【SS】しずく「私はあなたに溺れていくの」【ラブライブ!虹ヶ咲】

SS
1:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:00:59.97 ID:Xh96d2Vc
書き溜めない為ゆっくり更新。

3:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:03:39.49 ID:Xh96d2Vc
「なんで……なんでそんなこと、言うの……?」

「ち、ちが……い、今のは!」

「信じてたのに……」

「お、お願い! 私の話を聞いて!」

「しず子なら分かってくれるって! ──信じてたのに!!」







しずく「──待って! かすみさんっ!!」バッ!!

しずく「はぁ、はぁ……!」

しずく「ゆ、夢……?」

7:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:11:10.98 ID:Xh96d2Vc
しずく「はぁ、はぁ」


目覚めは最悪だった。

金曜日の朝。季節は秋。
少し肌寒くなってきた10月だと言うのにも関わらず、真夏で全速力で走った後のようだ。身体中、汗でびっしょりになっていた。


しずく「…………」

しずく「また……あの時の夢……」

しずく(あれから1週間も経つのに)

しずく「…………」

しずく(もうずっと、家から出る事が出来ない)

しずく(体調不良と言い続けて、ずっと学校も休んでいる)

しずく(演技をして、親まで騙して……)

しずく(こんな事をするために演技の勉強をしているわけじゃないのに)

しずく(このままじゃいけないって、分かってる)

しずく(……けど……こわい……)

9:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:14:09.33 ID:Xh96d2Vc
しずく「怖い……怖い」

しずく「怖い怖い怖い怖い怖い……!」

しずく「また……あの時みたいに……!」

しずく「大切な人を、傷付けちゃったら……私……!」


身体の震えが止まらない。冷や汗も溢れ出て止まらない。

寒い。まるで真冬みたいだ。

震える。身体が震える。

明らかに自分の身体がおかしくなっているのが分かる。

10:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:17:13.93 ID:Xh96d2Vc
しずく「…………」

しずく「あぁ……そっか」

しずく「……仕方ないよね……?」

しずく「これは私の……罪だもんね?」


──そうだ、よく考えたらこれは当然の報いだ。
私はもっと、ボロボロにならないとダメだ。

だって、大切な親友──ううん。違う。


しずく「…………」


──愛おしい一人の“女の子”を傷付けてしまったんだもの。これは、私の罪だ。

私は、一生この罪を背負っていかなければいけないんだ。


しずく(そうだ、そうだよね?)


そんな風に、自問自答し続けていた時だった。

私のスマートフォンから音楽が流れる。

──着信だ。

11:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:22:16.68 ID:Xh96d2Vc
しずく「!?」ビクッ!!


久しぶりの着信。

休み初めは同好会の皆さんから連絡が来た。けれど、体調不良と伝えているからか、その事を考慮してくれているんだろう。
ここ最近は連絡は控えめだった。


しずく「…………」


スマートフォンに手を伸ばす。


しずく(もしかしたら、かすみさんかもしれない)


淡い期待を持ちながら画面を確認する。

けど、かすみさんからの連絡ではなかった。

──ただ、大切な子からの連絡という事に変わりはなかった。


しずく「え?」

しずく(璃奈さん……?)

12:(調整中) 2021/08/06(金) 02:24:55.39 ID:Xh96d2Vc
しずく(どうしたんだろ……)

しずく(普段ならいつもメッセージでやり取りするのに)

しずく(璃奈さんが電話掛けてくるなんて、すごく珍しい)

しずく「あっ」


そんなことを考えていたら、着信が切れてしまった。

少し長い間考え込みすぎた。申し訳ないことをしてしまったなぁっと考えていると──再びスマホのバイブレーション。

璃奈さんからの着信だった。


しずく「2回目!?」


ビックリしてつい声を出してしまう。

本当にどうしたんだろう。

13:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:30:00.33 ID:Xh96d2Vc
しずく(も、もしかして……何かあったのかな!?)

しずく(何か悪い事件に巻き込まれたとか……事故とか……緊急事態なのかも!?)

しずく「だとしたら大変……!」


私は急いで画面に表示される応答をタップし、耳にスマホを当てる。


しずく「も、もしもし!? 璃奈さん!」

しずく「大丈夫!?」

璃奈『え……?』

しずく「え?」

璃奈『しずくちゃん。それ、私のセリフだよ?』

しずく「あっ」

しずく(そ、そうだ。私、体調不良で休んでる設定だったもんね……)

璃奈『でも、声からして分かった。元気そうで安心した』

しずく「う、うん。大丈夫だよ?」


本当は全然大丈夫ではなかったけれど、心配させたくない。

大丈夫だと嘘をついてしまった。


璃奈『……そっか』


少し長い溜めがあった気がするけれど、気にしない事にしよう。

14:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:32:41.05 ID:Xh96d2Vc
しずく「でも、どうしたの? 璃奈さんが電話なんて珍しいね」

璃奈『うん。すぐに伝えたい事が、あったから』

しずく「伝えたい事……?」

璃奈『うん』

璃奈『しずくちゃん。遊ぼう?』

しずく「へ?」

璃奈『遊ぼう』

しずく「え? へ?」


突然の出来事に、困惑を隠せない。


璃奈『……ダメ?』

しずく「あっ! う、ううん! 違うの!」

しずく「ダメとかじゃなくて……その……お誘いはすごく嬉しいんだけど……」

璃奈『なら、遊ぼう?』

しずく「え、えぇ……」

15:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:38:06.39 ID:Xh96d2Vc
しずく「というか、そもそも今日は金曜日で学校でしょ?」

璃奈『休んだ』

しずく「えっ?」

璃奈『もう連絡済』

しずく「……」ポカーン

璃奈『しずくちゃんも今日、学校休むでしょ?』

しずく「!?」

璃奈『…………』

しずく「……うん。休むよ……学校には、行けないかな」

璃奈『なら、遊ぼうよ』

しずく「だ、ダメだよ。学校お休みしてるのに……」

しずく「遊ぶだなんて」

璃奈『外国では遊びに行くために休むのは、別に普通だよ?』

しずく「ここは日本だよ?」

璃奈『真面目』

しずく「普通だよ……」

17:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:47:36.10 ID:Xh96d2Vc
しずく(ど、どうしたんだろ今日の璃奈さん)

しずく(いつもより積極的すぎる気がする)

璃奈『それに、このまま遊ばなかったら私は長い時間を掛けて帰らなきゃいけなくなっちゃう』

しずく「帰らなきゃいけなくなっちゃう……?」

璃奈『うん』

しずく「……り、璃奈さん?」

しずく「いま、外にいる?」

璃奈『うん』

しずく「もしかしてだけど……私の家の前にいる!?」

璃奈『うん』

しずく「東京から鎌倉まで来たの!?」

璃奈『うん』

しずく「どうして!?」

璃奈『しずくちゃんと遊びたかったから』

しずく「……」

しずく「今日の璃奈さん、本当にどうしたの?」

璃奈『え?』

しずく「何か、変だよ」

しずく「こんなこと言っちゃってごめんね……」

璃奈『別に、普通だよ』

璃奈『私が、しずくちゃんと遊びたいだけ』

しずく「…………」

25:(しまむら) 2021/08/06(金) 02:59:31.46 ID:Xh96d2Vc
しずく(こんな様子の璃奈さん、初めて)


私は窓のカーテンを勢い良く開ける。

私の窓からは家の入口が良く見えるから。本当に璃奈さんが外にいるのか確かめたかった。

──璃奈さんは本当に家の前にいた。


しずく「……見えた」

璃奈『え? 本当?』

璃奈『しずくちゃんの家、おっきいからどこから見てるか分からない』

しずく「……もう、分かったよ」

璃奈『え?』

しずく「遊ぼう。璃奈さん」

璃奈『いいの?』

しずく「璃奈さんが誘ってきたんじゃない」

しずく「それに、このまま帰ってなんて言えないもん……」

璃奈『しずくちゃん、優しい』

璃奈『すき』

しずく「!!」


──好き、か。

今の私にとってそれは、呪いのワードだ。

26:(しまむら) 2021/08/06(金) 03:11:44.31 ID:Xh96d2Vc
しずく「私は、優しくなんて……ないよ」

璃奈『そんな事ないよ』

しずく「…………」

しずく「とりあえず、そこで待ってて?」

しずく「今から迎えに行くから」

璃奈『分かった。ありがとう』

しずく「じゃあ、一旦電話切るね?」

璃奈『うん』

璃奈『待ってる』

しずく「うん」

──ピッ

しずく「…………」

しずく(こんな事になるなんて、予想してなかったなぁ)

しずく(とりあえず身支度整えなきゃ……)

しずく(お母さん達も仕事に行ってるから、いないよね……?)


仮にも体調不良で学校を休んでいるんだ。

そんな中友人と遊ぶだなんて知られたら、?絶対に怒られちゃう。

──もうこうなってしまったら仕方ない。とにかく、璃奈さんが待ってる。準備をしなきゃ。

私はとりあえずボサボサの髪を整える為に、ドレッサーの前に向かった。




27:(しまむら) 2021/08/06(金) 03:18:24.93 ID:Xh96d2Vc
スタスタ

璃奈「あっ、しずくちゃん」

璃奈「おはよう」

しずく「おはよ、璃奈さん」

しずく「待たせちゃってごめんね?」

璃奈「平気」

璃奈「そんなに待ってない」

しずく「ありがとう」

璃奈「体調は大丈夫だよね?」

しずく「……大丈夫だよ」

璃奈「なら良かった」

しずく「とりあえず璃奈さん。何して遊ぶの?」

しずく「あっ、とりあえずお家上がって?」

璃奈「大丈夫」

しずく「え?」

璃奈「しずくちゃん」ギュッ

しずく「へ?」


突然、璃奈さんから手を握られる。

彼女が私を真っ直ぐ見つめてくる。相変わらず綺麗な瞳だ。──って、そんなこと考えてる場合じゃない。

28:(しまむら) 2021/08/06(金) 03:23:56.55 ID:Xh96d2Vc
しずく「だ、大丈夫って何が?」

しずく「どういう意味……?」

璃奈「どこか、遠くへ遊びに行こう。だから家に上げてもらわなくて、大丈夫」

しずく「な、何言ってるの?」

璃奈「そのままの意味」

しずく「……本当にごめん。先に謝っておくね?」

璃奈「……」

しずく「今日の璃奈さん、変だよ」

しずく「いつもと違う」

璃奈「……」


璃奈さんがじーっと私の目を見つめてくる。

私も目を逸らさず、見つめ続けた。彼女が何を考えているのか、少しでも読み取ろうと思ったから。


璃奈「そんなにいつもと違う?」

しずく「うん」

璃奈「……いつもと違うって言えるくらい」

璃奈「──しずくちゃんは私の事、見てくれてた?」

しずく「──え?」

璃奈「……」ジー


予想もしていない一言だった。

29:(しまむら) 2021/08/06(金) 03:33:32.04 ID:Xh96d2Vc
しずく「み、見てたよ」

璃奈「ほんと?」

しずく「あ、当たり前だよ!」

しずく「璃奈さんはとっても大切な友達だもの」

璃奈「………………」

璃奈「そう、だよね」

璃奈「私としずくちゃんは、友達」

しずく「うん」

しずく「とっても大切な友達だよ?」ニコッ

璃奈「……そうだね」

しずく「うん。だから分かるの」

しずく「今日の璃奈さんが、いつもと違うって」

璃奈「…………」

30:(しまむら) 2021/08/06(金) 03:44:50.57 ID:Xh96d2Vc
璃奈「……そう思わせちゃったのなら、ごめんなさい」

璃奈「でも、別に私は普通だよ?」

しずく「……」

璃奈「普通にしずくちゃんと遊びたくって」

璃奈「しずくちゃんと遠くへ遊びに行きたいだけ」

しずく「……」

璃奈「それだけだよ?」

しずく「遠くって、どこ?」

璃奈「あんまり考えてなかった。けど、そうだね」

璃奈「とりあえず、癒されそうな……水族館とかに行きたい」

しずく「…………」

31:(しまむら) 2021/08/06(金) 03:48:27.36 ID:Xh96d2Vc
しずく(癒されそうな……かぁ)

しずく(もしかして璃奈さんは……私の事を)

璃奈「……」ジー

しずく(励まそうとして、くれてるのかな……?)

しずく(だからこんな感じで……グイグイ来るのかな?)

しずく「…………」

璃奈「しずくちゃん?」

しずく(私は、励ましてもらうワケにはいかない人間だ)

しずく(だって、あの時……かすみさんを傷つけちゃったんだもん)

しずく(“大好きな”かすみさんを……言葉で……)

璃奈「……」

しずく「……」

しずく(でも、璃奈さんにこれ以上気を使わせるのも……悪いよね?)

しずく「いいよ」

しずく「どこか遠くへ、遊びに行こ?」


だったら──今は、璃奈さんの言う通りにして遊ぼう。

32:(しまむら) 2021/08/06(金) 03:52:03.70 ID:Xh96d2Vc
璃奈「!! ありがとう!」ギュッ

しずく「わわっ! お、大袈裟だよ?」

璃奈「ううん。こんな無理やりなお誘いに付き合ってくれるんだもん」

璃奈「しずくちゃん、やっぱり優しい」

しずく「……」

しずく(優しくなんて、ないよ)

璃奈「すき」

しずく「……ありがとう」ニコッ

璃奈「お金なら、出す」

璃奈「だから、いっぱい遊ぼ?」

しずく「いやっ、それは大丈夫だよ?」

しずく「遠くへ行くなら、また少し準備があるから。とりあえずお家に上がって?」

璃奈「うん!」グッ

33:(しまむら) 2021/08/06(金) 04:01:41.25 ID:Xh96d2Vc
璃奈「あっ、そうだ。しずくちゃん」

しずく「ん?」

璃奈「私と遊ぶ間、1つのルールを設けよ?」

しずく「ルール……?」

璃奈「うん」

璃奈「それはね」

しずく「うん」コクリ

璃奈「嘘をつく時は、“今から嘘をつくよ”って宣言しよう」

しずく「!?」

璃奈「そして、“嘘をついていいのは3回”まで」

璃奈「良い?」

しずく「な、何の意味があって?」

璃奈「偽りのない、本当の自分として遊ぼう」

璃奈「私も本当の自分として、遊ぶ。その為にりなちゃんボードは置いてきた」

しずく(よく見たら確かに持ってないね……)

しずく(ただ、そのルールに意味なんてあるの?)

璃奈「良い?」

しずく「……」

しずく(やっぱり、今日の璃奈さんは少し変な気がする)

しずく(でも、まぁ……別に支障はなさそうだし良いか)

しずく(友達に嘘なんて、つかないもんね?)

しずく「別にいいよ」

璃奈「ありがとう」ペコリ

しずく「……うん」

34:(しまむら) 2021/08/06(金) 04:12:39.27 ID:Xh96d2Vc
璃奈「しずくちゃんと遊べるの、嬉しい。楽しみ」

璃奈「わくわく」

しずく「璃奈さんの言葉にして感情を伝えるの、可愛いよね。いつも思ってたの」

璃奈「ほんと? てれてれ」

しずく「…………」

しずく「……ねぇ、璃奈さん」

璃奈「?」

しずく「話変わっちゃうんだけど」

しずく「璃奈さん。かすみさんと、何かあった?」

璃奈「え?」

しずく「私の事……何か聞いたりした?」


──何となく聞いてみただけだった。けど、回答は意外なものだった。

35:(しまむら) 2021/08/06(金) 04:14:20.08 ID:Xh96d2Vc
璃奈「今から嘘をつくよ」

しずく「え……?」

璃奈「かすみちゃんとは何も無かったし、何も聞いてない」

しずく「」


──この日、彼女と遊ぶ事になったこの日の出来事を──私は一生忘れる事はないと思う。


璃奈「だから、今は何も考えずに」

璃奈「私と、遊ぼう?」


──この日から、私と“璃奈”の少し不思議で、特別な数日が始まったんだ。

44:1(茸) 2021/08/07(土) 09:01:50.36 ID:D8vFdXmo
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

璃奈「わぁ……!!」

璃奈「すごい……!!」


璃奈さんから遊びのお誘いを受け、私達は県外にある水族館を見に行く為、電車に乗って揺られている。

何やら特別なイルカショーが披露されるらしく、行きたかったらしい。


璃奈「この電車、使った事ないから…すごく不思議な気分」

璃奈「テンション上がるね」

しずく「そ、そう?」

璃奈「うん。海も綺麗」

しずく(私の家の近くでも海は見られるからなぁ……)

しずく(でも)

璃奈「……」キラキラ

しずく(璃奈さん、楽しそう。お台場以外で見る海が新鮮なのかも。目がキラキラしてる気がする)

しずく「ふふっ」ニコニコ

璃奈「え? しずくちゃん?」

璃奈「どうしたの?」キョトン

しずく「ううん、なんでもない。楽しそうな璃奈さんを見てて、嬉しくなっただけだよ?」

璃奈「嬉しい……?」

しずく「うん」

45:(茸) 2021/08/07(土) 09:04:03.34 ID:D8vFdXmo
璃奈「どうして?」

しずく「友達が楽しそうにしてるのを見るのって、何か嬉しくならない?」

璃奈「あっ、確かに」

璃奈「私もそう思う」

しずく「でしょ?」

璃奈「うん」コクリ


久しぶりに友達と会話したからか、私自身のテンションが上がっているのが分かった。

──私は楽しんではいけないのに。


しずく「………………」

璃奈「しずくちゃん、どうしたの?」

しずく「へ……?」

璃奈「しゅんとしてる気がする」

しずく「……璃奈さんは周りをよく見てるね」

46:(茸) 2021/08/07(土) 09:15:39.64 ID:mEG2DeNP
しずく「璃奈さん、私ね」

しずく「かすみさんを傷つけちゃったの」

璃奈「……」


璃奈さんが私をじっと見つめ、話すのを待ってくれている。

私はぽつりぽつりと、話す。

平日だからか、私達の周りには誰もいない。
私の静かな呟きと電車の揺れる音以外は、何も聞こえない。


しずく「取り返しのつかない事を、言っちゃったんだ」

しずく「……勇気を出して……私に……今の状況を教えてくれたかすみさんに……」

しずく「わ、私は……!」

璃奈「…………」

しずく「な……なんで……あんなこと言っちゃったんだろ……!!」

しずく「私……わたし……!!」

璃奈「しずくちゃん」

しずく「んむっ!?」


璃奈さんの人差し指が、私の唇にそっと当てられる。口を閉じた瞬間に当てられたからか、変な声が出てしまった。


璃奈「何も言わなくていいよ」スッ

しずく「ぷはっ……へ? ──え?」

璃奈「大丈夫だから」

璃奈「ね?」

しずく「璃奈さん……」

47:(茸) 2021/08/07(土) 09:28:52.88 ID:mEG2DeNP
璃奈「今日は、何も考えずに遊ぼうよ」

璃奈「辛い事は、全部忘れよ?」

しずく「…………」

璃奈「“その事”を話すのは、辛いでしょ?」

しずく「!!」

しずく「そんなこと……」

璃奈「しずくちゃん」


璃奈さんに見つめられる。

ふと、あのルールを思い出した。嘘をついていいのは3回までで、つく時は宣言をしなきゃいけない。

何の為に決めたのか、よく分からないルール。


しずく(辛いでしょ? か……)


何の為に決めたのか分からないルールだったけれど──


しずく「…………」

しずく「璃奈さん」

しずく「今から嘘をつくよ」

しずく「辛くないよ」


私はそのルールに──縋った。

嘘をつく、と宣言してから嘘をつく。それによって、何だか罪悪感が和らぐ気がする。

友人には嘘なんてつかないって思ってた。


しずく「…………」


けれど、意外と私達人間は嘘をつきながら生きているのかもしれない。
友人とか、親とかにも。関係なく。

48:(茸) 2021/08/07(土) 09:46:49.49 ID:mEG2DeNP
璃奈「そっか」


璃奈さんが、私の手を静かに握る。

小さくて綺麗な、白い肌の彼女の手。
指を絡ませ、ギュッと握ってくる。


璃奈「なら今日は、何も考えなくていい」


私の手を握る璃奈さんの力が、少し強くなる。安心してって言いたげだ。


しずく「……」

璃奈「……お互い、1回ずつ、嘘をついちゃったね」

しずく「へ?」

璃奈「私達は2人とも、悪い子」

璃奈「私達は、一緒だよ?」

しずく「一緒……?」

璃奈「うん」


璃奈さんが頭を私の右肩に乗せてくる。
重くない。むしろ軽いくらいだ。──なんか良い匂いがします。


璃奈「悪い子達同士」

璃奈「今日は何も考えずに、楽しもうよ」

璃奈「ね?」

しずく「……璃奈さん……」

璃奈「大丈夫だから、ね?」

しずく「…………」

しずく「うん」ギュッ


私は、そんな璃奈さんの手を強く握り返した。

電車は静かに揺れ、少しずつ目的地に近づいていった。

56:(しまむら) 2021/08/09(月) 23:35:13.45 ID:YLFgLUdu
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

璃奈「しずくちゃん、あれ見て」

璃奈「イルカさんが手、振ってる」

璃奈「ヒレを上手く動かして」

しずく「うん。可愛いね〜」

璃奈「うん……!」

璃奈「かわいい……!!」

しずく(璃奈さん楽しそう)


電車に揺られて約2時間。私達は目的地である海近にある水族館に辿り着いた。

今はイルカショーを見ている途中。璃奈さんは目をキラキラさせながら私の袖をくいくい引っ張りながら楽しそうに話している。

すっごくかわいい。

57:(しまむら) 2021/08/09(月) 23:42:24.36 ID:YLFgLUdu
璃奈「知ってる?」

璃奈「イルカさんって、超音波で仲間とコミュニケーションが取れるんだよ」

璃奈「それだけじゃなくて、餌の位置や大きさ、周囲の地形とか状況なんかも分かったりするみたい」

璃奈「別の生き物の私達人間の健康状態まで、分かるんだって」

璃奈「超音波で」

しずく「そうなんだ。勉強になるな〜」

璃奈「うん……!」

しずく「璃奈さん、楽しそうだねっ」

璃奈「うん。楽しい」

璃奈「しずくちゃんは、楽しい?」

しずく「楽しいよ? すっごく癒されてる」

璃奈「なら良かった」

しずく(本当に楽しいし癒されてる。この気持ちに偽りはない)

58:(しまむら) 2021/08/09(月) 23:57:01.21 ID:YLFgLUdu
しずく「それにしても、本当に可愛いね」

璃奈「うん。かわいい」


『今からイルカさん達のダンスが始まりますよー! 音楽に合わせて、みんな手拍子してあげてね〜!!』


しずく「!!」

しずく(ダンス……)


イルカ達のダンスショーが始まる。

音楽に合わせて、イルカ達が一斉に動く。周りと動きも統一させて、私達お客さんにそれを披露してる。


しずく「……」


『しず子〜! 一緒にダンス練習付き合って〜!』


しずく「…っ…!」

しずく(何も考えないで楽しもうと思ってたけど、ふとしたタイミングで思い出しちゃう)

しずく(かすみさんとの日々を……!)

璃奈「しずくちゃん?」

しずく「あっ……」

しずく「ご、ごめんなさい……少しぼーっとしちゃってた」

璃奈「…………」

60:(しまむら) 2021/08/10(火) 00:01:23.94 ID:0wv+Xe8U
璃奈「本当にそれだけ?」

しずく「……うん」

璃奈「……」

璃奈「しずくちゃん」スッ …ペタッ

しずく「!?」


璃奈さんが両手を伸ばし、私の頬に触れる。

そのままじーっと私の目を見つめてくる。真っ直ぐ、目を逸らさないで、見つめられる。


璃奈「今日は私としずくちゃんのデート」

しずく「!?」

しずく「で、デート!?」

璃奈「うん。そう」

璃奈「珍しく、2人きりでお出かけしてる」

しずく「そ、そうだけど……」

璃奈「私ね。辛そうな表情のしずくちゃんを見てるの、辛い」

しずく「っ!!」

62:(しまむら) 2021/08/10(火) 00:05:52.52 ID:0wv+Xe8U
璃奈「楽しそうにして?」

璃奈「それとも……私と2人きりじゃ、楽しくない…?」

しずく「そ、そんなことない!」

璃奈「ほんと?」

しずく「うん」

しずく「嘘じゃないよ」

璃奈「なら、よかった」

璃奈「しずくちゃんには少しでも──」


『最後イルカさん達の盛大な飛び込みでーす!』


バシャーン!!

璃奈「!?」

しずく「!?」


一瞬、何が起きたのか分からなかった。

けど、気が付くと私と璃奈さんの身体は水でびしょびしょになっていた。

髪からぽたぽたと水が滴る。

63:(しまむら) 2021/08/10(火) 00:13:14.42 ID:0wv+Xe8U
璃奈「」ポタ、ポタ

璃奈「?」

璃奈「? ……!?」


璃奈さんは突然の事に驚いたのか、目をぱちくりとさせている。

お口もポカーンとさせていて、珍しい表情だ。

かすみさんがテストで22点を取った時も同じような表情をしてたと思う。

そんな表情を見て私は──笑ってしまった。


しずく「……っ…っ…!!」プルプル

璃奈「し、しずくちゃん?」

しずく「ご、ごめん……!」

しずく「──あっはははは!」

璃奈「!?」

しずく「ご、ごめん……! 本当に笑っちゃってごめんなさい……!」プルプル

しずく「でも、おめめ……ぱ、ぱちくりさせてる璃奈さんが可愛くって……っ!」

璃奈「……」ジー

しずく「あっ……!」

しずく「ほ、本当にごめんね!? でも……お互い水浸しになっちゃったのもなんか面白くって……その、つい……ご、ごめんなさい」ペコリ

璃奈「良かった」

しずく「え?」

璃奈「しずくちゃん、笑ってくれた」

しずく「!!」

璃奈「しずくちゃんには、笑顔でいてほしい」

しずく「璃奈さん……」

64:(しまむら) 2021/08/10(火) 00:21:51.02 ID:0wv+Xe8U
璃奈「しずくちゃんが学校に来なくなって」

璃奈「私、寂しかった」

しずく「……」

璃奈「当然、皆も寂しがってる」

しずく「……」

しずく「かすみさんも……?」

璃奈「……うん」コクリ

しずく「!!」

しずく「……そっか」

しずく(私、かすみさんにまだ……嫌われてないんだ)

しずく(それだけで、ちょっと安心する)

しずく(まだ、仲直り出来る可能性があるんだもん)


少し、口元が緩んでしまった。


璃奈「…………」

65:(しまむら) 2021/08/10(火) 00:35:19.01 ID:0wv+Xe8U
しずく「……璃奈さん」

しずく「ありがとう」ニコッ

璃奈「……どうして?」

しずく「私の事、気にかけてくれて」

しずく「すごく嬉しい」

璃奈「……別に、お礼を言われることはしてないよ」

璃奈「私が、したかった事だから」

しずく「私を励ましてくれようとしたんでしょ?」

璃奈「しずくちゃんと、遊びたかっただけ」

しずく「ふふっ、同じだよ」ニコッ

しずく「ありがとうね」ナデナデ

璃奈「…………」

しずく「璃奈さんのおかげで、少し元気になれたよ。本当にありがとうっ」

しずく「髪も服も濡れちゃったし、タオルとか買いに行こ?」ギュッ

しずく「ね?」

璃奈「…………」

璃奈「うん」ギュッ

66:(しまむら) 2021/08/10(火) 00:50:05.62 ID:0wv+Xe8U
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

しずく「結構お土産買ったね? 好きなの? キーホルダーとか」

璃奈「うん。すき」

しずく「あんまりスペースも取らないから集めやすいのもいいよね」

璃奈「うん」コクリ


楽しい時間はあっという間で、もうすぐ16時半になる。

県外に来ているため、そろそろ帰らないと夜になってしまうので、帰る為にお土産を買い終わった所だ。

ちなみにお母さんには体調が良くなった為、同好会の練習にだけ参加すると連絡している。虹ヶ咲学園に行っていると思われているので、あまり遅くなるとまずいんだ。


しずく「じゃあ璃奈さん。そろそろ帰ろっか」

璃奈「…………」

しずく「璃奈さん?」

璃奈「しずくちゃん」

しずく「どうしたの?」

璃奈「どこかに、泊まろ?」

しずく「え?」

璃奈「帰らないで、このままどこかに泊まろうよ」

しずく「……なに言ってるの?」

しずく「それは流石に……まずいよ」

68:(しまむら) 2021/08/10(火) 01:19:33.38 ID:0wv+Xe8U
しずく「親にも心配かけちゃうし……」

しずく「ほ、ほら! 璃奈さんが私を励まそうと色々してくれたけれど、もう十分励ましてもらったもん」

しずく「だから今日は帰ろう? また遊べるじゃない」

璃奈「2人きりで?」

しずく「へ?」

璃奈「また、2人きりで遊べる?」

しずく「ど、どういう事?」

璃奈「そのままの意味」

璃奈「しずくちゃんと私だけで、また今度遊ぶ機会は出来る?」

しずく「……」

璃奈「しずくちゃん」

璃奈「これは、私のわがまま」

しずく「……」

璃奈「私は」

璃奈「帰りたくない」

璃奈「まだ、しずくちゃんと一緒にいたい」

璃奈「2人きりで」

しずく「…………」


──どうして?

私と、“2人きり”で、まだ一緒にいたい。彼女はそう言う。けれど、私と一緒にいたい理由も、真意も分からない。

今、聞こうと思えば聞けるし、璃奈さんは素直だから答えてくれると思う。


璃奈「お願い」

璃奈「まだ私と、一緒にいて」


──璃奈さんが、じっと私を見つめてくる。不安そうに、袖を引っ張る。

なんで、そんな……不安そうに私を見るの?


璃奈「……」


疑問点ばかりだった。


しずく「……」

しずく「分かった」


結局私は、璃奈さんのお願いを聞いてしまった。

衝動的に、答えてしまったんだ。


──これが、彼女と私の関係が変わるきっかけだとは、この時思いもしなかった。

70:1(茸) 2021/08/10(火) 08:04:41.95 ID:QyYmIdrI
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

しずく「うん。うん……そう、友達の天王寺璃奈さんのお家」

しずく「……大丈夫だって。……うん。何かあったら連絡するね。ありがとう」

──ピッ

璃奈「……」

しずく「お母さんには璃奈さんの家に泊まるって事で連絡したよ」

璃奈「うん」

璃奈「怒られた?」

しずく「……ちょっとだけ、ね」

璃奈「……ごめんなさい」

しずく「ううん。もういいよ」

璃奈「ありがとう」

しずく「いえいえ」

しずく「それにしても、意外と子供だけでもこういう旅館って泊まれるもんなんだね」

璃奈「難なく泊まれたね。しずくちゃんの雰囲気が、大学生っぽいからかな?」

しずく「うーん、どうだろうね。従業員の方々もそういうのあんまり気にしてないのかも」

71:(茸) 2021/08/10(火) 08:13:55.38 ID:QyYmIdrI
しずく(それにしても、まさかこんな風になるとは思わなかったなぁ)

しずく(璃奈さん、急にどうしたんだろう?)

璃奈「しずくちゃん」クイクイ

しずく「ん? どうしたの?」

璃奈「ここ、温泉あるみたい」

璃奈「入ろ?」

しずく「……うん。そうだね」

しずく「ここまで来たらとことん遊ぼう」

璃奈「……わがままに付き合わせちゃって、ごめんなさい」

しずく「いや、もうそれは大丈夫だよ?」

しずく「それに……こういう所に友達だけで泊まるのって初めてだから、少しワクワクもするし」

璃奈「……ほんと?」

しずく「本当だよ」

しずく「それに、嘘をつく時はちゃんと言わないとでしょ?」

璃奈「うん」

しずく「だから、嘘じゃなくて本当だよ」

璃奈「……ありがとう」

しずく「温泉入りに行こっか」

璃奈「うん」ギュッ




72:(茸) 2021/08/10(火) 08:24:48.51 ID:QyYmIdrI
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


温泉にゆっくりと浸かり、身体の疲れを癒し、自分達の部屋に戻ってくる。

お布団を敷き、ついその上に倒れ込んでしまう。


しずく「はぁ……お布団なんて久しぶり……」

璃奈「私も。いつもベッドだから、なにか新鮮」

しずく「わかるなぁ〜」

璃奈「しずくちゃん、おねむ?」

しずく「……ちょっとだけ」

しずく「璃奈さんは?」

璃奈「私はまだ平気。いつももっと遅くまで起きてるから」

しずく「そうなんだ」

璃奈「うん」

73:(茸) 2021/08/10(火) 08:37:51.04 ID:QyYmIdrI
しずく「だ、ダメだ。このままじゃ寝ちゃう」バッ

しずく「横になるのやめます」

璃奈「別に寝てもいいと思うけど……」

しずく「折角こういう所に泊まってるんだもん! 何かしなきゃ、もったいないと思うの」

しずく「だから起きます」

しずく「何かしよ! 璃奈さん」

璃奈「よかった」

しずく「へ?」

璃奈「しずくちゃん、大分げんきになった」

しずく「……」

璃奈「朝、会ったばかりの時」

璃奈「しずくちゃん、すごく辛そうだった。空元気してる雰囲気もあった」

璃奈「そして、自分は元気でいちゃいけないんだみたいな感じもしてた」

しずく「!!」

璃奈「でも今は、楽しそうにしてくれてる」

璃奈「だから、良かった。うれしい」

しずく「……璃奈さんは本当に周りをよく見てるね」

璃奈「……違うよ」

しずく「え?」

璃奈「周りを見てるんじゃなくて、しずくちゃんをよく見てるだけ」

しずく「わ、私を……?」

璃奈「うん」

74:続きは夜更新します。(茸) 2021/08/10(火) 08:49:40.17 ID:QyYmIdrI
しずく「どうして……?」

璃奈「しずくちゃんの事が、好きだから」

しずく「わ、私なんかを?」

璃奈「……なんかじゃない」ムッ

しずく「ご、ごめんなさい……」

璃奈「……」

しずく「……私も璃奈さんの事、好きだよ?」

璃奈「本当に?」

しずく「ほ、本当だよ! なんで疑うの?」

璃奈「……」

…グイッ

しずく「へ?」


璃奈さんが私に、思い切り顔を近付ける。

もう、目の前だ。

少しでも顔を前に動かしたら、顔が当たる距離。


璃奈「しずくちゃん、私の事が、好き?」

しずく「当たり前だよ。璃奈さんはとっても大切な」

しずく「友達だもん」

璃奈「…………」

璃奈「ならさ」





璃奈「かすみちゃんと私、どっちの方が好き?」

しずく「──え?」

80:(しまむら) 2021/08/11(水) 23:40:38.60 ID:dkCExw1t
しずく「ど、どっちが……好き……?」

璃奈「うん」

しずく「そ、そんなの選べるわけないでしょ?」

璃奈「選べないの?」

しずく「当たり前じゃない!」

しずく(かすみさんも、璃奈さんも! 私にとって大切な……!)

璃奈「どっちも大切な、友達?」

しずく「!?」

璃奈「私も」

璃奈「かすみちゃんも?」

しずく「……うん」

璃奈「本当に?」

璃奈「かすみちゃんのこと……」

璃奈「大切な友達って括りで、抑えることが出来る?」

しずく「っ……!」

81:(しまむら) 2021/08/11(水) 23:44:10.35 ID:dkCExw1t
璃奈「朝も言ってくれた」

璃奈「私は“大切な友達”だって」

しずく「……」

璃奈「しずくちゃん」

しずく「…………」

璃奈「正直に言って、大丈夫」

しずく「……っ……!」

璃奈「かすみちゃんの方が、好きでしょ?」

しずく「ッ──そんなの!! わかんないよッ!!」

璃奈「!!」ビクッ

82:(しまむら) 2021/08/11(水) 23:47:50.09 ID:dkCExw1t
しずく「2人とも……大切だもん……」

しずく「こんなに心を許せる友人……できたことなかったの……」

しずく「……だから……私は、2人とも……大好きだもん……」

璃奈「…………」


──本当に?


しずく「!?」

しずく(わ、私……何考えてるんだろう……!)


──本当に?

──璃奈さんとかすみさんへの“大好き”は

────同じ?


しずく「」

璃奈「しずく、ちゃん……?」

83:(しまむら) 2021/08/11(水) 23:53:31.50 ID:dkCExw1t
『しず子〜』

『しず子!』

『ねぇねぇ、しず子っ』


しずく「」


『しーず子っ!』

『しず子ー!』

『し〜ず〜子〜?』


しずく「」


──思い浮かぶのは


かすみ『しず子』


──かすみさんの表情と、言葉ばかりだった。

84:(しまむら) 2021/08/12(木) 00:07:42.99 ID:2wVJw/8R
しずく(違う)

しずく(違う、違う)

しずく(違う違う違う違う違う違う!!)

しずく(私は)

しずく(璃奈さんの事も大好き!!)

しずく(ずっと)

しずく(友達でいたい)

しずく「……ッ……」

しずく(ただ)

しずく(どっちが好きかなんて聞かれたら……!)



かすみさんが──


しずく「──違うっ!!」

しずく「わ、私は……2人とも……!!」

璃奈「しずくちゃん」

しずく「!!」

璃奈「大丈夫、だから」

しずく「……え?」

璃奈「分かってるから……」

しずく「璃奈さん……?」

85:(しまむら) 2021/08/12(木) 00:08:01.34 ID:2wVJw/8R
しずく(違う)

しずく(違う、違う)

しずく(違う違う違う違う違う違う!!)

しずく(私は)

しずく(璃奈さんの事も大好き!!)

しずく(ずっと)

しずく(友達でいたい)

しずく「……ッ……」

しずく(ただ)

しずく(どっちが好きかなんて聞かれたら……!)



かすみさんが──


しずく「──違うっ!!」

しずく「わ、私は……2人とも……!!」

璃奈「しずくちゃん」

しずく「!!」

璃奈「大丈夫、だから」

しずく「……え?」

璃奈「分かってるから……」

しずく「璃奈さん……?」

86:(しまむら) 2021/08/12(木) 00:26:20.42 ID:2wVJw/8R
璃奈「私は」

璃奈「大切な友達の括りにしかなれない」

しずく「……」

璃奈「私は、しずくちゃんの事が好き」

璃奈「私は女の子だけれど」

璃奈「しずくちゃんの事は、一人の“女の子”として……大好き」

しずく「!!」

璃奈「しずくちゃんが私の事、友達として好きなのも、分かってる」

璃奈「けど、かすみちゃんはちがうよね?」

しずく「……」

璃奈「自分が一番、分かってる……だから、大丈夫だよ」

璃奈「しずくちゃん」ナデ、ナデ

しずく「璃奈さん……っ!」

璃奈「かすみちゃんと私、どっちの方が好き?」

しずく「…………」

しずく「わ、私は……!」





しずく「かすみさんが、好き」ポロポロ

しずく「大好き……っ!」

87:(しまむら) 2021/08/12(木) 00:34:27.15 ID:2wVJw/8R
璃奈「……そっか」

しずく「ごめんなさい……ごめん、璃奈さん」

璃奈「ううん。大丈夫」

しずく「私は、中須かすみさんの事が、好き」

しずく「恋……しちゃってるの…っ…」

しずく「私は、女なのに……!」

しずく「かすみさんの事、恋愛的な意味で……好きなの」

しずく「大好きなんです……」

璃奈「……うん……」

しずく「もう、分かんない」

しずく「大好きって、何なんだろう……!」

しずく「なんで私は女性なのに……男の人じゃなくて、かすみさんを……愛してるんだろう……」

しずく「わかんない。わかんないよ……璃奈さん……!!」

璃奈「……うん……」

89:(しまむら) 2021/08/12(木) 00:56:24.48 ID:2wVJw/8R
しずく「いつか、白馬の王子様の様な素敵な優しい男性に恋をするって思ってたの」

しずく「でも……私は……!」

しずく「いま、一人の女の子に恋してる……!!」

璃奈「……」

しずく「なんで……何でなんだろう……!」

しずく「あの子の笑顔が、声が……全部が……」

しずく「愛おしいの……っ……」

璃奈「…………」


『しず子』

『かすみん……ううん』

『私ね』


しずく「で、でも……私は……」

しずく「そんな愛おしい子を傷つけてしまった……」

しずく「それに……もう……」

しずく「私の恋は……!!」

しずく「絶対に──成就、しないの……ッ」ポロポロ

璃奈「…………」

92:1(茸) 2021/08/12(木) 09:04:20.91 ID:RnDKQ0+7
────
──


かすみさんは、私の憧れの子だった。

可愛くって、元気で明るい子。
少しイタズラ好きで、周りの方に色々するのは自分を可愛く見せる為に必要な事なの! と自分の行動を正当化する、子供っぽい所もある。

でも、皆から愛されている。

所謂、愛されキャラだ。

甘え上手で、どこか放って置けない雰囲気もある彼女は、同好会でも虹ヶ咲学園全体でも人気者だった。

本当に、可愛い子。

──でも、可愛いだけじゃない。

彼女は、他人の為に本気で動ける子だった。

他人が困っていたら、助けてくれる子なんだ。

私も、彼女に救われた事がある。演劇と歌で悩んでいる時に、彼女は私に声を掛けてくれて、呼びかけてくれて、私は救われたの。

可愛いだけじゃなくて、私にとってはかっこいい子でもある。

私は、そんな彼女に惹かれた。

そして、彼女から放課後に話したいことがあると呼び出された。

丁度、1週間前の事──

93:(茸) 2021/08/12(木) 09:14:34.49 ID:RnDKQ0+7
しずく『かすみさん、どうしたの?』


放課後、夕方。

周りに誰もいない、廊下の角。

私は彼女と2人きりになる。


かすみ『しず子、来てくれてありがとーね』

しずく『え? へ? ……ど、どうしたの?』

しずく『来るだけでお礼を言うだなんて……熱でも、ある?』

かすみ『かすみんだってお礼くらいするってばぁ! ぷいっ!』

しずく『あははっ、ごめんごめん。冗談だよ?』

しずく『それで、話したい事って……なに?』


かすみさんと2人きり。

少し、ドキドキしたのを覚えている。

94:(茸) 2021/08/12(木) 09:21:05.87 ID:RnDKQ0+7
かすみ『その……しず子とりな子には話そうと思ってるんだけど』

かすみ『え、えっとね!』

しずく『うん』

かすみ『う〜』モジモジ

しずく『どうしたの? なんかいつものかすみさんらしくないよ?』

かすみ『ご、ごめん! ちょっと……緊張しちゃって……』

しずく『ゆっくりで大丈夫だよ? ほら、深呼吸深呼吸』

かすみ『う、うん!』スー、ハー

95:(茸) 2021/08/12(木) 09:33:01.91 ID:RnDKQ0+7
しずく『落ち着いた?』

かすみ『うん。ありがと』

しずく『いえいえ』

かすみ『……よしっ、言うね!』

しずく『う、うん……』


かすみさんが、私を真っ直ぐ見つめてくる。

心臓が、バクバクと鼓動する。顔が熱くなってくる。

私は、そんな想いをしながら彼女の言葉を待っていたんだ。

──そして、届いた言葉。


かすみ『しず子』

かすみ『かすみん……ううん』

かすみ『私ね』





かすみ『──先輩と、お付き合いすることになった』

しずく『……え?』


──何か、心の何か。

それが、割れたような感覚だった。

96:(茸) 2021/08/12(木) 09:35:37.66 ID:RnDKQ0+7
かすみ『はぁ……すっごくきんちょーした』

しずく『』

かすみ『へ、変だよね。女の子が女の子とお付き合いする、なんて』

しずく『』

かすみ『分かってはいるんだけど……正式にお付き合いするになった』ニコリ

かすみ『えっとね。元々、大好きだったんだけどね。──先輩も、同じ気持ちだったみたいで、私に……告白してくれて……えへへっ』


かすみさんは、笑っていた。

私では、作る事が出来ない表情だ。ただの笑顔じゃなくて、恋する乙女の笑顔だった。

彼女の恋は、成就した。

お相手は、私もよく知る憧れの先輩。同じ同好会の方。

私も、好きな先輩。──恋愛的な意味ではなく、先輩として好きな方だった。


かすみ『し、しず子……?』


喜ばなければいけないことだ。彼女は幸せになったんだから。

でも、私は──


しずく『………………』


──笑顔を作る事が出来なかった。

98:(茸) 2021/08/12(木) 09:49:14.77 ID:RnDKQ0+7
しずく『………………』


何をしてるんだ。

今すぐ、笑顔を作って言ってあげなきゃいけない。

かすみさん、良かったねって。


しずく『………………』


演技は得意なはずでしょ?

今すぐ笑顔を作りなさい。桜坂しずく。

何度もそう、心の中で唱える。

けど、想像してしまう。──先輩と一緒にいる、幸せそうなかすみさんを。

デートを楽しむかすみさんを。私には見せない表情で会話するかすみさんを。

──彼女と彼女の顔が合わさる様子を……!


しずく『嫌』

かすみ『しず子……?』


──この後の発言は、一生後悔する。

そんな一言が零れてしまった。

106:(しまむら) 2021/08/13(金) 23:45:41.84 ID:a/Y5KkBO
しずく『気持ち悪い』


それが、私の口から零れた一言。






しずく『……え……?』


──違う。私は、こんな事言うつもりは無かった。

自分が、1番驚いてしまった。

違う。違う違う違う。

すぐに訂正しなければいけない。

気持ち悪いのは、私の事。醜く、嫉妬してしまう自分に対しての言葉だ。
かすみさんに対して言ったわけじゃない。


かすみ『』


でも、もう遅かった。

107:(しまむら) 2021/08/13(金) 23:49:18.62 ID:a/Y5KkBO
──彼女は、どんな気分だったんだろう。


かすみ『なんで……なんでそんなこと、言うの……?』


──勇気を出して、私に伝えてくれたんだと思う。


しずく『ち、ちが……今のは!』


──同性愛を、普通では無いことを、教えてくれたのに。


かすみ『信じてたのに……』

しずく『お、お願い! 私の話を聞いて!』


──私は、かすみさんを傷つけてしまった。


かすみ『しず子なら分かってくれるって! ──信じてたのに!!』


かすみさんを

泣かせてしまった。

108:(しまむら) 2021/08/14(土) 00:02:47.33 ID:B7xvL5+5
────
──

璃奈「………………」

しずく「今語ったお話は、嘘じゃない」

しずく「私は……かすみさんを傷つけてしまった」

しずく「私を信じて……勇気を持って……話してくれたのに……!」

しずく「私は……わたしは……!」

しずく「かすみさんを……傷つけちゃったの」ポロポロ

璃奈「…………」

しずく「愛おしいあの子を、自分の発言で……」

しずく「どうしようも、ないよね」

しずく「私」

璃奈「……しずくちゃん……」

しずく「もう、あの子に合わせる顔がないよ」

しずく「気持ち悪い。それは、かすみさんに言ったわけじゃない。けど、あの子には絶対、そう伝わっちゃった」

しずく「……なん、でぇ……あんなこと……言っちゃったんだろ……っ……!!」ポロポロ

しずく「思い出せば……思い出す程、自分が嫌になっちゃう……」

璃奈「しずくちゃん」

しずく「っ、こんな私……もういない方が──」

璃奈「しずくちゃん!」

しずく「!!」

璃奈「それは、ダメ!」

しずく「りな、さん……?」

109:(しまむら) 2021/08/14(土) 00:12:13.09 ID:B7xvL5+5
璃奈「後悔する事、沢山あると思う」

璃奈「けど、その発言は、絶対にダメ」

しずく「……」


璃奈さんから怒られるのは、初めてだった。

表情は変わらないけれど、彼女の目には確かな怒りが込められているのが分かる。


璃奈「しずくちゃん」

ギュッ

しずく「……へ?」

璃奈「…………」ギュュュュュ


でも、気が付くと私は彼女に抱きしめられていた。

110:(しまむら) 2021/08/14(土) 00:19:21.60 ID:B7xvL5+5
璃奈「大丈夫。大丈夫だよ、しずくちゃん」ナデ、ナデ

璃奈「かすみちゃんと仲直り、出来るよ」

しずく「…………」

璃奈「ちゃんと、正直に……自分の気持ちと想いを伝えよ?」

璃奈「誤解だったって、伝えてあげれば、かすみちゃんと仲直りできるよ」

しずく「璃奈さん……」

璃奈「怖かったら、私も一緒にいてあげるから」

璃奈「ね?」

しずく「……」

しずく「なんで」

璃奈「ん?」

しずく「なんで……」

しずく「そんなに、優しくしてくれるの……?」

111:(しまむら) 2021/08/14(土) 00:32:26.92 ID:B7xvL5+5
璃奈「なんでって……簡単なこと」

璃奈「しずくちゃんの事が、大好きだからだよ」

しずく「な、なんで!」

璃奈「え?」

しずく「私を好きな理由も、分からないよ」

しずく「私なんかより魅力的な方は沢山いるよ……?」

璃奈「しずくちゃんには、しずくちゃんの魅力が沢山ある」

しずく「……わかんないよ……」

しずく「なんで……私を……」

璃奈「誰かを好きになるのに、そんなに理由って……必要?」

璃奈「好きになっちゃったんだから、それはもう仕方の無いことなんじゃない?」

しずく「!!」

113:1(茸) 2021/08/14(土) 09:04:02.25 ID:l/hQNuus
璃奈「私は、しずくちゃんの優しいところが好き」

璃奈「お淑やかなところが好き」

璃奈「でも熱血感があって、運動神経が良いのに、球技が苦手なところも好き」

璃奈「真面目で頑張り屋さんなのに、ノリが良くて皆と騒ぐのも好きなところが好き」

璃奈「聞き上手で、私の話をゆっくり聞いてくれるところも好き」

しずく「……」

璃奈「私は、しずくちゃんが大好き」

しずく「…………」

しずく「全部、演技だとしても?」

しずく「真面目で優しい、普通な子を演じてたとしても?」

璃奈「演じちゃう事だって、しずくちゃんらしさだと思う」

しずく「演じちゃう事……?」

璃奈「うん」

璃奈「全部含めて、しずくちゃんだよ」

114:(茸) 2021/08/14(土) 09:10:06.10 ID:l/hQNuus
璃奈「それに、私がしずくちゃんに惹かれたのは、演技しちゃう事も理由の一つ」

しずく「え?」

璃奈「あなたは、私の似てるんだ」

しずく「私と璃奈さんが、似てる……?」

璃奈「うん」

ギュッ

璃奈「私は、りなちゃんボードという仮面を使って、皆とコミュニケーションを取ってる」

璃奈「しずくちゃんは、普通の子を演じようとする仮面を使って、皆とコミュニケーションを取ってる」

璃奈「方向性は違うけど」

璃奈「私達は、同じ」

しずく「……」

璃奈「だから私は、同じ境遇のしずくちゃんに惹かれた」

璃奈「しずくちゃんのこと、守ってあげたいって思った」

璃奈「困ってたら、救ってあげたいって思ってたの」

璃奈「その機会が、今、やってきた」

しずく「……っ……!」ポロポロ

115:(茸) 2021/08/14(土) 09:23:36.03 ID:l/hQNuus
しずく「……みんなの、前では……同好会の皆さんの前では、わりと素の自分でいられるの……」

璃奈「うん。それも、なんとなくわかってる」

しずく「わたし、皆が大好き……」

しずく「でも、かすみさんを傷つけちゃった私は、もう楽しんじゃいけないって思ってたの」

しずく「全部悪い方向性で、ネガティブに考えちゃって……」

しずく「もう、みんなの所には行っちゃダメって思ってた……っ」

璃奈「ダメじゃないよ」

璃奈「反省するのは大事だけれど、やりすぎ」

璃奈「今、しずくちゃんがするべき事は罪を感じて傷付くことじゃないと思う」

しずく「……うん……」

しずく「璃奈さん、私……」

しずく「かすみさんと、仲直りしたい」

しずく「また同好会に、行きたい……!」ギュッ

璃奈「うん」

璃奈「聞けて、よかった」

璃奈「何かあったら、私がしずくちゃんを助けるから」

璃奈「怖がらなくて、大丈夫」

しずく「うん……っ!」…ギュッ


璃奈さんは静かに、私を抱きしめてくれた。

優しく頭を撫でてくれた。


璃奈「しずくちゃん」

璃奈「私の前では、自分の本当の気持ちを」

璃奈「隠さなくて、いいよ」

しずく「……」

しずく「うん」ギュュュュュ





121:>>1(茸) 2021/08/16(月) 08:54:19.77 ID:tirw5Dh7
しずく「すぅ……すぅ……」zzz

璃奈(しずくちゃん、泣き疲れちゃったのか)

璃奈(寝ちゃった)

璃奈「…………」ナデナデ

璃奈(かわいい)

璃奈(まつげ長い。綺麗な顔。ほっぺた柔らかそう)

璃奈「……唇も、柔らかそう……」ボソッ

璃奈「!!」ハッ

璃奈「……」フリフリ

璃奈(ダメダメ。変なこと考えちゃダメだよ私)

璃奈(しずくちゃんと私は、友達)

璃奈(そう、友達)

璃奈「………………」

122:(茸) 2021/08/16(月) 08:59:54.87 ID:tirw5Dh7
しずく『わぁ……! 璃奈さん、本当に絵描くの上手だね』

璃奈『そ、そうかな?』

しずく『うんっ!』

しずく『すっごく可愛い!』

璃奈『喜んでもらえたのなら、嬉しい』

璃奈『りなちゃんボード『从[˶˃ᴗ˂˵]从』にっこりん』

しずく『しずちゃんボード『jΣミイ[˶˃ ᴗ˂˵]リ』にっこりんっ』

璃奈『!!』

しずく『ふふっ、お揃いだね』ニコリ

璃奈『う、うんっ』

璃奈『お揃い……////』



璃奈「………………」

璃奈(懐かしい)

璃奈(しずくちゃん、まだしずちゃんボード持っててくれてるかな?)

璃奈「………………」

124:(茸) 2021/08/16(月) 09:10:24.41 ID:tirw5Dh7
しずく『わ、私は……!』

しずく『かすみさんが、好き』ポロポロ

しずく『大好き……っ!』


璃奈「っ……!」

璃奈(私は、大切な友達という括りでしかいられない)

璃奈(でも、それでいいんだ)

璃奈(私としずくちゃんは)

しずく「……すぅ……すぅ……」zzz

璃奈「……っ……」

璃奈(友達)

璃奈「……ッ」ズキ、ズキ

璃奈(胸が、痛い)

璃奈(でも、我慢しなきゃダメ!!)

璃奈「……我慢するのは……慣れてる……」

璃奈(私は、しずくちゃんが幸せならなんでもいい)

璃奈(かすみちゃんも、しずくちゃんと喧嘩しちゃったってものすごく落ち込んでた。仲直りしたがってる)

璃奈(このまま2人が仲直りして元通り。いつもの日々に戻る)

璃奈「それで……いい……」

璃奈「………………」

璃奈「っ」ポロ、ポロ

璃奈(それでいい)

125:(茸) 2021/08/16(月) 09:16:24.84 ID:q2PNwFPz
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

しずく「んー、良い天気だね。璃奈さん」

璃奈「うん」

しずく「もうすぐチェックアウトだけど、忘れ物はない?」

璃奈「うん。大丈夫」

しずく「さすがだね。かすみさんなら今になってドタバタしてそうだもんね」ニコニコ

璃奈「…………」

璃奈「そうだね」コクリ

しずく「旅館にコインランドリーもあったからお洋服も洗濯できたし、良かったよね」

璃奈「うん」

しずく「…………」

しずく「璃奈さん、元気ない?」

璃奈「え……?」

璃奈「そんなこと、ないよ?」

璃奈(いつも通りに、してたのに)

しずく「……ほんと?」ジー

璃奈「……っ……///」フイッ

しずく「あっ、目逸らした」

しずく「やっぱり空元気してるよね?」

璃奈「ち、違うよ。……これは……その……」モジモジ

126:(茸) 2021/08/16(月) 09:22:59.07 ID:q2PNwFPz
しずく「もしかして……疲れちゃった……?」

しずく「ごめんね。昨日の……その……」

璃奈「!! ──ち、違うよ!」

しずく「!!」

璃奈「その……えと……」

璃奈「ごめんなさい」

璃奈「今から嘘をつくよ」

しずく「え?」

璃奈「私は元気だよ」

しずく「……」

しずく(あのルール、まだ回数残ってたもんね)

しずく「どうして?」

璃奈「その……えと……」

璃奈「えっとね……」

しずく「うん」

璃奈「…………し」

しずく「し?」

璃奈「しずくちゃんが……かすみちゃんの話してる時……笑顔だから……」

璃奈「ちょっと……嫉妬……」

しずく「!!」

しずく「し、嫉妬……?」

璃奈「う、うん……」

璃奈「私だって……しずくちゃんの事、笑顔にしたいのに……」

127:(茸) 2021/08/16(月) 09:30:24.76 ID:q2PNwFPz
しずく「璃奈さん……」

璃奈「…………」モジモジ


目の前で少し恥ずかしそうにしている同級生。

小さい身体で、モジモジと揺れている。

表情は変わらないけれど、照れている事がわかる。


しずく「……いい……」

璃奈「へ?」

しずく「璃奈さん、かわいい」ギュッ

璃奈「え?」

しずく「守りたくなるよ」

璃奈「ま、守りたい……?」

しずく「うん」

璃奈「それは、ダメ」

しずく「え?」

璃奈「私が、しずくちゃんを守る」ギュュュュュ

しずく「ッ〜!!////」

しずく(可愛すぎる……!!)

128:(茸) 2021/08/16(月) 09:49:51.88 ID:q2PNwFPz
しずく「今朝の旅館の朝ごはん、美味しくなかったね」

璃奈「へ……?」

しずく「ふふっ」

しずく「嘘ついちゃった」ニコッ

璃奈「……」ポカーン

しずく「これでお互い、遊んでる時につける嘘は1回ずつだね」

璃奈「あっ……」

しずく「残り1回だけなんだもん。余っ程のことが無い限り、嘘はつかないよ」

しずく「だから、全部私の本心だよ」

璃奈「……」

しずく「私、もっと璃奈さんと遊びたい」

璃奈「しずくちゃん……」

しずく「璃奈さんは、私を救ってくれたよ?」

しずく「あなたの言葉で、私は前を向くことができたの」

璃奈「……」

しずく「だから、少しでも恩返しがしたい」

しずく「それに、もっと璃奈さんと仲良くなりたい」

璃奈「……うん」

璃奈「私も、もっとしずくちゃんと仲良く、なりたい」

しずく「一緒だねっ」ニコリ

しずく「だから、今日も沢山遊ぼ?」

璃奈「……」

璃奈「うん」ギュッ




129:(茸) 2021/08/16(月) 12:08:39.18 ID:8UwpnqMg
※文章抜けがあったので修正。


しずく「璃奈さん、よかったらなんだけど」

しずく「今日も遊ばない?」

璃奈「え?」

しずく「昨日のお礼がしたいの」

璃奈「お、お礼なんて、平気なのに」

しずく「私がしたいだけだから! ダメ、かな?」

璃奈「だ、ダメじゃない。むしろ……もっとしずくちゃんと遊びたい」

しずく「ふふっ、私もだよ」

璃奈「ほ、ほんと?」

しずく「うん。嘘なんてつかないよ」

しずく「あっ、でも……そうだね」

璃奈「へ?」

しずく「今から嘘をつくよ」

璃奈「!?」

130:(茸) 2021/08/16(月) 12:09:22.97 ID:8UwpnqMg
しずく「今朝の旅館の朝ごはん、美味しくなかったね」

璃奈「へ……?」

しずく「ふふっ」

しずく「嘘ついちゃった」ニコッ

璃奈「……」ポカーン

しずく「これでお互い、遊んでる時につける嘘は1回ずつだね」

璃奈「あっ……」

しずく「残り1回だけなんだもん。余っ程のことが無い限り、嘘はつかないよ」

しずく「だから、全部私の本心だよ」

璃奈「……」

しずく「私、もっと璃奈さんと遊びたい」

璃奈「しずくちゃん……」

しずく「璃奈さんは、私を救ってくれたよ?」

しずく「あなたの言葉で、私は前を向くことができたの」

璃奈「……」

しずく「だから、少しでも恩返しがしたい」

しずく「それに、もっと璃奈さんと仲良くなりたい」

璃奈「……うん」

璃奈「私も、もっとしずくちゃんと仲良く、なりたい」

しずく「一緒だねっ」ニコリ

しずく「だから、今日も沢山遊ぼ?」

璃奈「……」

璃奈「うん」ギュッ




134:(しまむら) 2021/08/17(火) 01:27:59.33 ID:q9U91V0b
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

璃奈さんとの遊びは、あっという間に時間が過ぎていった。

動物園に行って、お買い物して、ご飯を食べて、知らない土地を探索して、色々なことをした。

気がつけば、もうすぐ夕方。

流石に2日目のお泊まりは両親も許してくれない。
現在電車で帰宅中だ。

私は神奈川。璃奈さんは東京へ戻る必要がある。

お互いの乗り換える駅まで、ゆったりと揺れながら、目指す。

私と璃奈さん以外、誰もいない。静かな空間だった。


璃奈「…………」


そんな中璃奈さんは、静かに、私の隣に座っていた。

136:>>1(茸) 2021/08/17(火) 07:45:39.89 ID:x1dHgTKi
しずく「璃奈さん」

璃奈「ん?」

しずく「疲れちゃった?」

しずく「なんか、静かだなって思って」

璃奈「…………」

璃奈「ううん。疲れたわけじゃないよ」

璃奈「……少し、寂しくなっちゃってた、だけ」

しずく「どうして?」

璃奈「……遊びの時間が、もうすぐ終わっちゃうから」

璃奈「私ね、高校生になるまで、あまり友達と遊んだことがなかったんだ」

しずく「……うん……」

璃奈「虹ヶ咲学園に入って、スクールアイドル同好会に入って、友達が出来て」

璃奈「私の学生生活は、一変して、楽しいものになった」

しずく「うん」

璃奈「こうして……遊ぶ機会も増えた」

璃奈「でも、必ず時間が来て、終わっちゃう」

璃奈「それが、寂しい」

しずく「…………」

137:(茸) 2021/08/17(火) 08:06:25.49 ID:RFNwnx3U
しずく「私も、寂しいよ」

しずく「今日……ううん。今日だけじゃない」

しずく「昨日も今日も、璃奈さんと遊べて楽しかった」

璃奈「……なら、良かった」

しずく「うんっ」

しずく「だからさ、また今度遊ぼうよ」

しずく「2人で」

璃奈「え?」

しずく「あっ、勿論かすみさんと私達の3人でも遊ぼう?」

しずく「3人で遊ぶ時もあれば、今日みたいに2人っきりで遊ぶ機会も作ろうよっ」

璃奈「……ど、どうして?」

しずく「だって、璃奈さん。私と2人っきりで今後遊べる機会があるかって言ってたでしょ?」

璃奈「……」

しずく「私も、同じだから……また今度遊ぼう」ニコリ

璃奈「…………」

璃奈「うんっ」

スッ ポフッ

しずく「え?」

璃奈「しずくちゃん、肩借りていい?」

璃奈「寄り掛かりたい」グイッ

しずく「もうやってるじゃない……」

しずく「ふふっ、いいよ」ナデナデ

璃奈「ありがとう。しずくちゃん」

しずく「うん」

138:>>1(茸) 2021/08/17(火) 08:14:00.30 ID:RFNwnx3U
璃奈「……しずくちゃん」

しずく「ん? なぁに?」

璃奈「かすみちゃんと、仲直りする?」

しずく「うん。ちゃんと話して、謝るよ」

璃奈「……そっか」

しずく「嬉しくないの?」

璃奈「!? ち、違う。嬉しいよ?」

璃奈「また、前みたいに3人でも遊びたいもん」

璃奈「“前と同じ関係”に……戻りたい……」

璃奈「けど……」

しずく「けど?」

璃奈「………………」

しずく「璃奈さん?」

璃奈「言って、いいの?」

しずく「へ?」

璃奈「…………」

しずく「いいよ」

璃奈「へ……?」

しずく「正直に言って、大丈夫だよ」

しずく「璃奈さんだって、私の気持ちを聞いてくれたじゃない」

しずく「だから、璃奈さんも言っていいんだよ?」

璃奈「…………」

139:>>1(茸) 2021/08/17(火) 08:18:24.44 ID:RFNwnx3U
璃奈「わかった」

璃奈「しずくちゃん、私ね」

しずく「うん」

璃奈「しずくちゃんと特別な関係になりたい」

しずく「へ……?」

璃奈「大好きなしずくちゃんと、恋人に……なりたい」

しずく「……」


璃奈さんの声は、少しだけ震えていた。

140:>>1(茸) 2021/08/17(火) 08:31:11.16 ID:RFNwnx3U
璃奈「前の……友達3人の関係にも、勿論戻りたい」

璃奈「友達……同士の……関係に……」

璃奈「……でも! 本当は……しずくちゃんと、特別になりたい」

しずく「…………」

璃奈「しずくちゃんから、かすみちゃんの方が好きって言われた時、分かってはいたけど」

璃奈「本当は……辛かった」

しずく「……」

璃奈「かすみちゃんはいいなって、嫉妬しちゃった。胸が、モヤモヤとしちゃってた」

しずく「…っ…」

璃奈「でも、これでいいって思ってた気持ちも、ほんとなんだよ?」

璃奈「しずくちゃんの幸せが、私の幸せだから」

璃奈「我慢しよう。ずっと友達でいよう……って……思ってた……」

璃奈「で、でも! ……しずくちゃんと遊んでると……やっぱり、我慢出来なくなっちゃう……」

璃奈「だって、私……しずくちゃんが……大好きなんだもん」

璃奈「一人の、女の子として」

しずく「…………」

璃奈「ごめんね……」

しずく「へ?」

璃奈「こんな事、言っちゃって……しずくちゃんが困っちゃうの、分かってるのに」

しずく「そ、そんなことないよ!」

しずく「私、嬉しいよ。璃奈さんの気持ちが聞けて」

しずく「璃奈さんは大切な──」

璃奈「…………」

しずく「た、大切な……」

璃奈「…………」

しずく「…………」


言葉が、詰まってしまった。

なんて言えば、良いんだろう。

“大切な友達”って言って、良いんだろうか?

141:>>1(茸) 2021/08/17(火) 08:37:56.71 ID:RFNwnx3U
しずく「……っ」


私にとって璃奈さんは、かすみさんと変わらず大切な子。

ずっと一緒にいたい。そう思う。

でも──それはどんな関係で、ずっと一緒にいたいんだろう。


しずく「………………」


言葉が、出てこない。

私は、かすみさんが好き。1人の女性として。

じゃあ、璃奈さんは?

彼女の事は、大好き。

でも、分からない。


しずく「…………」

しずく(私にとって……璃奈さんは……!)


彼女は──

142:続きは夜更新します。(茸) 2021/08/17(火) 08:47:19.45 ID:RFNwnx3U
璃奈「しずくちゃん」

璃奈「変なこと言って、ごめんね」

しずく「!!」

璃奈「さっき言ったのは……冗談だよ」

しずく「…………」

しずく「嘘、だよね?」

璃奈「もう、大丈夫」

しずく「大丈夫って……」

璃奈「大丈夫だから」

璃奈「しずくちゃんを困らせちゃうのが、一番辛い」

しずく「……」

璃奈「私から変なこと言ったのに、本当にごめんなさい」

璃奈「全部、忘れて」

しずく「璃奈さん……」

璃奈「………………」

璃奈「ごめんね。少し、このまま寝るね」

しずく「…………」


璃奈さんはそのまま、私に寄りかかりながら、目を瞑ってしまう。


しずく「…………」


私は、彼女の言葉に答える事が出来なかった。

電車は揺れながら、時間が止まることなく、私達は静かに帰路についた。




147:(しまむら) 2021/08/18(水) 22:54:31.84 ID:WzAayd1A
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


そのまま璃奈さんとは別れ、家へと帰ってくる。

お母さん達には思いの外怒られなかった。優しくおかえりと迎え入れてくれた。夕飯を食べ、お風呂にゆっくり浸かり、部屋に戻ってくる。

両親の存在って、本当に有難い。

ベッドに横になり、ふと考えてしまう。


しずく「…………」

しずく(璃奈さん、どうしてるかな……)


璃奈さんは温かく迎え入れて貰っているのか。

ゆっくり休む事が出来ているのか。

色々と、彼女の事を考えてしまう。


しずく「璃奈さん……」


私にとって彼女は、大切な友達。

でも、彼女からしたら、それは辛い事実なのかもしれない。

私を気遣ってくれて、私の気持ちを尊重して、受け入れてくれているとは思う。

でも、それは──本当に璃奈さんの想いなのかな?


璃奈「私にとって……璃奈さんは……」


枕に顔を埋め、考え込む。

148:(しまむら) 2021/08/18(水) 23:24:47.68 ID:WzAayd1A
璃奈『しずくちゃん。遊ぼう?』


璃奈『……いつもと違うって言えるくらい』

璃奈『──しずくちゃんは私の事、見てくれてた?』


璃奈『悪い子達同士』

璃奈『今日は何も考えずに、楽しもうよ』

璃奈『大丈夫だから、ね?』


璃奈『周りを見てるんじゃなくて、しずくちゃんをよく見てるだけ』

璃奈『しずくちゃんの事が、好きだから』


璃奈『大丈夫。大丈夫だよ、しずくちゃん』ナデ、ナデ

璃奈『かすみちゃんと仲直り、出来るよ』


璃奈『しずくちゃんのこと、守ってあげたいって思った』

璃奈『困ってたら、救ってあげたいって思ってたの』

璃奈『その機会が、今、やってきた』



しずく「……っ……」


璃奈『しずくちゃんと特別な関係になりたい』


私にとって、璃奈さんは──


璃奈『大好きなしずくちゃんと、恋人に……なりたい』


しずく「──大切な……」

しずく「…………」

しずく「うん。そうだよね」

しずく「私にとって、璃奈さんは──」




149:(しまむら) 2021/08/18(水) 23:53:14.03 ID:WzAayd1A
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

月曜日。場所は屋上。
昨日一日家でゆっくりした後、今日からまた学校が始まる。

何日ぶりだろうか。

今日から学校に行くと同好会のグループチャットに書き込みをすると、皆さんから喜びのメッセージが沢山届いた。

本当に、優しい方々ばかり。

でも、2人からの反応は無かった。


「しず子」


──そのうちのひとりの子が、屋上にやってくる。


しずく「かすみさん」

しずく「来てくれて、ありがとうね」

かすみ「…………」

150:(しまむら) 2021/08/19(木) 00:13:56.92 ID:BSQUFu/9
しずく「久しぶり、だね」

かすみ「……うん」

かすみ「体調は……大丈夫なの?」

しずく「うん……」

かすみ「……そっか」

かすみ「も、もー! ダメだよしず子。スクールアイドル足るもの、体調管理はしっかりしないと」

しずく「う、うん! そうだよね……」

かすみ「……」

しずく「……」


かすみ「あ、あの!」
しずく「あ、あの!」

かすみ「!!」

しずく「!!」

しずく「ご、ごめんね。かすみさんから先にいいよ」

かすみ「う、ううん! しず子から先でいいよ」

しずく「……うん。わかった」

しずく「先に、言うね」

かすみ「うん……」

151:(しまむら) 2021/08/19(木) 00:33:21.79 ID:BSQUFu/9
しずく「かすみさん」

しずく「ごめんなさい」ペコリ

かすみ「へ……?」

しずく「私、あの時酷い事言っちゃった」

しずく「でも、信じてほしい。あの時言ったのはね」

しずく「かすみさんに対して言ったわけじゃなくて……」

かすみ「ち、違うよ!」

しずく「え?」

かすみ「しず子は……謝らなくて大丈夫だよ」

かすみ「かすみんの方こそ、ごめんなさい」

しずく「ど、どうして? かすみさんが謝る必要なんて──」

かすみ「ううん。あるよしず子」

かすみ「かすみんは……ううん。私は」

かすみ「あの時、私は逃げちゃった」

かすみ「なにか言おうとしてたしず子の言葉を待たずに……ただ、怒って」

かすみ「その場から、逃げちゃった」

しずく「…………」

152:(しまむら) 2021/08/19(木) 00:39:41.90 ID:BSQUFu/9
かすみ「本当に、ごめんねしず子」

しずく「違う」

しずく「かすみさんの反応は、普通の事だよ」

しずく「だから、逆にかすみさんが謝る必要ないよ」

かすみ「で、でも!」

しずく「……ふふっ」

かすみ「え? し、しず子?」

しずく「お互い、謝ってばっかだね」

かすみ「……うん」

153:(しまむら) 2021/08/19(木) 00:47:59.92 ID:BSQUFu/9
しずく「かすみさん」

しずく「あの時に言いたかった事。そして、今も言いたい事、聞いてくれない?」

かすみ「……うん」

かすみ「聞くよ」

しずく「ありがとう。かすみさん」

しずく「……かすみさん、私ね」




しずく「かすみさんの事が好きなの」

しずく「一人の、女性として」

154:(しまむら) 2021/08/19(木) 00:59:37.09 ID:BSQUFu/9
かすみ「……え……?」

しずく「あの時、気持ち悪いって言っちゃったのは、かすみさんに対してじゃない」

しずく「つい……出ちゃった……言葉」

しずく「自分に対しての、言葉だよ」

かすみ「…………」

しずく「嫉妬しちゃったの」

しずく「素直に、かすみさんの恋の成就を、喜ぶことが出来なかったんだ」

かすみ「……そんな……私……!」

かすみ「そんな、しず子に対して……あんなこと……!」

しずく「かすみさん」

かすみ「!!」

しずく「もう、大丈夫」

かすみ「しず子……」

155:(しまむら) 2021/08/19(木) 01:19:40.45 ID:BSQUFu/9
しずく「私は、中須かすみさんが好き」

しずく「大好き」

かすみ「……」

しずく「かすみさんは、可愛いし、かっこいい部分もある」

しずく「意外と周りを見てるし、誰かの為に動ける優しい所も」

しずく「イタズラ好きで、甘え上手で、私に無いものを沢山持ってるかすみさんが」

しずく「私は、大好き。恋愛感情として、貴方をお慕いしています」

かすみ「……」

しずく「でも、私が望むのは」

しずく「そんな大好きなかすみさんの、幸せだよ」

かすみ「っ……」

156:(しまむら) 2021/08/19(木) 01:24:39.80 ID:BSQUFu/9
しずく「だからもう、大丈夫」

しずく「今なら、素直に言える」

しずく「かすみさん」

しずく「おめでとう」ニコッ

157:(しまむら) 2021/08/19(木) 01:31:17.10 ID:BSQUFu/9
かすみ「私……わたし……!」ポロポロ

しずく「かすみさん、泣かないで」

かすみ「でも……しず子の気持ちも知らないで……あんなこと!」

しずく「大丈夫だから」

しずく「笑って?」

しずく「先輩も、笑顔のかすみさんが見たいと思うんだ」

かすみ「!!」

しずく「勿論、私も。笑顔のかすみさんが、見たい」

かすみ「しず子……」

かすみ「……」ゴシゴシ

かすみ「うん。かすみん、もう泣かない」

かすみ「勇気出して、色々教えてくれたくれたしず子に、失礼になっちゃうもん」

しずく「かすみさん、意外と色々考えてるよね」

かすみ「あー! 意外とってなにさ! 意外とって!」

しずく「ふふっ、冗談だよ」ニコニコ

かすみ「もうっ!」

しずく「かすみさん」

しずく「私が、かすみさんを大好きな事は……これからも変わらないと思う」

しずく「だから、このまま……これからも!」

しずく「大切な友達で、いてくれる……?」

158:(しまむら) 2021/08/19(木) 01:39:21.41 ID:BSQUFu/9
かすみ「そんなの、当たり前だよ」

かすみ「かすみんだって」

かすみ「私だって! しず子の事大好きだもん!」

しずく「友達として、だよね?」

かすみ「うっ……」

しずく「ごめんごめん。冗談だからそんなに困った顔しないでよ」

かすみ「からかわないでよ! もー!」

しずく「あははっ、ごめんなさい」

かすみ「むむむ……」

しずく「かすみさん」

しずく「ありがとう」

かすみ「!!」

しずく「本当に……おめでとう」

かすみ「……しず子……」

しずく「今まで、ありがとうね」

しずく「そして──これからも、よろしくねっ」ニコッ

かすみ「──うんっ!」

かすみ「こちらこそ、これからもよろしくね」

かすみ「しず子っ!」ギュッ


──璃奈さんの、言う通りだった。

素直に、自分の気持ちを伝えたら、仲直り出来た。

こうして、またかすみさんとハグする事が出来た。

159:(しまむら) 2021/08/19(木) 01:54:40.95 ID:BSQUFu/9
しずく「そうだ! 璃奈さんに報告しないと。かすみさんと無事仲直り出来たって」

かすみ「え? りな子に?」

しずく「うん。璃奈さんには色々と助けてもらったの」

かすみ「かすみんもりな子にしず子と喧嘩しちゃったって相談してた……」

しずく「あっ、そうだったんだ」

しずく(なるほど……だから色々知ってたんだね)

かすみ「でもりな子、今日学校休むってさっきグループチャットに書き込みしてたよ?」

しずく「へ? 本当?」スッ


スマートフォンを取りだし、アプリを開きメッセージを確認する。

グループチャットに淡々とした文章で、今日は学校を休むという書き込みがあった。


しずく「……ほんとだ」

かすみ「大丈夫かなぁ?」

しずく「…………」

しずく「かすみさん」

かすみ「ん?」

しずく「ごめん、今日ちょっと学校おサボりするね」

かすみ「へ……?」

しずく「行かなきゃ行けない所があるの」

かすみ「し、しず子が……学校を……!?」

かすみ「真面目なしず子が!?」

しずく「そんなに驚かないでよ」


自分の行動に、もう迷いはなかった。


しずく「私」

しずく「悪い子だから」ニコッ


──璃奈さん。


しずく(今から、会いに行くよ)

しずく(あなたが私を救ってくれた時と同じ)

しずく(今度は、私の番だよ!)

162:(しまむら) 2021/08/19(木) 09:58:20.29 ID:BSQUFu/9
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

璃奈「…………」

璃奈(学校、休んじゃった)

璃奈(行こうと思ってたのに……)

璃奈(あの時、電車のやり取りを思い出しちゃって)

璃奈(しずくちゃんと顔を合わせても、何言えば良いのか分かんないなって思っちゃって)

璃奈(逃げちゃった)

璃奈「…………」

璃奈「明日は……行かなきゃ……だよね」

璃奈「…………」

ピンポーン

璃奈「!?」

璃奈(インターホン……? 誰だろ、こんな朝から……)

璃奈「…………」

163:(しまむら) 2021/08/19(木) 10:03:05.54 ID:BSQUFu/9
璃奈(居留守しちゃおう)

璃奈「…………」

prrrrrr!!

璃奈「!!」ビクッ

璃奈(こ、今度は電話……?)

璃奈(誰からだろ)

from:桜坂しずく

璃奈「!?」

璃奈「しずく、ちゃん……?」

prrrrrr!!

璃奈「…………」

prrrrrr!!

璃奈「……」

prrrrrr!! ──ピッ

璃奈「も、もしもし?」

164:(しまむら) 2021/08/19(木) 10:57:39.01 ID:BSQUFu/9
しずく『あっ、璃奈さん! やっと出てくれた』

璃奈「……どうしたの?」

しずく『グループチャットのメッセージを確認して、璃奈さんが今日学校休むって知ったから』

しずく『会いに来たの』

璃奈「が、学校は?」

しずく『もちろん、おサボりしたよ』

璃奈「……そんなの、ダメ」

しずく『ダメなのは分かってる。けど』

しずく『璃奈さんに会いたかった』

璃奈「!!」

しずく『会って、伝えたい事があったの』

璃奈「…………」

しずく『ねぇ、璃奈さん』

しずく『今私、璃奈さんの家の前にいるの』

璃奈「え?」

しずく『良かったら、家の中に上げてほしい』

しずく『直接、伝えたいことがあるの』

しずく『お願い』

璃奈「…………」

165:(しまむら) 2021/08/19(木) 11:05:15.04 ID:BSQUFu/9
璃奈「ダメ」

璃奈「会えない」

しずく『どうして……?』

璃奈「体調、悪いから」

しずく『璃奈さん』

しずく『私と璃奈さんのルール、覚えてる?』

璃奈「……」

しずく『嘘をついていいのは、3回まで』

しずく『残り1回、残ってるよ?』

璃奈「……」

しずく『嘘をつくなら、ちゃんと宣言しないと……』

璃奈「……あれは、遊んでる時のルールだよ」

しずく『なら、私は璃奈さんの家に遊びに来たって事にするよ』

しずく『それなら、ルールが適応されるよね?』

璃奈「……しずくちゃん、屁理屈」

しずく『私、悪い子だもん』

しずく『屁理屈でも何でも、言うよ』

璃奈「…………」

しずく『ねぇ、璃奈さん』

しずく『私達は2人とも、悪い子達なんでしょ?』

しずく『あの時、璃奈さんがそう言ってくれたんだよ?』

璃奈「……っ」

166:(しまむら) 2021/08/19(木) 11:14:43.06 ID:BSQUFu/9
しずく『璃奈さん』

しずく『私、あの時ね。すごく嬉しかったんだよ』

璃奈「嬉しかった……?」

しずく『うん』

しずく『悪い子達同士。一緒だから大丈夫って……言葉で伝えてくれて……すごく嬉しかったの。安心した』

璃奈「……」

しずく『一人で、抱え込んでいた中で、そんな風に励ましてもらえて……本当に嬉しかった』

璃奈「……」

しずく『璃奈さん』

しずく『──かすみさんと、仲直りできたよ』

璃奈「!!」

しずく『璃奈さんのおかげ』

しずく『前の関係……ううん。前よりも仲良しになれる気がするの』

しずく『もちろん、お友達としてね』

璃奈「……良かった……ね」

しずく『うん。良かった。本当に、良かった』

しずく『そして今、その事以外にも! 璃奈さんに伝えたい事があったの』

しずく『あの時の、返事を返しに来たよ』

しずく『私と特別な関係になりたいって言う、言葉のお返事をしに来た』

167:(しまむら) 2021/08/19(木) 11:25:47.44 ID:BSQUFu/9
璃奈「……っ、もうそれは、大丈夫」

璃奈「分かってるもん。返事の結果」

しずく『……でも、直接伝えたい』

璃奈「残酷な事、言わないで」

璃奈「もう、良いんだよ」

璃奈「前の関係のまま、このままでいい」

しずく『璃奈さんが良くても、私が良くない』

璃奈「……わがまま」

しずく『そうだよ。私は、わがままなの』

しずく『スクールアイドルも、演劇も……学校生活も!』

しずく『自分の好きな事には、全力で向き合いたい。欲張りでわがままな人間』

しずく『それが、桜坂しずくだよ』

璃奈「…………」

しずく『お願い、璃奈さん』

しずく『顔を、見せて』

しずく『直接、返事をさせて』

璃奈「………………」

璃奈「…………」

しずく『……』

璃奈「……」

璃奈「わかった」

璃奈「今、スマホでロック解除する」

しずく『!! ──ありがとう! 璃奈さんっ!』

168:(しまむら) 2021/08/19(木) 11:34:12.32 ID:BSQUFu/9
璃奈「ロック、解除したよ」

しずく『ありがとう。お邪魔します』

璃奈「部屋は──」

しずく『大丈夫。皆さんと前に来たから覚えてるよ。……今、部屋の前に着いた。……入って、いい?』

璃奈「……うん」

ガチャリ

しずく「お邪魔します」

璃奈「…………」

璃奈「いらっしゃい。しずくちゃん」

しずく「うん」

169:(しまむら) 2021/08/19(木) 11:38:14.27 ID:BSQUFu/9
しずく「璃奈さん。さっきも言ったけれど、かすみさんと仲直りできたよ。本当にありがとう」

璃奈「……別に、お礼を言われるようなことはしてないよ」

璃奈「しずくちゃんが、ちゃんとかすみちゃんとお話して……頑張っただけ」

しずく「……本当に璃奈さんは優しいね」

璃奈「優しく、ないよ」

しずく「……」

璃奈「色々言って、しずくちゃんを励ましたのは、確かにそうかもしれない」

璃奈「でも、結局……最終的に、しずくちゃんを困らせもした」

璃奈「我慢、出来なかった。気持ちを、抑えることが出来なかった」

璃奈「そんなの、優しくなんて……ない」

しずく「璃奈さんは優しいよ」

璃奈「優しく、ない!」

しずく「優しいよ!」

しずく「──あなたが自分を否定し続けても、私は肯定し続けるよ!」

璃奈「!!」

しずく「璃奈さんは、本当に優しい」

しずく「あなたは、私を救ってくれたよ」

璃奈「……」

170:(しまむら) 2021/08/19(木) 11:44:59.78 ID:BSQUFu/9
しずく「璃奈さん。あの後家に帰ってから、ゆっくり考えたよ」

しずく「私にとって、璃奈さんは……どんな方なのかなって」

しずく「ちゃんと、考えたよ。だから、聞いてくれる?」

璃奈「……うん」

しずく「ありがとう」

しずく「……」スゥゥゥゥ…

しずく「──よし。言います」

璃奈「…………」

しずく「私にとって、璃奈さんは」



しずく「大切な友達」

171:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:02:46.00 ID:BSQUFu/9
璃奈「ッ! ……分かってた」

しずく「待って! 璃奈さん」

しずく「最後まで、聞いて」

璃奈「…………」

しずく「ありがとう」

しずく「私にとって、璃奈さんは大切な友達」

しずく「だけど……だけどね!」

しずく「今がそうなだけで、これからは変われると思う」

璃奈「変わ、れる?」

しずく「うん」

しずく「だって、私のかすみさんへの想いだって、元々は大切な友達から昇華したものだもん」

しずく「かすみさんへの想いも、大切な友達から! 一人の女性としての恋愛感情へと変わったの!」

しずく「だから、璃奈さん」

しずく「今の私の気持ちも、きっと変われると思う。今は大切な友達だけど!」

しずく「璃奈さんが大好きだってことには、変わらない!」

璃奈「……」

しずく「私は、璃奈さんが大好き!」

璃奈「……」

しずく「璃奈さんが私に伝えてくれた想いに、しっかりと答えたい。向き合いたい!」

しずく「だから!」

しずく「特別な関係に、なろう」

しずく「璃奈さん」

しずく「私の、恋人になって」

璃奈「しずくちゃん……」

172:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:11:43.86 ID:BSQUFu/9
璃奈「本当に……いいの?」

璃奈「嘘じゃ、無い?」

しずく「嘘なんて、つかない」

しずく「もう1回しかつけないもん」

しずく「私の本当の気持ちだよ」

璃奈「……嬉しい。そう言ってくれるのは、本当に嬉しい。けど……」

しずく「けど……?」

璃奈「しずくちゃんの気持ちは、本当にそれでいいの?」

璃奈「吊り橋効果で、私を好きになったんじゃないの?」

しずく「違うよ」

しずく「璃奈さんは、私にとって大切な方だった。最初から、ずっと」

しずく「そこに変わりはないよ」

璃奈「でも……」

しずく「逆に、璃奈さんは……もう私と特別な関係になりたくない……?」

璃奈「そ、そんな事ない!」

璃奈「私は……しずくちゃんの事が好き」

璃奈「大好きだもん。だから……特別な関係に……なりたい」

璃奈「皆から認めて貰えないかもしれないし、女の子同士の恋愛なんて、禁忌のものかもしれない」

璃奈「けど……しずくちゃんへの気持ちは本物だし……恋人に、なりたい」

しずく「私も、その気持ちと向き合いたい」

璃奈「……」

173:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:15:45.60 ID:BSQUFu/9
しずく「璃奈さん。私ね」

しずく「周りの方々が言う程、真面目でも大人っぽくもないよ」

しずく「自分のやりたい事に全力なだけで、精神的にも、大人なんかじゃない」

璃奈「……」

しずく「それに、熱中しやすいタイプだし、集中すると……周りになかなか目がいかなくもなっちゃう」

しずく「物事に対する愛も、重いと思う」

璃奈「……」

しずく「けど! 大好きな事には、全力で向き合いたいんだもん」

しずく「それが、桜坂しずくの本当の想い」

璃奈「しずくちゃんの……本当の想い」

しずく「うん。そうだよ」

174:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:23:23.61 ID:BSQUFu/9
しずく「私は、璃奈さんと特別な関係になりたい」

しずく「あなたは、私にとって海のような存在」

しずく「綺麗で、透き通っていて、透明な海。綺麗すぎて、見ていて心が癒されるような人」

しずく「私は、そんなあなたと一緒にいたい」

しずく「これから、きっと気持ちも変われると思う」

しずく「大切な友達じゃなく、大切な恋人に!」

しずく「あなたと、一緒にいたい! 私を救ってくれた、璃奈さんと!」

しずく「海のようなあなたに、包まれたい」

しずく「しっかりと、正面から、向き合いたい」

璃奈「……」

しずく「そして──」

しずく「私はあなたに溺れていくの」

璃奈「……」

175:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:27:14.58 ID:BSQUFu/9
璃奈「しずくちゃん」

璃奈「本当に……いいの?」

璃奈「私なんかとで……!」ポロポロ

しずく「なんかじゃない!」

ギュッ

璃奈「!!」

しずく「璃奈さんとが、いい」ギュュュュュ

璃奈「しずくちゃん……!」ポロポロ

璃奈「わたしも……っ……しずくちゃんとが、いい」

しずく「ふふっ、一緒だね」

璃奈「すき……!」ギュッ

璃奈「しずくちゃん」

璃奈「大好き……!!」

しずく「私も大好きだよ」

しずく「愛してる」

璃奈「っ……!!」ポロポロ

176:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:34:50.91 ID:BSQUFu/9
しずく「私とあなたは、一緒」

しずく「不器用で、自分を中々表現出来ない」

璃奈「うん」

しずく「でも、お互い本当の自分で向き合おうよ」

しずく「嘘、もうつけないもん」

璃奈「……あと1回ずつ残ってるけど」

しずく「あっ、そうだった」

しずく「そう言えば璃奈さん、なんで嘘に対してのルールなんて作ったの?」

璃奈「人間って、必ず嘘をついちゃう生き物だから」

璃奈「悪気が無くても、逃げちゃうモノなの」

璃奈「だから、本当の自分をお互いにさらけ出せるようにルールを作ったの」

しずく「そうだったんだ……」

しずく「なるほどね……すごい、ちゃんとした意味が──」

璃奈「結構テキトーに作ったルール。回数も何となく」

しずく「アバウト……」

177:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:40:01.56 ID:BSQUFu/9
しずく「ねぇ、璃奈さん」

璃奈「なぁに? しずくちゃん」

しずく「名前で、呼んでいい?」

璃奈「え?」

しずく「呼び捨てで、名前で呼びたい」

璃奈「!!」

しずく「誰かを呼び捨てにした事なんてないけれど、私は……」

しずく「あなたを特別な方にしたい」

しずく「だから、いい?」

璃奈「うんっ!」ギュッ!

璃奈「私も、それがいい」

しずく「!! ありがとうっ」

しずく「璃奈っ!」ニコッ

璃奈「っ! ──うんっ!」ニコッ

179:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:46:01.83 ID:BSQUFu/9
しずく「ねぇ、璃奈」

しずく「残り1回の嘘、ここでお互いついちゃおうよ」

璃奈「そうだね。……今は、一緒な気持ちな気がするもん」

しずく「うん」

璃奈「私は、しずくちゃんが大好き」

しずく「私も、大好きだよ」

璃奈「これからも、ずっと一緒にいたい」

しずく「私も、璃奈とずっと一緒にいたい」

璃奈「一緒だね」

しずく「うん! 一緒っ」

璃奈「じゃあ、今から言おう」

しずく「うん!」

璃奈「しずくちゃんっ」

しずく「璃奈!」


しずく「今から嘘をつくよ」
璃奈「今から嘘をつくよ」

180:(しまむら) 2021/08/19(木) 12:46:55.77 ID:BSQUFu/9
おしまい。

186:(しまむら) 2021/08/19(木) 15:11:18.74 ID:BSQUFu/9
完結までかなり時間掛かってしまいました。
保守してくれた方々、感想書いてくれる方々、本当にありがとうございます。
ラストの方は確かに駆け足気味過ぎたかもしれません。もっと好感度が上がるような描写とかするべきだったなと思いました。反省点にします!
今後も色々書いていくので、またの機会があったらよろしくお願いします。長文失礼しました。

以下先月書いた過去作↓

かすみ「歩夢先輩って……少し愛が重くないですか?」侑「そうかな?」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1625673901/


侑「歩夢が目を覚まさなくなった世界」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1626096942/


【SS】@cメ*˶ˆ ᴗ ˆ˵リに支配される世界
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1626875579/

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1628182859/





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