【SS】穂乃果「プレマ・ジバナ II」【ラブライブ!】

SS
1:(浮動国境) 2021/12/26(日) 22:52:24.36 ID:6WdYgk2z
〜季節は巡る〜
 
2:(浮動国境) 2021/12/26(日) 22:53:12.89 ID:6WdYgk2z
アッハハハ!オネガイシマスヨ-!


「……」


ビッタン! ビッタン!


「……」


マ-ォ…マ-オッ!!


「……」




穂乃果「……ハァ」
 
3:(浮動国境) 2021/12/26(日) 22:54:00.20 ID:6WdYgk2z
高坂穂乃果は辟易していた。


この、自営者扶養家族の宿命とも言うべき、不動のひと時

謂わゆる、"店番"と言うヤツに。
 
4:(浮動国境) 2021/12/26(日) 22:55:35.42 ID:6WdYgk2z
穂乃果「……」


背後から聴こえてくる、下らないトーク番組のテレビ音声

ビッタンビッタンと、父が調理台に向かって、何かを発散する様に叩き付けている打撃音

そして、近所で野良猫がケンカしてる声以外
何もないのだから。

正面に見える引き戸が、ガラガラとその音を立てるまで、愚直な飼い犬の如く待ての姿勢を保たなくてはならない、私の足腰は

今まさに、風雲急を告げている状態なのにだ。
 
5:(浮動国境) 2021/12/26(日) 22:57:09.17 ID:6WdYgk2z
こんな、人生の浪費とも言える空虚極まりない時間を、如何にすれば、切り抜ける事が出来るのか。

考えに考え、無為な情報が、思考回路を文字通り電速の勢いで飛び交って行く内に

いつしか、思考を放棄している自分に気が付いた。


穂乃果「……」


そのくらい暇なのだ。
 
6:(浮動国境) 2021/12/26(日) 22:58:42.71 ID:6WdYgk2z
見ろ。お客なんて一人も来ないじゃないか。

客も来ない店を番するだなんて、空のお菓子箱を保存するくらい愚かな事だ

私の代わりに、野良猫を番台に置いていたって、文句を言いに来るヤツすらいないだろう

つまり、人件費の無駄なのだ。


穂乃果「……」


……まぁ、コレは借財返済の為の労働なのだが。
 
7:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:00:39.34 ID:6WdYgk2z
妹である高坂雪穂に、責の全てを投げ打ってしまう。それもまた、一つの手ではある

しかし、彼女も馬鹿ではない。

寧ろ、私よりも賢い可能性が微粒子レベルだが内包されている。

先日使ってしまったその手を、これ見よがしにまた使ってしまったのでは

それこそ、彼女の逆鱗に触れてしまう事は、確定的に明らかであるのだから、たまったものではない。


穂乃果「……」


本当に困った。
 
8:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:02:05.41 ID:6WdYgk2z
ガラガラガラッ

そうこうしている内に、この一人語りを遮る音が鳴り響いた

「……」

店にとっては待望の、私にとっては、嘆く足腰の抑圧解除宣言ともなる、もとい

お客が来たのだ。


海未「……」


……客ですら無かった。
 
9:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:05:21.78 ID:6WdYgk2z
海未「こんにちは。迎えに来ましたよ」


クソッ、

このトンチンカンは、またしても私に求婚しに来たらしい。


海未「穂乃果。女性がクソなどと言う、汚い言葉を使ってはなりません」

海未「だから、早く園田家に入りなさい」


この女は、前後に全く関連性を持たない文同士でも、"だから"を使えば、全て接続出来ると思っているらしい。

と言うか、誰のせいでこんな言葉使いになったと思っている。
 
10:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:06:58.67 ID:6WdYgk2z
「ホントだよ、まったく」

海未「!」


ことり「ねぇ〜?穂乃果ちゃ〜ん」


こう言う日に限って、二匹とも揃う。


ことり「大体さぁ〜、海未ちゃんはパーソナルスペースが狭過ぎるんだよぉ〜」

海未「それは貴方の事でしょう?」

ことり「ほらほら、右肩が不可侵領域に入りそうでぇ〜す、離れてくださ〜い」

海未「貴方の左足もそうです。あと一光年離れなさい」


私の鼻先数センチでコレを行われるものだから、不可侵とはなんぞや。と言う話になる。
 
11:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:08:37.70 ID:6WdYgk2z
海未「穂乃果、ほむまんと金鍔と貴方を下さい」

ことり「ことりは〜、のし梅とほのまんを下さ〜い♪」

海未「ことり!それは禁則事項ですよ!」

ことり「ちょ〜だぁ〜い♡」


嗚呼、神よ。

今この時だけ、私は無神論者をやめます。
なので、どうか私を救って下さい。

具体的に言えば、
この空気を打ち壊す人間を、この店に寄越して下さい。

……出来れば、近所の香水臭いオバさんだけは勘弁して欲しいです。
 
12:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:10:16.54 ID:6WdYgk2z
ガラガラガラッ


「ごめんく〜ださぁ〜い」


神よ、私は貴方の下へ改宗します。

何処のだか知らないけど、


「あの、入り口のノボリに書いてた"ほむまん"って言うの、頂きたいんですけど」


えぇえぇ、救世主さま。

貴方のお望みならば、饅頭の十個や百個、幾らでも差し上げ──

ん?
 
13:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:11:08.57 ID:6WdYgk2z
希「え?」

穂乃果「……」


この人、なんか見た事ある様な気が……


希「あのぅ」

ことり「ねぇ。この人、今ほのまん下さいって言ったよ」

海未「いいでしょう、表に出なさい」

希(な、なんなん?この人ら)

穂乃果「……」



……気のせいかな。
 
14:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:11:50.20 ID:6WdYgk2z
第壱話【世界は巡るも、また饅頭屋】
 
15:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:14:20.35 ID:6WdYgk2z
「あいしてゆ〜バンザーイ♪」


凛「……」


「ここで〜よか〜った〜♪」


花陽「……」


「わたし〜た〜ち〜のい〜まが〜♪こ〜こ〜に〜あ〜る〜♪」



西木野真姫、かく語りき。
 
16:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:14:50.42 ID:6WdYgk2z
「ふぅ」


凛「……」


「やっぱり、歌うのってストレス発散には最適よね」


花陽「……」


「そう。人生の大半はストレスで構成されているんだから、コレは必要な事なの」



西木野真姫、かく語りき。
 
17:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:15:38.78 ID:6WdYgk2z
「ストレスは思考を遮り、力を削ぎ、明日をも曇らせてしまう。生きとし生けるもの達の、宿敵とも言える障害よ」


凛「……」


「歌とは、そんな日々に与える、泡立てと濯ぎの繰り返し、禊ぎとも言うべき行為」

「そう、私は信じてるわ」


花陽「……」



西木野真姫、かく語りき。
 
18:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:16:10.34 ID:6WdYgk2z
「だから──」


凛「……」

花陽「……」


「ちょっと」


凛「……」

花陽「……」


真姫「なに見てんのよ」
 
19:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:16:33.93 ID:6WdYgk2z
第弍話【移動教室……】
 
20:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:17:09.50 ID:6WdYgk2z
「矢澤さん」


にこ「……」

絵里「今期の活動報告書、まだ提出されていないのだけれど」

にこ「……あぁ、後で適当に出しておくから」

絵里「今、提出して貰えないかしら?書類を纏めないといけないの」

にこ「あー、はいはい」

にこ「書くから、ちょっと待ってて」

絵里「早くしてちょうだい」

にこ「チッ」
 
21:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:17:52.79 ID:6WdYgk2z
絵里「……」

にこ「はぁ〜あ」ガタゴトッ

カリカリッ

にこ「ったく」スッ

絵里「……」

にこ「……」カリカリッ

絵里「……」

絵里「貴方、いつまでこんな所に居るつもりなの?」

にこ「……」ピタッ

にこ「……それ、どう言う意味で聞いてるわけ?」
 
22:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:18:49.07 ID:6WdYgk2z
絵里「そのまんまよ」

絵里「こんな、狭くて暗い部屋にたった一人で引き篭もってて」

にこ「……」

絵里「オマケに、もう部員集めすらしていないんでしょ?」

絵里「何がしたいの?」

にこ「ケンカ売りに来たんなら買うわよ、表に出なさい」

絵里「……」

にこ「人の事情も知らないで、偉そうに能書き垂れてるんだから、それなりの覚悟があって聞いたんでしょ?」
 
23:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:20:01.19 ID:6WdYgk2z
絵里「……事情ってなによ」

にこ「グダグタうるさいわねぇ」

にこ「いいから、さっさと表に出なs──」

グイッ

にこ「うっ!?」

バチンッ

にこ「ッッッ」

絵里「……」

にこ「……なによ、ここでやろうっての」

絵里「っ」
 
24:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:20:43.79 ID:6WdYgk2z
にこ「上等じゃないっ!!」バッ

「私はっ!!!」

にこ「!?」

絵里「私はっ……ただ、心配だから言ってるのっ!」

にこ「は、ハァ?」

絵里「こんな暗い部屋でっ、いつも一人ぼっちで居て……しかも、全然友達も作ろうとしないじゃない!」

絵里「こんなの、駄目よ……」

にこ「あ、アンタには関係ないでしょうが!」ガサッ
 
25:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:21:23.89 ID:6WdYgk2z
にこ「ほら!コレ持って、さっさと出て行きなさいっ!!」バッ

絵里「……」

にこ「〜っ」

絵里「……ねぇ、矢澤さん」

にこ「な、なにっ」

絵里「生徒会、入らない?」

にこ「ハァ?なんで私が」

絵里「まだ一年あるわ。私達と一緒に、楽しい思い出を作りましょう?」
 
26:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:22:26.54 ID:6WdYgk2z
にこ「……」

絵里「ね?」

にこ「……私は」

絵里「?」

にこ「私は、ここに居なくちゃいけないの」

絵里「……」

にこ「ここで、待ってなきゃならないのよ」

絵里「誰を?」

にこ「分からない。でも──」
 
27:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:22:59.89 ID:6WdYgk2z
にこ「もしかしたら、アンタも私が待ってる人たちの、一人なのかも知れない」

絵里「……」

にこ「……意味わかんない事言ったわね。忘れてちょうだい」

絵里「……」

にこ「……」

絵里「……じゃあ」


絵里「私が入部するわ」

にこ「!?」
 
28:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:23:33.16 ID:6WdYgk2z
第参話【ようこそ、プラティマ研究部へ】
 
29:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:36:01.94 ID:6WdYgk2z
世界は今、偶像に汚染されている。


「……ふふっ」


宿すべき神を失った空の器
それらを、只々盲目的に信仰する意思なき民


「さぁ、おいで下さい」


嘗て来たりし者たちの呼び声を
彼女もまた、崇拝する一人だった。


「蔓延った、異教の性を露わにしましょう」
 
30:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:36:29.99 ID:6WdYgk2z
連綿と繋がる時の境界を
しかし、そうと知って遡ること能わず。


「時の失せた虚ろを開けます。それは夜明けの鼓動です」

「感覚与件。一光秒。白色矮星。裏側」


一巡りした世界。
その中で、彼女だけが過去を継承出来た理由

それは、多元宇宙への同化によるものか
はたまた、人智を超えた者からの干渉なのか。
 
31:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:38:33.05 ID:6WdYgk2z
揺蕩う事象の、僅か隣に潜む混沌。
裏返した世界の恐怖を、未だ誰一人知らず

しかし、彼女だけは、
この空の器へ宿すべき本当の神を知る。


「……ふふっ、アッハッハッハッ!」


そうして、いつしか無限とも言える時の中を
海面に漂い続ける海月の様に

意識もせず、頼りなく明日を手探る民を
彼女は嘲笑うのであった。


「アーッハッハッハッハッハッ!!!!」
 
32:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:39:36.50 ID:6WdYgk2z
「ははっ、は……」


有限とは、無限を証明する為の代償となり

この時間すらも、いつか地平の彼方への往路だと、理解する日が来るだろう。


「……」


いずれにしても


「〜っ」


今、この場で出来る事は、ただ一つ



理事長「……」

「ッッッ」


……早く、言い訳を考えなければならない。
 
33:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:40:20.09 ID:6WdYgk2z
第肆話【「あの子、この間も来てたよね」「どうする?例の人呼ぶ?」】
 
34:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:41:57.28 ID:6WdYgk2z
脳内神経回路を組み替えた事により、前世の記憶を取り戻すことに成功した、星空さん。

前の世界、全てがリセットされる直前に、惜別の涙と共に誓い合った未来

それを、嘗ての仲間達に伝える為、万感の思いを胸に、親友達の元へとキャタピラを駆動させていた。

しかし、星空さんの突然の豹変ぶりに驚いた小泉さんが、進歩派による排他的行為と勘違いしてしまい、総括の名の下、渾身のバックドロップを彼女の頭蓋に決めた。

後頭部を強かに打たれた事により、彼女の脳内回路は、大脳基底核に当たる"ニャンコロ・サーキット"の一部が破損した事で、著しく倫理観を欠いてしまった。
 
35:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:43:12.82 ID:6WdYgk2z
ワードサラダの如く、支離滅裂な言葉を発し続ける星空さんを尻目に

修繕が不可能ならば、いっそ封じ込めてしまおうと、自前の炊飯ジャーを開けて謎の文言を唱え始める小泉さん。

そこで立ち上がったのが、我らが園田さん。

温故知新とばかりに、星空さんの頭を叩き回して、一時的な機能改善を図ったのだが

最後の一撃、園田流・強制解脱剣が痛烈な仇となってしまい

ついさっき、星空さんの目からはハイライトが消え失せた。
 
36:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:44:44.00 ID:6WdYgk2z
壊れゆく星空さん
唱える小泉さん
とっても西木野さん

余裕の園田さん
憤る南さん
騒ぐ高坂さん

玩具の矢澤先輩
蔓延る東條先輩
たぶん絢瀬先輩


しかし、なんの因果だろうか

九柱の女神は、再び出揃ったのであった。
 
37:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:45:09.42 ID:6WdYgk2z
第伍話【私の顔見るたびにパン屋パン屋って言うけど、それ合いの手みたいに聞こえるからやめてくれる!?】
 
38:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:54:31.82 ID:6WdYgk2z
クサい。


穂乃果「……」


放課後の理事長室前で、それは不意に臭った。


海未「……」


新生・プラティマ研究部として活動する為の、資金捻出を画策した際の一案として

理事長室の襲撃。と言う項を実行しようとしていた、九人の愚か者たち。
 
39:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:55:19.85 ID:6WdYgk2z
絵里「……」


しかし、いざ踏み込まんとした、その瞬間
ソレは、鼻腔を刺突した。


希「……」


言いようのない、例える事の出来ない臭い


真姫「……」


しかし、生物由来の臭いでない事だけは
皆、直感で理解出来た。
 
40:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:56:23.94 ID:6WdYgk2z
にこ「……」


この、格式ばったドアの向こうから立ち込めてくる悪臭


凛(機能停止中)「」


それは、天然ガスや廃油のものでも無ければ
化学反応で発生した、気体特有の刺激臭などとも違う。


花陽「……」


コレがなんなのかは分からない。だが臭う。

クサい、クサ過ぎるんだ。
 
41:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:57:39.44 ID:6WdYgk2z
ことり「……っ」


そして、


ことり「〜っ」


この騒動の真相を知る者が──



ことり「ッッッ」



ここに一人。
 
42:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:58:03.21 ID:6WdYgk2z
第陸話【理事長室のアレ】
 
43:(浮動国境) 2021/12/26(日) 23:59:07.01 ID:6WdYgk2z
全日本『木の皮ソムリエ』選手権。東日本ニガスギルファイナルにて、見事優勝を果たした、我らが絢瀬先輩。

残すところ、全国カタスギルファイナルだけとなった彼女は、その栄光に人目も憚らず咽び泣いた。

そんな友人の下へと駆け寄り、泣き濡れた頬を優しく拭った西木野さんは、功績への誉れと労いの言葉を、こうあかした。

「よくよくあなたに言っておく。あなたが求めているものが、皆の求めているものではない。ポンコツとは、人のあかしを受け入れない者の事だ」と。

彼女の言葉を聞くや否や、怒り心頭となった絢瀬先輩のオツムは、アイス・ブルーの血管と沸騰した血液が反応を起こし、その場で水蒸気爆発を起こした。
 
44:(浮動国境) 2021/12/27(月) 00:01:08.59 ID:96UOHXGM
一方。ネオンサインが光る街中で、電灯の明滅と共に見え隠れする、東條先輩を他所に

兼ねてから、幻想を抱いていた大人の社交場へと、遂に足を踏み入れた高坂さん。

その道すがら、怪しげなスカウトの言葉巧みな勧誘に引っ掛かった挙げ句

一時間半後には、夜の蝶としてハゲだぬきとの一糸乱れた社交ダンスに、性を尽くす羽目となった。

そこで、淫行破廉恥許すまじ。と腰を上げたのが、我らが園田さんと南さん。
 
45:(浮動国境) 2021/12/27(月) 00:02:30.52 ID:96UOHXGM
明滅を繰り返す東條先輩より、この報を受けた時の彼女たちは、正に悋気の火の玉と化していたそうで

太刀と薙刀を帯びた出立ちの下、ツユと散らんばかりに、桃色ダンスホールへと二人斬り込んだのであった。

約一刻もの間続いた、血で血を洗う抗争の果てに、白装束を下手人の血で染め上げ、薄暗いホールに立ち尽くしていた御両人。

その戦い様は、吉良邸へと討ち入った赤穂浪士の如く、

まさに、悪鬼羅刹の様相だったと言うのだから、華の女子高生侮ることなかれ。
 
46:(浮動国境) 2021/12/27(月) 00:04:06.06 ID:96UOHXGM
そして、楽屋の隙間からこの惨状を観察していた、高坂さんの愛らしいおべべも、一部、香梅の様に染まっていた事につきましては

彼女の名誉の為にも、言及は控えて置きましょう。


──斯くして、

闇夜を切り裂く二つの閃光と、全国を目前に散った、一台のポンコツの物語は


これにて、終いとさせて頂きたく候う。


ー希瓦版・東京散策劇合戦ノ譚ー
 
47:(浮動国境) 2021/12/27(月) 00:04:59.08 ID:96UOHXGM
第漆話【……さっきさ、東條先輩の前で『一人暮らしって羨ましいです!エグいオナラし放題でしょ!?』って言ったら殴られたんだけど】
 
51:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:15:48.84 ID:0AdchISe
「──どう言うつもりなの」
 
52:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:16:17.84 ID:0AdchISe
穂乃果「ねぇ」

ツバサ「……」

穂乃果「なぜ、私になんの断りもなく、トッポを食べちゃったのかって聞いてるの」

穂乃果「喜び勇んで、開封したお菓子箱が空っぽだった時の私の気持ち……君に分かる?」

穂乃果「答えてよ、ツバきゅん」

ツバサ「……」

穂乃果「……」

穂乃果「……それなら」ボウッ!
 
53:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:18:00.74 ID:0AdchISe
前回、エリンギのデーモンと戦った際に取り出した、炎の原木。

内に、莫大なる紅蓮の力を宿したソレを元に、育成した溶岩菌を取り込んだ彼女は

赤黒く沸き立つ陽炎を身に纏わせ、眼前に立つ少女を一山の灰に化さんと

その怒りを顕すかの如き、燃え盛る掌を翳した。
 
54:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:18:35.23 ID:0AdchISe
ツバサ「……」

穂乃果「ベタだけどさ、なにか言い残すことはある?」

穂乃果「まぁ、私とトッポへの謝罪なら聞かないけど」

ツバサ「……そうね」

ツバサ「じゃあ、死ぬ前に教えてあげるわ」

穂乃果「……」

ツバサ「貴方は、この世界が既に一巡りしている事実を覚えてる?」

穂乃果「は?」
 
55:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:19:13.00 ID:0AdchISe
泣き言を喚いてる顔に食らわせてやろうと、言葉を促したつもりでいたのだが

事もあろうに、このデクの棒は妄想全開の与太話をし始めたではないか。
 
56:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:20:02.59 ID:0AdchISe
穂乃果「なに言ってるの?」

ツバサ「前の世界、多元宇宙との完全同化に失敗した私は、自分と言う存在の大半を失う事になったわ」

ツバサ「人として、生物としての遺伝子を失いながら、私の情報は緩やかに事象の地平へと散って行った」

ツバサ「このまま、無限に続く過去に溶け去っていくのかと思った、その時」

ツバサ「私は、アレらと出会ったのよ」

穂乃果「……」

ツバサ「──嘗ての世界。そこで、東條希が最後に使ったスピリチュアル・カード」

ツバサ「その強大な力で、全ての因果を一巡させてしまう事になった元凶」


『旧支配者たち』
 
57:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:20:51.38 ID:0AdchISe
コレは駄目だ。

せめてもの情けとして、黄色い救急車を呼んでやろうかと、スマホに手をかけた彼女だったが


穂乃果「……」


もし、ここで呼んでしまったら、呼んだ人間も付き添いとして同乗しなければならないのか?
関係性を聞かれて、コイツの友人と答えなければならないのか?

そう、幾つか逡巡したあと


穂乃果「……」ポリポリッ


ポケットに入れた手で、お尻の左側を掻いて誤魔化した。
 
58:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:22:09.42 ID:0AdchISe
ツバサ「覚えはないかしら」

穂乃果「なに、そう言う病気なの?」

ツバサ「高位次元で星空さんと接触した時、貴方も居たはずなんだけどもね」

ツバサ「東條さんのカードが持つ力は、それほど途轍もない回帰性を内包しているって事かしら」

穂乃果「意味わかんない。さっきからなんの話をしてるの」

ツバサ「……宵の明星。そのすぐ側に潜む、裏側の白色矮星」

ツバサ「燦然と輝いた、嘗ての名残が消える時、貴方は、この星の新たな光となる為に地上を去ったのよ」

ツバサ「本当に、なにも覚えていないの?」
 
59:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:23:04.51 ID:0AdchISe
なにやら、ごちゃごちゃと捲し立てているが、決して忘れたりはしない

今の私は、最後まで恨みたっぷりだから。
 
60:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:24:21.34 ID:0AdchISe
穂乃果「もういいかな?」

ツバサ「!」

穂乃果「そろそろ、その薄汚い顔にコレを喰らわせたいんだけど」

ツバサ「……まだ早かったみたいね」

ツバサ「いいわ。ここは一旦締めましょう」

穂乃果「そうだね。締めようか」スッ

ツバサ「……」

穂乃果「私に美味しく食べられる筈だった命が、私の所へ還ってくるまで」 

ツバサ「ふふっ」


──刹那、
 
61:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:25:48.30 ID:0AdchISe
ピシッ


穂乃果「!」


透明な亀裂が、目前の空間に奔った。


穂乃果「なっ……!?」

ツバサ「あはは」


光は、正しく私の元へは届かず
ヒビを伴った、彼女の微笑む顔は


「 ア ハ ハ ハ 」


ただ、不自然に歪んでいた。


………………
………

 
62:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:26:39.57 ID:0AdchISe
第玖話【時間経過表記って便利でいいですね。ディアボロの気持ちが少し分かりました】
 
63:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:29:08.93 ID:0AdchISe
「どうか気付いて下さい」

「私達はまだ、明日の先への麓にすら立っていないと言う事を」


「どうか知って欲しいの」

「私達の未来は、その他の犠牲の中でこそ、幸せに辿り着くんだって事を」


「どうか分かってください」

「私達に与えられた時間は、遠い過去から削ぎ落とした残滓だって事を」


「どうか無駄にしないで」

「私達のいる場所は、捨てられたものたちの亡骸で形成されている事を」
 
64:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:29:37.84 ID:0AdchISe
「私達は見ていた」

「一人、泣き続けた遺児の最後を」


「私達は聞いていた」

「ただ、物乞いをした彼と銃声を」


「私達は感じていた」

「いま、この瞬間にも沸く痛みを」


「私達は生きていた」

「この、小さく渦巻いた世界の中」
 
65:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:30:34.43 ID:0AdchISe
意識は始まりへと向う。


生と言う逆境に於ける、ほんの小さな安息の場を求めて

私達は、この隧道の終わりへと旅する。

そうして、巡礼の果てに見つけ出した、一筋の光を手に、歩き続けた道すがらで

──それを見つけたのだ。


失くしてしまった、過去からの約束事。
 
66:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:31:06.70 ID:0AdchISe
「……私は、このカードを使う」

『いつか、何もかもを思い出す日が来ても』


「みんなとの全ての出会いを、最初から無かったことにするんだ」

『例え、後悔に泣き濡れたとしても』


「これまでの思い出も、楽しかった毎日も、全部」

『全てを終わらせる、その引き金になろうとも』


「……それでも」
『……それでも』


みんなを、愛してるよ。
 
67:(浮動国境) 2021/12/27(月) 20:31:34.94 ID:0AdchISe
第拾壱話【ガガガ、ガピーッ……ワガナハ、ホシ・ゾラリン。メグルセカイノトコウシャナリ。キョウハ、シンユウタチヘツタエネバナラヌコトガアル!ニャ!】
 
68:(浮動国境) 2021/12/27(月) 22:11:45.08 ID:0AdchISe
ヤツだった。


穂乃果「ッ」


前の世界。高位次元からの生還を果たした際、高坂さんと星空さんが引いた、存在の軌跡

その光の筋に意識を誘引し、旧神どもを私達の世界へと顕現させた、真の敵

綺羅ツバサ。
 
69:(浮動国境) 2021/12/27(月) 22:12:25.83 ID:0AdchISe
海未「……」

ことり「〜っ」


しかし、今や彼女の体は虚ろである。

綺羅ツバサの残滓を残した、この時空だけの存在ではない何かが、ひび割れた空の下に佇んでいたのだ。
 
70:(浮動国境) 2021/12/27(月) 22:12:54.83 ID:0AdchISe
にこ「ぐっ」

絵里「ッッッ」


A-RISEと言う隠れ蓑を利用して、自身の情報を複製し続けていたヤツにとって、仲間などとはどうでも良く、

ただ、宇宙の原初を探求する為の贄としか、認識していなかった。
 
71:(浮動国境) 2021/12/27(月) 22:13:23.31 ID:0AdchISe
花陽「×2°○〆=8tMや[9☆☆」

凛(修理完了)「ピガガッ、ケンチフノウノクウカンガトツジョハッセイ!ニャ!」

真姫「今日は晴れね」


今や、この世界に偶像は要らない。

宿すべき神は、もはや明日なき民のすぐ隣に御座せられるのだから
 
72:(浮動国境) 2021/12/27(月) 22:13:47.02 ID:0AdchISe
希「……愚かやな」


時を歪め、虚空の坩堝を生み出す、我ら有機生命体とは完全に異なる存在

物質に依存せず、感覚与件を経由しない、我々の認識する現象界の外側に坐する、混沌の支配者たち

全ては、思念の園へ回帰して行くのだろう。
 
73:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:03:46.39 ID:EfmYg2ru
希「肉体を持つウチら人間が、外の神さまと共鳴するなんてのは、本来あっちゃならない事なんよ」

穂乃果「……」

希「見てみぃ」

穂乃果「!」

希「彼女を認識する為の時空が、実は、奴らを呼び寄せるだけの導。この星への入り口に過ぎんかったんや」

希「奴らは待っとるんよ。あの子が引く軌跡が、自分らの足元へ届くのを」
 
74:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:04:21.53 ID:EfmYg2ru
凛「ガピーッ!」

凛「チンアツタイショウ[キラ・ツバサ]ヲコウセイスルヨウソノウチ、ヤク71%ノソンシツヲカクニン!ニャ!」

穂乃果「そんな事より、まだアイツからトッポ返して貰ってないんだけど」

ことり「穂乃果ちゃんが見えますっ!」

海未「それさえ分かれば充分です」

穂乃果「黙って」

にこ「てゆーか、どーすりゃいいのよ!」
 
75:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:05:29.07 ID:EfmYg2ru
にこ「ツバサは立体映像みたいになってるし!学校はなんかボロボロだし!」

絵里「Я злюсь сейчас!!!」プンスカ!

にこ「オマケに、コイツらはこんなんだし!」

絵里「Потому что Нико оскорбил меня.!!!」プンスカ!

花陽「$+:=<々+・63^・9-」

真姫「よくよくアナタ方に言っておく。この星を育むのには、四十六億年もの時が費やされています。だのに、アナタ方は数日のうちにそれを壊すのですか」

凛「チンアツタイショウ[キラ・ツバサ]シュウヘンノ、ゲンジツワイキョクリツガ、ゲンザイ1・48ニタッシテイマス!ニャ!」
 
76:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:06:25.95 ID:EfmYg2ru
にこ「あーあ。どいつもコイツもあーあ!」

穂乃果「すっごく分かるよ、その気持ち」

海未「矢澤……っ」

ことり「……」

真姫「ご婦人、その釜はしまいなさい。それを以ってなんとなるのでしょう」

花陽「!」

花陽「……無念なり」

絵里「Запросить извинения!!!」プンスカ!
 
77:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:07:22.38 ID:EfmYg2ru
凛「テキタイイシヲカクニン。チンアツタイショウヲ[キラ・ツバサ]カラ[アヤセ・エリ]ニヘンコウ。ムリョクカヲジッコウシマス!ニャ!」ガチャ!

絵里「Извините!!!」ズザッ

穂乃果「みんな落ち着いてっ!!」

穂乃果「とにかく、先ずはあのボヤーンってしてる泥棒女を、元に戻せばいいんでしょ!?希ちゃん!」

希「そうやな。外神をこの地球に呼び寄せない為の、一番手っ取り早い方法がそれや」

希「まぁ、一番の難関でもあるんやけど」

穂乃果「よぉ〜し……」


穂乃果「やってやるっ!!」
 
79:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:18:41.77 ID:EfmYg2ru
〈コウサカ・ホノカ〉

体力 :195
持久力:87
力こぶ:可愛い
速さ :13s/100m
うた声:ソプラノ
ダンス:ド派手
お菓子:トッポ。ドンタコス。


〈トージョー・ノゾミ〉

体力 :204
持久力:91
力こぶ:意外とある
速さ :(サラシ有)14s/100m(サラシ無)21s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:控えめ
お菓子:アポロの下だけ


〈アヤセ・エリ〉(KKE)

体力 :231
持久力:104
力こぶ:ちょっと
速さ :13s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:派手
お菓子:ムラヴェイニク
 
80:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:19:33.69 ID:EfmYg2ru
〈アヤセ・エリ〉(PKE)

体力 :231
持久力:104
力こぶ:こんぶ?好きじゃないわ。
速さ :20m地点で転ぶ為、測定不能。
うた声:ドレミファどん!
ダンス:イクラってロシア語なのよ?知ってた?
お菓子:お○ん○んチョコレート


〈ミナミ・コトリ〉

体力 :210
持久力:81
力こぶ:たんとある
速さ :15s/100m
うた声:ソプラノ
ダンス:派手
お菓子:穂乃果の◾︎◾︎


〈ソノダ・ウミ〉

体力 :202
持久力:105
力こぶ:いちだんとある
速さ :13s/100m
うた声:アルト
ダンス:かなり控えめ
お菓子:穂乃果の◾︎◾︎◾︎
 
81:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:20:09.02 ID:EfmYg2ru
〈ヤザワ・ニコ〉

体力 :170
持久力:90
力こぶ:可愛すぎ
速さ :15s/100m
うた声:アルト
ダンス:派手
お菓子:おしどりミルクセーキ。千歳飴。


〈ホシゾラ・リン〉

体力 :186
持久力:233
力こぶ:可愛いにゃ
速さ :12s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:派手
お菓子:紗々。じゃがりこ。


〈ホシ・ゾラリン〉(改造済)

体力 :552
持久力:1321
力こぶ:硬すぎる
速さ :3s/100m
うた声:ビープ音
ダンス:ガシャガシャ
お菓子:ペトロナス(シンティアム モト)RS4
 
82:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:20:50.08 ID:EfmYg2ru
〈コイズミ・ハナヨ〉

体力 :206
持久力:77
力こぶ:意外とある
速さ :16s/100m
うた声:ソプラノ
ダンス:かなり控えめ
お菓子:雪若丸3kg


〈ニシキノ・マキ〉

体力 :228
持久力:94
力こぶ:いちだんとある
速さ :16s/100m
うた声:ソプラノ、アルト
ダンス:派手過ぎる
お菓子:は?トマトもお菓子でしょ。夏野菜?イミワカンナイ。


【キラ・ツバサ】

体力 :ー
持久力:ー
力こぶ:ー
速さ :ー
うた声:ー
ダンス:ー
お菓子:穂乃果のトッポ
 
83:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:21:31.30 ID:EfmYg2ru
〈ホノカ〉のこうげき!

ツバサのスネをけっぽった!

しかし、それはすり抜けていった……。


〈ホノカ〉のこうげき!

ツバサのあしをふんづけた!

アリがいっぴき、てんにめされた……


〈ホノカ〉はアイテムをつかった!

ドンタコスをしょーひした!

手がベタベタだ……
 
84:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:22:51.21 ID:EfmYg2ru
〈ホノカ〉の足が、ツバサの足とくっ付いた!

〈ウミ〉と〈コトリ〉はプンプン丸!


〈ウミ〉のラブアローシュート41!

ドンタコスにあたった!


〈コトリ〉のメガトンパンチ!

トッポがくだけた!


〈ホノカ〉はプンプン丸!
 
85:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:23:32.03 ID:EfmYg2ru
〈ハナヨ〉はすいはんきのフタを開けた!

なかには、炊きたてのはくまいが入っていた!


〈ニコ〉はスキルをはつどうした!

たきたてのはくまいを料理した!

ごくじょーパエリアができあがった!


〈マキ〉はスキルをはつどうした!

ごくじょーパエリアを料理した!

〈ニコ〉はせんとうふのうになった……
 
86:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:24:35.32 ID:EfmYg2ru
〈ゾラリン〉のこうげき!

【ネコライザーΔ】をつかった!

ちぇれんこふはんのうにより、からだが青じろく光りだす……

りゅーしかそくき、かどうりつ100%

【ネコライザーΔ】はっしゃ!

こうそくのかでんりゅうしが、ツバサをおそう!

グラウンドにあながあいてしまった!
 
87:(浮動国境) 2021/12/28(火) 22:25:17.90 ID:EfmYg2ru
〈エリ〉K のこうげき!

ツバサのおなかをなぐった!

しかし、それはすり抜けていった……


〈エリ〉K のこうげき!

ツバサへまわしげりをはなった!

ずっこけてあたまをうってしまった!


〈エリ〉P はアイテムをつかった!

お○ん○んチョコレートをとりだした!

みんな引いている……
 
96:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:09:38.72 ID:j8L50cBr
〈ツバサ〉はたたずんでいる。

コレはからっぽだ。

こうげきしても意味がない。
 
97:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:10:05.60 ID:j8L50cBr
この像は、バッドエンドをないほうしている……
 
98:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:11:02.75 ID:j8L50cBr
──────
───



「ハァッ!ハァッ、はぁ……っ」


穂乃果「くっそ〜!」

希「……」

凛「ガガッ、タイショー[キラ・ツバサ]ニヘンカハミラレナイ!ニャ!」

絵里「ねぇ、もうアレ捨てたから……お願いだからコッチ来てよぉ……」

真姫「近寄らないで下さい」

花陽「お米返して下さい」

海未「にこっ!!これ以上穂乃果をアレに近寄らせないで下さいっ!!」

ことり「○してやるっ……絶対に○してやる……っ!」

にこ「ッッッ」
 
99:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:12:22.24 ID:j8L50cBr
刻一刻と、拡がり来る偽りの空。

そこには、光も陰も生まれず、人々の幸と不幸、善と悪すらも飲み込まれて行く様が、只々映し出された

空は、終わりを示す色を纏いだしている。
 
100:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:13:58.95 ID:j8L50cBr
にこ「なによこれ!こんなのどうしようもないじゃないの!」

希「……前回は、穂乃果ちゃんと凛ちゃんが一つ上の次元に干渉出来たお陰で、辛うじて奴らと闘う事が出来たワケやけど」

希「今は、ウチの持ってる大アルカナしか対抗する手段がない」

穂乃果「……」

希「だから、言ったんだよ。ここが、一番の難関やって」

絵里「アレ貰ったやつだからね?本当よ?私が買ったんじゃないから……」

真姫「よくよく言っておく。わたしは自分の見たこと、聞いたことをあかしている。貴方は、わたしのあかしを受け入るべきだ」
 
101:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:15:03.86 ID:j8L50cBr
にこ「じゃあ、本当にもう打つ手はないってこと!?」

希「……」

希「無い事はない」

にこ「え?」

希「……」

穂乃果「!」

穂乃果「ダメ!」

希「!?」

穂乃果「アレを使っちゃったら、また同じ事の繰り返しになるんだよ!?」

穂乃果「また、離れ離れになっちゃうんだよ!?」
 
102:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:16:08.83 ID:j8L50cBr
希「せやかてホッノ」

希「このままじゃ、どうしたってこの星の存在ごと消されるんを、ただ待つだけやで?」

海未「なんですか、その呼び方はっ」イライラ

ことり「さまを付けなよ?タヌキ女」ムカムカ

にこ「……凛」

凛「テキタイイシヲカクニン。タイショウ〈ソノダ・ウミ〉〈ミナミ・コトリ〉ヘチンセイザイヲトウヨシマス!ニャ!」バシュ!

海未「うっ!?」

ことり「あぅっ!」

ドサッ

穂乃果「……」
 
103:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:17:10.53 ID:j8L50cBr
輪廻を経て、もう一度転生を果たす事が出来るのならば

或いは、私たちの生きた道、その軌跡をもう一度辿れるのかも知れない。

……しかし、
 
104:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:18:51.50 ID:j8L50cBr
穂乃果「いいのかな」

希「え?」

穂乃果「私たちは、本当にそれでいいのかな」

穂乃果「仮に、もう一度やり直したとして、また同じ失敗を繰り返すだけなんじゃないの?」

希「……」

穂乃果「そもそも、次は出逢えないかも知れない」

穂乃果「私たちのうち、誰か一人でも欠けたら、此処へ立つ事すら叶わなくなる」

穂乃果「そうしたら、今度こそ何もかも消されちゃうんだよ」
 
105:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:20:27.44 ID:j8L50cBr
にこ「お、終わりだわ……っ」

希「っ」

にこ「こんなの、もうどうしようもないじゃない……っ」

真姫「私ト和解セヨ。サスレバ与エラレン」

凛「ジクウカンコウジョウセルガ、ソノイキチニタッシマシタ。コレヨリ、サンジゲンクウカンヘノシンショクガハジマリマス!ニャ!」

希「……けっきょく」

希「望みは無かったって、そう言うことなのかな」

穂乃果「……」
 
106:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:27:23.74 ID:j8L50cBr
綺羅ツバサと言う存在は、いよいよその器を境界とする役目を担い始めた。

これにより、地上は混沌の坩堝を生み出し、時を創れぬ空間が、やがて日常を侵食して行くだろう。

この世の凪を破った、異界より來し住人たちの再誕を謳う、偽りの宇宙

暗く、暗く、

それは、遥か淀みより這い出し、ソレを持って終わりと定める絶対の存在

私達の未来は、ここに絶望の時を迎えるのだろうか……



穂乃果「……」
 
107:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:27:48.98 ID:j8L50cBr
──否、
 
108:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:28:22.50 ID:j8L50cBr
穂乃果「……あの、宵の明星」

希「!」

穂乃果「そこを起点にして、影の刺す方へ七と二分の一光秒進んだ先、その裏側にある白色矮星」

穂乃果「星の寿命が終わる、正にその時に生まれる事象の地平の彼方に」

穂乃果「前の私と凛ちゃんが触れた、一つ上の次元への入り口があるんだ」

にこ「な、なに言ってんのっ」

真姫「……」
 
109:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:30:14.19 ID:j8L50cBr
穂乃果「そこで、今よりも上の存在になる事が出来れば……」

穂乃果「もしかしたら、神さまに対抗する力が生まれるかも知れない」

凛「ガピーッ!」

凛「ジゲンカントコウノサイニ、ボウダイナエントロピーガハッセイスルトヨソクサレル!」

希「……」

凛「ソノエネルギーハ、キワメテフカギャクセイノタカイモノデアリ、シツリョウ1.9891×10ノ30ジョウkgノテンタイガ、ジコホウカイシタサイニウマレルモノト、ホボドートートオモワレル!ニャ!」
 
110:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:46:44.17 ID:j8L50cBr
穂乃果「……前は、私一人でやろうとして、そして失敗した」

希「……」

凛「シッパイノヨウイン。ソノモットモカノウセイガタカイモノトシテ、リジチョウシツノアレガガイトウスル!ニャ!」

ことり「!?」

海未「ことり?」

にこ「……」

穂乃果「でも、大丈夫」

穂乃果「今はみんながいる!」

花陽「ほ、穂乃果ちゃん……」

真姫「穂乃果……」

絵里「Пожалуйста, помогите кому-нибудь……」
 
111:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:48:18.70 ID:j8L50cBr
穂乃果「……じゃあ、凛ちゃん」

穂乃果「お願いするね」

凛「ガピッ!」

凛「【ネコステイシス】キドウ。ヨイノミョージョー、キンセイヨリ2,248,443,382.5mチテンヘポータルヲセツゾク!ニャ!」ガション!

凛「ピーゴーガリガリッ、ピーゴーガリガリッ……」

凛「セツゾクカンリョウ。カイメンジョウタイハリョウコウ。コレヲイジシマス!ニャ!」

希「っ……っっ」

にこ「ぅあ……ま、真っ暗……っ」

花陽「むっ、向こう側が見えない……」
 
112:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:51:15.51 ID:j8L50cBr
一巡りしたこの世界で、また同じ存在として産まれた事の意味

そこに、生と存在の答えがあるとするなら

ならば……


今こそ、新しい光となろう。


我ら九つの柱が、この星の光として君臨し、迷える人々の、その先を照らし続けようではないか。
 
113:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:53:44.23 ID:j8L50cBr
穂乃果「……ごめんね、みんな」

穂乃果「私、一人じゃなんにも出来ないの」

穂乃果「何か初めて、その度に失敗して、挫折して……」

穂乃果「みんなが居ないと、ホントに何にも出来ない、ダメな人間なんだ……」

穂乃果「だから……お願い……っ!」



嘗て、ひとり孤独に闘おうと足掻いた、この世界の結末を、今度は、私たち全員で

──そうすれば、きっと。
 
114:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:58:40.31 ID:j8L50cBr
「大丈夫」

にこ「何処にいたって、私らは一緒よ」

「そうね、変わるわけないわ」

真姫「ここで産まれて、育った限りはね」

「そうですね」

海未「今度こそ、この赤い糸は離しませんよ」

「てゆ〜かぁ」

ことり「もう、糸を辿る必要もないかもねぇ〜」
 
115:(浮動国境) 2022/01/02(日) 23:59:17.39 ID:j8L50cBr
「ご、ゴールがあるのなら……」

花陽「後は、頑張って走るだけですっ」

「Подождите минутку」

絵里「Я снова вернулся!?」

「ガガッ」

凛「ワレワレハツネニ、イッテイノシツリョウヲタモッテ、コノセカイヲメグッテイル。ソレハ、タダツクリカエラレルダケナノニャ!」

「……そっか」

希「なら、コレから私達が向かう所も、そうだと良いね」
 
116:(浮動国境) 2022/01/03(月) 00:12:12.48 ID:VwmHeApf
穂乃果「……次に、あの日常が戻った時」

穂乃果「その時、私たちはこの空からみんなを見守ってる」

穂乃果「ここから、新しく始まる日々をね」

穂乃果「どの星よりも遥か遠い所から、それを見守ってるんだ」


にこ「〜っ」

真姫「……」

花陽「ッッッ」


穂乃果「……もう、思い残す事はない?」


海未「は、はいっ」

ことり「〜ッ」

絵里「Не может быть исправлено!!」

希「絢瀬うるさい」


穂乃果「……」

穂乃果「じゃあ、行こうか」


穂乃果「これから始まる、みんなの生活──」



「愛の人生のために」
 
117:(浮動国境) 2022/01/03(月) 00:12:55.88 ID:VwmHeApf
最終話【最終局面のところ申し訳ないのですが、今回で打ち切りだそうです】
 
118:(浮動国境) 2022/01/03(月) 00:13:07.89 ID:VwmHeApf
失礼しました。
 
119:(浮動国境) 2022/01/03(月) 00:21:04.10 ID:VwmHeApf
貼り直します。
戦闘BGM

前編です。
穂乃果「プレマ・ジバナ I 」
https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1611329369/

 

引用元: https://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/lovelive/1640526744/





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