【SS】しずく「私が溺れるのを見ててほしいの」璃奈「はい?」【ラブライブ!虹ヶ咲】

SS


2:代行ありがとうございます(もんじゃ) 2021/07/30(金) 21:52:39.29 ID:49/LOeoG


何を言ってるんだろう、この子は。

しずくちゃんが真剣な顔で、お願いがあると言ってきたと思ったら──

しずくちゃんのお願いなら何でも聞いてあげるつもりだったけど、これは驚いた。

「どういうこと?」

「あのね──」

話を聞くと、どうやら今度の演劇で溺れる人の役をやるらしい。

そのために1人で練習してみたけど、しっくりこなくて──

だから……実際に溺れてみることでその気持ちを知りたいとか。

3: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 21:54:21.35 ID:49/LOeoG


こんなお願い、聞いてもらえるわけないよね──

わかってる。馬鹿なことを言ってることくらい。

溺れるなんて危ないことだもん。

璃奈さんがそんなことを言い出したら、私はきっと止めると思う。

「やっぱり、だめ……だよね」

あきらめかけて、そういうと。

「いいよ」

え?

「いいの?」

まさか首を縦に振ってもらえるとは思わなかった。

「うん。しずくちゃん1人でやるより、私が見てたほうがいいだろうし」

「それに、そういうしずくちゃんの姿──私も興味ある」

……やっぱり璃奈さん変わってる──私が言えたことじゃないけど。

4: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 21:57:54.33 ID:49/LOeoG


璃奈さんの家のお風呂に水をためて、服を脱いで、中に入る。

何度か一緒に入ったことがあるから、2人で入るのに十分な広さがあることは確認済み。

「それじゃあ璃奈さん──お願いね」

璃奈さんは黙って頷いた。

緊張でドキドキする。

すー……

大きく息を吸ってから、横たわる。

あ、溺れるために潜るんだから息をためる必要はなかったかも。

水に入るからか、無意識にやってしまった。

6: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:01:33.73 ID:49/LOeoG


いきなり言われたときは驚いたけど──私も見たいと思ってしまった。

しずくちゃんのまた違う姿を。どんな顔をするんだろう。

きっと溺れそうになるしずくちゃんも美しい。

……このあたりで、いいかな?

しずくちゃんの腰のあたりに跨って座って、浮き上がらないように、肩を上から軽く押さえつける。

じっとしていると水面の動きがおさまってきて、目を閉じたしずくちゃんの顔がよく見える。

きれい──

まるで眠り姫みたい。

8: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:05:46.08 ID:49/LOeoG


その姿に見とれて眺めていると──水面が、揺れだした。

しずくちゃんが小さく揺れている。

多分苦しくなってきてるんだと思う。

それから、口からも空気を吐き出し始めた。

どのくらい時間経ったんだろう?数えておけばよかった。

演劇部で、スクールアイドルもやってるから、肺活量はありそうだけど……

私よりは息を止めてられるはず。

そして吐き出される空気が少なくなってきて──止まった。

「しずくちゃん?」

9: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:08:34.98 ID:49/LOeoG


体の中の息を吐いて、吐いて。

吐ける息がなくなった。

苦しくなってきた──

あと何秒潜っていられるんだろう。

私はどこまで我慢できるのかな。

息を吸いたい……

でもこれは──

「しずくちゃん!」

──え?

10: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:13:59.95 ID:49/LOeoG


空気を吐かなくなったしずくちゃんが心配になって起こし上げた。

もしかして……本当に溺れちゃったんじゃないかと。

「大丈夫、しずくちゃん?」

「けほっ……うん」

しずくちゃんは少しせき込んだけど平気そう。

よかった。

「それで……わかったの?」

溺れる感覚は、つかめたのかな。

「……」

──無言で首を振られた。

11: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:17:21.84 ID:49/LOeoG


足りない──

苦しかったけど、私はまだ溺れていない。

それに、さっきの息を止めていた時の感じ──

あの感覚を、もっと知りたくなった。

「もう1回、やりたい」

璃奈さんに不安そうに見られた。

……多分、そういう表情。

でも、まだ大丈夫だから。

私の限界は、もっと先だから──

「でも……」

返事を待たずに水中に横になる。

今度は、息を吐いてから。

……痛い。勢いつけたから、後頭部を底にぶつけちゃった。

13: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:21:11.46 ID:49/LOeoG


しずくちゃんがまた潜っちゃった。

確かに、さっきはまだ余裕がありそうだった。

じゃあどこまで?

さっきより長く──ううん、今回は息を吸ってなかった。

だとすると──

うん、もう空気が漏れてきた。

だけど勢いがない。吐ける空気も少ないんだろう。

揺れる水面の下、顔をしかめてるのがわかる。

その表情のしずくちゃんも可愛い──

小さく左右に揺れはじめた。

だいぶ苦しそう……

どこまで──

14: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:25:25.83 ID:49/LOeoG


吸っちゃだめ。

水の中だから、吸っても空気は入ってこないよ。

身体が空気を求めてる。口が開いちゃわないように、手で押さえて。

おなかが勝手にひくひくと動くのがわかる。

でも……これだ──

私が求めていたもの。

さっきの苦しさに先にある、気持ちよさ。

もっと、もっと先へ。

あ、だめ!

抑えきれずに、水を吸っちゃった──

15: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:28:41.22 ID:49/LOeoG


「大丈夫!?」

ばしゃんと音を立てて、しずくちゃんが勢いよく起き上がってきた。

「げふっ……けほっ……」

水を飲んでむせちゃったみたい。

「はあっ、はあっ……」

息は切れてるけど大丈夫そう。

「これだ……」

呼吸が整ってきたあたりで、しずくちゃんがつぶやいた。

分かったのかな?

16: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:33:05.82 ID:49/LOeoG


苦しい……でも気持ちいい──

そうか、溺れるってこういうことなんだ。

息ができない苦痛。そしてその先にある快楽。

もっと、もっと味わいたい。

私の限界まで──

その前に……

この気持ち、璃奈さんにも教えてあげよう。

「私、わかったの──」

17: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:37:31.61 ID:49/LOeoG


しずくちゃんが溺れることについて熱心に語ってくれてる。

私は理解できないけど……とりあえず、しずくちゃんがかわいい。

「今度は、私の口を抑えててほしいの」

自分で抑えようとしても、抑えきれないかららしい。

まだ続ける気みたい。

しずくちゃんが横になるのに合わせて、今度はちょっと上の方、おなかのあたりに跨った。

そしてしずくちゃんの口を上から両手で、少し体重をかけてふさぐ。

やっぱり息を吐いた状態で潜ったからか、長くは持たなそう。

手首のあたりをつかまれた。離してほしいのかと思ったら、その逆──引き寄せるような力のかかり方。

私の脚の間ではしずくちゃんのおなかがぴくっと何回か動いているのを感じる。

さっきは揺れる水面の下でよく見えなかったけど、こんなふうになるんだ……

なんかおもしろい。触ってみたい。

20: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:41:32.47 ID:49/LOeoG


気持ちよさを認識したうえで改めて息を止めているとまた違う感覚。

璃奈さんの手で口をふさがれているのもなんだか嬉しい。

私は璃奈さんに支配されている──

もちろん私の力なら手をどかすこともできるだろうし、璃奈さんも離してくれると思う。

だから、精神的な問題。

璃奈さんが自分から離してくれるまで我慢できるかな?

苦しい、息をさせて。

──でも離さないで。

まだいける──

もう少し……もう少し……

ん──もう無理!

22: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:45:22.60 ID:49/LOeoG


「あ!」

勢いよく起き上がったから、おなかの上にいた璃奈さんがバランスを崩しちゃった。

大丈夫?頭とか打ってない?

……よかった。何ともないみたい。

「ごめん、ね……」

全力疾走した時みたいな息切れ感

これ以上いったらまずい気がした。

これが限界っていうものなのかな?

同時に、ものすごく気持ちよかった──

24: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:49:26.59 ID:49/LOeoG


このまますぐにまた沈んだらどうなるんだろう?

これだけ息切れしてれば、あっという間に限界に近づけると思う。

時間をかける必要もなくて、逆にお得かも?

どうせだから私だけじゃなくて──

「ねえ……璃奈さんも一緒に、やろ?」

手を引いて、抱きしめて。

そのまま背中から水の中に。

二人合わせて沈み込んだ──

25: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:53:13.44 ID:49/LOeoG


ちょっと、急に!

いきなりしずくちゃんに引っ張られて、そのまま沈められた。

潜る直前に何とか息を吸えたけど。しずくちゃんに抱きしめられていて動けない。

私の手は自由だから、底に手をついて持ち上げれば頭は水面から出せる、はず。

目を開けると──目の前にいるしずくちゃんと視線が合う。

笑いかけてくれた……気がした。

なるほど。しずくちゃんの顔がよく見える。

水面を挟まないで、私も一緒に潜ってればよかったんだ。

しずくちゃんを見つめていたら、すぐに目を閉じちゃった。

やっぱり苦しいんだろう。我慢するような顔になった。

……私もそろそろ息継ぎしないと。

26: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 22:57:43.61 ID:49/LOeoG


璃奈さんが離れようとしたから、頭ごと抱き抱えるようにして力を入れる。

だめだよ──

もうちょっと、がまんしよ?

そうすれば、気持ちよくなるから。

璃奈さんにも、この気持ちよさを教えてあげる──

胸と胸、おなかとおなかがくっついて。

璃奈さんと一体化する感じ。

一緒に気持ちよくなろう──

27: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 23:00:47.53 ID:49/LOeoG


だめでした……

璃奈さんに思いっきり突き飛ばされて、それから引き上げられて。

あ……この顔は怒ってる……

当然だよね。無理やり沈めちゃったんだから。

びっくりしただろうし、怒る。

「ごめんなさ──」

あれ……?

目の前が暗く──

28: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 23:05:22.51 ID:49/LOeoG


怖かった。

いきなりしずくちゃんが倒れて……頭がパニックになった。

結果的には、酸欠で意識を失っただけみたいで、すぐ気づいたから大きな問題はなかったけど。

その時はそれでおしまいにした。

だけどその後、お風呂に入るたびにしずくちゃんは何か言いたそうにしていた。

聞いてみたら──やっぱり。

また限界まで息を我慢したいらしい。

だから調べた。窒息の仕組み、溺れた時の対応方法を。

しずくちゃんに何でもしてあげたい、させてあげたいから。

しずくちゃんは目覚めちゃった。溺れる快楽に。

私にできるのは管理することくらい──

29: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 23:09:07.29 ID:49/LOeoG


それから何回も、しずくちゃんと遊んだ。

もうしずくちゃんが我慢できる時間はちゃんと把握できる。

普段のしずくちゃんももちろん好きだし、苦しそうにしてるしずくちゃんも──好き。

一生懸命我慢してるしずくちゃんを見てるだけでも楽しいし、いろんなところを触るともっと楽しい。

特に好きなのは柔らかいけど、お肉がついているわけじゃなく、引き締まったしずくちゃんのおなか。

なんだろう……艶めかしいっていうのかな?

限界に近づくとぴくぴくって小さく、だんだん大きく動いて、私の目を引き付ける。

それを楽しみたくて体を反らせる姿勢にすることも多い。

あ、この反応……そろそろ時間だ──

30: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 23:13:13.17 ID:49/LOeoG


璃奈さんは私の息の限界を完璧にわかっている。

ギリギリまで気持ちよくなるけど、あれ以降意識を失ったことはない。

潜るときに息を溜めても溜めなくても、結果は同じ。

時間じゃなく、私の体の反応で把握しているみたい。

潜るタイミングも、上がるタイミングも全部璃奈さんの指示通り。

それが一番気持ちよくて、安全だから。

今だって。身体が限界に近いことを訴えているけど、璃奈さんが動かないからまだ大丈夫。

苦しい──でも気持ちいい──

31: (もんじゃ) 2021/07/30(金) 23:17:38.76 ID:49/LOeoG
おしまい

32: (しまむら) 2021/07/30(金) 23:24:29.99 ID:RL16SRLn
背徳感のあるSSだった
おつ!

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1627649219/

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