1: 2020/04/23(木) 21:34:05.47 ID:rUL6kqYa
2: 2020/04/23(木) 21:37:02.61 ID:rUL6kqYa
◇
や、やってしまった……。
私としたことがこんなミスを!
少し冷静になれば気づけたものを……!
恐る恐る冷蔵庫の扉を開けると残酷な現実だけが映し出される。
瞑目し、思わずうなだれる。
そろりそろりと足元を冷気が走った。
何か、何か手段は……。
言い訳、後悔、責任逃れ……後ろ向きなことばかりが頭を高速で駆け巡った。
こんなことになる前によく確認しておくべきだった。
しかし後悔しても手遅れなのは変わらない。
家族の誰かに気づかれる前に何とかしないと……!
自分だけがわかって、他の人にはわからない手段…………
──『スタンド能力』!
そうだ、私には他の人には無いこの力がある!
『クレイジー・D(ダイヤモンド)』の能力なら……!!!
や、やってしまった……。
私としたことがこんなミスを!
少し冷静になれば気づけたものを……!
恐る恐る冷蔵庫の扉を開けると残酷な現実だけが映し出される。
瞑目し、思わずうなだれる。
そろりそろりと足元を冷気が走った。
何か、何か手段は……。
言い訳、後悔、責任逃れ……後ろ向きなことばかりが頭を高速で駆け巡った。
こんなことになる前によく確認しておくべきだった。
しかし後悔しても手遅れなのは変わらない。
家族の誰かに気づかれる前に何とかしないと……!
自分だけがわかって、他の人にはわからない手段…………
──『スタンド能力』!
そうだ、私には他の人には無いこの力がある!
『クレイジー・D(ダイヤモンド)』の能力なら……!!!
3: 2020/04/23(木) 21:38:13.68 ID:rUL6kqYa
部室
ダイヤ「はあ」
千歌「?」
ダイヤ「はあ……」
梨子「……?」
ダイヤ「はぁ~~~っ……」
曜「ちょちょちょ! 魂抜けてるよ、ダイヤさん!」
千歌「帰ってこーい!」
ダイヤ「はっ! …………はあ」
千歌「あ、戻った」
ダイヤ「はあ」
千歌「?」
ダイヤ「はあ……」
梨子「……?」
ダイヤ「はぁ~~~っ……」
曜「ちょちょちょ! 魂抜けてるよ、ダイヤさん!」
千歌「帰ってこーい!」
ダイヤ「はっ! …………はあ」
千歌「あ、戻った」
4: 2020/04/23(木) 21:39:05.26 ID:rUL6kqYa
果南「ため息ばっかついてどうしたの?」
ダイヤ「はあ、特には…………はあ」
千歌曜「??」
鞠莉「Oh~! ダイヤのスピリッツがまた半分くらい抜け出ちゃってるよ? もしかしてハートブレイク?」
ダイヤ「」ビクッ
ガララッ
花丸「おつかれさま~。ルビィちゃんと善子ちゃんは日直だから遅れてくる…………ずら?」
ダイヤ「」チーン
花丸「えーと、どういう状況?」
果南「一日中ずっとこんな感じなんだ」
鞠莉「授業中も上の空デース!」
ダイヤ「はあ、特には…………はあ」
千歌曜「??」
鞠莉「Oh~! ダイヤのスピリッツがまた半分くらい抜け出ちゃってるよ? もしかしてハートブレイク?」
ダイヤ「」ビクッ
ガララッ
花丸「おつかれさま~。ルビィちゃんと善子ちゃんは日直だから遅れてくる…………ずら?」
ダイヤ「」チーン
花丸「えーと、どういう状況?」
果南「一日中ずっとこんな感じなんだ」
鞠莉「授業中も上の空デース!」
5: 2020/04/23(木) 21:42:14.91 ID:rUL6kqYa
千歌「花丸ちゃんは何か事情知らない?」
花丸「マルは何も……」
千歌「そっか」
梨子「やっぱりルビィちゃんが何か知っているかも……」
ダイヤ「ルビィ……」ボソッ
花丸「!!」
ダイヤ「はあ……」
花丸「……ダイヤさん、ちょっと」グイッ
ダイヤ「!! …………花丸さん?」
花丸「来たばっかりだけどちょっと席外すね」
花丸「マルは何も……」
千歌「そっか」
梨子「やっぱりルビィちゃんが何か知っているかも……」
ダイヤ「ルビィ……」ボソッ
花丸「!!」
ダイヤ「はあ……」
花丸「……ダイヤさん、ちょっと」グイッ
ダイヤ「!! …………花丸さん?」
花丸「来たばっかりだけどちょっと席外すね」
6: 2020/04/23(木) 21:44:17.86 ID:rUL6kqYa
千歌「なに? また二人で内緒話?」
花丸「そうずら。ちょっといってきま~す」トトト
千歌「な、なんと……!」
曜「最近あの二人仲良いんだね」
梨子「まあ一年と三年で交流を図るのはいいことだしね」
千歌「そういえばそんな事もあったね~。音楽一つでも方向性の違い! ……とか」
曜「果南ちゃんと鞠莉ちゃんが一年生と真正面からぶつかってたのはちょっと意外だったかも!」
鞠莉「果南は頑固親父だからね~♪」
果南「鞠莉だってわからず屋でしょ!」
花丸「そうずら。ちょっといってきま~す」トトト
千歌「な、なんと……!」
曜「最近あの二人仲良いんだね」
梨子「まあ一年と三年で交流を図るのはいいことだしね」
千歌「そういえばそんな事もあったね~。音楽一つでも方向性の違い! ……とか」
曜「果南ちゃんと鞠莉ちゃんが一年生と真正面からぶつかってたのはちょっと意外だったかも!」
鞠莉「果南は頑固親父だからね~♪」
果南「鞠莉だってわからず屋でしょ!」
7: 2020/04/23(木) 21:47:09.16 ID:rUL6kqYa
屋上
花丸「今日のダイヤさん、なんだか元気が無いずら」
ダイヤ「……」
花丸「部室でもため息ばっかりついて」
ダイヤ「別にそんなつもりは……」
花丸「何かあったずら?」
ダイヤ「……」
花丸「マルに手伝えることがあれば何でもやるずらっ」ズイッ
ダイヤ「う……」
花丸「じーっ……」
ダイヤ「わ、わかりました! 話します!」
花丸「それでよし」
花丸「今日のダイヤさん、なんだか元気が無いずら」
ダイヤ「……」
花丸「部室でもため息ばっかりついて」
ダイヤ「別にそんなつもりは……」
花丸「何かあったずら?」
ダイヤ「……」
花丸「マルに手伝えることがあれば何でもやるずらっ」ズイッ
ダイヤ「う……」
花丸「じーっ……」
ダイヤ「わ、わかりました! 話します!」
花丸「それでよし」
8: 2020/04/23(木) 21:48:41.42 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「……実は私、『プリン』が好きなのです」
花丸「…………ずら?」
ダイヤ「『プリン』が大好きなのです……」
花丸「プリンが好きなことが悩み……?」
ダイヤ「いえ、私の悩みというのは………………記憶違いで『ルビィのプリンを食べてしまったこと』なんです……!!!」
花丸「!!」
ダイヤ「一昨日、プリンを3つ買いました……。『海底プリン』と呼ばれる沼津限定のオリジナル商品です」
花丸「あっ、あの港の近くの」
ダイヤ「ご存知ですか。そう! あの濃厚な味わいを持つ……そして鮮やかでいてその名の通り海底を思わせる神秘的なブルー……! 一般的にイメージするプリンと違い、青いラムネのジュレを用いる事により視覚的好奇心と見かけ倒しではないのだという力強い味が」
花丸「……」
花丸「…………ずら?」
ダイヤ「『プリン』が大好きなのです……」
花丸「プリンが好きなことが悩み……?」
ダイヤ「いえ、私の悩みというのは………………記憶違いで『ルビィのプリンを食べてしまったこと』なんです……!!!」
花丸「!!」
ダイヤ「一昨日、プリンを3つ買いました……。『海底プリン』と呼ばれる沼津限定のオリジナル商品です」
花丸「あっ、あの港の近くの」
ダイヤ「ご存知ですか。そう! あの濃厚な味わいを持つ……そして鮮やかでいてその名の通り海底を思わせる神秘的なブルー……! 一般的にイメージするプリンと違い、青いラムネのジュレを用いる事により視覚的好奇心と見かけ倒しではないのだという力強い味が」
花丸「……」
9: 2020/04/23(木) 21:50:09.73 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「はっ! すいません、つい熱くなりました……。こほん、そのプリンを自分用に2つ、ルビィ用に1つ買いました。もちろん私はすぐにいただきました。帰宅してから1つ、夕食の後に1つ」
花丸「食後のデザートは格別ずら!」
ダイヤ「全くもって仰る通りです。そして昨日、冷蔵庫を開けるとプリンが1つ残っていたのです。当然です、ルビィのプリンですから。しかし、私は買った当日中に既に2つ食べていたことを忘れてしまっていました……」
花丸「なんと」
ダイヤ「食べ終えた後、自分が食べた2つの空瓶を見つけた時のショックはもう…………プリンを見つけて多分心のどこかで浮かれていたんだと思います……。まさかルビィがまだ食べていないとは思いもしませんでした」
花丸「それでルビィちゃんは……?」
ダイヤ「まだ気づいていません」
花丸「なんだ! それなら買い直せばいいだけずら。てっきりマルは全部食べたのがバレて喧嘩しちゃったのかと」
ダイヤ「問題はそこです」
花丸「?」
花丸「食後のデザートは格別ずら!」
ダイヤ「全くもって仰る通りです。そして昨日、冷蔵庫を開けるとプリンが1つ残っていたのです。当然です、ルビィのプリンですから。しかし、私は買った当日中に既に2つ食べていたことを忘れてしまっていました……」
花丸「なんと」
ダイヤ「食べ終えた後、自分が食べた2つの空瓶を見つけた時のショックはもう…………プリンを見つけて多分心のどこかで浮かれていたんだと思います……。まさかルビィがまだ食べていないとは思いもしませんでした」
花丸「それでルビィちゃんは……?」
ダイヤ「まだ気づいていません」
花丸「なんだ! それなら買い直せばいいだけずら。てっきりマルは全部食べたのがバレて喧嘩しちゃったのかと」
ダイヤ「問題はそこです」
花丸「?」
10: 2020/04/23(木) 21:52:14.29 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「買い直せないのです」
花丸「どういうことずら?」
ダイヤ「少し語弊がありました。『すぐに』買い直せないのです……!」
花丸「ど、どうして……」
ダイヤ「私が買ってきたのは限定プリンだったのです……! 『8のつく海底の日限定発売の“海底の日プリン”』……!!!」
花丸「!?」
ダイヤ「つまり、今月の8日に買ったので次の発売は18日なのです!」
花丸「な、なるほど」
ダイヤ「……」プルプル
花丸「ダイヤさん……?」
ダイヤ「やってしまいましたわ~~~!!!」
花丸「お、落ち着いて……声が大きいずら!」
ダイヤ「す、すいません」
花丸「どういうことずら?」
ダイヤ「少し語弊がありました。『すぐに』買い直せないのです……!」
花丸「ど、どうして……」
ダイヤ「私が買ってきたのは限定プリンだったのです……! 『8のつく海底の日限定発売の“海底の日プリン”』……!!!」
花丸「!?」
ダイヤ「つまり、今月の8日に買ったので次の発売は18日なのです!」
花丸「な、なるほど」
ダイヤ「……」プルプル
花丸「ダイヤさん……?」
ダイヤ「やってしまいましたわ~~~!!!」
花丸「お、落ち着いて……声が大きいずら!」
ダイヤ「す、すいません」
11: 2020/04/23(木) 21:55:37.18 ID:rUL6kqYa
花丸「えーと……次の発売日までごまかすのは……?」
ダイヤ「さすがに一週間以上も隠し通せません! 賞味期限もありますしその辺はルビィも意識しているはずです!」
花丸「う~ん……別にわざとじゃあないからルビィちゃんも怒らないような」
ダイヤ「私がルビィに海底プリンのおいしさを推しに推してようやく食べてもらえる機会を迎えたのです! 私の……プライドが許しません!」
花丸「変なところでめんどくさい……それにもうプライドがどうとかの問題じゃあないずら」
ダイヤ「ああ、一体どうすれば……」
花丸「あっ! 『スタンド能力』を使うのは?」
ダイヤ「……それも既に考えました。ミスに気がついた時に」
花丸「おお、食べ物もなおせるずら?」
ダイヤ「……なおせます。たしかになおせますが……」
花丸「?」
ダイヤ「さすがに一週間以上も隠し通せません! 賞味期限もありますしその辺はルビィも意識しているはずです!」
花丸「う~ん……別にわざとじゃあないからルビィちゃんも怒らないような」
ダイヤ「私がルビィに海底プリンのおいしさを推しに推してようやく食べてもらえる機会を迎えたのです! 私の……プライドが許しません!」
花丸「変なところでめんどくさい……それにもうプライドがどうとかの問題じゃあないずら」
ダイヤ「ああ、一体どうすれば……」
花丸「あっ! 『スタンド能力』を使うのは?」
ダイヤ「……それも既に考えました。ミスに気がついた時に」
花丸「おお、食べ物もなおせるずら?」
ダイヤ「……なおせます。たしかになおせますが……」
花丸「?」
13: 2020/04/23(木) 22:00:18.41 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「隠蔽することはルビィへの裏切りに他ならないような気がして……」
花丸「(ま、真面目すぎる……)」
ダイヤ「……それに今回のような事象の場合、『クレイジー・D』でなおしても重大な問題があります!」
花丸「問題? 食べ物もなおせるのならどこに……」
ダイヤ「……『私が既に食べた』という状況が問題なのです」
花丸「なんの問題が??」
ダイヤ「その状況でビンに付着したプリンに『クレイジー・D』が能力発動の為に触れると果たしてどうなるか……」
花丸「……」ゴクリ
ダイヤ「『私の胃の中から食べ終えたプリンが吐き出されてから元のプリンへと戻る』のです……! もちろん食道や口の中を経由して……!!!」
花丸「……想像したくないずら」
花丸「(ま、真面目すぎる……)」
ダイヤ「……それに今回のような事象の場合、『クレイジー・D』でなおしても重大な問題があります!」
花丸「問題? 食べ物もなおせるのならどこに……」
ダイヤ「……『私が既に食べた』という状況が問題なのです」
花丸「なんの問題が??」
ダイヤ「その状況でビンに付着したプリンに『クレイジー・D』が能力発動の為に触れると果たしてどうなるか……」
花丸「……」ゴクリ
ダイヤ「『私の胃の中から食べ終えたプリンが吐き出されてから元のプリンへと戻る』のです……! もちろん食道や口の中を経由して……!!!」
花丸「……想像したくないずら」
14: 2020/04/23(木) 22:03:57.81 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「実行寸前でその光景が思い浮かび寸前でなんとか留まりました。決して試した訳ではありませんが」
花丸「賢明な判断ずら」
ダイヤ「決して試した訳ではありませんが」
花丸「わ、わかりましたから」
ダイヤ「恐らく『なおる』過程で唾液など不純物も取り除かれるはずですが絶対ではありません。推測が外れているかも……さすがに一度食べた物をルビィに食べさせるわけには……」
花丸「それならもう正直に話すしかないんじゃあ」
ダイヤ「それはそうですけど……」
花丸「ルビィちゃんが怖いずら?」
ダイヤ「その、どうせ打ち明けるにしてもギリギリまで解決手段を模索したいな、と」
花丸「い、意外と小心……」
ダイヤ「自分でもわかってます!」
花丸「賢明な判断ずら」
ダイヤ「決して試した訳ではありませんが」
花丸「わ、わかりましたから」
ダイヤ「恐らく『なおる』過程で唾液など不純物も取り除かれるはずですが絶対ではありません。推測が外れているかも……さすがに一度食べた物をルビィに食べさせるわけには……」
花丸「それならもう正直に話すしかないんじゃあ」
ダイヤ「それはそうですけど……」
花丸「ルビィちゃんが怖いずら?」
ダイヤ「その、どうせ打ち明けるにしてもギリギリまで解決手段を模索したいな、と」
花丸「い、意外と小心……」
ダイヤ「自分でもわかってます!」
15: 2020/04/23(木) 22:04:19.19 ID:rUL6kqYa
花丸「……こうなればもう方法は1つずら!」
ダイヤ「えっ、何か方法が!?」
花丸「ダイヤさんがプリンを作るずら!」
ダイヤ「いやいやいやいやいやいや、私に『海底プリン』は……」
花丸「何も『海底プリン』を作れとは言わないずら!」
ダイヤ「はあ?」
花丸「正直に話して謝るだけじゃあ物足りないと思うのならプラスα要素……ダイヤさん手作りのプリンをルビィちゃんの為に作るずら! 謝罪+プリン=解決ずら!」
ダイヤ「う、うーん……」
ダイヤ「えっ、何か方法が!?」
花丸「ダイヤさんがプリンを作るずら!」
ダイヤ「いやいやいやいやいやいや、私に『海底プリン』は……」
花丸「何も『海底プリン』を作れとは言わないずら!」
ダイヤ「はあ?」
花丸「正直に話して謝るだけじゃあ物足りないと思うのならプラスα要素……ダイヤさん手作りのプリンをルビィちゃんの為に作るずら! 謝罪+プリン=解決ずら!」
ダイヤ「う、うーん……」
16: 2020/04/23(木) 22:05:52.71 ID:rUL6kqYa
花丸「ちなみに買ったプリンの賞味期限はどれくらい?」
ダイヤ「た、たしか製造当日から3日ほど……はっ!」
花丸「そう、ダイヤさんがプリンを購入したのは8日。ルビィちゃんの分を間違って食べたのが昨日の9日……そして3日目、賞味期限は今日までずら!」
ダイヤ「なっ……じゃあタイムリミットは……!」
花丸「今日ずら!」
ダイヤ「~~~ッッッ!!!」
花丸「決断は 今 す ぐ ず ら」
ダイヤ「……! 花丸さん、今日この後予定はありますか!?」
ダイヤ「た、たしか製造当日から3日ほど……はっ!」
花丸「そう、ダイヤさんがプリンを購入したのは8日。ルビィちゃんの分を間違って食べたのが昨日の9日……そして3日目、賞味期限は今日までずら!」
ダイヤ「なっ……じゃあタイムリミットは……!」
花丸「今日ずら!」
ダイヤ「~~~ッッッ!!!」
花丸「決断は 今 す ぐ ず ら」
ダイヤ「……! 花丸さん、今日この後予定はありますか!?」
17: 2020/04/23(木) 22:06:18.35 ID:rUL6kqYa
花丸「部活以外予定無し!」
ダイヤ「わかりました……! それではお願いがあります! 私と一緒にプリンを作って下さい……!!!」
花丸「了解ずら!!!」
ダイヤ「ありがとうございます! 作る場所……家庭科室はルビィに見られる恐れがある……自宅は以ての外……」ブツブツ
花丸「マルの家は?」
ダイヤ「それですっ! お邪魔してもよろしいですか!!?」
花丸「もちろん! そうと決まれば善は急げ! ずら!」
ダイヤ「わかりました……! それではお願いがあります! 私と一緒にプリンを作って下さい……!!!」
花丸「了解ずら!!!」
ダイヤ「ありがとうございます! 作る場所……家庭科室はルビィに見られる恐れがある……自宅は以ての外……」ブツブツ
花丸「マルの家は?」
ダイヤ「それですっ! お邪魔してもよろしいですか!!?」
花丸「もちろん! そうと決まれば善は急げ! ずら!」
18: 2020/04/23(木) 22:08:17.10 ID:rUL6kqYa
部室
花丸「ただいま~」
ルビィ「あ、花丸ちゃん、お姉ちゃん!」
善子「また二人でこの堕天使ヨハネの魔力を損なわせる密約を」
ダイヤ「すみませんが、今日は急用ができたので帰らせてもらいます」
千歌「えっ!?」
果南「ちょっ」
花丸「右に同じずら」
梨子「花丸ちゃんまで!?」
花丸「ただいま~」
ルビィ「あ、花丸ちゃん、お姉ちゃん!」
善子「また二人でこの堕天使ヨハネの魔力を損なわせる密約を」
ダイヤ「すみませんが、今日は急用ができたので帰らせてもらいます」
千歌「えっ!?」
果南「ちょっ」
花丸「右に同じずら」
梨子「花丸ちゃんまで!?」
19: 2020/04/23(木) 22:09:40.93 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「申し訳ありませんが急いでいるのでこれで」スッ
花丸「失礼します~」トトト
曜「急にどうしたのかな……」
果南「……ちょっとダイヤらしくないね」
鞠莉「それに花丸まで急用? ホワイ……?」
善子「クックックッ……あの二人による叛逆計画がかねてより企てられている事はこのヨハネアイで既に見通していました……!!!」
梨子「そこ、変な世界に突入しない」
ルビィ「(お姉ちゃん何か予定あったのかな……)」
花丸「失礼します~」トトト
曜「急にどうしたのかな……」
果南「……ちょっとダイヤらしくないね」
鞠莉「それに花丸まで急用? ホワイ……?」
善子「クックックッ……あの二人による叛逆計画がかねてより企てられている事はこのヨハネアイで既に見通していました……!!!」
梨子「そこ、変な世界に突入しない」
ルビィ「(お姉ちゃん何か予定あったのかな……)」
20: 2020/04/23(木) 22:11:47.78 ID:rUL6kqYa
国木田家
花丸「材料も揃えたし準備万端ずら!」
ダイヤ「そ、そういえば以前花丸さんの家には家電機器類が無いとお伺いしたような……」
花丸「はい。ウチにはパソコンも無いずら」
ダイヤ「あの、その……冷蔵庫とオーブンは……?」
花丸「あるずら。マルの家は食にはうるさいずらよ」
ダイヤ「お、おお……! 本家のプリンも冷たいので冷たい方がいいかなと思いまして」
花丸「その辺は心配ないずら。さ、あがってあがって~」
ダイヤ「お邪魔します」
花丸「ここが台所ずら。ちなみに今家には誰もいないから遠慮なくどうぞ!」バッ
花丸「材料も揃えたし準備万端ずら!」
ダイヤ「そ、そういえば以前花丸さんの家には家電機器類が無いとお伺いしたような……」
花丸「はい。ウチにはパソコンも無いずら」
ダイヤ「あの、その……冷蔵庫とオーブンは……?」
花丸「あるずら。マルの家は食にはうるさいずらよ」
ダイヤ「お、おお……! 本家のプリンも冷たいので冷たい方がいいかなと思いまして」
花丸「その辺は心配ないずら。さ、あがってあがって~」
ダイヤ「お邪魔します」
花丸「ここが台所ずら。ちなみに今家には誰もいないから遠慮なくどうぞ!」バッ
21: 2020/04/23(木) 22:14:14.69 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「それでは始めます。まずは牛乳ですわ! そしてバニラオイルを少々……」
花丸「……ところで今までにプリン作ったことあるずらか?」
ダイヤ「ありません」
花丸「!?」
ダイヤ「けど、最近はインターネットにお菓子作りの方法なんて動画付きでいくらでもありますわ……!」
花丸「なんと!? ……マルは普段料理は作らないから補助に徹するずら」
ダイヤ「お願いします! まずは卵を割って卵黄だけを取り出してください。白身はそのまま小皿へ」
花丸「了解ずら! えーっと……」スッ
パキッ
花丸「あ、黄身が破れて……」
ドヒュウウゥン!!!!!
花丸「!?」
花丸「……ところで今までにプリン作ったことあるずらか?」
ダイヤ「ありません」
花丸「!?」
ダイヤ「けど、最近はインターネットにお菓子作りの方法なんて動画付きでいくらでもありますわ……!」
花丸「なんと!? ……マルは普段料理は作らないから補助に徹するずら」
ダイヤ「お願いします! まずは卵を割って卵黄だけを取り出してください。白身はそのまま小皿へ」
花丸「了解ずら! えーっと……」スッ
パキッ
花丸「あ、黄身が破れて……」
ドヒュウウゥン!!!!!
花丸「!?」
22: 2020/04/23(木) 22:15:07.44 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「『クレイジー・D!』」
パアァッ
花丸「(割れた卵が……中身まで元通りに……)」
ダイヤ「私がいる限り、何度でも失敗できますわ。床にこぼさない限り大丈夫です。落ち着いてゆっくりやれば必ずできます」
花丸「次は慎重にやるずら……ってこんな時こそ!」
ドキュウウゥーン!!!!!
花丸「『スタープラチナ』!」
ダイヤ「!!」
パッカアァ
花丸「やった、できたずら!」
ダイヤ「(超パワーとスピードを併せ持ちながら細かい作業まで……)……さすがですわ! では、卵黄を溶いた後グラニュー糖を加えて泡立たないように混ぜてください!」
パアァッ
花丸「(割れた卵が……中身まで元通りに……)」
ダイヤ「私がいる限り、何度でも失敗できますわ。床にこぼさない限り大丈夫です。落ち着いてゆっくりやれば必ずできます」
花丸「次は慎重にやるずら……ってこんな時こそ!」
ドキュウウゥーン!!!!!
花丸「『スタープラチナ』!」
ダイヤ「!!」
パッカアァ
花丸「やった、できたずら!」
ダイヤ「(超パワーとスピードを併せ持ちながら細かい作業まで……)……さすがですわ! では、卵黄を溶いた後グラニュー糖を加えて泡立たないように混ぜてください!」
23: 2020/04/23(木) 22:16:53.12 ID:rUL6kqYa
花丸「オラオラオラオラオラオラ!!!!!!」
カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
ダイヤ「(は、光速い……!)牛乳が適温になりました! ボウルを貸して下さい!」
花丸「はいっ!」
ダイヤ「温めた牛乳と砂糖入り卵黄をさらに混ぜ合わせます…………ドラララララララララですわああああぁーっ!!!!!」
カチャチャチャカチャカチャカチャ
花丸「ダ、ダイヤさんも相当速いずらっ……!」
カチャカチャカチャカチャカチャカチャ
ダイヤ「(は、光速い……!)牛乳が適温になりました! ボウルを貸して下さい!」
花丸「はいっ!」
ダイヤ「温めた牛乳と砂糖入り卵黄をさらに混ぜ合わせます…………ドラララララララララですわああああぁーっ!!!!!」
カチャチャチャカチャカチャカチャ
花丸「ダ、ダイヤさんも相当速いずらっ……!」
24: 2020/04/23(木) 22:19:08.01 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「そして濾し器に流し込んで余分な泡を除去……」
花丸「動画を見ながらとはいえさすが……」
ダイヤ「料理は黒澤家の嗜みですわ! 濾し器で除去し切れなかった細かい分は手作業でお願いできますか」
花丸「承知!」
シュバババババババババ
ダイヤ「……っ! 取り除きが終わったら瓶へ流し込みオーブンへ……」
ガチャ
ダイヤ「そして待つ」
花丸「ドキドキずら……」
花丸「動画を見ながらとはいえさすが……」
ダイヤ「料理は黒澤家の嗜みですわ! 濾し器で除去し切れなかった細かい分は手作業でお願いできますか」
花丸「承知!」
シュバババババババババ
ダイヤ「……っ! 取り除きが終わったら瓶へ流し込みオーブンへ……」
ガチャ
ダイヤ「そして待つ」
花丸「ドキドキずら……」
25: 2020/04/23(木) 22:20:37.45 ID:rUL6kqYa
数十分後
花丸「で、できた……」
ダイヤ「いえ、ここからさらに冷蔵庫へ入れて冷まします」
花丸「あ、そっか」
ダイヤ「この沈黙を守り切ってプリンは初めて産声を上げるのです!」
花丸「なるほど……」
花丸「で、できた……」
ダイヤ「いえ、ここからさらに冷蔵庫へ入れて冷まします」
花丸「あ、そっか」
ダイヤ「この沈黙を守り切ってプリンは初めて産声を上げるのです!」
花丸「なるほど……」
26: 2020/04/23(木) 22:21:07.42 ID:rUL6kqYa
約一時間後
花丸「今度こそ完成……!」
ダイヤ「気泡一つない……! 完成ですわ~!!!」
花丸「なんとか完成してよかったずら……」
ダイヤ「これも花丸さんのおかげです、ありがとうございます!」
花丸「どういたしまして。それよりももうこんな時間……」
ダイヤ「ほ、本当ですね! すいません、長居して台所まで占領して申し訳ありません……」
花丸「いえいえ! ……それよりもお願いがあるずら」
ダイヤ「お願い……?」
花丸「今回できたプリン4つの内、1つをマルが食べたいずら!」
花丸「今度こそ完成……!」
ダイヤ「気泡一つない……! 完成ですわ~!!!」
花丸「なんとか完成してよかったずら……」
ダイヤ「これも花丸さんのおかげです、ありがとうございます!」
花丸「どういたしまして。それよりももうこんな時間……」
ダイヤ「ほ、本当ですね! すいません、長居して台所まで占領して申し訳ありません……」
花丸「いえいえ! ……それよりもお願いがあるずら」
ダイヤ「お願い……?」
花丸「今回できたプリン4つの内、1つをマルが食べたいずら!」
27: 2020/04/23(木) 22:22:52.70 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「もちろんです。頼まれなくとも差し上げるつもりでした」
花丸「やった! ふふ……それじゃあさっそく……いただきまあ~す!」
パクッ!
ダイヤ「いかがですか…………?」
花丸「おいしいずら。とろけるようにおいしいずら~!」
ダイヤ「ふふふ……私の動画チョイスに間違いはありませんわ!」
花丸「これならルビィちゃんも……」
ダイヤ「もちろんですわっ! さあ、あとは片付けをして……」
花丸「後片付けはマルに任せるずら。早く家に帰ってルビィちゃんにプレゼントしないと」
ダイヤ「花丸さん……!」
花丸「ね?」
花丸「やった! ふふ……それじゃあさっそく……いただきまあ~す!」
パクッ!
ダイヤ「いかがですか…………?」
花丸「おいしいずら。とろけるようにおいしいずら~!」
ダイヤ「ふふふ……私の動画チョイスに間違いはありませんわ!」
花丸「これならルビィちゃんも……」
ダイヤ「もちろんですわっ! さあ、あとは片付けをして……」
花丸「後片付けはマルに任せるずら。早く家に帰ってルビィちゃんにプレゼントしないと」
ダイヤ「花丸さん……!」
花丸「ね?」
28: 2020/04/23(木) 22:23:23.32 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「そのお気遣い、感謝痛み入ります」
花丸「さあ、行って!」
ダイヤ「承知しました! お邪魔しました!」
バッ!
ダイヤ「(今向かいます……!)」
タッタッタッ
「ダ、ダイヤさーん!」
ダイヤ「何か忘れていましたか?」バッ
花丸「はあ……はあ……そういえばもう一つお願いが……」
ダイヤ「お願いですか?」
花丸「この前話してた鐘を直して欲しいずら! マルが『スタープラチナ』の試し打ちでヘコませた……」
ダイヤ「お安い御用ですわ!」
花丸「さあ、行って!」
ダイヤ「承知しました! お邪魔しました!」
バッ!
ダイヤ「(今向かいます……!)」
タッタッタッ
「ダ、ダイヤさーん!」
ダイヤ「何か忘れていましたか?」バッ
花丸「はあ……はあ……そういえばもう一つお願いが……」
ダイヤ「お願いですか?」
花丸「この前話してた鐘を直して欲しいずら! マルが『スタープラチナ』の試し打ちでヘコませた……」
ダイヤ「お安い御用ですわ!」
29: 2020/04/23(木) 22:24:30.89 ID:rUL6kqYa
花丸「ありがとう! この鐘ずら……」
ダイヤ「ずいぶんはっきりと拳の跡が……」
花丸「ちょっとやりすぎちゃったもので……」
ダイヤ「任せてください。『クレイジー・ダイヤモンド』!」
ドヒュウウゥン!!!!!
パアァッ
花丸「おおっ!」
ダイヤ「これで鐘は元通りですわ」
ダイヤ「ずいぶんはっきりと拳の跡が……」
花丸「ちょっとやりすぎちゃったもので……」
ダイヤ「任せてください。『クレイジー・ダイヤモンド』!」
ドヒュウウゥン!!!!!
パアァッ
花丸「おおっ!」
ダイヤ「これで鐘は元通りですわ」
30: 2020/04/23(木) 22:27:26.40 ID:rUL6kqYa
花丸「何度見ても未来ずら……!」
ダイヤ「それでは失礼します」
花丸「引き止めてすいませんでした。ありがとうございました!」
ダイヤ「どういたしまして。では!」
花丸「お気をつけて~」
ダイヤ「(ルビィ……!)」
ダイヤ「それでは失礼します」
花丸「引き止めてすいませんでした。ありがとうございました!」
ダイヤ「どういたしまして。では!」
花丸「お気をつけて~」
ダイヤ「(ルビィ……!)」
31: 2020/04/23(木) 22:28:10.84 ID:rUL6kqYa
黒澤家
ダイヤ「ただいま戻りました」
ルビィ「あ、お帰り」
ダイヤ「ただいま。帰るのが少し遅くなりました」
ルビィ「急用って何だったの?」
ダイヤ「それは……『これ』を作るためです」スッ
ルビィ「?」
ダイヤ「開けてみて」
ルビィ「…………プリン?」
ダイヤ「そう。プリンです。ルビィには謝らないといけないことがあります」
ルビィ「……?」
ダイヤ「以前、私がプリンを買ってきたことを覚えてますか」
ダイヤ「ただいま戻りました」
ルビィ「あ、お帰り」
ダイヤ「ただいま。帰るのが少し遅くなりました」
ルビィ「急用って何だったの?」
ダイヤ「それは……『これ』を作るためです」スッ
ルビィ「?」
ダイヤ「開けてみて」
ルビィ「…………プリン?」
ダイヤ「そう。プリンです。ルビィには謝らないといけないことがあります」
ルビィ「……?」
ダイヤ「以前、私がプリンを買ってきたことを覚えてますか」
32: 2020/04/23(木) 22:30:16.22 ID:rUL6kqYa
ルビィ「うん。『海底プリン』だよね。お姉ちゃんがすっごくおすすめしてた。今日食べようかなって」
ダイヤ「そのプリンですが…………昨日私の勘違いでルビィの分まで食べてしまいました」
ルビィ「えっ」
ダイヤ「ごめんなさいっ」
ルビィ「……」
ダイヤ「それで、その……お詫びに代わりにプリンを作ってきました……受け取ってください!」バッ
ルビィ「お姉ちゃん……」
ダイヤ「……」
ルビィ「顔を上げて? 別に怒ってないよ」
ダイヤ「!! でも、あれだけ期待させておいて勝手に食べてしまったのに…………」
ダイヤ「そのプリンですが…………昨日私の勘違いでルビィの分まで食べてしまいました」
ルビィ「えっ」
ダイヤ「ごめんなさいっ」
ルビィ「……」
ダイヤ「それで、その……お詫びに代わりにプリンを作ってきました……受け取ってください!」バッ
ルビィ「お姉ちゃん……」
ダイヤ「……」
ルビィ「顔を上げて? 別に怒ってないよ」
ダイヤ「!! でも、あれだけ期待させておいて勝手に食べてしまったのに…………」
33: 2020/04/23(木) 22:32:24.37 ID:rUL6kqYa
ルビィ「ルビィはね、プリンを食べることよりも一生懸命オススメしてくれるお姉ちゃんを見てる方がうれしかったんだ。昔、“μ's”の事を二人で話してた時みたいで……」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「だから気にしないで。間違えることなんて誰にだってあるんだから」
ダイヤ「ルビィ……!」
ルビィ「お姉ちゃんも一緒に食べよう、プリン!」
ダイヤ「……はいっ!」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「だから気にしないで。間違えることなんて誰にだってあるんだから」
ダイヤ「ルビィ……!」
ルビィ「お姉ちゃんも一緒に食べよう、プリン!」
ダイヤ「……はいっ!」
34: 2020/04/23(木) 22:35:19.04 ID:rUL6kqYa
ルビィ「わぁ~っ……! よく見るととってもキレイだね。本当に手作りなの?」
ダイヤ「ええ。花丸さんにお手伝いしてもらって」
ルビィ「花丸ちゃんにもお礼言わないといけないね」
ダイヤ「もちろんです。 ……それじゃあ食べましょうか」
ルビィ「うん! いただきまーす!」
ダイヤ「いただきます」
パクっ!!
ダイヤルビィ「……ンまああぁ~いっ!!!!!」
ダイヤ「ええ。花丸さんにお手伝いしてもらって」
ルビィ「花丸ちゃんにもお礼言わないといけないね」
ダイヤ「もちろんです。 ……それじゃあ食べましょうか」
ルビィ「うん! いただきまーす!」
ダイヤ「いただきます」
パクっ!!
ダイヤルビィ「……ンまああぁ~いっ!!!!!」
35: 2020/04/23(木) 22:35:54.82 ID:rUL6kqYa
後日
花丸「それで、どうでしたか?」
ダイヤ「おかげさまで喜んでもらえました!」
花丸「よかったずら」
ダイヤ「花丸さんに相談してよかったです。ありがとうございました」
花丸「まあルビィちゃんがそんなことで怒るとは思わなかったけど」
ダイヤ「どうも気にし過ぎていたみたいで……ご迷惑をおかけしました」
花丸「微力ながらマルも協力できてよかったずら」
ダイヤ「今回の出来事で……『なおさなくてもいい』ことがいい方向に作用することもあるんだと改めて知りました」
花丸「……というと?」
花丸「それで、どうでしたか?」
ダイヤ「おかげさまで喜んでもらえました!」
花丸「よかったずら」
ダイヤ「花丸さんに相談してよかったです。ありがとうございました」
花丸「まあルビィちゃんがそんなことで怒るとは思わなかったけど」
ダイヤ「どうも気にし過ぎていたみたいで……ご迷惑をおかけしました」
花丸「微力ながらマルも協力できてよかったずら」
ダイヤ「今回の出来事で……『なおさなくてもいい』ことがいい方向に作用することもあるんだと改めて知りました」
花丸「……というと?」
36: 2020/04/23(木) 22:37:51.80 ID:rUL6kqYa
ダイヤ「『スタンド能力』を身に付けてから、壊れたものは何でもなおせればそれでいいと思ってました。そうすれば誰も傷つかない、と」
花丸「……」
ダイヤ「あの時、『能力』を使ってごまかしていたなら人として何か根源的な、大切な物が欠けることになっていたと思います。そうなればプリンはなおったとしても私の心はずっと傷ついたままでした」
花丸「……」
ダイヤ「なんだか人として少しだけ成長できた気がします」
花丸「…………人間は何かを破壊して生きていると言ってもいい生き物ずら」
ダイヤ「たしかにそうかもしれませんね……」
花丸「……」
ダイヤ「あの時、『能力』を使ってごまかしていたなら人として何か根源的な、大切な物が欠けることになっていたと思います。そうなればプリンはなおったとしても私の心はずっと傷ついたままでした」
花丸「……」
ダイヤ「なんだか人として少しだけ成長できた気がします」
花丸「…………人間は何かを破壊して生きていると言ってもいい生き物ずら」
ダイヤ「たしかにそうかもしれませんね……」
37: 2020/04/23(木) 22:39:24.47 ID:rUL6kqYa
花丸「その中で、ダイヤさんの『クレイジー・D』はこの世のどんなことよりも優しい……マルはそう思うずら」
ダイヤ「優しい、ですか」
花丸「……今のはマルが読んだ小説から少しだけ引用しました。とにかく、杞憂だったとはいえ、ルビィちゃんのために諦めずに一生懸命になってがんばるダイヤさんの中に何か輝きが見えたずら」
ダイヤ「……」
花丸「ダイヤさんの強い気持ちが実を結んだ結果ずら。こんな優しいお姉ちゃんがいて、ルビィちゃんは幸せものずら!」
ダイヤ「……ありがとうございます!」
『クレイジー・ダイヤモンド』
能力:拳に意志を込めて触れると人や物を修復することができる。
──自分自身や人の心はなおせない。
ダイヤ「優しい、ですか」
花丸「……今のはマルが読んだ小説から少しだけ引用しました。とにかく、杞憂だったとはいえ、ルビィちゃんのために諦めずに一生懸命になってがんばるダイヤさんの中に何か輝きが見えたずら」
ダイヤ「……」
花丸「ダイヤさんの強い気持ちが実を結んだ結果ずら。こんな優しいお姉ちゃんがいて、ルビィちゃんは幸せものずら!」
ダイヤ「……ありがとうございます!」
『クレイジー・ダイヤモンド』
能力:拳に意志を込めて触れると人や物を修復することができる。
──自分自身や人の心はなおせない。
38: 2020/04/23(木) 22:43:07.63 ID:rUL6kqYa
◇
輝き。
千歌さんもたまに話しているこの言葉。
花丸さんは私の中に『輝き』があると言ってくれた。
“Aqours”として再びスクールアイドルを開始してから、ぼんやりとではあるものの私もその存在を初めて感じていた。
期待、希望、夢……様々な形をして。
その中で一際眩い『輝き』があった。
土砂崩れの時に躊躇なく動いてくれた花丸さん。
諦めかけた私を鼓舞してくれた。
自身にも危険が及んでいるのにも関わらず。
身体を張って道を……勇気を示してくれた。
浦の星女学院を懸命に守ろうとした千歌さん。
夢は破れたものの最後の最後の瞬間まで諦めていなかった。
つらい時を乗り越えラブライブ優勝を本気で目指している。
輝きを求めながら、希望の光をくれた。
どんな逆境でも諦めず立ち向かう勇気。
私は『黄金の精神』を彼女たちの正義の輝きの中に見た。
その『精神』を胸に抱いていれば言葉にせずとも、自然に皆の心に沁み渡っていくはずだ。
そしてそれは次の世代へと永遠に引き継がれていくのだろう。
──勇気はどこに?
──君の胸に!
おわり
輝き。
千歌さんもたまに話しているこの言葉。
花丸さんは私の中に『輝き』があると言ってくれた。
“Aqours”として再びスクールアイドルを開始してから、ぼんやりとではあるものの私もその存在を初めて感じていた。
期待、希望、夢……様々な形をして。
その中で一際眩い『輝き』があった。
土砂崩れの時に躊躇なく動いてくれた花丸さん。
諦めかけた私を鼓舞してくれた。
自身にも危険が及んでいるのにも関わらず。
身体を張って道を……勇気を示してくれた。
浦の星女学院を懸命に守ろうとした千歌さん。
夢は破れたものの最後の最後の瞬間まで諦めていなかった。
つらい時を乗り越えラブライブ優勝を本気で目指している。
輝きを求めながら、希望の光をくれた。
どんな逆境でも諦めず立ち向かう勇気。
私は『黄金の精神』を彼女たちの正義の輝きの中に見た。
その『精神』を胸に抱いていれば言葉にせずとも、自然に皆の心に沁み渡っていくはずだ。
そしてそれは次の世代へと永遠に引き継がれていくのだろう。
──勇気はどこに?
──君の胸に!
おわり
40: 2020/04/23(木) 23:25:39.43 ID:rRNL5NDq
おつおつ
43: 2020/04/25(土) 04:49:55.28 ID:ZRU4O1Ny
続き読めてうれしい
いい話だ
いい話だ
39: 2020/04/23(木) 23:16:00.60 ID:2H8Th5GN
良かった、乙
引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1587645245/