?」
鞠莉「果南は生きてる!手術室なんかに連れては行かせない!」
看護師A「こ、こら!患者から離れなさい」
看護師C「ひっぺがすぞ。せーっの」
鞠莉「あっ...!」
果南「」
77: 2018/01/12(金) 23:20:44.99 ID:3MPNJ1mI
看護師C「こっちにこい!」
看護師B「ナースセンターでお話しましょ?」
鞠莉「やだ!はなっしって!脳死なんかじゃない!離して!」
医師「ふん...」
医師「ボンボンの娘らしいが...何もできないくせに」
鞠莉「誰か!止めて!あいつを止めて!」
医師「...」ピッピ
ビービー
医師「?」 ピッピ
ビービー
医師「っく」 ピッピ
ビービー
鞠莉「誰か、止めてぇぇええ!!!」
---
梨子「突入」
---
看護師B「ナースセンターでお話しましょ?」
鞠莉「やだ!はなっしって!脳死なんかじゃない!離して!」
医師「ふん...」
医師「ボンボンの娘らしいが...何もできないくせに」
鞠莉「誰か!止めて!あいつを止めて!」
医師「...」ピッピ
ビービー
医師「?」 ピッピ
ビービー
医師「っく」 ピッピ
ビービー
鞠莉「誰か、止めてぇぇええ!!!」
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梨子「突入」
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78: 2018/01/12(金) 23:21:42.97 ID:3MPNJ1mI
パリンパリン!! ドタドタドタ
隊員A「公安だ!全員手を上げろ!」
隊員B「壁に手をつけるんだ!」
医師「!?」
看護師「!?」
鞠莉「!」
隊員C「こいつだ!拘束しろ!!」
隊員D「は!」
医師「な、なんだ!ぐぅ!」
隊員A「目標1、確保!目標2、外傷なし!」
隊員A「公安だ!全員手を上げろ!」
隊員B「壁に手をつけるんだ!」
医師「!?」
看護師「!?」
鞠莉「!」
隊員C「こいつだ!拘束しろ!!」
隊員D「は!」
医師「な、なんだ!ぐぅ!」
隊員A「目標1、確保!目標2、外傷なし!」
79: 2018/01/12(金) 23:22:24.29 ID:3MPNJ1mI
---
梨子「2名はそのまま第2手術室に突入。BIA10-2474Xという注射剤を手に入れてラボに」
梨子「他は10分後にくる地元警察に目標1の身柄を引き渡し、事情を説明して合同捜査を」
梨子「裏は取れてる。必ず不正臓器摘出のデータが出てくるわ」
梨子「なお、ここでは334号線の事故の治療も行われている」
梨子「事の次第が落ち着くまで、他の手術室、1階ER部には侵入は不可とする」
梨子「あと8階は衆議院のVIP。不要に立ち入らないで」
梨子「目標2は6階601号室に連れ戻しておきなさい」
隊員A『ラジャー。通信アウト』
梨子「...ふう。花丸ちゃん、お疲れ様」
花丸「あっはっは。神経衰弱。堕天使ヨハネが見えるずら〜」 バタン
梨子「2名はそのまま第2手術室に突入。BIA10-2474Xという注射剤を手に入れてラボに」
梨子「他は10分後にくる地元警察に目標1の身柄を引き渡し、事情を説明して合同捜査を」
梨子「裏は取れてる。必ず不正臓器摘出のデータが出てくるわ」
梨子「なお、ここでは334号線の事故の治療も行われている」
梨子「事の次第が落ち着くまで、他の手術室、1階ER部には侵入は不可とする」
梨子「あと8階は衆議院のVIP。不要に立ち入らないで」
梨子「目標2は6階601号室に連れ戻しておきなさい」
隊員A『ラジャー。通信アウト』
梨子「...ふう。花丸ちゃん、お疲れ様」
花丸「あっはっは。神経衰弱。堕天使ヨハネが見えるずら〜」 バタン
80: 2018/01/12(金) 23:23:21.78 ID:3MPNJ1mI
---
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-
花丸「うん...うん。そっか。じゃ、またね」 ッピ
梨子「誰から?」
花丸「鞠莉ちゃん」
花丸「松浦さん、新しい病院で再検査して、脳死じゃなかったってさ」
梨子「よかった...」
梨子「って。『鞠莉ちゃん』って何よ」
花丸「あれ?知らなかった?オラ達、もう下の名前で呼び合う仲ずら」
梨子「えー。私の方が理事長ファン1号なのに」
花丸「盗聴で一方的に近い関係になった気になるか」
花丸「ちゃんと電話やラインで、コミュニケーションを取ったかの差ずら」
梨子「私が必要以上に接触してはいけない、って知ってて虐めるよね」
--
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花丸「うん...うん。そっか。じゃ、またね」 ッピ
梨子「誰から?」
花丸「鞠莉ちゃん」
花丸「松浦さん、新しい病院で再検査して、脳死じゃなかったってさ」
梨子「よかった...」
梨子「って。『鞠莉ちゃん』って何よ」
花丸「あれ?知らなかった?オラ達、もう下の名前で呼び合う仲ずら」
梨子「えー。私の方が理事長ファン1号なのに」
花丸「盗聴で一方的に近い関係になった気になるか」
花丸「ちゃんと電話やラインで、コミュニケーションを取ったかの差ずら」
梨子「私が必要以上に接触してはいけない、って知ってて虐めるよね」
81: 2018/01/12(金) 23:23:56.17 ID:3MPNJ1mI
花丸「事件は落ち着いた?」
梨子「落ち着くわけないじゃない」
梨子「内部告発者から、保護を条件に情報を提供してもらってるけど」
梨子「臓器輸出のルートから、関連企業の黒い部分が、もー出るわ出るわ」
梨子「芋づる式で、毎日寝不足よ」
花丸「そっか...これで犠牲者の無念が晴れれば、と思うずら」
梨子「そうね」
梨子「落ち着くわけないじゃない」
梨子「内部告発者から、保護を条件に情報を提供してもらってるけど」
梨子「臓器輸出のルートから、関連企業の黒い部分が、もー出るわ出るわ」
梨子「芋づる式で、毎日寝不足よ」
花丸「そっか...これで犠牲者の無念が晴れれば、と思うずら」
梨子「そうね」
82: 2018/01/12(金) 23:24:34.76 ID:3MPNJ1mI
梨子「ねぇ、そういや、ずっと気になってたんだけど」
花丸「ん?」
梨子「どうして理事長にハッカーだって教えたの?」
花丸「あー...うーん、そうだなぁ」
花丸「梨子ちゃんにバレちゃってから、そういう気が緩くなったのかも」
梨子「警察以上にバレちゃいけない、なんてないもんね」
花丸「うん。あとは...」
花丸「オラ、鞠莉ちゃんの手札になりたいって思ったずら」
梨子「手札?」
花丸「そう」
花丸「ん?」
梨子「どうして理事長にハッカーだって教えたの?」
花丸「あー...うーん、そうだなぁ」
花丸「梨子ちゃんにバレちゃってから、そういう気が緩くなったのかも」
梨子「警察以上にバレちゃいけない、なんてないもんね」
花丸「うん。あとは...」
花丸「オラ、鞠莉ちゃんの手札になりたいって思ったずら」
梨子「手札?」
花丸「そう」
83: 2018/01/12(金) 23:25:26.56 ID:3MPNJ1mI
花丸「...鞠莉ちゃんさ、立場が立場だから」
花丸「今もこれからも、不条理や圧力という強大なものに」
花丸「一生立ち向かっていかないといけないんだよ」
花丸「だけど、鞠莉ちゃんの周りに、その部分で手を差し伸べれる人がいないずら」
花丸「一人で解決する、っていう手札しか知らない鞠莉ちゃんに」
花丸「オラっていうカードを、加えたいなって思ったんだずら」
梨子「ふーん」
梨子「...優しいんじゃない?」ニヤッ
花丸「ま。たまには、ね」
花丸「今もこれからも、不条理や圧力という強大なものに」
花丸「一生立ち向かっていかないといけないんだよ」
花丸「だけど、鞠莉ちゃんの周りに、その部分で手を差し伸べれる人がいないずら」
花丸「一人で解決する、っていう手札しか知らない鞠莉ちゃんに」
花丸「オラっていうカードを、加えたいなって思ったんだずら」
梨子「ふーん」
梨子「...優しいんじゃない?」ニヤッ
花丸「ま。たまには、ね」
84: 2018/01/12(金) 23:30:20.16 ID:3MPNJ1mI
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85: 2018/01/12(金) 23:32:29.49 ID:3MPNJ1mI
鞠莉「スヤスヤ...」
パチ...
鞠莉「Zzz...」
ゴソゴソ
鞠莉「ウゥン...スヤスヤ....」
「...届いたよ。鞠莉」
---
花丸「オラはハッカー2」 終わり
パチ...
鞠莉「Zzz...」
ゴソゴソ
鞠莉「ウゥン...スヤスヤ....」
「...届いたよ。鞠莉」
---
花丸「オラはハッカー2」 終わり
86: 2018/01/12(金) 23:35:29.54 ID:3MPNJ1mI
読んでいただきありがとうございました。
実在の人物や団体、阪神とは関係ありません。
また、スレ立て代行してくださったかた、ありがとうございました。
実在の人物や団体、阪神とは関係ありません。
また、スレ立て代行してくださったかた、ありがとうございました。
87: 2018/01/12(金) 23:39:17.25 ID:XpgVV1Ag
乙です
今回も熱い展開で一気に読んでしまいました
次回も楽しみ
今回も熱い展開で一気に読んでしまいました
次回も楽しみ
91: 2018/01/13(土) 00:07:26.12 ID:pcy0GcyX
乙、今回も面白かった
基本淡々としてる雰囲気なんだけど熱いとこもあって好きだわ
基本淡々としてる雰囲気なんだけど熱いとこもあって好きだわ
124: 2018/01/14(日) 08:57:34.60 ID:n3CbKU1v
面白いぞ
花丸と梨子のチョイスもすごくいい
花丸と梨子のチョイスもすごくいい
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1515763372/